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技術 流行関連株のためのインフルエンザワクチンレジメン

出願人 ノバルティスアーゲー
発明者 ニコラグロスエレナフラガパーネ
出願日 2015年6月16日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2015-120953
公開日 2015年9月10日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2015-163647
状態 拒絶査定
技術分野 医薬品製剤 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード チップキャップ 部品キット 定量測定値 規制要件 含油率 慢性病患者 利き腕 鳥由来
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年9月10日)のものです。
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課題

流行関連株のためのインフルエンザワクチンレジメンの提供。

解決手段

免疫化のために流行関連抗原が3〜4週間隔で与えられる公知のレジメンと対照的に、本発明によれば、2用量の流行関連抗原が1週間隔、2週間隔または6週間隔でヒトに投与される。したがって、本発明は、ヒトを免疫化するための方法であって、(a)流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第一のワクチンをヒトに投与するステップと、次いで1/2/6週間後に、(b)前記流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第二のインフルエンザワクチンを同じヒトに投与するステップとを含む方法を提供する。

概要

背景

流行しているインフルエンザウイルスサブタイプH1N1およびH3N2であるが、H5サブタイプが近い将来流行するかもしれないと予想されている。ヒト集団は新しい血球凝集素サブタイプに免疫学的にナイーブであるので、この抗原シフトはインフルエンザ流行の大発生を引き起こす。

インフルエンザ流行に備えて、流行前ワクチン接種戦略を用いることが提案されている。そのうちに起こるかもしれないいかなる抗原連続変異にもかかわらず、もたらされる免疫が流行発生時に有益であることを期待して、患者は現在のH5株(鳥由来)で免疫化される。2008年に、GlaxoSmithKlineのPREPANDRIX(商標製品が、ヒト流行前使用のために欧州で承認された。

PREPANDRIX(商標)製品は、2つの用量レジメンによって投与される。臨床試験では21日間隔で(すなわち0日目および21日目に)用量を投与したが、このレジメンは参考文献1でも報告されている。Sanofi Pasteurの流行前ワクチンも、0日目および21日目に投与されたことを参考文献2(非特許文献1)および参考文献3(非特許文献2)は報告している。Novartis VaccinesのAFLUNOV(商標)製品も、このレジメンによって投与されている[4]。同様に、参考文献5は、豪州のCSLのワクチンの21日2用量レジメンを報告し、同じレジメンは参考文献6で用いられた。参考文献7は21日2用量レジメンを用いる様々な試験を指摘しているが、28日レジメンも指摘している(参考文献8も参照)。マカクでの試験[9]では、0日目および27日目に2用量を投与した。一前臨床試験では、PREPANDRIX(商標)は0日目および24日目にウサギに投与された。

概要

流行関連株のためのインフルエンザワクチンレジメンの提供。免疫化のために流行関連抗原が3〜4週間隔で与えられる公知のレジメンと対照的に、本発明によれば、2用量の流行関連抗原が1週間隔、2週間隔または6週間隔でヒトに投与される。したがって、本発明は、ヒトを免疫化するための方法であって、(a)流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第一のワクチンをヒトに投与するステップと、次いで1/2/6週間後に、(b)前記流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第二のインフルエンザワクチンを同じヒトに投与するステップとを含む方法を提供する。なし

目的

本発明の目的は、例えば流行前免疫化のために、流行関連インフルエンザワクチンの投与のためのさらなる改善されたレジメンを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

明細書に記載された発明。

技術分野

0001

この特許出願は、2009年2月10日に出願された米国仮特許出願第61/207,371号(この完全な内容は、参考として本明細書に援用される)からの優先権を主張する。

0002

技術分野
この発明は、インフルエンザウイルス感染から保護するためのワクチン、特に、流行関連株からの抗原を含むワクチンを投与するためのレジメンの分野にある。

背景技術

0003

流行しているインフルエンザウイルスサブタイプH1N1およびH3N2であるが、H5サブタイプが近い将来流行するかもしれないと予想されている。ヒト集団は新しい血球凝集素サブタイプに免疫学的にナイーブであるので、この抗原シフトはインフルエンザ流行の大発生を引き起こす。

0004

インフルエンザ流行に備えて、流行前ワクチン接種戦略を用いることが提案されている。そのうちに起こるかもしれないいかなる抗原連続変異にもかかわらず、もたらされる免疫が流行発生時に有益であることを期待して、患者は現在のH5株(鳥由来)で免疫化される。2008年に、GlaxoSmithKlineのPREPANDRIX(商標製品が、ヒト流行前使用のために欧州で承認された。

0005

PREPANDRIX(商標)製品は、2つの用量レジメンによって投与される。臨床試験では21日間隔で(すなわち0日目および21日目に)用量を投与したが、このレジメンは参考文献1でも報告されている。Sanofi Pasteurの流行前ワクチンも、0日目および21日目に投与されたことを参考文献2(非特許文献1)および参考文献3(非特許文献2)は報告している。Novartis VaccinesのAFLUNOV(商標)製品も、このレジメンによって投与されている[4]。同様に、参考文献5は、豪州のCSLのワクチンの21日2用量レジメンを報告し、同じレジメンは参考文献6で用いられた。参考文献7は21日2用量レジメンを用いる様々な試験を指摘しているが、28日レジメンも指摘している(参考文献8も参照)。マカクでの試験[9]では、0日目および27日目に2用量を投与した。一前臨床試験では、PREPANDRIX(商標)は0日目および24日目にウサギに投与された。

先行技術

0006

Bressonら、Lancet(2006)367:1657〜64
Levieら、J Infect Dis(2008)198:642〜9

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、例えば流行前免疫化のために、流行関連インフルエンザワクチンの投与のためのさらなる改善されたレジメンを提供することである。

課題を解決するための手段

0008

用量が3〜4週間隔で与えられる先行技術のレジメンと対照的に、本発明によれば、2用量の流行関連インフルエンザ抗原が1週間隔、2週間隔または6週間隔でヒト被験体に投与される。

0009

したがって、本発明は、ヒトを免疫化するための方法であって、(a)流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第一のワクチンを前記ヒトに投与するステップと、次いでw週間後に、(b)前記流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第二のインフルエンザワクチンを前記ヒトに投与するステップとを含む方法を提供する。

0010

本発明は、この方法によってヒトを免疫化することにおいて使用するための、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第一のインフルエンザワクチンおよび第二のインフルエンザワクチンも提供する。

0011

本発明は、ヒトを免疫化することにおいて使用するための医薬の製造における、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原をそれぞれが含む第一のワクチンおよび第二のワクチンの使用であって、第一のワクチンおよび第二のワクチンは同じヒトにw週間隔で投与される使用も提供する。

0012

本発明は、ヒトを予備免疫化するための医薬の製造における、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第一のワクチンの使用も提供し、ここで、前記ヒトに、前記流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第二のワクチンがw週間後に投与される。

0013

本発明は、ヒトを免疫化するための医薬の製造における、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第二のワクチンの使用も提供し、ここで、前記ヒトに、前記流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第一のワクチンが前記第二のワクチンの投与のw週間前に投与されている。

0014

本発明は、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原をそれぞれが含む第一のワクチンおよび第二のワクチンを含むキットも提供し、ここで、前記第一のワクチンおよび前記第二のワクチンはw週間隔でヒトに投与される。

0015

wの値は、1、2または6である。
したがって、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
ヒトを免疫化するための方法であって、(a)流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第一のワクチンを上記ヒトに投与するステップと、次いでw週間後に、(b)上記流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第二のインフルエンザワクチンを同じヒトに投与するステップとを含み、wが1、2または6である、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法によってヒトを免疫化するのに使用される、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む、第一のインフルエンザワクチンおよび第二のインフルエンザワクチン。
(項目3)
ヒトを免疫化するのに使用される医薬の製造における、同じ流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原をそれぞれが含む第一のワクチンおよび第二のワクチンの使用であって、上記第一のワクチンおよび上記第二のワクチンは同じヒトにw週間隔で投与され、ここで、wは1、2または6である、使用。
(項目4)
ヒトを予備免疫化するための医薬の製造における、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第一のワクチンの使用であって、上記ヒトは、上記流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第二のワクチンをw週間後に受容し、ここでwは1、2または6である、使用。
(項目5)
ヒトを免疫化することにおいて使用するための医薬の製造における、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第二のワクチンの使用であって、上記ヒトは、上記流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む第一のワクチンを、上記第二のワクチンを受容するw週間前に受容しており、wは1、2または6である、使用。
(項目6)
同じ流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原をそれぞれが含む第一のワクチンおよび第二のワクチンを含むキットであって、上記第一のワクチンおよび上記第二のワクチンはw週間隔でのヒトへの投与のためのものであり、wは1、2または6である、キット。
(項目7)
上記第一のワクチンおよび上記第二のワクチンが両方とも不活化ウイルスワクチンである、前述の項目のいずれかに記載の方法、ワクチン、使用またはキット。
(項目8)
上記第一のワクチンおよび上記第二のワクチンが両方ともスプリットビリオンワクチンであるか、または両方とも精製された表面抗原ワクチンである、項目7に記載の方法、ワクチン、使用またはキット。
(項目9)
上記流行関連インフルエンザウイルス株がH5血球凝集素サブタイプを有する、前述の項目のいずれかに記載の方法、ワクチン、使用またはキット。
(項目10)
上記第一のワクチンおよび上記第二のワクチンに、スクアレンを含む水中油型エマルジョンアジュバントアジュバント添加されている、前述の項目のいずれかに記載の方法、ワクチン、使用またはキット。
(項目11)
上記エマルジョンサブミクロン油滴を有し、スクアレン、ポリソルベート80およびソルビタントリオレエートを含む、項目10に記載の方法、ワクチン、使用またはキット。
(項目12)
上記エマルジョンがサブミクロンの油滴を有し、スクアレン、DL−α−トコフェロールおよびポリソルベート80を含む、項目10に記載の方法、ワクチン、使用またはキット。
(項目13)
上記エマルジョンがサブミクロンの油滴を有し、スクアレン、水性溶媒ポリオキシエチレンアルキルエーテル親水性非イオン性界面活性剤および疎水性非イオン性界面活性剤を含む、項目10に記載の方法、ワクチン、使用またはキット。
(項目14)
上記第一のワクチンおよび上記第二のワクチンが両方ともチオメルサールを含まない、前述の項目のいずれかに記載の方法、ワクチン、使用またはキット。
(項目15)
上記第一のワクチンおよび上記第二のワクチンが約0.5mlの投薬容量で投与される、前述の項目のいずれかに記載の方法、ワクチン、使用またはキット。
(項目16)
上記第一のワクチンおよび上記第二のワクチンが筋肉内注射によって投与される、前述の項目のいずれかに記載の方法、ワクチン、使用またはキット。

0016

ワクチン
様々な形のインフルエンザウイルスワクチンが今日利用でき、ワクチンは、生ウイルスまたは不活化ウイルスに一般に基づく。不活化ワクチンは、全ビリオン、スプリットビリオン、または精製された表面抗原に基づいてもよい。インフルエンザ抗原は、ビロゾームの形で提示されてもよい。本発明は、これらの種類のワクチンのいずれかと共に用いることができるが、一般的に不活化ワクチンと共に用いられる。

0017

不活化ウイルスが用いられる場合、ワクチンは、全ビリオン、スプリットビリオンまたは精製された表面抗原(血球凝集素を含み、ノイラミニダーゼも通常含む)を含むことができる。ウイルスを不活化するための化学的手段には、以下の作用物質、すなわち界面活性剤ホルムアルデヒド、βプロピオラクトンメチレンブルーソラレンカルボキシフラーレン(C60)、バイナリーエチルアミンアセチルエチレンイミンまたはそれらの組合せの1つまたは複数の有効量による処理が含まれる。ウイルス不活化の非化学的方法は、例えば紫外線またはガンマ照射など、当技術分野で公知である。

0018

ビリオンは、ウイルスを含有する流体から様々な方法によって収集することができる。例えば、精製方法は、ビリオンを破壊するための界面活性剤を含む線形ショ糖勾配溶液を用いる、ゾーン遠心法を含むことができる。次に任意選択希釈の後、ダイアフィルトレーションによって抗原を精製することができる。

0019

スプリットビリオンは、「Tween−エーテル」分割工程を含めて、精製されたビリオンを界面活性剤(例えばエチルエーテル、ポリソルベート80、デオキシコレートトリ−N−ブチルホスフェートトリトンX−100、トリトンN101、臭化セチルトリメチルアンモニウム、Tergitol NP9など)で処理してサブビリオ調製物を生成することによって得られる。インフルエンザウイルスを分割する方法は当技術分野で周知であり、例えば参考文献10〜15などを参照されたい。ウイルスの分割は、感染性または非感染性の全ウイルスを、分割剤の破壊濃度で破壊または断片化することによって一般的に実施される。破壊はウイルスタンパク質の完全または部分的可溶化を生じさせ、ウイルスの完全性を変化させる。好ましい分割剤は、非イオン性およびイオン性(例えば陽イオン性)の界面活性剤、例えばアルキルグリコシドアルキルチオグリコシドアシル糖、スルホベタインベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、N,N−ジアルキルグルカミド、ヘカメグ(Hecameg)、アルキルフェノキシポリエトキシエタノール第四級アンモニウム化合物サルコシル、CTABセチルトリメチル臭化アンモニウム)、トリ−N−ブチルホスフェート、セタブロンミリスチルトリメチルアンモニウム塩リポフェクチンリポフェクタミンおよびDOT−MA、オクチル−またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えばトリトン界面活性剤、例えばトリトンX−100またはトリトンN101)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween界面活性剤)、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステルなどである。1つの有用な分割手順はデオキシコール酸ナトリウムおよびホルムアルデヒドの連続作用を用い、分割は初期のビリオン精製中に(例えばショ糖密度勾配溶液で)起こることができる。したがって、分割工程は、ビリオン含有物質浄化(非ビリオン物質を除去するため)、収集されたビリオンの濃縮(例えば、CaHPO4吸着などの吸着法を用いる)、非ビリオン物質からの全ビリオンの分離、密度勾配遠心工程(例えば、デオキシコール酸ナトリウムなどの分割剤を含むショ糖勾配を用いる)での分割剤を用いるビリオンの分割、次に望ましくない物質を除去するためのろ過(例えば限外ろ過)を含むことができる。スプリットビリオンは、リン酸ナトリウム緩衝等張性生理食塩水に有効に再懸濁することができる。PREPANDRIX(商標)、BEGRIVAC(商標)、FLUARIX(商標)、FLUZONE(商標)およびFLUSHIELD(商標)製品は、スプリットワクチンである。

0020

精製された表面抗原ワクチンは、インフルエンザ表面抗原血球凝集素および、一般的にノイラミニダーゼも含む。精製された形のこれらのタンパク質を調製する方法は周知である。AFLUNOV(商標)、FLUVIRIN(商標)、AGRIPPAL(商標)およびINFLUVAC(商標)製品が例である。

0021

不活化インフルエンザ抗原の別の形は、ビロゾーム[16](無核ウイルス様リポソーム粒子)である。ビロゾームは、界面活性剤によるインフルエンザウイルスの可溶化と、続くヌクレオカプシドの除去およびウイルス糖タンパク質を含む膜の再構成によって調製することができる。ビロゾームを調製するための代替法は、ウイルス膜糖タンパク質を過剰量のリン脂質に加えて、それらの膜にウイルスタンパク質を有するリポソームを与えることを含む。本発明は、INFLEXAL V(商標)およびINVAVAC(商標)製品の場合のように、バルクのビロゾームを保存するために用いることができる。ビロゾームH5N1ワクチンが公知である[17]。

0022

本発明のレジメンによって投与される第一のワクチンおよび第二のワクチンは、好ましくは同じ種類であり、すなわち両方とも不活性化されるかまたは両方とも生である。両方とも不活性化される場合、不活性化の型は好ましくは同じであり、すなわち両方とも完全ビリオンであるか、両方ともスプリットビリオンであるか、両方ともビロゾームであるか、または両方とも精製された表面抗原である。スプリットビリオンおよび表面抗原が好ましい。

0023

HAは現在の不活性化インフルエンザワクチンでの主な免疫原であり、ワクチンの用量は、一般的にSRIDで測定されるHAレベルを参考にして標準化される。既存の季節性ワクチンは一般的に1株につき約15μgのHAを含有するが、例えば小児のために、または汎流行の状態において、またはアジュバントを用いる場合、より低い用量を用いることができる。より高い用量(例えば3×または9×用量[18、19])が用いられていることと同様に、1/2(すなわち1株につき7.5μgのHA)、1/4(すなわち、PREPANDRIX(商標)のように3.75μgのHA)および1/8などの分割用量が用いられている。特記されている場合を除き、ワクチンは、流行関連インフルエンザ株由来の0.1〜150μgのHA、好ましくは0.1〜50μg、例えば0.1〜20μg、0.1〜15μg、0.1〜10μg、0.1〜7.5μg、0.5〜5μgなどを含むことができる。特定の用量には、例えば約45μg、約30μg、約15μg、約10μg、約7.5μg、約5μg、約3.75μg、約1.9μg、約1.5μgなどが含まれる。

0024

生ワクチンについては、投与はHA含有量ではなくメジアン組織培養感染量(TCID50)によって測定され、1株につき106〜108(好ましくは106.5〜107.5)のTCID50が一般的である。

0025

本発明のワクチンは、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む。インフルエンザAウイルスは、16個のHAサブタイプ、すなわちH1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15およびH16を現在提示する。流行関連インフルエンザ株の特性は、以下の通りである:(a)現在循環しているヒト株の血球凝集素と比較して新しい血球凝集素、すなわち10年を超える間ヒト集団で明らかでなかったもの(例えばH2)、またはヒト集団でそれ以前に全く見られていないもの(例えば、集団だけで一般に見出されているH5、H6もしくはH9)を含み、したがってワクチンのレシピエントおよび一般ヒト集団はその株の血球凝集素に対して免疫学的にナイーブである、(b)ヒト集団で水平感染することができる、ならびに(c)ヒトに病原性である。

0026

本発明で使用するための流行関連インフルエンザウイルス株は、一般的にH2、H5、H7またはH9のサブタイプ、例えばH5N1、H5N3、H9N2、H2N2、H7N1またはH7N7を有する。H5N1株が好ましい。H5サブタイプ内では、株はクレード0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であってよい。流行株は、H1サブタイプ(例えばH1N1)を有することができ、例えば、HAはA/California/04/09株と免疫学的に交差反応を起こしてもよい。

0027

上に述べたように、本発明のワクチンは、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原を含む。これはワクチンで唯一の抗原であってよく、または、流行関連インフルエンザウイルス株からの抗原に加えて、ワクチンは少なくとも1つの抗原を含むことができる。さらなる抗原(複数可)は、インフルエンザウイルスからのものであってよく、例えばインフルエンザAウイルスおよび/またはインフルエンザBウイルスからのものであってよい。例えば、ワクチンは、H1N1株、H3N2株および/またはインフルエンザBウイルス株からの抗原を含むことができる。この型の4価ワクチンは、参考文献20に開示されている。2つのインフルエンザAウイルス株からの抗原が含まれる場合、これらは共通のノイラミニダーゼサブタイプ、例えばH1N1およびH5N1を共有することができる。この共通のNサブタイプは、交差防御を増強することができる[21]。

0028

本発明で用いられる株は、野生型ウイルスで見出される天然のHAまたは改変HAを有することができる。例えば、ウイルスを鳥類の種で高病原性にする決定因子(例えばHA1/HA2切断部位のあたりの超塩基性領域)を除去するために、HAを改変することが公知である。

0029

本発明で用いられるインフルエンザウイルスは、リアソータント株であってもよく、逆方向遺伝学技法によって得られたものでもよい。逆方向遺伝学技法[例えば22〜26]は、プラスミドまたは他の人工ベクターを用いて、所望のゲノムセグメントを有するインフルエンザウイルスをin vitroで調製することを可能にする。一般的に、それは、(a)例えばpolIプロモーターまたはバクテリオファージRNAポリメラーゼプロモーター由来の所望のウイルスRNA分子をコードするDNA分子、および(b)例えばpolIIプロモーター由来のウイルスタンパク質をコードするDNA分子を発現させることを含み、この結果、細胞内の両種のDNAの発現が完全な無傷の感染性ビリオンの組立てをもたらす。DNAは好ましくはウイルスのRNAおよびタンパク質のすべてを提供するが、RNAおよびタンパク質のいくつかを提供するためにヘルパーウイルスを用いることも可能である。各ウイルスRNAを生成するために別々のプラスミドを用いる、プラスミドに基づく方法を用いることができ[27〜29]、これらの方法は、ウイルスタンパク質のすべてまたは一部(例えば、PB1、PB2、PAおよびNPタンパク質だけ)を発現させるためのプラスミドの使用も含み、一部の方法では最高12個のプラスミドが用いられる。必要なプラスミドの数を減少させるために、最近の手法[30]は、同じプラスミド上の複数のRNAポリメラーゼ転写カセット(ウイルスRNA合成のために)(例えば、1、2、3、4、5、6、7または全8個のインフルエンザA型vRNAセグメントをコードする配列)を、および別のプラスミド上のRNAポリメラーゼIIプロモーターを有する複数のタンパク質コード領域と組み合わせる(例えば、1、2、3、4、5、6、7または全8個のインフルエンザA型mRNA転写産物をコードする配列)。参考文献30の方法の好ましい態様は、(a)単一のプラスミド上のPB1、PB2およびPAのmRNAコード領域、ならびに(b)単一のプラスミド上の全8個のvRNAコードセグメントを含む。1つのプラスミドの上にNAおよびHAセグメントを含み、別のプラスミドの上に他の6つのセグメントを含むことも、事を促進することができる。

0030

ウイルスRNAセグメントをコードするためにpolIプロモーターを用いることの代わりに、バクテリオファージポリメラーゼプロモーターを用いることが可能である[31]。例えば、SP6、T3またはT7ポリメラーゼのプロモーターを、都合よく用いることができる。polIプロモーターの種特異性のために、バクテリオファージポリメラーゼプロモーターは多くの細胞型(例えばMDCK)により便利であることができるが、細胞は、外因性ポリメラーゼ酵素をコードするプラスミドによってもトランスフェクトされなければならない。

0031

他の技術では、ウイルスRNAおよび単一の鋳型からの発現可能なmRNAを同時にコードするために、二重のpolIおよびpolIIプロモーターを用いることが可能である[32、33]。

0032

したがって、インフルエンザAウイルスは、A/PR/8/34ウイルスに由来する1つまたは複数のRNAセグメントを含むことができる(一般的に、A/PR/8/34に由来する6個のセグメント、HAおよびNセグメントはワクチン株に由来する、すなわち6:2のリアソータント)。それは、A/WSN/33ウイルス、またはワクチン製剤のためにリアソータントウイルスを生成するために有用な任意の他のウイルス株からの、1つまたは複数のRNAセグメントを含むこともできる。インフルエンザAウイルスは、AA/6/60インフルエンザウイルス(A/Ann Arbor/6/60)からの6個未満(すなわち、0、1、2、3、4または5個)のウイルスセグメントを含むことができる。インフルエンザBウイルスは、AA/1/66インフルエンザウイルス(B/Ann Arbor/1/66)からの6個未満(すなわち、0、1、2、3、4または5個)のウイルスセグメントを含むことができる。一般的に、本発明は、ヒトからヒトへの感染が可能な株から保護し、したがってその株のゲノムは、哺乳動物(例えばヒト)のインフルエンザウイルスに由来した少なくとも1つのRNAセグメントを通常含む。それは、鳥インフルエンザウイルスに由来したNSセグメントを含むことができる。

0033

その抗原が組成物に含まれてもよい株は、抵抗性流行株を含め、抗ウイルス療法に抵抗性であってよい(例えば、オセルタミビル[34]および/またはザナミビルに抵抗性)[35]。

0034

インフルエンザウイルスは弱毒化されてもよい。インフルエンザウイルスは温度感受性であってもよい。インフルエンザウイルスは低温順応化されてもよい。これらの3つの特徴は、生きているウイルスを抗原として用いる場合に特に有用である。

0035

特に有用な株は、患者からの単離から細胞培養系での複製までの間のいかなる段階においても継代されていないものである。MDCK細胞は、単離からウイルス複製までのすべての工程で排他的に用いることができる。

0036

一部の実施形態では、本発明で用いる株は、Sia(α2,3)Gal末端二糖を有するオリゴ糖と比較して、Sia(α2,6)Gal末端二糖を有するオリゴ糖への結合優先性を有する血球凝集素を有する。ヒトインフルエンザウイルスはSia(α2,6)Gal末端二糖(ガラクトースに対するα−2,6連結シアル酸)を有する受容体オリゴ糖に結合するが、卵およびVero細胞はSia(α2,3)Gal末端二糖を有する受容体オリゴ糖を有する。MDCKなどの細胞でのヒトインフルエンザウイルスの増殖は、卵での継代と異なって、本来のSia(α2,6)Gal結合を維持するように血球凝集素に選択圧を加える。

0037

ウイルスが、Sia(α2,3)Gal末端二糖を有するオリゴ糖と比較して、Sia(α2,6)Gal末端二糖を有するオリゴ糖への結合優先性を有するかどうかを決定するために、様々なアッセイを用いることができる。例えば、参考文献36は、親和定数高感度定量測定値を与えるインフルエンザウイルス受容体結合活性のための、固相酵素結合アッセイを記載している。参考文献37は、2つの異なるシアリル糖タンパク質へのウイルスの結合が評価された(Sia(α2,3)Gal決定因子を有するオボムコイド、およびSia(α2,6)Gal決定因子を有するブタα2−マクログロブリン)固相アッセイを用い、さらに、2つの受容体類似体である遊離のシアル酸(Neu5Ac)および3’−シアリルラクトース(Neu5Acα2−3Galβ1−4Glc)に対してウイルスの結合が評価されたアッセイを記載する。参考文献38は、α2,3またはα2,6結合への受容体優先性を明らかに区別することができたグリカンアレイを用いるアッセイを報告する。参考文献39は、Sia(α2,6)GalまたはSia(α2,3)Galを含むように酵素で改変されたヒト赤血球凝集に基づくアッセイを報告する。アッセイの種類によって、ウイルス自体で直接に実施すること、またはウイルスから精製された血球凝集素で間接に実施することができる。

0038

一部の実施形態では、本発明で用いるインフルエンザ株は、卵由来のウイルスと異なるグリコシル化パターンを有する糖タンパク質(血球凝集素を含む)を有する。したがって、糖タンパク質は、鶏卵で見られないグリコフォームを含む。

0039

細胞系
本発明で使用するためのワクチンの製造では、ウイルス増殖のための基質としてSPF卵を用いることができ、その場合、ウイルスは鶏卵の感染尿膜腔液から収集される。しかし代わりに、インフルエンザウイルスの複製を補助する細胞系を用いてもよい。細胞系は、一般的に哺乳動物起源である。適する哺乳動物細胞起源には、それらに限定されないが、ハムスターウシ霊長類(ヒトおよびサルを含む)ならびにイヌの細胞が含まれるが、霊長類細胞の使用は好ましくない。腎臓細胞、線維芽細胞網膜細胞肺細胞などの、様々な細胞型を用いることができる。適するハムスター細胞の例は、BHK21またはHKCCという名称の細胞系である。適するサル細胞は、Vero細胞系の場合のように、例えば腎臓細胞などのアフリカミドリザル細胞である[40〜42]。適するイヌ細胞は、CLDKおよびMDCK細胞系の場合のように、例えば腎臓細胞である。

0040

したがって、適する細胞系には、それらに限定されないが、MDCK、CHO、CLDK、HKCC、293T、BHK、Vero、MRC−5、PER.C6[43]、FRhL2、WI−38などが含まれる。適する細胞系は、例えばAmerican Type Cell Culture(ATCCコレクション[44]から、Coriell Cell Repositories[45]から、またはEuropean Collection of Cell Cultures(ECACC)から広く入手可能である。例えば、ATCCは、目録番号CCL−81、CCL−81.2、CRL−1586およびCRL−1587で様々な異なるVero細胞を提供し、目録番号CCL−34でMDCK細胞を提供している。PER.C6は、寄託番号96022940の下でECACCから入手可能である。

0041

最も好ましい細胞系は、哺乳動物型のグリコシル化を有するものである。哺乳動物細胞系に対するあまり好ましくない代替形態として、カモ(例えばカモ網膜)または雌鶏に由来する細胞系を含む鳥類の細胞系でウイルスを増殖させることができる[例えば、参考文献46〜48]。鳥類の細胞系の例には、鳥類の胚性幹細胞[46、49]およびカモ網膜細胞[47]が含まれる。適する鳥類の胚性幹細胞には、ニワトリ胚性幹細胞に由来するEBx細胞系、EB45、EB14およびEB14−074が含まれる[50]。ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)を用いてもよい。しかし鳥類の細胞を用いずに、哺乳動物の細胞を用いることは、ワクチンが鳥類のDNAおよび卵タンパク質(例えばオボアルブミンおよびオボムコイド)を含まないようにすることができ、それによってアレルゲン性を低減させることを意味する。

0042

インフルエンザウイルスを増殖させるために最も好ましい細胞系は、Madin Darbyイヌの腎臓に由来するMDCK細胞系である[51〜54]。元のMDCK細胞系は、ATCCからCCL−34として入手可能であるが、この細胞系の派生株および他のMDCK細胞系を用いることもできる。例えば、参考文献51は、懸濁培養での増殖に順応させたMDCK細胞系を開示する(DSMACC2219として寄託されている「MDCK33016」)。同様に、参考文献55は、無血清培養での懸濁で増殖するMDCK由来の細胞系を開示する(FERM BP−7449として寄託されている「B−702」)。参考文献56は、「MDCK−S」(ATCCPTA−6500)、「MDCK−SF101」(ATCC PTA−6501)、「MDCK−SF102」(ATCC PTA−6502)および「MDCK−SF103」(PTA−6503)を含む、非腫瘍形成性MDCK細胞を開示する。参考文献57は、「MDCK.5F1」細胞(ATCC CRL−12042)を含む、感染に高い感受性を有するMDCK細胞系を開示する。これらのMDCK細胞系のいずれかを用いることができる。

0043

ウイルスは、接着培養または懸濁の細胞上で増殖させることができる。微粒子担体培養を用いることもできる。一部の実施形態では、細胞をこのように懸濁での増殖のために順応させることができる。

0044

細胞系は、好ましくは無血清培地および/またはタンパク質非含有培地で増殖させる。ヒトまたは動物起源血清からの添加物がない本発明の状況において、培地は無血清培地と呼ばれる。そのような培養で増殖する細胞は当然タンパク質自体を含むが、タンパク質非含有培地は、細胞の増殖(例えば感染前の)が、タンパク質、成長因子、他のタンパク質添加物および非血清タンパク質を排除して起こるものを意味すると理解されているが、ウイルス増殖のために必要かもしれないトリプシンまたは他のプロテアーゼなどのタンパク質を任意選択で含むことができる。

0045

インフルエンザウイルスの複製を補助する細胞系は、ウイルス複製の間、好ましくは37℃未満で増殖させる[58](例えば30〜36℃、または約30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃)。

0046

培養細胞でインフルエンザウイルスを増殖させるための方法は、細胞培養物に増殖させる株の接種材料接種するステップ、ウイルス増殖のために所望の時間、例えばウイルス力価または抗原発現の決定のように(例えば接種後の24〜168時間)感染細胞を培養するステップ、および増殖させたウイルスを収集するステップを一般に含む。培養された細胞は、1:500〜1:1、好ましくは1:100〜1:5、より好ましくは1:50〜1:10のウイルス(PFUまたはTCID50によって測定)対細胞比で接種される。ウイルスは細胞懸濁液に加えられるかまたは細胞の単層に加えられ、ウイルスは、25℃〜40℃、好ましくは28℃〜37℃で少なくとも60分間、しかし通常300分間未満、好ましくは90〜240分間、細胞の上で吸収される。収集された培養上清のウイルス含有量を増加させるために、感染した細胞培養物(例えば単層)を凍結融解または酵素作用によって取り出すことができる。収集された流体は、次に不活化または凍結保存される。培養された細胞は、約0.0001〜10、好ましくは0.002〜5、より好ましくは0.001〜2の感染多重度(「m.o.i.」)で感染させることができる。さらにより好ましくは、細胞を約0.01のm.o.iで感染させる。感染細胞は、感染後30〜60時間で収集することができる。好ましくは、細胞は、感染後34〜48時間で収集される。さらにより好ましくは、細胞は、感染後38〜40時間で収集される。ウイルス放出を可能にするために細胞培養の間、プロテアーゼ(一般的にトリプシン)が一般に加えられ、プロテアーゼは、培養中の任意の適する段階で、例えば接種前、接種と同時、または接種後に加えることができる[58]。

0047

有用な実施形態では、特にMDCK細胞では、細胞系は元の作業用細胞バンクから40回の個体数倍加レベルを越えて継代培養されない。

0048

ウイルス接種材料およびウイルス培養物は、単純ヘルペスウイルスRSウイルスパラインフルエンザウイルス3、SARSコロナウイルスアデノウイルスライノウイルスレオウイルスポリオーマウイルスビルナウイルス、サーコウイルスおよび/またはパルボウイルスが好ましくは含まれない(すなわち、それによる汚染について検査され、陰性である)[59]。単純ヘルペスウイルスの非存在が、特に好ましい。

0049

宿主細胞DNA
ウイルスを細胞系で増殖させた場合、DNAのあらゆる発癌活性を最小にするために、最終ワクチンに残留する細胞系DNAの量を最小にすることが標準的な実施である。

0050

したがって、好ましくは本発明によって調製されるワクチン組成物は、1用量につき10ng未満(好ましくは1ng未満、より好ましくは100pg未満)の残留性宿主細胞DNAを含むが、極微量の宿主細胞DNAが存在してもよい。

0051

0.25ml容量につき<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンのように、15μgの血球凝集素につき<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンが好ましい。0.5ml容量につき<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンのように、50μgの血球凝集素につき<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンがより好ましい。

0052

任意の残留性宿主細胞DNAの平均長が、500bp未満、例えば400bp未満、300bp未満、200bp未満、100bp未満などであることが好ましい。

0053

混入DNAは、標準の精製手順、例えばクロマトグラフィーなどを用いて、ワクチン調製の間に除去することができる。残留性宿主細胞DNAの除去は、ヌクレアーゼによる処理、例えばDNアーゼを用いることによって増強することができる。先ずウイルス増殖の間用いることができるDNアーゼ(例えばベンゾナーゼ)を用い、次にビリオン破壊の間用いることができる陽イオン性界面活性剤(例えばCTAB)を用いる二段階処理を含む、宿主細胞DNAの混入を減らすための便利な方法が、参考文献60および61に開示されている。βプロピオラクトン処理による除去を用いることもできる。

0054

残留性宿主細胞DNAの測定は、今では生物学的製剤にとってはルーチン規制要件で、当業技術者の通常の能力の範囲内である。DNAの測定に用いられるアッセイは、一般的には検証済みのアッセイである[62、63]。検証済みのアッセイの性能特性は、数学的および定量化可能な用語で記載することができ、その可能な間違いの原因は特定されていることになる。そのアッセイは、正確度、精度、特異性などの特性について、一般に検査されていることになる。アッセイが較正され(例えば宿主細胞DNAの既知の標準量に対して)、検査されると、定量的なDNA測定を常法により実施することができる。DNA定量化のための3つの主な技術を用いることができる:サザンブロットまたはスロットブロットなどのハイブリダイゼーション方法[64]、Threshold(商標)系などのイムノアッセイ方法[65]、および定量的PCR[66]。これらの方法のすべては当業技術者によく知られているが、各方法の正確な特性は、問題の宿主細胞、例えばハイブリダイゼーションのためのプローブの選択、増幅のためのプライマーおよび/またはプローブの選択などによって決まるかもしれない。Molecular DevicesからのThreshold(商標)系は、総DNAのピコグラムレベルの定量アッセイであり、生物薬剤中の混入DNAレベルを監視するために用いられている[65]。一般的なアッセイは、ビオチン化ssDNA結合タンパク質ウレアーゼ結合体化抗ssDNA抗体およびDNAの間での、反応複合体の非配列特異的形成を含む。すべてのアッセイ構成要素は、製造業者から入手可能な完全なTotal DNA Assay Kitに含まれる。様々な商業的な製造者は、例えばAppTec(商標)Laboratory
Services、BioReliance(商標)、Althea Technologiesなど、残留性宿主細胞DNAを検出するための定量的PCRアッセイを提供する。ヒトウイルスワクチンの宿主細胞DNA混入の測定についての、化学発光ハイブリダイゼーションアッセイおよび総DNA Threshold(商標)系の比較を、参考文献67に見ることができる。

0055

医薬組成物
本発明で使用するためのワクチンは、インフルエンザ抗原に加えて成分を通常含み、例えばそれらは1つまたは複数の薬学的担体および/または賦形剤を一般的に含む。そのような成分の詳細な議論は、参考文献68で入手可能である。多くの実施形態では、アジュバントが含まれてもよい。

0056

組成物は、投与時には一般に水性の形である。

0057

組成物は、チオメルサールまたは2−フェノキシエタノールなどの保存剤を含むことができる。ワクチンは、水銀物質を実質的に含まないこと(例えば<10μg/ml)、例えばチオメルサールを含まないことが好ましい[14、69]。水銀を含有していないワクチンがより好ましく、水銀化合物代わるものとしてα−トコフェロールスクシネートが含まれてもよい[14]。保存剤を含まないワクチンが特に好ましい。

0058

張度を調節するために、ナトリウム塩などの生理的塩を含むのが好ましい。塩化ナトリウム(NaCl)が好ましく、それは1〜20mg/mlで存在することができる。存在することができる他の塩には、塩化カリウムリン酸二水素カリウムリン酸二ナトリウムおよび/または塩化マグネシウムなどが含まれる。アジュバントが抗原とは別の容器にある場合、塩化ナトリウムは両方の容器に存在することができる。

0059

組成物は、200mOsm/kg〜400mOsm/kg、好ましくは240〜360mOsm/kg、おそらく290〜310mOsm/kgの範囲の重量オスモル濃度を有することができる。

0060

組成物は、1つまたは複数の緩衝液を含むことができる。一般的な緩衝液には、以下が含まれる:リン酸緩衝液トリス緩衝液ホウ酸緩衝液コハク酸緩衝液ヒスチジン緩衝液(特に水酸化アルミニウムアジュバント一緒に)、またはクエン酸緩衝液。緩衝液は、一般的に5〜20mMの範囲で含まれる。

0061

組成物のpHは、一般に5.0〜8.1であり、より一般的には6.0〜8.0、例えば6.5および7.5、または7.0〜7.8である。

0062

組成物は、好ましくは無菌である。組成物は好ましくは非発熱性であり、例えば1用量につき<1EU(エンドトキシン単位、標準の尺度)、好ましくは1用量につき<0.1EUしか含まない。組成物は、好ましくはグルテンを含まない。

0063

本発明の組成物は、界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(「Tween」として公知である)、オクトキシノール(例えばオクトキシノール−9(トリトンX−100)もしくはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(「CTAB」)、または、特にスプリットワクチンもしくは表面抗原ワクチンのために、デオキシコール酸ナトリウムを含むことができる。界面活性剤は、極微量だけ存在してもよい。したがって、ワクチンは、オクトキシノール−10およびポリソルベート80の各々の1mg/ml未満を含むことができる。極微量の他の残留性成分は、抗生物質(例えばネオマイシンカナマイシンポリミキシンB)でよかった。アジュバントが抗原とは別の容器にある場合、この界面活性剤は抗原を含有する容器に通常存在する(例えば、抗原とポリソルベート80およびオクトキシノール10)。

0064

組成物は1回の免疫化のための材料を含むことができ、または複数回の免疫化のための材料を含むことができる(すなわち、「多用量」キット)。多用量の配列では、保存剤の含有が好ましい。多用量組成物に保存剤を含むことの代わりに(またはそれに加えて)、組成物は、材料の取り出しのための無菌アダプターを有する容器に含まれてもよい。

0065

インフルエンザワクチンは、一般的に約0.5mlの投薬容量で投与されるが、特に小児には、半用量(すなわち約0.25ml)を投与することもできる。

0066

ワクチンは、好ましくは2℃〜8℃で保存される。それらは、冷凍されるべきでない。それらは、理想的には直射光から保護されるべきである。

0067

ワクチンは、即時投与のために、または投与前即席混合のための部品キットとして、例えば別々の抗原およびアジュバント成分として(PREPANDRIX(商標)製品の場合のように)製剤化して、任意の適する容器で供給することができる。適する容器には、バイアル注射器(例えば使い捨て注射器)、鼻内噴霧などが含まれる。これらの容器は無菌であるべきである。組成物/成分がバイアル内に置かれる場合、バイアルは、好ましくはガラスまたはプラスチック製の材料で作製される。バイアルは、好ましくは組成物がそれに加えられる前に滅菌される。ラテックス感受性患者の問題を回避するために、バイアルは好ましくはラテックスを含まないストッパー密封され、すべての包装材料にラテックスが存在しないことが好ましい。バイアルは、ワクチンの単回用量を含むことができ、またはそれは1回より多い用量(「多回用量」バイアル)、例えば10回用量を含むことができる。好ましいバイアルは、無色のガラス製である。バイアルは、注射器をそのキャップに挿入することができるように適合されたキャップ(例えばルアーロック)を有することができる。バイアルは、特に多回用量バイアルの場合、その内容物の無菌取り出しを可能にするキャップを有することができる。成分が注射器に収容される場合、注射器はそれに装着される針を有することができる。針が装着されない場合、組立ておよび使用のために別の針を注射器と一緒に供給してもよい。そのような針は、ケースに入れてもよい。安全針が好ましい。1インチ23ゲージ、1インチ25ゲージおよび5/8インチ25ゲージ針が一般的である。記録の保守を容易にするために、ロット番号、インフルエンザ流行期および内容物の有効期限印刷することができる引き剥がしラベルを注射器とともに提供してもよい。吸引の間、プランジャー偶発的に抜けることを予防するために、注射器のプランジャーは、好ましくはストッパーを有する。注射器は、ラテックスゴムのキャップおよび/またはプランジャーを有することができる。使い捨て注射器は、1回用量のワクチンを含む。注射器は針の装着前にチップを密封するためのチップキャップを一般に有し、チップキャップは好ましくはブチルゴム製である。

0068

例えば小児への送達を容易にするために、半用量の容量を示す印を容器に付けてもよい。例えば、0.5mlの量を含む注射器は、0.25ml容量を示すマークを有することができる。

0069

ガラス容器(例えば注射器またはバイアル)を用いる場合、ソーダ石灰ガラス製よりもホウ珪酸ガラス製の容器を用いるのが好ましい。

0070

容器は、ワクチンの詳細、例えば投与の説明、ワクチン内の抗原の詳細などを含むリーフレットと同(例えば同じボックスに)してもよい。説明書は、例えばワクチン接種後アナフィラキシー反応などの場合に容易に利用できるアドレナリン溶液を常備するための警告を含むこともできる。

0071

アジュバント
使用時に、有利には、本発明のワクチンは、組成物を投与される患者で誘発される免疫応答体液性および/または細胞性)を増強する働きをすることができるアジュバントを含むことができる。水中油型エマルジョンアジュバント(特にスクアレンを含むもの)の存在は、季節性[70]および流行性[71、72]インフルエンザワクチンの免疫応答の株交差反応性を増強することがわかっている。

0072

本発明で使用するための水中油型エマルジョンは、一般的に少なくとも1つの油および少なくとも1つの界面活性剤を含み、(1つまたは複数の)油および界面活性剤は、生物分解性代謝性)および生体適合性である。エマルジョン中の油滴は、一般に直径5μm未満であり、サブミクロンの直径でさえも有することができ、これらの小さいサイズは、安定したエマルジョンを提供するマイクロフルイダイザーで達成される。220nm未満のサイズの液滴はろ過滅菌にかけることができるので、それらが好ましい。

0073

本発明は、動物(例えば、)または植物源からのものなどの油と一緒に用いることができる。植物油原料には、堅果、種子および穀類が含まれる。最も一般的に入手可能である落花生油ダイズ油ヤシ油およびオリーブ油が、堅果油の例である。ホホバ油を用いることができ、例えばホホバ豆から得ることができる。種子油には、サフラワー油綿実油ヒマワリ種子油ゴマ種子油などが含まれる。穀類群では、トウモロコシ油が最も容易に入手できるが、小麦オート麦ライ麦、米、テフライ小麦などの他の穀物粒の油を用いることもできる。グリセロールおよび1,2−プロパンジオールの6〜10炭素脂肪酸エステルは、種子油には天然に存在しないが、堅果油および種子油から始まる適当な材料の加水分解、分離およびエステル化によって調製することができる。哺乳動物の乳からの脂肪と油は代謝可能であり、したがって、この発明の実施で用いることができる。動物源から純粋な油を得るために必要な分離、精製、鹸化の手順および他の手段は、当技術分野で周知である。ほとんどの魚は、容易に回収することができる代謝可能な油を含む。例えば、タラ肝油、鮫肝油および鯨蝋などの鯨油は、本明細書で用いることができる魚油のいくつかの例である。5炭素イソプレン単位でいくつかの分枝鎖油が生化学的に合成され、テルペノイドと一般に呼ばれている。鮫肝油は、スクアレン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサエンとして公知である、分枝不飽和テルペノイドを含む。スクアレンの飽和類似体スクアランを用いることもできる。スクアレンおよびスクアランを含む魚油は、商業的な供給源から容易に入手できるか、または当技術分野で公知である方法によって得ることができる。スクアレンが好ましい。

0074

他の有用な油はトコフェロールであり、ビタミンE高齢患者(例えば、60以上)で免疫応答に対して正の影響を有することが報告されているので、それらは、有利にはこの患者群で使用するためのワクチンに含まれる[73]。それらは、エマルジョンの安定化を助けることができる抗酸化特性も有する[74]。様々なトコフェロールが存在する(α、β、γ、δ、εまたはξ)が、αが通常用いられる。好ましいα−トコフェロールは、DL−α−トコフェロールである。α−トコフェロールスクシネートは、インフルエンザワクチンに適合し、水銀化合物に代わる有用な保存剤であることが公知である[14]。

0075

油の混合物、例えばスクアレンおよびα−トコフェロールを用いることができる。2〜20%(容積で)の範囲の含油率が一般的である。

0076

界面活性剤は、それらの「HLB」(親水性親油性比)によって分類することができる。本発明の好ましい界面活性剤は、少なくとも10、好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも16のHLBを有する。本発明は、それらに限定されないが以下を含む界面活性剤と用いることができる:ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(一般にTweenと呼ばれる)、特にポリソルベート20およびポリソルベート80;商品名DOWFAX(商標)で販売されている、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)および/またはブチレンオキシド(BO)のコポリマー、例えば線状EO/POブロックコポリマー;反復するエトキシオキシ−1,2−エタンジイル)基の数が異なることができるオクトキシノールであって、オクトキシノール−9(トリトンX−100またはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)が特に興味深い;(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA−630/NP−40);ホスファチジルコリンレシチン)などのリン脂質;Tergitol(商標)NPシリーズなどの、ノニルフェノールエトキシレートトリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij30)などの、ラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコールに由来するポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij界面活性剤として公知である);ならびに、ソルビタントリオレエート(Span85)およびソルビタンモノラウレートなどのソルビタンエステル(通常、SPANとして公知である)。非イオン性界面活性剤が好ましい。エマルジョンに含めるのに最も好ましい界面活性剤は、ポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート;Tween80)である。

0077

界面活性剤の混合物、例えばTween80/Span85混合物を用いることができる。ポリオキシエチレンソルビタンエステルおよびオクトキシノールの組合せも適する。別の有用な組合せは、ラウレス9に加えてポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/またはオクトキシノールを含む。

0078

界面活性剤の好ましい量(重量%)は、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween80など)0.01〜1%、より詳細には約0.1%;オクチルまたはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えばトリトンX−100、またはトリトンシリーズの他の界面活性剤)0.001〜0.1%、より詳細には0.005〜0.02%;ポリオキシエチレンエーテル(ラウレス9など)0.1〜20%、好ましくは0.1〜10%、より詳細には0.1〜1%、または約0.5%である。

0079

スクアレンを含有する水中油型エマルジョン、特にポリソルベート80を含むものが好ましい。本発明で有用な具体的な水中油型エマルジョンアジュバントには、それらに限定されないが以下のものが含まれる。

0080

・スクアレン、ポリソルベート80およびソルビタントリオレエートのサブミクロンのエマルジョン。エマルジョンの組成は、容量で約5%のスクアレン、約0.5%のポリソルベート80および約0.5%のSpan85であってよい。重量では、これらの比は、4.3%のスクアレン、0.5%のポリソルベート80および0.48%のSpan85になる。参考文献78の第10章および参考文献79の第12章でさらに詳細に記載されるように、このアジュバントは「MF59」[75〜77]として公知である。MF59エマルジョンは、有利にはクエン酸イオン、例えば10mMクエン酸ナトリウム緩衝液を含む。

0081

・スクアレン、トコフェロールおよびポリソルベート80のサブミクロンのエマルジョン。これらのエマルジョンは、2〜10%のスクアレン、2〜10%のトコフェロール、および0.3〜3%のポリソルベート80を有することができ、スクアレン:トコフェロールの重量比は好ましくは≦1(例えば0.90)であり、この比が、より安定したエマルジョンを提供することができる。スクアレンおよびポリソルベート80は、約5:2の容量比、または約11:5の重量比で存在することができる。そのようなエマルジョンの1つは、PBSにTween80を溶解させて2%溶液を与え、次にこの溶液の90mlを(5gのDL−α−トコフェロールおよび5mlスクアレン)の混合物と混合し、次にこの混合物を微流動化することによって作製することができる。生じるエマルジョンは、例えば100〜250nm、好ましくは約180nmの平均直径を有するサブミクロンの油滴を有する。エマルジョンは、3−デ−O−アシル化モノホスホリルリピドA(3d−MPL)を含むこともできる。この型の別の有用なエマルジョンは、ヒトの1用量につき0.5〜10mgのスクアレン、0.5〜11mgのトコフェロールおよび0.1〜4mgのポリソルベート80を含むことができる[80]。

0082

・スクアレン、トコフェロールおよびトリトン界面活性剤(例えばトリトンX−100)のエマルジョン。エマルジョンは、3d−MPLを含むこともできる(下記参照)。エマルジョンは、リン酸緩衝液を含むことができる。

0083

・ポリソルベート(例えばポリソルベート80)、トリトン界面活性剤(例えばトリトンX−100)およびトコフェロール(例えばα−トコフェロールスクシネート)を含むエマルジョン。エマルジョンは、これらの3つの成分を約75:11:10の質量比(例えば750μg/mlポリソルベート80、110μg/mlトリトンX−100および100μg/mlα−トコフェロールスクシネート)で含むことができ、これらの濃度は、これらの成分の抗原からのあらゆる寄与を含むべきである。エマルジョンは、スクアレンを含むこともできる。エマルジョンは、3d−MPLを含むこともできる。水相は、リン酸緩衝液を含むことができる。

0084

・スクアラン、ポリソルベート80およびポロキサマー401(「Pluronic(商標)L121」)のエマルジョン。エマルジョンは、リン酸緩衝食塩水pH7.4で製剤化することができる。このエマルジョンはムラミルジペプチドの有用な送達ビヒクルで、「SAF−1」アジュバントで、スレオニル−MDPと用いられている[81](0.05〜1%Thr−MDP、5%スクアラン、2.5%Pluronic L121および0.2%ポリソルベート80)。「AF」アジュバント[82](5%スクアラン、1.25%Pluronic L121および0.2%ポリソルベート80)の場合のように、それはThr−MDPなしで用いることもできる。微流動化が好ましい。

0085

・スクアレン、水性溶媒、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの親水性非イオン性界面活性剤(例えばポリオキシエチレン(12)セトステアリルエーテル)および疎水性の非イオン性界面活性剤(例えば、ソルビタンエステルまたはマンニドエステル、例えばソルビタンモノオレエートまたは「Span80」)を含むエマルジョン。エマルジョンは好ましくは温度可逆的であり、および/または少なくとも90%(容量で)の、200nm未満のサイズの油滴を有する[83]。エマルジョンは、以下の1つまたは複数を含むこともできる:アルジトール凍結保護剤(例えば糖、例えばドデシルマルトシドおよび/またはスクロース);ならびに/またはアルキルポリグリコシド。エマルジョンは、TLR4アゴニストを含むことができる[84]。そのようなエマルジョンは、凍結乾燥してもよい。

0086

・スクアレン、ポロキサマー105およびAbil−Careのエマルジョン[85]。アジュバント添加(adjuvanted)ワクチン中のこれらの成分の最終濃度(重量)は、5%スクアレン、4%ポロキサマー105(プルロニックポリオール)および2%Abil−Care85(ビス−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16ジメチコンカプリル酸カプリン酸トリグリセリド)である。

0087

・0.5〜50%の油、0.1〜10%のリン脂質、および0.05〜5%の非イオン性界面活性剤を有するエマルジョン。参考文献86に記載されるように、好ましいリン脂質成分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンホスファチジルセリンホスファチジルイノシトールホスファチジルグリセロールホスファチジン酸スフィンゴミエリンおよびカルジオリピンである。サブミクロンの液滴サイズが有利である。

0088

非代謝性油(軽鉱油(light mineral oil)など)および少なくとも1つの界面活性剤(例えばレシチン、Tween80またはSpan80)のサブミクロンの水中油型エマルジョン。QuilAサポニンコレステロール、サポニン親油性結合体グルクロン酸カルボキシル基を通してのデスアシルサポニンへの脂肪族アミンの添加によって生成される、参考文献87に記載のGPI−0100など)、ジメチルジオタデシルアンモニウムブロミドおよび/またはN,N−ジオクタデシル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルプロパンジアミンなどの添加剤が含まれてもよい。

0089

・サポニン(例えばQuilAまたはQS21)およびステロール(例えばコレステロール)がらせんミセルとして会合するエマルジョン[88]。

0090

・鉱油、非イオン性親油性エトキシ化脂肪アルコール、および非イオン性親水性界面活性剤(例えばエトキシ化脂肪アルコールおよび/またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)を含むエマルジョン[89]。

0091

・鉱油、非イオン性親水性エトキシ化脂肪アルコールおよび非イオン性親油性界面活性剤(例えばエトキシ化脂肪アルコールおよび/またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)を含むエマルジョン[89]。

0092

エマルジョンは、ワクチンの製造の間に(1つまたは複数の)抗原と組み合わせること、または送達の時に(PREPANDRIX(商標)製品の場合のように)、別の抗原含有成分と即席的に混合するための別々の成分として供給することができる。これらの2つの成分が液体である場合、混合するための2つの液体の容量比は異なることができる(例えば5:1〜1:5の間で)が、一般的に約1:1である。

0093

抗原およびアジュバントを混合した後、血球凝集素抗原水溶液に一般に残るが、油/水界面の周辺分布することがある。一般に、あるとしても少量しかない血球凝集素は、エマルジョンの油相に入る。

0094

一部の実施形態では、第一のワクチンおよび第二のワクチンの1つだけにアジュバントが添加されている(好ましくは第一)。しかし好ましくは、一般的に同じアジュバントを用いて両方のワクチンにアジュバントが添加されている。

0095

ワクチン投与
ワクチンは、本発明の組成物を患者に投与するステップを含む、患者の免疫応答を惹起する方法において用いられる。

0096

本発明の方法、キットおよび使用は、一般に抗体応答、好ましくは防御抗体応答を起こさせるために用いられる。インフルエンザウイルスワクチン接種後の抗体応答、中和能力および防御を評価するための方法は、当技術分野で周知である。ヒト試験は、ヒトインフルエンザウイルスの血球凝集素に対する抗体力価が防御と相関することを示している(約30〜40の血清試料血球凝集阻害力価は、同種ウイルスによる感染からの約50%の防御を与える)[90]。抗体応答は、血球凝集阻止、微量中和一元放射免疫拡散法(SRID)、および/または一元放射溶血(SRH)によって一般的に測定される。偽型アッセイを用いることができる。これらのアッセイ技術はすべて、当技術分野において周知である。

0097

本発明の組成物は、様々な方法で投与することができる。最も好ましい免疫化経路は筋肉内注射(例えば腕や脚)によるものであるが、他の利用可能な経路には、皮下注射鼻腔内[91〜93]、経口[94]、口内、下、皮内[95、96]、経皮、経真皮[97]などが含まれる。

0098

本発明によって調製されるワクチンは、小児および成人の両者を治療するために用いることができる。インフルエンザワクチンは、6カ月の年齢以上の、小児および成人の免疫化で使用することが現在推奨されている。したがって、患者は、1歳未満、1〜5歳、5〜15歳、15〜55歳、または少なくとも55歳であってもよい。ワクチン投与に好ましい患者は、高齢者(例えば≧50歳、≧60歳および好ましくは≧65歳)、年少者(例えば≦5歳)、入院患者医療従事者部および軍隊の人員妊娠女性慢性病患者免疫不全患者、ワクチン投与の前7日間に抗ウイルス化合物(例えばオセルタミビルまたはザナミビル化合物、下記参照)を投与された患者、卵アレルギーのある者および海外旅行者である。しかしワクチンは、これらの群のためだけに適するのではなく、集団でより一般に用いることができる。

0099

ワクチンは、流行前の状況下で(すなわち流行が起こる前に)、または流行の状況下で(すなわち流行の大発生が開始した後に)投与することができる。

0100

本発明の好ましい組成物は、効力CPMP基準の1つ、2つまたは3つを満たす。成人(18〜60歳)では、これらの基準は以下の通りである:(1)≧70%血清防御、(2)≧40%セロコンバージョン、および/または(3)≧2.5倍のGMT増加。高齢者(>60歳)では、これらの基準は以下の通りである:(1)≧60%血清防御、(2)≧30%セロコンバージョン、および/または(3)≧2倍のGMT増加。これらの基準は、少なくとも50人の患者の非盲検試験に基づく。

0101

本発明によって生成されるワクチンは、他のワクチンと実質的に同じ時間に(例えば医療専門家またはワクチン接種施設への同じ診察または診療の間に)、例えば麻疹ワクチン流行性耳下腺炎ワクチン風疹ワクチン、MMRワクチン、水痘ワクチン、MMRVワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワクチン百日咳ワクチン、DTPワクチン、複合H.influenzaeb型ワクチン、不活化ポリオウイルスワクチンB型肝炎ウイルスワクチン、髄膜炎菌複合ワクチン四価のA−C−W135−Yワクチンなど)、RSウイルスワクチン、肺炎球菌複合ワクチンなどと実質的に同じ時間に、患者に投与されてもよい。肺炎球菌ワクチンおよび/または髄膜炎菌ワクチンと実質的に同じ時間の投与は、高齢患者で特に有益である。

0102

同様に、本発明のワクチンは、抗ウイルス化合物、特にインフルエンザウイルスに有効な抗ウイルス化合物(例えば、オセルタミビルおよび/またはザナミビル)と実質的に同じ時間に(例えば医療専門家への同じ診察または診療の間に)患者に投与されてもよい。これらの抗ウイルス薬には、そのエステル(例えばエチルエステル)およびその塩(例えばリン酸塩)を含む、(3R,4R,5S)−4−アセチルアミノ−5−アミノ−3(1−エチルプロポキシ)−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸または5−(アセチルアミノ)−4−[(アミノイミノメチル)−アミノ]−2,6−アンヒドロ−3,4,5−トリデオキシ−D−グリセロ−D−ガラクトノン−2−エノン酸などのノイラミニダーゼ阻害剤が含まれる。好ましい抗ウイルス薬は、(3R,4R,5S)−4−アセチルアミノ−5−アミノ−3(1−エチルプロポキシ)−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸、エチルエステル、リン酸塩(1:1)であり、リン酸オセルタミビル(TAMIFLU(商標))としても公知である。

0103

レジメン
本発明のレジメンは2用量の流行関連抗原の投与を含み、2用量は、1週間隔、2週間隔または6週間隔で投与される。いかなる流行関連抗原もこれらの2用量の間に投与されないが、さらなる流行関連抗原が第二の用量の後に投与されてもよい。

0104

2用量が1週間隔で与えられる場合、これらは正確に7日間隔(例えば2つの連続する月曜日)でよいが、標準的な実施によれば、多少の許容差がある。同様に、2週または6週間隔で与えられる用量にも、許容差がある。したがって、2用量は、x〜y日間隔で与えることができる。

0105

第一の実施形態では、xの値は5であり、yの値は9である。第二の実施形態では、xの値は6であり、yの値は8である。

0106

第三の実施形態では、xの値は12であり、yの値は16である。第四の実施形態では、xの値は13であり、yの値は15である。

0107

第五の実施形態では、xの値は35であり、yの値は49である。第六の実施形態では、xの値は38であり、yの値は46である。第七の実施形態では、xの値は40であり、yの値は44である。第八の実施形態では、xの値は41であり、yの値は43である。

0108

一部の実施形態では、xおよびyの値は同一であり、その場合には、「x〜y」は単に「x」になり、そこで、xは7、14または42である。

0109

一般
用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」ならびに「からなる(consisting)」を包含し、例えばXを「含む(comprising)」組成物は、Xから排他的になる(consist exclusively of)こと、または別のものを含む(include)こと、例えばX+Yであることができる。

0110

単語「実質的に」は、「完全に」を排除せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まなくてもよい。必要な場合、単語「実質的に」は、本発明の定義から省略されてもよい。

0111

数値xに関しての用語「約」は、任意選択で用いられ、例えばx±10%を意味する。

0112

特記されていない場合、2つ以上の成分を混合するステップを含む方法は、混合のいかなる特定の順序も要求しない。したがって、成分を任意の順序で混合することができる。3つの成分がある場合、2つの成分を互いと組み合わせ、次にその組合せを第三の成分と組み合わせること、などができる。

0113

動物(特にウシ)の材料を細胞の培養で用いる場合、それらは、伝染性海綿状脳症(TSE)が存在せず、特に牛海綿状脳症BSE)が存在しない原料から得るべきである。全体として、動物由来の物質が完全に存在しない中で細胞を培養することが好ましい。

0114

リアソートメントまたは逆方向遺伝学手順のために、またはウイルス増殖のために細胞基質を用いる場合、好ましくはそれは、例えばPh Eur general第5.2.3章の場合のように、ヒトワクチンの製造での使用が承認されているものである。

0115

前向き無作為化盲検III相試験が、18〜60歳の約240名の被験体で実施される。被験体は1:1:1:1の比で無作為化され、4つの異なるワクチン接種スケジュールの1つを受ける。ワクチンは、三角筋(好ましくは非利き腕の)の筋肉内に1、2、3または6週間隔で投与される。血球凝集阻止(HI)、微量中和(MN)および一元放射溶血(SRH)による免疫原性の評価のために、各ワクチン接種の前(1回目および2回目の診察)、ならびに第二のワクチン接種の3週間後(3回目の診察)に、血液試料をすべての被験体からとる。2週群および3週群からの血液試料は、異種H5N1(A/turkey/Turkey/1/05)抗原に対する免疫応答についてさらに試験される。

0116

同じワクチン、すなわちA/H5N1株からの7.5μgの血球凝集素を含む0.5mLの一価表面抗原ワクチンが、すべての患者に投与される。ワクチンは、MF59(商標)水中スクアレンエマルジョンでアジュバント添加され、0.25mLの2×アジュバントを0.25mLの2×抗原と混合することによって作製される。ワクチンは、最大0.05mLまで過剰に充填された充填済み注射器で提供される。

0117

同種ワクチン抗原(NIBRG14;クレード1)によるMN、HIおよびSRHアッセイに基づき、第二のワクチンを第一のワクチンの2、3または6週間後に投与される群では、すべてのCHMP基準が満たされる。第二の投与の後、2週および6週群でのセロコンバージョン率(それぞれ76%および79%)は、3週群(72%)と比較して高い。同様に、MNアッセイで4倍の増加を示した患者のパーセンテージは、3週群(73%)と比較して、2週および6週群(それぞれ75%および90%)でより高かった。SRHが示すように、ワクチンは、異種A/turkey/Turkey/1/05に対して異種免疫防御も誘導する。

0118

1週、2週および6週群の患者は、ワクチンに対して疼痛発赤および腫脹のような、局所有害事象がより少ないことも示す(表1を参照)。

0119

本発明は、ほんの一例として説明されたすぎず、本発明の範囲および精神の範囲に留まりながら修正を加えることができることが理解されよう。

0120

0121

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実施例

0123

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