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技術 4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾールの製造方法

出願人 株式会社トクヤマ
発明者 宮奥隆行
出願日 2014年2月26日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2014-035148
公開日 2015年9月7日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2015-160810
状態 特許登録済
技術分野 他の環と縮合した1,3ージアゾール環
主要キーワード 溶媒由来 溶液調整 医薬品原薬 無色澄明 ステンレス管 遠心ろ過 ステンレス製容器 精製効率
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

本発明の目的は、医薬品原薬の重要な中間体である、4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾール高純度で得る方法を提供することにある。

解決手段

4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾールの粗体塩化水素とを混合して塩酸塩化し、溶解させる溶液調製工程、当該溶液塩基を加えてフリー化し、4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾールを析出させる析出工程を含む、4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾールの製造方法である。

概要

背景

下記式(1)

で示される4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾール(以下、「ベンズイミダゾール体」とも言う。)は医農薬材料電子材料等の重要な中間体である。中でも、当該ベンズイミダゾール体は、強力な血圧降下作用を有し、医薬品原薬として広く知られている4′−[[2−n−プロピル−4−メチル−6−(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−ベンズイミダゾール−1−イル]−メチル]−ビフェニル−2−カルボン酸(一般名テルミサルタン、以下、「テルミサルタン」とも言う。)を製造する上で重要な中間体として知られており、前記ベンズイミダゾール体と下記式(2)

(式中、Rは炭化水素基を示す。)
で示される2−[4−(ブロモメチルフェニル]安息香酸エステル(以下、「ビフェニル体」とも言う。)とを反応させて、下記式(3)

(式中、Rは上記式(2)のRと同じ基を示す。)
で示される4′−[[2−n−プロピル−4−メチル−6−(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−ベンズイミダゾール−1−イル]−メチル]−ビフェニル−2−カルボン酸エステル(以下、「テルミサルタンアルキルエステル」とも言い、中でも、Rがメチル基の場合、「テルミサルタンメチルエステル」とも言う。)とし(カップリング工程)、次いで、テルミサルタンアルキルエステルを加水分解することによって(加水分解工程)、下記式(4)

で示されるテルミサルタンを製造することができる。(特許文献1参照)。

医薬品原薬は非常に高純度であることが求められるが、一般的に複雑な構造を有し、さらに、不純物として類似の構造の化合物を含むことが多いことから、高純度化のための精製操作において、不純物との分離が困難である場合が多くあり、所望の純度とするには、カラム精製再結晶等の煩雑な精製操作を繰り返し行なう必要があり、工業的な実施において問題であった。また、医薬品原薬は、一般的に分子量が比較的大きく、溶解性の観点から、精製に使用し得る溶媒の種類が制限され、その使用量が多くなってしまうことや、その結果として、精製操作の回収率が低くなってしまうこと等も問題となることがあった。上記のように、精製効率等を考慮すると、出来るだけ純度の高い原料(中間体)を使用して医薬品原薬を製造することが望ましく、医薬品原薬の原料(中間体)の精製方法確立することは非常に重要である。

従来、上記ベンズイミダゾール体の粗体の精製方法として、特許文献1には、当該粗体にメタノールを加えて溶解させ、次いで、その溶液に水を加えることによってベンズイミダゾール体を析出させる方法が開示されている。また、特許文献2には、ベンズイミダゾール体の粗体に酢酸エチルを加え、加熱して溶解させ、次いで、その溶液を冷却することによってベンズイミダゾール体を析出させる方法が開示されている。

概要

本発明の目的は、医薬品原薬の重要な中間体である、4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾールを高純度で得る方法を提供することにある。 4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾールの粗体と塩化水素とを混合して塩酸塩化し、溶解させる溶液調製工程、当該溶液に塩基を加えてフリー化し、4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾールを析出させる析出工程を含む、4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾールの製造方法である。 なし

目的

本発明の目的は、ベンズイミダゾール体の粗体から、不純物であるメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体を効率的に除去し、高純度のベンズイミダゾール体を製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記式(1)で示されるベンズイミダゾール体の粗体塩化水素とを混合して前記ベンズイミダゾール体の粗体を塩酸塩化して溶解させる溶液調製工程、当該溶液塩基を加えて前記ベンズイミダゾール体の塩酸塩を中和して前記ベンズイミダゾール体を析出させる析出工程を含む、前記ベンズイミダゾール体の製造方法。

請求項2

前記析出工程において、前記塩化水素1モルに対して、0.35〜0.95モルの塩基を用いる請求項1に記載の方法。

請求項3

前記溶液調製工程において、前記ベンズイミダゾール体の粗体1質量部に対して、0.12〜2.0質量部の塩化水素を用いる請求項2に記載の方法。

請求項4

前記溶液調製工程において溶媒を用いる方法であって、当該溶媒が、アルコール類、二トリル類、ケトン類含窒素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒と水の混合物であり、当該混合物における有機溶媒と水の比率が、有機溶媒100質量部に対して水25〜1000質量部である請求項1〜3の何れかに記載の方法。

請求項5

前記溶媒の使用量が、前記ベンズイミダゾール体の粗体1質量部に対して、1〜100質量部である請求項4に記載の方法。

請求項6

前記ベンズイミダゾール体の粗体が、前記ベンズイミダゾール体、並びに、下記式(2)で示されるメチルベンズイミダゾール体及び/または下記式(3)で示されるエチルベンズイミダゾール体を含んでなる混合物であり、前記ベンズイミダゾール体の含有量が95.0〜99.5%であり、前記メチルベンズイミダゾール体及び前記エチルベンズイミダゾール体の含有量がそれぞれ0.20%以下であり、及び前記メチルベンズイミダゾール体及び前記エチルベンズイミダゾール体の含有量の合計が0.05〜0.40%である請求項1〜5の何れかに記載の方法。

請求項7

請求項1〜6の何れかに記載の方法で前記ベンズイミダゾール体を製造する工程、前記ベンズイミダゾール体と下記式(4)(式中、Rは炭素数1〜7の炭化水素基を示す。)で示されるビフェニル体とを反応させて下記式(5)(式中、Rは上記式(4)のRと同じ基を示す。)で示されるテルミサルタンアルキルエステルを得るカップリング工程、及び、当該テルミサルタンアルキルエステルを加水分解して下記式(6)で示されるテルミサルタンを得る加水分解工程を含むテルミサルタンの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾール新規な製造方法に関する。

背景技術

0002

下記式(1)

0003

0004

で示される4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−n−プロピル−1H−ベンズイミダゾール(以下、「ベンズイミダゾール体」とも言う。)は医農薬材料電子材料等の重要な中間体である。中でも、当該ベンズイミダゾール体は、強力な血圧降下作用を有し、医薬品原薬として広く知られている4′−[[2−n−プロピル−4−メチル−6−(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−ベンズイミダゾール−1−イル]−メチル]−ビフェニル−2−カルボン酸(一般名テルミサルタン、以下、「テルミサルタン」とも言う。)を製造する上で重要な中間体として知られており、前記ベンズイミダゾール体と下記式(2)

0005

0006

(式中、Rは炭化水素基を示す。)
で示される2−[4−(ブロモメチルフェニル]安息香酸エステル(以下、「ビフェニル体」とも言う。)とを反応させて、下記式(3)

0007

0008

(式中、Rは上記式(2)のRと同じ基を示す。)
で示される4′−[[2−n−プロピル−4−メチル−6−(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−ベンズイミダゾール−1−イル]−メチル]−ビフェニル−2−カルボン酸エステル(以下、「テルミサルタンアルキルエステル」とも言い、中でも、Rがメチル基の場合、「テルミサルタンメチルエステル」とも言う。)とし(カップリング工程)、次いで、テルミサルタンアルキルエステルを加水分解することによって(加水分解工程)、下記式(4)

0009

0010

で示されるテルミサルタンを製造することができる。(特許文献1参照)。

0011

医薬品原薬は非常に高純度であることが求められるが、一般的に複雑な構造を有し、さらに、不純物として類似の構造の化合物を含むことが多いことから、高純度化のための精製操作において、不純物との分離が困難である場合が多くあり、所望の純度とするには、カラム精製再結晶等の煩雑な精製操作を繰り返し行なう必要があり、工業的な実施において問題であった。また、医薬品原薬は、一般的に分子量が比較的大きく、溶解性の観点から、精製に使用し得る溶媒の種類が制限され、その使用量が多くなってしまうことや、その結果として、精製操作の回収率が低くなってしまうこと等も問題となることがあった。上記のように、精製効率等を考慮すると、出来るだけ純度の高い原料(中間体)を使用して医薬品原薬を製造することが望ましく、医薬品原薬の原料(中間体)の精製方法確立することは非常に重要である。

0012

従来、上記ベンズイミダゾール体の粗体の精製方法として、特許文献1には、当該粗体にメタノールを加えて溶解させ、次いで、その溶液に水を加えることによってベンズイミダゾール体を析出させる方法が開示されている。また、特許文献2には、ベンズイミダゾール体の粗体に酢酸エチルを加え、加熱して溶解させ、次いで、その溶液を冷却することによってベンズイミダゾール体を析出させる方法が開示されている。

先行技術

0013

国際公開第2007/010558号
国際公開第2012/028925号

発明が解決しようとする課題

0014

しかしながら、本発明者らが上記特許文献に記載の方法に従ってベンズイミダゾール体の精製を行なったところ、これらの方法では、ベンズイミダゾール体の粗体に不純物として含まれる化合物のなかに、ベンズイミダゾール体から分離することが困難な化合物が存在することが明らかとなった。これら化合物は、下記式(5)

0015

0016

に示される4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール(以下、「メチルベンズイミダゾール体」ともいう。)、及び、下記式(6)

0017

0018

に示される4−メチル−6(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)−2−エチル−1H−ベンズイミダゾール(以下、「エチルベンズイミダゾール体」ともいう。)であると推定され、ベンズイミダゾール体と比較すると、その違いはアルキル側鎖炭素数が異なることだけであり、溶解度等の物性差が小さいために除去することが困難であると考えられた。そして、これら不純物を0.05〜0.20%含むベンズイミダゾール体を用い、上記特許文献に記載の方法に従ってテルミサルタンを合成すると、これら不純物の誘導体を含有するテルミサルタンが得られ、得られたテルミサルタンからもこれら不純物の誘導体を分離することは困難であった。具体的には、これら不純物を合わせて0.05〜0.20%含むベンズイミダゾール体を用いると、これら不純物の誘導体を合わせて0.05〜0.15%含むテルミサルタンが得られ、これら不純物の誘導体の含有量を低減することは非常に困難であった。

0019

したがって、本発明の目的は、ベンズイミダゾール体の粗体から、不純物であるメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体を効率的に除去し、高純度のベンズイミダゾール体を製造する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0020

本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねてきた。まず、ベンズイミダゾール体の粗体を各種溶媒を用いて再結晶する方法について検討したところ、ベンズイミダゾール体は各種溶媒への溶解度が低く、再結晶に使用できる溶媒がメタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド等に限られた。これらの溶媒を用いて、温度や溶媒量等の最適化を検討したが、ベンズイミダゾール体と不純物であるメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体との間で溶解度等の物性に大きな差異見出すことができず、問題となる不純物の含有量を大きく低減させることはできなかった。そこで、本発明者らは、ベンズイミダゾール体を誘導体に変換して精製した後、再度ベンズイミダゾール体とする方法について検討することとし、まず、ベンズイミダゾール体を酸との塩の形態として精製し、次いで、中和してフリー化する方法について検討した。その結果、酸として塩化水素を用いたときに、特異的に、不純物であるメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の含有量が低減された、高純度のベンズイミダゾール体が得られることがわかり、本発明を完成させるに至った。このような効果は、他の酸、例えば酢酸硫酸等を用いた場合には見られないものである。この理由は明らかではないが、ベンズイミダゾール体、並びに、不純物であるメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の各塩酸塩は、酸乖離定数等の違いに起因して中和反応に対する反応性が大きく異なっており、ベンズイミダゾール体の塩酸塩が他の塩酸塩よりも優先的に中和反応を受けて析出するものと考えられる。

0021

即ち、本発明は、前記ベンズイミダゾール体の粗体と塩化水素とを混合して前記ベンズイミダゾール体の粗体を塩酸塩化して溶解させる溶液調製工程、当該溶液に塩基を加えて前記ベンズイミダゾール体の塩酸塩を中和して前記ベンズイミダゾール体を析出させる析出工程を含む、前記ベンズイミダゾール体の製造方法である。

0022

本発明では、前記析出工程において、前記塩化水素1モルに対して0.35〜0.95モルの塩基を用いることが好ましく、前記溶液調整工程において、前記ベンズイミダゾール体の粗体1質量部に対して0.12〜2.0質量部の塩化水素を用いることがより好ましい。また、前記溶液調製工程において溶媒を用いてもよく、当該溶媒が、アルコール類ニトリル類ケトン類含窒素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒と水の混合物であり、当該混合物における有機溶媒と水の比率が、有機溶媒100質量部に対して水25〜1000質量部であることが好ましく、前記溶媒の使用量が前記ベンズイミダゾール体の粗体1質量部に対して、1〜100質量部であることがより好ましい。そして、本発明では、前記ベンズイミダゾール体の粗体が、前記ベンズイミダゾール体並びに前記メチルベンズイミダゾール体及び/またはエチルベンズイミダゾール体を含んでなる混合物であり、前記ベンズイミダゾール体の純度が95.0〜99.5%であり、前記メチルベンズイミダゾール体の含有量が0.20%以下であり、前記エチルベンズイミダゾール体の含有量が0.20%以下であり、前記メチルベンズイミダゾール体及び前記エチルベンズイミダゾール体の含有量の合計が0.05〜0.40%であることが好ましい。

0023

さらに、本発明は、前記のいずれかの方法で前記ベンズイミダゾール体を製造する工程、当該ベンズイミダゾール体と前記ビフェニル体とを反応させて前記テルミサルタンアルキルエステルを得るカップリング工程、当該テルミサルタンアルキルエステルを加水分解して前記テルミサルタンを得る加水分解工程を含むテルミサルタンの製造方法を提供する。

発明の効果

0024

本発明によれば、特に不純物であるメチルベンズイミダゾール体及び/またはエチルベンズイミダゾール体の含有量の低減された、高純度のベンズイミダゾール体を、高い収率で効率的に製造することができる。さらに、本発明の方法で得られたベンズイミダゾール体を原料(中間体)として用いることによって、過度な精製をすることなく、医薬品として十分に使用可能な高純度のテルミサルタンを製造することができる。

0025

本発明は、前記ベンズイミダゾール体の粗体と塩化水素とを混合して前記ベンズイミダゾール体の粗体を塩酸塩化して溶解させる溶液調製工程、当該溶液に塩基を加えて前記ベンズイミダゾール体の塩酸塩を中和して前記ベンズイミダゾール体を析出させる析出工程を含む、前記ベンズイミダゾール体の製造方法である。以下、本発明の方法について、順を追って説明する。

0026

((溶液調製工程))
本発明において、溶液調製工程は、前記ベンズイミダゾール体の粗体と塩化水素とを混合して前記ベンズイミダゾール体の粗体を塩酸塩化して溶解させる工程である。

0027

(ベンズイミダゾール体の粗体)
本発明において使用するベンズイミダゾール体の粗体は、特に制限されるものではなく、本発明の方法は、様々な不純物を含有するベンズイミダゾール体の粗体の精製に有用である。ベンズイミダゾール体の粗体の純度は特に制限されないが、最終的に得られるベンズイミダゾールの純度や操作性等を考慮すると、ベンズイミダゾールの粗体の純度は90%以上であることが好ましく、95.0〜99.5%であることがより好ましい。一方で、本発明の方法は、不純物の中でも特にメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の除去により大きな効果を発揮するため、不純物としてこれら化合物を含有するベンズイミダゾール体の粗体を用いることによって、より効果的に高純度のベンズイミダゾール体を得ることができる。そのため、本発明で使用するベンズイミダゾールの粗体においては、メチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の含有量がそれぞれ0.40%以下であることが好ましく、0.20%以下であることがより好ましく、メチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の含有量の合計が0.03〜0.60%であることが好ましく、0.05〜0.40%であることがより好ましい。しかしながら、本発明の方法は、その他不純物の含有量の低減においても十分に効果を発揮するものであり、不純物の含有量は特に制限されるものではない。

0028

当該ベンズイミダゾール体の粗体の製造方法は特に制限されず、公知の方法で製造されたものを使用することができ、一般的には、4−メチル−2−n−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸とN−メチル−O−フェニレンジアミン或いはその酸塩とを反応させることによって製造することができる。その製造条件は種々開示されているが、例えば、特許文献1に開示されているように、4−メチル−2−n−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸をポリリン酸に分散させ、70℃付近でN−メチル−O−フェニレンジアミンの塩酸塩を分割して加え、130℃付近で反応させた後、反応混合物を70℃付近まで冷却して水を加え、30℃付近まで冷却してアンモニア水を加え中和した後、析出物濾別洗浄して得られた結晶を、水を用いて50℃付近でリスラリー処理することによって、ベンズイミダゾール体の粗体を取得することができる。このようにして取得された、ベンズイミダゾール体の粗体は、通常ベンズイミダゾール体の純度が95.0〜99.5%であり、不純物であるメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の含有量がそれぞれ0.20%以下、含有量の合計が0.05〜0.40%であることから、本発明において好ましく使用することができる。上記方法などによって得られたベンズイミダゾール体の粗体はその純度や不純物の含有量に因らず、そのまま使用することができるが、最終的に得られるベンズイミダゾール体の純度をより高くするために、一般的な精製方法、例えば再結晶やリスラリー、カラムクロマトグラフィー等の方法により、必要に応じて1回以上精製したものを、当該ベンズイミダゾール体の粗体として使用しても良い。

0029

また、本発明において、ベンズイミダゾール体の粗体の形態は特に制限されず、結晶、アモルファス、またはこれらが混合した形態であってもよく、粉末塊状物、またはこれが混合した形状であってもよく、無水物、水和物、溶媒和物またはこれらが混合した形態であってもよく、水和物または溶媒和物であるときの水または溶媒の分子数は特に制限されない。また、後述する当該溶液調製工程に使用する溶媒を含む湿体であってもよく、その他の溶媒についても、後述する析出工程に影響を及ぼさない範囲、具体的には、当該ベンズイミダゾール体の粗体の50質量%以下の量で残留していてもよいが、当該溶液調製工程に使用する溶媒以外の溶媒を含まないことが最も好ましい。

0030

(塩化水素)
本発明においては、塩化水素として、気体水溶液塩酸)、有機溶媒の溶液等、公知の形態のものを特に制限なく使用することができるが、操作性等を考慮すると、水溶液または有機溶媒の溶液の形態のものを使用することが好ましく、有機溶媒の溶液を使用する場合、その有機溶媒の種類は、後述する当該溶液調製工程に使用する溶媒、具体的にはアルコール類、二トリル類、ケトン類、含窒素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、水溶液または有機溶媒の溶液を使用する場合における塩化水素の濃度は特に制限されず、使用量等に応じて適宜選択することができる。

0031

本発明で使用する塩化水素の量は、特に制限されるものではないが、ベンズイミダゾール体の粗体に含まれるベンズイミダゾール体並びにメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体が十分に塩酸塩化される量を用いることが好ましい。具体的には、ベンズイミダゾール体の粗体1質量部に対して、塩化水素の量が0.12〜2.0質量部であることが好ましく、0.13〜1.8質量部であることがより好ましく、0.14〜1.6質量部であることが特に好ましい。塩化水素の使用量を0.12質量部以上とすることによって、ベンズイミダゾール体の粗体全量を塩酸塩として溶解することができ、メチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の低減効果を確実に得ることができて好ましく、また、使用量を2.0質量部以下とすることによって、使用する塩基や溶媒の種類等によって副生する塩が残存することがなく、過剰の後処理が必要となくなるため好ましい。また、塩化水素として水溶液または有機溶媒の溶液を使用する場合は、当該好ましい範囲の量の塩化水素を含むような量の液を使用することが好ましい。

0032

(溶媒)
本発明では、溶媒として、有機溶媒と水の混合物を用いることが好ましい。このような溶媒を用いることによって、当該溶液調製工程において効率的にベンズイミダゾール体の粗体を塩酸塩として溶解することができ、さらに、後述の析出工程において、収率良く高純度のベンズイミダゾール体を得ることができる。

0033

当該有機溶媒は、アルコール類、二トリル類、ケトン類、含窒素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、具体的には、アルコール類として、メタノール、エタノール、プロパノールイソプロピルアルコール、1−ブタノール等;ニトリル類として、アセトニトリル等;ケトン類として、アセトンメチルエチルケトン、3−メチル−2−ブタノン等;含窒素化合物として、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。中でも、ベンズイミダゾール体の塩酸塩の溶解性や操作性を考慮すると、有機溶媒としてアルコール類を用いることがより好ましく、特にメタノール、エタノールを用いることが好ましい。

0034

また、当該有機溶媒は、市販の試薬や工業品を制限なく使用することができる。また、本発明では有機溶媒と水の混合物として使用することから、有機溶媒は、本発明に影響を及ぼさない範囲で水を含んでいてもよく、具体的には、水分量が10%以下であればよい。また、水についても特に制限されず、水道水イオン交換水、純水、超純水等を使用することができる。

0035

当該溶媒において、上記混合物における有機溶媒と水の比率は、有機溶媒100質量部に対して水25質量部〜1000質量部であることが好ましく、30〜500質量部であることがより好ましく、50〜350質量部であることが特に好ましい。当該範囲とすることによって、ベンズイミダゾール体の粗体を塩酸塩としたときに確実に溶解させることができ、さらに、後述する析出工程において、ベンズイミダゾール体を高選択的に析出させ、不純物であるメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の含有量が低下した高純度のベンズイミダゾール体を高い回収率で得ることができる。

0036

また、当該溶媒の使用量は、ベンズイミダゾール体の粗体1質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、5〜75質量部であることがより好ましく、10〜50質量部であることが特に好ましい。当該範囲とすることによって、ベンズイミダゾール体の粗体を塩酸塩としたときに確実に溶解させることができ、さらに、後述する析出工程において、ベンズイミダゾール体を高選択的に析出させ、不純物であるメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の含有量が低下した高純度のベンズイミダゾール体を高い回収率で得ることができる。

0037

(溶液調製工程の条件)
当該溶液調製工程において、ベンズイミダゾール体の粗体と塩化水素とを混合してベンズイミダゾール体の粗体を塩酸塩化して溶解させる方法は、特に制限されず、ベンズイミダゾール体の粗体と塩化水素とを混合すれば良く、混合する方法や順序も特に制限されない。

0038

具体的には、当該溶液調製工程における混合は、撹拌下で行うことが好ましく、撹拌する方法としては、メカニカルスターラーマグネティックスターラー等を用いて撹拌する方法を採用することができる。また、混合を行なう容器としては、ガラス製容器ステンレス製容器テフロン登録商標)製容器、グラスライニング容器等を使用することができ、当該容器には、温度計温度センサーを装着することが好ましい。攪拌下で行うことにより、ベンズイミダゾール体の塩酸塩が効率的に形成し易く、効率的に当該溶液調製工程を実施することができる。

0039

また、当該溶液調製工程では、溶媒を使用することが好ましく、溶媒を使用する場合においても、ベンズイミダゾール体の粗体と塩化水素と溶媒を混合する順序は特に制限されず、操作性等を考慮して適宜決定すれば良いが、具体的には、まず、ベンズイミダゾール体の粗体及び溶媒を撹拌混合した後、塩化水素を加える態様が好ましい。こうすることにより、ベンズイミダゾール体の塩酸塩化を効率的に行なうことができる。また、溶媒として前記有機溶媒と水の混合物を使用する場合、予め混合したものを用いても良いし、有機溶媒と水とを別々に用いて、当該工程にて撹拌混合することもできる。

0040

当該溶液調製工程を行なう温度は、塩化水素の使用量や使用する溶媒の使用量、有機溶媒の種類、比率等によって適宜決定すればよいが、ベンズイミダゾール体の塩酸塩の溶解性や操作性を考慮すると、−10℃以上80℃未満であることが好ましく、0℃以上60℃以下であることがより好ましく、10℃以上50℃以下であることが特に好ましい。またベンズイミダゾール体の粗体と塩化水素とを混合する時間についても、塩化水素の使用量等によって適宜決定すればよく、通常は、0.01時間以上2時間以下である。

0041

((析出工程))
本発明において、析出工程とは、前記溶液調製工程で得られた溶液に塩基を加えて前記ベンズイミダゾール体の塩酸塩を中和して前記ベンズイミダゾール体を析出させる工程である。

0042

(塩基)
本発明においては、塩基として、無機塩基類及び有機塩基類のいずれも、特に制限なく使用することができる。具体的には、無機塩基類として、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化マグネシウム水酸化バリウム水酸化リチウム炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸セシウム炭酸カルシウム炭酸リチウム炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウム炭酸水素カルシウム等;有機塩基類として、アンモニア、アンモニア水、メチルアミンエチルアミントリメチルアミントリエチルアミンジイソプロピルアミンジイソプロピルエチルアミンピペリジンピペラジンピロリジンモルホリンピリジン、4−ジメチルアミノピリジンエチレンジアミンテトラメチルエチレンジアミンアニリン等が挙げられる。これらの塩基は単独で使用してもよく、二つ以上組み合わせて使用しても良い。なお、塩基が気体の場合、気体のまま使用しても良いが、操作性等を考慮すると、上記溶媒の使用量や有機溶媒との比率を満たす範囲で、水溶液等の溶液として使用することが好ましい。また、塩基が液体または固体の場合においても同様に、そのまま使用することができるが、上記溶媒の使用量や有機溶媒との比率を満たす範囲で、水や有機溶媒による溶液として使用することができる。

0043

当該析出工程において、塩基の使用量は、特に制限されず、前記溶液調整工程で使用した酸の量に応じて、ベンズイミダゾール体の塩酸塩が中和され、十分に析出するような量を使用すればよい。具体的には、前記塩化水素1モルに対して、0.35〜0.95モルであることが好ましく、0.40〜0.93モルであることがさらに好ましく、0.50〜0.85モルであることが特に好ましい。当該範囲とすることによって、メチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体が十分に低減されたより高純度のベンズイミダゾール体を、より高収率で得ることができる。

0044

(析出工程の条件)
当該析出工程において、前記溶液調製工程で得られた溶液に塩基を加えて前記ベンズイミダゾール体の塩酸塩を中和して前記ベンズイミダゾール体を析出させる方法は、特に制限されず、前記溶液調製工程で得られた溶液と塩基とを混合すれば良いが、効率性を考慮すると、前記溶液調製工程と同様に撹拌下で行うことが好ましい。また、当該析出工程を行なう温度は、前記溶液調製工程と同様に、塩化水素の使用量や使用する溶媒の使用量、有機溶媒の種類、比率等によって適宜決定すればよいが、ベンズイミダゾール体の塩酸塩の溶解性や操作性を考慮すると、−10℃以上80℃未満であることが好ましく、0℃以上60℃以下であることがより好ましく、10℃以上50℃以下であることが特に好ましい。当該析出工程を行なう温度は、前記溶液調製工程を行なう温度と同じ温度であっても良いし、上記範囲であれば異なる温度であっても良い。また前記溶液調製工程で得られた溶液と塩基とを混合する時間についても、塩基の使用量等によって適宜決定すればよく、通常は、0.01時間以上2時間以下である。

0045

上記方法で析出させたベンズイミダゾール体は、公知の方法により、分離することができる。具体的には、デカンテーション減圧加圧ろ過遠心ろ過などの分離方法を採用すればよい。また、分離されたベンズイミダゾール体は、前記した有機溶媒及び/または水を用いて洗浄することにより、母液を十分に置換することが好ましい。このようにして得られたベンズイミダゾール体は湿体であり、0〜120℃の温度で0.01〜50時間乾燥することによって、乾燥体としてベンズイミダゾール体を得ることができる。なお、乾燥についても、公知の方法、具体的には、常圧下または減圧下にて、さらに、送風下または窒素アルゴン等の不活性ガス気流下にて行なうことができる。なお、上記方法によれば、ベンズイミダゾール体は、一般的には結晶として得られるが、本発明ではその態様によらず、不純物であるメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の含有量が低減された、高純度のベンズイミダゾール体を得ることができる。

0046

このようにして得られたベンズイミダゾール体から、公知の製造方法にて、テルミサルタンを製造することができる。具体的には、当該ベンズイミダゾール体と前記ビフェニル体(加水分解工程の効率や本発明の選択的析出の効果を考慮すると、上記式(2)におけるRが炭素数1〜7の炭化水素基であることが好ましく、Rがメチル基であることが特に好ましい。)を用いることが好ましい。)とを反応させて前記テルミサルタンアルキルエステルとし(カップリング工程)、得られたテルミサルタンアルキルエステルを加水分解することによってテルミサルタンを製造することができる。本発明で得られるベンズイミダゾール体は、不純物であるメチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の含有量が低減された高純度のものであるから、当該ベンズイミダゾール体を用いて製造したテルミサルタンは、メチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体に由来する不純物の含有量が少ないものであり、過剰な精製操作をする必要なく、高純度のテルミサルタンを得ることができる。

0047

以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されることはない。
本実施例において、ベンズイミダゾール体の純度、メチルベンズイミダゾール体及びエチルベンズイミダゾール体の含有量、並びに、テルミサルタンの純度、メチルベンズイミダゾール体の誘導体及びエチルベンズイミダゾール体の誘導体の含有量の測定は、以下のように高速液体クロマトグラフィーHPLC)により行なった。なお、本発明において、溶媒の体積は25℃におけるものとする。

0048

<HPLCによる純度及び含有量の測定方法
装置:高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製2695)
検出器紫外吸光光度計(ウォーターズ社製2489)
検出波長:230nm
カラム内径4.0mm、長さ12.5cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィーオクタデシルシリル化シリカゲル充填されたもの
カラム温度:40℃付近の一定温
移動相A:りん酸二水素ナトリウム2.0g及び1−ペンタンスルホン酸ナトリウム3.8gを水1000mLに添加し溶解させた後、りん酸を加えて、液性をpH3.0に調整した混合液
移動相B:アセトニトリル800mLに、メタノール200mLを加えた混合液
移動相の送液:移動相A及びBの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する
流量:毎分1.0mL
測定時間:25分

0049

0050

上記条件において、ベンズイミダゾール体は約4.1分に、メチルベンズイミダゾール体は約3.2分(ベンズイミダゾール体に対する相対保持時間0.77)に、エチルベンズイミダゾール体は約3.3分(ベンズイミダゾール体に対する相対保持時間0.81)にピークが確認される。一方、テルミサルタンは約10.5分に、メチルベンズイミダゾール体の誘導体は約7.7分(テルミサルタンに対する相対保持時間0.73)に、エチルベンズイミダゾール体の誘導体は約9.0分(テルミサルタンに対する相対保持時間0.86)にピークが確認される。本発明において、各化合物の純度または含有量は、すべて、上記条件で測定される全ピークの面積値溶媒由来のピークを除く)の合計に対する各化合物のピーク面積の割合であるものとする。なお、上記測定方法による検出限界は0.003%であった。

0051

製造例1
攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた1Lの三つ口フラスコに、4−メチル−2−n−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸50.0g(229mmol)とポリリン酸300gとを加えて攪拌し、70℃付近に加温し、30分間撹拌して得られた反応液に、N−メチル−O−フェニレンジアミン45.0g(368mmol)を2時間かけて少しずつ加えた。全量を加えた後、70℃付近で1時間撹拌し、さらに130℃付近に加温して5時間撹拌した。HPLCで4−メチル−2−n−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸の消失を確認した後、70℃付近まで冷却し、水600gを反応液の温度を70〜85℃に保ちながら少しずつ滴下した。全量滴下後、30℃付近に冷却し、アンモニア水を用いて反応液の液性がpH8.3となるように調整し、50℃付近に加温して1時間撹拌した後、減圧濾過により固体を濾別し、50℃付近の水200gで濾別した固体を洗浄して、淡褐色結晶の湿体を得た。
攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた1Lの三つ口フラスコに、得られた淡褐色結晶の湿体と水900gとを加え撹拌し、50℃付近に加温して1時間撹拌した後、減圧濾過により固体を濾別し、50℃付近の水100gで濾別した固体を洗浄し、得られた湿体を減圧下にて15時間乾燥して、淡褐色結晶としてベンズイミダゾール体の粗体60.3gを得た。このベンズイミダゾール体の粗体をHPLCで分析した結果、その純度は98.20%であり、メチルベンズイミダゾール体の含有量は0.14%、エチルベンズイミダゾール体の含有量は0.07%であった。

0052

実施例1
攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、製造例1で得られたベンズイミダゾール体の粗体5.0gとメタノール12gと水50gとの混合物とを加えて攪拌した後、塩化水素0.78g(21.4mmol)を含む塩酸2.1gを加えて、25℃付近で10分間攪拌し、反応液中の固体が溶解したことを確認した。続いて、アンモニア0.28g(16.5mmol)を含むアンモニア水1.1gを加えたところ、白色結晶の析出が確認された。25℃付近で1時間攪拌した後、減圧濾過により固体を濾別し、水5gで濾別した固体を2回洗浄し、得られた湿体を60℃減圧下にて12時間乾燥して、白色結晶としてベンズイミダゾール体4.2g(13.9mmol)を得た。ベンズイミダゾール体の粗体の質量を基に算出した回収率は84.4%であった。また、得られたベンズイミダゾール体をHPLCで分析した結果、その純度は99.56%であり、メチルベンズイミダゾール体の含有量は0.06%、エチルベンズイミダゾール体の含有量は0.02%であった。

0053

実施例2〜16
実施例1の塩化水素の量(塩酸の濃度は同一)、溶媒の種類及びその量、並びに、塩基の種類及びその量を表2に示すように代えた以外は、実施例1と同様の方法で行った。結果を表2に示す。

0054

0055

比較例1(特許文献1を参考)
攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、製造例1で得られたベンズイミダゾール体の粗体5.0gとメタノール17gとを加えて攪拌した後、45℃付近に加温して15分間撹拌し、反応液中の固体が溶解したことを確認した後、活性炭0.55gを加え、45℃付近で30分間撹拌した。減圧濾過により活性炭を濾別し、40℃のメタノール5gでフラスコ濾過機を洗浄し、無色澄明の溶液を得た。
攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、得られた無色澄明の溶液を加え、25℃付近で撹拌し、水13gを反応液の温度を25〜35℃に保ちながら少しずつ滴下した。全量を滴下した時点で、結晶の析出を確認した。反応液を還流温度まで加温して1時間撹拌した後、5℃付近に冷却して2時間撹拌した。減圧濾過により固体を濾別し、メタノール5gで濾別した結晶を洗浄し、得られた湿体を60℃減圧下にて12時間乾燥して、白色結晶としてベンズイミダゾール体4.6g(15.1mmol)を得た。ベンズイミダゾール体の粗体の質量を基に算出した回収率は92.7%であった。また、得られたベンズイミダゾール体をHPLCで分析した結果、その純度は99.50%であり、メチルベンズイミダゾール体の含有量は0.14%、エチルベンズイミダゾール体の含有量は0.07%であった。

0056

比較例2(特許文献2を参考)
攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた200mLの三つ口フラスコに、製造例1で得られたベンズイミダゾール体の粗体5.0gと酢酸エチル90gとを加えて攪拌した後、還流温度まで加温して還流状態で15分間撹拌し、反応液中の固体が溶解したことを確認した後、25℃付近に冷却して2時間撹拌した。減圧濾過により固体を濾別し、酢酸エチル4gで濾別した結晶を洗浄し、得られた湿体を60℃減圧下にて12時間乾燥し、白色結晶としてベンズイミダゾール体3.8g(12.5mmol)を得た。ベンズイミダゾール体の粗体の質量を基に算出した回収率は76.0%であった。また、得られたベンズイミダゾール体をHPLCで分析した結果、その純度は99.52%であり、メチルベンズイミダゾール体の含有量は0.13%、エチルベンズイミダゾール体の含有量は0.07%であった。

0057

比較例3
実施例1において、酸として硫酸を使用したところ、反応液中の固体が溶解するのに、硫酸1.3g(13.1mmol)を要した。その他、塩基としてアンモニア0.27g(15.7mmol)を含むアンモニア水1.1gを使用した以外は実施例1と同様の操作を行ない、白色結晶としてベンズイミダゾール体4.8g(15.8mmol)を得た。ベンズイミダゾール体の粗体の質量を基に算出した回収率は95.4%であった。また、得られたベンズイミダゾール体をHPLCで分析した結果、その純度は99.52%であり、メチルベンズイミダゾール体の含有量は0.15%、エチルベンズイミダゾール体の含有量は0.07%であった。

0058

比較例4
実施例1において、酸として酢酸を使用したところ、反応液中の固体が溶解するのに、酢酸7.9g(131mmol)を要した。その他、塩基としてアンモニア1.68g(98.5mmol)を含むアンモニア水6.7gを使用した以外は実施例1と同様の操作を行ない、白色結晶としてベンズイミダゾール体4.8g(15.8mmol)を得た。ベンズイミダゾール体の粗体の質量を基に算出した回収率は96.0%であった。また、得られたベンズイミダゾール体をHPLCで分析した結果、その純度は99.50%であり、メチルベンズイミダゾール体の含有量は0.13%、エチルベンズイミダゾール体の含有量は0.07%であった。

0059

実施例17
攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、実施例1で得られたベンズイミダゾール体4.0g(13.1mmol)とジメチルスルホキシド18gと水酸化カリウム4.0g(71.3mmol)とを加えて撹拌した後、25℃付近で2−[4−(ブロモメチル)フェニル]安息香酸メチルエステル(Rがメチル基のビフェニル体)4.8g(15.7mmol)を加え、25℃付近で2時間撹拌し、45℃付近に加温して2時間撹拌した。HPLCでベンズイミダゾール体の消失を確認した後、25℃付近に冷却し、水40gを加え、酢酸を用いて反応液の液性がpH4となるように調整した。減圧濾過により固体を濾別し、水4gで濾別した固体を洗浄し、得られた湿体を60℃減圧下にて12時間乾燥して、淡褐色結晶としてテルミサルタンメチルエステル6.5g(12.3mmol)を得た。
攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた200mLの三つ口フラスコに、得られたテルミサルタンメチルエステル6.5g(12.3mmol)とメタノール10gとを加えて撹拌した後、水酸化ナトリウム2.5g(62.5mmol)及び水15gより調製した水酸化ナトリウム水溶液を加え、75℃付近に加温して4時間撹拌した。HPLCでテルミサルタンメチルエステルの消失を確認した後、25℃付近に冷却し、メタノール30gを加え、塩酸を用いて反応液の液性がpH7となるように調整した後、水32gを加え、25℃付近で3時間撹拌した。減圧濾過により固体を濾別し、メタノール2.5gで濾別した固体を2回洗浄し、得られた湿体を60℃減圧下にて12時間乾燥して、白色結晶としてテルミサルタンの粗体5.4gを得た。
攪拌翼、温度計、冷却器を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、得られたテルミサルタンの粗体5.4gとエタノール22gとを加え攪拌した後、25%アンモニア水1.1g(16.1mmol)を加えて、テルミサルタンを溶解させた。続いて、活性炭0.30gを加え、25℃付近で1時間攪拌した後、減圧濾過により活性炭を濾別し、得られた溶液を80℃付近に加温し、酢酸1.2g(20.6mmol)を加えた後、25℃付近に冷却して2時間攪拌した。減圧濾過により析出した固体を濾別し、エタノール10gで濾別した固体を2回洗浄し、得られた湿体を60℃減圧下にて14時間乾燥して、白色結晶としてテルミサルタン4.7g(9.1mmol)を得た。ベンズイミダゾール体のモル数を基に算出した収率は69.5%であった。また、得られたテルミサルタンをHPLCで分析した結果、その純度は99.93%であり、メチルベンズイミダゾール体に由来する不純物の含有量は0.04%、エチルベンズイミダゾール体に由来する不純物の含有量は0.01%であった。

実施例

0060

比較例5
実施例13において、比較例1で得られたベンズイミダゾール体を使用した以外は同様の操作を行ない、白色結晶としてテルミサルタン4.4g(8.5mmol)を得た。ベンズイミダゾール体のモル数を基に算出した回収率は64.9%であった。また、得られたテルミサルタンをHPLCで分析した結果、その純度は99.83%であり、メチルベンズイミダゾール体に由来する不純物の含有量は0.12%、エチルベンズイミダゾール体に由来する不純物の含有量は0.05%であった。

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