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技術 加工方法および加工装置並びに該加工方法又は該加工装置により加工された加工物

出願人 国立大学法人大阪大学国立大学法人九州大学アダマンド並木精密宝石株式会社不二越機械工業株式会社
発明者 佐野泰久土肥俊郎會田英雄大山幸希宮下忠一
出願日 2014年2月25日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2014-034551
公開日 2015年9月3日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2015-159257
状態 特許登録済
技術分野 3次曲面及び複雑な形状面の研削,研磨等 仕上研磨、刃砥ぎ、特定研削機構による研削 洗浄、機械加工
主要キーワード テーパー面状 表面改質プロセス 縦移動機構 試料回転速度 接触機 支持筒体 エアー噴射 難加工材料
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年9月3日)のものです。
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図面 (11)

課題

SiC、GaNやダイヤモンドなどの高硬度被加工物であっても効率よく研磨等の加工をすることのできる加工装置を提供する。

解決手段

被加工物Wに接触し、被加工物Wとの間の相対移動により被加工物Wの表面の少なくとも一部に加工変質層を形成する機械的加工部12と、機械的加工部12に隣接して配置され、機械的加工部12により形成された加工変質層の少なくとも一部の表面にプラズマ化学的に作用させ、加工変質層の少なくとも一部を除去するプラズマ発生部14と、被加工物Wを保持する保持部17と、保持部17に保持された被加工物Wを機械的加工部12とプラズマ発生部14との間に亘って移動させる移動機構18とを具備することを特徴とする。

概要

背景

半導体パワーデバイスを作製する上で基板平坦化は必須であるが、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンドに代表されるワイドバンドギャップ半導体基板は硬く脆いことから、従来の機械的加工では高能率な平坦化は困難である。
P-CVM(Plasma Chemical Vaporization Machining)は大気圧雰囲気下でのプラズマを用いた化学的加工方法であり、その高いラジカル密度から高効率な加工が可能である。しかし、P-CVMによる加工は等方性エッチングであり、表面凸部のみならず表面凹部も加工してしまうため、平坦化には向かない。

そこで、特許文献1には、SiC、GaNまたはWC等の超硬合金を始めとする難加工材料プラズマ処理機械研磨複合させて高能率且つ高精度に加工する方法および装置が開示されている。

概要

SiC、GaNやダイヤモンドなどの高硬度被加工物であっても効率よく研磨等の加工をすることのできる加工装置を提供する。被加工物Wに接触し、被加工物Wとの間の相対移動により被加工物Wの表面の少なくとも一部に加工変質層を形成する機械的加工部12と、機械的加工部12に隣接して配置され、機械的加工部12により形成された加工変質層の少なくとも一部の表面にプラズマを化学的に作用させ、加工変質層の少なくとも一部を除去するプラズマ発生部14と、被加工物Wを保持する保持部17と、保持部17に保持された被加工物Wを機械的加工部12とプラズマ発生部14との間に亘って移動させる移動機構18とを具備することを特徴とする。

目的

本発明は、上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、被加工物の表面にダメージ(加工変質層)を生じさせることなく、精度良く研磨を行える加工方法よび加工装置並びに該加工方法又は該加工装置により加工された加工物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

機械的加工部において、被加工物の表面の少なくとも一部に、機械的作用によって加工変質層を形成する工程と、プラズマ発生部において、前記機械的加工部で形成された前記加工変質層の少なくとも一部の表面にプラズマ化学的に作用させ、前記加工変質層の少なくとも一部を除去する工程を含み、該両工程を交互に、相互に異なる場所で行うことを特徴とする加工方法

請求項2

リング状の定盤を備える前記機械的加工部と、前記リング状の定盤内に配置された前記プラズマ発生部を有する加工装置を用い、被加工物を保持部により保持した状態で前記機械的加工部と前記プラズマ発生部との間を移動させて被加工物の加工を行うことを特徴とする請求項1記載の加工方法。

請求項3

前記プラズマ発生部において、長孔状の反応ガス供給孔を有する電極によりプラズマをライン状に発生させ、被加工物を該ライン状のプラズマに対して往復運動させて前記加工変質層を除去することを特徴とする請求項1または2記載の加工方法。

請求項4

大気圧下でプラズマを発生させることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の加工方法。

請求項5

前記機械的加工部において、スラリーを供給しつつケミカルメカニカルポリシング(CMP)により前記加工変質層を形成することを特徴とする請求項1〜4記載の加工方法。

請求項6

前記加工変質層を形成後、被加工物の表面からスラリーを除去する工程を行うことを特徴とする請求項5記載の加工方法。

請求項7

高硬度材料からなる被加工物を加工することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の加工方法。

請求項8

前記高硬度材料からなる被加工物がSiC、GaNもしくはダイヤモンドであることを特徴とする請求項7記載の加工方法。

請求項9

被加工物に接触し、被加工物との間の相対移動により被加工物の表面の少なくとも一部に加工変質層を形成する機械的加工部と、該機械的加工部に隣接して配置され、前記機械的加工部により形成された加工変質層の少なくとも一部の表面にプラズマを化学的に作用させ、前記加工変質層の少なくとも一部を除去するプラズマ発生部と、被加工物を保持する保持部と、該保持部に保持された被加工物を前記機械的加工部と前記プラズマ発生部との間に亘って移動させる移動機構とを具備することを特徴とする加工装置。

請求項10

前記機械的加工部が所要幅のリング状の定盤を有し、前記プラズマ発生部が前記リング状の定盤の内部に配置されていることを特徴とする請求項9記載の加工装置。

請求項11

前記プラズマ発生部は高周波電力印加される電極を有し、前記保持部は被加工物が保持される裏面電極を有し、前記電極の周囲の部材および前記裏面電極側が接地されていることを特徴とする請求項9または10記載の加工装置。

請求項12

前記高周波電力が印加される電極は、長孔状の反応ガス供給孔を有する電極に形成され、ライン状のプラズマを発生させることを特徴とする請求項11記載の加工装置。

請求項13

前記プラズマ発生部は、前記電極の反応ガス供給孔内に反応ガスを導入する複数の絞り孔を有することを特徴とする請求項12記載の加工装置。

請求項14

前記電極の周囲を囲む吸引孔を有するカバーが前記電極の周囲に設けられ、前記吸引孔を通じて反応ガスを吸引して外部に排出する吸引機構が設けられていることを特徴とする請求項11〜13いずれか1項記載の加工装置。

請求項15

前記保持部に、前記プラズマ発生部を覆うカバー部材が設けられていることを特徴とする請求項9〜14いずれか1項記載の加工装置。

請求項16

前記電極を冷却する冷却機構が設けられていることを特徴とする請求項11〜15いずれか1項記載の加工装置。

請求項17

前記機械的加工部は、スラリーを供給しつつ被加工物の研磨を行うケミカルメカニカルポリシング(CMP)装置であることを特徴とする請求項9〜16いずれか1項記載の加工装置。

請求項18

前記機械的加工部と前記プラズマ発生部との間に、前記機械的加工部で用いられ、前記被加工物の表面に付着したスラリーを除去するスラリー除去部が設けられていることを特徴とする請求項17記載の加工装置。

請求項19

前記移動機構は、前記保持部を、水平動させる機構上下動させる機構、水平面内で回転させる機構、さらには前記保持部に保持された被加工物を前記定盤に対して所要圧力押圧する押圧機構を具備することを特徴とする請求項10〜18いずれか1項記載の加工装置。

請求項20

請求項1〜19いずれか1項記載の加工方法又は加工装置によって加工された加工物

技術分野

0001

本発明は、SiC、GaN、ダイヤモンド等の高硬度材料研磨に用いて好適な加工方法および加工装置並びに該加工方法又は該加工装置により加工された加工物に関する。

背景技術

0002

半導体パワーデバイスを作製する上で基板平坦化は必須であるが、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンドに代表されるワイドバンドギャップ半導体基板は硬く脆いことから、従来の機械的加工では高能率な平坦化は困難である。
P-CVM(Plasma Chemical Vaporization Machining)は大気圧雰囲気下でのプラズマを用いた化学的な加工方法であり、その高いラジカル密度から高効率な加工が可能である。しかし、P-CVMによる加工は等方性エッチングであり、表面凸部のみならず表面凹部も加工してしまうため、平坦化には向かない。

0003

そこで、特許文献1には、SiC、GaNまたはWC等の超硬合金を始めとする難加工材料プラズマ処理機械研磨複合させて高能率且つ高精度に加工する方法および装置が開示されている。

先行技術

0004

特開2011−176243

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に示される加工方法は、大気圧プラズマによって生成した反応性の高いOHラジカル等の酸化種をSiCや超硬合金等の難加工材料の表面に作用させて改質軟質化)することで、機械加工により高能率にラッピングポリシング仕上げを行う加工方法である。さらに具体的には、表面改質プロセスにおいて、不活性ガスと、H2OとH2O2の一方または双方を含む雰囲気中に高周波電力投入してOHラジカルを生成し、OHラジカルによって難加工材料の表面に酸化物層軟質層)を形成するというものである。

0006

この特許文献1のものでは、超硬合金材料等の表面をプラズマ処理によって軟質化した後に機械加工するものであるので超硬合金材料等であっても高能率で加工を行えるという利点がある。
しかしながら、特許文献1のものでは、最後に機械加工によって仕上げるものであるため、機械加工の程度にもよるが、微小スクラッチなどのダメージ加工変質層)が発生するおそれがある。
また、材料の表面を酸化処理するものであるので、そもそも、アルミナ等の酸化物からなる被加工物の加工には向かない。
本発明は、上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、被加工物の表面にダメージ(加工変質層)を生じさせることなく、精度良く研磨を行える加工方法よび加工装置並びに該加工方法又は該加工装置により加工された加工物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明に係る加工方法は、機械的加工部において、被加工物の表面の少なくとも一部に、機械的作用によって加工変質層を形成する工程と、プラズマ発生部において、前記機械的加工部で形成された前記加工変質層の少なくとも一部の表面にプラズマを化学的に作用させ、前記加工変質層の少なくとも一部を除去する工程を含み、該両工程を交互に、相互に異なる場所で行うことを特徴とする。

0008

リング状の定盤を備える前記機械的加工部と、前記リング状の定盤内に配置された前記プラズマ発生部を有する加工装置を用い、被加工物を保持部により保持した状態で前記機械的加工部と前記プラズマ発生部との間を移動させて被加工物の加工を行うようにすることができる。
前記プラズマ発生部において、長孔状の反応ガス供給孔を有する電極によりプラズマをライン状に発生させ、被加工物を該ライン状のプラズマに対して往復運動させて前記加工変質層を除去するようにすることができる。

0009

大気圧下でプラズマを発生させることができる。
また、前記機械的加工部において、スラリーを供給しつつケミカルメカニカルポリシング(CMP)により前記加工変質層を形成するようにすることができる。この場合、前記加工変質層を形成後、被加工物の表面からスラリーを除去するようにするとよい。
高硬度材料からなる被加工物を加工することができる。
前記高硬度材料からなる被加工物がSiC、GaNもしくはダイヤモンドの場合に好適である。

0010

本発明に係る加工装置は、被加工物に接触し、被加工物との間の相対移動により被加工物の表面の少なくとも一部に加工変質層を形成する機械的加工部と、該機械的加工部に隣接して配置され、前記機械的加工部により形成された加工変質層の少なくとも一部の表面にプラズマを化学的に作用させ、前記加工変質層の少なくとも一部を除去するプラズマ発生部と、被加工物を保持する保持部と、該保持部に保持された被加工物を前記機械的加工部と前記プラズマ発生部との間に亘って移動させる移動機構とを具備することを特徴とする。

0011

前記機械的加工部に所要幅のリング状の定盤を設け、前記プラズマ発生部を前記リング状の定盤の内部に配置するようにすると好適である。
前記プラズマ発生部は高周波電力が印加される電極を有し、前記保持部は被加工物が保持される裏面電極を有し、前記電極の周囲の部材および前記裏面電極側が接地されるようにすると好適である。
前記高周波電力が印加される電極に、長孔状の反応ガス供給孔を有する電極を用い、ライン状のプラズマを発生させると好適である。
前記プラズマ発生部に、前記電極の反応ガス供給孔内に反応ガスを導入する複数の絞り孔を設けると好適である。
前記電極の周囲を囲む吸引孔を有するカバーを前記電極の周囲に設け、前記吸引孔を通じて反応ガスを吸引して外部に排出する吸引機構を設けると好適である。
また、前記保持部に、前記プラズマ発生部を覆うカバー部材を設けると好適である。

0012

また前記電極を冷却する冷却機構を設けると好適である。
前記機械的加工部は、スラリーを供給しつつ被加工物の研磨を行うケミカルメカニカルポリシング(CMP)装置とすることができる。この場合、前記機械的加工部と前記プラズマ発生部との間に、前記機械的加工部で用いられ、前記被加工物の表面に付着したスラリーを除去するスラリー除去部を設けると好適である。
また、前記移動機構は、前記保持部を、水平動させる機構上下動させる機構、水平面内で回転させる機構、さらには前記保持部に保持された被加工物を前記定盤に対して所要圧力押圧する押圧機構とで構成することができる。
また、前記いずれかに記載の加工方法又は加工装置によって加工された加工物を得ることができる。

発明の効果

0013

本発明によれば、被加工物の表面にダメージ(加工変質層)を生じさせることなく、精度良く研磨を行える加工方法よび加工装置を提供できる。また、高品質な加工物を得ることができる。

図面の簡単な説明

0014

加工装置の全体を示す概略図である。
保持部の断面図である。
定盤とプラズマ発生部を示す斜視図である。
保持部、機械的加工部、プラズマ発生部の断面図である。
プラズマ発生部の拡大図である。
電極の平面図である。
移動機構を示す斜視図である。
被加工物の加工方法の説明図である。
被加工物の加工前後の表面形状と断面形状を示す図面である。
機械加工+P-CVM加工後の凹部と凸部の表面粗さを測定した結果を示す図面である。

0015

以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態における加工方法と加工装置は軌を一にするものであり、以下並行して説明する。
図1は加工装置10の概略を示す斜視図である。
まず、加工装置10の各部の概略を説明する。
図1において、12は機械的加工部であり、被加工物に接触し、被加工物との間の相対移動により被加工物の表面の少なくとも一部(凸部)に加工変質層を形成する。本実施の形態では、機械的加工部12は、水平面内で回転するリング状の定盤13を備える。機械的加工部12での加工方法は、被加工物の表面を、定盤13に固定した固定砥粒により直接研磨あるいは研削する加工や、定盤13の研磨布研磨砥粒を含むスラリー供給して被加工物の表面の研磨を行うCMP(ケミカルメカニカルポリシング)研磨等のいずれをも採用でき、その機械加工方法は特に限定されない。

0016

機械的加工部12では、被加工物の表面の凸部に、研磨、研削、CMP等の処理を施すものであるが、被加工物が高硬度材料であるときは、凸部の除去量は少ない。むしろ本実施の形態において、機械的加工部12おける目的は、必ずしも凸部の除去を積極的な目的とするものではなく、上記処理によって、凸部に微小スクラッチ等のダメージ(加工変質層)を積極的に形成し、以後のプラズマ処理による上記加工変質層を除去しやすくことを目的としている。

0017

次に、14はプラズマ処理を行うプラズマ発生部である。
プラズマ発生部14は、機械的加工部12に隣接して配置される。本実施の形態では、プラズマ発生部14は、リング状定盤13内に位置して設けられている。プラズマ発生部14では、機械的加工部12により形成された加工変質層の少なくとも一部の表面にプラズマを化学的に作用させ、該加工変質層の少なくとも一部を除去する処理を行う。

0018

図1に示すように、プラズマ発生部14には、ガスボンベ15からHe等の希ガスが反応ガスのベースガスとして適宜配管(図示せず)を通じて供給される。さらにプラズマ発生部14には、ガスボンベ16から各種反応ガスが供給される。反応ガスとしては、被加工物がSiCの場合にはSFガス等のフッ素系ガスを、被加工物がGaNの場合にはCl2ガス等の塩素系ガスを、被加工物がダイヤモンドの場合にはO2ガス、フッ素系ガスもしくは水素ガスを用いると好適である。
本実施の形態では、機械的加工部12において、被加工物の表面の凸部に形成した加工変質層を、プラズマ発生部14において、プラズマのエッチング作用によって除去し、平坦化するものである。このように本実施の形態では、特許文献1のように被加工物表面に酸化層を形成するものではないので、被加工物がアルミナ等の酸化物であっても加工処理が行える。

0019

17は被加工物を保持する保持部である。
本実施の形態では、被加工物が、保持部17下面に保持された状態で、保持部17を、移動機構18により、機械的加工部12とプラズマ発生部14との間に亘って移動することにより、被加工物表面に、上記機械的加工とプラズマ処理を交互に施すようにしている。
19は各部の制御を行う制御部である。

0020

続いて各部を詳細に説明する。
1.保持部17
図2に保持部(ヘッド部)17の具体例を示す。
20は連結部であり、下面に、球状の凹面を有する球座21を有する。球座21は、樹脂製が好ましい。また、連結部20の外周面の下部には、下方に向けて拡径するテーパー面からなるストッパ部22が形成されている。保持部17は、連結部20において、前記移動機構18に連結される。

0021

24は、ヘッド本体であり、リング状の当接体25、支持部26、裏面電極27を有する。
裏面電極27は、固定具28がボルト29により支持部26に固定されることによって、固定具28と支持部26とで挟まれた状態で支持部26下面に固定されている。ボルト29は、当接体25と支持部26をも連結している。リング状の当接体25の内周面の下部は、下方に向けて拡径し、連結部20のストッパ部22に当接する、逆テーパー状の当接部30に形成されている。

0022

支持部26の上面には、連結部20の球座21に当接する球面を有する座部31が形成されている。座部31も樹脂製とすると好適である。
支持部26の上面と連結部20の下面との間には、スプリング32が複数、配置され、ヘッド本体24を下方に付勢している。これにより、テーパー面状の当接部30がストッパ部22に当接し、ヘッド本体24は水平状態(定盤13の上面と平行な状態)で位置決めされ、維持される。この状態では、球座21と座部31との間には隙間が生じている。

0023

前記の移動機構18により保持部17が下降され、裏面電極27の下面に保持された被加工物が定盤13の上面に押圧されると、ヘッド本体24が前記スプリングの付勢力に抗して浮上し、当接部30がストッパ部22から離れ、一方、座部31が球座21に当接する。これにより、ヘッド本体24は、球座21の球面にしたがって揺動可能となり、定盤13の上面にしたがって揺動可能となり、定盤面に均一に押圧される。

0024

裏面電極27の下面にはリング状のテンプレート33が固定されている。テンプレートはプラズマに浸食されない材料、例えばサファイア製とするのが好ましい。
リング状のテンプレート33内に位置して、薄板状の被加工物(ワーク、ウェーハ)Wが裏面電極27下面に保持される。被加工物Wは両面接着テープ等によって裏面電極27下面に保持される。あるいは被加工物Wを、裏面電極27下面に負圧を及ぼす吸引機構34によって裏面電極27下面に吸着、保持するようにしてもよい。

0025

テンプレート33の厚さは、被加工物Wの厚さよりも薄いものとし、被加工物Wの表面側がテンプレート33の下面より下方に突出し、これにより定盤13による接触機械加工が可能となる。なお、テンプレート33は、機械加工時、被加工物Wの周囲を囲み、被加工物Wの飛び出しを防止したり、被加工物Wのエッジ部の過研磨等を防止したりする。

0026

次に、35はリング状のカバー部材であり、固定具28および裏面電極27の周囲を囲むようにして、ボルト36により支持部26に固定されている。
このカバー部材35は、その下面が固定具28および裏面電極27の下面よりも下方に突出するようにされ、また、プラズマ発生部14を覆って、後記するプラズマ発生部14における反応ガスが外方に漏出するのを防止する。なお、カバー部材35は、支持部26下面とカバー部材35上面との間に適宜スペーサ(図示せず)を介在させることによって、下方への突出量を調節可能となっている。

0027

固定具28下面と裏面電極27下面の高さは、プラズマが所要位置に発生するよう同一高さ面となっている。
保持部17側の、裏面電極27、支持部26、当接体25等は、SUS材で形成されており、また、プラズマ発生部14の電極側と所要電位差を形成するため、接地されている。なお、カバー部材35は樹脂製としてもよい。

0028

2.機械的加工部12
図3および図4に機械的加工部12およびプラズマ発生部14を示す。
本実施の形態では、機械的加工部12は、前記のようにリング状の定盤13を有する。定盤13は、CMPの場合には、上面に研磨布が貼付され、また、研磨布上にスラリーを供給するスラリー供給部(図示せず)が設けられる。なお、単なる研磨や研削の場合には、定盤13面に固定砥粒を固定して用いるようにする。リング状の定盤13内にプラズマ発生部14が配置されている。
定盤13をリング状とし、プラズマ発生部14をこの定盤13内に配置することで、スペースを有効に利用でき、また、装置の小型化が図れる等の利点がある。

0029

図3図4に示されるように、定盤13は、プラズマ発生部14の周りに回転自在に設けられている。
定盤13の回転支持機構は次のようになっている。
定盤13は、基台42に固定された支持リング47の内周面と外筒体40外周面との間に軸受48が配設されることによって、基台42に水平面内で回転自在に支持されている(図4)。そして、基台42に配設された駆動モータ50のプーリ51との間にベルト52が掛け回されて、水平面内で回転駆動される(図3)。
定盤13の下面側に、外筒体40と内筒体41との二重筒が設けられ、支持台43に立設された支持筒体44の外周面と内筒体41の内周面との間に軸受45が配設されている(図4)。

0030

3.プラズマ発生部14
図3図4図5によりプラズマ発生部14について説明する。
図4は、電極54の側面断面図、図5は電極54の正面断面の拡大図を示す。
電極54は扁平な板状をなす。電極54は、定盤13のほぼ中央に位置して、また、上面を、定盤13の上面とほぼ同一高さ面となるように、プラズマ発生部14に配置されている。
電極54上面側には、電極54の長さ方向に伸びる反応ガス供給孔55が形成されている。反応ガス供給孔55底面には複数の絞り孔56が間隔をおいて直線状に位置して開口されている。この各絞り孔56は大径孔57を介して、共通のガス溜まり58に通じている。

0031

ガス溜まり58には、支持筒体44内を伸びるSUS製のガス供給管60を介して、ガスボンベ15およびガスボンベ16(図1)からHe等のベースガスおよび前記反応ガスが供給される。反応ガスは、複数の絞り孔56から反応ガス供給孔55内に導入されるので、長孔状の反応ガス供給孔55内に均等に供給される。
電極54は、長孔状の反応ガス供給孔55を有する長四角状をなす(図6)。
電極54はアルミニウム合金製で表面がアルマイト処理されており、端子61およびSUS製のガス供給管60を通じて図示しない電源から高周波電力が印加され、裏面電極27との間でプラズマを生成する。

0032

電極54を囲むようにして、有底筒状箱体62がベースプレート63およびステー64を介して支持筒体44に固定されている。
箱体62の上面は、電極54を囲むようにして吸引孔66が設けられたカバー67によって覆われている(図3図6)。
電極54の反応ガス供給孔55に供給され、プラズマを生成した後の反応ガスは、吸引機構によって外部に排出される。すなわち、吸引孔66、箱体62、継手68、継手68に連結される排気パイプ(図示せず)等からなる吸引機構により外部に排出される。
なお、箱体62、カバー67等の、電極54の周囲の部材は接地されている。これにより電極54に印加される高周波シールドされ、外部への漏洩が防止される。また、プラズマが照射されている部分以外には高周波電界が印加されず、圧電効果等を有する材料の被加工物であってもプラズマ処理が可能となる。

0033

なお、電極54は支持部70を介して箱体62に固定されている。支持部70には冷却水通流される冷却機構(冷却ジャケット)が設けられ(図示せず)、電極54を冷却しうるようになっている。この冷却ジャケットには、支持筒体44の空間内に設けた供給パイプ(図示せず)および排出パイプ(図示せず)により冷却水が供給、排出される。なお、72もカバーである。

0034

機械的加工部12がスラリーを用いるCMP加工部である場合、機械的加工部12とプラズマ発生部14との間に、機械的加工部12で用いられ、被加工物Wの表面に付着したスラリーを除去するスラリー除去部(図示せず)を設けるようにするとよい。スラリー除去部には、洗浄水を被加工物Wに向けて噴射する水噴射部と、さらに被加工物Wにエアーを吹き付けて乾燥するエアー噴射部を設けるようにするとよい。
なお、図4および図5は断面図であるが、わかりやすくするため、ハッチングを省略している。図4図5において記号Sは空間部を示している。

0035

4.移動機構18
次に移動機構18について、図7により説明する。
図7において、74は横移動機構、76は縦移動機構である。
横移動機構74は、縦移動機構76そのものを水平方向に移動ガイドするレール77、および縦移動機構76をレール77に沿って水平動させるサーボモータ78およびボールネジ(図示せず)を備えている。
また、縦移動機構76は、昇降体80を上下方向に移動ガイドするレール82および昇降体80をレール82に沿って上下動させるサーボモータ83およびボールネジ(図示せず)を備えている。

0036

昇降体80の下面側には、適宜チャック装置(図示せず)により保持部17が取り付けられる。保持部17はモータ84により水平面内で回転されるようになっている。
また、保持部17は、昇降体80に設けたエアシリンダ装置85によって、昇降体80に対して上下動可能になっている。

0037

加工装置10は上記のように構成されている。
続いて動作について説明する。
まず、被加工物Wを、保持部17のテンプレート33内に位置して、裏面電極27の下面に加工面を下にして両面テープ等により取り付ける。
次いで、保持部17を定盤13の上方に移動させ、縦移動機構76によって昇降体80および保持部17を基本高さ位置に移動させる。また、定盤13は駆動モータ50によって回転させておく。この状態で、シリンダ装置85を駆動し、保持部17を下降し、定盤13上面に所要加工圧力となるように押圧して、被加工物Wに機械的加工を行い、被加工物Wの表面の凸部に上記のように加工変質層Xを形成する(図8(a)、(b))。なお、機械的加工がCMP加工の場合には、スラリー供給機構からスラリーを定盤13上に供給しつつ、加工処理を行う。

0038

所要時間、機械的加工を行った後、縦移動機構76によって昇降体80を所要高さまで上昇させ、次いでシリンダ装置85により保持部17を図示しないストッパに当接する停止位置まで下降させる。次に、縦移動機構76によって、保持部17を基本高さ位置まで下降させる。このときの、被加工物W下面と電極54の上面との間隔は200μm程度となるようにするとよい。なお、CMP加工の場合には、この移動途中で、被加工物Wに付着したスラリーの除去を行う。
この状態で、反応ガスを電極54の凹溝(反応ガス供給孔55)内に供給するとともに、電極54に高周波電力を印加し、電極54の表面と被加工物Wとの間にプラズマを発生させ、被加工物Wにプラズマ処理を行う。プラズマは、長四角状の電極54の表面に沿って発生する。

0039

プラズマ発生部14において被加工物Wにプラズマ処理を行う場合、被加工物Wと電極54との間の間隔を上記に維持したまま、横移動機構74により、保持部17を長四角状の電極54に対して直角方向に横切るようにして等速往復動させるようにする。このように、保持部17、したがって被加工物Wを電極に対して等速往復動させることにより、被加工物Wの表面に均等にプラズマ処理がなされる。このプラズマ処理による化学的作用(エッチング作用)は、被加工物Wの表面に等方的になされるが、前記のように、機械的加工によって被加工物Wの凸部に選択的にスクラッチ等のダメージが形成される(加工変質層Xの導入)結果、他の部位に優先して、プラズマ処理によってこの加工変質層Xが除去される(加工変質層Xの選択的エッチング)のである(図8(c)、(d))。

0040

上記のように、プラズマは、長四角状の電極の表面に沿って長四角状に発生するが、被加工物Wを、電極54の両長辺に沿って発生するライン状のプラズマの部位を通過するように、被加工物Wの大きさ、および電極54の長さを設定しておく。すなわち、電極54の短辺に沿って発生するプラズマの部位を被加工物Wが通過しないようにする。これにより、被加工物W表面に均等にプラズマを作用させることができる。プラズマ発生部14において、プラズマを上記のようにライン状(電極54の長辺に沿う2本のライン状)に発生させ、被加工物Wを、このライン状のプラズマを横切るように移動させる構成は、プラズマを被加工物Wに均等に作用させる効果を有するとともに、加工装置10を簡易化、小型化できる利点がある。
なお、プラズマ処理の間、反応ガスは、電極54の周囲に形成された吸引孔66から、吸引機構により外部に排出される。
上記機械的加工とプラズマ処理とを必要に応じて複数回繰り返すことによって、被加工物W表面の平坦化が良好に行える(図8(b)、(c))。

0041

なお、プラズマ発生部14をリング状の定盤13内に配置するのでなく、単に機械的加工部12とプラズマ発生部14とを隣接して配置するのでもよい。
また、プラズマ発生部14において、プラズマをライン状に発生させるのでなく、電極を水平面内において複数配置し、プラズマを水平面内で発生させ、被加工物の表面全体を同時にプラズマ処理するようにしてもよい。
また、プラズマ発生部におけるプラズマ発生機構は、必ずしも高周波電源を用いるのでなく、例えば、マイクロ波によって発生させるなどしてもよい。以上のように、機械的加工部12によって被加工物Wの表面に形成される加工変質層Xを、電極54を用いたプラズマ発生により除去することができる。よって、加工変質層Xが除去された高品質な加工物を得ることができ、例えば、パワーデバイス用の材料等として有用である。

0042

以下に実施例を示す。
上記実施の形態に係る加工装置10を用いてSiC試料(基板)を研磨した。
SiC試料は、2μm程度の凹凸を形成したSiC試料である。試料は、シャドウマスクを用いて試料にアルミニウム真空蒸着し、その後、P-CVMによる加工を行って作製した。アルミニウムが蒸着されている部分は加工されず、それ以外の部分は加工されるため、凹凸のある試料が作製される。機械的加工部12での加工条件は、研磨剤にSiC研磨紙粒径35μm)を使用し、定盤・試料回転速度は共に15rpm、圧力は50kPaとした。P-CVM加工部(プラズマ発生部14)での加工条件は、反応ガスに、He:SF6=99.4:0.6のガスを使用し、ガス流量は1.5L/min、電極-試料間距離は0.3mm、印加電力は50Wとした。大気開放型のプラズマ処理であるため、電極周辺の雰囲気を空気から反応ガスに置換する必要がある。そこで、プラズマ発光分光法を用いて窒素分子ピークが一定になるまでパージを行い、パージ時間を1分間とした。
研磨時間は、機械的加工部12で10分間、P-CVM加工部(プラズマ発生部14)でも10分間とした。表面形状および表面粗さの測定には、白色干渉計(zygo New View200)を用いた。加工前と加工後の凹凸のP-V値を求め、その減少速度段差解消速度と定義し、評価した。

実施例

0043

機械加工のみを行った場合の加工速度は388nm/hであった。機械加工における段差解消速度は加工速度と等しいと考えられるので、機械加工のみの段差解消速度は388nm/hと考えられる。図9(a)に加工前の表面形状、図9(b)に上記加工後の表面形状、図9(c)に加工前のA-A´断面形状、図9(d)に上記加工後のB-B´断面形状を示す。加工前後の断面形状の比較から、試料表面の凹凸のP-V値が約1800nmから約1300nmに減少していることがわかる。12箇所の平均値から段差解消速度は907nm/h程度であった。機械加工のみの場合と比較して、機械加工とP-CVM加工を併用した場合は約2.3倍の段差解消速度が得られた。機械加工+P-CVM加工後の凹部と凸部の表面粗さを測定した結果を図10(a)、図10(b)にそれぞれ示す。凹部と凸部の表面粗さは大きく異なり、凹部は比較的滑らかであり、P-CVM加工前の表面と大差ないが、凸部はP-CVM加工後の粗さが大きくなっていることがわかる。これは、凸部のみに機械加工によるスクラッチ状のダメージ(加工変質層)の導入が多数行われた結果と考えられ、加工変質層におけるP-CVM加工速度の増大が段差解消速度向上に寄与していると考えられる。
なお、上記ではP-CVM加工において反応ガスにSF6を用いたが、他のフッ素系ガスでも同様である。
また、試料としてGaNを、P-CVM加工において反応ガスにHe+Cl2ガスを用いた場合にも上記と同様である。
また、試料としてダイヤモンドを、P-CVM加工において反応ガスにHe+O2ガスを用いた場合にも上記と同様である。
また、機械加工において、スラリーを用いたCMP加工を行った場合にも上記と同様である。

0044

10加工装置、12機械的加工部、13定盤、14プラズマ発生部、15ガスボンベ、16 ガスボンベ、17 保持部、18移動機構、19 制御部、20 連結部、21球座、22ストッパ部、24ヘッド本体、25 当接体、26 支持部、27裏面電極、28固定具、29ボルト、30 当接部、31座部、32スプリング、33テンプレート、34吸引機構、35カバー部材、36 ボルト、40外筒体、41内筒体、42基台、43支持台、44支持筒体、45軸受、47支持リング、48 軸受、50駆動モータ、51プーリ、52ベルト、54電極、55反応ガス供給孔、56絞り孔、57 大径孔、58ガス溜まり、60ガス供給管、61端子、62箱体、63ベースプレート、64 ステー、66吸引孔、67カバー、68継手、70 支持部、72 カバー、74横移動機構、76縦移動機構、77レール、78サーボモータ、80昇降体、82 レール、83 サーボモータ、84モータ、85エアシリンダ装置、W被加工物、S 空間部、X 加工変質層

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