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技術 加工米飯用pH調整剤、加工米飯及び加工米飯の製造方法

出願人 テーブルマーク株式会社
発明者 内田晋一郎堀田明子
出願日 2014年2月20日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2014-030629
公開日 2015年8月27日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2015-154730
状態 特許登録済
技術分野 穀類誘導製品
主要キーワード 匂いセンサー トレー開口 主成分分析結果 新潟産 システムα マスキング能 味覚センサー 常温保管
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年8月27日)のものです。
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図面 (6)

課題

酸味酸臭の低減された有機酸を主成分とする加工米飯用pH調整剤の提供。

解決手段

有機酸と、青果の搾汁物とを含むことを特徴とする加工米飯用pH調整剤。前記青果は、野菜及び果実であることが好ましい。前記有機酸はグルコン酸であることが好ましい。前記青果の搾汁物が、生姜の搾汁物及びグレーフルーツの搾汁物の混合液であることが好ましい。さらに、酵母エキスを含むことが好ましい。

概要

背景

近年、密封容器充填された米飯具材が添加された米飯等の加工米飯が、簡単な調理により短時間で喫食できることから数多く市販されている。

これらの加工米飯は、常温保管無菌状態を確保するために、無機酸、有機酸等を添加して、pHを低下させ、保存性担保している。有機酸としては、その味質等の理由からグルコン酸が広く用いられている(例えば特許文献1、2)。

グルコン酸は、酢酸のようなツンとした刺激臭刺激味はないものの、特有酸味酸臭を有している。グルコン酸を用いたpH調整剤を用いる場合には、この酸味や酸臭を低減させるための工夫がなされている。
例えば、特許文献3には、グルコン酸塩等を含有する食品pH調整剤を米飯製造時に用いた米飯の酸味をマスキングするため、冷水可溶性高分子多糖類還元水あめ又はデキストリンを含有させる方法が記載されている。

さらに、酸味酸臭等を低減させる方法として、マスキングする方法がある。例えば、特許文献4には、有機酸及び/又はその塩類燻煙処理する方法が記載されている。
また、特許文献5には、酵母由来物を食品に添加することにより、食品の香気を改善する方法が記載されている。
しかしながら、上記の方法はいずれも、グルコン酸等の有機酸の酸味や酸臭をマスクし、酸味や酸臭を大きく低減させる、又は完全にマスキングすることは困難であった。

概要

酸味や酸臭の低減された有機酸を主成分とする加工米飯用pH調整剤の提供。有機酸と、青果の搾汁物とを含むことを特徴とする加工米飯用pH調整剤。前記青果は、野菜及び果実であることが好ましい。前記有機酸はグルコン酸であることが好ましい。前記青果の搾汁物が、生姜の搾汁物及びグレーフルーツの搾汁物の混合液であることが好ましい。さらに、酵母エキスを含むことが好ましい。なし

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、有機酸を主成分とするにも関わらず、酸味や酸臭の低減された、加工米飯用pH調整剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

有機酸と、青果の搾汁物とを含むことを特徴とする加工米飯用pH調整剤

請求項2

前記青果が、野菜及び果実である請求項1に記載の加工米飯用pH調整剤。

請求項3

前記有機酸がグルコン酸グルコノデルタラクトンクエン酸アジピン酸コハク酸酢酸氷酢酸酒石酸乳酸フマル酸リンゴ酸リン酸フィチン酸イタコン酸α−ケトグルタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項1又は2に記載の加工米飯用pH調整剤。

請求項4

前記青果の搾汁物が、生姜汁液人参搾汁液、グレーフルーツ搾汁液及びレモン搾汁液からなる群より選ばれる1種以上の搾汁液、又は2種以上の搾汁液の混合液である請求項1〜3のいずれか1項に記載の加工米飯用pH調整剤。

請求項5

さらに、酵母エキスを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の加工米飯用pH調整剤。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の加工米飯用pH調整剤を使用した加工米飯

請求項7

加工米飯製造時の米飯の炊き水に、有機酸と、青果の搾汁物を含有する炊き水を用いることを特徴とする加工米飯の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、加工米飯用pH調整剤加工米飯及び加工米飯の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、密封容器充填された米飯具材が添加された米飯等の加工米飯が、簡単な調理により短時間で喫食できることから数多く市販されている。

0003

これらの加工米飯は、常温保管無菌状態を確保するために、無機酸、有機酸等を添加して、pHを低下させ、保存性担保している。有機酸としては、その味質等の理由からグルコン酸が広く用いられている(例えば特許文献1、2)。

0004

グルコン酸は、酢酸のようなツンとした刺激臭刺激味はないものの、特有酸味酸臭を有している。グルコン酸を用いたpH調整剤を用いる場合には、この酸味や酸臭を低減させるための工夫がなされている。
例えば、特許文献3には、グルコン酸塩等を含有する食品pH調整剤を米飯製造時に用いた米飯の酸味をマスキングするため、冷水可溶性高分子多糖類還元水あめ又はデキストリンを含有させる方法が記載されている。

0005

さらに、酸味酸臭等を低減させる方法として、マスキングする方法がある。例えば、特許文献4には、有機酸及び/又はその塩類燻煙処理する方法が記載されている。
また、特許文献5には、酵母由来物を食品に添加することにより、食品の香気を改善する方法が記載されている。
しかしながら、上記の方法はいずれも、グルコン酸等の有機酸の酸味や酸臭をマスクし、酸味や酸臭を大きく低減させる、又は完全にマスキングすることは困難であった。

先行技術

0006

特開2001−8646号公報
特開平10−57007号公報
特開2004−159629号公報
特開2013−143936号公報
特開2010−166886号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、有機酸を主成分とするにも関わらず、酸味や酸臭の低減された、加工米飯用pH調整剤を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、有機酸と、青果の搾汁物とを含むことを特徴とする加工米飯用pH調整剤である。
本発明において、前記青果は、野菜及び果実であることが好ましい。
本発明において、有機酸はグルコン酸、グルコノデルタラクトンクエン酸アジピン酸コハク酸、酢酸、氷酢酸酒石酸乳酸フマル酸リンゴ酸リン酸フィチン酸イタコン酸α−ケトグルタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
本発明において、青果の搾汁物は、生姜汁液人参搾汁液、グレーフルーツ搾汁液及びレモン搾汁液からなる群より選ばれる1種以上の搾汁液、又は2種以上の搾汁液の混合液であることが好ましい。
本発明のpH調整剤は、さらに酵母エキスを含むことが好ましい。
本発明は、前記のpH調整剤を使用した加工米飯を提供する。
本発明は、加工米飯製造時の米飯の炊き水に、有機酸と青果の搾汁物を含有する炊き水を用いることを特徴とする加工米飯の製造方法を提供する。

発明の効果

0009

本発明によれば、有機酸を主成分とするにも関わらず、酸味や酸臭の低減された、加工米飯用pH調整剤を提供することができる。
また、本発明の加工米飯用pH調整剤は、野菜や果実等の天然素材を使用しているため、安心・安全なものであり、さらには呈味性に優れた加工米飯を提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

実施例4における匂い識別装置による主成分分析結果を示すグラフである。
実施例4における香り類似度を示すグラフである。
実施例4におけるユークリッド距離による類似度を示すグラフである。
実施例4における電子味覚ステムによる主成分分析結果を示すグラフである。
実施例4における電子味覚システムによる主成分分析結果を示すグラフである。
実施例4における電子味覚システムによる主成分分析結果を示すグラフである。

0011

<加工米飯用pH調整剤>
本発明は、有機酸と、青果の搾汁物とを含むことを特徴とする加工米飯用pH調整剤である。

0012

味覚の質の評価法はさまざまあるが、その発現の時間的な差異に基づき、先味中味後味などと分類することができる。この方法をもとに、pH調整剤を用いた加工米飯、特にグルコノデルタラクトンを使った無菌米飯分析すると以下の(i)〜(iii)のように評価できる。
(i) 後味として酸味を感じ
(ii) 全体的に渋みのようなものを感じる。
(iii)酸臭を感じる。グルコノデルタラクトンの場合は比較的遅れて感じる。
本発明の発明者らは、グルコン酸の酸味(後味)と柑橘系の酸味(先味)に注目し、本発明を完成するに至った。
つまり、本発明はグルコン酸の酸味(後味)を柑橘系の酸味(先味)で平衡化し、さらに、全的の渋み、酸臭を、脱臭効果が知られている野菜エキス香味改変作用が研究されている酵母エキスなどでマスキングし、バランスをとることにより酸味や酸臭の低減された、加工米飯用pH調整剤を提供するものである。
以上のような理由により、グルコノデルタラクトンのような有機酸と、青果の搾汁物、酵母エキスの組み合わせを検討した。

0013

[有機酸]
本発明において、有機酸とは、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、酢酸、氷酢酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、フィチン酸、イタコン酸、α−ケトグルタル酸、これらの塩又は水和物、及びこれらのいずれかの混合物からなる群より選択される少なくとも1種以上を指す。

0014

本発明の加工米飯用pH調整剤に用いる有機酸は、米飯食品において適切な量を使用した場合に、酸味及び酸臭を強く呈しないものが好ましく、このような有機酸としては、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、クエン酸が挙げられる。なかでもその呈味性、酸味の質から、グルコン酸が好ましいが、グルコン酸は熱による分解などが発生するためにその前駆体であり、比較的安定であるグルコノデルタラクトンを添加し、加工中の加熱工程により生成するグルコン酸を用いる方法を使うこともできる(特許文献1)。

0015

本発明における有機酸の量は、最終製品としての米飯食品のpHを4.6以下とするのに有効な量であり、かつ米飯食品に対してマスキング不能な酸味・酸臭を与えない範囲の量である。当業者であれば、用いる有機酸の種類に応じて、使用量を適宜設計することができるが、多くの場合、有機酸は、5.0質量部以下で使用される。

0016

例えば、有機酸としてグルコン酸を用いる場合、米飯食品100質量部に対して、0.01〜0.5質量部、好ましくは0.05〜0.3質量部、より好ましくは、0.050.5〜0.2質量部用いることがで、グルコノデルタラクトンを用いる場合、米飯食品100質量部に対して、0.05〜1質量部、好ましくは0.1〜0.7質量部、より好ましくは、0.3〜0.5質量部用いることができる。

0017

本発明の発明者らは、有機酸特有の酸味や酸臭を低減又は完全なマスキングを達成するため、青果(野菜及び果実)のすっきりとした爽やかな香味に注目した。また、青果は天然素材であるため、食品への添加を考慮すると安全かつ安心であり、素材として好ましい。

0018

[青果の搾汁物]
本発明の加工米飯用pH調整剤は、青果の搾汁物とを含有する。
本発明において、青果としては、特に限定されず、広く野菜及び果実を意味する。
野菜としては、特に限定されないが、例えば、生姜、セロリパセリ、ねぎ、玉ねぎ、しそ、みょうが、わさび等の香味野菜や、ニンジン、ごぼう等の根菜類や、ホウレンソウレタスクレソンケール小松菜等の葉物類や、スイートコーングリーンピース等も使用することができる。これらの搾汁物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
野菜としては、香味野菜が好ましく、香味野菜のなかでも生姜がより好ましい。
果実としては、特に限定されないが、柑橘系の果実や、リンゴバナナ等の種々の果実が挙げられる。
柑橘系の果実としては、レモン、ライムスダチ、ゆず、グレープフルーツ、ネーブルレンジ、オレンジ、伊予柑、八朔、夏柑、甘夏柑、温州蜜柑キンカン、ザボン等を用いることができる。中でも、グレープフルーツ、レモン、ライム、スダチ、又はゆずが好ましく、グレープフルーツ又はレモンがより好ましい。これらの搾汁物は、単独で又は2種類以上を混合して用いてもよい。

0019

本発明において、青果の搾汁物は、青果を破砕して搾若しくは裏ごしをし、皮、種子等を除去したもの(青果搾汁)であってもよく、青果搾汁を濃縮したもの(濃縮青果汁)であってもよく、濃縮青果汁を希釈したもの(還元青果汁)であってもよく、青果をすりおろしてペースト状にしたものでもよく、青果搾汁を乾燥させて粉末にしたものであってもよく、これらから少なくとも一部の不溶性成分を除去したものであってもよい。

0020

本発明において、青果の搾汁物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、野菜の搾汁物及び果実の搾汁物を混合して用いることが好ましい。

0021

本発明において、搾汁物として用いる野菜及び果実の組み合わせは、用いる有機酸の酸味や酸臭を低減、あるいは完全にマスキングするために有効な組み合わせであれば特に限定されない。
有機酸として、例えばグルコン酸を採用した場合には、柑橘系の果実と、香味野菜類又は根菜類を組み合わせることが好ましい。
青果の搾汁物は、生姜搾汁液、人参搾汁液、グレープフルーツ搾汁液及びレモン搾汁液からなる群より選ばれる1種以上の搾汁液、又は2種以上の搾汁液の混合液であることが好ましい。
組み合わせとしては、例えば、レモン搾汁液と生姜搾汁液、レモン搾汁液とニンジン搾汁液、グレープフルーツ搾汁液と生姜搾汁液といった組み合わせが好ましく。中でも、柑橘系の果実搾汁液としてグレープフルーツ搾汁液を選択し、香味野菜搾汁液として生姜搾汁液を選択することがより好ましい。

0022

本発明において、青果の搾汁物の含有量は、用いる有機酸の酸味や酸臭を低減、あるいは完全にマスキングするために有効な量であり、かつ米飯食品に対して異味を与えない範囲の量とすればよい。搾汁物自体の香り成分が強すぎると異味となる。当業者であれば、用いる搾汁物の種類に応じて、使用量を適宜設計することができるが、例えば、pH調整剤の全量に対し、有機酸の含有量を10〜15質量%とした場合に、青果の搾汁物の含有量は、0.05−2.0質量%、好ましくは0.05−1.0質量%、より好ましくは0.05−0.5質量%用いるとよい。

0023

また、青果の搾汁物を複数種類組み合わせて用いる場合には、用いる有機酸の酸味や酸臭を低減、あるいは完全にマスキングするために有効な量であり、かつ米飯食品に対して異味を与えない範囲の量とすれば特に限定されず、例えば、有機酸としてグルコン酸を採用し、柑橘系の果実としてグレープフルーツを選択し、香味野菜として生姜を選択した場合には、グレープフルーツ果汁と生姜搾り汁は等量用いればよい。

0024

本発明の加工米飯用pH調整剤は、さらに酵母エキスを含有することが好ましい。
本発明で「酵母エキス」というときは、特別な場合を除き、酵母由来物であって、酵母菌体が含有するアミノ酸核酸、有機酸等の食品の風味向上の上で有効な物質を抽出したものをいう。
本発明において酵母由来物の原料として用いられる酵母は、食品として許容される酵母である。食品として許容される酵母には、パン酵母ビール酵母トルラ酵母が含まれる。好ましくはサッカロマイセス属に属する(例えば、サッカロマイセスセレビシエ、サッカロマイセス・ロゼイ、サッカロミセス・ウバルム、サッカロミセス・シバリエリに属する)、パン又はビール酵母である。トルラ酵母の例は、キャンディダ属に属する酵母(例えば、キャンディダ・ウチリスに属する酵母)である。
本発明に用いられる酵母由来物の特に好ましい例は、原料酵母として酵母菌体内の核酸(特にRNA)含量を高めたパン酵母を用い、該酵母を核酸生産上有効な培養条件で培養して得られた酵母菌体から、熱水抽出により得られる酵母エキスである。このような酵母の例は、バーテックス(富士食品工業、伸康、持高志;月刊フードケミカル,2006−10;34−37(2006))、および高核酸含量でありつつアミノ酸含量を高めたハイマックスGL(富士食品工業)などである。その他、酵母エキスとしては、バーテックスIG20(富士食品工業)、イーストエキス21TF(富士食品工業)、イーストエキスYP−N(富士食品工業)等が好ましいものとして挙げられる。

0025

本発明において、酵母エキスの含有量は特に限定されないが、例えば、有機酸としてグルコン酸を採用し、柑橘系の果実としてグレープフルーツ果汁を選択した場合には、グレープフルーツ果汁と等量用いればよい。

0026

また、本発明の加工米飯用pH調整剤は、必要に応じてその他の任意の原料を含んでいてもよい。
任意の原料としては、例えばオリゴ糖等が挙げられる。
本発明で「オリゴ糖混合物」というときは、オリゴ糖(2〜20の単糖グリコシド結合したもの)を主成分とする糖質の混合物であり、オリゴ糖以外の糖類(単糖、21糖以上のもの)を含んでもよい。オリゴ糖混合物の主成分となる糖質の例は、マルトオリゴ糖グルコースがα−1,4グルコシド結合したもの。例えば、マルトース(G2とあらわすことがある。)、マルトトリオース(G3)、マルトテトラオース(G4)、マルトペンタオース(G5)、マルトヘキサオース(G6)、マルトヘプタオース(G7))、分岐オリゴ糖(グルコースのα−1,6グルコシド結合構造を含むもの。例えば、イソマルトースパノース)、ゲンチオオリゴ糖(グルコースのβ−1,6グルコシド結合構造を含むもの。例えば、ゲンチオビオースゲンチアノース)、ニゲロオリゴ糖(例えば、ニゲロースニゲロシルグルコースニゲロシルマルトース)、トレハロースである。なお、本明細書においては、グルコース又はグルコース単位をG、フルクトース又はフルクトース単位をF、マルトースをMと表すことがある。

0027

本発明の加工米飯用pH調整剤は、オリゴ糖混合物をさらに含むことにより、より酸味酸臭の低減効果の高い加工米飯用pH調整剤が得られる。
本発明において用いてもよいオリゴ糖混合物としては、5〜7糖を合計15質量%以上含有するものが好ましい。なお、本明細書においてオリゴ糖混合物の組成を示す場合は、特に記載した場合を除き、そのオリゴ糖混合物中の糖質(固形分)中の割合として示している。例えば、「5〜7糖を合計15質量%」というときは、そのオリゴ糖混合物中に含まれる全糖質を100質量部としたとき、そのオリゴ糖混合物中に含まれる糖単位が5〜7である糖質の合計が15質量%であることをいう。このような割合は、高速クロマトグラフィー等の従来技術を用いて測定することができる。

0028

<加工米飯>
本発明は、前記加工米飯用pH調整剤を使用した加工米飯を提供する。
本発明においては、加工米飯用pH調整剤の量は、浸漬米(米に水を吸収させたもの)を炊飯する際に加える水(炊き水)へ添加する割合として示すこともできる。例えば、pH調整剤としてグルコン酸を用いる場合、炊き水におけるpH調整剤の量は、0.1−5.0質量%であり、好ましくは1.0−5.0質量%であり、より好ましくは2.0−4.0質量%である。

0029

本発明においては、加工米飯用pH調整剤の添加により、最終製品としての米飯食品のpHは4.6以下に調整するとよい。4.6以下であれば、特に制限はないが、pH4.5以下とするのが好ましい。本発明において米飯食品に関してpH値をいうときは、特に示した場合を除き、本明細書の実施例に記載された方法で測定した値をいう。

0030

本発明で「米」というときは、特に記載した場合を除き、調理されていないものをいい、「米」は、玄米、分づき米、白米精白米ということもある。)、これらの混合物を含む。本発明においては、米は、ジャポニカ種日本型、短粒種)、インディカ種インド型、長粒種)、ジャバニカ種(ジャワ型大粒種)であってもよく、うるち米であってももち米であってもよく、品種も限定されないが、食味に優れた品種を特に好適に用いることができる。このましい品種の例には、コシヒカリ、ひとめぼれ、ヒノヒカリ、あきたこまちキヌヒカリ、きらら、はえぬき、ほしのゆめ、つがるロマンがある。

0031

本発明における原材料の「水」としては、米飯製造において通常用いられるものを使用することができる。
本発明においては、原材料として、上述したもののほか、米以外の穀類(例えば、麦、あわ、ひえ、きび)、具材(例えば、豆類、野菜、果実、畜肉魚貝類)、調味料、食品として許容される添加物(例えば、リゾチーム)を適宜使用することができる。

0032

本発明で「加工米飯」というときは、白飯、具飯(米と種々の具材とを混合した食材を炊飯することで製造される米飯)を含む。
本発明の「加工米飯」は、有機酸と、青果の搾汁物を炊き水に添加する以外は常法により製造できる。

0033

加工米飯の有機酸由来の酸臭酸味は、炊き水に有機酸と搾汁物を別箇に添加した場合でも、酸臭酸味を低減させることができる。有機酸と搾汁物を含有する炊き水を用いることにより、酸臭酸味を低減させることができる。

0034

<加工米飯の製造方法>
本発明の加工米飯の製造方法は、加工米飯製造時の米飯の炊き水に、有機酸と、青果の搾汁物を含有する炊き水を用いること以外は常法により製造することができる。
本発明においては、加工米飯は、例えば、米を、常法により洗米・浸漬・水切りし、加工米飯製造時の米飯の炊き水に、有機酸と、青果の搾汁物を含有する炊き水を用い、炊飯することにより製造できる。

0035

以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0036

[実施例1]
<加工米飯用pH調整剤の製造>
まず、pH調整剤として、50質量%グルコン酸(扶化学)を用い、33.5質量%となるグルコン酸水溶液を調製し、pH調整剤とした。また、グルコノデルタラクトン(フジグルコン:扶桑化学)の13質量%の水溶液も同様に調製し、pH調整剤とした。
それぞれのpH調整剤のpHは、2.1±0.2の範囲内であることを確認した。
また、それぞれのpH調整剤は、90℃で10分間加熱することにより製造した。

0037

<加工米飯の製造>
下記の工程による簡易レトルト法により加工米飯を製造した。
まず、ご飯を軽く水洗いして1時間浸漬し、75gの浸漬米をレトルトパウチに入れ、さらに、各pH調整剤の3.5質量%溶液を65gレトルトパウチに入れた。最終グルコン酸濃度は1.17質量%であり、最終グルコノデルタラクトン濃度は0.46質量%であった。その後、空気を抜いてシールし、5kgステン(取って無)に入れた。ステンに水を目一杯入れ、アルミで蓋をし、105℃で20分間オートクレーブにかけることにより、加工米飯を製造した。

0038

<評価>
本実施例において、加工米飯を加熱後、試食して、下記の評価方法により評価した。
呈味かなり良い。
○ 呈味良好。
△喫食可 。
× 不可。

0039

0040

表1に示したとおり、グルコン酸又はグルコノデルタラクトンのみ使用した場合は、酢酸の刺激臭・刺激味とは異なるこもった酸臭があり、臭、味ともに不良であった。この実験結果により、グルコン酸とグルコノデルタラクトンの酸味酸臭発現に差異がないことを確認した。グルコノデルタラクトンは加熱により、グルコン酸に分解されることが知られているが、本結果はその結果と一致する。そのため、以下グルコノデルタラクトンを使用することとした。

0041

食品素材スクリーニング
以下、グルコノデルタラクトンの酸味マスキングを目的とした食品素材を試験した。以下の試験においては、グルコノデルタラクトンの最終濃度が0.46質量%であり、その他の組成の最終濃度が下記表2〜8に示す濃度である炊き水65gを用い、前記<加工米飯の製造>と同様にして75gの浸漬米に添加し、米飯を製造し、評価した。

0042

0043

0044

上記のように、酵母エキスなどの一般的な調味料ついて検討した。酵母エキスの一部や、カツオエキスなどの一部については、酵母エキスなどの独特臭気が気にならない程度の低濃度での使用によって酸味・酸臭の抑制効果が確認でき、旨み調味料にも一定の酸味・酸臭の抑制効果があることが明らかになった。

0045

グルコン酸のこもった酸臭を低減させるため、フルーツ果汁を試みた。

0046

0047

上記の結果から、酸味、酸臭の低減のためには、グレープフルーツ、レモン、オレンジなどの柑橘系が適していることが分かった。さらに、味質の点から、甘味が比較的低い柑橘類であるグレープフルーツとレモンが特に適していることが分かった。
次に、野菜の搾汁について検討した。

0048

0049

ジンジャー汁、キャロット汁などについては味、香りとも良好であった。
オニオン、セロリは酸味低減には効果があるものの、特有の臭いがしていた。セロリや玉ねぎなどよりも、根菜部に効果があることが示唆された。
上記の結果の中で一番効果が強かったのは柑橘系の果汁であった。

0050

[実施例2:併用効果の検証]
実施例1において、一番効果が高かったのは柑橘系の果汁であったため、柑橘果汁ベースに上記原料を組み合わせた試験を実施例1と同様の方法により行った。以下の表中、配合[0.0035+0.0035]は各食品素材のpH調整剤中の含有量(質量%)を示す。例えば下記表6の第21.1欄においては、レモン果汁を0.0035質量%、酵母エキスを0.0035質量%配合したことを示す。

0051

0052

上記の中で、評価の良かったレモン果汁、酵母エキス及びジンジャー汁の組み合わせを試験した。

0053

0054

さらに、ジンジャー汁とグレープフルーツ果汁について試験した。

0055

0056

酵母エキス単独では酸味酸臭低減効果が低かったものの、果汁と組み合わせると効果は上がった。また、果汁と野菜汁の組み合わせでも効果が上がった。さらに酵母エキスを加えると、バランスがさらによくなり、適していることが明らかになった。

0057

[実施例3:個食製品の製造]
以下の方法で、トレー入り無菌米飯食品を製造した。
1)新潟産コシヒカリ(白度43)を水に1時間浸漬した。
2)得られた浸漬米106gをトレーに充填した。
3)加圧加熱機にて加熱時間5秒間を4ショット行い、殺菌した(F値は約10)。殺菌後、トレーに炊き水を86g加えて、コンクションスチーマーで100℃前後で、24分間炊飯した。炊き水に、下表9の配合で調合したpH調整剤を、それぞれ3.5質量%となるように配合した。つまり、炊き水中のグルコノデルタラクトン濃度はすべて0.455質量%とした。
4)炊飯後、さらに、フィルムトレー開口部をシールしてから、70℃以上で15分間蒸した。

0058

0059

0060

得られた加工米飯を実施例1と同様にした評価を行った。116名の試験結果をまとめたものを下記11にしめす。
実施例3のpH調整剤を添加した加工米飯の方が、比較例1に比べて圧倒的に酸味を感じにくくなっており、呈味とても優れていることが明らかになった。

0061

0062

[実施例4]
酸味料無添加品スタンダードとし、表12に示す組成からなる5種(4−1〜4−5)のpH調整剤をそれぞれ用いて加工米飯を製造し、pH調整剤間の差を味覚センサー匂いセンサーにて測定し、味と匂いの視覚化を測る検討を実施した。
(方法)
以下無菌米飯を官能評価と匂いセンサー(島津FF−1)、味覚センサー(αモス電子味覚システムαAstree)にて評価した。以下の表12中、pH調整剤4−4、5は製造日違うものを使用した。

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前処理方法
電子レンジにて所定の加熱方法にて、可食状態に調整した後、50gサンプリングし、匂いをそのまま評価した。味覚センサーは、米1に対し水3に加水後(加水率米:水=100g:300g)、90℃で10分間、電子レンジで加熱したものを遠心分離(8000rpm×15min、20℃設定)した上澄みを用いた。

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0068

匂い識別装置を用いて、測定した主成分分析結果を図1に示す。また、図2は、酸味料無添加ご飯との匂いの類似度を示したものである。
図1に示したとおり、サンプル(5)→サンプル(4)→サンプル(6)→サンプル(3)→サンプル(2)の順で、サンプル(1)(酸味料無添加区)の方向にシフトし、官能評価と同様サンプル(2)が、酸味料無添加品に近い傾向にあった。
サンプル(2)、(3)、(5)の比較では、サンプル(5)とサンプル(2)の差が大きい事から、グレープフルーツ果汁とジンジャーエキスを添加しない区(以下、「青果無添加区」)よりグレープフルーツ果汁とジンジャーエキスを添加した区(以下、「青果添加区」)が酸味料臭が弱い傾向が見られた。青果添加区の濃度としては、サンプル(4)が一番強く、サンプル(3)サンプル(2)の順に弱く、かつ、サンプル(2)が酸味料無添加品に近いことが示された。

0069

図2は、サンプル(1)(酸味料無添加区)との類似度を示すグラフである。
図2に示したとおり、サンプル(2)の香りは、サンプル(1)との類似度が高かった。
匂いセンサーデータにおいて、青果添加区のサンプル(2)〜(4)と青果無添加区のサンプル(5)、(6)では、サンプル(4)→サンプル(3)→サンプル(2)と酸味料臭が弱いサンプル(1)方向にシフトしており、官能との相関も高かった。
サンプル(4)、(3)、(2)のうち、サンプル(2)、(3)はサンプル(4)よりサンプル(1)に近かったことから、添加量目安としてはサンプル(2)〜(3)が望ましく、グレープフルーツ果汁とジンジャーペーストを使用することで、異味を付与することなく、酸味料の匂いが軽減される可能性が示唆された。

0070

図3にユークリッド距離による対象サンプルとの類似性を示す。
図3中、距離が小さい程、対象サンプル((1))に類似していることを示す。サンプル(2)の香りは、サンプル(1)(酸味料無添加区)との距離が一番小さく、類似していることがわかった。

0071

(電子味覚システムの測定結果
図4に、電子味覚システムによる主成分分析結果を示す。
サンプル(1)とサンプル(2)〜(6)(酸味料添加区)に大きく分類された。サンプル(2)〜(6)では、サンプル(2)以外はほとんど距離がなく、サンプル(2)のみサンプル(1)の方向に近づいた。

0072

図5に、サンプル(1)(酸味料無添加区)とサンプル(2)〜(4)の結果を、図6にサンプル(1)(酸味料無添加区)とサンプル(5)、(6)(青果無添加区)を示す。
味覚センサーデータにおいて、酸味料添加区と酸味料無添加区で二分されたが、グレープフルーツとジンジャーを添加した区はサンプル(4)→サンプル(3)→サンプル(2)の順で無添加区に近づく傾向がみられ、サンプル(4)に関しては、サンプル(5)、(6)(青果無添加区)と差(距離)がほとんど認められなかった。
香りを含めた風味の観点からサンプル(2)またはサンプル(3)は、酸の風味が弱くサンプル(1)に近いことから、添加量はサンプル(2)〜(3)程度が望ましいことがわかった。

0073

[実施例5:酸味酸臭抑制試験]
有機酸として下表に示す各成分を炊き水に1質量%となるよう配合し、野菜及び果実の搾汁液として、炊き水に0.1質量%のグレープフルーツ果汁又は0.1%のジンジャーペーストを配合するように、表中の有機酸とグレープフルーツ果汁又はジンジャーペーストを含むpH調整剤を用いて加工米飯を製造し、実施例1と同様に評価を行った。

0074

0075

野菜及び果実の搾汁液として0.1%のグレープフルーツ果汁及び0.1%のジンジャーペーストを用いた場合、1%酢酸や1%酢酸Naに対しても、酸味や酸臭を低減し、マスキングできることが明らかとなった。

0076

[実施例6:酸味酸臭抑制試験]
青果の搾汁物又は香味成分として、下表に示す各原料を各配合量用いたこと以外は実施例1と同様に、酸味酸臭抑制試験を行った。

0077

実施例

0078

上記結果に示したとおり、柑橘類の香味成分(フレーバー)を用いた場合、搾汁物とは異なり、酸味酸臭のマスキング効果がない又は低く、かつフレーバー特有の香味が目立ち、好ましくなかった。一方、ゴボウエキスパウダーマスキング能に優れていることがわかった。ゴボウエキスパウダーの他は、スイートコーンパウダーや、グリーンピースパウダーがマスキング能を有することがわかった。

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