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技術 有機化合物の製造方法、及びエステルの製造方法

出願人 マイクロ波化学株式会社
発明者 木谷径治森川真妃塚原保徳奥村治樹
出願日 2015年3月12日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-049117
公開日 2015年8月24日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2015-151400
状態 未査定
技術分野 糖類化合物 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 未充填空間 マイクロ波感受性 環状カルボニル化合物 マイクロ波吸収性 処理液貯留槽 羽根状 インク原料 ヘテロ二糖
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

物質の反応を促進することができる有機化合物の製造方法を提供する。

解決手段

有機化合物の製造方法は、互いに混和しない液体である、第1の液体と第2液体とを混合する混合ステップと、その混合ステップで混合された混合液に、マイクロ波と超音波とを照射することによって第1及び第2の液体のエマルションを生成し、その第1の液体に含まれる第1の物質と、第2の液体に含まれる第2の物質とを反応させる反応ステップと、を備える。

概要

背景

従来、エステル化反応などによってエステルを製造する場合であって、原料が互いに混和しないものである場合には、マグネチックスターラ等を用いた撹拌を行いながら反応を行っていた(例えば、特許文献1参照)。

概要

物質の反応を促進することができる有機化合物の製造方法を提供する。有機化合物の製造方法は、互いに混和しない液体である、第1の液体と第2液体とを混合する混合ステップと、その混合ステップで混合された混合液に、マイクロ波と超音波とを照射することによって第1及び第2の液体のエマルションを生成し、その第1の液体に含まれる第1の物質と、第2の液体に含まれる第2の物質とを反応させる反応ステップと、を備える。なし

目的

本発明は、油脂とアルコールなどのように、互いに混和しない液体に含まれる物質を反応させる場合に、その反応をより促進することができる有機化合物の製造方法及びエステルの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

互いに混和しない液体である第1の液体と第2の液体に、マイクロ波と超音波とを照射することによって、前記第1の液体に含まれる第1の物質と、前記第2の液体に含まれる第2の物質とを反応させる有機化合物の製造方法。

請求項2

マイクロ波と超音波とを照射することによって前記第1及び第2の液体のエマルションを生成し、前記第1の物質と前記第2の物質とを反応させる、請求項1記載の有機化合物の製造方法。

請求項3

前記第1の液体は、親水性液体であり、前記第2の液体は、親油性液体である、請求項1または請求項2記載の有機化合物の製造方法。

請求項4

前記反応は、置換反応付加反応脱離反応、及び転位反応からなる群から選ばれる1以上の反応である、請求項1から請求項3のいずれか記載の有機化合物の製造方法。

請求項5

請求項3記載の有機化合物の製造方法を用いるエステルの製造方法であって、前記第1の物質は、ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、前記第2の物質は、酸またはエステルであり、前記反応では、前記ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記酸またはエステルとをエステル合成してエステルを製造する、エステルの製造方法。

請求項6

前記第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、前記第2の物質は、エステルであり、前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記エステルとをエステル交換反応させてエステルを製造する、請求項5記載のエステルの製造方法。

請求項7

前記第2の物質は、脂肪酸エステルであり、前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて脂肪酸エステルを製造する、請求項6記載のエステルの製造方法。

請求項8

前記第1の物質は、糖であり、前記反応では、前記糖と前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて糖脂肪酸エステルを製造する、請求項7記載のエステルの製造方法。

請求項9

前記第1の物質は、ショ糖であり、前記反応では、前記ショ糖と前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造する、請求項8記載のエステルの製造方法。

請求項10

前記第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、前記第2の物質は、酸であり、前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記酸とをエステル化反応させてエステルを製造する、請求項5記載のエステルの製造方法。

請求項11

前記第2の物質は、脂肪酸であり、前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記脂肪酸とをエステル化反応させて脂肪酸エステルを製造する、請求項10記載のエステルの製造方法。

請求項12

前記第1の物質は、糖であり、前記反応では、前記糖と前記脂肪酸とをエステル化反応させて糖脂肪酸エステルを製造する、請求項11記載のエステルの製造方法。

請求項13

前記第1の物質は、ショ糖であり、前記反応では、前記ショ糖と前記脂肪酸とをエステル化反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造する、請求項12記載のエステルの製造方法。

請求項14

前記反応は、イオン交換反応である、請求項1または請求項2記載の有機化合物の製造方法。

請求項15

前記反応は、フロー式のリアクターにおいて行われる、請求項1から請求項4のいずれか記載の有機化合物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、マイクロ波と超音波とを照射することによって物質を反応させる有機化合物の製造方法及びエステルの製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、エステル化反応などによってエステルを製造する場合であって、原料が互いに混和しないものである場合には、マグネチックスターラ等を用いた撹拌を行いながら反応を行っていた(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

国際公開第WO2007/088702号

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、油脂とアルコールなどのように、互いに混和しない液体に含まれる物質を反応させる場合に、その反応をより促進することができる有機化合物の製造方法及びエステルの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、上述の課題に対して鋭意研究の末、互いに混和しない液体に対してマイクロ波と超音波とを照射することによって、両液体に含まれる物質の反応を促進できることを見いだし、発明を完成するに至った。

0006

すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 互いに混和しない液体である第1の液体と第2の液体に、マイクロ波と超音波とを照射することによって、前記第1の液体に含まれる第1の物質と、前記第2の液体に含まれる第2の物質とを反応させる有機化合物の製造方法。

0007

[2]マイクロ波と超音波とを照射することによって前記第1及び第2の液体のエマルションを生成し、前記第1の物質と前記第2の物質とを反応させる、[1]記載の有機化合物の製造方法。

0008

[3] 前記第1の液体は、親水性液体であり、
前記第2の液体は、親油性液体である、[1]または[2]記載の有機化合物の製造方法。

0009

[4] 前記反応は、置換反応付加反応脱離反応、及び転位反応からなる群から選ばれる1以上の反応である、[1]から[3]のいずれか記載の有機化合物の製造方法。

0010

[5] [3]記載の有機化合物の製造方法を用いるエステルの製造方法であって、
前記第1の物質は、ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、
前記第2の物質は、酸またはエステルであり、
前記反応では、前記ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記酸またはエステルとをエステル合成してエステルを製造する、エステルの製造方法。

0011

[6] 前記第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、
前記第2の物質は、エステルであり、
前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記エステルとをエステル交換反応させてエステルを製造する、[5]記載のエステルの製造方法。

0012

[7] 前記第2の物質は、脂肪酸エステルであり、
前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて脂肪酸エステルを製造する、[6]記載のエステルの製造方法。

0013

[8] 前記第1の物質は、糖であり、
前記反応では、前記糖と前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて糖脂肪酸エステルを製造する、[7]記載のエステルの製造方法。

0014

[9] 前記第1の物質は、ショ糖であり、
前記反応では、前記ショ糖と前記脂肪酸エステルとをエステル交換反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造する、[8]記載のエステルの製造方法。

0015

[10] 前記第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、
前記第2の物質は、酸であり、
前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記酸とをエステル化反応させてエステルを製造する、[5]記載のエステルの製造方法。

0016

[11] 前記第2の物質は、脂肪酸であり、
前記反応では、前記アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、前記脂肪酸とをエステル化反応させて脂肪酸エステルを製造する、[10]記載のエステルの製造方法。

0017

[12] 前記第1の物質は、糖であり、
前記反応では、前記糖と前記脂肪酸とをエステル化反応させて糖脂肪酸エステルを製造する、[11]記載のエステルの製造方法。

0018

[13] 前記第1の物質は、ショ糖であり、
前記反応では、前記ショ糖と前記脂肪酸とをエステル化反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造する、[12]記載のエステルの製造方法。

0019

[14] 前記反応は、イオン交換反応である、[1]または[2]記載の有機化合物の製造方法。

0020

[15] 前記反応は、フロー式のリアクターにおいて行われる、[1]から[4]のいずれか記載の有機化合物の製造方法。

発明の効果

0021

本発明による有機化合物の製造方法等によれば、より反応を促進することができる。

図面の簡単な説明

0022

化学反応装置の構成を示す図
リアクターの内部の構成の一例を示す図
ショ糖脂肪酸エステルの収率を示すグラフ

0023

互いに混和しない液体である第1の液体と第2の液体とを混合する混合ステップと、その混合ステップで混合された第1及び第2の液体に、マイクロ波と超音波とを照射することによって、第1の液体に含まれる第1の物質と、第2の液体に含まれる第2の物質とを反応させる反応ステップとを備えた合成反応方法、及びその合成反応方法を用いたエステルの製造方法について説明する。

0024

第1の液体は、第1の物質を含む液体であればよく、第1の物質そのものであってもよく、または、第1の物質以外の物質を含んでいてもよい。第1の液体に含まれる第1の物質は、単一の物質であってもよく、複数の物質であってもよい。また、第2の液体は、第2の物質を含む液体であればよく、第2の物質そのものであってもよく、または、第2の物質以外の物質を含んでいてもよい。第2の液体に含まれる第2の物質は、単一の物質であってもよく、複数の物質であってもよい。互いに混和しないとは、2個の液体を混合して一定時間以上静置すると、両液体が2層に分離することである。互いに混和しない第1及び第2の液体は、例えば、親水性液体と親油性液体であってもよく、または互いに混和しない親油性液体同士であってもよい。なお、第1及び第2の液体の両方が親油性液体である場合には、第1及び第2の液体の溶解パラメータSP値)は、両者が混和しない程度に離れている値であってもよい。また、後述するように、反応ステップにおいてエマルションが生成される場合には、第1及び第2の液体は、エマルションを構成しうる液体であればどのようなものであってもよく、例えば、それぞれ独立して、粘度の低い(流動性の高い)ものであってもよく、そうでなくてもよい。ここで、親水性液体とは、水に溶解する性質である親水性を有する液体であり、親油性液体とは、油類に溶解する性質である親油性を有する液体である。また、上記合成反応方法によって有機化合物を製造する場合、すなわち、その合成反応方法が有機化合物の製造方法である場合には、第1及び第2の物質の少なくとも一方は、有機化合物であってもよい。以下、その合成反応方法が有機化合物の製造方法である場合について説明する。

0025

ここでは、第1の液体が親水性液体であり、第2の液体が親油性液体である場合について主に説明する。例えば、本発明によってエステルを製造する場合、すなわち、本発明が有機化合物の製造方法を用いるエステルの製造方法の場合には、第1の物質は、ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質は、酸またはエステルであってもよい。ヒドロキシル基を有する有機化合物は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であってもよく、アルコール性でないヒドロキシル基を有する有機化合物であってもよい。エステル交換反応によってエステルを製造する場合には、第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質は、エステルであってもよい。エステル化反応によってエステルを製造する場合には、第1の物質は、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質は、酸であってもよい。

0026

アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物は特に限定されないが、例えば、糖、またはアルコールであってもよい。糖は特に限定されないが、例えば、単糖類二糖類三糖類オリゴ糖多糖類糖アルコールであってもよい。単糖類としては、例えば、トリオーステトロースペントースヘキソースヘプトースオクトースノノース、またはデコースなどを挙げることができる。二糖類は、単糖類のホモ二糖類であってもよく、ヘテロ二糖類であってもよい。二糖類としては、例えば、ショ糖(スクロース)、ラクトースマルトーストレハロースツラノース、またはセロビオースなどを挙げることができる。三糖類としては、例えば、ラフィノースメレジトース、またはマルトトリオースなどを挙げることができる。オリゴ糖としては、例えば、フラクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖、またはマンナンオリゴ糖などを挙げることができる。多糖類としては、例えば、グリコーゲンデンプンセルロース、またはフルクタンなどを挙げることができる。糖アルコールとしては、例えば、テトリトール(例えば、エリトリトールなど)、ペンチトール(例えば、ペンタエリトリトールアラビトールリビトールキシリトールなど)、ヘキシトール(例えば、ソルビトールガラクチトールマンニトールなど)、ヘプチトールオクチトールノニトール、デキトール、ソルビタン、またはドデキトールなどを挙げることができる。アルコールは、例えば、親水性のアルコールであってもよい。親水性のアルコールとしては、例えば、メタノールエタノール1−プロパノール2−プロパノール2−メチル−1−プロパノール2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、グリセリンポリグリセリンエチレングリコールジエチレングリコール、またはポリエチレングリコールなどを挙げることができる。また、アルコール性でないヒドロキシル基を有する有機化合物としては、例えば、フェノールなどの酸などを挙げることができる。

0027

エステル交換反応に用いる第2の物質であるエステルは特に限定されないが、脂肪酸エステル、または脂肪酸以外の酸のエステルであってもよい。脂肪酸エステルは特に限定されないが、例えば、脂肪酸アルキルエステル、またはグリセリン脂肪酸エステルなどであってもよい。その脂肪酸は特に限定されないが、例えば、炭素数が7以下の短鎖脂肪酸、炭素数が8〜10の中鎖脂肪酸、炭素数が12以上の長鎖脂肪酸であってもよい。また、脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸モノエン脂肪酸)であってもよく、多価不飽和脂肪酸ポリエン脂肪酸)であってもよい。脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸パルミトレイン酸ステアリン酸オレイン酸リノール酸リノレン酸アラキジン酸アラキドン酸ベヘン酸リグノセリン酸ネルボン酸、またはエルカ酸などを挙げることができる。脂肪酸以外の酸のエステルとしては、例えば、サリチル酸メチルアセチルサリチル酸酢酸フェニル、またはフタル酸エステルなどを挙げることができる。

0028

エステル化反応に用いる第2の物質である酸は特に限定されないが、脂肪酸、または脂肪酸以外の酸であってもよい。脂肪酸は、例えば、上述のものであってもよい。また、脂肪酸以外の酸としては、例えば、リン酸硫酸スルホン酸芳香族を含む酸などを挙げることができる。芳香族を含む酸は特に限定されないが、例えば、芳香族カルボン酸、またはフェノール類であってもよい。芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸サリチル酸フタル酸、またはテレフタル酸などを挙げることができる。フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾールジブチルヒドロキシトルエンビスフェノールA、オイゲノール、または没食子酸などを挙げることができる。

0029

混合ステップにおいては、第1の液体と第2の液体とを単に足し合わせるだけであってもよく、または、反応ステップ前の予混合を行ってもよい。前者の場合には、第1及び第2の液体は、互いに混和しないものであるため、混合液において両液体は分離したままであってもよい。予混合を行う場合には、例えば、第1の液体と第2の液体とがより均一に混合するように撹拌手段によって撹拌してもよい。その撹拌は、例えば、羽根状の部材または棒状の部材などを回転させる撹拌手段や、マグネチックスターラなどを用いた撹拌であってもよく、バブリング撹拌であってもよい。

0030

また、後述するように、反応ステップにおいてエマルションが生成される場合には、混合ステップまたは反応ステップにおいて、第1及び第2の液体のエマルションの生成を促進するための乳化剤を第1及び第2の液体に加えてもよく、加えなくてもよい。その乳化剤は特に限定されないが、例えば、脂肪酸エステル系のものとして、グリセリン脂肪酸エステル、またはショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができ、脂肪酸アルコール系のものとして、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコール等を挙げることができ、脂肪酸塩系のものとして、脂肪酸カリウム、または脂肪酸ナトリウム等を挙げることができ、アンモニウム系のものとして、アルキルアンモニウム塩等を挙げることができ、硫酸、スルホン酸系のものとして、アルキル硫酸塩等を挙げることができる。また、反応ステップによって生成されるエステルが乳化剤である場合には、その乳化剤であるエステルを、第1及び第2の液体のエマルションの生成を促進するための乳化剤として用いてもよい。そのようにすることで、同じ乳化剤であるエステルの生成を促進させることができると共に、添加する乳化剤が不純物となることを回避することができる。例えば、反応ステップにおいて糖脂肪酸エステルを生成する場合には、その糖脂肪酸エステルを乳化剤として混合ステップまたは反応ステップにおいて加えてもよい。

0031

反応ステップにおいては、第1及び第2の液体に対してマイクロ波と超音波とを照射する。なお、そのマイクロ波と超音波との照射によって、両液体のエマルションが生成されてもよく、または、そうでなくてもよい。本実施の形態では、主に前者の場合について説明する。エマルションを生成するとは、エマルション状態でないものをエマルション状態にすることであってもよく、または、エマルション状態を維持することであってもよい。エマルションは、互いに混和しない第1及び第2の液体の分散溶液系である。第1及び第2の液体の一方が親水性液体であり、他方が親油性液体である場合には、そのエマルションは、例えば、水中油滴型のエマルションであってもよく、油中水滴型のエマルションであってもよい。第1及び第2の液体の両方が親油性液体である場合には、そのエマルションは、例えば、油中油滴型のエマルションであってもよい。

0032

マイクロ波は、第1及び第2の液体を加熱することによって、両液体に含まれる第1及び第2の物質の反応を促進するために照射される。したがって、液の温度に応じて、照射するマイクロ波の出力(パワー)が制御されてもよい。その制御によって、液の温度があらかじめ決められた温度や、あらかじめ決められた温度幅に維持されてもよい。温度の測定対象となる液は、例えば、反応前は第1及び第2の液体の混合液であってもよく、反応後は第1及び第2の液体の混合液と生成物との混合液であってもよい。そのマイクロ波の周波数は特に限定されないが、例えば、2.45GHzであってもよく、5.8GHzであってもよく、24GHzであってもよく、915MHzであってもよく、その他の300MHzから300GHzの範囲内の周波数であってもよい。また、1個の周波数のマイクロ波が照射されてもよく、2個以上の周波数のマイクロ波が照射されてもよい。後者の場合には、例えば、2個以上の周波数のマイクロ波が同時に照射されてもよく、または異なる時期に照射されてもよい。異なる時期に2個以上の周波数のマイクロ波がそれぞれ照射される場合には、例えば、反応の開始時点において、原料に吸収されやすい周波数のマイクロ波が照射され、反応の進んだ時点において、生成物に吸収されやすい周波数のマイクロ波が照射されてもよい。また、例えば、2個以上の周波数のマイクロ波は、同じ位置で照射されてもよく、または異なる位置で照射されてもよい。異なる位置で2個以上の周波数のマイクロ波がそれぞれ照射される場合には、例えば、フロー式のリアクターの上流側の位置、すなわち生成物よりも原料の割合の多い位置において、原料に吸収されやすい周波数のマイクロ波が照射され、そのリアクターの下流側の位置、すなわち原料よりも生成物の割合の多い位置において、生成物に吸収されやすい周波数のマイクロ波が照射されてもよい。

0033

超音波は、第1及び第2の液体を混合させるために照射される。なお、その混合によってエマルションが生成されてもよい。すなわち、超音波は、第1及び第2の液体の一方を分散質として他方の液体である分散媒中に分散させることによってエマルションを生成するために照射されてもよい。したがって、第1及び第2の液体が適切に混合されるように、または両液体のエマルションが生成されるように、照射する超音波の出力(パワー)と周波数の少なくとも一方が制御されてもよい。例えば、第1及び第2の液体にあるパワーの超音波を照射し、両液体が適切に混合されるまで、またはエマルションが生成されるまで徐々に超音波のパワーを上げていく制御を行ってもよい。なお、第1及び第2の液体の種類及び量に応じて、通常、両液体が混合されるのに好適な超音波の出力や周波数、またはエマルションを生成するのに必要な超音波の出力や周波数が決まることになる。したがって、第1及び第2の液体の種類及び量に応じたパワー及び周波数の超音波を第1及び第2の液体の混合液に照射するようにしてもよい。その超音波の周波数は特に限定されないが、例えば、20kHzであってもよく、25kHzであってもよく、40kHzであってもよく、その他の15kHzから10GHzの範囲内の周波数であってもよい。また、1個の周波数の超音波が照射されてもよく、2個以上の周波数の超音波が照射されてもよい。後者の場合には、例えば、2個以上の周波数の超音波が同時に照射されてもよく、または異なる時期に照射されてもよい。また、例えば、2個以上の周波数の超音波は、同じ位置で照射されてもよく、または異なる位置で照射されてもよい。超音波を照射する方法としては、例えば、超音波振動子を第1及び第2の液体を収容する容器(リアクター)の内部に配置し、その超音波振動子から第1及び第2の液体に超音波を直接照射するようにしてもよく、または超音波振動子を第1及び第2の液体を収容する容器に接触させて配置し、その容器を介して第1及び第2の液体に超音波を照射するようにしてもよい。

0034

マイクロ波と超音波とは、同時に照射してもよく、または別々の時期に照射してもよい。なお、後者の場合には、マイクロ波の照射の効果と、超音波の照射の効果とを同時に得られるようにするため、例えば、短い期間でマイクロ波の照射と超音波の照射とを交互に切り替えるようにしてもよい。また、超音波によって混合された第1及び第2の液体、または超音波によって生成されたエマルションに、少なくともマイクロ波が照射されるようにすることが好適である。両液体に含まれる物質の反応、例えば、エマルションの分散媒と分散質とにそれぞれ含まれる物質の反応を促進するためである。また、例えば、マイクロ波と超音波とは、エマルションの生成のために照射されるが、さらに、エマルションの維持のためにも照射されてもよい。すなわち、エマルションが継続的に維持されるようにするため、マイクロ波と超音波とを照射するようにしてもよい。

0035

反応ステップにおいて、第1及び第2の液体にそれぞれ含まれる第1及び第2の物質が反応する。なお、エマルションが生成される場合には、反応ステップにおいて、生成されたエマルションの分散媒及び分散質である第1及び第2の液体(どちらの液体が分散質であってもよい)にそれぞれ含まれる第1及び第2の物質が反応することになる。なお、第1及び第2の液体に第1及び第2の物質が含まれるようになるのは、例えば、エマルションの生成される前であってもよく、または、エマルションの生成された後であってもよい。後者の場合には、例えば、第1の物質を含まない第1の液体と、第2の液体とのエマルションが生成され、その後に第1の物質が加えられ、第1の液体に溶解することによって、第1の液体に含まれる第1の物質と、第2の液体に含まれる第2の物質とが反応してもよく、第2の物質を含まない第2の液体と、第1の液体とのエマルションが生成され、その後に第2の物質が加えられ、第2の液体に溶解することによって、第1の液体に含まれる第1の物質と、第2の液体に含まれる第2の物質とが反応してもよい。なお、エマルションが生成された後に液体に物質が加えられる場合には、その物質は、分散媒である液体に加えられることが好適であるが、そうでなくてもよい。また、その反応時には、第1及び第2の物質以外の第3の物質が反応に関係してもよい。その第3の物質は、例えば、第1及び第2の液体のいずれにも溶けないものであってもよい。また、その第3の物質は、例えば、触媒であってもよく、そうでなくてもよい。反応ステップにおける第1及び第2の物質の反応は、既知の種々のものとすることができ、その第1及び第2の物質、それらの使用量、温度、時間、圧力、pH、溶剤、触媒などの反応条件反応混合物からの目的物の分離、採取、生成などは既知のものであってもよい。また、その反応は特に限定されないが、例えば、置換反応、付加反応、脱離反応、もしくは転位反応であってもよく、または、それらの2以上の反応の組み合わせであってもよい。

0036

置換反応は、分子中にある原子または原子団が他の原子もしくは原子団に置き換わる型の反応である。置換反応は特に限定されないが、例えば、アミド化反応ハロゲン化反応アミン置換反応、エステル化反応、エステル交換反応、イオン交換反応などであってもよい。
アミド化反応は特に限定されないが、例えば、次のような反応であってもよい。
RCOOR1+NR2R3R4→RCONR3R4+R1OR2
式中、R、R1、R2、R3、R4は特に限定されないが、例えば、それぞれ独立して、水素原子、または、置換基を有してもよいアルキル基もしくは置換基を有してもよいアリール基などであってもよい。反応がアミド化反応の場合には、例えば、第1の物質がNR2R3R4であり、第2の物質がRCOOR1であってもよく、または、その逆であってもよい。

0037

また、ハロゲン化反応は特に限定されないが、例えば、次のような反応であってもよい。
R5OH+HX→R5X+H2O
式中、R5は特に限定されないが、例えば、置換基を有してもよいアルキル基もしくは置換基を有してもよいアリール基などであってもよい。また、Xは、ハロゲン原子であり、例えば、塩素原子(Cl),フッ素原子(F),臭素原子(Br),またはヨウ素原子(I)であってもよい。反応がハロゲン化反応の場合には、例えば、第1の物質がHXであり、第2の物質がR5OHであってもよい。

0038

また、アミン置換反応は特に限定されないが、例えば、次のような反応であってもよい。
R6OH+NH3→R6NH2+H2O
R6OH+R7OH+NH3→R6R7NH+2H2O
R6OH+R7OH+R8OH+NH3→R6R7R8N+3H2O
式中、R6、R7、R8は特に限定されないが、例えば、それぞれ独立して、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基などであってもよい。反応がアミン置換反応の場合には、例えば、第1の物質がNH3であり、第2の物質がR6OH、R7OH、R8OHであってもよい。

0039

また、反応がエステル合成反応である場合には、例えば、インク原料バイオディーゼル燃料を製造したり、食品用乳化剤として用いられるショ糖脂肪酸エステル等のエステルを製造したりすることができる。反応がエステル合成反応の場合には、例えば、第1の物質がヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質が酸またはエステルであり、反応ステップにおいて、ヒドロキシル基を有する有機化合物と、酸またはエステルとをエステル合成してエステルを製造してもよい。そのエステル合成反応は、例えば、エステル交換反応であってもよく、エステル化反応であってもよい。反応がエステル交換反応の場合には、例えば、第1の物質がアルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質がエステルであり、反応ステップにおいて、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物とエステルとをエステル交換反応させてエステルを製造してもよい。そのエステルが脂肪酸エステルである場合には、反応ステップにおいて、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と、脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて脂肪酸エステルを製造してもよい。エステルが脂肪酸エステルであり、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物が糖である場合には、反応ステップにおいて、糖と脂肪酸エステルとをエステル交換反応させて糖脂肪酸エステルを製造してもよい。その糖がショ糖である場合には、反応ステップにおいて、ショ糖と脂肪酸エステルとをエステル交換反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造してもよい。エステル交換反応は特に限定されないが、例えば、次のようなものを挙げることができる。矢印の左側が第1及び第2の物質であり、矢印の右側がエステル交換反応によって生成されるエステルと副産物であるアルコールである。この場合には、例えば、糖やアルコールを含む液体が分散媒となり、エステルを含む液体が分散質となってもよく、または、そうでなくてもよい。

0040

糖+脂肪酸エステル→糖脂肪酸エステル+アルコール
ショ糖+脂肪酸エステル→ショ糖脂肪酸エステル+アルコール
ショ糖+パルミチン酸エステルショ糖パルミチン酸エステル+アルコール
ショ糖+ステアリン酸エステルショ糖ステアリン酸エステル+アルコール
ショ糖+ミリスチン酸エステルショ糖ミリスチン酸エステル+アルコール
ショ糖+オレイン酸エステル→ショ糖オレイン酸エステル+アルコール
ショ糖+ラウリン酸エステルショ糖ラウリン酸エステル+アルコール
ショ糖+エルカ酸エステル→ショ糖エルカ酸エステル+アルコール
ソルビタン+脂肪酸エステル→ソルビタン脂肪酸エステル+アルコール
グリセリン+脂肪酸エステル→グリセリン脂肪酸エステル+アルコール
ポリグリセリン+脂肪酸エステル→ポリグリセリン脂肪酸エステル+アルコール
メタノール+トリグリセリド脂肪酸メチルエステル+グリセリン

0041

上記各エステル交換反応において、糖やショ糖の1以上のヒドロキシル基が脂肪酸エステルに置換することになる。また、そのエステル交換の行われるヒドロキシル基の位置は問わない。また、ショ糖と脂肪酸エステルとのエステル交換反応において、ショ糖の2以上のヒドロキシル基と置換する脂肪酸エステルは、同じ種類の脂肪酸エステルであってもよく、異なる種類の脂肪酸エステルであってもよい。後者の場合には、例えば、ショ糖の2個のヒドロキシル基と置換する脂肪酸エステルは、パルミチン酸エステル、及びステアリン酸エステルであってもよい。

0042

また、反応がエステル化反応の場合には、例えば、第1の物質がアルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物であり、第2の物質が酸であり、反応ステップにおいて、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と酸とをエステル化反応させてエステルを製造してもよい。その酸が脂肪酸である場合には、反応ステップにおいて、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物と脂肪酸とをエステル化反応させて脂肪酸エステルを製造してもよい。酸が脂肪酸であり、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物が糖である場合には、反応ステップにおいて、糖と脂肪酸とをエステル化反応させて糖脂肪酸エステルを製造してもよい。その糖がショ糖である場合には、反応ステップにおいて、ショ糖と脂肪酸とをエステル化反応させてショ糖脂肪酸エステルを製造してもよい。エステル化反応は特に限定されないが、例えば、次のようなものを挙げることができる。矢印の左側が第1及び第2の物質であり、矢印の右側がエステル化反応によって生成されるエステルと副産物である水である。この場合には、例えば、糖やアルコールを含む液体が分散媒となり、脂肪酸を含む液体が分散質となってもよく、または、そうでなくてもよい。

0043

糖+脂肪酸→糖脂肪酸エステル+水
ショ糖+パルミチン酸→ショ糖パルミチン酸エステル+水
ショ糖+パルミチン酸→ショ糖ステアリン酸エステル+水
ショ糖+ミリスチン酸→ショ糖ミリスチン酸エステル+水
ショ糖+オレイン酸→ショ糖オレイン酸エステル+水
ショ糖+ラウリン酸→ショ糖ラウリン酸エステル+水
ショ糖+エルカ酸→ショ糖エルカ酸エステル+水
ソルビタン+脂肪酸→ソルビタン脂肪酸エステル+水
グリセリン+脂肪酸→グリセリン脂肪酸エステル+水
ポリグリセリン+脂肪酸→ポリグリセリン脂肪酸エステル+水
メタノール+脂肪酸→脂肪酸メチルエステル+水

0044

また、イオン交換反応は特に限定されないが、例えば、次のようなものを挙げることができる。第1の液体である水(水層)に含まれる第1の物質であるシアン化ナトリウムと、第2の液体(油層)に含まれるアルキルクロライドとを反応させてもよい。その場合には、触媒である四級アンモニウム塩とのイオン交換反応によって反応が進行し、シアン化アルキルが合成される。なお、アルキルクロライドは特に限定されないが、例えば、C8H17−Clなどであってもよい。また、触媒である四級アンモニウム塩は特に限定されないが、例えば、(CH3(CH2)15)Bu3P+Br−などであってもよい。その場合には、触媒のBr−と、シアン化ナトリウム(NaCN)のCN−とがイオン交換し、油層にCNが供給され、アルキルクロライドのClと交換してシアン化アルキルが生成される。なお、例えば、アルキルクロライドがC8H17−Clである場合には、C8H17−CNが生成される。

0045

付加反応は、2種類以上の分子が直接結合する反応や、ある分子の特定部分に別の分子が新たに付加する型の反応である。付加反応は特に限定されないが、例えば、アルケンのハロゲン化反応、または開環重合反応などであってもよい。
アルケンのハロゲン化反応は特に限定されないが、例えば、次のような反応であってもよい。
CnH2n+HX→CnH2n+1X
CnH2n+X2→CnH2nX2
式中、Xは、ハロゲン原子であり、例えば、塩素原子(Cl),フッ素原子(F),臭素原子(Br),またはヨウ素原子(I)であってもよい。また、nは2以上の整数である。反応がアルケンのハロゲン化反応の場合には、例えば、第1の物質がHXやX2であり、第2の物質がアルケンであってもよい。

0046

また、開環重合反応で用いられる環状化合物は特に限定されないが、例えば、ラクトンもしくはラクタムなどの環状カルボニル化合物エポキシドなどのオキシラン化合物、または環状オレフィンなどであってもよい。より具体的には、開環重合反応は、ε−カプロラクトンとアルコールやアミン類とを反応させるε−カプロラクトンの開環重合反応であってもよい。反応が開環重合反応の場合には、例えば、第1の物質がアルコールやアミン類であり、第2の物質が環状化合物であってもよい。

0047

脱離反応は、分子から原子または原子団が結合の切断により除去される反応である。脱離反応は特に限定されないが、例えば、アルコールの脱水反応、またはハロゲン化アルキルからハロゲン化水素とアルケンとを得る反応などであってもよい。
転位反応は、分子内の原子の並びが変化する反応である。
なお、反応が脱離反応や転位反応である場合には、例えば、第1の物質がそれらの反応の原料であり、第2の物質がその反応で用いられる触媒であってもよく、または、その逆であってもよい。

0048

また、反応ステップにおける反応は、乳化重合反応であってもよく、または、乳化重合反応でなくてもよい。反応ステップにおける反応が乳化重合反応である場合には、分散質である液体(ここでは、第2の液体とする)は、第2の物質であるモノマーを含む液体である。そのモノマーは、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。また、その分散質をエマルションとする乳化剤を混合ステップにおいて投入してもよく、または乳化剤を投入することなく超音波の照射のみによってエマルションを生成してもよい。また、乳化重合反応の場合には、分散媒である液体(ここでは、第1の液体とする)に含まれる第1の物質は、モノマーの重合を開始させる重合開始剤である。その第1の物質である重合開始剤は、エマルションが生成された後に分散媒に加えられてもよく、エマルションが生成される前に分散媒に加えられていてもよい。乳化重合反応が行われる場合には、反応ステップにおいて、分散媒に含まれる重合開始剤により、分散質に含まれるモノマーの重合が開始され、ポリマー粒子成長することになる。なお、分散媒からのモノマーの供給がなくなると、重合は停止する。

0049

その乳化重合におけるモノマーは特に限定されないが、例えば、スチレンメタクリル酸エステル、またはアクリル酸エステルなどであってもよい。また、重合開始剤は特に限定されないが、例えば、アゾアミド系のものであってもよい。そのアゾアミド系の重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イルプロパン]・2塩酸塩(2,2'-Azobis[2-(2-imidazolin-2-yl)propane] Dihydrochloride)、または2,2'−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロパンアミジン](2,2'-Azobis[N-(2-carboxyethyl)-2-methylpropionamidine])などを挙げることができる。なお、その重合開始剤は、分散媒である水に加えられてもよい。すなわち、第1の液体は、重合開始剤を有する水であってもよい。

0050

また、上述の反応は、例えば、バッチ式(回分式)のリアクターにおいて行われてもよく、またはフロー式(連続式)のリアクターにおいて行われてもよい。以下、フロー式のリアクターの一例について説明する。

0051

図1は、上記反応の行われる化学反応装置1の構成の一例を示す図である。化学反応装置1は、混合部12と、リアクター13と、マイクロ波発生器14と、導波管15と、マイクロ波制御部16と、超音波振動子17と、超音波発振器18と、超音波制御部19と、処理液貯留槽20とを備える。

0052

混合部12では、第1及び第2の液体がリアクター13に投入される前に予混合される。第1及び第2の液体は、それぞれ独立して、複数の物質を含むものであってもよく、そうでなくてもよい。混合部12は、例えば、羽根状の部材や翼状の部材、スクリュー状の部材を回転させることによって第1及び第2の液体を混合してもよい。また、第1及び第2の液体と共に、触媒が混合部12において混合されてもよい。その触媒は、固体触媒不均一系触媒)であってもよく、液状の触媒(均一系触媒)であってもよい。その固体触媒は、例えば、マイクロ波吸収性もしくはマイクロ波感受性を有してもよく、または、そうでなくてもよい。固体触媒がマイクロ波吸収性やマイクロ波感受性を有する場合には、後述するリアクター13の内部においてマイクロ波を照射した際に、固体触媒がマイクロ波によって加熱されることになり、その固体触媒近傍での化学反応が促進されることになる。例えば、2.45GHzのマイクロ波が照射される場合には、マイクロ波吸収性を有する物質として、フラーレンを除くカーボン類(例えば、グラファイトカーボンナノチューブ、または活性炭など)や、鉄、ニッケルコバルト、またはフェライト等がある。また、混合部12において予備加熱を行ってもよく、または行わなくてもよい。混合部12で混合された第1及び第2の液体は、リアクター13の上流側に投入される。

0053

リアクター13は、内容物が、上方に未充填空間を有した状態で水平方向に流れる横型のフロー式の反応器である。その内容物は、第1及び第2の液体の混合液である。なお、リアクター13における化学反応によって、第1及び第2の液体に含まれる物質から生成物が生成されるため、リアクター13の内容物には生成物が含まれていると考えてもよい。すなわち、その内容物は、第1及び第2の液体、並びに/または生成物であると言うこともできる。また、内容物は通常、液状のものである。リアクター13の内壁は、マイクロ波を反射する物質で構成されていることが好適である。マイクロ波を反射する物質としては、例えば、金属がある。このリアクター13の内部の構成については後述する。

0054

マイクロ波発生器14は、マイクロ波を発生する。化学反応装置1は、1個のマイクロ波発生器14を備えていてもよく、または2個以上のマイクロ波発生器14を備えていてもよい。そのマイクロ波の周波数は特に限定されないが、例えば、2.45GHz、5.8GHz、24GHz、913MHzなどであってもよく、その他の300MHzから300GHzの範囲内の周波数であってもよい。

0055

導波管15は、マイクロ波発生器14の発生したマイクロ波を、リアクター13の未充填空間に伝送する。導波管15は、通常、図1で示されるように、マイクロ波発生器14の個数と同じ個数だけ存在することになる。なお、導波管15は、マイクロ波発生器14が発生するマイクロ波の周波数に応じた規格のものを使用することが好適である。

0056

マイクロ波制御部16は、後述する温度測定部25が測定した温度に応じて、リアクター13に照射するマイクロ波の出力を制御する。このマイクロ波制御部16による制御によって、リアクター13の内部を所望の温度または所望の温度幅に維持することが可能となる。

0057

超音波振動子17は、超音波を発生する。超音波振動子17は、リアクター13の内部に配設されており、フランジ等を介して超音波発振器18に接続されている。なお、その接続において、マイクロ波が漏洩しないようにすることが好適である。超音波振動子17は、超音波発振器18から受け取る高周波出力に応じて超音波振動をリアクター13の内容物に対して与える。その超音波振動に応じて、第1及び第2の液体が混ざり合うことが好適である。例えば、その超音波振動によって、第1及び第2の液体のエマルションが生成されてもよい。
超音波発振器18は、高周波出力を生成し、超音波振動子17に与える。超音波発振器18は、超音波制御部19によって制御される。

0058

超音波制御部19は、超音波発振器18の高周波出力を制御する。その制御は、例えば、出力(パワー)の大きさの制御であってもよく、オンオフの制御であってもよい。超音波制御部19は、例えば、第1及び第2の液体に応じた高周波出力の大きさや、第1及び第2の液体に応じた高周波出力のオン・オフのパターンとなるように、超音波発振器18を制御してもよい。

0059

なお、リアクター13の内容物に触媒も含まれる場合には、リアクター13と処理液貯留槽20との間に、リアクター13における反応後の生成物から触媒を分離するための触媒分離部(図示せず)が存在してもよく、またはそうでなくてもよい。その触媒分離部では、例えば、フィルタ沈澱によって固体触媒を分離してもよい。また、固体触媒が磁性体を含むものである場合には、磁石で固体触媒を吸着することによって、固体触媒を分離してもよい。なお、分離された固体触媒は、適宜、再利用することができうる。また、液体の触媒を用いた場合には、触媒分離部において、蒸留や抽出、中和を行うことによって、触媒を分離してもよい。

0060

処理液貯留槽20には、リアクター13から排出された生成物が入れられる。そして、適宜、最終的な製造物と副産物等に分けられることになる。例えば、原料が遊離脂肪酸であり、リアクター13においてエステル化が行われた場合には、バイオディーゼル燃料である製造物と、水である副産物とが得られ、処理液貯留槽20において両者が分けられる。その場合には、酸触媒が用いられる。また、例えば、原料がトリグリセリドであり、リアクター13においてエステル交換が行われた場合には、バイオディーゼル燃料である製造物と、グリセリンである副産物とが得られ、処理液貯留槽20において両者が分けられる。その場合には、アルカリ触媒が用いられる。例えば、原料がショ糖であり、リアクター13において脂肪酸エステルとのエステル合成反応や、脂肪酸とのエステル化反応が行われた場合には、ショ糖脂肪酸エステルである製造物と、アルコールや水などの副産物とが得られ、処理液貯留槽20において両者が分けられる。

0061

なお、リアクター13の後段に、リアクター13での反応後の物質を冷却する図示しない冷却器を備えてもよく、またはそうでなくてもよい。前者の場合には、例えば、その冷却器は、リアクター13での反応後の物質を水冷するものであってもよい。

0062

図2は、本実施の形態によるリアクター13の内部構造の一例を示す図である。図2において、リアクター13は、直列に連続した複数の室31,32,33を有する。その各室31〜33は、リアクター13の内部を仕切る複数の仕切り板21によって区切られたものである。前述のように、リアクター13の内部では、上方に未充填空間22が存在する。その未充填空間22に対して、導波管15を介して、マイクロ波発生器14で発生されたマイクロ波が照射されることになる。仕切り板21は、マイクロ波透過性のものであってもよく、マイクロ波吸収性のものであってもよく、またはマイクロ波を反射するものであってもよい。マイクロ波を透過する材料としては、例えば、テフロン登録商標)や、石英ガラスセラミック窒化珪素アルミナ等がある。また、仕切り板21は、マイクロ波透過性の材料、マイクロ波吸収性の材料、マイクロ波反射性の材料のうち、任意の2以上の材料の組み合わせによって構成されてもよい。

0063

リアクター13に入った第1及び第2の液体である内容物30は、各室31〜33の間を流通し、最終的に下流(図2のリアクター13の右端)から出力される。なお、その仕切り板21には、内容物が流通する流路が存在する。その流路は、内容物が主にリアクター13の上流側(図2の左側)から、下流側(図2の右側)に向かって流れていく流路であるが、図2で示す短い矢印のように、一部は下流側から上流側に流れてもよい。その仕切り板21の流路は、例えば、仕切り板21の上方において内容物がオーバーフローする流路であってもよく、または、仕切り板21の隙間において内容物が流れる流路であってもよい。そのような仕切り板21としては、例えば、国際公開第WO2013/001629号に記載されている各種の仕切り板21を用いてもよい。なお、リアクター13は、上流側から下流側に向かって低くなる傾斜を有してもよく、そうでなくてもよい。

0064

なお、リアクター13内部には、内容物30を撹拌する撹拌手段が存在してもよく、またはそうでなくてもよい。撹拌手段が存在する場合には、その撹拌手段は、各室31〜33ごとに存在してもよく、またはそうでなくてもよい。

0065

また、図2で示されるように、リアクター13は、温度測定部25をも有していてもよい。リアクター13の内部の温度は、リアクター13の内容物30の温度であることが好適である。図2では、各室31〜33に温度測定部25が存在する場合について示しているが、そうでなくてもよい。温度測定部25は、例えば、熱電対によって温度を測定してもよく、赤外線センサによって温度を測定してもよく、光ファイバーによって温度を測定してもよく、その他の方法によって温度を測定してもよい。温度測定部25が測定した温度は、マイクロ波制御部16に渡され、マイクロ波発生器14によるマイクロ波の出力の制御のために用いられる。その制御は、前述のように、各室31〜33の温度を所望の温度または所望の温度幅に維持するための制御である。

0066

また、超音波制御部19による制御に応じて超音波発振器18が高周波出力を超音波振動子17に出力し、その高周波出力に応じて、超音波振動子17が超音波を発生する。その結果、各室31〜33において、内容物30に超音波が照射され、第1及び第2の液体が混ざり合うことになる。なお、その照射によって、第1及び第2の液体のエマルションが生成または維持されてもよい。そのような混合が行われることにより、第1及び第2の液体の接触面積が大きくなり、その結果として、第1及び第2の物質の反応が促進されることになる。そのことは、エマルションが生成または維持される場合に特に顕著になると考えられる。したがって、互いに混和しない2個の液体を単に撹拌翼等で撹拌して反応させる場合と比較して、反応時間が同じ場合には、超音波を照射しなかった場合と比較して高収率となり、収率が同じ場合には、超音波を照射しなかった場合と比較して反応時間が短くなる。

0067

なお、リアクター13の形状は問わない。例えば、リアクター13は、図2の左右方向が長さ方向となる円筒状のものであってもよく、直方体の形状であってもよく、または、その他の形状であってもよい。また、リアクター13の壁面は、断熱材で覆われていてもよい。そのようにすることで、リアクター13の内部の熱が外部に放出されることを防止することができる。

0068

次に、化学反応装置1の動作について簡単に説明する。第1及び第2の液体は、ポンプ11によって混合部12に供給される。そして、混合部12において混合され、リアクター13に投入される。そのリアクター13への原料等の供給速度は、あらかじめ決められていてもよい。

0069

リアクター13に供給された原料等は、上流側から下流側に流れていく。その際に、マイクロ波発生器14が発生したマイクロ波が導波管15を介してリアクター13の未充填空間22に伝送され、内容物30に照射される。その結果、内容物30が加熱されることになり、反応が促進される。なお、各室31〜33の温度は、温度測定部25によって測定され、図示しない経路によってマイクロ波制御部16に渡される。そして、マイクロ波制御部16は、各室31〜33の温度が所望の温度または所望の温度幅となるようにマイクロ波発生器14の出力を制御する。また、超音波振動子17が発生した超音波が内容物30に照射される。その結果、第1及び第2の液体が混合され、第1及び第2の液体に含まれる物質の反応が促進される。その反応は、前述の合成反応であり、例えば、エステル合成反応やイオン交換反応などであってもよい。なお、マイクロ波及び超音波の照射によって、第1及び第2の液体のエマルションが生成または維持されてもよい。

0070

リアクター13から出力された生成物は処理液貯留槽20に投入され、処理液貯留槽20において、目的とする製造物と副産物とに分けられる。このようにして、最終的な製造物が得られることになる。このような処理が繰り返して実行されることにより、目的とする製造物が順次、生成されていく。

0071

また、リアクター13の各室31〜33に超音波振動子17が存在する場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、超音波の照射を終了してもエマルションが長時間にわたって維持される第1及び第2の液体の場合には、室31にのみ超音波振動子17を配設し、室31においてエマルションを生成するようにしてもよい。
また、直列に連続した3個の室31〜33を有するリアクター13について説明したが、この室の個数は問わない。室の個数は、1個、2個、または4個以上であってもよい。

0072

また、温度測定部25とマイクロ波制御部16とを備える化学反応装置1について説明したが、化学反応装置1は、温度測定部25とマイクロ波制御部16とを備えていなくてもよい。例えば、マイクロ波の出力をあらかじめ決められた値にすることによって、リアクター13の内部の温度を所望の温度や温度幅に維持することができる場合には、温度を用いたマイクロ波の出力の制御を行わなくてもよい。

0073

また、第1及び第2の液体が混合されてリアクター13に投入される場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、第1及び第2の液体は、予混合がなされずにリアクター13に投入されてもよい。そのような場合には、化学反応装置1は、混合部12を備えていなくてもよい。
また、化学反応装置1が処理液貯留槽20を備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、化学反応装置1から出力された生成物や副産物が混合したものについて、他の装置において生成物の抽出等が行われてもよい。

0074

なお、上述の説明では、内部に未充填空間22を有する横型のフロー式のリアクター13において反応を行う場合について説明したが、内部に未充填空間を有さないフロー式のリアクター13において反応を行ってもよい。その場合には、マイクロ波が内容物30に直接、照射される。内部に未充填空間を有さないフロー式のリアクター13は、例えば、縦型のリアクターであってもよい。縦型のリアクターでは、下方から上方に、または上方から下方に内容物が流通する。

0075

また、上述の説明では、リアクター13の内部に超音波振動子17を配置する場合について説明したが、リアクター13の外部に超音波振動子17を配置し、その超音波振動子17によってリアクター13自体を振動させることによって内容物30に超音波を照射してもよい。
また、上述の説明では、フロー式のリアクター13において反応を行う場合について説明したが、バッチ式のリアクターにおいて反応を行ってもよい。

0076

また、上述の説明では、有機化合物の製造方法や、その有機化合物の製造方法を用いたエステルの製造方法が混合ステップを備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。予混合を行うことなく、第1及び第2の液体に対してマイクロ波と超音波を照射して、両液体に含まれる第1及び第2の物質を反応させるようにしてもよい。

0077

また、上述の説明において、マイクロ波と超音波とを照射する対象となる第1及び第2の液体のうち、少なくとも一方は、固体であったものが加熱されることによって液体になったものであってもよい。具体的には、第1の液体が凝固した第1の固体と、第2の液体とを混合し、その混合物に含まれる第1の固体を、予備加熱によって、またはマイクロ波や超音波の照射によって第1の液体に融解させてもよい。その場合であっても、結果として、互いに混和しない第1及び第2の液体にマイクロ波と超音波とを照射することになり、両液体に含まれる第1及び第2の物質の反応を促進することができる。

0078

以上のように、本発明による有機化合物の製造方法、及びその有機化合物の製造方法を用いたエステルの製造方法によれば、互いに混和しない2個の液体に含まれる物質を反応させる場合に、それらの液体のエマルションを生成して反応させるため、両液体の界面の面積が大きくなり、その結果として、反応が促進されることになる。その結果として、より高い収率や、より短時間での反応を実現することができるようになる。反応がエステル合成である場合には、例えば、より高い収率で、エステルを製造することができるようになる。なお、第1及び第2の液体にマイクロ波と超音波とを照射することによってエマルションが生成されない場合であっても、その照射によって両者が混合し、両液体の界面の面積が大きくなることによって、反応が促進されることになると考えられる。

0079

次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1ショ糖脂肪酸エステルの生成
三口フラスコにショ糖34g、乳化剤としてのショ糖脂肪酸エステル2g、及び水50gを入れ、30分間、60℃にて加熱撹拌することで完全に溶解させた。また、パルミチン酸メチル27gを60℃にて加熱し溶融させ、三口フラスコに投入した。その三口フラスコを撹拌機及び温度計(熱電対)を備え付けたマイクロ波リアクター内に設置した後、三口フラスコ上部より超音波ホーンを導入した。そして、撹拌しながらマイクロ波と超音波を同時に照射し、温度を90℃±2℃に保持しながら、10時間エステル交換反応を行った。このエステル交換反応時の液状は、水中油滴型のエマルションであった。反応終了後、混合物をエタノール100mlにて希釈し、水−エタノール相減圧にて乾燥させ固形物を得、メチルエチルケトンを100ml加え、固形物をろ過した後、ろ液からエバポレーターでメチルエチルケトンを除去し、ショ糖パルミチン酸エステルを82.9重量%含む固形物26.6gを得た。収率は33.0%であった。

0080

比較例1マイクロ波の照射のみ
三口フラスコにショ糖34g、乳化剤としてのショ糖脂肪酸エステル2g、及び水50gを入れ、30分間、60℃にて加熱撹拌することで完全に溶解させた。また、パルミチン酸メチル27gを60℃にて加熱し溶融させ、三口フラスコに投入した。その三口フラスコを撹拌機及び温度計(熱電対)を備え付けたマイクロ波リアクター内に設置した後、撹拌しながらマイクロ波を照射し、温度を90℃±2℃に保持しながら、10時間エステル交換反応を行った。なお、この比較例1では、超音波の照射は行わなかった。また、このエステル交換反応時の液状は、2層の液体であった。反応終了後、混合物をエタノール100mlにて希釈し、水−エタノール相を減圧にて乾燥させ固形物を得、メチルエチルケトンを100ml加え、固形物をろ過した後、ろ液からエバポレーターでメチルエチルケトンを除去し、ショ糖パルミチン酸エステルを59.0重量%含む固形物14.7gを得た。収率は11.0%であった。

0081

比較例2通常加熱のみ
三口フラスコにショ糖34g、乳化剤としてのショ糖脂肪酸エステル2g、及び水50gを入れ、30分間、60℃にて加熱撹拌することで完全に溶解させた。また、パルミチン酸メチル27gを60℃にて加熱し溶融させ、三口フラスコに投入した。その三口フラスコを油浴内に設置し、撹拌しながら温度計(熱電対)で測定した温度を90℃±2℃に保持しながら、10時間エステル交換反応を行った。なお、この比較例2では、マイクロ波の照射及び超音波の照射は行わなかった。また、このエステル交換反応時の液状は、2層の液体であった。反応終了後、混合物をエタノール100mlにて希釈し、水−エタノール相を減圧にて乾燥させ固形物を得、メチルエチルケトンを100ml加え、固形物をろ過した後、ろ液からエバポレーターでメチルエチルケトンを除去し、ショ糖パルミチン酸エステルを35.5重量%含む固形物10.2gを得た。収率は2.7%であった。

0082

なお、上記実施例1,比較例1,2におけるエステル交換反応時の液状は、マイクロ波や超音波の照射、撹拌を止めた状態で判断した。また、上記実施例1,比較例1のマイクロ波リアクターとしては、μ−Reactor(四国計測工業社製)を用いた。また、上記実施例1,比較例1,2におけるエステル交換は常圧で行った。また、超音波ホーンとしては、UH−600S(株式会社エスエムテー社製)を用い、超音波の周波数は、20kHzとした。また、上記実施例1,比較例1,2において、乳化剤としてのショ糖脂肪酸エステルはそれぞれ同じ市販のものを用いた。

0083

上述の実施例1,及び比較例1,2の収率等は、次の表、及び図3グラフで示される通りである。



上記表、及び図3のグラフから、マイクロ波(MW)と超音波(US)とを照射した場合(実施例1)の収率が、通常加熱(CH)のみの場合(比較例2)や、マイクロ波の照射のみの場合(比較例1)と比較して、顕著に高いことが分かる。実施例1の場合には、エマルションを生成することによって、ショ糖とエステル(パルミチン酸メチル)の接している界面の面積を増大させることができると共に、内部加熱を行うことができるマイクロ波を照射することによって、両物質が反応するために必要な活性化エネルギーを、両物質の界面に効率よく供給することができ、その結果として、比較例1,2と比較して、非常に高い収率を得ることができているのではないかと推定できる。

0084

なお、この実施例においては、エステル交換反応を行う場合について説明したが、エステル化反応においても、またその他の置換反応や、付加反応、脱離反応、転位反応、またはそれらの2以上の組み合わせにおいても同様に、マイクロ波と超音波とを照射することによってエマルションを生成することにより、より反応が促進されることになると考えられる。

実施例

0085

なお、本発明は、以上の実施例に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。

0086

本発明の有機化合物の製造方法、またその有機化合物の製造方法を用いたエステルの製造方法によって得られたエステルなどは、例えば、インク原料、バイオディーゼル燃料、または食品用乳化剤などとして利用することができる。

0087

1化学反応装置
12 混合部
13リアクター
14マイクロ波発生器
15導波管
16マイクロ波制御部
17超音波振動子
18超音波発振器
19 超音波制御部

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