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技術 導電性オリゴチオフェン、その製造方法、導電性組成物、塗料、制電性被覆物および電子部材

出願人 三光化学工業株式会社
発明者 藤花典正立上義治石崎雅哉
出願日 2014年2月14日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2014-026556
公開日 2015年8月24日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2015-151365
状態 未査定
技術分野 電線ケーブルの製造(1) 帯電防止物質 グラフト、ブロック重合体 重合方法(一般) 高分子成形体の被覆 ポリオキシメチレン、炭素-炭素結合重合体 塗料、除去剤 硫黄原子を含む複素環式化合物 導電材料 非絶縁導体 高分子組成物
主要キーワード 導電性線 呼ばれる側 導電性被覆物 塗布基体 グラスファイバー製 分岐回数 電子部材用 導電性有機薄膜
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年8月24日)のものです。
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図面 (2)

課題

塗膜及び制電性被覆物として適用する場合、塗布基体との密着性にすぐれ、低結晶性であることから滑らかな膜質を形成し、膜のヒビ割れ光散乱などを起こさない、重合度がよく制御された導電性オリゴチオフェンを提供することを主要な目的とする。

解決手段

本発明に係る導電性オリゴチオフェンは、3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合した分子である、線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーを、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩でドーピングしてなる。

概要

背景

近年、樹脂制電性を付与することが重要になってきており、これを達成するために、従来より、界面活性剤等の帯電防止剤樹脂成形品の表面に塗布したり、帯電防止剤を樹脂中に練り込む方法が知られている。しかしながら、前者の方法では、長時間経過すると制電性が著しく低下するため、持続性を有する高制電性樹脂として、実用化には供し難い。一方、後者の方法では、帯電防止剤と樹脂との相溶性が悪く、帯電防止剤が成形品の表面から剥離したり、ブリーディングブルーミングして、制電効果が低下するという課題があった。

また、界面活性剤などの帯電防止剤は、湿度依存性があり、低湿度下では、制電効果が失活する、あるいは、樹脂を成形した後に、帯電防止効果発現するまでに最低1〜3日掛かり、遅効性であるという課題があった。

また、カーボンブラックカーボンファイバーなどを樹脂に練り込む方法が提案されている。この方法によると、帯電防止性にすぐれ、帯電防止性に持続性がある樹脂組成物が得られる。しかし、この方法では、練り込み物が剥離したり、透明な成形品が得られなかったり、成形品の色の選択が制限されるなどの課題があった。

本発明者らは、上記の課題を解決する方法として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であるカチオンによって構成される金属塩類を溶解した溶液を、ポリアミド樹脂ポリエーテルエステルアミド樹脂脂肪族ポリエステルポリ乳酸系樹脂熱可塑性エラストマー及びゴムに添加してなる制電性組成物を提案した(たとえば、特許文献1参照)。

また、ポリウレタンからなる塩改質静電散逸重合体(Salt-modified electrostatic dissipative polymers)の製造方法として、リチウムビスフルオロアルキルスルホニルイミド補助溶剤(co-solvents)に溶解して添加する方法が提案されている(特許文献2参照)。

また、導電性重合体しては、ポリアニリン系ポリピロール系やポリチオフェン系導電性高分子がよく知られている。特に透明性がすぐれているのは、導電性ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)である。そして、すでにPEDOTコロイド水溶液として商品化されており(商品パイロンP,バイエル社製)、導電性コーティング剤として電子部品分野などで広く用いられている。

また、3,4−エチレジオキシチオフェン(EDOT)をビスパーフルオロアルカンスルホニル)イミド又はその塩を含有する溶液中で、電解重合させて電極基体表面上に多孔性材料を形成する方法も提案されている(特許文献3参照)。

また、EDOTをポリスチレンスルホン酸(PSS)の存在下、水性媒体中過硫酸塩を用いて化学酸化重合を行い、PEDOT−PSSを製造する方法も提案されている(特許文献4参照)。

概要

塗膜及び制電性被覆物として適用する場合、塗布基体との密着性にすぐれ、低結晶性であることから滑らかな膜質を形成し、膜のヒビ割れ光散乱などを起こさない、重合度がよく制御された導電性オリゴチオフェンを提供することを主要な目的とする。本発明に係る導電性オリゴチオフェンは、3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合した分子である、線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーを、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩でドーピングしてなる。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、塗膜及び制電性被覆物として適用する場合、塗布基体との密着性にすぐれ、滑らかな膜質を形成し、膜のヒビ割れや光散乱などを起こさない導電性オリゴチオフェンを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合した分子である、線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーを、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩でドーピングしてなる導電性オリゴチオフェン。

請求項2

3位に置換基を有する前記チオフェン誘導体は、3−アルコキシチオフェン又は3−アルキルチオフェンを含む、請求項1に記載の導電性オリゴチオフェン。

請求項3

前記フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸またはその塩は、前記線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマー1分子に対して1モル以上、かつ、前記線状チオフェンオリゴマーおよびオリゴチオフェンデンドリマー1分子の繰り返し単位の数(モル数)に対して100モル%未満ドーピングされている請求項1又は2に記載の導電性オリゴチオフェン。

請求項4

前記フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸は、ビストリフルオロメタンスルホニルイミド又はトリフルオロメタンスルホン酸を含み、前記フルオロ基およびスルホニル基を備える塩は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性オリゴチオフェン。

請求項5

3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合した分子である、線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーを準備する工程と、媒体中に、前記線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーと、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸またはその塩を添加・撹拌して、前記フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸またはその塩がドープされた線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーを含む溶液を得る工程と、を備えた導電性オリゴチオフェンの製造方法。

請求項6

3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合した分子である、線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーを、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩(第1の塩)でドーピングしてなる導電性オリゴチオフェンを含み、前記導電性オリゴチオフェンが、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩(第2の塩)を溶解した、重合性モノマーオリゴマーまたはプレポリマーの中に分散している導電性組成物

請求項7

前記導電性オリゴチオフェンを、前記フルオロ基およびスルポニル基を備える陰イオンを有する塩(第2の塩)を溶解した前記重合性モノマー、オリゴマーまたはプレポリマー100質量部に対して、0.005〜50.0質量部含むことを特徴とする請求項6に記載の導電性組成物。

請求項8

前記導電性オリゴチオフェンをイオン液体に溶解させて、前記重合性モノマー、オリゴマーまたはプレポリマーの中に分散させている講求項6又は7に記載の導電性組成物。

請求項9

前記イオン液体は、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミドメチルトリブチルアンモニウム塩)(第3の塩)を含む請求項8に記載の導電性組成物。

請求項10

請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性オリゴチオフェンを含む塗料

請求項11

請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性オリゴチオフェンを含む制電性被覆物

請求項12

請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性オリゴチオフェンを含む電子部材

技術分野

0001

本発明は、一般に導電性オリゴチオフェンに関するものであり、より特定的には、塗膜及び制電性被覆物として適用する場合、塗布基体との密着性にすぐれ、滑らかな膜質を形成し、膜のヒビ割れ光散乱などを起こさないように改良された導電性線チオフェンオリゴマー又は導電性オリゴチオフェンデンドリマー及びその製造方法に関する。この発明は、また、そのような導電性線状チオフェンオリゴマー又は導電性オリゴチオフェンデンドリマーを含む導電性組成物塗料、制電性被覆物、および電子部材に関する。

背景技術

0002

近年、樹脂に制電性を付与することが重要になってきており、これを達成するために、従来より、界面活性剤等の帯電防止剤樹脂成形品の表面に塗布したり、帯電防止剤を樹脂中に練り込む方法が知られている。しかしながら、前者の方法では、長時間経過すると制電性が著しく低下するため、持続性を有する高制電性樹脂として、実用化には供し難い。一方、後者の方法では、帯電防止剤と樹脂との相溶性が悪く、帯電防止剤が成形品の表面から剥離したり、ブリーディングブルーミングして、制電効果が低下するという課題があった。

0003

また、界面活性剤などの帯電防止剤は、湿度依存性があり、低湿度下では、制電効果が失活する、あるいは、樹脂を成形した後に、帯電防止効果発現するまでに最低1〜3日掛かり、遅効性であるという課題があった。

0004

また、カーボンブラックカーボンファイバーなどを樹脂に練り込む方法が提案されている。この方法によると、帯電防止性にすぐれ、帯電防止性に持続性がある樹脂組成物が得られる。しかし、この方法では、練り込み物が剥離したり、透明な成形品が得られなかったり、成形品の色の選択が制限されるなどの課題があった。

0005

本発明者らは、上記の課題を解決する方法として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であるカチオンによって構成される金属塩類を溶解した溶液を、ポリアミド樹脂ポリエーテルエステルアミド樹脂脂肪族ポリエステルポリ乳酸系樹脂熱可塑性エラストマー及びゴムに添加してなる制電性組成物を提案した(たとえば、特許文献1参照)。

0006

また、ポリウレタンからなる塩改質静電散逸重合体(Salt-modified electrostatic dissipative polymers)の製造方法として、リチウムビスフルオロアルキルスルホニルイミド補助溶剤(co-solvents)に溶解して添加する方法が提案されている(特許文献2参照)。

0007

また、導電性重合体しては、ポリアニリン系ポリピロール系やポリチオフェン系導電性高分子がよく知られている。特に透明性がすぐれているのは、導電性ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)である。そして、すでにPEDOTコロイド水溶液として商品化されており(商品パイロンP,バイエル社製)、導電性コーティング剤として電子部品分野などで広く用いられている。

0008

また、3,4−エチレジオキシチオフェン(EDOT)をビスパーフルオロアルカンスルホニル)イミド又はその塩を含有する溶液中で、電解重合させて電極基体表面上に多孔性材料を形成する方法も提案されている(特許文献3参照)。

0009

また、EDOTをポリスチレンスルホン酸(PSS)の存在下、水性媒体中過硫酸塩を用いて化学酸化重合を行い、PEDOT−PSSを製造する方法も提案されている(特許文献4参照)。

先行技術

0010

国際公開WO01/79354 A1公報(特許請求の範囲)
米国特許6、140、405号 (Claim 1、14及び15)
特開2006−351289号公報(請求項1、5)
特開平7−90060号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、特許文献1に記載の方法において、制電性組成物に添加する金属塩類の種類によっては、制電性能が十分でない場合があった。また、過塩素酸等の金属塩類を用いると、この制電性組成物から成るフィルムシートを用いて金属類包装する場合、金属表面を腐食発錆あるいは汚染するという課題があった。

0012

また、特許文献2に記載の方法では、金属塩類を溶解するための補助溶剤(エチレンカーボネートジメチルスルホキシドテトラメチレンスルホンN−メチル−2−ピロリドン等)が制電性組成物の成形品の表面にブリーディングやブルーミングし、製品を汚染する。また、成形品の表面を払拭することなどにより制電性が低下し、帯電防止性の耐久性が十分でない。特に、高温高湿度雰囲気下では、ブリーディングやブルーミングが促進されるため、制電性の低下が著しいという課題があった。

0013

また、特許文献4の開示する上記PEDOT−PSSはすぐれた導電性を示すが、その製造条件制約から、特性上、工業上の適用に際して次のような制約がある。すなわち、強酸性塗布基材への密着性が不十分、耐湿性耐光性が低い、汎用樹脂との相溶性が低い、また、水、有機溶媒への溶解性が低いなどの制約である。特許文献3の開示する電解重合法も、分子量の異なる多くの副産物も生じ、また、製造条件の制約がある。

0014

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、塗膜及び制電性被覆物として適用する場合、塗布基体との密着性にすぐれ、滑らかな膜質を形成し、膜のヒビ割れや光散乱などを起こさない導電性オリゴチオフェンを提供することを目的とする。

0015

本発明の他の目的は、イオン伝導型制電特性と電子伝導型の制電特性の両者を合わせ持つ導電性オリゴチオフェンを提供することにある。

0016

本発明の他の目的は、透明な被膜を形成する導電性オリゴチオフェンを提供することにある。

0017

本発明の他の目的は、重合度が精密に制御された、導電性線状チオフェンオリゴマー又は導電性オリゴチオフェンデンドリマーを提供することにある。

0018

この発明の他の目的は、そのような導電性オリゴチオフェンの製造方法を提供することにある。

0019

本発明のさらに他の目的は、そのような導電性オリゴチオフェンを用いた塗料、制電性被覆物及び電子材料を提供することにある。

0020

本発明の他の目的は、熱安定性にすぐれ、ブリーディング、ブルーミング及び移行汚染が発生せず、湿度に依存せずに、即効性にすぐれ、物性の低下を招かず、かつ、すぐれた制電性が持続する導電性組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0021

オリゴチオフェンは、従来ポリチオフェンモデル化合物として研究されていた。オリゴチオフェンは Grignard 反応など典型的な有機化学反応により容易に合成することができ、重合度の制御も可能である。オリゴチオフェンは、線状のオリゴチオフェン(Linear Oligothiophene)と分岐したオリゴチオフェン(Branched Oligothiophene)に大別される(森ら、Chem.Eur.J.2013,19,1658-1665)。本明細書では、便宜上、線状のオリゴチオフェンを線状チオフェンオリゴマーと称し、分岐したオリゴチオフェンをオリゴチオフェンデンドリマーと称して、両者を区別する。

0022

デンドリマー(dendrimer)とは、中心から規則的に分枝した構造を持つ樹状高分子を意味する。デンドリマーは、コア(core) と呼ばれる中心分子と、デンドロン(dendron) と呼ばれる側鎖部分から構成される。また、デンドロン部分の分岐回数を世代 (generation) と言い表す。一般に高分子はある程度の分子量分布を持つが、高世代のデンドリマーは、分子量数万に達するもののほとんど単一分子量であるという際立った特徴を持つ。

0023

本発明に係る導電性オリゴチオフェンは、3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合した分子である、線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーを、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩でドーピングしてなる。

0024

イオン伝導バトンを手渡しするようにイオンが分子内及び分子間を移動するイメージであるのに対し、電子伝導はボール筒中に転がすように電子が分子内及び分子間を移動するイメージである。後者の方が静電気の流れは速く、帯電防止剤としての効果も高い。本発明に係る導電性オリゴチオフェンは、3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合形成した分子である、線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーに由来する電子伝導の特性を持ちながら、フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩から由来するイオン伝導の特性も合わせ持つので、帯電防止剤としての効果が高くなることが見出された。

0025

3位に置換基を有する上記チオフェン誘導体は、3−アルコキシチオフェン又は3−アルキルチオフェンを含むのが好ましい。アルコキシ基は、片末端アルコキシル基であるポリエーテル基を含む。

0026

この中でも、下記「化1」に示すような骨格を有する線状チオフェンオリゴマー又は下記「化2」に示すような骨格を有するオリゴチオフェンデンドリマーを、フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩でドーピングすることによって得られる導電性オリゴチオフェンは、特に好ましい。



(式中、R1は、片末端がアルコキシル基であるポリエーテル基又はアルキル基、nは4以上の整数を表す。)



(式中、R2は、片末端がアルコキシル基であるポリエーテル基又はアルキル基である。)

0027

上記フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸またはその塩は、上記線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマー1分子に対して1モル以上、かつ、上記線状チオフェンオリゴマーおよびオリゴチオフェンデンドリマー1分子の繰り返し単位の数(モル数)に対して100モル%未満ドーピングされているのが好ましい。

0028

3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上連結される場合に、高い伝導性を示すことがわかっている。

0029

3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合した分子である、線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーは、自由に動くことのできるキャリアを生じるため、有機物でありながら電子伝導型の導電性を有するようになる。これらは、塗布基体との密着性にすぐれ、低結晶であることから滑らかな膜質を形成し、膜のヒビ割れや光散乱などを起こさない、透明性を有する被膜を与える。

0030

上記フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する酸は、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はトリフルオロメタンスルホン酸を含み、上記フルオロ基及びスルホニル基を備える塩は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを含む。

0031

本発明に従う導電性オリゴチオフェンの製造方法においては、まず、3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合した分子である、線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーを準備する。次に、媒体中に、上記線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーと、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸またはその塩を添加・撹拌して、上記フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸またはその塩がドープされた線状チオフェンオリゴマーおよびオリゴチオフェンデンドリマーを含む溶液を得る。

0032

媒体とは、後述する揮発性溶媒重合性モノマーオリゴマープレポリマーを含む。

0033

本発明に従う導電性組成物は、3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合した分子である、線状チオフェンオリゴマー又はオリゴチオフェンデンドリマーを、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩(第1の塩)でドーピングしてなる導電性オリゴチオフェンを含む。該導電性オリゴチオフェンが、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩(第2の塩)を溶解した、重合性モノマー、オリゴマーまたはプレポリマーの中に分散している。

0034

本明細書で、「分散」とは、上記導電性オリゴチオフェンが、組成物中に微液滴状になって散在あるいは溶込んでいる状態をいう。上記導電性オリゴチオフェンは、単独又は揮発性溶剤に溶解させて分散される。

0035

揮発性溶媒とは、常温液体気化する溶媒をいい、水、メタノールエタノールイソプロパノール、1−ブタノール2−ブタノールシクロヘキサノールなどのアルコール類アセトンメチルエチルケトンメチルブチルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノンなどのケトン類テトラヒドロフランエチレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類酢酸メチル酢酸エチル酢酸ブチルなどのエステル類からなる群から選ばれた揮発性溶媒を挙げることができる。揮発性の溶媒を選ぶのは、当該組成物を被塗布物に塗布した後、乾燥しやすくするためである。揮発性を有するものなら、上記のものに限定されず、いずれも使用できる。

0036

上記重合性モノマーとは、重合する官能基を有する化合物をいい、例えばアクリロイル基メタクリロイル基ビニル基などを有する重合性モノマーが挙げられる。態様としては、モノマー、オリゴマー、あるいは活性エネルギー線硬化性官能基を分子内に3つ以上有するものが挙げられる。

0037

重合性モノマーとしては、例えば、単官能性のもの:メチルメタアクリレートエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドンアクリロイルモルホリンイソボルニル(メタ)アクリレート、酢酸ビニルスチレンなど、二官能性のもの:ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンなど、多官能性のもの:トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの3モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパンの6モルエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタンエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0038

さらに、活性化エネルギー線硬化性の(メタ)アクリレート系化合物として、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等を挙げることができる。

0039

オリゴマーとは、有限個(一般的には100個まで)のモノマーが結合した比較的分子量が低い重合体を指す。オリゴマーに対してポリマーは非常に多数(数100個以上)のモノマーが結合した状態のことをいう。オリゴマーとしては、例えば、不飽和ポリエステルポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。この中でも、ポリエチレングリコールモノ又はジ(メタ)アクリレートは好ましく用いられる。その中でもオキシエチレン単位を少なくとも6個有するポリエチレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。

0040

プレポリマー(prepolymer) は、モノマーの重合または縮合反応を適当な所で止めた中間生成物である。ポリマーとなる前段階にあり、硬化剤などを使用することにより容易に重合や架橋反応を起こす事ができる。ウレタン樹脂系プレポリマー、シリコン樹脂系プレポリマーを含む。3つ以上の官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジシアネートトリレンジイソシアネートナフタレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネートキシリレンジイソシアネートジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどと、水酸基含有(メタ)アクリレート:2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの単官能のもの、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの3官能以上のものとを反応してなるものなどが挙げられる。

0041

上記フルオロ基及びスルホニル基を備える酸は、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はトリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。上記フルオロ基及びスルホニル基を備える塩は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CF3SO2)2NLi)又はトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)が好ましい。

0042

対になる陽イオンは、リチウム以外にも、アルカリ金属、2A族元素遷移金属及び両性金属からなる群の陽イオンからも好ましく選ばれる。

0043

上記導電性オリゴチオフェンを、上記フルオロ基およびスルポニル基を備える陰イオンを有する塩(第2の塩)を溶解した上記重合性モノマー、オリゴマーまたはプレポリマー100質量部に対して、0.005〜50.0質量部含むのが好ましい。

0044

上記導電性オリゴチオフェンを分散させる前の、上記重合性モノマー、オリゴマー又はプレポリマー中において、上記フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオン有する塩(第2の塩)は、上記重合性モノマー、オリゴマー、プレポリマー、樹脂、エラストマー又は粘着性樹脂を含む組成物100質量部に対して、0.01質量部以上50質量部以下含まれる。この組成物はイオン伝導性組成物である。

0045

上記導電性オリゴチオフェンをイオン液体に溶解させて、上記重合性モノマー、オリゴマーまたはプレポリマーの中に分散させてもよい。イオン液体を、上記電子伝導性重合体を溶解させる媒体として用いることができる。イオン液体とは、液体で存在する塩(えん)をいうが、基本的には、陽イオンの種類で、ピリジン系、脂環肪族アミン系、脂肪族アミン系の3つに大別される。分散性の良好なイオン液体としては、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)メチルトリブチルアンモニウム塩((CF3SO2)2N-・N+(CH3)(C4H9)3)(第3の塩)を挙げることができる。

0046

本発明の導電性組成物には、さらに酸化防止剤熱安定剤紫外線吸収剤難燃剤難燃助剤着色剤顔料抗菌抗カビ剤耐光剤可塑剤粘着付与剤分散剤消泡剤硬化触媒、硬化剤、レベリング剤撥水剤カップリング剤フィラ−、加硫剤キレート剤加硫促進剤などの公知の添加剤を必要に応じて添加することができる。

0047

本発明の導電性組成物を用いて、フィルム、塗料、電子部材等を得ることができる。また、本発明の制電性組成物を成形表面硬化させて、制電性の被覆物とすることもできる。本発明の組成物は、膜、塗料あるいは被覆物として使用する場合に特に有効に作用する。

0048

硬化のための、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基の重合は、加熱、紫外線可視光、電子線などのエネルギーによってなされるが、適宜、公知の重合開始剤を使用してもよい。

発明の効果

0049

本発明に係る導電性オリゴチオフェンは、塗膜及び制電性被覆物として適用する場合、塗布基体との密着性にすぐれ、低結晶性であることから滑らかな膜質を形成し、膜のヒビ割れや光散乱などを起こさない、かつ静電気の流れが速いので、帯電防止剤としての効果が高く、電子デバイス用途に有用に適用することができる。また、この導電性オリゴチオフェンを、フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する第2の塩を溶解した重合性モノマー、オリゴマー又はプレポリマーの中に分散させることによって、制電性の高い導電性組成物が得られた。

図面の簡単な説明

0050

本発明の作用効果を説明する図である。

0051

重合度が精密に制御された導電性オリゴチオフェンを得るという目的を、3位に置換基を有するチオフェン誘導体が6個以上結合した分子である、下記「化1」に示すような線状チオフェンオリゴマー又は下記「化2」に示すようなオリゴチオフェンデンドリマーを、フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩でドーピングすることによって実現した。



(式中、R1は、片末端がアルコキシル基であるポリエーテル基又はアルキル基、nは4以上の整数を表す。)



(式中、R2は、片末端がアルコキシル基であるポリエーテル基又はアルキル基である。)

0052

次に、化1に示す線状チオフェンオリゴマーの場合であって、3−{2−[2—(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン(3EOXTH)の6量体(Head to Tail結合)を用い、かつドーピング剤としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CF3SO2)2NLi)を用いた場合を例示して、作用効果を説明する。

0053

3−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン(3EOXTH)の6量体からなる線状チオフェンオリゴマーにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CF3SO2)2NLi)をドーピング剤として含有させたものは、ドーピング剤を含有させなかったものよりも、高い伝導性を有することが見出された。

0054

一般に、導電性ポリマー中では、電子は共役系に沿って非局在化している。これは普通π軌道の重なりを通してのものであり、π系が拡張されて価電子帯を形成している。このπ系から電子を取り除くか(pドーピング)、あるいは電子を与えると(nドーピング)、バイポーラロンと呼ばれる電荷を帯びた単位が生成する。バイポーラロンがポリマー鎖の中を移動することによって、巨視的な導電性が発現するのである。

0055

本発明によれば、図1に示すように、超強酸アニオンであり高い求核性を有するドーパントアニオン((CF3SO2)2N-)は、3−{2−[2—(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフェン(3EOXTH)の6量体からなる線状チオフェンオリゴマーと強く相関し、カチオンラジカル性を帯びたポーラロン(ラジカルカチオン)あるいはバイポーラロン(ジカチオン)を生起させ、これを安定化させる。すなわち、ドーパントアニオン(CF3SO2)2N- が pドーピング剤として作用する。一方、陽イオンであるLiイオンは、エーテル酸素に取り囲まれ、キレート化合物を形成し安定化する。

0056

そして、この導電性線状チオフェンオリゴマーに外部より電場印加されると、硬化膜中において、Liイオン種は、相応する極(膜表面)に向って、エーテル酸素原子分子運動を利用して移動(イオン輸送)し、イオン伝導型の制電特性を発現する。すなわち、バトンを手渡しするようにLiイオンが分子内及び分子間を移動するイメージである。他方、カチオンラジカル性を帯びた線状チオフェンオリゴマーが電子伝導型の制電特性を発現する。すなわち、ボールを筒中に転がすようにラジカル(電子)が分子内及び分子間を移動するイメージである。

0057

フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩は、線状チオフェンオリゴマー1分子に対して1モル以上、より好ましくは2モル以上、かつ線状チオフェンオリゴマー1分子の繰り返し単位の数(モル数)に対して100モル%未満ドーピングされているのが好ましい。

0058

例えば、図1に示すチオフェン誘導体の1分子は、繰り返し単位が6個である。チオフェンオリゴマーがポーラロン(ラジカルカチオン)を形成する場合、フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩は、チオフェンオリゴマー1分子に対して1モル必要である。1モルより少ない場合、得られる薄膜の導電性発現への寄与が小さい。化1に示すようなバイポーラロン(ジカチオン)を形成する場合は、ポーラロンの形成の場合よりも薄膜の導電性への寄与が大きい。このバイポーラロンを形成する場合、フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩は、チオフェンオリゴマー1分子に対して2モル必要である。一方、チオフェンオリゴマー1分子の繰り返し単位の数(モル数)に対して100モル%以上、すなわち、図1の場合、6モル以上ドーピングされると、電子が動けなくなる。よって、フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩のドープ量は、オリゴチオフェン誘導体1分子の繰り返し単位の数(モル数)に対して100モル%未満に抑えるのが好ましいのである。

0059

なお、ポリエーテル基を構成するポリエチレングリコール鎖のオキシエチレン単位の数は3以上が好ましい。このように構成すると、図1に示すように、リチウムイオンが、エーテル酸素に取り囲まれて、4配位キレートを形成し、ポリエーテル鎖の分子運動によりリチウムイオンが隣のエーテル酸素に次々と移って移動し、帯電防止性を強く発現する。一方、オキシエチレン単位の合計数は、50以下であるのが好ましい。オキシエチレン単位の数が50を超えると、液状の性質が薄れ、ワックス状になり、取り扱いが困難となるからである。

0060

これらのことは、化2に示すオリゴチオフェンデンドリマーを、フルオロ基およびスルホニル基を備える陰イオンを有する酸又はその塩でドーピングしてなる導電性オリゴチオフェンデンドリマーにおいても同様である。

0061

このように本発明で得られた導電性オリゴチオフェンは、イオン伝導型の制電特性と電子伝導型の制電特性の両者を合わせ持ち、これらの相乗効果により、制電性の大きい電子伝導性重合体となる。この導電性オリゴチオフェンは、透明性が高いという特徴も有する。

0062

また、この導電性オリゴチオフェンを、フルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する塩を溶解した、重合性モノマー、オリゴマー又はプレポリマーの中に分散させることにより、制電剤のブリーディング、ブルーミング及び移行汚染が生じない導電性組成物を与える。

0063

以下、本発明の実施例を説明する。なお、文中、指数表示する場合があり、たとえば「1.5E+02」と表示すると、1.5×102を意味するものとする。

0064

(線状チオフェンオリゴマーの合成)
線状チオフェンオリゴマーは、森らの合成法(J.Am.Chem.Soc.,2011,133、16734-16737)によって、[化3]に示す経路で、3−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオエン(3EOXTH)の6量体(6(3EOXTH)、Head-to-Tail結合)を得た。この方法によると、触媒2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TMPH)とエチルグリニャール反応剤(EtMgCl)を用いるので、3−アルキルチオフェンの5位のプロトン高選択的メタル化し、ひいては分子量が精密に制御された線状のオリゴチオフェンである線状チオフェンオリゴマーが得られる。

0065

(ビス(トリフルオロスルホニル)イミドドーブ6(3EOXTH)のメチルエチルケトン(MEK)溶液の調整)

0066

100mlのMEKに、6(3EOXTH)0.033モル(7.9質量部)とビス(トリフルオロスルホニル)イミド0.011モル(3.16質量部)を添加し、20℃、4時間攪拌した後、グラスファイバー製濾紙でろ過して、MEK溶液を得た。また、元素分析により、ビス(トリフルオロ)イミドのドープ率は、約33モル%であった。

0067

(導電性組成物の合成)
得られた上記MEK溶液に、樹脂としてアクリル系樹脂(総研化学(株)製、MP‐1600)5質量部を溶解させて、導電性6(3EOXTH)組成物を得た。

0068

(制電性被覆物の形成)
上記導電性6(3EOXTH)組成物を、バーコータNo.4を用いて、高透シクロオレフィンポリマーフィルムCOP)(日本ゼオン(株)製、ゼオノアフィルムZF14,厚さ100μm)に塗布し、温度100℃、3分間乾燥し、導電性フィルム(計算塗布厚0.5μm)を得た。該フィルムの導電率は、40S/cmであった。また、分光透過率(550nm)は89%であった。該フィルムを105℃、500時間保持して耐熱性試験を行った。耐熱試験後の導電率は、37S/cmであった。本導電性被覆物は、ITO被覆フィルムと同等の導電性と透明性の特性を示した。

0069

(3−ヘキシルチオフェン(3HEXTH)の12量体(12(3HEXTH))の合成)
実施例1において、3EOXTHの代わりに、3−ヘキシルチオフエン(東京化成工業(株)製)を用いた以外は、「化3」に示した合成式と同様な方法で、12(3HEXTH)を合成した。

0070

(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドドープ12(3HEXTH)のアクリレート溶液の調整)

0071

12(3HEXTH)0.005モルをリチウムピス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを20重量部溶解したペンタエリスリトールトリアクリレート溶液(三光化学工業(株)製、商品名サンコノールPETA−20R)20質量部に添加し、20℃、6時間攪拌した後、グラスファイバー製濾紙でろ過して、導電性アクリレート組成物を得た。

0072

(制電性被覆物の形成)
上記導電性アクリレート組成物に、光重合開始剤として、イルガキュアー907(チバガイギー(社)製)0.6質量部を添加し、液状組成物を調製した。この組成物をペースフィルム(PET製、厚さ250μm)の表面に設置したプリズム・アクリル系樹脂(ピツチ500μm、頂角88°)の表面に塗布した後、高圧水銀灯を用いて、空気中で紫外線を照射し、硬化被膜1.0μmの厚さを有する硬度2Hの透明プリズム板を得た。このプリズム板の表面抵抗率は、6.0E+02Ω/sqであった。ついで、湿度70%、温度80℃の条件下に1時間放置した後、表面抵抗率を測定した結果、7.0E+03Ω/sqであった。

0073

実施例1で得られた導電性線状チオフェンオリゴマー6(3EOXTH)とバインダーのアクリル系樹脂のMEK溶液を、厚さ1mmのステンレス板に塗布した後、50℃にて減圧乾燥した。これを2枚の円形打ち抜いて電極として対向させてセットし、その間に、電解液[0.5Mリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液]を含漫させたナイロン系不織布をセパレータとしてはさみ、ステンレス製コイン型ケースでかしめ、電気化学的キャパシタを作成した。このキャパシタ定電流放電(100μA)の放電容量は、0.1Fであった。また、定抵抗放電曲隷の内部抵抗は、50Ωであった。

0074

実施例1と同様な方法で調製したビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムドープ6(3EOXTH)のMEK溶液100質量部に、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド50質量部とビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)メチルトリブチルアンモニウム塩3質量部を添加し、攪拌した後、減圧下で、MEKを除去して、導電性線状チオフェンオリゴマー組成物を得た。この導電性線状チオフェンオリゴマー組成物を、ポリエチレンテレフタレートフィルム東洋紡(株)製、A4300,厚さ38μm)上に、マイクログラビァ塗工法により塗布(厚さ1.5μm)した。次いで、高圧水銀灯(80W)を用いて、空気中で紫外線を照射(200mJ/cm2)し、架橋させ、導電性重合体を被覆したフィルムを得た。この被覆フィルムの表面抵抗率は、7.3E+02Ω/sqであった。

0075

(オリゴチオフェンデンドリマーの合成)
オリゴチオフェンデンドリマー 7−mer(OTHDEN−1)は、森らの合成法(Chem. Eur.J.2013,19,1658-1665)によって、「化4」に示す経路で得た。触媒2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TMPH)とエチルグリニャール反応剤(EtMgCl)を用いるので、3−アルキルチオフェンの5位のプロトンを高選択的にメタル化し、ひいては分子量が精密に制御された7−mer(OTHDEN−1)が得られた。

0076

(MEK液組成物の調整)
実施例1と同様な方法で、トリフルオロスルホン酸リチウム0.02モル(3.1質量部)を用いて、トリフルオロスルホン酸リチウムドープオリゴチオフェンデンドリマー7−mer(OTHDEN−1)のMEK液組成物を調整した。この場合、リチウムイオンは、硫黄原子孤立電子対に配位する。さらに、バインダー樹脂としてポリエス系樹脂(富士フィルム(株)製、STAFLX)5質量部を溶解させて、ポリエステルバインダー樹脂を含有させた、分岐した導電性オリゴチオフェンである導電性オリゴチオフェンデンドリマー組成物を得た。この組成物をガラスプレート滴下し、50℃、1時間乾燥することにより、厚さ0.7μmのフィルムを得た。4探針方式の導電率は、50S/cmであった。85℃、相対湿度85%の条件下、240時間放置後の導電率は、47S/cmであった。本導電性オリゴチオフェンデンドリマーからなるフィルムは、耐湿熱性に優れた帯電防止性に優れた帯電防止剤や固体電解コンデンサー陰極材料として有用性を示した。

0077

実施例5と同様な方法で、3−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}チオフエンを出発物質として、「化5」に示すオリゴチオフェンデンドリマー15−mer(OTHDEN−2)を得た。

0078

ビス(トリフルオロスルホニル)イミドドープ15−mer(OTHDEN−2)の酢酸エチル溶液(10質量部)を調整した。この溶液にアクリル系樹脂(綜研化学(株)製、MP−1600)2質量部を溶解させて、導電性15mer(OTHDEN−2)組成物を得た。

0079

(制電性被覆物の形成)
上記導電性15−mer(OTHDEN−2)組成物を、透明PETフィルムに塗布し、導電性フィルム(計算塗布量0.5μm)を得た。該フィルムの表面抵抗率は、1.5E+01Ω/sqであった。

0080

なお、本発明において用いられるフルオロ基及びスルホニル基を備える陰イオンを有する塩としては、上述したもの以外にも、たとえば、LiN(C2F5SO2)2、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)、LiN(C8F17SO2)(CF3SO2)、LiN(CF3CH2OSO2)2、LiN(CF3CF2CH2OSO2)2、LiN(HCF2CF2CH2OSO2)2、LiN((CF3)2CHOSO2)2、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドリチウムLi(CF3SO2)3Cなども使用できる。

実施例

0081

今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0082

本発明に係る導電性オリゴチオフェンは、塗膜及び制電性被覆物として適用する場合、塗布基体との密着性に優れ、低結晶性であることから滑らかな膜質を形成し、膜のヒビ割れや光散乱などを起こさない。この電子伝導性重合体は、帯電防止および導電性コーティングコンデンサータッチスクリーン有機LED透明導電性インクジェット印刷用インク、フィルムへの塗布・印刷などによる半導体包装材料液晶保護フィルム向け、タッチパネル有機EL、有機TFT、有機半導体色素増感太陽電池、導電性ポリマー電極、固体電解コンデンサー、導電性有機薄膜、電子デバイス、プリンテッドエレクトロニクスフレキシブル電子ペーパー等の電子部材用途に広範囲に使用できる。

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