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技術 表面処理装置と表面処理方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 池尻孝
出願日 2014年2月14日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2014-026181
公開日 2015年8月24日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2015-150498
状態 特許登録済
技術分野 物理的、化学的プロセスおよび装置 燃料電池(本体)
主要キーワード 冷媒面 収容済み 排出用貫通孔 ミストフィルタ 処理工数 冷却水供給用 出口シャッタ 各排気孔
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年8月24日)のものです。
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図面 (9)

課題

被処理材の両面を親水化処理する場合に、処理工数および処理時間が短縮できる技術を提供する。

解決手段

親水基生成源となる親水基生成ガス活性化を誘発するエネルギー波を、表面処理を受ける被処理材に向けて照射して、被処理材に親水性を付与する表面処理装置であって、被処理材を収容する処理室と、処理室内に親水基生成ガスを供給する親水基生成ガス供給部と、被処理材が載置される載置台であって、通気部を有する載置板と、前記載置板から突設されて、前記被処理材を前記載置板との間に空隙を残して支持する支持部材とを備えた載置台と、前記載置板の前記通気部を介した流れであって、活性化された前記親水基生成ガスの少なくとも一部が、前記空隙に回り込む流れを生成する流れ生成部と、を備える、表面処理装置。

概要

背景

親水性を付与する処理は、種々の産業分野にて実施されており、エネルギー波、例えば、紫外線にて酸素活性化させてオゾンを生成し、そのオゾンにて被処理表面親水基を形成する手法が一般的である(特許文献1)。

概要

被処理材の両面を親水化処理する場合に、処理工数および処理時間が短縮できる技術を提供する。親水基の生成源となる親水基生成ガスの活性化を誘発するエネルギー波を、表面処理を受ける被処理材に向けて照射して、被処理材に親水性を付与する表面処理装置であって、被処理材を収容する処理室と、処理室内に親水基生成ガスを供給する親水基生成ガス供給部と、被処理材が載置される載置台であって、通気部を有する載置板と、前記載置板から突設されて、前記被処理材を前記載置板との間に空隙を残して支持する支持部材とを備えた載置台と、前記載置板の前記通気部を介した流れであって、活性化された前記親水基生成ガスの少なくとも一部が、前記空隙に回り込む流れを生成する流れ生成部と、を備える、表面処理装置。

目的

そこで、セパレータの両面を親水化処理する場合に、処理工数および処理時間が短縮できる技術が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

親水基生成源となる親水基生成ガス活性化を誘発するエネルギー波を、表面処理を受ける被処理材に向けて照射して、被処理材に親水性を付与する表面処理装置であって、前記被処理材を収容する処理室と、前記処理室内に前記親水基生成ガスを供給する親水基生成ガス供給部と、前記被処理材が載置される載置台であって、通気部を有する載置板と、前記載置板から突設されて、前記被処理材を前記載置板との間に空隙を残して支持する支持部材とを備えた載置台と、前記載置板の前記通気部を介した流れであって、活性化された前記親水基生成ガスの少なくとも一部が、前記空隙に回り込む流れを生成する流れ生成部とを備える、表面処理装置。

請求項2

請求項1に記載の表面処理装置において、前記流れ生成部は、前記活性化された親水基生成ガスを前記通気部を介して吸引することにより、前記活性化された親水基生成ガスの前記流れを生成する吸引部を備える、表面処理装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の表面処理装置において、前記通気部は、前記被処理材が前記支持部材に載置された際に前記被処理材に覆われる領域に形成された、表面処理装置。

請求項4

請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の表面処理装置において、前記通気部は、前記支持部材の内側の領域に形成された、表面処理装置。

請求項5

請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の表面処理装置において、前記流れ生成部は、前記処理室の前記載置板よりも下の高さに形成される排気孔と、前記排気孔を介して、前記処理室内の気体を前記処理室外に排出させる排気機構と、を備える、表面処理装置。

請求項6

請求項5に記載の表面処理装置において、前記排気孔は、前記処理室の床に形成されている、表面処理装置。

請求項7

請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の表面処理装置において、前記支持部材は、前記載置板側から先端に向かって先細に形成されている、表面処理装置。

請求項8

請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の表面処理装置において、前記載置台は、前記載置板の周縁に突設され、前記被処理材の前記載置板の面方向の動きを制限する制限部材を、さらに備える、表面処理装置。

請求項9

請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の表面処理装置において、前記エネルギー波は、紫外線であり、前記親水基生成ガスは、酸素である、表面処理装置。

請求項10

請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の表面処理装置において、前記処理室内の前記親水基生成ガスの濃度を調整するための調整ガスを供給する調整ガス供給部と、前記処理室内の前記親水基生成ガスの濃度を所定の濃度に調整する調整部と、をさらに備える、表面処理装置。

請求項11

請求項10に記載の表面処理装置において、前記エネルギー波は、紫外線であり、前記親水基生成ガスは、酸素であり、前記調整ガスは、窒素であり、前記所定の濃度は、5〜20%である、表面処理装置。

請求項12

請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の表面処理装置を用いて、被処理材の表面処理を行う表面処理方法であって、(a)前記被処理材を前記載置台に載置する工程と、(b)前記処理室内に前記親水基生成ガスを供給する工程と、(c)前記処理室内に配置された前記載置台上に載置された前記被処理材に前記エネルギー波を照射する工程と、(d)前記エネルギー波により活性化された親水基生成ガスを、前記被処理材と前記載置板との間の前記空隙に回り込む流れを生成する工程と、を備える、表面処理方法。

請求項13

請求項12に記載の表面処理方法であって、前記被処理材は、燃料電池における発電に使用されるガス流通するガス面と、前記燃料電池を冷却する冷媒が流通する冷媒面と、が表裏となる板状体を呈する被処理材であり、前記工程(a)において、前記被処理材を、前記冷媒面が前記載置台と対向するように、前記載置台に載置し、前記工程(c)において、前記被処理材の前記ガス面に前記エネルギー波を照射する、表面処理方法。

請求項14

請求項12または13に記載の表面処理方法において、前記処理室内の前記親水基生成ガスの濃度を5〜20%に調整する工程を、さらに備える、表面処理方法。

請求項15

処理室内の被処理材の表面に親水性を付与する処理方法であって、親水基の生成源となる親水基生成ガスを、前記処理室内に導入し、前記親水基生成ガスの活性化を誘発するエネルギー波を、前記被処理材の少なくとも一面であって、前記導入された親水基生成ガスの存在する面に向けて照射し、前記処理室内の前記親水基生成ガスの少なくとも一部を吸引することにより、前記エネルギー波の照射を受けた面近傍から、前記被処理材の他の面に向けた、活性化された前記親水基生成ガスの流れを生成する処理方法。

技術分野

0001

本発明は、親水性を付与する表面処理に関する。

背景技術

0002

親水性を付与する処理は、種々の産業分野にて実施されており、エネルギー波、例えば、紫外線にて酸素活性化させてオゾンを生成し、そのオゾンにて被処理表面親水基を形成する手法が一般的である(特許文献1)。

先行技術

0003

特開2012−200622号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、電解質として高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」と称する)を用いる燃料電池では、電解質膜の両面に電極触媒層接合した膜電極接合体を、セパレータで挟持して成る構成が知られている。セパレータの一方の面は、電極触媒層に供給されるガス流通し(この面を、ガス面とも称する)、他方の面は、燃料電池を冷却するための冷媒が流通する(この面を、冷却面とも称する)。このようなセパレータでは、ガス面は、燃料電池の発電に伴う水を燃料電池外へ排出するために、親水性が求められる。一方、冷却面は、セルを積層して締結する際に、反応ガスおよび冷却水漏洩しないようにガスケット接着されるので、接着性を高めるために、親水性が求められる。

0005

特許文献1の表面処理装置では、セパレータの片面しか親水化処理を行うことができない。そのため、セパレータの両面に親水化処理を施す場合は、一方の面の親水化処理の後、他方の面の親水化処理を行うため、処理工数および処理時間が多くかかっていた。そこで、セパレータの両面を親水化処理する場合に、処理工数および処理時間が短縮できる技術が望まれていた。このような技術は、燃料電池用セパレータに限らず、種々の被処理材を処理する表面処理装置に共通して望まれていた。そのほか、従来の表面処理装置においては、低コスト化省資源化、製造の容易化、性能の向上等が望まれていた。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。

0007

(1)本発明の一形態によれば、親水基の生成源となる親水基生成ガスの活性化を誘発するエネルギー波を、表面処理を受ける被処理材に向けて照射して、被処理材に親水性を付与する表面処理装置が提供される。この表面処理装置は、前記被処理材を収容する処理室と、前記処理室内に前記親水基生成ガスを供給する親水基生成ガス供給部と、前記被処理材が載置される載置台であって、通気部を有する載置板と、前記載置板から突設されて、前記被処理材を前記載置板との間に空隙を残して支持する支持部材とを備えた載置台と、前記載置板の前記通気部を介した流れであって、活性化された前記親水基生成ガスの少なくとも一部が、前記空隙に回り込む流れを生成する流れ生成部と、を備えてよい。

0008

この形態の表面処理装置によると、例えば、被処理材が平板状のものの場合、被処理材のエネルギー波が照射される面は、エネルギー波によって活性化された親水基生成ガスによって親水性が付与される。また、活性化された親水基生成ガスは、被処理材と載置板との間の空隙に誘導されるため、被処理材の支持部材と接触する面(エネルギー波が照射されない面)も、活性化された親水基生成ガスにより親水性が付与される。したがって、1度の処理で、被処理材の両面に親水性を付与することができ、処理工数および処理時間を短縮することができる。なお、被処理材が平板状なものに限らず、立体的なものである場合にも、支持部材と接触する側にも親水性を付与することができるため、被処理材の全表面に1度の処理で親水性を付与することができる。

0009

また、このような形態によれば、低コスト化、省資源化、製造の容易化、性能の向上等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。

0010

(2)上記形態の表面処理装置において、前記流れ生成部は、前記活性化された親水基生成ガスを前記通気部を介して吸引することにより、前記活性化された親水基生成ガスの前記流れを生成する吸引部を備えてよい。このようにすると、活性化された親水基生成ガスの少なくとも一部が、空隙に回り込む流れを、容易に生成することができる。

0011

(3)上記形態の表面処理装置において、前記通気部は、前記被処理材が前記支持部材に載置された際に前記被処理材に覆われる領域に形成されもよい。このようにすると、活性化された親水基生成ガスを、適切に空隙に回り込ませることができる。

0012

(4)上記形態の表面処理装置において、前記通気部は、前記支持部材の内側の領域に形成されてもよい。このようにしても、活性化された親水基生成ガスを、適切に空隙に回り込ませることができる。

0013

(5)上記形態の表面処理装置において、前記流れ生成部は、前記処理室の前記載置板よりも下の高さに形成される排気孔と、前記排気孔を介して、前記処理室内の気体を前記処理室外に排出させる排気機構と、を備えてよい。このようにすると、排気孔を介して処理室内の気体が処理室外へ排気されることによる処理室内の気体の流れにより、被処理材と載置板との間の気体が載置板の貫通孔を介して載置板より下に誘導されるため、簡単な構成で、被処理材の全表面の親水化処理を行うことができる。

0014

(6)上記形態の表面処理装置において、前記排気孔は、前記処理室の床に形成されてもよい。このようにすると、より適切に、被処理材と載置板との間の気体が載置板の貫通孔を介して載置板より下に誘導することができる。

0015

(7)上記形態の表面処理装置において、前記支持部材は、前記載置板側から先端に向かって先細に形成されてよい。このようにすると、被処理材と支持部材との接触面積が小さくなるため、被処理材のより多くの部分を親水化することができる。

0016

(8)上記形態の表面処理装置において、前記載置台は、前記載置板の周縁に突設され、前記被処理材の前記載置板の面方向の動きを制限する制限部材を、さらに備えてもよい。このようにすると、被処理材の動きが制限されるため、より適切に親水性を付与できる。

0017

(9)上記形態の表面処理装置において、前記エネルギー波は、紫外線であり、前記親水基生成ガスは、酸素であってもよい。このようにすると、紫外線照射により酸素をオゾンに変遷させ、オゾンにより高い実効性で親水性を付与できる。

0018

(10)上記形態の表面処理装置において、前記処理室内の前記親水基生成ガスの濃度を調整するための調整ガスを供給する調整ガス供給部と、前記処理室内の前記親水基生成ガスの濃度を所定の濃度に調整する調整部と、をさらに備えてよい。このようにすると、被処理材に親水性を付与するのに適した親水基生成ガスの濃度に調整することができる。

0019

(11)上記形態の表面処理装置において、前記エネルギー波は、紫外線であり、前記親水基生成ガスは、酸素であり、前記調整ガスは、窒素であり、前記所定の濃度は、5〜20%でもよい。紫外線は、窒素により吸収されにくいことから、紫外線による酸素のオゾンへの変遷を阻害せず、窒素により適度な酸素濃度に調整することができる。また、酸素濃度を、上記濃度に調整することにより、オゾンの発生量紫外線透過強度をより適切に両立させることができる。

0020

(12)本発明の他の形態によれば、上記形態の表面処理装置を用いて、被処理材の表面処理を行う表面処理方法が提供される。この表面処理方法は、(a)前記被処理材を前記載置台に載置する工程と、(b)前記処理室内に前記親水基生成ガスを供給する工程と、(c)前記処理室内に配置された前記載置台上に載置された前記被処理材に前記エネルギー波を照射する工程と、(d)前記エネルギー波により活性化された親水基生成ガスを、前記被処理材と前記載置板との間の前記空隙に回り込む流れを生成する工程と、を備えてよい。

0021

この表面処理方法によれば、被処理材の両面に、一度の処理で親水性を付与することができる。

0022

(13)上記の表面処理方法において、前記被処理材は、燃料電池における発電に使用されるガスが流通するガス面と、前記燃料電池を冷却する冷媒が流通する冷媒面と、が表裏となる板状体を呈する被処理材であってもよい。上記表面処理方法において、前記工程(a)は、前記被処理材を、前記冷媒面が前記載置台と対向するように、前記載置台に載置してもよい。前記工程(c)は、前記被処理材の前記ガス面に前記エネルギー波を照射してもよい。

0023

この表面処理方法によれば、燃料電池用セパレータのガス面および冷却面の両面に、一度の処理で親水性を付与することができる。燃料電池用セパレータのガス面は、エネルギー波により改質されて親水化が付与されるため、冷却面よりも高い親水性を付与することができる。

0024

(14)上記の表面処理方法において、前記エネルギー波は、紫外線であり、前記親水基生成ガスは、酸素であり、前記調整ガスは、窒素であり、前記処理室内の前記親水基生成ガスの濃度を5〜20%に調整する工程を、さらに備えてもよい。このようにすると、オゾンの発生量と紫外線透過強度をより適切に両立させることができる。

0025

(15)本発明の他の形態によれば、処理室内の被処理材の表面に親水性を付与する処理方法が提供される。この処理方法は、親水基の生成源となる親水基生成ガスを、前記処理室内に導入し、前記親水基生成ガスの活性化を誘発するエネルギー波を、前記被処理材の少なくとも一面であって、前記導入された親水基生成ガスの存在する面に向けて照射し、前記処理室内の前記親水基生成ガスの少なくとも一部を吸引することにより、前記エネルギー波の照射を受けた面近傍から、前記被処理材の他の面に向けた、活性化された前記親水基生成ガスの流れを生成してもよい。この処理方法によれば、被処理材の両面に、一度の処理で親水性を付与することができる。

0026

なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、表面処理装置の使用方法、燃料電池の製造方法、燃料電池の製造システムなどの種々の形態で実現することができる。

図面の簡単な説明

0027

実施形態の表面処理装置の構成を概略的に示す説明図である。
実施形態の載置台の構成および処理室内の気体の流れを示す説明図である。
カソード側セパレータのガス面を平面視で示す説明図である。
カソード側セパレータの冷却面を平面視で示す説明図である。
実施形態の表面処理装置による表面処理の工程を示す説明図である。
実施形態の表面処理装置における処理条件を示す表である。
実施形態のカソード側セパレータの表面処理前後の親水性を示す図である。
変形例1の表面処理装置における載置台の概略構成を示す説明図である。

実施例

0028

A.実施形態:
(A1)表面処理装置の構成:
図1は、実施形態の表面処理装置の構成を概略的に示す説明図である。図1に示すように、表面処理装置100は、載置台1と、処理室床2と、処理室壁3と、入口シャッタ4と、出口シャッタ5と、4本の紫外線照射ランプ6と、窒素供給ライン8と、空気供給ライン9と、酸素センサ7と、圧力センサ31と、吸引ファン24と、オゾン分解装置25と、を主に備える。

0029

載置台1は、被処理材を載置する台である(後に詳述する)。処理室床2と、処理室壁3と、入口シャッタ4と、出口シャッタ5とで、被処理材を収容する処理室が形成される。入口シャッタ4と出口シャッタ5とが共に閉扉されると、処理室は略密閉状態になる。載置台1は、図1破線で示したように、処理室床2上を、入口シャッタ4の外(図中Aの位置)から出口シャッタ5の外(図中Dの位置)まで移動可能に構成されている。後述するように、載置台1は、最初、処理室外(図中Aの位置)にあり、処理室外で被処理材が載置された後、開扉されたシャッタ4から処理室内に入り、処理室内で被処理材が表面処理を施された後、開扉されたシャッタ5から処理室外へ出る(図中Dの位置)。なお、載置台1は処理室内に固定された構成にしてもよい。また、処理室内は完全に密閉状態にしてもよい。

0030

紫外線照射ランプ6は、処理室内の処理室壁3側に4本設置され、紫外線を放射する。紫外線が処理室に収容済みの被処理材に向けて照射されると、被処理材の紫外線が照射された面は改質され、処理室内の酸素は活性化され、オゾンが生成される。本実施形態では、紫外線照射ランプ6は、酸素の活性化の上で効率が高いとされている172nmの波長の紫外線を、処理室に収容済みの被処理材に向けて照射する。なお、照射する紫外線の波長は、上記の波長に限られるものではなく、酸素の活性化を経てオゾン生成が可能なエネルギーを有する波長であればよい。

0031

空気供給ライン9は、ダストフィルタパーティクル除去)とミストフィルタ水分除去)を介して、大気から定量のクリーンドライエア(図中CDAと表記)を処理室内に供給する。なお、パーティクルと水分が除去されたクリーンドライエアが貯蔵されたクリーンドライエア供給装置からクリーンドライエアを供給する構成にしてもよい。

0032

窒素供給ライン8は、純窒素を貯留した窒素タンク(図示しない)から処理室内に窒素を供給する。本実施形態では、表面処理装置100の処理室内におけるオゾンの発生量と紫外線透過強度との両立を図るために、処理室内の酸素濃度を、11〜14%に設定している。純窒素は紫外線を殆ど吸収しないことから、純窒素により処理室内の酸素濃度を調整している。表面処理装置100では、処理室内の載置台1横に配置された酸素センサ7による計測値(酸素濃度)に基づいて、マスフローコントローラ81にて、処理室内に供給される窒素の流量が調整される。

0033

処理室床2には、3つの排気孔21が形成され、各排気孔21は、配管23を介して吸引ファン24に接続されている。処理室内に配置された圧力センサ31による計測値(圧力)に基づいて、インバータ32により吸引ファン24を制御しつつ、配管23上に設けられた吸引量調整ダンパ22により、処理室内が大気圧よりやや陰圧(100Pa程度陰圧)になるように、処理室内の気体を排気させている。これにより、処理室内のオゾンの処理室外への漏洩が抑制される。

0034

オゾン分解装置25は、配管26により吸引ファン24と接続され、排気孔21を介して処理室内から排出された気体に含まれるオゾンを分解して酸素にし、大気中に排出させる。

0035

(A2)載置台の構成:
図2は、実施形態の載置台の構成および処理室内の気体の流れを示す説明図である。載置台1は、板状の載置板13と、載置板13を支える4本の脚14と、被処理材Hを支持する3本の支持体11と、を備える。支持体11は、載置板13側から先端に向かって先細に形成され、被処理材Hを点で支持している。載置板13は、貫通孔として形成された通気部12を2つ備える。支持体11および通気部12の数は本実施形態の数に限定されず、被処理材Hの安定や気体の流れを考慮して適宜設ければよい。支持体11の形状は、本実施形態の形状に限定されず、例えば、円柱状でもよいし、四角柱状でもよい。支持体11の形状は、被処理材Hとの接触面積が小さくなるように形成されるのが好ましい。

0036

本実施形態では、通気部12は、被処理材Hが載置された場合に、被処理材Hの下になる領域の中央寄りに形成されているが、真ん中に形成されてもいし、端に形成されてもよい。さらに、被処理材Hの下にならない領域であっても、被処理材Hよりも上で生成されたオゾンが、載置板13と被処理材Hとの間を通過しうる位置に形成されればよい。通気部12は貫通孔に限定されず、載置板13と被処理材Hとの間の気体が載置板13を通過できる形状であればよい。例えば、スリット状であってもよい。

0037

実施形態の表面処理装置100では、載置台1が支持体11を備えるため、被処理材Hと載置板13との間に空間が形成される。そして、載置板13に通気部12が形成されているため、図2太線矢印で示すように、被処理材Hより上の空間で紫外線照射ランプ6により生成されたオゾンが、被処理材Hと載置板13との間に回り込む。被処理材Hの紫外線照射ランプ6が照射される面(以後、表面とも称する)は、紫外線照射ランプ6により、被処理材Hの表面が改質されると共に、処理室内に生成されたオゾンにより親水化される。一方、被処理材Hの他方の面(以後、裏面とも称する)は、被処理材Hと載置板13との間に回り込んだオゾンにより、親水化される。親水化の度合いは、紫外線照射ランプ6により紫外線が直接照射される表面の方が強く親水化されるものの、裏面もオゾンにより親水化される。

0038

(A3)表面処理の実施形態:
(A3−1)被処理材としてのセパレータの構成:
次に、本実施形態の表面処理装置100を用いて、カソード側セパレータの親水化処理を行う場合を例に挙げて、表面処理の工程について説明する。そこで、表面処理工程の説明に先立って、被処理材としてのカソード側セパレータの構成を説明する。本実施形態におけるカソード側セパレータは、燃料電池を構成する部材であり、チタン製の薄板鋼板(厚み約0.1mm)の表面にカーボンコーディングが施されたものである。

0039

燃料電池は、電解質膜の両面に電極触媒層を接合した膜電極接合体の両面に燃料ガス流路部材酸化剤ガス流路部材をそれぞれ積層し、アノード側セパレータとカソード側セパレータとで挟持して構成される。この燃料電池を積層して燃料電池スタックを構成する場合には、隣り合う燃料電池のカソード側セパレータとアノード側セパレータとの間に、冷却水流路部材が配置される。以下、カソード側セパレータの酸化剤ガス流路部材と接する面をガス面、冷却水流路部材と接する面を冷却面と称する。

0040

図3は、カソード側セパレータのガス面を平面視で示す説明図である。図3に示すように、平面視略長方形を成し、その周縁に、燃料ガス供給用貫通孔221と、燃料ガス排出用貫通孔222と、7つの酸化剤ガス供給用貫通孔223と、7つの酸化剤ガス排出用貫通孔224と、3つの冷却水供給用貫通孔225と、3つの冷却水排出用貫通孔226と、を備える。

0041

膜電極接合体(図示しない)の両面にガス流路部材(図示しない)を配して、カソード側セパレータ200とアノ−ド側セパレータ(図示しない)で挟持して成る燃料電池、冷却水流路部材を介して複数積層して、燃料電池スタックを構成すると、これらの貫通孔により、各燃料電池燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水を供給するマニホールドや、各燃料電池から燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水を排出させるマニホールドが形成される。燃料電池の発電時には、燃料ガス供給用貫通孔221を介して燃料ガス流路部材(図示しない)に燃料ガスが流入し、アノードに供給され、発電に使用されなかった燃料ガス等が燃料ガス排出用貫通孔222を介して燃料電池スタック外に排出される。酸化剤ガス供給用貫通孔223を介して酸化剤ガス流路部材(図示しない)に酸化剤ガスが流入し、カソードに供給され、発電に使用されなかった酸化剤ガス等が酸化剤ガス排出用貫通孔224を介して燃料電池スタック外に排出される。

0042

図3中の領域210は、酸化剤ガス流路部材(図示しない)と接触する領域である。燃料電池のカソード側では、発電に伴い水が生成される。その生成水を排出するために、カソード側セパレータ200のガス面は高い親水性が求められる。

0043

図4は、カソード側セパレータの冷却面を平面視で示す説明図である。図4は、カソード側セパレータ200の、図3に示す面の裏面を示している。上記の通り、燃料電池スタックを構成する場合に、カソード側セパレータ200の冷却面は、隣接する燃料電池のカソード側セパレータおよび冷却水流路部材と接触する。そのため、燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水の漏洩を防ぐために、各貫通孔および冷却水流路部材と接触する領域240を囲む形状のガスケットが接着される。図4ではガスケットが接着される箇所を太線230として示している。被処理材としてのカソード側セパレータ200は、ガスケットが接着されていない。ガスケットは、液状の接着剤により接着されてもよいし、熱溶着によって接着されてもよい。カソード側セパレータ200の冷却面は、ガスケットの接着性を高めるために親水性が求められる。

0044

本実施形態では、カソード側セパレータとして、流路が形成されていないものを例示しているが、図3、4の領域210、240にプレス加工により流路が形成されている構成のカソード側セパレータを用いてもよい。なお、アノード側セパレータについても親水性を付与してもよい。

0045

(A3−2)表面処理の工程:
図5は、実施形態の表面処理装置による表面処理の工程を示す説明図である。図5では、載置台が移動する様子が示されており、各位置毎に、位置を示す符号A〜Dを付している。図6は、実施形態の表面処理装置における処理条件を示す表である。

0046

本実施形態では、上述した通り、被処理材としてカソード側セパレータ200の表面処理を行う。まず、入口シャッタ4と出口シャッタ5とを閉扉し、処理室を密閉し、クリーンドライエアと窒素とを処理室内に供給して、処理室内の酸素濃度が規定の濃度になるように調整する。図6に示すように、本実施形態では、酸素濃度が11〜14%になるように調整している。窒素流量は、300±100NL/minの範囲で、後述するように、処理室内の酸素濃度に応じて変更される。酸素濃度は、11〜14%に限定されず、10〜15%、5〜20%であってもよい。11〜14%が好ましい。

0047

被処理材(ワークともいう)としてのカソード側セパレータ200を、ガス面が表面、冷却面が裏面になるように、載置台1にセットする(図中Aの位置)。入口シャッタ4を開扉し、載置台1を移動させ、被処理材が処理室内に入ると、入口シャッタ4を閉じる(図中Bの位置)。図6に示すように、載置台1は、速度80mm/sで移動して、カソード側セパレータ200を搬送する。入口シャッタ4が開閉されることにより、処理室内の酸素濃度が変化するため、入口シャッタ4が閉扉された後、再度、処理室内の酸素濃度が規定の濃度になるまで、載置台1は、その位置(図中Bの位置)で待機する。

0048

処理室内の酸素濃度が11〜14%になると、載置台1は、処理室の中央付近、紫外線照射ランプ6の下に移動される(図中Cの位置)。ここで、カソード側セパレータ200のガス面には紫外線照射ランプ6により紫外線が照射される。紫外線照射ランプ6により紫外線が照射されることにより、カソード側セパレータ200のガス面は改質され、処理室内の酸素は活性化されオゾンになる。カソード側セパレータ200のガス面は、改質され、オゾンにより親水性が付与される。一方、カソード側セパレータ200の冷却面は、処理室内で生成されたオゾンにより親水化される。

0049

載置台1が紫外線照射ランプ6の下に移動された後、カソード側セパレータ200の親水化に必要な所定の時間が経過すると、出口シャッタ5が開扉されて載置台1が処理室外へ移動される(図中Dの位置)。そして、表面処理がなされたカソード側セパレータ200が取り出される。

0050

(A4)実施形態の効果:
本実施形態の表面処理装置100は、被処理材に紫外線照射ランプ6により紫外線を照射することにより、被処理材の表面を改質すると共に、処理室内の酸素からオゾンを生成し、オゾンにより被処理材に親水性を付与することができる。また、被処理材の紫外線が照射されない部分には、オゾンを回り込ませることにより、オゾンにより親水化することができる。

0051

本実施形態の表面処理装置100によれば、被処理材の両面に紫外線を照射するように紫外線照射ランプを設ける場合と比べて、紫外線照射ランプの数を少なくすることができるため、低コスト化、省資源化、製造の容易化に資する。

0052

図7は、実施形態のカソード側セパレータの表面処理前後の親水性を示す図である。図示するように、カソード側セパレータ200のガス面も冷却面も、表面処理前に比較して表面処理後の方が、接触角が小さくなっている。すなわち、本実施形態の表面処理装置100によれば、カソード側セパレータ200のガス面も冷却面も共に、親水化することができる。そのため、カソード側セパレータ200の表面処理を行う場合に、片面ずつ処理を行う場合に比べて処理時間を短縮することができる。本実施形態の表面処理装置100によって親水性を付与したカソード側セパレータ200を用いれば、燃料電池の発電に伴う生成水を良好に排出することができ、冷却面に接着されるガスケットの接着強度を上げることができる。

0053

図7に示すように、処理後の接触角は、ガス面の方が冷却面よりも小さい。すなわち、ガス面の方が冷却面よりも親水性が高い。上述の通り、カソード側セパレータ200において、冷却面よりもガス面の方が高い親水性を求められる。本実施形態では、被処理材としてのカソード側セパレータ200を、ガス面が表面、冷却面が裏面になるように、載置台1にセットすることにより、所望の親水性をカソード側セパレータ200に付与することができた。

0054

B.変形例:
この発明は上記の実施形態や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。

0055

(B1)変形例1:
図8は、変形例1の表面処理装置における載置台の概略構成を示す説明図である。変形例1の表面処理装置は、載置台の構成が上記実施形態の構成と異なる。載置台1Aは、上記実施形態の載置台1の構成に加え、制限部材15を備える。制限部材15は、載置板13の周縁を囲む壁状に形成される。カソード側セパレータ200は、0.1mm程度の薄い平板であるため、処理室内の気体の動きによって、載置台上の載置位置からずれるおそれがある。変形例の載置台1A上にカソード側セパレータ200を載置した場合には、制限部材15によりカソード側セパレータ200の外周が取囲まれた状態になるため、カソード側セパレータ200の載置位置からのずれを抑制することができる。

0056

制限部材の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、載置板13の周縁に、複数の柱を突設してもよいし、状体を突設してもよい。このようにしても、カソード側セパレータ200の載置位置からのずれを抑制することができる。

0057

(B2)変形例2:
上記実施形態では、親水基の生成源となる親水基生成ガスとして、酸素(ドライエア)を用い、親水基生成ガスの活性化を誘発するエネルギー波として紫外線を用いたが、例えば、紫外線に代えてX線プラズマ放電波などを照射するようにすることもできる。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、酸素に代えて窒素を用いてもよい。このようにした場合、水酸基に代えてシアノ基(CN)を被処理材に形成できるため、上記実施形態と同様に、高い実効性で被処理材に親水性を付与できる。

0058

(B3)変形例3:
上記実施形態では、処理室床2に設けられた排気孔21を介して処理室内の気体を処理室外へ排出させることにより、カソード側セパレータ200と載置板13との間の気体(オゾンを含む)を通気部12を介して載置板13より下に誘導して、処理室内のオゾンをカソード側セパレータ200の冷却面側に誘導しているが、この構成に限定されず、カソード側セパレータ200と載置板13との間の気体を通気部12を介して載置板13より下に誘導できればよい。

0059

例えば、排気孔21は、処理室の壁面またはシャッタ4,5の載置板13よりも下の高さに形成されてもよい。さらに、吸引ファン24を処理室内に配置し、通気部12と吸引ファンを配管を介して直接接続して、カソード側セパレータ200と載置板13との間の気体を通気部12を介して載置板13より下に誘導してもよい。この場合、吸引した気体を再度処理室内に排出して、循環されるようにするとよい。

0060

また、載置板13に通気部12を形成しない構成にしてもよい。カソード側セパレータ200と載置板13との間の気体を吸引ファンにより吸引して、カソード側セパレータ200の上部に循環させることにより、その循環流によりカソード側セパレータ200で生成されたオゾンを、カソード側セパレータ200と載置板13との間に誘導する構成にしてもよい。

0061

1…載置台
1A…載置台
2…処理室床
3…処理室壁
4…入口シャッタ
5…出口シャッタ
6…紫外線照射ランプ
7…酸素センサ
8…窒素供給ライン
9…空気供給ライン
11…支持体
12…通気部
13…載置板
14…脚
15…制限部材
21…排気孔
22…吸引量調整ダンパ
23…配管
24…吸引ファン
25…オゾン分解装置
26…配管
31…圧力センサ
32…インバータ
81…マスフローコントローラ
100…表面処理装置
200…カソード側セパレータ
210…領域
221…燃料ガス供給用貫通孔
222…燃料ガス排出用貫通孔
223…酸化剤ガス供給用貫通孔
224…酸化剤ガス排出用貫通孔
225…冷却水供給用貫通孔
226…冷却水排出用貫通孔
240…領域
H…被処理材

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