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技術 衝撃吸収用樹脂組成物

出願人 高圧ガス工業株式会社
発明者 佐野武司井上清博杉前寿雄野杁達也
出願日 2014年2月4日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2014-019492
公開日 2015年8月13日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2015-145484
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法 高分子組成物
主要キーワード 半相溶性 クラリティ 衝撃吸収率 衝撃吸収シート アクリル系熱可塑性エラストマー 衝撃吸収材料 衝撃加速度 衝撃吸収用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年8月13日)のものです。
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図面 (1)

課題

薄型化しても優れた制振性能を有する衝撃吸収用樹脂組成物を提供すること。

解決手段

本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、ガラス転移点が30℃以上の重合体成分A1とガラス転移点が0℃以下の重合体成分A2とを含むブロック共重合体Aと、該重合体成分A1と相溶性がある重合体Bと、該重合体Bと相溶性がある、または該重合体Bに分散するフィラーCとを含む。

概要

背景

スマートフォンタブレット等の普及により、デバイスの小型化、軽量化はもちろんのこと、衝撃からデバイスを保護する衝撃吸収シートについても軽量化、薄型化が求められている。

衝撃吸収シートとしては、従来、ブチルゴム等の加硫ゴムシリコーンゴム等の合成ゴムからなる防振ゴムが使用されていたが、近年、高い制振性能と製造コストの低減が期待できる制振材料が検討されている。制振材料は、振動エネルギー熱エネルギーに変換するもので、高分子粘弾性を利用するものが知られている。高分子による振動減衰は、外部からの振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、外部に放出させて振動エネルギーを損失させる機能を利用する。しかし、この減衰効果は、高分子のガラス転移温度(Tg)付近の温度領域にのみ制限される。換言すると、高分子を用いる従来の制振材料では、振動減衰に必要な高い損失係数(tanδ)を示す使用可温度範囲が狭いという問題がある。

これに対し、より広い温度範囲で制振性を発現させるために、ガラス転移温度が離れた2種類以上の高分子を混合することが行われている。混合された高分子が非相溶性であれば、それぞれのガラス転移温度で損失係数のピーク(以下、温度ピークという。)が現れ、幅広い温度ピークを得ることができない。また、相溶性が良ければ単一の温度ピークとなる。そこで、半相溶性の高分子を選択して混合することが試みられている。しかし、温度ピークの幅は広くなるが、温度ピークの高さが低くなり制振性能は低下するという問題がある。また、2つ以上の高分子を相互網目構造にしたり、非相溶性の樹脂に対し相溶化剤を用いる方法も提案されている(特許文献1)。

また、熱可塑性樹脂に3個以上の環を有する低分子を添加する方法(特許文献2)、高分子材料双極子モーメントを増大させる低分子化合物を添加する方法(特許文献3)が提案されている。

概要

薄型化しても優れた制振性能を有する衝撃吸収用樹脂組成物を提供すること。本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、ガラス転移点が30℃以上の重合体成分A1とガラス転移点が0℃以下の重合体成分A2とを含むブロック共重合体Aと、該重合体成分A1と相溶性がある重合体Bと、該重合体Bと相溶性がある、または該重合体Bに分散するフィラーCとを含む。なし

目的

本発明は、薄型化しても優れた制振性能を有する衝撃吸収用樹脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ガラス転移点が30℃以上の重合体成分A1とガラス転移点が0℃以下の重合体成分A2とを含むブロック共重合体Aと、該重合体成分A1と相溶性がある重合体Bと、該重合体Bと相溶性がある、または該重合体Bに分散するフィラーCとを含んでなる衝撃吸収用樹脂組成物

請求項2

前記ブロック共重合体Aの割合が、樹脂組成物全体の1〜99重量%である請求項1記載の樹脂組成物。

請求項3

前記重合体成分A1が、スチレン系樹脂ポリメタアクリレート樹脂ポリアミド樹脂、およびポリエステル樹脂からなる群から選択される1種である請求項1または2に記載の樹脂組成物。

請求項4

前記重合体成分A1がスチレン系樹脂であり、前記重合体Bが芳香族炭化水素樹脂脂環式炭化水素樹脂、およびそれらの共重合樹脂からなる群から選択される1種である請求項3記載の樹脂組成物。

請求項5

前記重合体成分A1がポリ(メタ)アクリレート樹脂であり、前記重合体Bが脂肪族炭化水素樹脂である請求項3記載の樹脂組成物。

請求項6

前記フィラーが、芳香族炭化水素脂肪族環状炭化水素、およびヘテロ芳香族炭化水素からなる群から選択される2個以上の環状構造を有する化合物またはその化合物の金属塩である請求項1から5のいずれ一項に記載の樹脂組成物。

請求項7

請求項1記載の衝撃吸収用樹脂組成物の製造方法であって、重合体BとフィラーCを含む混合物を、ブロック共重合体Aと混合する衝撃吸収用樹脂組成物の製造方法。

請求項8

前記重合体Bと前記フィラーCを混合した温度よりも低い温度でブロック共重合体Aと混合する請求項7記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、衝撃からデバイスを保護する衝撃吸収用樹脂組成物に関する。

背景技術

0002

スマートフォンタブレット等の普及により、デバイスの小型化、軽量化はもちろんのこと、衝撃からデバイスを保護する衝撃吸収シートについても軽量化、薄型化が求められている。

0003

衝撃吸収シートとしては、従来、ブチルゴム等の加硫ゴムシリコーンゴム等の合成ゴムからなる防振ゴムが使用されていたが、近年、高い制振性能と製造コストの低減が期待できる制振材料が検討されている。制振材料は、振動エネルギー熱エネルギーに変換するもので、高分子粘弾性を利用するものが知られている。高分子による振動減衰は、外部からの振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、外部に放出させて振動エネルギーを損失させる機能を利用する。しかし、この減衰効果は、高分子のガラス転移温度(Tg)付近の温度領域にのみ制限される。換言すると、高分子を用いる従来の制振材料では、振動減衰に必要な高い損失係数(tanδ)を示す使用可温度範囲が狭いという問題がある。

0004

これに対し、より広い温度範囲で制振性を発現させるために、ガラス転移温度が離れた2種類以上の高分子を混合することが行われている。混合された高分子が非相溶性であれば、それぞれのガラス転移温度で損失係数のピーク(以下、温度ピークという。)が現れ、幅広い温度ピークを得ることができない。また、相溶性が良ければ単一の温度ピークとなる。そこで、半相溶性の高分子を選択して混合することが試みられている。しかし、温度ピークの幅は広くなるが、温度ピークの高さが低くなり制振性能は低下するという問題がある。また、2つ以上の高分子を相互網目構造にしたり、非相溶性の樹脂に対し相溶化剤を用いる方法も提案されている(特許文献1)。

0005

また、熱可塑性樹脂に3個以上の環を有する低分子を添加する方法(特許文献2)、高分子材料双極子モーメントを増大させる低分子化合物を添加する方法(特許文献3)が提案されている。

先行技術

0006

特開2001−152028号公報
特開平5−112670号公報
特開2004−300342号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、従来の制振材料はその制振性能を発揮するためには少なくとも数mm程度の厚さが必要であり、それよりも薄くすると十分な制振性能を発揮することができないという問題がある。

0008

そこで、本発明は、薄型化しても優れた制振性能を有する衝撃吸収用樹脂組成物を提供することを目的とした。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するため、本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、ガラス転移点が30℃以上の重合体成分A1とガラス転移点が0℃以下の重合体成分A2とを含むブロック共重合体Aと、該重合体成分A1と相溶性がある重合体Bと、該重合体Bと相溶性がある、または該重合体Bに分散するフィラーCとを含んでなることを特徴とする。

0010

また、本発明の衝撃吸収用樹脂組成物の製造方法は、前記重合体Bと前記フィラーCを含む混合物を、前記のブロック共重合体Aと混合することを特徴とする。

発明の効果

0011

通常、ガラス転移点の高い重合体成分(ハードセグメント)とそのハードセグメントよりもガラス転移点の低い重合体成分(ソフトセグメント)とを含むブロック共重合体は、常温では、ゴム弾性を有するソフトセグメントが制振性能を発現し、ハードセグメントは制振性能には直接寄与しない。しかし、本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、ハードセグメントと相溶する重合体Bと、該重合体Bと相溶性がある、または該重合体Bに分散するフィラーCとを含んでいるので、ハードセグメントの存在する領域、いわゆるハードセグメントドメインに、重合体BとフィラーCが存在するので、ハードセグメントドメインにおいても制振性能を発現させることが可能となる。これにより、ゴム弾性を有するソフトセグメントとの相乗効果により、薄型化しても、制振性能の低下を抑制して、優れた衝撃吸収性を付与することが可能となる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の樹脂組成物からなるシートの厚さと衝撃吸収率との関係を示すグラフである。

0013

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、ガラス転移点が30℃以上の重合体成分A1とガラス転移点が0℃以下の重合体成分A2とを含むブロック共重合体Aと、該重合体成分A1と相溶性がある重合体Bと、該重合体Bと相溶性がある、または該重合体Bに分散するフィラーCとを含んでなることを特徴とするものである。

0014

(ブロック共重合体A)
本発明に用いるブロック共重合体Aは、ガラス転移点が30℃以上の重合体成分A1(ハードセグメント)とガラス転移点が0℃以下の重合体成分A2(ソフトセグメント)とを含むものである。重合体成分A1と重合体成分A2の配列は特に限定されるものではなく、任意の配列をとることができる。例えば、(A1—A2)p、(A1—A2—A1)q、(A2—A1—A2)rで表すことができる。ここで、p、q、rは任意の整数である。

0015

重合体成分A1を構成する重合体は、ガラス転移点が30℃以上の重合体である、スチレン系樹脂ポリメタアクリレート樹脂ポリアミド樹脂ポリエステル樹脂等を挙げることができる。スチレン系樹脂としては、ポリスチレンポリクロスチレン、ポリα−メチルスチレン等を挙げることができるが、ポリスチレン(Tg=80〜100℃)が好ましい。また、ポリ(メタ)アクリレート樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(Tg=72〜105℃)、ポリエチルメタクリレート(Tg=65℃)、ポリt-ブチルメタクリレート(Tg=107℃)を挙げることができる。また、ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6(Tg=50℃)やポリアミド66(Tg=50℃)、ポリアミド610(Tg=50℃)を挙げることができる。また、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(Tg=80℃)やポリブチレンテレフタレート(Tg=37〜53℃)、ポリエチレンレフタレート(Tg=113℃)を挙げることができる。

0016

また、重合体成分A2は、ガラス転移点が0℃以下の重合体であり、重合体成分A1に応じて選択することができる。例えば、ポリスチレンに対してはポリイソプレンポリビニルイソプレンポリブタジエン、およびこれらの水添物であるポリ(エチレンプロピレン)、ポリ(エチレン−ブチレン)を挙げることができる。また、ポリメチルメタクリレートに対しては、ポリブチルアクリレートを挙げることができる。また、ポリアミドに対してはポリエステルまたはポリエーテルを挙げることができる。また、芳香族ポリエステルに対しては脂肪族ポリエステルまたはポリエーテルを挙げることができる。

0017

ブロック共重合体Aの具体例としては、特に限定されるものではないが、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ビニルイソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系ブロック共重合体およびこれらの水添物、並びにメチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルアクリレート樹脂を挙げることができる。

0018

本発明においては、例えば以下の市販のブロック共重合体を用いることができる。
(1)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)
クレイトン社製のクレイトンD、JSR社製のJSR SIS、日本ゼオン社製のクインタック
(2)スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS
クレイトン社製のクレイトンD、旭化成社製のタフプレン、旭化成社製のアサプレンT
(3)スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEPS)(SISの水添物)
クレイトン社製のクレイトンG、クラレ社製セプトン
(4)スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレンブロック共重合体(SEBS)(SBSの水添物)
クレイトン社製のクレイトンG、旭化成社製のタフテックH、クラレ社製のセプトン
(5)スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)
旭化成社製のタフテックP
(6)スチレン−エチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEEPS
クラレ社製のセプトン
(8)スチレン−ビニルポリイソプレン−スチレンブロック共重合体
クラレ社製のハイブラー
(9)メタクリル酸メチルアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチルブロック共重合体
クラレ社製のクラリティアルケマ社製のナノストレングス
また、上記(1)〜(6)の共重合体カルボキシル基水酸基エポキシ基無水マレイン酸基等の変性物も用いることができる。

0019

(重合体B)
重合体Bは重合体成分A1と相溶性を有する。ここで、本発明において重合体Bが重合体成分A1と相溶性を有するとは、重合体成分A1の単独重合体と重合体Bとを混合してフィルムを作製でき、そのフィルムが室温での目視で透明であることをいう。

0020

重合体Bは重合体成分A1の種類に応じて選択することができる。例えば、重合体成分A1に上記のスチレン系樹脂を用いる場合、重合体Bには芳香族炭化水素樹脂脂環式炭化水素樹脂、およびそれらの共重合樹脂を用いることができる。あるいは芳香族炭化水素オリゴマー脂肪族環状炭化水素オリゴマー、およびそれらの共重合オリゴマーでもよい。ここで、本発明においては、オリゴマーとは、重合度が10以下のものをいう。芳香族炭化水素樹脂とは、ベンゼン環及び複数の縮合環から構成される化合物であり、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン等の置換スチレンの単独重合体またはその変性物を挙げることができる。また、脂環式炭化水素樹脂としては、芳香族樹脂の水添物やシクロヘキシルメタクリレート樹脂を挙げることができる。共重合樹脂とは、芳香族樹脂または脂環式樹脂と、脂肪族樹脂との共重合物である。好ましくは芳香族炭化水素樹脂、より好ましくはスチレンの単独重合体またはその変性物である。また、変性物としてはオキサゾリン基含有ポリスチレンが好ましい。

0021

また、重合体成分A1に上記のポリ(メタ)アクリレート樹脂を用いる場合、重合体Bには、脂肪族炭化水素樹脂を用いることができる。脂肪族炭化水素樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、およびそれらの変性物を用いることができる。好ましくはポリ(メタ)アクリレート樹脂またはその変性物である。ここで、変性物はカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、無水マレイン酸基等の変性物である。

0022

また、重合体成分A1に上記のポリアミド樹脂を用いる場合、重合体Bには、エポキシ基やオキサゾリン基を含有した、芳香族または脂環式樹脂を用いることができる。

0023

また、重合体成分A1に上記のポリエステル樹脂を用いる場合、重合体Bには、エポキシ基やオキサゾリン基を含有した、芳香族または脂環式樹脂を用いることができる。

0024

本発明においては、重合体Bとして、例えば以下の市販の樹脂を用いることができる。
(芳香族炭化水素樹脂)
(1)スチレン系樹脂
三井化学社製のFTR、ヤスハラケミカル社製のYSレジンSX、東亜合成社製のアルフォンUP−1150
(2)芳香族系石油樹脂
JX日鉱日石エネルギー社製の芳香族系石油樹脂ネオポリマー、東ソー社製の石油樹脂ペトコール、東ソー社製の石油樹脂ペトコール、フドー社製のキシレン樹脂ニカノール
(3)芳香族変性樹脂
東ソー社製の石油樹脂ペトロタック、日本触媒社製のオキサゾリン基含有反応性ポリスチレンであるエポクロスRPS−1005
(4)芳香族系オイル
JX日鉱日石エネルギー社製の日石ハイゾールSAS出光興産社製ダイアプロセスオイルAC
(ポリ(メタ)アクリレート樹脂)
(1)ポリメタアクリレート樹脂
三菱レーヨン製アクペット、クラレ社製のパラペレット
(2)ポリアクリレート変性樹脂
東亜合成社製のカルボキシル基含有アクリル系ポリマーであるアルフォンUC−3000

0025

また、重合体Bとして、フィラーと反応する重合体を用いることができる。フィラーと反応させることにより、重合体Bと一体的に、ハードセグメントの存在する領域、いわゆるハードセグメントドメインに、重合体BとフィラーCがより存在し易くなり、ハードセグメントドメインにおける制振性能をより向上させることが可能となる。フィラーと反応する重合体Bの例としては、上記のオキサゾリン基含有反応性ポリスチレンを挙げることができる。オキサゾリン基はフィラーのカルボン酸基、水酸基、チオール基と反応する。また、重合体Bの別の例としては、エポキシ基やカルボン酸基、水酸基等で変性した重合体を挙げることができる。

0026

(フィラー)
本発明に用いるフィラーは、芳香族炭化水素、脂肪族環状炭化水素、およびヘテロ芳香族炭化水素からなる群から選択される2個以上の環状構造を有する化合物またはその化合物の金属塩である。ここで、2個以上の環状構造とは、2個以上の単環化合物直接結合または連結基を介して結合したものや、2個以上の単環が縮合した縮合多環化合物や、架橋環式化合物や、スピロ多環化合物をいう。以下、特に断らない限り、縮合多環化合物、架橋環式化合物、およびスピロ多環化合物を多環化合物という。

0027

また、2個以上の環状構造を有する化合物には、低分子のみならず高分子も含まれる。例えば、該高分子が単独重合体の場合、繰り返し単位が2個以上の単環化合物が直接結合または連結基を介して結合した重合体、および繰り返し単位が1個以上の単環化合物と1個の多環化合物とが直接結合または連結基を介して結合した重合体を含む。また、該高分子が共重合体の場合、該共重合体の各成分の繰り返し単位が、1個の単環化合物、2個以上の単環化合物が直接結合または連結基を介して結合した化合物、および1個の多環化合物からなる群から選択されるいずれか1種の化合物を含む。

0028

ここで、2個以上の単環化合物を連結する連結基としては、−O−、−S−、−P−、−NH−、−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)、−Si−、−COO—、—CONH−、−(CH2)n−(nは1〜12の整数)、−CH=CH−、および−C≡C−から成る群から選択される1種を用いることができる。なお、−(CH2)n−は、nが2以上の場合、メチレン基の少なくとも1つが−O−、−S−、−P−、−NH−、−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)、−Si−、−COO—、—CONH−、−CH=CH−、および−C≡C−で置換されてもよい。

0029

芳香族炭化水素から選択される2個以上の環状構造を有する化合物としては、単環化合物であるベンゼンが直接結合または連結基を介して結合したものとして、置換基を有してもよい、ビフェニルジフェニルアミントリフェニルアミンメチレンビスフェノールを挙げることができる。また、多環化合物としては、置換基を有してもよい、ナフタレンアントラセンフェナントレンテトラフィドロナフタレン、9,10−ジヒドロアントラセン、およびアセトナフタレンを挙げることができる。

0030

脂肪族環状炭化水素から選択される2個以上の環状構造を有する化合物としては、単環化合物である、シクロヘキサンシクロペンタンシクロプロパンシクロブタンイソボルニル、または環内に二重結合を有するシクロヘキセンシクロペンテンシクロプロペンおよびシクロブテンが直接結合または連結基を介して結合したものを挙げることができる。また、多環化合物としては、置換基を有してもよい、炭素数5以上のモノシクロ体、ジシクロ体、トリシクロ体、テトラシクロ体、ペンタシクロ体、具体的にはジシクロペンテニルノルボルネニル等を挙げることができる。また、脂肪族環状炭化水素は、α−ピネン、β−ピネン、リモネンカフェインアビエチン酸基、テルピノレンテルピネンフェランドレン、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン等の脂環式テルペン類も含む。これらの成分が主である植物の精油成分から得られるテルペン油や松脂を精製して得られるロジン及びその誘導体不均化ロジンを含む)も含む。

0031

ヘテロ芳香族炭化水素から選択される2個以上の環状構造を有する化合物としては、単環化合物である、置換基を有してもよい、ピロールフランチオフェンイミダゾールマレイミドオキサゾールチアゾールピラゾールイソオキサゾールイソチアゾールピリジンピリダジンピリミジンピペリジンピペラジンモルホリンを挙げることができる。また、多環化合物としては、置換基を有してもよい、ベンゾフランイソベンゾフランベンゾチオフェンベンゾトリアゾールイソベンゾチオフェン、インドールイソインドールベンゾイミダゾールベンゾチアゾールベンゾオキサゾールキナゾールナフチリジン等を挙げることができる。

0032

ここで、2個以上の単環化合物は、同種の単環化合物のみからなる場合に限らず、異種の単環化合物を含んでもよい。また、上記の置換基には、炭素数1から4の直鎖または分岐のアルキル基、ハロゲン原子シアノ基、水酸基、ニトロ基アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等を挙げることができる。

0033

また、2個以上の環状構造を有する化合物の金属塩としては、ナトリウム塩マグネシウム塩カリウム塩カルシウム塩等を挙げることができる。

0034

また、2個以上の環状構造を有する高分子またはオリゴマーとしては、以下の例を挙げることができる。繰り返し単位が2個以上の単環化合物が直接結合または連結基を介して結合した単独重合体としては、テルペンフェノール樹脂を挙げることができる。また、共重合体の場合、例えば、クマロンインデン樹脂を挙げることができる。

0035

また、フィラーとして、重合体Bと反応する低分子または高分子を用いることもできる。重合体Bと反応させることにより、重合体Bと一体的に、ハードセグメントの存在する領域、いわゆるハードセグメントドメインに、重合体BとフィラーCがより存在し易くなり、ハードセグメントドメインにおける制振性能をより向上させることが可能となる。重合体Bと反応するフィラーの例としては、重合体Bがオキサゾリン基含有反応性ポリスチレンの場合、カルボキシル基、芳香族チオール基、フェノール基またはアルコール基を含有する有機フィラーを挙げることができる。オキサゾリン基はフィラーのカルボキシル基、芳香族チオール基、フェノール基、アルコール基と反応する。カルボキシル基を含むフィラーとしては、4−フェニル安息香酸及びその誘導体、1−ナフトエ酸及びその誘導体、アビエチン酸基を含むロジン及びその誘導体等が挙げられる。芳香族チオール基を含むフィラーとしては、ビフェニル−4−チオール及びその誘導体、2−ナフタレンチオール及びその誘導体等が挙げられる。フェノール基を含むフィラーとしては、ビフェニル−4−オール等が、アルコール基を含むフィラーとしては、4−ヒドロキシメチルビフェニルが挙げられる。また、重合体Bの別の例としては、エポキシ基や水酸基等の官能基を導入したエポキシ基変性アクリル樹脂や水酸基変性アクリル樹脂を挙げることができる。

0036

フィラーとしては、好ましくは、芳香族炭化水素から選択される2個以上の環状構造を有する化合物または高分子である。より好ましくは、置換基を有してもよい、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、メチレンビスフェノールを挙げることができる。

0037

本発明の樹脂組成物においては、ブロック共重合体Aは樹脂組成物全体の1〜99重量%、好ましくは5〜90重量%である。1重量%より少ないと製膜性が低下し、99重量%より多いと、制振性能が低下するからである。また、重合体Bは0.5〜90重量%、好ましくは1〜50重量%である。重合体Bが0.5重量%より少ないと曇点が高くなり、90重量%より多いとシートが脆くなり好ましくない。また、フィラーCは0.1〜90重量%、好ましくは0.5〜50重量%である。フィラーCが0.1重量%より少ないと後述の衝撃吸収率が減少し、90重量%より多いとシートが脆くなり好ましくない。

0038

また、本発明の樹脂組成物には、衝撃吸収性を低下させない範囲で、添加剤を配合させてもよい。その添加剤としては、酸化防止剤紫外線吸収剤難燃剤等を挙げることができる。

0039

(製造方法)
本発明の樹脂組成物は、ブロック共重合体Aに重合体BとフィラーCを、加熱による溶融混合や、溶媒を用いる溶解混合により混合して製造することができる。例えば、フィラーCを重合体Bと相溶させるため、あるいはフィラーCを重合体Bに分散させるため、重合体BとフィラーCを予め混合し、その混合物にブロック共重合体Aを混合する方法を用いてもよい。また、その際、重合体BとフィラーCを混合した温度よりも低い温度でブロック共重合体Aを混合してもよい。重合体BとフィラーCが分離しにくくなるからである。

0040

本発明の樹脂組成物は、重合体Bに相溶するまたは重合体Bに分散するフィラーCを含んでいるので、ハードセグメントの存在する領域、いわゆるハードセグメントドメインに、重合体BとフィラーCが存在して、ハードセグメントドメインにおいても制振性能を発現させる。ここで、フィラーCがハードセグメントドメインに存在することの確認には以下の方法を用いることができる。すなわち、ブロック共重合体Aと重合体BとフィラーCを混合して成型した成型体I、重合体BとフィラーCを混合して成型した成型体II、およびブロック共重合体AとフィラーCを混合して成型した成型体IIIの3種の成型体の曇点をそれぞれ測定する。曇点は、所定温度に加熱して成型体を透明状態とした後、徐々に温度を下げ、不透明になった温度である。曇点が低い程、相溶性が高い。したがって、成型体I(A+B+C)の曇点が、成型体III(A+C)の曇点に比べて成型体II(B+C)の曇点に近ければ、フィラーCがハードセグメントドメインに存在すると判断できる。

0041

なお、本発明の樹脂組成物は、種々の形状に成形して衝撃吸収材料として用いることができる。例えば、樹脂組成物をホットプレス等により単体でシート状に成形して非拘束型衝撃吸収材料として用いたり、変形しにくい拘束層の間に積層して拘束型衝撃吸収材料として用いることもできる。また、塗料タイプの樹脂組成物として用い、種々の形状の基材に塗布して塗膜を形成し、基材と複合化して用いることもできる。

0042

以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。

0043

実施例1.
重合体BとしてMMA樹脂(三菱レイヨン製アクリベットVH)60gに、フィラーとしてオクチル化ジフェニルアミン(精工化学製ノンフレックスOD−3)30gを東洋精機製ラボプラストミルにて、230℃、30rpmで10分間混練し、均一な組成物を得た。冷却後、この組成物を乳鉢粉砕し、微粉末とした。ブロック共重合体Aとしてリビングアニオン重合で製造されたアクリル系熱可塑性エラストマーであるMMA−BAブロック共重合体(クラレ社製クラリティ2140e)60gを東洋精機製ラボプラストミルにて、180℃、30rpmで5分間溶融混練した後で、上記の微粉末30gを投入し、180℃、30rpmで5分間混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を180℃で加熱プレスして厚さ0.2mmの試験シートを作製した。

0044

実施例2.
重合体Bとしてカルボキシル基含有アクリル系ポリマー(東亜合成製アルフォンUS−3000)30gに、フィラーとして水添テルペンフェノール樹脂ヤスハラケミカル製YSポリスターUH)を60g添加し、東洋精機製ラボプラストミルにて、180℃、30rpmで5分間溶融混練した。さらに、塩化鉄(III)六水和物を0.1g加え、180℃、30rpmで5分間溶融混練し、樹脂組成物を得た。ブロック共重合体Aとしてクラレ社製クラリティ2140e 10gを酢酸エチル80gに常温で溶解し、これに上記の組成物を10g添加し、撹拌混合して塗液を調製した。この塗液を用いて塗膜を作製し、溶剤蒸発させて厚さ0.2mmの試験シートを得た。

0045

実施例3.
フィラーに、水添テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル製YSポリスターUH)に代えて2,2‘−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(大内新興化学工業製ノクラックNS−5)を用いた以外は、実施例2と同様の方法を用いて試験シートを得た。

0046

実施例4.
200mlのセパラブルフラスコ復水器を取り付け、トルエン80gを入れ、60℃の湯浴の中に入れ、増田理化工業製のスターラーHS−40を用いて撹拌を開始した。重合体Bとしてオキサゾリン基含有反応性ポリスチレン(日本触媒製エポクロスRPS−1005)10gを投入後、フィラーとして不均化ロジン(荒川化学工業製ロンジスR)10gを投入し、1時間混合し、淡黄色透明な溶液を得た。この溶液を室温まで冷却後、ブロック共重合体Aとしてスチレン系熱可塑性エラストマークラレ製ハイブラー5127)20gを溶解し、塗液を調製した。この塗液を用いて塗膜を作製し、溶剤を蒸発させて厚さ0.2mmの試験シートを得た。

0047

実施例5.
重合体BとしてMMA樹脂(三菱レイヨン製アクリベットVH)60gに、フィラーとしてオクチル化ジフェニルアミン(精工化学製ノンフレックスOD−3)30gを東洋精機製ラボプラストミルにて、230℃、30rpmで10分間混練し、均一な組成物を得た。冷却後、この組成物を乳鉢で粉砕し、微粉末とした。ブロック共重合体Aとしてリビングアニオン重合で製造されたアクリル系熱可塑性エラストマーであるMMA−BAブロック共重合体(クラレ社製クラリティ2140e)60gを東洋精機製ラボプラストミルにて、230℃、30rpmで5分間溶融混練した後で、上記の微粉末30gを投入し、230℃、30rpmで5分間混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を180℃で加熱プレスして厚さ0.2mmの試験シートを作製した。

0048

実施例6.
重合体BとしてMMA樹脂(三菱レイヨン製アクリベットVH)20gと、ブロック共重合体AとしてMMA−BAブロック共重合体(クラレ社製クラリティ2140e)60gとフィラーとしてオクチル化ジフェニルアミン(精工化学製ノンフレックスOD−3)10gを加え、室温で岩谷産業株式会社製ミルサーを使用し混合した。その混合物を東洋精機製ラボプラストミルにて、230℃、30rpmで10分間混練した。この樹脂組成物を180℃で加熱プレスして厚さ0.2mmの試験シートを作製した。

0049

実施例7.
酢酸エチル80gを増田理化工業製のスターラーHS−40を用いて撹拌しながら、ブロック共重合体AとしてMMA−BAブロック共重合体(クラレ社製クラリティ2140e)10g、重合体Bとしてカルボキシル基含有アクリル系ポリマー(東亜合成製ARUFON US−3000)3.3g、フィラーとして水添テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル製YSポリスターUH)6.7gを添加し、混合して塗液を調製した。この塗液を用いて塗膜を作製し、溶剤を蒸発させて厚さ0.2mmの試験シートを得た。

0050

実施例8.
酢酸エチル80gを増田理化工業製のスターラーHS−40を用いて撹拌しながら、ブロック共重合体AとしてMMA−BAブロック共重合体(クラレ社製クラリティ2140e)10gと、重合体Bとしてカルボキシル基含有アクリル系ポリマー(東亜合成製ARUFON US−3000)3.3g、フィラーとして2,2‘−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(大内新興化学工業製ノクラックNS−5)6.7gを添加し、混合して塗液を調製した。この塗液を用いて塗膜を作製し、溶剤を蒸発させて厚さ0.2mmの試験シートを得た。

0051

実施例9.
200mlのセパラブルフラスコにトルエン80gを入れ、室温にて、増田理化工業製のスターラーHS−40を用いて撹拌を開始した。ブロック共重合体Aとしてスチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製ハイブラー5127)20gをトルエンに溶解後、重合体Bとしてオキサゾリン基含有反応性ポリスチレン(日本触媒製エポクロスRPS−1005)10gを投入した。フィラーとして不均化ロジン(荒川化学工業製ロンジスR)10gを投入し溶解させて、塗液を調製した。この塗液を用いて塗膜を作製し、溶剤を蒸発させて厚さ0.2mmの試験シートを得た。

0052

実施例10.
試験シートの厚さを1mmとした以外は、実施例1と同様の方法で行った。

0053

実施例11.
試験シートの厚さを2mmとした以外は、実施例1の方法と同様の方法で行った。

0054

比較例1.
ブロック共重合体Aとしてクラレ社製クラリティ2140e 60gと、フィラーとしてオクチル化ジフェニルアミン(精工化学製ノンフレックスOD−3)10gを東洋精機製ラボプラストミルにて230℃、30rpmで10分間混練し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を180℃で加熱プレスして厚さ0.2mmの試験シートを作製した。

0055

比較例2.
酢酸エチル80gを増田理化工業製のスターラーHS−40を用いて撹拌しながら、ブロック共重合体Aとしてクラレ社製クラリティ2140e 10gと、フィラーとして水添テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル製YSポリスターUH)6.7gを添加し、混合して塗液を調製した。この塗液を用いて塗膜を作製し、溶剤を蒸発させて厚さ0.2mmの試験シートを得た。

0056

比較例3.
フィラーに、水添テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル製YSポリスターUH)に代えて2,2‘−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(大内新興化学工業製ノクラックNS−5)を用いた以外は、比較例2と同様の方法を用いて試験シートを得た。

0057

比較例4.
200mlのセパラブルフラスコにトルエン80gを入れ、室温にて、増田理化工業製のスターラーHS−40を用いて撹拌を開始した。ブロック共重合体Aとしてクラレ製ハイブラー5127の20gをトルエンに溶解後、フィラーとして不均化ロジン(荒川化学工業製ロンジスR)10gを投入し溶解させて、塗液を調製した。この塗液を用いて塗膜を作製し、溶剤を蒸発させて厚さ0.2mmの試験シートを得た。

0058

比較例5.
試験シートの厚さを1mmとした以外は、比較例1と同様の方法で行った。

0059

比較例6.
試験シートの厚さを2mmとした以外は、比較例1と同様の方法で行った。

0060

以下の表1に実施例および比較例の樹脂組成物の組成を示す。

0061

0062

(衝撃吸収性評価)
100×100mm、厚さ30mmのアクリル板上に所定の直径のステンレス球(直径10mm、4.1kg)を100mmの高さから落下させた時の衝撃加速度を測定した。測定は、アクリル板の裏面に加速度センサー接着剤で貼り付け、ブルュケル・ケアー製の騒音計2250で測定した。衝撃吸収性能は、衝撃吸収率(%)で評価した。ここで、衝撃吸収率は、次式で定義され、衝撃伝達率(%)は、シート上に所定の直径のステンレス球を落下させたときの加速度シート無しのときの加速度で除して算出した。
衝撃吸収率(%)=100(%)−衝撃伝達率(%)

0063

(tanδ評価)
セイコー電子工業製の動的粘弾性測定装置DM−5500を用いて23℃、周波数1Hzで測定した。

0064

(曇点評価)
溶剤を含む樹脂組成物からシート状の塗膜を形成し、その塗膜を1日放置して溶剤を揮発させたシートを試料として用いた。試料50gをステンレス製ビーカーに入れ、マントルヒーターで200℃まで加熱した後、ヒーター電源切り、自然放冷した。シートを冷却すると、相分離によりシートは透明状態から不透明状態へと変化する。その変化を目視で観察し、不透明状態が発生した温度を曇点とした。試験は30℃まで冷却した時点で終了させた。

0065

30℃より低温での曇点の測定は以下の方法で行った。試料が入ったステンレスビーカ本化成株式会社製恒温槽HIFLEX FX2050内に所定温度で放置する。8時間経過後、試料の状態を目視観察し、不透明状態が発生した温度を曇点とした。測定は20℃、10℃、0℃、−10℃、−20℃で行い、−20℃でも透明な試料は−20℃以下と表示した。

0066

(結果)
実施例1、3、10、11は、重合体BとフィラーCとを溶融混合し、その後でブロック共重合体Aと溶融混合した例を示す。実施例2は、重合体BとフィラーCとを溶融混合し、その後でブロック共重合体Aと溶剤混合して例を示す。実施例4は、重合体BとフィラーCとを溶剤混合し、その後でブロック共重合体Aと溶剤混合して例を示す。実施例5は、重合体BとフィラーCとを溶融混合し、その後でブロック共重合体Aと溶融混合した例で、重合体BとフィラーCとを溶融混合した時の温度と、後でブロック共重合体Aを溶融混合した時の温度が同じ温度の例を示す。実施例6は、ブロック共重合体Aと重合体BとフィラーCとを一度に溶融混合した例を示す。実施例7〜9は、ブロック共重合体Aと重合体BとフィラーCとを溶剤混合した例を示す。

0067

表2〜5に、曇点、衝撃吸収率、tanδの結果を示す。また、図1は、実施例と比較例について、試験シートの厚さと衝撃吸収率の関係を示す。なお、表中の「B+C」は、BとCの混合物から得られた試験シートを指し、「A+C」はAとCの混合物から得られた試験シートを指し、「B+C+A」は、B、CおよびAの混合物から得られた試験シートを指す。

0068

実施例1〜4と比較例1〜4から、(B+C+A)の曇点が、(A+C)の曇点に比べて(B+C)の曇点に近いので、フィラーCがハードセグメントドメインに存在していることを確認できた。

0069

表2〜4から明らかなように、実施例1〜9は、比較例1〜4に比べ、高い衝撃吸収率を与えた。また、実施例1と実施例5とを比較すると、「B+C+A」の混合温度を「B+C」の混合温度より低くすると衝撃吸収率が増加した。また、実施例1と実施例6とを比較すると、「B+C」を先に作り、後で「A」を混合する方法の方が、「B+C+A」を一度に混合して製造した方法よりも衝撃吸収率が増加した。

0070

図1は、表5の結果をグラフ化したものであり、実施例と比較例について、試験シートの厚さと衝撃吸収率の関係を示す。厚さが2mmの場合には差は認められないが、2mmよりも薄くしても実施例では衝撃吸収率の低下が抑制され、優れた衝撃吸収性を示した。0.2mmでも、比較例の4%に対し、18%という非常に優れた値が得られた。

0071

0072

0073

実施例

0074

0075

本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、薄型化しても優れた制振性能を有しているので、デバイス用の衝撃吸収シートのみならず、振動や騒音が問題となる他の用途においても好適に用いることができる。

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