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技術 地盤評価装置、地盤評価システム及び地盤評価プログラム

出願人 国立大学法人三重大学株式会社相愛アジア航測株式会社
発明者 酒井俊典永野敬典阪口和之
出願日 2014年1月27日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2014-012176
公開日 2015年8月3日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2015-140510
状態 特許登録済
技術分野 杭・地中アンカー
主要キーワード 相関条件 アメダスデータ 各荷重値 データロガ 引揚げ モニタ画 温度検出データ 評価結果データ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

容易な構成で、高精度な地盤変動の評価結果を得る。

解決手段

定期的な基準間隔計測された地盤に設置されたグラウンドアンカー定着荷重である荷重値と、当該基準間隔で計測された地盤周辺または前記グラウンドアンカーの温度とが、それぞれ計測時刻と関連付けられて蓄積データとして記憶される蓄積データ記憶部(205a,205b,215a,215b)と、所定の開始時刻から、基準間隔より長い所定期間である評価期間の間に計測された温度と荷重値との相関度合である相関値を算出する相関算出手段(230)と、相関算出手段で算出された相関値を用いて作成された地盤の評価結果を出力する出力手段(235)とを備える。

概要

背景

地盤変動を検知する技術として、地盤補強材であるグラウンドアンカーの状態をモニタリングすることがある。例えば、地盤に埋設されるケーブルと接続されるバネの変動を検出し、地盤の変動を検知する技術がある(例えば、特許文献1参照)。

この特許文献1に記載される方法の場合、予めケージングを設け、グラウンドアンカーを地盤に打ち込む際に地盤変動検知用のケーブルをケージングに固定する必要がある。したがって、既設のグラウンドアンカーを利用して地盤変動を検知することは困難である。

また、地盤変動を検知する技術として、グラウンドアンカーの緊張力を示す荷重値荷重計により計測し、荷重値から地盤の状態を予測する方法も検討されている。しかしながら、荷重計は、温度依存性を有しており温度の影響を受けると正確な計測ができない(例えば、特許文献2参照)。

そこで、特許文献2に記載の技術では、荷重計の回路部に対する温度を補償するようにしている。

一方、グラウンドアンカー自体の温度の影響に対する補償については考慮されていない。具体的には、グラウンドアンカーは金属等の温度により伸縮する材料で形成されることが一般的であり、グラウンドアンカー自体が環境温度の変化に応じて伸縮又は膨張する。したがって、これらの伸縮や膨張が荷重値に影響することがあるが、この影響は補償されないため、荷重計で計測された荷重値は、グラウンドアンカー自体が受けた温度の影響を含むこととなる。したがって、仮にこの荷重値を利用して地盤の状態を予測した場合、その予測結果は、信頼性が十分に高いとはいい難い。

概要

容易な構成で、高精度な地盤変動の評価結果を得る。定期的な基準間隔で計測された地盤に設置されたグラウンドアンカーの定着荷重である荷重値と、当該基準間隔で計測された地盤周辺または前記グラウンドアンカーの温度とが、それぞれ計測時刻と関連付けられて蓄積データとして記憶される蓄積データ記憶部(205a,205b,215a,215b)と、所定の開始時刻から、基準間隔より長い所定期間である評価期間の間に計測された温度と荷重値との相関度合である相関値を算出する相関算出手段(230)と、相関算出手段で算出された相関値を用いて作成された地盤の評価結果を出力する出力手段(235)とを備える。

目的

本発明は、容易な構成で、高精度な地盤変動の評価結果を得ることのできる地盤評価装置地盤評価システム及び地盤評価プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

地盤の安定性を評価する地盤評価装置であって、定期的な基準間隔計測された前記地盤に設置されたグラウンドアンカー定着荷重である荷重値と、当該基準間隔で計測された前記地盤周辺または前記グラウンドアンカーの温度とが、それぞれ計測時刻と関連付けられて蓄積データとして記憶される蓄積データ記憶部と、所定の開始時刻から、前記基準間隔より長い所定期間である評価期間の間に計測された温度と荷重値との相関度合である相関値を算出する相関算出手段と、前記相関算出手段で算出された相関値を用いて作成された地盤の評価結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする地盤評価装置。

請求項2

前記地盤には複数のグラウンドアンカーが設置され、前記蓄積データ記憶部に記憶される蓄積データは、前記複数のグラウンドアンカーの荷重値を含み、前記相関算出手段は、各グラウンドアンカーの荷重値について温度との相関値を算出することを特徴とする請求項1に記載の地盤評価装置。

請求項3

前記相関算出手段は、相関値を算出する毎に、前記開始時刻から所定の時間を経過後の時刻を新たな開始時刻とし、当該新たな開始時刻から前記所定期間である新たな評価期間の間に計測された荷重値と温度との相関値を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の地盤評価装置。

請求項4

前記出力手段は、相関値が予め定められる所定の値より小さいとき、前記地盤が不安定であるとした評価結果を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の地盤評価装置。

請求項5

前記相関算出手段は、対象の評価期間と、当該評価期間に対して算出した相関値を関連付けて評価結果データ記憶部に記憶させるとともに、前記出力手段は、前記評価結果データ記憶部に記憶される各評価期間の相関値を表すグラフを生成し、評価結果として出力することを特徴とする請求項3に記載の地盤評価装置。

請求項6

前記相関算出手段は、対象の評価期間と、当該評価期間の相関値を関連付けて評価結果データ記憶部に記憶させるとともに、前記出力手段は、新たな評価期間の相関値が前回の評価期間の相関値との差が、予め定められる所定の値より大きいとき、前記地盤が不安定であるとした評価結果を出力することを特徴とする請求項3に記載の地盤評価装置。

請求項7

前記複数のグラウンドアンカーの設置位置を含む前記地盤の地図データを記憶する地図データ記憶部をさらに有し、前記相関算出手段は、対象の評価期間と、当該評価期間の相関値を関連付けて評価結果データ記憶部に記憶させるとともに、前記出力手段は、いずれかのグラウンドアンカーについて求めた相関値が予め定められる所定の値より小さいとき、前記地図データの当該グラウンドアンカーに対応する位置にマークをつけた画像データを評価結果として出力することを特徴とする請求項2に記載の地盤評価装置。

請求項8

前記複数のグラウンドアンカーの設置位置を含む前記地盤の地図データを記憶する地図データ記憶部をさらに有し、前記相関算出手段は、相関値を算出すると、前記開始時刻から所定の時間を経過後の時刻を新たな開始時刻とし、当該新たな開始時刻から所定期間である新たな評価期間の間に計測された荷重値と温度との相関値を算出するとともに、相関値を算出すると、対象の評価期間と、当該評価期間の相関値を関連付けて評価結果データ記憶部に記憶させ、前記出力手段は、いずれかのグラウンドアンカーについて求めた相関値が予め定められる所定の値より小さいとき、前記地図データの当該グラウンドアンカーに対応する位置にマークをつけた画像データを評価結果として出力することを特徴とする請求項2に記載の地盤評価装置。

請求項9

通信ネットワークを介して送信される荷重値及び温度を受信する受信手段を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の地盤評価装置。

請求項10

グラウンドアンカーが設置される地盤の安定性を評価する地盤評価システムであって、前記地盤に設置され、前記グラウンドアンカーの定着荷重である荷重値を計測する荷重センサと、前記地盤周辺または当該グラウンドアンカーの温度を計測する温度センサとを有するグラウンドアンカーと、定期的なタイミングで前記荷重センサから荷重値を取得するとともに、前記温度センサから温度を取得し、取得した荷重値及び温度を計測時刻と関連付けてメモリに蓄積するデータ蓄積装置と、前記データ蓄積装置で蓄積される荷重値及び温度のうち定期的な基準間隔で計測された荷重値と、当該基準間隔で計測された温度とを収集し、それぞれ計測時刻と関連付けて蓄積データとして蓄積データ記憶部に記憶させるデータ収集部と、所定の開始時刻から、前記基準間隔より長い所定期間である評価期間の間に計測された温度と荷重値との相関の度合である相関値を算出する相関算出手段と、前記相関算出手段で算出された相関値を用いて作成された地盤の評価結果を出力する出力手段とを有する地盤評価装置と、を備えることを特徴とする地盤評価システム。

請求項11

前記荷重センサは、ひずみセンサプレッシャーディスク、Mリングセンサのいずれかであることを特徴とする請求項10記載の地盤評価システム。

請求項12

地盤に設置されたグラウンドアンカーの定着荷重である荷重値と、前記地盤周辺または前記グラウンドアンカーの温度とを用いて、前記地盤の安定性を評価する地盤評価プログラムであって、蓄積データ記憶部に記憶される定期的な基準間隔で計測された荷重値と、当該基準間隔で計測された温度とが、それぞれ計測時刻と関連付けられる蓄積データを読み出し、所定の開始時刻から、前記基準間隔より長い所定期間である評価期間の間に計測された温度と荷重値とを抽出し、抽出した温度と荷重値の相関の度合である相関値を算出する相関算出手段と、前記相関算出手段で算出された相関値を用いて作成された地盤の評価結果を出力する出力手段と、してコンピュータを機能させることを特徴とする地盤評価プログラム。

技術分野

0001

本発明は、グラウンドアンカーが設置される地盤を評価する地盤評価装置地盤評価システム及び地盤評価プログラムに関する。

背景技術

0002

地盤変動を検知する技術として、地盤の補強材であるグラウンドアンカーの状態をモニタリングすることがある。例えば、地盤に埋設されるケーブルと接続されるバネの変動を検出し、地盤の変動を検知する技術がある(例えば、特許文献1参照)。

0003

この特許文献1に記載される方法の場合、予めケージングを設け、グラウンドアンカーを地盤に打ち込む際に地盤変動検知用のケーブルをケージングに固定する必要がある。したがって、既設のグラウンドアンカーを利用して地盤変動を検知することは困難である。

0004

また、地盤変動を検知する技術として、グラウンドアンカーの緊張力を示す荷重値荷重計により計測し、荷重値から地盤の状態を予測する方法も検討されている。しかしながら、荷重計は、温度依存性を有しており温度の影響を受けると正確な計測ができない(例えば、特許文献2参照)。

0005

そこで、特許文献2に記載の技術では、荷重計の回路部に対する温度を補償するようにしている。

0006

一方、グラウンドアンカー自体の温度の影響に対する補償については考慮されていない。具体的には、グラウンドアンカーは金属等の温度により伸縮する材料で形成されることが一般的であり、グラウンドアンカー自体が環境温度の変化に応じて伸縮又は膨張する。したがって、これらの伸縮や膨張が荷重値に影響することがあるが、この影響は補償されないため、荷重計で計測された荷重値は、グラウンドアンカー自体が受けた温度の影響を含むこととなる。したがって、仮にこの荷重値を利用して地盤の状態を予測した場合、その予測結果は、信頼性が十分に高いとはいい難い。

先行技術

0007

国際公開第2009/104687号
特開2006−162511号公報

発明が解決しようとする課題

0008

上述したように、従来は、既存のグラウンドアンカーを利用し信頼性の高い地盤の評価をすることは困難な問題があった。

0009

上記課題に鑑み、本発明は、容易な構成で、高精度な地盤変動の評価結果を得ることのできる地盤評価装置、地盤評価システム及び地盤評価プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記目的を達成するために、本発明に係る地盤評価装置は、地盤の安定性を評価する地盤評価装置であって、定期的な基準間隔で計測された前記地盤に設置されたグラウンドアンカーの定着荷重である荷重値と、当該基準間隔で計測された前記地盤周辺または前記グラウンドアンカーの温度とが、それぞれ計測時刻と関連付けられて蓄積データとして記憶される蓄積データ記憶部と、所定の開始時刻から、前記基準間隔より長い所定期間である評価期間の間に計測された温度と荷重値との相関度合である相関値を算出する相関算出手段と、前記相関算出手段で算出された相関値を用いて作成された地盤の評価結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。

発明の効果

0011

本発明によれば、容易な構成で、高精度な地盤変動の評価結果を得ることができる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、実施形態に係る地盤評価システムの概略を説明する構成図である。
図2は、図1の地盤評価システムで利用されるグラウンドアンカーについて説明する断面図である。
図3は、図1の地盤評価システムで利用される計測データの一例である。
図4は、図1の地盤評価システムで利用される温度−荷重相関算出条件入力ボックスの一例である。
図5は、図1の地盤評価システムで利用される相関判定用データの一例である。
図6は、図1の地盤評価システムで相関値の算出に利用するデータの一例である。
図7は、図1の地盤評価システムで算出された相関値の一例である。
図8は、図1の地盤評価システムで地盤を評価する処理の一例を説明するフローチャートである。
図9は、図8に続いて地盤を評価する処理の一例を説明するフローチャートである。
図10は、図1の地盤評価システムで利用する開始点topMi及び終点endMiを説明する図である。
図11は、図1の地盤評価システムで算出された相関値を説明する図である。
図12は、図1の地盤評価システムで出力される評価結果の一例である。
図13は、実施例の相関値を示すグラフである。
図14は、パイプひずみ計のひずみを荷重値及び相関値と比較するグラフである。
図15は、変形例1に係る地盤評価システムの一例である。
図16は、変形例2に係る地盤評価システムの一例である。

実施例

0013

以下に、図面を用いて本発明の実施形態に係る地盤評価システム及び地盤評価プログラムについて説明する。実施形態に係る地盤評価システムは、グラウンドアンカーが設置される地盤の安定性を評価する。このグラウンドアンカーは、傾斜する地盤を安定させる為に地盤の地表(斜面)において地中深くに埋め込まれるものである。なお、以下の説明において、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。

0014

〈実施形態〉
図1は実施形態の地盤評価システム1の概略構成図である。図1に示すように、実施形態の地盤評価システム1は、斜面に取り付けられたグラウンドアンカー11のヘッド11a付近に取り付けられた温度センサ11b及び荷重センサ部11cと、温度センサ11bが検出した温度をケーブル12を介して入力する温度用データロガ15(温度データ蓄積装置ともいう)と、荷重センサ部11cが検出した荷重値をケーブル13を介して入力する荷重用データロガ16(荷重データ蓄積装置ともいう)とを備えている。

0015

実施形態では、前述の温度センサ11bは、グラウンドアンカー11のヘッド11aに取り付けているとするが、グラウンドアンカー11が設置される周辺又はグラウンドアンカー11自体若しくは斜面周辺に配置されていてもよい。この温度センサ11bによる温度の計測方式は限定されない。また、荷重センサ部11cは、図2を用いて後述するように、グラウンドアンカー11のアンカーテンドン111の余長部111aに配置されている。この荷重センサ部11cによる荷重の計測方式は限定されず、ひずみセンサひずみゲージ)、プレッシャーディスク、Mリングセンサ等、様々なセンサを利用することができる。

0016

温度用データロガ15及び荷重用データロガ16は評価対象の地盤である斜面の近傍に置かれている。

0017

また、地盤評価システム1は、この温度用データロガ15が収集した温度データ及び荷重用データロガ16が収集した荷重データを読み込んでグラウンドアンカー11が設置される斜面の安定性を評価する地盤評価装置100を備えている。この地盤評価装置100は、例えば、管理事務所等に置かれるのが好ましい。

0018

前述の地盤評価装置100は、パソコン本体部200とモニタ画面300等から構成されている。

0019

[グラウンドアンカー]
実施形態の地盤評価システム1の各部の説明の前にグラウンドアンカー11について説明する。グラウンドアンカー11は、図1に示すように、斜面の地表である法面Aから移動土塊層Bを介し、下層の移動土塊層Bより硬い岩盤Cに固定される。ここでは、法面A、移動土塊層B及び岩盤Cにより形成される斜面を地盤として説明する。また、移動土塊層Bは、移動しやすい性質である。具体的には、グラウンドアンカー11は、この移動土塊層Bが移動することで地盤が崩壊することを抑止するため、地盤に埋め込まれている。

0020

図2(a)に示す断面図の例では、グラウンドアンカー11は、長さが数メートルから数十メートルのアンカーテンドン111を有し、その先端が、モルタルグラウト101等で岩盤Cに固定される。このとき、グラウンドアンカー11には、支圧板となる法面A上にて定着部であるプレート112及びナット113が取り付けられて定着されたアンカーテンドン111の余長部111aに荷重センサ部11cを追加設置する荷重計設置セットを有している。プレート112は、アンカーテンドン111を挿入可能な孔を有する板状部材である。

0021

具体的には、この荷重計設置セットは、余長部111aに載置された荷重センサ部11cと、余長部111aの先端側に取り付けられた固定用ナット117と、ナット113と共に余長部111aを地表側に引揚げジャッキアップする油圧ジャッキ115とを有する。

0022

図2(a)に示す例では、プレート112と油圧ジャッキ115の間に、荷重センサ部11cを支持する台座部116が配置される。この台座部116も内側にアンカーテンドン111が挿入される筒形状である。プレート112、台座部116及び荷重センサ部11cは、固定用ナット117によって固定されている。したがって、固定用ナット117の直径は、荷重センサ部11cに形成される筒の空洞部の直径より長く形成される。また、定着の際には、油圧ジャッキ115を利用して荷重をかけてアンカーテンドン111を引っ張り、決められた定着荷重になるように地盤に定着する。

0023

なお、グラウンドアンカー11の形状は、図2(a)を用いて上述した形態に限定されない。例えば、図2(b)に示すように、グラウンドアンカー11に油圧ジャッキ115が設置されない構成であってもよい。この場合、グラウンドアンカー11は、固定用ナット117によって決められた定着荷重になるように地盤に固定される。

0024

また、円柱形状のアンカーテンドン111を利用するのではなく、図2(c)に示すように、複数本の線状(ケーブル状)のアンカーテンドン111を利用する構成であってもよい。この場合、各アンカーテンドン111は、固定用ナット117の代わりに各アンカーテンドンが固定具118aにくさび118bによって固定される固定部118を有する。また、各アンカーテンドン111は、固定部118で固定されて油圧ジャッキ115で地表面方向に引き上げられる。

0025

グラウンドアンカー11では、荷重センサ部11cを用いて荷重値を測定し、荷重値の変化を利用してグラウンドアンカー11の地盤への定着の変化をみることが可能であり、この荷重値からグラウンドアンカー11の定着の健全評価をすることが出来る。

0026

したがって、法面Aと岩盤Cの間の移動土塊層Bが動くと、グラウンドアンカー11にかかる緊張力は増加する。実施形態でこの緊張力を荷重として説明する。

0027

このため、一般的には、グラウンドアンカー11の荷重値が増加すると、山が動いている可能性があり危険だと判断することができる。

0028

一方、グラウンドアンカー11の荷重値と気温等の温度との関係をみると、気温が上がると荷重値も上昇する。また、グラウンドアンカー11の設置からの経過期間季節天候等の影響を受けるため、測定の時期によっても荷重値が変動する。したがって、グラウンドアンカー11の荷重値のみから地盤の状態を判定するのは困難である。

0029

ここで、グラウンドアンカー11の荷重値が気温による影響を受ける原因のひとつは、グラウンドアンカー11のアンカーテンドン111、プレート112および固定用ナット117等が温度に応じて伸縮する材料で形成されることである。具体的には、地盤が安定しているとき、グラウンドアンカー11の荷重値は、温度のみの影響が支配的になり、荷重値と温度との相関が高くなる。一方、地山動きにより地盤が不安定になったとき、グラウンドアンカー11の荷重値は、地山の動きが支配的になり、荷重値と温度との相関は低くなる。

0030

したがって、継続的に荷重値と温度とを測定し、荷重値と温度との相関を表す相関値を求めると、地盤が安定しているときには相関値が高く、地盤が不安定になると相関値が低下する。実施形態に係る地盤評価システム1は、このグラウンドアンカー11の荷重値と温度との相関値を利用して、地盤の安定性を評価する。

0031

[データロガ(データ蓄積装置)]
温度用データロガ15は、取得タイミングが予め設定されている(例えば1時間毎)。そして、グラウンドアンカー11のヘッド11aに取り付けられた温度センサ11bからの温度検出信号アナログ)をケーブル12を介して受信し、図示しないタイマーが1時間計測する毎に、温度検出信号を取得して量子化してデジタル化し、この温度検出データ図3(a)に示すようにメモリ15aに順次蓄積する。

0032

この温度検出データdtiは、図3(a)に示すように、1時間単位計測日時Di(D1、D2・・・)と温度Ti(T1、T2・・・)とを含み、取得順に番号Ni(N1、N2・・・)が付加されたデータである。

0033

荷重用データロガ16は、取得タイミングが予め設定されている(例えば1時間毎)。そして、グラウンドアンカー11の余長部111aに取り付けられる荷重センサ部11cからの荷重検出信号(アナログ)をケーブル13を介して受信し、図示しないタイマーが1時間計測する毎に、荷重検出信号を取得して量子化してデジタル化し、この荷重検出データを図3(b)に示すようにメモリ16aに順次蓄積する。

0034

この荷重検出データdliは、図3(b)に示すように、1時間単位の計測日時Di(D1、D2・・・)と荷重値Li(L1、L2・・・)とを含み、取得順に番号Ni(N1、N2・・・)が付加されたデータである。

0035

温度センサ11bは、グラウンドアンカー11の設置時に取り付ける必要はない。既存のグラウンドアンカー11のヘッド11aに、図2に示すように温度センサ11bを取り付けて利用してもよい。また、荷重センサ部11cもグラウンドアンカー11の設置時に取り付ける必要はなく、既存のグラウンドアンカー11に、図2に示すような台座部116を介して設置して利用してもよい。なお、余長部111cが短い場合には、アジャスター(図示せず)を取り付けたうえで荷重センサ部11cを設置してもよい。

0036

[地盤評価装置100の構成]
地盤評価装置100のパソコン本体部200は、図1に示すように、データ収集部205と、温度−荷重相関条件設定部210と、相関判定用データ作成部215と、評価範囲更新部220と、データ評価範囲抽出指示部225と、温度−荷重相関算出部230と、出力部235等のプログラム構成を備えている。

0037

データ収集部205は、温度用データロガ15がメモリ15aに蓄積している温度検出データdtiを取り込んでメモリ205aに記憶する。また、データ収集部205は、荷重用データロガ16がメモリ16aに蓄積している荷重検出データdliを取り込んでメモリ205bに記憶する。

0038

この取り込みの方法は限定されず、例えば、温度用データロガ15及び荷重用データロガ16に図示しないUSBケーブルを接続して取り込んでもかまわないし、USBメモリを用いて取り込んでもかまわない。

0039

温度−荷重相関条件設定部210は、図4に示すような温度−荷重相関算出条件入力ボックスHを利用して、地盤の変動を見るための任意の時間間隔である『基準間隔ta』(例えば2時間)と、地盤の変動を評価する対象の期間である『最小評価期間tb』(例えば24時間)と、地盤の変動の経過を観察する期間である『最長評価期間tc』(例えば30日(720時間))と、最長評価期間tcの開始の日時である『基準日時t0』(例えば、D1(2013/6/25 0:00))とを入力させて、これらを相関判定用データ作成部215及び評価範囲更新部220に設定する。

0040

なお、以下では、温度−荷重相関条件設定部210は、最長評価期間tcとして変動を観察する期間を設定し、この最長評価期間tcが終了するまで処理を繰り返すものとして説明するが、この期間は有限である必要はなく、例えば、評価の停止信号を入力するまで、繰り返すように設定してもよい。

0041

相関判定用データ作成部215は、レコード数用メモリ215a及び時刻用メモリ215bと接続される。この相関判定用データ作成部215は、基準間隔ta(2時間)、最小評価期間tb(24時間)、最長評価期間tc(30日)、基準日時t0(D1)の設定に伴って、最長評価期間tc(30日(720時間))を基準間隔ta(2時間)で割った値(360)を生成する相関判定用データのレコード数Tcaとしてレコード数用メモリ215aに記憶させる。また、相関判定用データ作成部215は、基準日時t0(D1)を時刻用メモリ215bに記憶させる。

0042

そして、相関判定用データ作成部215は、メモリ205aから、基準日時t0(D1)から基準間隔ta(2時間)毎の温度を読み込んで、読み込んだデータを図5(a)に示すように、メモリ215cに記憶する。また、相関判定用データ作成部215は、メモリ205bから、基準日時t0(D1)を基準として基準間隔ta(2時間)毎のレコード数Tcaの荷重値を読み込んで、読み込んだデータを図5(b)に示すように、メモリ215dに記憶するとともに、評価範囲更新部220を起動する。

0043

メモリ215cに記憶されたデータは、レコード数Tca(360)のレコードを有し、各レコードは図5(a)に示すように、基準日時t0(D1)を先頭に2時間単位の計測日時Di(D1、D3、・・・、D720)と温度Ti(T1、T3、・・・、T720)と番号Ni(N1、N3、・・・、N720)とを含み、かつレコード番号Mi(M1、M2、・・・、M360)が付加されている。この温度検出データを『地山変動検出温度データDTi』と称する。

0044

また、メモリ215bに記憶されたデータは、レコード数Tca(360)のレコードを有し、各レコードは図5(b)に示すように、基準日時t0(D1)を先頭に2時間単位の計測日時Di(D1、D3、・・・、D720)と荷重値Li(L1、L3、・・・、L720)と番号Ni(N1、N3、・・・、N720)とを含み、かつレコード番号Mi(M1、M2、・・・、M360)が付加されている。この荷重検出データを『地山変動検出荷重データDLi』と称する。また、地山変動検出温度データDTi及び地山変動検出荷重データDLiを『相関判定用データ』とする。

0045

評価範囲更新部220は、各最小評価期間(各グループ)の開始点(開始レコード番号)のずれ量であるレコード数zr(例えば1レコード)を決定する。ここでは、評価範囲更新部220は、温度−荷重相関条件設定部210によって設定された基準間隔ta(例えば2時間)に該当する数のレコード数を、ずらすレコード数zrとするが、作業員等に入力される値をずらすレコード数zrとしてもよい。

0046

評価範囲更新部220は、グループ数用メモリ220aとグループレコード数用メモリ220bと接続される。この評価範囲更新部220は、起動に伴って、式(1)を利用してグループ数Tgを求め、求めたグループ数Tg(348)をグループ数用メモリ220aに記憶させる。このグループ数Tgは、最長評価期間tcに含まれる最小評価期間tbの数である。

0047

Tg=((tc/ta)−(tb/ta))/(zr/ta) ・・・(1)
また、評価範囲更新部220は、最小評価期間tb(24時間)を基準間隔ta(2時間)で割った値(12)を各グループのレコード数Tbaとしてグループレコード数用メモリ220bに記憶させる。

0048

そして、評価範囲更新部220は、判定用データ(DTi、DLi)において任意の時刻である開始時刻(Di)の計測値(温度、荷重値)のレコード番号を開始点topMiと決定し、開始点topMiから最小評価期間tb(24時間)後の時刻に対応する計測値のレコード番号を終点endMiとする。評価範囲更新部220は、この開始点topMiと終点endMiとを『最小評価期間範囲Wi』としてデータ評価範囲抽出指示部225に出力する。ここでは、基準日時t0(D1)を任意の時刻である開始時刻として使用する。

0049

また、評価範囲更新部220は、ずらすレコード数zrを利用して開始点topMiを更新するとともに、新たな開始点topMiを基準として新たな終点endMiを求める。さらに、評価範囲更新部220は、この開始点topMiと終点endMiとを新たな最小評価期間範囲Wiとしてデータ評価範囲抽出指示部225に出力する。評価範囲更新部220は、これをグループ数Tgと同じ回数繰り返す。

0050

データ評価範囲抽出指示部225は、評価範囲更新部220からの最小評価期間範囲Wiの出力に伴って、温度−荷重相関算出部230を起動し、最小評価期間範囲Wiに含まれているメモリ215cに記憶される地山変動検出温度データDTi、メモリ215dに記憶される地山変動検出荷重データDLiのtopMiから終点endMiのレコードのアドレス(番号Mi)を温度−荷重相関算出部230に出力する。

0051

温度−荷重相関算出部230は、データ評価範囲抽出指示部225によって起動し、入力された開始点topMiと終点endMiで特定される最小評価期間範囲Wi分の温度(図6(a))と荷重値(図6(b))の相関の度合を表す相関値Riを求め、最小評価期間tb(24時間)の相関値データとしてメモリ230aに記憶する。また、温度−荷重相関算出部230は、開始点topMi及び終点endMiをずらした温度と荷重値によりこのような相関値Riの算出を繰り返すことで、図7に示すような相関データが得られる。

0052

例えば、最小評価期間範囲Wiに計測された温度Ti〜Ti+pと荷重値Li〜Li+pの相関値を求めるとき、温度−荷重相関算出部230は、まず、最小評価期間範囲Wiに計測された温度Ti〜Ti+pと荷重値Li〜Li+pとの共分散(式(2−1))、荷重値Li〜Li+pの分散(式(2−2))、温度Ti〜Ti+pの分散(式(2−3))を求め、これらの値を用いて式(2−4)により、相関値を求める。ここでは、決定係数を相関値とする例で説明するが、相関係数を相関値としてもよい。

0053

0054

出力部235は、出力指示に伴って、メモリ230aの相関値データを利用した地盤の評価結果をモニタ画面300に出力する。

0055

(全体動作説明)
図8及び図9は実施形態の地盤評価装置100の動作を説明するフローチャートである。

0056

本実施形態では、既に、データ収集部205によって温度検出データdtiがメモリ205aに記憶されて(図3(a)参照)、かつメモリ205bに荷重検出データdliが記憶(図3(b)参照)されているとして説明する。

0057

このような状態で、図8のフローチャートに示すように、温度−荷重相関条件設定部210がモニタ画面300に図4に示す温度−荷重相関算出条件入力ボックスHを表示する(S01)。

0058

作業員は、このモニタ画面300に表示される温度−荷重相関算出条件入力ボックスHに、基準間隔taを例えば2時間、最小評価期間tbを例えば24時間、最長評価期間tcを例えば30日、基準日時t0を例えばD1(2013/6/25 0:00)として入力する。

0059

温度−荷重相関条件設定部210は、この温度−荷重相関算出条件入力ボックスHに入力された基準間隔ta(2時間)、最小評価期間tb(24時間)、最長評価期間tc(30日)、基準日時t0(D1)を読み込み、相関判定用データ作成部215、評価範囲更新部220、データ評価範囲抽出指示部225に出力する(S02)。

0060

次に、相関判定用データ作成部215は、最長評価期間tc(30日(720時間))を基準間隔ta(2時間)で割った値(360)を求めてレコード数Tcaとする(S03)。

0061

また、相関判定用データ作成部215は、ステップS03で求めたレコード数Tca(360)を相関判定用データ作成部215が作成するデータのレコード数として、レコード数用メモリ215aに設定する(S04)。このレコード数用メモリ215aに記憶される値は、その後の処理で相関判定用データ(DTi、LDi)のレコードが追加される毎にディクリメントされる。また、この値が0になったとき、「相関判定用データ作成部215は目的の相関判定用データの作成を終了した」と判定される。

0062

相関判定用データ作成部215は、作成する相関判定用データの先頭のレコードの温度Ti及び荷重値Liの計測日時である基準日時t0と設定する(S05)。

0063

その後、相関判定用データ作成部215は、設定した基準日時t0を対象時刻tiとして時刻用メモリ215bに記憶する(S06)。

0064

相関判定用データ作成部215は、メモリ205aの温度検出データdtiから対象時刻tiのレコードを読み込み、レコードの番号Miを追加してメモリ215cに記憶する。また、相関判定用データ作成部215は、メモリ205bの荷重検出データdliから対象時刻tiのレコードを読み込み、レコードの番号Miを追加してメモリ215dに記憶する(S07)。

0065

対象時刻tiのレコードを相関判定用データ(DTi、LDi)として記憶すると、相関判定用データ作成部215は、レコード数用メモリ215aに記憶される値をディクリメントする(S8)。このレコード数用メモリ215aに記憶される値は、これからの処理で相関判定用データに追加するレコードの数を表す。

0066

したがって、相関判定用データ作成部215は、レコード数用メモリ215aに記憶される値が0になるまで(S09でNO)、対象時刻tiに基準間隔ta(2時間)を追加した新たな対象時刻tiで時刻用メモリ215bに記憶する値を更新し(S10)、ステップS7〜S9の処理を繰り返す。このような処理を360回繰り返すことにより、相関演算用温度データ用メモリ215cに、図5(a)に示すような地山変動検出温度データDTiが記憶され、相関演算用荷重データ用メモリ215dに、図5(b)に示すような地山変動検出荷重データDLiが記憶される。

0067

例えば、図10に示すように、1時間毎に温度と荷重値が計測されて番号Niとともに温度検出データdtiと荷重検出データdliとして記憶されており、基準間隔taが2時間であるとき、番号Miが付された2時間毎の計測値(温度と荷重値)によって地山変動検出温度データDTiと地山変動検出荷重データDLiとして生成される。

0068

レコード数用メモリ215aに記憶される値が0になると(S09でYES)、相関判定用データ作成部215は、評価範囲更新部220を起動する。

0069

相関判定用データ作成部215に起動された評価範囲更新部220は、図9のフローチャートに示すように、ずれ量であるレコード数zrを決定し(S21)、求めた値をずらすレコード数zrとしてメモリに設定する(S22)。ここでは、基準間隔ta(2時間)に対応するレコード数(1)をずらすレコード数zrにするものとして説明するが、作業員によって入力される値をレコード数zrとしてもよい。

0070

また、評価範囲更新部220は、式(1)により評価範囲のグループ数Tgを求めるとともに、最小評価期間tb(24時間)を基準間隔ta(2時間)で割った値(12)を各グループのレコード数Tbaとする(S23)。

0071

さらに、評価範囲更新部220は、ステップS23で求めたグループ数Tgをグループ数用メモリ220aに設定し、グループのレコード数Tbaをグループレコード数用メモリ220bに設定する(S24)。

0072

その後、評価範囲更新部220は、レコード番号Miをグループの開始点topMiと設定する(S25)。ここでは、基準日時t0(D1)を開始点topMiとする。

0073

続いて、評価範囲更新部220は、開始点topMiを基準として、この開始点topMiに対応する時刻から最小評価期間tb(24時間)経過後の時刻に対応する評価範囲のグループの終点endMiを設定する(S26)。

0074

評価範囲更新部220は、開始点topMi及び終点endMiを最小評価期間範囲Wiとし、この最小評価期間範囲Wiをデータ評価範囲抽出指示部225に出力する(S27)。

0075

データ評価範囲抽出指示部225は、図5(a)に示すような地山変動検出温度データDTi及び図5(b)に示すような地山変動検出荷重データDLiから、最小評価期間範囲Wiの図6(a)に示す温度と図6(b)に示すような荷重値が演算対象となるように、最小評価期間範囲Wiのレコード番号Miを、温度−荷重相関算出部230に出力する(S28)。

0076

温度−荷重相関算出部230は、入力したレコード番号Miで特定される温度と荷重値との相関値Riを算出する(S29)。

0077

また、温度−荷重相関算出部230は、算出した相関値Riを、最小評価期間範囲Wiを特定する時刻のデータと関連付けてメモリに記憶する(S30)。

0078

その後、評価範囲更新部220は、グループ数用メモリ220a記憶される値Tcbをディクリメントする(S31)。このグループ数用メモリ220aに記憶される値Tcbは、温度−荷重相関算出部230が相関値Riを求めるグループの残数を表す。

0079

したがって、評価範囲更新部220は、グループの数が0になるまで(S31でYES)、図10に示すように開始点topMiと終点endMiとを更新し(S32)、ステップS28〜S32の処理を繰り返す。このような処理を348回繰り返すことにより、相関値Riの算出処理が繰り返されて、図7に示すような相関値データが作成される。

0080

例えば、図11(a)に示すように温度Tiと荷重値Liのばらつきが少ない場合、相関値Riは0.9843と、1に限りなく近い値になる。一方、図11(b)に示すように、温度Tiと荷重値Liのばらつきが大きくなると、例えば、相関値Riは0.5091と、1から離れた値になる。この相関値Riを利用して、地盤の安定を評価することができる。

0081

その後、出力部235は、メモリ230aに記憶される相関値データを利用して、結果をモニタ画面300に出力する(S34)。ここで、例えば、図12(a)は、最小評価期間範囲W1〜W12の相関値R1〜R12の変化を表すグラフである。また、図12(b)は、最小評価期間範囲W1〜W12を含む図12(a)よりも長い期間の相関値R1〜R12の変化を表すグラフである。

0082

また、出力部235は、相関値Riが所定の閾値より小さくなったときに地盤が不安定だとする評価結果を出力してもよい。さらに、出力部235は、求められた相関値Riと前回の相関値Riとの差が所定の閾値より大きくなった場合に地盤が不安定だとする評価結果を出力してもよい。

0083

その他、出力部235は、評価期間の雨量地下水位等のデータが入力されたとき、図12(c)に一例を示すように、相関値に雨量や地下水位等の他のデータを組み合わせて評価結果を求めてもよい。例えば、雨量が多くなった場合や地下水位が高くなった場合、地すべりが起こりやすくなることがある。したがって、荷重値と温度との相関値が閾値を下回るとともに、雨量や地下水位が閾値を上回ったとき、地盤の移動の可能性が生じたと判定してもよい。

0084

また、出力部235は、温度−荷重相関算出部230で算出された相関値の数値を出力してもよいし、相関値が予め定められる閾値を下回った際に地盤の崩壊の可能性を警告するアラーム信号を出力してもよい。または、出力部235は、相関値の変化を表すグラフを出力してもよい。

0085

上述したように、実施形態に係る地盤評価システム1によれば、既存のグラウンドアンカー11を利用し、グラウンドアンカー11が設置される地盤に対して、容易な構成で地盤を評価することができる。また、この地盤評価システム1で地盤評価をする際、グラウンドアンカー11の荷重値と温度との相関を用いることで、従来はグラウンドアンカー11の荷重値に影響を与えていた温度を有効に利用して地盤を評価することができる。

0086

なお、図1を用いて上述した地盤評価システム1の例では、地盤評価装置100は、1台の情報処理装置で構成されているが、複数台の情報処理装置で構成されていてもよい。

0087

また、図1を用いた説明では、地盤評価システム1は、グラウンドアンカー11の周辺又は内部に配置される温度センサ11bで計測される温度を使用するものとして説明したがこれに限定されない。例えば、なお、グラウンドアンカー11の周辺に設置される温度センサ11bで計測される温度を使用して求める相関値のほうがより高精度であるが、気象データ等から、グラウンドアンカー11が設置される地盤周辺の温度を蓄積することが出来れば、この温度を利用してもよい。

0088

さらに、図示を用いた説明を省略するが、地盤評価システム1は、バッテリー発電機等の電源又は電力供給網から電力が供給される電源を備えている。

0089

上述したように、地盤評価システム1は、グラウンドアンカーの荷重値と温度との相関から、容易かつ高精度に地盤の変動を評価することができる。

0090

〈実施例〉
上述した例では、基準間隔taを2時間、最小評価期間tbを24時間、最長評価期間tcを30日とした例で説明したが、図13は、基準間隔taを1時間、最小評価期間tbを96時間、最長評価期間を200日とした場合の一例である。

0091

実験の結果、最小評価期間tbは、24時間よりも長く設定(例えば、96時間以上)した方が、求められる相関値の信頼性が高くなるという結果が得られている。例えば、晴天時には、24時間で気温の変動があるため計測される温度と荷重値に変動が生じ、このように変化のある温度と荷重値との相関値を求める。一方、雨天時には24時間で気温の変動が小さく、計測される温度と荷重値との変動も小さくなり、変動の小さい温度と荷重値との相関値を求めることになる。そのため、このように変動の小さい温度と荷重値とから求める相関値は、低い値になりやすいと考えられる。

0092

また、図13に示す実験の際、グラウンドアンカー11に取り付けていた温度センサ11bが落下し、グラウンドアンカー11の温度が計測されていない期間(以下、「落下期間TA」とする)があった。この落下期間TAについては、相関値を求める温度として、気象データ(アメダスデータ)を代用した。図13に示すように、落下期間TAについては、求められた相関値がそれ以外の期間と比較して変動が大きくなっている。この結果から、気象データを利用しても相関値を求めることができるものの、求められる相関値を地盤評価に利用するには信頼性が低いと考えられる。

0093

なお、図13において、ある期間(以下、「相関値低下期間TB」とする)、求められる相関値が低くなった期間がある。これは、温度や荷重値の変動を合わせて考慮すると、この相関値低下期間TBにおいて、気温の変動が小さかったことが原因であると考えられる。このように気温の変動が小さい場合には求められる相関値は低下するが、地盤の変動が原因で相関値が低下する場合に急激に相関値が低下する(極端に低下する)のに対し、気温の変動が小さいことが原因で相関値がする場合には徐々に相関値が低下する。したがって、出力部235は、急激な相関値の変化があった場合には地盤の変動のおそれがあるする評価結果を出力し、相関値が徐々に変化した場合には地盤の変動のおそれがないとする評価結果を出力するようにしてもよい。

0094

図14(a)乃至図14(d)は、ある地盤に関する実験結果である。具体的には、図14(a)は、対象の地盤のグラウンドアンカー11から少し離れた位置に設置された第1のパイプひずみ計(図示せず)で計測されたひずみと、グラウンドアンカー11の荷重センサ部11cで計測された荷重値との比較を示すグラフである。また、図14(b)は、第1のパイプひずみ計で計測された図14(a)のひずみと、図14(a)の荷重値を利用して地盤評価装置100で算出された相関値との比較を示すグラフである。パイプひずみ計は、地すべりの評価のために地盤に設置される計測装置である。

0095

また、図14(c)は、対象の地盤のグラウンドアンカー11の近隣に設置された第2のパイプひずみ計(図示せず)で計測されたひずみと、グラウンドアンカー11の荷重センサ部11cで計測された荷重値との比較を示すグラフである。また、図14(d)は、第2のパイプひずみ計で計測された図14(c)のひずみと、図14(c)の荷重値を利用して地盤評価装置100で算出された相関値との比較を示すグラフである。具体的には、図14(a)乃至図14(d)は、対象のグラウンドアンカー11は、同一である。したがって、図14(a)及び図14(c)の荷重値は、同一の荷重センサ部11cで計測された値である。また、図14(b)及び図14(d)の相関値は、同一の温度センサ11b及び荷重センサ部11cで計測された値から求めたものである。

0096

図14(a)及び図14(b)において、ひずみの値が示されていない箇所は、ひずみの欠側によるものである。また、図14(b)及び図14(d)において相関値の値が示されていない箇所は、実験時にグラウンドアンカー11に取り付けていた温度センサ11bが落下したことが原因の温度の欠側によるものである。

0097

図14(a)及び図14(d)に示すように、このパイプひずみ計の計測値であるひずみと、荷重値の変化に関連がある。具体的には、荷重値が大きく変化した日時と、ひずみが大きく変化した日時とが近い時期である。また、図14(b)及び(d)に示すように、パイプひずみ計の計測値であるひずみと、相関値の変化には関連がある。図14(a)及び図14(b)の例では、変化した日時が分かりにくいが、図14(d)及び図14(d)の例では、変化した日時が目立つ。具体的には、相関値に変化があった時期には、ひずみにも変化があったことが分かる。このことからも、地盤評価装置100で得られる相関値を利用した評価結果は、信頼性があることが分かる。

0098

〈変形例1〉
図15に示すように、変形例1に係る地盤評価システム1Aは、図1を用いて上述した地盤評価システム1と比較して、温度用データロガ15及び荷重用データロガ16が無線通信を実現する通信機17と接続される点で異なる。また、地盤評価システム1Aの地盤評価装置100Aは通信機17によって送信されるデータを受信可能に形成されている。

0099

通信機17は、所定のタイミングで温度用データロガ15の温度データdti及び荷重用データロガ16の荷重データdliを地盤評価装置100Aに送信する。所定のタイミングとは、リクエストを受信したタイミングや定期的なタイミングである。

0100

したがって、地盤評価システム1Aでは、ケーブルを介したデータの送信や記録媒体を利用してデータの読み出しや読み込みをすることなく地盤評価装置100Aで計測データを利用することが可能となる。

0101

〈変形例2〉
図16に示すように、変形例2に係る地盤評価システム1Bは、図1を用いて上述した地盤評価システム1Bと比較して、複数の荷重用データロガ16−1〜16−4を有し、パソコン本体部200Bがサーフェスモデル(画像データ)を記憶するメモリ235aを有する点で異なる。

0102

1つの法面には複数個のグラウンドアンカーが設置されることがあるが、地盤評価システム1Bは、複数のグラウンドアンカー11の荷重値を測定の対象とする。このとき、1つの法面に接地される複数のグラウンドアンカーの温度環境に大差はない。したがって、荷重センサ部11c(11c−1〜11c−4)は複数使用する場合であっても、温度センサ11bは1つのみ設置し、各荷重センサ部11cの各荷重値に対し、同一の温度を利用することができる。メモリ235aに記憶されるサーフェスモデルでは、各荷重センサ部11cが計測対象のグラウンドアンカー11が設置される位置の座標データを含んでいる。

0103

例えば、各荷重センサ部11cの荷重検出データdli毎に地山変動検出荷重データDLiを作成し、相関値を求める。また、温度−荷重相関算出部230は、求めた相関値を、荷重センサ部11c毎に相関値データを生成する。このとき、各荷重検出データdli、地山変動検出荷重データDLi及び相関値データは、対応する荷重センサ部11cの計測対象であるグラウンドアンカー11が設置される位置の座標データを含んでいる。

0104

出力部235は、荷重センサ部11c毎に評価結果(例えば、相関値、グラフ、判定結果等)を出力してもよいし、各荷重センサ部11cの評価結果及び斜面のサーフェスモデルを合わせた画像データを評価結果としてモニタ画面300に出力してもよい。例えば、出力部235は、斜面のサーフェスモデルのうち、不安定であると評価された箇所を色や記号によりマークをつけることができる。

0105

その他、1つの法面に複数の荷重センサ部設置する場合、複数の荷重センサ部を対象としてグループを設定するとともに各グループにそれぞれ一つの荷重計を設定し、各グループの荷重計で計測された荷重値については、そのグループに設定される温度計で計測された温度を利用してもよい。例えば、グループは、荷重計が計測対象とするアンカーテンドンの長さ、材質、法面における設置位置等毎に設定することが考えられる。

0106

以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。

0107

1…地盤評価システム
11…グラウンドアンカー
111…アンカーテンドン
111a…余長部
112…プレート
113…ナット
115…油圧ジャッキ
116…カバー
117…固定用ナット
11a…ヘッド
11b…温度センサ
11c…荷重センサ部
12…ケーブル
13…ケーブル
15…温度用データロガ
15a…メモリ
16…荷重用データロガ
16a…メモリ
100…地盤評価装置
200…パソコン本体部
205…データ収集部
205a,205b…メモリ(蓄積データ記憶部)
210…荷重相関条件設定部
215…相関判定用データ作成部
215a,215b…メモリ(蓄積データ記憶部)
215c,215d…メモリ
220…評価範囲更新部
220a,220b…メモリ
225…データ評価範囲抽出指示部
230…温度−荷重相関算出部
230a…メモリ
235…出力部
300…モニタ画面

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