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技術 全粒大豆飲料の製造方法

出願人 ミナミ産業株式会社
発明者 南川勤
出願日 2014年1月28日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2014-013306
公開日 2015年8月3日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2015-139394
状態 特許登録済
技術分野 飼料または食品用豆類 非アルコール性飲料
主要キーワード 水溶性たんぱく質 除去機 ベース液 蒸し鍋 脱皮処理 素材成分 屈折糖度 過熱蒸気発生装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年8月3日)のものです。
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課題

原料となる大豆に含まれるおから、および、胚軸を丸ごと含有させつつ、風味食感も良好な全粒大豆飲料」を、グラインダー高圧ホモゲナイザーといった特殊な機器の使用を前提とせず、簡易設備構成で、歩留まりもよく低動力かつ低コストかつ短時間に、製造する技術を提供すること。

解決手段

生大豆を乾燥後、脱皮処理して、胚軸を取り出し、該胚軸を加熱処理した後、前記胚軸を、55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50) 20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕する胚軸粉末準備工程と、前記胚軸を取り出した大豆を55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50) 20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕する大豆粉準備工程と、前記胚軸粉末を0.05〜2質量%、前記大豆粉末を2〜22質量%含有させて、全粒大豆飲料とする原料調合工程を有する。

概要

背景

通常の飲料用途の豆乳は、大豆脱皮して、種皮胚軸を取り除く処理を行い、残った子葉部分を加熱して酵素失活させた後、熱水を加えながら粉砕し、得られた「呉」に消泡剤を添加して加熱することにより、おからを分離して製造される。

近年、従来廃棄されてきたおから部分に含まれる栄養成分を摂取可能とすべく、各種製品の開発が進められ、例えば、おからに含まれる栄養分を摂取可能としたオカラ成分含有飲料を製造する技術(特許文献1)が開示されている。

しかし、特許文献1の技術では、炭酸水素ナトリウムクエン酸三ナトリュムなどPH調整材を使ってアルカリ化させないと成分が十分溶出しないなどの問題があった。

また、大豆の胚軸部分は、エグ味がつよく、豆乳の風味を損なう要因となるため、特許文献1の技術でも、前記の通常の飲料用途の豆乳と同様に、大豆の脱皮工程で、種皮と胚軸を取り除く処理が行われている。

一方で、胚軸部分には、イソフラボンサポニンといった有効成分が高濃度に含まれることが知られており、近年、胚軸を含有させつつ、風味も良好な豆乳の開発が進められている。

例えば、特許文献2には、生の胚軸に、上記の従来手法で作られた豆乳を添加しながらグラインダー磨砕し、続いて、おからを分離することなく19〜78MPaの高圧ホモゲナイズ処理を施すことで、大豆イソフラボン含有量が多く、かつ、風味の良好な豆乳を製造する技術が開示されている。

しかし、特許文献2の技術は、引き水の代わりに豆乳を使って胚軸を磨砕することを前提としており、引き水の代わりに使用する豆乳は、従来同様、おからを分離して製造されるため、「大豆イソフラボン含有量が多く、かつ、風味の良好な豆乳」の全製造工程から、おから排出をゼロとすることはできず、全ての大豆を丸ごと無駄なく使用することはできていない、という問題があった。

また、特許文献2の技術では、豆乳を製造する一連設備のほかに胚軸を磨砕するためにグラインダーや加熱装置冷却装置高圧ホモゲナイザー等、通常の2倍以上の設備が必要となり、これらの機器を導入するための設備コストや、電力エネルギーコストも高くなり製造コストが大幅に嵩むという問題があった。

その他、特許文献2の技術では、引き水の代わりに使用する「従来手法で作られた豆乳」を製造するための各工程(「大豆→浸漬→磨砕→加熱→おから分離→冷却→豆乳」)を経た後に、「大豆イソフラボン含有量が多く、かつ、風味の良好な豆乳」を製造するための各工程(「豆乳+胚軸→磨砕→加熱→冷却→高圧均質化」)が必要となり、加熱工程や冷却工程が繰り返されるため、過変性の原因となる恐れが高く、一般的な飲料の製法としては現実的ではないという問題もあった。また、引き水の代わりに使用する豆乳の製造に際し、「浸漬」工程が必須となり、製造時間が長くなる問題もあった。

更に、特許文2の技術によって「なめらか食感の豆乳」を得るためには、高圧ホモゲナイザーを複数台(2台以上)直列に設置して段階的に高圧力による均質化を図る必要があり、大規模な設備が必要となるため、設備コストの観点から好ましくないという問題があった。

更に、特許文献2の技術では、胚軸を磨砕するためのグラインダーとして、サワーボーイやサワーミルマスコロイダーなどの湿式グラインダーが使用されているが、湿式のグラインダーを用いて磨砕された胚軸は、粒度分布(0.05m〜2mm)に大きなバラつきが見られ、粒径の大きな(粒径150μm以上)固形物不可避的に混在している。次工程で用いる高圧ホモゲナイザーは、本来、粒度分布が小さく、かつ、粒径の大きな固形物が混入していないサンプルの高圧ホモゲナイズ処理を目的とした構造を有しているため、前記の湿式のグラインダーを用いて磨砕された胚軸のように、粒度分布に大きなバラつきが見られ、粒径の大きな固形物も不可避的に混在しているサンプルの高圧ホモゲナイズ処理に用いた場合、高圧ホモゲナイザーへの負担が大きくなり、特に、胚軸の割合を増やしたり、長時間運転を行った場合には、粒度の大きな固形分によって高圧ホモゲナイザーのシール部が破損して液が逆流するトラブルロッド損耗といったトラブルが生じやすいという問題があった。

概要

原料となる大豆に含まれるおから、および、胚軸を丸ごと含有させつつ、風味も食感も良好な全粒大豆飲料」を、グラインダーや高圧ホモゲナイザーといった特殊な機器の使用を前提とせず、簡易設備構成で、歩留まりもよく低動力かつ低コストかつ短時間に、製造する技術を提供すること。生大豆を乾燥後、脱皮処理して、胚軸を取り出し、該胚軸を加熱処理した後、前記胚軸を、55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50) 20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕する胚軸粉末準備工程と、前記胚軸を取り出した大豆を55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50) 20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕する大豆粉準備工程と、前記胚軸粉末を0.05〜2質量%、前記大豆粉末を2〜22質量%含有させて、全粒大豆飲料とする原料調合工程を有する。なし

目的

次工程で用いる高圧ホモゲナイザーは、本来、粒度分布が小さく、かつ、粒径の大きな固形物が混入していないサンプルの高圧ホモゲナイズ処理を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

大豆を乾燥後、脱皮処理して、胚軸を取り出し、該胚軸を加熱処理した後、前記胚軸を、55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50) 20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕する胚軸粉末準備工程と、前記胚軸を取り出した大豆を55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50)20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕する大豆粉準備工程と、前記胚軸粉末を0.05〜2質量%、前記大豆粉末を2〜22質量%を、ベース液に分散させて、全粒大豆飲料とする原料調合工程を有することを特徴とする全粒大豆飲料の製造方法。

請求項2

前記加熱処理は、150〜200℃で、0.5〜40分間行うことを特徴とする請求項1記載の全粒大豆飲料の製造方法。

請求項3

前記加熱処理として、焙煎処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載の全粒大豆飲料の製造方法。

請求項4

前記焙煎処理の熱源として、過熱水蒸気を用いることを特徴とする請求項3記載の全粒大豆飲料の製造方法。

請求項5

前記の原料調合工程に続きホモゲナイザー内を20〜60Mpaの圧力とし、1パス均質化処理を行う均質化工程を有することを特徴とする請求項1記載の全粒大豆飲料の製造方法。

請求項6

前記原料調合工程では、ベース液として、70〜100℃の熱水を使用し、該ベース液に、大豆粉末と胚軸粉末を撹拌、分散、溶解、乳化させることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の全粒大豆飲料の製造方法。

請求項7

前記原料調合工程では、ベース液として、脱酸素水を使用し、該ベース液に、大豆粉末と胚軸粉末を撹拌、分散、溶解、乳化させることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の全粒大豆飲料の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、胚軸入り全粒大豆飲料の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

通常の飲料用途の豆乳は、大豆脱皮して、種皮と胚軸を取り除く処理を行い、残った子葉部分を加熱して酵素失活させた後、熱水を加えながら粉砕し、得られた「呉」に消泡剤を添加して加熱することにより、おからを分離して製造される。

0003

近年、従来廃棄されてきたおから部分に含まれる栄養成分を摂取可能とすべく、各種製品の開発が進められ、例えば、おからに含まれる栄養分を摂取可能としたオカラ成分含有飲料を製造する技術(特許文献1)が開示されている。

0004

しかし、特許文献1の技術では、炭酸水素ナトリウムクエン酸三ナトリュムなどPH調整材を使ってアルカリ化させないと成分が十分溶出しないなどの問題があった。

0005

また、大豆の胚軸部分は、エグ味がつよく、豆乳の風味を損なう要因となるため、特許文献1の技術でも、前記の通常の飲料用途の豆乳と同様に、大豆の脱皮工程で、種皮と胚軸を取り除く処理が行われている。

0006

一方で、胚軸部分には、イソフラボンサポニンといった有効成分が高濃度に含まれることが知られており、近年、胚軸を含有させつつ、風味も良好な豆乳の開発が進められている。

0007

例えば、特許文献2には、生の胚軸に、上記の従来手法で作られた豆乳を添加しながらグラインダー磨砕し、続いて、おからを分離することなく19〜78MPaの高圧ホモゲナイズ処理を施すことで、大豆イソフラボン含有量が多く、かつ、風味の良好な豆乳を製造する技術が開示されている。

0008

しかし、特許文献2の技術は、引き水の代わりに豆乳を使って胚軸を磨砕することを前提としており、引き水の代わりに使用する豆乳は、従来同様、おからを分離して製造されるため、「大豆イソフラボン含有量が多く、かつ、風味の良好な豆乳」の全製造工程から、おから排出をゼロとすることはできず、全ての大豆を丸ごと無駄なく使用することはできていない、という問題があった。

0009

また、特許文献2の技術では、豆乳を製造する一連設備のほかに胚軸を磨砕するためにグラインダーや加熱装置冷却装置高圧ホモゲナイザー等、通常の2倍以上の設備が必要となり、これらの機器を導入するための設備コストや、電力エネルギーコストも高くなり製造コストが大幅に嵩むという問題があった。

0010

その他、特許文献2の技術では、引き水の代わりに使用する「従来手法で作られた豆乳」を製造するための各工程(「大豆→浸漬→磨砕→加熱→おから分離→冷却→豆乳」)を経た後に、「大豆イソフラボン含有量が多く、かつ、風味の良好な豆乳」を製造するための各工程(「豆乳+胚軸→磨砕→加熱→冷却→高圧均質化」)が必要となり、加熱工程や冷却工程が繰り返されるため、過変性の原因となる恐れが高く、一般的な飲料の製法としては現実的ではないという問題もあった。また、引き水の代わりに使用する豆乳の製造に際し、「浸漬」工程が必須となり、製造時間が長くなる問題もあった。

0011

更に、特許文2の技術によって「なめらか食感の豆乳」を得るためには、高圧ホモゲナイザーを複数台(2台以上)直列に設置して段階的に高圧力による均質化を図る必要があり、大規模な設備が必要となるため、設備コストの観点から好ましくないという問題があった。

0012

更に、特許文献2の技術では、胚軸を磨砕するためのグラインダーとして、サワーボーイやサワーミルマスコロイダーなどの湿式グラインダーが使用されているが、湿式のグラインダーを用いて磨砕された胚軸は、粒度分布(0.05m〜2mm)に大きなバラつきが見られ、粒径の大きな(粒径150μm以上)固形物不可避的に混在している。次工程で用いる高圧ホモゲナイザーは、本来、粒度分布が小さく、かつ、粒径の大きな固形物が混入していないサンプルの高圧ホモゲナイズ処理を目的とした構造を有しているため、前記の湿式のグラインダーを用いて磨砕された胚軸のように、粒度分布に大きなバラつきが見られ、粒径の大きな固形物も不可避的に混在しているサンプルの高圧ホモゲナイズ処理に用いた場合、高圧ホモゲナイザーへの負担が大きくなり、特に、胚軸の割合を増やしたり、長時間運転を行った場合には、粒度の大きな固形分によって高圧ホモゲナイザーのシール部が破損して液が逆流するトラブルロッド損耗といったトラブルが生じやすいという問題があった。

先行技術

0013

特許3885194号公報
特許4331747号公報

発明が解決しようとする課題

0014

本発明の目的は前記の問題を解決し、「原料となる大豆に含まれるおから、および、胚軸を丸ごと含有させつつ、風味も食感も良好な全粒大豆飲料」を、グラインダーや高圧ホモゲナイザーといった特殊な機器の使用を前提とせず、簡易設備構成で、歩留まりもよく低動力かつ低コストかつ短時間に、製造する技術を提供することである。

課題を解決するための手段

0015

上記課題を解決するためになされた本発明の全粒大豆飲料の製造方法は、生大豆を乾燥後、脱皮処理して、胚軸を取り出し、該胚軸を加熱処理した後、前記胚軸を、55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50)20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90% 以上となるように微粉砕する胚軸粉末準備工程と、前記胚軸を取り出した大豆を55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50) 20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕する大豆粉準備工程と、前記胚軸粉末を0.05〜2質量%、前記大豆粉末を2〜22質量%を、ベース液に分散させて、全粒大豆飲料とする原料調合工程を有することを特徴とするものである。

0016

請求項2記載の発明は、請求項1記載の全粒大豆飲料の製造方法において、前記加熱処理は、150〜200℃で、0.5〜40分間行うことを特徴とするものである。

0017

請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の全粒大豆飲料の製造方法において、前記加熱処理として、焙煎処理を行うことを特徴とするものである。

0018

請求項4記載の発明は、請求項3記載の全粒大豆飲料の製造方法において、前記焙煎処理の熱源として、過熱水蒸気を用いることを特徴とするものである。

0019

請求項5記載の発明は、請求項1記載の全粒大豆飲料の製造方法において、前記の原料調合工程に続きホモゲナイザー内を20〜60Mpaの圧力とし、1パスの均質化処理を行う均質化工程を有することを特徴とするものである。

0020

請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の全粒大豆飲料の製造方法において、前記原料調合工程では、ベース液として、70〜100℃の熱水を使用し、該ベース液に、大豆粉末と胚軸粉末を撹拌、分散、溶解、乳化させることを特徴とするものである。

0021

請求項7記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の全粒大豆飲料の製造方法において、前記原料調合工程では、ベース液として、脱酸素水を使用し、該ベース液に、大豆粉末と胚軸粉末を撹拌、分散、溶解、乳化させることを特徴とするものである。

発明の効果

0022

生大豆を乾燥後、脱皮処理して、胚軸を取り出し、該胚軸を加熱処理することにより、胚軸部分のエグ味を除去することができる。

0023

また、特開2002−159274のように大豆を20μm以下に粉砕して、高イソフラボン含有豆腐を製造する技術は知られているが、通常、気流粉砕20μm以下に粉砕するには5000rpmの高速回転回転翼を回す必要があり、粉砕時に発生する摩擦熱により大豆等は熱変性が進み、このような熱変性した大豆粉で豆乳を作った場合、水溶性たんぱく質抽出効率が低下して、溶解性が悪くなり、粉っぽく、なめらかさに欠ける豆乳になる。また粘度も高くなるなどの弊害もでる。これに対し、本発明では、冷却装置を組み込んだ気流粉砕機で、胚軸および大豆の双方を、55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50)20〜40μmかつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕することにより、前記の欠点を回避している。

0024

更に、胚軸を取り出した大豆を55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50) 20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90% 以上とした大豆粉末は、通常の粉砕機で粉砕したものに比べて、溶解性に優れ、水溶性たんぱく質の抽出効率もよい特性を有する。

0025

以上の相乗効果により、本発明によれば、「原料となる大豆に含まれる機能性成分(おから、胚軸など)を丸ごと含有させつつ、風味も食感も良好な全粒大豆飲料」を、グラインダーや高圧ホモゲナイザーといった特殊な機器の使用を前提とせず、簡易な設備構成で、低動力かつ低コスト製造することができる。また、本発明によれば、豆乳の製造に際し、「浸漬」工程が不要となるため、製造時間の短縮を図ることもできる。

0026

本発明によれば、原料となる大豆に含まれる機能性成分(おから、胚軸など)を丸ごと含有させることにより、イソフラボンや、サポニン、繊維質など健康機能性成分を有効に摂取できる他、豆乳の収量の大幅な向上を図ることもできる。具体的には、飲料用途の豆乳の通常の製造方法(大豆を脱皮して、種皮と胚軸を取り除く処理を行い、残った子葉部分を加熱して酵素失活させた後、熱水を加えながら粉砕し、得られた「呉」に消泡剤を添加して加熱することにより、おからを分離する製造方法)では、大豆固形分8%程度ものを作る場合、大豆1kgから得られる豆乳は5kg程度に留まるのに対し、本発明の方法によれば、大豆1kgから12kg程度の豆乳を製造することができる。

0027

更に、無駄なおからを排出しない本発明によれば、エネルギー効率の向上と産業廃棄物の削減という効果も奏することができる。

実施例

0028

以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
(胚軸粉末準備工程)
大豆を常温で乾燥し水分を10%以下にしたものを、脱皮機を用いて脱皮し、胚軸除去機にて風選して胚軸を得る。大豆を脱皮すると種皮が取れ、子葉は2分割し、胚軸も子葉から外れる。

0029

胚軸粉末準備工程では、この胚軸を、150〜200℃の過熱水蒸気で、0.5〜40分加熱処理した後、前記胚軸を、55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50) 20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕する。

0030

特開平10−4904等に記載のように、胚軸は、焙煎により、エグ味を除去できることが知られている。しかし、従来、胚軸の焙煎には、電熱ロースターや、熱風ロースターが用いられており、例えば、160℃で60〜160分間の焙煎が必要であったため、その間、大気中の酸素に晒された胚軸が酸化しやすく、エグ味は除去されるものの、酸化により生じた新たな成分により、風味が損なわる問題がある。これに対し、本発明では、過熱水蒸気を用いて焙煎を行うため、胚軸の酸化に起因する問題を回避することができる。また、過熱水蒸気は高温空気排ガスと比べて、単位体積当たりの熱容量がはるかに大きいため、コンパクトな装置で、短時間に効率よく焙煎処理を完了することができる。更に、一般的な食品乾燥や加熱の際には、メイラード反応によってタンパク質が変化して栄養価が低下したり、メイラード臭も呼ばれる「焦げ香り」が発生することが知られているが、過熱水蒸気を用いることにより、メイラード反応を低く抑えることもできる。なお、焙煎時間が、5分未満では、胚軸のエグ味、収れん味の除去が不十分となり、40分超では、抗酸化成分等健康機能成分が著しく減少するため、0.5〜40分とすることが好ましい。

0031

豆類穀類のような食品等の粉砕には、従来からハンマーミルピンミル等の被砕物に叩き割るような衝撃を加えて粉砕する衝撃式粉砕機が広く用いられてきた。しかし衝撃式粉砕機は微粉末化しようとすると衝撃による発熱が大きくなり、微粉砕された製品の品質悪化を招くことがあった。また、被砕物が大豆等の脂質含有量が多いものである場合には、油で練られたような状態となって粉砕が不可能となることがあった。また、被砕物を液体窒素等の冷媒によって脆化させて粉砕する凍結粉砕法は、様々なものを微粉砕できる優れた粉砕方法であるが、高価な液体窒素等を大量に必要とするためにランニングコストが高くなり、また粉砕機自体も保冷が必要なために大きな設備投資が必要であるという問題があった。これに対し、本発明では、気流粉砕(激しい気流の中で被砕物どうしを衝突させて粉砕する手法)を行っているため、衝撃による発熱を抑えることができ、素材成分劣化素材ダメージを抑えながら、効率よく微粉砕することができるとともに、設備投資やランニングコストも抑えることができる。

0032

(大豆粉準備工程)
大豆粉準備工程では、胚軸を取り出した大豆を55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50) 20〜40μm、かつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕する。

0033

常気流粉砕で20μm以下の粉を製造する場合は5000rpm 以上の高速回転で回転翼を回す必要があり、このような条件で粉砕を行うと、粉砕に伴って発生する熱によって大豆が熱変性してしまう。このような熱変性した大豆粉で豆乳を作った場合、水溶性たんぱく質の抽出効率が低下して、溶解性が悪くなり、粉っぽく、なめらかさに欠ける豆乳になる。これらはBRI測定装置でも確認できる。また粘度も高くなるなどの弊害もでる。これに対し、本発明では、胚軸および大豆の双方を、55℃以下で気流粉砕し、メディアン径(d50) 20〜40μmかつ、粒径100μm以下の割合が90%以上となるように微粉砕することにより、前記の欠点を回避している。

0034

(原料調合工程)
原料調合工程では、前記胚軸粉末を0.05〜2質量%、前記大豆粉末を2〜22質量%含有させて、全粒大豆飲料とする。ベース液として、70〜100℃の熱水または脱酸素水、の何れかまたは双方を使用し、大豆臭を低減させて撹拌、分散、溶解、乳化されることが好ましい。胚軸粉末が0.05質量%未満では、大豆イソフラボンやサポニンなど健康機能性成分が少なすぎるため好ましくない。胚軸粉末が22質量%以上では、大豆イソフラボンやサポニンによる収れん味などが多くり、ざらつきが増すため好ましくない。大豆粉末が2質量%未満では、豆の栄養成分を摂取するに十分でなく本発明の効果を発揮できない。大豆粉末が22質量%以上では、加熱時の焦げなどの発生も多く加熱殺菌が不十分になることや粘度が増して飲料として適さない。

0035

なお、大豆臭の素になるリポキシゲナーゼは酸素と結合することで独特の大豆臭をだすといわれている。このため、原料調合工程では、70〜100℃の熱水で、大豆粉末と胚軸粉末を撹拌、分散、溶解、乳化させたり、脱酸素水を溶媒として、大豆粉末と胚軸粉末を撹拌、分散、溶解、乳化させて、大豆臭の低減を図ることが好ましい。

0036

(均質化工程)
賞味期限の短い豆乳用飲料の製造時には、均質化工程は不要であるが、賞味期限の長い者の場合には、前記の原料調合工程に続き、ホモゲナイザー内を20〜60Mpaの圧力とし、1パスの均質化処理を行うことで、長期間なめらかな食感を維持することもできる。

0037

(実施例)
大豆粉準備工程
国産大豆100kgを電気式乾燥庫を用いて水分10%以下まで乾燥した。該乾燥大豆を脱皮機を用いて乾式脱皮し最終工程で目開きφ1.5mmのパンチングいで篩別したパス品を胚軸部分とした。胚軸部分を篩別して得られた子葉部分の重量は83kgであった。該子葉部分を乾式気流式粉砕機を用いて粉砕室を冷却しながら3600rpmで粉砕し、大豆粉を得た。粉砕時の製品温度は45℃以下であった。得られた大豆粉の重量は81kgであり、該大豆粉は大豆らしい淡黄色を示し、メディアン径は24μm、粒径100μm以下の割合は97.5%、大豆イソフラボン(アグリコン当量)は120mg/100gであった。該大豆粉を以下の実施例すべてにおいて使用した。
(実施例1)
大豆粉準備工程の脱皮の最終工程で篩別して得られた胚軸部分をガス直火で褐色に着色するまで15分間焙煎した。焙煎終了時の品温は130℃であった。該焙煎胚軸を乾式気流式粉砕機を用いて粉砕室を冷却しながら3600rpmで粉砕し、焙煎胚軸粉を得た。該焙煎胚軸粉は淡褐色を示し、メディアン径は19μm、粒径100μm以下の割合は99.5%、大豆イソフラボン(アグリコン当量)含量は670mg/100gであった。
大豆粉準備工程で得られた大豆粉8kg、該焙煎胚軸粉700gを水道水70lに分散させ、大豆粉末用豆乳プラント(ミナミ産業(株)製:DMP-100)を用いて全粒大豆飲料を調製した。直接蒸気式の加熱方式凝集した水分も合わせて得られた全粒大豆飲料は95lであり、屈折糖度計で測定した糖度はBrix8.5であった。該全粒大豆飲料の大豆イソフラボン(アグリコン当量)含量は15mg/100gであった。該全粒大豆飲料はほのかに香ばしい黄粉様の香りをもち、えぐみ臭みも無く、滑らかな喉越しであった。
(実施例2)
大豆粉準備工程の脱皮の最終工程で篩別して得られた胚軸部分を電磁誘導式過熱蒸気発生装置を用いて発生させた180℃の過熱水蒸気で30秒間加熱した。該加熱処理胚軸を乾式気流式粉砕機を用いて粉砕室を冷却しながら3600rpmで粉砕し、加熱処理胚軸粉を得た。該加熱処理胚軸粉は大豆粉よりやや濃い淡黄色を示し、メディアン径は17μm、粒径100μm以下の割合は99%、大豆イソフラボン(アグリコン当量)含量は630mg/100gであった。
大豆粉準備工程で得られた大豆粉8kg、該焙煎胚軸粉700gを水道水70lに分散させ、大豆粉末用豆乳プラント(ミナミ産業(株)製:DMP-100)を用いて全粒大豆飲料を調製した。直接蒸気式の加熱方式で凝集した水分も合わせて得られた全粒大豆飲料は94Lであり、屈折糖度計で測定した糖度はBrix8.6であった。該全粒大豆飲料の大豆イソフラボン(アグリコン当量)含量は15mg/100gであった。該全粒大豆飲料は大豆飲料らしい香りをもち、えぐみや臭みも無く、滑らかな喉越しであった。
(実施例3)
実施例2の全粒大豆飲料調製工程において、大豆粉及び加熱処理胚軸粉を水道水に分散させた後、ホモゲナイザーを用いて30MPaで1パスの均質化工程を加えた後、大豆粉末用豆乳プラント(ミナミ産業(株)製:DMP-100)を用いて全粒大豆飲料を調製した。該全粒大豆飲料は大豆飲料らしい香りをもち、えぐみや臭みも無く、実施例2で得られた全粒大豆飲料よりも低粘度で滑らかな喉越しであった。
(実施例4)
実施例2の全粒大豆飲料調製工程において、大豆粉及び加熱処理胚軸粉を80℃の水道水に分散させた後、大豆粉末用豆乳プラント(ミナミ産業(株)製:DMP-100)を用いて全粒大豆飲料を調製した。該全粒大豆飲料は大豆飲料らしい香りをもち、実施例2で得られた全粒大豆飲料よりも大豆っぽさが少なく、滑らかな喉越しであった。

0038

(比較例1)
実施例の大豆粉準備工程で得られた脱皮乾燥子葉部分を乾式気流式粉砕機を用いて粉砕室を冷却せずに5000rpmで粉砕し、大豆粉を得た。粉砕時の製品温度は75℃であった。得られた大豆粉の重量は79kgであり、該大豆粉は実施例の大豆粉よりもやや濃い淡黄色を示し、メディアン径は19μm、粒径100μm以下の割合は98%であった。
該大豆粉8kgと実施例1で得られた焙煎胚軸粉700gを水道水70lに分散させ、大豆粉末用豆乳プラント(ミナミ産業(株)製:DMP-100)を用いて全粒大豆飲料を調製した。直接蒸気式の加熱方式で凝集した水分も合わせて得られた全粒大豆飲料は95Lであり、屈折糖度計で測定した糖度はBrix6であった。該全粒大豆飲料は粘度が高くのようであり、喉越しにややざらつきが感じられた。
(比較例2)
実施例の大豆粉準備工程の脱皮の最終工程で篩別して得られた胚軸部分を家庭用蒸し鍋を用いて飽和水蒸気で5分間加熱処理した。該加熱処理胚軸の水分は10%であった。該加熱処理胚軸を乾式気流式粉砕機を用いて粉砕室を冷却しながら3600rpmで粉砕し、加熱処理胚軸粉を得た。該加熱処理胚軸粉は淡褐色を示し、メディアン径は25μm、粒径100μm以下の割合は96.5%、大豆イソフラボン(アグリコン当量)含量は670mg/100gであった。
実施例の大豆粉準備工程で得られた大豆粉8kg、該加熱処理胚軸粉700gを水道水70lに分散させ、大豆粉末用豆乳プラント(ミナミ産業(株)製:DMP-100)を用いて全粒大豆飲料を調製した。直接蒸気式の加熱方式で凝集した水分も合わせて得られた全粒大豆飲料は94.5Lであり、屈折糖度計で測定した糖度はBrix8.8であった。該全粒大豆飲料は実施例2で得られた全粒大豆飲料に比較してえぐみが強く青臭みも感じられた。
(比較例3)
実施例の大豆粉準備工程で得られた脱皮乾燥子葉部分を乾式気流式粉砕機(ミナミ産業(株)製:ミナクロンミル)を用いて粉砕室を冷却しながら周速2400rpmで粉砕し、大豆粉を得た。該大豆粉は実施例の大豆粉と同様の淡黄色を示し、メディアン径は33μm、粒径100μm以下の割合は87%であった。
該大豆粉8kgと実施例1で得られた焙煎胚軸粉700gを水道水70lに分散させ、大豆粉末用豆乳プラント(ミナミ産業(株)製:DMP-100)を用いて全粒大豆飲料を調製した。直接蒸気式の加熱方式で凝集した水分も合わせて得られた全粒大豆飲料は95Lであり、屈折糖度計で測定した糖度はBrix7.6であった。該全粒大豆飲料はざらつきが感じられ、舌触り、喉越しが悪く、飲み下しにくいものであった。

0039

官能評価
実施例1〜4、比較例1・2で得られた全粒大豆飲料を10人のパネリストを用いて官能評価を行った。評価項目は大豆風味(5点:強い、4点:やや強い、3点:普通、2点:やや弱い、1点:弱い)、滑らかさ(5点:滑らか、4点:やや滑らか、3点:普通、2点:やや滑らかでない、1点:滑らかでない)、飲みやすさ(5点:良い、4点やや良い、3点:普通、2点:やや悪い、1点:悪い)、えぐみ(5点:強い、4点:やや強い、3点:普通、2点:やや弱い、1点:弱い)、総合評価(5点:おいしい、4点:ややおいしい、3点:普通、2点:ややまずい、1点:まずい)とした。官能評価の結果は表1のとおりとなった。

0040

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