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技術 聴覚補完システム、聴覚補完装置及び聴覚補完方法

出願人 日東電工株式会社
発明者 畑中武蔵津田尚矢野周治櫛勝彦
出願日 2014年1月22日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2014-009196
公開日 2015年7月30日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2015-139084
状態 特許登録済
技術分野 可聴帯域変換器の回路等 音声の分析・合成 可聴帯域変換器の細部(特性を得るもの) 補聴器
主要キーワード 補完装置 沈静状態 出力音データ 感情表示 ノイズ除去レベル 車両音 方向識別 車両走行音
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

利用者聴覚を効率的に補完し、もって利用者に対して快適な生活環境を提供すること。

解決手段

コアユニット20の聴覚補完処理部23aは、自装置で集音した音データから生活音データ音方向データ及び話者感情データ等を聴覚補完情報として生成する。聴覚補完処理部23aは、生活音データをイヤピース10に送信し、音方向データ及び話者感情データを自装置の表示部27aへの表示制御に用いる。イヤピース10は、自装置で集音した音データのノイズを除去しつつ増幅し、コアユニット20から受信した生活音データと合成して出力する。

概要

背景

従来、音を増幅する補聴器により聴覚障害者の聴こえの問題を解消する技術が知られている。最近では、音をデジタル信号処理し、聴覚障害者に対してノイズを低減したクリア音声を提供するデジタル方式の補聴器が主流になりつつある。

例えば、特許文献1には、アナログ入力音信号デジタル入力信号に変換し、外部メモリからプログラム及び設定値を読み込み、デジタル入力信号に対して信号処理を行い、信号処理した信号をアナログ出力信号に変換し、アナログ出力信号又はアナログ入力音信号を切り替え出力音信号として出力する技術が開示されている。また、低音域と高音域を分割しつつ必要に応じて高音域を低減することでノイズを低減する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。

このように、上記特許文献1及び2等に代表される従来の補聴器では、聴覚障害者に対してよりクリアな音声を提供する観点から様々な工夫がなされている。

概要

利用者聴覚を効率的に補完し、もって利用者に対して快適な生活環境を提供すること。コアユニット20の聴覚補完処理部23aは、自装置で集音した音データから生活音データ音方向データ及び話者感情データ等を聴覚補完情報として生成する。聴覚補完処理部23aは、生活音データをイヤピース10に送信し、音方向データ及び話者感情データを自装置の表示部27aへの表示制御に用いる。イヤピース10は、自装置で集音した音データのノイズを除去しつつ増幅し、コアユニット20から受信した生活音データと合成して出力する。

目的

最近では、音をデジタル信号処理し、聴覚障害者に対してノイズを低減したクリアな音声を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

利用者到来する音データを集音する1又は複数の集音手段と、前記集音手段により集音された音データから音声を抽出する音声抽出手段と、前記集音手段により集音された音データから前記利用者の聴覚補完する聴覚補完情報を抽出する聴覚補完情報抽出手段と、前記聴覚補完情報抽出手段により抽出された聴覚補完情報を報知する報知手段と、少なくとも前記音声抽出手段により抽出された音声を含む出力音データを前記利用者に出力する音出力手段とを備えたことを特徴とする聴覚補完システム

請求項2

前記聴覚補完情報抽出手段は、前記集音手段により集音された音データから所定の周波数帯の音を前記聴覚補完情報として抽出し、前記報知手段は、前記聴覚補完情報抽出手段により抽出された所定の周波数帯の音を前記音声抽出手段により抽出された音声に重畳して前記出力音データを生成することを特徴とする請求項1に記載の聴覚補完システム。

請求項3

前記利用者の周辺状況を判定する状況判定手段をさらに備え、前記聴覚補完情報抽出手段は、前記集音手段により集音された音データから前記周辺状況に対応した周波数帯の音を前記聴覚補完情報として抽出し、前記報知手段は、前記聴覚補完情報抽出手段により抽出された周波数帯の音を前記音声抽出手段により抽出された音声に重畳して前記出力音データを生成することを特徴とする請求項2に記載の聴覚補完システム。

請求項4

前記聴覚補完情報抽出手段は、前記集音手段により集音された音データに含まれる音の到来方向を前記聴覚補完情報として抽出し、前記報知手段は、前記音データに含まれる音の到来方向を所定の表示手段に表示制御することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の聴覚補完システム。

請求項5

前記集音手段を複数備え、前記聴覚補完情報抽出手段は、前記複数の集音手段により集音された複数の音データにおける音の到来時間の差に応じて到来方向を判定することを特徴とする請求項4に記載の聴覚補完システム。

請求項6

前記聴覚補完情報抽出手段は、前記集音手段により集音された音データに含まれる音声から話者感情を前記聴覚補完情報として抽出し、前記報知手段は、前記話者の感情を所定の表示手段に表示制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の聴覚補完システム。

請求項7

前記聴覚補完情報抽出手段は、前記集音手段により集音された音データに含まれる音声の大きさ、高さ及び/又はピッチの変化を検出し、検出した変化により推定される話者の感情を前記聴覚補完情報として抽出することを特徴とする請求項6に記載の聴覚補完システム。

請求項8

利用者のに装着される聴覚補完装置であって、前記利用者に到来する音データを集音する1又は複数の集音手段と、前記集音手段により集音された音データから音声を抽出する音声抽出手段と、前記集音手段により集音された音データから前記利用者の聴覚を補完する聴覚補完情報を抽出する聴覚補完情報抽出手段と、前記聴覚補完情報抽出手段により抽出された聴覚補完情報を報知する報知手段と、少なくとも前記音声抽出手段により抽出された音声を含む出力音データを前記利用者に出力する音出力手段とを備えたことを特徴とする聴覚補完装置。

請求項9

利用者に到来する音データを集音する集音ステップと、前記集音ステップにより集音された音データから音声を抽出する音声抽出ステップと、前記集音ステップにより集音された音データから前記利用者の聴覚を補完する聴覚補完情報を抽出する聴覚補完情報抽出ステップと、前記聴覚補完情報抽出ステップにより抽出された聴覚補完情報を報知する報知ステップと、少なくとも前記音声抽出ステップにより抽出された音声を含む出力音データを前記利用者に出力する音出力ステップとを含んだことを特徴とする聴覚補完方法

技術分野

0001

この発明は、利用者聴覚補完する聴覚補完システム、聴覚補完装置及び聴覚補完方法に関する。

背景技術

0002

従来、音を増幅する補聴器により聴覚障害者の聴こえの問題を解消する技術が知られている。最近では、音をデジタル信号処理し、聴覚障害者に対してノイズを低減したクリア音声を提供するデジタル方式の補聴器が主流になりつつある。

0003

例えば、特許文献1には、アナログ入力音信号デジタル入力信号に変換し、外部メモリからプログラム及び設定値を読み込み、デジタル入力信号に対して信号処理を行い、信号処理した信号をアナログ出力信号に変換し、アナログ出力信号又はアナログ入力音信号を切り替え出力音信号として出力する技術が開示されている。また、低音域と高音域を分割しつつ必要に応じて高音域を低減することでノイズを低減する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。

0004

このように、上記特許文献1及び2等に代表される従来の補聴器では、聴覚障害者に対してよりクリアな音声を提供する観点から様々な工夫がなされている。

先行技術

0005

特開2011−035684号公報
特開2012−109933号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、聴覚障害者は、可能な限り聴覚に支障がない健聴者と同等な生活スタイル日常を過ごすことを望んでおり、単にノイズが低減されたクリアな音声で話者発話内容を聴き取ることを望んでいるわけではない。

0007

例えば、健聴者は、台所から聴こえるコトコト音などの生活音により安らぎや充実感等を感じる場合が多いが、かかる生活音がノイズとともに除去されてしまうと、聴覚障害者が生活音に伴う安らぎや充実感を得ることができない。なお、聴覚障害者が生活音を聴き取れるようにノイズ除去レベル下げると、該聴覚障害者が公共場所等に所在する際に却ってノイズが増加してしまい、聴覚障害者がクリアな音声を聴き取れない結果となる。

0008

また、健聴者は、話者の声の高低パターンを示すトーン並びに声の響き調子を示す声色から話者の心中を察するケースが多いが、デジタル方式で量子化する際の量子化誤差等によってトーンや声色に関する情報が失われると、聴覚障害者が健聴者と同様に話者の心中を察することができない結果となる。

0009

さらに、健聴者は、複数の話者と会話する場合に、個々の話者の声の周波数の違いや声の到来方向などを考慮して誰の発言であるかを無意識に認識しているが、上記量子化誤差等により方向情報や周波数のわずかな差違が失われると、誰の発言であるかを認識できない結果となる。

0010

これらのことから、聴覚障害者と健聴者の間に所在する聴覚に関するギャップを補完し、聴覚障害者に対して健聴者と同等な生活スタイルをいかにして提供するかが重要な課題となっている。なお、かかる課題は、聴覚障害者のみについて生ずる課題ではなく、健聴者のうちの比較的難聴傾向にある利用者についても同様に生ずる課題である。

0011

本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであって、利用者の聴覚を効率的に補完し、もって利用者に対して快適な生活環境を提供することができる聴覚補完システム、聴覚補完装置及び聴覚補完方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、利用者に到来する音データを集音する1又は複数の集音手段と、前記集音手段により集音された音データから音声を抽出する音声抽出手段と、前記集音手段により集音された音データから前記利用者の聴覚を補完する聴覚補完情報を抽出する聴覚補完情報抽出手段と、前記聴覚補完情報抽出手段により抽出された聴覚補完情報を報知する報知手段と、少なくとも前記音声抽出手段により抽出された音声を含む出力音データを前記利用者に出力する音出力手段とを備えたことを特徴とする。

0013

また、本発明は、上記発明において、前記聴覚補完情報抽出手段は、前記集音手段により集音された音データから所定の周波数帯の音を前記聴覚補完情報として抽出し、前記報知手段は、前記聴覚補完情報抽出手段により抽出された所定の周波数帯の音を前記音声抽出手段により抽出された音声に重畳して前記出力音データを生成することを特徴とする。

0014

また、本発明は、上記発明において、前記利用者の周辺状況を判定する状況判定手段をさらに備え、前記聴覚補完情報抽出手段は、前記集音手段により集音された音データから前記周辺状況に対応した周波数帯の音を前記聴覚補完情報として抽出し、前記報知手段は、前記聴覚補完情報抽出手段により抽出された周波数帯の音を前記音声抽出手段により抽出された音声に重畳して前記出力音データを生成することを特徴とする。

0015

また、本発明は、上記発明において、前記聴覚補完情報抽出手段は、前記集音手段により集音された音データに含まれる音の到来方向を前記聴覚補完情報として抽出し、前記報知手段は、前記音データに含まれる音の到来方向を所定の表示手段に表示制御することを特徴とする。

0016

また、本発明は、上記発明において、前記集音手段を複数備え、前記聴覚補完情報抽出手段は、前記複数の集音手段により集音された複数の音データにおける音の到来時間の差に応じて到来方向を判定することを特徴とする。

0017

また、本発明は、上記発明において、前記聴覚補完情報抽出手段は、前記集音手段により集音された音データに含まれる音声から話者の感情を前記聴覚補完情報として抽出し、前記報知手段は、前記話者の感情を所定の表示手段に表示制御することを特徴とする。

0018

また、本発明は、上記発明において、前記聴覚補完情報抽出手段は、前記集音手段により集音された音データに含まれる音声の大きさ、高さ及び/又はピッチの変化を検出し、検出した変化により推定される話者の感情を前記聴覚補完情報として抽出することを特徴とする。

0019

また、本発明は、利用者のに装着される聴覚補完装置であって、前記利用者に到来する音データを集音する1又は複数の集音手段と、前記集音手段により集音された音データから音声を抽出する音声抽出手段と、前記集音手段により集音された音データから前記利用者の聴覚を補完する聴覚補完情報を抽出する聴覚補完情報抽出手段と、前記聴覚補完情報抽出手段により抽出された聴覚補完情報を報知する報知手段と、少なくとも前記音声抽出手段により抽出された音声を含む出力音データを前記利用者に出力する音出力手段とを備えたことを特徴とする。

0020

また、本発明は、利用者に到来する音データを集音する集音ステップと、前記集音ステップにより集音された音データから音声を抽出する音声抽出ステップと、前記集音ステップにより集音された音データから前記利用者の聴覚を補完する聴覚補完情報を抽出する聴覚補完情報抽出ステップと、前記聴覚補完情報抽出ステップにより抽出された聴覚補完情報を報知する報知ステップと、少なくとも前記音声抽出ステップにより抽出された音声を含む出力音データを前記利用者に出力する音出力ステップとを含んだことを特徴とする。

発明の効果

0021

本発明によれば、利用者に到来する音データを集音し、集音された音データから音声を抽出するとともに利用者の聴覚を補完する聴覚補完情報を抽出し、抽出された聴覚補完情報を報知し、抽出された音声を含む出力音データを利用者に出力するよう構成したので、利用者の聴覚を効率的に補完し、もって利用者に対して快適な生活環境を提供することができる。

図面の簡単な説明

0022

図1は、実施例1に係る聴覚補完システムについて説明するための説明図である。
図2は、図1に示したイヤピースの内部構成を示すブロック図である。
図3は、図1に示したコアユニットの内部構成を示すブロック図である。
図4は、コアユニットによる音データの処理について説明するための説明図である。
図5は、フィルタの選択について説明するための説明図である。
図6は、音の到来方向の識別について説明するための説明図である。
図7は、話者の感情の識別について説明するための説明図である。
図8は、音データに対するフィルタリングについて説明するための説明図である。
図9は、コアユニットによる音データの処理手順を示すフローチャートである。
図10は、実施例2に係る聴覚補完装置であるイヤピースの構成を示すブロック図である。
図11は、図10に示したイヤピースによる音データの処理手順を示すフローチャートである。
図12は、実施例3に係る聴覚補完システムについて説明するための説明図である。
図13は、図12に示したイヤピースの内部構成を示すブロック図である。
図14は、図12に示したコアユニットの内部構成を示すブロック図である。

0023

以下に、添付図面を参照して、本発明に係る聴覚補完システム、聴覚補完装置及び聴覚補完方法の好適な実施例を詳細に説明する。

0024

まず、本実施例1に係る聴覚補完システムについて説明する。図1は、聴覚補完システムのシステム構成を示す図である。図1に示すように、聴覚補完システムは、イヤピース10と、コアユニット20とを有する。

0025

イヤピース10は、利用者の耳穴に挿入することで装着される耳穴式の装置である。このイヤピース10は、本実施例で採用した耳穴式に限定されるものではなく、耳のひだに入れる耳ひだ式や耳に掛け耳掛け式であっても良い。

0026

コアユニット20は、本発明の聴覚補完に係る処理等を行う本体装置であり、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)や赤外線等の近距離通信によってイヤピース10と通信可能に接続される。コアユニット20は、利用者のポケットへの収納や、ストラップ等を用いた装着が可能である。

0027

利用者の就寝時など該利用者がイヤピース10を使用しない場合には、イヤピース10をポッドクレイドル等に載置し、非接触で無線充電することができる。同様に、利用者の就寝時など該利用者がコアユニット20を使用しない場合には、コアユニット20をクレイドル等に載置し、非接触で無線充電することができる。なお、イヤピース10は、コアユニット20により非接触で無線充電することも可能である。

0028

イヤピース10及びコアユニット20は、それぞれ外部から到来する音を集音して音データを生成する。

0029

コアユニット20は、自装置で集音した音データから聴覚補完情報を生成する聴覚補完処理部23aを有している。具体的には、この聴覚補完処理部23aは、自装置で集音した音データから生活音データ音方向データ及び話者感情データを含む聴覚補完情報を生成する。

0030

この生活音データは、自装置で集音した音データから、台所から聴こえるコトコト音などの生活音を抽出したデータである。生活音データは、あらかじめ登録された抽出対象となる生活音の周波数及びパターンを自装置で集音した音データから抽出することで生成される。

0031

音方向データは、自装置で集音した音データの到来方向を示すデータである。話者感情データは、自装置で集音した音データに含まれる音声から抽出した話者の感情に係るデータである。時系列的に見て話者の音声のトーンや声色が変化した場合には、話者の感情に起伏が生じたものと判定し、これを話者感情データとして抽出する。

0032

聴覚補完処理部23aは、生活音データをイヤピース10に送信するとともに、音方向データ及び話者感情データを自装置の表示部27aに表示制御する。図1では、話者の感情を示す話者アイコンF1と、音声の到来方向を示す音声アイコンF2を表示部27aに表示した例を図示している。例えば、利用者自身の位置を表示部27aの中心とし、話者アイコンF1の相対位置と音声アイコンF2の表示角度により、話者の音声の到来方向を認識することができるとともに、話者アイコンF1の図柄によって話者の感情を推測することが可能となる。

0033

イヤピース10は、自装置で集音した音データからノイズを除去しつつ、この音データに含まれる音声帯域から音声を抽出する音声抽出部13aを有する。この音声抽出部13aは、自装置で集音した音データのうち、特に音声を効果的に聞き取ることができるよう調整されている。

0034

イヤピース10は、音声抽出部13aが出力した出力音データと、コアユニット20から受信した生活音データとを合成して出力する。このため、利用者は、音声だけでなく生活音も良好に聞き取ることができ、これにより台所作業を行う家族の行動を認識し、もって安心感や安らぎを感じることが可能となる。

0035

なお、コアユニット20から生活音データを受信しない場合には、音声抽出部13aが出力した出力音データがそのまま出力されるので、イヤピース10が単体の補聴器として動作する。なお、話者の感情をトーン信号などを使ってイヤピース10を介して音で出力することも可能である。

0036

次に、図1に示したイヤピース10の内部構成について説明する。図2は、図1に示したイヤピース10の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、イヤピース10は、マイク11、AD変換部12、制御部13、無線通信部14、電源部15、DA変換部16及びイヤホン17を有する。

0037

マイク11は、利用者に到来する音を集音し、アナログ信号として出力する集音手段である。AD変換部12は、マイク11が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御部13に出力する。

0038

無線通信部14は、コアユニット20と無線通信を行う通信ユニットである。無線通信部14は、コアユニット20から生活音データ等の音データを受信し、制御部13に出力する。

0039

制御部13は、デジタル信号処理を行うDSP(Digital Signal Processor)である。制御部13は、その内部に音声抽出部13a及び出力合成部13bを有する。音声抽出部13aは、AD変換部12が出力したデジタル信号からノイズ成分をフィルタリングし、音声に対応する周波数帯に増幅を行って出力音データを生成する音声抽出手段である。

0040

出力合成部13bは、音声抽出部13aが生成した出力音データと無線通信部14が受信した音データとを合成し、合成音データを生成する。なお、コアユニット20から音データを受信していない場合には、音声抽出部13aが生成した出力音データと合成音データとは同一となる。

0041

DA変換部16は、制御部13が出力したデジタル信号である合成音データをアナログ信号に変換する。イヤホン17は、DA変換部16の出力したアナログ信号により、利用者の耳に音を出力する音出力手段として機能する。

0042

電源部15は、制御部13及び無線通信部14に電力を供給する電源であり、この電源部15は、既に説明したようにポッド、クレイドル又はコアユニット20により無線充電可能である。

0043

図1に示したイヤピース10を単独で用いる場合には左右いずれかの耳に装着することとなるが、2つのイヤピース10を左右の耳にそれぞれ装着することとしてもよい。

0044

次に、図1に示したコアユニット20の内部構成について説明する。図3は、図1に示したコアユニット20の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、コアユニット20は、マイク21a、マイク21b、AD変換部22a、AD変換部22b、制御部23、無線通信部24、電源部25、記憶部26及びタッチパネルディスプレイ27を有する。

0045

マイク21a及びマイク21bは、利用者に到来する音を集音し、アナログ信号として出力する集音手段である。マイク21aとマイク21bとは、コアユニット20の筐体上の離隔した位置に設ける。AD変換部22aは、マイク21aが出力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御部23に出力する。AD変換部22bは、マイク21bが出力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御部23に出力する。

0046

無線通信部24は、イヤピース10や外部の装置と無線通信を行う通信ユニットである。無線通信部24は、制御部23が出力した音データをイヤピース10に送信する。

0047

記憶部26は、フラッシュメモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部26は、コアユニット20の制御に関する制御データの格納、録音データの格納等に用いられる。

0048

タッチパネルディスプレイ27は、液晶ディスプレイ等からなる表示部27aと、タッチパネル等からなる操作部27bとを組み合わせた表示操作部である。なお、操作部27bとして物理的なボタン等を設けてもよい。

0049

制御部23は、デジタル信号処理を行うDSP(Digital Signal Processor)である。制御部23は、その内部に聴覚補完処理部23aと、イヤピース出力処理部23cと、録音管理部23dと、充電管理部23eと、通信管理部23fとを有する。

0050

聴覚補完処理部23aは、マイク21a及びマイク21bにより集音された音データから利用者の聴覚を補完する聴覚補完情報を生成する聴覚補完情報抽出手段である。その詳細については後述するが、聴覚補完処理部23aは、生成した聴覚補完情報のうち、生活音データ等の音データをイヤピース出力処理部23cに出力するとともに、音方向データ及び話者感情データ等を表示部27aへの表示制御に用いる。すなわち、音方向データ及び話者感情データ等については、表示部27aが報知手段として用いられることになる。また、生活音データ等の音データについては、イヤピース出力処理部23cによりイヤピース10に出力され、最終的にイヤホン17から出力されるので、イヤホン17が報知手段として機能することとなる。

0051

イヤピース出力処理部23cは、聴覚補完処理部23aが出力した音データをイヤピース10に出力する処理部である。具体的には、イヤピース出力処理部23cは、イヤピース10に出力すべき音データを合成し、合成した音データを無線通信部24によりイヤピース10に送信する。

0052

録音管理部23dは、マイク21a及びマイク21bが集音した音データを録音データとして記憶部26に格納し、利用者の操作に応じて再生消去を行う処理部である。録音データの記憶部26への格納は常時行うことが好適である。

0053

充電管理部23eは、コアユニット20及びイヤピース10の充電を管理する処理部である。充電管理部23eは、コアユニット20及びイヤピース10の充電量を監視し、必要に応じて利用者に報知する。また、充電管理部23eは、コアユニット20の充電を行ったクレイドルを識別し、当該クレイドルを特定するクレイドルIDを記憶部26に格納する。また、充電管理部23eは、イヤピース10が所定距離以内に所在している場合には、イヤピース10を充電する。

0054

通信管理部23fは、無線通信部24による通信状況を管理する処理部である。通信管理部23fは、イヤピース10との通信が途切れた場合に、利用者に対して報知を行う。また、通信管理部23fは、イヤピース10との通信が途切れた場合に、その時刻情報を記憶部26に格納する。GPS(Global Positioning System)等により位置情報を取得可能であれば、イヤピース10との通信が途切れた場所を記憶部26に格納してもよい。このようにイヤピース10との通信途絶時の情報を格納することにより、利用者がイヤピース10を紛失した際にイヤピース10を見つける手がかりを提供することができる。

0055

電源部25は、制御部23、無線通信部24、記憶部26及びタッチパネルディスプレイ27に電力を供給する電源であり、この電源部25は、既に説明したようにクレイドルにより無線充電可能である。

0056

次に、コアユニット20による音データの処理についてさらに説明する。図4は、コアユニット20による音データの処理について説明するための説明図である。図4に示すように、マイク21a及びマイク21bが集音した音データは、AD変換部22a及びAD変換部22bによりデジタル信号に変換された後、録音管理部23dに出力される。

0057

録音管理部23dは、マイク21a及びマイク21bが集音した音データを録音データとして記憶部26に格納するとともに、聴覚補完処理部23aに出力する。また、録音管理部23dは、記憶部26から録音データを読み出して、聴覚補完処理部23aに出力する録音再生が可能である。

0058

聴覚補完処理部23aは、方向識別部23a1、個人識別部23a2、感情識別部23a3、フィルタ選択部23a4、増幅部23a5、音声フィルタ23a6、生活音フィルタ23a7、車両走行音フィルタ23a8及び緊急車両音フィルタ23a9を有する。

0059

方向識別部23a1は、マイク21aが取得した音データ(AD変換部22aの出力)と、マイク21bが取得した音データ(AD変換部22bの出力)とを用いて音の到来方向を識別する。具体的には、方向識別部23a1は、マイク21aとマイク21bとがそれぞれ取得した音データにおける音の到来時間の差を算出し、算出した到来時間の差によって音の到来方向を識別する。方向識別部23a1は、識別した音の到来方向を示す音方向データを生成し、表示部27aの表示制御に用いる。

0060

個人識別部23a2は、マイク21aが取得した音データを用いて音声の話者を識別する。具体的には、個人識別部23a2は、マイク21aが取得した音データから音声の特徴パラメータを算出し、特徴パラメータが一致する音声を同一人物の音声であると識別する。音声の特徴パラメータの算出には、MFCC(Mel-Frequency Cepstrum Coefficient)等の任意の手法を用いることができる。

0061

個人識別部23a2は、話者を識別した場合には、話者に関する情報を話者識別データとして表示部27aの表示制御に用いる。また、特定の話者について音声の特徴パラメータと個人名とを対応付け、登録データとして記憶部26に格納しておけば、マイク21aが取得した音データから算出した特徴パラメータが登録データの特徴パラメータと一致した場合に、該登録データの個人名を表示することも可能である。

0062

感情識別部23a3は、マイク21aが取得した音データを用いて話者の感情を識別する。具体的には、感情識別部23a3は、マイク21aが取得した音データに含まれる音声の大きさ、高さ及びピッチの変化を検出し、検出した変化により話者の感情を識別する。話者が興奮して話すときの音声は、平静に話すときの音声に比べると音量が大きくなり、音域が高くなり、言葉早口になる傾向がある。そこで、音声の大きさ、高さ及びピッチの変化を検出することにより、話者の感情の変化を推定できるのである。感情識別部23a3は、識別した話者の感情を示す話者感情データを生成し、表示部27aへの表示制御に用いる。

0063

音声フィルタ23a6は、マイク21aが取得した音データ(AD変換部22aの出力)から、音声に対応する周波数帯を抽出して音声データとして出力するフィルタである。生活音フィルタ23a7は、マイク21aが取得した音データから、生活音に対応する周波数帯を抽出して生活音データとして出力するフィルタである。車両走行音フィルタ23a8は、マイク21aが取得した音データから、車両走行音に対応する周波数帯を抽出して車両走行音データとして出力するフィルタである。緊急車両音フィルタ23a9は、マイク21aが取得した音データから、緊急車両のサイレンに対応する周波数帯を抽出して緊急車両音データとして出力するフィルタである。なお、ここでは4種のフィルタを用いる場合を例示したが、任意のフィルタを追加することができる。

0064

フィルタ選択部23a4は、聴覚補完システムの利用状況に応じて各フィルタの使用可否を選択する状況判定手段として機能する。利用状況は、利用者の操作入力によっても決定可能であるが、充電管理部23eから最後に充電に使用したクレイドルのクレイドルIDを取得し、このクレイドルIDに応じて決定することもできる。

0065

図5は、フィルタの選択について説明するための説明図である。図5(a)では、シーン種別自宅」、シーン種別「運転中」、シーン種別「職場」、シーン種別「録音再生」の4つの利用状況について、各フィルタの使用可否を示している。

0066

シーン種別「自宅」では、音声フィルタ23a6がオフ(不使用)、生活音フィルタ23a7がオン(使用)、車両走行音フィルタ23a8がオフ、緊急車両音フィルタ23a9がオフとなっている。音声フィルタ23a6がオフであるのは、イヤピース10において音声抽出が行われているためである。従って、自宅で聴覚補完システムを使用する場合には、イヤピース10からは音声と生活音が強調されて出力されることとなる。

0067

シーン種別「運転中」では、音声フィルタ23a6がオフ、生活音フィルタ23a7がオフ、車両走行音フィルタ23a8がオン、緊急車両音フィルタ23a9がオンとなっている。音声フィルタ23a6がオフであるのは、イヤピース10において音声抽出が行われているためである。従って、運転中に聴覚補完システムを使用する場合には、イヤピース10からは音声、車両走行音及び緊急車両音が強調されて出力されることとなる。

0068

シーン種別「職場」では、音声フィルタ23a6がオフ、生活音フィルタ23a7がオフ、車両走行音フィルタ23a8がオフ、緊急車両音フィルタ23a9がオフとなっている。この場合には、フィルタの出力はイヤピース10に送信されないが、イヤピース10において音声抽出が行われているので、音声が強調されて出力されることとなる。

0069

シーン種別「録音再生」では、音声フィルタ23a6がオン、生活音フィルタ23a7がオフ、車両走行音フィルタ23a8がオフ、緊急車両音フィルタ23a9がオフとなっている。録音再生時には、イヤピース10で音声抽出が行うことができないため、コアユニット20で音声の抽出を行うのである。なお、録音再生を行う場合には、各フィルタのオンオフを利用者が個別に選択可能としてもよい。

0070

図5(b)は、クレイドルIDとシーン種別の対応関係を示す図である。図5(b)では、クレイドルIDが「C001」であるクレイドルが自宅に設置されており、クレイドルIDが「C002」であるクレイドルが車両に設置されており、クレイドルIDが「C003」であるクレイドルが職場に設置されていることを示している。従って、最後に充電に使用したクレイドルのクレイドルIDが「C001」であれば、シーン種別を「自宅」と判定し、最後に充電に使用したクレイドルのクレイドルIDが「C002」であれば、シーン種別を「運転中」と判定し、最後に充電に使用したクレイドルのクレイドルIDが「C003」であれば、シーン種別を「職場」と判定することができる。

0071

なお、録音管理部23dが記憶部26から読み出した録音データを聴覚補完処理部23aに出力している場合には、最後に充電に使用したクレイドルのクレイドルIDに関わらず、シーン種別「録音再生」に決定される。

0072

図4に戻って説明を続ける。フィルタ選択部23a4は、決定したシーン種別に応じて「オン」に設定されたフィルタに、マイク21aが取得した音データを出力する。各フィルタは、マイク21aが取得した音データから所定の周波数帯を抽出し、増幅部23a5に出力する。

0073

増幅部23a5は、各フィルタの出力を合成して増幅し、イヤピース出力処理部23cに出力する。すなわち、増幅部23a5が出力する音データには、音声データ、生活音データ、車両走行音データ、緊急車両音データ等の強調音データが含まれることとなる。なお、各フィルタの出力に対する増幅率は、利用者の聴力の特性に合わせて個別に設定可能である。

0074

イヤピース出力処理部23cは、聴覚補完処理部23aが出力した音データをイヤピース10に送信する。

0075

次に、音の到来方向の識別についてさらに説明する。図6は、音の到来方向の識別について説明するための説明図である。マイク21aとマイク21bとは、コアユニット20の筐体上の離隔した位置に配置されているため、図6(a)に示すように、音の到来時間に差が生じる。方向識別部23a1は、マイク21aへの音の到来時間とマイク21bへの音の到来時間との差分dTを算出する。

0076

図6(b)に示すように、差分dTが0より大きければ音の到来方向はマイク21a側であり、差分dTが0より小さければ音の到来方向はマイク21b側である。従って、マイク21a及びマイク21bの配置と、差分dTとによって、音の到来方向を識別することができるのである。

0077

次に、話者の感情の識別についてさらに説明する。図7は、話者の感情の識別について説明するための説明図である。図7に示すように、感情識別部23a3は、マイク21aが取得した音データに含まれる音声の大きさ、高さ及びピッチの変化を検出する。

0078

図7では、音声区間R2における音声は、音声区間R1における音声よりも振幅が大きく、音域が高く、ピッチが速くなっている。このため、感情識別部23a3は、音声区間R2における話者の感情が、音声区間R1における話者の感情よりも興奮した状態にあると推定する。この場合には、感情識別部23a3は、興奮した状態にあることを模式的に示す感情表示を表示部27aに表示制御する。

0079

また、音声区間R3における音声は、音声区間R1における音声よりも振幅が小さく、音域が低く、ピッチが遅くなっている。このため、感情識別部23a3は、音声区間R3における話者の感情が、音声区間R1における話者の感情よりも沈静した状態にあると推定する。この場合には、感情識別部23a3は、沈静した状態にあることを模式的に示す感情表示を表示部27aに表示制御する。

0080

次に、音データに対するフィルタリングについて説明する。図8は、音データに対するフィルタリングについて説明するための説明図である。図8(a)に示すように、音声フィルタ23a6は、マイク21aが出力する音データから音声に対応する周波数帯の音データを抽出する。

0081

同様に、生活音フィルタ23a7は生活音に対応する周波数帯の音データを抽出し、車両走行音フィルタ23a8は車両走行音に対応する周波数帯の音データを抽出し、緊急車両音フィルタ23a9は緊急車両のサイレンに対応する周波数帯の音データを抽出する。

0082

従って、フィルタ選択部23a4が音声フィルタ23a6及び生活音フィルタ23a7を選択した場合には、図8(b)に示すように、増幅部23a5は、音声フィルタ23a6が抽出した周波数帯の音データと、生活音フィルタ23a7が抽出した周波数帯の音データとを合成して増幅することとなる。

0083

次に、コアユニット20による音データの処理手順について説明する。図9は、コアユニット20による音データの処理手順を示すフローチャートである。コアユニット20は、マイク21a及びマイク21bの出力をAD変換部22a及びAD変換部22bによりデジタル信号に変換して取得する(ステップS101)。録音管理部23dは、マイク21a及びマイク21bが集音した音データを録音データとして記憶部26に格納する(ステップS102)。

0084

聴覚補完処理部23a内の方向識別部23a1は、マイク21a及びマイク21bの出力から音の到来時間の差を算出し、算出した到来時間の差によって音の到来方向を識別する(ステップS103)。

0085

聴覚補完処理部23a内の個人識別部23a2は、マイク21aの出力から音声の特徴パラメータを算出し、特徴パラメータが一致する音声を同一人物の音声であると識別する(ステップS104)。

0086

聴覚補完処理部23a内の感情識別部23a3は、マイク21aの出力に含まれる音声の大きさ、高さ及びピッチの変化を検出し、検出した変化により話者の感情を識別する(ステップS105)。

0087

聴覚補完処理部23aは、方向識別部23a1により識別した音の到来方向と、個人識別部23a2による話者の識別結果と、感情識別部23a3により識別した話者の感情とを表示部27aに表示制御する(ステップS106)。

0088

フィルタ選択部23a4は、利用者の操作入力、最後に充電に使用したクレイドルのクレイドルID、録音データの再生中であるか否か等によりシーン種別を決定し(ステップS107)、決定したシーン種別に応じたフィルタを選択する(ステップS108)。

0089

フィルタ選択部23a4により選択されたフィルタは、マイク21aの出力から所定の周波数帯を抽出し強調音データ(音声データ、生活音データ、車両走行音データ、緊急車両音データ等)として出力するフィルタリングを行う(ステップS109)。増幅部23a5は、各フィルタが出力した強調音データを合成して増幅する(ステップS110)。イヤピース出力処理部23cは、合成の結果得られた音データをイヤピース10に送信し(ステップS111)、処理を終了する。

0090

上述してきたように、本実施例1に係る聴覚補完システムは、コアユニット20のマイク21a及びマイク21bで集音した音データから音の到来方向や話者の感情等を聴覚補完情報として抽出し、表示部27aに表示制御することにより、利用者の聴覚を視覚によって効率的に補完し、もって利用者に対して快適な生活環境を提供することができる。

0091

また、生活音等についても対応する周波数帯の音データを抽出して増幅し、イヤピース10から出力することができるので、利用者は音声以外の音データについても聞き取ることが可能となり、もって利用者に対して快適な生活環境を提供することができる。

0092

また、聴覚補完システムが利用される際の周辺状況を判定し、周辺状況に応じた周波数帯の音データを抽出して増幅し、イヤピース10から出力することができるので、利用者は状況に応じて種々の音を聞き取ることが可能となる。

0093

また、コアユニット20はクレイドルにより無線充電可能であり、イヤピース10はポッド、クレイドル又はコアユニット20により無線充電可能である。イヤピース10はコアユニット20により無線充電可能であるため、外出先でポッドやクレイドルがない状況であってもイヤピース10の充電が可能である。

0094

実施例1では、イヤピース10とコアユニット20とを有する聴覚補完システムにおいて聴覚補完を行う構成を示したが、本実施例2ではイヤピース単体で聴覚補完を行う構成について説明する。

0095

図10は、実施例2に係る聴覚補完装置であるイヤピース110の構成を示すブロック図である。図10に示すように、イヤピース110は、マイク11と、AD変換部12と、制御部113と、電源部15と、DA変換部16と、イヤホン17とを有する。

0096

マイク11は、利用者に到来する音データを集音し、アナログ信号として出力する集音手段である。AD変換部12は、マイク11が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御部113に出力する。

0097

制御部113は、デジタル信号処理を行うDSP(Digital Signal Processor)である。制御部113は、その内部にフィルタ選択部113a、音声フィルタ113b1、生活音フィルタ113b2、車両走行音フィルタ113b3、緊急車両音フィルタ113b4、増幅部113c及び充電管理部113dを有する。

0098

音声フィルタ113b1は、マイク11が取得した音データ(AD変換部12の出力)から、音声に対応する周波数帯を抽出して音声データとして出力するフィルタである。生活音フィルタ113b2は、マイク11が取得した音データから、生活音に対応する周波数帯を抽出して生活音データとして出力するフィルタである。車両走行音フィルタ113b3は、マイク11が取得した音データから、車両走行音に対応する周波数帯を抽出して車両走行音データとして出力するフィルタである。緊急車両音フィルタ113b4は、マイク11が取得した音データから、緊急車両のサイレンに対応する周波数帯を抽出して緊急車両音データとして出力するフィルタである。なお、ここでは4種のフィルタを用いる場合を例示したが、任意のフィルタを追加することができる。

0099

充電管理部113dは、イヤピース110の充電を管理する処理部である。充電管理部113dは、イヤピース110の充電量を監視し、必要に応じて利用者に報知する。また、充電管理部113dは、イヤピース110の充電を行った装置を識別し、当該装置を特定する装置IDをフィルタ選択部113aに出力する。

0100

フィルタ選択部113aは、イヤピース110の利用状況に応じて各フィルタの使用可否を選択する。利用状況は、利用者の操作入力によっても決定可能であるが、充電管理部113dが出力した装置IDに応じて決定することもできる。

0101

フィルタ選択部113aは、決定した利用状況に応じて選択されたフィルタに、マイク11が取得した音データを出力する。各フィルタは、マイク11が取得した音データから所定の周波数帯を抽出し、増幅部113cに出力する。

0102

増幅部113cは、各フィルタの出力を合成して増幅し、出力音データを生成する。増幅部113cが生成した出力音データは、DA変換部16によりアナログ信号に変換される。イヤホン17は、DA変換部16の出力したアナログ信号により、利用者の耳に音を出力することとなる。

0103

電源部15は、制御部113に電力を供給する電源であり、この電源部15は、実施例1と同様にポッドやクレイドル等により無線充電可能である。

0104

次に、イヤピース110による音データの処理手順について説明する。図11は、イヤピース110による音データの処理手順を示すフローチャートである。イヤピース110は、マイク11の出力をAD変換部12によりデジタル信号に変換して取得する(ステップS201)。

0105

フィルタ選択部113aは、利用者の操作入力、若しくは、最後に充電に使用した装置の装置IDにより利用状況を決定し(ステップS202)、決定した利用状況に応じたフィルタを選択する(ステップS203)。

0106

フィルタ選択部113aにより選択されたフィルタは、マイク11の出力から所定の周波数帯を抽出するフィルタリングを行う(ステップS204)。増幅部113cは、各フィルタのフィルタリング結果を合成して増幅し、出力音データを生成する(ステップS205)。イヤピース110は、合成結果である出力音データをDA変換部16によりアナログ信号に変換し、イヤホン17から出力して(ステップS206)、処理を終了する。

0107

上述してきたように、本実施例2に係る聴覚補完装置であるイヤピース110は、マイク11で集音した音データから生活音等に対応する周波数帯の音データを抽出して増幅し、イヤホン17から出力するので、利用者は音声以外の音データについても聞き取ることが可能となる。

0108

また、聴覚補完装置が利用される際の周辺状況を判定し、その状況に応じた周波数帯の音データを抽出して増幅し、イヤホン17から出力することができるので、利用者は状況に応じて種々の音を聞き取ることが可能となる。

0109

実施例1では、コアユニット20が自装置で集音した音データから聴覚補完情報を生成する構成を例示したが、イヤピースが集音した音データをコアユニットに送信し、コアユニットはイヤピースから受信した音データから聴覚補完情報を生成するよう構成してもよい。本実施例3では、コアユニットがイヤピースから受信した音データを用いて聴覚補完情報を生成する構成について説明する。

0110

図12は、実施例3に係る聴覚補完システムについて説明するための説明図である。図12に示すように、実施例3に係る聴覚補完システムは、イヤピース210Rと、イヤピース210Lと、コアユニット220とを有する。

0111

イヤピース210Rは、利用者の右耳に装着される装置であり、イヤピース210Lは、利用者の左耳に装着される装置である。イヤピース210R及び210Lは、それぞれマイク及びイヤホンを内蔵しており、マイクにより集音した音データをコアユニット220に送信する。

0112

コアユニット220内部の聴覚補完処理部223aは、イヤピース210R及び210Lから受信した音データを用いて聴覚補完情報を生成する点が実施例1に示した聴覚補完処理部23aと異なる。聴覚補完処理部223aは、イヤピース210R及び210Lから受信した音データを用いて音方向データ及び話者感情データを含む聴覚補完情報を生成する。

0113

音方向データ及び話者感情データの生成については実施例1と同様であり、音方向データ及び話者感情データはコアユニット220の表示部27aに表示制御される。なお、音方向データの生成については、イヤピース210Rとイヤピース210Lとがそれぞれ取得した音データにおける音の到来時間の差を算出し、算出した到来時間の差によって音の到来方向を識別することとなる。

0114

このように、コアユニット220は、実施例1と同様に、音方向データ及び話者感情データ等を生成し、表示部27aに表示制御することができる。また、図示を省略したが、コアユニット220は、実施例1と同様に、生活音データ等の強調音データを生成してイヤピース210R及び210Lに送信することができ、イヤピース210R及び210Lは生活音データ等の強調音データをイヤホンから出力することができる。

0115

次に、図12に示したイヤピース210Rの内部構成について説明する。図13は、図12に示したイヤピース210Rの内部構成を示すブロック図である。図13に示すように、イヤピース210Rは、マイク11、AD変換部12、制御部213、無線通信部214、電源部15、DA変換部16及びイヤホン17を有する。

0116

制御部213は、マイク11により集音され、AD変換部12によりデジタル信号に変換された音データを音声抽出部13aに出力するとともに、無線通信部214に出力する。無線通信部214は、制御部213が出力した音データをコアユニット220に送信するとともに、コアユニット220から生活音データ等の音データを受信して制御部213に出力する。

0117

その他の構成及び動作については実施例1に示したイヤピース10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、イヤピース210Lの内部構成も図12に示したイヤピース210Rと同様であるので説明を省略する。

0118

次に、図12に示したコアユニット220の内部構成について説明する。図14は、図12に示したコアユニット220の内部構成を示すブロック図である。図14に示すように、コアユニット220は、制御部223、無線通信部224、電源部25、記憶部26及びタッチパネルディスプレイ27を有する。

0119

無線通信部224は、イヤピース210R及び210Lや外部の装置と無線通信を行う通信ユニットである。無線通信部224は、イヤピース210R及び210Lから受信した音データを制御部223に出力するとともに、制御部223が出力した音データをイヤピース210R及び210Lに送信する。

0120

制御部223は、その内部に聴覚補完処理部223aと、イヤピース出力処理部23cと、録音管理部23dと、充電管理部23eと、通信管理部23fとを有する。聴覚補完処理部223aは、イヤピース210R及び210Lにより集音された音データから利用者の聴覚を補完する聴覚補完情報を生成する点が実施例1と異なる。その他の構成及び動作については実施例1に示したコアユニット20と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。

0121

上述してきたように、本実施例3に係る聴覚補完システムは、イヤピース210R及び210Lで集音した音データから音の到来方向や話者の感情等を聴覚補完情報として抽出し、表示部27aに表示制御することにより、利用者の聴覚を視覚によって効率的に補完し、もって利用者に対して快適な生活環境を提供することができる。

0122

また、生活音等についても対応する周波数帯の音データを抽出して増幅し、イヤピース210R及び210Lから出力することができるので、利用者は音声以外の音データについても聞き取ることが可能となり、もって利用者に対して快適な生活環境を提供することができる。

0123

また、聴覚補完システムが利用される際の周辺状況を判定し、周辺状況に応じた周波数帯の音データを抽出して増幅し、イヤピース210R及び210Lから出力することができるので、利用者は状況に応じて種々の音を聞き取ることが可能となる。

0124

なお、上記実施例1、2及び3に示した構成及び動作は、本発明を限定するものではなく、適宜変更して実施する事ができる。例えば、上記実施例1及び3では、イヤピースとコアユニットとが無線通信する構成を例示したが、イヤピースとコアユニットとを有線接続して通信するよう構成してもよい。

0125

また、上記実施例1及び3では、音の到来方向や話者感情を表示により報知する構成を例示したが、これらをイヤピースからの音出力により報知することもできる。音の到来方向を音により報知する場合には、左右のイヤピースのいずれかから信号音を出力すればよい。また、話者感情を音により報知する場合には、話者感情が平静であると識別したならば音声をそのまま出力し、話者感情が興奮状態沈静状態にあると識別したならば識別結果に合わせた信号音を音声に重畳して出力すればよい。このように音の到来方向や話者感情の音出力による報知は、実施例2に示したように表示部を持たない構成でも利用することができる。

実施例

0126

また、上記実施例1及び3では、イヤピースにマイクや音声抽出部等を設け、イヤピース単体でも補聴器として利用可能となるよう構成した場合を例示したが、イヤピースが音出力のみを行う構成としてもよい。この場合には、コアユニットの音声フィルタを常にオン状態とし、イヤピースはコアユニットから受信した音データをそのまま出力することとなる。

0127

以上のように、本発明に係る聴覚補完システム、聴覚補完装置及び聴覚補完方法は、利用者の聴覚を効率的に補完し、もって利用者に対して快適な生活環境を提供することに適している。

0128

10、110、210R、210Lイヤピース
11、21a、21bマイク
12、22a、22bAD変換部
13、23、113、213 制御部
13a音声抽出部
13b出力合成部
14、24、214、224無線通信部
15、25電源部
16DA変換部
17イヤホン
20、220コアユニット
23a、223a聴覚補完処理部
23a1方向識別部
23a2個人識別部
23a3感情識別部
23a4、113aフィルタ選択部
23a5、113c増幅部
23a6、113b1音声フィルタ
23a7、113b2生活音フィルタ
23a8、113b3車両走行音フィルタ
23a9、113b4 緊急車両音フィルタ
23c イヤピース出力処理部
23d録音管理部
23e、113d充電管理部
23f通信管理部
26 記憶部
27タッチパネルディスプレイ
27a 表示部
27b 操作部

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