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技術 主体金具の製造方法、スパークプラグの製造方法、及び、主体金具の製造装置

出願人 日本特殊陶業株式会社
発明者 市原博史星野弘一
出願日 2014年1月23日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2014-010602
公開日 2015年7月30日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2015-138706
状態 特許登録済
技術分野 スパークプラグ
主要キーワード 熱収縮部材 収縮部分 周囲部材 両リング部材 各作業位置 取付ねじ孔 火花間隙 溶接ダレ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

主体金具の取り付けられた接地電極に形成されるめっき層の範囲を抑制するための技術を提供する。

解決手段

スパークプラグに用いられ、直線状に延びる接地電極を備える主体金具の製造方法は、接地電極の基端部から先端部までを熱収縮部材を用いて覆う装着工程と、装着工程の後に、熱源を用いて熱収縮部材を加熱することで、基端部側から先端部側へと順に熱収縮部材を収縮させる熱収縮工程と、熱収縮工程の後に、主体金具の表面にめっきを施すめっき工程と、を備える。

概要

背景

スパークプラグに用いられる主体金具は一般に炭素鋼等の鉄系材料で構成され、その表面には防食のために、亜鉛めっき等のめっき層が形成される場合がある。ここで、主体金具に加え、主体金具に取り付けられた接地電極にもめっき層が形成された場合、接地電極に貴金属チップ溶接する際の溶接不良の原因となったり、接地電極を曲げた際にめっき層が剥がれて、剥がれためっき層が中心電極に接触して、火花放電が発生しない等の不具合が発生する。よって、接地電極にめっき層が形成されることを抑制するために、接地電極をゴムチューブ等で覆うことで、接地電極とめっき液とが接触することを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1)。

概要

主体金具の取り付けられた接地電極に形成されるめっき層の範囲を抑制するための技術を提供する。スパークプラグに用いられ、直線状に延びる接地電極を備える主体金具の製造方法は、接地電極の基端部から先端部までを熱収縮部材を用いて覆う装着工程と、装着工程の後に、熱源を用いて熱収縮部材を加熱することで、基端部側から先端部側へと順に熱収縮部材を収縮させる熱収縮工程と、熱収縮工程の後に、主体金具の表面にめっきを施すめっき工程と、を備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

スパークプラグに用いられ、直線状に延びる接地電極を備える主体金具の製造方法において、前記接地電極の基端部から先端部までを熱収縮部材を用いて覆う装着工程と、前記装着工程の後に、熱源を用いて前記熱収縮部材を加熱することで、前記基端部側から前記先端部側へと順に前記熱収縮部材を収縮させる熱収縮工程と、前記熱収縮工程の後に、前記主体金具の表面にめっきを施すめっき工程と、を備える、ことを特徴とする主体金具の製造方法。

請求項2

請求項1に記載の主体金具の製造方法において、前記熱収縮工程は、前記熱源としてのノズルから吹き出された熱風を前記熱収縮部材に直接に当てることによって前記熱収縮部材を加熱すると共に、前記ノズルから吹き出された熱風を、前記接地電極を挟んで前記ノズルと対向する位置に配置された反射板によって反射させて前記熱収縮部材に当てることによって前記熱収縮部材を加熱する工程を含む、ことを特徴とする主体金具の製造方法。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の主体金具の製造方法において、前記熱収縮工程は、前記主体金具を異なる作業位置に配置されるように移動させ、前記異なる作業位置に移動する毎に熱源によって加熱される部分を前記基端部側から前記先端部側へと移動させることで実施される、ことを特徴とする主体金具の製造方法。

請求項4

請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の主体金具の製造方法において、前記熱源は複数設けられ、前記複数の熱源は、異なる位置に固定されている、ことを特徴とする主体金具の製造方法。

請求項5

請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の主体金具の製造方法において、前記熱収縮部材は、前記接地電極を覆った状態において、前記先端部側に穴を有し、前記熱収縮工程は、前記熱収縮部材の内側に存在する気体を、前記穴を介して外側に逃がす工程を含む、ことを特徴とする主体金具の製造方法。

請求項6

請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の主体金具の製造方法において、さらに、前記熱収縮工程と前記めっき工程との間に実施され、前記主体金具のうち少なくとも前記熱収縮部材に冷却用気体を当てる冷却工程を有する、ことを特徴とする主体金具の製造方法。

請求項7

請求項6に記載の主体金具の製造方法において前記冷却工程は、前記主体金具を異なる作業位置に配置されるように移動させ、前記異なる作業位置に移動する毎に前記主体金具に前記冷却用気体を当てることで実施される、ことを特徴とする主体金具の製造方法。

請求項8

請求項6又は請求項7に記載の主体金具の製造方法において、前記冷却用気体は、複数のノズルから吹き出される、ことを特徴とする主体金具の製造方法。

請求項9

請求項6から請求項8までのいずれか一項に記載の主体金具の製造方法において前記熱収縮工程は、保持部材によって前記主体金具が保持された状態で実施され、前記冷却工程は、前記接地電極が接合された前記主体金具及び前記保持部材に前記冷却用気体を当てる工程を含む、ことを特徴とする主体金具の製造方法。

請求項10

スパークプラグの製造方法において、絶縁体軸孔の内部に中心電極を配置する中心電極配置工程と、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の主体金具の製造方法を用いて前記主体金具を製造する金具製造工程と、前記主体金具の内側に、前記絶縁体を配置する絶縁体配置工程と、前記中心電極と前記接地電極の前記先端部とが対向するように、前記接地電極を屈曲させる屈曲工程と、を備える、ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。

請求項11

直線状に延びる接地電極を備えるスパークプラグ用の主体金具を製造する主体金具製造装置において、前記接地電極の基端部から先端部までを熱収縮部材を用いて覆う装着手段と、熱源を用いて前記熱収縮部材を加熱することで、前記基端部側から前記先端部側へと順に前記熱収縮部材を収縮させる熱収縮手段と、を備えることを特徴とする主体金具の製造装置。

技術分野

0001

本発明は、スパークプラグの技術に関する。

背景技術

0002

スパークプラグに用いられる主体金具は一般に炭素鋼等の鉄系材料で構成され、その表面には防食のために、亜鉛めっき等のめっき層が形成される場合がある。ここで、主体金具に加え、主体金具に取り付けられた接地電極にもめっき層が形成された場合、接地電極に貴金属チップ溶接する際の溶接不良の原因となったり、接地電極を曲げた際にめっき層が剥がれて、剥がれためっき層が中心電極に接触して、火花放電が発生しない等の不具合が発生する。よって、接地電極にめっき層が形成されることを抑制するために、接地電極をゴムチューブ等で覆うことで、接地電極とめっき液とが接触することを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1)。

先行技術

0003

特開2001−68250号公報

発明が解決しようとする課題

0004

一般にゴムチューブ等の部材には熱収縮部材が用いられる。この熱収縮部材によって接地電極を覆い、熱収縮部材を収縮させることで接地電極とめっき液との接触を抑制する。しかしながら、熱収縮部材を収縮させる際に熱収縮部材と接地電極との間に隙間が発生したり、熱収縮部材が周方向において均一に収縮しなかったりする場合が生じ得る。この場合、主体金具にめっき層を形成する際に、接地電極とめっき液とが接触することで接地電極の広い範囲にめっき層が形成される場合がある。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。

0006

(1)本発明の一形態によれば、スパークプラグに用いられ、直線状に延びる接地電極を備える主体金具の製造方法が提供される。この主体金具の製造方法は、前記接地電極の基端部から先端部までを熱収縮部材を用いて覆う装着工程と、前記装着工程の後に、熱源を用いて前記熱収縮部材を加熱することで、基端部側から先端部側へと順に前記熱収縮部材を収縮させる熱収縮工程と、前記熱収縮工程の後に、前記主体金具の表面にめっきを施すめっき工程と、を備える。この形態によれば、熱収縮部材を基端部側から先端部側へと順に収縮させることで、熱収縮部材の基端部側が先端部側よりも先に接地電極と密着する。これにより、接地電極のうち基端部側が熱収縮部材で覆われない範囲(露出する範囲)を所定の範囲内に抑えることができる。

0007

(2)上記形態の主体金具の製造方法であって、前記熱収縮工程は、前記熱源としてのノズルから吹き出された熱風を前記熱収縮部材に直接に当てることによって前記熱収縮部材を加熱すると共に、前記ノズルから吹き出された熱風を、前記接地電極を挟んで前記ノズルと対向する位置に配置された反射板によって反射させて前記熱収縮部材に当てることによって前記熱収縮部材を加熱する工程を含んでも良い。この形態によれば、反射板によって熱風を反射させて熱収縮部材に当てることで、熱収縮部材の周方向全体をより均一に熱収縮させることができる。

0008

(3)上記形態の主体金具の製造方法であって、前記熱収縮工程は、前記主体金具を異なる作業位置に配置されるように移動させ、前記異なる作業位置に移動する毎に熱源によって加熱される部分を前記基端部側から前記先端部側へと移動させることで実施されても良い。この形態によれば、同じ作業位置で熱収縮部材を収縮させる場合に比べ、異なる作業位置ごとにおける熱収縮部材を収縮させる時間を短縮できる。よって、1つの作業位置で行われる熱収縮工程にかかる時間を短縮できるため、主体金具の生産効率を向上できる。

0009

(4)上記形態の主体金具の製造方法であって、前記熱源は複数設けられ、前記複数の熱源は、異なる位置に固定されていても良い。この形態によれば、熱源が固定されていることから、熱収縮部材の予め定めた範囲を確実に熱源によって熱収縮させることができる。

0010

(5)上記形態の主体金具の製造方法であって、前記熱収縮部材は、前記接地電極を覆った状態において、前記先端部側に穴を有し、前記熱収縮工程は、前記熱収縮部材の内側に存在する気体を、前記穴を介して外側に逃がす工程を含んでも良い。この形態によれば、気体が基端部側から熱収縮部材の外側に逃げることを抑制することが出来るので、より確実に先端部側よりも基端部側を先に接地電極に密着させることができる。すなわち、熱収縮部材の収縮が安定して行われることで、接地電極のうち基端部側が熱収縮部材で覆われない範囲(露出する範囲)をより一層高い精度で、所定の範囲内に抑えることができる。また、気体を熱収縮部材の外側に逃がすことで熱収縮部材と接地電極との密着の程度を向上できる。

0011

(6)上記形態の主体金具の製造方法であって、さらに、前記熱収縮工程と前記めっき工程との間に実施され、前記主体金具のうち少なくとも前記熱収縮部材に冷却用気体を当てる冷却工程を有していても良い。ここで、一般に、めっき工程は、熱収縮工程とは異なる場所で行われるため主体金具を移動させる必要がある。この形態によれば、熱収縮工程とめっき工程との間に冷却工程を有することで、めっき工程を行うために主体金具を移動させる前に冷却工程によって熱収縮部材の硬化を促進させることができる。これにより、移動時などの主体金具の姿勢が変化する状況や主体金具に外力が加わる状況などにおいて発生する熱収縮部材のズレ等の危険性を低減できる。すなわち、冷却工程を有することで、熱収縮部材の収縮が安定して行われるため、接地電極のうち基端部側が熱収縮部材で覆われない範囲(露出する範囲)をより一層高い精度で、所定の範囲内に抑えることができる。また、冷却工程によって、熱収縮工程によって加熱された熱収縮部材を冷却することで、熱収縮部材の硬化を促進できる。これにより、熱収縮部材が破損する可能性を低減できる。

0012

(7)上記形態の主体金具の製造方法であって、前記冷却工程は、前記主体金具を異なる作業位置に配置されるように移動させ、前記異なる作業位置に移動する毎に前記主体金具に前記冷却用気体を当てることで実施されても良い。この形態によれば、同じ作業位置で主体金具を冷却させる場合に比べ、異なる作業位置ごとにおける主体金具を冷却させる時間を短縮できる。よって、1つの作業位置で行われる冷却工程にかかる時間を短縮できるため、主体金具の生産効率を向上できる。

0013

(8)上記形態の主体金具の製造方法であって、冷却用気体は、複数のノズルから吹き出されても良い。この形態によれば、複数のノズルから冷却用気体を吹き出すことから、熱収縮部材等の冷却対象となる部材の冷却の程度に偏りが発生する可能性を低減できる。

0014

(9)上記形態の主体金具の製造方法であって、前記熱収縮工程は、保持部材によって前記主体金具が保持された状態で実施され、前記冷却工程は、前記接地電極が接合された前記主体金具及び前記保持部材に前記冷却用気体を当てる工程を含んでも良い。この形態によれば、主体金具及び保持部材の冷却を促進することができるので、高温環境下に晒されることに起因する主体金具及び保持部材の劣化を抑制できる。

0015

(10)また、本発明の他の形態によれば、スパークプラグの製造方法を提供できる。このスパークプラグの製造方法は、絶縁体軸孔の内部に中心電極を配置する中心電極配置工程と、上記形態の主体金具の製造方法を用いて前記主体金具を製造する金具製造工程と、前記主体金具の内側に、前記絶縁体を配置する絶縁体配置工程と、前記中心電極と前記接地電極の前記先端部とが対向するように、前記接地電極を屈曲させる屈曲工程と、を備える。この形態によれば、熱収縮部材と基端部との隙間を予め定めた範囲内に抑えることができるため、接地電極に施されるめっきの範囲を抑制したスパークプラグを製造できる。

0016

(11)また、本発明の他の形態によれば、直線状に延びる接地電極を備えるスパークプラグ用の主体金具を製造する主体金具製造装置を提供できる。この主体金具製造装置は、前記接地電極の基端部から先端部までを熱収縮部材を用いて覆う装着手段と、熱源を用いて前記熱収縮部材を加熱することで、前記基端部側から前記先端部側へと順に前記熱収縮部材を収縮させる熱収縮手段と、を備える。この形態によれば、熱収縮手段によって熱収縮部材と基端部との隙間を予め定めた範囲内に抑えることができる。

0017

なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、主体金具の製造方法、スパークプラグの製造方法、主体金具の製造装置の他、主体金具の製造方法又はスパークプラグの製造方法を実現するためのプログラム、これらの製造方法を用いて製造した主体金具又はスパークプラグ、スパークプラグを備えた点火システム等の形態で実現することができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の実施形態としてのスパークプラグを示す一部破断断面図である。
スパークプラグの製造方法を示すフローチャートである。
主体金具製造工程の詳細を示すフローチャートである。
熱収縮工程の詳細を説明するための図である。
冷却工程の詳細を説明するための図である。
比較例としての熱収縮工程を説明するための図である。
第2実施形態で用いられる主体金具の製造装置を説明するための図である。
熱収縮工程の詳細を説明するための図である。

実施例

0019

A.第1実施形態および比較例:
図1は、本発明の実施形態としてのスパークプラグ100を示す一部破断断面図である。なお、図1では、スパークプラグ100の軸線CLに沿った方向(「軸線方向」ともいう。)CLDを図面における上下方向とする。また、図1では、図面の下側をスパークプラグ100の先端側FS、図面の上側をスパークプラグの後端BSとする。

0020

図1に示すように、スパークプラグ100は、絶縁体としての絶縁碍子10と、主体金具50と、中心電極20と、端子金具40と、接地電極30と、を備えている。

0021

絶縁体としての絶縁碍子10は、アルミナ等を焼成して形成される。また絶縁碍子10は、軸線方向CLDに延びる軸孔12が形成された筒状である。絶縁碍子10は、軸孔12内で中心電極20を保持するように、中心電極20の外周に設けられている。絶縁碍子10のうち、軸線方向CLDの略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されている。また、絶縁碍子10のうち、鍔部19より後端側(図1における上側)には後端側胴部18が形成されている。また、絶縁碍子10のうち、鍔部19より先端側FSには、後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成されている。さらに、絶縁碍子10のうち、先端側胴部17よりも先端側FSには、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径されている。スパークプラグ100が内燃機関エンジンヘッド600に取り付けられた際には、脚長部13は燃焼室に曝される。軸線方向CLDについて、脚長部13と先端側胴部17との間には段部15が形成されている。

0022

主体金具50は、低炭素鋼材により形成された円筒状の金具である。また、主体金具50は、金具の表面に亜鉛めっきやニッケルめっき等のめっき層が形成されている。主体金具50は、スパークプラグ100を内燃機関のエンジンヘッド600に固定する。主体金具50は、絶縁碍子10の外周に設けられ、絶縁碍子10を保持している。詳細には、絶縁碍子10は、後端側胴部18の一部から脚長部13に亘る部分が主体金具50によって取り囲まれる。

0023

主体金具50は、工具係合部51と、取付ねじ部52とを備えている。工具係合部51は、スパークプラグレンチ(図示せず)が嵌合する部位である。主体金具50の取付ねじ部52は、ねじ山が形成された部位であり、内燃機関の上部に設けられたエンジンヘッド600の取付ねじ孔601に螺合する。

0024

主体金具50の工具係合部51と取付ねじ部52との間には、鍔状のシール部54が形成されている。取付ねじ部52とシール部54との間には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100をエンジンヘッド600に取り付けた際に押し潰されて変形する。このガスケット5の変形により、スパークプラグ100とエンジンヘッド600間が封止され、取付ねじ孔601を介したエンジン内の気密漏れが防止される。

0025

主体金具50の工具係合部51より後端側BSには、加締部53が設けられている。主体金具50の工具係合部51から加締部53にかけての内周面と、絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されている。さらに両リング部材6,7間にタルク滑石)9の粉末充填されている。加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めると、絶縁碍子10は、リング部材6,7およびタルク9を介して主体金具50内の先端側FSに向け押圧される。これにより、絶縁碍子10の段部15は、主体金具50の内周に形成された段部56に支持され、主体金具50と絶縁碍子10とは、一体となる。このとき、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は、絶縁碍子10の段部15と主体金具50の段部56との間に介在された環状の板パッキン8によって保たれ、燃焼ガスの流出が防止される。

0026

中心電極20は、軸線方向CLDに延びる棒状の部材である。中心電極20は、ニッケル又はニッケルを主成分とする合金によって形成されている。中心電極20の先端側FSに位置する電極先端部21は、絶縁碍子10から外側に突出している。中心電極20は、軸孔12内を後端側に向けて延設され、シール体4およびセラミック抵抗3を経由して、端子金具40に電気的に接続されている。端子金具40には、高圧ケーブル(図示せず)がプラグキャップ(図示せず)を介して接続され、高電圧印加される。

0027

接地電極30は、基端部33が主体金具50の先端57に取り付けられ、先端部35が中心電極20の電極先端部21と対向する位置に配置されている。接地電極30は、ニッケル又はニッケルを主成分とする合金によって形成されている。接地電極30は、接地電極30が延びる方向に垂直な断面が略矩形状の部材である。接地電極30は、基端部33と先端部35との間の部分において屈曲している。これにより、電極先端部21と先端部35との間に火花放電を形成するための火花間隙が形成される。先端部35の表面のうち、電極先端部21と対向する面には貴金属チップ31が接合されている。貴金属チップ31は、例えば、白金(Pt)や白金を主成分とした合金、イリジウム(Ir)や、イリジウムを主成分とした合金によって形成される。

0028

図2は、スパークプラグ100の製造方法を示すフローチャートである。スパークプラグ100の製造方法は、中心電極配置工程(ステップS10)から屈曲工程(ステップS50)までの工程を含む。まず、スパークプラグ100の製造方法として、中心電極配置工程を行う(ステップS10)。中心電極配置工程は、絶縁碍子10の軸孔12の内部に中心電極20を配置する工程を含む。また、中心電極配置工程は、中心電極20を軸孔12の先端側FSに配置し、シール体4,セラミック抵抗3を軸孔12に充填し、次いで端子金具40を軸孔12の後端側BSに配置し、高温で加熱封着を行うことで各部材3,4,20,40を絶縁碍子10に組み付ける工程を含む。

0029

次に、主体金具製造工程を行う(ステップS20)。主体金具製造工程は、接地電極30が取り付けられた主体金具50を製造する工程である。この詳細は後述する。なお、ステップS10とステップS20とはこの順番に限らず、ステップS20をステップS10よりも先に行っても良い。

0030

次に、絶縁体配置工程を行う(ステップS30)。絶縁体配置工程は、ステップS10,S20の後に主体金具50の内側に絶縁碍子10を配置する工程を含む。具体的には、主体金具50の内周面と絶縁碍子10の外周面との間にタルク9及びリング部材6,7(図1)を配置し、主体金具50の加締部53を内側に折り曲げるようにして加締める。これにより、絶縁碍子10が主体金具50に保持される。

0031

次に、図2に示すように、貴金属チップ取付工程を行う(ステップS40)。貴金属チップ取付工程は、先端部35に貴金属チップ31を接合する工程を含む。ステップS40の後に、屈曲工程を行う(ステップS50)。屈曲工程は、直線状に延びる接地電極30を中心電極20の側に曲げる工程を含む。屈曲工程によって、図1に示すように電極先端部21と先端部35とが軸線方向CLDにおいて対向する位置に配置される。

0032

図3は、主体金具製造工程(ステップS20)の詳細を示すフローチャートである。主体金具製造工程は、まず電極付き基材作製工程を行う(ステップS22)。電極付き基材作製工程は、主体金具50に直線状に延びる接地電極30を溶接によって取り付ける工程を含む。また、ステップS22は、接地電極30を主体金具50に溶接によって取り付けた後に、溶接ダレを取り除く工程と、主体金具50の外周面に取付ねじ部52を形成する工程(ねじ転造工程)とを含む。ここで、ステップS22によって作製された接地電極30が取り付けられた主体金具50を基材Wとも呼ぶ。

0033

ステップS22の後に、熱収縮部材の装着工程を行う(ステップS24)。装着工程は、接地電極30の基端部33から先端部35までを熱収縮部材90を用いて覆う工程である。接地電極30を熱収縮部材90で覆う工程は、作業者によって手動で行われても良いし、熱収縮部材90を保持して接地電極30を熱収縮部材90で覆うための装着手段97(図3)を用いて自動で行っても良い。

0034

本実施形態では、熱収縮部材90は熱することで予め記憶された形状に収縮する熱収縮チューブ90を用いている。この熱収縮チューブ90を接地電極30の基端部33から先端部35までに亘って全周を取り囲むように配置することでステップS24は行われる。熱収縮チューブ90の先端側FSには穴94が形成されている。また、接地電極30の軸線方向CLDにおいて、熱収縮チューブ90は接地電極30よりも所定値以上だけ長い。

0035

ステップS24の後に、熱収縮工程を行う(ステップS26)。熱収縮工程は、熱収縮手段である熱源を用いて熱収縮チューブ90を加熱することで熱収縮チューブ90を収縮させる工程である。熱収縮チューブ90の収縮は、基端部33側から先端部35側へと順に行われる。熱収縮チューブ90を収縮させることによって、接地電極30に熱収縮チューブ90を密着させる。

0036

図4は、熱収縮工程の詳細を説明するための図である。図4に示すように、熱収縮工程で用いられる熱源はノズル92であり、ノズル92から熱風が熱収縮チューブ90に向けて吹き出される。ノズル92は、接地電極30の一方の側面側に配置されている。また、接地電極30を挟んでノズル92と対向する位置には反射板99が配置されている。反射板99は、例えば、ステンレス等の金属によって形成される。また、熱収縮工程を行う場合、基材Wは金属製のチャック102によって位置が固定されている。本実施形態では、チャック102によって基材Wのシール部54が挟持されることで基材Wの位置が固定されている。

0037

ノズル92は、接地電極30が延びる方向(軸線方向)CLDに沿って基端部33側から先端部35側に移動する。そして、ノズル92を所定時間だけ静止させた状態で熱風を熱収縮チューブ90に当てる。具体的には、ノズル92は軸線方向CLDの位置が異なる第1〜第3操作位置で順に静止させて、静止させた状態でノズル92から熱風を吹き出すことで熱風を熱収縮チューブ90に当てる。

0038

第1操作位置に位置するノズル92から熱風が吹き出すことで、熱収縮チューブ90のうち基端部33近傍の部分が加熱され収縮する。第1操作位置での操作後、ノズル92は第1操作位置よりも先端部35側に位置する第2操作位置に移動する。そして、第2操作位置に位置するノズル92から熱風が吹き出すことで、熱収縮チューブ90のうち基端部33と先端部35との中間部分が加熱され収縮する。第2操作位置での操作後、ノズル92は第2操作位置よりも先端部35側に位置する第3操作位置に移動する。そして、第3操作位置に位置するノズル92から熱風が吹き出すことで、熱収縮チューブ90のうち先端部35近傍の部分が加熱され収縮する。第1〜第3操作位置においてノズル92から熱風を熱収縮チューブ90に吹き付けて熱収縮チューブ90全体を収縮させることで熱収縮工程は終了する。

0039

また、熱収縮チューブ90の収縮に伴って、熱収縮チューブ90の内側に存在する気体(空気)が穴94を介して外側に逃げる。これにより、熱収縮チューブ90と接地電極30との間に気体が介在することを抑制でき、熱収縮チューブ90と接地電極30との密着の程度を向上できる。また、穴94は熱収縮チューブ90の先端側FSに形成されている(図3,4)。これにより、気体(空気)が基端部33側から熱収縮チューブ90の外側に逃げることを抑制することが出来るので、より確実に先端部35側よりも基端部33側を先に接地電極30に密着させることができる。すなわち、熱収縮チューブ90の収縮が安定して行われることで、接地電極30のうち基端部33側が熱収縮チューブ90で覆われない範囲(露出する範囲)をより一層高い精度で、所定の範囲内に抑えることができる。

0040

上記のごとく熱収縮工程では、熱収縮チューブ90を基端部33側から先端部35側へと順に収縮させることで、熱収縮チューブ90が基端部33側から先端部35側へと順に収縮する。これにより、まず接地電極30のうち基端部33側と熱収縮チューブ90とが密着することから、熱収縮チューブ90の収縮過程において収縮部分を起点として熱収縮チューブ90が先端部35側へ引っ張られることを抑制できる。よって、接地電極30の基端部33側のうち熱収縮チューブ90で覆われない範囲(露出する範囲)を所定の範囲内に抑えることができる。すなわち、接地電極30のうち熱収縮チューブ90で覆われていない軸線方向CLDの長さ(隙間寸法)を所定範囲内に維持できる。これにより後述するめっき工程(図2のステップS29)において、接地電極30に施されるめっきの範囲を抑制できる。

0041

ここで、第1〜第3操作位置のそれぞれの位置において、熱収縮チューブ90の収縮は、ノズル92から吹き出された熱風が直接に熱収縮チューブ90に当たることで加熱されることで行われる。さらに、第1〜第3操作位置のそれぞれの位置において、熱収縮チューブ90の収縮は、ノズルから吹き出された熱風が反射板99によって反射して熱収縮チューブ90に当たることで加熱されることによっても行われる。これにより、熱収縮チューブ90の周方向全体をより均一に収縮させることができる。

0042

なお、上記実施形態では、ノズル92を基端部33側から先端部35側へと移動させていたが、接地電極30が延びる方向(軸線方向)CLDにおいて異なる位置に複数のノズル92を固定して配置しても良い。例えば、本実施形態の場合、図4に示す第1〜第3操作位置に示す3つのノズル92を設ける。そして、熱風を吹き出すノズル92を、第1〜第3操作位置の順に切り換える。このようにノズル92を固定することでノズル92から吹き出す熱風を熱収縮チューブ90の予め定めた範囲に確実に当てることでできる。これにより、熱収縮チューブ90を基端部33側から先端部35側へと順により確実に収縮させることができる。

0043

図3に示すように、ステップS26の後に冷却工程を行う(ステップS28)。冷却工程は、熱収縮工程によって接地電極30に熱収縮チューブ90が取り付けられた主体金具50のうち、少なくとも熱収縮チューブ90に冷却用気体を当てる工程である。冷却工程は、基材W及びチャック102が所定温度(例えば、40℃)以下になるまで行われる。本実施形態において、冷却用気体は常温(例えば20℃)の空気が用いられている。なお、冷却用気体として、常温の空気に限らず常温よりも低い温度の空気や、空気以外の気体を用いても良い。

0044

図5は、冷却工程の詳細を説明するための図である。図5に示すように、冷却工程においても熱収縮工程で用いたチャック102によって基材Wの位置が固定されている。冷却工程では、複数(本実施形態では10個)のノズル96から冷却用気体が吹き出される。5つのノズル96は、接地電極30の一方の側面側(第1側面側)に配置され、他の5つのノズル96は接地電極30の一方の側面側とは反対側の側面側(第2側面側)に配置されている。また、第1側面側又は第2側面側に配置された5個のノズルはそれぞれ、接地電極30が延びる方向(軸線方向)CLDにおける位置が異なる。

0045

冷却工程では、複数のノズル96から冷却用気体を吹き出して、基材W及びチャック102に冷却用気体を当てる。これにより熱収縮工程によって加熱された熱収縮チューブ90を冷却することで、熱収縮チューブ90の硬化を促進できる。よって熱収縮チューブ90が破損する可能性を低減できる。また、熱収縮工程によって加熱された基材W及びチャック102の冷却を促進できることから、高温環境下に晒されることに起因する基材W及びチャック102の劣化を抑制できる。また、複数のノズル96から冷却用気体を吹き出して基材W及びチャック102を冷却することから、基材W及びチャック102の冷却の程度に偏りが発生する可能性を低減できる。

0046

図3に示すように、ステップS28の後にめっき工程を行う(ステップS29)。めっき工程は、基材Wの表面にNiめっき層亜鉛めっき層クロメート層を施す工程である。本実施形態では、基材Wの表面に亜鉛めっき層を形成した後に、亜鉛めっき層上にクロメート層を形成する。めっき層は、例えば、基材Wをめっき溶液中に浸漬させて陽極部と陰極部との間に電流を流すことで形成される。めっき工程が終了した後に接地電極30に密着している熱収縮チューブ90が取り外される。

0047

このように本実施形態では、熱収縮工程において熱収縮チューブ90を基端部33側から先端部35側へと順に収縮させることで、接地電極30の基端部33側において熱収縮チューブ90で覆われていない範囲を所定の範囲内に抑えることができる。これにより、接地電極30の表面にめっき層が形成されることを抑制でき、接地電極30にめっき層が形成されることで生じる不具合の発生(例えば、接地電極30と貴金属チップ31との溶接不良)を低減できる。ここで、熱収縮工程(図3のステップS26)を行う場所と、めっき工程(図3のステップS29)を行う場所とは異なるため基材Wを移動させる必要がある。しかしながら、熱収縮工程とめっき工程との間に冷却工程を有することで、基材Wをめっき工程を行う場所の移動させる前に冷却工程によって熱収縮チューブ90の硬化を促進させることができる。これにより、移動時などの基材Wの姿勢が変化する状況や基材Wに外力が加わる状況などにおいて発生する熱収縮チューブ90のズレ等の危険性を低減できる。すなわち、冷却工程を有することで、熱収縮チューブ90の収縮が安定して行われるため、接地電極30のうち基端部33側が熱収縮チューブ90で覆われない範囲(露出する範囲)をより一層高い精度で、所定の範囲内に抑えることができる。

0048

図6は、比較例としての熱収縮工程を説明するための図である。図6に示す比較例では、ノズル92から熱風を吹き出して熱収縮チューブ90の全体を始めから加熱することによって熱収縮チューブ90を収縮させる。この場合、熱収縮チューブ90のうち接地電極30の基端部33と先端部35との間の部分Psが始めに収縮する場合がある。この場合、部分Psを起点としてチューブが部分Ps側に引っ張られることによって、基端部33側において接地電極30が熱収縮チューブ90によって覆われない部分CH(露出部分CH)が大きくなる。これにより、めっき工程によって、接地電極30にめっき層が形成される範囲が大きくなり、接地電極30と貴金属チップ31との溶接不良等の不具合が発生し得る。また、露出部分CHが大きくなることで、接地電極30のうちでめっき層が形成される表面の面積が増大する。これにより、後工程である屈曲工程(図2のステップS50)において接地電極30を曲げた際にめっき層が剥がれる場合がある。めっき層が剥がれた場合、剥がれためっき層が中心電極20に接触して、安定して火花放電が発生しない不具合が発生し得る。

0049

B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態で用いられる主体金具50の製造装置80を説明するための図である。製造装置80は、第1実施形態における主体金具製造工程(図2のステップS20及び図3)のうちのステップS24〜ステップS28(図3)を実施するために用いられる。第1実施形態と第2実施形態との異なる点は主体金具製造工程で用いられる製造装置である。その他の点(例えば、スパークプラグ100の構成)は第1実施形態と同様であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。

0050

製造装置80は、基材Wを設置するための円板状の設置台82を有する。設置台82の円周方向に沿って略一定間隔ごとに位置する作業位置P1〜P16における設置台82上には、設置台82の円周方向に沿って略一定間隔ごとに位置する作業位置P1〜P16のそれぞれに、チャック102(図4)が設けられている。設置台82は、矢印Raで示すように反時計周りに回転することで、設置台82上に配置された基材Wが搬送される。

0051

作業位置P1では、電極付き基材作製工程(図3のステップS22)によって作製された基材Wが製造装置80に供給される。具体的には、作業位置P1に位置する設置台82上のチャック102を用いて基材Wが固定される。

0052

作業位置P2〜P7では、装着工程(図3のステップS24)が行われる。具体的には、作業位置P2〜P7に移動した基材Wの接地電極30を熱収縮チューブ90で覆う。なお、作業位置P2〜P7の少なくとも1つの位置で、熱収縮チューブ90を用いて接地電極30が覆われれば良い。

0053

作業位置P8〜P10では、熱収縮工程(図3のステップS26)が行われる。具体的には、作業位置P8では図4の第1操作位置で行われる工程が実施され、作業位置P9では図4の第2操作位置で行われる工程が実施され、作業位置P10では図4の第3操作位置で行われる工程が実施される。作業位置P8〜P10には周囲部材84が設けられている。周囲部材84によって作業位置P8〜P10はトンネル状になっている。基材Wは周囲部材84の内側を移動する。

0054

図8は、作業位置P8〜P10で行われる熱収縮工程の詳細を説明するための図である。図8では紙面の奥側から手前側に向かって基材Wが移動する。作業位置P8から作業位置P10までの範囲には、設置台82上に周囲部材84が配置されている。周囲部材84はトンネル状に形成されることで基材Wの周囲を覆う。また、各作業位置P8〜P10に配置されたノズル92は固定され、各ノズル92は設置台82からの高さが異なる。具体的には、作業位置P8のノズル92、作業位置P9のノズル92、作業位置P10のノズル92の順に、設置台82から遠ざかるように配置されている。また、作業位置P8〜P10のそれぞれにおいて、第1実施形態と同様に接地電極30を挟んでノズル92と対向する位置には反射板99が配置されている。

0055

作業位置P8に位置するノズル92から熱風が吹き出すことで、熱収縮チューブ90のうち基端部33近傍の部分が加熱され収縮する。作業位置P8での操作後、基材Wは作業位置P9に移動する。そして、作業位置P9に位置するノズル92から熱風が吹き出すことで、熱収縮チューブ90のうち基端部33と先端部35との中間部分が加熱され収縮する。作業位置P9での操作後、基材Wは作業位置P10に移動する。そして、作業位置P10に位置するノズル92から熱風が吹き出すことで、熱収縮チューブ90のうち先端部35近傍の部分が加熱され収縮する。

0056

上記のごとく、第2実施形態の製造装置80において実施される熱収縮工程は、基材Wを異なる作業位置P8〜P10に配置されるように移動させ、異なる作業位置P8〜P10に移動する毎に熱源としてのノズル92によって加熱される部分を基端部33側から先端部35側へと移動させることで実施される。これにより、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。すなわち、同じ作業位置で熱収縮チューブ90を収縮させる場合に比べ、異なる作業位置ごとにおける熱収縮チューブ90を収縮させる時間を短縮できる。例えば、各作業位置P8〜P10で約3秒ずつ熱収縮チューブ90を加熱する必要がある場合、一つの作業位置で熱収縮チューブ90の基端部33側から先端部35側までの全てを収縮させるためには約9秒の時間を要する。よって、一つの作業位置で熱収縮チューブ90を収縮させる場合は約9秒の間隔ごとにしか基材Wを移動させることができないため主体金具50の生産効率が低下する。一方で、各作業位置P8〜P10において熱収縮工程を分割して実施することで、約3秒の間隔ごとに基材Wを移動させることができるため主体金具50の生産効率を向上できる。

0057

図7に戻って熱収縮工程以降の説明を行う。作業位置P11〜P12では冷却工程(図3のステップS28)が行われる。具体的には、各作業位置P11〜P12において図5に示す複数のノズル96から冷却用空気を吹き出して基材W及びチャック102を冷却する。例えば、各作業位置P11,P12において約3秒ずつの冷却を行う。

0058

上記のごとく、第2実施形態の製造装置80において実施される冷却工程は、基材Wを異なる作業位置P11,P12に配置されるように移動させ、異なる作業位置P11,P12に移動する毎に主体金具50に冷却用気体を当てることで実施される。これにより、同じ作業位置で主体金具50を冷却させる場合に比べ、異なる作業位置ごとにおける主体金具50を冷却させる時間を短縮できる。例えば、約6秒の冷却が必要な場合、作業位置P11,P12においてそれぞれ約3秒の冷却を行えば良い。よって、主体金具の生産効率を向上できる。

0059

図7に示すように、作業位置P13〜P16では冷却工程を得た基材Wの製造装置80からの排出が行われる(排出工程)。排出工程においては、製造装置80のチャックから取り外す前に、熱収縮チューブ90と接地電極30との間の隙間寸法が所定範囲内であるか否かを検査する工程を行っても良い。排出された基材Wは、図3に示すめっき工程によってめっき層が形成される。

0060

C.変形例:
C−1.第1変形例:
上記実施形態では、熱収縮部材として熱収縮チューブを用いたがこれに限定されるものではなく、熱することで収縮する部材であれば良い。また、熱源は熱風を吹き出すノズル92であったが、熱収縮部材を加熱できるものであればノズル92でなくても良い。例えば、熱源として、電熱線などを用いても良い。

0061

C−2.第2変形例:
上記実施形態の冷却工程は、複数のノズル96から冷却用気体を基材W及びチャック102に向けて吹き付けることで行ったが(図5)、1つのノズル96を用いて行っても良いし、接地電極30の一方の側面側だけに複数のノズル96を配置して行っても良い。また、少なくとも1つのノズル96を移動させながら、又は、移動する毎に冷却用気体を基材W及びチャック102に向けて吹き付けても良い。
また、冷却工程は、熱収縮部材90に冷却用気体が吹き付けられることで冷却が促進できれば、他の部材に冷却用気体を吹き付けなくても良い。

0062

C−3.第3変形例:
上記実施形態では、熱収縮工程において反射板99(図4)を用いていたが省略しても良い。すなわち、熱源を用いて直接に熱収縮部材90を加熱することで熱収縮部材90を収縮させても良い。

0063

C−4.第4変形例:
上記第2実施形態では、製造装置80は基材Wを円周方向に移動させていたがこれに限定されるものではなく、基材Wを直線状の設置台に固定して直線状に移動させても良い。

0064

C−5.第5変形例:
上記実施形態では、スパークプラグ100は貴金属チップ31を備えていたが(図1)、貴金属チップ31は備えていなくても良い。また、スパークプラグ100の製造方法は、貴金属チップ取付工程を備えていたが(図2のステップS40)、これを備えていなくても良い。
また、熱収縮チューブ90は気体を外側に逃がすための穴94(図4)を有していたが、穴94を有していなくても良い。

0065

本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。

0066

3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
6…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
12…軸孔
13…脚長部
15…段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…鍔部
20…中心電極
21…電極先端部
30…接地電極
31…貴金属チップ
33…基端部
35…先端部
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ねじ部
53…加締部
54…シール部
56…段部
57…先端
80…製造装置
82…設置台
84…周囲部材
90…熱収縮チューブ(熱収縮部材)
92…ノズル
94…穴
96…ノズル
97…装着手段
99…反射板
100…スパークプラグ
102…チャック
600…エンジンヘッド
601…孔
CL…軸線
CLD…軸線方向
W…基材
CH…露出部分
FS…先端側
BS…後端側

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