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技術 故障点標定システム及び故障点標定方法

出願人 九電テクノシステムズ株式会社九州電力株式会社
発明者 米倉和彦赤塚一義吉浦敏昭武末高明大谷晃平野田玄治
出願日 2014年1月24日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-011736
公開日 2015年7月30日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2015-138013
状態 特許登録済
技術分野 故障点標定 非常保護回路装置(細部)
主要キーワード 点検設備 検出値情報 認定レベル 鉄塔付近 屋内配電線 判定機 サージ波形 サージ情報
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年7月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

ピンポイント故障点標定できるようにするとともに、故障点標定システム自体の設備コストが高くならないようにする。

解決手段

複数の子局1において、所定時間毎現時点所定時間前における零相電流検出値との差分値時刻情報とともに零相電流差分値記録手段15に記録し、零相電流差分値記録手段15に正又は負の差分値が連続して記録されている期間における差分値の累積値を記録し、その累積値が正の所定値以上又は負の所定値以下となった場合に、その累積値を得た期間内で特定変局点を抽出し、その特定変局点における検出値及び時刻情報をサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報として送信し、親局において、複数の子局1からの送信情報に基づき故障点標定に用いる2つのサージ到達時刻情報を選択し、故障点の位置を計算する。

概要

背景

送配電系統には様々なノイズがあり、かつ、サージ波形系統ごと個性があるとともに、故障の種類によっても変化することから、サージ到達時刻を正確に特定することは困難であるとされてきた。
そのため、サージ到達時刻特定手法は、従来、サージ波形データに対するサージ認定レベルやサージ波形開始レベルを適切に設定する方法の提案が主であり、サージ到達時刻の算出には、サージ到達時刻を補正するための二電位法等の方法が用いられてきた。
また、サージ波形の相似性に着目し、到達時刻差を判定している方法もある。
従来の故障点標定システム及び故障点標定方法を開示する文献としては、例えば、特許文献1(特開平8−184635号公報)、特許文献2(特許第5036603号公報)、特許文献3(特許第5085111号公報)、特許文献4(特開2001−133504号公報)がある。

概要

ピンポイント故障点標定できるようにするとともに、故障点標定システム自体の設備コストが高くならないようにする。複数の子局1において、所定時間毎現時点所定時間前における零相電流検出値との差分値時刻情報とともに零相電流差分値記録手段15に記録し、零相電流差分値記録手段15に正又は負の差分値が連続して記録されている期間における差分値の累積値を記録し、その累積値が正の所定値以上又は負の所定値以下となった場合に、その累積値を得た期間内で特定変局点を抽出し、その特定変局点における検出値及び時刻情報をサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報として送信し、親局において、複数の子局1からの送信情報に基づき故障点標定に用いる2つのサージ到達時刻情報を選択し、故障点の位置を計算する。

目的

本発明は、このような従来の故障点標定システム及び故障点標定方法の欠点を解消し、ピンポイントで故障点標定できるようにするとともに、故障点標定システム自体の設備コストが高くならないようにすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

送配電線路に設置され、零相電流検出手段によって一定時間毎に検出された零相電流検出値を、基準時計手段に同期させることが可能な計時手段から得た時刻情報とともに記録する零相電流検出値記録手段と、親局に対して情報を送信する送信手段を少なくとも備える複数の子局と、該複数の子局から送信された前記情報を受信する受信手段と、該受信手段によって受信した前記情報に基づいて故障点標定を行う故障点標定手段を少なくとも備える前記親局を有する故障点標定システムであって、前記複数の子局又は前記親局は、前記零相電流検出値記録手段に記録された一定時間毎の零相電流検出値と時刻情報に基づいて、所定時間毎の一時点における零相電流検出値から前記一時点の所定時間前における零相電流検出値を引いた差分値を前記一時点の時刻情報とともに記録する零相電流差分値記録手段と、前記零相電流差分値記録手段に正の差分値が記録された後、若しくは負の差分値が記録されるまでの期間における差分値の累積値を記録する正の差分値累積手段と、前記零相電流差分値記録手段に負の差分値が記録された後、零若しくは正の差分値が記録されるまでの期間における差分値の累積値を記録する負の差分値累積手段と、前記正の差分値累積手段に記録された累積値が正の所定値以上となった場合又は前記負の差分値累積手段に記録された累積値が負の所定値以下となった場合に、その累積値を得た期間内で特定変局点を抽出する特定変局点抽出手段と、前記特定変局点における零相電流検出値及び時刻情報をサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報として記録する特定変局点情報記録手段を備えており、前記親局は、前記特定変局点情報記録手段に記録された前記複数の子局におけるサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報に基づいて、故障点の標定に用いる2つのサージ到達時刻情報を選択するサージ到達時刻情報選択手段と、前記サージ到達時刻情報選択手段によって選択された前記2つのサージ到達時刻情報、該2つのサージ到達時刻情報に対応する2つの子局間距離情報、及び前記2つの子局間におけるサージ電流伝搬速度に基づいて故障点の位置を計算する故障点位置計算手段と、該故障点位置計算手段による計算結果に基づいて故障点情報の表示処理を行う表示処理手段と、前記故障点情報を表示する表示手段を備えていることを特徴とする故障点標定システム。

請求項2

前記子局間におけるサージ電流伝搬速度を、予め計測された線路間における分布情報に基づいて決定する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の故障点標定システム。

請求項3

送配電線路に設置された複数の子局において零相電流検出手段によって一定時間毎に検出された零相電流検出値を、基準時計手段に同期させることが可能な計時手段から得た時刻情報とともに零相電流検出値記録手段に記録し、親局に対して情報を送信し、前記親局において前記複数の子局から送信された前記情報を受信し、受信した前記情報に基づいて故障点の標定を行う故障点標定方法であって、前記複数の子局又は前記親局においては、前記零相電流検出値記録手段に記録された一定時間毎の零相電流検出値と時刻情報に基づいて、所定時間毎の一時点における零相電流検出値から前記一時点の所定時間前における零相電流検出値を引いた差分値を前記一時点の時刻情報とともに零相電流差分値記録手段に記録し、該零相電流差分値記録手段に正の差分値が記録された後、零若しくは負の差分値が記録されるまでの期間における差分値の累積値を正の差分値累積手段に記録し、前記零相電流差分値記録手段に負の差分値が記録された後、零若しくは正の差分値が記録されるまでの期間における差分値の累積値を負の差分値累積手段に記録し、前記正の差分値累積手段に記録された累積値が正の所定値以上となった場合又は前記負の差分値累積手段に記録された累積値が負の所定値以下となった場合に、その累積値を得た期間内で特定変局点を抽出し、該特定変局点における零相電流検出値及び時刻情報をサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報として特定変局点情報記録手段に記録し、前記親局においては、前記特定変局点情報記録手段に記録された前記複数の子局におけるサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報に基づいて、故障点の標定に用いる2つのサージ到達時刻情報を選択し、選択された前記2つのサージ到達時刻情報、該2つのサージ到達時刻情報に対応する2つの子局間の距離情報、及び前記2つの子局間におけるサージ電流伝搬速度に基づいて故障点の位置を計算し、計算された故障点の位置に基づいて故障点情報の表示処理を行い、前記故障点情報を表示手段に表示することを特徴とする故障点標定方法。

請求項4

前記子局間におけるサージ電流伝搬速度を、予め計測された線路間における分布情報に基づいて決定することを特徴とする請求項3に記載の故障点標定方法。

技術分野

0001

この発明は、複数の子局で検出したサージ到達時刻に基づいて、屋外地下埋設管内の送配電線路上又は屋内配電線路上における故障点の位置を高精度で標定できるシステム及び方法に関するものである。

背景技術

0002

送配電系統には様々なノイズがあり、かつ、サージ波形系統ごと個性があるとともに、故障の種類によっても変化することから、サージ到達時刻を正確に特定することは困難であるとされてきた。
そのため、サージ到達時刻特定手法は、従来、サージ波形データに対するサージ認定レベルやサージ波形開始レベルを適切に設定する方法の提案が主であり、サージ到達時刻の算出には、サージ到達時刻を補正するための二電位法等の方法が用いられてきた。
また、サージ波形の相似性に着目し、到達時刻差を判定している方法もある。
従来の故障点標定システム及び故障点標定方法を開示する文献としては、例えば、特許文献1(特開平8−184635号公報)、特許文献2(特許第5036603号公報)、特許文献3(特許第5085111号公報)、特許文献4(特開2001−133504号公報)がある。

先行技術

0003

特開平8−184635号公報
特許第5036603号公報
特許第5085111号公報
特開2001−133504号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、これら従来の故障点標定システム及び故障点標定方法は、2つの子局の間に故障点があることを検出することはできるものの、測定誤差が大きく、故障点のある箇所をおおよその範囲内でしか特定できなかった。
そのため、故障原因を除去する際には、現地巡視目視発見できる場合を除けば、他の原理に基づく故障点判定機器を設置したり、故障点のある可能性がある範囲以上にわたる送電線配電線全部を交換したりする必要があって、時間と費用がかさむ要因となっていた。
本発明は、このような従来の故障点標定システム及び故障点標定方法の欠点を解消し、ピンポイント故障点標定できるようにするとともに、故障点標定システム自体の設備コストが高くならないようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

請求項1に係る発明は、送配電線路に設置され、零相電流検出手段によって一定時間毎に検出された零相電流検出値を、基準時計手段に同期させることが可能な計時手段から得た時刻情報とともに記録する零相電流検出値記録手段と、親局に対して情報を送信する送信手段を少なくとも備える複数の子局と、該複数の子局から送信された前記情報を受信する受信手段と、該受信手段によって受信した前記情報に基づいて故障点の標定を行う故障点標定手段を少なくとも備える前記親局を有する故障点標定システムであって、
前記複数の子局又は前記親局は、前記零相電流検出値記録手段に記録された一定時間毎の零相電流検出値と時刻情報に基づいて、所定時間毎の一時点における零相電流検出値から前記一時点の所定時間前における零相電流検出値を引いた差分値を前記一時点の時刻情報とともに記録する零相電流差分値記録手段と、前記零相電流差分値記録手段に正の差分値が記録された後、若しくは負の差分値が記録されるまでの期間における差分値の累積値を記録する正の差分値累積手段と、前記零相電流差分値記録手段に負の差分値が記録された後、零若しくは正の差分値が記録されるまでの期間における差分値の累積値を記録する負の差分値累積手段と、前記正の差分値累積手段に記録された累積値が正の所定値以上となった場合又は前記負の差分値累積手段に記録された累積値が負の所定値以下となった場合に、その累積値を得た期間内で特定変局点を抽出する特定変局点抽出手段と、前記特定変局点における零相電流検出値及び時刻情報をサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報として記録する特定変局点情報記録手段を備えており、
前記親局は、前記特定変局点情報記録手段に記録された前記複数の子局におけるサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報に基づいて、故障点の標定に用いる2つのサージ到達時刻情報を選択するサージ到達時刻情報選択手段と、前記サージ到達時刻情報選択手段によって選択された前記2つのサージ到達時刻情報、該2つのサージ到達時刻情報に対応する2つの子局間距離情報、及び前記2つの子局間におけるサージ電流伝搬速度に基づいて故障点の位置を計算する故障点位置計算手段と、該故障点位置計算手段による計算結果に基づいて故障点情報の表示処理を行う表示処理手段と、前記故障点情報を表示する表示手段を備えていることを特徴とする。

0006

請求項2に係る発明は、請求項1に記載の故障点標定システムにおいて、前記子局間におけるサージ電流伝搬速度を、予め計測された線路間における分布情報に基づいて決定する手段を備えていることを特徴とする。

0007

請求項3に係る発明は、送配電線路に設置された複数の子局において零相電流検出手段によって一定時間毎に検出された零相電流検出値を、基準時計手段に同期させることが可能な計時手段から得た時刻情報とともに零相電流検出値記録手段に記録し、親局に対して情報を送信し、前記親局において前記複数の子局から送信された前記情報を受信し、受信した前記情報に基づいて故障点の標定を行う故障点標定方法であって、
前記複数の子局又は前記親局においては、前記零相電流検出値記録手段に記録された一定時間毎の零相電流検出値と時刻情報に基づいて、所定時間毎の一時点における零相電流検出値から前記一時点の所定時間前における零相電流検出値を引いた差分値を前記一時点の時刻情報とともに零相電流差分値記録手段に記録し、該零相電流差分値記録手段に正の差分値が記録された後、零若しくは負の差分値が記録されるまでの期間における差分値の累積値を正の差分値累積手段に記録し、前記零相電流差分値記録手段に負の差分値が記録された後、零若しくは正の差分値が記録されるまでの期間における差分値の累積値を負の差分値累積手段に記録し、前記正の差分値累積手段に記録された累積値が正の所定値以上となった場合又は前記負の差分値累積手段に記録された累積値が負の所定値以下となった場合に、その累積値を得た期間内で特定変局点を抽出し、該特定変局点における零相電流検出値及び時刻情報をサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報として特定変局点情報記録手段に記録し、
前記親局においては、前記特定変局点情報記録手段に記録された前記複数の子局におけるサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報に基づいて、故障点の標定に用いる2つのサージ到達時刻情報を選択し、選択された前記2つのサージ到達時刻情報、該2つのサージ到達時刻情報に対応する2つの子局間の距離情報、及び前記2つの子局間におけるサージ電流伝搬速度に基づいて故障点の位置を計算し、計算された故障点の位置に基づいて故障点情報の表示処理を行い、前記故障点情報を表示手段に表示することを特徴とする。

0008

請求項4に係る発明の故障点標定方法は、前記子局間におけるサージ電流伝搬速度を、予め計測された線路間における分布情報に基づいて決定することを特徴とする。

発明の効果

0009

請求項1に係る発明の故障点標定システム又は請求項3に係る発明の故障点標定方法によれば、サージ到達時刻に基づいて故障点位置を標定する従来の装置と基本的な構成は同様であるにもかかわらず、高い精度で故障点のある箇所を特定することができる。
そのため、短時間かつ低いコストで故障原因を除去できる。

0010

請求項2に係る発明の故障点標定システム及び請求項4に係る発明の故障点標定方法によれば、請求項1又は3に係る発明よりさらに高い精度で故障点のある箇所を特定することができる。
そのため、より短時間かつ低いコストで故障原因を除去することが可能となる。

図面の簡単な説明

0011

故障点標定システムの概略図。
故障点標定システムにおける子局のブロック図。
故障点標定システムにおける親局のブロック図。
子局における処理フロー
ケース1における零相電流検出値及び差分値のグラフ
ケース2における零相電流検出値及び差分値のグラフ。

0012

以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。

0013

実施例の故障点標定システムは、図1にその概略を示すとおり、送配電線路3の適宜の箇所に設置された複数の子局1と、各子局1から送信された情報を受信して、故障点のある区間を決定し、その区間の両側にある子局から送信されたサージ到達時刻情報等に基づいて故障点位置を標定する親局2によって構成されている。
複数の子局1を設置する適宜の箇所としては、送電線路においては発電所付近開閉所付近、変電所付近、空中送電鉄塔付近、地下埋設管の点検設備付近が挙げられ、屋外配電線路においては、変圧器付近、区分開閉器付近が挙げられ、屋内配電線路においては、配電盤付近、大型設備受電部付近が挙げられる。

0014

実施例の故障点標定システムを構成する子局1は、図2に示すとおり、人工衛星標準電波送信所通信基地局等が有する基準時計手段4に基づいて随時時刻補正を行うための時刻同期補正回路5を有する計時手段6と、子局1が設置されている箇所の送配電線路3における零相電流を検出する零相電流検出手段7と、零相電流検出値に基づいてサージ到達時刻を特定し、その時点における零相電流検出値及び時刻情報をサージ検出値情報及びサージ到達時刻情報(以下「サージ情報」という。)に決定する処理を行う子局CPU11と、決定したサージ情報を送信する送信手段12と、送信手段12から出力された情報を適宜の通信線路20に送り出すための通信インターフェイス13を備えている。
そして、通信線路20に送り出されたサージ情報は、親局2で受信できるようになっている。

0015

ここで、計時手段6は、いわゆる標準時に準拠した時間を出力する時計であっても良いし、基準時計手段4によって特定される基準時点に同期させてリセットでき一定時間毎にカウントアップ又はカウントダウンするカウンタであっても良い。
計時手段6が時計である場合には標準時に準拠した時間情報が時刻情報となり、計時手段6がカウンタである場合にはそのカウント値が時刻情報となる。

0016

また、子局CPU11は、0.1マイクロ秒(以下「μs」と記載する。)毎に零相電流検出手段7による零相電流検出値を計時手段6から得た時刻情報とともに記録する零相電流検出値記録手段14と、0.1μs(所定時間)毎に現時点における零相電流検出値と所定時間前における零相電流検出値との差分値を計時手段から得た時刻情報とともに記録する零相電流差分値記録手段15と、零相電流差分値記録手段15に正の差分値が連続して記録されている期間における差分値の累積値を記録する正の差分値累積手段16と、零相電流差分値記録手段15に負の差分値が連続して記録されている期間における差分値の累積値を記録する負の差分値累積手段17と、いずれかの累積値が正の所定値以上又は負の所定値以下となった場合に、その累積値を得た期間内で特定変局点を抽出する特定変局点抽出手段18と、特定変局点における零相電流検出値及び時刻情報を記録する特定変局点情報記録手段19とを備え、子局1におけるサージ到達時刻を特定するとともに、サージ情報を決定し、送信手段12に出力する処理を行うものである。

0017

実施例の故障点標定システムを構成する親局2は、図3に示すとおり、適宜の通信線路20から情報を取り込むための通信インターフェイス21と、複数の子局1から送信されたサージ情報を受信する受信手段22と、受信した複数の子局からのサージ情報等に基づいて、故障点の位置を計算する処理を行う親局CPU23と、計算された故障点の位置を表示する表示手段24を備えている。

0018

親局2が備える親局CPU23は、受信した複数の子局1からのサージ情報に基づいて、故障点の標定に用いる2つのサージ到達時刻情報を選択するサージ到達時刻情報選択手段25と、選択された2つのサージ到達時刻情報、2つのサージ到達時刻情報を送信した子局間の距離情報、それら子局間におけるサージ電流伝搬速度に基づいて故障点の位置を計算する故障点位置計算手段26及び計算された故障点の位置を表示処理する故障点表示処理手段27を備え、表示指示情報を表示手段24に出力するものである。
なお、子局間の距離情報及び子局間におけるサージ電流伝搬速度は、子局情報記憶手段28に記憶されている。

0019

実施例の故障点標定システムを使用して、故障点の位置を計算するに先立って、子局1からサージ情報を送信するための処理フローを図4に示す。
以下、図4に示す処理フローの各ステップについて、それぞれ説明する。

0020

S01:子局CPU11には、零相電流検出手段からの零相電流検出値と計時手段からの時刻情報が入力されており、0.1μs(一定時間)毎に零相電流検出値と時刻情報を零相電流検出値記録手段14に記録する。
なお、記録開始時点においては、正の差分値累積手段16及び負の差分値累積手段17はリセットされている。
S02:0.1μs(所定時間)毎に現時点における零相電流検出値と0.1μs(所定時間)前における零相電流検出値との差分値及び現時点の時刻情報を零相電流差分値記録手段15に記録する。
S03:零相電流差分値記録手段15に正の差分値が記録されたか否か判定する。
S04:正の差分値が記録された場合(S03:Yes)、記録された差分値を正の差分値累積手段16に加算し、S01に戻る。
S05:正の差分値が記録されなかった場合(S03:No)、正の差分値累積手段16に記録されている累積値が100mAを超えているか否か判定する。
S06:累積値が100mAを超えていない場合(S05:No)、正の差分値累積手段16をリセットし、S10にスキップする。
S07:累積値が100mAを超えている場合(S05:Yes)、最後に正の差分値が記録された時点から遡って最初に零又は負の差分値が記録されるまでの差分値群から極大点極小点を検出する。
S08:S07で検出した各極大点の差分値から直前の極小点の差分値を引いた値が最大となっている極小点から極大点までの期間で変局点を検出する。
変局点は、急激に立上る零相電流において、直線的な近似を示す点であり、通常は零相電流が急激増加から緩増加に変化する点又は零相電流が緩増加から急激増加に変化する点に現れる。
検出手法には、変局点を検出する期間の差分値群において、1μs毎の決定係数が1になる時点を変局点とする方法を採用した。
なお、決定係数が1になる時点が連続する場合、それらの中間時点を変局点とする。
S09:S08で検出した各変局点の差分値から直前の変局点の差分値を引いた値が最大となっている変局点を特定変局点とし、特定変局点における零相電流検出値と時刻をサージ情報として送信する。
S10:零相電流差分値記録手段15に負の差分値が記録されたか否か判定する。
S11:負の差分値が記録された場合(S10:Yes)、記録された差分値を負の差分値累積手段17に加算し、S01に戻る。
S12:負の差分値が記録されなかった場合(S10:No)、負の差分値累積手段17に記録されている累積値が−100mA以下か否か判定する。
S13:累積値が−100mA以下でない場合(S12:No)、負の差分値累積手段17をリセットし、S01に戻る。
S14:累積値が−100mA以下の場合(S12:Yes)、最後に負の差分値が記録された時点から遡って最初に零又は正の差分値が記録されるまでの差分値群から極大点と極小点を検出する。
S15:S14で検出した各極小点の差分値から直前の極大点の差分値を引いた値が最小となっている極大点から極小点までの期間で変局点を検出する。
変局点及びその検出手法はS08に記載したとおりである。
S16:S15で検出した各変局点の差分値から直前の変局点の差分値を引いた値が最小となっている変局点を特定変局点とし、特定変局点における零相電流検出値と時刻をサージ情報として送信する。

0021

次に、実施例の故障点標定システムを使用して、親局において故障点の位置を計算するための処理フローについて説明する。

0022

S21:複数の子局からのサージ情報を受信する。
S22:受信した複数のサージ情報から故障点の標定に用いる2つのサージ情報を選択する。
その選択手法については、本発明の特徴ではないため詳しい説明を省略するが、例えば、特許文献1(特開平8−184635号公報)や特許第3191274号公報に記載されている手法を採用することができる。
S23:S22において選択した2つのサージ情報中のサージ到達時刻情報と、子局情報記憶手段28に記憶されている子局間の距離情報及び子局間におけるサージ電流伝搬速度に基づいて故障点の位置を計算する。
2つのサージ情報を送信した子局のうち電源側の子局を子局A、負荷側の子局を子局Bとし、子局Aから送信されたサージ到達時刻情報をta、子局Bから送信されたサージ到達時刻情報をtb、子局A子局B間の距離情報をLab、子局A子局B間におけるサージ電流伝搬速度をvとした時、故障点の子局Aからの距離Lxを計算する式は以下のとおりである。
Lx={v×(ta−tb)+Lab}÷2

0023

このうち、Labと子局A子局B間における平均サージ電流伝搬速度をvabは、予め測定したデータが子局情報記憶手段28に記憶されているので、v=vabと仮定すればLxを容易に計算することができる。
しかし、サージ電流伝搬速度vは均一ではないことが多いため、前記子局間におけるサージ電流伝搬速度を、予め計測された線路間における分布情報に基づいて決定するとより精度の高い計算ができる。
一例としては、子局Aに隣接する電源側の子局Gと子局Aとの間の平均サージ電流伝搬速度vga、子局Bに隣接する負荷側の子局Lと子局Bとの間の平均サージ電流伝搬速度vblを利用して、子局A地点でのサージ電流伝搬速度を(vga+vab)÷2=va、子局B地点でのサージ電流伝搬速度を(vab+vbl)÷2=vbと仮定し、子局A子局B間においてはサージ電流伝搬速度が直線的に傾斜分布していると仮定して計算する。
そう仮定した場合、故障点の子局Aからの距離Lxを計算する式は以下のとおりとなる。
Lx=[{va+va+(vb−va)×ta÷(ta+tb)}×ta÷2
−{va+(vb−va)×ta÷(ta+tb)+vb}×tb÷2+Lab]÷2
そして、これを変形すると次の式が導かれる。
Lx=[(va+vb)×(ta−tb)÷2+(va−vb)×ta×tb÷(ta+tb)+Lab]÷2

0024

次に図5図6に示す事故のケース1及び2について、各子局でサージ情報をどのようにして決定し、計算で求められた故障点の子局Aからの距離Lxと実際の距離との差がどうであったか説明する。

0025

図5(a)はI線事故時における零相電流波形を示すグラフであり、図5(b)は同事故時における1μs毎の零相電流差分値の変化を示すグラフである。
そして、細い実線は10区間にある子局において検出された零相電流波形及び差分値の変化、点線は76区間にある子局において検出された零相電流波形及び差分値の変化、太い実線は87区間にある子局において検出された零相電流波形及び差分値の変化を示している。

0026

このような零相電流検出値に実施例の故障点標定方法を適用した場合、差分値の累積値が100mA以上となるのは、図5(b)の87区間にある子局におけるイ−エの期間であり、特定変局点は477.1μs時点と決定された。
また、差分値の累積値が−100mA以下となるのは、図5(b)の10区間にある子局におけるウ−カの期間と、76区間にある子局におけるア−オの期間であり、特定変局点は10区間においては493.0μs時点、76区間においては479.1μs時点と決定された。
さらに、2つのサージ到達時刻情報として、87区間の477.1μsと76区間の479.1μsが選択され、Lxは411mと計算された。
そして、実事故点は87区間にある子局から417m地点であったので、その誤差は6mと小さいものであった。

0027

図6(a)はM線事故時における零相電流波形を示すグラフであり、図6(b)は同事故時における1μs毎の零相電流差分値の変化を示すグラフである。
そして、太い実線は10区間にある子局において検出された零相電流波形及び差分値の変化、点線は31区間にある子局において検出された零相電流波形及び差分値の変化、中太の実線は50区間にある子局において検出された零相電流波形及び差分値の変化、細い実線は65区間にある子局において検出された零相電流波形及び差分値の変化を示している。

0028

このような零相電流検出値に実施例の故障点標定方法を適用した場合、差分値の累積値が100mA以上となるのは、図6(b)の10区間にある子局におけるセ−チの期間であり、特定変局点は23.2μs時点と決定された。
また、差分値の累積値が−100mA以下となるのは、図6(b)の31区間にある子局におけるシ−スの期間と、50区間にある子局におけるサ−ソの期間と、65区間にある子局におけるタ−ツの期間であり、特定変局点は31区間においては6.9μs時点、50区間においては12.0μs時点、65区間においては32.6μs時点と決定された。
さらに、2つのサージ到達時刻情報は、10区間の23.2μsと31区間の6.9μsが選択され、Lxは1685mと計算された。
そして、実事故点は10区間にある子局から1683m地点であったので、その誤差は2mと非常に小さいものであった。

実施例

0029

実施例の故障点標定システムに関する変形例を列記する。
(1)実施例の親局は子局を兼ねていても良い。
(2)実施例の零相電流検出値記録手段は、0.1μs毎に零相電流検出値や時刻情報を記録しているが、標定精度に応じて変更することができる。
0.1μs毎の場合、標定精度は5m程度であるから、標定精度が10m程度で良ければ0.2μs毎で良く、標定精度を1m程度にしたければ0.02μs毎に記録することが必要となる。
(3)実施例の零相電流差分値記録手段は、0.1μs毎にその間の零相電流の差分値と時刻情報を記録しているが、もっと長い間隔(例えば、0.5μs間隔)で零相電流の差分値と時刻情報を記録し、累積値が正の所定値以上又は負の所定値以下となった場合にのみ、その累積値を得た期間内における0.1μs(一定時間)毎の零相電流の差分値と時刻情報を記録するようにしても良い。
そうすることによって、0.1μs(一定時間)毎の零相電流の差分値と時刻情報の記録を特定変局点の抽出に必要な期間だけに限定でき、子局CPU11の負荷を小さくすることができる。
(4)実施例の故障点標定システムにおいては、各子局で特定変局点を決定し、サージ情報を送信しているが、各子局から零相電流検出手段からの零相電流検出値と計時手段からの時刻情報又は0.1μs(一定時間)毎の零相電流の差分値と時刻情報を送信し、親局においてS01〜S16の処理又はS02〜S16の処理(サージ情報送信処理を除く)を行うようにしても良い。
また、各子局においてS01〜S07前段の処理及びS10〜S14前段の処理を行って、最後に正の差分値が記録された時点から遡って最初に零又は負の差分値が記録されるまでの差分値群又は最後に負の差分値が記録された時点から遡って最初に零又は正の差分値が記録されるまでの差分値群の情報を送信し、親局においてS07後段〜S09及びS14後段〜S16の処理(サージ情報送信処理を除く)を行うようにしても良い。

0030

1子局2親局3送配電線路4基準時計手段
5時刻同期補正回路6 計時手段 7零相電流検出手段
11 子局CPU 12 送信手段 13通信インターフェイス
14零相電流検出値記録手段 15 零相電流差分値記録手段
16 正の差分値累積手段 17 負の差分値累積手段
18 特定変局点抽出手段 19 特定変局点情報記録手段
20通信線路21 通信インターフェイス
22 受信手段 23 親局CPU 24 表示手段
25サージ到達時刻情報選択手段 26故障点位置計算手段
27 故障点表示処理手段

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