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技術 水中コンクリート

出願人 五洋建設株式会社
発明者 安野浩一朗古牧大樹片山裕之前田勇司保木本智史
出願日 2014年1月22日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2014-009639
公開日 2015年7月30日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2015-137205
状態 特許登録済
技術分野 セメント、コンクリート、人造石、その養生
主要キーワード 水中落下 中強度 終端速度 セメント系混合物 凝結反応 抗力係数 水溶性低分子化合物 性能規定
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年7月30日)のものです。
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課題

水深数千メートル海底打設しても濁り材料分離を発生させない水中不分離性を有する水中コンクリートを提供する。

解決手段

本発明の水中コンクリートには、1%希釈率における粘性が1500ミリパスカル秒以上、かつ、5500ミリパスカル秒以下の範囲内にあり、2%希釈率における粘性が10000ミリパスカル秒以上、かつ、100000ミリパスカル秒以下の範囲内にあるものを用いる。本発明の水中コンクリートは、上述した粘性を示す水溶性セルロースを水に対し2.4重量%以上、かつ、4.0重量%以下の添加率で添加して製造される。

概要

背景

水中コンクリート海洋土木などの水中構造物工事に多く用いられている。従来、水中コンクリートには、セルロース系やポリアクリルアミド系などの増粘剤が添加されている。増粘剤の働きによって施工時における水中不分離性が向上するため、水中コンクリートの品質は向上する。

特許文献1には、水溶性セルロースエーテル水溶性金属硫酸塩または金属塩化物、および消泡剤よりなる水中コンクリート用混和剤が記載されている。
特許文献2には、2種類の水溶性低分子化合物を組み合わせて成る増粘性混和剤が配合されたセメント系混合物を所定の順序混練して製造する方法が記載されている。
特許文献3には、セルロースエーテルアルカリ金属炭酸塩とからなるモルタル混和剤が記載されている。
また、特許文献4,5には、流動性およびセルフレベリング性の高いコンクリートが開示されており、特許文献6,7には、不分離性の高いコンクリートが開示されている。そして、特許文献8には、コンクリートの凝結開始時間遅延させる方法が開示されている。

また、特許文献9には、少なくとも水、セメント細骨材起泡剤、増粘剤及び可塑化材が含まれていて(請求項1)、水に対する増粘剤の重量百分率が0.7〜1.2%であり、モルタルリットル当たりの可塑化材の量が30〜90gであり、セメントに対する起泡剤の重量百分率が3.0〜12.0%である水中不分離型透水性モルタル(請求項2)が記載されている。

また、特許文献10には、セメントに対する水の重量割合が40/100〜60/100であり、水に対する架橋アクリル系高分子粒子の重量割合が1/400〜1/100であり、かつ水に対するアルキルエーテル変性セルロース樹脂の重量割合が1/1000〜1/100である水中施工用グラウト材が記載されている。

概要

水深数千メートル海底打設しても濁り材料分離を発生させない水中不分離性を有する水中コンクリートを提供する。本発明の水中コンクリートには、1%希釈率における粘性が1500ミリパスカル秒以上、かつ、5500ミリパスカル秒以下の範囲内にあり、2%希釈率における粘性が10000ミリパスカル秒以上、かつ、100000ミリパスカル秒以下の範囲内にあるものを用いる。本発明の水中コンクリートは、上述した粘性を示す水溶性セルロースを水に対し2.4重量%以上、かつ、4.0重量%以下の添加率で添加して製造される。なし

目的

本発明の目的の1つは、水深数千メートルの海底で打設しても濁りや材料分離を発生させない水中不分離性を有する水中コンクリートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

1%希釈率における粘性が1500ミリパスカル秒以上、かつ、5500ミリパスカル秒以下の範囲内にある水溶性セルロース主剤とするJSCE−D104規格に準じる混和剤を、水に対し2.4重量%以上、かつ、4.0重量%以下の範囲内の添加率で添加したことを特徴とする水中コンクリート

請求項2

凝結開始までの時間が48時間以上であることを特徴とする請求項1に記載の水中コンクリート。

請求項3

凝結開始前に水中を6メートルにわたって自由落下する間に目視による濁りが確認できないことを特徴とする請求項1または2に記載の水中コンクリート。

技術分野

0001

本発明は、水中コンクリートに関する。

背景技術

0002

水中コンクリートは海洋土木などの水中構造物工事に多く用いられている。従来、水中コンクリートには、セルロース系やポリアクリルアミド系などの増粘剤が添加されている。増粘剤の働きによって施工時における水中不分離性が向上するため、水中コンクリートの品質は向上する。

0003

特許文献1には、水溶性セルロースエーテル水溶性金属硫酸塩または金属塩化物、および消泡剤よりなる水中コンクリート用混和剤が記載されている。
特許文献2には、2種類の水溶性低分子化合物を組み合わせて成る増粘性混和剤が配合されたセメント系混合物を所定の順序混練して製造する方法が記載されている。
特許文献3には、セルロースエーテルアルカリ金属炭酸塩とからなるモルタル混和剤が記載されている。
また、特許文献4,5には、流動性およびセルフレベリング性の高いコンクリートが開示されており、特許文献6,7には、不分離性の高いコンクリートが開示されている。そして、特許文献8には、コンクリートの凝結開始時間遅延させる方法が開示されている。

0004

また、特許文献9には、少なくとも水、セメント細骨材起泡剤、増粘剤及び可塑化材が含まれていて(請求項1)、水に対する増粘剤の重量百分率が0.7〜1.2%であり、モルタルリットル当たりの可塑化材の量が30〜90gであり、セメントに対する起泡剤の重量百分率が3.0〜12.0%である水中不分離型透水性モルタル(請求項2)が記載されている。

0005

また、特許文献10には、セメントに対する水の重量割合が40/100〜60/100であり、水に対する架橋アクリル系高分子粒子の重量割合が1/400〜1/100であり、かつ水に対するアルキルエーテル変性セルロース樹脂の重量割合が1/1000〜1/100である水中施工用グラウト材が記載されている。

先行技術

0006

特開昭58−115051号公報
特開2006−240965号公報
特開昭59−18141号公報
特開平7−267714号公報
国際公開2003/024884号公報
特開2001−261419号公報
特開平2−307851号公報
特開平4−119953号公報
特開2004−168573号公報
特開2007−261921号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、上述の特許文献1〜10に記載された水中コンクリートは、せいぜい水深数百メートル以下の水中で施工されることを想定されたものであり、水深数千メートルの海底で施工しても濁り材料分離を発生させない程の水中不分離性を有するものではない。また、水深数千メートルの海底では水深数百メートル以下の水中より水圧が高く、反応が加速して凝結開始時間が早まる傾向にある一方、水深が数千メートルまであると水中コンクリートが海底まで到達するのに時間がかかるので、凝結開始時間を遅らせる必要があった。

0008

本発明の目的の1つは、水深数千メートルの海底で打設しても濁りや材料分離を発生させない水中不分離性を有する水中コンクリートを提供することである。

課題を解決するための手段

0009

上述した課題を解決するため、本発明に係る水中コンクリートは、1%希釈率における粘性が1500ミリパスカル秒以上、かつ、5500ミリパスカル秒以下の範囲内にある水溶性セルロース主剤とするJSCE−D104規格に準じる混和剤を、水に対し2.4重量%以上、かつ、4.0重量%以下の範囲内の添加率で添加したことを特徴とする。
また、本発明に係る水中コンクリートは、上述した態様において、凝結開始までの時間が48時間以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る水中コンクリートは、上述した態様において、凝結開始前に水中を6メートルにわたって自由落下する間に目視による濁りが確認できないことを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明の水中コンクリートによれば、水深数千メートルの海底で打設しても濁りや材料分離を発生させない。

0011

本発明の水中コンクリートには、増粘剤として水溶性セルロースを主剤とするJSCE−D104規格に準じる混和剤を添加する。水溶性セルロースは、メチルセルロースエチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースなど多くの原料製品化されている。製品化されている水溶性セルロースのうち、本発明の水中コンクリートには、1%希釈率における粘性が1500ミリパスカル秒(mPa・s)以上、かつ、5500ミリパスカル秒以下の範囲内にあり、2%希釈率における粘性が10000ミリパスカル秒以上、かつ、100000ミリパスカル秒以下の範囲内にあるものを用いる。上述した粘性を示す水溶性セルロースには、例えばアスカクリーン(信越化学工業株式会社製)、アクセッター本油脂株式会社製)、ニッショウオシャンSP(安ハザマ興業株式会社製)、ハイドロクリート(三井化学産資株式会社製)、セルクリートH(株式会社ダイセル製)、マリンベールASK1、ASK2(五洋建設株式会社製)などがある。
本発明の水中コンクリートは、上述した粘性を示す水溶性セルロースを主剤とする混和剤を水に対し2.4重量%以上、かつ、4.0重量%以下の添加率で添加して製造される。
なお、JSCE−D104規格とは、コンクリート標準示方書規準編]土木学会規準および関連規準(2010年制定)に示すコンクリート用水中不分離性混和剤品質規格であり、本発明で用いる混和剤は、同規格の表1に示す標準形または遅延形のいずれかの性能規定を満たす。すなわち、本発明で用いる混和剤は、例えば標準形の性能規定を満たすのであれば、ブリーディング率が0.01以下で実質的に認められず、空気量が4.5%以下、スランプフロー経時低下量が30分後において3.0cm以下、水中分離度試験における懸濁物質料が50mg/l以下かつpHが12.0以下、凝結時間始発が5時間以上、終結が24時間以内、水中作成供試体圧縮強度材齢7日において15.0N/mm2以上、材齢28日において25.0N/mm2以上、水中気中強度比(気中作成供試体の圧縮強度に対する水中作成供試体の圧縮強度の比率)が材齢7日および28日でいずれも80%以上である。

0012

本発明の水中コンクリートは、現地の施工においてワーカビリティを増加させるために減水剤を添加してもよい。また、本発明の水中コンクリートは、水、セメント、および増粘剤を含むが、これらのほか、砂や骨材が添加されてもよい。
従来の技術では、水中コンクリートに添加されるセルロース系の増粘剤の添加率は、取り扱いの容易さなどの観点から水に対して1.0重量%以上、かつ、1.3重量%以下であることが一般的であった。本発明において、水深数千メートルの海底で施工することを目的とするため、水に対する増粘剤の添加率を変化させて、練り混ぜ時の状態から判断される撹拌性、水中落下時における濁りの発生状況、および凝結開始時間について実験を行い、増粘剤の添加率の範囲を特定した。
なお、本発明の水中コンクリートは海底で施工するものであるが、用途はこれに限られるものではなく、例えば、グラウト材として用いられてもよい。

0013

(1)練り混ぜ時の状態
次に示す表1は、水に対する増粘剤の添加率に応じた水中コンクリートの練り混ぜ時の状態を示すものである。増粘剤には2種類のものを用いた。増粘剤Aは、セルクリートH(株式会社ダイセル製)であり、増粘剤Bは、マリンベールASK1(五洋建設株式会社製)である。練り混ぜの方法は、家庭調理用品汎用品である2軸の回転ミキサーにより5分間程度かき混ぜた。練り混ぜ時の状態を目視により評価した。表1に示すように、水に対する増粘剤の添加率が4.2重量%まで達すると、練り混ぜ時に固化が起こり、撹拌が不可能となった。この固化はセメントの凝結反応ではなく、増粘剤自体の粘度によるものである。

0014

(2)濁りの発生状況
次に示す表2は、水に対する増粘剤の添加率に応じた濁りの発生状況を示すものである。増粘剤には、上述した増粘剤B、すなわち、マリンベールASK1を用いた。実験は、水中に練混ぜた材料を落下させる水槽の高さ(水中落下高さ)を変化させ、それぞれ濁りの発生状況を判定して行った。表2に示すように、水中落下高さが2.0m以下では増粘剤の水に対する添加率の違いによる濁りの発生状況には大きく差はなかった。しかし、水中落下高さを4.0m以上とすると、その高さが高くなるほど、増粘剤の添加率の違いによる差が生じることがわかった。

0015

表2に示すように、水に対する増粘剤の添加率が2.4重量%以上、かつ、4.0重量%以下である場合、水中落下高さが6.0mであっても水中の濁りが生じないことが分かる。なお、水中コンクリートが水槽の底に着床する直前落下速度終端速度)は、水中落下高さが6.0mのケースで5m/sであった。抗力係数を用いたコンクリートの落下速度の予測計算において、重力と落下時の海水粘性抵抗による抵抗力が吊り合って落下速度が一定になるときの最高値は5.3m/sであるから、本実験の結果は、水深数千メートルの海底に水中コンクリートが落下する直前の速度と見なすことができる。

0016

(3)凝結開始時間
次に示す表3は、水に対する増粘剤の添加率に応じた水中コンクリートの凝結開始時間を示すものである。増粘剤には、上述した増粘剤B(マリンベールASK1)を用いた。試験は、コンクリートの圧縮強度試験方法(JISA1108:2006)に従って行った。表3に示すように、水に対する増粘剤の添加率が2.4重量%以上である場合、凝結開始時間は48時間以上となることが分かった。

実施例

0017

(4)スランプフローの経時変化
次に示す表4は、水に対する増粘剤の添加率に応じたスランプフローの経時変化を示すものである。試験は、コンクリートのスランプフロー試験方法日本工業規格JISA1150:2007)に従って行ったが、スランプフロー値の定義については以下のとおりに修正した。すなわち、この試験では、水中コンクリートの材料を練混ぜた後にスランプフロー値を計測し、その後、材料をそのまま広げた状態で放置し、所定の時間が経過するごとにその時点におけるスランプフロー値をそれぞれ再度計測して、計測値の変化を記録した。
表4に示すように、水に対する増粘剤の添加率が2.4重量%以上、かつ、4.0重量%以下である場合、凝結開始時間が長いため、練混ぜた材料は重力の影響を受けてスランプフロー値が少しずつ継続して伸びてくる傾向が認められた。なお、水に対する増粘剤の添加率が1.1重量%のケースではスランプフロー値の変化は少なく、水中コンクリートは、2日後には完全に固化したことが分かった。

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