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技術 車両用空調制御装置

出願人 マツダ株式会社
発明者 平野拓男水戸部典朗
出願日 2014年1月21日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2014-008276
公開日 2015年7月30日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2015-136964
状態 特許登録済
技術分野 車両用空気調和
主要キーワード 車外空間 付加要素 エキストラクタ PCTヒータ 専用通路 循環位置 外気導入通路 反転温度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

車両の走行中に乗員に違和感を与えることなくウィンドシールド曇りを抑制しつつ乾燥材再生を行うことが可能な車両用空調制御装置を提供する。

解決手段

加熱手段14,15及び乾燥材21が配設された通路11c,11eを通過した空調風をウィンドシールドに吹き出す吹出口11iが設けられた通路11hと、外気導入通路11aとを連通する通路11jが備えられる。内気循環暖房時は、通路11c,11eに導入された内気が加熱手段14,15及び乾燥材21を通過した後、通路11hに流れ込み、吹出口11iから吹き出される。乾燥材21の再生時は、通路11c,11eに導入された内気が通路11hに流れ込むのが遮断されることにより、当該空気が加熱手段14,15及び乾燥材21を通過した後、車外空間1cへ排出される。車両加速度所定値以上のとき、乾燥材21の再生時の流路が形成される。

概要

背景

自動車等の車両には、冷房暖房除湿送風等、車室内空間の空調を行う空調装置が備えられる。このような空調装置においては、夏季の冷房時は、温湿度の高い外気車外空間の空気)を導入せずに内気(車室内空間の空気)を循環させ、冬季の暖房時は、湿度の低い外気を導入してウィンドシールド曇りを防止するのが通例である。しかし、冬季に外気導入すると車室内温度下がり暖房効率が低下するので、発熱量の少ない車両、例えば、熱効率の高い内燃機関を搭載した車両や、内燃機関が常時駆動しないハイブリッド車や、そもそも内燃機関を持たない電気自動車等においては、暖房時も内気循環する場合がある。ところが、暖房時に内気循環すると内気の湿度が上昇するので除湿が必要となる。その場合、一般に、除湿はエバポレータを用いて行われるので、エバポレータを駆動するために燃費バッテリ電力が低下するという不利益や、エバポレータでいったん冷やされた空調風を加熱するのに余分なエネルギーが必要になるという不利益がある。

そこで、空調装置に空気を除湿するためのデシカント材乾燥材又は除湿材ともいう)を組み込むことが知られている。デシカント材を用いれば、除湿のための駆動力が不要となり、また空調風が冷やされることもない。しかし、デシカント材は吸湿能力限界があるため、すなわち飽和するため、定期的に吸収した水分を排出させて飽和したデシカント材を再生する必要がある。この点、特許文献1には、デシカント材を空気通過可能な円板担持させ、この円板(デシカントロータ)を湿った外気を通す除湿側空気通路と、再生のための熱風を通す再生側空気通路との間で回転させることにより、デシカント材の吸湿と再生(排湿)とを連続的に行う技術が開示されている。しかし、特許文献1に開示される技術は、空調装置の大掛かりな変更を必要とし、車両の重量アップ及びコストアップを招く。

そこで、特許文献2に開示される技術を適用することが考えられる。すなわち、特許文献2には、次のような車両用空調装置が開示されている。通常の空調時に空調風が流れる空調風通路にデシカント材がヒータコア電気ヒータ等の加熱手段と共に配設され、内気循環の暖房時は、内気が上記加熱手段及びデシカント材を通過して、加熱及び除湿された空調風が生成し、この空調風が吹出口からウィンドシールドの内面に向けて吹き出される。また、上記空調風通路における吹出口の手前に流路切替弁が配設され、デシカント材の再生時は、上記加熱手段で加熱された内気がデシカント材に供給されて、デシカント材から水分を奪った温風となり、この温風が上記流路切替弁により切り替えられた流路を通って車外空間へ排出される。

特許文献2に開示の技術によれば、デシカント材が既存の空調風通路に配設されるので、空調装置の大掛かりな変更を必要とせず、車両の重量アップ及びコストアップが抑制される。また、内気循環の暖房時に内気の加熱に用いる加熱手段が、デシカント材の再生時にはデシカント材から水分を排湿させるための温風の調製に兼用されるので、これによっても空調装置の大掛かりな変更を必要とせず、またデシカント材を空調装置に組み込んだままデシカント材を再生できる。

概要

車両の走行中に乗員に違和感を与えることなくウィンドシールドの曇りを抑制しつつ乾燥材の再生を行うことが可能な車両用空調制御装置を提供する。加熱手段14,15及び乾燥材21が配設された通路11c,11eを通過した空調風をウィンドシールドに吹き出す吹出口11iが設けられた通路11hと、外気導入通路11aとを連通する通路11jが備えられる。内気循環の暖房時は、通路11c,11eに導入された内気が加熱手段14,15及び乾燥材21を通過した後、通路11hに流れ込み、吹出口11iから吹き出される。乾燥材21の再生時は、通路11c,11eに導入された内気が通路11hに流れ込むのが遮断されることにより、当該空気が加熱手段14,15及び乾燥材21を通過した後、車外空間1cへ排出される。車両加速度所定値以上のとき、乾燥材21の再生時の流路が形成される。

目的

本発明は、空調風通路及び加熱手段を内気循環の暖房時とデシカント材の再生時とで兼用しながらも、車両の走行中に、乗員に違和感・不快感を与えることなく、またウィンドシールドの曇りを抑制しつつ、デシカント材の再生を行うことが可能な車両用空調制御装置の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車室内空間の空調を行う空調装置を制御する車両用空調制御装置であって、空調風を加熱するための加熱手段及び除湿するためのデシカント材が配設された空調風通路と、上記空調風通路を通過した空調風をウィンドシールド内面に向けて吹き出すためのデフロスタ吹出口が設けられたデフロスタ吹出口通路と、車外空間の空気を導入するための外気導入通路と上記デフロスタ吹出口通路とを連通するデフロスタ専用通路と、内気循環暖房時は、上記空調風通路に導入された車室内空間の空気が上記加熱手段及びデシカント材を通過した後、上記デフロスタ吹出口通路に流れ込み、上記デフロスタ吹出口から吹き出される流路を形成し、上記デシカント材の再生時は、上記空調風通路に導入された車室内空間の空気が上記デフロスタ吹出口通路に流れ込むのを遮断することにより、当該空気が上記加熱手段及びデシカント材を通過した後、車外空間へ排出される流路を形成する流路形成手段と、車両の加速度が所定の加速度用基準値以上のとき又は車両の減速度が所定の減速度用基準値以上のとき、上記デシカント材の再生時の流路が形成されるように上記流路形成手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする車両用空調制御装置。

請求項2

請求項1に記載の車両用空調制御装置において、上記制御手段は、車両の加速度が上記加速度用基準値以上のときにのみ、上記デシカント材の再生時の流路が形成されるように上記流路形成手段を制御することを特徴とする車両用空調制御装置。

請求項3

請求項1又は2に記載の車両用空調制御装置において、上記デフロスタ専用通路は、上記空調風通路よりも通気抵抗が高いことを特徴とする車両用空調制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車室内空間の空調を行う空調装置、特に、空気を除湿するためのデシカント材を組み込んだ空調装置を制御する車両用空調制御装置に関する。

背景技術

0002

自動車等の車両には、冷房暖房、除湿、送風等、車室内空間の空調を行う空調装置が備えられる。このような空調装置においては、夏季の冷房時は、温湿度の高い外気車外空間の空気)を導入せずに内気(車室内空間の空気)を循環させ、冬季の暖房時は、湿度の低い外気を導入してウィンドシールド曇りを防止するのが通例である。しかし、冬季に外気導入すると車室内温度下がり暖房効率が低下するので、発熱量の少ない車両、例えば、熱効率の高い内燃機関を搭載した車両や、内燃機関が常時駆動しないハイブリッド車や、そもそも内燃機関を持たない電気自動車等においては、暖房時も内気循環する場合がある。ところが、暖房時に内気循環すると内気の湿度が上昇するので除湿が必要となる。その場合、一般に、除湿はエバポレータを用いて行われるので、エバポレータを駆動するために燃費バッテリ電力が低下するという不利益や、エバポレータでいったん冷やされた空調風を加熱するのに余分なエネルギーが必要になるという不利益がある。

0003

そこで、空調装置に空気を除湿するためのデシカント材(乾燥材又は除湿材ともいう)を組み込むことが知られている。デシカント材を用いれば、除湿のための駆動力が不要となり、また空調風が冷やされることもない。しかし、デシカント材は吸湿能力限界があるため、すなわち飽和するため、定期的に吸収した水分を排出させて飽和したデシカント材を再生する必要がある。この点、特許文献1には、デシカント材を空気通過可能な円板担持させ、この円板(デシカントロータ)を湿った外気を通す除湿側空気通路と、再生のための熱風を通す再生側空気通路との間で回転させることにより、デシカント材の吸湿と再生(排湿)とを連続的に行う技術が開示されている。しかし、特許文献1に開示される技術は、空調装置の大掛かりな変更を必要とし、車両の重量アップ及びコストアップを招く。

0004

そこで、特許文献2に開示される技術を適用することが考えられる。すなわち、特許文献2には、次のような車両用空調装置が開示されている。通常の空調時に空調風が流れる空調風通路にデシカント材がヒータコア電気ヒータ等の加熱手段と共に配設され、内気循環の暖房時は、内気が上記加熱手段及びデシカント材を通過して、加熱及び除湿された空調風が生成し、この空調風が吹出口からウィンドシールドの内面に向けて吹き出される。また、上記空調風通路における吹出口の手前に流路切替弁が配設され、デシカント材の再生時は、上記加熱手段で加熱された内気がデシカント材に供給されて、デシカント材から水分を奪った温風となり、この温風が上記流路切替弁により切り替えられた流路を通って車外空間へ排出される。

0005

特許文献2に開示の技術によれば、デシカント材が既存の空調風通路に配設されるので、空調装置の大掛かりな変更を必要とせず、車両の重量アップ及びコストアップが抑制される。また、内気循環の暖房時に内気の加熱に用いる加熱手段が、デシカント材の再生時にはデシカント材から水分を排湿させるための温風の調製に兼用されるので、これによっても空調装置の大掛かりな変更を必要とせず、またデシカント材を空調装置に組み込んだままデシカント材を再生できる。

先行技術

0006

特開2011−110951号公報
特開2012−224135号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、特許文献2に開示の技術では、空調風通路及び加熱手段が内気循環の暖房時とデシカント材の再生時とで兼用されるので、デシカント材の再生時は通常の空調が行えない。そのため、デシカント材の再生中は通常の空調が停止して乗員に違和感を与えてしまう。また、デシカント材の再生中は除湿が行えないので、内気の湿度が上昇し、乗員に不快感を与えると共に、ウィンドシールドが曇り易くなる。一方、車両が停車して乗員が不在になるまでデシカント材の再生を遅延させていたのでは、それまで除湿が行えないので、やはり内気の湿度が上昇し、乗員に不快感を与えると共に、ウィンドシールドが曇り易くなる。また、デシカント材を再生しようとする度に乗員に停車を促していたのでは利便性に劣る。

0008

そこで、本発明は、空調風通路及び加熱手段を内気循環の暖房時とデシカント材の再生時とで兼用しながらも、車両の走行中に、乗員に違和感・不快感を与えることなく、またウィンドシールドの曇りを抑制しつつ、デシカント材の再生を行うことが可能な車両用空調制御装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するためのものとして、本発明は、車室内空間の空調を行う空調装置を制御する車両用空調制御装置であって、空調風を加熱するための加熱手段及び除湿するためのデシカント材が配設された空調風通路と、上記空調風通路を通過した空調風をウィンドシールドの内面に向けて吹き出すためのデフロスタ吹出口が設けられたデフロスタ吹出口通路と、車外空間の空気を導入するための外気導入通路と上記デフロスタ吹出口通路とを連通するデフロスタ専用通路と、内気循環の暖房時は、上記空調風通路に導入された車室内空間の空気が上記加熱手段及びデシカント材を通過した後、上記デフロスタ吹出口通路に流れ込み、上記デフロスタ吹出口から吹き出される流路を形成し、上記デシカント材の再生時は、上記空調風通路に導入された車室内空間の空気が上記デフロスタ吹出口通路に流れ込むのを遮断することにより、当該空気が上記加熱手段及びデシカント材を通過した後、車外空間へ排出される流路を形成する流路形成手段と、車両の加速度が所定の加速度用基準値以上のとき又は車両の減速度が所定の減速度用基準値以上のとき、上記デシカント材の再生時の流路が形成されるように上記流路形成手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。

0010

本発明によれば、内気循環の暖房時は、空調風通路に導入された内気は、加熱手段及びデシカント材を通過した後、デフロスタ吹出口通路に流れ込み、デフロスタ吹出口からウィンドシールドの内面に向けて吹き出される。一方、デシカント材の再生時は、空調風通路に導入された内気がデフロスタ吹出口通路に流れ込むのが遮断されることにより、当該内気は、加熱手段及びデシカント材を通過した後、デフロスタ吹出口通路に流れ込まずに、車外空間へ排出される。つまり、デシカント材が既存の空調風通路に配設され、空調風通路及び加熱手段が内気循環の暖房時とデシカント材の再生時とで兼用される。そのため、空調装置の大掛かりな変更を必要とせず、車両の重量アップ及びコストアップが抑制される。またデシカント材を空調装置に組み込んだままデシカント材を再生できる。

0011

その場合に、デシカント材の再生時は、加熱手段及びデシカント材を通過した内気はデフロスタ吹出口通路に流れ込まないから、デフロスタ吹出口通路にはデフロスタ専用通路を介して外気導入通路から外気が流れ込む。そして、この外気がデフロスタ吹出口からウィンドシールドの内面に向けて吹き出される。したがって、デシカント材の再生時は通常の空調が行えないけれども、デフロスタ吹出口からは風の吹き出しが行われるので、乗員が感じる違和感が低減する。

0012

しかも、デフロスタ吹出口から吹き出すのは湿度の低い外気なので、内気の湿度上昇が抑えられて、乗員が感じる不快感が低減すると共に、ウィンドシールドの曇りも効果的に抑制される。

0013

さらに、車両の加速度又は減速度がそれぞれ所定の基準値以上のとき、言い換えると、車両挙動が比較的大きいときに、上記デシカント材の再生が行われるので、乗員の意識が車両挙動に向く比較的急な加速時又は比較的急な減速時に上記デシカント材の再生が行われる。そのため、乗員は車両挙動に気を取られるので、より一層違和感を感じ難くなる。

0014

以上により、本発明によれば、空調風通路及び加熱手段を内気循環の暖房時とデシカント材の再生時とで兼用しながらも、車両の走行中に、乗員に違和感・不快感を与えることなく、またウィンドシールドの曇りを抑制しつつ、デシカント材の再生を行うことが可能な車両用空調制御装置が提供される。

0015

本発明においては、上記制御手段は、車両の加速度が上記加速度用基準値以上のときにのみ、上記デシカント材の再生時の流路が形成されるように上記流路形成手段を制御することが好ましい。

0016

この構成によれば、外気の風圧が増加する加速時に上記デシカント材の再生が行われるので、加速時に増加する十分な風量の外気がデフロスタ専用通路を介してデフロスタ吹出口通路に流れ込み、デフロスタ吹出口からウィンドシールドの内面に向けて吹き出される。その結果、デフロスタ吹出口から吹き出される外気の量が確保され、ウィンドシールドの曇り止め効果が増大し、デフロスタ機能結露防止機能)が確保される。

0017

本発明においては、上記デフロスタ専用通路は、上記空調風通路よりも通気抵抗が高いことが好ましい。

0018

この構成によれば、加熱手段及びデシカント材を通過した内気がデフロスタ吹出口通路に流れ込む内気循環の暖房時は、通気抵抗が相対的に高いデフロスタ専用通路を介して外気がデフロスタ吹出口通路に流れ込む割合が減り、通気抵抗が相対的に低い空調風通路を介して加熱手段及びデシカント材を通過した内気がデフロスタ吹出口通路に流れ込む割合が増える。そのため、内気循環の暖房が十分図られて、乗員の空調フィーリング快適性減損しない。

発明の効果

0019

以上のように、本発明は、空調風通路及び加熱手段を内気循環の暖房時とデシカント材の再生時とで兼用しながらも、車両の走行中に、乗員に違和感・不快感を与えることなく、またウィンドシールドの曇りを抑制しつつ、デシカント材の再生を行うことが可能な車両用空調制御装置を提供するので、空気を除湿するためのデシカント材を組み込んだ空調装置を制御する車両用空調制御装置の技術の発展・向上に寄与する。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施形態に係る車両用空調装置の全体構成を示すブロック図である(内気循環の暖房時)。
上記車両用空調装置に組み込んだデシカント材の吸湿・排湿特性を示すグラフである。
上記車両用空調装置の制御系統を示すブロック図である。
図1に類似のブロック図である(デシカント材の再生時)。
上記車両用空調装置の制御ユニットが行う制御動作の1例を示すフローチャートである。

実施例

0021

(1)全体構成
図1は、本実施形態に係る車両1に搭載された空調装置10の全体構成を示すブロック図である。本発明で「上流」「下流」というときは、特に断らない限り、空調装置10における空気の流れに関していう。

0022

(1−1)基本要素
空調装置10は、車体1aの前部に配置され、車体1aの後部には、車室内空間1bと車外空間1cとを連通するエキストラクタ1dが配置されている。空調装置10は、車室内空間2の空調を行うもので、車外空間1cの空気、すなわち外気を空調装置10に導入するための外気導入通路11aと、車室内空間1bの空気、すなわち内気を空調装置10に導入するための内気導入通路11bとを有する。

0023

外気導入通路11a及び内気導入通路11bの下流端メインダクト通路11cが接続され、メインダクト通路11cの下流端に冷房用通路11d及び暖房用通路11eが接続されている。メインダクト通路11c及び暖房用通路11eは全体が本発明の空調風通路に相当する。

0024

冷房用通路11d及び暖房用通路11eの下流端に吹出口通路11f,11hが接続されている。吹出口通路11f,11hの下流端に、空調装置10で冷却、加熱、又は除湿された空気(空調風)を車室内空間1bに吹き出すための複数の吹出口11g,11iが設けられている。詳しくは図示しないが、吹出口11gとして、前席の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すベント吹出口、前席の乗員の足元に向けて空調風を吹き出すヒート吹出口、後席の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すリヤベント吹出口、及び後席の乗員の足元に向けて空調風を吹き出すリヤヒート吹出口等が設けられている。また、吹出口11iとして、フロントウィンドシールド(図示せず)の内面に向けて下方から上方に空調風を吹き出すデフロスタ吹出口が設けられている。

0025

本実施形態では、特に、デフロスタ吹出口11iが下流端に設けられた吹出口通路11hをデフロスタ吹出口通路と称する。

0026

メインダクト通路11c内に、上流側から、ブロアファン12、及びエバポレータ13が配置されている。暖房用通路11e内に、上流側から、ヒータコア14、及びPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ15が配置されている。ヒータコア14及びPTCヒータ15はそれぞれが本発明の加熱手段に相当する。

0027

外気導入通路11a及び内気導入通路11bの下流端に内外気切替ダンパ16が配設されている。内外気切替ダンパ16は、外気導入通路11aを閉じる位置(内気循環位置)と内気導入通路11bを閉じる位置(外気導入位置)との間の任意の位置に位置することが可能に構成されている。これにより、外気導入通路11aと内気導入通路11bとの開度の割合が調節され、吹出口11g,11iから吹き出される空調風の外気と内気との混合比率が種々調節される。

0028

ブロアファン12は、内外気切替ダンパ16の下流に配置され、駆動されることにより、外気導入通路11a又は内気導入通路11bから吹出口11g,11iに向けて流れる空調風を生成する。

0029

エバポレータ13は、冷房用の熱交換器であり、ブロアファン12の下流に配置され、空調風を冷却する。

0030

冷房用通路11d及び暖房用通路11eの上流端に温度コントロールダンパ17が配設されている。温度コントロールダンパ17は、冷房用通路11dを閉じる位置(暖房時位置)と暖房用通路11eを閉じる位置(冷房時位置)との間の任意の位置に位置することが可能に構成されている。これにより、冷房用通路11dと暖房用通路11eとの開度の割合が調節され、吹出口11g,11iから吹き出される空調風の温度が種々調節される。

0031

ここで、上記内外気切替ダンパ16及び上記温度コントロールダンパ17はそれぞれが本発明の流路形成手段に相当する。

0032

ヒータコア14は、暖房用の熱交換器であり、温度コントロールダンパ17の下流に配置され、空調風を加熱する。ヒータコア14は、暖房用の熱源として利用し得るエンジン冷却水がその内部を循環する。

0033

PTCヒータ15もまた、暖房用の熱交換器であり、ヒータコア14の下流に配置され、ヒータコア14で加熱された空調風をさらに加熱する。PTCヒータ15は、電力の供給を受けて作動する電気式ヒータであり、図示しないPTC素子正特性サーミスタ)に電力が供給されることによって発熱する。PTCヒータ15は、作動時に発熱して温度が上昇すると抵抗値が増大して電流量を抑制する自己温度制御機能を有する。一方、PTCヒータ15は、非作動時に温度が低下すると抵抗値が減少して電流が流れ易くなり、そのため、冷間始動時は多量の電流(突入電流)が流れるという性質を有する。

0034

本実施形態に係る車両1は、熱効率の高い内燃機関(図示せず)を搭載している。そのため、燃費性能に優れる反面、発熱量が少ないので、ヒータコア14を循環するエンジン冷却水の温度が相対的に低くなる。そのため、ヒータコア14だけでは暖房用の熱源として不足するので、それを補うために、追加の暖房用熱源としてPCTヒータ15が用いられている。

0035

(1−2)付加要素
以上の基本要素に加えて、空調装置10は、以下の付加要素を有する。

0036

メインダクト通路11c内で、ブロアファン12の上流に、空気を除湿するためのデシカント材21が配設されている。デシカント材21については後述する。

0037

暖房用通路11eの上流端に再生時内気取入通路22が接続されている。再生時内気取入通路22は、デシカント材21の再生時に、車室内空間1bの空気を空調装置10に取り入れるためのものである。再生時内気取入通路22の接続部に再生時内気取入通路22を開閉する再生時内気取入ダンパ25が配設されている。

0038

暖房用通路11eの下流端に再生時温風通路23の上流端が接続されている。再生時温風通路23の下流端は、メインダクト通路11cの上流端に接続されている。再生時温風通路23は、デシカント材21の再生時に、ヒータコア14及びPTCヒータ15で加熱された空気をデシカント材21に供給するためのものである。再生時温風通路23の上流端の接続部に再生時温風通路23を開閉する再生時温風ダンパ26が配設されている。再生時温風ダンパ26は、再生時温風通路23を閉じたときは吹出口通路11f,11hを開き(図1の状態)、再生時温風通路23を開いたときは吹出口通路11f,11hを閉じる(図4の状態)ように構成されている。

0039

メインダクト通路11cのブロアファン12とエバポレータ13との間の部分に再生時排湿通路24が接続されている。再生時排湿通路24は、デシカント材21の再生時に、デシカント材21を通過した空気を車外空間1cに排出するためのものである。再生時排湿通路24の接続部に再生時排湿通路24を開閉する再生時排湿ダンパ27が配設されている。再生時排湿ダンパ27は、再生時排湿通路24を閉じたときはメインダクト通路11cを再生時排湿通路24とエバポレータ13との間で開き(図1の状態)、再生時排湿通路24を開いたときはメインダクト通路11cを再生時排湿通路24とエバポレータ13との間で閉じる(図4の状態)ように構成されている。

0040

ここで、上記再生時内気取入ダンパ25、上記再生時温風ダンパ26、及び上記再生時排湿ダンパ27は、それぞれが本発明の流路形成手段に相当する。

0041

メインダクト通路11c内で、デシカント材21の上流に、温度センサ31が配設されている。

0042

外気導入通路11aとデフロスタ吹出口通路11hとの間にこれらを連通するデフロスタ専用通路11jが配設されている。デフロスタ専用通路11jは、他の通路、すなわち、メインダクト通路11c、暖房用通路11e、及び吹出口通路11f,11hよりも断面積つまり空気の流通面積が小さい値に設定されている。言い換えると、デフロスタ専用通路11jは、メインダクト通路11c、暖房用通路11e、及び吹出口通路11f,11hよりも通気抵抗が高くなるように設定されている。

0043

(2)デシカント材
本実施形態で用いられるデシカント材21は、所定の基準温度未満のときに空気中の水分を吸収(吸湿)し、上記基準温度以上のときに吸収した水分を排出(排湿)するという性質を有する。上記基準温度は吸排湿反転温度ということができる。

0044

図2は、上記デシカント材21の吸湿・排湿特性を示すグラフである。図中、実線Aは、デシカント材21に供給される空気の温度(インプット温度)の時間変化を示し、破線Bは、デシカント材21を通過した空気の温度(アウトプット温度)の時間変化を示す。

0045

インプット温度Aが基準温度Ta以上のとき(A≧Ta)は、デシカント材21は排湿しており再生中である。インプット温度Aが基準温度Ta未満のとき(A<Ta)は、デシカント材21は吸湿中である。

0046

デシカント材21は、吸湿中は発熱する。したがって、デシカント材21の吸湿中は、インプット温度Aよりもアウトプット温度Bが高くなる(B>A)。

0047

デシカント材21は、飽和すると発熱が止まる。したがって、デシカント材21が飽和すると、インプット温度Aとアウトプット温度Bとは略等しくなる(B≒A)。

0048

本実施形態で用いられるデシカント材21としては、例えば、シリカゲルポリアクリル酸高分子等、所定の基準温度未満のときに吸湿し、上記基準温度以上のときに排湿するという性質を有するものであれば、特に限定されない。

0049

(3)制御系統
図3は、上記車両用空調装置10の制御系統を示すブロック図である。

0050

制御ユニット100は、CPU、ROM、RAM等を含む周知の構成のマイクロプロセッサであり、本発明の制御手段に相当する。

0051

制御ユニット100は、空調装置10の操作盤30、上記温度センサ31、内燃機関のイグニッションスイッチ32、及び車両1の走行速度を検知する車速センサ33から、それぞれ各信号を入力する。

0052

制御ユニット100は、上記各信号等に基いて、上記空調装置10のブロアファン12、エバポレータ13、PTCヒータ15、及び各ダンパ16,17,25,26,27に、それぞれ制御信号を出力する。

0053

(4)制御動作
(4−1)内気循環の暖房時
内気循環の暖房時、制御ユニット100は、図1に示すように、内外気切替ダンパ16を内気循環位置に位置させ、再生時排湿ダンパ27をメインダクト通路11cが開く位置に位置させ、温度コントロールダンパ17を暖房時位置に位置させ、再生時内気取入ダンパ25を再生時内気取入通路22が閉じる位置に位置させ、再生時温風ダンパ26を再生時温風通路23が閉じる位置に位置させる。これにより、内気導入通路11b、メインダクト通路11c、暖房用通路11e、及び吹出口通路11f,11hが開き、再生時内気取入通路22、再生時温風通路23、及び再生時排湿通路24が閉じる。

0054

その上で、制御ユニット100は、空調装置操作盤30からの設定信号に応じた強さでブロアファン12を駆動し、空調装置操作盤30からの設定信号に応じた電力でPTCヒータ15を作動させる。これにより、車室内空間1bの空気が、内気導入通路11b、メインダクト通路11c、暖房用通路11e、及び吹出口通路11f,11hを通過し、その間にデシカント材21で除湿され、ヒータコア14及びPTCヒータ15で加熱されて、乗員が空調装置操作盤30を操作して設定した温度の空調風が吹出口11g,11iから車室内空間1bに吹き出され、再び内気導入通路11bに導入される。

0055

このとき、上述したように、デフロスタ専用通路11jは、メインダクト通路11c、暖房用通路11e、及び吹出口通路11f,11hよりも通気抵抗が高くなるように設定されている。そのため、図1に示す内気循環の暖房時は、通気抵抗が相対的に高いデフロスタ専用通路11jを介して外気がデフロスタ吹出口通路11hに流れ込む割合が減り、通気抵抗が相対的に低いメインダクト通路11c及び暖房用通路11eを介してデシカント材21、ヒータコア14、及びPTCヒータ15を通過した内気がデフロスタ吹出口通路11hに流れ込む割合が増える。

0056

このときの空気の流れのルートを内気循環暖房時ルートR1(本発明の内気循環の暖房時の流路に相当)とする。

0057

(4−2)デシカント材の再生時
デシカント材21の再生時、制御ユニット100は、図4に示すように、内外気切替ダンパ16を内気循環位置に位置させ、再生時排湿ダンパ27をメインダクト通路11cが再生時排湿通路24とエバポレータ13との間で閉じる位置に位置させ、温度コントロールダンパ17を暖房時位置に位置させ、再生時内気取入ダンパ25を再生時内気取入通路22が開く位置に位置させ、再生時温風ダンパ26を吹出口通路11f,11hが閉じる位置に位置させる。これにより、再生時内気取入通路22、暖房用通路11e、再生時温風通路23、メインダクト通路11cにおけるエバポレータ13より上流側の部分、及び再生時排湿通路24が開き、メインダクト通路11cにおけるエバポレータ13より下流側の部分、及び吹出口通路11f,11hが閉じる。

0058

その上で、制御ユニット100は、デシカント材21の状態(例えば吸湿量)に応じた強さでブロアファン12を駆動し、デシカント材21の基準温度Taに応じた電力でPTCヒータ15を作動させる。これにより、車室内空間1bの空気が、再生時内気取入通路22、暖房用通路11e、再生時温風通路23、メインダクト通路11cにおけるエバポレータ13より上流側の部分、及び再生時排湿通路24を通過し、その間にヒータコア14及びPTCヒータ15で加熱されて、基準温度Ta以上の空気がデシカント材21に供給され、デシカント材21を通過して、再生時排湿通路24から車外空間1cに排出される。

0059

この図4に示すデシカント材21の再生時は、ヒータコア14、PTCヒータ15、及びデシカント材21を通過した内気は、当該内気がデフロスタ吹出口通路11hに流れ込むのを再生時排湿ダンパ27及び再生時温風ダンパ26が遮断することにより、デフロスタ吹出口通路11hに流れ込まないから、デフロスタ吹出口通路11hにはデフロスタ専用通路11jを介して外気導入通路11aから外気が流れ込む。そして、この外気がデフロスタ吹出口11iからフロントウィンドシールドの内面に向けて吹き出される。

0060

このときの空気の流れのルートをデシカント材再生時ルートR2(本発明のデシカント材の再生時の流路に相当)とする。

0061

デシカント材21の再生時、制御ユニット100は、温度センサ31により、デシカント材21に供給されるインプット温度を検出し、インプット温度が基準温度Ta以上に維持されるようにPTCヒータ15をフィードバック制御する。

0062

なお、デシカント材21の再生時、車室内空間1bの空気が車外空間1cに排出されるので、それを補うために、エキストラクタ1dが開いて、車外空間1cの空気が車室内空間1bに導入される。

0063

(4−3)フローチャート
図5は上記制御ユニット100が行う制御動作の1例を示すフローチャートである。

0064

制御ユニット100は、ステップS1で、イグニッションスイッチ32がオンか否かを判定する。

0065

その結果、YESのとき、つまり内燃機関の運転中は、ステップS2で、送風モード、すなわち上記内気循環の暖房を実行する。その結果、図1に示す内気循環暖房時ルートR1が形成される。

0066

次いで、ステップS3で、デシカント材21が飽和、又は、車速センサ33で検知される車両1の走行速度の時間変化に基づいて算出される車両1の加速度が所定の基準値(加速度用基準値)以上か否かを判定する。ここで、デシカント材21が飽和か否かは、例えば、上述したように、デシカント材21のインプット温度Aとアウトプット温度Bとが略等しいか否かにより判定できる。

0067

その結果、NOのときは、ステップS2に戻り(送風モードの継続)、YESのときは、ステップS4で、再生モード、すなわち上記デシカント材21の再生を実行する(再生モードへの切替え)。

0068

具体的に、ステップS5に示すように、再生時内気取入ダンパ25、再生時温風ダンパ26、及び再生時排湿ダンパ27の位置を上述したように切り替える(内外気切替ダンパ16及び温度コントロールダンパ17の位置は維持する)。その結果、図4に示すデシカント材再生時ルートR2が形成される。また、ブロアファン12の駆動を開始し(又は継続し)、PTCヒータ15によるインプット温度のフィードバック制御を実行する。

0069

次いで、ステップS6で、所定の再生時間が経過し、又は所定の再生停止条件が発生したか否かを判定する。ここで、所定の再生停止条件とは、例えば、上記車両1の加速度が上記加速度用基準値未満に低下したこと等が挙げられる。

0070

その結果、NOのときは、ステップS4に戻り(再生モードの継続)、YESのときは、ステップS2に戻る(送風モードへの切替え)。

0071

以上により、このフローチャートによれば、再生モードは、デシカント材21が飽和状態のとき、又は車両1の走行中において車両1の加速時に限って行われる。

0072

(5)作用等
以上説明したように、本実施形態では、車室内空間1bの空調を行う空調装置10を制御する車両用空調制御装置において、次のような特徴的構成が採用されている。

0073

空調風を加熱するためのヒータコア14及びPTCヒータ15が配設された暖房用通路11eと、空調風を除湿するためのデシカント材21が配設されたメインダクト通路11cと、上記メインダクト通路11c及び暖房用通路11eを通過した空調風をフロントウィンドシールドの内面に向けて吹き出すためのデフロスタ吹出口11iが設けられたデフロスタ吹出口通路11hと、外気を導入するための外気導入通路11aと上記デフロスタ吹出口通路11hとを連通するデフロスタ専用通路11jとが備えられている。

0074

また、内気循環の暖房時は、内気循環暖房時ルートR1を形成し、上記デシカント材21の再生時は、デシカント材再生時ルートR2を形成する、内外気切替ダンパ16、温度コントロールダンパ17、再生時内気取入ダンパ25、再生時温風ダンパ26、及び再生時排湿ダンパ27が備えられている。

0075

上記内気循環暖房時ルートR1は、図1に示すように、内気導入通路11bを介して上記メインダクト通路11c及び暖房用通路11eに導入された内気が上記デシカント材21、ヒータコア14、及びPTCヒータ15を通過した後、上記吹出口通路11f,11hに流れ込み、上記吹出口11g,11iから吹き出されるルートである。

0076

上記デシカント材再生時ルートR2は、図4に示すように、再生時内気取入通路22を介して上記暖房用通路11e及びメインダクト通路11cに導入された内気が上記吹出口通路11f,11hに流れ込むのが遮断されることにより、当該内気は、上記ヒータコア14、PTCヒータ15、及びデシカント材21を通過した後、上記吹出口通路11f,11hに流れ込まずに、再生時排湿通路24を介して車外空間1cへ排出されるルートである。

0077

そして、車両1の加速度が所定の加速度用基準値以上のとき(ステップS3でYES)、上記デシカント材再生時ルートR2が形成されるように上記各ダンパ16,17,25〜27を制御する制御ユニット100が備えられている。

0078

この構成によれば、内気循環の暖房時は、メインダクト通路11c及び暖房用通路11eに導入された内気は、デシカント材21、ヒータコア14、及びPTCヒータ15を通過した後、デフロスタ吹出口通路11hに流れ込み、デフロスタ吹出口11iからフロントウィンドシールドの内面に向けて吹き出される。一方、デシカント材21の再生時は、暖房用通路11e及びメインダクト通路11cに導入された内気がデフロスタ吹出口通路11hに流れ込むのが遮断されることにより、当該内気は、ヒータコア14、PTCヒータ15、及びデシカント材21を通過した後、デフロスタ吹出口通路11hに流れ込まずに、車外空間1cへ排出される。つまり、デシカント材21が既存のメインダクト通路11cに配設され、メインダクト通路11c、暖房用通路11e、ヒータコア14、及びPTCヒータ15が、図1に示す内気循環の暖房時と、図4に示すデシカント材21の再生時とで兼用される。そのため、空調装置10の大掛かりな変更を必要とせず、車両1の重量アップ及びコストアップが抑制される。またデシカント材21を空調装置10に組み込んだままデシカント材21を再生できる。

0079

その場合に、デシカント材21の再生時は、ヒータコア14、PTCヒータ15、及びデシカント材21を通過した内気はデフロスタ吹出口通路11hに流れ込まないから、デフロスタ吹出口通路11hにはデフロスタ専用通路11jを介して外気導入通路1aから外気が流れ込む。そして、この外気がデフロスタ吹出口11iからフロントウィンドシールドの内面に向けて吹き出される。したがって、デシカント材21の再生時は通常の空調(内気循環の暖房)が行えないけれども、デフロスタ吹出口11iからは風の吹き出しが行われるので、乗員が感じる違和感が低減する。

0080

しかも、デフロスタ吹出口11iから吹き出すのは湿度の低い外気なので、内気の湿度上昇が抑えられて、乗員が感じる不快感が低減すると共に、フロントウィンドシールドの曇りも効果的に抑制される。

0081

さらに、車両1の加速度が所定の加速度用基準値以上のとき、言い換えると、車両1の挙動が比較的大きいときに、上記デシカント材21の再生が行われるので、乗員の意識が車両1の挙動に向く比較的急な加速時に上記デシカント材21の再生が行われる。そのため、乗員は車両1の挙動に気を取られるので、より一層違和感を感じ難くなる。

0082

以上により、本実施形態によれば、メインダクト通路11c、暖房用通路11e、ヒータコア14、及びPTCヒータ15を内気循環の暖房時とデシカント材21の再生時とで兼用しながらも、車両1の走行中に(ステップS3で車両1の加速度が所定の加速度用基準値以上であるためYESのとき)、乗員に違和感・不快感を与えることなく、またフロントウィンドシールドの曇りを抑制しつつ、デシカント材21の再生を行うことが可能な車両用空調制御装置が提供される。

0083

本実施形態においては、上記制御ユニット100は、車両1の加速度が上記加速度用基準値以上のときにのみ、上記デシカント材再生時ルートR2が形成されるように上記各ダンパ16,17,25〜27を制御する。

0084

乗員の意識は、車両1の挙動が比較的大きいとき、すなわち、比較的急な加速時だけでなく、比較的急な減速時にも、車両1の挙動に向く傾向にある。したがって、デシカント材21の再生を行う条件としては、車両1の加速度が所定の加速度用基準値以上であることだけでなく、車両1の減速度が所定の減速度用基準値以上であることも採用可能である。しかしながら、本実施形態においては、特に、車両1の加速度が上記加速度用基準値以上であることのみが、デシカント材21の再生を行う条件に採用されている(ステップS3参照)。

0085

この構成によれば、外気の風圧が増加する車両1の加速時に上記デシカント材21の再生が行われるので、加速時に増加する十分な風量の外気が外気導入通路11a及びデフロスタ専用通路11jを介してデフロスタ吹出口通路11hに流れ込み、デフロスタ吹出口11iからフロントウィンドシールドの内面に向けて吹き出される。その結果、デフロスタ吹出口11iから吹き出される外気の量が確保され、フロントウィンドシールドの曇り止め効果が増大し、デフロスタ機能(結露防止機能)が確保される。

0086

本実施形態においては、上記デフロスタ専用通路11jは、上記メインダクト通路11c及び暖房用通路11eよりも通気抵抗が高くなるように設定されている。

0087

この構成によれば、図1に示すように、デシカント材21、ヒータコア14、及びPTCヒータ15を通過した内気がデフロスタ吹出口通路11hに流れ込む内気循環の暖房時は、通気抵抗が相対的に高いデフロスタ専用通路11jを介して外気がデフロスタ吹出口通路11hに流れ込む割合が減り、通気抵抗が相対的に低いメインダクト通路11c及び暖房用通路11eを介してデシカント材21、ヒータコア14、及びPTCヒータ15を通過した内気がデフロスタ吹出口通路11hに流れ込む割合が増える。そのため、内気循環の暖房が十分図られて、乗員の空調フィーリングの快適性が減損しない。

0088

なお、上記実施形態では、ステップS3において、車速センサ33で検知される車両1の走行速度の時間変化に基づいて算出される車両1の加速度が所定の加速度用基準値以上か否かを判定するようにしたが、これに代えて、車速センサ33で検知される車両1の走行速度の時間変化に基づいて算出される車両1の減速度が所定の減速度用基準値以上か否かを判定するようにしてもよい。この構成によれば、車両1の減速度が所定の減速度用基準値以上のときに上記デシカント材21の再生が行われるので、乗員の意識が車両1の挙動に向く比較的急な減速時に上記デシカント材21の再生が行われる。そのため、やはり乗員は車両1の挙動に気を取られるので、より一層違和感を感じ難くなる。

0089

また、上記実施形態では、デフロスタ専用通路11jの断面積を、メインダクト通路11c、暖房用通路11e、及び吹出口通路11f,11hの断面積よりも小さい値に設定することにより、デフロスタ専用通路11jの通気抵抗を、メインダクト通路11c、暖房用通路11e、及び吹出口通路11f,11hの通気抵抗よりも高くしたが、これに代えて又はこれと共に、例えばデフロスタ専用通路11jにオリフィスを設けたり、デフロスタ専用通路11jを蛇行させてもよい。

0090

また、PTCヒータ15に代えて、例えば電熱式ヒータや遠赤外線ヒータ等を用いてもよい。

0091

また、デシカント材21をブロアファン12の下流かつ再生時排湿通路24の上流に配設してもよい。

0092

また、デシカント材21の再生時、内外気切替ダンパ16とは別の手段を用いて、内気導入通路11bを閉じるようにしてもよい。

0093

1 車両
1b車室内空間
1c車外空間
10車両用空調装置
11a外気導入通路
11b内気導入通路
11cメインダクト通路(空調風通路)
11e暖房用通路(空調風通路)
11hデフロスタ吹出口通路
11i デフロスタ吹出口
11jデフロスタ専用通路
14ヒータコア(加熱手段)
15PTCヒータ(加熱手段)
16内外気切替ダンパ(流路形成手段)
17温度コントロールダンパ(流路形成手段)
21デシカント材
25再生時内気取入ダンパ(流路形成手段)
26 再生時温風ダンパ(流路形成手段)
27 再生時排湿ダンパ(流路形成手段)
33車速センサ
100制御ユニット(制御手段)
Ta基準温度(吸排湿反転温度)

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