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技術 結合構造の算出方法、及び算出装置、プログラム、並びに記録媒体

出願人 富士通株式会社
発明者 谷田義明
出願日 2014年1月15日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2014-005061
公開日 2015年7月23日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2015-132572
状態 特許登録済
技術分野 特有な方法による材料の調査、分析 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 平衡距離 調和振動子 立体座標 外部記憶領域 静電遮蔽 分子動力学法 質量中心 構造計算
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

対象タンパク質薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができる結合構造の算出方法などの提供。

解決手段

計算機を用いた、溶媒中における対象タンパク質と薬剤候補化合物とが結合した複合体の立体構造の算出方法であって、前記対象タンパク質の構造を固定せず、かつ、前記薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記薬剤候補化合物の安定構造を含む所定の範囲内に限定して、前記複合体の立体構造の計算を行う複合体の立体構造の算出方法である。

概要

背景

近年、薬剤候補化合物実験的に探索するのに要する膨大な費用と労力を削減するため、各種の計算機によるシミュレーションが行われている。薬剤候補化合物の探索とは、標的疾患(ターゲットとする疾患)に関与するタンパク質に対して強く相互作用する化合物リガンド)を薬剤候補として探索することである。そこで、計算機によるタンパク質立体構造に基づく化合物のスクリーニング活発に行われている。

特に利用されている方法として、構造ベース薬剤設計方法(Structure−Based Drug Design,SBDD)が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。この方法は、標的タンパク質受容体立体構造情報に基づいた分子設計法である。

この方法においては、通常、対象タンパク質の構造を固定して、薬剤候補化合物の自由度のみを考慮した構造計算が行われている。
しかし、そのような構造計算の場合、対象タンパク質の大きな構造揺らぎが考慮されておらず、かつ薬剤候補化合物の構造が真空中の構造と大きく異なるため、予測される対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造が存在しないことが多くあった。そのため、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができないという問題があった。

したがって、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができる、結合構造の算出方法、及び算出装置、前記算出方法を実行するプログラム、並びに前記プログラムを備えた記録媒体の提供が求められているのが現状である。

概要

対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができる結合構造の算出方法などの提供。計算機を用いた、溶媒中における対象タンパク質と薬剤候補化合物とが結合した複合体の立体構造の算出方法であって、前記対象タンパク質の構造を固定せず、かつ、前記薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記薬剤候補化合物の安定構造を含む所定の範囲内に限定して、前記複合体の立体構造の計算を行う複合体の立体構造の算出方法である。

目的

薬剤候補化合物の探索とは、標的疾患(ターゲットとする疾患)に関与するタンパク質に対して強く相互作用する化合物(リガンド)を薬剤候補として探索することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

計算機を用いた、溶媒中における対象タンパク質薬剤候補化合物とが結合した複合体の立体構造算出方法であって、前記対象タンパク質の構造を固定せず、かつ、前記薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記薬剤候補化合物の安定構造を含む所定の範囲内に限定して、前記複合体の立体構造の計算を行うことを特徴とする複合体の立体構造の算出方法。

請求項2

前記薬剤候補化合物の前記所定の範囲内への限定が、前記薬剤候補化合物の安定構造に、前記薬剤候補化合物における原子間距離及び結合角拘束する調和振動子を付加することにより行われる請求項1に記載の複合体の立体構造の算出方法。

請求項3

真空条件下で前記対象タンパク質の周辺に前記薬剤候補化合物を配置し、次に、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う請求項1から2のいずれかに記載の複合体の立体構造の算出方法。

請求項4

前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との静電相互作用をα倍(ただし、0<α<1)して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記αを1にしてかつ前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う請求項3に記載の複合体の立体構造の算出方法。

請求項5

前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づくまでは前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とのファンデルワールス相互作用を無視して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う請求項3から4のいずれかに記載の複合体の立体構造の算出方法。

請求項6

前記溶媒が水であり、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた後には、ファンデルワールス相互作用、及び陽に水分子の効果を考慮して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う請求項3から5のいずれかに記載の複合体の立体構造の算出方法。

請求項7

前記対象タンパク質の周辺に配置した前記薬剤候補化合物を、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との相互作用における前記薬剤候補化合物の重心から前記対象タンパク質の重心に向かう方向の力に従って変位させる請求項3から6のいずれかに記載の複合体の立体構造の算出方法。

請求項8

コンピュータに、対象タンパク質の構造を固定せず、かつ、薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記薬剤候補化合物の安定構造を含む所定の範囲内に限定して、複合体の立体構造の計算を行うことを実行させることを特徴とするプログラム

請求項9

前記薬剤候補化合物の前記所定の範囲内への限定が、前記薬剤候補化合物の安定構造に、前記薬剤候補化合物における原子間距離及び結合角を拘束する調和振動子を付加することにより行われる請求項8に記載のプログラム。

請求項10

真空条件下で前記対象タンパク質の周辺に前記薬剤候補化合物を配置し、次に、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う請求項8から9のいずれかに記載のプログラム。

請求項11

前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との静電相互作用をα倍(ただし、0<α<1)して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記αを1にしてかつ前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う請求項10に記載のプログラム。

請求項12

前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づくまでは前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とのファンデルワールス相互作用を無視して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う請求項10から11のいずれかに記載のプログラム。

請求項13

前記溶媒が水であり、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた後には、ファンデルワールス相互作用、及び陽に水分子の効果を考慮して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う請求項10から12のいずれかに記載のプログラム。

請求項14

前記対象タンパク質の周辺に配置した前記薬剤候補化合物を、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との相互作用における前記薬剤候補化合物の重心から前記対象タンパク質の重心に向かう方向の力に従って変位させる請求項10から13のいずれかに記載のプログラム。

請求項15

請求項8から14のいずれかに記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体

請求項16

請求項15に記載のコンピュータが読み取り可能な記録媒体を備えることを特徴とする複合体の立体構造の算出装置

技術分野

0001

本件は、対象タンパク質薬剤候補化合物とが結合した複合体の立体構造(以下、「対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造」と称することがある)の算出方法、及び算出装置、前記算出方法を実行するプログラム、並びに前記プログラムを備えた記録媒体に関する。

背景技術

0002

近年、薬剤候補化合物を実験的に探索するのに要する膨大な費用と労力を削減するため、各種の計算機によるシミュレーションが行われている。薬剤候補化合物の探索とは、標的疾患(ターゲットとする疾患)に関与するタンパク質に対して強く相互作用する化合物リガンド)を薬剤候補として探索することである。そこで、計算機によるタンパク質立体構造に基づく化合物のスクリーニング活発に行われている。

0003

特に利用されている方法として、構造ベース薬剤設計方法(Structure−Based Drug Design,SBDD)が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。この方法は、標的タンパク質受容体立体構造情報に基づいた分子設計法である。

0004

この方法においては、通常、対象タンパク質の構造を固定して、薬剤候補化合物の自由度のみを考慮した構造計算が行われている。
しかし、そのような構造計算の場合、対象タンパク質の大きな構造揺らぎが考慮されておらず、かつ薬剤候補化合物の構造が真空中の構造と大きく異なるため、予測される対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造が存在しないことが多くあった。そのため、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができないという問題があった。

0005

したがって、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができる、結合構造の算出方法、及び算出装置、前記算出方法を実行するプログラム、並びに前記プログラムを備えた記録媒体の提供が求められているのが現状である。

先行技術

0006

The Process of Structure−Based Drug Design”, A.C. Anderson, Chemistry & Biology, 10, 787 (2003)

発明が解決しようとする課題

0007

本件は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本件は、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができる、結合構造の算出方法、及び算出装置、前記算出方法を実行するプログラム、並びに前記プログラムを備えた記録媒体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
開示の複合体の立体構造の算出方法は、
計算機を用いた、溶媒中における対象タンパク質と薬剤候補化合物とが結合した複合体の立体構造の算出方法であって、
前記対象タンパク質の構造を固定せず、かつ、前記薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記薬剤候補化合物の安定構造を含む所定の範囲内に限定して、前記複合体の立体構造の計算を行う。

0009

開示のプログラムは、
コンピュータに、
対象タンパク質の構造を固定せず、かつ、薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記薬剤候補化合物の安定構造を含む所定の範囲内に限定して、複合体の立体構造の計算を行うことを実行させる。

0010

開示のコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、開示の前記プログラムを記録してなる。

0011

開示の複合体の立体構造の算出装置は、開示の前記記録媒体を備える。

発明の効果

0012

開示の複合体の立体構造の算出方法は、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができる複合体の立体構造の算出方法を提供できる。
開示のプログラムは、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができるプログラムを提供できる。
開示のコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができる記録媒体を提供できる。
開示の複合体の立体構造の算出装置は、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を効率的に得ることができる複合体の立体構造の算出装置を提供できる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、対象タンパク質と薬剤候補化合物との複合体の立体構造を算出する従来方法を説明するための図である。
図2Aは、開示の複合体の立体構造の算出方法の一例を説明するための図である(その1)。
図2Bは、開示の複合体の立体構造の算出方法の一例を説明するための図である(その2)。
図2Cは、開示の複合体の立体構造の算出方法の一例を説明するための図である(その3)。
図3は、開示の複合体の立体構造の算出方法の一例のフローチャートである。
図4は、開示の複合体の立体構造の算出方法の他の一例のフローチャートである。
図5は、開示の複合体の立体構造の算出装置のハードウエア構成例である。

実施例

0014

(複合体の立体構造の算出方法)
開示の複合体の立体構造の算出方法は、計算機を用いた、溶媒中における対象タンパク質と薬剤候補化合物とが結合した複合体の立体構造の算出方法である。
前記複合体の立体構造の算出方法においては、前記対象タンパク質の構造を固定せず、かつ、前記薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記薬剤候補化合物の安定構造を含む所定の範囲内に限定して、前記複合体の立体構造の計算を行う。
ここで、前記安定構造とは、真空中での薬剤候補化合物の分子の全ての自由度を考慮した全エネルギー最小の構造のことである。

0015

開示の技術の発明者は、PDB(プロテインデータバンク)に公開された複合体の立体構造における薬剤候補化合物の構造と、前記薬剤候補化合物の安定構造とを比較した場合に、それらの構造の間にほとんど差がないことが多いことを示す文献(”Small Molecule Conformational Preferences Derived from Crystal Structure Data. A Medicinal Chemistry Focused Analysis”, Ken A. Brameld et al., J. Chem. Inf. Model, 48, 1 (2008))に接した。

0016

そこで、前記発明者は、前記対象タンパク質の構造を固定するよりも、前記薬剤候補化合物の構造変化の範囲を安定構造及び前記安定構造に近い構造に限定したほうが、効率的に複合体の立体構造を計算できることを見出した。

0017

前記対象タンパク質の構造を固定しないとは、例えば、前記対象タンパク質の常温(例えば、20℃〜30℃)における構造揺らぎを考慮することである。

0018

前記薬剤候補化合物の前記所定の範囲内への限定の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記薬剤候補化合物の安定構造に、前記薬剤候補化合物における原子間距離及び結合角拘束する調和振動子を付加することにより行われることが、計算の効率の点で好ましい。
前記安定構造としては、真空中における安定構造であることが、PDB(プロテインデータバンク)掲載の薬剤候補化合物の特徴の点で好ましい。
前記原子間距離は、前記安定構造の原子間距離の−1Å〜+1Åに拘束されることが、室温の熱揺らぎを考慮している点で好ましい。
前記結合角は、前記安定構造の結合角の−30°〜+30°に拘束されることが、室温の熱揺らぎを考慮している点で好ましい。
前記安定構造(例えば、真空中の安定構造)の算出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分子軌道計算法などにより算出することができる。

0019

前記複合体の立体構造の算出方法においては、以下の方法で前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との結合構造(複合体の立体構造)の算出が行われることが、結合活性を高精度に予測することが可能になる点で好ましい。
真空条件下で前記対象タンパク質の周辺に前記薬剤候補化合物を配置する。
次に、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始する。
次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う。

0020

前記複合体は、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合して得られる。前記結合としては、例えば、水素結合などが挙げられる。

0021

溶媒(特に水)中における対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を従来法により算出するには、以下の理由により、非常に膨大な時間を要する。図1に示すように、対象タンパク質1の表面に溶媒3が存在する場合、対象タンパク質1は溶媒3によって静電的に遮蔽される。例えば、溶媒3が水の場合、水は誘電率が高いため、静電的遮蔽効果は顕著であり、一般的には、水分子が対象タンパク質1の表面に3層あると対象タンパク質1は静電的に遮蔽される。そうすると、対象タンパク質1の電荷は溶媒3により遮蔽されるため、薬剤候補化合物2は対象タンパク質1の電荷の存在を認識できず、溶媒3の存在下で薬剤候補化合物2と対象タンパク質1との結合構造を計算すると、非常に長時間を要する。この方法によると、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造が形成されるのに10μs〜1msの時間を要することが多い。

0022

一方、以下の算出方法は、上記従来法よりも多くの利点を有する。
図2Aに示すように、まず、真空条件下で対象タンパク質1の周辺に薬剤候補化合物2を配置する。
次に、対象タンパク質1と薬剤候補化合物2とが結合した複合体の立体構造の計算を開始する。そうすると、対象タンパク質1と薬剤候補化合物2との相互作用によって、薬剤候補化合物2が対象タンパク質1に近づく(図2B)。
次に、薬剤候補化合物2が対象タンパク質1との所定の距離に近づいた際に対象タンパク質1の表面に溶媒3を配置して対象タンパク質1と薬剤候補化合物2とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う。
そうすることにより、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造の計算の際の溶媒による静電遮蔽を極力少なくすることができ、対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造を形成する時間を飛躍的に短くすることができる。例えば、この算出方法によると、1ns程度で対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造が形成される。そうすると、従来の算出方法に比べて106倍程度の計算時間の短縮が可能になる。そのため、多数存在する対象タンパク質と薬剤候補化合物との結合構造について、可能な限り多くの結合構造を計算することが可能になるため、結合活性を高精度に予測することが可能になる。

0023

真空条件下で前記対象タンパク質の周辺に前記薬剤候補化合物を配置する際の、前記薬剤候補化合物の位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記対象タンパク質との距離として、計算に用いるユニットセル半径の、0.7倍〜1.0倍が好ましく、0.8倍〜0.95倍がより好ましく、0.88倍〜0.92倍が特に好ましい。前記好ましい範囲内であると、薬剤候補化合物の自由度を最大限に活かすことができる。ここで、前記距離とは、例えば、前記対象タンパク質の表面と、前記薬剤候補化合物の表面との最短距離である。

0024

前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置する際の、前記薬剤候補化合物と前記対象タンパク質との所定の距離としては、特に制限はなく、前記対象タンパク質の種類、前記薬剤候補化合物の種類、及び前記溶媒の種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、前記溶媒が水の場合には、水分子が対象タンパク質の表面に3層重なると対象タンパク質の電荷が遮蔽されるので、前記所定の距離としては、3層の水分子に相当する7Å〜9Å(0.7nm〜0.9nm)が好ましい。

0025

前記複合体の立体構造の算出方法においては、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との静電相互作用をα倍(ただし、0<α<1)して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記αを1にしてかつ前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行うことが好ましい。
真空条件下では、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との相互作用が溶媒存在下での相互作用よりも強いため、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との結合構造の計算の際に瞬時に前記結合構造を形成することがある。そうすると、前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置することが困難になり、溶媒存在下での前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との結合構造と異なる結合構造を形成し、結合活性の精度が低下する場合がある。
そこで、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との静電相互作用をα倍(ただし、0<α<1)して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記αを1にしてかつ前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行うことで、結合構造(複合体の立体構造)の精度を高くすることができる。
なお、静電相互作用のみをα倍(ただし、0<α<1)する、即ち静電相互作用のみを弱くするのは、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが離れている状態では、非結合性の相互作用である静電相互作用及びファンデルワールス相互作用のうち、ファンデルワールス相互作用についてはほとんど影響を無視でき、静電相互作用のみを考慮すればよいためである。
なお、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う際には、ファンデルワールス相互作用を考慮して複合体の立体構造の計算を行う。

0026

前記複合体の立体構造の算出方法においては、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づくまでは前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とのファンデルワールス相互作用を無視して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行うことが好ましい。
前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づくまでは、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とのファンデルワールス相互作用は、静電相互作用に比べて非常に弱いため、前記ファンデルワールス相互作用を無視しても得られる結合構造(複合体の立体構造)の精度にはほとんど影響しない。そして、ファンデルワールス相互作用を無視することにより、計算の負担を軽減し、計算の速度を早くすることができる。

0027

前記複合体の立体構造の算出方法においては、前記溶媒が水の場合、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた後には、ファンデルワールス相互作用、及び陽に水分子の効果を考慮して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行うことが、計算による構造予測の精度の点で好ましい。
前記陽に水分子の効果を考慮するとは、前記溶媒としての水を、連続体近似することなく、水素原子2つと酸素原子1つとからなる分子として扱うことを意味する。

0028

前記複合体の立体構造の算出方法においては、前記対象タンパク質の周辺に配置した前記薬剤候補化合物を、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との相互作用における前記薬剤候補化合物の重心から前記対象タンパク質の重心に向かう方向の力に従って変位させることが好ましい。
前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との相互作用による力の方向は、必ずしも前記薬剤候補化合物から前記対象タンパク質の方向を向いているとは限らない。そこで、前記対象タンパク質の周辺に配置した前記薬剤候補化合物を、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との相互作用における前記薬剤候補化合物の重心から前記対象タンパク質の重心に向かう方向の力に従って変位させることにより、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質に近づくのに要する時間を短くすることができる。

0029

ここで、前記対象タンパク質の重心とは、前記対象タンパク質の質量中心であり、前記薬剤候補化合物の重心とは、前記薬剤候補化合物の質量中心である。なお、前記対象タンパク質及び前記薬剤候補化合物は構造が変化するため、前記対象タンパク質及び前記薬剤候補化合物それぞれにおける重心の位置も構造の変化に伴って変化する。

0030

また、前記対象タンパク質の重心(COM1)と前記薬剤候補化合物の重心(COM2)とをバネで拘束することにより、前記薬剤候補化合物の大きな変位を抑制しながら、効率的に前記薬剤候補化合物を前記対象タンパク質に近づけることができる。
なお、前記バネによる拘束の際には、乱数生成運動分布を基に対象タンパク質及び薬剤候補化合物の各原子運動を開始することが好ましい。前記バネには、前記COM1と前記COM2のバネの平衡距離から遠ざかると、押し戻すように力が加わり、変位が大きすぎないように抑制する働きをさせることが好ましい。また、前記COM1と前記COM2との距離が縮むと、それに応じて平衡距離、及びバネ定数を変化させることが好ましい。前記COM1と前記COM2との距離が減少するにつれて、バネ定数を減少させることが好ましい。

0031

前記複合体の立体構造の算出方法は、例えば、分子動力学法などを用いて実行することができる。前記分子動力学法に用いるプログラムとしては、例えば、gromacs(グローマックス、Groningen Machine for Chemical Simulations)、amber(Assisted Model Building with Energy Refinement)、charmm、tinker、lammpsなどが挙げられる。

0032

前記複合体の立体構造の算出方法では、例えば、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した複合体の立体構造を、前記対象タンパク質及び前記薬剤候補化合物の各原子の立体座標データとして得ることができる。

0033

前記複合体の立体構造の算出方法は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、各種周辺機器等を備えた通常のコンピュータシステム(例えば、各種ネットワークサーバワークステーションパーソナルコンピュータ等)を用いることによって実現することができる。

0034

(プログラム)
開示のプログラムは、コンピュータに、対象タンパク質の構造を固定せず、かつ、薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記薬剤候補化合物の安定構造を含む所定の範囲内に限定して、複合体の立体構造の計算を行うことを実行させるプログラムである。

0035

前記プログラムにおける、前記薬剤候補化合物の前記所定の範囲内への限定の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記薬剤候補化合物の安定構造に、前記薬剤候補化合物における原子間距離及び結合角を拘束する調和振動子を付加することにより行われることが好ましい。好ましい理由は、前記複合体の立体構造の算出方法において記載したとおりである。

0036

前記プログラムにおいては、真空条件下で前記対象タンパク質の周辺に前記薬剤候補化合物を配置し、次に、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行うことが好ましい。好ましい理由は、前記複合体の立体構造の算出方法において記載したとおりである。

0037

前記プログラムにおいては、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との静電相互作用をα倍(ただし、0<α<1)して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記αを1にしてかつ前記対象タンパク質の表面に溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行うことが好ましい。好ましい理由は、前記複合体の立体構造の算出方法において記載したとおりである。

0038

前記プログラムにおいては、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づくまでは前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とのファンデルワールス相互作用を無視して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行うことが好ましい。好ましい理由は、前記複合体の立体構造の算出方法において記載したとおりである。

0039

前記プログラムにおいては、前記溶媒が水の場合、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた後には、ファンデルワールス相互作用、及び陽に水分子の効果を考慮して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行うことが好ましい。好ましい理由は、前記複合体の立体構造の算出方法において記載したとおりである。

0040

前記プログラムにおいては、前記対象タンパク質の周辺に配置した前記薬剤候補化合物を、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との間に働く相互作用における前記薬剤候補化合物の重心から前記対象タンパク質の重心に向かう方向の力に従って変位させることが好ましい。好ましい理由は、前記複合体の立体構造の算出方法において記載したとおりである。

0041

前記プログラムは、使用するコンピュータシステムの構成及びオペレーティングシステムの種類・バージョンなどに応じて、公知の各種のプログラム言語を用いて作成することができる。

0042

前記プログラムは、内蔵ハードディスク外付けハードディスクなどの記憶媒体に記録しておいてもよいし、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、MOディスク(Magneto−Optical disk)、USBメモリ〔USB(Universal Serial Bus) flash drive〕などの記憶媒体に記録しておいてもよい。前記プログラムをCD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどの記憶媒体に記録する場合には、必要に応じて随時、コンピュータシステムが有する記憶媒体読取装置を通じて、これを直接、又はハードディスクにインストールして使用することができる。また、コンピュータシステムから情報通信ネットワークを通じてアクセス可能外部記憶領域(他のコンピュータ等)に前記プログラムを記録しておき、必要に応じて随時、前記外部記憶領域から情報通信ネットワークを通じてこれを直接、又はハードディスクにインストールして使用することもできる。

0043

(コンピュータが読み取り可能な記録媒体)
開示のコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、開示の前記プログラムを記録してなる。
前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。

0044

(複合体の立体構造の算出装置)
開示の複合体の立体構造の算出装置は、開示の前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体を備える。

0045

図3に開示の複合体の立体構造の算出方法の一例のフローチャートを示す。
まず、薬剤候補化合物の安定構造を計算し、前記安定構造に基づいて、前記薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記安定構造を含む所定の範囲内に限定する。
次に、真空条件下で対象タンパク質の周辺に前記薬剤候補化合物を配置する。この際、前記対象タンパク質の構造は固定しない。
次に、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した複合体の立体構造の計算(結合構造の計算)を開始する。そうすると、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との相互作用によって、前記薬剤候補化合物が対象タンパク質に近づく。
次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記対象タンパク質の表面に溶媒を配置し、更に前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算(結合構造の計算)を行う。

0046

図4に開示の複合体の立体構造の算出方法の他の一例のフローチャートを示す。
まず、薬剤候補化合物の安定構造を計算し、前記安定構造に基づいて、前記薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記安定構造を含む所定の範囲内に限定する。
次に、真空条件下で対象タンパク質の周辺に前記薬剤候補化合物を配置する。この際、前記対象タンパク質の構造は固定しない。
次に、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した複合体の立体構造の計算(結合構造の計算)を開始する。この際、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との静電相互作用をα倍(ただし、0<α<1)して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始する。そうすると、前記対象タンパク質と薬剤候補化合物との相互作用によって、前記薬剤候補化合物が対象タンパク質に近づく。
次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記対象タンパク質の表面に溶媒を配置し、更に前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算(結合構造の計算)を行う。この際、前記αを1にして、前記複合体の前記立体構造の計算を行う。
図4に示す算出方法の場合、図3に示す算出方法に比べて、対象タンパク質の表面に溶媒を配置することを確実に行うことができるため、結合構造(複合体の立体構造)の精度が高くなる。

0047

図5に、開示の複合体の立体構造の算出装置のハードウエア構成例を示す。
複合体の立体構造の算出装置10は、例えば、CPU11、メモリ12、記憶部13、表示部14、入力部15、出力部16、I/Oインターフェース部17等がシステムバス18を介して接続されて構成される。

0048

CPU(Central Processing Unit)11は、演算四則演算比較演算等)、ハードウエア及びソフトウエア動作制御などを行う。

0049

メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリである。前記RAMは、前記ROM及び記憶部13から読み出されたOS(Operating System)及びアプリケーションプログラムなどを記憶し、CPU11の主メモリ及びワークエリアとして機能する。

0050

記憶部13は、各種プログラム及びデータを記憶する装置であり、例えば、ハードディスクである。記憶部13には、CPU11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OSなどが格納される。
前記プログラムは、記憶部13に格納され、メモリ12のRAM(主メモリ)にロードされ、CPU11により実行される。

0051

表示部14は、表示装置であり、例えば、CRTモニタ液晶パネル等のディスプレイ装置である。
入力部15は、各種データの入力装置であり、例えば、キーボードポインティングデバイス(例えば、マウス等)などである。
出力部16は、各種データの出力装置であり、例えば、プリンタである。
I/Oインターフェース部17は、各種の外部装置を接続するためのインターフェースである。例えば、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどのデータの入出力を可能にする。

0052

以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)計算機を用いた、溶媒中における対象タンパク質と薬剤候補化合物とが結合した複合体の立体構造の算出方法であって、
前記対象タンパク質の構造を固定せず、かつ、前記薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記薬剤候補化合物の安定構造を含む所定の範囲内に限定して、前記複合体の立体構造の計算を行うことを特徴とする複合体の立体構造の算出方法。
(付記2) 前記薬剤候補化合物の前記所定の範囲内への限定が、前記薬剤候補化合物の安定構造に、前記薬剤候補化合物における原子間距離及び結合角を拘束する調和振動子を付加することにより行われる付記1に記載の複合体の立体構造の算出方法。
(付記3)真空条件下で前記対象タンパク質の周辺に前記薬剤候補化合物を配置し、次に、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う付記1から2のいずれかに記載の複合体の立体構造の算出方法。
(付記4) 前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との静電相互作用をα倍(ただし、0<α<1)して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記αを1にしてかつ前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う付記3に記載の複合体の立体構造の算出方法。
(付記5) 前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づくまでは前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とのファンデルワールス相互作用を無視して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う付記3から4のいずれかに記載の複合体の立体構造の算出方法。
(付記6) 前記溶媒が水であり、
前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた後には、ファンデルワールス相互作用、及び陽に水分子の効果を考慮して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う付記3から5のいずれかに記載の複合体の立体構造の算出方法。
(付記7) 前記対象タンパク質の周辺に配置した前記薬剤候補化合物を、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との相互作用における前記薬剤候補化合物の重心から前記対象タンパク質の重心に向かう方向の力に従って変位させる付記3から6のいずれかに記載の複合体の立体構造の算出方法。
(付記8)コンピュータに、
対象タンパク質の構造を固定せず、かつ、薬剤候補化合物の構造変化の範囲を、前記薬剤候補化合物の安定構造を含む所定の範囲内に限定して、複合体の立体構造の計算を行うことを実行させることを特徴とするプログラム。
(付記9) 前記薬剤候補化合物の前記所定の範囲内への限定が、前記薬剤候補化合物の安定構造に、前記薬剤候補化合物における原子間距離及び結合角を拘束する調和振動子を付加することにより行われる付記8に記載のプログラム。
(付記10) 真空条件下で前記対象タンパク質の周辺に前記薬剤候補化合物を配置し、次に、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う付記8から9のいずれかに記載のプログラム。
(付記11) 前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との静電相互作用をα倍(ただし、0<α<1)して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を開始し、次に、前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた際に前記αを1にしてかつ前記対象タンパク質の表面に前記溶媒を配置して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う付記10に記載のプログラム。
(付記12) 前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づくまでは前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とのファンデルワールス相互作用を無視して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う付記10から11のいずれかに記載のプログラム。
(付記13) 前記溶媒が水であり、
前記薬剤候補化合物が前記対象タンパク質との所定の距離に近づいた後には、ファンデルワールス相互作用、及び陽に水分子の効果を考慮して前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物とが結合した前記複合体の前記立体構造の計算を行う付記10から12のいずれかに記載のプログラム。
(付記14) 前記対象タンパク質の周辺に配置した前記薬剤候補化合物を、前記対象タンパク質と前記薬剤候補化合物との相互作用における前記薬剤候補化合物の重心から前記対象タンパク質の重心に向かう方向の力に従って変位させる付記10から13のいずれかに記載のプログラム。
(付記15) 付記8から14のいずれかに記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
(付記16) 付記15に記載のコンピュータが読み取り可能な記録媒体を備えることを特徴とする複合体の立体構造の算出装置。

0053

1対象タンパク質
2薬剤候補化合物
3溶媒
10複合体の立体構造の算出装置
11 CPU
12メモリ
13 記憶部
14 表示部
15 入力部
16 出力部
17 I/Oインターフェース部
18 システムバス

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