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技術 ポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法

出願人 花王株式会社
発明者 平井規晋久保貴史
出願日 2014年12月2日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2014-243882
公開日 2015年7月23日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2015-131944
状態 特許登録済
技術分野 ポリエステル、ポリカーボネート 電子写真における現像剤
主要キーワード ロール回転速度 スルホン酸基含有化合物 第二級炭素原子 プロパンジスルホン酸 発生程度 臭化錫 不溶解成分 最大傾斜
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

得られるトナー低温定着性及び印刷物グロスと、トナーの耐久性及び保存性とを両立することができるポリエステルトナー用結着樹脂の製造方法、該方法で得られた結着樹脂、及び該結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーに関すること。

解決手段

脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、フラン環を有するカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分を、反応率が70〜99%に達するまで重縮合する工程1、及び工程1で得られた重縮合物にさらにスルホ基を有する有機化合物を添加し、重縮合する工程2を有する、ポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法、該方法により得られた結着樹脂、該結着樹脂を含有した静電荷像現像用トナー。

概要

背景

電子写真の分野においては、電子写真システム発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した電子写真用トナーの開発が要求されている。
高画質化及び高速化に対応して、特に熱特性を改善するために、トナー用結着樹脂として、組成の調整が容易であるポリエステル樹脂汎用されており、さらにその組成や製造方法を調整して、樹脂物性等を最適化する試みがなされている。

例えば、特許文献1には、低温定着性保存性の向上を目的として、フラン環を有する非晶質ポリエステルを含有してなるトナー用結着樹脂が開示されている。

また、特許文献2には、帯電立ち上がり性帯電量レベルの向上を目的として、Sn-C結合を有していない錫(II)化合物スルホン酸基含有化合物との存在下、原料モノマー縮重合させて得られる縮重合系樹脂を含む電子写真トナー用結着樹脂、及び該結着樹脂を含有した電子写真用トナーが開示されている。

特許文献3には、低温加熱定着を可能にし、高画質の画像を得ることを目的として、結晶性ポリエステルブロック及び非結晶性ポリエステルブロックを有するブロック共重合体を含む樹脂粒子並びに離型剤粒子を含む分散液中で、該樹脂粒子及び該離型剤粒子を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、前記凝集粒子を加熱して融合合一する工程を含む静電荷像現像法トナーの製造方法であって、前記ブロック共重合体が、硫黄原子を含むブレンステッド酸触媒とし、150℃以下にて重合されたことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法が開示されている。

概要

得られるトナーの低温定着性及び印刷物グロスと、トナーの耐久性及び保存性とを両立することができるポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法、該方法で得られた結着樹脂、及び該結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーに関すること。脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、フラン環を有するカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分を、反応率が70〜99%に達するまで重縮合する工程1、及び工程1で得られた重縮合物にさらにスルホ基を有する有機化合物を添加し、重縮合する工程2を有する、ポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法、該方法により得られた結着樹脂、該結着樹脂を含有した静電荷像現像用トナー。なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、フラン環を有するカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分を、反応率が70〜99%に達するまで重縮合する工程1、及び工程1で得られた重縮合物にさらにスルホ基を有する有機化合物を添加し、重縮合する工程2を有する、ポリエステルトナー用結着樹脂の製造方法。

請求項2

工程1をスズ触媒又はチタン触媒の存在下で行う、請求項1記載の製造方法。

請求項3

スルホ基を有する有機化合物の使用量が、工程1に供するアルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜0.5質量部である、請求項1又は2記載の製造方法。

請求項4

工程2の反応温度が160〜240℃である、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。

請求項5

スルホ基を有する有機化合物がアルキルベンゼンスルホン酸である、請求項1〜4いずれか記載の製造方法。

請求項6

脂肪族ジオールが、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを含有する、請求項1〜5いずれか記載の製造方法。

請求項7

工程1で使用するスズ触媒又はチタン触媒と、工程2で使用するスルホ基を有する有機化合物の質量比(スズ触媒又はチタン触媒/スルホ基を有する有機化合物)が1/2〜50/1である、請求項2〜6いずれか記載の製造方法。

請求項8

請求項1〜7いずれか記載の製造方法により得られたポリエステル系トナー用結着樹脂。

請求項9

ポリエステル系トナー用結着樹脂の数平均分子量が3000以上10000以下である、請求項8記載のポリエステル系トナー用結着樹脂。

請求項10

請求項8又は9記載のポリエステル系トナー用結着樹脂を含有した静電荷像現像用トナー

技術分野

0001

本発明は、電子写真法において形成される潜像現像に用いられるポリエステルトナー用結着樹脂の製造方法、該方法により得られた結着樹脂、該結着樹脂を含有した静電荷像現像用トナーに関する。

背景技術

0002

電子写真の分野においては、電子写真システム発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した電子写真用トナーの開発が要求されている。
高画質化及び高速化に対応して、特に熱特性を改善するために、トナー用結着樹脂として、組成の調整が容易であるポリエステル樹脂汎用されており、さらにその組成や製造方法を調整して、樹脂物性等を最適化する試みがなされている。

0003

例えば、特許文献1には、低温定着性保存性の向上を目的として、フラン環を有する非晶質ポリエステルを含有してなるトナー用結着樹脂が開示されている。

0004

また、特許文献2には、帯電立ち上がり性帯電量レベルの向上を目的として、Sn-C結合を有していない錫(II)化合物スルホン酸基含有化合物との存在下、原料モノマー縮重合させて得られる縮重合系樹脂を含む電子写真トナー用結着樹脂、及び該結着樹脂を含有した電子写真用トナーが開示されている。

0005

特許文献3には、低温加熱定着を可能にし、高画質の画像を得ることを目的として、結晶性ポリエステルブロック及び非結晶性ポリエステルブロックを有するブロック共重合体を含む樹脂粒子並びに離型剤粒子を含む分散液中で、該樹脂粒子及び該離型剤粒子を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、前記凝集粒子を加熱して融合合一する工程を含む静電荷像現像法トナーの製造方法であって、前記ブロック共重合体が、硫黄原子を含むブレンステッド酸触媒とし、150℃以下にて重合されたことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法が開示されている。

先行技術

0006

特開2012−107228号公報
特開2008−70455号公報
特開2007−114635号公報

発明が解決しようとする課題

0007

電子写真法において、特に高速で印刷するためには、低温で定着する必要があり、トナーの性質として低温定着性が求められている。低温定着性を付与するためには、トナーに用いられる結着樹脂の軟化点融点下げて、融解する温度を下げる方法が用いられる。また、印刷物の光沢、いわゆるグロスを向上させるためにも、融解温度を下げ、定着時の粘度を下げることが好ましい。しかし、低温で融解しやすくなったトナーは、帯電ブレードとの摩擦時に発生する熱によっても一部融解が起こるためか、ブレードへのフィルミングトナー固着)が生じやすく、耐久性に劣る。さらに、高温で保存された際に、ブロッキングが生じ、いわゆる保存性にも劣る。従って、低温定着性及び印刷物のグロスと、トナーの耐久性及び保存性を両立するトナー用の結着樹脂が求められている。

0008

本発明は、得られるトナーの低温定着性及び印刷物のグロスと、トナーの耐久性及び保存性とを両立することができるポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法、該方法で得られた結着樹脂、及び該結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーに関する。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、得られるトナーの低温定着性、耐久性、保存性、印刷物のグロスに影響する要因は、結着樹脂のポリエステルの分子状態によるものと考えて検討を行った。その結果、脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、フラン環を有するカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分を一定の反応率以上まで重縮合し、さらにスルホ基を有する有機化合物を添加して重縮合することにより、トナーの低温定着性及び印刷物のグロスと、トナーの耐久性及び保存性とを両立し得る結着樹脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

本発明は、
〔1〕脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、フラン環を有するカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分を、反応率が70〜99%に達するまで重縮合する工程1、及び工程1で得られた重縮合物にさらにスルホ基を有する有機化合物を添加し、重縮合する工程2を有する、ポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法、
〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法により得られたポリエステル系トナー用結着樹脂、並びに
〔3〕 前記〔2〕記載のポリエステル系トナー用結着樹脂を含有した静電荷像現像用トナー
に関する。

発明の効果

0011

本発明の方法により、得られるトナーの低温定着性及び印刷物のグロスと、トナーの耐久性及び保存性とを両立することができるポリエステル系トナー用結着樹脂を製造することができる。

0012

本発明のポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法は、
脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、フラン環を有するカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分を、反応率が70〜99%に達するまで重縮合する工程1、及び
工程1で得られた重縮合物にさらにスルホ基を有する有機化合物を添加し、重縮合する工程2
を有する。

0013

本発明の方法によって得られるポリエステル系トナー用結着樹脂を用いたトナーが、トナーの低温定着性及び印刷物のグロスと、トナーの耐久性及び保存性とを両立できる理由は定かではないが、次のように考えられる。

0014

本発明の方法によって得られるポリエステル系トナー用結着樹脂は、脂肪族ジオールを由来とする構造を有する。脂肪族ジオールは柔軟な構造を有するため、トナーの定着性を向上させ、低温定着性やグロスは向上するが、耐久性と保存性に劣る。低分子量物を低減し、分子量をある程度高くすれば、耐久性なども向上させることができるが、反応性の高いスルホン酸触媒等の強酸を用いると、エステル化は進行するが、エーテル化などの副反応も生じやすく、低分子量物が得られやすい。本発明の製造方法においては、反応率が70%以上となるまで反応させた後に、さらに、エステル化触媒としてスルホ基を有する有機化合物を添加し、重合することにより、脂肪族ジオールを由来とする構造を有しつつ、低分子量物を低減したポリエステル系トナー用結着樹脂を得ることができる。本発明では、さらにカルボン酸成分として、フラン環を有するカルボン酸化合物を用いる。フラン環を有するカルボン酸化合物は曲がりにくい構造をしているためか、高分子量のポリエステルが得られにくい。以上のことから、本発明のように脂肪族ジオールとフラン環を有するカルボン酸化合物を含有する原料を用いて、一定の反応率以上でスルホ基を有する有機化合物を添加することで、低分子量物と高分子量物を低減でき、分子量分布シャープなトナーが得られ、得られるトナーの低温定着性、印刷物のグロスと、トナーの耐久性、保存性とを両立できるものと考えられる。

0015

以下、本発明に用いられる各成分、工程等について説明する。

0016

アルコール成分は、少なくとも、脂肪族ジオールを含有する。

0017

脂肪族ジオールは、得られるトナーの低温定着性と保存性を向上させる観点から、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを含有することが好ましい。第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの炭素数としては、得られるトナーの低温定着性と保存性を向上させる観点から、3〜8が好ましく、3〜6がより好ましく、3〜5がさらに好ましい。具体的な好適例としては、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール等が挙げられ、なかでも得られるトナーの低温定着性と保存性、耐久性を向上させる観点から、1,2-プロパンジオール及び2,3−ブタンジオールが好ましく、1,2-プロパンジオールがより好ましい。

0018

第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、10モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましい。また、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から、90モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましい。

0019

脂肪族ジオールは、得られるトナーの低温定着性と耐久性を向上させる観点から、さらに、α,ω-脂肪族ジオールを含有していることが好ましい。

0020

α,ω-脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール等が挙げられる。

0021

α,ω-脂肪族ジオールの炭素数は、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から、4以上が好ましい。また、得られるトナーの低温定着性と保存性を向上させる観点から、25以下が好ましく、14以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。

0022

α,ω-脂肪族ジオールの含有量は、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から、アルコール成分中、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましい。また、得られるトナーの低温定着性と保存性を向上させる観点から、50モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。

0023

他のアルコール成分は、芳香族ジオール、3価以上の多価アルコール等が挙げられる。

0024

芳香族ジオールとしては、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。

0025

3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン等が挙げられる。

0026

カルボン酸成分は、フラン環を有するカルボン酸化合物を含有する。フラン環としては、式(Ia)又は(Ib):

0027

0028

で表される構造が好ましい。

0029

フラン環を有するカルボン酸化合物としては、2,5-フランジカルボン酸、2,4-フランジカルボン酸、2,3-フランジカルボン酸、3,4-フランジカルボン酸等のフランジカルボン酸化合物;2-フランカルボン酸、3-フランカルボン酸等のフランカルボン酸化合物;5-ヒドロキシメチル-フラン-2-カルボン酸等のヒドロキシフランカルボン酸化合物;フルフリル酢酸化合物、3-カルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フランプロピオネート等のカルボン酸化合物等が挙げられる。

0030

なお、カルボン酸化合物には、遊離酸だけでなく、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び炭素数1〜3のアルキルエステルも含まれる。

0031

これらの中では、得られるトナーの保存性とグロスを向上させる観点から、フランジカルボン酸化合物、フランカルボン酸化合物及びヒドロキシフランカルボン酸化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、フランジカルボン酸がより好ましく、2,5-フランジカルボン酸がさらに好ましい。

0032

フラン環を有するカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。また、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましい。

0033

カルボン酸成分は、得られるトナーの低温定着性と保存性を向上させる観点から、さらに、アルケニル基を有するアルケニルコハク酸化合物を含有することが好ましい。

0034

アルケニルコハク酸化合物としては、得られるトナーの低温定着性と保存性を向上させる観点から、分岐鎖を有する炭素数6〜32のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらの中では、アルケニル無水コハク酸が好ましい。

0035

アルケニル基の炭素数は、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から、8以上が好ましく、10以上がより好ましい。また、得られるトナーの低温定着性と保存性を向上させる観点から、26以下が好ましく、14以下がより好ましい。

0036

アルケニルコハク酸化合物の含有量は、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、得られるトナーの低温定着性と保存性を向上させる観点から、50モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましく、20モル%以下がさらに好ましく、15モル%以下がさらに好ましい。

0037

カルボン酸成分は、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から、さらに、3価以上の多価カルボン酸化合物を含有していることが好ましい。

0038

3価以上の多価カルボン酸化合物としては、例えば1,2,4-ベンゼントリカルボン酸トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中では、得られるトナーの低温定着性と保存性、耐久性を向上させる観点から、無水トリメリット酸が好ましい。

0039

3価以上の多価カルボン酸化合物の含有量は、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から好ましく、カルボン酸成分中、0.5モル%以上が好ましく、3モル%以上がより好ましい。また、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から、16モル%以下が好ましく、8モル%以下がより好ましい。

0040

他のカルボン酸成分としては、テレフタル酸イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸シュウ酸マロン酸マレイン酸フマル酸シトラコン酸イタコン酸グルタコン酸、コハク酸アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、これらの酸の無水物、それらの炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられる。

0041

アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、適宜含有されていてもよい。

0042

工程1におけるアルコール成分とカルボン酸成分の重縮合は、エステル化触媒の存在下で行うことが好ましい。

0043

エステル化触媒としては、反応性の観点から、スズ触媒又はチタン触媒が好ましく、速やかに目的の反応率に到達させる観点及び着色を抑制する観点から、スズ触媒が好ましい。

0044

スズ触媒としては、酸化ジブチル錫2-エチルヘキサン酸錫(II)等が挙げられるが、反応性、分子量調整及び樹脂の物性調整の観点から、Sn−C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。

0045

Sn−C結合を有していない錫(II)化合物としては、Sn−C結合を有しておらず、Sn-O結合を有する錫(II)化合物、Sn-X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物等が好ましく、Sn-O結合を有する錫(II)化合物がより好ましい。

0046

Sn-O結合を有する錫(II)化合物としては、シュウ酸錫(II)、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ラウリル酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)、オレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);オクチロキシ錫(II)、ラウロキシ錫(II)、ステアロキシ錫(II)、オレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が、Sn-X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられ、これらの中では、帯電立ち上がり効果及び触媒能の点から、(R1COO)2Sn(ここでR1は炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(R2O)2Sn(ここでR2は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるアルコキシ錫(II)及びSnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(R1COO)2Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)がより好ましく、オクタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)及び酸化錫(II)がさらに好ましく、2-エチルヘキサン酸錫(II)及び酸化錫(II)がさらにより好ましい。

0047

チタン触媒としては、Ti−O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、総炭素数2〜28のアルケニルオキシ基又は総炭素数1〜28のアシルオキシ基を有する化合物がより好ましく、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネートがさらに好ましい。

0048

エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がさらに好ましい。また、アルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対して、2.0質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましく、1.0質量部以下がさらに好ましい。

0049

工程1において、エステル化触媒とともに、助触媒として、互いに隣接する3個の炭素原子に結合した水素原子が水酸基で置換されたベンゼン環を有する化合物を用いられていてもよい。

0050

また、工程1において、重縮合以外の副反応を防止する観点から、ラジカル重合禁止剤を用いてもよい。ラジカル重合禁止剤としては、4-tert-ブチルカテコールが好ましい。

0051

工程1において、重縮合は、不活性ガス雰囲気中にて行うことが好ましく、反応性やモノマー熱分解性の観点から、反応温度は、160〜250℃が好ましく、180〜240℃がより好ましい。

0052

工程1では、所定の反応率に達するため、重縮合を行う。反応率は、得られるトナーの低温定着性と保存性、耐久性を向上させる観点から、70%以上であり、好ましくは80%以上である。また、続く工程2での重合を促進するために、99%以下であり、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下である。なお、本発明における反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。

0053

続く工程2では、工程1で得られた重縮合物(工程1の反応系)にスルホ基を有する有機化合物を添加して、重縮合を行う。

0054

本発明におけるスルホ基を有する有機化合物は、芳香族化合物であっても、脂肪族化合物であってもよいが、樹脂中への分散性、ポリエステルとの相溶性、及び帯電特性の観点から芳香族化合物であることが好ましい。

0055

スルホ基を有する芳香族化合物としては、パラトルエンスルホン酸イソトルエンスルホン酸メタトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸p−キシレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1-スルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、アミノベンゼンスルホン酸、2-アミノトルエン-5-スルホン酸、8-アミノ-2-ナフタレンスルホン酸、4-ビフェニルスルホン酸、ベンゼン-1,3-スルホン酸、パラトルエンスルホン酸-2ブチニル、パラトルエンスルホン酸-3ブチニル、パラトルエンスルホン酸-2クロロエチル、パラトルエンスルホン酸シクロヘキシル、2,5-ジメチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸エチルp-トルエンスルホン酸エチル、ビス-p-トルエンスルホン酸エチレングリコール、p-トルエンスルホン酸イソブチル、ベンゼンスルホン酸メチル、1,3,6-ナフタレントリスルホン酸1-ナフトール-2-スルホン酸、及びこれら化合物の塩(ナトリウム塩カリウム塩等)、水和物、メチルエステル化合物等が挙げられる。これらの中では、ポリエステルモノマーの反応性を向上させ、得られるトナーの低温定着性と保存性、耐久性を向上させる観点から、ベンゼン環にアルキル基が置換した、アルキルベンゼンスルホン酸が好ましい。ベンゼン環に置換するアルキル基の炭素数は、ポリエステルモノマーの反応性を向上させ、得られるトナーの低温定着性と保存性、耐久性を向上させる観点から、1〜22が好ましく、1〜14がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。

0056

スルホ基を有する脂肪族化合物としては、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸ヒドロキシアミン−O−スルホン酸、メタンスルホン酸メタンスルホン酸エチルトリフルオロメタンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1-デカンスルホン酸、1-ヘプタンスルホン酸、1-ヘキサンスルホン酸、3-ヒドロキシプロパンスルホン酸、1-ノナンスルホン酸、1-オクタンスルホン酸、1-ペンタンスルホン酸、1,3-プロパンジスルホン酸、1-ドデカンスルホン酸、1-ヘキサデカンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸ビニルスルホン酸及びその塩、水和物等が挙げられる。

0057

スルホ基を有する化合物の使用量は、得られるトナーの低温定着性と耐久性を向上させる観点から、工程1に供するアルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましい。また、得られるトナーの保存性を向上させる観点から、工程1に供するアルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.5質量部以下が好ましく、0.2質量部以下がより好ましい。

0058

工程1でスズ触媒又はチタン触媒を使用する場合、スズ触媒又はチタン触媒と、工程2で使用するスルホ基を有する有機化合物の質量比(スズ触媒又はチタン触媒/スルホ基を有する有機化合物)は、得られるトナーの低温定着性と保存性、耐久性を向上させる観点から、1/2〜50/1が好ましく、1/1〜20/1がより好ましい。

0059

工程2においても、重縮合は、不活性ガス雰囲気中にて行うことが好ましく、反応性やモノマーの熱分解性の観点から、反応温度は、反応性の観点から、160℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。また、工程1で生成したポリエステルの熱分解性の観点から、240℃以下が好ましく、230℃以下がより好ましい。

0060

本発明の方法により得られるポリエステル系トナー用結着樹脂は、非晶質であることが好ましい。

0061

なお、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱最高ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。非晶質樹脂は1.4を超えるか、0.6未満、好ましくは1.5を超えるか、0.5以下の樹脂である。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度は、軟化点との差が20℃以内であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するピークとする。

0062

ポリエステル系トナー用結着樹脂を非晶質とするためには、アルコール成分中のα,ω-脂肪族ジオールの量を調整することが好ましい。ポリエステル系トナー用結着樹脂を非晶質とするためのアルコール成分中のα,ω-脂肪族ジオールの量としては、60モル%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。

0063

ポリエステル系トナー用結着樹脂の軟化点は、得られるトナーの保存性を向上させる観点から、90℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましい。また、得られるトナーの低温定着性を向上させる観点から、160℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましい。

0064

ポリエステル系トナー用結着樹脂のガラス転移温度は、得られるトナーの保存性を向上させる観点から、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。また、得られるトナーの低温定着性を向上させる観点から、90℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましい。

0065

ポリエステル系トナー用結着樹脂の酸価は、得られるトナーの保存性を向上させる観点から、0.5mgKOH/g以上が好ましく、2mgKOH/g以上がより好ましい。また、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から、10mgKOH/g以下が好ましく、8mgKOH/g以下がより好ましい。

0066

ポリエステル系トナー用結着樹脂の水酸基価は、得られるトナーの低温定着性を向上させる観点から、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。また、得られるトナーの保存性と耐久性を向上させる観点から、40mgKOH/g以下が好ましく、20mgKOH/g以下がより好ましく、15mgKOH/g以下がさらに好ましい。

0067

ポリエステル系トナー用結着樹脂の数平均分子量は、トナーの低温定着性と保存性、耐久性を向上させる観点から、ポリスチレン換算で、3000以上が好ましく、4500以上がより好ましい。また、得られるトナーの保存性、耐久性及びグロスを向上させる観点から、10000以下が好ましく、7000以下がより好ましく、5500以下がさらに好ましく、5000以下がさらに好ましい。

0068

本発明の静電荷像現像用トナーは、本発明の方法により得られたトナー用結着樹脂を含有するものであり、低温定着性及び印刷物のグロスと、トナーの耐久性及び保存性とを両立するものである。

0069

本発明のトナーには、本発明の効果を損なわない範囲で、前記トナー用結着樹脂組成物以外の公知の樹脂が併用されていてもよいが、本発明のトナー用結着樹脂組成物の含有量は、トナー中の全結着樹脂組成物中、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、実質的に100質量%がよりさらに好ましい。

0070

また、本発明の静電荷像現像用トナーは、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から、軟化点の異なる2種の結着樹脂を含有することが好ましく、得られるトナーの耐久性を向上させる観点から、少なくとも軟化点の高い方の結着樹脂が、本発明のトナー用結着樹脂であることが好ましく、得られるトナーの保存性と耐久性、低温定着性、印刷物のグロスを向上させる観点から、両方の樹脂が発明のトナー用結着樹脂であることがより好ましい。

0071

2種の結着樹脂の軟化点の差は、10℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましい。

0072

軟化点が低い方の樹脂の軟化点は、80℃以上が好ましく、85℃以上がより好ましく、120℃未満が好ましく、110℃以下がより好ましい。軟化点が高い方の樹脂の軟化点は、120℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましく、170℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。

0073

軟化点が高い方の樹脂と軟化点が低い方の樹脂の質量比(軟化点が高い方の樹脂/軟化点が低い方の樹脂)は、50/50〜90/10が好ましく、60/40〜80/20がより好ましい。

0074

本発明のトナーには、着色剤離型剤荷電制御剤荷電制御樹脂磁性粉流動性向上剤導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤酸化防止剤クリーニング性向上剤等の添加剤が含有されていてもよく、着色剤、離型剤及び荷電制御剤が含有されることが好ましい。

0075

着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラックフタロシアニンブルーパーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカレットピグメントグリーンBローダミン−Bベースソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドンカーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナーカラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、トナーの画像濃度及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。また、40質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。

0077

離型剤の融点は、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点から、60〜160℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。

0078

離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点及び結着樹脂中への分散性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、7質量部以下がさらに好ましい。

0079

荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。

0080

正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエン化学工業社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPYCHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成社製)等;スチレンアクリル系樹脂、例えば「FCA-701PT」(化成社製)等が挙げられる。

0081

また、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」(以上、オリエント化学工業社製)、「T-77」(保土谷化学工業社製)、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等;ベンジル酸化合物金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット社製);サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「E-304」(以上、オリエント化学工業社製)、「TN-105」(保土谷化学工業社製);銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPYCHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体有機金属化合物、例えば「TN105」(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。

0082

荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましく、1質量部以上がさらに好ましく、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下がさらに好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。

0083

本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕分級して製造することができる。

0084

本発明のトナーには、転写性を向上させるために、外添剤を用いることが好ましく、外添剤としては、無機微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子の例は、シリカアルミナチタニアジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛が挙げられ、シリカが好ましい。

0085

シリカは、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。

0086

シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイルオクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの中ではヘキサメチルジシラザンが好ましい。

0087

外添剤の平均粒子径は、トナーの帯電性流動性、転写性の観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましい。また、250nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、90nm以下がさらに好ましい。

0088

外添剤の含有量は、外添剤で処理する前のトナー100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましい。また、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。

0089

本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、外添剤で処理する前のトナー粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。

0090

本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。

0091

上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法、該方法により得られた結着樹脂、該結着樹脂を含有した静電荷像現像用トナーを開示する。

0092

<1>脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、フラン環を有するカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分を、反応率が70〜99%に達するまで重縮合する工程1、及び工程1で得られた重縮合物にさらにスルホ基を有する有機化合物を添加し、重縮合する工程2を有する、ポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法。

0093

<2> 工程1をスズ触媒又はチタン触媒の存在下で行う、前記<1>記載の製造方法。
<3>スルホ基を有する有機化合物の使用量が、工程1に供するアルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜0.5質量部である、前記<1>又は<2>記載の製造方法。
<4> 工程2の反応温度が160〜240℃である、前記<1>〜<3>いずれか記載の製造方法。
<5> スルホ基を有する有機化合物がアルキルベンゼンスルホン酸である、前記<1>〜<4>いずれか記載の製造方法。
<6>フラン環を有するカルボン酸化合物がフランジカルボン酸である、前記<1>〜<5>いずれか記載の製造方法。
<7>脂肪族ジオールが、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを含有する、前記<1>〜<6>いずれか記載の製造方法。
<8> 工程1で使用するスズ触媒又はチタン触媒と、工程2で使用するスルホ基を有する有機化合物の質量比(スズ触媒又はチタン触媒/スルホ基を有する有機化合物)が1/2〜50/1である、前記<2>〜<7>いずれか記載の製造方法。
<9> スズ触媒又はチタン触媒がスズ触媒である、前記<2>〜<8>いずれか記載の製造方法。
<10> スズ触媒が、Sn−C結合を有していない錫(II)化合物である、前記<2>〜<9>いずれか記載の製造方法。
<11> 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの炭素数が3〜5である、前記<7>〜<10>いずれか記載の製造方法。
<12> アルコール成分が、さらに炭素数4〜25のα,ω−脂肪族ジオールを含有する、前記<1>〜<11>いずれか記載の製造方法。
<13> カルボン酸成分が、3価以上の多価カルボン酸化合物を含有する、前記<1>〜<12>いずれか記載の製造方法。
<14> カルボン酸成分が、炭素数8〜26のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸化合物を含有する、前記<1>〜<13>いずれか記載の製造方法。
<15> 前記<1>〜<14>いずれか記載の製造方法により得られたポリエステル系トナー用結着樹脂。
<16> ポリエステル系トナー用結着樹脂の数平均分子量が3000以上10000以下である、前記<15>記載のポリエステル系トナー用結着樹脂。
<17> ポリエステル系トナー用結着樹脂が非晶質である、前記<15>又は<16>記載のポリエステル系トナー用結着樹脂。
<18> ポリエステル系トナー用結着樹脂のガラス転移温度が40〜90℃である、前記<15>〜<17>いずれか記載のポリエステル系トナー用結着樹脂。
<19> ポリエステル系トナー用結着樹脂の軟化点が90〜160℃である、前記<15>〜<18>いずれか記載のポリエステル系トナー用結着樹脂。
<20> 前記<15>〜<19>いずれか記載のポリエステル系トナー用結着樹脂を含有した静電荷像現像用トナー。

0094

樹脂等の物性は、以下の方法により測定した。

0095

〔樹脂の軟化点〕
フローテスター島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。

0096

〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計(ティーエイインスツルメントジャパン社製、Q-100)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しそのまま1分間静止させる。その後、昇温速度50℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。

0097

〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースライン延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。

0098

〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールエーテル混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。

0099

〔樹脂の水酸基価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。

0100

〔樹脂の数平均分子量〕
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量を求める。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料をテトラヒドロフランに、25℃で溶解させる。次いで、この溶液ポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター(ADVANTEC社製、DISMIC-25JP)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2)分子量測定
下記の測定装置分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)

0101

〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱最大ピーク温度を融点とする。

0102

〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプバージョン1.19(ベックマンコールター社製)
電解液アイトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。

0103

〔外添剤の平均粒子径〕
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、外添剤の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定した、500個の粒子の粒径の平均値をいう。長径短径がある場合は長径を指す。

0104

〔樹脂の製造〕
樹脂製造例1〔樹脂1〜9〕
表1、2に示す原料モノマー及びエステル化触媒1を、温度計ステンレス製攪拌棒流下コンデンサー及び窒素導入管装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後210℃にて反応率が70%以上に到達したのを確認し、エステル化触媒2を加えた。その後、220℃まで昇温し、8.0kPaにて表1、2に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(樹脂1〜9)を得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。

0105

樹脂製造例2〔樹脂10、11〕
表2に示す原料モノマー及びエステル化触媒1を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後、220℃まで昇温し、8.0kPaにて表2に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(樹脂10、11)を得た。

0106

樹脂製造例3〔樹脂12〕
表2に示す原料モノマー及びエステル化触媒1を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後210℃にて反応率が70%に達する前の段階で、エステル化触媒2を加えた。その後、220℃まで昇温し、8.0kPaにて表2に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(樹脂12)を得た。

0107

樹脂製造例4〔樹脂13〕
表2に示す原料モノマー、エステル化触媒1、及びエステル化触媒2を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後、220℃まで昇温し、8.0kPaにて表2に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(樹脂13)を得た。

0108

樹脂製造例5〔樹脂14〕
表に示す原料モノマー、及びエステル化触媒1を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後、8.0kPaにて表2に示す反応率に達するまで反応を行った。その後常圧(大気圧)に戻し、エステル化触媒2を加え、220℃まで昇温し1時間反応した。その後、8.0kPaにて表2に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(樹脂14)を得た。

0109

0110

0111

〔静電荷像現像用トナーの製造〕
実施例1〜10及び比較例1〜3
表3に示す結着樹脂100質量部、着色剤「Regal 330R」(キャボット社製、カーボンブラック)5質量部、離型剤「三井ハイワックスNP055」(三井化学社製、ポリプロピレンワックス、融点:125℃)2質量部、及び負帯電性荷電制御剤「ボントロンE-81」(オリエント化学工業社製)1質量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、同方向回転二軸押出し機を用い、ロール回転速度200r/min、ロール内の加熱温度80℃で溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにて粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。

0112

得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ「NAX-50」(日本アエロジル社製、疎水化処理剤:HMDS、平均粒子径:30nm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。

0113

試験例1〔低温定着性〕
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、シャープ(株)製の紙[CopyBondSF-70NA(75g/m2)]上に、未定着の状態で紙上に画像を得た。総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)を用い、定着ローラーの温度を100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、各温度で未定着画像定着試験を行った。定着画像に「ユニセセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前×100)が最初に90%を越える定着ローラーの温度を最低定着温度とし、低温定着性を評価した。結果を表3に示す。

0114

試験例2〔保存性〕
トナー4gを温度55℃、湿度60%の環境下で72時間放置した。放置後、トナー凝集発生程度を24時間毎目視にて観察し、以下の評価基準に従って、保存性を評価した。結果を表3に示す。

0115

〔評価基準〕
A:72時間後も凝集は認められない。
B:72時間後で凝集が認められる。
C:48時間後で凝集が認められる。
D:24時間後で凝集が認められる

0116

試験例3〔耐久性〕
ページプレスト N-4」(カシオ計算機社製、定着:接触定着方式、現像:非磁性一成分現像方式現像ロール径:2.3cm)にトナーを実装し、温度32℃、湿度85%の環境下にて黒化率5.5%の斜めストライプパターンを連続して印刷した。途中、500枚ごとに黒ベタ画像印字し、画像上のスジの有無を確認した。印刷は、画像上にスジが発生した時点で中止し、最高6000枚まで行った。画像上にスジが目視にて観察された時点までの印字枚数を、現像ロールにトナーが融着・固着したことによりスジが発生した枚数とし、耐久性を評価した。即ち、スジの発生しない枚数が多いほど、トナーの耐久性が高いものと判断できる。結果を表3に示す。

0117

試験例4〔グロス〕
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、未定着画像を得た。オイルレス定着方式の「DL-2300」(コニカミノルタ社製)を改造した外部定着装置を用いて、定着ロールの回転速度を265mm/secに設定し、定着装置中の定着ロール温度を170℃に設定して、定着処理を行い、定着画像を得た。その定着画像を用いて光沢度を測定した。光沢度は光沢度計PG-1」(日本電色工業株式会社)を用い、光源を60°に設定して測定を行い、グロスを評価した。結果を表3に示す。光沢度の数値が大きいほど、グロスが良好であることを示す。

0118

実施例

0119

以上の結果より、実施例のトナーは、比較例のトナーに比べて、いずれも低温定着性、耐久性、保存性及び印刷物のグロスに優れることがわかる。

0120

本発明の方法により得られるポリエステル系トナー用結着樹脂は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に用いられるトナーに好適に用いられるものである。

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  • 有限会社スクラムの「 環状重合L−乳酸。」が 公開されました。( 2019/05/23)

    【課題】 重合体単独としてpHが6〜7である環状重合L−乳酸の提供。【解決手段】 環状重合L−乳酸の製造方法では温度193℃を保ちながら減圧と窒素ガス噴射を停止、酸素を取り入れ・圧力760mmHg... 詳細

  • キヤノン株式会社の「 トナー粒子の製造方法」が 公開されました。( 2019/05/23)

    【課題】湿式法によってトナー粒子を製造する際に、トナー粒子分散液の固形分を所定の濃度に効率よく濃縮できるトナー製造方法を提供する。【解決手段】水系分散媒体中でトナー粒子を生成させた後、前記水系分散媒体... 詳細

  • 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の「 2成分現像剤及びその製造方法」が 公開されました。( 2019/05/23)

    【課題】画像形成時にキャリア現像が発生しにくく、連続印刷においても十分な現像性を維持できる2成分現像剤及びその製造方法を提供する。【解決手段】2成分現像剤が、キャリアとトナーとを含む。キャリアの体積中... 詳細

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