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技術 有機物質の低分子化方法および低分子化システム

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 清水政志高木克彦浅沼稔藤井良基
出願日 2014年1月14日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2014-004626
公開日 2015年7月23日 (2年5ヶ月経過) 公開番号 2015-131917
状態 特許登録済
技術分野 固体物質からの合成ガス等の製造 水素、水、水素化物 石油精製,液体炭化水素混合物の製造
主要キーワード ガス分析結果 不活性ガスフロー 定常操業 含油スラッジ 水素濃度計 モデル物質 カードル 接触触媒

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図面 (4)

課題

有機物質を効率的に低分子化して高品質高カロリー改質物を得ることができるとともに、シフト反応用に系外から導入する一酸化炭素含有ガス量を少なくすることができる有機物質の低分子化方法を提供する。

解決手段

一酸化炭素含有ガス(g0)に過剰の水蒸気添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化する方法において、有機物質の低分子化により生成した気体生成物の一部に水蒸気を添加して水蒸気改質反応(A)を行わせることで一酸化炭素含有ガス(g10)を生成させ、このガス(g10)をシフト反応用の一酸化炭素含有ガス(g0)として用いる。

概要

背景

廃プラスチック含油スラッジ廃油などの多くは焼却処理されているのが現状である。しかし、焼却処理ではCO2発生などの環境負荷が高く、また、焼却炉熱的損傷の問題もあり、ケミカルリサイクル技術の確立が求められている。
ケミカルリサイクル技術のなかでも、有機物質気体燃料液体燃料転換するための技術は、廃プラスチックを中心に従来から種々検討がなされ、例えば、以下のような提案がなされている。

特許文献1には、水素濃度60vol%以上、好ましくは80vol%以上、温度600℃以上のコークス炉ガスCOG)を廃プラスチックなどの有機物質と反応させることにより、有機物質を高効率で水素化分解ガス化し、COGを増熱化する方法開示されている。
また、特許文献2には、石油流動接触触媒FCC)を熱媒体触媒として用い、温度350〜500℃で廃プラスチックを分解して液体燃料に変換する方法が開示されている。

また、特許文献3には、RDFや木材などを熱分解するにあたり、熱分解で生成したガス水蒸気改質し、この水蒸気改質により水素濃度を高くしたガスを熱分解部に循環し、水素濃度を高くしたガス雰囲気で熱分解を行う方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、冶金炉で発生した一酸化炭素含有する排ガスに過剰の水蒸気添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガスとし、この混合ガスを有機物質に接触させ、低分子化する方法が開示されている。

概要

有機物質を効率的に低分子化して高品質高カロリー改質物を得ることができるとともに、シフト反応用に系外から導入する一酸化炭素含有ガス量を少なくすることができる有機物質の低分子化方法を提供する。一酸化炭素含有ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化する方法において、有機物質の低分子化により生成した気体生成物の一部に水蒸気を添加して水蒸気改質反応(A)を行わせることで一酸化炭素含有ガス(g10)を生成させ、このガス(g10)をシフト反応用の一酸化炭素含有ガス(g0)として用いる。

目的

本発明の目的は、有機物質を効率的に低分子化して高品質、高カロリーの改質物を得ることができるとともに、シフト反応用に系外から導入する一酸化炭素含有ガス量を少なくし、或いは実質的に系外から一酸化炭素含有ガスを導入しない自立型プロセスとすることができ、これにより、設備設置場所制約を少なくし、或いは無くすことができる有機物質の低分子化方法および低分子化システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

一酸化炭素含有するガス(g0)に過剰の水蒸気添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化する方法において、有機物質の低分子化により生成した気体生成物の一部に水蒸気を添加して水蒸気改質反応(A)を行わせることで一酸化炭素を含有するガスを生成させ、このガスを、一酸化炭素を含有するガス(g0)として用いることを特徴とする有機物質の低分子化方法

請求項2

一酸化炭素を含有するガス(g0)は、一酸化炭素濃度が20vol%以上、窒素濃度が30vol%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機物質の低分子化方法。

請求項3

一酸化炭素を含有するガス(g0)は、一酸化炭素濃度が30vol%以上、窒素濃度が20vol%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機物質の低分子化方法。

請求項4

操業起動時以外は、一酸化炭素を含有するガス(g0)として、水蒸気改質反応(A)で生成した一酸化炭素を含有するガスのみを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機物質の低分子化方法。

請求項5

一酸化炭素を含有するガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)を得るシフト反応器(1)と、該シフト反応器(1)から供給された混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化する改質反応器(2)と、該改質反応器(2)における有機物質の低分子化で生成した気体生成物の一部が供給され、その気体生成物に水蒸気を添加して水蒸気改質反応(A)を行わせることで一酸化炭素を含有するガスを生成させる水蒸気改質反応器(3)と、該水蒸気改質反応器(3)で生成した一酸化炭素を含有するガスをシフト反応器(1)に供給する供給管(7)を備えることを特徴とする有機物質の低分子化システム。

技術分野

0001

本発明は、プラスチックなどの有機物質気体燃料などに転換するために、有機物質を改質して低分子化する方法、およびその方法の実施に供する低分子化システムに関する。
に関する。

背景技術

0002

廃プラスチック含油スラッジ廃油などの多くは焼却処理されているのが現状である。しかし、焼却処理ではCO2発生などの環境負荷が高く、また、焼却炉熱的損傷の問題もあり、ケミカルリサイクル技術の確立が求められている。
ケミカルリサイクル技術のなかでも、有機物質を気体燃料や液体燃料に転換するための技術は、廃プラスチックを中心に従来から種々検討がなされ、例えば、以下のような提案がなされている。

0003

特許文献1には、水素濃度60vol%以上、好ましくは80vol%以上、温度600℃以上のコークス炉ガスCOG)を廃プラスチックなどの有機物質と反応させることにより、有機物質を高効率で水素化分解ガス化し、COGを増熱化する方法が開示されている。
また、特許文献2には、石油流動接触触媒FCC)を熱媒体触媒として用い、温度350〜500℃で廃プラスチックを分解して液体燃料に変換する方法が開示されている。

0004

また、特許文献3には、RDFや木材などを熱分解するにあたり、熱分解で生成したガス水蒸気改質し、この水蒸気改質により水素濃度を高くしたガスを熱分解部に循環し、水素濃度を高くしたガス雰囲気で熱分解を行う方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、冶金炉で発生した一酸化炭素含有する排ガスに過剰の水蒸気添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガスとし、この混合ガスを有機物質に接触させ、低分子化する方法が開示されている。

先行技術

0005

特開2007−224206号公報
特開2010−013657号公報
特開2001−131560号公報
特開2012−188641号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記従来技術には、以下のような問題がある。
まず、特許文献1に関しては、COG中の水素濃度が60vol%以上となるのは石炭乾留工程のうちでも乾留末期に限られるので、特許文献1の方法では、乾留末期のタイミングでガス流路切替え、多量のダストを含む600℃以上のCOGを廃プラスッチク水素化分解反応器に供給する必要がある。しかし、このような過酷な条件で、流路切替弁を長期間安定して作動させ続けることは困難であり、この意味実現性に乏しい技術であると言える。さらに、廃プラスチックの効率的なガス化のためには、60vol%以上の水素を含有するCOGを連続的に水素化分解反応器に供給することが必要であるが、このためには炭化室毎水素濃度計と流路切替弁を設置する必要があり、設備コストが増大する。

0007

また、特許文献2の方法は、FCC触媒添加によって接触分解芳香族化が進むものの、不活性ガスフローで反応を行っているため、重油分とコークが合計で13質量%生成しており(実施例1)、軽質燃料製造技術として満足できる水準とは言えない。
また、特許文献3の方法で生成するガスは、H2、CO、CO2が主体で、燃焼熱冶金炉発生排ガスのそれよりやや低い1800kcal/Nm3程度のものであり、気体燃料としての価値は限定的なものとなる。
特許文献4の方法は、常圧、400〜900℃程度という従来にない温和反応条件で効率的に有機物質を低分子化できる優れた方法であるが、原料ガスに冶金炉発生排ガスを利用するため、低分子化反応設備設置場所制約がある。

0008

したがって本発明の目的は、有機物質を効率的に低分子化して高品質高カロリー改質物を得ることができるとともに、シフト反応用に系外から導入する一酸化炭素含有ガス量を少なくし、或いは実質的に系外から一酸化炭素含有ガスを導入しない自立型プロセスとすることができ、これにより、設備の設置場所の制約を少なくし、或いは無くすことができる有機物質の低分子化方法および低分子化システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記のような従来技術の課題を解決するため、シフト反応用の一酸化炭素含有ガスとして、系内で生成させたガスを利用するという着想の下に検討を行い、その結果、有機物質の低分子化により生成した気体生成物を水蒸気改質して一酸化炭素含有ガスを生成させ、このガスを、シフト反応用の一酸化炭素含有ガスとして用いるという新たな方法を創案した。
すなわち、本発明は以下を要旨とするものである。

0010

[1]一酸化炭素を含有するガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化する方法において、
有機物質の低分子化により生成した気体生成物の一部に水蒸気を添加して水蒸気改質反応(A)を行わせることで一酸化炭素を含有するガスを生成させ、このガスを、一酸化炭素を含有するガス(g0)として用いることを特徴とする有機物質の低分子化方法。

0011

[2]上記[1]の低分子化方法において、一酸化炭素を含有するガス(g0)は、一酸化炭素濃度が20vol%以上、窒素濃度が30vol%以下であることを特徴とする有機物質の低分子化方法。
[3]上記[1]の低分子化方法において、一酸化炭素を含有するガス(g0)は、一酸化炭素濃度が30vol%以上、窒素濃度が20vol%以下であることを特徴とする有機物質の低分子化方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの低分子化方法において、操業起動時以外は、一酸化炭素を含有するガス(g0)として、水蒸気改質反応(A)で生成した一酸化炭素を含有するガスのみを用いることを特徴とする有機物質の低分子化方法。

0012

[5]一酸化炭素を含有するガス(g0)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)を得るシフト反応器(1)と、
該シフト反応器(1)から供給された混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化する改質反応器(2)と、
該改質反応器(2)における有機物質の低分子化で生成した気体生成物の一部が供給され、その気体生成物に水蒸気を添加して水蒸気改質反応(A)を行わせることで一酸化炭素を含有するガスを生成させる水蒸気改質反応器(3)と、
該水蒸気改質反応器(3)で生成した一酸化炭素を含有するガスをシフト反応器(1)に供給する供給管(7)を備えることを特徴とする有機物質の低分子化システム。

発明の効果

0013

本発明によれば、廃プラスチックなどの高分子量の有機物質を低分子化して気体燃料や液体燃料などに転換する際、有機物質を効率的に改質して低分子化し、重質分や炭素質が少なく、軽質分を多量に含有する高カロリーの改質物を得ることができるとともに、シフト反応に用いる一酸化炭素含有ガスとして、系内で生成させたガス(有機物質の低分子化により生じた気体燃料の一部を水蒸気改質して生成させたガス)を利用するため、シフト反応用に系外から導入する一酸化炭素含有ガス量を少なくし、或いは実質的に系外から一酸化炭素含有ガスを導入しない自立型プロセスとすることができ、このため、設備の設置場所の制約を少なくし、或いは無くすことができる。また、系外から導入する冶金炉発生排ガスなどの一酸化炭素含有ガスは相当量の窒素を含有しているが、系内で生成させたガス(有機物質の低分子化により生じた気体燃料の一部を水蒸気改質して生成させたガス)をシフト反応に利用することにより、系内の窒素濃度を低くでき、反応性を向上させることができる。

0014

また、実施設備に関しても、特別な計測器や流路切替弁などが必要なく、しかも比較的低い反応温度でも有機物質の改質を行うことができるので、比較的簡易な設備で実施することができる。
また、シフト反応によって生成するCO2は、有機物質の改質中に炭酸ガス改質反応でCOに変化するため、有機物質のケミカルリサイクルをCO2発生量を増加させることなく実施することが可能となる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の実施に供される低分子化設備の一例を模式的に示す説明図
実施例において、有機物質の低分子化により生成した気体生成物のLHVについて、操業起動時から定常操業に至るまでの経時変化を示したグラフ
実施例において、有機物質の低分子化により生成した気体生成物の窒素濃度について、操業起動時から定常操業に至るまでの経時変化を表すグラフ

0016

本発明の有機物質の低分子化方法は、一酸化炭素を含有するガス(g0)(以下、「一酸化炭素含有ガス(g0)」という。)に過剰の水蒸気を添加してシフト反応(反応[1])を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス(g)とし、この混合ガス(g)を有機物質に接触させ、有機物質を改質して低分子化(反応[2])する方法において、有機物質の低分子化により生成した気体生成物の一部に水蒸気を添加して水蒸気改質反応(A)(反応[3])を行わせることで一酸化炭素を含有するガス(以下、「一酸化炭素含有ガス(g10)」または「ガス(g10)」という。)を生成させ、このガス(g10)をシフト反応(反応[1])用の一酸化炭素含有ガス(g0)として用いるものである。
なお、一酸化炭素含有ガス(g0)に過剰の水蒸気を添加するとは、シフト反応で消費されない余剰の水蒸気が混合ガス(g)中に残存するように水蒸気を添加するという意味である。

0017

上記反応[1](シフト反応)、反応[2](低分子化反応)、反応[3](水蒸気改質反応)は、以下に示す反応である。なお、反応[3]は、一例として、メタンの水蒸気改質反応を示した。
反応[1]:CO+H2O→H2+CO2



反応[3]:CH4+H2O→CO+3H2

0018

反応[1]では、一酸化炭素含有ガス(g0)に過剰の水蒸気が添加されるので、シフト反応後の混合ガス(g)には、シフト反応により生成したH2、CO2と過剰添加分のH2Oが含まれることになる。ここで、一酸化炭素含有ガス(g0)に対して過剰に添加する水蒸気の過剰割合やシフト反応の反応率を適宜制御することによって、ガス中の水蒸気、水素、炭酸ガスの各濃度を制御し、有機物質改質用の混合ガス(g)とすることができる。なお、シフト反応の反応率は、シフト反応器内での滞留時間を調整することで制御することができる。例えば、滞留時間を短くするには、シフト反応器長さを小さくしたり、或いは触媒充填量を少なくする方法が一般的である。

0019

シフト反応で得られる有機物質改質用の混合ガス(g)は、水蒸気、水素および炭酸ガスを含むものであり、それらの濃度に特別な制限はないが、廃プラスチックなどの有機物質の分解率を確保する一方で、改質反応生成ガス中でのCO2の残留を抑えるなどの観点から、水蒸気濃度は5〜70vol%であることが好ましい。また、有機物質の分解率を確保する観点から、混合ガス(g)の水素濃度および炭酸ガス濃度はともに5vol%以上が好ましい。また、同様の観点から、混合ガス(g)のより好ましい組成は、水蒸気濃度:20〜70vol%、水素濃度:10〜40vol%、炭酸ガス濃度:10〜40vol%である。なお、この混合ガス(g)に、他のガス成分(例えば、窒素など)が含まれることは妨げない。

0020

反応[2](低分子化反応)は、水素化反応水素化分解反応、水蒸気改質反応、炭酸ガス改質反応の4反応が同時に進行するものと考えられるが、実際には、それらに加えて、熱分解反応も同時に進行して有機物質が低分子化され、種々の軽質炭化水素や一酸化炭素が生成する複雑な反応であると考えられる。ここで、水素化反応とは不飽和結合への水素付加反応の他に、COやCO2への水素付加によるメタネーション反応も含む。この反応[2]では、比較的低い反応温度でも効率的に有機物質の低分子化が促進され、水素消費量も少なく、且つ重質分や炭素質の生成もほとんど認められない。

0021

本発明において、改質による低分子化の対象となる有機物質に特別な制限はないが、高分子量の有機物質が好適であり、例えば、プラスチック(通常、廃プラスチック)、含油スラッジ、廃油、バイオマスなどが挙げられ、これらの1種以上を対象とすることができる。
有機物質改質時の反応温度は400〜900℃が好ましく、この温度範囲において、有機物質の種類に応じてより好適な反応温度を選択すればよい。

0022

反応[2]により生成した気体生成物は回収されて気体燃料などとして使用されるが、本発明では、反応[2]により生成した気体生成物の一部を分離し、これに水蒸気を添加して反応[3](水蒸気改質反応(A))を行わせることで一酸化炭素含有ガス(g10)を生成させ、このガス(g10)をシフト反応(反応[1])用の一酸化炭素含有ガス(g0)として用いる。

0023

反応[3](水蒸気改質反応(A))の条件は何ら限定的ではないが、Ni系などの水蒸気改質触媒を用いる場合の反応温度は600〜900℃程度が好ましく、触媒を用いない場合の反応温度は700〜1000℃程度が好ましい。水蒸気の添加量は、水蒸気改質反応器に供給する反応[2](低分子化反応)で生成した気体生成物中に含有される炭素原子総量に対し、1倍モル以上5倍モル以下が好ましく、1倍モル以上3倍モル以下であればより好ましい。水蒸気の添加方法については任意であり、気体生成物とは別に水蒸気改質反応器に供給してもよいし、気体生成物と水蒸気を混合してから水蒸気改質反応器に供給してもよい。なお、上述の通り、水蒸気改質反応はシフト反応よりも高温であるため、水蒸気改質後の生成ガス冷却する熱交換器等を水蒸気改質反応器の下流に設置することが好ましい。
ここで、定常操業時においては、シフト反応用の一酸化炭素含有ガス(g0)としてガス(g10)のみを用いてもよいし、シフト反応用の一酸化炭素含有ガス(g0)の一部としてガス(g10)を用い、残りは系外(プロセス外部)から導入される一酸化炭素含有ガスを用いてもよい。

0024

一方、いずれの場合も、操業の起動時(反応[1]〜反応[3]からなるプロセスの起動時)には、系外(プロセス外部)から導入される一酸化炭素含有ガスをシフト反応用の一酸化炭素含有ガス(g0)として用いる。
系外(プロセス外部)から導入される一酸化炭素含有ガスをシフト反応用の一酸化炭素含有ガス(g0)として用いる場合、調達した純一酸化炭素ガスや一酸化炭素含有ガスをパイプラインにより外部から直接供給する方法、カードルボンベから供給する方法などのほかに、LNGLPGナフサなどを調達して、本発明の反応[3]を実施する水蒸気改質反応器に供給して、一酸化炭素含有ガスに変換することもできる。

0025

また、操業の起動時には、水素および炭酸ガスと水蒸気とを含む混合ガスを系外(プロセス外部)から導入し、これを有機物質改質用の混合ガス(g)として用いてもよい。系外(プロセス外部)から導入される混合ガスを有機物質改質用の混合ガス(g)として用いる場合、調達した純二酸化炭素と純水素、或いは二酸化炭素と水素を含有するガスをパイプラインにより外部からの直接供給とし、これに水蒸気を付加する方法を採ることができる。
また、設備を立ち上げた際の操業起動時は系外(プロセス外部)から一酸化炭素含有ガスや混合ガスを導入するが、その後については、定常操業の停止前に一酸化炭素含有ガスや混合ガスを一時的にホルダに溜めておき、これを起動時に使用するようにしてもよい。

0026

本発明においてシフト反応に用いる一酸化炭素含有ガス(g0)は、一酸化炭素濃度が20vol%以上、窒素濃度が30vol%以下であることが好ましく、また、一酸化炭素濃度が30vol%以上、窒素濃度が20vol%以下であることが特に好ましい。ここで、シフト反応に用いる一酸化炭素含有ガス(g0)とは、水蒸気改質反応(A)により生成した一酸化炭素含有ガス(g10)のほか、系外(プロセス外部)から導入され、一酸化炭素含有ガス(g0)として用いられる一酸化炭素含有ガスも含まれる。一酸化炭素含有ガス(g0)の一酸化炭素濃度が20vol%未満ではシフト反応後の二酸化炭素濃度が低くなり、改質反応後の気体燃料中に炭化水素や一酸化炭素に比べて低カロリーのガス成分である水素が残留しやすくなる。また、窒素濃度が30vol%を超えると気体燃料のLHVの低下が顕著になるとともに、シフト反応速度も低下する。

0027

なお、系外(プロセス外部)から供給される一酸化炭素含有ガスとしては、上述した好ましいガス組成の観点から、特に冶金炉発生排ガス(一般的なガス組成はCO:80〜25vol%、CO2:10〜25vol%、N2:10〜30vol%、H2:0〜20vol%)が好ましい。一酸化炭素を含有する冶金炉発生排ガスとして最も代表的なものは、鉄鋼製造プロセス脱炭工程が行われる転炉から発生する転炉ガスであるが、それ以外にも、例えば、溶銑予備処理炉溶融還元炉シャフト炉などから発生する排ガスを例示することができ、これらの1種または2種以上の混合ガスを用いることができる。

0028

本発明において、操業起動時以外は系外から一酸化炭素含有ガスを導入しない自立型プロセスを構築する場合、反応[3](水蒸気改質反応(A))を行わせる気体生成物使用量は、反応[2](低分子化反応)で生成した気体生成物量の7質量%以上とすることが好ましく、10質量%以上であればさらに好ましい。反応[3]を行わせる気体生成物使用量が反応[2]で生成した気体生成物量の7質量%未満では、水蒸気改質反応後の気体生成物の量が原料として使用した一酸化炭素含有ガス(g0)よりも少なくなり、反応[2]の促進が不十分となり好ましくない。反応[3]を行わせる気体生成物使用量が多いと、反応[2]の反応率が高くなるが、使用量が多くなるにしたがって、製品として得られる気体燃料が少なくなるだけでなく、気体燃料のLHV増加効果も低くなり、非経済的である。したがって、反応[3]を行わせる気体生成物使用量の理論的上限はないが、現実的には反応[2]で生成した気体生成物量の50質量%以下が好ましく、30質量%以下であればより好ましい。

0029

図1は、本発明の実施に供される有機物質の低分子化設備を模式的に示すものであり、1は一酸化炭素含有ガス(g0)と水蒸気とのシフト反応により混合ガス(g)を得るシフト反応器、2はシフト反応器1で得られた混合ガス(g)により有機物質を改質して低分子化する改質反応器、3は改質反応器2で生成した気体生成物の一部を水蒸気改質して一酸化炭素含有ガス(g10)を生成させる水蒸気改質反応器である。また、4は改質反応器2での有機物質の低分子化で生成した生成物から液体生成物捕集・分離する液体生成物捕集器、5は改質反応器2で生成した気体生成物を冷却するガス冷却器であり、このガス冷却器5から出た気体生成物は、その一部が配管11を通じて水蒸気改質反応器3に供給されるようになっている。一方、残りの気体生成物は、気体燃料として用いるために配管12を通じて系外に取り出される。配管11には、流量調節弁13が設けられている。

0030

また、7は水蒸気改質反応器3で生成した一酸化炭素含有ガス(g10)を、シフト反応用の一酸化炭素含有ガス(g0)としてシフト反応器1に供給する供給管であり、この供給管7には、水蒸気改質反応器3から出た一酸化炭素含有ガス(g10)を冷却する熱交換器6が設けられている。
前記シフト反応器1は、触媒が充填された固定床反応器などのような公知のものでよい。このシフト反応器1にガス(系外から導入するガス)を供給する供給管14には、一酸化炭素含有ガス(g0)とスチーム供給量をそれぞれ調整できる流量調節弁8a,8b、一酸化炭素含有ガス(g0)にスチームを混合するスチーム混合器9、一酸化炭素含有ガス(g0)とスチームの混合ガスを予熱する予熱器10が設けられている。

0031

前記改質反応器2は、例えば、外熱式ロータリーキルンなどのような移動床方式反応器流動層式反応器、固定床方式反応器などで構成される。有機物質の改質には特に触媒を必要としないが、触媒を充填して反応を行ってもよい。触媒としては、水蒸気改質活性、炭酸ガス改質活性水素化活性水素化分解活性をそれぞれ有する1種または2種以上の触媒を用いることができる。具体例としては、Ni系改質触媒、Ni系水素化触媒、Pt/ゼオライト系石油精製触媒などを挙げることができる。また、微細Fe粒子からなることが知られている転炉発生ダストも、改質触媒や水素化分解触媒として用いることができる。改質反応器2の入側には、スクリューコンベア方式などによる有機物質(廃プラスチックなど)の定量投入装置(図示せず)が設置される。

0032

前記水蒸気改質反応器3は、特に制限はないが、一般には触媒を充填した固定床流通式反応器が用いられる。水蒸気改質反応は大きな吸熱反応であるため、外部加熱式または内部加熱式の反応器とすることが必要であるが、加熱方式についても特別な制約はなく、チューブ状の反応管の外部に加熱炉を設置した形式など公知の方式を用いることができる。
なお、シフト反応器1出側の配管とガス冷却器5の冷却後ガスの出側配管には、サンプリングポート流量計(いずれも図示せず)を設置し、シフト反応生成ガスと気体生成物の定量分析を可能としている。

0033

図1の設備の操業において、操業の起動時には、系外(プロセス外部)から一酸化炭素含有ガス(g0)に過剰のスチームが添加されたガスが供給管14を通じてシフト反応器1に供給されてシフト反応が行われる。このシフト反応後の混合ガス(g)には、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気が含まれることになる。改質反応器2には、その混合ガス(g)と有機物質が供給され、混合ガス(g)を有機物質に接触させることで有機物質を改質して低分子化する。有機物質の低分子化による生成物は、気体生成物(一酸化炭素、C1〜C4の炭化水素など)と液体生成物である。

0034

有機物質の低分子化による生成物(気体生成物、液体生成物)から液体生成物捕集器4で液体生成物が捕集・分離され、気体生成物がガス冷却器5に送られて冷却される。ガス冷却器5を出た気体生成物は、その一部が配管11と流量調節弁13を通じて水蒸気改質反応器3に供給され、残りが配管12を通じて系外に排出され、気体燃料として利用される。水蒸気改質反応器3にはスチームが供給され、気体生成物が水蒸気改質されて一酸化炭素含有ガス(g10)が生成する。この一酸化炭素含有ガス(g10)は、途中で熱交換器6により冷却されつつ、供給管7を通じてシフト反応器1に供給され、シフト反応用の一酸化炭素含有ガス(g0)として使用される。

0035

さきに述べたように、定常操業時においては、シフト反応用の一酸化炭素含有ガス(g0)として水蒸気改質反応器3から供給される一酸化炭素含有ガス(g10)のみを用いてもよいし、シフト反応用の一酸化炭素含有ガス(g0)の一部として水蒸気改質反応器3から供給される一酸化炭素含有ガス(g10)を用い、残りは系外(プロセス外部)から導入される一酸化炭素含有ガスを用いてもよい。したがって、前者の場合には、供給管14を通じてシフト反応器1に供給されるのはスチームだけである。一方、後者の場合には、供給管14を通じてシフト反応器1に供給されるのは、系外(プロセス外部)から導入される一酸化炭素含有ガス(g0)にスチームを添加したガスであるが、水蒸気改質反応器3から供給される一酸化炭素含有ガス(g10)の分、系外(プロセス外部)から導入される一酸化炭素含有ガス(g0)の量は絞られる。以上のような供給管14を通じたガスの供給量の制御は、流量調節弁8a,8bにより行う。

0036

図1に示すような装置構成を有する設備を用い、操業起動時と定常操業時にそれぞれ相当する廃プラスチックの改質(低分子化)を行った。この設備では、改質反応器2として外熱式ロータリーキルンを用いた。
まず、操業起動時に相当する廃プラスチックの改質(低分子化)を以下のようにして行った。
系外(プロセス外部)から供給する一酸化炭素含有ガス(g0)の平均組成は、H2:12vol%、CO:54vol%、CO2:17vol%、H2O:1vol%、N2:16vol%であった。スチーム混合器9に対して一酸化炭素含有ガス(g0)を74Nm3/h、水蒸気として圧力10kg/cm2Gのスチームを100Nm3/h供給し、この混合ガスをシフト反応器1に導入してシフト反応を行なわせ、ガス組成がH2:26vol%、CO:2vol%、CO2:28vol%、H2O:37vol%、N2:7vol%の混合ガス(g)(シフト反応生成ガス)が得られた。この混合ガス(g)は、流量が172Nm3/h(質量流量では170kg/h)、シフト反応器出口ガス温度が430℃であった。

0037

改質反応器2である外熱式ロータリーキルンは予め500℃に予熱されており、この改質反応器2に、上記混合ガス(g)(シフト反応生成ガス)を導入するとともに、廃プラスチックのモデル物質として粒状に破砕処理したポリエチレンを880kg/hで供給し、計画反応温度である800℃まで昇温させた。800℃に到達後、液体生成物捕集器4に捕集されていた液体生成物を払い出し、その後1時間、廃プラスチックの改質反応を継続した。
改質反応器2から出た気体生成物分は、ガス冷却器5による冷却後のガス分析結果から、同じく液体生成物分は、液体生成物捕集器4に捕集された液体生成物の分析結果から、それぞれ生成量と組成を求め、また、気体生成物についてはLHVを求めた。それらの結果を表1に示す。

0038

0039

次に、定常操業時に相当する廃プラスチックの改質(低分子化)を以下のようにして行った。
改質反応器2から出た気体生成物(表1に示した気体生成物)の一部を27.8kg/h(18.5Nm3/h)水蒸気改質反応器3に導入し、この水蒸気改質反応器3に水蒸気を添加して水蒸気改質反応を行い、一酸化炭素含有ガス(g10)を生成させた。したがって、表1に示した気体燃料のうちの7.3質量%を水蒸気改質反応器3に導入して一酸化炭素含有ガス(g10)の生成に使用したことになる。なお、水蒸気の添加量は67.8kg/h(84.4Nm3/h)とした。この水蒸気改質で得られた一酸化炭素含有ガス(g10)を熱交換器6で407℃まで冷却した後、供給管7を通じてシフト反応器1に導入してさらに水蒸気を添加し、シフト反応を行った。なお、水蒸気の添加量は11.9kg/h(14.8Nm3/h)とした。このシフト反応で得られた混合ガス(g)を改質反応器2(外熱式ロータリーキルン)に導入した。この改質反応器2には、廃プラスチックのモデル物質として粒状に破砕処理したポリエチレンを880kg/hで供給し、計画反応温度である800℃まで昇温させた。800℃に到達後、液体生成物捕集器4に捕集されていた液体生成物を払い出し、その後1時間、廃プラスチックの改質反応を継続した。
改質反応器2から出た気体生成物分は、ガス冷却器5による冷却後のガス分析結果から、同じく液体生成物分は液体生成物捕集器4に捕集された液体生成物の分析結果から、それぞれ生成量と組成を求め、また、気体生成物についてはLHVを求めた。それらの結果を表2に示す。

0040

実施例

0041

表2によると、生成した気体生成物のLHVは10.7Mcal/Nm3と、表1に示す操業起動時における気体生成物(8.9Mcal/Nm3)に比べ増熱していた。また、生成した気体生成物の窒素濃度は0.1vol%以下と、表1に示す操業起動時における窒素濃度(5vol%)に比べ、低くなっていた。
改質反応器2で生成した気体生成物のLHVについて、操業起動時から定常操業に至るまでの経時変化を図2に示す。また、改質反応器2で生成した気体生成物の窒素濃度について、操業起動時から定常操業に至るまでの経時変化を図3に示す。

0042

1シフト反応器
2改質反応器
3水蒸気改質反応器
4液体生成物捕集器
5ガス冷却器
6熱交換器
7供給管
8a,8b流量調節弁
9スチーム混合器
10予熱器
11配管
12 配管
13 流量調節弁
14 供給管

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