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技術 ガス検出装置

出願人 フィガロ技研株式会社
発明者 吉岡謙一井澤邦之
出願日 2013年12月27日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2013-272573
公開日 2015年7月9日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 2015-127644
状態 特許登録済
技術分野 流体の吸着、反応による材料の調査、分析
主要キーワード 基準値更新 初期設定済み 酸化触媒膜 乾燥期 波形解析 雑ガス ガス感応層 警報レベル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年7月9日)のものです。
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図面 (10)

課題

中高湿雰囲気であることを確認しながら、ガス検出レベル補正することにより、中高湿雰囲気を経験したことによる抵抗値変動の影響を、的確に補正するガス検出装置を提供する。

解決手段

MEMS金属酸化物半導体ガスセンサは、Siチップの空洞部上の架橋部もしくはダイアフラムに、ガスにより抵抗値が変化する金属酸化物半導体と、金属酸化物半導体を加熱するヒータ、とが設けられ、かつフィルタを有する。ガス検出装置は、周囲の湿度が低湿ではないことを判別し、周囲の湿度が低湿ではなく、かつ空気中での金属酸化物半導体の抵抗値が増加している際に、所定濃度検出対象ガス中での金属酸化物半導体の抵抗値を表す警報レベルを増加させる。

概要

背景

特許文献1(特開2013-61227)は、SnO2等のガス感応層をPd-Al2O3等の選択燃焼層被覆した、MEMS型の金属酸化物半導体ガスセンサを開示している。ガスセンサ周期的にメタン検出温度である500℃付近に加熱され、他の期間は室温に保たれる。そしてこのようなガスセンサは、電池駆動ガス警報器等に利用できる。

特許文献2(特開2007-279061)は、MEMS型の金属酸化物半導体ガスセンサが、高温高湿雰囲気を30日程度連続して経験すると、CO中の抵抗値が増加することがある、としている。そして特許文献2は、金属酸化物半導体であるSnO2薄膜にPdを担持させると、上記の抵抗値の増加(ドリフト)を抑制できるとしている。

特許文献3(特公昭61-6933)は、ガスセンサの出力への0点補正を行うことを開示している。

概要

中高湿雰囲気であることを確認しながら、ガス検出レベル補正することにより、中高湿雰囲気を経験したことによる抵抗値変動の影響を、的確に補正するガス検出装置を提供する。MEMS金属酸化物半導体ガスセンサは、Siチップの空洞部上の架橋部もしくはダイアフラムに、ガスにより抵抗値が変化する金属酸化物半導体と、金属酸化物半導体を加熱するヒータ、とが設けられ、かつフィルタを有する。ガス検出装置は、周囲の湿度が低湿ではないことを判別し、周囲の湿度が低湿ではなく、かつ空気中での金属酸化物半導体の抵抗値が増加している際に、所定濃度検出対象ガス中での金属酸化物半導体の抵抗値を表す警報レベルを増加させる。

目的

この発明の課題は、中高湿雰囲気であることを確認しながら、ガスの検出レベルを補正することにより、中高湿雰囲気を経験したことによる抵抗値変動の影響を、的確に補正することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

Siチップの空洞部上の架橋部もしくはダイアフラムに、ガスにより抵抗値が変化する膜状の金属酸化物半導体と、前記金属酸化物半導体を加熱する膜状のヒータ、とが設けられ、かつフィルタを有するMEMS金属酸化物半導体ガスセンサと、前記ヒータへ電力を供給し、前記金属酸化物半導体を室温からガスの検出温度へ加熱するヒータドライブと、前記金属酸化物半導体に直列に接続されている負荷抵抗と、前記金属酸化物半導体と負荷抵抗との直列片に検出電圧を加えるVcドライブと、前記負荷抵抗に加わる電圧もしくは前記金属酸化物半導体に加わる電圧をAD変換することにより、前記金属酸化物半導体の抵抗値を表すセンサ出力サンプリングする、ADコンバータと、周囲の湿度が低湿ではないことを判別する湿度判別手段と、周囲の湿度が低湿ではなく、かつ空気中での前記金属酸化物半導体の抵抗値が増加している際に、前記検出温度で、所定濃度検出対象ガス中での、金属酸化物半導体の抵抗値を表す警報レベルを増加させる警報レベル発生部、とを有するガス検出装置

請求項2

前記湿度判別手段は、前記金属酸化物半導体を室温から昇温させた際に、金属酸化物半導体の抵抗値が減少する時定数が、所定時間以上であることから、低湿ではないことを判別するように構成されていることを特徴とする、請求項1のガス検出装置。

請求項3

周囲の湿度を検出する湿度センサを備えていることを特徴とする、請求項1のガス検出装置。

請求項4

季節を判別するためのタイマから成るカレンダーを備えていることを特徴とする、請求項1のガス検出装置。

請求項5

警報レベルの初期値を記憶するメモリを備え、空気中での前記金属酸化物半導体の抵抗値が増加したため警報レベルを増加させた後に、空気中での前記金属酸化物半導体の抵抗値が減少している際に、警報レベルを初期値以上に保つように、前記警報レベル発生部が構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかのガス検出装置。

技術分野

0001

この発明は、MEMS型の金属酸化物半導体ガスセンサを有するガス検出装置に関する。この発明は特に、中高湿環境によるガスセンサ特性変動補正に関する。

背景技術

0002

特許文献1(特開2013-61227)は、SnO2等のガス感応層をPd-Al2O3等の選択燃焼層被覆した、MEMS型の金属酸化物半導体ガスセンサを開示している。ガスセンサは周期的にメタン検出温度である500℃付近に加熱され、他の期間は室温に保たれる。そしてこのようなガスセンサは、電池駆動ガス警報器等に利用できる。

0003

特許文献2(特開2007-279061)は、MEMS型の金属酸化物半導体ガスセンサが、高温高湿雰囲気を30日程度連続して経験すると、CO中の抵抗値が増加することがある、としている。そして特許文献2は、金属酸化物半導体であるSnO2薄膜にPdを担持させると、上記の抵抗値の増加(ドリフト)を抑制できるとしている。

0004

特許文献3(特公昭61-6933)は、ガスセンサの出力への0点補正を行うことを開示している。

先行技術

0005

特開2013-61227
特開2007-279061
特公昭61-6933

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献2は、SnO2-Pd系の金属酸化物半導体を用いることにより、高湿雰囲気中での抵抗値のドリフトを抑制できるとしている。しかし発明者の経験では、金属酸化物半導体の組成を選んでも、高湿中でのドリフトを充分に抑制することは困難であった。またドリフトは、高湿雰囲気で著しいが、中湿雰囲気でも起こることがある。
特許文献3のようにガスセンサへの0点補正を行うと、高湿中でのドリフトの影響を補正できるが、ガスセンサの抵抗値が増加するのは高湿雰囲気の影響とは限らない。無制限に抵抗値を補正すると、誤検出する、あるいは検出対象ガスを見逃すおそれがある。

0007

この発明の課題は、中高湿雰囲気であることを確認しながら、ガス検出レベルを補正することにより、中高湿雰囲気を経験したことによる抵抗値変動の影響を、的確に補正することにある。

課題を解決するための手段

0008

この発明のガス検出装置は、Siチップの空洞部上の架橋部もしくはダイアフラムに、ガスにより抵抗値が変化する膜状の金属酸化物半導体と、金属酸化物半導体を加熱する膜状のヒータ、とが設けられ、かつフィルタを有するMEMS金属酸化物半導体ガスセンサと、
ヒータへ電力を供給し、金属酸化物半導体を室温からガスの検出温度へ加熱するヒータドライブと、
金属酸化物半導体に直列に接続されている負荷抵抗と、
金属酸化物半導体と負荷抵抗との直列片に検出電圧を加えるVcドライブと、
負荷抵抗に加わる電圧もしくは金属酸化物半導体に加わる電圧をAD変換することにより、金属酸化物半導体の抵抗値を表すセンサ出力サンプリングする、ADコンバータと、
周囲の湿度が低湿ではないことを判別する湿度判別手段と、
周囲の湿度が低湿ではなく、かつ空気中での前記金属酸化物半導体の抵抗値が増加している際に、前記検出温度で、所定濃度の検出対象ガス中での、金属酸化物半導体の抵抗値を表す警報レベルを増加させる警報レベル発生部、とを有する。

0009

この発明では、空気中での金属酸化物半導体の抵抗値が増加していることと、周囲の湿度が低湿ではないことの双方に基づいて、警報レベルを増加させる。このため、湿度により金属酸化物半導体の抵抗値が増加した時に、的確に警報レベルを増加させることができる。なおセンサ出力は金属酸化物半導体の抵抗値でも、負荷抵抗への電圧自体等でも良い。同様に警報レベルは金属酸化物半導体の抵抗値でも、負荷抵抗への電圧等でも良い。この発明では、警報レベルは、抵抗値が増すと増加し、減ると減少するものとして示す。湿度は相対湿度で、金属酸化物半導体が経験している湿度である。この発明では、金属酸化物半導体は常時は室温におかれ、間欠的に短時間加熱されるので、金属酸化物半導体に影響するのは絶対湿度ではなく、相対湿度である。低湿と中高湿との境界は適宜に定めればよいが、例えば湿度50%未満を低湿、50%以上で80%未満を中湿、80%以上を高湿とする。なお、高湿でのみ警報レベルの増加をを許すようにしても良い。

0010

好ましくは、湿度判別手段は、金属酸化物半導体を室温から昇温させた際に、金属酸化物半導体の抵抗値が減少する時定数が、所定時間以上であることから、低湿ではないことを判別するように構成されている。

0011

金属酸化物半導体の温度を室温等からガスの検出温度へ昇温させると、金属酸化物半導体の抵抗値が減少する。抵抗値が減少する時定数は周囲の湿度の影響を受け、湿度が増すと時定数が長くなる。図6は室温から250℃へ昇温させた際の抵抗値の波形を、図7は室温から500℃へ昇温させた際の抵抗値の波形を示し、図6図7のいずれでも湿度と共に時定数が長くなっている。湿度が低いと、時定数が短くなることの他に、抵抗値が極小値を示した後に再度増加する現象が見られ、高湿ではこの現象は見られず、中湿ではこの現象は見られないか弱くなる。そこで抵抗値の極小の有無と、その後の増加率とから、低湿かそうでないかを確認することもできる。ただし抵抗値の極小は、エタノール等の雑ガス中でも発生するので、時定数を用いずに、極小値の有無のみから低湿か否かを判別することは、好ましくない。

0012

また好ましくは、ガス検出装置は周囲の湿度を検出する湿度センサを備えている。湿度センサは、MEMS金属酸化物半導体ガスセンサのSiチップ上に、感湿膜を設けたものでも良い。このようにすると、湿度センサを追加することにより、周囲の雰囲気が低湿か、中高湿かを判別できる。

0013

あるいは好ましくは、ガス検出装置は季節を判別するためのタイマから成るカレンダーを備えている。即ち、タイマにより季節を判別すると、梅雨夏期は高湿期で、太平洋側では乾燥期(低湿期)、日本海側では秋と春は低湿期、等のように、季節により低湿かそうでないかを推定できる。

0014

特に好ましくは、警報レベルの初期値を記憶するメモリを備え、空気中での金属酸化物半導体の抵抗値が増加したため警報レベルを増加させた後に、空気中での金属酸化物半導体の抵抗値が減少している際に、警報レベルを初期値以上に保つように、警報レベル発生部が構成されている。

0015

警報レベルを初期値未満にすると、検出対象ガスを見逃す可能性が生じる。そこで警報レベルを初期値以上に保つことにより、検出対象ガスを見逃すように補正することが無くなる。なお警報レベルの初期値を記憶するとは、初期値自体を記憶することの他に、実施例での基準値の初期値R0等、警報レベルに換算し得る値を記憶することを含んでいる。

図面の簡単な説明

0016

実施例のガス検出装置のブロック図
MEMS金属酸化物半導体ガスセンサのブロック図
マイクロコンピュータのブロック図
ガス検出装置の初期設定を示すフローチャート
警報レベルの補正を示すフローチャート
25℃の空気中で、金属酸化物半導体を室温から250℃へ昇温させた際の、相対湿度毎の抵抗値の波形を示す特性図
25℃の空気中で、金属酸化物半導体を室温から500℃へ昇温させた際の、中湿と高湿での抵抗値の波形を示す特性図
湿度による金属酸化物半導体の抵抗値の変化を、模式的に示す図
空気中の抵抗値に基づく基準値RSTDと、警報レベルRbの推移を示す図

0017

以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。

0018

図1図9に実施例を示す。図1はガス検出装置を示し、E1は電源電池で、1次電池でも2次電池でも良く、T1、T2はトランジスタ等のスイッチ、SはMEMS金属酸化物半導体ガスセンサで、RLは負荷抵抗、μ1はマイクロコンピュータである。

0019

図2に、MEMS金属酸化物半導体ガスセンサS(以下ガスセンサS)を、ハウジング等を省略して示す。Fはフィルタで、繊維状活性炭粒状活性炭シリカゲルゼオライト等から成り、エタノール等の雑ガス、シロキサン等の被毒ガス吸着すると共に、水蒸気を吸着ないしは吸収して、金属酸化物半導体の周囲での湿度の変動を和らげる。フィルタFにPt等の酸化触媒を担持させ、雑ガスを酸化し、かつ被毒ガスを分解するようにしても良い。

0020

1はSiチップで、空洞部2上に絶縁膜から成る架橋部3が設けられ、架橋部3上にPt膜等のヒータ4と、SnO2の厚膜等の金属酸化物半導体5と、金属酸化物半導体5に接続した図示しない電極等が設けられている。なおSnO2に代えて、In2O3、WO3等の他の金属酸化物半導体を用いても良く、また金属酸化物半導体5にPt,Pd等の貴金属触媒を担持させても良い。金属酸化物半導体5を、厚膜に代えて薄膜とし、図示しない酸化触媒膜で被覆しても良い。さらにSiチップを金属酸化物半導体5の反対側からエッチングした貫通孔上にダイアフラムを設けて、ダイアフラム上にヒータ4と金属酸化物半導体5等を設けても良い。なお発明者の経験では、SnO2の厚膜への添加物を選んでも、中高湿によるドリフトを解消することはできなかった。

0021

図3はマイクロコンピュータμ1を示し、12はヒータドライブでスイッチT1を制御して、ヒータ4へ電力を供給する。Vcドライブ14はスイッチT2を制御して、金属酸化物半導体5と負荷抵抗RLの直列片に検出電圧Vcを加える。ADコンバータ16は例えば負荷抵抗RLへの電圧をAD変換し、ガスセンサSの出力VRLとする。波形解析部18は、室温から昇温させる際の金属酸化物半導体5の抵抗値Rsの時定数から、湿度の程度を例えば低湿と、中高湿の2段階、あるいは低湿あるいは中湿と、高湿の2段階等に判別する。

0022

基準値更新部20は、空気中での金属酸化物半導体5の抵抗値に対応する基準値RSTDを更新する。更新は例えば1時間に1回〜1月に1回、好ましくは1日に1回〜1月に1回程度の頻度で行い、湿度が中高湿で低湿ではなく、かつ空気中での抵抗値Rairが基準値RSTDよりも大きい時に、基準値RSTDを増加させる。空気中での抵抗値は湿度、雑ガス等により変動する。複数回サンプリングした抵抗値の内で、抵抗値が大きいものをサンプリングして、空気中での抵抗値Rairとする。例えば1日に256回程度ランダムにサンプリングした抵抗値の内で、抵抗値が高いものを64個取り出し、これらの平均値を空気中での抵抗値Rairとする。あるいは前記の複数個の抵抗値の内で、高抵抗側から所定の順位、例えば上位10%目の抵抗値等を、空気中での抵抗値Rairとしても良い。

0023

空気中での抵抗値Rairが基準値RSTDよりも大きいときに、基準値RSTDを増加させる。ここで古い基準値RSTDoと定数K(Kは正で、例えば0.1〜0.5程度)とにより、新しい基準値RSTDnを (Rair-RSTDo)・K+RSTDo とする等により、基準値RSTDが空気中での抵抗値Rairの増加に遅れながら追随するようにすることが好ましい。これによって空気中での抵抗値Rairの一時的な変動の影響を小さくできる。また中高湿での金属酸化物半導体の抵抗値の増加は例えば1月以上の時定数で進行するが、Kの値を選ぶことにより、基準値を更新する速度を、中高湿での金属酸化物半導体の抵抗値の増加に見合ったものにし、一時的な抵抗値の変動の影響を小さくすることができる。

0024

警報レベル発生部22は、基準値RSTDに合わせて、警報レベルRb(金属酸化物半導体5の抵抗値換算)を発生させる。ここではガス洩れに相当する濃度のメタンを検出対象とし、初期値Raよりも警報レベルRbを低下させることは行わない。

0025

ガス検出部24は、メタンの検出温度(500℃付近)での金属酸化物半導体の抵抗値が警報レベル以下であることから、ガス漏れを検出する。外部出力は、ブザーLED、ネットワーク等を介して、ガス検出装置の状態とガス漏れの有無等を外部へ出力する。不揮発性メモリ28は、空気中での抵抗値の初期値R0と警報レベルの初期値Ra等を記憶する。ガス検出部24は、ガスセンサの出力を図示しないサーミスタ等により、周囲温度に応じて補正しても良い。

0026

なお波形解析部18により湿度を判別する代わりに、図示しない湿度センサと、湿度センサドライブ30とにより、湿度を判別しても良い。またガス検出装置の初期設定時等から休まずに動作するタイマを備えるカレンダー部32により、湿度が低湿か否かを判別しても良い。湿度センサドライブ30あるいはカレンダー部32を設ける場合、波形解析部18は不要である。しかし湿度センサドライブ30を設けると、湿度センサとそのドライブとが必要になり、カレンダー部32を設けると、初期設定から実際の使用開始までの間も電池E1の電力を消費する。

0027

ガス検出装置の動作は例えば30秒周期で、その内の100msecの間、ヒータに電力を加えて、メタンの検出温度へ昇温させ、他は室温に放置する。なおメタンの検出温度へ昇温させる前に、湿度の検出温度(例えば150〜300℃)へ昇温させても良い。また湿度の検出温度へは、例えば空気中の抵抗値をサンプリングする際にのみ昇温させ、あるいは1日1回程度昇温させても良く、メタンの検出温度で湿度を判別し、250℃程度(湿度の検出温度)への昇温を省略しても良い。そしてVcドライブ14は、ガスセンサの出力VRLを読み込むときに検出電圧Vcを加える。

0028

図4は、ガス検出装置の初期設定を示す。ステップ1で、空気中の抵抗値の初期値R0を読み込み、ステップ2で、検出温度での警報濃度のガス(メタン)中の抵抗値を読み込み、これらを不揮発性メモリに記憶する。

0029

図5図9に警報レベルRbの補正を示し、ガス検出装置は初期設定済みとする。ステップ11で空気中の抵抗値Rairをサンプリングし、ステップ12で、昇温時に金属酸化物半導体の抵抗値が減少する時定数から、低湿と中高湿とを判別する。

0030

図6は室温から250℃へ金属酸化物半導体を昇温させた際の抵抗値の波形を示し、図7は室温から500℃へ金属酸化物半導体を昇温させた際の抵抗値の波形を示す。いずれの図でも、湿度が低いほど、抵抗値が減少する時定数が短く、かつ抵抗値のアンダーシュートが見られる。なお金属酸化物半導体の種類はSnO2-(Pt-Pd)である。

0031

そこでアンダーシュートの程度、即ち抵抗の極小値の深さ、極小値からの抵抗の増加率等により、低湿であることを確認することが好ましい(ステップ13)。なおステップ11〜13は30秒周期に行う必要はなく、またステップ12、13を実行する頻度はステップ11の実行頻度よりも低くても良く、ステップ13は省略可能である。

0032

図8は、金属酸化物半導体の抵抗値への湿度の影響を示す。湿度に対して短期的には可逆に応答し、湿度が増すと金属酸化物半導体の抵抗値が減少し、増加すると抵抗値が減少する。しかし湿度の高い状態が長期間続くと、金属酸化物半導体の抵抗値が増加する。

0033

現在の基準値RSTDとサンプリングした空気中の抵抗値Rairとを比較し(ステップ14)、 Rair>K1・RSTD (K1は1よりも大きな定数)の場合、基準値RSTDを増加させ、
Rair<K2・RSTD (K2は1未満の正の定数)の場合、基準値RSTDを減少させ、
Rairがこれらの中間の抵抗値の場合、基準値RSTDを変更しない(ステップ15,16)。ステップ14〜16は30秒周期で行う必要はなく、例えば1日1回〜1月に1回、より広くは1時間に1回〜1月に1回程度行えばよい。そして基準値RSTDに合わせて警報レベルRbを補正し、例えばRSTD/Rb=R0/Raとなるように補正する。ただし補正の手法は任意である。ここにR0は空気中の抵抗値の初期値、Raは警報レベルの初期値である。なお警報レベルRbは警報レベルの初期値Ra未満にはしない。図9に示すように、RbをRaよりも増加させた後に、RSTDが低下した場合、Rbはそのままにして低下させ無くても、あるいはRaまでの範囲で低下させても良い。

実施例

0034

実施例では以下の効果が得られる。
1)中高湿での金属酸化物半導体の抵抗値のドリフトを補正できる。
2)湿度が低湿ではないことを判別して補正するので、低湿中で何からの原因で抵抗値がドリフトしても、補正することは無い。
3)湿度センサ等は不要で、MEMS金属酸化物半導体ガスセンサの信号を用いて、湿度が低湿ではないことを判別できる。
4) 補正は抵抗値の増加を補正する側に行うので、誤検出の原因となる可能性はあるが、検出対象ガスを見逃す原因とはならない。

0035

SMEMS金属酸化物半導体ガスセンサ
E1電池
T1,T2 スイッチ
RL負荷抵抗
μ1マイクロコンピュータ
Fフィルタ

1Siチップ
2 空洞部
3架橋部
4ヒータ
5金属酸化物半導体
12 ヒータドライブ
14 Vcドライブ
16ADコンバータ
18波形解析部
20基準値更新部
22警報レベル発生部
24ガス検出部
26外部出力
28不揮発性メモリ
30湿度センサドライブ
32カレンダー部

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