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技術 高粘度潤滑油等の充填吸引機

出願人 株式会社サンケン
発明者 信澤洋志
出願日 2013年12月26日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2013-269395
公開日 2015年7月6日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2015-123403
状態 特許登録済
技術分野 内容物取出用特殊手段をもつ容器・包装体 潤滑 塗布装置3(一般、その他)
主要キーワード 回動中心ピン 側面断面形状 オネジ部材 樹脂座 挟持プレート 一ピッチ分 内側底壁 回動支点ピン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

高粘度の流動体を、より確実かつ楽に吸引吐出できる充填吸引機を提供する。

課題を解決するための手段

充填吸引機1は、対象流動体を入れるシリンダー10と、該シリンダー内を長手方向に行き来するピストン30と、該ピストンを駆動する前記シリンダーの長手方向に延びるピストンロッド40と、該ピストンロッドを先端方向又は後端方向に送るラチェット式送り機構60を備える。さらに、ラチェット式送り機構60が前記ピストンロッド40を送る1ストローク毎に作動する、前記ピストンロッドの反送り方向への動きを阻止するストッパー91・92を備える

概要

背景

この種の充填吸引機は、シリンダーピストンロッドを有するタイプのものが一般的である。本願発明者は、特許文献1(USP8,181,829)、特許文献2(特開2011-7327)に開示された充填吸引機を開発した。これらの文献に示す充填吸引機の第1実施形態のものは、ラチェットオートリターン機構を備える二組の引き金を有し、その一方を引けばピストンロッドが前進してオイル等をシリンダーから吐出し(ギアボックス等の中に充填し)、他方を引けばピストンロッドが後退してオイル等をシリンダーに吸引する(ギアボックス等から排出する)。

概要

高粘度の流動体を、より確実かつ楽に吸引・吐出できる充填吸引機を提供する。充填吸引機1は、対象流動体を入れるシリンダー10と、該シリンダー内を長手方向に行き来するピストン30と、該ピストンを駆動する前記シリンダーの長手方向に延びるピストンロッド40と、該ピストンロッドを先端方向又は後端方向に送るラチェット式送り機構60を備える。さらに、ラチェット式送り機構60が前記ピストンロッド40を送る1ストローク毎に作動する、前記ピストンロッドの反送り方向への動きを阻止するストッパー91・92を備える

目的

本発明は、高粘度の流動体を、より確実かつ楽に吸引・吐出できる充填吸引機を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

高粘度の対象流動体充填吸引機であって、前記対象流動体を入れるシリンダーと、該シリンダーの先端に取り付けられたノズルと、該シリンダー内を長手方向に行き来するピストンと、該ピストンを駆動する、前記シリンダーの長手方向に延びて該シリンダーの反ノズル側端である後端から外へ突出するピストンロッドと、該ピストンロッドを先端方向又は後端方向に送るラチェット式送り機構と、を備え、さらに、前記ラチェット式送り機構が前記ピストンロッドを送る1ストローク毎に作動する、前記ピストンロッドの反送り方向への動きを阻止するストッパーを備えることを特徴とする充填吸引機。

請求項2

前記ピストンロッドの外面に、該外面に切り立つ立壁面、及び、該立壁面につながる緩やかに下降する緩斜面からなる連続山谷を有するラチェット歯が切られており、前記ラチェット機構が、前記ラチェット歯の前記立壁面に係合して前記ピストンロッドを押して送るとともに、前記山谷を乗り越えながらオートリターンするラチェット爪を有し、前記ストッパーが、前記ピストンロッド外面に向けて付勢され、前記立壁面に当たって前記ピストンロッドの反送り方向への動きを阻止するストッパーピンを有することを特徴とする請求項1記載の充填吸引機。

請求項3

前記ピストンロッドの前記ラチェット式送り機構が、前記ピストンロッドを先端方向又は後端方向に送る、梃子原理に基づく増力機能を有する二組のラチェット式送り機構を備え、該二組のラチェット機構の一方を作動させることにより前記ピストンロッドを前進させて前記流動体を前記シリンダー内部から吐出することができるとともに、該二組のラチェット機構の他方を作動させることにより、前記ピストンロッドを後退させて前記流動体を前記シリンダー内部へ吸引することができることを特徴とする請求項1又は2に記載の充填吸引機。

請求項4

前記ピストンロッドの前記ラチェット式送り機構が、前記シリンダーに固定された、前記ピストンロッドをスライド案内する握り手付きフレームと、該握り手付きフレームの握り手の前後に配置された二組のラチェット組立体と、を有し、該ラチェット組立体の各々が、前記握り手に寄る、あるいは、から離れるように回動する引き金と、前記引き金の回動によって前記ピストンロッドの前記ラチェット歯の前記立壁面に噛み合うラチェット爪と、該ラチェット爪を、前記ピストンロッドの外面に当てるように付勢するバネと、を有し、前記ラチェット爪が前記ピストンロッドに噛み合った状態で、前記引き金を回動させることにより、前記ピストンロッドを前進又は後退させることを特徴とする請求項2又は3に記載の充填吸引機。

請求項5

前記ピストンが、ゴムなどの弾性材からなる、側面断面形状が略Y字状のリング状の部材であるピストン本体、及び、該ピストン本体の前後を挟む金属製の挟持プレート、を具備し、前記ピストン本体は、外周部の前後端部が斜め外側張り出したリップ部、及び、該リップ部の内径側につながる円環部を有し、前記挟持プレートは、外周部の円錐台状のリップ押さえ部、及び、該リップ押さえ部の内径側につながる円環部を有し、前記挟持プレートの前記リップ押さえ部は、前記ピストン本体の前記リップ部の内側に当接し、前記挟持プレートの前記円環部は、前記ピストン本体の前記円環部の前後面を挟むことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の充填吸引機。

技術分野

0001

本発明は、ノズルから流動体吸引し、同流動体をノズルから吐出することのできる充填吸引機に関する。特には、高粘度流動体の吸引時にシリンダー内に大きい負圧が生じ、この負圧によりピストンが戻って吸引済みの流動体がノズルから出てしまうことへの対策を講じた、比較的軽い力で楽に吸引・吐出できる充填吸引機に関する。

背景技術

0002

この種の充填吸引機は、シリンダーとピストンロッドを有するタイプのものが一般的である。本願発明者は、特許文献1(USP8,181,829)、特許文献2(特開2011-7327)に開示された充填吸引機を開発した。これらの文献に示す充填吸引機の第1実施形態のものは、ラチェットオートリターン機構を備える二組の引き金を有し、その一方を引けばピストンロッドが前進してオイル等をシリンダーから吐出し(ギアボックス等の中に充填し)、他方を引けばピストンロッドが後退してオイル等をシリンダーに吸引する(ギアボックス等から排出する)。

先行技術

0003

USP8,181,829
特開2011−7327

発明が解決しようとする課題

0004

上述の特許文献に記載の充填吸引機は、簡単な動作で楽に粘度の高い流動体を吸引かつ吐出できる優れたものである。しかしながら、特に粘度の高い流動体を吸引する際には、シリンダー内に大きい負圧が生じ、この負圧により、引き金のオートリターン時に、ピストンが戻って吸引済みの流動体の一部がノズルから外に出てしまうことがある。これでは、吸引操作回数が無駄に増えることとなって、能率が悪いとともに作業者疲れてしまう。

0005

本発明は、高粘度の流動体を、より確実かつ楽に吸引・吐出できる充填吸引機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の充填吸引機は、 前記対象流動体を入れるシリンダーと、 該シリンダーの先端に取り付けられたノズルと、 該シリンダー内を長手方向に行き来するピストンと、 該ピストンを駆動する、前記シリンダーの長手方向に延びて該シリンダーの反ノズル側端である後端から外へ突出するピストンロッドと、 該ピストンロッドを先端方向又は後端方向に送るラチェット式送り機構と、を備え、 さらに、前記ラチェット式送り機構が前記ピストンロッドを送る1ストローク毎に作動する、前記ピストンロッドの反送り方向への動きを阻止するストッパーを備えることを特徴とする。

0007

ピストンロッドの送りに伴い、シリンダー室内が負圧あるいは正圧になりピストンロッドに相当な力がかかった場合にも、ストッパーがピストンロッドとピストンの前進を阻む。そのため、ラチェット機構のオートリターン時などに、ピストンが不意に(意図に反して)送りの反対方向に動いてしまうことはない。したがって、吸引したオイルがシリンダーから元の場所(オートバイのギアボックスなど)に戻ってしまうこともなく、引き金を作動させた回数分だけのピストンストローク、すなわちオイル吸引量を得られる。

0008

本発明においては、 前記ピストンロッドの外面に、該外面に切り立つ立壁面、及び、該立壁面につながる緩やかに下降する緩斜面からなる連続山谷を有するラチェット歯が切られており、 前記ラチェット機構が、前記ラチェット歯の前記立壁面に係合して前記ピストンロッドを押して送るとともに、前記山谷を乗り越えながらオートリターンするラチェット爪を有し、 前記ストッパーが、前記ピストンロッド外面に向けて付勢され、前記立壁面に当たって前記ピストンロッドの反送り方向ヘの動きを阻止するストッパーピンを有することとできる。

0009

また、本発明においては、 前記ピストンロッドの前記ラチェット式送り機構が、前記ピストンロッドを先端方向又は後端方向に送る、梃子原理に基づく増力機能を有する二組のラチェット式送り機構を備え、 該二組のラチェット機構の一方を作動させることにより前記ピストンロッドを前進させて前記流動体を前記シリンダー内部から吐出することができるとともに、 該二組のラチェット機構の他方を作動させることにより、前記ピストンロッドを後退させて前記流動体を前記シリンダー内部へ吸引することができることが好ましい。

0010

この場合には、二組のラチェット機構の各々を作動させることにより、ピストンロッドを前進、あるいは、後退させ、流動体をシリンダー内部から吐出する(ギアボックス等に充填する)、あるいは、シリンダー内部へ吸引する(ギアボックス等から吸い出す)ことができる。この梃子の原理に基づく増力機能を有する二組のラチェット式送り機構の動作は、ピストンロッドを直接手で押し出し、あるいは、引き込みする作業に比べて小さい力で行うことができるので、粘度の高い流動体の楽な吸引及び吐出作業が実現できる。

0011

本発明においては、前記ピストンロッドの前記ラチェット式送り機構が、 前記シリンダーに固定された、前記ピストンロッドをスライド案内する握り手付きフレームと、 該握り手付きフレームの握り手の前後に配置された二組のラチェット組立体と、を有し、 該ラチェット組立体の各々が、 前記握り手に寄る、あるいは、から離れるように回動する引き金と、 前記引き金の回動によって前記ピストンロッドの前記ラチェット歯の前記立壁面に噛み合うラチェット爪と、 該ラチェット爪を、前記ピストンロッドの外面に当てるように付勢するバネと、を有し、 前記ラチェット爪が前記ピストンロッドに噛み合った状態で、前記引き金を回動させることにより、前記ピストンロッドを前進又は後退させるものとできる。

発明の効果

0012

ピストンロッドの送りに伴い、シリンダー室内が負圧あるいは正圧になりピストンロッドに相当な力がかかった場合にも、ラチェット機構のオートリターン時などに、ストッパーがピストンロッドとピストンの前進を阻むので、ピストンが不意に(意図に反して)送りの反対方向に動いてしまうことはない。したがって、吸引したオイルがシリンダーから元の場所(オートバイのギアボックスなど)に戻ってしまうようなこともなく、引き金を作動させた回数分だけのピストンストローク、すなわちオイル吸引量を得られる。このため、高粘度の流動体を、より確実かつ楽に吸引・吐出できる充填吸引機を提供できる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の実施形態に係る充填吸引機の全体構成を示す斜視図である。
図1の充填吸引機の充填(吐出)操作を示す側面図である。
図1の充填吸引機の吸引操作を示す側面図である。
図1の充填吸引機のラチェット式送り機構の構造を説明する分解斜視図である。
図1の充填吸引機の吐出作業時のラチェット式送り機構の前進動作を説明する一部断面側面図である。(A)は引き金を引いていない(オートリターンした)状態を示し、(B)は引き金を引いた状態を示し、(C)はラチェット歯とラチェット爪先端の拡大図である。
図1の充填吸引機の吸引作業時のラチェット式送り機構の後進動作を説明する一部断面側面図である。(A)は引き金を引いていない(オートリターンした)状態を示し、(B)は引き金を引いた状態を示し、(C)はラチェット歯とラチェット爪先端の拡大図である。
図1の充填吸引機におけるピストンロッド直接スライド操作を説明する図である。
ストッパーの構造及び作用を説明する図である。(A)は分解斜視図、(B)及び(C)は側面断面図である。
ストッパーを有しない充填吸引機においてシリンダー内の負圧が高くなった場合おける、引き金オートリターン時にピストンロッドが不意に前進する状況を説明する図である。
図8のストッパーによる、引き金オートリターン時にピストンロッドが不意に前進するのを防止する動作を説明する図である。
図1の充填吸引機のピストンを拡大して示す図である。(A)は組立状態の側面断面図であり、(B)は分解斜視図である。

0014

1;充填吸引機、
10;シリンダー、10b;前側シリンダー室、10d;後側シリンダー室
11;本体、11b;本体内孔、
12 前キャップ、13;後キャップ、13b;空気抜き用の孔、
20;ノズル、21;開閉バルブ、21b;六角口、23;ロックナット
25;Oリング、27;オネジ
30;ピストン、31;ピストン本体、31b;リップ部、31d;谷間
31h;円環部、31j;ボス部、31k;中心孔
33;挟持プレート、33b;リップ押さえ部、33d;円環部、33f;基部、
35;コイルバネ、37;ピン、39;ナット
40;ピストンロッド、
41;前進用ラチェット歯、41b;山、41c;谷、41d;立壁面、41f;緩斜面
42;後進用ラチェット歯、42b;山、42c;谷、42d;立壁面、42f;緩斜面
50;握り手付きフレーム、51;フレーム構造体、52;握り手
53;ピン、56;側板、56b;凸部、56c;ピン孔、56h;下凸半円部、
58;端板、58b;小孔、58d;中央孔、58f;切り込み
59;タイロッド、59b;前端部、59d;ネジ穴
60;ラチェット式送り機構、61;前進用ラチェット組立体、
62;後退用ラチェット組立体、
71;前進用ラチェット爪、72;後進用ラチェット爪、
71a;平部、71b;爪先端部、71d;リブ部、71f;回動中心孔、
75;爪付勢バネ、75b;爪当たり部、75d側部;、75f;環状部、
75h;引き金当たり部、77;ピン
81;前進用引き金、81b;ピン孔、81c;段部、81d;ピン孔
82;後進用引き金、83;引き金戻しバネ、83a;コイル部、83b、c;直線部、
87、88;ピン
91;ストッパーA、92;ストッパーB、93;ストッパースリーブ
93a;六角頭部、93b;オネジ部93b、93d;内孔、93e;スリーブ側壁、
93f;メネジ孔、94;ロックナット、95;ストッパーピン、96;コイルバネ、
97;オネジ部材、97b;軸穴、98;ロックナット、99;樹脂座
580;小ネジ

実施例

0015

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この例は、シリンダーの内容量500cc、シリンダー径約5cm、ピストンストローク約20cmのオイルガンである。
まず、まず図1を主に参照して、本発明の実施形態に係る充填吸引機の全体構造を説明する。充填吸引機(オイルガン)1は、流動体が収容されるシリンダー10と、シリンダー10の先端に取り付けられたノズル20と、シリンダー20内を長手方向に行き来するピストン30と、ピストン30を駆動するピストンロッド40と、を備える。シリンダー10の後端には、握り手付きフレーム50が固定されている。このフレーム50には、ピストンロッド40を選択的に先端方向又は後端方向に送るラチェット式送り機構60が備えられている。同送り機構60は、詳しくは図4・5・6などを参照しつつ後述するが、前進用引き金81・後進用引き金82や、前進用ラチェット爪71・後進用ラチェット爪72などを含んでいる。

0016

シリンダー10は、円筒形の本体11と、本体11の前後の開口を塞ぐ前キャップ12と後キャップ13とを有する。両キャップ12・13は、シリンダー本体11に対してネジなどの手段で固定されている。前キャップ12とシリンダーの端部の間にはパッキン(図示されず)が設けられており、シリンダー10のピストン30より前側のシリンダー室10bは外部に対してシールされている。一方、後キャップ13には、空気抜き用の孔13bが開けられており、ピストン30よりも後側のシリンダー室10dは大気に連通している。

0017

前キャップ12の中央からは、ノズル20がシリンダー10と同軸上を先方向に延びている。ノズル20の先端はやや傾斜している。ノズル20の根元付近には、開閉バルブ21が接続されている。この開閉バルブ21を閉じると、ノズルからの流動体の不用意な吸引や吐出を防ぐことができる。また、開閉バルブ21を操作してノズル20の開度を調整することにより、流動体の吸い出し速度(吐出速度)を調整できる。ノズル20とバルブ21との間は、バルブの六角口21bとノズルのオネジ27との螺合により、接続される。接続部にはOリング25が装着されてシールされている(一々シールテープを巻く必要はない)。この接続部には、ロックナット23(外周にローレット加工)が設けられている。

0018

次に、ピストン30について説明する。ピストン30は、ゴムなどの弾性材料で作製されており、外周面はシリンダー10の内面と密接に接触している。ピストン30は、ピストンロッド40の先端に固定されている。

0019

図11は、図1の充填吸引機のピストンを拡大して示す図である。(A)は組立状態の側面断面図であり、(B)は分解斜視図である。この例のピストン(組立体)30は、ピストン本体31や、その前後を挟む挟持プレート33、コイルバネ35などを有する。ピストン本体31は、ゴムなどの弾性材からなり、側面断面形状が略Y字状のリング状の部材である。粘度の高いオイル(例えばSAE規格で粘度80番)を吸引する用途には、比較的硬いゴムを使うことが望ましい。

0020

ピストン本体31の外周部は、前後端部が斜め外側張り出したリップ部31b・31b´となっている。両リップ部31b・31b´の間は、谷間31dとなっている。両リップ部31b・31b´は、シリンダー本体11の内孔11bに弾力をもって押し当てられている。前側のリップ部31bは、ピストン30が前進するときに、外側にめくれるような形となって、より強くシリンダー内孔11bに押し当てられる。これにより、前側のシリンダー室10bに存在するオイルがピストン30の後側に洩れないようにしている。一方、後側のリップ部31b´は、ピストン30が後進するときに、外側にめくれるような形となって、より強くシリンダー内孔11bに押し当てられる。これにより、前側のシリンダー室10bの負圧を保ち、同室へのオイル吸引を促進している。

0021

ピストン本体31のリップ部31bの内径側は、帯状円板形の円環部31hとなっている。同円環部31hの内径側は、肉厚孔明きのボス部31jとなっており、その中心孔31kにピストンロッド40が貫通している。

0022

ピストン本体31を前後から挟む挟持プレート33・33´は、鋼板プレス成形品であって、外周部の円錐台状のリップ押さえ部33b、同部33bの内径側につながる円環部33d、及び、同部33dの内径側の基部33fからなる。これらの部分のうち、リップ押さえ部33bは、ピストン本体31のリップ部31・31´の根元部分の内側に当接している。挟持プレート33の円環部33dは、ピストン本体31の円環部31hの前後面を挟んでいる。これにより、ピストン本体31の前後面の圧力差が高いときにも、ピストン本体31の円環部31hやリップ部31bの折れ曲がりが防止されている。挟持プレート33の基部33fは、内径部に向かって前後に張り出している。この基部33fは、その内側面で、ピストン本体31のボス部31jを内側に押さえ込んでいる。

0023

前側の挟持プレート33の基部33fは、ピストンロッド40に嵌合しているとともに、その前側がナット39により押えられている。後側の挟持プレート33´の基部33fは、ピストンロッド40に嵌合しているとともに、その後側がコイルバネ35によって押えられている。コイルバネ35の後端は、ピストンロッド40に横方向に貫通するピン37により押えられている。これにより、ピストン組立体30が、ピストンロッド40の先端に固定されている。コイルバネ35は、ピストンのストロークエンドにおけるショック緩衝する役割をする。

0024

再び図1・2・3を参照しつつ説明する。ピストンロッド40は、シリンダー10の長手方向に延びて、後キャップ13を貫通し、さらに、握り手付きフレーム50を貫通している。ピストンロッド40の後端は、約90度曲がった取っ手49となっている。ピストンロッド40の外面には、図2図3において上下に対向する形態のラチェット歯41・42が形成されている。詳しくは図4〜6を参照しつつ後述するが、図2においてピストンロッド40の下側に示すラチェット歯41は前進用であり、ピストンロッド40の上側に示すラチェット歯42は後進用である。ピストンロッド40の取手49を180°回すことにより、下に向く(ラチェット爪71・72の方を向く)ラチェット歯を切り替えて、ピストンロッド40の前進(図2)・後進(図3)を切り替えることができる。

0025

次に、主に図4を参照しつつ、ラチェット式送り機構60の構造を説明する。
このオイルガンのラチェット式送り機構60は、前進用引き金81・後進用引き金82や、前進用ラチェット歯71・後進用ラチェット歯72、フレーム51などを含んでいる。

0026

フレーム51の主要部(フレーム構造体51)は、前後に対向する2枚の端板58・58´と、左右に対向する2枚の側板56・56´と、前後に対向する2枚の端板58・58´の上部の間に掛け渡されたタイロッド59によって構成されている。

0027

端板58・58´は、上下に延びる帯状の板であって、ピストンロッド40の貫通する中央孔58dを有する。前側の端板58は、シリンダー10の後キャップ13に固定されている。具体的には、タイロッド59の前端部59bが、前側端板58の上部の小孔58bを通って後キャップ13の小孔(図示されず)に嵌合し、後キャップ13にカシメ固定されている。また、ピストンロッド40の貫通する中央孔58dにおいて、後述する前側のストッパーA91の一部材をも構成するナット93によって、後キャップ13に前側端板58が固定されている(ナット93の前側に突出するオネジ部93bに図示せぬ他のナットが螺合して、後キャップ13と前側端板58とを挟持している)。

0028

前側端板58の下部側縁両側には、切り込み58fが形成されている。この切り込み58fに、左右の側板56・56´の前端部の凸部56bが嵌めこまれて溶接固定されている。後側端板58´と左右の側板56・56´の後端部の接続も同様である。前後に対向する2枚の端板58・58´の上部の間には、タイロッド59が掛け渡されている。タイロッド59の後端部にはネジ穴59dが形成されている。このネジ穴59dと、後側端板58の小孔58bとは、小ネジ580によってネジ固定されている。

0029

側板56・56´は、前後に延びる帯板状の部材であり、前後方向の中央部の下側に下凸半円部56hが張り出している。この側板56・56´には、多数のピン孔が形成されているが、それらについては後述する。この側板56・56´は、下凸半円部56hの部分を除いて、高さが端板58の三分の一程度と低くなっており、材料費低減・軽量化を図っている。また、ラチェット爪71・72が露出しているので、その作動状況(ラチェット歯41・42との引っ掛かり具合など)をつぶさに観察できる。なお、側板の高さが低いことに伴う、前後の端板58・58´上部の間のフレーム51の剛性不足は、上述のタイロッド59によって補われている。

0030

次に、ラチェット爪71・72について説明する。両爪(その付勢バネ75も)の構造は同じであるので、ここでは、前側のラチェット爪71について説明する。ラチェット爪71は、爪先端部71bを有する平部71aや、同平部71aの左右に立ち上がるリブ部71dを有する。リブ部71dには、左右に貫通する回動中心孔71fが開けられている。この孔71f、及び、後述する引き金81の上端部のピン孔81bには、ピン77が嵌合する。同ピン77を中心として、ラチェット爪71が回動自在に引き金81の保持される。爪先部71bは、詳しくは図5・6を参照しつつ後述するが、ピストンロッド40のラチェット歯41・42に係合し、ピストンロッド40を前後に送る。

0031

爪付勢バネ75は、爪当たり部75bや側部75d、環状部75f、引き金当たり部75hを有する。爪当たり部75bは、図5・6に示すように、ラチェット爪71の平部71aの底に当たって、ラチェット爪71を上方に(ピストンロッド40に当たるように)付勢する。引き金当たり部75hは、引き金81上部の段部81cに当たり支持される。

0032

次に、引き金81・82について説明する。両引き金81・82は、図5・6に示すように、握り手52の前後に、同握り手に対して近接・離隔する方向に回動可能に設けられている。両引き金のうち、シリンダー11に近い前側のほうがピストン前進用であり、シリンダー11から遠い後側のほうがピストン後進用である。両引き金及びその戻しバネ83の構造は同じであるので、ここでは、前側(前進用)の引き金81について説明する。

0033

引き金81は、断面がチャンネル状の長い部材であって、チャンネルの開いた方を握り手52側に向けて配置されている。引き金81の下端部は、やや上に反っている。引き金81の上部・上端部には、図4に示すように、前述のラチェット爪回動ピン77の嵌合するピン孔81bや、ラチェット爪付勢バネ75の当接する段部81cが形成されている。これらのピン孔81bや段部81cのやや下には、引き金回動支点ピン87が嵌合するピン孔81dが形成されている。同ピン87は、左右に対向する二枚の側板56・56´のピン孔56cに嵌合して掛け渡される。引き金81は、この支点ピン87を中心として前後に回動自在に、側板56・56´に保持される。図5等に示すように、引き金81の下部三分の二程度は、側板56から下方に突き出ている。

0034

引き金戻しバネ83は、中央のコイル部83aと、その両側の直線部83b、83cを有する。この戻しバネ83は、図5・6に示すように、引き金81・82のチャンネル状の内側に収容される。戻しバネ83のコイル部83aの中には、引き金回動支点ピン87が貫通する。一方の直線部83cは、前側の引き金81のチャンネル状の内側底壁に当接する。他方の直線部83bは、後側の引き金82の回動支点ピン87の外面に当接する。この引き金戻しバネ83によって、引き金81・82は、握り手52から遠ざかる方向へ回動付勢される。なお、引き金81の握り手52から遠い方向の回動限は、ピン88によって規制される。

0035

握り手52は、側板56・56´から下方へ、ほぼまっすぐに突き出している。握り手52は、図4に示すように、左右の側板56・56´の間の長手方向中央に、上下二本のピン53・53´によって固定されている。ここまで述べてきたピン87、88、52、53は、一端が頭付きで、他端がカシメ加工され、これらのピンによって左右の側板56・56´が強固に連結される。つまり、これらのピンは、引き金の回動支点回動限界規制、バネの支持点の役割と同時に、左右の側板56・56´の連結部材の役割も果たす。

0036

次に、図5を主に参照しつつ、このオイルガンにおけるオイル充填(吐出、ピストンロッド40前進)の動作を説明する。図5において、(A)は引き金を引いていない(オートリターンした)状態を示し、(B)は前進用の引き金81を引いた状態を示し、(C)はラチェット歯とラチェット爪先端の拡大図である。
なお、ストッパー91・92の構造・作用については、図8・9・10を参照しつつ後述する。

0037

図5においては、ピストンロッド40は、取手49を下側(引き金82などの側)に向けるように軸周りに回動され、その結果、ロッド40外周面の一つの側に切られた前進用ラチェット歯41を下側(ラチェット爪71の側)に向けた状態にある。ラチェット歯41は、図5(C)に拡大して示すように、山41bと谷41cが交互に多数配列されている。前進用のラチェット歯41においては、山41bの後側は切り立った立壁面41dとなっており、山41bの前側はなだらかな緩斜面41fとなっている。

0038

前進用ラチェット爪71は、図5(A)に示すように、爪付勢バネ75によって、爪先端部71bが上に行く方向(ピストンロッド40のラチェット歯に当たる方向)に付勢されている。ここで、前進用引き金81を握り手52に寄せるように引くと、図5(C)に示すように、前進用のラチェット爪71の爪先端部71bが、ラチェット歯立壁面41dに、後側から前側に向けて当たる。すると、爪先端部71bは立壁面41dを乗り越えることができず、ラチェット爪71が立壁面41dを前側に押して、ピストンロッド40を前側に推し進める。

0039

一方、引き金81を離して、引き金82が握り手52から遠ざかる方向へ回動すると(オートリターン、戻しバネ83の作用)、前進用のラチェット爪71が後側に進むが、このときは、爪先端部71bは緩斜面41fに反って滑りながら下降し(爪付勢バネ75が閉じる)、爪先端部71bは山41bを乗り越えて後退する。

0040

このようなラチェット機構により、前進用引き金81を繰り返して引き・離し(戻し)すれば、図2に示すように、ピストンロッド40及びその先のピストン30が前側に徐々に進み、オイルをシリンダー11・ノズル20から吐出し、ギアボックスなどの所要の部位にオイルを充填することができる。なお、この例では、ラチェット歯のピッチは約4.25mm、引き金一回引きあたりラチェット歯送り2歯、全ストロークで引き金25回・ラチェット歯50個送り、全ストローク長さ約21cmである。

0041

次に、図6を主に参照しつつ、このオイルガンにおけるオイル吸引(ピストンロッド40後退)の動作を説明する。図6において、(A)は引き金を引いていない(オートリターンした)状態を示し、(B)は後進用引き金を引いた状態を示し、(C)はラチェット歯とラチェット爪先端の拡大図である。

0042

図6においては、ピストンロッド40は、取手49を上側に向けるように軸周りに回動され、その結果、ロッド40外周面の他の側に切られた後進用ラチェット歯42を下側(ラチェット爪72の側)に向けた状態にある。ラチェット歯42は、図6(C)に拡大して示すように、山42bと谷42cが多数配列されている。後進用のラチェット歯42においては、山42bの前側は切り立った立壁面42bとなっており、山41bの後側はなだらかな緩斜面42fとなっている。

0043

後進用ラチェット爪72も、図6(A)に示すように、爪付勢バネ75によって、爪先端部72bが上に行く方向(ピストンロッド40のラチェット歯に当たる方向)に付勢されている。ここで、後進用引き金82を握り手52に寄せるように引くと、図6(C)に示すように、後進用のラチェット爪72の爪先端部72bが、ラチェット歯立壁面42bに、前側から後側に向けて当たる。すると、爪先端部72bは立壁面42bを乗り越えることができず、ラチェット爪72が立壁面42bを後側に押して、ピストンロッド40を後側に推し進める。

0044

一方、引き金82を離して、引き金82が握り手52から遠ざかる方向へ回動すると(オートリターン、戻しバネ83の作用)、後進用のラチェット爪72が前側に進むが、このときは、爪先端部72bは緩斜面42fに反って滑りながら下降し(爪付勢バネ75が閉じる)、爪先端部72bは山42bを乗り越えて前進する。

0045

このようなラチェット機構により、後進用引き金82を繰り返して引き・離し(戻し)すれば、図3に示すように、ピストンロッド40及びその先のピストン30が後側に徐々に進み、オイルをシリンダー11・ノズル20内に吸引し、ギアボックスなどからオイルを排出することができる。上述の引き金81・82の回転支点であるピン87と引き金を引く(押す)位置(力点)間の距離と、ピン87とラチェット爪72の先との距離との比は、約1対5以上であり、この倍率で引き金を引く力が増倍される。そのため、高粘度のオイルも楽に吸引・充填できる。

0046

次に、図7を主に参照しつつ、本実施形態のオイルガンにおけるピストンロッド直接スライド操作を説明する。
図6においては、ピストンロッド40は、取手49を図の手前側に向けるように軸周りに回動され、その結果、ロッド40外周面の両側に切られた前進用・後進用ラチェット歯41・42を左右(横)方向に向けた状態にある。したがって、ラチェット爪71・72は、いずれのラチェット歯41・42とも係合しないで、ピストンロッド40の外周面と接している(ピストンロッド40は鋼製丸棒(径約7.5mm)である)。この状態で、ピストンロッド40の取手49を引けば、ピストンロッド40及びその先のフラットなピストン30は、シリンダー10内を後退する。逆に、取手49を押せば、ピストンロッド40及びその先のピストン30は、シリンダー10内を前進する。このようなピストンロッド直接スライド操作は、ピストン30を素早く送りたいとき(例えば空送り、極低粘度オイルの吸引など)に便利である。

0047

次に、図8(A)・(B)を主に参照しつつ、本実施形態のオイルガンにおけるストッパーの構造を説明する。本実施形態では、図4などに示すように、ストッパーは、シリンダー10の後キャップ13や前側端板58に取り付けられているストッパーA91と、後側端板58´に取り付けられているストッパーB92の二つを有する。両ストッパーの構造・作用は同じであるので、ここではストッパーB92について説明する。なお、両ストッパーは、いずれも前進及び後進の両用に使えるものであって、何れか一つでも目的(引き金・ラチェット爪のオートリターン時における不意のピストンロッド40の移動防止)を達することができる。

0048

図8(A)に示すように、このストッパー92は、ストッパースリーブ93、ストッパーピン95、コイルバネ96、オネジ部材97、ロックナット98、樹脂座金99、ロックナット94の各部品を有する。ストッパースリーブ93は、六角頭部93aにオネジ部93bを突出させた形のものである。ただし、図8(B)に示すように、その内孔93dにはネジが切られておらず滑らかである。この内孔93dに、ピストンロッド40が前後方向摺動自在に貫通している。ストッパースリーブ93の図の下部には、スリーブ側壁93eを上下に貫通するメネジ孔93fが開けられている。

0049

オネジ部材97は、図8(B)に示すように、外周にネジが切られており、その上部がストッパースリーブ93の上記メネジ孔93fにねじ込まれている。オネジ部材97の上半分には軸方向に延びる軸穴97bが穿たれている。この、軸穴97bは奥が行き止まりになっており、その中の奥側にコイルバネ96が挿入されており、入口側にストッパーピン95が挿入されている。ストッパーピン95は、この例では、鋼製の丸棒である。しかしながら、後述するピストンロッドラチェット歯41・42の立壁面41d・42dに当たってピストンロッド40の動きを阻止できるものであれば、その形状を問わない。角ピンであってもよい。

0050

図8(B)や(C)の組立状態では、ストッパーピン95はコイルバネ96によって、軸穴97bから出る方向に付勢されている。ロックナット98は、ストッパースリーブ93にねじ込まれたオネジ部材97に螺合してスリーブ93の下面に押し当てられ、オネジ部材97の抜け止め(位置固定)をしている。

0051

次に、ストッパーの作用について、図8(B)・(C)を参照しつつ説明する。ここで、両図において、ピストンロッド40の後進用ラチェット歯42が下側(ストッパーピン95の側、ラチェット爪72の側)を向いている。図8(B)においては、ピストンロッド40に前側に向かう力がかかっており、この力に抗してストッパーピン95がピストンロッド40の前進を阻止している状態である。

0052

すなわち、ストッパーピン95はコイルバネ96に押し上げられて、ストッパーピン95の頂部の前縁が、ラチェット歯42の緩斜面42fの奥近くに当たっている。そして、ストッパーピン95の頂部の後側側面が、ラチェット歯42の立壁面42bに当たっている。立壁面42bは垂直に近く切り立った角度であるので、ストッパーピン95が立壁面42bに沿って滑って下がるような動きは起こらず、図8(B)の状態から前進する方向(図の左側)へピストンロッド40が動くことはない。

0053

なお、ストッパーピン95は、緩斜面42fの前側端部から図8(C)の位置までは滑ることができるので、ピストンロッド40の位置によっては、ラチェット歯の一ピッチ分(この例で4.25mm)は、ピストンロッド40は前進可能である。このストッパーの存在意義は、図9・10を参照しつつ詳しくは後述するが、端的に言えば、後進用引き金82引き終わり後の引き金オートリターン時において、シリンダー10内の負圧でピストンロッド40が戻るのを防止することである。そのためには、後進用引き金82引き終わり時に、ちょうど図8(B)のようなストッパーピン95とラチェット歯42との位置関係あるいは、僅かにピストンロッド40が前進すれば図8(B)のようになる位置関係に、ラチェット歯42とストッパーピン95があれば、ピストンロッド40の不意の前進を十分有効に防止できる。

0054

一方、図8(C)においては、ピストンロッド40に後側に向かう力がかかっており、ストッパーピン95はピストンロッド40に押されてオネジ部材97の軸穴97bに入り込んで、ピストンロッド40が後進可能な状態である。すなわち、ストッパーピン95は、その頂部が、ラチェット歯42の緩斜面42fに沿って滑り、ピストンロッド40はいくらでも後進可能な状態である。図8(C)の状態からピストンロッド40が少し後側(図の右側)に移動すると、ストッパーピン95の頂部はラチェット歯42の緩斜面42fから外れて一つ左側の緩斜面42fの底に入るが、そこから、また緩斜面42fに沿ってすべる。このように、図8(B)、(C)の状態では、ピストンロッド40の後進方向の動きは、最大、ラチェット歯の位置ピッチ分(この例で4.25mm)しか動かないが、後進方向へはいくらでも動く。

0055

次に、図9・10を参照しつつ、このオイルガンにおけるストッパーの役割について説明する。図9は、ストッパーがない場合に起こりうる弊害を説明する図である。
図9(A)は、後進のために後進用引き金82を引こうとしているところである。このとき、ピストンロッド40の後進用ラチェット歯42の山42b−nの前側の立壁面に、後進用ラチェット爪72の爪先端部が当たっている。ここから引き金82を引くと、引き金82は、回動中心ピン87の周りに図の時計回り方向に回動し、引き金82の引き終わり時に、ラチェット爪72はラチェット歯2ピッチ分後進して図9(B)の状態になる。

0056

このピストンロッド40後進に伴い、ピストン30も後進し、シリンダー10の図のピストン30の前側のシリンダー室10bにオイルを吸引する。この際に、吸引するオイルの粘度が高いと(例えば規格粘度80番)、シリンダー室10b内は相当の負圧になる。一方、ピストン30の後側の室10dは大気と連通しており大気圧である。そのため、ピストン30及びピストンロッド40には、前側への相当な力がかかる。

0057

図9(B)の状態から、引き金82を離すと引き金82はオートリターンし(図6のオートリターンバネ83参照)、ラチェット爪72も前側にラチェット歯2ピッチ分オートリターンする。図9(C)は、このオートリターンの途中の状態を示す。ここでは、ラチェット爪72の爪先端部72bが、図9(B)で噛んでいたラチェット歯の山42b−nの一つ前側の山の頂点のあたりまで戻っている。この図9(C)の状態では、ピストンロッド40は前側に移動可能である。そして、上述のように、ピストン30にかかる負圧のため、ピストンロッド40には前進方向の力がかかっている。そのため、ピストンロッド40とピストン30が不意に(意図に反して)前進してしまうことがある。この際、せっかく吸引したオイルがシリンダー10から元の場所(オートバイのギアボックスなど)に戻ってしまう。

0058

次に、ストッパーを備える本発明の実施形態においては、上述の弊害が生じないことを説明する。
図10(A)は、図9(A)同様に、後進のために後進用引き金82を引こうとしているところである。ストッパー91・92は、ストッパーピン95が出てラチェット歯42の山の立壁面に当たって(図8(B)参照)いる。このとき、図9(A)同様に、ピストンロッド40の後進用ラチェット歯42の山42b−nの前側の立壁面に、後進用ラチェット爪72の爪先端部が当たっている。

0059

ここから引き金82を引くと、引き金82は、回動中心ピン87の周りに図の時計回り方向に回動し、引き金82の引き終わり時に、ラチェット爪72はラチェット歯2ピッチ分後進して図10(B)の状態になる。この間、ストッパー91・92は、図8(C)で説明したとおり、ストッパーピン95の頂部が、ラチェット歯42の緩斜面42fに沿って滑り、ピストンロッド40はいくらでも後進可能である。

0060

このピストンロッド40後進に伴い、シリンダー室10bにオイルを吸引し、シリンダー室10b内が相当な負圧になり、ピストンロッド40に前側への相当な力がかかることがあるのは前述のとおりである。

0061

図10(B)の状態から、引き金82を離すと引き金82はオートリターンし(反時計回りに回動し、図6のオートリターンバネ83参照)、ラチェット爪72も前側にラチェット歯2ピッチ分オートリターンする(図9の場合と同じ)。図10(C)は、このオートリターンの途中の状態を示す。ここでは、ラチェット爪72の爪先端部72bが、図9(B)で噛んでいたラチェット歯の山42b−nの二つ前側の山の頂点のあたりまで戻っている。この図10(C)の状態では、ラチェット歯42とラチェット爪72との関係だけを見れば、ピストンロッド40は前側に移動可能である。

0062

しかしながら、ストッパー91・92が存在し、それらのストッパーピン95がラチェット歯42と噛んでピストンロッド40・ピストン30の前進を阻んでいる。そのため、上述のようにピストン30に負圧がかかり、ピストンロッド40に前進方向の力がかかっている場合にも、ストンロッド40とピストン30が不意に(意図に反して)前進してしまうことはない。したがって、吸引したオイルがシリンダー10から元の場所(オートバイのギアボックスなど)に戻ってしまうこともなく、引き金を作動させた回数分だけのピストンストローク、すなわちオイル吸引量を得られる。

0063

本発明者らの試作実験においては、粘度80番のギヤオイルを吸引して、ピストン前側のシリンダー室10bの負圧がマイナス60cmHgとなるような場合にも、ピストンロッド40の不意の前進は見られなかった。なお、シリンダーへの吐出時ではなく、シリンダーからの吐出時においては、ピストン前側のシリンダー室10bに正圧が立つが、この場合にもストッパー91・92が利いて(前進用ラチェット歯41の立壁面41bにかかって)、ピストンの不意の後退を防止できる。

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