図面 (/)

技術 透明電極及び電子デバイス

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 尾関秀謙飯島貴之
出願日 2013年12月24日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2013-264990
公開日 2015年7月2日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2015-122186
状態 特許登録済
技術分野 液晶5(電極、アクティブマトリックス) 積層体(2) 非絶縁導体 エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード 各導電性層 代替金 平面視的 共鳴式 耐酸素性 成長型 定電流印加 無アルカリガラス製
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年7月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

本発明の課題は、十分な導電性光透過性とを兼ね備え、かつ高温酸素に対する耐久性に優れた透明電極と、当該透明電極を具備した電子デバイスを提供することである。

解決手段

本発明の透明電極は、導電性層と、当該導電性層に隣接して設けられる中間層とを有する透明電極であって、前記導電性層が、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有し、前記中間層が、芳香族性関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有し、かつ酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有することを特徴とする。

概要

背景

タッチパネル液晶表示装置有機エレクトロルミネッセンス素子太陽電池等の電子デバイスでは、光取出し側の電極透明電極)としては、酸化インジウムスズ(SnO2−In2O3:Indium Tin Oxide、以下、「ITO」と略記。)等の酸化物半導体系の材料が一般的に用いられているが、ITOと銀とを積層して低抵抗化を狙った材料の検討が、例えば、特開2002−15623号公報、特開2006−164961号公報においてなされている。しかしながら、ITOはレアメタルであるインジウムを使用しているため、材料コストが高く、また抵抗下げるためには成膜後に300℃程度でアニール処理する必要があり、さらなる低抵抗の要望に対しては限界がある等の問題を抱えていた。

近年、上記問題を踏まえ、透明電極の構成材料として、銀を適用した検討がなされている。銀は、上記ITOに比べると、導電性には優れているが、抵抗特性光透過率トレードオフという問題を有している。

このような状況において、電気伝導率の高い銀(Ag)とマグネシウム(Mg)との合金を用いて薄膜を構成する技術や、インジウムに代えて、安価で入手容易な金属材料原料として薄膜を構成する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。

特許文献1に記載の発明では、電極材料として銀とマグネシウムの合金を用いることにより、銀単独で形成した電極に比べ、薄膜条件で所望の導電性を得ることができ、光透過率と導電性の両立を図ることができるとされている。

しかしながら、特許文献1に記載されている方法で得られる電極の抵抗値は、せいぜい100Ω/□前後で、透明電極の導電性としては不十分であり、駆動電圧を低くできないという問題に加えて、マグネシウムは酸化されやすい特性であるため、長期間にわたる保存により性能が劣化しやすいという問題を抱えている。

また、特許文献2に記載されている発明では、インジウム(In)の代わりに、安価で入手が容易な亜鉛(Zn)やスズ(Sn)などの金属材料を原料として用いた透明導電膜が開示されている。しかしながら、これらの代替金属では、十分に抵抗値が下がらないこと、加えて、亜鉛を含有したZnO系の透明導電膜は、水と反応して性能が変動しやすいという特性を有している。また、スズを含有したSnO2系の透明導電膜は、エッチングによる加工が困難であるとの問題を有していることが判明した。

一方、層厚が15nm程度の薄膜で、光透過性が高い銀膜蒸着して陰極として用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、特許文献3で提案されている方法では、形成している銀膜は、電極としてはいまだ厚いため、透明電極としての光透過率(透明性)が十分でなく、マイグレーション原子の移動)を起こしやすい。また、銀膜を更に薄くすると、導電性等を維持することが難しくなるため、光透過性と導電性を両立する技術の開発が切望されている。

一方、本発明者らは、銀薄膜とその下部に中間層を有する透明電極において、下地となる中間層中に、銀と相互作用を有するジアザカルバゾール誘導体を含有させることにより、形成する銀薄膜の連続造膜性を向上させ、より均一の銀薄膜を形成することにより、低抵抗化、高い光透過性及び保存性を達成している(例えば、特許文献4参照。)。

しかしながら、近年、電子デバイスに対する要求がより高まり、特に、大面積化に対する要望に対し、より低抵抗化が求められており、視認性の面ではさらなる高透過性、また数十年以上の電子デバイス寿命を可能にするには、保存される環境での熱や酸素に対する高い安定性耐久性が要望されている。

概要

本発明の課題は、十分な導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ高温や酸素に対する耐久性に優れた透明電極と、当該透明電極を具備した電子デバイスを提供することである。本発明の透明電極は、導電性層と、当該導電性層に隣接して設けられる中間層とを有する透明電極であって、前記導電性層が、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有し、前記中間層が、芳香族性関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有し、かつ酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有することを特徴とする。

目的

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、十分な導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ高温や酸素に対する耐久性に優れた透明電極と、当該透明電極を具備した電子デバイスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

導電性層と、当該導電性層に隣接して設けられる中間層とを有する透明電極であって、前記導電性層が、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有し、前記中間層が、芳香族性関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有し、かつ酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有することを特徴とする透明電極。

請求項2

前記導電性層が主成分として含有する金属元素が、銅であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。

請求項3

前記中間層が、前記副成分として含有する酸化防止効果を有する有機化合物を、0.5〜10.0質量%の範囲内で含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明電極。

請求項4

前記中間層が、前記副成分として含有する酸化防止効果を有する有機化合物を、1.0〜5.0質量%の範囲内で含有していることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の透明電極。

請求項5

前記導電性層に隣接して、更に前記中間層に対向する第2の中間層を有し、前記導電性層を前記中間層及び前記第2の中間層で挟持した構成であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の透明電極。

請求項6

請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の透明電極を具備していることを特徴とする電子デバイス

技術分野

0001

本発明は、透明電極及び電子デバイスに関し、特には、導電性光透過性とを兼ね備えた透明電極と、この透明電極を具備した電子デバイスに関する。

背景技術

0002

タッチパネル液晶表示装置有機エレクトロルミネッセンス素子太陽電池等の電子デバイスでは、光取出し側の電極(透明電極)としては、酸化インジウムスズ(SnO2−In2O3:Indium Tin Oxide、以下、「ITO」と略記。)等の酸化物半導体系の材料が一般的に用いられているが、ITOと銀とを積層して低抵抗化を狙った材料の検討が、例えば、特開2002−15623号公報、特開2006−164961号公報においてなされている。しかしながら、ITOはレアメタルであるインジウムを使用しているため、材料コストが高く、また抵抗下げるためには成膜後に300℃程度でアニール処理する必要があり、さらなる低抵抗の要望に対しては限界がある等の問題を抱えていた。

0003

近年、上記問題を踏まえ、透明電極の構成材料として、銀を適用した検討がなされている。銀は、上記ITOに比べると、導電性には優れているが、抵抗特性光透過率トレードオフという問題を有している。

0004

このような状況において、電気伝導率の高い銀(Ag)とマグネシウム(Mg)との合金を用いて薄膜を構成する技術や、インジウムに代えて、安価で入手容易な金属材料原料として薄膜を構成する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。

0005

特許文献1に記載の発明では、電極材料として銀とマグネシウムの合金を用いることにより、銀単独で形成した電極に比べ、薄膜条件で所望の導電性を得ることができ、光透過率と導電性の両立を図ることができるとされている。

0006

しかしながら、特許文献1に記載されている方法で得られる電極の抵抗値は、せいぜい100Ω/□前後で、透明電極の導電性としては不十分であり、駆動電圧を低くできないという問題に加えて、マグネシウムは酸化されやすい特性であるため、長期間にわたる保存により性能が劣化しやすいという問題を抱えている。

0007

また、特許文献2に記載されている発明では、インジウム(In)の代わりに、安価で入手が容易な亜鉛(Zn)やスズ(Sn)などの金属材料を原料として用いた透明導電膜が開示されている。しかしながら、これらの代替金属では、十分に抵抗値が下がらないこと、加えて、亜鉛を含有したZnO系の透明導電膜は、水と反応して性能が変動しやすいという特性を有している。また、スズを含有したSnO2系の透明導電膜は、エッチングによる加工が困難であるとの問題を有していることが判明した。

0008

一方、層厚が15nm程度の薄膜で、光透過性が高い銀膜蒸着して陰極として用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、特許文献3で提案されている方法では、形成している銀膜は、電極としてはいまだ厚いため、透明電極としての光透過率(透明性)が十分でなく、マイグレーション原子の移動)を起こしやすい。また、銀膜を更に薄くすると、導電性等を維持することが難しくなるため、光透過性と導電性を両立する技術の開発が切望されている。

0009

一方、本発明者らは、銀薄膜とその下部に中間層を有する透明電極において、下地となる中間層中に、銀と相互作用を有するジアザカルバゾール誘導体を含有させることにより、形成する銀薄膜の連続造膜性を向上させ、より均一の銀薄膜を形成することにより、低抵抗化、高い光透過性及び保存性を達成している(例えば、特許文献4参照。)。

0010

しかしながら、近年、電子デバイスに対する要求がより高まり、特に、大面積化に対する要望に対し、より低抵抗化が求められており、視認性の面ではさらなる高透過性、また数十年以上の電子デバイス寿命を可能にするには、保存される環境での熱や酸素に対する高い安定性耐久性が要望されている。

先行技術

0011

特開2006−344497号公報
特開2007−031786号公報
米国特許出願公開第2011/0260148号明細書
国際公開第2013/105569号

発明が解決しようとする課題

0012

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、十分な導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ高温や酸素に対する耐久性に優れた透明電極と、当該透明電極を具備した電子デバイスを提供することである。

課題を解決するための手段

0013

本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、導電性層と、当該導電性層に隣接して設けられる中間層とを有し、前記導電性層が、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有し、前記中間層が、芳香族性関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有し、さらに酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有することを特徴とする透明電極により、優れた光透過性と導電性とを兼ね備え、かつ耐久性(耐熱性及び耐酸素性)に優れた透明電極と、これを用いた電子デバイスを実現することができることを見出し、本発明に至った。

0014

すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。

0015

1.導電性層と、当該導電性層に隣接して設けられる中間層とを有する透明電極であって、
前記導電性層が、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有し、
前記中間層が、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有し、かつ酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有することを特徴とする透明電極。

0016

2.前記導電性層が主成分として含有する金属元素が、銅であることを特徴とする第1項に記載の透明電極。

0017

3.前記中間層が、前記副成分として含有する酸化防止効果を有する有機化合物を、0.5〜10.0質量%の範囲内で含有していることを特徴とする第1項又は第2項に記載の透明電極。

0018

4.前記中間層が、前記副成分として含有する酸化防止効果を有する有機化合物を、1.0〜5.0質量%の範囲内で含有していることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の透明電極。

0019

5.前記導電性層に隣接して、更に前記中間層に対向する第2の中間層を有し、
前記導電性層を前記中間層及び前記第2の中間層で挟持した構成であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の透明電極。

0020

6.第1項から第5項までのいずれか一項に記載の透明電極を具備していることを特徴とする電子デバイス。

発明の効果

0021

本発明によれば、優れた導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ耐久性(耐熱性、耐酸素性)に優れた透明電極と、当該透明電極を具備した電子デバイス及を提供することができる。

0022

本発明で規定する構成により、上記問題を解決することができた本発明の効果の発現機構作用機構については明確にはなっていないが、以下のように推察される。

0023

本発明の透明電極は、中間層の上部に、銅、金、又は白金を主成分として含有している導電性層を有しており、かつ前記中間層には、銅原子金原子、又は白金原子と親和性のある芳香族性に関与しない非共有電子対を有する有機化合物(以下、銅、金、又は白金との親和性化合物ともいう。)を主成分として含有し、かつ酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有することを特徴とする、
この様な構成とすることにより、中間層上に導電性層を成膜する際には、導電性層を構成する銅原子、金原子、又は白金原子が、中間層に含有されている銅、金、又は白金との親和性化合物である芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物と相互作用を生じることにより、該中間層表面上での銅、金、又は白金原子の拡散距離が減少し、特定箇所での銅、金、又は白金原子の凝集を抑えることができる。

0024

すなわち、銅原子、金原子、又は白金原子は、まず銅、金、又は白金原子と親和性のある芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を含有する中間層表面上で2次元的な核を形成し,それを中心に2次元の単結晶層を形成するという単層成長型(Frank−van der Merwe:FM型)の膜成長によって成膜されるようになる。

0025

なお、一般的には、中間層表面において付着した銅原子、金原子、又は白金原子が表面を拡散しながら結合し、3次元的な核を形成し,3次元的な島状に成長するという島状成長型(Volumer−Weber:VW型)での膜成長により島状に成膜し易いと考えられるが、本発明では、中間層に含有されている芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物により、このような様式の島状成長が防止され、単層成長が促進されると推察される。

0026

したがって、薄い層厚でありながらも、銅、金、又は白金原子が均一に分布し、かつ均一な層厚の導電性層が得られるようになる。この結果、より薄い層厚として光透過率を保ちつつも、導電性が確保された透明電極とすることができる。

0027

本発明においては、銅、金、又は白金との親和性化合物が芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物であり、非共有電子対を持つ窒素原子が銅原子、金原子、又は白金原子と親和性のある原子である。その際、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する化合物が非対称であることにより、非共有電子対を持つ窒素原子を有する化合物を含有した中間層のアモルファス性が増すために、さらに中間層の膜密度均一性が向上し、上層に形成される銅、金、又は白金を主成分として構成されている導電性層が薄膜で、均一になったためと考えられる。

0028

加えて、酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有することにより、熱や酸素による透明電極の性能低下の主要因と推測している銅、金、又は白金の酸化を効率的に防止あるいは抑制することができ、耐久性に優れた透明電極を実現することができた。すなわち、本発明で規定する構成とすることにより、薄膜化が可能となり、高い光透過率を有し、優れた導電性を備え、かつ熱や酸素雰囲気下での耐久性に優れた透明電極を得ることができたと推測している。

図面の簡単な説明

0029

本発明の透明電極の構成の一例を示す概略断面図
透明電極に電極パターンフォトリソグラフィー法で形成する一例を示す工程フロー図
電極パターンを有する透明電極対を具備した電子デバイスであるタッチパネルの構成の一例を示す斜視図
タッチパネルを構成する各透明電極の電極パターンの一例を示す平面図
タッチパネルを構成する電極部分の一例を示す平面模式図
タッチパネルの構成の一例を示す概略断面図
本発明で好適に用いることができるタッチパネルの構成の一例を示す概略断面図
本発明の透明電極を具備した電子デバイスである液晶表示装置の構成の一例を示す概略断面図

0030

本発明の透明電極は、導電性層と、当該導電性層に隣接して設けられる中間層とを有する透明電極であって、前記導電性層が、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有し、前記中間層が、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有し、かつ酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有することを特徴とし、優れた導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ耐久性(耐熱性、耐酸素性)に優れた透明電極を実現することができる。この特徴は、請求項1から請求項6に係る発明に共通する技術的特徴である。

0031

本発明の実施態様としては、本発明の目的とする上記効果をより発現できる観点から、前記導電性層が主成分として含有する金属元素が、銅であることが好ましい。

0032

また、前記中間層が、前記副成分として含有する酸化防止効果を有する有機化合物を、0.5〜10.0質量%の範囲内で含有していることが、優れた酸化防止効果をより発現することができる観点から好ましく、より好ましくは、前記中間層が、前記副成分として含有する酸化防止効果を有する有機化合物を、1.0〜5.0質量%の範囲内で含有していることである。

0033

また、本発明の透明電極の構成としては、前記導電性層に隣接して、更に前記中間層に対向する第2の中間層を有し、前記導電性層を前記中間層及び前記第2の中間層で挟持した構成であることが、導電性層の耐傷性が向上する観点から好ましい。

0034

また、本発明の電子デバイスは、本発明の透明電極を具備していることを特徴とする。 以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本発明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。

0035

《透明電極》
〔透明電極の基本構成
本発明の透明電極は、導電性層と、当該導電性層に隣接して設けられる中間層を有し、前記導電性層が、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有し、前記中間層が、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物(以下、単に窒素原子を有する有機化合物ともいう。)を主成分として含有し、かつ、酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有する、ことを特徴とする。上記構成からなる透明電極は、例えば、透明な基板上に本発明に係る中間層及び導電性層を積層して形成される。

0036

図1は、本発明の透明電極の構成の一例を示す概略断面図である。

0037

図1の(a)に示す透明電極1は、基材11上に、中間層3を有し、この中間層3の上部に、導電性層5を積層した2層構造である。

0038

すなわち、基材11の上部に、中間層3及び導電性層5が、この順に設けられている。本発明に係る中間層3は、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分とし、さらに酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有している層であり、その上に積層する本発明に係る導電性層5は、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有している層であることを特徴とする。

0039

なお、本発明において、中間層3が本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有することを特徴とするが、本発明でいう主成分とは、中間層全質量に対し、本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を50.0質量%以上含有していることを意味し、好ましくは55.0〜99.5質量%の範囲内であり、好ましくは、90.0〜99.5質量%の範囲内であり、さらに好ましくは、95.0〜99.0質量%の範囲内である。

0040

また、本発明において、中間層3が本発明に係る酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有することを特徴とするが、本発明でいう副成分とは、中間層全質量に対し、本発明に係る酸化防止効果を有する有機化合物の含有量が、0.1質量%以上、50質量%未満であることを意味し、好ましくは0.5〜10.0質量%の範囲内であり、さらに好ましくは、1.0〜5.0質量%の範囲内である。

0041

また、本発明において、導電性層5が銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有しているが、本発明でいう金属元素を主成分とするとは、導電性層全質量に対し、本発明に係る銅、金又は白金のそれぞれの金属元素の含有率が90質量%以上であることを意味し、好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上であり、特に好ましくは銅、金又は白金の金属元素のみの構成である。本発明に係る導電性層5においては、銅、金又は白金のそれぞれが、他の金属元素と合金を形成することはなく、それぞれ単体の金属元素で構成されていることが最も好ましい態様である。

0042

また、本発明の透明電極1の層構成としては、図1の(b)に示すように、基材11上に、上記説明した構成の中間層3A及び導電性層5を有し、更に、導電性層5上に、第2の中間層3Bを積層し、中間層3Aと第2の中間層3Bとで導電性層5を挟持する層構成であることも、好ましい態様の一つである。このように、導電性層5上にさらに第2の中間層3Bを設けることにより、金属元素で構成されている導電性層5が、例えば、酸素雰囲気等に直接晒されることがなく、また、第2の中間層3Bで導電性層5が保護されることにより、擦り傷等の発生を防止することができる。

0043

次に、このような積層構造の透明電極1を保持するのに用いられる基材11と、透明電極1を構成する中間層3及び導電性層5の順に、更に詳細な構成要件について説明する。

0044

〔基材〕
本発明の透明電極1を保持するのに用いられる基材11としては、例えば、ガラスプラスチック等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、基材11は、透明であっても不透明であってもよいが、本発明の透明電極1が、基材11側から光を取り出す電子デバイスに用いられる場合には、基材11は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基材11としては、ガラス、石英樹脂フィルムを挙げることができる。

0045

ガラスとしては、例えば、シリカガラスソーダ石灰シリカガラス鉛ガラスホウケイ酸塩ガラス無アルカリガラス等が挙げられる。これらのガラス材料の表面には、中間層3との密着性、耐久性、平滑性の観点から、必要に応じて、研磨等の物理的処理が施されていても良いし、無機物又は有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されている構成であっても良い。

0047

上記樹脂フィルムの表面には、無機物又は有機物からなる被膜(以下、「ガスバリアー膜」ともいう。)や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されている構成であっても良い。このような被膜及びハイブリッド被膜は、JIS−K−7129−1992に準拠した方法で測定される水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が0.01g/(m2・24時間)以下のガスバリアー性フィルムであることが好ましい。更には、JIS−K−7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m2・24時間・atm)以下、水蒸気透過度が1×10−5g/(m2・24時間)以下の高ガスバリアー性フィルムであることが好ましい。

0048

以上のようなガスバリアー性フィルムを形成する材料としては、水分や酸素等の電子デバイスや有機EL素子の劣化を引き起こす要因の浸入を抑制する機能を備えた材料であればよく、例えば、二酸化ケイ素窒化ケイ素等を用いることができる。更に、当該ガスバリアー性フィルムの脆弱性を改良するために、これら無機層有機材料からなる層(有機層)の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。

0049

ガスバリアー性フィルムの作製方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法スパッタリング法反応性スパッタリング法分子線エピタキシー法クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法プラズマ重合法大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法CVD:化学蒸着法、Chemical Vapor Deposition)、レーザーCVD法熱CVD法コーティング法等を用いることができる。

0050

一方、基材11が不透明な材料で構成する場合には、例えば、アルミニウムステンレス等の金属基板フィルムや不透明樹脂基板セラミック製の基板等を用いることができる。

0051

〔中間層〕
本発明に係る中間層3は、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有し、かつ酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有して構成された層である。このような中間層3を基材11上に成膜する方法として、特に制限はなく、具体的な成膜方法としては、窒素原子を有する有機化合物及び酸化防止効果を有する有機化合物の両者に対する溶解能を備えた有機溶媒等で溶解して、中間層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を用いて、ローラーコート法グラビアコート法ナイフコート法、ディップコート法スプレーコート法インクジェット法などのウェットプロセスにより成膜する方法や、蒸着法(抵抗加熱法、EB法(エレクトロンビーム法)など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスで、上記2成分用いて成膜する方法などが挙げられる。なかでも、2成分を用いた共蒸着法が好ましく適用される。

0052

中間層3は、層厚が1〜100nmの範囲内にあることが好ましく、5〜30nmの範囲内にあることがより好ましい。この範囲であればいずれの層厚であっても効果が得られる。層厚が100nmより薄いと層の吸収成分が少なくなり、透明電極の光透過率が向上するため好ましい。また、層厚が5nmより厚いと均一で連続的な中間層が形成することができる観点から好ましい。

0053

(芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物)
本発明の透明電極1においては、中間層3は、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有する。

0054

本発明でいう主成分とは、前述のとおり、中間層全質量に対し、本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を50.0質量%以上含有していることを意味し、好ましくは55.0〜99.5質量%の範囲内であり、好ましくは、90.0〜99.5質量%の範囲内であり、さらに好ましくは、95.0〜99.0質量%の範囲内である。

0055

本発明において、「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」とは、非共有電子対を持つ窒素原子であって、当該非共有電子対が不飽和環状化合物の芳香族性に必須要素として直接的に関与していない窒素原子のことをいう。すなわち、共役不飽和環構造(芳香環)上の非局在化したπ電子系に、非共有電子対が、化学構造式上、芳香性発現のために必須のものとして関与していない窒素原子をいう。

0056

以下、本発明に係る「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」について説明する。

0057

窒素原子は第15族元素であり、最外殻に5個の電子を有する。このうち3個の不対電子は他の原子との共有結合に用いられ、残りの2個は一対の非共有電子対となるため、通常窒素原子の結合本数は3本である。

0058

例えば、アミノ基(−NR1R2)、アミド基(−C(=O)NR1R2)、ニトロ基(−NO2)、シアノ基(−CN)、ジアゾ基(−N2)、アジド基(−N3)、ウレア結合(−NR1C=ONR2−)、イソチオシアネート基(−N=C=S)、チオアミド基(−C(=S)NR1R2)などが挙げられ、これらは本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当する。なお、R1及びR2はそれぞれ置換基を表す。

0059

このうち、例えば、ニトロ基(−NO2)の共鳴式は、下記のように表すことができる。ニトロ基における窒素原子の非共有電子対は、厳密には、酸素原子との共鳴構造に利用されているが、本発明においては、ニトロ基の窒素原子も非共有電子対を持つこと定義する。

0060

0061

一方、窒素原子は、非共有電子対を利用することで4本目の結合を作り出すこともできる。例えば、下記に示すように、テトラブチルアンモニウムクロライド(略称:TBAC)は、四つ目のブチル基が窒素原子とイオン結合しており、対イオンとして塩化物イオンを有する第四級アンモニウム塩である。

0062

また、トリス(2−フェニルピリジンイリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)は、イリジウム原子と窒素原子が配位結合している中性金属錯体である。これらの化合物は窒素原子を有するものの、その非共有電子対がそれぞれイオン結合、配位結合に利用されてしまっているため、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」には該当しない。

0063

すなわち、本発明は、結合に利用されていない窒素原子の非共有電子対を有効利用するというものである。

0064

下記に示す構造式において、左側はテトラブチルアンモニウムクロライド(略称:TBAC)、右側はトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)の構造を示す。

0065

0066

また、窒素原子は、芳香環を構成することのできるヘテロ原子として一般的であり、芳香族性の発現に寄与することができる。この「含窒素芳香環」としては、例えばピリジン環ピラジン環ピリミジン環トリアジン環ピロール環イミダゾール環ピラゾール環、トリアゾール環テトラゾール環、などが挙げられる。

0067

ピリジン環の場合、下記に示すように、6員環状に並んだ共役(共鳴不飽和環構造において、非局在化したπ電子の数が6個であるため、4n+2(n=0又は自然数)のヒュッケル則を満たす。6員環内の窒素原子は、−CH=を置換したものであるため、1個の不対電子を6π電子系に動員するのみで、非共有電子対は、芳香族性発現のために必須のものとして関与していない。

0068

したがって、ピリジン環の窒素原子は、本発明に係る「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当する。以下に、ピリジン環の分子軌道を示す。

0069

0070

ピロール環の場合は、下記に示すように、5員環内を構成する炭素原子の一つが窒素原子に置換された構造であるが、やはりπ電子の数は6個であり、ヒュッケル則を満たした含窒素芳香環である。ピロール環の窒素原子は、水素原子とも結合しているため、非共有電子対が6π電子系に動員されている。

0071

したがって、ピロール環の窒素原子は、非共有電子対を有するものの、芳香族性発現のために必須のものとして利用されてしまっているため、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」には該当しない。

0072

以下に、ピロール環の分子軌道を示す。

0073

0074

一方、イミダゾール環は、下記に示すように、5員環内に二つの窒素原子が1、3位に置換した構造を有しており、やはりπ電子数が6個の含窒素芳香環である。窒素原子N1は、1個の不対電子のみを6π電子系に動員し、非共有電子対を芳香族性発現のために利用していないピリジン環型の窒素原子である。一方、窒素原子N2は、非共有電子対を6π電子系に動員しているピロール環型の窒素原子である。

0075

したがって、イミダゾール環の窒素原子N1は、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当する。以下に、イミダゾール環の分子軌道を示す。

0076

0077

また、含窒素芳香環骨格を有する縮環化合物の場合も同様である。例えば、δ−カルボリンは、下記に示すように、ベンゼン環骨格、ピロール環骨格及びピリジン環骨格がこの順に縮合したアザカルバゾール化合物である。ピリジン環の窒素原子N3は、1個の不対電子のみを、ピロール環の窒素原子N4は、非共有電子対を、それぞれπ電子系に動員しており、環を形成している炭素原子からの11個のπ電子とともに、全体のπ電子数が14個の芳香環となっている。

0078

したがって、δ−カルボリンの二つの窒素原子のうち、ピリジン環の窒素原子N3は本発明に係る「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当するが、ピロール環の窒素原子N4はこれに該当しない。

0079

このように、ピリジン環やピロール環は、その骨格が縮環化合物中に組み込まれている場合でも、その効果が阻害されたり抑制されたりすることはなく、単環として利用したときとなんら相違はない。以下に、δ−カルボリンの分子軌道を示す。

0080

0081

以上のように、本発明で規定する「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」は、その非共有電子対を導電性層の主成分である銅、金、又は白金と強い相互作用を発現するために重要である。そのような窒素原子としては、安定性、耐久性の観点から、含窒素芳香環中の窒素原子であることが好ましい。

0082

本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物としては、芳香族複素環を有することが好ましく、該芳香族複素環としては、ピリジン環が好ましい。

0083

また、本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物は、臭素原子ヨウ素原子又は硫黄原子を有する有機化合物であることが好ましい。中間層に含有される有機化合物は、これらの原子を用いることで、主骨格によることなく、本発明の目的とする効果を発現できる。

0084

本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物の具体的化合物として、特に制限はないが、下記一般式(I)〜一般式(IV)で表される化合物を一例として挙げることができる。

0085

本発明の透明電極1において、中間層3に芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物として、下記一般式(I)で表される化合物を挙げることができる。

0086

0087

上記一般式(I)において、XはNR1、酸素原子又は硫黄原子を表す。E1〜E8は、それぞれ独立にCR2又は窒素原子を表し、少なくとも一つは窒素原子を表す。R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。

0089

一般式(I)において、R2で表される置換基としては、R1で表される置換基と同様のものを挙げることができる。

0090

上記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。

0091

0092

上記一般式(II)において、E9〜E15はそれぞれ独立にCR4を表す。R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。

0093

上記一般式(II)において、R3及びR4で表される置換基としては、上記一般式(I)におけるR1で表される置換基と同様のものを挙げることができる。

0094

また、上記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。

0095

0096

上記一般式(III)において、E16〜E22はそれぞれ独立にCR5を表す。R5は水素原子又は置換基を表す。

0097

上記一般式(III)において、R5で表される置換基としては、上記一般式(I)におけるR1で表される置換基と同様のものを挙げることができる。

0098

また、上記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(IV)で表される化合物であることが好ましい。

0099

0100

上記一般式(IV)において、E23〜E28はそれぞれ独立にCR7を表す。R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。

0101

上記一般式(IV)において、R6及びR7で表される置換基としては、上記一般式(I)におけるR1で表される置換基と同様のものを挙げることができる。

0102

以下に、本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物の具体例として、上記一般式(I)〜一般式(IV)で表される化合物例と、その他の構造を有する当該有機化合物例を示すが、本発明においてはこれら例示する有機化合物にのみ限定されるものではない。

0103

0104

0105

0106

0107

0108

本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物は、従来公知の合成方法に準じて、容易に合成して得ることができる。

0109

(酸化防止効果を有する有機化合物)
本発明に係る中間層には、上記説明した芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物とともに、副成分として酸化防止効果を有する有機化合物を含有することを特徴とする。

0110

本発明の透明電極において、導電性層の下部に設けられる中間層が、酸化防止効果を有する有機化合物を含有することにより、経時により透明電極の性能低下の主要因と推察されている導電性層を形成する銅、金又は白金の各金属元素の酸化を防止、あるいは抑制することができ、その結果、酸素に対する耐性が向上し、耐久性に優れた透明電極とすることができる。上記効果は、特に、導電性層の主成分が銅である場合に、より発現する。

0111

本発明に係る中間層において、本発明に係る酸化防止効果を有する有機化合物は、副成分として含有させる。

0112

本発明でいう副成分とは、中間層全質量に対し、本発明に係る酸化防止効果を有する有機化合物の含有量が、0.1質量%以上、50質量%未満であることを意味し、好ましくは0.5〜10.0質量%の範囲内であり、さらに好ましくは、1.0〜5.0質量%の範囲内である。

0113

導電性層を構成する銅、金又は白金の各金属元素の酸素雰囲気下における酸化反応にはいくつかの要因が考えられる。例えば、
要因1.活性酸素の発生による酸化反応
要因2.ラジカル種の発生による酸化反応
などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0114

本発明に係る中間層に適用することができる酸化防止効果を有する有機化合物としては、特に制限はなく、酸化防止効果を有することが広く一般的に知られている化合物や、酸化防止剤として市販されている材料を選択して用いることができるが、上記の酸化反応の要因である要因1及び要因2に則した化合物を選択することが、本発明の目的効果をより発現することができる観点から好ましい。

0115

〈要因1.活性酸素の発生による酸化反応を防止あるいは抑制する化合物〉
上記酸化劣化の第1の要因である活性酸素の発生による酸化反応を防止、あるいは抑制する化合物としては、活性酸素消光剤として知られている下記の例示化合物A−1〜A−6で代表されるフェノール一次酸化防止剤、例示化合物A−7〜A−12で代表されるフェニルエーテル化合物、あるいは例示化合物A−13、A−14等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物は、例えば、SUMILIZER登録商標)MDP−S(住友化学社製)として市販されている。

0116

0117

〈要因2:ラジカル種の発生による酸化反応を防止あるいは抑制する化合物〉
上記酸化による劣化の第2の要因であるラジカル種の発生による酸化反応を防止あるいは抑制する化合物としては、酸化防止剤あるいは熱安定剤として知られている有機化合物を用いることができる。

0118

例えば、下記の例示化合物B−1〜B−7で代表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤、例示化合物B−8及びB−9で代表されるセミヒンダードフェノール系酸化防止剤、例示化合物B−10〜B−13で代表されるレスヒンダードフェノール系酸化防止剤、例示化合物B−14〜B−18で代表されるHALS(ヒンダードアミン光安定剤)、例示化合物B−19〜B−25で代表されるポリマーHALS(ヒンダードアミン系光安定剤)、例示化合物B−26〜B−33で代表されるリン系化合物、例示化合物B−34〜B−38で代表されるイオウ系化合物、例示化合物B−39及びB−40で代表される耐熱加工安定剤系化合物等を挙げることができる。

0119

また、これらの市販品としても入手が可能であり、例えば、IRGANOX 245、565、1010、1035、1076、1098、1135、1330、1425WL、3114(以上、BASFジャパン社製)、IRGAFOS 12、168、P−EPQ(以上、BASFジャパン社製)、SUMILIZERGA−80、BBM−S、X−R、GP、TPL−R、TLTPM、TPS、TP−D、GM、GS(以上、住友化学社製)、TINUVIN 144、622、770(以上、BASFジャパン社製)、サノールLS−2626(三共社製)、ADK STABLA−52、LA−57(以上、株式会社ADEKA)、CHIMSSORB 944FDL、2020FDL(以上、BASFジャパン社製)、CYASORB UV−3346、UV−3529(以上、サンケミカル社製)等が挙げられる。

0120

0121

0122

0123

0124

0125

0126

0127

各化合物使用比率
本発明に係る中間層においては、中間層全質量に対し、本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物の含有率は、50.0質量%以上であり、好ましくは55.0〜99.5質量%の範囲内であり、好ましくは、90.0〜99.5質量%の範囲内であり、さらに好ましくは、95.0〜99.0質量%の範囲内である。

0128

一方、酸化防止効果を有する有機化合物の含有率としては、中間層全質量に対し、0.1質量%以上、50質量%未満の範囲内であり、好ましくは0.5〜10.0質量%の範囲内であり、さらに好ましくは、1.0〜5.0質量%の範囲内である。

0129

(中間層の形成方法
本発明に係る中間層の形成方法としては、ウェットプロセスで形成しても、ドライプロセスで形成してもよい。

0130

ウェットプロセスで中間層を形成する場合には、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物と酸化防止効果を有する有機化合物を、所望の比率で共通の溶解能を有する有機溶媒、例えば、トルエンメチルエチルケトン酢酸エチルアルコール類に溶解して、中間層形成用塗布液を調製したのち、湿式塗布装置、例えば、ローラーコーターグラビアコーターナイフコーターディップコータースプレーコーターインクジェットヘッドなどを用いて、基材上に塗布したのち、乾燥して中間層を形成する。

0131

一方、ドライプロセスとしては、蒸着法(抵抗加熱法、EB法(エレクトロンビーム法)など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスで、上記2成分用いて成膜する方法などが挙げられる。なかでも、2成分を用い、それぞれの成分の蒸着速度を制御して所望の比率となるように共蒸着させる方法が好ましく適用される。

0132

〔導電性層〕
本発明に係る導電性層5は、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として構成されている層で、中間層3上に形成される。本発明に係る導電性層5の成膜方法としては、例えば、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法などのウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いる方法などが挙げられる。上記成膜方法のなかでも、蒸着法が好ましく適用される。また、導電性層5は、中間層3上に成膜されることにより、導電性層成膜後の高温アニール処理(例えば、150℃以上の加熱プロセス)等がなくても十分に導電性を発現することができるが、必要に応じて、成膜後に高温アニール処理等を施しても良い。

0133

本発明でいう銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として構成されている層とは、前述のとおり、導電性層5の全質量に対し、本発明に係る銅、金又は白金のそれぞれの金属元素の含有率が90質量%以上であることを意味し、好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上であり、特に好ましくは銅、金又は白金の金属元素のみで構成されていることであり、2種以上の金属元素による合金は形成しない。本発明に係る導電性層5においては、銅、金又は白金のそれぞれが、他の金属元素と合金を形成することはなく、それぞれ単体の金属元素で構成されていることが最も好ましい態様である。本発明においては、導電性層が主成分として含有する金属元素が、銅であることが、特に好ましい。

0134

本発明に係る導電性層5においては、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として構成されている層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であっても良い。

0135

更に、当該導電性層5は、層厚が4〜9nmの範囲内であることが好ましい。層厚が9nm以下であれば、層の吸収成分又は反射成分が少なくなり、透明電極の光透過率が向上するためより好ましい。また、層厚が5nm以上であれば、層の導電性が十分になるため好ましい。

0136

《透明電極の効果》
以上説明したように、本発明の透明電極1は、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する化合物と、酸化防止効果を有する有機化合物とを含有して構成された中間層3上に、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として構成されている導電性層5を設けた構成である。これにより、中間層3の上部に導電性層5を成膜する際には、導電性層5を構成する銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素が中間層3を構成する芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子と相互作用し、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素の中間層3表面における拡散距離が減少し、銅、金、又は白金の凝集の生成を抑制することができる。

0137

前述のように、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として構成されている導電性層5の成膜においては、島状成長型(Volumer−Weber:VW型)で膜成長するため、銅、金、又は白金粒子が島状に孤立し易く、層厚が薄いときは導電性を得ることが困難となり、シート抵抗値が高くなる。したがって、導電性を確保するにはある程度層厚を厚くする必要があるが、層厚を厚くすると光透過率が低下し、透明電極としては不適であった。

0138

しかしながら、本発明で規定する構成の透明電極1によれば、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する化合物を含有する中間層3上において、窒素原子と銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素との相互作用により、銅、金、又は白金の凝集が抑えられるため、銅、金、又は白金を主成分として構成されている導電性層1bの成膜においては、単層成長型(Frank−van der Merwe:FM型)で膜成長するようになる。

0139

なお、本発明でいう「透明電極1の透明」とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいうが、中間層3として用いられる上述した各材料は、銅、金、又は白金を主成分とした導電性層5と比較して、十分な光透過性を備えた良好な膜である。一方、透明電極1の導電性は、主に導電性層5によって確保される。したがって、上述のように、銅、金、又は白金を主成分として構成されている導電性層5が、より薄い層厚で導電性が確保されたものとなることにより、透明電極1の導電性の向上と光透過性の向上との両立を図ることができたものである。

0140

加えて、中間層3に酸化防止効果を有する有機化合物を含有することにより、高温環境あるいは、酸化雰囲気下での導電性層を構成する金属元素の劣化を防止することにより、高い耐久性を備えた透明電極1を実現することができた。

0141

《透明電極の用途》
上記構成からなる本発明の透明電極1は、各種電子デバイスに用いることができる。電子デバイスの例としては、例えば、タッチパネル、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、LED(light Emitting Diode)、太陽電池等が挙げられ、これらの電子デバイスにおいて、光透過性を必要とされる電極部材として、本発明の透明電極1を用いることができる。

0142

〔タッチパネル〕
以下、本発明の透明電極を適用した電子デバイスの一例として、本発明の透明電極にフォトリソグラフィー法による電極パターンを形成したのち、それをタッチパネルへの適用する例について説明する。

0143

(透明電極のパターニング
図1の(a)で示した基板11上に、中間層3と当該中間層3に隣接して、銅、金、又は白金を主成分とする導電性層5を有する本発明の透明電極1は、例えば、フォトリソグラフィー法により、例えば、有機溶媒を含有するエッチング液を用いて、図3図5に示すような電極パターンを形成することができる。

0144

〈エッチング液:有機溶媒〉
本発明において、エッチング液としては、少なくとも有機溶媒を含有していることが好ましく、有機溶媒として、特に制限はないが、中間層に対する溶解能を備えた有機溶媒であることが好ましく、より好ましくは、エーテルアルコールケトン及びエステルから選ばれる少なくとも1種である。

0145

また、本発明においては、エッチング液に、上記有機溶媒とともに、銅、金、又は白金で構成される導電性層をより完全に溶解して除去する目的で、各金属元素の溶剤を併用することもできる。

0146

〈製造工程〉
以下、フォトリソグラフィー法による電極パターンの形成方法について説明する。

0147

本発明に適用するフォトリソグラフィー法とは、硬化性樹脂等のレジスト塗布予備加熱露光現像未硬化樹脂の除去)、リンス、有機溶媒を含むエッチング液によるエッチング処理レジスト剥離の各工程を経ることにより、透明電極を、図3図5に示すような所望のパターンに加工する方法である。

0148

本発明では、従来公知の一般的なフォトリソグラフィー法を適宜利用することができる。例えば、レジストとしてはポジ型又はネガ型のいずれのレジストでも使用可能である。また、レジスト塗布後、必要に応じて予備加熱又はプリベークを実施することができる。露光に際しては、所期のパターンを有するパターンマスクを配置し、その上から、用いたレジストに適合する波長の光、一般には紫外線や電子線等を照射すればよい。露光後、用いたレジストに適合する現像液で現像を行う。現像後、水等のリンス液で現像を止めるとともに洗浄を行うことで、レジストパターンが形成される。次いで、形成されたレジストパターンを、必要に応じて前処理又はポストベークを実施してから、有機溶媒を含むエッチング液によるエッチングで、レジストで保護されていない領域の中間層の溶解及び導電性層の除去を行う。エッチング後、残留するレジストを剥離することによって、所期のパターンを有する透明電極が得られる。このように、本発明に適用されるフォトリソグラフィー法は、当業者に一般に認識されている方法であり、その具体的な適用態様は当業者であれば所期の目的に応じて容易に選定することができる。

0149

次いで、図を交えて、本発明に適用可能な電極パターンの形成方法について説明する。

0150

図2は、透明電極に電極パターンをフォトリソグラフィー法で形成する一例を示す工程フロー図である。

0151

第1ステップとして、図2の(a)で示すように、透明基板11上に中間層3及び導電性層5を積層して、未加工の透明電極1を作製する。

0152

次いで、図2の(b)で示すレジスト膜の形成工程で、導電性層5上に感光性樹脂組成物等から構成されるレジスト膜6を均一に塗設する。感光性樹脂組成物としては、ネガ型感光性樹脂組成物あるいはポジ型感光性樹脂組成物を用いることができる。

0153

塗布方法としては、マイクログラビアコーティングスピンコーティングディップコーティングカーテンフローコーティングロールコーティングスプレーコーティングスリットコーティングなどの公知の方法によって導電性層上に塗布し、ホットプレートオーブンなどの加熱装置でプリベークすることができる。プリベークは、例えば、ホットプレート等を用いて、50℃以上、150℃以下の範囲で30秒〜30分間行うことができる。

0154

次いで、図2の(c)に示す露光工程で、所定の電極パターンにより作製したマスク7を介して、ステッパーミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナーなどの露光機8を用いて、10〜4000J/m2程度(波長365nm露光量換算)の光を、次工程で除去するレジスト膜6Aに照射する。露光光源に制限はなく、紫外線、電子線や、KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザーなどを用いることができる。

0155

次いで、図2の(d)に示す現像工程で、露光済みの透明電極を、現像液に浸漬して、光照射した領域のレジスト膜6Aを溶解する。

0156

現像方法としては、シャワーディッピングパドルなどの方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体例としては、アルカリ金属水酸化物炭酸塩リン酸塩ケイ酸塩ホウ酸塩などの無機アルカリ2−ジエチルアミノエタノールモノエタノールアミンジエタノールアミンなどのアミン類テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドコリンなどの4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含む水溶液などが挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、続いて50℃以上150℃以下の範囲で乾燥ベークを行ってもよい。

0157

次いで、図2の(e)に示すように、上記説明したエッチング液9を用いたエッチング処理を行う。

0158

具体的には、例えば、エーテルアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒を含むエッチング液に、透明電極1を浸漬し、レジスト膜6で保護されていない領域の中間層3を溶解するとともに及び中間層に保持されている薄膜の導電性層も同時に除去することにより、所定の電極パターンを形成する。

0159

最後に、図2の(f)に示すように、レジスト膜剥離液、例えば、ナガセケムテックス社製のN−300に浸漬して、導電性層5上のレジスト膜6を除去する。

0160

《タッチパネルの構成》
次いで、本発明の透明電極を適用することができるタッチパネルの構成について、代表的な実施形態の詳細について説明する。

0161

〔実施形態1:2枚の透明基板上にそれぞれ透明電極を設けた構成〕
図3は、上述した本発明の透明電極を用い、後述の図7で示す構成からなるタッチパネル21aの概略構成を示す斜視図である。また、図4は、タッチパネル21の電極構成を示す2枚の透明電極1−1及び1−2の平面図である。

0162

これらの図に示すタッチパネル21は、投影静電容量式のタッチパネルである。このタッチパネル21は、透明基板11−1、11−2の一主面上に、第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2がこの順に配置され、この上部が前面板13で覆われている。

0163

第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2は、それぞれが、図1及び図2を用いて説明したタッチパネル用の電極パターンが形成された透明電極1である。したがって、第1の透明電極1−1は、第1の中間層3−1と第1の導電性層5−1とがこの順に積層された構成である。同様に第2の透明電極1−2は、第2の中間層3−2と第2の導電性層5−2とがこの順に積層された構成である。

0164

以下、タッチパネル21を構成する主要各層の詳細を、透明基板11−1、11−2側から順に説明する。なお、ここでは、図3及び図4とともに、図5の電極部分の平面模式図及び、そのA−A断面に相当する図7断面模式図を用いて説明を行う。また、図1及び図2で説明したと同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。

0165

(透明基板11)
図3及び図5に示す透明基板11−1、11−2は、先の透明電極1で説明した基板11(以下、透明基板ともいう。)である。

0166

(第1の中間層3−1(第1の透明電極1−1))
第1の中間層3−1は、先の透明電極1で説明した中間層3であり、基板11上に成膜されている。ここでは一例として、第1の中間層3−1は、透明基板11−1に導電性層5−1と同一形状にパターニングされている。

0167

(第1の導電性層5−1(第1の透明電極1−1))
第1の導電性層5−1は、先の透明電極で説明した導電性層5であり、第1の中間層3−1上においてパターニングされた複数のx電極パターン5x1、5x2、(中略)等として構成されている。各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等は、それぞれがx方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等は、例えば、x方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近において、x方向に直線状に連結した形状であることとする。

0168

また、各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等には、それぞれの端部にx配線17xが接続されている。これらのx配線17xは、透明基板11−1上における周縁領域において配線され、透明基板11−1の端縁に引き出されている。このような各x配線17xは、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等と同様に、銅、金、又は白金を主成分とする第1の導電性層5−1として構成されたものである。

0169

(第2の中間層3−2(第2の透明電極1−2))
第2の中間層3−2は、先の透明電極1で説明した中間層3であり、透明基板11−2上に成膜されていて、第2の電極層5−2と同一形状にパターニングされている。

0170

(第2の電極層5−2(第2の透明電極1−2))
第2の電極層5−2は、先の透明電極1で説明した導電性層5であり、第2の中間層3−2上においてパターニングされた複数のy電極パターン5y1、5y2、(中略)等として構成されている。各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、それぞれがx電極パターン5x1、5x2、(中略)等と直交するy方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、例えば、y方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてy方向に直線状に連結した形状であることとする。

0171

ここで、図5に示すように、各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等を構成するひし形のパターン部分は、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等を形成するひし形のパターン部分に対して平面視的に重なることのない位置に配置され、重なることのない範囲でできるだけ大きな範囲を占める形状となっている。これにより、透明基板11−2の中央部の領域においては、第1の電極層5−1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、(中略)等及び第2の電極層5−2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、(中略)等が視認され難い構成となっている。

0172

各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、ひし形の電極パターンの連結部分においてのみ、各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等と積層される。これらの積層部分には、第2の中間層3−2が挟持され、これによってx電極パターン5x1、5x2、(中略)等とy電極パターン5y1、5y2、(中略)等との絶縁性が確保された状態となっている。

0173

また、各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等には、それぞれの端部にy配線17yが接続されている。これらのy配線17yは、透明基板11−2上における周縁領域において配線され、x配線17xと並ぶように透明基板11−2の端縁に引き出されている。このような各y配線17yは、y電極パターン5y1、5y2、(中略)等と同様に、銅、金、又は白金を主成分とする第2の導電性層5−2として構成されたものである。

0174

なお、透明基板11−2の端縁に引き出されたx配線17x及びy配線17yには、フレキシブルプリント基板などが接続される構成となっている。

0175

(前面板13)
図3に図示した前面板13は、タッチパネル21において入力位置に対応する部分が押圧される板材である。このような前面板13は、光透過性を有する板材であって、透明基板11と同様のものが用いられる。またこの前面板13は、必要に応じた光学特性を備えた材料を選択して用いても良い。このような前面板13は、例えば接着剤15に(図6参照。)よって第2の透明電極1−2側に張り合わせられていることとする。この接着剤15は、光透過性を有するものであれば、特に材料が限定されることはない。

0176

またこの前面板13には、透明基板11−1及び11−2の周縁を覆う遮光膜が設けられ、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等から引き出されたx配線17x、及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等から引き出されたy配線17yが、前面板13側から視認されることを防止している。

0177

(タッチパネルの動作)
以上のようなタッチパネル21を動作させる場合、x配線17x及びy配線17yに接続させたフレキシブルプリント基板などから、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等に対して電圧印加しておく。この状態で、前面板13の表面に指又はタッチペンが触れると、タッチパネル21内に存在する各部の容量が変化し、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等の電圧の変化となって現れる。この変化は、指又はタッチペンが触れた位置からの距離によって異なり、指又はタッチペンが触れた位置で最も大きくなる。このため、電圧の変化が最大となる、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等でアドレスされた位置が、指又はタッチペンが触れた位置として検出される。

0178

(タッチパネル21の効果)
以上のようなタッチパネル21は、2層の透明電極1−1及び1−2として、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えた透明電極を用いている。これにより、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、タッチパネル用の透明電極を大型化した際の電圧降下を抑えることができ、タッチパネル21の大型化をすることが可能となる。

0179

特に、このタッチパネル21は、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びこれに直交して配置された電極パターン5y1、5y2、(中略)等を有する投影型静電容量式である。このため、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等には、高い導電性が要求される。しかしながら、これらのx電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、先に説明したタッチパネル用透明電極の導電性層(電極層)5であるため、導電性を維持しつつ薄膜化が可能である。したがって、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等自体が視認され難くなり、タッチパネル21を介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。

0180

図7は、実施形態のタッチパネルで、本発明で特に好ましく適用することができるタッチパネルの構成を説明するための断面模式図であり、図5に示したA−A断面に相当する図である。この図に示すタッチパネル21aは、2枚の透明基板11−1及び11−2の一主面上に、第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を設けた構成であり、それ以外の構成は先に説明した実施形態1と同様である。このため、先の実施形態1のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。

0181

すなわち、図7に示すタッチパネル21aは、第1の透明電極1−1が設けられた第1の基板11−1と、第2の透明電極1−2が設けられた第2の基板11−2とを有する。これらの基板11−1及び11−2は、透明電極1−1及び1−2の形成面を同一方向に向け、第1の基板11−1における第1の透明電極1−1の形成面上に、第2の基板11−2が位置するように重ねて配置されている。

0182

第1の基板11−1及び第2の基板11−2は、先の透明電極で説明したと同様の基板11である。また、第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2は、それぞれが先の実施形態1と同様の構成であり、それぞれが基板11−1及び11−2上に、中間層3−1及び3−2と、導電性層5−1及び5−2をこの順に積層した構成となっている。

0183

さらに各導電性層5−1及び5−2の構成も、先の実施形態1と同様であり、第1の導電性層5−1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、(中略)等、及び第2の電極層5−2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、(中略)等が視認され難いパターン構成及び配置構成となっている。ただし、第1の導電性層5−1と第2の導電性層5−2との間は、第2の基板11−2と第2の中間層3−2とによって絶縁性が確保された状態となっている。

0184

また、積層された第1の基板11−1と第2の基板11−2との間は、ここでの図示を省略した接着剤によって貼り合せられており、この接着剤によっても、第1の電極層5−1と第2の電極層5−2とが絶縁される。

0185

〔実施形態2:透明基板上に2層の透明電極を設けた構成〕
図6は、実施形態のタッチパネルの他の一例を説明するための断面模式図であり、図6に示すタッチパネル21は、透明基板11上に第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を設けた構成であり、それ以外の構成は先の実施形態1と同様である。このため、先の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。

0186

〔液晶表示装置への適用〕
次いで、電子デバイスとして液晶表示装置への本発明の透明電極を組み入れた例を説明する。

0187

図8は、本発明の透明電極を具備した液晶表示装置の構成の一例を示す概略断面図である。液晶表示装置は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。

0188

液晶表示装置は、一般に、液晶ディスプレイ液晶パネルともいわれ、液晶駆動方式によって、STN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPS、OCBなどの各種駆動方式の液晶表示装置が挙げられる。通常、液晶ディプレイとしてTVや液晶パネル等好ましく用いられる方式は、VA(MVA,PVA)型液晶表示装置である。

0189

図8で示す液晶表示装置100は、バックライト側から、出入りの光をコントロールする偏光フィルター101A、電極部から電気が他の領域に漏洩しないようにするガラス基板102A、液晶ディスプレイを駆動するための本発明の透明電極1A、液晶分子を一定方向に配向させるための配向膜104A、液晶105、スペーサー106、他方の配向膜104B、他方の透明電極1B、RGBのそれぞれのフィルターをかけ、色を表示するカラーフィルター103、他方のガラス基板102B、他方の偏光フィルター101Bで構成され、本発明の透明電極1A及び1Bは、十分な導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ低シート抵抗値を有し、耐久性(耐熱性及び耐酸素性)に優れている。

0190

以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。

0191

《透明電極の作製》
以下に示す方法に従って、透明電極1〜138を、導電性領域面積が5cm×5cmとなる条件で作製した。透明電極1〜3は、導電性層のみの構造の透明電極として作製し、透明電極4〜132、透明電極136〜138は、中間層3と導電性層5との積層構造からなる透明電極を作製し、透明電極133〜135は、中間層3A、導電性層5及び第2の中間層3Bの3層の積層構造からなる透明電極を作製した。

0192

〔透明電極1の作製〕
下記に示す方法に従って、導電性層のみ構造からなる比較例の透明電極1を作製した。

0193

透明な無アルカリガラス製の基材を、市販の真空蒸着装置基材ホルダーに固定し、これを真空蒸着装置の真空槽内に取り付けた。一方、タングステン製抵抗加熱ボートに銅(Cu)を装填し、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽内を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電及び加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に銅が100質量%で構成される層厚が9nmの導電性層の単膜を蒸着して、透明電極1を作製した。

0194

〔透明電極2及び3の作製〕
上記透明電極1の作製において、導電性層の構成金属元素を銅に代えて、それぞれ金(Au)、白金(Pt)を用いた以外は同様にして、単膜の導電性層から構成される透明電極2及び3を作製した。

0195

〔透明電極4の作製〕
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物として、例示化合物(15)をタンタル製抵抗加熱ボートに装填し、これらの基板ホルダー加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽内に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を入れ、第2真空槽内に取り付けた。

0196

次いで、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、例示化合物(15)の入った加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で基材上に蒸着し、層厚が20nmの例示化合物(15)からなる中間層を形成した。

0197

次に、中間層を形成した基材を真空状態のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銅の入った加熱ボートを通電及び加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲で、層厚が9nmの銅単独からなる導電性層を蒸着し、中間層とこの上部に銅からなる導電性層を積層した透明電極4を得た。

0198

〔透明電極5及び6の作製〕
上記透明電極4の作製において、導電性層の構成金属元素を銅に代えて、それぞれ金(Au)、白金(Pt)を用いた以外は同様にして、中間層及び導電性層から構成される透明電極5及び6を作製した。

0199

〔透明電極7の作製〕
上記透明電極4の作製において、中間層の構成材料を、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物である化合物(15)に代えて、酸化防止効果を有する有機化合物として例示化合物B−15を用いた以外は同様にして、酸化防止剤単独の中間層及び導電性層から構成される透明電極7を作製した。

0200

〔透明電極8の作製〕
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物として例示化合物(15)と、酸化防止効果を有する有機化合物として例示化合物B−15を、それぞれタンタル製抵抗加熱ボートに装填し、これらの基板ホルダーと二つの加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽内に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、第2真空槽内に取り付けた。

0201

次いで、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、例示化合物(15)の入った加熱ボートと、例示化合物B−15の入った加熱ボートとを、それぞれ独立に通電し、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物である例示化合物(15)と、酸化防止効果を有する有機化合物である例示化合物B−15からなる中間層を基材上に共蒸着して形成した。この際、蒸着速度(nm/秒)としては、例示化合物(15):例示化合物B−15=95:5(質量%)となる条件で、各加熱ボートの通電条件を適宜調節して、層厚が22nmの中間層を形成した。

0202

次に、中間層を形成した基材を真空状態のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った加熱ボートを通電及び加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲で、層厚が9nmの銀単独からなる導電性層を蒸着し、中間層とこの上部に銀からなる導電性層を積層した透明電極8を得た。

0203

〔透明電極9の作製〕
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、有機化合物として下記に示す比較化合物(1)と、酸化防止効果を有する有機化合物として例示化合物B−15を、それぞれタンタル製抵抗加熱ボートに装填し、これらの基板ホルダーと二つの加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽内に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を入れ、第2真空槽内に取り付けた。

0204

次いで、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、比較化合物(1)の入った加熱ボートと、例示化合物B−15の入った加熱ボートとを、それぞれ独立に通電し、比較化合物(1)と、酸化防止効果を有する有機化合物である例示化合物B−15からなる中間層を基材上に共蒸着して形成した。この際、蒸着速度(nm/秒)としては、比較化合物(1):例示化合物B−15=95:5(質量%)となる条件で、各加熱ボートの通電条件を適宜調節して、層厚が22nmの中間層を形成した。

0205

次に、中間層を形成した基材を真空状態のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銅の入った加熱ボートを通電及び加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲で、層厚が9nmの銅単独からなる導電性層を蒸着し、中間層とこの上部に銅からなる導電性層を積層した透明電極9を得た。

0206

〔透明電極10及び11の作製〕
上記透明電極9の作製において、中間層の形成に用いた比較化合物(1)に代えて、下記に示す比較化合物(2)及び(3)をそれぞれ用いた以外は同様にして、透明電極10及び11を作製した。

0207

0208

〔透明電極12の作製〕
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物(表には、「化合物(N)」と記載した。)として例示化合物(15)と、酸化防止効果を有する有機化合物(表には、「化合物(O)」と記載した。)として例示化合物B−15を、それぞれタンタル製抵抗加熱ボートに装填し、これらの基板ホルダーと二つの加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽内に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を入れ、第2真空槽内に取り付けた。

0209

次いで、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、例示化合物(15)の入った加熱ボートと、例示化合物B−15の入った加熱ボートとを、それぞれ独立に通電し、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物である例示化合物(15)と、酸化防止効果を有する有機化合物である例示化合物B−15からなる中間層を基材上に共蒸着して形成した。この際、蒸着速度(nm/秒)としては、例示化合物(15):例示化合物B−15=95:5(質量%)となる条件で、各加熱ボートの通電条件を適宜調節して、層厚が22nmの中間層を形成した。

0210

次に、中間層を形成した基材を真空状態のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銅の入った加熱ボートを通電及び加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲で、層厚が9nmの銅単独からなる導電性層を蒸着し、中間層とこの上部に銅からなる導電性層を積層した透明電極12を得た。

0211

〔透明電極13〜17の作製〕
上記透明電極12の作製において、銅から構成される導電性層形成時の蒸着条件蒸着温度及び蒸着速度)を適宜調整して、それぞれ導電性層の層厚を2.0nm、3.5nm、6nm、12nm、20nmに変更した以外は同様にして、透明電極13〜17を作製した。

0212

〔透明電極18〜50の作製〕
上記透明電極12の作製において、中間層の形成に用いる芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物として、例示化合物(15)を表1及び表2に記載の例示化合物(化合物(N)欄)にそれぞれ変更した以外は同様にして、透明電極18〜50を作製した。

0213

〔透明電極51〜53の作製〕
上記透明電極12、43、47の作製において、導電性層を形成する金属元素を、銅から金(Au)に変更した以外は同様にして、透明電極51〜53を作製した。

0214

〔透明電極54〜56の作製〕
上記透明電極12、43、47の作製において、導電性層を形成する金属元素を、銅から白金(Pt)に変更した以外は同様にして、透明電極54〜56を作製した。

0215

〔透明電極57〜72の作製〕
上記透明電極12の作製において、中間層の形成に用いる酸化防止効果を有する有機化合物として、例示化合物B−15を、表3に記載の例示化合物(化合物(O)欄)にそれぞれ変更した以外は同様にして、透明電極57〜72を作製した。

0216

〔透明電極73及び74の作製〕
上記透明電極57及び68の作製において、導電性層を形成する金属元素を、銅から金(Au)に変更した以外は同様にして、透明電極73及び74を作製した。

0217

〔透明電極75及び76の作製〕
上記透明電極57及び68の作製において、導電性層を形成する金属元素を、銅から白金(Pt)に変更した以外は同様にして、透明電極75及び76を作製した。

0218

〔透明電極77の作製〕
湿式塗布法による中間層の形成)
〈中間層形成用塗布液の調製〉
芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物:例示化合物(15) 0.95質量%
酸化防止効果を有する有機化合物:例示化合物A−1 0.05質量%
メチルエチルケトン99.0質量%
メチルエチルケトンに各化合物を添加し、加熱しながら溶解して、1.0質量%の中間層形成用塗布液を調製した。

0219

〈中間層の形成〉
透明な無アルカリガラス製の基材上に、上記調製した中間層形成用塗布液を、スピンコート法により湿式塗布を行い、薄膜を形成した。次いで、90℃で1時間加熱乾燥し、層厚が30nmの中間層を形成した。

0220

(導電性層の形成)
次に、中間層を形成した基材を第1真空槽に移し、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銅の入った加熱ボートを通電及び加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲で、層厚が9nmの銅単独からなる導電性層を蒸着して、透明電極77を得た。

0221

〔透明電極78〜90の作製〕
上記透明電極77の作製において、中間層の形成に用いる酸化防止効果を有する有機化合物として、例示化合物A−1を、表4記載の例示化合物(化合物(O)欄)にそれぞれ変更して湿式塗布法で中間層を形成した以外は同様にして、透明電極78〜90を作製した。

0222

〔透明電極91〜93の作製〕
上記透明電極80、82及び85の作製において、導電性層を形成する金属元素を、銅から金(Au)に変更した以外は同様にして、透明電極91〜93を作製した。

0223

〔透明電極94〜96の作製〕
上記透明電極80、82及び85の作製において、導電性層を形成する金属元素を、銅から白金(Pt)に変更した以外は同様にして、透明電極94〜96を作製した。

0224

〔透明電極97〜117の作製〕
上記透明電極77の作製において、中間層の形成に用いる酸化防止効果を有する有機化合物として、例示化合物A−1を、表4及び表5に記載の例示化合物(化合物(O)欄)にそれぞれ変更して湿式塗布法で中間層を形成した以外は同様にして、透明電極97〜117を作製した。

0225

〔透明電極118〜122の作製〕
上記透明電極12の作製において、中間層の形成に用いる例示化合物(15)(化合物(N))と、例示化合物B−15(化合物(O))との含有比率(N:Oの質量%)を表5に記載の比率に変更した以外は同様にして、透明電極118〜122を作製した。

0226

〔透明電極123〜127の作製〕
上記透明電極51(導電性層:金)の作製において、中間層の形成に用いる例示化合物(15)(化合物(N))と、例示化合物B−15(化合物(O))との含有比率(N:Oの質量%)を表5及び表6に記載の比率に変更した以外は同様にして、透明電極123〜127を作製した。

0227

〔透明電極128〜132の作製〕
上記透明電極54(導電性層:白金)の作製において、中間層の形成に用いる例示化合物(15)(化合物(N))と、例示化合物B−15(化合物(O))との含有比率(N:Oの質量%)を表6に記載の比率に変更した以外は同様にして、透明電極128〜132を作製した。

0228

〔透明電極133〜135の作製〕
上記透明電極12(導電性層:銅)、透明電極51(導電性層:金)、透明電極54(導電性層:白金)の作製において、各導電性層を形成したのち、導電性層上に、中間層3Aと同様の内容で、第2の中間層3Bを形成し、導電性層5を中間層3A及び第2の中間層3Bで挟持した構成とした以外は同様にして、透明電極133〜135を作製した。

0229

〔透明電極136〜138の作製〕
上記透明電極12(導電性層:銅)、透明電極51(導電性層:金)、透明電極54(導電性層:白金)の作製において、基材を無アルカリガラスに代えて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)に変更した以外は同様にして、透明電極136〜138を作製した。

0230

以上作製した各透明電極の構成を、表1〜表6に示す。

0231

0232

0233

0234

0235

0236

0237

《透明電極の評価》
上記作製した透明電極1〜138について、下記の方法に従って、光透過率、シート抵抗値及び耐久性(高温酸素環境下での電極寿命)の測定及び評価を行った。

0238

〔光透過率の測定〕
上記作製した各透明電極について、分光光度計日立ハイテク社製U−3300)を用い、各透明電極の作製に用いた基材をリファレンスとして、波長550nmにおける光透過率(%)を測定した。

0239

〔シート抵抗値の測定〕
上記作製した各透明電極について、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製MCP−T610)を用い、4端子探針定電流印加方式でシート抵抗値(Ω/□)の測定を行った。

0240

〔耐久性の評価:高温酸素環境下での透明電極の寿命測定
作製した各透明電極に、高温酸素雰囲気下(温度:60℃、酸素濃度:100体積%の環境)で、10Aの電流を流し続け、シート抵抗値が初期値の2倍となるに要する時間を測定した。

0241

次いで、透明電極8(導電性層:銀)のシート抵抗値が初期値の2倍となるに要する時間を100とする相対値を求めた。数値が大きいほど、熱及び酸素に対する耐久性に優れ、透明電極寿命が長いことを表す。

0242

以上により得られた結果を、表7〜表9に示す。

0243

0244

0245

0246

表7〜表9に記載の結果より明らかなように記導電性層が銅、金又は白金で構成され、中間層が、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として、酸化防止効果を有する有機化合物を副成分として含有する構成である本発明の透明電極は、比較例に対し、光透過性、シート抵抗特性及び熱及び酸素に対する耐久性に優れ、透明電極寿命が長いことがわかる。

0247

従来広く用いられてきた銀で構成される導電性層有する透明電極8に対し、本発明の透明電極は、電極としての光透過性が向上し、シート抵抗値も低下し、特に、高温環境下における酸化耐性に優れた効果を発現していることがわかる。

0248

また、導電性層の構成金属として銅を用いた透明電極は、金を用いた透明電極、又は白金を用いた透明電極に対し、各項目についてより優れた効果を発現している。

0249

また、透明電極118〜132において、中間層における化合物(N)と化合物(O)の比率としては、99.5:0.5〜90:10の範囲内であることがより優れた効果を有し、更に99:1〜95:5の範囲内で、特に優れた効果が発揮されている。

実施例

0250

また、導電性層5を中間層3A及び第2の中間層3Bで挟持した構成とすることにより、透明電極の耐久性がより向上し、加えて、導電性層の擦り傷耐性が改良されることを確認することができた。

0251

1、1−1、1−2、1A、1B透明電極
3、3A、3B、3−1、3−2 中間層
5、5−1、5−2導電性層
5x1、5x2、5x3等 x電極パターン(第1の導電性層)
5y1、5y2、5y3等 y電極パターン(第2の導電性層)
6レジスト膜
7マスク
8露光機
9エッチング液
11、11−1,11−2 透明基板
13前面板
15接着剤
17、17x,17y配線
21、21aタッチパネル
100液晶表示装置
101A、101B偏光フィルター
102A、102Bガラス基板
103カラーフィルター
104A、104B配向膜
105液晶
106 スペーサー

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 帝人フロンティア株式会社の「 多層構造布帛およびその製造方法および繊維製品」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題・解決手段】課題は、透湿性、軽量性、ストレッチ性、薄さに優れた、多層構造布帛およびその製造方法および繊維製品を提供することであり、解決手段は、総繊度44dtex以下の非捲縮合成繊維マルチフィラメ... 詳細

  • 日産自動車株式会社の「 遮熱部品」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題・解決手段】遮熱部品(100)は、基材(5)と、基材(5)の上に配置される遮熱膜(7)と、を備え、遮熱膜(7)は、基材(5)の上に配置され、気孔を有し、熱伝導率は0.3W/(m・K)以下であり、... 詳細

  • 富士フイルム株式会社の「 積層体、偏光板、及び画像表示装置」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題・解決手段】ハードコート層を有する積層体であって、ハードコート層への他の物体の形状の転写を抑制することができる積層体、並びにこれを有する偏光板及び画像表示装置を提供する。衝撃吸収層と支持体とハー... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ