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技術 魚類用麻酔剤及びその製造方法並びに該魚類用麻酔剤の使用期限を判別する方法

出願人 学校法人東京農業大学
発明者 渡邉研一松原創
出願日 2013年12月20日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2013-263686
公開日 2015年7月2日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2015-120641
状態 特許登録済
技術分野 養殖 医薬品製剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 成型加工後 クチナシ青色色素 栽培漁業 クチナシ黄色色素 本願実施 食品用添加物 麻酔液 歯切り
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

炭酸水素ナトリウム由来炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤保管中に空気中などの水分を吸湿することで該固形状魚類麻酔剤の麻酔効果消失したかどうかを簡単に判別することができる固形状魚類用麻酔剤及びその製造方法並びに該固形状魚類用麻酔剤の使用期限判別方法に関する技術を提供する。

解決手段

水溶性色素色調変化によって使用期限を判別することのできる固形状魚類用麻酔剤であって、炭酸水素ナトリウムと、有機酸(例えばコハク酸)、食品添加物である水溶性色素(例えばコチニ—ル色素)とを含有し、該水溶性色素の色調変化が肉眼で観察できるように該魚類用麻酔剤の表面の一部分に該水溶性色素が存在することを特徴とする固形状魚類用麻酔剤及びその製造方法並びに該固形状魚類用麻酔剤の使用期限の判別方法により解決する。

概要

背景

魚類養殖栽培漁業現場では、ワクチン接種歯切り、標識装着、各種の測定などの用途で麻酔剤が使用されている。従来、魚類用麻酔剤としては、動物用医薬品として承認されているFA100(主成分・オイゲノール)が使用されているが、高価という欠点がある。また、FA100は、使用する際に麻酔液濁り、液表面に泡が発生してが観察しづらいことや、麻酔後死亡する魚の個体が発生するケースが多いこと、独特の臭いがあること等の理由から必ずしも良い麻酔剤とは言えない。

また、動物用医薬品として未承認である学術的試薬2−フェノキシエタノールは、ニジマスマダイに対する麻酔効果報告されており、FA100よりも廉価である。しかしながら、2−フェノキシエタノールは、動物用医薬品として未承認であることや食品添加物に指定されていないことなど、食の安全性の観点から問題がある。

一方、炭酸ガスは、魚類に対して麻酔効果を有することが広く知られている。従来、炭酸ガスを麻酔剤として使用する場合は、炭酸ガスボンベを用いて炭酸ガスを水中に通気する方法や水中に炭酸水素ナトリウム酢酸を規定量添加することで炭酸ガスを発生させる方法で麻酔が行われている。しかしながら、これらの方法は、ボンベの用意や、炭酸水素ナトリウムや酢酸を計量して別々に保管するなどの手間がかかり、簡便な方法とは言えない。

このような背景から、本発明者は、食の安全性を十分に確保すると共に、従来の麻酔剤よりも使用しやすく、かつ、低コストの魚類用麻酔剤として、炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤に関する技術を提案した(特許文献1)。

概要

炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤が保管中に空気中などの水分を吸湿することで該固形状魚類麻酔剤の麻酔効果が消失したかどうかを簡単に判別することができる固形状魚類用麻酔剤及びその製造方法並びに該固形状魚類用麻酔剤の使用期限判別方法に関する技術を提供する。水溶性色素色調変化によって使用期限を判別することのできる固形状魚類用麻酔剤であって、炭酸水素ナトリウムと、有機酸(例えばコハク酸)、食品添加物である水溶性色素(例えばコチニ—ル色素)とを含有し、該水溶性色素の色調変化が肉眼で観察できるように該魚類用麻酔剤の表面の一部分に該水溶性色素が存在することを特徴とする固形状魚類用麻酔剤及びその製造方法並びに該固形状魚類用麻酔剤の使用期限の判別方法により解決する。

目的

そのため、炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤を使用する際に、該魚類用麻酔剤が保管中に空気中などの水分を吸湿することで麻酔効果が消失したものであるかどうかを簡単に判別できることが望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

水溶性色素色調変化によって使用期限判別することのできる炭酸水素ナトリウム由来炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤であって、炭酸水素ナトリウムと、有機酸と、食品添加物である水溶性色素とを含有し、該水溶性色素の色調変化が肉眼で観察できるように該魚類用麻酔剤の表面の一部分に該水溶性色素が存在することを特徴とする、固形状魚類用麻酔剤。

請求項2

前記水溶性色素が、コチニール色素クチナシ黄色色素スピルリナ青色色素クチナシ緑色色素からなる群から選ばれる1種の水溶性色素である、請求項1に記載の固形状魚類用麻酔剤。

請求項3

前記水溶性色素の含有量が、0.0088重量%〜0.064重量%である、請求項1又は2に記載の固形状魚類用麻酔剤。

請求項4

前記有機酸が、コハク酸である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形状魚類用麻酔剤。

請求項5

さらに、固形化促進剤を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形状魚類用麻酔剤。

請求項6

前記固形化促進剤が食用グリセリン又は無水エタノールである、請求項5に記載の固形状魚類用麻酔剤。

請求項7

前記魚類が、アメマス、ウグイ、フクドジョウゼブラフィッシュ、プラティメダカニシキゴイ、マゴイ、ティラピアシマアジカンパチ、マダイトラフグブリヒラメ、メバルクロソイ、ニジマス、ギンザケ、アユウナギである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の固形状魚類用麻酔剤。

請求項8

水溶性色素の色調変化によって使用期限を判別することのできる炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤の製造方法であって、炭酸水素ナトリウムと有機酸とを含有する混合物を調製する工程と、前記混合物に該魚類用麻酔剤の表面の一部分に存在するように食品添加物である水溶性色素を添加する工程と、前記水溶性色素が添加された炭酸水素ナトリウムを固形状に成型する工程と、を有する固形状魚類用麻酔剤の製造方法。

請求項9

前記成型工程が、プレス機によって1cm2あたり1592ポンド以上の圧力で加圧される、請求項8に記載の固形状魚類用麻酔剤の製造方法。

請求項10

請求項1〜7のいずれか1項に記載の固形状魚類用麻酔剤の使用期限を判別する方法であって、該固形状魚類用麻酔剤の表面の一部分に存在する水溶性色素が水分を吸湿することによって該水溶性色素が滲み、該水溶性色素の色調が低下又は消失することに基づいて使用期限を判別することを特徴とする、固形状魚類用麻酔剤の使用期限を判別する方法。

技術分野

0001

本発明は、魚類用麻酔剤及びその製造方法並びに該魚類用麻酔剤の使用期限判別する方法に関する。

背景技術

0002

魚類養殖栽培漁業現場では、ワクチン接種歯切り、標識装着、各種の測定などの用途で麻酔剤が使用されている。従来、魚類用麻酔剤としては、動物用医薬品として承認されているFA100(主成分・オイゲノール)が使用されているが、高価という欠点がある。また、FA100は、使用する際に麻酔液濁り、液表面に泡が発生してが観察しづらいことや、麻酔後死亡する魚の個体が発生するケースが多いこと、独特の臭いがあること等の理由から必ずしも良い麻酔剤とは言えない。

0003

また、動物用医薬品として未承認である学術的試薬2−フェノキシエタノールは、ニジマスマダイに対する麻酔効果報告されており、FA100よりも廉価である。しかしながら、2−フェノキシエタノールは、動物用医薬品として未承認であることや食品添加物に指定されていないことなど、食の安全性の観点から問題がある。

0004

一方、炭酸ガスは、魚類に対して麻酔効果を有することが広く知られている。従来、炭酸ガスを麻酔剤として使用する場合は、炭酸ガスボンベを用いて炭酸ガスを水中に通気する方法や水中に炭酸水素ナトリウム酢酸を規定量添加することで炭酸ガスを発生させる方法で麻酔が行われている。しかしながら、これらの方法は、ボンベの用意や、炭酸水素ナトリウムや酢酸を計量して別々に保管するなどの手間がかかり、簡便な方法とは言えない。

0005

このような背景から、本発明者は、食の安全性を十分に確保すると共に、従来の麻酔剤よりも使用しやすく、かつ、低コストの魚類用麻酔剤として、炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤に関する技術を提案した(特許文献1)。

先行技術

0006

特許第4831409号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤は、保管中に空気中などの水分を吸湿すると麻酔の有効成分である炭酸ガスを放出するため、該吸湿した魚類用麻酔剤を麻酔剤として使用しても麻酔効果が得られないが、該魚類用麻酔剤が吸湿することによって麻酔効果が消失したものであるかどうかを判別することが困難であった。そのため、炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤を使用する際に、該魚類用麻酔剤が保管中に空気中などの水分を吸湿することで麻酔効果が消失したものであるかどうかを簡単に判別できることが望まれていた。

0008

そこで、本発明の目的は、炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤が保管中に空気中などの水分を吸湿することで麻酔効果が消失したかどうかを簡単に判別することができる固形状魚類用麻酔剤及びその製造方法並びに該固形状魚類用麻酔剤の使用期限を判別する方法に関する技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らが鋭意検討した結果、炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤の表面の一部分に食品用添加物である水溶性色素を含有させ、該固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する水溶性色素の色調変化肉眼で観察することで該固形状魚類用麻酔剤の麻酔効果が消失したかどうかを簡単に判別することができるとの知見を得た。

0010

本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、水溶性色素の色調変化によって使用期限を判別することのできる炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤であって、炭酸水素ナトリウムと、有機酸と、食品添加物である水溶性色素とを含有し、該水溶性色素の色調変化が肉眼で観察できるように該魚類用麻酔剤の表面の一部分に該水溶性色素が存在することを特徴とする、固形状魚類用麻酔剤を提供するものである。

0011

また、本発明は、水溶性色素の色調変化によって使用期限を判別することのできる炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤の製造方法であって、炭酸水素ナトリウムと有機酸とを含有する混合物を調製する工程と、前記混合物に該魚類用麻酔剤の表面の一部分に存在するように食品添加物である水溶性色素を添加する工程と、前記水溶性色素が添加された炭酸水素ナトリウムを固形状に成型する工程と、を有する固形状魚類用麻酔剤の製造方法を提供するものである。

0012

さらに、本発明は、上述の固形状魚類用麻酔剤の使用期限を判別する方法であって、該魚類用麻酔剤の表面の一部に食品用添加物である水溶性色素を含有させ、該固形状魚類用麻酔剤が水分を吸湿することによって該水溶性色素が滲み、該水溶性色素の色調が低下又は消失することに基づいて使用期限を判別することを特徴とする、固形状魚類用麻酔剤の使用期限の判別方法を提供するものである。

発明の効果

0013

本発明の固形状魚類用麻酔剤及びその製造方法並びに該固形状魚類用麻酔剤の使用期限を判別する方法によれば、該固形状魚類用麻酔剤が保管中に空気中などの水分を吸湿することによって該固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する水溶性色素の色調が変化し、該固形状魚類用麻酔剤の麻酔効果が消失したことを簡単に判別することができる効果が得られる。

図面の簡単な説明

0014

多湿条件下で保持した固形状魚類用麻酔剤に含有するコチニール色素(0.064重量%)の色調変化を示す図である。
多湿条件下で保持した固形状魚類用麻酔剤に含有するコチニール色素(0.043重量%)の色調変化を示す図である。
多湿条件下で保持した固形状魚類用麻酔剤に含有するコチニール色素(0.034重量%)の色調変化を示す図である。
多湿条件下で保持した固形状魚類用麻酔剤に含有するコチニール色素(0.015重量%)の色調変化を示す図である。
多湿条件下で保持した固形状魚類用麻酔剤に含有するコチニール色素(0.0088重量%)の色調変化を示す図である。
多湿条件下で保持した固形状魚類用麻酔剤に含有するコチニール色素(0.0008重量%)の色調変化を示す図である。
多湿条件下で保持した固形状魚類用麻酔剤に含有するクチナシ黄色色素(0.05重量%)の色調変化を示す図である。
多湿条件下で保持した固形状魚類用麻酔剤に含有するスピルリナ青色色素(0.049重量%)の色調変化を示す図である。
多湿条件下で保持した固形状魚類用麻酔剤に含有するクチナシ緑色色素(0.045重量%)の色調変化を示す図である。

0015

本発明の実施形態おける固形状魚類用麻酔剤について説明する。本実施形態に係る固形状魚類用麻酔剤は、炭酸水素ナトリウムと、有機酸と、食品添加物である水溶性色素とを含有し、該水溶性色素の色調変化が肉眼で観察できるように該固形状魚類用麻酔剤の表面の一部分に該水溶性色素が存在するものである。

0016

前記炭酸水素ナトリウムは、食の安全性の観点から、食品医薬品に使用されているものが好ましい。また、本発明の効果が妨げられなければ、炭酸水素ナトリウムと共に炭酸ナトリウム炭酸カルシウムなどの炭酸塩を併用することができる。

0017

前記水溶性色素は、食の安全性の観点から、食品添加物として認められたものであればよく、例えば、ベニコウジ赤色色素、クチナシ赤色色素、コチニール色素、ラック色素アカビート色素アントシアニン色素クチナシ青色色素、スピルリナ青色色素、アナトー色素、クチナシ黄色色素、ベニバナ黄色色素ウコン色素、ベニコウジ黄色色素などを挙げることができる。なかでも、コチニ—ル色素は、pH
によって色が変化するpH指示機能も有するため、固形状魚類用麻酔剤を投入する浴槽内が、魚類に対する麻酔効果が十分発現するpHになっているか否かを目視で確認することが可能となるので、特に好ましい色素である。

0018

一方、油溶性色素及び不溶性色素については、これら色素を用いて調製した固形状魚類用麻酔剤が空気中などの水分を吸湿しても、吸湿した水分中に該色素が溶け込まないため、該固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する色素は滲むことなく、該色素の色調の低下又は消失は観察されない。そのため、油溶性色素及び不溶性色素は、本実施形態の固形状魚類用麻酔剤の麻酔効果が消失したものであるかどうかを判別することができないため、使用することができない。

0019

前記水溶性色素の含有量は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、該水溶性色素の色調を肉眼で観察する観点から、0.0088重量%〜0.064重量%が好ましく、0.033重量%〜0.064重量%がさらに好ましい。

0020

本実施形態の魚類用麻酔剤は、炭酸ガスの発生を促進して発泡させるために、有機酸を添加する。

0021

前記有機酸は、本発明の目的及び効果が得られれば特に限定されず、コハク酸クエン酸フマル酸マレイン酸リンゴ酸酒石酸などを挙げることができるが、食の安全性の観点から、食品や医薬品に使用されているものが好ましく、また、魚類に対する麻酔効果の観点から、コハク酸を用いることが好ましい。なお、本実施形態の魚類用麻酔剤では、麻酔剤としての効力に影響しない限り、2種類以上の有機酸を併用しても差し支えない。

0022

また、前記炭酸水素ナトリウムと前記コハク酸の重量比は、魚類に対する麻酔効果の観点から、4:6〜6:4が好ましい。

0023

本実施形態の魚類用麻酔剤は、固形化を促進するために、固形化促進剤を添加することができる。

0024

前記固形化促進剤は、食の安全性の観点から、食用グリセリン無水エタノールが好ましい。

0025

前記食用グリセリンの添加量は、固形化を促進する観点から、炭酸水素ナトリウム等の原材料の重量に対して2.5〜15重量%が好ましい。

0026

前記無水エタノールの添加量は、固形化を促進する観点から、炭酸水素ナトリウム等の原材料の重量に対して10〜20重量%が好ましい。

0027

本実施形態の固形状魚類用麻酔剤は、前記水溶性色素の色調変化が肉眼で観察できるように該固形状魚類用麻酔剤の表面の一部分に該水溶性色素を含有する。これにより、該固形状魚類用麻酔剤が空気中などの水分を吸湿した場合、吸湿した水分に該水溶性色素が滲むことで該色素の色調が低下又は消失するため、該色素の色調変化を肉眼で観察することで該固形状魚類用麻酔剤が吸湿し、該固形状魚類用麻酔剤の麻酔効果が消失したかどうかを判別することができる。

0028

なお、固形状魚類用麻酔剤の表面全体に水溶性色素が存在する場合は、該固形状魚類用麻酔剤が空気中などの水分を吸湿しても、吸湿した水分に該水溶性色素が滲むことで該色素の色調の低下又は消失を観察することができないため、該固形状魚類用麻酔剤が吸湿することによって麻酔効果が消失したかどうかを判別することができない。

0029

本実施形態の固形状魚類用麻酔剤は、本発明の目的及び効果を妨げなければ、他の素材や食品添加物などを含有することができる。

0030

本願実施形態の固形状魚類用麻酔剤の使用方法は、該固形状魚類用麻酔剤を水槽中の水に溶解し、ここに麻酔対象の魚類を収容するか、あるいは、麻酔対象の魚類を収容してある水槽中の水に本魚類用麻酔剤を溶解することで、麻酔対象の魚類に麻酔をかけることができる。

0031

なお、本発明の固形状魚類用麻酔剤を使用すると、該固形状魚類用麻酔剤が水溶性色素を含有していることから、該固形状魚類用麻酔剤を投入した水槽中の水が該水溶性色素によって着色するが、特に問題はない。また、本発明の固形状魚類用麻酔剤を水槽中の水に投入すると炭酸ガスの気泡が生ずるが、該炭酸ガスの気泡が水面に達すると消失し、該気泡が水面に残留しないため、水槽中の魚類の観察を妨げない。

0032

本実施形態の固形状魚類用麻酔剤は、魚の種類を問わず、あらゆる魚類に対する麻酔剤として使用することができ、例えば、アメマス、ウグイ、フクドジョウゼブラフィッシュ、プラティメダカニシキゴイ、マゴイ、ティラピアシマアジカンパチ、マダイ、トラフグブリヒラメ、メバルクロソイ、ニジマス、ギンザケ、アユウナギを挙げることができる。

0033

次に、本発明の実施形態における固形状魚類用麻酔剤の製造方法について説明する。本実施形態に係る固形状魚類用麻酔剤の製造方法は、炭酸水素ナトリウムと有機酸とを含有する混合物を調製する工程と、前記混合物に該魚類用麻酔剤の表面の一部分に存在するように食品添加物である水溶性色素を添加する工程と、前記水溶性色素が添加された炭酸水素ナトリウムを固形状に成型する工程とを有するものである。

0034

本実施形態において、まず始めに、炭酸水素ナトリウムとコハク酸とを混合し、炭酸水素ナトリウムとコハク酸とを含有する混合物を調製する。

0035

前記炭酸水素ナトリウムは、食の安全性の観点から、食品や医薬品に使用されているものが好ましい。また、本発明の効果が妨げられなければ、炭酸水素ナトリウムと共に炭酸ナトリウムや炭酸カルシウムなどの炭酸塩を併用することができる。

0036

前記有機酸は、本発明の効果が得られれば特に限定されず、コハク酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸などを挙げることができるが、食の安全性の観点から、食品や医薬品に使用されているものが好ましく、また、魚類に対する麻酔効果の観点から、コハク酸を用いることが好ましい。なお、本実施形態の魚類用麻酔剤では、麻酔剤としての効力に影響しない限り、2種類以上の有機酸を併用しても差し支えない。

0037

前記炭酸水素ナトリウムと前記コハク酸の重量比は、魚類に対する麻酔効果の観点から、4:6〜6:4が好ましい。

0038

次に、前記混合物に、食品添加物である水溶性色素を成型加工後に魚類用麻酔剤の表面の一部分に存在するように添加する。

0039

前記食品添加物を添加する方法は、成型加工後の固形状魚類用麻酔剤の表面の一部分に水溶性色素が存在すれば特に限定されず、例えば、成型加工に用いる容器内にあらかじめ所定量の水溶性色素を入れ、そこに炭酸水素ナトリウムと有機酸との混合物を投入した後、これを成型加工することで固形状魚類用麻酔剤の表面の一部分に水溶性色素を含有させる方法や、成型加工に使用する前記混合物の一部をとり、ここに所定量の水溶性色素を添加した後、よく混合し、この水溶性色素を含有する混合物を成型加工に用いる容器内に入れ、ここに残りの混合物を投入した後、成型加工することで固形状魚類用麻酔剤の表面の一部分に水溶性色素を含有させる方法などが挙げられる。

0040

なお、固形状魚類用麻酔剤の表面全体に水溶性色素が存在するように添加した場合は、調製された固形状魚類用麻酔剤が空気中などの水分を吸湿しても、吸湿した水分に該水溶性色素が滲むことで該色素の色調の低下又は消失を観察することができないため、該固形状魚類用麻酔剤が吸湿することによって麻酔効果が消失したかどうかを判別することができない。

0041

前記水溶性色素は、上述の通り、食品添加物として認められたものであればよく、例えば、ベニコウジ赤色色素、クチナシ赤色色素、コチニール色素、ラック色素、アカビート色素、アントシアニン色素、クチナシ青色色素、スピルリナ青色色素、アナトー色素、クチナシ黄色色素、ベニバナ黄色色素、ウコン色素、ベニコウジ黄色色素などを挙げることができる。これら水溶性色素の中でも、pH指示機能も有するコチニ—ル色素が特に好ましいことはすでに述べたとおりである。

0042

一方、油溶性色素及び不溶性色素については、これら色素を用いて調製した固形状魚類用麻酔剤が空気中などの水分を吸湿しても、吸湿した水分中に該色素が溶け込まないため、該固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する色素は滲むことなく、該色素の色調の低下又は消失は観察されない。そのため、油溶性色素及び不溶性色素は、本実施形態の固形状魚類用麻酔剤の麻酔効果が消失したものであるかどうかを判別することができないため、使用することができない。

0043

前記水溶性色素の含有量は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、該水溶性色素の色調を肉眼で観察する観点から、0.0088重量%〜0.064重量%が好ましく、0.033重量%〜0.064重量%がさらに好ましい。

0044

また、本実施形態の魚類用麻酔剤に固形化を促進するための固形化促進剤を添加することができる。

0045

前記固形化促進剤は、食の安全性の観点から、食用グリセリンや無水エタノールが好ましい。

0046

前記食用グリセリンの添加量は、固形化を促進する観点から、炭酸水素ナトリウム等の原材料の重量に対して2.5〜15重量%が好ましい。

0047

前記無水エタノールの添加量は、固形化を促進する観点から、炭酸水素ナトリウム等の原材料の重量に対して10〜20重量%が好ましい。

0048

さらに、本発明の目的及び効果を妨げなければ、前記混合物に他の素材や食品添加物などを添加することができる。

0049

次いで、上記で調製した水溶性色素が添加された混合物を固形状に成型する。

0050

前記成型方法は、本発明の目的及び効果が得られればに特に制限されず、例えば、成型容器に原材料を入れて成型し、これを乾燥することで固形状にする方法や、プレス機を用いて成型容器に入れた原材料に高い圧力を加圧することで固形状する方法などが挙げられる。

0051

本実施形態において、原材料に固形化促進剤が含有しない場合、プレス機を用いて原材料を1cm2あたり1592ポンド以上の圧力で加圧する。

0052

このような工程を経て、水溶性色素の色調変化によって使用期限を判別することのできる炭酸水素ナトリウム由来の炭酸ガスを利用した固形状の魚類用麻酔剤を得ることができる。

0053

次に、本発明の実施形態における固形状魚類用麻酔剤の使用期限を判別する方法について説明する。本実施形態に係る固形状魚類用麻酔剤の使用期限を判別する方法は、上述の固形状魚類用麻酔剤の表面の一部分に存在する水溶性色素が空気中などの水分を吸湿することによって該水溶性色素が滲み、該水溶性色素の色調が低下又は消失したことに基づいて使用期限を判別するものである。

0054

前記固形状魚類用麻酔剤は、上述のとおりに調製した炭酸水素ナトリウムと、食品添加物である水溶性色素とを含有し、該水溶性色素の色調変化が肉眼で観察できるように該固形状魚類用麻酔剤の表面の一部分に該水溶性色素が存在するものである。

0055

本実施形態において、前記水溶性色素の色調変化は、前記固形状魚類用麻酔剤の表面の一部分に存在する水溶性色素の色調を肉眼で観察し、該色素が滲むことによって該色素の色調の低下又は消失を判別する。このとき、前記水溶性色素が滲むことで色調が低下又は消失していれば、前記固形状魚類用麻酔剤が吸湿したことを示し、吸湿によって固形状魚類用麻酔剤から麻酔の有効成分である炭酸ガスが放出されたために麻酔効果が消失して該固形状魚類麻酔剤の使用期限が徒過したことを簡単に判別できる。

0056

1.固形状魚類用麻酔剤の調製
(1)固形化促進剤を用いて成型加工した固形状魚類用麻酔剤
炭酸水素ナトリウムとコハク酸とを重量比で1:1となるようにそれぞれ計量し、これを乳鉢で混合した後、この混合物に対して食用グリセリン2.5重量%を加えて混練し、混練物を調製した。

0057

一方、上記と同様に、炭酸水素ナトリウムとコハク酸とを重量比で1:1となるようにそれぞれ計量して調製した混合物に、該混合物に対して固形化促進剤である食用グリセリンを2.5重量%加えて混練した。この混練物に食品添加物である水溶性色素(コチニール色素、クチナシ黄色色素、スピルリナ青色色素又はクチナシ緑色色素)を該混練物に対して0.1重量%〜8重量%加えて混合することで水溶性色素含有混練物を調製した。

0058

上記で調製した水溶性色素0.1重量%〜6重量%を含む水溶性色素含有混練物0.1gを計量し、これを固形状に成型加工するための成型容器内に入れた後、上記で調製した水溶性色素を含まない混練物約12gを加えて押し固め、これを60℃の乾燥機内で24時間保持することで固形状魚類用麻酔剤を調製した。

0059

0060

(2)プレス機を用いて成型加工した固形状魚類用麻酔剤
炭酸水素ナトリウムとコハク酸とを重量比で1:1となるようにそれぞれ計量し、これを乳鉢で混合することで混合物を調製した。

0061

一方、上記と同様に、炭酸水素ナトリウムとコハク酸とを重量比で1:1となるようにそれぞれ計量した混合物に、該混合物に食品添加物であるコチニール色素(水溶性色素)を6重量%加えて混合することでコチニール色素含有混合物を調製した。

0062

上記で調製した混合物約12gをプレス機の成型容器(直径40mmの円形状容器)に入れ、これを1cm2あたり398〜1592ポンドの圧力で1分間加圧することで固形状に成型した。次いで、この固形状に成型された混合物の表面の一部分に上記で調製したコチニール色素含有混合物0.1gを添加し、再度、1cm2あたり398〜1592ポンドの圧力で1分間加圧することで固形状魚類用麻酔剤を調製した。

0063

0064

2.吸湿による色調変化及び麻酔効果について
上記1.(1)で調製した各種固形状魚類用麻酔剤(実施例1〜9)を温度35℃、湿度80%以上の恒温器内で4日間保持した後、該固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する水溶性色素の色調変化及び該固形状魚類用麻酔剤の麻酔効果について調べた。

0065

すなわち、固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する水溶性色素の色調変化は、湿度80%以上の恒温器で保持する前の吸湿していない固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する水溶性色素の色調(0日後)と、湿度80%以上の恒温器に4日間保持することで吸湿させた固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する水溶性色素の色調(4日後)を比較することで水溶性色素の色調の低下又は消失を評価した。

0066

一方、固形状魚類用麻酔剤の魚類に対する麻酔効果は、水温が25℃の海水20Lに濃度が1.6g/Lとなるように湿度80%以上の恒温器に4日間保持することで吸湿させた魚類用麻酔剤を溶解し、これに25℃の海水で飼育されたフグ(約20g/個体)5尾を投入し、フグを投入した時点から麻酔に懸るまでの時間を計測することで調べた。なお、フグが麻酔に懸ったかどうかについては、フグの動きなどを肉眼で観察し、横転呼吸緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、対照は、乾燥条件下で保持することで吸湿していない固形状魚類用麻酔剤を用いた。

0067

図1〜9に示すように、湿度80%以上の恒温器に4日間保持することで吸湿させた魚類用麻酔剤の表面に存在する水溶性色素の色調(4日後)は、吸湿していない場合(0日後)と比べ、全ての場合において固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する水溶性色素が滲み、その色調が低下又は消失していた。

0068

また、湿度80%以上の恒温器に4日間保持した固形状魚類用麻酔剤を用いて、フグが麻酔にかかるかどうかを調べたところ、全ての場合において、フグに麻酔が懸からなかったのに対し、乾燥条件下で保持することで吸湿していない固形状魚類用麻酔剤を用いた場合には、フグが麻酔に懸かった。

0069

このように、固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する水溶性色素の色調が低下又は消失したものを使用した場合は、魚類に対して麻酔効果が得られなかったことから、固形状魚類用麻酔剤の表面に存在する水溶性色素の色調変化を肉眼で観察することによって該固形状魚類用麻酔剤が魚類に対して麻酔効果を有するかどうかを判別できることが分かった。

0070

3.固形化促進剤を用いて成型加工した固形状魚類用麻酔剤の麻酔効果
(1)トラフグ
水温が17.5〜27.5℃の海水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が0.1〜8g/Lとなるように溶解し、これに平均120g/個体のトラフグ5尾を投入し、トラフグを投入した時点からトラフグが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、トラフグが麻酔に懸ったかどうかについて、トラフグの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の海水のpHを測定した。

0071

表3に示したように、トラフグは、水温が17.5〜27.5℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が1g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、固形状魚類用麻酔剤の濃度が0.7g/L以下の濃度ではいずれの海水温度においても麻酔に懸らなかった。

0072

0073

(2)アメマス
水温が1〜20℃の淡水又は海水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が0.1〜8g/Lとなるように溶解し、これに1〜20℃の淡水又は海水で飼育された約230g/個体のアメマス5尾を投入し、アメマスを投入した時点からアメマスが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、アメマスが麻酔に懸ったかどうかについて、アメマスの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を淡水又は海水に投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の淡水又は海水のpHを測定した。

0074

表4に示したように、淡水で飼育したアメマスは、水温が1〜20℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が2g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、水温が1℃の場合は、固形状魚類用麻酔剤の濃度が1g/Lでも麻酔に懸ったが、0.1g/Lでは麻酔に懸らなかった。

0075

0076

一方、表5に示したように、海水で飼育したアメマスは、水温が1〜20℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が2g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。また、水温が10及び20℃の場合は、魚類用麻酔剤の濃度が1g/Lでも麻酔に懸ったが、0.1g/Lでは麻酔に懸らなかった。

0077

0078

(3)ウグイ
水温が1〜30℃の淡水又は海水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が0.1〜8g/Lとなるように溶解し、これに1〜30℃の淡水又は海水で飼育された約160g/個体のウグイ5尾を投入し、ウグイを投入した時点からウグイが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、ウグイが麻酔に懸ったかどうかについて、ウグイの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を淡水又は海水に投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の淡水又は海水のpHを測定した。

0079

表6に示したように、淡水で飼育したウグイは、水温が1〜30℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が4g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、水温が1℃の場合は、固形状魚類用麻酔剤の濃度が2g/L及び1g/Lでも麻酔に懸ったが、0.1g/Lの濃度では麻酔に懸らなかった。なお、本実施例でも、固形状魚類用麻酔剤の投入前後のpHの変化を水中に投入した固形状魚類用麻酔剤の色を観察することで、目視によって容易に確認することができた。

0080

0081

一方、表7に示したように、海水で飼育したウグイは、水温が1〜30℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が4g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。また、水温が1℃の場合は、固形状魚類用麻酔剤の濃度が2g/Lでも麻酔に懸ったが、1g/Lの濃度では麻酔に懸らなかった。

0082

0083

(4)フクドジョウ
水温が1〜20℃の淡水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が1〜8g/Lとなるように溶解し、これに1〜20℃の淡水で飼育された約6g/個体のフクドジョウ5尾を投入し、フクドジョウを投入した時点からフクドジョウが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、フクドジョウが麻酔に懸ったかどうかについて、フクドジョウの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を淡水に投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の淡水のpHを測定した。

0084

表8に示したように、淡水で飼育したフクドジョウは、水温が1〜20℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が2g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、固形状魚類用麻酔剤の濃度が1g/Lの濃度では麻酔に懸らなかった。

0085

0086

(5)ゼブラフィッシュ
水温が20〜30℃の淡水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が1〜10g/Lとなるように溶解し、これに20〜30℃の淡水で飼育された約0.25g/個体のゼブラフィッシュ5尾を投入し、ゼブラフィッシュを投入した時点からゼブラフィッシュが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、ゼブラフィッシュが麻酔に懸ったかどうかについて、ゼブラフィッシュの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を淡水に投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の淡水のpHを測定した。

0087

表9に示したように、淡水で飼育したゼブラフィッシュは、水温が20〜30℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が4g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、水温が30℃の場合は、固形状魚類用麻酔剤の濃度が2g/Lでも麻酔に懸ったが、1g/Lの濃度では麻酔に懸らなかった。

0088

0089

(6)プラティ
水温が20〜30℃の淡水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が2〜10g/Lとなるように溶解し、これに20〜30℃の淡水で飼育された約0.4g/個体のプラティ5尾を投入し、プラティを投入した時点からプラティが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、プラティが麻酔に懸ったかどうかについて、プラティの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を淡水に投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の淡水のpHを測定した。

0090

表10に示したように、淡水で飼育したプラティは、水温が20〜30℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が4g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、固形状魚類用麻酔剤の濃度が2g/Lでは麻酔に懸らなかった。

0091

0092

(7)メダカ
水温が10〜30℃の淡水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が1〜10g/Lとなるように溶解し、これに10〜30℃の淡水で飼育された約0.23g/個体のメダカ5尾を投入し、メダカを投入した時点からメダカが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、メダカが麻酔に懸ったかどうかについて、メダカの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を淡水に投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の淡水のpHを測定した。

0093

表11に示したように、淡水で飼育したメダカは、水温が10〜30℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が4g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、水温が10℃の場合は、固形状魚類用麻酔剤の濃度が2g/Lでも麻酔に懸ったが、1g/Lの濃度では麻酔に懸らなかった。

0094

0095

(8)ニシキゴイ
水温が5〜30℃の淡水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が1〜20g/Lとなるように溶解し、これに5〜30℃の淡水で飼育された約27g/個体のニシキゴイ5尾を投入し、ニシキゴイを投入した時点からニシキゴイが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、ニシキゴイが麻酔に懸ったかどうかについて、ニシキゴイの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を淡水に投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の淡水のpHを測定した。

0096

表12に示したように、淡水で飼育したニシキゴイは、水温が20〜30℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が5g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、固形状魚類用麻酔剤の濃度が1g/Lでは麻酔に懸らなかった。

0097

0098

(9)マゴイ
水温が5〜30℃の淡水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が1〜20g/Lとなるように溶解し、これに5〜30℃の淡水で飼育された約26g/個体のマゴイ5尾を投入し、マゴイを投入した時点からマゴイが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、マゴイが麻酔に懸ったかどうかについて、マゴイの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を淡水に投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の淡水のpHを測定した。

0099

表13に示したように、淡水で飼育したマゴイは、水温が20〜30℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が5g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、固形状魚類用麻酔剤の濃度が1g/Lの濃度では麻酔に懸らなかった。

0100

0101

(10)ティラピア
水温が20〜30℃の淡水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が1〜20g/Lとなるように溶解し、これに20〜30℃の淡水で飼育された約29g/個体のティラピア5尾を投入し、ティラピアを投入した時点からティラピアが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、ティラピアが麻酔に懸ったかどうかについて、ティラピアの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を淡水に投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の淡水のpHを測定した。

0102

表14に示したように、淡水で飼育したティラピアは、水温が20〜30℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が5g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、固形状魚類用麻酔剤の濃度が1g/Lの濃度では麻酔に懸らなかった。

0103

0104

(11)ニジマス
水温が1〜20℃の淡水又は海水20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が0.1〜8g/Lとなるように溶解し、これに1〜20℃の淡水又は海水で飼育された約159g/個体のニジマス5尾を投入し、ニジマスを投入した時点からニジマスが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、ニジマスが麻酔に懸ったかどうかについて、ニジマスの鰭の動きを肉眼で観察し、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を淡水に投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後の淡水のpHを測定した。

0105

表15に示したように、淡水で飼育したニジマスは、水温が1〜20℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が1g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、固形状魚類用麻酔剤の濃度が0.1g/Lの濃度では麻酔に懸らなかった。

0106

一方、表16に示したように、海水で飼育したニジマスは、水温が1〜20℃のすべての場合において、固形状魚類用麻酔剤の濃度が1g/L以上で麻酔に懸ることが分かった。一方、固形状魚類用麻酔剤の濃度が0.1g/Lの濃度では麻酔に懸らなかった。

0107

水温が10℃の淡水又は汽水(2/3海水pH8.06のもの又は1/3海水海水pH7.92のもの)20Lに、上記1.(1)で調製した実施例2のコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が0.1〜8g/Lとなるように溶解し、これに10℃の淡水又は汽水(2/3海水pH8.06のもの又は1/3海水海水pH7.92のもの)で飼育された約159g/個体のニジマス5尾を投入し、ニジマスを投入した時点からニジマスが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、ニジマスが麻酔に懸ったかどうかについて、ニジマスの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。また、固形状魚類用麻酔剤を投入してから完全に溶けるまでの時間を計数した。さらに、固形状魚類用麻酔剤を投入する前後のpHを測定した。

0108

表17に示したように、pHをアルカリ性にして汽水で飼育したニジマスは、それらを麻酔にかけると、pHを中性にして汽水で飼育したニジマスと比較して、麻酔剤が懸りにくくなる傾向が認められた。同様に、pHをアルカリ性にして淡水で飼育したニジマスは、それらを麻酔にかけると、pHを中性にして淡水で飼育したニジマスと比較して、麻酔剤が懸りにくくなる傾向が認められた。このことから、酸性状態では麻酔に懸りやすく、海水(pH8付近)を中性(pH7付近)にすると、さらに短い時間で麻酔に懸ると推察された。

0109

0110

なお、上述の各実験においては、固形状魚類用麻酔剤の投入前後の水のpH変化の状況を水中に投入した固形状魚類用麻酔剤の色の変化を目視により観察することによっても、容易に確認することができた。

0111

4.プレス機を用いて成型加工した固形状魚類用麻酔剤の麻酔効果
水温が20〜30℃の海水20Lに、上記1.(2)で調製した実施例10のプレス機を用いて成型加工したコチニール色素の色調が変化していない固形状魚類用麻酔剤の濃度が0.4〜1.0g/Lとなるように溶解し、これに24℃の淡水で飼育された約1.2g/固体全長31mm)のマダイ5尾を投入し、マダイを投入した時点からマダイが麻酔に懸るまでの時間を計測した。なお、マダイが麻酔に懸ったかどうかについて、マダイの鰭の動きなどを肉眼で観察し、横転、呼吸が緩慢になり、鰭の動きが停止した時点で麻酔に懸ったと判断した。一方、対照として、上記1.(1)で調製した固形化促進剤を用いて成型加工したコチニール色素の色調が変化していない魚類用麻酔剤(実施例2)についても同様に調べた。

0112

表18に示したように、プレス機によって成型加工した固形状魚類用麻酔剤は、固形化促進剤によって成型加工した固形状魚類用麻酔剤と同様の麻酔効果が得られた。このように、プレス機による加圧によって成型加工した固形化魚類用麻酔剤及び固形化促進剤によって成型加工した固形状魚類用麻酔剤ともに魚類に対して同様の麻酔効果が得られ、成型加工方法に関わらず固形状魚類用麻酔剤が魚類に対して麻酔効果を有することが分かった。

実施例

0113

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