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技術 変調ガイドされた位相アンラッピング

出願人 キヤノン株式会社
発明者 ピーターアレインフレッチャールーミンパン
出願日 2014年12月2日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2014-244374
公開日 2015年7月2日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2015-119963
状態 特許登録済
技術分野 放射線診断機器
主要キーワード シヌソイド関数 位相閾値 フリンジ領域 極小位置 振幅変調情報 トランシーバデバイス 位相記録 センサ解
関連する未来課題
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図面 (20)

課題

位相イメージングにおけるラッピングに起因した画像の不連続を解消する。

解決手段

撮影画像121の位相を判定する方法は、各々が撮影画像における少なくとも1つの領域に関連付けられた、ラップされた位相値変調値を示す復調画像405を撮影画像から形成し420、複数の変調値に依存して撮影画像におけるエッジの位置を識別し、エッジの識別された位置に依存して、撮影画像のラップされた位相値における実質的な変化の位置を判定し、エッジの位置とラップされた位相値における実質的な変化の位置に基づいて、ラップされた位相値における実質的な変化の位置をエッジの識別された位置へシフトすることにより、アンラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定する。

概要

背景

世紀から現在に至るまで、イメージング装置において(通常は不可視の)位相変化可視化するための多くの技術が開発されてきた。これらの技術は、ゼルニケ位相コントラストノルマルスキ微分干渉コントラスト全般的な位相コントラスト、フーコーナイフエッジシャドウグラフおよび暗視野を含む。

さらに最近では、これらの技術のいくつかをX線イメージング拡張することに進展があった。一般的な吸収X線イメージングでは、柔軟な組織における低吸収性により検知可能なコントラストを生成できないが、位相コントラストX線イメージングは、柔軟な組織を撮影する能力を提供する。X線の特に困難な性質を扱うために多くの新しい位相コントラスト技術が開発されてきた。これらの困難さは、主として、X線ビーム透過能利用可能な屈折率の範囲が小さいことに起因した、X線ビームをフォーカシングし撮影することの困難さに関連する。現在の技術は、TIE強度輸送方程式(Transport Intensity Equation))、位相コントラストイメージングタイコグラフィー(Ptychography)を含む。もう一つの現在の技術は、「X線タルボ型干渉計(XTI)」として知られる。これは、一つまたは複数の位相微分画像エンコードする中間画像をもたらす。XTI法は、単純線形格子(simple linear grating)を用いて実施されると、一つの位相微分画像を提供する。二次元交叉)格子で実施されるXTIはx位相微分画像とy位相微分画像をもたらす。以降、本開示においては、簡単のために、xおよびy方向における位相微分を「位相」と称する。

位相イメージングの問題は、シヌソイド関数(sinusoidal function)に埋め込まれるため、リカバーされた位相情報がほとんど常にラップされている(wrapped)ことである。換言すれば、そのような位相イメージングシステムからリカバーされる位相値が、潜在的な位相値の2πラジアン剰余となっている。典型的な位相アンラッピング法は位相内の不連続を探し、真の位相値を回復するために2πの整数加算または減算することにより急なジャンプドロップ補償する。

位相アンラッピングは、一般に、困難な問題である。その問題は、本質的にあいまいな、ラッピングに起因した不連続と、真のアンラップされた位相に存在する不連続とを区別する一貫した方法がないからである。位相の不連続は、「残余(residue)」に関連する。残余は位相における、拡張された不連続の領域の開始または終了点を構成する、不連続の単一の点である。

位相をアンラップするために、いくつかの方法は3つの段階で動作する。すなわち、残余を見出し、残余を連結してある程度の不連続を最小化し、flood-fillアルゴリズムを用いて領域内の位相値を補正する。

しかしながら、これらのアルゴリズムは領域ベースであるため、失敗した場合には非常に目立つアーチファクト、たとえばイメージエリアの実質的な断片を覆う2πのオフセットのようなアーチファクトを生成してしまう。

図3は、従来技術の不正確な位相アンラッピングの結果の一例を示す図である。図3は、従来技術の位相アンラッピングアルゴリズムによる位相ラッピング効果として扱われる真正位相エッジ仮想的な一次元の例である。図3は、位相信号における実際の不連続を示す(310に示す)。この不連続において、信号311は徐々に最小値312へ低下し、非常に高い値313へジャンプし、314で示されるように再び減少する。現在の位相アンラッピング法の一つでは、この不連続を検出し、不連続312/313の右にある領域314を2πだけ下方へ移動する。これは、不連続点312/313の直前の信号の傾斜(316参照)及び直後の信号の傾斜(315参照)が一致すると考えられることに基づいている。しかし、320で示される結果は、誤って実際の位相エッジを除去するだけでなく、位相値を2πオフセットし、誤差を信号の終了位置まで伝播させる。

概要

位相イメージングにおけるラッピングに起因した画像の不連続を解消する。撮影画像121の位相を判定する方法は、各々が撮影画像における少なくとも1つの領域に関連付けられた、ラップされた位相値と変調値を示す復調画像405を撮影画像から形成し420、複数の変調値に依存して撮影画像におけるエッジの位置を識別し、エッジの識別された位置に依存して、撮影画像のラップされた位相値における実質的な変化の位置を判定し、エッジの位置とラップされた位相値における実質的な変化の位置に基づいて、ラップされた位相値における実質的な変化の位置をエッジの識別された位置へシフトすることにより、アンラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定する。

目的

一般的な吸収X線イメージングでは、柔軟な組織における低吸収性により検知可能なコントラストを生成できないが、位相コントラストX線イメージングは、柔軟な組織を撮影する能力を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

撮影画像位相を判定する方法であって、前記撮影画像から復調画像を形成するステップと、前記復調画像は複数のラップされた位相値と複数の変調値を示し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像における少なくとも1つの領域に関連付けられ、前記複数の変調値に依存して前記撮影画像におけるエッジの位置を識別するステップと、前記エッジの前記識別された位置に依存して、前記撮影画像の前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置を判定するステップと、前記エッジの位置と前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置に基づいて、アンラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置を前記エッジの識別された位置へシフトすることにより、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定するステップと、を有することを特徴とする方法。

請求項2

撮影画像の位相を判定する方法であって、前記撮影画像から復調画像を形成し、前記復調画像は複数のラップされた位相値と複数の変調値を示し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像における少なくとも1つの領域に関連付けられ、前記複数の変調値を解析することにより前記撮影画像におけるエッジの位置を識別し、識別された前記エッジの位置に依存して、前記撮影画像のラップされた位相値における実質的な変化の位置を判定し、前記ラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置を、前記識別された前記エッジの位置にシフトすることにより、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定する、ことを特徴とする方法。

請求項3

撮影画像の位相を判定する方法であって、前記撮影画像から復調画像を形成し、前記復調画像は複数のラップされた位相値と複数の変調値を示し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像における少なくとも1つの領域に関連付けられ、前記変調値を用いて前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置を精錬することにより撮影画像の領域に対するアンラップされた位相を判定し、前記精錬された位置の前記アンラップされた位相値は、前記精錬された位置の付近における少なくとも1つのラップされた位相値を少なくとも1サイクル調整することにより判定されることを特徴とする方法。

請求項4

位相アンラッピング方法であって、複数のラップされた位相値と複数の変調値を判定するために撮影画像を復調し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像における領域に関連し、ラップされた位相値における実質的な変化の位置と前記変調値における極小の位置を用いて、前記撮影画像の前記領域の位相をアンラッピングする、ことを特徴とする方法。

請求項5

前記撮影画像における前記エッジの位置を判定するステップは、前記変調値における極小を識別するために、前記変調値の走査ラインに沿って隣接する変調値を比較することを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項6

前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置を判定するステップは、前記ラップされた位相値を識別するために、前記ラップされた位相値の走査ラインに沿った位相差を判定することを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項7

前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置をシフトするステップでは、前記変調値における極小を識別するために、前記変調値の走査ラインに沿って隣接する変調値を比較し、前記ラップされた位相値における不連続を識別するために、ラップされた位相値の走査ラインに沿って位相差を判定し、前記識別された不連続を前記極小の位置へシフトする、ことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項8

前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置をシフトするステップでは、前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置と前記複数の変調値における識別された極小との間の画素に対する位相値を、少なくとも1サイクルシフトすることを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。

請求項9

前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置をシフトするステップでは、前記極小における変調値の減少の度合いを判定し、前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置を、前記判定された度合いに依存して、少なくとも1サイクルシフトすることを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。

請求項10

撮影画像の位相を検出する装置であって、プロセッサと、前記プロセッサに方法を実行させるためのコンピュータ実行可能なプログラムを格納したメモリと、を備え、前記方法が、前記撮影画像から復調画像を形成するステップと、前記復調画像は複数のラップされた位相値と複数の変調値を示し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像の少なくとも1つの領域に関連し、前記撮影画像におけるエッジの位置を、前記複数の変調値に依存して識別するステップと、前記撮影画像におけるラップされた位相値における実質的な変化の位置を、前記エッジの前記識別された位置に依存して判定するステップと、前記エッジの位置と前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置に基づいて、アンラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置を前記エッジの前記識別された位置へシフトすることにより、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定するステップと、を備えることを特徴とする装置。

請求項11

プロセッサに撮影画像における位相を検出する方法を実行させるための、コンピュータ実行可能なプログラムを格納したコンピュータ可読格納媒体であって、前記方法が、前記撮影画像から復調画像を形成するステップと、前記復調画像は複数のラップされた位相値と複数の変調値を示し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像の少なくとも1つの領域に関連し、前記撮影画像におけるエッジの位置を、前記複数の変調値に依存して識別するステップと、前記撮影画像におけるラップされた位相値における実質的な変化の位置を、前記エッジの前記識別された位置に依存して判定するステップと、前記エッジの前記位置と前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置に基づいて、アンラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置を前記エッジの前記識別された位置へシフトすることにより、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定するステップと、を有する、ことを特徴とするコンピュータ可読媒体

請求項12

撮影画像からのラップされた位相値と複数の変調値より判定された、アンラップされた位相記録であって、前記アンラップされた位相記録が、前記撮影画像から復調画像を形成するステップと、前記復調画像は複数のラップされた位相値と複数の変調値を示し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像の少なくとも1つの領域に関連し、前記撮影画像におけるエッジの位置を、前記複数の変調値に依存して識別するステップと、前記撮影画像におけるラップされた位相値における実質的な変化の位置を、前記エッジの前記識別された位置に依存して判定するステップと、前記エッジの前記位置と前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置に基づいて、アンラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置を前記エッジの前記識別された位置へシフトすることにより、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定するステップと、を備える方法により決定される、ことを特徴とするアンラップされた位相記録。

技術分野

0001

本発明は、X線イメージングに関し、特に、タルボ干渉計ステム(Talbot interferometry system)において取得された画像の集合からの潜在的な位相情報の抽出に関する。

背景技術

0002

世紀から現在に至るまで、イメージング装置において(通常は不可視の)位相変化可視化するための多くの技術が開発されてきた。これらの技術は、ゼルニケ位相コントラストノルマルスキ微分干渉コントラスト全般的な位相コントラスト、フーコーナイフエッジシャドウグラフおよび暗視野を含む。

0003

さらに最近では、これらの技術のいくつかをX線イメージングへ拡張することに進展があった。一般的な吸収X線イメージングでは、柔軟な組織における低吸収性により検知可能なコントラストを生成できないが、位相コントラストX線イメージングは、柔軟な組織を撮影する能力を提供する。X線の特に困難な性質を扱うために多くの新しい位相コントラスト技術が開発されてきた。これらの困難さは、主として、X線ビーム透過能利用可能な屈折率の範囲が小さいことに起因した、X線ビームをフォーカシングし撮影することの困難さに関連する。現在の技術は、TIE強度輸送方程式(Transport Intensity Equation))、位相コントラストイメージングタイコグラフィー(Ptychography)を含む。もう一つの現在の技術は、「X線タルボ型干渉計(XTI)」として知られる。これは、一つまたは複数の位相微分画像エンコードする中間画像をもたらす。XTI法は、単純線形格子(simple linear grating)を用いて実施されると、一つの位相微分画像を提供する。二次元交叉)格子で実施されるXTIはx位相微分画像とy位相微分画像をもたらす。以降、本開示においては、簡単のために、xおよびy方向における位相微分を「位相」と称する。

0004

位相イメージングの問題は、シヌソイド関数(sinusoidal function)に埋め込まれるため、リカバーされた位相情報がほとんど常にラップされている(wrapped)ことである。換言すれば、そのような位相イメージングシステムからリカバーされる位相値が、潜在的な位相値の2πラジアン剰余となっている。典型的な位相アンラッピング法は位相内の不連続を探し、真の位相値を回復するために2πの整数加算または減算することにより急なジャンプドロップ補償する。

0005

位相アンラッピングは、一般に、困難な問題である。その問題は、本質的にあいまいな、ラッピングに起因した不連続と、真のアンラップされた位相に存在する不連続とを区別する一貫した方法がないからである。位相の不連続は、「残余(residue)」に関連する。残余は位相における、拡張された不連続の領域の開始または終了点を構成する、不連続の単一の点である。

0006

位相をアンラップするために、いくつかの方法は3つの段階で動作する。すなわち、残余を見出し、残余を連結してある程度の不連続を最小化し、flood-fillアルゴリズムを用いて領域内の位相値を補正する。

0007

しかしながら、これらのアルゴリズムは領域ベースであるため、失敗した場合には非常に目立つアーチファクト、たとえばイメージエリアの実質的な断片を覆う2πのオフセットのようなアーチファクトを生成してしまう。

0008

図3は、従来技術の不正確な位相アンラッピングの結果の一例を示す図である。図3は、従来技術の位相アンラッピングアルゴリズムによる位相ラッピング効果として扱われる真正位相エッジ仮想的な一次元の例である。図3は、位相信号における実際の不連続を示す(310に示す)。この不連続において、信号311は徐々に最小値312へ低下し、非常に高い値313へジャンプし、314で示されるように再び減少する。現在の位相アンラッピング法の一つでは、この不連続を検出し、不連続312/313の右にある領域314を2πだけ下方へ移動する。これは、不連続点312/313の直前の信号の傾斜(316参照)及び直後の信号の傾斜(315参照)が一致すると考えられることに基づいている。しかし、320で示される結果は、誤って実際の位相エッジを除去するだけでなく、位相値を2πオフセットし、誤差を信号の終了位置まで伝播させる。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は、既存の構成の1つまたは複数の不具合を実質的に解消するまたは少なくとも改善することにある。

課題を解決するための手段

0010

変調ガイド位相アンラッピング(Modulation Guided PhaseUnwrapping(MGPU))と称される構成が開示される。MGPUは、撮影された画像に関して変調値における検出された極小値に依存して、その撮影された画像から位相値において検出された不連続の位置を精査することにより上述の課題を追求する。

0011

本発明の第1の態様によれば、撮影画像の位相を判定する方法が提供される。その方法は、
前記撮影画像から復調画像を形成するステップと、前記復調画像は複数のラップされた位相値と複数の変調値を示し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像における少なくとも1つの領域に関連付けられ、
前記複数の変調値に依存して前記撮影画像におけるエッジの位置を識別するステップと、
前記エッジの前記識別された位置に依存して、前記撮影画像の前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置を判定するステップと、
前記エッジの位置と前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置に基づいて、アンラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置を前記エッジの識別された位置へシフトすることにより、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定するステップと、を有する。

0012

本発明の他の形態によれば、撮影画像について位相を判定する装置が提供される。その装置は、
プロセッサと、
前記プロセッサに方法を実行させるためのコンピュータ実行可能なプログラムを格納したメモリと、を備え、前記方法が、
前記撮影画像から復調画像を形成するステップと、前記復調画像は複数のラップされた位相値と複数の変調値を示し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像の少なくとも1つの領域に関連し、
前記撮影画像におけるエッジの位置を、前記複数の変調値に依存して識別するステップと、
前記撮影画像におけるラップされた位相値における実質的な変化の位置を、前記エッジの前記識別された位置に依存して判定するステップと、
前記エッジの位置と前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置に基づいて、アンラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置を前記エッジの前記識別された位置へシフトすることにより、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定するステップと、を備える。

0013

本発明の他の形態によれば、プロセッサに撮影画像における位相を検出する方法を実行させるための、コンピュータ実行可能なプログラムを格納したコンピュータ可読格納媒体であって、前記方法が、
前記撮影画像から復調画像を形成するステップと、前記復調画像は複数のラップされた位相値と複数の変調値を示し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像の少なくとも1つの領域に関連し、
前記撮影画像におけるエッジの位置を、前記複数の変調値に依存して識別するステップと、
前記撮影画像におけるラップされた位相値における実質的な変化の位置を、前記エッジの前記識別された位置に依存して判定するステップと、
前記エッジの前記位置と前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置に基づいて、アンラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置を前記エッジの前記識別された位置へシフトすることにより、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定するステップと、を備えるコンピュータ可読媒体が提供される。

0014

本発明の他の形態によれば、撮影画像からのラップされた位相値と複数の変調値より判定された、アンラップされた位相記録が提供され、前記アンラップされた位相記録は、
前記撮影画像から復調画像を形成するステップと、前記復調画像は複数のラップされた位相値と複数の変調値を示し、ラップされた位相値の各々と変調値の各々は前記撮影画像の少なくとも1つの領域に関連し、
前記撮影画像におけるエッジの位置を、前記複数の変調値に依存して識別するステップと、
前記撮影画像におけるラップされた位相値における実質的な変化の位置を、前記エッジの前記識別された位置に依存して判定するステップと、
前記エッジの前記位置と前記ラップされた位相値における実質的な変化の位置に基づいて、アンラップされた位相値が少なくとも1サイクル調整されるように前記ラップされた位相値における前記実質的な変化の位置を前記エッジの前記識別された位置へシフトすることにより、少なくとも1つのアンラップされた位相値を判定するステップと、を備える方法により決定される。

0015

本発明の他の態様についても開示される。

図面の簡単な説明

0016

本発明の1つまたは複数の実施形態について以下の図面を参照して説明する。
1つのMGPU構成にしたがったX線タルボ干渉計のための実験的な構成を示す図である。
図1の構成で用いられる格子の例を示す図である。
従来技術による正しくない位相アンラッピングの結果の例を示す図である。
PGU構成に従った、X線タルボ干渉写真の画像のための復調処理を示すフローチャートである。
1つのMGPU構成に従ったX線タルボ干渉写真における変調情報を用いたx方向における位相アンラッピングの方法を示すフローチャートである。
1つのMGPU構成に従ったX線タルボ干渉写真における変調情報を用いたy方向における位相アンラッピングの方法を示すフローチャートである。
図5および図6の処理に用いられる位相アンラッピング法を示すフローチャートである。
図7において用いられる前処理ステップのフローチャートである。
図8において用いられる配向ぼけ法を示すフローチャートである。
図7において用いられる関連点をマークする処理を示すフローチャートである。
1つのMGPU構成に従った、図7において用いられる走査線位相アンラッピング処理を示すフローチャートである。
1つのMGPUに従った、図11において用いられるコスト効率の高い位相アンラッピング処理を示すフローチャートである。
図11において用いられる位相信号の接続を示す図である。
1つのMGPUに従った、図12において用いられる、低コストな位相信号セグメント接続方法を示す仮想的な例を示す図である。
1つのMGPU構成に従ったラップされた位相エッジの例を示す図である。
1つのMGPU構成に従った、2つの処理方向のうちの1つにおける走査線の例を示す図である。
画素の配向と勾配方向の例を示す図である。
説明される構成を実現可能な汎用コンピュータシステムブロック図である。
説明される構成を実現可能な汎用コンピュータシステムのブロック図である。
特定の位相閾値より小さい位相値のための、位相サイズと変調ドロップ1903の間に存在する線形関係を示す図である。


オリジナル画像の拡大版を生成するために、どのようにモアレ効果が使用されるかを示す図である。
ボケ領域の例を示す図である。
32画素のフリンジ領域を有する96×96領域のXTIモアレ画像の例を示す図である。
XTI変調画像の96×96領域の例を示す図である。
XTI位相画像の96×96領域の例を示す図である。

実施例

0017

コンテクスト
1つまたはそれ以上の図面において、同一の参照番号を有するステップおよび/または構成が参照されるが、それらのステップおよび/または構成は、別の意向が示されない限り、本説明の目的のために同じ機能または動作を有する。

0018

なお、「背景」のセクションに含まれる議論および従来技術の構成に関連する議論は、出版および/または使用を通じて公知を形成するそれぞれの文書および/または装置の議論に関連していることに留意されたい。そのような議論は、本発明者または特許出願人による説明として解釈されるべきではない。そのような文書または装置が、多少なりとも、本技術分野における共通の一般的な知識の一部を形成するものとして解釈されるべきではない。

0019

図1は、1つのMGPU構成にしたがった、X線タルボ干渉計(XTI)の実験的な構成100を示す図である。図1は、XTIの一例を示す。ソース格子G0(101)、オブジェクト102、および位相格子G1(110)がX線源104によって照射される。タルボ効果により、位相格子G1(110)の後ろ自己像120が形成される。自己像120は干渉図形(interferogram)ともいう。用語「干渉図形」は、位相差画像形成に用いられるイメージング技術を用いて生成される、あらゆるフリンジ画像に関する一般的な用語である。X線波(X-ray wave)がオブジェクト102によりシフトされるので、自己像120はオブジェクト102に関して変形される。その変形された自己像120を解析することにより、オブジェクト102の特性が推測される。この種のX線イメージングではコントラストを生成するために吸収の代わりに位相差を利用するので、XTIシステムの解像度は一般的なX線吸収アプローチを用いて達成される解像度に比べて非常に高くなる。図1において、自己像120の位置にある吸収格子G2(130)は、自己像120を構成するモアレ画像(フリンジ画像)の生成を助長する。通常、吸収格子G2(130)の周期は自己像120の周期に類似するように設計される。これは、変形された自己像120と吸収格子G2(130)を重ねることにより生成されたモアレ画像が、イメージセンサ140の位置にオリジナルの自己像120の非常に大きいバージョンを生成するようにするためである。イメージセンサ140は、画像を解像(resolve)し、干渉図形の一種である、撮影されたXTI画像121を生成する。詳細は、図20A図20Cの参照により後述する。

0020

図20A〜20Cは、モアレ効果がどのようにしてオリジナル画像の大きなバージョンを生成するのかを説明する図である。図20Aは、フリンジ周期2001を有するフリンジ画像を示し、図20Bは、図20Aと同じフリンジ周期2001を有し、わずかにチルトしたバージョンを示す。図20Cに示されるようにこれら2つのフリンジ画像が重ねられ、センサにおいてローパスフィルタされると、2002により示される大きなフリンジ周期のモアレ画像が形成される。センサ解像度限界により、図20Aまたは図20Bにおけるフリンジ画像は、いくつかの画像センサに関して解像するのが困難または不可能である。しかしながら、モアレ効果により、低価格なセンサが、より小さいフリンジ周期のフリンジ画像を解像することが可能になる。

0021

図22は、XTIシステムからの実際のモアレ画像の例2210を示す。画像2210は、モアレ画像からの96×96の領域であり、モアレフリンジにおける32画素周期を持つ。この領域に潜在するオブジェクトは毛皮を有する動物の一部であり、このようにモアレ画像はいたるところで歪んでいる。この画像は、各々が異なる位相ステップを含む画像の16のうちの1つであり、それから振幅および位相の画像が復調される。図22における参照符号2220はXTI撮影画像のフリンジ周期を示し、その周期はフリンジあたり32画素である。「フリンジ周期」という用語は、画像の2つの輝度値ピークの間のx方向またはy方向の画素数として定義される(2220)。このMGPU構成において、xおよびy方向におけるフリンジ周期は同じであると仮定される。したがって、一つのフリンジ周期はフリンジ画像を特徴づけるために使用される。たとえば、フリンジ周期がフリンジあたり32画素であってもよいしまたはフリンジあたり8画素であってもよい。前者の場合は、後者よりも大きなフリンジ周期を有する。

0022

図2は、図1におけるMPGU配列において用いられる格子の例を示す。格子210は、G1(110)に用いられ得る位相格子の例であり、格子220はG2(130)に用いられ得る吸収格子の例である。格子210において、211で示される暗領域は、格子G1(110)上の、πの位相シフトインポーズされる領域を表す。212で示される明領域は、格子G1(110)上の、位相シフトがインポーズされない領域を表す。格子220において、213で示される暗領域は格子G2(130)上の、入射X線エネルギの大部分を吸収する領域を表す。他方、214のような明領域は、格子G2(130)上の、X線エネルギを通過させる領域を表す。

0023

XTIシステムで生成されたモアレ画像は、近似的に以下のように表される。



ここで、z(r)は、位置r(自己像における領域122として記述される、またはXTI画像121における対応領域123として記述される)における輝度値である。mx(r)およびmy(r)は、コサイン成分のxおよびy変調強度である。φx(r)およびφy(r)は、オブジェクト102のxおよびy方向における位相、すなわちξx(r)、ξy(r)、に関する位相関数である。また、a(r)は、モアレ画像においてキャプチャされたX線エネルギの量に比例する吸収ファクタである。式(1)における、φx(r)、φy(r)、ξx(r)、ξy(r)を含む位相関数は、ラジアンで表される。

0024

したがって、z(r)は撮影されたXTI画像である(モアレ画像またはフリンジ画像とも呼ばれる)。このXTI画像において、オブジェクト102に関連する振幅情報振幅変調係数mx(r)とmy(r)に含まれる。また、オブジェクト102についての位相情報が周波数変調係数φx(r)およびφy(r)に含まれ、それらはオブジェクト102のxおよびy方向における位相ξx(r)、ξy(r)に関連する。

0025

式(1)は、XTIシステムにおける画像形成処理モデル化したものである。オブジェクト位相ξx(r)は位相格子G1(110)を変調し、周波数変調係数φx(r)を生成する。オブジェクト位相ξy(r)は位相格子G1(110)を変調し、周波数変調係数φy(r)を生成する。いくらかのX線エネルギの吸収およびx方向とy方向への振幅変調mx(r)、my(r)とともに、XTIシステムは、オブジェクト(102)からの情報により変調されたフリンジ画像を生成する。

0026

オブジェクト(102)からのオリジナルの情報を回復させるために、XTIシステム100において撮影されたモアレ画像z(r)は、オブジェクト102のx位相ξx(r)およびy位相ξy(r)を回復するように復調される必要がある。一つのMGPUの例において、図4の参照によりより詳細に後述される復調処理420の、復調画像と称される出力は5つの画像成分、すなわち、a(r)、mx(r)、my(r)、ξx(r)、ξy(r)を有する。ここで、ξx(r)とξy(r)はそれぞれφx(r)およびφy(r)から派生される。xおよびy振幅変調係数、すなわち、mx(r)およびmy(r)は0と1の間の範囲であり、xおよびyオブジェクト位相ξx(r)およびξy(r)は0と2πの間の範囲である。なお、コサイン関数のラッピング効果のせいで、オリジナルのxおよびyオブジェクト位相をそれらの推定ξx(r)とξy(r)から回復するために、位相アンラッピングが必要となる。すなわち、位相アンラッピングは、ξx(r)+2nπである潜在するxオブジェクト位相(nは未知の整数)とξy(r)+2mπである潜在するyオブジェクト位相(mは未知の整数)を見出すために必要である。モジュラス(modulus)として変調画像を、角度として位相画像を有する複素画像を形成するために、対応するxおよびy変調画像(mx(r)とmy(r))と位相画像(ξx(r)とξy(r))を組み合わせることは便利である。たとえば、mx(r)とξx(r)は1つの複素画像cx(r)=mx(r)exp(iξx(r))として表すことができる。同様に、my(r)とξy(r)は1つの複素画像cy(r)=my(r)exp(iξy(r))として表すことができる。さらに詳細に後述するように、cx(r)とcy(r)はそれぞれ結合されたx画像および結合されたy画像と称される。

0027

XTIシステムにおいて、位相画像は、特定の方向、たとえばxまたはy軸に平行な方向に画像を横切る光路長(optical path length:OPL)の派生(derivatives)を表す。光路長はX線のパスに沿った屈折率の積分であり、その派生は、撮影されたオブジェクトにおけるある種の屈折率境界があるところで、明らかに変化する。たとえば、撮影されたオブジェクトが体の部位であった場合に、空気から皮膚への遷移筋肉脂肪の間、または、と骨の間において画像における光路長に実質的な変化がある。この光路長の変化は位相値における大きな変化に帰結し、位相ラッピングが生じるのはこれらのエッジ部分である。

0028

本開示はX線タルボ干渉法システムから取得された少なくとも一つの干渉画像(121)から位相情報を抽出することに関する。概して、XTIシステムにおいて撮影された干渉画像は、位相情報が抽出される前に変調される。

0029

図18A、18Bは、記載される種々のMGPU構成が実現される汎用コンピュータシステム1800を表す。

0030

図18Aに示されるように、コンピュータシステム1800は、コンピュータモジュール1801と、キーボード1802、マウスポインタデバイス1803、スキャナ1826、XTI撮影システム100およびマイクロフォン1880のような入力デバイスと、プリンタ1815、表示デバイス1814およびラウドスピーカー1817を含む出力デバイスと、を有する。外部変調復調器モデムトランシーバデバイス1816は、接続1821を介して通信ネットワーク1820と通信するためにコンピュータモジュール1801により使用される。通信ネットワーク1820は、インターネットセルラ通信ネットワークあるいはプライベートLANのようなワイドエリアネットワークWAN)であってもよい。接続1821が電話回線の場合に、モデム1816は伝統的なダイアルアップモデムであってもよい。あるいは、接続1821が高容量接続(たとえばケーブル)の場合に、モデム1816はブロードバンドモデムであってもよい。通信ネットワーク1820への無線通信のために無線モデムが用いられてもよい。

0031

コンピュータモジュール1801は、典型的には少なくとも一つのプロセッサユニット1805とメモリユニット1806を含む。例えば、メモリユニット1806は、半導体ランダムアクセスメモリ(RAM)と半導体読み出し専用メモリ(ROM)を有する。コンピュータモジュール1801は複数の入出力(I/O)インターフェースを含む。I/Oインターフェースは、ビデオディスプレイ1814、ラウドスピーカー1817およびマイクロフォン1880に接続されるオーディオビデオインターフェース1807と、キーボード1802、マウス1803、スキャナ1826、XTI撮影システム、およびオプションとしてのジョイスティックあるいは他のヒューマンインターフェースデバイス(不図示)と接続されるI/Oインターフェース1813と、外部モデム1816やプリンタ1815のためのインターフェース1808を有する。ある実施例において、モデム1816は、コンピュータモジュール1801内、たとえばインターフェース1808内に組み込まれてもよい。コンピュータモジュール1801は、また、ローカルエリアネットワーク(LAN)として知られるローカルエリア通信ネットワーク1822への接続1823を介したコンピュータシステム1800の接続を可能にするローカルネットワークインターフェース1811を有する。図18Aに示されるように、ローカル通信ネットワーク1822は、また、接続1824を介して広域ネットワーク1820に接続され得る。接続1824は、典型的には、いわゆるファイアウオールデバイスまたは類似の機能性のデバイスを含む。ローカルネットワークインターフェース1811はイーサネット回路カード、Bluetooth(登録商標無線構成、あるいは、IEEE802.11無線構成を備える。しかしながら、多数の他のタイプのインターフェースがインターフェース1811として実施され得る。

0032

I/Oインターフェース1808,1813は、シリアルおよびパラレル接続性のいずれかあるいは両方とすることができる。前者は典型的にはユニバーサルシリアルバス(USB)スタンダードにしたがって実施され、対応するUSB接続(不図示)を有する。典型的にはハードディスクドライブ(HDD)1810を有する、格納デバイス1809が設けられる。フロッピーディスクドライブ磁気テープドライブ(不図示)などのような他の格納デバイスが、用いられてもよい。ディスク(たとえば、CD−ROM、DVD、ブルーレイディスク(登録商標)のような)携帯型のメモリデバイス、USB−RAM、携帯型の外部ハードドライブフロッピーディスクが、たとえば、システム1800へのデータの適切なソースとして用いられてもよい。

0033

コンピュータモジュール1801のコンポーネント1805,1813は、典型的には接続バス1804を介して、関連する技術における技術者に知られたコンピュータシステム1800の動作の一般的なモードに帰結する方法で通信する。例えば、プロセッサ1805は、接続1818を用いてシステムバスに接続される。同様に、メモリ1806および光ディスクドライブ1812は接続1819によりシステムバス1804に接続される。記載された構成を実現可能なコンピュータの例は、IBM−PCやコンパチブル、サンスSPARCステーションアップルMac(登録商標)、他のコンピュータシステムを含む。

0034

MGPU法はコンピュータシステム1800を用いて実現され得る。ここで、記載される図4〜12の処理は、コンピュータシステム1800内で実行される1つ以上のMGPUソフトウエアアプリケーションプログラムとして実施され得る。特に、MGPU法のステップは、コンピュータシステム1800内で実現されるソフトウエア1833におけるインストラクション1831(図18B参照)により達成される。ソフトウエアインストラクション1831は、各々が1つ以上の特定のタスク遂行する1つ以上のコードモジュールとして形成される。ソフトウエアは、第1の部分および対応するコードモジュールはMPGU法を遂行し、第2の部分および対応するコードモジュールは第1の部分とユーザとの間のユーザインターフェースを管理する、というように2つの別々の部分に分けられてもよい。

0035

MGPUソフトウエアは、以下に記載されるような格納デバイスを含むコンピュータ可読媒体に格納される。ソフトウエアは、コンピュータ可読媒体からコンピュータシステム1800へロードされ、コンピュータシステム1800により実行される。そのようなソフトウエアを有するコンピュータ可読媒体、または、コンピュータ可読媒体に記録されたコンピュータプログラムは、コンピュータプログラム製品である。コンピュータシステム1800におけるコンピュータプログラム製品の使用は、MGPU法を遂行するために有利な装置を好適に実現する。

0036

ソフトエア1833は、典型的には、HDD1810またはメモリ1806に格納される。ソフトウエアは、コンピュータ可読媒体からコンピュータシステム1800へロードされ、コンピュータシステム1800により実行される。こうして、たとえば、ソフトウエア1833は、光ディスクドライブ1812によって読み出される光読取ディスク格納媒体(例えば、CD−ROM)1825に格納され得る。そのようなソフトウエアを有するコンピュータ可読媒体、または、それに記録されたコンピュータプログラムはコンピュータプログラム製品である。コンピュータしシステム1800におけるコンピュータプログラム製品の使用は、MGPU装置を好適に実現する。

0037

いくつかの例において、アプリケーションプログラム1833は、1つ以上のCD−ROM1825上にエンコードされ、対応するドライブ1812を介して読み取られてユーザに供給され得る。あるいは、ネットワーク1820または1822からユーザにより読まれ得る。さらに、ソフトウエアは、他のコンピュータ読み取り可能な媒体からコンピュータシステム1800へロードされてもよい。コンピュータ読み取り可能な格納媒体は、記録されているインストラクションおよび/またはデータを、実行および/または処理のために、コンピュータシステム1800へ提供する、非一時的な、物的な媒体を指す。そのような格納媒体の例としては、フロッピーディスク、磁気テープ、CD−ROM、DVD、Blu−ray(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、ROMまたは集積回路USBメモリ光磁気ディスクPCMCIAカードのようなコンピュータ読み取り可能なカードなどがあげられる。なお、そのようなデバイスはコンピュータモジュール1801の内部または外部のいずれのものでもよい。一時的あるいは非物的なコンピュータ読み取り可能な送信媒体の例としては、他のコンピュータまたはネットワークデバイスへのネットワーク接続はもとより、無線または赤外線送信チャンネルeメール送信やウエブサイトに記録された情報を含むインターネットまたはイントラネットなどがあげられる。

0038

アプリケーションプログラム1833の第2の部分と、上述した対応するコードモジュールは、ディスプレイ1814上に描画される、または、表示される1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースGUI)を実施するために実行される。典型的にはキーボード1802またはマウス1803の操作を介して、コンピュータシステム1800のユーザおよびアプリケーションは、コントロールコマンドを提供、かつ/または、GUIに関連するアプリケーションに入力するために、機能的に適応可能な方法でインターフェースを操る。ラウドスピーカー1817を介して出力される音声プロンプトやマイクロフォン1880を介して入力されたユーザの音声コマンドを利用するオーディオインターフェースのような、機能的に適応可能な他の形式のユーザインターフェースが実施されてもよい。

0039

図18Bは、プロセッサ1805およびメモリ1834の詳細な図式的なブロック図である。メモリ1834は、図18Aにおけるコンピュータモジュール1801によりアクセス可能なすべてのメモリモジュール(HDD1809および半導体メモリ1806を含む)の論理的な集約を表す。

0040

コンピュータモジュール1801が最初に電源オンされると、パワーオン時の自己テストPOST:power-on self-test)が実行される。POSTプログラム1850は典型的には図18Aの半導体メモリ1806のROM1849に格納される。ソフトウエアを格納するROM1849のようなハードウエアデバイス時々ファームウエアと呼ばれる。POSTプログラム1850は、適切な機能性を確認するためにコンピュータモジュール1801内のハードウエア検査し、典型的には、正しい動作のために、プロセッサ1805、メモリ1834(1809,1806)、典型的にはROM1849に格納されている基本入出力システムソフトウエア(BIOS)モジュール1851をチェックする。PPOSTプログラム1850が成功的に動作すると、BIOS1851が図18Aのハードディスクドライブ1810起動する。ハードディスク1810の起動が、ハードディスク1810に常駐するブートストラップローダプログラム1852をプロセッサ1805を介して実行させる。これは、オペレーティングシステム1853をRAMメモリ1806へロードする。オペレーティングシステム1853は、RAMメモリ1806上で動作を開始する。オペレーティングシステム1853は、種々の高レベル関数履行するための、プロセッサ1805によって実行可能な、システムレベルのアプリケーションである。高レベル関数は、プロセッサ管理、メモリ管理デバイス管理ストレージ管理、ソフトウエアアプリケーションインターフェース、および一般的なユーザインターフェースを含む。

0041

オペレーティングシステム1853は、メモリ1834(1809,1806)を管理し、コンピュータモジュール1801で稼働する各処理またはアプリケーションが、他の処理に割り当てられたメモリと衝突することなく動作する、十分なメモリを確保する。さらに、図18Aのシステム1800において利用可能な種々のメモリは、各処理が効果的に稼働するように、適切に使用される。したがって、集約されたメモリ1834は、いかにメモリの特定のセグメントが割り当てられるかを説明することを意図するものではなく(特に明記しない限り)、むしろ、コンピュータシステム1800によりアクセス可能なメモリの概観とどのように使用されるかの概観を提供するものである。

0042

図18Bに示されるように、プロセッサ1805は、制御ユニット1839、演算論理ユニットALU)1840、および、キャッシュメモリと呼ばれるローカルまたは内部メモリ1848などの複数の機能モジュールを含む。キャッシュメモリ1848は、レジスタセクションに複数の格納レジスタ1844〜1846を含む。1つ以上の内部バス1841は、機能的にこれらの機能モジュールを相互接続する。プロセッサ1805は、また、コネクション1818を用いてシステムバス1804を介して外部デバイスと通信するための1つ以上のインターフェース1842を有する。メモリ1834は、接続1819を用いてバス1804に接続される。

0043

アプリケーションプログラム1833は、条件分岐ループのインストラクションを含むインストラクションのシーケンス1831を含む。プログラム1833はまたプログラム1833の実行において用いられるデータ1832を含む。インストラクション1831とデータ1832はそれぞれメモリロケーション1828、1829、1830および1835、1836、1837に格納される。インストラクション1831とメモリロケーション1828〜1830の相対的なサイズに依存して、特定のインストラクションがメモリロケーション1830に示されるインストラクションにより記述されるように、単一のメモリロケーションに格納されてもよい。あるいは、メモリロケーション1828,1829において示されるインストラクションセグメントにより記述されるように、インストラクションは、各々が別々のメモリロケーションに格納される複数の部分に区切られてもよい。

0044

一般に、プロセッサ1805は、それにより実行されるインストラクションセットを与えられる。プロセッサ1105は、別のインストラクションセットを実行することによりプロセッサ1805が反応する、後続の入力を待つ。各入力は、1つ以上のソースから提供され得る。各入力は、1つ以上の入力デバイス1802,1803により生成されたデータ、ネットワーク1820,1802を横切って外部ソースから受信されたデータ、格納デバイス1806,1809の1つからリトリーブされたデータまたは対応するリーダ1812に挿入された格納媒体1825からリトリーブされたデータを含み、これらは図18Aに記述されている。インストラクションセットの実行は、いくつかの場合において、データの出力に帰結する。実行は、データまたは変数のメモリ1834への格納を伴う。

0045

開示されたMGPU構成は、対応するメモリロケーション1855,1856,1857においてメモリ1834に格納された入力変数1854を用いる。MGPU構成は、出力変数1861を生成し、これは、対応するメモリロケーション1862、1863、1864においてメモリ1834に格納される。中間変数1858は、メモリロケーション1859,1860,1866および1867に格納され得る。

0046

図18Bのプロセッサ1805を参照すると、プログラム1833を構成するインストラクションセットにおけるすべてのインストラクションに対して「フェッチデコード、実行」のサイクルを遂行するのに必要な一連マイクロオペレーションを遂行するために、レジスタ1844、1845、1846、演算論理ユニット(ALU)1840および制御ユニット1839がともに動作する。各フェッチ、デコードおよび実行のサイクルは以下を備える。
・メモリロケーション1828,1829,1830からインストラクション1831をフェッチあるいは読み出すフェッチ動作
・どのインストラクションがフェッチされたかを制御ユニット1839が判定するデコード動作
・制御ユニット1839および/またはALU1840がインストラクションを実行する実行動作

0047

その後、さらなるフェッチ、デコードおよび実行のサイクルが次のインストラクションに対して実行される。同様に、格納サイクルが実行され、それにより制御ユニット1839が、値をメモリロケーション1832に格納または書き込む。

0048

図4〜12の処理における各ステップあるいはサブプロセスはプログラム1833の1つ以上のセグメントに関連し、プロセッサ1805内のレジスタ部1844,1845,1847、ALU1840および制御ユニット1839によって実行される。これらは、プログラム1833の着目されたセグメントのために、インストラクションセットにおけるすべてのインストラクションについてフェッチ、デコードおよび実行のサイクルを遂行するためにともに動作する。

0049

MGPU法は、あるいは、MGPU機能あるいはサブ機能を実行する1つ以上の集積回路のような専用のハードウエアにおいて実現されてもよい。そのような専用のハードウエアは、グラフィックプロセッサディジタル信号プロセッサ、または1つ以上のマイクロプロセッサ及びそれに関連するメモリを含み得る。

0050

図4は、MGPU構成400に従った、XTI画像のための復調処理のフローチャートである。図4において、XTIシステム100は、ステップ410において少なくとも1つのXTI画像121を撮影する。続くステップ420において、撮影されたXTI画像121は、MGPUソフトウエアプログラム1833の指示により、位相ステッピングまたはフーリエドメイン法のような方法を用いて、プロセッサ1805により復調される。これにより、格子に起因した搬送信号を除去することにより復調された画像405が生成される。復調ステップ420の出力430は復調画像405であり、(2つの方向、すなわち水平方向xと垂直方向y、の各々について、変調および位相画像が結合された後)3つの画像、すなわち、吸収画像a(r)(402)、結合されたx画像cx(r)(403)および結合されたy画像cy(r)(404)として表される。特に、このMGPU構成はXTIシステムにおける位相ラッピング効果を逆戻りさせること、すなわち、潜在するオブジェクトの位相情報をcx(r)およびcy(r)から抽出することに焦点を当てる。処理400は、終了ステップ499で完了する。

0051

図23は、モアレ画像(2310)|cx(r)|の変調画像の例2310を示し、図24はモアレ画像の対応する位相画像2410、argcx(r)を示す

0052

MGPU構成の概観
図1に示されるタルボ・ローシステムのようなXTI構成は、比較的大きなX線源でも、高可視性のモアレ画像を生成する。これは、仮想ソースアレイを生成するためにX線源104とオブジェクト102の間に配置された追加的なソース格子G0(101)を用いることにより実現される。各仮想ソースは、センサ140上のわずかにシフトした位置に、良好な可視性を有する、クリーンなモアレ画像を作り出す。位相格子110(G1)の後ろの自己像120は、実際には、これらのシフトしたクリーンなモアレ画像のすべての和である(それらは、フリンジ画像と呼ばれる)。タルボ・ロー(Talbot-Lau)システムの1つの側面の効果は、ソース格子101(G0)が、自己像120上にコンボリューションのような効果を生成することである。特に、フリンジ画像が、同じフリンジ期間で別のフリンジ画像に相対的にシフトされて加算される。それらの加算は、それらが同相である場合に建設的(constructive)である。2つのフリンジ画像の位相が一致しない場合、たとえば、第1の画像のピークが第2の画像の谷間と一致するようにシフトされている場合、それらは互いにキャンセルしあう。

0053

オブジェクト102における、変調画像mx(r)またはmy(r)の一つにおける位置rにおいて、骨と筋肉の間の遷移、あるいは、ガラスと木の間の遷移のような、オブジェクト(102)における材料に不連続がある場合、前述の段落において記載されたコンボリューションのような効果は、類似した振幅の2つの信号を足し合わせる。しかし、最悪のケースにおいては、急激な遷移の位置で180度離れた位相が足し合わされる。すなわち、位置rに急激な位相エッジがある場合、位置rにおける変調強度(振幅)mx(r)またはmy(r)は、急速に低下し、復帰する。推論として、mx(r)またはmy(r)画像において急な下落(dip)または極小がある場合、その極小の位置に位相エッジがあることが多い。

0054

これは例示的な変調画像2310にみられる。ここで、変調の極小部(minimummodulation)のラインが、画像において西の位置からへ向かって延びているのが見られる。この、変調の極小部のラインは位相画像2410における変化と、南東方向に変調の極小(modulation minimum)を横切ってシフトする位相に関連付けられる。

0055

変調の極小の使用で、実位相のエッジと位相ラッピングにより生成された位相不連続(phasediscontinuity)とを区別することができる。本明細書において、「位相不連続」は実位相のエッジまたは位相ラッピング効果のいずれかに起因するものである。MGPU構成は、実位相エッジの位置を特定するのを補助するために、位相エッジの高さを推定するために、そして、位相アンラッピングにおける誤差の電波を回避するために、変調されたXTI画像405からの振幅変調情報を用いる。

0056

MGPU構成 No.1
図5および図6は、結合されたx画像cx(t)と結合されたy画像cy(r)に個別に適用される、MGPU構成にしたがった位相アンラッピング処理を記述する図である。

0057

図5は、MPGU構成に従ったX線タルボ干渉計における振幅変調情報を用いた、x方向の位相アンラッピングのための方法500のフローチャートである。ステップ510では、結合されたx画像cx(r)(403)を読み出す。続くステップ520では、詳細は図7の参照により以下に説明するが、振幅変調情報を使用するMGPU構成にしたがった位相アンラッピング方法を適用する。続くステップ530では、アンラップされた位相の記録を含むアンラップされた結果502を出力する。アンラップされた位相の記録については、たとえば図13における1323の参照により詳細に後述する。

0058

図6は、1つのMGPU構成にしたがったX線タルボ干渉計における振幅変調を用いたy方向の位相アンラッピングのための方法600のフローチャートである。ステップ610では、結合されたy画像cy(r)(404)を読み出す。続くステップ620では、詳細は図7の参照により後述するが、MGPU構成にしたがった位相アンラッピング処理を適用する。続くステップ630では、アンラップされた結果602を出力する。x方向(502)とy方向(602)においてアンラップされた結果は、ともに位相画像であり、これらは潜在するオブジェクト位相ξx(r)とξy(r)の推定である。

0059

図5におけるステップ520と図6におけるステップ620は、異なる方向に適用される実質的に同じ処理である。なお、このMGPU構成において、x位相をリカバーするための位相アンラッピング処理は結合されたx画像cx(r)のみを用い、y位相をリカバーするための位相アンラッピング処理は結合されたy画像cy(r)のみを用いる。すなわち、アンラップされたx位相をリカバーするために、x変調mx(r)とラップされたx位相ξx(r)のみが用いられる。同様に、アンラップされたy位相をリカバーするために、y変調my(r)とラップされたy位相ξy(r)のみが用いられる。たとえば、y変調画像my(r)における位置rに変調の極小がありx変調画像mx(r)には存在しない場合、y位相アンラッピングステップ620は、y位相をアンラップすることを補助するために位置rの変調の極小を用いる。結合されたx画像cx(r)、換言すればx変調mx(r)およびラップされたx位相画像ξx(r)は、このケースでは用いられない。

0060

図7は、図5および図6の処理500および600のそれぞれにおける、ステップ520および620のそれぞれにおいて用いられる、位相アンラッピング方法520のフローチャートである。ステップ710は、図8の参照により詳細を後述するが、ノイズを低減するために、結合されたx画像cx(r)または結合されたy画像cy(r)を前処理する。続くステップ720では、XTI画像の1つの行(または列、結合されたx画像cx(r)と結合されたy画像cy(r)のどちらを処理しているかによる)を、現在の走査ラインとして選択する。なお、ステップS720については、図16の参照により詳細を後述する。続くステップ730では、位相アンラッピングのための関連のある位置として現在の走査ライン上の画素位置にマークする。なお、ステップ730の処理については、図10の参照により詳細を後述する。続くステップ740では、MGPU構成に従った走査ライン位相アンラッピングを、現在の走査ラインに適用する。なお、ステップ740の処理については、図11の参照により詳細を後述する。続くステップ750では、位相画像におけるすべての行(または列)が処理されたかどうかを判定する。否であれば、処理520はNOの矢印にしたがってステップ720へ進む。ステップ750で論理値「真」が返されると、処理520はYESの矢印に従って終了ステップ799へ進む。

0061

このMGPU構成において、撮影された画像121における各画素位置は、その隣接する画素を考慮することなく、独立に処理される。したがって、位置パラメータrは、簡単のために、以降の記載においては省略することにする。たとえば、x変調画像mx(r)は、以降ではmx、y変調画像my(r)は、以降ではmyとする。同様に、x位相画像ξx(r)は以降はξxと記載し、y位相画像ξy(r)は以降はξyと記載する。

0062

ステップ720では、処理のために現在の走査ラインを選択する。ステップ730と740では、位相アンラッピングが実行される方向に依存して位相画像ξxまたは位相画像ξyを用いて、現在の走査ライン上に着目点(関連点)を見出し、走査ライン(1次元)位相アンラッピング法を現在の走査ラインに適用する。x位相アンラッピングが実行される場合、図5における処理500が用いられ、現在の走査ラインはξxにおける水平ラインである。y位相アンラッピングが実行される場合、図6における処理600が用いられ、現在の走査ラインはξyにおける垂直ラインである。これについては、図16を参照して、より詳細に後述される。

0063

ステップ730およびステップ740が1走査ラインのみであるため、また、走査ライン位相アンラッピング処理が水平および垂直走査ラインについて同じであるため、すなわち、結合されたy画像cy(r)を処理する場合は走査ラインは垂直ラインであり、結合されたx画像cx(r)を処理する場合は走査ラインは水平ラインであるため、MGPU構成に関わる以降の記載はx方向に焦点を当てて説明する。y方向に対するすべての処理は、結果が、アンラップされたx位相ではなくアンラップされたy位相であることを除いて、x方向の処理のとおりに実施される。

0064

ステップ720にいて現在の走査ラインを選択した後、ステップ730では、さらなる処理のために現在の走査ライン上に関連点をマークする。例として結合されたx画像cx(r)を用いると、位置pにおいて(i)変調画像mxにおけるローカルな変調の極小(すなわち変調強度におけるディップ)、および/または、(ii)位相画像ξxにおける正の不連続、および/または、(iii)位相画像ξxにおける負の不連続、である場合に、点pが関連点として考慮される。(i)、(ii)および(iii)の点はそれぞれ「mod」、「pos」および「neg」にラベル付される。結合されたx画像cx(r)を例として用いて、正の不連続は走査ライン上の点のx位相における急な変化として定義される。ここで、点の右側の位相値は左側の位相値よりも大きい。負の不連続は、走査ライン上の点におけるx位相での急な変化として定義され、その点の右側の位相値は左側の値よりも小さい。これは、図10の参照により詳細に後述する。

0065

ステップ730において、関連点が「mod」「neg」または「pos」のいずれかにラベル付されると、ステップ740により、走査ライン位相アンラッピングアルゴリズムが、現在の走査ラインに適用される。ステップ740については図11を参照して詳細に後述する。走査ライン位相アンラッピングアルゴリズムの一般的な概念は、適切な変調画像mx、myと位相画像ξx、ξyにおける各走査ラインについて、変調画像(mxまたはmy)および位相画像(ξxまたはξy)の現在の走査ラインからの情報を用いて、対応する一次元のアンラップされた位相信号がxまたはy方向のそれぞれにおいて生成されることである。

0066

図8は、図7で用いられる前処理ステップ710のフローチャートである。ステップ810では、結合されたx画像cx(r)(403)または結合されたy画像cy(r)(404)を、それぞれ変調画像mx、my(801,803)と位相画像ξx、ξy(802,804)へ分離(復元)する。上述したように、「変調画像」は、式(1)においてmxまたはmyとして示されている。また、「位相画像」はξxまたはξyとして示され、式(1)における位相関数φxまたはφyから派生される。「変調画像」の値は、このMGPU構成において正規化される。したがって、正規価値1.0は、オブジェクトを含まない画像の領域で発生するような、変調の減衰がない状態を表す。正規価値0.0は、オブジェクトがX線エネルギのほとんどを吸収し、特定の画素位置において信号が得られない、変調強度の完全な消滅を表す。続くステップS820では、変調画像mxまたはmyにおけるノイズを低減するために、「配向ボケ(orientation blur)」と呼ばれる手順を、変調画像mxまたはmyに適用する。ステップS820について、図9を参照してより詳細に説明する。

0067

図9は、図8における配向ボケ方法820を表すフローチャートである。ステップ920では、x変調画像mxまたはy変調画像myにおける各画素位置の配向とエネルギを判定することにより、配向マップ901を生成する。配向を計算するための1つの典型的な方法は、差分を用いて画素位置におけるx変調画像mxまたはy変調画像myにおける勾配(gradient)の方向を計算し、その勾配の方向に対して直交する方向を「配向」として定義する。画素位置の配向については図17の参照により後述する。画素位置のエネルギは、MGPU構成においては、画素位置における勾配強度二乗として定義され、それはノイズレベルの推定である。

0068

図17は画素の配向と勾配方向の例を示す図である。勾配方向は実際には配向に対して直交するが、図17における、明部(矩形の左部分)から暗部(矩形の右部分)への急激な輝度の変化は、マークされた配向に沿った大きなエネルギを与える。重要なエッジを平滑化してしまうことを防止するためにボケが配向に沿って発生するように、配向マップ901で、エッジ保存ボケをxまたはy変調画像に適用することができる。

0069

図9に戻り、続くステップ930では、配向マップ901にしたがって、x変調画像mx(801)またはy変調画像my(803)の各画素についてボケ領域を選択する。このMGPU構成において、ステップ903により選択されたボケ領域は、現在の画素の位置を中心として、配向マップ901において当該画素の配向の方向における直線上の画素位置を含む。

0070

図21は、そのようなボケ領域の例を示す。図21において、2110は現在の画素位置を示し、2120により示される135度の直線上の影付きの画素は、ボケ領域を表す。図21においてボケ領域の大きさは、線の長さであり、それは配向マップ901における注目画素に関連したエネルギ値に比例する。換言すると、画素に対するエネルギ値が大きいほど、線は長くなり、したがってこの画素には更に大きなボケが適用される。

0071

ステップ940では、ボケ領域内のボックスブラー処理(box blur process)(または他の平均化処理)を用いて、現在の画素をボケさせる。こうして、画素ごとに、ボケx変調画像902およびボケy変調画像903を構築する。ボックスブラー処理は、各画素が入力画像における隣接画素平均値に等しい値を有する結果画像を得る画像フィルタにより実現される。それは、ローパスブラーリングフィルタの形態であり、コンボリューションである。上述のボケ配向とボケ領域サイズの選択は、ボケが変調画像において、オブジェクトのエッジを横切らず、オブジェクトのエッジに沿って適用されることを確実にする。変調画像における極小値は、極小値に関連する高エネルギ(勾配)値により、他の画素位置よりもボケるべきである。これにより、x変調画像mxまたはy変調画像myに表れるコントラストを損なうことなくノイズを減少することができる。続くステップ950では、変調画像における全画素が処理されたかどうかを判断する。全画素が処理された場合、処理820はYESの矢印に従ってステップ960へ進む。ステップ960で、x変調画像mx(801)またはy変調画像myのボケさせたバージョン902,903と、対応する位相画像ξxまたはξyを再結合し、新たな結合されたx画像904または新たな結合されたy画像905を形成する。位相画像ξxまたはξy(802、804)と、ステップ960で形成された、変調画像mxまたはmyをボケさせたバージョン903,903は、図7のステップ730において、図10を参照してより詳細に説明するように、位相アンラッピングのための関連する点を判断するのに用いられる。

0072

図16は、一つのMGPU構成にしたがった2つの処理方向の一つにおける走査ラインの例1601を示す。図16は、図7のステップ720による、x方向の走査ラインの選択の例を示す。参照番号1610は、x変調画像mxまたはx位相画像ξxを表し得る。それらが同じディメンションを有するからである。参照番号1620は、ステップ720による処理のために選択された現在の走査ラインを表す。図16の例において、現在の走査ライン1620は、行の(x方向における)e0(1603)、e1(1604)のような、すべての画素位置を含む。走査方向1602は、左から右である。図16において、走査順において画素e0(1603)は画素e1(1604)の前であり、走査順において画素e1は画素e2の前である。画素e0はe1の左にあり、e1はe0の右にある。

0073

図10は、図7において用いられる関連点をマーキングする処理730を説明するフローチャートである。簡単のために、処理730はx変調画像mxとx位相画像ξxのみを参照して説明されるが、y方向における関連点を判定するために同じ処理がy画像に適用できる。関連点はx位相画像ξx(802)と、図9を参照して説明した「配向ボケ」ステップ940を用いて形成されたボケさせたx変調画像mx(902)とから選択される。入力の例として結合されたx画像cx(r)(403)を用いる。ステップ1010において、ボケさせたx変調画像902からの現在の走査ラインが、オブジェクト102のエッジ1011の存在を表す変調強度における極小値を見つけるために処理される。走査ライン上の極小は、注目の画素の変調値が、その左右の直近の隣接と比較した場合に、その左右の直近の隣接よりも非常に低い場合に識別される。エッジを示すとみなされる極小値だけをターゲットとするために、変調値は、閾値より低い場合に極小とみなされる。上述の正規化において、0.3という閾値が良い結果をもたらすことが見出された。これらの極小値は、関連点としてマークされ、modとラベル付される。

0074

続くステップ1020では、x位相画像ξx(802)からの現在の走査ラインに沿った位相差を用いて、正の不連続1021と負の不連続1022を検出し、検出された不連続にマークする。これらの不連続は、位相画像における実質的な変化の位置であり、負の不連続の場合の負の遷移(negとラベル付)か、または正の不連続の場合の正の遷移(pos)のいずれかとしてx位相画像にマークされる。前述したように、正の不連続は、x位相における走査ライン上の点における急な変化として定義され、点の右における位相値が点の左よりも大きい。また、負の不連続は、x位相における走査ライン上の点における急な変化として定義され、点の右の位相値が左の値よりも小さい。続くステップ1030では、処理が走査ラインの終端に到達したかどうかを判定する。到達したと判定された場合、処理730はYESの矢印へ進み、ステップ1040で現在の走査ラインのための位相アンラッピングに対する点の関連リスト1001を出力する。この関連点リストは、画素位置と、mod、neg、posのような対応するラベルの順序リストである。処理730は、ENDステップ1099へ進み、処理を終える。ステップ1030において、ステップがFALSEを返した場合、処理730はNOの矢印へ進み、ステップ1010へ戻る。

0075

図11は、一つのMGPU構成にしたがった図7において用いられる、走査ライン位相アンラッピング処理740を示すフローチャートである。ステップ1110では、現在の走査ラインの関連点リスト1001から、隣接する関連点のペア(一つのMGPU構成における画素)e0とe1を選択する。ここで、走査順においてe0はe1より前である。なお、e0は、現在の走査ラインの現在のランにおいて最初の関連点であるが、必ずしも現在の走査ラインの最初の関連点でなくてもよい。ランは、連結(join)のために考慮された現在の走査ライン上の関連点のグループを含む。換言すると、同一のランにおける関連点は同位相の不連続または同位相のラッピング効果により、互いに接続されている。各走査ラインは、いくつかのランを持つことができる。ランは、同じ方法で2つ以上の関連点を連結する判断がなされたときに終了する。例えば、ステップ1155および1180では、現在のe0とe1を連結することによりランを終了する。同様に、ランは図12におけるステップ1280で「低コストでセグメントに連結(join)した後に終了する。新しいランは、走査順における次の関連点で開始する。

0076

続くステップ1120では、これら2つの関連点が、走査ライン上で遠く離れすぎているかどうかを判断する。これは、特定のXTIシステム100をモデル化することに基づいて判断される。閾値は、主に、撮影されたXTI画像のフリンジ周期に依存する。たとえば、フリンジあたり32画素のフリンジ周期で、2つの関連点が10画素より大きく離れている場合、それらは離れすぎていると判定される。e0とe1の間の距離が閾値より大きい場合、すなわち、ステップ1120が論理TRUEを返した場合、処理740は、YESの矢印にしたがって、ステップ1125へ進む。このステップでは、新たなe0を現在のe1に設定し、現在の走査ライン上の次の関連点新たなe1にマークする。その後、処理740は、ステップ1110へ戻る。このチェック1120は、物理的に離れた2つの関連点を連結することを回避するのに役立つ。位相ラッピング効果は、実位相エッジにより生成されたセグメントと比べて比較的短い潜在する位相信号のセグメントを生成すると仮定されるからである。

0077

ステップ1120に戻り、e0とe1が、連結とみなすのに十分に近い場合、処理740はNOの矢印にしたがってステップ1130へ進み、e0とe1の両方がmodであるか、negであるか、posであるかを判定する。もしそれらがそうであった場合、制御はステップ1125へ進み、現在のe1において新たな関連点のペアを開始する。これは、同種のラベルの連続する並びがノイズの高い可能性を表すためである。このMGPU構成は、そのような並びにおける最後の関連点を選び取ることにより、そのようなノイズを除去する。このMGPU構成の狙いは、modの点をposまたはnegの点に接合することである。関連点のそのような構成はオブジェクトのエッジによる位相の不連続を表すからである。

0078

ステップ1130に戻り、e0とe1が異なるラベルを有する場合、制御はNOの矢印にしたがってステップ1140へ進み、e0とe1が反対であるか、すなわち、一方がposで他方がnegであるかを判定する。そうであった場合、制御はYESの矢印にしたがってステップ1145へ進み、e0とe1を連結する。この処理については、図13を参照してより詳細に後述する。そして、プロセス740はステップ1180へ進み、現在の走査ライン上の現在のe1の後の関連点が新たなe0として選択され、新たなペアが開始される。その後、処理740は、ステップ1110へ戻る。

0079

本説明のために、用語「連結する(join)」は、位相アンラッピングの同義語として用いられる。位相ラッピングは不連続を生み出し、「連結」は、位相信号の2つのセグメントを接続する(連結する)ことによりこれらの不連続を除去する処理を表す。ステップ1140でe0とe1が反対のラベルを有していないと判定された場合、すでにこの段階でそれらが異なることが既知となっているので(すなわちステップ1130でそれらが同じかどうかがチェックされるので)、2つの関連点の一方のみがmodにラベル付されている。処理730は、こうして、ステップ1140からステップ1150へNOの矢印にしたがって進み、e0とe1のどちらがmodであるかを判定する。e1がmodの場合、制御はYESの矢印にしたがってステップ1155へ進み、e0とe1を連結し、処理730は再びステップ1125へ進み、現在のe1にて新たな関連点のペアを開始する。ステップ1150へ戻り、e0がmodにラベル付されている場合、制御はNO矢印にしたがってステップ1160へ進み、図12を参照して詳細に後述されるような、コスト効率の良いアンラッピング方法を適用する。コスト効率の意味は、図14における仮想的な例を通して論証される。

0080

処理740は、次に、ステップ1170へ進み、処理730が現在の走査ラインのための関連点リストの最後に到達したかどうかを判定する。到達している場合、処理730はYES矢印にしたがってENDステップに進み、処理を終了する。ステップ1170でFALSEの値が返された場合、処理740はNO矢印にしたがってステップ1180へ進み、新たなペアを開始する。

0081

図13図11において用いられたような位相信号の接合を表す。特に、e0とe1を接合するステップ1145及び1155について、2つの仮想的な例を用いて説明する。

0082

例1320はステップ1155における連結処理を説明するものであり、e1がmod、e0がposである場合を扱う。最も上段の信号1321はx変調画像mxにおける現在の走査ラインを表す。参照番号1322は、(ラップされた)x位相画像ξxにおいて現在の走査ラインを表し、参照番号1323は現在の走査ライン1321のためのアンラップされた位相レコードを表す。変調の極小は、信号1321における1324に示されるように、画素e1においてみられる。1322において、画素e0の位置で正の遷移1325が存在する。変調の極小1324が位相エッジの真の位置と考えられるので、1326に示されるように、1322における変調の極小1324の付近にある、e0とe1の間のセグメント1327がシフトダウンする。こうして、位相アンラッピング1329の後の不連続がe1に落ちるように、不連続の位置を参照し、1323に示されるように、変調の極小1324に対応させる。セグメント1327はこうして下方へシフトされることにより調整される。この例では、2Π(すなわち、1サイクル)だけシフトされる。他の例において、図15に関連して以下に詳細に説明されるが、そのようなセグメントは複数サイクル(すなわち、2Πの倍数の値)でシフトされてもよい。

0083

例1330は、ステップ1145における連結処理を説明する。最も上段の信号1330はx変調画像mxにおける現在の走査ラインを示す。参照番号1332はx位相画像ξxにおける現在の走査ラインを表し、参照番号1333は現在の走査ラインに対するラップされた位相を表す。1330において、変調画像1331において極小がない。画素e0とe1は、ステップ1140により判定されたように、反対のラベルを有する。したがって、実位相エッジがなく、あらゆる不連続が位相ラッピング効果だけによるものである仮定される。したがって、位相ラッピング効果は、1333において示したようにスムースな信号を生成するために1334によって示されるようにe0とe1の間のセグメントを下方へ2πシフトすることにより、除去される。

0084

図12は、一つのMGPU構成にしたがって図11で用いられた、コスト効率のよい位相アンラッピング処理1160のフローチャートである。ステップ1210では、変数koff、cost1およびcost2を初期化する。ここで、koffは0または1であり、cost1およびcost2は画素の数を用いて定義される。変数koffは初期状態でゼロに設定される。変数cost1はe0とe1の間の走査ライン上の距離に初期化される。cost2はゼロに設定される。e0は現在のランの開始点である。現在の走査ライン上には1つよりも多いランが存在し得る。各ランは一つの位相エッジまたは位相アンラッピング問題を扱う。複数のエッジまたは位相ラッピング点が走査ラインに存在し得る。続くステップ1220では、現在の走査ラインの関連点リスト1001から走査順における次の点e2が見出される。なお、図11において処理730がステップ1160を実行する前に、ステップ1150が実行されており、e0の値がmodであり、e1の値がnegまたposであることが確認されている。

0085

続くステップ1230では、e2がe1と同じラベルを有するかどうか、すなわち、シーケンス(e0,e1,e2)がそれぞれラベル(mod、neg、neg)または(mod、pos、pos)を有するシーケンスであるかどうか、または、e1とe2が非常に離れているかをチェックする。2つの連続するposまたはnegの値がノイズを表すという命題に基づいて、ステップ1230が論理TRUE値を返す場合、処理1160はYES矢印にしたがって進み、2番目のposまたはnegを無視し、コスト効率的なアンラッピングのこのランを終了する。そして、処理は続くステップ1255へ進み、e0とe2の間の関連点の数に依存して、koffが0または1のいずれかに設定される。最初に、すなわち処理1160の開始時に、e0とe2の間の関連点の数は1である。初期状態で、走査順においてe2はe1の直後の関連点であり、e1は走査順においてe0の直後の関連点だからである。しかしながら、処理1160が進むと、e1とe2は、現在のe2をe1に、そして現在のe2の後の関連点を新たなe2として設定することにより、(ステップ1260により)更新される。これは、処理1160のある段階で、ステップ1160で、e0とe2の間の関連点の数が1よりも大きくなることを意味する。ステップ1255において、e0とe2の間の関連点の数が奇数の場合、koffは0にセットされ、他の場合にはkoffは1にセットされる。

0086

ステップ1255においてkoffを更新した後、処理1160はステップ1280へ進み、図14を参照してさらに詳細に後述されるように、低コストでセグメントを連結することにより、位相をアンラップする。ステップ1230において、e1とe2が離れている場合、処理1160は再びYES矢印に沿って進み、ランが終了する。ここでkoffはステップ1255で更新され、その後、処理1160はステップ1280へ向かう。また、ステップ1230において、2つの条件のいずれも満たされない場合、処理1160はNO矢印に沿ってステップ1240に進み、e1とe2の間の距離を、e0とe2の間の関連点の数によってcost1またはcost2のいずれかに加えることにより、cost1とcost2を更新する。e1とe2はそれらを走査ライン上の次の関連点に移動することにより絶えず更新されるので、現在のe2とe0の間の関連点の数が奇数の場合、e1とe2の間の距離はcost2に加算され、他の場合には距離がcost1に加算される。続くステップ1250では、e2がmodかどうかをチェックする。e2がmodの場合、処理1160はYES矢印にしたがってステップ1255へ進み、cost2>cost1の場合にはkoffは0にセットされ、cost2<cost1の場合には1にセットされる。その後、ランは完了し、処理1160は、セグメントを低コストで連結するためにステップ1280へ向かう。この処理については、図14に示される例を参照してより詳細に後述する。また、ステップ1250において、e2がmodでない場合、処理1160はNO矢印にしたがってステップ1260へ進み、新しいe1を現在のe2とし、現在のe2の後の関連点が新しいe2になる。続くステップ1270では、関連点リストの終端に到達したかを判定し、到達していなければ処理はNO矢印にしたがって、ステップ1220へ戻る。ステップ1270で論理真が返されると、処理1160はYES矢印にしたがってステップ1280へ進む。

0087

図14は、一つのMGPU構成にしたがった図12において用いられる、低コストで位相信号セグメントを連結する方法の仮定的な例1400を示す。図14は、仮定的な例であり、位相アンラッピング処理(すなわちステップ520またはステップ620)にしたがった全体の変調を示す。この仮定的な例を通して、図12における連結のステップ1280を詳細に説明する。図14において、参照番号1410は、変調画像mxにおける現在の走査ラインに対する変調値を表す。1410の位置p0およびp4において2つの変調の極小がある。参照番号1420は、p1、p2、p3、p5の4つの位置に不連続を有し、位相画像ξxにおける現在の走査ラインのラップされた位相値を示す。

0088

参照番号1430は、開示されたMGPU構成にしたがった、変調画像をガイドとして用いない位相アンラッピングの結果の例を示す。位置p1において、位相信号1420の傾斜が不連続1423の前1421と後1422において一貫しているとみなされるので、現在の位相アンラッピング方法では、右側の信号1424、すなわち、p1p2の間のセグメントを、1425で示されるように2π下方へシフトすることにより、p1において信号を連結する。この最初の2πのオフセットにより、p2とp3の間である1426と、p3とp4の間である1427のアンラップされた位相も、それぞれ1428および1429で示されるように2πずれる。参照番号1440は、開示されたMGPU構成にしたがった、変調画像1410からのガイダンスで達成される、正しい位相アンラッピングの結果を示す。

0089

再び図12を参照して、ステップ1210での処理の開始にて、koffがゼロにセットされ、cost1がp0とp1の間の距離にセットされる。なお、この距離をdist(p0,p1)のように表す。ステップ1220において、p2がe2として選択される。ステップ1230において、p0とp5の間の距離が閾値より小さいと仮定すると、例1440においてe2(neg)はe1(pos)と等しくないので、処理はステップ1240へ進み、cost1とcost2を更新する。この段階で、e0とe2の間の関連点の数は奇数であるので、cost1は依然としてdist(p0,p1)であり、cost2はdist(p1,p2)になる。次に、ステップ1250において、e2がチェックされる。e2(neg)は、この段階でmodではないので、新しいe1として現在のe2が選択される。ステップ1270で判定されるように、関連点リストの終端に到達していないので、ステップ1220で新しいe2としてp3が選択される。こうして、e1=neg、e2=posとなる。ステップ1240においてcost1はdist(p0,p1)+dist(p2,p3)に更新され、cost2はdist(p1,p2)のままとなる。ステップ1250でe2はmodではないと判定されるので、処理は次の繰り返しに移動し、ステップ1220から開始する。今や,e2はp4にセットされ、cost2はdist(p1,p2)+dist(p3,p4)に更新されるが、一方、cost1はdist(p0,p1)+dist(p2,p3)のままである。このときe2がmodであるので、koffが0に更新され、cost2=dist(p1,p2)+dist(p3,p4)はcost1=dist(p0,p1)+dist(p2,p3)よりも大きいと仮定される。Koffがステップ1255で更新された後、処理は、「低コストでセグメントを接合する」ために、ステップ1280へ進む。

0090

図14の例に対して、ステップ1280はセグメントを2つの異なる方法、すなわち、(1)p1、p2およびp3における不連続を単なる位相ラッピングとアンラッピングにしたがった効果として扱って連結する、または(2)p1における不連続をオブジェクト102における不連続から生じる実際の位相エッジとして扱い、p2、p3における不連続を単なる位相ラッピング効果として扱って連結する、のいずれかを選ぶことができる。ステップ1160におけるコスト効率の良いアンラッピングの仮定は、単なる位相ラッピング効果による不連続が信号を一連の短いセグメントに切る傾向にあり、一方、実際の位相エッジによる不連続が非常に長いセグメントを形成する傾向にあるということである。図14の例において、したがって、位相アンラッピングはp1では起こらない。p1が変調の極小であるp0に近すぎると考えられるためである。したがって、dist(p0,p1)は小さく、それゆえ、p1における不連続は、単なる位相ラッピングによるものとはみなされず、位相画像における実際のエッジにより生じるとみなされる。これに対して、p2とp3における不連続性は、単なる位相ラッピングから生じるとみなされるべきである。p2とp3の間のセグメントは短く、付近に変調の極小が存在しないからである。cost2=dist(p1,p2)+dist(p3,p4)>cost1=dist(p0,p1)+dist(p2,p3)なので、上記の仮定は、位相アンラッピングがp2とp3の間のセグメントに適用され、p1における不連続には適用されないことを規定する。位置p1のために必要なことは、1423で記述されている不連続の位置p1を、1431により記述されている実際の位相エッジ位置p0で置き換えることである。低コストでのセグメントの連結の処理1280は、以下の位相アンラッピング選択を実施する。第1に、1433に示されるようにp0とp1の間のセグメント1432を上方へシフトすることにより、位置p0とp1が連結される。第2に、1434に示されるように、p2とp3の間のセグメント1426を上方へシフトすることにより、p2とp3が連結される。p1とp2の接合(すなわち、p1とp2の間のセグメント1424を下方へシフトすること)と、p3とp4の接合(すなわちP3とp4の間のセグメント1427を下方へシフトすること)という選択は、1430に示されるような正しくない結果をもたらだけでなく、cost2=dist(p1,p2)+dist(p3,p4)>cost1=dist(p0,p1)+dist(p2,p3)で与えられ、高コストとみなされる、より長い信号で動作する。

0091

ステップ1280と、「e0とe1の連結」処理(すなわち、ステップ1145とステップ1155)との間の違いは、ステップ1280が、posまたはnegの関連点が続く最初の関連点e0がmodである場合を扱うものであり、ステップ1145ではe1がmodでありe0がposかnegである場合を扱うものであることである。ステップ1155は、e0とe1が反対である(それらの1つがposであり他方がnegである)場合を扱う。

0092

MGPU構成 No.2
このMGPU構成は、上述の第1のMGPU構成におけるすべてのステップを実行するが、ステップ1145,1155および1280により実行される連結のステップが多少異なる。実位相の撮影状況において、位相エッジが2πより大きくなることは可能である。換言すれば、実位相エッジと単純な位相ラッピング効果の間の区別は重要であるが、実位相エッジがラップされた位相エッジとすることが可能である。

0093

図15は、第2のMGPU構成にしたがった、ラップされた位相エッジの仮想的な例1500を示す。1510において、(2π+θ)のサイズの位相エッジ1511は、1520で示されるように、ラップされた位相画像においてサイズθの位相エッジ1512とみなされる。この位相ラッピング効果は、変調の極小位置孤立の情報では検出されない。1510と1520の間の相違を述べるためには、より多くの情報が必要である。

0094

以下のことが観察される。変調画像における変調の極小が位相エッジの実位置を与えるだけでなく、変調の極小の振幅が、ある範囲Sの中に潜在する位相エッジサイズとほぼ線形の関係を有する。このことは図19の参照により後述する。すなわち、位相エッジサイズ1511がある値より小さい場合、たとえば3πより小さい場合、変調の極小位置における変調の減少(すなわち、変調の極小値とその周囲の間の相違)の大きさ1435は、潜在する位相エッジサイズの単調増加関数である。特定のXTIシステムのセットアップに関して、人工的な位相オブジェクトで変調ドロップ値を測定することができる。人工的な位相オブジェクトは、上記の範囲S内で既知の位相ジャンプを有する。そして、計測された変調ドロップ値を基準(以下、変調ドロップ基準値という)として用いることができる。例えば、既知の径と屈折率を有するプラスチックボールを、位相ジャンプをキャリブレーションするのに用いることができる。これらの計測された変調ドロップ基準値を用いて、位相ラッピング効果により実位相エッジが2π以上ラップされているか(減少しているか)どうかを推定することができる。たとえば、x方向における実位相エッジが7π/2である場合、復調位相画像ξx(r)は、位相ラッピング効果により、3π/2となる。しかしながら、不連続部分に近い変調ドロップが3πの位相ジャンプを持つ人工の位相オブジェクトを用いて得られた変調ドロップ基準値よりも大きい場合、実位相エッジは3π/2プラス2π、すなわち7π/2であると推測できる。また、位相ジャンプ値の範囲をリカバーすることができるように、異なるサイズの位相エッジを持ついくつかの基準位相オブジェクトを用いることができる。

0095

すなわち、ステップ1145、1155および1280において、不連続部分で位相信号を連結する場合、変調ドロップ値と関連する変調ドロップ基準値が考慮される必要がある。

0096

変調ドロップ値は、位相アンラッピング結果の正確さをチェックするのに用いることができる。変調ドロップ値は、潜在する位相エッジのサイズに比例すると考えられるので、小さな位相エッジは小さな変調ドロップを有し、大きなエッジはそれに対応して大きな変調ドロップを有する。位相エッジは、たとえば、以前の位相アンラッピング点から伝搬する誤差によって位相エッジが不正確に推測される場合、不一致があるかどうかを判定するために、この特定の位相エッジに関連する変調ドロップを他のエッジに関連する変調ドロップと比較することができる。

0097

図19は、位相サイズ1902と、特定の位相閾値1904より小さい位相値に対する変調ドロップ1903との間の線形関係1901の例1900を示す。

0098

産業上の利用性
記述された構成は、コンピュータ及びデータ処理産業、そして、特にX線撮影の産業に適用可能である。

0099

上記は、本発明のいくつかの実施形態を記載したものであり、変形および/または変更が本発明の範囲及び精神から逸脱することなくなされ得るものであり、実施形態は実例であり限定的なものではない。

0100

本明細書の記載において、「comprising(〜を備える)」は「〜を主として含み、必ずしもそれのみではない」、「〜を持つ」あるいは「〜を含む」ことを意味し、「〜のみから構成される」ことを意味するものではない。「comprise」および「comprises」のような「comprising」の変化形も対応する種々の意味を持つ。

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