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技術 アロファネート・イソシアヌレート化触媒、該触媒を用いたポリイソシアネート組成物、該組成物の製造方法、及び該組成物を用いた二液型塗料組成物

出願人 東ソー株式会社
発明者 岸本龍介松下伸一
出願日 2013年12月19日 (7年5ヶ月経過) 出願番号 2013-262487
公開日 2015年6月25日 (5年11ヶ月経過) 公開番号 2015-117330
状態 特許登録済
技術分野 塗料、除去剤 ポリウレタン,ポリ尿素
主要キーワード 反応遅延 性能バラツキ 中間形 遅延要因 二液塗料 ヒドロキシル基含有カルボン酸 耐カッピング性 低極性有機溶剤
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この項目の情報は公開日時点(2015年6月25日)のものです。
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課題

反応遅延の原因となる加水分解性塩素からのプロトン酸の影響や酸成分の生成を低減し、低温における貯蔵安定性低極性有機溶剤への溶解性や諸物性に優れたポリイソシアネート組成物、及びこれらを用いたリコート性塗膜物性に優れた二液型塗料組成物を提供すること。

解決手段

特定のアロファネートイソシアヌレート化触媒を使用することで、反応遅延の原因となる加水分解性塩素からのプロトン酸の影響や酸成分の生成を低減し、更に有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)から、1分子中にアロファネート基イソシアヌレート基の両結合基を含有した低極性有機溶剤への溶解性に優れたポリイソシアネート組成物が得られる。

概要

背景

ポリイソシアネートを一成分として用いる二液硬化型ウレタン系塗料は、耐候性耐摩耗性に優れた塗膜を与えることから、従来、建築物土木構築物等の屋外基材塗装自動車補修プラスチックの塗装などに使用されている。
これらの塗料は、ポリイソシアネートの極性の高さから、一般的に、トルエンキシレン等の芳香族炭化水素溶剤や、酢酸ブチル等のエステル系溶剤などの溶解力の強い強溶剤が用いられていた。

これらの強溶剤は、臭気が強いため、近年は作業環境の改善や地球環境負荷の低減という点から敬遠される傾向にある。更に、古い塗膜の上から新たに塗装して補修や塗り替えを行う際、補修用塗料中に高い溶解力を有する強溶剤が含まれていると、古い塗膜の膨潤や溶解を生じ、古い塗膜まで補修する必要性が生じていた。その結果、塗装作業の拡大化と煩雑化、塗装費用の増大、工期延長などの問題を生じる場合があった。

このような背景の中で、近年、低極性有機溶剤に溶解し易いポリイソシアネートの開発が進められている。低極性有機溶剤への希釈性に優れているポリイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネートと、低極性有機溶剤への希釈性が100%以上のポリオールとを反応させたポリイソシアネート化合物が提案されている。これにより得られたポリイソシアネート化合物は、塗膜の伸展性アニリン点が10〜70℃の範囲の脂肪族、脂環族及び/又は芳香族炭化水素系有機溶剤への溶解に優れているとされている(例えば、特許文献1参照)。

また、低極性有機溶剤に対する溶解性、及びシリケート化合物との相溶性に優れているポリイソシアネートとして、脂肪族ジイソシアネート、及び/又は脂環式ジイソシアネート炭素数1〜20のモノアルコールとから、所定のアロファネート基イソシアヌレート基モル比、及び特定の分子量範囲を有するポリイソシアネート化合物が提案されている。これにより得られたポリイソシアネート化合物は、塗膜の伸展性とアニリン点が10〜70℃の範囲の脂肪族炭化水素系脂環族炭化水素系、及び/又は芳香族炭化水素系の有機溶剤への溶解に優れているとされている(例えば、特許文献2参照)。

また、アニリン点が70℃を超えるような低極性有機溶剤への溶解性を向上させたポリイソシアネートとして、脂肪族ジイソシアネートと炭素数11以上のモノアルコールと触媒オクチル酸錫を使用することによって、アロファネート基とイソシアヌレート基を同時に生成させたポリイソシアネート化合物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。

また、イソシアネートの反応を阻害する加水分解性塩素の存在下でも安定したアロファネート化反応、及びイソシアヌレート化反応反応性を示す特定の触媒を使用することによって、アロファネート基とイソシアヌレート基を含有する低極性有機溶剤への溶解性に優れたポリイソシアネート組成物、及び該組成物を用いた二液型塗料組成物が提案されている(例えば、特許文献4、及び特許文献5参照)。

概要

反応遅延の原因となる加水分解性塩素からのプロトン酸の影響や酸成分の生成を低減し、低温における貯蔵安定性や低極性有機溶剤への溶解性や諸物性に優れたポリイソシアネート組成物、及びこれらを用いたリコート性塗膜物性に優れた二液型塗料組成物を提供すること。特定のアロファネートイソシアヌレート化触媒を使用することで、反応遅延の原因となる加水分解性塩素からのプロトン酸の影響や酸成分の生成を低減し、更に有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)から、1分子中にアロファネート基とイソシアヌレート基の両結合基を含有した低極性有機溶剤への溶解性に優れたポリイソシアネート組成物が得られる。なし

目的

本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、特定のアロファネート・イソシアヌレート化触媒を使用することで、反応遅延の原因となる加水分解性塩素からのプロトン酸の影響や酸成分の生成を低減し、低温における貯蔵安定性や低極性有機溶剤への溶解性に優れるポリイソシアネート組成物、及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

一般式(1)で示されるアロファネートイソシアヌレート化触媒(A)。(一般式(1)のR1〜R3は、それぞれ独立した炭素数1〜12のアルキル基からなり、R4、及びR5は炭素数1〜18の直鎖アルキル基を示す。又は、R1〜R3は、炭素数1〜12のアルキル基を含み、且つR1〜R3のうちの何れか2個が炭素酸素又は窒素原子を介したヘテロ環を形成しており、R4、及びR5は、炭素数1〜18の直鎖アルキル基を示す。)

請求項2

一般式(1)に示されるアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)のR1〜R3が、それぞれ、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基、ノニル基、デシル基ウンデシル基、及びドデシル基から選ばれる少なくとも1種類であり、R4、及びR5が、それぞれ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘプタデシル基、又はヘキサデシル基から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1に記載のアロファネート・イソシアヌレート化触媒。

請求項3

請求項1、又は請求項2に記載のアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)の存在下で、少なくとも有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)との反応から得られることを特徴とするポリイソシアネート組成物

請求項4

請求項1、又は請求項2に記載のアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)の存在下で、少なくとも有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)とを反応させて、アロファネート基イソシアヌレート基を同時に生成させた結合基を含有することを特徴とするポリイソシアネート組成物。

請求項5

ポリイソシアネート組成物中にアロファネート基とイソシアヌレート基がモル比でアロファネート基/イソシアヌレート基=80/20〜30/70含有することを特徴とする請求項3、又は請求項4に記載のポリイソシアネート組成物。

請求項6

有機ジイソシアネート(B)が脂肪族ジイソシアネート、及び/又は脂環族ジイソシアネートであり、モノアルコール(C)のアルキル基の炭素数が11〜20であることを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか一項に記載のポリイソシアネート組成物。

請求項7

請求項3〜請求項6の何れか一項に記載のポリイソシアネート組成物の製造方法であって、第1工程:有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)をウレタン化反応させてイソシアネート基末端プレポリマーIを製造する工程、第2工程:イソシアネート基末端プレポリマーIをアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)を用いてアロファネート化イソシアヌレート化を同時に生成させてイソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する工程、第3工程:イソシアネート基末端プレポリマーIIを反応停止剤により反応停止を行う工程、第4工程:薄膜蒸留又は溶剤抽出によって、遊離の有機ジイソシアネート(B)の含有量を1質量%未満になるまで除去する工程、によりポリイソシアネート組成物を製造することを特徴とする。

請求項8

請求項3〜請求項6の何れか一項に記載のポリイソシアネート組成物と、ポリオール(D)を含んでなることを特徴とする二液型塗料組成物

請求項9

請求項3〜請求項6の何れか一項に記載のポリイソシアネート組成物と、ポリオール(D)と、JISK2256に準じたアニリン点、又は混合アニリン点が5〜100℃の有機溶剤(E)を含んでなることを特徴とする二液型塗料組成物。

技術分野

0001

本発明は、アロファネートイソシアヌレート化触媒、該触媒を用いたポリイソシアネート組成物、該組成物の製造方法、及び該組成物を用いた二液型塗料組成物に関する。

背景技術

0002

ポリイソシアネートを一成分として用いる二液硬化型ウレタン系塗料は、耐候性耐摩耗性に優れた塗膜を与えることから、従来、建築物土木構築物等の屋外基材塗装自動車補修プラスチックの塗装などに使用されている。
これらの塗料は、ポリイソシアネートの極性の高さから、一般的に、トルエンキシレン等の芳香族炭化水素溶剤や、酢酸ブチル等のエステル系溶剤などの溶解力の強い強溶剤が用いられていた。

0003

これらの強溶剤は、臭気が強いため、近年は作業環境の改善や地球環境負荷の低減という点から敬遠される傾向にある。更に、古い塗膜の上から新たに塗装して補修や塗り替えを行う際、補修用塗料中に高い溶解力を有する強溶剤が含まれていると、古い塗膜の膨潤や溶解を生じ、古い塗膜まで補修する必要性が生じていた。その結果、塗装作業の拡大化と煩雑化、塗装費用の増大、工期延長などの問題を生じる場合があった。

0004

このような背景の中で、近年、低極性有機溶剤に溶解し易いポリイソシアネートの開発が進められている。低極性有機溶剤への希釈性に優れているポリイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネートと、低極性有機溶剤への希釈性が100%以上のポリオールとを反応させたポリイソシアネート化合物が提案されている。これにより得られたポリイソシアネート化合物は、塗膜の伸展性アニリン点が10〜70℃の範囲の脂肪族、脂環族及び/又は芳香族炭化水素系有機溶剤への溶解に優れているとされている(例えば、特許文献1参照)。

0005

また、低極性有機溶剤に対する溶解性、及びシリケート化合物との相溶性に優れているポリイソシアネートとして、脂肪族ジイソシアネート、及び/又は脂環式ジイソシアネート炭素数1〜20のモノアルコールとから、所定のアロファネート基イソシアヌレート基モル比、及び特定の分子量範囲を有するポリイソシアネート化合物が提案されている。これにより得られたポリイソシアネート化合物は、塗膜の伸展性とアニリン点が10〜70℃の範囲の脂肪族炭化水素系脂環族炭化水素系、及び/又は芳香族炭化水素系の有機溶剤への溶解に優れているとされている(例えば、特許文献2参照)。

0006

また、アニリン点が70℃を超えるような低極性有機溶剤への溶解性を向上させたポリイソシアネートとして、脂肪族ジイソシアネートと炭素数11以上のモノアルコールと触媒にオクチル酸錫を使用することによって、アロファネート基とイソシアヌレート基を同時に生成させたポリイソシアネート化合物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。

0007

また、イソシアネートの反応を阻害する加水分解性塩素の存在下でも安定したアロファネート化反応、及びイソシアヌレート化反応反応性を示す特定の触媒を使用することによって、アロファネート基とイソシアヌレート基を含有する低極性有機溶剤への溶解性に優れたポリイソシアネート組成物、及び該組成物を用いた二液型塗料組成物が提案されている(例えば、特許文献4、及び特許文献5参照)。

先行技術

0008

特開平8−198928号公報
特開2008−24828号公報
特開2010−150455号公報
特開2012−245493号公報
特開2012−255101号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、これまでのポリイソシアネート化合物は、低温における貯蔵安定性が低下することや、更に溶解力の低い低極性有機溶剤に対する溶解性が不十分であることが多く、塗膜の外観不良や耐候性の低下といった問題を生じる恐れがあった。

0010

また、有機ジイソシアネート原料中に含有する加水分解性塩素が触媒との反応により、プロトン酸を生成し、反応阻害を生ずる恐れがあった。この反応阻害は、特にイソシアヌレート化反応に対して顕著であり、アロファネート基とイソシアヌレート基を含有するポリイソシアネート組成物を得ようとした場合、得られる生成物の殆どがアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物であり目的物を得ることが非常に困難であった。また、両結合基を含有するポリイソシアネート組成物が得られた場合であっても、アロファネート基含有ポリイソシアネート組成物とイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート組成物の混合物であり、低極性有機溶剤に対する溶解性の低下、触媒の追加に伴う貯蔵安定性の低下、及び反応性のバラツキに伴う、反応時間の延長や触媒調整などの作業性低下といった生産性に課題を残していた。

0011

尚、ここで加水分解性塩素とは、アミン化合物ホスゲンとの反応により有機ジイソシアネートを得る際、有機ジイソシアネートの原料中に不純物として0.001〜1質量%程度含まれ、加水分解により塩酸を生成する物質の総称である。この加水分解性塩素の主なものは、イソシアネート基に塩酸が付加したカルバモイルクロリド化合物塩酸塩である。

0012

また、反応に使用した触媒とその反応を停止する停止剤との反応により生成した酸成分により、反応阻害を生ずる恐れがあった。この反応阻害は、特に二液型塗料組成物の硬化性にバラツキにより、反応時間の延長や触媒調整などの作業性低下といった生産性に課題を残していた。

0013

本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、特定のアロファネート・イソシアヌレート化触媒を使用することで、反応遅延の原因となる加水分解性塩素からのプロトン酸の影響や酸成分の生成を低減し、低温における貯蔵安定性や低極性有機溶剤への溶解性に優れるポリイソシアネート組成物、及びその製造方法を提供するとともに、リコート性塗膜物性に優れた二液型塗料組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは、検討を重ねた結果、特定の第四級アンモニウムアルキル炭酸塩の化合物をアロファネート・イソシアヌレート化触媒として使用することで、加水分解性塩素濃度の高い有機ジイソシアネートを原料として使用した場合であっても、アロファネート化反応、及びイソシアヌレート化反応を阻害せず、更に酸成分の生成を抑制し、アロファネート基とイソシアヌレート基の両結合基を1分子中に含有したポリイソシアネート組成物が得られることを見出し、本発明に至った。

0015

本発明の概要は以下の(1)〜(9)に示されるものである。
(1)本発明のアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)は一般式(1)で示される。




(一般式(1)のR1〜R3は、それぞれ独立した炭素数1〜12のアルキル基からなり、R4、及びR5は炭素数1〜18の直鎖アルキル基を示す。又は、R1〜R3は、炭素数1〜12のアルキル基を含み、且つR1〜R3のうちの何れか2個が炭素酸素又は窒素原子を介したヘテロ環を形成しており、R4、及びR5は、炭素数1〜18の直鎖アルキル基を示す。)
(2)前記(1)に記載の一般式(1)に示されるアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)のR1〜R3が、それぞれ、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基、ノニル基、デシル基ウンデシル基、及びドデシル基から選ばれる少なくとも1種類であり、R4、及びR5が、それぞれ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘプタデシル基、又はヘキサデシル基から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする。
(3)ポリイソシアネート組成物が、前記(1)又は(2)に記載のアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)の存在下で、少なくとも有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)との反応から得られることを特徴とする。
(4)ポリイソシアネート組成物が、前記(1)又は(2)に記載のアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)の存在下で、少なくとも有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)とを反応させて、アロファネート基とイソシアヌレート基を同時に生成させた結合基を含有することを特徴とする。
(5)前記(3)又は(4)に記載のポリイソシアネート組成物が、ポリイソシアネート組成物中にアロファネート基とイソシアヌレート基がモル比でアロファネート基/イソシアヌレート基=80/20〜30/70含有することを特徴とする。
(6)前記(3)〜(5)に記載の有機ジイソシアネート(B)が脂肪族ジイソシアネート、及び/又は脂環族ジイソシアネートであり、モノアルコール(C)のアルキル基の炭素数が11〜20であることを特徴とする。
(7)前記(3)〜(6)に記載のポリイソシアネート組成物の製造方法が、第1工程:有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)をウレタン化反応させてイソシアネート基末端プレポリマーIを製造する工程、第2工程:イソシアネート基末端プレポリマーIをアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)を用いてアロファネート化イソシアヌレート化を同時に生成させてイソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する工程、第3工程:イソシアネート基末端プレポリマーIIを反応停止剤により反応停止を行う工程、第4工程:薄膜蒸留又は溶剤抽出によって、遊離の有機ジイソシアネート(B)の含有量を1質量%未満になるまで除去する工程、によりポリイソシアネート組成物を製造することを特徴とする。
(8)二液型塗料組成物が、前記(3)〜(6)に記載のポリイソシアネート組成物と、ポリオール(D)を含んでなることを特徴とする。
(9)二液型塗料組成物が、前記(3)〜(6)に記載のポリイソシアネート組成物と、ポリオール(D)と、JIS K 2256に準じたアニリン点、又は混合アニリン点が5〜100℃の有機溶剤(E)を含んでなることを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明のアロファネート・イソシアヌレート化触媒を用いたポリイソシアネート組成物、該組成物の製造方法、及び該組成物を用いた二液型塗料組成物は、特定の第四級アンモニウムアルキル炭酸塩をアロファネート・イソシアヌレート化触媒として使用することで、加水分解性塩素濃度の高い有機ジイソシアネートを原料として使用した場合であっても、アロファネート化反応、及びイソシアヌレート化反応を阻害せず、両結合基を1分子中に含有したポリイソシアネート組成物が得られる。更に、触媒由来の酸成分の生成を低減できるため、得られたポリイソシアネート組成物とポリオールとを含む二液型塗料組成物は、硬化性のバラツキが少なく、低極性有機溶剤への溶解性にも優れる。そのため、塗料を重ね塗りする際に下地層侵食することがなく、作業性やリコート性、及びその他の塗膜物性に優れた塗料として利用することができる。

0017

本発明のアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)は、一般式(1)で表される第四級アンモニウムアルキル炭酸塩の化合物であるため、加水分解性塩素の分解を抑制することで、反応阻害の要因であるプロトン酸の生成を減少させる。更に加水分解性塩素の分解から生じたプロトン酸の濃度が高い状態であっても反応阻害を生じず、アロファネート化反応、及びイソシアヌレート化反応を促進できるアロファネート・イソシアヌレート化触媒である。また、触媒由来の酸成分の生成を抑制することができるため、得られたポリイソシアネート組成物とポリオールとを含む二液型塗料組成物は、硬化遅延などを生じることが無く、硬化性のバラツキ低減を可能とする。

0018

0019

ここで、一般式(1)で示される第四級アンモニウムアルキル炭酸塩のR1〜R3としては、それぞれ独立した炭素数1〜12のアルキル基からなり、R4、及びR5は炭素数1〜18の直鎖アルキル基である。又は、R1〜R3は、炭素数1〜12のアルキル基を含み、且つR1〜R3のうちの何れか2個が炭素、酸素又は窒素原子を介したヘテロ環を形成しており、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、及びドデシル基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、R4、及びR5は、炭素数1〜18の直鎖アルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘプタデシル基、又はヘキサデシル基であることが好ましい。

0020

前記の炭素数が範囲外になる場合やこれ以外の官能基の場合には、アロファネート化反応、又はイソシアヌレート化反応の一方の反応が選択的に進行し、アロファネート基とイソシアヌレート基の両結合基を1分子中に含有したポリイソシアネート組成物を得ることが困難になる場合がある。また、ポリイソシアネートへの触媒の溶解性の低下や、経時変化析出物を生じ、塗膜物性の低下を生じる恐れがある。

0021

<第四級アンモニウムアルキル炭酸塩>
ここで、一般式(1)で表される第四級アンモニウムアルキル炭酸塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、メチルトリエチルアンモニウムアルキル炭酸塩、エチルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、プロピルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ブチルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ペンチルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ヘキシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ヘプチルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、オクチルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ノニルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、デシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ウンデシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、トリデシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、テトラデシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタニウムアルキル炭酸塩、又は1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウムアルキル炭酸塩等が挙げられる。これらは、単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。

0022

また、これら第四級アンモニウムアルキル炭酸塩の化合物のうち、アロファネート化反応とイソシアヌレート化反応の両方の触媒活性が高く、低極性有機溶剤への溶解性に優れるポリイソシアネート組成物が得られる観点から、テトラメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、メチルトリエチルアンモニウムアルキル炭酸塩、エチルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ブチルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ヘキシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、オクチルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、デシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、テトラデシルトリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムアルキル炭酸塩、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタニウムアルキル炭酸塩、1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウムアルキル炭酸塩が特に好ましい。

0023

前記のアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)は、アロファネート基とイソシアヌレート基の両結合基を1分子中に含有したポリイソシアネート組成物を生成させる触媒として好適であり、両結合基を1分子中に含有するために、公知技術で得られたアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物とイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート組成物との混合物と比較し、耐候性や低極性有機溶剤に対する溶解性を飛躍的に高めることができる。

0024

次に、前記のアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)を使用して得られる本発明のポリイソシアネート組成物について、詳細に説明する。
本発明のポリイソシアネート組成物は、アロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)の存在下で、有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)との反応により、アロファネート基とイソシアヌレート基を同時に生成させることによって、両結合基を1分子中に含有したポリイソシアネート組成物が得られる。

0025

ここで、使用される有機ジイソシアネート(B)としては、特に限定されるものではなく、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート等を挙げることができ、単独、又は2種以上を併用することができる。

0026

<芳香族ジイソシアネート>
芳香族ジイソシアネートの具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート混合物、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート/4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート混合物、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等を挙げることができる。

0027

<脂肪族ジイソシアネート>
脂肪族イソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネートテトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。

0028

<脂環族ジイソシアネート>
脂環族ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネートシクロヘキシルジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等を挙げることができる。

0029

<芳香脂肪族ジイソシアネート>
芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチルベンゼン若しくはその混合物、ω,ω′−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン等を挙げることができる。

0030

<モノアルコール(C)>
ポリイソシアネート組成物に使用されるモノアルコール(C)としては、特に限定されるものではなく、メタノールエタノール1−プロパノール2−プロパノール、1−ブタノール2−ブタノールイソブタノール、1−ペンタノール2−ペンタノールイソアミルアルコール1−ヘキサノール、2−ヘキサノール1−ヘプタノール、1−オクタノール2−エチル−1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−トリデカノール、2−トリデカノール、2−オクチルドデカノール、3−エチル−4,5,6−トリメチルオクタノール、4,5,6,7−テトラメチルノナノール、4,5,8−トリメチルデカノール、4,7,8−トリメチルトリデカノール、テトラデカノール、2−ヘキシルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、2−ヘキサデシルオクタデカノールペンタデカノール、パルミチルアルコールステアリルアルコールシクロペンタノールシクロヘキサノールメチルシクロヘキサノールトリメチルシクロヘキサノール等が挙げることができ、単独、又は2種以上を併用することができる。
これらの中で、1−トリデカノール、2−トリデカノール、2−オクチルドデカノール、3−エチル−4,5,6−トリメチルオクタノール、4,5,6,7−テトラメチルノナノール、4,5,8−トリメチルデカノール、4,7,8−トリメチルトリデカノール、テトラデカノール、2−ヘキシルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、2−ヘキサデシルオクタデカノール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコールのアルキル基の炭素数が11〜20であるモノアルコール(C)が低極性有機溶剤に対する溶解性が特に優れており、より好ましい。アルキル基の炭素数が上限値を超えると結晶性が高まるため貯蔵安定性が低下する恐れがある。また、アルキル基以外の結合基を有する場合には、低極性有機溶剤に対する溶解性が低下する恐れがあり好ましくない。

0031

また、アロファネート基とイソシアヌレート基の両結合基を1分子中に含有したポリイソシアネート組成物を効率的に得るためには、ポリイソシアネート組成物に対するモノアルコール(C)の含有量を質量比で6%〜30%にすることが好ましい。含有量が上限値を超えると、ポリイソシアネート組成物の平均分子量の増加、及び粘度が増加するため、低極性有機溶剤に対する溶解性の低下を招く恐れがある。また、下限値未満の場合には、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネート組成物が増加し、低極性有機溶剤に対する溶解性が低下を招く恐れがある。

0032

次に、本発明のポリイソシアネート組成物の具体的な製造手順について、詳細に説明する。尚、ポリイソシアネート組成物の製造方法は、以下に代表されるような第1工程〜第4工程を経て製造される。
<ポリイソシアネート組成物の製造方法>
第1工程:有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)を水酸基に対して、イソシアネート基が過剰量になる量を仕込んで、有機溶剤の存在下、又は非存在下、20〜120℃でウレタン化反応させてイソシアネート基末端プレポリマーIを製造する。ここでウレタン化反応の目安としては、中和滴定法によるイソシアネート基含有量屈折率上昇値により完結の有無を判断する。
第2工程:イソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)を仕込み核磁気共鳴分光法(以下NMRという)、及びゲルパーミエーション(以下GPCという)で、ウレタン基の有無、目的とするイソシアネート基含有量、及び分子量になるまで、70〜150℃にてアロファネート化とイソシアヌレート化を同時に行ってイソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する。
第3工程:イソシアネート基末端プレポリマーIIに反応停止剤を添加することによって、反応の停止を行う。これら第1工程〜第3工程においては、窒素ガス、若しくは、乾燥空気気流下で反応を進行させる。
第4工程:イソシアネート基末端プレポリマーIIを薄膜蒸留又は溶剤抽出によって、遊離の有機ジイソシアネートの含有量を1質量%未満になるまで除去する。

0033

<第1工程:イソシアネート基末端プレポリマーIを製造する工程>
第1工程における「イソシアネート基が過剰量になる量」とは、原料仕込みの際、有機ジイソシアネート(B)のイソシアネート基とモノオール(C)の水酸基とのモル比が、R=イソシアネート基/水酸基で6〜40になるように仕込むことが好ましく、更に好ましくは、R=7〜30になるように仕込むことが好ましい。下限未満の場合には、目的物よりも分子量の高いポリイソシアネート組成物の生成量が多くなり、粘度の上昇や低極性有機溶剤に対する溶解性の低下を招く恐れがある。上限を超える場合には、ポリイソシアネート組成物の前駆体であるウレタン基含有ポリイソシアネートの生成量が多くなり、平均官能基数の低下に伴う塗膜物性の低下、及び生産性や収率の低下を招く恐れがある。

0034

また、ウレタン化反応の反応温度は、20〜120℃であり、好ましくは50〜100℃である。尚、ウレタン化反応の際、公知のウレタン化触媒を用いることができる。
<ウレタン化触媒>
ウレタン化反応に使用できる触媒の具体例としては、ジブチル錫ジアセテートジブチル錫ジラウレートジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミントリエチルアミン等の有機アミンやその塩を選択して用いる。これらの触媒は、第3工程で使用される反応停止剤と反応し、硬化性の遅延要因となる酸成分が生成しない範囲で、単独、又は2種以上併用することができる。

0035

また、ウレタン化反応の反応時間は、触媒の有無、種類、及び温度により異なるが、一般には10時間以内、好ましくは1〜5時間で十分である。尚、反応時間が長くなるに従い着色等の不具合を生じる場合がある。

0036

<第2工程:イソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する工程>
第2工程におけるアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)の使用量は、有機ジイソシアネート(B)と、モノアルコール(C)との合計質量に対して0.001〜1.0質量%が好ましく、0.005〜0.1質量%がより好ましい。下限未満の場合には、アロファネート化反応とイソシアヌレート化反応が十分に進行せず、ポリイソシアネート組成物の前駆体であるウレタン基含有ポリイソシアネートの生成量が多くなり、平均官能基数の低下に伴う塗膜物性の低下、及び生産性や収率の低下を招く恐れがある。また、上限値を超える場合には、目的物よりも分子量の高いポリイソシアネート組成物の生成量が多くなり、粘度の上昇、低極性有機溶剤に対する溶解性の低下、及び反応性制御の低下を招く恐れがある。

0037

また、アロファネート化反応、及びイソシアヌレート化反応の反応温度は50〜150℃、好ましくは60〜130℃で反応を行う。尚、アロファネート化反応、及びイソシアヌレート化反応の際、性能が低下しない範囲で本願発明のアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)と公知のアロファネート化反応、又はイソシアヌレート化反応を促進する触媒とを併用することができる。これらの触媒は、第3工程で使用される反応停止剤と反応し、硬化性の遅延要因となる酸成分が生成しない範囲で、単独、又は2種以上併用することができる。

0038

アロファネート化触媒
アロファネート化触媒の具体例としては、公知のカルボン酸金属塩から適宜選択して用いることができる。
カルボン酸の具体例としては、酢酸プロピオン酸酪酸カプロン酸オクチル酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸2−エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸シクロヘキサンカルボン酸シクロペンタンカルボン酸等の飽和単環カルボン酸、ビシクロ(4.4.0)デカン−2−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸、ナフテン酸等の上述したカルボン酸の混合物、オレイン酸リノール酸リノレン酸大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪族カルボン酸、ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族カルボン酸、安息香酸トルイル酸等の芳香族カルボン酸等のモノカルボン酸類フタル酸イソフタル酸テレフタル酸ナフタレンジカルボン酸コハク酸酒石酸シュウ酸マロン酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸フマル酸トリメリット酸ピロメリット酸等のポリカルボン酸類が挙げられる。
また、カルボン酸の金属塩を構成する金属としては、リチウムナトリウムカリウム等のアルカリ金属マグネシウムカルシウムバリウム等のアルカリ土類金属、スズ、鉛等のその他の典型金属マンガン、鉄、コバルトニッケル、銅、亜鉛ジルコニウムビスマス等の遷移金属等が挙げられる。

0039

<イソシアヌレート化触媒>
イソシアヌレート化触媒の具体例としては、トリエチルアミン、N−エチルピペリジン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−エチルモルフォリンフェノール化合物マンニッヒ塩基等の第三級アミン、テトラメチルアンモニウム炭酸水素塩、メチルトリエチルアンモニウム炭酸水素塩、エチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、プロピルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ブチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ペンチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘキシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、オクチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ノニルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、デシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ウンデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ドデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、トリデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタニウム炭酸水素塩、又は1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウム炭酸水素塩等の第四級アンモニウム炭酸水素塩、テトラメチルアンモニウム炭酸塩、メチルトリエチルアンモニウム炭酸塩、エチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、プロピルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ブチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ペンチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘキシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、オクチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ノニルトリメチルアンモニウム炭酸塩、デシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ウンデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、トリデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム炭酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタニウム炭酸塩、又は1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウム炭酸塩等の第四級アンモニウム炭酸塩、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド有機弱酸塩、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリン酸吉草酸、オクチル酸、ミリスチン酸、ナフテン酸等のカルボン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。

0040

このようにして得られるポリイソシアネート組成物中に含有するアロファネート基とイソシアヌレート基のモル比としては、アロファネート基/イソシアヌレート基を80/20〜30/70の範囲にあることが好ましい。イソシアヌレート基のモル比が下限値未満の場合には、塗膜物性が低下する恐れがある。また、上限値を超える場合には、低極性有機溶剤に対する溶解性の低下や密着性の低下を招く恐れがある。
また、このアロファネート基とイソシアヌレート基のモル比の調整には、反応時間と反応温度を適宜調整することで範囲内のモル比を得ることができる。

0041

また、ポリイソシアネート組成物の製造においては、有機溶剤等を含まずに反応を行う方法や反応に影響を与えない有機溶剤の存在下で反応を行う方法が適宜選択される。
<製造に使用する有機溶剤>
製造に使用する有機溶剤の具体例としては、オクタン等の脂肪族炭化水素類シクロヘキサンメチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類、メチルイソブチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類エチレングリコールエチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル類、ジオキサン等のエーテル類ヨウ化メチレンモノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N−メチルピロリドンジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドジメチルスルホキシドヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、反応で使用した有機溶剤は、第4工程における遊離の有機ジイソシアネート(B)の除去時に同時に除去される。

0042

<第3工程:反応停止工程>
第3工程におけるに反応停止剤としては、触媒の活性失活させる作用があり、反応終了後、速やかに添加される。
<反応停止剤>
反応停止剤の具体例としては、リン酸、塩酸等の無機酸、スルホン酸基スルファミン酸基等を有する有機酸、及びこれらのエステル類、アシルハライド等公知の化合物が使用される。これらの反応停止剤は、単独、又は2種以上を併用することがでる。尚、前記で記載したように、本願発明のアロファネート・イソシアヌレート化触媒(A)以外のウレタン化触媒等を併用した場合、硬化性の遅延要因となる酸成分を生成する可能性がある。

0043

また、反応停止剤の添加量としては、反応停止剤や触媒の種類によって異なるが、触媒の0.5〜10当量となるのが好ましく、0.8〜5.0当量が特に好ましい。反応停止剤が少ない場合には、得られるポリイソシアネート組成物の貯蔵安定性が低下しやすく、多すぎる場合は、ポリイソシアネート組成物が着色する場合がある。

0044

<第4工程:精製工程>
第4工程の精製工程では、反応混合物中に存在している遊離の未反応の有機ジイソシアネート(B)を、例えば、10〜100Paの高真空下での120〜150℃における薄膜蒸留による除去法や有機溶剤による抽出法により、残留含有率を1.0質量%以下にされる。尚、有機ジイソシアネート(B)の残留含有率が上限値を超える場合は、臭気や貯蔵安定性の低下を招く恐れがある。

0045

精製して得られたポリイソシアネート組成物は、ポットライフの延長や塗料組成物の一液化を目的として、公知のブロック剤を用いてブロックイソシアネートとすることも可能である。これにより、ブロック化されたポリイソシアネートは、常温時は不活性であるが、加熱することでブロック剤が解離し、再びイソシアネート基が活性化することで、活性水素基と反応する潜在的な機能を付加することができる。
<ブロック剤>
ブロック剤は、イソシアネート基をブロック化し、水分や水酸基などの活性水素基との反応を消失させ一液化を可能とする。更に、ブロック化されたポリイソシアネート組成物は、加熱することによってブロック剤が解離し、再びイソシアネート基が活性化することで、活性水素基と反応する潜在性硬化剤である。
ブロック剤としては、フェノール系、ラクタム系、活性メチレン系、アルコール系、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系、カルバミン酸塩系、イミン系、オキシム系、亜硫酸塩系等が挙げられる。とりわけフェノール系、オキシム系、ラクタム系、イミン系が有利に使用される。ここで具体例としては、フェノール、クレゾールキシレノールニトロフェノールクロロフェノールエチルフェノール、p−ヒドロキシジフェニル、t−ブチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−t−オクチルフェノールヒドロキシ安息香酸ヒドロキシ安息香酸エステル等のフェノール系ブロック剤、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系ブロック剤、マロン酸ジエチルマロン酸ジメチルアセト酢酸エチルアセト酢酸メチルアセチルアセトン等の活性メチレン系ブロック剤、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコールイソプロピルアルコールn−ブチルアルコールイソブチルアルコールt−ブチルアルコールn−アミルアルコール、t−アミルアルコールラウリルアルコールエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルベンジルアルコールメトキシメタノール、グリコール酸グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル等のグリコール酸エステル乳酸乳酸メチル乳酸エチル乳酸ブチル等の乳酸エステルメチロール尿素メチロールメラミンジアセトンアルコール、エチレンクロルヒドリン、エチレンブロムドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、ω−ハイドロパーフルオロアルコール、アセトシアンヒドリン等のアルコール系ブロック剤、ブチルメルカプタンヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾールチオフェノールメチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤、アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイドアクリルアミドメタクリルアミド酢酸アミドステアリン酸アミドベンズアミド等の酸アミド系ブロック剤、コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミンキシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾールアニリン、ナフチルアミン、ブチルアミンジブチルアミンブチルフェニルアミン等のアミン系ブロック剤、イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤、尿素、チオ尿素エチレン尿素エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニル尿素等の尿素系ブロック剤、N−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドン等のカルバミン酸塩系ブロック剤、エチレンイミンプロピレンイミン等のイミン系ブロック剤、ホルムアミドシムアセトアルドキシムアセトキシムメチルエチルケトオキシムジアセチルモノオキシムベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系ブロック剤重亜硫酸ナトリウム重亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩系ブロック剤等が挙げられる。これらのブロック剤は、単独、又は2種以上を併用することができる。

0046

また、ブロック剤とポリイソシアネート組成物との反応温度は、40〜140℃であり、好ましくは70〜100℃でブロック剤を付加することができる。

0047

また、ポリイソシアネート組成物は、親水性極性基含有化合物変性することで水分散定性を付与し、更に、前記ブロック剤と併用することによって一液化を可能とした水分散性を有するポリイソシアネート組成物を得ることも可能である。
<親水性極性基含有化合物>
親水性極性基含有化合物は、構造中に活性水素基を含みポリイソシアネート組成物のイソシアネート基と反応することで水分散性を高めることができる。
親水性極性基含有化合物の親水性極性基としては、ノニオン性極性基アニオン性極性基カチオン性極性基が挙げられ、特にノニオン性極性基含有化合物が好適に用いられる。

0048

活性水素基を有するノニオン性親水基含有化合物としては、特に限定するものではないがエチレンオキサイドユニットが50モル%以上、繰り返し数が3〜90であるポリオキシアルキレンエーテルモノオール、ポリ(オキシアルキレン)エーテルポリオール、ポリ(オキシアルキレン)脂肪酸エステルモノオールが好ましい。これらのうち、分散性耐湿熱性、及び耐水性の観点から、ノニオン性親水基含有化合物としては、ポリ(オキシアルキレン)エーテルモノオール、ポリ(オキシアルキレン)エーテルポリオールが好ましく、更にはポリ(オキシアルキレン)エーテルモノオールが好ましい。

0049

ポリイソシアネート組成物への親水性極性基含有化合物の変性量は、特に限定されるものではないが塗膜の性能と水への分散性の両立の観点から、ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基量に対して、モル分率で5〜25モル%の範囲で変性することが好ましい。親水性極性基含有化合物が25モル%を超える場合には十分な硬化塗膜が得られず、耐候性が低下する恐れがある。また、親水性極性基含有化合物が5モル%未満の場合には十分な水分散性が得られず、沈降や凝集物を生じ、塗膜の性能バラツキが大きくなる恐れがある。

0050

このようにして得られたポリイソシアネート組成物は、GPCの分析から得られた数平均分子量より求められる平均官能基数が2.0〜5.0の範囲である。下限未満の場合には、架橋密度が低下し耐溶剤性や塗膜物性が低下する恐れがある。また、上限値を超える場合には低極性有機溶剤に対する溶解性の低下や密着性の低下を招く恐れがある。

0051

また、ポリイソシアネート組成物の数平均分子量は、500〜3000であり、好ましくは500〜2500、更に好ましくは500〜2000である。下限未満の場合には密着性の低下する恐れがあり、上限値を超えると低極性有機溶剤に対する溶解性の低下や密着性の低下を招く恐れがある。

0052

また、ポリイソシアネート組成物の粘度は、特に限定されるものではないが、25℃で100〜2000mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは500〜1500mPa・sである。上限値を超えると二液塗料組成物の粘度が高くなり、取り扱い難くなる場合がある。

0053

また、一連の反応で得られたポリイソシアネート組成物は、ポリオール(D)と、アニリン点、又は混合アニリン点が5〜100℃の有機溶剤(E)を配合することによって、重ね塗りする際に下地層を侵食することがなく、リコート性に優れ、更に耐溶剤性や塗膜物性に優れる二液型塗料組成物となる。

0054

ここで、本発明の二液型塗料組成物に使用されるポリオール(D)としては、特に限定されるものではないが、イソシアネート基の反応基として活性水素基を含有する化合物であり、ポリエステルポリオールポリエーテルポリオールポリカーボネートポリオールポリオレフィンポリオールアクリルポリオールシリコーンポリオールヒマシ油系ポリオールフッ素系ポリオール、2種類以上のポリオールのエステル交換物、及びポリイソシアネートとウレタン化反応した水酸基末端プレポリマー等が好適に用いられ、これらは1種類、又は2種類以上の混合物として使用することもできる。

0055

<ポリエステルポリオール>
ポリエステルポリオールの具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタンジエチレングリコールジプロピレングリコールネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコールグリセリントリメチロールプロパンペンタエリスリトール等の分子量500以下の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、ε−カプロラクトンアルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクトンモノマー開環重合から得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。更に、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミンイソホロンジアミンモノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル−アミドポリオールを使用することもできる。

0056

<ポリエーテルポリオール>
また、ポリエーテルポリオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミンプロピレンジアミントルエンジアミンメタフェニレンジアミンジフェニルメタンジアミンキシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。

0057

<ポリカーボネートポリオール>
また、ポリカーボネートポリオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの1種類以上と、ジメチルカーボネートジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類エチレンカーボネートプロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。
また、ポリカーボネートポリオールとポリエステルポリオールと低分子ポリオールのエステル交換反応により得られたポリオールも好適に用いることができる。

0058

<ポリオレフィンポリオール>
また、ポリオレフィンポリオールの具体例としては、水酸基を2個以上有するポリブタジエン水素添加ポリブタジエンポリイソプレン水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。

0059

<アクリルポリオール>
アクリルポリオールとしては、アクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル〔以下(メタ)アクリル酸エステルという〕と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物又は/及びメタクリル酸ヒドロキシ化合物〔以下(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物という〕と、重合開始剤とを熱エネルギー紫外線または電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合したものを挙げることができる。

0060

<(メタ)アクリル酸エステル>
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、炭素数1〜20のアルキルエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル酸アリールエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは単独、又は2種類以上組み合わせたものを挙げることができる。

0061

<(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物>
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物の具体例としては、ポリイソシアネート(B)との反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのアクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレートなどのメタクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。これらアクリル酸ヒドロキシ化合物、及び/又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物、単独、又は2種以上を組み合わせのものを挙げることができる。

0062

<シリコーンポリオール>
シリコーンポリオールの具体例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを重合したビニル基含有シリコーン化合物、及び分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサンを挙げることができる。

0063

<ヒマシ油系ポリオール>
ヒマシ油系ポリオールの具体例としては、ヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる線状、又は分岐状ポリエステルポリオールが挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油水素を付加させた水添ヒマシ油も使用することができる。

0064

<フッ素系ポリオール>
フッ素系ポリオールの具体例としては、含フッ素モノマーヒドロキシ基を有するモノマーとを必須成分として共重合反応により得られる線状、又は分岐状のポリオールである。ここで、含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィンであることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレンクロロトリフルオロエチレントリクロロフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルトリフルオロメチルトリフルオロエチレンが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルシクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸ビニル、又はアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。

0065

また、ポリオール(D)は、1分子中の活性水素基数(平均官能基数)が1.9〜4.0であることが好ましい。活性水素基数が下限値未満の場合には、塗膜物性が低下する恐れがある。また、上限値を超える場合には、被着体に対する接着性が低下する恐れがある。

0066

また、ポリオール(D)の数平均分子量は、750〜50000の範囲にあることが好ましい。下限値未満の場合には、下限未満の場合には密着性の低下する恐れがあり、上限値を超えると低極性有機溶剤に対する溶解性の低下や密着性の低下を招く恐れがある。

0067

また、二液型塗料組成物のポリイソシアネート組成物と、ポリオール(D)との配合の割合は、特に厳密に限定するものではないが、イソシアネート組成物中のイソシアネート基とポリオール中の水酸基のモル比が、R=イソシアネート基/水酸基で0.5〜1.5となるように配合することが好ましい。下限値未満の場合には水酸基が過剰になり、密着性の低下を招く恐れがある。また、架橋密度が低下し耐久性の低下や塗膜の機械的強度が低下する恐れがある。上限値を超える場合にはイソシアネート基が過剰になり、空気中の水分と反応し、塗膜の膨れやこれに伴う接着性の低下を生じる恐れがある。

0068

また、希釈溶剤として使用する有機溶剤(E)としては、アニリン点、又は混合アニリン点が5〜100℃の範囲にある有機溶剤であり、塗料を重ね塗りする際に下地層を侵食することがなく、良好なリコート性を得るためには、好ましくは、アニリン点、又は混合アニリン点が5〜90℃の範囲がより好ましく、5〜85℃の範囲であることが更に好ましい。下限値未満の場合には、リコート性の低下の他に有機溶剤の臭気も強くなり、作業環境の悪化が生じる恐れがある。

0069

ここで、「アニリン点」とは、等容量のアニリンと試料(有機溶剤)とが均一な混合溶液として存在する最低温度のことである。アニリン点、又は混合アニリン点はJIS K 2256の「石油製品−アニリン点及び混合アニリン点試験方法」に記載の試験方法に準じて測定することができる。

0070

<有機溶剤(E)>
有機溶剤(E)の具体例としては、ソルベッソ100(エクソンモービル社製、混合アニリン点:14℃)、ソルベッソ150(エクソンモービル社製、混合アニリン点:18℃)、スワゾール100(丸善石油化学社製、混合アニリン点:25℃)、スワゾール200(丸善石油化学社製、混合アニリン点:24℃)、スワゾール1500(丸善石油化学社製、混合アニリン点:17℃)、スワゾール1800(丸善石油化学社製、混合アニリン点:16℃)、スワゾール1000(丸善石油化学社製、混合アニリン点:13℃)、ベガゾールARO−80(エクソンモービル社製、混合アニリン点:25℃)、ベガゾールR−100(エクソンモービル社製、混合アニリン点:14℃)、出光イブゾール150(出光興産社製、混合アニリン点:15℃)、出光イブゾール100(出光興産社製、混合アニリン点:14℃)、メチルシクロヘキサン(アニリン点:40℃)、エチルシクロヘキサン(アニリン点:44℃)、ミネラルスピリットミネラルターペン、アニリン点:56℃)、テレビン油(アニリン点:20℃)等の他に、一般に石油系炭化水素として市販されているHAWS(シェルジャパン社製、アニリン点:17℃)、エッソナフサNo.6(エクソンモービル社製、アニリン点:43℃)、LAWS(シェルジャパン社製、アニリン点:44℃)、ペガゾール3040(エクソンモービル社製、アニリン点:55℃)、Aソルベント(JX日鉱日石エネルギー社製、アニリン点:45℃)、クレゾル(JX日鉱日石エネルギー社製、アニリン点:64℃)、ミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー社製、アニリン点:43℃)、ハイアロム2S(JX日鉱日石エネルギー社製、アニリン点:44℃)、LAWS(シェルケミカルズジャパン社製、アニリン点:44℃)、ペガソール3040(エクソンモービル社製、アニリン点:55℃)、Aソルベント(JX日鉱日石エネルギー社製、アニリン点:45℃)、クレンゾル(JX日鉱日石エネルギー社製、アニリン点:64℃)、ミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー社製、アニリン点:43℃)、ハイアロム2S(JX日鉱日石エネルギー社製、アニリン点4:4℃)、リニアレン10(出光興産社製、αオレフィン炭化水素、アニリン点:44℃)、リニアレン12(出光興産社製、αオレフィン系炭化水素、アニリン点:54℃)、エクソールD30(エクソンモービル社製、ナフテン系溶剤、アニリン点:63℃)、リカソルブ900(新日本理化社製、水添C9溶剤、アニリン点:53℃)、リカソルブ910B(新日本理化社製、水添C9溶剤、アニリン点:40℃)、リカソルブ1000(新日本理化社製、水添C9溶剤、アニリン点:55℃)、IPソルベント1620(出光興産社製、アニリン点:81℃)、IPソルベント1016(出光興産社製、アニリン点:72℃)、IPソルベント2028(出光興産社製、アニリン点:89℃)、IPソルベント2835(出光興産社製、アニリン点:104℃)、シェルゾールS(シェルケミカルズジャパン社製、アニリン点:78℃)、アイソパーG(エクソンモービル社製、アニリン点:78℃)、日石アイソゾール300(JX日鉱日石エネルギー社製、アニリン点:80℃)、ノルマルパラフィンSL(JX日鉱日石エネルギー社製、アニリン点:80℃)、マルカゾールR(丸善石油化学社製、アニリン点:88℃)等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独、又は2種以上を混合して用いることができる。

0071

これら有機溶剤に芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系の溶剤を含有し、アニリン点、又は混合アニリン点が5〜100℃の範囲内に入っていれば溶剤として使用することも可能である。

0072

また、二液型塗料組成物におけるポリイソシアネート組成物と、アニリン点、又は混合アニリン点が5〜100℃の範囲の有機溶剤(E)との配合割合は、特に限定されるものではないが、本発明においては、質量比でポリイソシアネート組成物/有機溶剤(E)=90/10〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましい。

0073

二液型塗料組成物の硬化条件としては、触媒等により変化するため、特に限定されるものではないが、硬化温度が−5〜120℃であり、湿度が10〜95%RHであり、養生時間が0.5〜168時間である。

0074

本発明によって得られた二液型塗料組成物には、必要に応じて、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止剤紫外線吸収剤顔料染料、溶剤、難燃剤加水分解抑制剤潤滑剤、可塑剤充填材帯電防止剤分散剤、触媒、貯蔵安定剤、界面活性剤レベリング剤等の添加剤を適宜配合することができる。

0075

また、本発明によって得られた二液型塗料組成物は、スプレー刷毛、浸漬、コーターなどの公知の方法により被着体の表面上に塗布され、塗膜を形成する。
ここで被着体は、特に限定されるものではなく、ステンレスリン酸処理鋼、亜鉛鋼、鉄、銅、アルミニウム真鍮ガラススレートアクリル樹脂ポリカーボネート樹脂ポリエチレンテレフタレート樹脂ポリエチレンナフタレート樹脂ポリブチレンフタレート樹脂ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂ポリカーボネート−ABS樹脂、6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂、MXD6ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂ポリビニルアルコール樹脂ポリウレタン樹脂フェノール樹脂メラミン樹脂ポリアセタール樹脂塩素化ポリオレフィン樹脂ポリオレフィン樹脂ポリアミド樹脂ポリエーテルエーテルケトン樹脂ポリフェニレンスルフィド樹脂、NBR樹脂、クロロプレン樹脂SBR樹脂、SEBS樹脂などの素材成形された被着体、コロナ放電処理やその他表面処理を施されたポリエチレンポリプロピレン等のオレフィン樹脂、または前記被着体表面に中間形成となりうる塗膜層が形成された被着体を用いることができる。

0076

被着体表層に形成される塗膜の膜厚は、リコート性や耐久性に優れるため、被着体に少なくとも10μmの膜厚を形成すれば良い。膜厚が10μm未満である場合には耐久性が低下し、衝撃により塗膜の破れ等を生ずる恐れがある。

0077

このように特定の第四級アンモニウムアルキル炭酸塩の化合物をアロファネート・イソシアヌレート化触媒として使用し、得られるポリイソシアネート組成物を用いた二液型塗料組成物は、以下のような効果が得られるため、建築用塗料、重防食用塗料自動車用塗料家電用塗料、パソコン携帯電話等の情報機器用塗料に用いることができ、特に塗り替え用途の建築外装塗料や重防食用塗料で好適に用いられる。
(1)加水分解性塩素濃度の高い有機ジイソシアネートを原料として使用した場合であっても、アロファネート化反応、及びイソシアヌレート化反応を阻害せず、両結合基を1分子中に含有したポリイソシアネート組成物を得ることができる。
(2)反応性遅延の原因である触媒由来の酸成分の生成を低減できるため、二液型塗料組成物の硬化性のバラツキを低減できる。
(3)低極性有機溶剤への溶解性に優れるため、被着体の腐食を抑制する。つまり、外壁等の塗り替え作業の際、古い塗膜の除去やシーリング剤の塗布なしに、直接本発明の二液型組成物を塗布した場合、塗膜の浮きや膨れ等の不具合を低減することができる。
(4)ポリイソシアネート組成物は、非常に低粘度であるため、二液型塗料組成物とした場合、高固形分化が可能となり、有機溶剤の削減ができる。

0078

以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0079

<ポリイソシアネート組成物の合成>
<実施例1>
攪拌機温度計冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットル四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−1(NCO含有量:49.9質量%、加水分解性塩素含有量:30.0ppm)を920gと、トリデカノール(協和発酵ケミカル社製)を80g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩(広栄化学社製)Cat−1を0.5g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508(化学工業社製、酸性リン酸エステル)を0.2g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−1を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−1はNCO含有量が17.8質量%、外観は透明液体、数平均分子量は770、25℃の粘度は500mPa・s、遊離HDI含有量は0.3質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は49モル%、イソシアヌレート基含有量は51モル%、ウレタン基含有量は1モル%未満であった。

0080

<加水分解性塩素の測定方法
加水分解性塩素の測定方法は、JIS K1603−3の「プラスチック−ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法−第3部:加水分解性塩素の求め方」に準じ、下記の硝酸銀標準溶液による電位差滴定により求められる。
(1)三角フラスコ500mlに試料を約10g量し、メタノール50mlを加え撹拌する。三角フラスコ側面に結晶析出し始めたら、蒸留水を200ml加え、30分間煮沸する。
(2)煮沸完了後、氷浴中で約10℃に冷却し、硝酸を10滴加え、硝酸銀標準液で電位差滴定を行う。
<加水分解性塩素含有量の計算:H(%)>
加水分解性塩素は、次式のように質量%で算出し、その後、適宜単位に変換する。
H=3.55×V×c/m
(1)H:加水分解性塩素(質量%)
(2)V:試料の滴定に要した硝酸銀溶液量(ml)
(3)c:硝酸銀溶液の濃度(mol/l)
(4)m:試料の質量(g)
(5)3.55:塩素原子量(35.5g/mol)とmgからgへの変換係数(1000)、及び質量%への変換係数(100)とを組み合せた係数(g/mol)。

0081

<NMR:アロファネート基・イソシアヌレート基・ウレタン基含有量の測定>
(1)測定装置:ECX400M(日本電子社製、1H−NMR)
(2)測定温度:23℃
(3)試料濃度:0.1g/1ml
(4)積算回数:16
(5)緩和時間:5秒
(6)溶剤:重水素ジメチルスルホキシド
(7)化学シフト基準:重水素ジメチルスルホキシド中のメチル基の水素原子シグナル(2.5ppm)
(8)評価方法:8.5ppm付近のアロファネート基の窒素原子に結合した水素原子のシグナルと、3.7ppm付近のイソシアヌレート基の窒素原子に隣接したメチレン基の水素原子のシグナルと7.0ppm付近のウレタン基の窒素原子に結合した水素原子のシグナルの面積比から結合基の含有量を測定。

0082

<GPC:分子量の測定>
(1)測定器:HLC−8220(東ソー社製)
(2)カラム:TSKgel(東ソー社製)
・G3000H−XL
・G2500H−XL
・G2000H−XL、G1000H−XL
(3)キャリア:THF(テトラヒドロフラン)
(4)検出器RI屈折率)検出器
(5)温度:40℃
(6)流速:1.000ml/min
(7)検量線標準ポリスチレン(東ソー社製)
・F−80(分子量:7.06×105、分子量分布:1.05)
・F−20(分子量:1.90×105、分子量分布:1.05)
・F−10(分子量:9.64×104、分子量分布:1.01)
・F−2(分子量:1.81×104、分子量分布:1.01)
・F−1(分子量:1.02×104、分子量分布:1.02)
・A−5000(分子量:5.97×103、分子量分布:1.02)
・A−2500(分子量:2.63×103、分子量分布:1.05)
・A−500(分子量:5.0×102、分子量分布:1.14)
(8)サンプル溶液濃度:0.5%THF溶液

0083

<実施例2>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−2(NCO含有量:49.9質量%、加水分解性塩素含有量:105.4ppm)を920gと、トリデカノールを80g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩Cat−1を0.5g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.2g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−2を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−2はNCO含有量が17.7質量%、外観は透明液体、数平均分子量は760、25℃の粘度は480mPa・s、遊離HDI含有量は0.3質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は50モル%、イソシアヌレート基含有量は50モル%、ウレタン基含有量は1モル%未満であった。

0084

<実施例3>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−3(NCO含有量:49.9質量%、加水分解性塩素含有量:221.5ppm)を920gと、トリデカノールを80g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩Cat−1を0.5g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.2g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−3を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−3はNCO含有量が17.8質量%、外観は透明液体、数平均分子量は780、25℃の粘度は510mPa・s、遊離HDI含有量は0.3質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は48モル%、イソシアヌレート基含有量は52モル%、ウレタン基含有量は1モル%未満であった。

0085

<実施例4>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−3を950gと、イソプロパノールを50g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩Cat−1を0.5g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が75/25になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.2g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−4を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−4はNCO含有量が19.3質量%、外観は透明液体、数平均分子量は580、25℃の粘度は370mPa・s、遊離HDI含有量は0.1質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は75モル%、イソシアヌレート基含有量は25モル%、ウレタン基含有量は1モル%であった。

0086

<実施例5>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−3を950gと、イソプロパノールを50g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩Cat−1を0.5g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.2g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−5を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−5はNCO含有量が19.8質量%、外観は透明液体、数平均分子量は620、25℃の粘度は480mPa・s、遊離HDI含有量は0.1質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は53モル%、イソシアヌレート基含有量は46モル%、ウレタン基含有量は1モル%であった。

0087

<実施例6>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−3を910gと、2−エチルヘキサノール(協和発酵ケミカル社製)を90g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩Cat−1を0.5g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が75/25になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.2g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−6を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−6はNCO含有量が17.4質量%、外観は透明液体、数平均分子量は670、25℃の粘度は380mPa・s、遊離HDI含有量は0.1質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は78モル%、イソシアヌレート基含有量は22モル%、ウレタン基含有量は0モル%であった。

0088

<実施例7>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−3を910gと、2−エチルヘキサノールを90g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩Cat−1を0.5g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.2g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−7を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−7はNCO含有量が17.9質量%、外観は透明液体、数平均分子量は830、25℃の粘度は650mPa・s、遊離HDI含有量は0.1質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は49モル%、イソシアヌレート基含有量は51モル%、ウレタン基含有量は0モル%であった。

0089

<実施例8>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−3を850gと、オクチルドデカノール(協和発酵ケミカル社製)を150g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩Cat−1を0.5g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.2g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−8を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−8はNCO含有量が16.4質量%、外観は透明液体、数平均分子量は1030、25℃の粘度は670mPa・s、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は53モル%、イソシアヌレート基含有量は47モル%、ウレタン基含有量は1モル%未満であった。

0090

<実施例9>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−3を920gと、トリデカノールを80g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてオクチルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩(広栄化学社製)Cat−2を0.4g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.16g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−9を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−9はNCO含有量が17.8質量%、外観は透明液体、数平均分子量は770、25℃の粘度は490mPa・s、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は50モル%、イソシアヌレート基含有量は50モル%、ウレタン基含有量は1モル%未満であった。

0091

<実施例10>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−3を920gと、トリデカノールを80g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩Cat−1を0.5g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が75/25になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.2g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−10を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−10はNCO含有量が17.3質量%、外観は透明液体、数平均分子量は730、25℃の粘度は330mPa・s、遊離HDI含有量は0.4質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は72モル%、イソシアヌレート基含有量は28モル%、ウレタン基含有量は1モル%未満であった。

0092

<実施例11>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートHDI−3を920gと、トリデカノールを80g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート・イソシアヌレート化触媒としてドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩Cat−1を0.8g添加し、80℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が30/70になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.32g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−11を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−11はNCO含有量が17.8質量%、外観は透明液体、数平均分子量は840、25℃の粘度は750mPa・s、遊離HDI含有量は0.3質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は34モル%、イソシアヌレート基含有量は66モル%、ウレタン基含有量は1モル%未満であった。

0093

<比較例1>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、HDI−3を920gと、トリデカノールを80g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにオクチル酸錫(商品名:ニッカオクチックス錫、日本化学産業社製)Cat−3を0.4g添加し、110℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になる前に反応が進行しなくなったため、JP−508を0.4g添加し、反応液を室温に冷却してイソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−12を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−12はNCO含有量が15.6質量%、外観は透明液体、数平均分子量は650、25℃の粘度は210mPa・s、遊離HDI含有量は0.3質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は93モル%、イソシアヌレート基含有量は7モル%、ウレタン基含有量は1モル%未満であった。

0094

<比較例2>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、HDI−3を920gと、トリデカノールを80g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにテトラメチルアンモニウムカプリエートCat−4を0.3g添加し、70℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.3g添加し、反応液を室温に冷却してイソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−13を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−13はNCO含有量が17.6質量%、外観は透明液体、数平均分子量は760、25℃の粘度は490mPa・s、遊離HDI含有量は0.3質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は49モル%、イソシアヌレート基含有量は50モル%、ウレタン基含有量は1モル%であった。

0095

<比較例3>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、HDI−3を920gと、トリデカノールを80g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにオクチル酸ジルコニウム(日本化学産業社製)の溶液Cat−5を0.3g添加し、110℃でアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になるまでアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応を行った。その後、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が50/50になる前に反応が進行しなくなったため、JP−508を0.3g添加し、反応液を室温に冷却してイソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−14を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−14はNCO含有量が15.1質量%、外観は透明液体、数平均分子量は650、25℃の粘度は130mPa・s、遊離HDI含有量は0.3質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は97モル%、イソシアヌレート基含有量は3モル%、ウレタン基含有量は1モル%未満であった。

0096

<比較例4>
攪拌機、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、HDI−3を920gと、トリデカノールを80g仕込み、窒素気流下、撹拌しながら85℃に加熱し、3時間ウレタン化反応を行うことでイソシアネート基末端プレポリマーIを得た。その後、このイソシアネート基末端プレポリマーIにDABCOTMR(エアープロダクツジャパン社製) Cat−6を0.3g添加し、60℃でイソシアヌレート化反応を行った。その後、JP−508を0.5g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却し、イソシアネート末端プレポリマーIIを得た。このイソシアネート末端プレポリマーIIを130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート組成物PI−15を得た。
ポリイソシアネート組成物PI−15はNCO含有量が17.5質量%、外観は透明液体、数平均分子量は750、25℃の粘度は490mPa・s、遊離HDI含有量は0.3質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は43モル%、イソシアヌレート基含有量は48モル%、ウレタン基含有量は9モル%であった。

0097

ポリイソシアネート組成物PI−1〜ポリイソシアネート組成物PI−15に使用した原料の配合量と性状を表1、及び表2に示す。

0098

0099

表1に用いられる原料の略記号は以下の通り。
・ HDI−1:ヘキサメチレンジイソシアネート(加水分解性塩素含有量:30.0ppm)
(2)HDI−1:ヘキサメチレンジイソシアネート(加水分解性塩素含有量:105.4ppm)

(3)HDI−1:ヘキサメチレンジイソシアネート(加水分解性塩素含有量:221.5ppm)
(4)モノアルコール1:イソプロパノール(トクヤマ社製)
(5)モノアルコール2:2−エチルヘキサノール(協和発酵ケミカル社製)
(6)モノアルコール3:トリデカノール(協和発酵ケミカル社製)
(7)モノアルコール4:オクチルドデカノール(花王製)
(8)Cat−1:DTMA—MC:ドデシルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩(トリデカノール10%希釈、広栄化学社製)
(9)Cat−2:OTMA−MC:オクチルトリメチルアンモニウムメチル炭酸塩(2−エチルヘキサノール10%希釈、広栄化学社製)
(10)Cat−3:オクチル酸スズ(日本化学産業社製)
(11)Cat−4:テトラメチルアンモニウムカプリエート(ブタノール希釈20%)
(12)Cat−5:オクチル酸ジルコニウム(日本化学産業社製)
(13)Cat−6:2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムオクチル酸塩(エアープロダクツジャパン社製)
(14)JP−508:酸性リン酸エステル(城北化学社製)

0100

0101

上記表1に示すように、実施例1〜実施例3に係るポリイソシアネート組成物は、加水分解性塩素の影響を受けず、効率的にアロファネート化反応とイソシアヌレート化反応が進行し、アロファネート基とイソシアヌレート基の両結合基が1分子中に存在するポリイソシアネート組成物が得られる。このポリイソシアネート組成物は、酸成分の生成も見られず、トレランスに優れていた。

0102

実施例4〜実施例10に係るポリイソシアネート組成物は、モノアルコールのアルキル鎖の種類によらず、貯蔵安定性は優れるものであった。また、任意のアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比は、反応阻害を受けないため、調整が容易であった。

0103

これに対して、比較例1に係るポリイソシアネート組成物は、加水分解性塩素の影響を受け、更に、酸成分の生成も見られた。また、比較例2〜4のポリイソシアネート組成物は、目的の組成比にすることが可能であったが、アロファネート基含有ポリイソシアネート組成物と,ウレタン基含有ポリイソシアネート組成物の混合物が多くなり,耐候性やトレランスで劣っていた。さらに比較例2、及び比較例4のポリイソシアネート組成物は反応中に多量の不溶解物を生じるなど,反応制御が困難であった。

0104

<二液塗料組成物の調整>
配合量は、表3、及び表4に示すように、ポリオール(D)と、得られたポリイソシアネート組成物とをR(イソシアネート基/水酸基のモル比)=1になるように配合し、更に顔料として酸化チタン(商品名:CR−90、結晶構造ルチル型石原産業社製)、及び有機溶剤(E)で固形分が50%になるように配合し、ホモミキサーを使用し300rpmで3分間撹拌して二液塗料組成物を調整した。ここで、ポリオール(D)には、アクリルポリオール(商品名:アクディックHU−596、水酸基価:30mgKOH/g、DIC社製)、及びフッ素系ポリオール(商品名:ルミフロンLF800、水酸基価:30mgKOH/g、旭硝子社製)を使用し、有機溶剤(E)には、HAWS(シェルケミカルズ社製)、及びミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー社製)を使用し調整を行った。

0105

塗装方法及び試験片の調整>
調整した二液塗料組成物を、それぞれメチルエチルケトン脱脂した鋼板(JIS G3141、商品名:SPCC−SB、処理の有無:PF−1077、日本テストパネル工業社製)にアプリケーターを用い、任意の膜厚になるように塗布した。その後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生し、コーティング塗膜を得た。

0106

0107

表3、及び表4に用いられる原料の略記号は以下の通り。
(1)アクリディックHU−596:アクリルポリオール(水酸基価:30mgKOH/g)
(2)ルミフロンLF−800:フッ素系アクリルポリオール(水酸基価:30mgKOH/g)
(3)CR−90:酸化チタン
(4)ミネラルスピリットA:希釈溶剤(アニリン点43℃)
(5)HAWS:希釈溶剤(アニリン点15℃)

0108

0109

表3、及び表4に示すように、実施例12〜実施例14に係る二液型塗料組成物は、鉛筆硬度が十分に高く、耐候性に優れ、また、その他の諸物性にも優れていた。
これに対して、比較例5、比較例7に係る二液型塗料組成物は、鉛筆硬度や耐候性に劣るものであった。また、比較例8の二液型塗料組成物は、耐候性が若干劣るものであった。

0110

(1)評価試験1:
<貯蔵安定性>
得られたポリイソシアネート組成物を−10℃、及び50℃に168時間放置し、濁り浮遊物、及び析出物の有無を目視で評価した。

0111

評価基準
・濁り、浮遊物、及び析出物が認められない:合格(評価:○)
・濁りが認められる:合格(評価:△)
・析出物が認められる:不合格(評価:×)

0112

(2)評価試験2:
<トレランス>
得られたポリイソシアネート組成物を各1g採取し、それぞれにアニリン点の異なるHAWS(シェルケミカルズ社製)、及びミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー社製)を加えていき、濁りを生じた滴定量終点として算出した。

0113

計算式
T=L/S
・T:トレランス(倍)
・L:有機溶剤の滴定量(g)
・S:サンプル量(g)

0114

(3)評価試験3:
光沢度
実施例12〜実施例23、及び比較例5〜比較例8で得られたコーティング塗膜をJIS Z8741に準じて、ヘイズグロスリフレクトメーターで60°における光沢度を測定した。

0115

<評価基準>
・80%以上:合格(評価:○)
・60%以上〜80未満:合格(評価:△)
・60%未満:不合格(評価:×)

0116

(4)評価試験4:
<鉛筆硬度>
JIS K5600−5−4:1999に準じて、塗膜が破れない鉛筆硬度を測定した。

0117

(5)評価試験5:
耐屈曲性
JIS K5600−5−1:1999の耐屈曲性試験に準じ、直径2mmの円筒形マンドレルを使用し、円筒形マンドレルにより折り曲げられた場合の塗膜の割れ、及び鋼板からの剥れの有無を評価した。

0118

<評価基準>
・塗膜の割れ及び剥れが見られない:合格(評価:○)
・塗膜の割れ及び剥れを生じている:不合格(評価:×)

0119

(6)評価試験6:
耐カッピング性
JIS K5600−5−2:1999の耐カッピング試験に準じ、押し込みによって、部分変形を受けた場合の塗膜の割れ、及び鋼板からの剥れるまでの押し込み深さ(mm)を測定した。

0120

(7)評価試験7:
耐おもり落下性
JIS K5600−5−3:1999の耐屈曲性試験に準じ、直径10.3mm、質量0.5kgのおもりを使用し、塗膜の割れ、及び剥れが生じる最低落下高さ(cm)を測定した。

0121

(8)評価試験8:
<密着性>
JIS K5600−5−6:1999の碁盤目テープ剥離試験に準じ、塗膜に1mm方形碁盤目(10×10)の切れ目を入れ、テープによる剥離試験を行って残留枚数を測定した。

0122

(9)評価試験9:
<耐候性>
実施例12〜実施例23、及び比較例5〜比較例8で得られたコーティング塗膜を下記の条件で耐候性の加速試験を行った。
試験装置:QUV(Q−LAB社製)
ランプ:EL−313
照度:0.59w/m2
・λmax:313nm
・1サイクル:12時間〔UV照射:8時間(温度70℃)、結露:4時間(温度50℃)〕
・試験時間:964時間

実施例

0123

<評価基準>
JIS Z8741に準じて、ヘイズ−グロスリフレクトメーターで60°における光沢度を測定し、光沢保持率を算出した。光沢保持率は下式により求めた。
光沢保持率(%)=100×耐候試験後光沢度÷初期光沢度
・80%以上:合格(評価:○)
・70%以上〜80%未満:合格(評価:△)
・70%未満:不合格(評価:×)

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