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技術 高度多価不飽和脂肪酸含有油脂およびそれを含有する食品ならびにその製造法

出願人 不二製油グループ本社株式会社
発明者 加藤真晴小嶋真紀子盛川美和子
出願日 2014年11月7日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2014-226832
公開日 2015年6月25日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2015-116189
状態 特許登録済
技術分野 食用油脂 調味料 菓子
主要キーワード 抑制度合い 折曲点 空気吹 水溶性ポリフェノール類 使用油 重量ppm含有 乳化剤含有量 過酸化物質
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

優れた酸化安定性を有し、かつ風味良好な汎用性の高い高度多価不飽和脂肪酸含有油脂及びそれを利用した食品を提供すること。

解決手段

特定量水溶性茶ポリフェノールを含有し、規定の香気成分分析値を有する、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂。

概要

背景

近年、多価不飽和脂肪酸を含有する油脂類生理的作用があることが知られるようになり、健康志向からこれらの油脂類は健康食品飼料への添加用途としても広く利用されている。特にエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)などの5または6個の二重結合を含むn-3高度多価不飽和脂肪酸は、血中の中性脂肪およびコレステロールの低下、血栓生成の予防、抗アレルギー作用抗ガン作用等、数多くの作用が多数報告されており、多くの消費者機能性食品として認識されるものになってきている。本明細書において、かかる高度多価不飽和脂肪酸を含有する油脂を、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂表記する。

一方、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は、大豆油菜種油等の食用油と比較して酸化安定性が非常に悪く、酸素・光・熱等により容易に酸化を受け、酸化されるとのような異味異臭や、健康への悪影響も懸念される過酸化物質を生成させる。かかる酸化安定性が著しく劣る高度多価不飽和酸含有油脂を利用する為、空気中の酸素との接触を遮断することを目的とする種々の方法が開示されている。乳化物とする方法として引用文献1〜引用文献8、粉末化カプセル化する方法として引用文献9〜引用文献10が、開示されている。乳化物にすると濁ったり、水分を含有したりする為、用途が限定される。また、粉末化やカプセル化しても乳化物同様に用途が限定される問題がある。かかる技術的背景から、従来の高度多価不飽和酸含有油脂の利用はカプセルなどで覆われた健康食品や、缶詰等のみに応用範囲が限られている。しかし、製造作業が煩雑で生産性が悪く、カプセル品は工程で既に劣化が進行し、カプセル内部の油は劣化臭を有する物が大半である。また保存中のカプセルの破壊を防止するため、食品・飼料等として使用可能なカプセルの種類が限定されるなどの問題がある。

引用文献11には、酸化安定性の劣るDHAを30%以上含有する油脂と他の油を混合し、加熱調理用食用油組成物として利用する方法が開示されている。しかし、かかる方法ではDHA配合量が0.01〜0.5%と極めて量が少なく、健康に有効とされる量を摂取するには遠く及ばない。

精製した高度多価不飽和脂肪酸含有油脂には魚のような臭気および過酸化物質はないが、酸化が起きるとその反応は連鎖的に進行し、急速に劣化臭や過酸化物質の生成が起こることが知られている。たとえば、工場精製魚油を使用した後で窒素ガス封入してからそれが入った密閉する必要がある等、油脂の取り扱いには様々な配慮が必要であり、その利用はおのずと制限がある。様々な酸化防止剤またはその混合物の添加により高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の酸化安定性を向上させる試みが多くなされてきているが、それらは現在まで十分な成果を上げるまでに至っておらず、市場からの要望に反し、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を含む食品の展開は十分進んでいるとはいえない。

従来から、食用油脂の酸化安定性を向上させるため、抗酸化剤の添加が一般的に行われている。具体的には、脂溶性抗酸化剤トコフェロールの利用や、アスコルビン酸パルミテートなどが検討されている。例えば、アスコルビン酸水溶液乳化して添加する方法として引用文献2、トコフェロール・アスコルビン酸および茶抽出物を添加する方法として引用文献12、アスコルビン酸またはその塩と他の有機酸またはその塩を添加する方法として引用文献13が開示されているが、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の酸化安定性を向上させる方法としては満足できるものではなく、さらに優れた酸化防止法が望まれている。

一方、添加物メーカーは大量の乳化剤を使用することで、水溶性抗酸化物質の油への溶解性を向上させることを検討し、製品もある。しかし、乳化剤が大量に配合されると風味に悪影響もあり好ましくなく、いまだに酸化劣化による異味異臭の発生、過酸化脂質の生成という問題は解決できていない。

高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の酸化安定性を向上させる製法として、引用文献14ではシリカゲル魚油を処理し、ローズマリーセージ抽出物存在下で真空水蒸気脱臭をし、パルミチン酸アスコルビン酸エステル混合トコフェロールを添加することを特徴とする方法が開示されている。これにより、ローズマリーやセージ特有香気の問題を除外し、酸化安定性の高い油脂の提案を行っている。しかし、かかる方法で得られた高度多価不飽和脂肪酸の酸化安定性は、最良のものでも抗酸化物3000ppm配合で、100℃での酸敗定性が3倍程度高まるにすぎず、酸化安定性は依然として低い。引用文献15にはカテキンを精製前に添加する方法が開示されているが、かかる方法においても、過酸化物価の上昇抑制度合いで示される酸化安定性の改善は十分とはいえない。

また、臭気を軽減させる方法としては、乳系フレーバーを添加する方法として引用文献16、ジンジャーフレーバーを添加する魚臭マスキング方法として引用文献17が提案されているが、油脂の酸化は人体に有害な過酸化物を生成するため、酸化の抑制を行わないマスキング処理では抜本的な問題解決には至っていない。

概要

優れた酸化安定性を有し、かつ風味良好な汎用性の高い高度多価不飽和脂肪酸含有油脂及びそれを利用した食品を提供すること。特定量水溶性茶ポリフェノールを含有し、規定の香気成分分析値を有する、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂。なし

目的

かかる酸化安定性が著しく劣る高度多価不飽和酸含有油脂を利用する為、空気中の酸素との接触を遮断することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

構成脂肪酸組成中、ニ重結合が5つ以上の脂肪酸が1重量%〜50重量%の高度多価不飽和脂肪酸(PUFA含有油脂において、下記(A)及び(B)を満たし、下記(C)〜(E)を特徴とする液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂。(A)水溶性茶ポリフェノール含有量が500〜10000重量ppm 、乳化剤の含有量が20000重量ppm以下であり、乳化剤含有量が水溶性茶ポリフェノール含有量の2倍以下である(B)60℃、3日保存後の油脂の香気成分分析によって得られる、下記(α)で示した、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の風味に影響を与える9種の香気成分ピーク平均面積を、下記(β)で示した2種の香気成分のピークの平均面積で割った値が7以下である9種の香気成分(α);2−Heptenal、2,4−Nonadienal、2,4−Heptadienal、3,5−Octadien−2−one、2−Butenal、3,4−Pentadienal,2,2−dimethyl、1−Penten−3−one、2,4−Hexadienal、2(5H)−Furanone,5−ethyl2種の香気成分(β);PhenolおよびToluene(C)油脂が連続相をなす(D)水分含有量が5重量%以下(E)下記方法で得られるA/Sが0.8以上A:水溶性茶ポリフェノールを500〜10000重量ppm含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の100℃でのCDM定性時間S:抗酸化物質無添加の精製大豆油の100℃でのCDM安定性時間

請求項2

構成脂肪酸組成中、ニ重結合が5つ以上の脂肪酸が5重量%〜50重量%である、請求項1に記載の液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂。

請求項3

水溶性茶ポリフェノールの含有量が500〜10000重量ppm 、乳化剤の含有量が400〜6000重量ppmであり、乳化剤含有量が茶ポリフェノール含有量の2倍以下である、請求項1又は請求項2に記載の液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂。

請求項4

請求項1に記載の(B)がGC−TOFMSを使用して得られる、請求項1に記載の液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂。

請求項5

水分含量が2重量%以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂。

請求項6

請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品

請求項7

液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品が、ドレッシングである、請求項6に記載の食品。

請求項8

液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品が、チョコレートである、請求項6に記載の食品。

請求項9

液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品が、ショートニングである、請求項6に記載の食品。

請求項10

液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品を、マヨネーズに配合した請求項6に記載の食品。

請求項11

液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品を、マーガリンに配合した請求項6に記載の食品。

請求項12

請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用することを特徴とする食品の香気成分の発生を抑制する方法。

請求項13

水溶性茶ポリフェノールを水性媒体に加えて、溶液状態で油脂に添加することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂に関する。より詳しくは、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を含む食品に求められる、酸化安定性の向上を実現した高度多価不飽和脂肪酸含有油脂およびそれを含有する食品並びにその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、多価不飽和脂肪酸を含有する油脂類生理的作用があることが知られるようになり、健康志向からこれらの油脂類は健康食品や飼料への添加用途としても広く利用されている。特にエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)などの5または6個の二重結合を含むn-3高度多価不飽和脂肪酸は、血中の中性脂肪およびコレステロールの低下、血栓生成の予防、抗アレルギー作用抗ガン作用等、数多くの作用が多数報告されており、多くの消費者機能性食品として認識されるものになってきている。本明細書において、かかる高度多価不飽和脂肪酸を含有する油脂を、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂と表記する。

0003

一方、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は、大豆油菜種油等の食用油と比較して酸化安定性が非常に悪く、酸素・光・熱等により容易に酸化を受け、酸化されるとのような異味異臭や、健康への悪影響も懸念される過酸化物質を生成させる。かかる酸化安定性が著しく劣る高度多価不飽和酸含有油脂を利用する為、空気中の酸素との接触を遮断することを目的とする種々の方法が開示されている。乳化物とする方法として引用文献1〜引用文献8、粉末化カプセル化する方法として引用文献9〜引用文献10が、開示されている。乳化物にすると濁ったり、水分を含有したりする為、用途が限定される。また、粉末化やカプセル化しても乳化物同様に用途が限定される問題がある。かかる技術的背景から、従来の高度多価不飽和酸含有油脂の利用はカプセルなどで覆われた健康食品や、缶詰等のみに応用範囲が限られている。しかし、製造作業が煩雑で生産性が悪く、カプセル品は工程で既に劣化が進行し、カプセル内部の油は劣化臭を有する物が大半である。また保存中のカプセルの破壊を防止するため、食品・飼料等として使用可能なカプセルの種類が限定されるなどの問題がある。

0004

引用文献11には、酸化安定性の劣るDHAを30%以上含有する油脂と他の油を混合し、加熱調理用食用油組成物として利用する方法が開示されている。しかし、かかる方法ではDHA配合量が0.01〜0.5%と極めて量が少なく、健康に有効とされる量を摂取するには遠く及ばない。

0005

精製した高度多価不飽和脂肪酸含有油脂には魚のような臭気および過酸化物質はないが、酸化が起きるとその反応は連鎖的に進行し、急速に劣化臭や過酸化物質の生成が起こることが知られている。たとえば、工場精製魚油を使用した後で窒素ガス封入してからそれが入った密閉する必要がある等、油脂の取り扱いには様々な配慮が必要であり、その利用はおのずと制限がある。様々な酸化防止剤またはその混合物の添加により高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の酸化安定性を向上させる試みが多くなされてきているが、それらは現在まで十分な成果を上げるまでに至っておらず、市場からの要望に反し、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を含む食品の展開は十分進んでいるとはいえない。

0006

従来から、食用油脂の酸化安定性を向上させるため、抗酸化剤の添加が一般的に行われている。具体的には、脂溶性抗酸化剤トコフェロールの利用や、アスコルビン酸パルミテートなどが検討されている。例えば、アスコルビン酸水溶液乳化して添加する方法として引用文献2、トコフェロール・アスコルビン酸および茶抽出物を添加する方法として引用文献12、アスコルビン酸またはその塩と他の有機酸またはその塩を添加する方法として引用文献13が開示されているが、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の酸化安定性を向上させる方法としては満足できるものではなく、さらに優れた酸化防止法が望まれている。

0007

一方、添加物メーカーは大量の乳化剤を使用することで、水溶性抗酸化物質の油への溶解性を向上させることを検討し、製品もある。しかし、乳化剤が大量に配合されると風味に悪影響もあり好ましくなく、いまだに酸化劣化による異味異臭の発生、過酸化脂質の生成という問題は解決できていない。

0008

高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の酸化安定性を向上させる製法として、引用文献14ではシリカゲル魚油を処理し、ローズマリーセージ抽出物存在下で真空水蒸気脱臭をし、パルミチン酸アスコルビン酸エステル混合トコフェロールを添加することを特徴とする方法が開示されている。これにより、ローズマリーやセージ特有香気の問題を除外し、酸化安定性の高い油脂の提案を行っている。しかし、かかる方法で得られた高度多価不飽和脂肪酸の酸化安定性は、最良のものでも抗酸化物3000ppm配合で、100℃での酸敗定性が3倍程度高まるにすぎず、酸化安定性は依然として低い。引用文献15にはカテキンを精製前に添加する方法が開示されているが、かかる方法においても、過酸化物価の上昇抑制度合いで示される酸化安定性の改善は十分とはいえない。

0009

また、臭気を軽減させる方法としては、乳系フレーバーを添加する方法として引用文献16、ジンジャーフレーバーを添加する魚臭マスキング方法として引用文献17が提案されているが、油脂の酸化は人体に有害な過酸化物を生成するため、酸化の抑制を行わないマスキング処理では抜本的な問題解決には至っていない。

先行技術

0010

特開2011−255373号公報
特開平7−107938号公報
特表2005−529728号公報
特開平7−313055号公報
特開平8−154576号公報
特開平8−205771号公報
特開平8−154577号公報
特開平6−49479号公報
特開平7−305088号公報
特開平9−87656号公報
特開2013−81477号公報
特開平9-111237号公報
特開平9−235584号公報
特開2000−144168号公報
特開2005−124439号公報
特開平6−68号公報
特開平6−189717号公報

発明が解決しようとする課題

0011

前記のとおり、人体への高度多価不飽和脂肪酸の有効性から、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は注目される素材ではあるが、通常の食用油脂と比べ酸化安定性が劣るため、従来技術では酸素と遮断する目的で、カプセルや乳化物などに加工して利用されている製品が圧倒的に多く、利用用途が限定されるという問題がある。

0012

本発明の目的は、上記要望に応じるために、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の酸化を十分に抑制し、風味良好で、大豆油や菜種油等通常の食用油のように液状で流通可能な高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を提供することであり、食品分野へ広く用途を拡大することである。

課題を解決するための手段

0013

本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、特定量水溶性茶ポリフェノールを含有させ、規定の香気成分分析値とすることで、優れた酸化安定性を有し、かつ風味良好で液状流通可能な高度多価不飽和脂肪酸含有油脂が得られることを見出し、本発明を完成させた。

0014

すなわち、本発明は、
(1)構成脂肪酸組成中、ニ重結合が5つ以上の脂肪酸が1重量%〜50重量%の高度多価不飽和脂肪酸(PUFA)含有油脂において、下記(A)および(B)を満たし、下記(C)〜(E)を特徴とする液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂、
(A)水溶性茶ポリフェノールの含有量が500〜10000重量ppm 、乳化剤の含有量が20000重量ppm以下であり、乳化剤含有量が水溶性茶ポリフェノール含有量の2倍以下である
(B)60℃、3日保存後の油脂の香気成分分析によって得られる、下記(α)で示した、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の風味に影響を与える9種の香気成分ピーク平均面積を、下記(β)で示した2種の香気成分のピークの平均面積で割った値が7以下である9種の香気成分(α);2−Heptenal、2,4−Nonadienal、2,4−Heptadienal、3,5−Octadien−2−one、2−Butenal、3,4−Pentadienal, 2,2−dimethyl、1−Penten−3−one、2,4−Hexadienal、2(5H)−Furanone, 5−ethyl
2種の香気成分(β);PhenolおよびToluene
(C)油脂が連続相をなす
(D)水分含有量が5重量%以下
(E)下記方法で得られるA/Sが0.8以上
A:水溶性茶ポリフェノールを500〜10000重量ppm含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の100℃でのCDM安定性時間
S:抗酸化物質無添加の精製大豆油の100℃でのCDM安定性時間
(2) 構成脂肪酸組成中、ニ重結合が5つ以上の脂肪酸が5重量%〜50重量%である、(1)の液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂、
(3) 水溶性茶ポリフェノールの含有量が500〜10000重量ppm 、乳化剤の含有量が400〜6000重量ppmであり、乳化剤含有量が茶ポリフェノール含有量の2倍以下である、(1)または(2)の液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂、
(4) (1)の(B)がGC−TOFMSを使用して得られる、(1)の液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂、
(5) 水分含量が2重量%以下である、(1)〜(4)のいずれかの液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂、
(6) (1)〜(5)のいずれかの液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品、
(7) 液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品が、ドレッシングである、(6)の食品、
(8) 液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品が、チョコレートである、(6)の食品、
(9) 液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品が、ショートニングである、(6)の食品、
(10) 液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品を、マヨネーズに配合した(6)の食品、
(11) 液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用した食品を、マーガリンに配合した(6)の食品、
(12) (1)〜(5)のいずれかの液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を使用することを特徴とする食品の香気成分の発生を抑制する方法、
(13) 水溶性茶ポリフェノールを水性媒体に加えて、溶液状態で油脂に添加することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの液状流通用高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の製造方法、である。

発明の効果

0015

本発明によれば、酸化安定性が向上し風味良好で、液状流通が可能な高度多価不飽和脂肪酸含有油脂が得られる。なお本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は大豆油と同等な酸化安定性を有することを特徴とし、本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を利用することで、長期間にわたり、戻り臭や健康に有害な働きをする過酸化物質を発生させることなく、健康優位性の高い多価不飽和脂肪酸を食品に使用することができる。また本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は液状での利用範囲に限定することなく使用することができる。具体的には、本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を用いて、乳化物を得る、粉末状およびカプセル状に加工する等も可能であり、従来の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の利用範囲を包含する、より広い用途に利用することができる。なお本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は、日本では食品添加物として認められていないが、酸化安定性向上効果が高いTBHQ (tertiary butylhydroquinone)を米国で許容が認可されている最大量(200ppm)添加することよりも、優れた酸化安定性向上効果が得られる。

0016

本発明で使用することができる油脂は、食用であればその種類に特に限定はなく、魚油、動物油脂植物油脂微生物生油脂等あらゆる油脂があげられ、少なくとも1種以上用いることができ、構成脂肪酸組成中に二重結合が5つ以上の脂肪酸が1重量%〜50重量%であれば良い。二重結合が5つ以上の脂肪酸は特に限定はないが、ドコサヘキサエン酸(DHA;C22:6))、エイコサペンタエン酸(EPA;C20:5)、ドコサペンタエン酸DPA;C22:5)などがあげられる。

0017

本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は、水分含有量が5重量%以下、好ましくは2重量%以下であって、乳化物でなくとも、大豆油や菜種油等通常の食用油のように液状で、常温流通可能な高度多価不飽和脂肪酸含有油脂であることを特徴とする。

0018

本発明では、水溶性茶ポリフェノールを使用するが、トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤ヤマモモ抽出物ローズマリー抽出物ブドウ果汁等のポリフェノール類、およびアスコルビン酸やその塩などの水溶性の抗酸化物質と組み合わせて使用しても、水溶性茶ポリフェノールの機能が損なわれることなく使用することができる。水溶性茶ポリフェノールはその種類に特に限定はないが、緑茶ウーロン茶紅茶等の茶葉またはその加工品抽出物が好ましく、それらは水、熱水アルコールなどの水性媒体を用いて、茶葉より抽出して得られる水溶性ポリフェノール類が例示できる。茶抽出物の油溶性画分には、苦み渋味の成分が含まれているため好ましくない。有機溶媒を用いることなく、水溶液を用いて抽出することで、苦み・渋みの少ない水溶性茶ポリフェノールを得ることができる。特に限定しないが、たとえば太陽化学(株)製のサンフェノンや三井農林(株)製のポリフェノン、三菱化学フーズ株式会社のサンフード等があげられる。効率的に高濃度油脂中に分散させることが可能なため、水溶性茶ポリフェノール含有組成物中のポリフェノール含有量としては高いほど良く、水溶性茶ポリフェノール含有組成物中に水溶性茶ポリフェノールを50%以上含有することが好ましい。

0019

本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は、油脂全量に水溶性茶ポリフェノールを500重量ppm〜10000重量ppm含有する。好ましくは500重量ppm〜8000重量ppm、食品に適した風味が得られる点で、より好ましくは500重量ppm〜7000重量ppm、さらに好ましくは600重量ppm〜6000重量ppm、最も好ましい含有量は、600重量ppm〜5000重量ppmである。500重量ppm未満では十分な酸化安定性向上効果が得られない。一方、10000重量ppmを超えると茶ポリフェノールの味や色調が強くなり、食品に使用するのに好ましくない。

0020

CDM(Conductmetric Determination Method)安定性とは、油脂の酸化安定性を示す値である。CDM安定性試験により得られた値を、本明細書では「CDM安定性時間」として、酸化安定性の評価と指標する。CDM安定時間が長いほど酸化安定性が優れている。本明細書において、CDM安定性試験の方法は、基準油脂分析試験法2.5.1.2−1996を一部改良した。詳しくは、油脂を反応容器中で100℃に加熱しながら清浄空気送り込み、酸化により生成した揮発分化物を水中に捕集し、水の誘導率を継続して測定する。その値が急激に変化する折曲点までの時間が前記「CDM安定性時間」を示す。

0021

本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は、下記方法で得られるA/Sが0.8以上、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.2以上である。
A:高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の100℃でのCDM安定性時間
S:抗酸化物質無添加の精製大豆油の100℃でのCDM安定性時間

0022

本発明に使用する乳化剤の含有量は20000重量ppm以下、水溶性茶ポリフェノール含量の2倍以下、好ましくは1.5倍以下、より好ましくは1.0倍以下である。また好ましい乳化剤の含有量は、250〜20000重量ppm、より好ましくは、250〜16000重量ppm、さらに好ましくは、400〜6000重量ppmである。乳化剤含有量が水溶性茶ポリフェノール含有料の2倍を超えると、乳化剤由来の好ましくない風味が感じられるようになり、食品本来の良好な風味が得られなくなる。本発明に使用する乳化剤の種類は、水溶性茶ポリフェノールを油中に分散させるためのものであり特に限定しないが、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルレシチン等を使用することができる。好ましい乳化剤として、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが使用できる。例えば、市販されている理研ビタミン株式会社製 ポエムPR−100、ポエム PR−300、阪本薬品工業株式会社製 SYグリスターCRS−75、SYグリスターCR−ED、太陽化学株式会社製サンソフト818H等が例示できる。

0023

本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を得る方法は、油脂に水溶性の茶ポリフェノールを分散させることができれば特に限定はされないが、水溶性茶ポリフェノールを含有してなる高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を得ようとすれば、水溶性茶ポリフェノール含有組成物を溶解した水溶液を作製し、油脂中に規定量加えた後、撹拌する方法が例示できる。

0024

劣化の問題となる有機化合物の同定および定量を行い、通常の食用油脂と同様に使用可能で劣化臭の少ない高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の作製方法を検討した。本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は、60℃、3日保存後の油脂の香気成分分析によって得られる、多価不飽和脂肪酸含有油脂の風味に影響を与える9種の香気成分(2−Heptenal、2,4−Nonadienal、2,4−Heptadienal、3,5−Octadien−2−one、2−Butenal、3,4−Pentadienal, 2,2−dimethyl、1−Penten−3−one、2,4−Hexadienal、2(5H)−Furanone, 5−ethyl) の平均量を2種の香気成分
(Phenol、Toluene)の平均量で割った値を7以下とすることで得られるが、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下、最も好ましくは1.5以下である。7を超えると異風味が強くなり食用に用いることが困難になる。得られた高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は、通常の食用油脂と同様な保存安定性を有し、劣化臭の少ない高度多価不飽和脂肪酸含有油脂が得られる。前記所定の有機化合物を同定及び定量することができればいずれの分析法でも構わないが、精密質量の測定によって、検出成分組成推定が比較的簡便に可能である点や、におい嗅ぎ装置と接続させ、質量分析同時測定ができる点で、好ましい香気成分の分析法はGC−TOFMS法においてピーク面積を使用することである。GC−TOFMSとは飛行時間型(Time of Flight )の質量分析計を意味し、高真空下、電子衝撃イオン化EI)法を用いてイオン化し、電場によって加速したイオンの質量によって一定距離の飛行時間が異なることを利用して、化合物質量スペクトルを得る分析装置である。

0025

本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は、官能評価による風味評価が良好な評価が得られ、従来の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂では使用が困難であった種々の食品に使用することができる。好ましい用途は、ドレッシング、ショートニング、マーガリン、チョコレート、冷菓フライ油スプレー油、マヨネーズ、マーガリン、クッキー、カプセル、粉末、その他の油脂加工食品などがあげられる。

0026

以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明する。例中、%および部はいずれも重量基準を意味する。

0027

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の作製>
茶ポリフェノールを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の作製おいて、太陽化学株式会社製サンフェノン90Sを、茶ポリフェノール含有組成物として使用する。かかる茶ポリフェノール含有組成物中のポリフェノール含有量が80重量%以上であることより、茶ポリフェノール含有組成物中の茶ポリフェノール含有量は80重量%として算出した。

0028

使用油脂の脂肪酸組成および調整方法
イワシ油(横関油脂製)、マグロ油(横関油脂製)、抗酸化物質無添加の精製大豆油(不二製油製)を用いた。それぞれ、5つ以上の二重結合をもつ脂肪酸は15.4%、29.0%、0.0%だった。各油は精製工程を経た後、速やかにもちいた。

0029

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Aの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、イワシ油993gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール2000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Aを得た。

0030

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Bの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、イワシ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール2000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸油脂Bを得た。

0031

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Cの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、イワシ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を10.0g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール4000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸油脂Cを得た。

0032

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Dの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、イワシ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を20.0g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール8000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Dを得た。

0033

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Eの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、イワシ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を10.0g加えた後、TBHQ(和光純薬工業製試薬)を米国で添加が許容されている上限値200ppmに相当する0.2g加え、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール4000重量ppm、TBHQ200重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Eを得た。

0034

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Fの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。アスコルビン酸(和光純薬:試薬)を水に加え、20重量%のアスコルビン酸が溶解した水溶液を作成する。次いで、イワシ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、さらに20重量%のアスコルビン酸が溶解した水溶液を10.0g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール2000重量ppm、アスコルビン酸2000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Fを得た。

0035

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Gの作製方法>
イワシ油500gに大豆油480gを加えたものに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を1.5g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール600重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Gを得た。

0036

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Hの作製方法>
イワシ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解した後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Hを得た。

0037

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Iの作製方法>
イワシ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに1.5gのトコフェロール(エーザイ株式会社製:商品名イーミックスD)を加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、トコフェロール1500重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Iを得た。

0038

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Jの作製方法>
イワシ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、TBHQ(和光純薬工業製:試薬)を0.2g加え、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、TBHQ200重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Jを得た。

0039

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Kの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、イワシ油960gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール2000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸油脂Kを得た。

0040

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Lの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社性:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、イワシ油980gに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、乳化剤は含まないが、茶ポリフェノール2000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸油脂Lを得た。

0041

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Mの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社性:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、イワシ油980gに乳化剤(阪本薬品工業株式会社性:商品名SYグリスターCRS−75)を7.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール2000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸油脂Mを得た。

0042

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Nの作製方法>
イワシ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに2.0gの茶ポリフェノール製剤(太陽化学株式会社製:商品名サントール)を加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール製剤2000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Nを得た。

0043

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Oの作製方法>
イワシ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに10.0gの茶ポリフェノール製剤(太陽化学株式会社製:商品名サンカトール)を加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール製剤10000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Oを得た。

0044

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Pの作製方法>
イワシ油500gに大豆油480gを加えたものに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Pを得た。

0045

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Qの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、マグロ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解しし、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を10.0g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー
(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール4000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸油脂Qを得た。

0046

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Rの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、マグロ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を20.0g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール8000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Rを得た。

0047

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Sの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、マグロ油400gに大豆油580gを加えたものに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール2000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Sを得た。

0048

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Tの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、マグロ油400gに大豆油580gを加えたものに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、アスコルビン酸パルミテート製剤(三菱化学フーズ製:商品名エアコートC)を1.5g加え、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール2000重量ppmとアスコルビン酸パルミテート製剤1500ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Tを得た。

0049

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Uの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、マグロ油400gに大豆油580gを加えたものに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、TBHQを0.2g加え、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール2000重量ppmとTBHQ200ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Uを得た。

0050

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Vの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、マグロ油400gに大豆油580gを加えたものに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を5.0g加えた後、TBHQを0.2g、アスコルビン酸パルミテート製剤(三菱化学フーズ製:商品名エアコートC)を1.5g、ローズマリー抽出物製剤(三菱化学製、商品名:RM21Bベース)を1.0g加え、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール2000重量ppmとTBHQ200ppm、アスコルビン酸パルミテート製剤1500ppm、ローズマリー抽出物製剤1000ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Vを得た。

0051

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Wの作製方法>
マグロ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解した後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Wを得た。

0052

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Xの作製方法>
茶ポリフェノール含有組成物(太陽化学株式会社製:商品名サンフェノン90S)を水に加え、50重量%茶ポリフェノール含有組成物が溶解した水溶液を作成する。次いで、マグロ油980gに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、さらに50重量%の茶ポリフェノール含有物が溶解した水溶液を2.5g加えた後、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機帰化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、茶ポリフェノール1000重量ppmを含有する高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Xを得た。

0053

<高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Yの作製方法>
マグロ油400gに大豆油580gを加えたものに、乳化剤(阪本薬品工業株式会社製:商品名SYグリスターCRS−75)を2.0g加えて溶解し、総量が1000gになるように水を加え、ホモミキサー(TK ROBOMIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpm×5分の撹拌を行い、高度多価不飽和脂肪酸含有油脂Yを得た。

0054

評価方法
(1)調製直後の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の官能評価方法
パネラー10名により、嗅覚味覚により風味が優れている順に「5 」、「4 」、「3 」、「2 」、「1 」の五段階にて評価を行い、平均化した評価点数において4点以上を合格とした。
(2)保存試験を実施した油脂の官能評価方法
60℃、開放系にて100rpmで振とう撹拌させた各油を継時的サンプリングを行い、パネラー10名により、嗅覚により風味が優れている順に「5 」、「4 」、「3 」、「2 」、「1 」のご段階にて評価を行い、平均化した評価点数を評価結果とした。4点以上を合格とした。
(3)CDM安定性時間
メトローム社製CDM試験機ランシマットを使用して油脂の酸化安定性を評価する。各油脂の酸化安定性の判定は、食用油脂の酸化安定性の増加に相関してCDM安定性時間が延びることによる時間差の比較により行った。測定条件:測定温度100℃、空気吹き込み量20L/h、油脂検体3g仕込み
大豆油との酸化安定性を対比するため、下記方法で得られるA/Sの値を用いて評価した。
A:高度多価不飽和脂肪酸含有油脂の100℃でのCDM安定性時間
S:抗酸化物質無添加の精製大豆油の100℃でのCDM安定性時間
(4)香気分析方法
LECO社製GC−TOFMS(商品名:pegasus 4D)を使用し、以下の方法にて分析を行い、NISTライブラリー合致した所定の香気成分αの検出ピーク平均面積を所定の香気成分βの検出ピーク平均面積で割った値を基準として評価を行った。
香気成分の分析法; 3gの油脂において、60℃・15分保温し、Divinylbenzene/Polydimethylsiloxane/Carboxenのファイバー吸着(60℃・15分)させた後、240℃で香気成分を脱着させ、260℃で20分焼き出し、GC−TOFMSにて香気成分を分析した。GC部のカラムはStabil−WAX(長さ30m・内径0.32mm・液相膜厚0.5μm)を使用した。
所定の香気気成分(α);
2−Heptenal、2,4−Nonadienal、2,4−Heptadienal、3,5−Octadien−2−one、2−Butenal、3,4−Pentadienal, 2,2−dimethyl、1−Penten−3−one、2,4−Hexadienal、2(5H)−Furanone, 5−ethyl、
所定の香気気成分(β);
Phenol、Toluene—

0055

実施例、比較例に用いた高度多価不飽和脂肪酸含有油脂A〜Yを表1に示す。

0056

0057

実施例、比較例に用いた添加物と配合量を表2に示す。

0058

0059

調整直後の風味とCDM安定性時間による評価結果を表3に示す。抗酸化物質無添加の精製大豆油のCDM安定性時間も表3に示す。

0060

0061

(表3の考察)
・実施例1〜13は、調整直後の風味が良好で、A/Sの値は何れも0.8以上であり大豆油と同等に使用可能な油脂であった。
・比較例4は、白濁が強い上に酸化安定性も低く、使用不可であった。
・比較例5は、実施例1、2と同等な水溶性茶ポリフェノールを添加しているが、水溶性茶ポリフェノールの分散性が悪く、水溶性茶ポリフェノール添加量に応じた十分な効果が得られていない。
・比較例6はA/Sが0.8以上あったが、調製直後に乳化剤特有の臭気があり、食用として使用不可であった。
・比較例8のA/Sは0.8であったが、茶ポリフェノール製剤特融の刺激味や臭気が調整直後から存在し、使用不可であった。
・比較例11は、二重結合が5つ以上の脂肪酸の量に対して、水溶性茶ポリフェノール含量が十分でなく、A/Sは0.8未満の0.41であった。

0062

GC−TOGMS分析によるα/β値と、60℃で撹拌3日後の官能評価結果を表4に示す。

0063

実施例

0064

(表4の考察)
・60℃3日後のGC−TOFMS分析によるα/β値が7以下であった実施例1〜実施例12の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂は、60℃3日後の風味評価も良好な結果が得られた。
・実施例4、実施例6、実施例13は調整直後の風味が実施例1よりも若干劣ったが、GC−TOFMS分析によるα/β値が7以下で良好で、60℃3日後の風味評価も良好であった。
・比較例4は、白濁が強かったことから使用は困難と考え、保存テストは実施しなかった。
・比較例5は、実施例1、2と同等な水溶性茶ポリフェノールを添加しているが、水溶性茶ポリフェノールの分散性が悪く、水溶性茶ポリフェノール添加量に応じた効果が得られていないので、保存テストは実施しなかった。
・比較例6〜比較例8は、初期の風味評価が著しく悪く、保存テストは実施しなかった。・実施例11は、CDM安定性時間は実施例2と同等であるが、60℃3日後の風味評価およびGC−TOFMSのα/β値は実施例2よりも好ましい結果が得られた。
・60℃3日後のGC−TOGMS分析によるα/β値が7.89であった、比較例11の60℃3日後の風味評価結果は、不合格であった。

0065

本発明により、平易な方法で酸化安定性を向上し、かつ風味良好な高度多価不飽和脂肪酸含有油脂が得られ、本発明の高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を用いることで、長期間にわたり、戻り臭や健康に有害な働きをする過酸化物質の発生を抑制し、健康優位性の高い高度多価不飽和脂肪酸含有油脂を食品、医薬品、化粧品ペットフード医薬部外品などに利用することができる。

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