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技術 液体循環システムの動作状態判定方法、液体循環システム、冷却装置、及び画像形成装置。

出願人 株式会社リコー
発明者 宮川寛亮
出願日 2013年12月11日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2013-256415
公開日 2015年6月22日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2015-114488
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における制御・管理・保安
主要キーワード 特殊ポンプ 周辺環境温度 液体循環システム 漏洩液 故障範囲 周期的変形 分断位置 ディフューザポンプ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年6月22日)のものです。
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図面 (17)

課題

専用のセンサを複数設けることなく、遠心ポンプのエアかみの発生と、循環路閉塞状態とを判定できる液体循環システム動作状態判定方法を提供する。

解決手段

羽根車141を回転させるポンプ軸143のポンプ回転速度を検出するロータリーエンコーダ151と、ポンプ軸143を介して羽根車141を回転させるDCモータ147とを遠心ポンプ132に内蔵した。遠心ポンプ132に、ゴムチューブ134を用いて冷却部材120の流路部122、ラジエータ131の流路部、及びリザーバータンク133を直列に接続して冷却液循環させる循環路111を形成した。そして、DCモータ147に印加する電圧を一定に制御して回転させ、ロータリーエンコーダ151で検出したポンプ回転速度:Vに基づいて、液体循環システム110の循環路111の閉塞状態を判定する循環システム制御部113を冷却制御部102内に設けた。

概要

背景

従来から、液送ポンプを用いて、液体循環路内循環させる液体循環システムが組み込まれている電子機器等の装置が知られている。
また、液体循環システムに用いる代表的な液送ポンプの形式としては、容積形の液送ポンプや非容積形の遠心ポンプ等が知られている。

そして、液体循環システムを組み込む装置の用途にもよるが、一般的に、サイズが同程度の容積形の液送ポンプで液送する液体の流量よりも多い流量を得られ、組み込む装置の小型化に貢献できる遠心ポンプを用いたものが多くなってきている。
例えば、特許文献1には、非容積形の遠心ポンプを用いて、液体(冷却液)を循環させる液体循環システムを用いた冷却装置を備えた画像形成装置が記載されている。
一方、特許文献2には、容積形の液送ポンプであるダイヤフラムポンプを用いて、液体(血液)を循環させる液体循環システムを用いた医療機器が記載されている。

また、特許文献2に記載された液体循環システムでは、次のようなセンサをダイヤフラムポンプに設け、センサによる検出結果に基づいてダイヤフラムポンプによる液体の単位時間当たりの液送量、つまりダイヤフラムポンプによる液体の流速を算出している。
ダイヤフラムポンプのポンプチャンバ内に電極を配置している。そして、ポンプチャンバ内に配置した電極に、電源静電容量センサ容量センサ)とを接続し、電極により発生させた電場静電容量(容量)が、ダイヤフラム周期的変形により変化するのを、電極に接続した静電容量センサで検出(登録)している。
ここで、静電容量センサから出力される容量シグナルは、そのポンプチャンバ内が液体で満たされる場合に高い値を示し(シグナルを有し)、そのポンプチャンバ内の液体が空である場合に低い値を示す。そして、そのダイヤフラムが、ポンプチャンバ内が液体で満たされる場合とポンプチャンバ内の液体が空である場合との間の位置を占める場合、中程度の値の範囲を示す。

また、ダイヤフラムポンプによる液体の流速を算出する算出処理部(コントローラ)では、静電容量センサから出力される容量シグナルが高い場合と、低い場合との差異を、ポンプチャンバの最大ストローク容量に対して校正する。次いで、ダイヤフラムの周期的変形によるポンプチャンバ内への液体の吸引(汲み出し)、及びポンプチャンバ内からの排出のサイクルの間に、静電容量センサから出力された容量シグナルの最大シグナル値と最小シグナル値の差異を、次のものに関連付ける。ダイヤフラムの周期的変形により、ポンプチャンバ内に吸引され、ポンプチャンバ内から排出される液体の容量である。
そして、サンプル時間に亘ってダイヤフラムポンプで液送された液体の容量を合計して、単位時間当たりの液体の流速を算出するというものである。

概要

専用のセンサを複数設けることなく、遠心ポンプのエアかみの発生と、循環路閉塞状態とを判定できる液体循環システムの動作状態判定方法を提供する。羽根車141を回転させるポンプ軸143のポンプ回転速度を検出するロータリーエンコーダ151と、ポンプ軸143を介して羽根車141を回転させるDCモータ147とを遠心ポンプ132に内蔵した。遠心ポンプ132に、ゴムチューブ134を用いて冷却部材120の流路部122、ラジエータ131の流路部、及びリザーバータンク133を直列に接続して冷却液を循環させる循環路111を形成した。そして、DCモータ147に印加する電圧を一定に制御して回転させ、ロータリーエンコーダ151で検出したポンプ回転速度:Vに基づいて、液体循環システム110の循環路111の閉塞状態を判定する循環システム制御部113を冷却制御部102内に設けた。

目的

本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、遠心ポンプを有した液体循環システムの動作状態判定方法であって、専用のセンサを設けることなく、循環路閉塞状態を判定できる液体循環システムの動作状態判定方法を提供する

効果

実績

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請求項1

液体を液送する遠心ポンプと、該遠心ポンプと供に液体を循環させる循環路を形成する流路を有した構成部材とを備えた液体循環システム動作状態判定方法において、前記液体循環システムは、前記遠心ポンプの羽根車の回転速度であるポンプ回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、前記回転速度検出手段によって検出した検出速度に基づいて、前記羽根車を回転駆動する駆動源に一定の電圧又はデュティ印加したときに、前記ポンプ回転速度に影響を与える前記流路内における液体の流量と相関を有する前記液体循環システムの動作状態を判定することを特徴とする液体循環システムの動作状態判定方法。

請求項2

請求項1に記載の液体循環システムの動作状態判定方法において、前記検出速度に基づいて、前記流路内における液体の流量が、前記流路が閉塞して生じなくなる循環路閉塞状態液漏れにより減少して前記遠心ポンプが空転する液漏れ空転状態、又は正常である正常稼動状態のいずれの状態にあるかを判定することを特徴とする液体循環システムの動作状態判定方法。

請求項3

請求項2に記載の液体循環システムの動作状態判定方法において、前記循環路閉塞状態でのポンプ回転速度の範囲を、閉塞範囲として予め規定し、前記検出速度が前記閉塞範囲内である場合に、前記液体循環システムの動作状態が前記循環路閉塞状態にあると判定することを特徴とする液体循環システムの動作状態判定方法。

請求項4

請求項2に記載の液体循環システムの動作状態判定方法において、前記液漏れ空転状態でのポンプ回転速度の範囲を、空転範囲として予め規定し、前記検出速度が前記空転範囲内である場合に、前記液体循環システムの動作状態が前記液漏れ空転状態にあると判定することを特徴とする液体循環システムの動作状態判定方法。

請求項5

請求項2に記載の液体循環システムの動作状態判定方法において、前記正常稼動状態でのポンプ回転速度の範囲を、正常範囲として予め規定し、前記検出速度が前記正常範囲内である場合に、前記液体循環システムの動作状態が前記正常稼動状態にあると判定することを特徴とする液体循環システムの動作状態判定方法。

請求項6

請求項2に記載の液体循環システムの動作状態判定方法において、前記検出速度に基づいて、前記循環路閉塞状態でのポンプ回転速度の範囲を閉塞範囲、前記液漏れ空転状態でのポンプ回転速度の範囲を空転範囲として予め規定し、前記検出速度が、前記閉塞範囲、又は前記空転範囲のいずれの範囲にもない場合に、前記液体循環システムの動作状態が前記正常稼動状態にあると判定することを特徴とする液体循環システムの動作状態判定方法。

請求項7

請求項2乃至4のいずれか一に記載の液体循環システムの動作状態判定方法において、前記循環路閉塞状態、又は前記液漏れ空転状態のいずれかと判定した場合に、前記液冷システムの動作状態が異常である異常稼動状態にあると判定することを特徴とする液体循環システムの動作状態判定方法。

請求項8

請求項5又は6に記載の液体循環システムの動作状態判定方法において、前記正常稼動状態と判定しなかった場合に、前記液体循環システムの動作状態が異常である異常稼動状態にあると判定することを特徴とする液体循環システムの動作状態判定方法。

請求項9

請求項3乃至8のいずれか一に記載の液体循環システムの動作状態判定方法において、前記閉塞範囲、前記空転範囲、及び前記正常範囲の内、予め規定するポンプ回転速度の範囲を、前記遠心ポンプの製造ばらつきに応じた値を用いて規定することを特徴とする液体循環システムの動作状態判定方法。

請求項10

液体を液送する遠心ポンプと、該遠心ポンプとで液体を循環させる循環路を形成する構成部材と、当該液体循環システムの動作状態を判定する動作状態判定手段とを備えた液体循環システムにおいて、前記動作状態判定手段で行う当該液体循環システムの動作状態判定方法が、請求項1乃至9のいずれか一に記載の液体循環システムの動作状態判定方法であることを特徴とする液体循環システム。

請求項11

請求項10に記載の液体循環システムにおいて、当該液体循環システムの動作状態を、前記循環路閉塞状態、前記液漏れ空転状態、又は前記異常動作状態のいずれかと判定した場合に、前記遠心ポンプの駆動を停止することを特徴とする液体循環システム。

請求項12

冷却液循環路内で循環させる液体循環システムを備え、前記循環路内で循環させる冷却液を用いて、被冷却対象から受熱部材吸熱した熱を、放熱部材に伝達する冷却装置において、前記液体循環システムとして、請求項10又は11に記載の液体循環システムを備えたことを特徴とする冷却装置。

請求項13

被冷却対象を冷却する冷却装置を備えた画像形成装置において、前記冷却装置として、請求項12に記載の冷却装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、液体循環路内循環させる液体循環システム動作状態判定方法、この動作状態判定方法により動作状態を判定する液体循環システム、冷却装置、及びに画像形成装置に関するものである。

背景技術

0002

従来から、液送ポンプを用いて、液体を循環路内で循環させる液体循環システムが組み込まれている電子機器等の装置が知られている。
また、液体循環システムに用いる代表的な液送ポンプの形式としては、容積形の液送ポンプや非容積形の遠心ポンプ等が知られている。

0003

そして、液体循環システムを組み込む装置の用途にもよるが、一般的に、サイズが同程度の容積形の液送ポンプで液送する液体の流量よりも多い流量を得られ、組み込む装置の小型化に貢献できる遠心ポンプを用いたものが多くなってきている。
例えば、特許文献1には、非容積形の遠心ポンプを用いて、液体(冷却液)を循環させる液体循環システムを用いた冷却装置を備えた画像形成装置が記載されている。
一方、特許文献2には、容積形の液送ポンプであるダイヤフラムポンプを用いて、液体(血液)を循環させる液体循環システムを用いた医療機器が記載されている。

0004

また、特許文献2に記載された液体循環システムでは、次のようなセンサをダイヤフラムポンプに設け、センサによる検出結果に基づいてダイヤフラムポンプによる液体の単位時間当たりの液送量、つまりダイヤフラムポンプによる液体の流速を算出している。
ダイヤフラムポンプのポンプチャンバ内に電極を配置している。そして、ポンプチャンバ内に配置した電極に、電源静電容量センサ容量センサ)とを接続し、電極により発生させた電場静電容量(容量)が、ダイヤフラム周期的変形により変化するのを、電極に接続した静電容量センサで検出(登録)している。
ここで、静電容量センサから出力される容量シグナルは、そのポンプチャンバ内が液体で満たされる場合に高い値を示し(シグナルを有し)、そのポンプチャンバ内の液体が空である場合に低い値を示す。そして、そのダイヤフラムが、ポンプチャンバ内が液体で満たされる場合とポンプチャンバ内の液体が空である場合との間の位置を占める場合、中程度の値の範囲を示す。

0005

また、ダイヤフラムポンプによる液体の流速を算出する算出処理部(コントローラ)では、静電容量センサから出力される容量シグナルが高い場合と、低い場合との差異を、ポンプチャンバの最大ストローク容量に対して校正する。次いで、ダイヤフラムの周期的変形によるポンプチャンバ内への液体の吸引(汲み出し)、及びポンプチャンバ内からの排出のサイクルの間に、静電容量センサから出力された容量シグナルの最大シグナル値と最小シグナル値の差異を、次のものに関連付ける。ダイヤフラムの周期的変形により、ポンプチャンバ内に吸引され、ポンプチャンバ内から排出される液体の容量である。
そして、サンプル時間に亘ってダイヤフラムポンプで液送された液体の容量を合計して、単位時間当たりの液体の流速を算出するというものである。

発明が解決しようとする課題

0006

上記した各液体循環システムでは、循環路が弁付きのジョイント対等の接続解除により分断されたり、循環路を形成する管路部材が折れ曲がったり、循環路を形成する管路部材の内部に付着物が付着したりして、循環路が閉塞された循環路閉塞状態となる場合がある。
このように循環路閉塞状態になると、各液体循環システムは、液送ポンプ及びその駆動源故障していなくても液体が循環できなくなり、その機能を達成できないとともに、各液体循環システムを用いた装置も、その機能を発揮することができなくなってしまう。
具体的には、特許文献1に記載の冷却装置では、冷却対象を冷却することができなくなり、特許文献2に記載の医療機器では、例えば、各血液成分に遠心分離する血液をドナーから採取できなくなってしまう。
これらのような不具合の発生を抑制するため、液体循環システムが循環路閉塞状態にあるか否かを判定して、液体循環システムや液体循環システムを用いる装置を停止したり、利用者に警告を発したりするための液体循環システムの動作状態判定方法が望まれる。

0007

上記した特許文献2には、”容量シグナルの出力の微分を生成し、生成した微分における変動、又は変動の非存在が、ダイヤフラムポンプのポンプチャンバ内の液体の流れの閉塞の一部または全部を反映する”旨、記載され、その詳細に関しては明記されていない。
ここで、循環路閉塞状態が生じると、容積形のダイヤフラムポンプでは、ダイヤフラムポンプの排出口側正圧や、吸引口側の負圧が高まって、変形して液送を行うダイヤフラムが正常な周期的変形をできなくなり、最終的に変形できなくなって停止する。このため液送する液体の流速の変動が、液体循環システムが正常動作している正常稼動状態の場合と異なってきて、最終的に液体の流れが止まって変動しなくなる。したがって、算出したダイヤフラムポンプによる液体の流速や、容量シグナルの出力に基づいて、循環路閉塞状態を判定できるものと考えられる。

0008

しかし、特許文献1の遠心ポンプでは、特許文献2の容積形のダイヤフラムポンプと異なり、基本的には、液体を液送する際にポンプ内の液体の容量変化は生じないため、遠心ポンプに静電容量センサを設けても液体の流速を求めることができない。
また、液体循環システムが循環路閉塞状態になっても、回転して液送を行う遠心ポンプの羽根車は停止せずに回転し続けるため、羽根車の回転が停止することをもって、液体循環システムが循環路閉塞状態になっていると判定することもできない。すなわち、液体循環システムが、羽根車の回転により液送可能な状態にあるか、羽根車を回転させても液送できない循環路閉塞状態にあるかを判定することもできない。
これらのため、従来の遠心ポンプを有した液体循環システムの動作状態判定方法では、遠心ポンプの吐出口又は吸入口の近傍の循環路部分に液体の流量を検出(計測)する電磁流量計等の専用センサを設け、検出した流量から循環路閉塞状態を判定する必要がある。
そして、特許文献1に記載の液体循環システムのように、遠心ポンプを有した液体循環システムの動作状態判定方法に用いるセンサとして、専用のセンサを設けると、液体循環システム及び液体循環システムを用いる装置の高コスト化を招くおそれがある。

0009

本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、遠心ポンプを有した液体循環システムの動作状態判定方法であって、専用のセンサを設けることなく、循環路閉塞状態を判定できる液体循環システムの動作状態判定方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体を液送する遠心ポンプと、該遠心ポンプと供に液体を循環させる循環路を形成する構成部材とを備えた液体循環システムの動作状態判定方法において、前記液体循環システムは、前記遠心ポンプの羽根車の回転速度であるポンプ回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、前記回転速度検出手段によって検出した検出速度に基づいて、前記羽根車を回転駆動する駆動源に一定の電圧又はデュティ印加したときに、前記ポンプ回転速度に影響を与える前記構成部材の流路内における液体の流量と相関を有する前記液体循環システムの動作状態を判定することを特徴とするものである。

発明の効果

0011

本発明は、遠心ポンプを有した液体循環システムの動作状態判定方法であって、専用のセンサを設けることなく、循環路閉塞状態を判定できる液体循環システムの動作状態判定方法を提供できる。

図面の簡単な説明

0012

一実施形態に係る、画像形成装置であるプリンタ概略構成図。
一実施形態に係る、冷却装置、及び液体循環システムの構成説明図。
図2の冷却装置に有した冷却部材の平面説明図。
ポンプの分類についての説明図。
一実施形態に係る、液体循環システムに備えた遠心ポンプの説明図。
一般的な遠心ポンプの流量−回転速度の特性についての説明図。
実施例1に係る、循環路の閉塞状態を判定する原理の説明図。
実施例1に係る、遠心ポンプの製造時における流量−回転速度の特性のばらつきの説明図。
実施例1に係る、遠心ポンプの製造時における流量−回転速度の特性のばらつきを考慮して、狙いの流量を決定する際に留意する点の説明図。
実施例1に係る、遠心ポンプの製造時における流量−回転速度の特性のばらつきを考慮して、決定した狙いの流量に基づいて、正常状態時の正常範囲を規定する場合の説明図。
実施例2に係る、循環路の閉塞状態を判定するのと同じ閾値を用いて、空転状態を判定する場合の説明図。
実施例2に係る、循環路の閉塞状態と空転状態とを、それぞれ別の閾値を用いて判定する場合の説明図。
実施例3に係る、液体循環システムの動作状態判定方法の説明図。
変形例に係る、液体循環システムの動作状態判定方法の説明図。
一実施形態に係る、液体循環システムを有した冷却装置の別例の説明図。
一実施形態に係る、液体循環システムを有した冷却装置の他の別例の説明図。

実施例

0013

以下、本発明を画像形成装置に備えた冷却装置に適用した一実施形態について、図を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置であるプリンタ300の概略について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置であるプリンタ300の概略構成図である。

0014

図1に示すように、本実施形態のプリンタ300は、装置本体200内に、複数のローラ(第一張架ローラ22、第二張架ローラ23、第三張架ローラ24等)によって中間転写媒体としての中間転写ベルト21を張架している。そして、中間転写ベルト21は、複数のローラのうちの1つが回転駆動することにより図中矢印a方向に回転する構成である。また、プリンタ300は、中間転写ベルト21のまわりに画像形成用のプロセス手段を配置している。ここで、符号の後に付されたY,C,M,Bkという添字は、イエローシアンマゼンタブラック用の仕様であることを示している。

0015

中間転写ベルト21の回転方向を図中矢印aとするとき、中間転写ベルト21の上方であって第一張架ローラ22と第二張架ローラ23との間には、各色用の画像形成用のプロセス手段として4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)が配置されている。そして、中間転写ベルト21の表面移動方向の上流側から順に、Y用画像ステーション10Y、C用画像ステーション10C、M用画像ステーション10M及びBk用画像ステーション10Bkが配置されている。

0016

4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)は使用するトナーの色が異なる点以外は、略同一の構成となっている。各画像ステーション10は、ドラム状の感光体1の周囲に帯電装置5、光書き込み装置2、現像装置3、感光体クリーニング装置4が配置されている。さらに、中間転写ベルト21を挟んで感光体1の対向する位置には、中間転写ベルト21へのトナー像転写手段としての一次転写ローラ11が設けられている。このような、4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)が互いに所定のピッチ間隔となるように中間転写ベルト21の表面移動方向に沿って配置されている。

0017

プリンタ300では、光書き込み装置2をLEDを光源とする光学系としているが、半導体レーザーを光源とするレーザー光学系で構成することもでき、各感光体1に対して画像情報に応じた露光を行う。

0018

中間転写ベルト21の下方には、シート状部材記録材である用紙Pの給紙カセット31及び給紙コロ41、レジストローラ対42が配置されている。また、中間転写ベルト21を張架する第三張架ローラ24に対して中間転写ベルト21を介して対向するように、中間転写ベルト21から用紙Pへのトナー像の転写手段としての二次転写ローラ25が配置されている。さらに、中間転写ベルト21の裏面に接するクリーニング対向ローラ26が中間転写ベルト21に接触する位置で中間転写ベルト21のおもて面に接するように、中間転写ベルト21の表側の面をクリーニングするベルトクリーニング装置27が設けられている。
なお、図1図中、レジストローラ対42の右側には、手差し給紙を行う場合の手差し給紙路35、手差し給紙コロ43、及び手差しトレイ34が配置されている。

0019

給紙カセット31から排紙トレイ33へ至る用紙搬送路32が延びており、用紙搬送路32における二次転写ローラ25の用紙搬送方向下流側(以下、単に下流側という)には、加熱ローラ加圧ローラとを有した定着装置15が配置されている。この定着装置15の用紙搬送路32における下流側には、用紙Pを冷却する冷却装置100が配置されることとなる。そして、冷却装置100のさらに下流側の装置本体200の外部には、トナー定着後の用紙Pの排出部である排紙トレイ33が配置されている。また、両面画像形成時に用紙Pの裏面への画像形成を行う際に、冷却装置100を一度通過した用紙Pの表裏反転させ、再度、レジストローラ対42へ搬送する両面画像形成用の反転用紙搬送路36も備えている。

0020

画像の形成プロセスは、1つの画像ステーション10について説明すると、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電装置5により一様に帯電された感光体1上に光書き込み装置2により露光して静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像装置3によりトナー像として可視像化する。そのトナー像は一次転写ローラ11により感光体1上から中間転写ベルト21に転写される。転写後の感光体1の表面は感光体クリーニング装置4によりクリーニングされる。このような画像形成プロセスが4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)のそれぞれにおいて行われる。

0021

4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)における各現像装置3(Y,C,M,Bk)は、それぞれ異なる4色のトナーによる可視像化機能を有している。このため、各画像ステーション10(Y,C,M,Bk)でイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを分担すれば、フルカラーのトナー像を形成することができる。また、各画像ステーション10は、中間転写ベルト21を挟むように、各感光体1とそれぞれ対向して設けられた一次転写ローラ11(Y,C,M,Bk)を備え、この一次転写ローラ11(Y,C,M,Bk)には転写バイアスが印加され、一次転写部を構成する。

0022

上記の構成により、中間転写ベルト21の同一画像形成領域が4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)を順次通過する。この順次通過する間に、一次転写ローラ11に印加された転写バイアスによって、それぞれ1色ずつトナー像を中間転写ベルト21上で重ね合わせるように転写する。これにより、上述した同一画像形成領域が各画像ステーション10(Y,C,M,Bk)の一次転写部を1回通過した時点で、この同一画像領域に、重ね転写によってフルカラーのトナー像を得ることができる。

0023

上記のようにして中間転写ベルト21上に形成されてフルカラーのトナー像は、給紙カセット31又は手差しトレイ34から搬送された用紙Pに転写され、転写後の中間転写ベルト21はベルトクリーニング装置27によりクリーニングされる。ここで、中間転写ベルト21から用紙Pへのフルカラーのトナー像の二次転写は、次のようにして行われる。二次転写では、二次転写ローラ25に転写バイアスを印加して、中間転写ベルト21を介して二次転写ローラ25と第三張架ローラ24との間に転写電界を形成し、二次転写ローラ25と中間転写ベルト21とのニップ部に用紙Pを通過させることにより行なわれる。なお、給紙カセット31又は手差しトレイ34から搬送された用紙Pは、転写ニップ部の用紙搬送方向上流側に配置されたレジストローラ対42により、転写ニップ部に搬送される中間転写ベルト21上のトナー像のタイミングに合わせ、転写ニップ部に搬送される。

0024

中間転写ベルト21から用紙Pへのフルカラーのトナー像の転写後、用紙P上に担持させたフルカラーのトナー像を定着装置15で加熱及び加圧することで用紙P上に定着し、用紙P上にフルカラーの最終画像が形成される。その後、用紙Pは冷却装置100により、片面又は両面から冷却され、排紙トレイ33上に積載される。このため、用紙Pが排紙トレイ33上に積載される時点で、用紙P上のトナーを確実に硬化状態とさせることができ、ブロッキング現象を回避することができる。

0025

また、プリンタ300には、パソコン等の外部機器や、装置本体200内の各装置、又は各装置毎に設けられた制御部や電源部(不図示)と制御信号等の通信を行うとともに、各装置や各制御部を統括して制御する本体制御部202が設けられている(図2参照)。
この本体制御部202には、CPU(中央演算処理装置)、高速な読み書きが可能なRAM(ラム)、高速な読み込みが可能なROM(ロム)、及びRAMやROMに比べて低速なものの記憶容量が多い不揮発性メモリ記憶装置等を備えている(いずれも不図示)。
本体制御部202は、ROMや不揮発性メモリに記憶した制御プログラムや、各装置や各制御部を制御する際に参照する各種参照データを格納したデータテーブルを、適宜、RAMに読み出しCPUで演算を行う。そして、本体制御部202は、各装置や各制御部に演算結果に基づく制御信号を送信したり、実行するプログラムに応じて、演算結果をデータテーブルに格納したり、外部機器に、メッセージを表示させるための信号を送信したりする。
また、プリンタ300には、装置本体200(各装置)の設定を行ったり、エラーメッセージの表示を行ったりするタッチパネルや操作ボタンを有した、操作・表示部(不図示)も有している。

0026

次に、本実施形態のプリンタ300に備えた液冷方式の冷却装置100、及びこの冷却装置100に用いた液体循環システム110の基本的な構成について、図を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る、冷却装置100、及び液体循環システム110の構成説明図、図3は、図2の冷却装置100に有した冷却部材120の平面説明図である。

0027

本実施形態の冷却装置100は、図2に示すように、主に、用紙Pを搬送する用紙搬送手段、用紙Pを冷却する冷却手段、本体制御部202や冷却後の用紙Pの温度に基づいて冷却手段の冷却能力を調整する冷却制御部102を備えている。
用紙搬送手段としては、定着装置15で定着された後の用紙Pを搬送しながら冷却するために、次のようなものを設けている。
用紙Pを挟持搬送する2つの挟持部である、トナーが軟化した状態で付着している用紙Pの表側から挟持する表側挟持部160と、裏側から挟持する裏側挟持部170とを用紙搬送手段は備えている。
表側挟持部160は、主に、用紙搬送路32の図2図中、上方に台形状に配置された4つの表側従動ローラ162、これらの表側従動ローラ162に架け渡された表側無端ベルト161等を有している。一方、裏側挟持部170は、主に、用紙搬送路32の図2図中、下方に台形状に配置された3つの裏側従動ローラ172、駆動ローラ173、これらの裏側従動ローラ172及び駆動ローラ173に架け渡された裏側無端ベルト171等を有している。

0028

また、駆動ローラ173には、専用又は他の駆動系と共用する駆動源としての駆動モータ174がギヤ列等の駆動伝達手段(不図示)を介して接続されている。この駆動ローラ173を回転駆動する駆動モータ174は、冷却装置100に設けられた冷却制御部102内に有したベルト駆動制御部106に接続されている。
ベルト駆動制御部106には、駆動モータ174に電圧を印加するドライバー部(不図示)を有している。このベルト駆動制御部106は、冷却制御部102が本体制御部202から受け取った用紙Pの搬送速度等の情報に基づいて、駆動ローラ173の回転速度の演算を行う。そして、ベルト駆動制御部106は、演算結果に応じた電圧:Vmを、ドライバー部から駆動モータ174に印加して、駆動ローラ173の回転速度の制御を行う。

0029

また、冷却手段としては、次のようなものを備えている。
表側無端ベルト161の用紙搬送路32側の内周には、金属製(アルミニウム製)の受熱部材である冷却部材120が設けられ、表側無端ベルト161を介して間接的に被冷却対象である用紙Pから熱を吸熱して冷却するように構成されている。
この冷却部材120には、表側無端ベルト161が摺動するとともに表側無端ベルト161を介して用紙Pから熱を吸熱する冷却面121と、吸熱した熱を、その内部を通過する冷却液で外部放熱手段130に伝達する流路部122(図3参照)とが設けられている。

0030

外部放熱手段130は、主に、放熱部材としてのラジエータ131、冷却液を液送する液送ポンプとしての遠心ポンプ132、冷却液を一次的に貯留する貯留タンクであるリザーバータンク133を有している。また、外部放熱手段130は、上記した各構成部材を繋ぎ冷却液の循環路111を構成する流路である中空部を有したゴムチューブ134や、メンテナンス時に冷却部材120の着脱を容易にするための、液漏れ防止弁付きのジョイント対135も有している。そして、ゴムチューブ134及びジョイント対135を介して、各構成部材は、遠心ポンプ132、ラジエータ131、冷却部材120、リザーバータンク133の順で直列に接続されており、冷却液を循環させる循環路111を形成している。

0031

また、上記した冷却液の循環路111内を循環する冷却液が、表側無端ベルト161を介して冷却部材120で吸熱した用紙Pの熱をラジエータ131に伝達する熱伝達手段の役割を果す。また、外部放熱手段130には、ラジエータ131に外気送風して、放熱効果、つまり用紙Pの冷却効果を高める送風手段である送風ファン136も有している。
なお、上記した循環路111を構成する各構成部材の内、遠心ポンプ132を除く、冷却部材120、リザーバータンク133、ゴムチューブ134、及びジョイント対135は、遠心ポンプ132と供に循環路111を形成するポンプ外流路112を構成している。
ここで、本実施形態では冷却液に、不凍液として知られるプロピレングリコール溶液を用いている。

0032

上記のように構成された冷却装置100では、裏側挟持部170に設けた駆動ローラ173を図2図中、反時計回りに回転駆動させることで、裏側無端ベルト171及び裏側従動ローラ172を反時計回りに無端移動させる。そして、この裏側無端ベルト171の無端移動により、直接又は用紙Pを介して接触する表側無端ベルト161を時計回りに無端移動させる。このように無端移動する表側無端ベルト161及び裏側無端ベルト171で用紙Pを挟持することで、定着後の用紙Pを用紙搬送路32に沿って挟持搬送することができる。

0033

そして、遠心ポンプ132を駆動して冷却液を、冷却部材120の流路部122とラジエータ131との間で循環させ、冷却部材120の冷却面121により、表側無端ベルト161を介して用紙Pから熱を吸熱して冷却する。
より具体的には、冷却部材120の内部には、図3に示すように冷却液が通過する流路である流路部122が設けられており、冷却部材120の冷却面121に表側無端ベルト161の内周面を擦動させて用紙Pから吸熱した熱(熱量)を冷却液が外部に輸送する。このようにして、冷却部材120は、用紙Pを冷却するとともに、低温に保たれる。
ここで、冷却部材120の流路部122を通過して高温となった冷却液は、リザーバータンク133に一旦、貯液され、遠心ポンプ132によって送液された後、ラジエータ131を通過する際に外気への放熱が行われて、その温度が低下する。

0034

上記のようにして低温になった冷却液は、再度、冷却部材120内の流路部122を通過する際に、熱伝達によって冷却部材120から熱を吸熱し、高温になった冷却液はリザーバータンク133に帰る。そして、冷却液は、遠心ポンプ132を駆動している間、冷却部材120の流路部122とラジエータ131との間で循環し、ラジエータ131を通過する際の放熱と、冷却部材120内の流路部122を通過する際の吸熱とを繰り返すことになる。すなわち、冷却装置100は、遠心ポンプ132、ラジエータ131、流路部122が設けられた冷却部材120、リザーバータンク133、ゴムチューブ134、及びジョイント対135等を有した液体循環システム110を用いて用紙Pを冷却している。
そして、上記のように用紙Pを冷却することで、定着装置15で加熱されて軟化したトナーの温度を低下させ、用紙P上のトナーを確実に硬化状態とでき、図1に示した排紙トレイ33上に排出・積載されても、所謂、ブロッキング現象の発生を抑制できる。

0035

また、冷却装置100には、冷却後の用紙Pの温度を検知するための非接触方式温度センサ137が、用紙搬送路32の表側挟持部160及び裏側挟持部170で挟持搬送される部分の用紙搬送方向下流側の位置に設けられている。この温度センサ137は、冷却装置100に設けられた冷却制御部102内に有した温度制御部107に接続されている。
温度制御部107は、温度センサ137で検知した冷却後の用紙Pの温度情報を受け取るとともに、冷却制御部102が本体制御部202から受け取った定着装置15の加熱温度設定値、用紙Pの種別、及び用紙Pの搬送速度等の情報も受け取る。この受け取った各情報に基づいて、温度制御部107は、循環システム制御部113に接続された遠心ポンプ132の駆動源であるDCモータ147のオンオフや、ファン制御部105に接続された送風ファン136のオン/オフ及び回転速度の演算を行う。そして、温度制御部107は、演算結果に応じた制御信号を、循環システム制御部113及びファン制御部105に送信して、DCモータ147のオン/オフや、送風ファン136のオン/オフ及び回転速度の制御、及びフィードバック制御を行う。

0036

循環システム制御部113には、DCモータ147に所定の電圧:Vpを印加するドライバー部(不図示)を有しており、循環システム制御部113は、温度制御部107から受信した制御信号に基づいて、DCモータ147へ印加する電圧のオン/オフを制御する。
また、遠心ポンプ132の羽根車141のポンプ回転速度を検出するための回転速度検出手段であるロータリーエンコーダ151の被検知部である円盤部が、ポンプ軸143に保持(固定)されている(図5参照)。そして、このロータリーエンコーダ151の検知部から出力されるパルス信号を循環システム制御部113で受信して、羽根車141(ポンプ軸143)のポンプ回転速度を検出し、遠心ポンプ132やDCモータ147の故障等の異常を検知する。
また、詳しくは後述するが、本実施形態の循環システム制御部113では、検出したポンプ回転速度に基づいて、液体循環システム110の動作状態の判定を行う動作状態判定方法を実行することができる。そして、この循環システム制御部113が、検出したポンプ回転速度に基づいて、液体循環システム110の動作状態の判定を行う動作状態判定方法を実行する動作状態判定手段としても機能する。

0037

また、冷却液の循環路111には、部品交換やメンテナンスを目的として、冷却液の循環路111を分断可能とするように、ジョイント対135が設けられている。このジョイント対135はオスメスのセットにより使用され、オス側メス側機械的に結合されることにより、それぞれに設けられた液漏れ防止弁が開いて遠心ポンプ132と供に循環路111を形成するポンプ外流路112が開通する機能を有したものである。一方、オス側とメス側が機械的に分断されることにより、それぞれに設けられた液漏れ防止弁が閉じて、分断位置から離れた側のポンプ外流路112(ゴムチューブ134)がそれぞれ閉塞される。
すなわち、ジョイント対135の機械的な接合と分断により、循環路111の開通(閉塞解除)と循環路111が閉塞する循環路閉塞状態(以下、閉塞状態という)を選択的に行うことができる。

0038

このように液漏れ防止弁を備えたジョイント対135を有する構成の場合、メンテナンス時に循環経路を一時的に分断し、再接合を行わないまま、この液体循環システム110を用いた冷却装置100、及びプリンタ300を再起動してしまうことが懸念される。
このように再起動されると、ジョイント対135の各液漏れ防止弁が閉じられたポンプ外流路112が閉塞された状態、つまり循環路111が閉塞された状態で、液体循環システム110の遠心ポンプ132が駆動を開始する。
その結果、液体循環システム110は、その機能を達成できないとともに、液体循環システム110を用いた冷却装置100も、その機能を発揮することができなくなってしまい、ブロッキング等の不具合が発生してしまう。
また、詳しくは後述するが、冷却液の液漏れや、遠心ポンプ132や、循環路111を構成する各構成部材への過負荷による寿命短縮が生じるおそれもある。

0039

また、ポンプ外流路112(循環路111)が閉塞する原因としては、上記したジョイント対135の未接合の他にも次のようなものもある。
ジョイント対135のいずれかが故障している場合も、ジョイント対135を接続しても故障した側の液漏れ防止弁が開かず、閉塞状態となる場合もある。また、ポンプ外流路112を構成するゴムチューブ134等の管路部材が折れ曲がったり、ポンプ外流路112を形成する中空部に付着物が付着したりして、ポンプ外流路112が閉塞された閉塞状態となる場合もある。
そして、原因がいずれであっても、ポンプ外流路112が閉塞状態のまま、ブロッキング等の不具合が発生したり、遠心ポンプ132も含む循環路111を構成する各構成部材への過負荷による寿命短縮が生じるおそれがある。

0040

ここで、電子機器等の装置に備える液体循環システムで用いられることが多い液送ポンプの分類と、本実施形態の冷却装置100で用いた遠心ポンプ132の構成の概略と、一般的な遠心ポンプの特性とを、図を用いて説明しておく。
図4は、非特許文献1の記載を参考にした、ポンプの分類の説明図である。図5は、本実施形態に係る、液体循環システム110に備えた遠心ポンプ132の説明図である。そして、図5(a)が羽根車141の回転中心線(ポンプ軸143)に垂直な遠心ポンプ132の断面を吸入口145側から見た断面図、図5(b)が羽根車141の回転中心線に平行な遠心ポンプ132の断面を吐出口146から離れた側から見た断面図である。ここで、図5(b)においては、本来、複数の羽根142の側面が見えるが、図が見難くなってしまうため、2枚の羽根142の側面、及びその断面のみ示している。

0041

本実施形態の液体循環システム110に用いる遠心ポンプ132は、図4に示すように、ポンプの3つの分類であるターボ形ポンプ容積形ポンプ、及び特殊ポンプの内のターボ形ポンプに分類される。そして、ターボ形ポンプの3つの分類である遠心ポンプ、斜流ポンプ、及び軸流ポンプの内の遠心ポンプに分類され、さらに、遠心ポンプの2つの分類である渦巻ポンプディフューザポンプの内の渦巻ポンプにあたる。
また、遠心ポンプは、一般的に、サイズが同程度の容積形の液送ポンプで液送する液体の流量よりも多い流量を得られ、組み込む電子機器等の装置の小型化に貢献できるため、小型化や大流量が求められる装置に採用されることが多くなってきている。

0042

次に、遠心ポンプの原理を、本実施形態の液体循環システム110に用いる遠心ポンプ132の構成に基づき、図5を用いて説明する。
図5(a)、(b)に示すように、遠心ポンプ132は、主に、液体(流体)である冷却液が満たされる内部空間を有したポンプケーシング140と、このポンプケーシング140内に配置される、複数の羽根142を有した羽根車(インペラ)141とを有している。また、本実施形態の遠心ポンプ132では内蔵するように構成していが、別体として設けることも可能な駆動源であるDCモータ147を有している。そして、羽根車141の回転による遠心力で、流体を搬送(液送)する圧力を発生させるというものである。

0043

ポンプケーシング140は、液送する液体及び羽根車141を収容する内部空間と、羽根車141の回転による遠心力により液送する液体を、ポンプ外流路112に吐出させる吐出口146と、ポンプ外流路112から内部空間に吸込む吸入口145とを有している。また、羽根車141に固定され、羽根車141を回転させるポンプ軸143を回転自在に保持するとともに、ポンプケーシング140の内部空間から流体が漏れないように封止する軸受封止部144が接合(固定)された開口部も有している。

0044

羽根車141は、羽根車141の内側(回転中心線に近い側)が負圧に、外側(回転中心線から遠い側)が正圧になるように、複数の羽根142を設けられるとともに、ポンプケーシング140の内部空間内に配置されている。なお、図5(a)では、図5(a)図中、時計回りに羽根車141を回転させる場合の例について記載している。
そして、羽根車141を回転させると複数の羽根142により押し出される液体に遠心力が働き、ポンプケーシング140の内周空間で形成される内部流路に導かれて、図5(b)に示すように吐出口146からポンプ外流路112へと吐出されることになる。
一方、羽根車141の内側は負圧になるが、図5(b)に示すように、図5(b)図中左側の吸入口145に接続されるポンプ外流路112から流体が供給されることになる。

0045

また、上記のような遠心ポンプでは、使用者要望により、羽根車のポンプ軸と同軸上にロータリーエンコーダを取り付けることができ、実用化されている。これにより、羽根車の回転の有無及びポンプ回転速度を検出でき、遠心ポンプや遠心ポンプの駆動源の異常等の検知に用いられている。
なお、本実施形態の遠心ポンプ132では、上記したようにDCモータ147を内蔵するために、略円筒状モータケーシング149でDCモータ147を保持するとともに、DCモータ147のモータ軸148とを継ぎ手152で連結している。そして、モータ軸148の軸受封止部144と継ぎ手152との間に、ロータリーエンコーダ151の円盤部が保持(固定)され、検知部がモータケーシング149に保持されており、モータ軸148を介して羽根車141の回転速度を検出可能に構成している。

0046

ここで、ロータリーエンコーダ151のパルス信号から検知できる異常としては、例えば次のような異常が従来から知られている。
所定の電圧を印加しているにも関わらず、DCモータ147に断線等の故障が生じたり、モータ軸148とポンプ軸143とを連結する継ぎ手152が破断する等の遠心ポンプ132の故障が生じたりしてポンプ軸143が回転しない異常である。
このような故障が発生すると、ポンプ軸143に保持(固定)されたロータリーエンコーダ151の円盤部が回転しなくなる。そして、ロータリーエンコーダ151が、パルス信号を検出できなくなるため、パルス信号の未検出をもって、DCモータ147又は遠心ポンプ132の故障を検知できる。
このため、電子機器等の装置に組み込まれる遠心ポンプを用いた液体循環システムでは、使用者の要望により、遠心ポンプのポンプ軸の回転速度を検出する回転速度検出手段を設けて、遠心ポンプやその駆動源の故障等の異常を検知する場合がある。

0047

また、遠心ポンプ132の羽根車141とポンプケーシング140との間に、破損した遠心ポンプ132の部材や異物が挟まって回転抵抗が高まる故障が生じ、ポンプ軸143のポンプ回転速度が、正常時のポンプ回転速度よりも遅くなる異常も考えられる。
一方、羽根車141の羽根142が変形する故障が生じた場合に、羽根車141とポンプケーシング140との間に挟まることなく、遠心力を与えて液送する液体を押し出す羽根142の面積が減り、正常時のポンプ回転速度よりも速くなる異常も考えられる。
これらの遠心ポンプの故障も、ロータリーエンコーダ151で検知する羽根車141のポンプ回転速度と、正常時のポンプ回転速度とを比較することで、ある程度の回転速度差がある場合には検知可能であるものと考えられる。

0048

ここで、上記した特許文献2のダイヤフラムポンプ等の容積形ポンプを用いる液体循環システムの構成で、上記のようにポンプ外流路(循環路)が閉塞状態となると、容積形ポンプを駆動するモータ等の駆動源の回転や往復運動が最終的に拘束される。このため、駆動源の回転や往復運動が拘束されて容積形ポンプが停止することにより、駆動源の回転速度や移動速度を検出するセンサを設けた構成であれば、センサのパルス信号等の未検出をもって、ポンプ外流路の閉塞状態と判定することが可能である。
一方、遠心ポンプを用いる液体循環システムでは、ポンプ外流路が閉塞状態になった場合でも、遠心ポンプのポンプケーシングの内部空間に配置された羽根車は回転し続ける。このため、駆動源のモータ軸やポンプ軸の回転速度を検出するロータリーエンコーダ等を設けても、ロータリーエンコーダ等のパルス信号は検出され続けるため、パルス信号の未検出をもって、ポンプ外循環路の閉塞状態と判定することはできない。すなわち、従来の遠心ポンプを用いる液体循環システムの動作状態判定方法では、液体循環システムが、羽根車の回転により正常に液送可能な状態にあるか、羽根車を回転させても液送できない、ポンプ外流路が閉塞状態にあるかを判定することもできない。

0049

また、上記したように特許文献2には、容積形ポンプであるダイヤフラムポンプのポンプチャンバ内に静電容量センサを設けて、その容積変化から循環路が閉塞状態にあるか否かを判定できる構成が記載されている。
しかし、上記した特許文献1や本実施形態の遠心ポンプでは、特許文献2の容積形のダイヤフラムポンプと異なり、基本的には、液体を液送する際にポンプ内の液体の容量変化は生じないため、ポンプに静電容量センサを設けても液体の流速を求めることができない。このため、従来の遠心ポンプを有した液体循環システムで、循環路の閉塞状態を判定するためには、遠心ポンプの吐出口又は吸入口の近傍の循環路部分に液体の流量を検出する電磁流量計等の専用センサを設けて、検出した流量から閉塞状態を判定する必要があった。
上記の理由から、特許文献1や本実施形態のように、遠心ポンプを有した液体循環システムの動作状態判定方法に用いるセンサとして、専用のセンサを設けると、液体循環システム及び液体循環システムを用いる装置の高コスト化を招くおそれがある。

0050

また、本実施形態のように、冷却装置100に用いる液体循環システム110で、ポンプ外流路112(循環路111)が閉塞状態のまま冷却装置100の稼動を継続すると、次のような不具合も発生してしまう。
循環路111内で冷却液が循環せず、遠心ポンプ132のポンプケーシング140内で冷却液が滞留する。
このため、遠心ポンプ132の羽根車141を回転させるポンプ軸143を介して、駆動源であるDCモータ147等の熱を循環路111内に設けた放熱部材であるラジエータ131から放熱することができずにDCモータ147が異常加熱するおそれがある。このようにDCモータ147が異常加熱した状態が継続されると、DCモータ147が故障する可能性が高くなるとともに、その寿命が短くなる。

0051

また、DCモータ147の熱や、遠心ポンプ132のポンプケーシング140内の温度上昇した冷却液の熱により、樹脂で構成されることがある羽根車141、ポンプ軸143、及び軸受封止部144のシール部材の一部が軟化するおそれもある。このように遠心ポンプ132の各部材が軟化した状態が継続されると、最終的に各部材が変形したり、溶融して破断したりして遠心ポンプ132が故障する可能性が高くなるとともに、その寿命が短くなる。
上記のように、DCモータ147や遠心ポンプ132が故障する可能性が高くなったり、その寿命が短くなったりすると、液体循環システム110が正常に機能せず、冷却装置100で被冷却対象である用紙Pを冷却できなくなるおそれがさらに高まってしまう。

0052

そこで、発明者は、ポンプ外流路(循環路)が閉塞状態でも羽根車が回転し続けるという遠心ポンプの特性により、ポンプ外循環路の閉塞状態を判定するために専用のセンサを設け、液体循環システム等の高コスト化を招くという不具合を、第一の課題とした。
そして、遠心ポンプの、ポンプ外循環路が閉塞状態でも羽根車が回転し続けるという特性に着目し、この特性を利用してポンプ外循環路が閉塞状態にあることを判定できないか検討した。
次に、遠心ポンプの特性について、より詳しく、図を用いて説明する。
図6は、一般的な遠心ポンプの流量−回転速度の特性についての説明図であり、図6(a)が遠心ポンプの流量−回転速度の特性図、図6(b)が参考として挙げる、遠心ポンプと同様な原理で動作するシロッコファンの流量(風量)−回転速度の特性図である。

0053

図6(a)に示した特性図の、遠心ポンプに用いた駆動源はDCモータであり、その制御は、一定電圧を印加するのみとしたものである。
ここで、流量は、遠心ポンプとで循環路を形成する試験的に設けた管路部材に、流量調整バルブと電磁流量計とを設け、流量調整バルブで流量を変化させながら遠心ポンプの吐出口の近傍に設けた電磁流量計で、遠心ポンプの吐出口からの流量を計測したものである。また、回転速度は、図5(b)に示した本実施形態の遠心ポンプ132と同様に、ロータリーエンコーダを設け、各流量時におけるポンプ回転速度を計測したものである。

0054

そして、計測結果は、図6(a)に示すように、流量が増えるにつれ、回転速度は低下するという特徴を示した。すなわち、一定の電圧が印加された駆動源により回転駆動される遠心ポンプでは、液体循環システムの動作状態が閉塞状態になると、遠心ポンプのポンプ回転速度が液体循環システムの動作状態が正常稼動状態にある場合よりも速くなるという特性がある。また、遠心ポンプと同様な動作原理で送風を行うシロッコファンに関して、あるシロッコファンの流量−回転速度の特性図のグラフを模した図6(b)でも同様な特徴が確認できた。

0055

上記した特性は、遠心ポンプ(渦巻きポンプ)の駆動源であるDCモータの制御を、一定電圧を印加するのみにしたものであるが、電子機器等の装置に用いられる大部分の遠心ポンプが、この制御方式である。上記のような特性を示すものは、DCモータに一定電圧を印加するものに限定されるものでなく、DCモータの制御をPWM制御で行う場合に一定のデューティを印加する制御を行う場合にも同様な特性を有する。
そして、上記のような特性は、本実施形態の遠心ポンプ132のように渦巻きポンプであるものだけではなく、遠心ポンプに分類されるディフューザポンプでも同様な特性を有する。
但し、駆動源に印加する電圧又はデューティが一定ではなく、回転速度(モータ回転数)を制御するタイプの場合、上記のような特性は有さず、詳しくは後述する本発明を適用した各実施例や変形例のように、本発明を適用することはできない。
また、非容積形ポンプ(ターボ形ポンプ)でも、斜流ポンプや軸流ポンプ等の遠心ポンプでないものには、上記した特性を有さないため、本発明を適用することはできない。

0056

ここで、上記した特性を有する理由として考えられる事項を説明しておく。
流体(液体)を搬送する遠心ポンプを回転させる駆動源の回転エネルギーは、主に、次のものに変換されるものと考えられる。
(1):遠心ポンプ内(遠心ポンプのポンプケーシング内部)を除く、各流路部(循環路部分)を流れる流体の運動エネルギー
(2):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束されない領域で、対流する流体の運動エネルギー。
(3):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束されない領域で、排出口側へ移動する流体の運動エネルギー。

0057

(4):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束される領域の流体の、羽根車の回転方向の運動エネルギー。
(5):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束される領域の流体の、羽根車の回転により生じる遠心力による移動方向の流体の運動エネルギー。
(6):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束される領域と、拘束されない領域の境界付近で生じる、拘束された領域の流体と、拘束されない領域の流体との摩擦エネルギー
(7):遠心ポンプのモータ軸と軸受封止部の摩擦(熱)エネルギー、及び遠心ポンプの羽根車等の回転する構成部材の回転速度を維持するための回転エネルギー。

0058

そして、各変換されるエネルギーの、循環路が閉塞されておらず正常に稼動している状態である正常稼動状態(以下、正常状態という)時と循環路が閉塞された状態である閉塞状態時大小関係は次のような式1〜7で示す関係になるものと考えられる。なお、各式の後の次の行の「()」内のその理由を記載する。

0059

(1):遠心ポンプ内を除く、各流路部を流れる流体の運動エネルギー。
正常状態:E01 >閉塞状態:E11 ≒ 0 ・・・・・ (式1)
(流体が遠心ポンプ内を通過しないため。)
(2):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束されない領域で、対流する流体の運動エネルギー。
正常状態:E02 < 閉塞状態:E12 ・・・・・・・・ (式2)
(閉塞状態では、拘束されない領域との境界を越える流れで対流が大きくなるため。)

0060

(3):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束されない領域で、排出口側へ移動する流体の運動エネルギー。
正常状態:E03 >閉塞状態:E13 ≒ 0 ・・・・・ (式3)
(流体が遠心ポンプ内を通過しないため。)
(4):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束される領域の流体の、羽根車の回転方向の運動エネルギー。
正常状態:E04 ≒ 閉塞状態:E14 ・・・・・・・・ (式4)
(拘束する流体の容積は一定であるため。)

0061

(5):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束される領域の流体の、羽根車の回転により生じる遠心力による移動方向の流体の運動エネルギー。
正常状態:E05 >閉塞状態:E15 ・・・・・・・・ (式5)
(流体が遠心ポンプ内を通過しないため。)
(6):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束される領域と、拘束されない領域の境界付近で生じる、拘束された領域の流体と、拘束されない領域の流体との摩擦エネルギー。
正常状態:E06 < 閉塞状態:E16 ・・・・・・・・ (式6)
(遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束されない領域の流体の対流速度よりも、羽根車の回転速度が速く、大きな速度差が生じるため。)

0062

(7):遠心ポンプのモータ軸と軸受封止部の摩擦エネルギー、及び遠心ポンプの羽根車等の回転する構成部材の回転速度を維持するための回転エネルギー。
正常状態:E07 =閉塞状態:E17 ・・・・・・・・ (式7)
(正常状態及び閉塞状態のいずれであっても、モータ軸と軸受封止部の摩擦エネルギーや、遠心ポンプの羽根車等の回転する構成部材の質量は変化しないため。)

0063

そして、一般的に、遠心ポンプのポンプケーシング内の流体の容積よりも、ポンプ外循環路内の流体の容積が多く、且つ、正常状態時のポンプ外循環路内で生じる流動抵抗の方が、閉塞状態時の遠心ポンプで生じる摩擦エネルギーや流動抵抗よりも大きい。
このため、遠心ポンプでは、羽根車を回転駆動する駆動モータに一定の電圧等を印加したときに、遠心ポンプによる流体の流量が増えるほどポンプ回転速度が遅くなり、遠心ポンプによる流体の流量が少なくなるほどポンプ回転速度が速くなるものと考えられる。
すなわち、羽根車を回転駆動する駆動モータに一定の電圧等を印加したときに、ポンプ外流路内における液体(流体)の流量はポンプ回転速度に影響を与えるとともに、この液体の流量と液体循環システムの動作状態の1つである循環路の閉塞状態とは相関を有する。

0064

そして、発明者は、上記したポンプ外流路が閉塞状態時には、通常状態時よりもポンプ回転速度が速くなるという特性を利用して、循環路(ポンプ外流路)が閉塞状態(循環路閉塞状態)にあることを判定する液体循環システムの動作状態判定方法を見出した。
すなわち、羽根車を回転駆動する駆動モータに一定の電圧等を印加したときに、ポンプ回転速度に影響を与えるポンプ外流路内における液体の流量と相関を有する液体循環システムの循環路の閉塞状態を判定する液体循環システムの動作状態判定方法を見出した。
また、詳しくは後述するが、羽根車を回転駆動する駆動モータに一定の電圧等を印加したときに、ポンプ回転速度に影響を与えるポンプ外流路内における液体の流量と相関を有する液体循環システムの他の動作状態を判定する動作状態判定方法も見出した。
次に、本実施形態の液体循環システム110の動作状態判定方法について、複数の実施例と、変形例を挙げて詳細に説明する。

0065

(実施例1)
本実施形態の冷却装置100に用いた液体循環システム110の動作状態判定方法の実施例1について、図を用いて説明する。
図7は、本実施例に係る、循環路111(ポンプ外流路112)の閉塞状態を判定する原理の説明図、図8は、本実施例1に係る、遠心ポンプ132の製造時における流量−回転速度の特性のばらつきの説明図である。図9は、本実施例に係る、遠心ポンプ132の製造時における流量−回転速度の特性のばらつきを考慮して、狙いの流量を決定する際に留意する点の説明図である。図10は、本実施例に係る、遠心ポンプ132の製造時における流量−回転速度の特性のばらつきを考慮して、決定した狙いの流量に基づいて、正常状態時の正常範囲を規定する場合の説明図である。

0066

図7に示すように、遠心ポンプ132の羽根車141の回転速度が検出可能である場合、狙い通りの流量:Q0が得られている状態と、循環路閉塞が生じている状態とでは、検出される羽根車141の回転速度であるポンプ回転速度:Vが異なる。
具体的には、次の式8に示す関係のように、閉塞状態時のポンプ回転速度:V1が、狙いの流量時のポンプ回転速度:V0よりも速く(高く)なる。
V1 > V0 ・・・・・・・・ (式8)
このV1とV0の差異を検出することにより、循環路111が閉塞状態にあることを判定可能となる。

0067

そして、液体循環システムの動作状態判定方法としては、遠心ポンプ132の生産時のばらつきを考える必要がある。これは、ポンプケーシング140と羽根車141のクリアランスのばらつきや、羽根車141に固定されたポンプ軸143と軸受封止部144の軸受けとの嵌め合い、振れ等により、遠心ポンプ132のポンプ回転速度:Vがばらつくためである。
したがって、循環路111の閉塞状態を確実に判定するためには、次のように閾値を規定する必要がある。図8に示すように、閾値として生産によりばらつく閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1Lを規定して、ポンプ回転速度が遅い(低い)特性の遠心ポンプにおいても対応できるようにする。

0068

ここで、本実施例では、遠心ポンプ132の製造時の製造ばらつきの範囲を規定する方法として、統計学等で用いられている3σ法を用いて、閉塞状態時のポンプ回転速度の範囲(以下、閉塞範囲という)の下限閾値:V1Lと、上限閾値:V1Hを規定している。
そして、詳しくは後述するが、遠心ポンプ132の閉塞範囲として、遠心ポンプ132をポンプ外流路112に取り付けた実験結果から得られた閉塞状態時のホンプ回転速度の下限閾値:V1L以上、上限閾値:V1H以下の範囲を規定した。
このように遠心ポンプ132の製造ばらつきを考慮して、閉塞範囲を遠心ポンプ132の製造ばらつきを考慮しない方法よりも適切に規定することができる。したがって、循環システム制御部113は、液体循環システム110の動作状態が、閉塞状態にあるかを適切に判定することができる。
なお、3σ法は、複数のデータから得た平均値と、標準偏差の3倍の値:3σとで規定する範囲に、実験結果等から得られた複数のデータの内、99.73[%]の値が入るとの統計学上の通説があり、広い分野で製品性能のばらつき等の管理に用いられている。

0069

また、誤検知を回避するためには、遠心ポンプ132の駆動により、液体循環システム110の循環路111内を流れる液体の流量を一定以上に設定することで可能となる。この流量は液体循環システム110のポンプ外流路112内に有した各構成要素(構成部材)による液流動抵抗により決まる。具体的には、ポンプ外流路112を構成する管路部材であるゴムチューブ134等の内径や、ジョイント対135等の管の継ぎ目縮小部、ラジエータ131の内部流路、及び冷却部材120の流路部122等の形状による液流動抵抗によって決まる。

0070

例えば、図9に示すように狙いの流量として非閉塞状態時の流量を、Bよりも少ないAに設定した場合(A < B)、次の理由により非閉塞状態であっても、閉塞状態と誤検知される場合がある。
狙いの流量として非閉塞状態の流量をAと設定した場合、流量:Aにおけるポンプ回転速度の(ばらつきの)上限閾値:VAHが、閉塞状態時のポンプ回転速度の(ばらつきの)下限閾値:V1Lを超えてしまう。このため、非閉塞状態時であっても閉塞状態であると誤検知される可能性がある。
一方、狙いの流量として非閉塞状態時の流量をBと設定した場合、流量:Bにおけるポンプ回転速度の上限閾値:VBHが、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1Lを超えないため、誤検知は発生しない。

0071

したがって、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1Lと、狙いの流量時のポンプ回転速度の上限閾値:V0Hとの関係が図10に示すようになるように、次の式9に示す関係を満たすように設定する必要がある。
したがって、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1Lと、狙いの流量時のポンプ回転速度の上限閾値:V0Hとの関係を、次の式9に示すような関係に設定する必要がある。
V1L > V0H ・・・・・・・・ (式9)

0072

そして、本実施例の動作状態判定方法では、液体循環システム110の動作状態が正常に稼動している正常状態(正常稼動状態)を、次のようにして判定することとした。
ここで、正常状態時のポンプ回転速度のばらつきを規定する方法として、遠心ポンプ132の製造ばらつきも考慮して、閉塞状態時のばらつきと同様に3σ法を用いて正常状態時のポンプ回転速度の範囲(以下、正常範囲という)を規定することとした。
そして、詳しくは後述するが、遠心ポンプ132の正常範囲として、遠心ポンプ132をポンプ外流路112に取り付けた実験結果から得られた狙いの流量時のポンプ回転速度の下限閾値:V0L以上、上限閾値:V0H以下の範囲を規定した。

0073

そして、DCモータ147に一定の電圧を印加して遠心ポンプ132を駆動しているときの、ロータリーエンコーダ151の検出速度(検出値)、つまりポンプ回転速度:Vに基づいて、液体循環システム110の動作状態を次のように判定する。
閉塞状態時のポンプ回転速度の上限閾値:V1H以下、下限閾値:V1Lの範囲内(以下、閉塞範囲という)にある場合には、ポンプ外流路112内を冷却液が流れていない。このため、ポンプ回転速度:Vが、閉塞範囲にある場合には、液体循環システム110の動作状態が閉塞状態(循環路閉塞状態)にあると判定する。

0074

上記のように、閉塞状態でのポンプ回転速度の範囲を、予め上記したような閉塞範囲として予め規定し、ポンプ回転速度:Vが閉塞範囲内である場合に、液体循環システム110の動作状態が閉塞状態にあると判定することで、次のような効果を奏することができる。
ポンプ回転速度:Vが、予め規定した閉塞範囲内にあることにより、液体循環システム110の動作状態が、循環路111が閉塞した閉塞状態にあることを判定できる。
したがって、液体循環システム110の動作状態が閉塞状態にあるままで、液体循環システム110、冷却装置100、及びプリンタ300の稼動が継続されることによる上記した不具合の発生を抑制できる。

0075

また、狙いの流量時のポンプ回転速度の下限閾値:V0L以上、上限閾値:V0H以下の範囲内(以下、正常範囲という)にある場合には、ポンプ外流路112及び循環路111内を狙いの流量の冷却液が流れている可能性が高い。このため、ポンプ回転速度:Vが、正常範囲にある場合には、循環システム制御部113は、液体循環システム110の動作状態が正常な正常状態(正常稼動状態)にあると判定する。
ここで、正常状態時のポンプ回転速度が正常範囲内で異なる値を取り得るのは、遠心ポンプ132の製造ばらつきにより、遠心ポンプ132の液送能力の特性とポンプ外流路112の各構成部材の流動抵抗により決定されるポンプ回転速度が変化するためである。

0076

上記のように、正常状態でのポンプ回転速度の範囲を、予め上記したような正常範囲として予め規定し、ポンプ回転速度:Vが正常範囲内である場合に、液体循環システム110の動作状態が正常状態にあると判定することで、次のような効果を奏することができる。
液体循環システム110の動作状態が正常状態(正常稼動状態)にあることを判定できる。
また、液体循環システム110を用いる冷却装置100や、プリンタ300の機能が低下、又は機能しない不具合が発生している場合、液体循環システム110の不具合なのか、外的な要因による不具合なのかの切り分けも可能となる。
ここで、上記した外的な要因としては、例えば、周辺環境温度の変化や、ラジエータ131や送風ファン136等を通過する空気の流路上でのゴミ詰りや、送風ファン136の故障や、定着装置15の故障や用紙Pを加熱する際の温度設定の間違い等が挙げられる。

0077

また、上記のように、ポンプ回転速度:Vに基づいて、ポンプ外流路112における冷却液の流量が、流路が閉塞して生じなくなる閉塞状態、又は正常である正常状態のいずれの状態にあるかを判定することで、次のような効果を奏することができる。
閉塞状態、又は正常状態の、いずれの状態を判定するセンサとしても、遠心ポンプやそのDCモータ147の異常を検知するロータリーエンコーダ151を用いることができる。したがって、閉塞状態、又は正常状態の、いずれの状態を判定するセンサとしても、専用のものを設ける必要がなく、液体循環システム110の高コスト化を抑制できる。また、閉塞状態、又は正常状態の、いずれの状態であるかを判定する液体循環システム110の動作状態判定方法を、液体循環システム110の高コスト化を招くことなく提供できる。

0078

また、液体循環システム110の動作状態が閉塞状態にある、つまり液体循環システム110の動作状態が異常な異常稼動状態と判定した場合には、遠心ポンプ132の駆動を停止するように、液体循環システム110を構成することが望ましい。このように構成することで、液体循環システム110の動作状態が、正常でない閉塞状態、つまり異常稼動状態を判定して、遠心ポンプの駆動を停止させることができる。
したがって、液体循環システム110の動作状態が異常稼動状態にあるままで、液体循環システム110、冷却装置100、及びプリンタ300の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0079

なお、本実施例の液体循環システム110(冷却装置100)では、冷却装置100の冷却制御部102内に有した循環システム制御部113で、上記した液体循環システム110の動作状態判定方法を実行する。
また、液体循環システム110の動作状態が異常な状態で稼動している異常稼動状態にあることを判定して、利用者に通知したり、遠心ポンプ132の駆動を停止させたりすることも可能である。

0080

具体的には、異常稼動状態と判定した場合には、循環システム制御部113で、DCモータ147に電圧を印加せず、遠心ポンプ132の駆動を停止するように制御する。また、同時に、冷却装置100の冷却制御部102、及びプリンタ300の本体制御部202にDCモータ147を停止させる旨の信号を送り、必要に応じて冷却装置100、及びプリンタ300を稼動を制限するとともに、利用者に異常稼動状態の内容を通知する。
上記のように液体循環システムの動作状態が、正常でない閉塞状態、及び異常稼動状態を判定して、遠心ポンプ132の駆動を停止させることができる。
したがって、液体循環システム110の動作状態が異常稼動状態にあるままで、液体循環システム110、冷却装置100、及びプリンタ300の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0081

次に、液体循環システム110の動作状態判定方法で、閉塞状態時のポンプ回転速度の範囲として用いる、閉塞状態時のポンプ回転速度の範囲である下限閾値:V1Lと上限閾値:V1Hの規定方法の一例を説明する。また、正常状態時のポンプ回転速度の範囲として用いる、狙いの流量時のポンプ回転速度の下限閾値:V0L、上限閾値:V0Hの規定方法の一例を説明する。

0082

(計測)
まず、製作ロッドから無作為所定数の遠心ポンプ132を選択して、各遠心ポンプ132毎に、遠心ポンプ132を液体循環システム110に搭載して、次の計測を行う。
なお、遠心ポンプ132のDCモータ147に印加する電圧を調整可能な電源を用いるとともに、電圧計を設けてDCモータ147に印加する電圧を計測する。また、遠心ポンプ132の吐出口146近傍には流量を計測する電磁流量計を設け、DCモータ147に印加する電圧毎に、流量を計測する。また、遠心ポンプ132に有したロータリーエンコーダ151により、DCモータ147に印加する電圧毎に、羽根車141の回転速度を計測(検出)する。

0083

(データテーブルの作成)
遠心ポンプ132の識別番号、閉塞状態時のポンプ回転速度、閉塞解除時のポンプ回転速度、閉塞解除時の流量、及び電圧をフィールドとしたデータテーブルを作成する。
(データテーブルへのデータの格納)
各遠心ポンプ132の識別番号と、計測して得たデータ(計測値)であるDCモータ147に印加した電圧毎の閉塞状態時のポンプ回転速度、閉塞解除時のポンプ回転速度、閉塞解除時の流量、及び電圧をフィールドに格納してレコードを作成する。
そして、以下のように各データを抽出して各閾値を求め、各閾値を決定する。

0084

暫定の狙いの流量の決定)
各遠心ポンプ132(識別番号)毎に、ある仮の狙いの流量:Q0’に最も近い閉塞解除時の流量を格納しているレコードの、遠心ポンプ132の閉塞状態時のポンプ回転速度、閉塞解除時のポンプ回転速度、及び電圧を抽出する。
抽出した各遠心ポンプ132毎の閉塞状態時のポンプ回転速度と、閉塞解除時のポンプ回転速度から3σ法の値を用いて、仮の閉塞状態時の上限閾値:V1H’と下限閾値:V1L’、及び仮の閉塞解除時の上限閾値:V0H’と下限閾値:V0L’を求める。
そして、求めた仮の閉塞状態時の下限閾値:V1L’と閉塞解除時の上限閾値:V0H’との関係が、上記した式9の関係を満たせば、上記仮の狙いの流量:Q0’を暫定の狙いの流量:Q0’’として決定する。
もし、式9の関係を満たさなければ、仮の狙いの流量:Q0’を所定量だけ多い値に変更して式9の関係を満たすまで繰り返す。

0085

(狙いの流量の決定)
各遠心ポンプ132毎に、暫定の狙いの流量:Q0’’に最も近い閉塞解除時の流量を格納しているレコードの電圧を参照する。次に、参照した電圧の±5[%]の2つの電圧に最も近い、閉塞解除時の上限電圧(+5[%])、及び下限電圧(−5[%])に対応するレコードを各遠心ポンプ132毎に抽出する。
そして、抽出したレコードの閉塞解除時の流量を、全て(所定数の2倍)合計して平均した平均値を、狙いの流量:Q0として決定する。
なお、参照した電圧の±5[%]の2つの電圧を用いるのは、環境温度等の変化によりDCモータ147に印加する電圧が変動したり、印加する電圧を設定する際の誤差が生じたりした場合に許容できる範囲、つまり許容範囲を±5[%]の範囲とするためである。また、上記した暫定の狙いの流量:Q0’’に最も近い閉塞解除時の流量を格納しているレコードの電圧を、個々の遠心ポンプ132に有した駆動源であるDCモータ147に印加する狙いの電圧とする。

0086

(閉塞範囲の閾値の規定)
各遠心ポンプ132毎に、狙いの流量:Q0を決定するときに用いた閉塞解除時の上限電圧と下限電圧にそれぞれ最も近い閉塞状態時の電圧を格納している2つのレコードを参照し、2つの閉塞状態時のポンプ回転速度を抽出する。
そして、各遠心ポンプ132毎に抽出した全て(所定数の2倍の数)の閉塞状態時のポンプ回転速度から、3σ法の値(平均値±3σ)を用いて、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値;V1L、及び上限閾値;V1Hを規定する。

0087

(正常範囲の閾値の規定)
各遠心ポンプ132毎に、狙いの流量:Q0を決定するときに用いた閉塞解除時の上限電圧と下限電圧にそれぞれ最も近い閉塞解除時の流量を格納している2つのレコードを参照し、2つの閉塞解除時のポンプ回転速度を抽出する。
そして、各遠心ポンプ132毎に抽出した全ての閉塞解除時のポンプ回転速度から、3σ法の値を用いて、正常範囲の下限閾値、及び下限閾値として用いる狙いの流量時のポンプ回転速度の下限閾値;V0L、及び上限閾値;V0Hを規定する。

0088

上記のように3σ法の値(平均値±3σ)を用いて、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値;V1Lと上限閾値;V1H、及び正常状態時のポンプ回転速度の下限閾値;V0L、及び上限閾値;V0Hを規定することで、次のような効果を奏することができる。
遠心ポンプ132の製造ばらつきを考慮して、閉塞状態、又は正常範囲を遠心ポンプ132の製造ばらつきを考慮しない方法よりも適切に規定することができる。したがって、液体循環システム110の動作状態が、閉塞状態、又は正常状態にあるかを適切に判定することができる。

0089

(実施例2)
本実施形態の冷却装置100に用いた液体循環システム110の動作状態判定方法の実施例2について、図を用いて説明する。
図11は、本実施例に係る、循環路111の閉塞状態を判定するのと同じ閾値を用いて、空転状態を判定する方法の説明図である。図12は、本実施例に係る、循環路111の閉塞状態と空転状態とを、それぞれの閾値を用いて判定する場合の説明図である。

0090

本実施例の液体循環システム110の動作状態判定方法と、上記した実施例1の動作状態判定方法とでは、本実施例の動作状態判定方法が閉塞状態、及び正常状態に加え、次の液体循環システム110の動作状態も判定できることに係る点のみ異なる。液体循環システム110の動作状態がポンプ外流路112を構成する構成部材からの冷却液の漏水や透過・揮発の液漏れにより、ポンプ外流路112内の冷却液の流量が減少して遠心ポンプ132が空転する液漏れ空転状態(以下、空転状態という)である。
したがって、上記した実施例1で説明した用語や、各用語に付した符号等については、特に区別する必要がない限り、同一の用語や符号を用いて説明する。また、実施例1で説明した各閾値の規定方法、液体循環システム110の動作状態の判定方法、及びその作用や効果についても、同様なものは、適宜、省略して説明する。なお、正常状態の判定方法に係る事項は上記した実施例と同様なので、特に説明する必要がない限り、省略して説明する。

0091

ここで、上記した本実施形態で説明したように、遠心ポンプ132のポンプ回転速度は、液送する冷却液の流量が増えるほど遅くなり(低下し)、流量が少なくなるほど速く(高く)なるという特性を有している。
このため、ポンプ外流路112のゴムチューブ134等からの冷却液の漏水や透過・揮発の液漏れにより、ポンプ外流路112内の冷却液の流量が減少して液体循環システム110の動作状態が空転状態となると冷却液を液送できなくなる。そして、遠心ポンプ132のポンプ回転速度は正常状態時のポンプ回転速度よりも速くなる。
本実施例では、上記遠心ポンプ132の特性を利用して、液体循環システム110の動作状態が空転状態にあることを判定することにした。

0092

液体循環システム110の動作状態が空転状態のまま、液体循環システム110及び冷却装置100の稼動を継続すると、液体循環システム110が正常に機能しなくなり、液体循環システム110及び冷却装置100が所望の機能を果たせなくなる。
また、空転状態のまま、液体循環システム110の稼動を継続すると、液体循環システム110、冷却装置100、及びプリンタ300が故障するおそれもある。
冷却装置100及びプリンタ300の故障としては、主に漏水により濡れた構成部材等の故障が挙げられる。

0093

また、液体循環システム110の故障としては、ポンプ外流路112のゴムチューブ134等の構成部材が冷却液を流せない程に破損箇所等が拡大することが挙げられる。また、遠心ポンプ132のDCモータ147の温度が異常に上昇したり、ポンプ回転速度が上昇したりして、遠心ポンプ132のDCモータ147、継ぎ手152、ポンプ軸143、及び軸受封止部144等が破損するおそれもある。
また、液体循環システム110の上記した各構成部材の寿命が短くなり、液体循環システム110が正常に機能しなくなるおそれがさらに高まってしまう。
これらのため、液体循環システムの循環路からの液漏れを判定(検知)する構成を備えたものが従来から知られている。

0094

例えば、特許文献3には、画像形成装置に備えた液冷方式の冷却装置に用いた液体循環システムからの液漏れを判定する、次のような方法(構成)が記載されている。
液体循環システムの循環路内の冷却液の減少量を検知する手段として、冷却液を貯留するリザーバータンクの内部に水位センサを設けている。また、液漏れが想定される複数の箇所からの液漏れの総液量を検知する手段として、液漏れが想定される箇所毎に設けた漏洩液受け皿に漏れた冷却液の漏れ量を、それぞれ検知する複数の漏洩液量検知手段を設け、各漏洩液量検知手段の検知結果を合計している。
そして、冷却液の減少量と、冷却液の液漏れの総液量とに基づいて、液漏れが重大な不具合を引き起こすものか否かを判定して、画像形成装置を稼動する正常運転モード、電源を切る緊急停止モード、及び異常状態で稼動する異常運転モードを切り替える。

0095

しかし、特許文献3に記載された液漏れを判定する方法では、漏洩液量検知手段としての専用のセンサを複数の液漏れが想定される箇所毎に、専用の水位センサをリザーバータンクの内部に設ける必要がある。
このように、液体循環システムの動作状態判定方法に用いるセンサとして、専用のセンサを設けると、液体循環システム及び液体循環システムを用いる装置の高コスト化を招くおそれがある。

0096

そこで、本実施例の液体循環システム110の動作状態判定方法では、上記した遠心ポンプ132の特性を利用して、液体循環システム110の動作状態が空転状態にあることを判定することとした。

0097

また、溶融高分子等の流体よりも粘度が小さい液体を循環させる、一般的な遠心ポンプを用いた液体循環システムでは、図11に示すように、閉塞状態時(V1)よりも空転状態時(V2)の方がポンプ回転速度が速くなるものと考えられる。
これは、上記した本実施形態で説明した、遠心ポンプが上記特性を有する理由の内、少なくとも、次ぎのエネルギーに変換される駆動源の回転エネルギーが変換されなくなり、羽根車の回転速度が速くなるものと考えられるためである。なお、正常状態時、閉塞状態時、及び空転状態時の大小関係は次のような式10〜12に示すような関係になるものと考えられる。

0098

(4):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束される領域の流体の、羽根車の回転方向の運動エネルギー。
正常状態:E04 ≒閉塞状態:E14 >空転状態:E24 ・・ (式10)
(5):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束される領域の流体の、羽根車の回転により生じる遠心力による移動方向の流体の運動エネルギー。
正常状態:E05 > 閉塞状態:E15 > 空転状態:E24 ・・ (式11)

0099

(6):遠心ポンプ内の、羽根車の回転に拘束される領域と、拘束されない領域の境界付近で生じる、拘束された領域の流体と、拘束されない領域の流体との摩擦エネルギー。
空転状態:E24 <正常状態:E06 <閉塞状態:E16 ・・ (式12)
すなわち、遠心ポンプ内に収容される流体が、遠心ポンプの羽根車を回転させる場合の回転抵抗となる冷却液等の流体よりも、回転抵抗が小さく(低く)なる空気に置き換わることによりポンプ回転速度が速くなるためと考えられる。

0100

まず、実施例1で説明した、遠心ポンプの製造ばらつきを考慮していない閉塞状態時のポンプ回転速度:V1と同じ閾値を用いて、液体循環システム110の動作状態が空転状態にあることを判定する動作状態判定方法の例について説明する。
ポンプ外流路112を構成するゴムチューブ134等に孔が開いて冷却液の漏水が生じたり、フレキシブルに変形可能なゴムチューブ134自体から冷却液が透過・揮発したりする液漏れが発生すると、ポンプ外流路112(循環路111)内の冷却液が減少する。減少した冷却液は、ポンプ外流路112内で空気と置き換わることにより、図2を用いて説明したリザーバータンク133内の冷却液の水位が低下し始める。そして、上記のような液漏れが継続すると、リザーバータンク133内の水位の低下が進み、リザーバータンク133の排水口上端位置まで水位が低下して、遠心ポンプ132の中に空気が噛みこむようになる。

0101

一方、遠心ポンプは、その原理上、空気を噛むと液体(流体)を液送(搬送)できなくなるため、図11に示すように、ポンプ回転速度:V1よりも速い、図中、上方の菱形の点で示す空転状態時のホンプ回転速度:V2を示す。
したがって、閉塞状態の検出のため設定した閉塞状態時のポンプ回転速度:V1を用いて、検出したポンプ回転速度:Vに基づいて、液体循環システム110の動作状態が異常である閉塞状態又は空転状態にあることの判定が可能である。
すなわち、遠心ポンプ132を有した液体循環システム110の動作状態判定方法であって、専用のセンサを設けることなく、閉塞状態又は液漏れ空転状態の、いずれの状態にあるを判定できる液体循環システム110の動作状態判定方法を提供できる。

0102

また、閉塞状態又は液漏れ空転状態の、いずれの状態にあるかを判定するセンサとして、遠心ポンプ132やDCモータ147の異常を検知するロータリーエンコーダ151を用いることができる。
したがって、閉塞状態、液漏れ空転状態の、いずれの状態にあるかを判定できる液体循環システム110の動作状態判定方法を、液体循環システム110の高コスト化を招くことなく提供できる。

0103

なお、液体循環システムの遠心ポンプ132で搬送(液送)するものが冷却液である。このため、フレキシブルに変形可能なゴムチューブ134の構成や、冷却液を構成する溶液に含まれる成分によっては、ゴムチューブ134を透過・揮発するものが、溶液中に含まれる水分のみとなる場合も考えられる。このように水分のみがゴムチューブ134から透過・揮発すると、溶液中の成分濃度が高くなって粘性が高まる。
そして、冷却液の粘性が高まると、液漏れ空転状態となるよりも先に、冷却液の粘性上昇によるポンプ回転速度の低下が生じ、狙いの流量時のポンプ回転速度:V0よりも遅くなることも考えられる。
しかし、遠心ポンプ132が液漏れ空転状態となったときには、上記したように閉塞状態時のポンプ回転速度:V1よりも速い空転状態時のホンプ回転速度:V2となる。

0104

次に、遠心ポンプ132の製造ばらつきを考慮して、閉塞状態と空転状態とをそれぞれ別の閾値を用いて、液体循環システム110の動作状態を判定する動作状態判定方法の例について説明する。
なお、この例は、図12に示すように、3σ法を用いて、規定した閉塞状態時のポンプ回転速度の上限閾値:V1Hよりも、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V2Lが速い場合に、閉塞状態と空転状態とを区別して判定することができる。
すなわち、閉塞状態と空転状態とを区別して判定するには、閉塞状態時のポンプ回転速度の上限閾値:V1Hと、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V2Lとの関係が、次の式13に示す関係を満たす必要がある。
V2L > V1H ・・・・・・・・ (式13)
また、この例に示す動作状態判定方法を用いて、閉塞状態とは関わり無く、液体循環システム110の動作状態が空転状態にあることを判定することもできる。

0105

まず、上記した実施例1と同様な方法で、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1Lと上限閾値:V1Hを規定する。また、詳しくは後述する方法で、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V2Lと上限閾値:V2Hを規定する。
また、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L以上、上限閾値:V1H以下の範囲を閉塞状態時のポンプ回転速度の範囲である閉塞範囲と予め規定する。また、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V2L以上、上限閾値:V2H以下の範囲を空転状態時のポンプ回転速度の範囲である空転範囲と予め規定する。
そして、液体循環システム110を動作(稼動)させているときに、ロータリーエンコーダ151で検出したポンプ回転速度:Vが、閉塞範囲にある場合には、液体循環システム110の動作状態が閉塞状態(循環路閉塞状態)にあると判定する。

0106

一方、ロータリーエンコーダ151で検出したポンプ回転速度:Vが、空転範囲にある場合には、液体循環システム110の動作状態が空転状態(液漏れ空転状態)にあると判定する。
このように本実施例の液体循環システム110の動作状態判定方法では、ロータリーエンコーダ151で検出したポンプ回転速度:Vが、予め規定した空転範囲内にあることにより、液体循環システムの動作状態が液漏れ空転状態にあることを判定できる。
したがって、循環路111を構成する中空部を有したゴムチューブ134などの構成部材から液漏れ空転状態となる程の、冷却水などの液体の漏水や透過・揮発による液漏れが発生していることを判定できる。
そして、液体循環システム110の動作状態が空転状態にあるままで、液体循環システム110、冷却装置100、及びプリンタ300の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0107

また、ロータリーエンコーダ151で検出したポンプ回転速度:Vに基づいて、液体循環システム110の動作状態が閉塞状態、又は空転状態のいずれの状態にあるか区別して判定することができる。
そして、液体循環システム110の動作状態が異常な状態で稼動している異常稼動状態にあることを判定して、利用者に通知したり、遠心ポンプ132の駆動を停止させたりすることも可能である。

0108

具体的には、異常稼動状態と判定した場合には、循環システム制御部113で、DCモータ147に電圧を印加せず、遠心ポンプ132の駆動を停止するように制御する。また、同時に、冷却装置100の冷却制御部102、及びプリンタ300の本体制御部202にDCモータ147を停止させる旨の信号を送り、必要に応じて冷却装置100、及びプリンタ300を稼動を制限するとともに、利用者に異常稼動状態の内容を通知する。
上記のように液体循環システムの動作状態が、正常でない閉塞状態、空転状態、及び異常稼動状態を判定して、遠心ポンプ132の駆動を停止させることができる。
したがって、液体循環システム110の動作状態が異常稼動状態にあるままで、液体循環システム110、冷却装置100、及びプリンタ300の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0109

ここで、本実施例の動作状態判定方法に用いる3σ法の値に応じた閉塞状態時の下限閾値:V1Lと上限閾値:V1H、空転状態時の下限閾値:V2Lと上限閾値:V2H等の規定方法の一例を簡単に説明する。
(計測)
実施例1の、閉塞状態時の下限閾値:V1Lや上限閾値:V1Hと略同様な方法で、DCモータ147に印加した電圧毎の閉塞状態時のポンプ回転速度、閉塞解除時のポンプ回転速度、閉塞解除時の流量、電圧に加え空転状態時のポンプ回転速度を計測する。

0110

(データテーブルの作成)
遠心ポンプ132の識別番号、閉塞状態時のポンプ回転速度、閉塞解除時のポンプ回転速度、空転状態時のポンプ回転速度、閉塞解除時の流量、及び電圧をフィールドとしたデータテーブルを作成する。
(データテーブルへのデータの格納)
各遠心ポンプ132の識別番号と、計測して得たDCモータ147に印加した電圧毎の閉塞状態時のポンプ回転速度、閉塞解除時のポンプ回転速度、空転状態時のポンプ回転速度、閉塞解除時の流量、及び電圧をフィールドに格納してレコードを作成する。
そして、以下のように各データを抽出して各閾値を求め、各閾値を決定する。

0111

(暫定の狙いの流量の決定)
実施例1で説明したものと同様な方法で、暫定の狙いの流量:Q0’’を決定する。
(狙いの流量の決定)
実施例1で説明したものと同様な方法で、狙いの流量:Q0を決定する。
(閉塞範囲の閾値の規定)
実施例1で説明したものと同様な方法で、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値;V1L、及び上限閾値;V1Hを規定する。

0112

(空転状態時の閾値の規定)
各遠心ポンプ132毎に、狙いの流量:Q0を決定するときに用いた閉塞解除時の上限電圧と下限電圧にそれぞれ最も近い正常状態時の流量を格納している2つのレコードを参照し、2つの空転状態時のポンプ回転速度を抽出する。
その後、各遠心ポンプ132毎に抽出した全ての空転状態時のポンプ回転速度から、3σ法の値(平均値±3σ)を用いて、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値;V2L、及び上限閾値;V2Hを規定する。

0113

上記のように3σ法の値(平均値±3σ)に応じて閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値;V1Lと上限閾値;V1H、及び空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値;V2L、及び上限閾値;V2Hを規定することで、次のような効果を奏することができる。
遠心ポンプ132の製造ばらつきを考慮して、閉塞状態、又は空転範囲を遠心ポンプ132の製造ばらつきを考慮しない方法よりも適切に規定することができる。したがって、液体循環システム110の動作状態が、閉塞状態、(正常状態、)又は空転状態にあるかを適切に判定することができる。

0114

(実施例3)
本実施形態の冷却装置100に用いた液体循環システム110の動作状態判定方法の実施例3について、図を用いて説明する。
図13は、本実施例に係る、液体循環システム110の動作状態判定方法の説明図である。

0115

本実施例の液体循環システム110の動作状態判定方法と、上記した実施例1、2の動作状態判定方法とでは、本実施例が、閉塞状態、空転状態、及び正常状態の内のいずれの動作状態に液体循環システム110の動作状態があるかを判定すること係る点のみ異なる。
したがって、上記した実施例1、2で説明した用語や、各用語に付した符号等については、特に区別する必要がない限り、同一の用語や符号を用いて説明する。また、実施例1、2で説明した各閾値の規定方法、液体循環システム110の動作状態の判定方法、及びその作用や効果についても、同様なものは、適宜、省略して説明する。

0116

上記した実施例1、2では、閉塞状態、空転状態、及び正常状態を、それぞれ3σ法を用いて規定した閉塞範囲、空転範囲、及び正常範囲内に検出したポンプ回転速度:Vがあるか否かで、液体循環システム110の動作状態を判定していた。
つまり、閉塞範囲、空転範囲、及び正常範囲の一部が重複したり、各範囲が離れていたりした場合の液体循環システム110の動作状態判定方法に関しては規定していなかった。
本実施例の液体循環システム110の動作状態判定方法では、3σ法を用いて導いた閉塞範囲、空転範囲、及び正常範囲の各範囲が離れていた場合に、液体循環システム110の動作状態を判定する際の具体的な複数の方法を規定している。
以下、図13を用いて、本実施例の液体循環システム110の動作状態判定方法で規定している複数の方法を説明する。

0117

図13に示すように、遠心ポンプ132の製造ばらつきを考慮した場合の閉塞状態、空転状態、及び正常状態の各状態の範囲が、正常範囲、閉塞範囲、空転範囲の順で、速いポンプ回転速度の離れた範囲となっているものとする。
すると、正常状態時のポンプ回転速度:V0Hと閉塞状態時のポンプ回転速度:V1Lの間、及び閉塞状態時のポンプ回転速度:V1Hと空転状態時のポンプ回転速度:V2Lの間のポンプ回転速度の範囲は、いづれの状態とも判定できない。
そこで、本実施例では、次のようにして、羽根車141を回転駆動するDCモータ147に一定の電圧を印加したときに、ポンプ回転速度に影響を与えるポンプ外流路内における冷却液の流量と相関を有する液体循環システム110の動作状態を判定することとした。
具体的には、次の3つの範囲区分方法のいずれかを用いて、DCモータ147に一定の電圧を印加したときに、ポンプ回転速度に影響を与えるポンプ外流路内における冷却液の流量と相関を有する液体循環システム110の動作状態を判定することとした。
なお、以下の3つの範囲区分方法で用いる各閾値は、いずれも3σ法を用いて規定したものである。

0118

1つ目の範囲区分方法は、図13のグラフの枠外に引き出したA1で示すように、次のような範囲区分とした。
正常範囲を、狙いの流量時のポンプ回転速度の下限閾値:V0L以上、上限閾値:V0H以下の範囲とした。
閉塞範囲を、狙いの流量時のポンプ回転速度の上限閾値:V0Hを超え、3σ法を用いた閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L以下の範囲とした。
そして、空転範囲を、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1Lを超える範囲とした。
このA1で示した範囲区分方法は、液体循環システム110の動作状態を3つの範囲区分方法の内、最も遅いポンプ回転速度で閉塞状態を判定するので、早期に液体循環システム110の動作状態が異常であることを判定できる。

0119

2つ目の範囲区分方法は、図13のグラフの枠外に引き出したA2で示すように、次のような範囲区分とした。
正常範囲を、狙いの流量時のポンプ回転速度の下限閾値:V0L以上、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L未満の範囲とした。
閉塞範囲を、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L以上、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L未満の範囲とした。
そして、空転範囲を、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L以上の範囲とした。
このA2で示した範囲区分方法は、3つの範囲区分方法の内、最も早いポンプ回転速度で閉塞状態や空転状態を判定するため、自動停止させる構成でのダウンタイムを短くできる。

0120

3つ目の範囲区分方法では、図13のグラフの枠外に引き出したA3で示すように、次のような範囲区分とした。
正常範囲を、狙いの流量時のポンプ回転速度の下限閾値:V0L以上、狙いの流量時のポンプ回転速度の上限閾値:V0Hと閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1Lとの平均値未満の範囲とした。
閉塞範囲を、狙いの流量時のポンプ回転速度の上限閾値:V0Hと閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1Lとの平均値以上、閉塞状態時のポンプ回転速度の上限閾値:V0Hと空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1Lの平均値未満の範囲とした。
そして、空転範囲を、閉塞状態時のポンプ回転速度の上限閾値:V0Hと空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1Lの平均値以上の範囲とした。
このA2で示した範囲区分方法は、3つの範囲区分方法の内、中間的なポンプ回転速度で閉塞状態や空転状態を判定するため、液体循環システム110の動作状態の異常を判定するタイミングや、自動停止させる構成でのダウンタイムも中間的なものにできる。

0121

また、検出速度が、予め規定した閉塞範囲、又は空転範囲のいずれの範囲にもないことにより、液体循環システム110の動作状態が正常状態にあることを判定できる。
また、冷却装置100や、プリンタ300の機能が低下、又は機能しない不具合が発生している場合、液体循環システム110の不具合なのか、外的な要因による不具合なのかの切り分けも可能となる。
ここで、上記した外的な要因としては、例えば、周辺環境温度の変化や、ラジエータ131や送風ファン136等を通過する空気の流路上でのゴミ詰りや、送風ファン136の故障や、定着装置15の故障や用紙Pを加熱する際の温度設定の間違い等が挙げられる。

0122

また、閉塞状態、空転状態、又は正常状態の、いずれの状態にあるかを判定するセンサとして、遠心ポンプやそのDCモータ147などの駆動源の異常を検知するロータリーエンコーダ151などの回転速度検出手段を用いることができる。
したがって、閉塞状態、空転状態、又は正常状態の、いずれの状態にあるかを判定できる液体循環システム110の動作状態判定方法を、液体循環システム110の高コスト化を招くことなく提供できる。

0123

また、閉塞状態、又は空転状態のいずれかの状態であることにより、液体循環システム110の動作状態が異常な異常稼動状態にあることを判定できる。
したがって、液体循環システム110の動作状態が異常稼動状態にあるままで、液体循環システム110、冷却装置100、及びプリンタ300の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0124

そして、本実施例の液体循環システム110は、異常稼動状態と判定した場合には、循環システム制御部113で、DCモータ147に電圧を印加せず、遠心ポンプ132の駆動を停止するように制御する。また、同時に、冷却装置100の冷却制御部102、及びプリンタ300の本体制御部202にDCモータ147を停止させる旨の信号を送り、必要に応じて冷却装置100、及びプリンタ300を稼動を制限するとともに、利用者に異常稼動状態の内容を通知する。

0125

(変形例1)
本実施形態の冷却装置100に用いた液体循環システム110の動作状態判定方法の変形例について、図を用いて説明する。
図14は、本変形例に係る、液体循環システム110の動作状態判定方法の説明図である。

0126

本変形例の液体循環システム110の動作状態判定方法と、上記した実施例1乃至3の動作状態判定方法とでは、次のことに係る点のみことなる。実施例1乃至3では、駆動源である駆動モータに一定の電圧等を印加したときに、ポンプ回転速度に影響を与えるポンプ外流路内における液体の流量と相関を有する液体循環システムの動作状態が、閉塞状態、空転状態、及び正常状態のいずれにあるかを判定していた。これに対し、本実施例では、閉塞状態、空転状態、及び正常状態に加え、これらのいずれにも含まれない液体循環システムの動作不良状態や、遠心ポンプやその駆動源の故障も判定する点である。
したがって、上記した実施例1乃至3で説明した用語や、各用語に付した符号等については、特に区別する必要がない限り、同一の用語や符号を用いて説明する。また、実施例1乃至3で説明した各閾値の規定方法、液体循環システム110の動作状態の判定方法、及びその作用や効果についても、同様なものは、適宜、省略して説明する。

0127

上記した実施例1、2では、閉塞状態、空転状態、及び正常状態を、それぞれ3σ法を用いて規定した閉塞範囲、空転範囲、及び正常範囲内に検出したポンプ回転速度:Vがあるか否かで、液体循環システム110の動作状態を判定していた。
そして、実施例3では、閉塞状態、空転状態、及び正常状態の内のいずれの動作状態に液体循環システム110の動作状態があるかを判定できるように、正常範囲、閉塞範囲、及び空転範囲の各範囲を連続的に規定していた。

0128

一方、本変形例では、3σ法を用いた閉塞範囲、空転範囲、及び正常範囲の各範囲のいづれにも含まれない範囲を、複数の要因(状態)が混在して液体循環システム110の動作状態が不良になっている動作不良状態に区分した。そして、遠心ポンプ132及びDCモータ147の少なくともいずれかが故障した故障状態も含めて液体循環システム110の動作状態を判定するようにした。
以下に図14を用いて、本変形例の液体循環システム110の動作状態判定方法を具体的に説明する。

0129

図14の枠外のB1に示すように、本変形例では、液体循環システム110の各動作状態のポンプ回転速度の範囲を、3σ法を用いて求めた各閾値のポンプ回転速度の範囲である正常範囲:b1、閉塞範囲:b4、空転範囲:b6とした。
また、正常範囲:b1と閉塞範囲:b4との間の範囲を第一動作不良範囲:b3、閉塞範囲:b4と空転範囲:b6との間の範囲を第二動作不良範囲:b5とした。
そして、正常範囲:b1の下限閾値:V01未満を第一故障範囲:b2、空転範囲:b6の上限閾値:V2Hを超える範囲を第二故障範囲:b7とした。

0130

正常範囲:b1、閉塞範囲:b4、及び空転範囲:b6では、実施例1乃至3で説明したものと同様であり、その原因や、その状態が継続された場合に発生するおそれがある不具合も同様であるので、これらの説明は省略する。
第一動作不良範囲:b3は、ポンプ外流路112内の冷却液の流量が空転状態を引き起こす程ではないものの減少していたり、閉塞状態を引き起こす程ではないもののポンプ外流路112内の流動抵抗が上昇していたりする不具合が発生しているものと考えられる。そこで、検出したポンプ回転速度:Vが第一動作不良範囲:b3にある場合には、液体循環システム110の動作状態が上記のような不具合が発生している第一動作不良状態と判定する。
また、第二動作不良範囲:b5は、上記した第一動作不良範囲:b3のポンプ外流路112内での冷却液の流量の減少や流動抵抗がさらに進んだ不具合が発生しているものと考えられる。そこで、検出したポンプ回転速度:Vが第二動作不良範囲:b5にある場合には、液体循環システム110の動作状態が上記のような不具合が発生している第二動作不良状態と判定する。

0131

一方、第一故障範囲:b2は、羽根車141等が破損して回転抵抗が増したり、ポンプ軸143等が破損して羽根車141やロータリーエンコーダ151が回転しなかったり、DCモータ147が断線して回転しなかったりする遠心ポンプ132の故障が考えられる。そこで、検出したポンプ回転速度:Vが第一故障範囲:b2にある場合には、液体循環システム110の動作状態が上記のような故障が発生している第一故障状態と判定する。
また、第二故障範囲:b7は、羽根車141の羽根142が変形したり破損したりして冷却液を液送するときの回転抵抗が極端に低下したり、羽根車141とロータリーエンコーダ151との間でポンプ軸143が折れたりする遠心ポンプ132の故障が考えられる。そこで、検出したポンプ回転速度:Vが第二故障範囲:b7にある場合には、液体循環システム110の動作状態が上記のような故障が発生している第二故障状態と判定する。

0132

つまり、本変形例の動作状態判定方法は、検出したポンプ回転速度:Vに基づいて、液体循環システム110の動作状態が第一故障状態、正常状態、第一動作不良状態、閉塞状態、第二動作不良状態、空転範囲状態、及び第二故障状態の内のいずれであるか判定する。また、第一故障状態、第一動作不良状態、閉塞状態、第二動作不良状態、空転範囲状態、及び第二故障状態のいづれかであると判定した場合には、液体循環システム110の動作状態が異常稼動状態にあると判定する。

0133

そして、本変形例の液体循環システム110は、正常状態と判定した場合には、図14の枠外のC1に示すように、循環システム制御部113で、DCモータ147に所定の電圧を印加するモータ駆動範囲:c1として制御する。
一方、異常稼動状態と判定した場合には、循環システム制御部113で、DCモータ147に電圧を印加しないモータ停止範囲:c2として制御する。また、同時に、冷却装置100の冷却制御部102、及びプリンタ300の本体制御部202にDCモータ147を停止させる旨の信号を送り、必要に応じて冷却装置100、及びプリンタ300を稼動を制限するとともに、利用者に異常稼動状態の内容を通知する。

0134

上記のように液体循環システム110の動作状態判定方法で判定を行い、上記のように液体循環システム110を制御することで、次のような効果を奏することができる。
冷却装置100、プリンタ300の機能が低下、又は機能しない不具合が発生している場合、液体循環システム110の不具合なのか、外的な要因による不具合なのかの切り分けも可能となる。また、液体循環システム110の不具合であった場合でも不具合が発生している箇所の特定が容易となる。
液体循環システム110の動作状態が異常稼動状態にあることを判定して、遠心ポンプの駆動を停止させることができる。
したがって、液体循環システム110の動作状態が異常稼動状態にあるままで、液体循環システム110、冷却装置100及びプリンタ300の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0135

上記した本実施形態では、定着後の用紙Pを、表側無端ベルト161と裏側無端ベルト171とで挟持搬送しながら、表側無端ベルト161の内周面に設けた受熱部材である冷却部材120で冷却する冷却装置100に、本発明を適用した例について説明した。しかし、本発明は、このような構成の冷却装置に用いる液体循環システムに限定されるものではない。

0136

ここで、本発明を適用可能な冷却装置100の別例について2つの例を挙げ、図を用いて説明する。
図15は本実施形態に係る、液体循環システム110を有した冷却装置100の別例の説明図、図16は、本実施形態に係る、液体循環システム110を有した冷却装置100の他の別例の説明図である。
なお、上記した本実施形態と同様な構成、及びその効果についての説明は省略するとともに、特に区別する必要がない限り、同様な機能を果す構成部材には同一の符号を付して説明する。また、図15及び図16に示す冷却装置100は、いずれも図2に示した冷却装置100と受熱部材に係る点が異なるだけで、外部放熱手段130や液体循環システム110の構成は略同様であるので、図15及び図16では受熱部材近傍の構成のみ記載している。

0137

1つ目の別例では、図15に示すように、表側無端ベルト161の内周面に冷却部材120aを、裏側無端ベルト171の内周面に冷却部材120bを設けている。本発明は、このような構成の冷却装置100にも適用可能である。
また、2つ目の別例では、図16に示すように、表側挟持部160として、受熱部材である冷却ローラ125を設け、冷却ローラ125と裏側挟持部170の裏側無端ベルト171とで定着後の用紙Pを挟持搬送しながら冷却するものである。本発明は、このような構成の冷却装置100にも適用可能である。
すなわち、遠心ポンプを用いて、形成した循環路内で冷却液を循環させる液体循環システムを有した冷却装置全般に、本発明は適用可能である。

0138

具体的には、図15に示す冷却部材120a,bを備えた冷却装置100では、図3に示した冷却部材120と同様に、冷却部材120a,bに有した流路部122内を冷却液を通過させることで、それぞれ冷却面121a,bの温度を略一定に維持している。そして、冷却面121aに摺動する表側無端ベルト161、及び冷却面121bに摺動する裏側無端ベルト171を介して用紙Pから熱を吸熱して冷却する。
一方、図16に示す冷却ローラ125を備えた冷却装置100では、冷却ローラ125の内部に設けた内部流路126内を冷却液を通過させることで、冷却ローラ125の表面温度を略一定に維持しながら、定着後の用紙Pから熱を吸熱して冷却する。

0139

また、本実施形態では、冷却対象を定着後の用紙Pとした例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、光書き込み装置2や各現像装置3等を冷却する冷却装置にも適用可能である。
また、本実施形態では、プリンタ300に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、複写機ファクシミリ、及びこれらの複合機等の画像形成装置にも適用可能である。
また、画像形成装置に限らず、遠心ポンプを用いて、形成した循環路内で冷却液を循環させる液体循環システムを有した電子機器等の全般に適用可能である。

0140

以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
冷却液などの液体を液送する遠心ポンプ132などの遠心ポンプと、該遠心ポンプと供に液体を循環させる循環路111などの循環路を形成するポンプ外流路112を構成する中空部などの流路を有したゴムチューブ134などの構成部材とを備えた液体循環システム110などの液体循環システムの動作状態判定方法において、前記液体循環システムは、前記遠心ポンプの羽根車141などの羽根車の回転速度であるポンプ回転速度を検出するロータリーエンコーダ151などの回転速度検出手段を備え、前記回転速度検出手段によって検出したポンプ回転速度:Vなどの検出速度に基づいて、羽根車を回転駆動するDCモータ147などの駆動源に狙いの流量:Q0を決定するときに参照した、暫定の狙いの流量:Q0’’に最も近い閉塞解除時の流量を格納しているレコードの電圧などの一定の電圧又はデュティを印加したときに、前記ポンプ回転速度に影響を与える前記流路内における液体の流量と相関を有する前記液体循環システムの動作状態を判定することを特徴とするものである。

0141

これによれば、上記実施例1(乃至3や変形例)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
遠心ポンプは、駆動源に印加する電圧等を一定に制御するものが多く、このような制御では遠心ポンプで搬送される液体の流量とポンプ回転速度とに、液体の流量が増加するにつれてポンプ回転速度が遅くなるという特性がある。すなわち、一定の電圧等が印加された駆動源により回転駆動される遠心ポンプでは、循環路が閉塞状態などの循環路閉塞状態になると、ポンプ回転速度が液体循環システムの動作状態が正常状態などの正常稼動状態にある場合よりも速くなるという特性がある。

0142

上記特性を利用して、回転速度検出手段で検出した検出速度が、次のポンプ回転速度の範囲内にある場合に、液体循環システムの動作状態が循環路閉塞状態にあると判定できる。液体循環システムの動作状態が循環路閉塞状態になると、遠心ポンプと供に循環路を形成する流路内を液体が流れず、流路内における液体の流量が生じなくなる(無くなる)とともに、遠心ポンプで液体を液送できなくなる。そして、回転速度検出手段で検出する検出速度が、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L以上、閉塞状態時のポンプ回転速度の上限閾値:V1H以下などの範囲内の速度になる。
なお、回転速度検出手段としては、遠心ポンプのポンプ回転速度を検出して、遠心ポンプや、その駆動源の異常を検知するために設けるものを用いることができ、専用のものを設ける必要がなく、液体循環システムの高コスト化を抑制できる。
よって、遠心ポンプを有した液体循環システムの動作状態判定方法であって、専用のセンサを設けることなく、循環路閉塞状態を判定できる液体循環システムの動作状態判定方法を提供できる。

0143

(態様B)
(態様A)において、ポンプ回転速度:Vなどの前記検出速度に基づいて、ポンプ外流路112を構成する中空部などの前記流路内における冷却液などの液体の流量が、前記流路が閉塞して生じなくなる閉塞状態などの循環路閉塞状態、ゴムチューブ134からの冷却水の漏水や透過・揮発などの液漏れにより減少して遠心ポンプ132などの前記遠心ポンプが空転する空転状態などの液漏れ空転状態、又は正常である正常状態などの正常稼動状態のいずれの状態にあるかを判定するものである。

0144

これによれば、上記実施例1(乃至3や変形例)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
循環路閉塞状態、液漏れ空転状態、又は正常稼動状態の、いずれの状態にあるかを判定するセンサとして、遠心ポンプやそのDCモータ147などの駆動源の異常を検知するロータリーエンコーダ151などの回転速度検出手段を用いることができる。
したがって、循環路閉塞状態、液漏れ空転状態、又は正常稼動状態の、いずれの状態にあるかを判定できる液体循環システム110などの液体循環システムの動作状態判定方法を、液体循環システムの高コスト化を招くことなく提供できる。

0145

(態様C)
(態様B)において、閉塞状態などの前記循環路閉塞状態でのポンプ回転速度の範囲を、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L以上、閉塞状態時のポンプ回転速度の上限閾値:V1H以下の範囲などの閉塞範囲として予め規定し、ポンプ回転速度:Vなどの前記検出速度が前記閉塞範囲内である場合に、液体循環システム110などの前記液体循環システムの動作状態が前記循環路閉塞状態にあると判定することを特徴とするものである。

0146

これによれば、上記実施例1(乃至3や変形例)で説明したように、検出速度が、予め規定した閉塞範囲内にあることにより、液体循環システムの動作状態が、循環路閉塞状態にあるとを判定できる。
したがって、液体循環システムの動作状態が循環路閉塞状態にあるままで、液体循環システムや液体循環システムを用いる冷却装置100などの装置やこの装置を備えるプリンタ300などの装置の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0147

(態様D)
(態様B)において、空転状態などの前記液漏れ空転状態でのポンプ回転速度の範囲を、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L以上、空転状態時のポンプ回転速度の上限閾値:V2H以下の範囲などの空転範囲として予め規定し、ポンプ回転速度:Vなどの前記検出速度が前記空転範囲内である場合に、液体循環システム110などの前記液体循環システムの動作状態が前記液漏れ空転状態にあると判定することを特徴とするものである。

0148

これによれば、上記実施例2(又は3や変形例)で説明したように、検出速度が、予め規定した空転範囲内にあることにより、液体循環システムの動作状態が液漏れ空転状態にあることを判定できる。
したがって、ポンプ外流路112(循環路111)を構成する中空部を有したゴムチューブ134などの構成部材から、液漏れ空転状態となる程の、冷却水などの液体の漏水や透過・揮発による液漏れが発生していることを判定できる。
そして、液体循環システムの動作状態が液漏れ空転状態にあるままで、液体循環システムや液体循環システムを用いる冷却装置100などの装置やこの装置を備えるプリンタ300などの装置の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0149

(態様E)
(態様B)において、正常状態などの前記正常稼動状態でのポンプ回転速度の範囲を、狙いの流量時のポンプ回転速度の下限閾値:V0L以上、狙いの流量時のポンプ回転速度の上限閾値:V0H以下の範囲などの正常範囲として予め規定し、ポンプ回転速度:Vなどの前記検出速度が前記正常範囲内である場合に、液体循環システム110などの前記液体循環システムの動作状態が前記正常稼動状態にあると判定することを特徴とするものである。

0150

これによれば、上記実施例1(乃至3や変形例)で説明したように、検出速度が、予め規定した正常範囲内にあることにより、液体循環システムの動作状態が正常稼動状態にあることを判定できる。
また、液体循環システムを用いる冷却装置100などの装置や、この装置を備えるプリンタ300などの装置の機能が低下、又は機能しない不具合が発生している場合、液体循環システムの不具合なのか、外的な要因による不具合なのかの切り分けも可能となる。
ここで、上記した外的な要因としては、例えば、周辺環境温度の変化や、ラジエータ131や送風ファン136等を通過する空気の流路上でのゴミ詰りや、送風ファン136の故障や、定着装置15の故障や用紙Pを加熱する際の温度設定の間違い等が挙げられる。

0151

(態様F)
(態様C)において、閉塞状態などの前記循環路閉塞状態でのポンプ回転速度の範囲を閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L以上、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V2L未満の範囲などの閉塞範囲、空転状態などの前記液漏れ空転状態でのポンプ回転速度の範囲を空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V2L以上の範囲などの空転範囲として予め規定し、ポンプ回転速度:Vなどの前記検出速度が、前記閉塞範囲、又は前記空転範囲のいずれの範囲にもない場合に、液体循環システム110などの前記液体循環システムの動作状態が正常状態などの前記正常稼動状態にあると判定することを特徴とするものである。

0152

これによれば、上記実施例2(又は3や変形例)で説明したように、検出速度が、予め規定した閉塞範囲、又は空転範囲のいずれの範囲にもないことにより、液体循環システムの動作状態が正常稼動状態にあることを判定できる。
また、液体循環システムを用いる冷却装置100などの装置や、この装置を備えるプリンタ300などの装置の機能が低下、又は機能しない不具合が発生している場合、液体循環システムの不具合なのか、外的な要因による不具合なのかの切り分けも可能となる。
ここで、上記した外的な要因としては、例えば、周辺環境温度の変化や、ラジエータ131や送風ファン136等を通過する空気の流路上でのゴミ詰りや、送風ファン136の故障や、定着装置15の故障や用紙Pを加熱する際の温度設定の間違い等が挙げられる。

0153

(態様G)
(態様B)乃至(態様D)のいずれかにおいて、閉塞状態などの前記循環路閉塞状態、又は空転状態などの前記液漏れ空転状態のいずれかと判定した場合に、液体循環システム110などの前記液冷システムの動作状態が異常である異常稼動状態にあると判定することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3や変形例)で説明したように、循環路閉塞状態、又は液漏れ空転状態のいずれかの状態であることにより、液体循環システム110などの液体循環システムの動作状態が異常な異常稼動状態にあることを判定できる。
したがって、液体循環システムの動作状態が異常稼動状態にあるままで、液体循環システムや液体循環システムを用いる冷却装置100などの装置やこの装置を備えるプリンタ300などの装置の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0154

(態様H)
(態様E)又は(態様F)において、正常状態などの前記正常稼動状態と判定しなかった場合に、液体循環システム110などの前記液体循環システムの動作状態が異常である異常稼動状態にあると判定することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3や変形例)で説明したように、正常稼動状態でないことにより、液体循環システムの動作状態が異常稼動状態にあることを判定できる。
したがって、液体循環システムの動作状態が異常稼動状態にあるままで、液体循環システムや液体循環システムを用いる冷却装置100などの装置やこの装置を備えるプリンタ300などの装置の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0155

(態様I)
(態様C)乃至(態様H)のいずれかにおいて、閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V1L以上、上限閾値:V1H以下の範囲などの前記閉塞範囲、空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値:V2L以上、上限閾値:V2H以下の範囲などの前記空転範囲、及び狙いの流量時のポンプ回転速度の下限閾値:V0L以上、上限閾値:V0H以下の範囲などの前記正常範囲の内、予め規定するポンプ回転速度の範囲を、遠心ポンプ132などの前記遠心ポンプの製造ばらつきに応じた3σ法などの値(標準偏差の3倍の値)を用いて規定することを特徴とするものである。

0156

これによれば、上記実施例1(乃至3や変形例)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
遠心ポンプ132などの遠心ポンプの製造ばらつき等を考慮して、閉塞範囲、空転範囲、及び正常範囲の内で規定する範囲を、遠心ポンプの製造ばらつきを考慮しない方法よりも適切に規定することができる。
したがって、液体循環システム110などの液体循環システムの動作状態が、循環路閉塞状態、液漏れ空転状態、正常稼動状態、又は異常稼動状態のいずれであるかを適切に判定することができる。

0157

(態様J)
冷却液などの液体を液送する遠心ポンプ132などの遠心ポンプと、該遠心ポンプとで液体を循環させる循環路111などの循環路を形成するポンプ外流路112を構成する中空部などの流路を有したゴムチューブ134などの複数の構成部材と、当該液体循環システムの動作状態を判定する循環システム制御部113などの動作状態判定手段とを備えた液体循環システム110などの液体循環システムにおいて、前記動作状態判定手段で行う当該液体循環システムの動作状態判定方法が、(態様A)乃至(態様I)のいずれかの液体循環システムの動作状態判定方法であることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態で説明したように、(態様A)乃至(態様I)のいずれかの液体循環システムの動作状態判定方法と同様な効果を奏することができる液体循環システムを提供できる。

0158

(態様K)
(態様J)において、液体循環システム110などの当該液体循環システムの動作状態を、閉塞状態などの前記循環路閉塞状態、空転状態などの前記エア噛み状態、又は前記異常動作状態のいずれかであると判定した場合に、遠心ポンプ132などの前記遠心ポンプの駆動を停止することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態で説明したように、液体循環システムの動作状態が、正常でない循環路閉塞状態、液漏れ空転状態、及び異常稼動状態を判定して、遠心ポンプの駆動を停止させることができる。
したがって、液体循環システムの動作状態が異常稼動状態にあるままで、液体循環システムや液体循環システムを用いる冷却装置100などの装置やこの装置を備えるプリンタ300などの装置の稼動が継続されることによる不具合の発生を抑制できる。

0159

(態様L)
冷却液を循環路111などの循環路内で循環させる液体循環システムを備え、前記循環路内で循環させる冷却液を用いて、用紙Pなどの被冷却対象から冷却部材120などの受熱部材で吸熱した熱を、ラジエータ131などの放熱部材に伝達する冷却装置100などの冷却装置において、前記液体循環システムとして、(態様J)又は(態様K)の液体循環システム110などの液体循環システムを備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態で説明したように、(態様J)又は(態様K)の液体循環システムと同様な効果を奏することができる冷却装置を提供できる。

0160

(態様M)
用紙Pなどの被冷却対象を冷却する冷却装置を備えたプリンタ300などの画像形成装置において、前記冷却装置として、(態様L)の冷却装置100などの冷却装置を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態で説明したように、(態様M)の冷却装置と同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。

0161

1感光体
2光書き込み装置
3現像装置
4感光体クリーニング装置
5帯電装置
10画像ステーション
11一次転写ローラ
15定着装置
21中間転写ベルト
22 第一張架ローラ
23 第二張架ローラ
24 第三張架ローラ
25 二次次転写ローラ
26クリーニング対向ローラ
27ベルトクリーニング装置
31給紙カセット
32 用紙搬送路
33排紙トレイ
34手差しトレイ
35手差し給紙路
36反転用紙搬送路
41給紙コロ
42レジストローラ対
43手差し給紙コロ
100冷却装置
102冷却制御部
105ファン制御部
106ベルト駆動制御部
107温度制御部
110液体循環システム
111循環路
112ポンプ外流路
113循環システム制御部
120(a,b)冷却部材
121(a,b)冷却面
122 流路部(冷却部材)
125冷却ローラ
126内部流路(冷却ローラ)
130 外部放熱手段
131ラジエータ
132遠心ポンプ
133リザーバータンク
134ゴムチューブ
136送風ファン
135ジョイント対
137温度センサ
140ポンプケーシング
141羽根車
142羽根
143ポンプ軸
144軸受封止部
145吸入口
146吐出口
147DCモータ(遠心ポンプ)
148モータ軸(遠心ポンプ)
149モータケーシング(遠心ポンプ)
151ロータリーエンコーダ
152継ぎ手
160 表側挟持部
161 表側無端ベルト
162 表側従動ローラ
170 裏側挟持部
171 裏側無端ベルト
172 裏側従動ローラ
173駆動ローラ
174駆動モータ(駆動ローラ)
200 装置本体
202 本体制御部
300プリンタ
P 用紙
Q0 狙いの流量
Vポンプ回転速度(検出速度)
V0 狙いの流量時のポンプ回転速度
V0H 狙いの流量時のポンプ回転速度の上限閾値
V0L 狙いの流量時のポンプ回転速度の下限閾値
V1閉塞状態時のポンプ回転速度
V1H 閉塞状態時のポンプ回転速度の上限閾値
V1L 閉塞状態時のポンプ回転速度の下限閾値
V2空転状態時のポンプ回転速度
V2H 空転状態時のポンプ回転速度の上限閾値
V1L 空転状態時のポンプ回転速度の下限閾値

0162

特開2011−102893号公報
特許第4570306号公報
特開2012−145742号公報

先行技術

0163

ターボ機械協会編、「ターボポンプ」、新改訂版第2刷、日本工業出版、2011年10月31日、p.2−3

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