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技術 グリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法及び製造方法

出願人 株式会社日本触媒
発明者 堀本裕一朗西井聖悦
出願日 2013年12月9日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2013-254408
公開日 2015年6月22日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2015-113289
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード オメガ型 樹脂防 吸湿防止 無機固体酸触媒 カチオン量 昇温プログラム シリカアルミナ比 カンクリナイト
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年6月22日)のものです。
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図面 (2)

課題

グリセリンモノメタアクリレート異性体の1つである1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを平衡状態よりも多い割合のままで保持することができるグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法の提供。

解決手段

異性体1(2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)と、式(2)で表される異性体2(1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)とを含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを保存する方法であって、該保存方法は、平衡状態における異性体2の割合よりも多い割合で異性体2を含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度で保存することを特徴とするグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法。(RはH又はメチル基

概要

背景

グリセリンモノメタアクリレートは、水酸基由来する親水性と、(メタ)アクリロイル基における重合反応性とを持つといった特徴を有し、繊維染色改質剤樹脂防剤、保湿剤、UV/EB硬化剤塗料顔料分散剤電子写真用バインダーコンタクトレンズ歯科材料等の合成原料として有用であることが知られている。グリセリンモノ(メタ)アクリレートには、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(異性体1)と、1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(異性体2)の2つの異性体が存在し、これらが所定の比率平衡状態となるという特徴がある。グリセリンモノメタクリレートについては、平衡状態において異性体1と異性体2との質量比が、90:10の割合となることが知られている。

グリセリンモノメタクリレートの異性体に関しては、これまでに異性体1と異性体2とを質量比75:25で含むグリセリンモノメタクリレートを、50℃で192時間保存すると、異性体1と異性体2との質量比が90:10に経時変化することや、さらに、アセタール体の脱保護により得られた異性体1と異性体2とを質量比100:0で含むグリセリンモノメタクリレートを50℃で360時間保存すると、異性体1と異性体2との質量比が90:10に変化したことが開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。

概要

グリセリンモノ(メタ)アクリレートの異性体の1つである1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを平衡状態よりも多い割合のままで保持することができるグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法の提供。異性体1(2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)と、式(2)で表される異性体2(1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)とを含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを保存する方法であって、該保存方法は、平衡状態における異性体2の割合よりも多い割合で異性体2を含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度で保存することを特徴とするグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法。(RはH又はメチル基)なし

目的

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、グリセリンモノ(メタ)アクリレートの異性体の1つである1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを平衡状態よりも多い割合のままで保持することができるグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(1);(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。)で表される異性体1と、下記一般式(2);(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。)で表される異性体2とを含むグリセリンモノメタアクリレートを保存する方法であって、該保存方法は、平衡状態における異性体2の割合よりも多い割合で異性体2を含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度で保存することを特徴とするグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法。

請求項2

前記保存方法は、50日間経過後の異性体2の割合が、平衡状態における異性体2の割合よりも多いことを特徴とする請求項1に記載のグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法。

請求項3

グリセリンモノ(メタ)アクリレートを製造する方法であって、該製造方法は、グリセリンモノ(メタ)アクリレートを合成する工程と、該合成工程で得られたグリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度に保持する工程とを含むことを特徴とするグリセリンモノ(メタ)アクリレートの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、グリセリンモノ(メタ)アクリレート保存方法及び製造方法に関する。より詳しくは、繊維染色改質剤樹脂防剤、保湿剤、UV/EB硬化剤等に好適に用いられるグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法及び製造方法に関する。

背景技術

0002

グリセリンモノ(メタ)アクリレートは、水酸基由来する親水性と、(メタ)アクリロイル基における重合反応性とを持つといった特徴を有し、繊維染色改質剤、樹脂防曇剤、保湿剤、UV/EB硬化剤、塗料顔料分散剤電子写真用バインダーコンタクトレンズ歯科材料等の合成原料として有用であることが知られている。グリセリンモノ(メタ)アクリレートには、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(異性体1)と、1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(異性体2)の2つの異性体が存在し、これらが所定の比率平衡状態となるという特徴がある。グリセリンモノメタクリレートについては、平衡状態において異性体1と異性体2との質量比が、90:10の割合となることが知られている。

0003

グリセリンモノメタクリレートの異性体に関しては、これまでに異性体1と異性体2とを質量比75:25で含むグリセリンモノメタクリレートを、50℃で192時間保存すると、異性体1と異性体2との質量比が90:10に経時変化することや、さらに、アセタール体の脱保護により得られた異性体1と異性体2とを質量比100:0で含むグリセリンモノメタクリレートを50℃で360時間保存すると、異性体1と異性体2との質量比が90:10に変化したことが開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。

先行技術

0004

サラ E.ショー(Sarah E. Shaw)外3名「ポリマー(Polymer)」、2006年、第47巻、p8247−8252

発明が解決しようとする課題

0005

グリセリンモノ(メタ)アクリレートの異性体2は、反応性の高い第1級水酸基を2つ有する点で、第1級及び第2級水酸基を1つずつ有する異性体1よりも有用であり、異性体2を高い割合で得ることが求められるが、異性体2を高い割合で生成させることができたとしても、上述したグリセリンモノメタクリレートの場合のように、時間の経過とともに異性体2の割合が少ない平衡状態に移行してしまい、保存段階で異性体2の割合が低くなってしまう。このため、異性体2の割合を長期に渡って平衡状態よりも多い割合に保つことができる方法が求められている。

0006

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、グリセリンモノ(メタ)アクリレートの異性体の1つである1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを平衡状態よりも多い割合のままで保持することができるグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、グリセリンモノ(メタ)アクリレートについて種々検討したところ、異性体2を平衡状態よりも多い割合で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを、40℃以下の温度で保存することにより、長期に渡って異性体2の割合を平衡状態よりも多い割合に保つことができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。

0008

すなわち本発明は、下記一般式(1);

0009

(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。)で表される異性体1と、下記一般式(2);



(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。)で表される異性体2とを含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを保存する方法であって、
該保存方法は、平衡状態における異性体2の割合よりも多い割合で異性体2を含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度で保存するグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。

0010

<グリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法>
本発明のグリセリンモノ(メタ)アクリレート(異性体1(2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)及び異性体2(1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)を含む)の保存方法は、上記グリセリンモノ(メタ)アクリレートの異性体2を、平衡状態における異性体2の割合よりも多い割合で異性体2を含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度で保存することを特徴としている。
なお、本発明においてグリセリンモノ(メタ)アクリレートとは、グリセリンモノメタクリレート及び/又はグリセリンモノアクリレートを表わす。
異性体1と異性体2とを含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートは、異性化反応により、異性体1と異性体2との質量比が経時的に変化し、上記異性化反応が平衡状態に達すると、異性体1と異性体2との質量比は所定の割合となる。上記非特許文献1に記載されているように、グリセリンモノメタクリレートの場合、平衡状態における異性体1と異性体2との質量比は、90:10となることが知られている。一方、グリセリンモノアクリレートについては、平衡状態における異性体1と異性体2との質量比は、一般に知られてはいないが、本発明者が確認しているところでは、平衡状態における異性体2の割合は、全グリセリンモノアクリレート100質量%に対して14質量%以下である。しかし、異性体1と異性体2とを含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度に保存することにより、異性体2を、上記平衡状態よりも多い割合で、長期間保持することができる。
すなわち、保存開始時において上記異性体2を、グリセリンモノメタクリレートについては全グリセリンモノメタクリレート100質量%、グリセリンモノアクリレートについては全グリセリンモノアクリレート100質量%(以下、全グリセリンモノ(メタ)アクリレート100質量%ともいう)に対して、それぞれ、10質量%、14質量%よりも多い割合で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度に保存することにより、異性体2を、全グリセリンモノ(メタ)アクリレート100質量%に対して、グリセリンモノメタクリレートについては10質量%よりも多い割合で、グリセリンモノアクリレートについては14質量%よりも多い割合で長期間保持することができる。
また、上記異性体2を、異性化反応が平衡状態に達する前の割合、すなわち全グリセリンモノ(メタ)アクリレート100質量%に対して、グリセリンモノメタクリレートについては10質量%、グリセリンモノアクリレートについては14質量%よりも多い割合で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートが、いったん温度が上がる等して異性体2の割合が減少した場合であっても、その後に20℃以下まで温度を下げて保存することにより、異性体2の割合が平衡状態よりも多い状態を長時間保持することができる。

0011

上記保存開始時のグリセリンモノ(メタ)アクリレートの異性体2の割合は、全グリセリンモノ(メタ)アクリレート100質量%に対して、グリセリンモノメタクリレートについては10質量%よりも多い割合であればよく、グリセリンモノアクリレートについては14質量%よりも多い割合であればよいが、グリセリンモノメタクリレートについては、好ましくは11質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上、一層好ましくは60質量%以上、最も好ましくは70質量%以上であり、グリセリンモノアクリレートについては、好ましくは15質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上、一層好ましくは60質量%以上、最も好ましくは70質量%以上である。保存開始時のグリセリンモノ(メタ)アクリレートの異性体2の割合は、全グリセリンモノ(メタ)アクリレート100質量%に対して100質量%以下であればよい。
グリセリンモノ(メタ)アクリレートの異性体2の割合は、1HNMRによって測定することができる。

0012

上記保存温度は、40℃以下であればよいが、好ましくは、30℃以下であり、より好ましくは、20℃以下であり、更に好ましくは、0℃以下である。また保存温度は、−10℃以上であることが好ましい。
保存温度が上記好ましい温度以下であれば、異性体2を上記平衡状態よりも多い割合で、より長期間保持することができる。特に、0℃以下であれば、その効果が顕著になり、保存開始時における異性体2の割合を長期間保持することができる。
このことを利用すれば以下のようなことが可能となる。
上記異性体2を、全グリセリンモノ(メタ)アクリレート100質量%に対して、グリセリンモノメタクリレートについては10質量%、グリセリンモノアクリレートについては、14質量%よりも多い割合で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを、ある程度の速度で異性化反応が進む温度において保存し、異性体2が、任意の割合となったところで0℃以下まで温度を下げて、さらに保存する場合には、異性体2を、異性化反応が平衡状態に達する前の任意の割合に制御し、その割合を長期間保持することができる。

0013

本発明の保存方法における保存期間は、10時間以上であることが好ましい。保存期間が10時間以上であれば、本発明の効果が顕著に発揮されるため好ましい。上記保存期間は、より好ましくは5日間以上、更に好ましくは10日間以上、特に好ましくは20日間以上、一層好ましくは40日間以上、最も好ましくは50日間以上である。また、上記保存期間は、通常100日間以下であることが好ましい。

0014

本発明の保存方法は、50日間経過後の異性体2の割合が、平衡状態における異性体2の割合よりも多いことが好ましい。
上記保存方法により40℃以下において保存し、50日間経過後の異性体2の割合が、全グリセリンモノ(メタ)アクリレート100質量%に対して、グリセリンモノメタクリレートについては11〜100質量%、グリセリンモノアクリレートについては15〜100質量%であることがより好ましく、異性体2がこのような割合であると、グリセリンモノ(メタ)アクリレートは、異性体2を使用することが好ましい用途に適したものとなる。
50日間経過後の上記グリセリンモノ(メタ)アクリレートの異性体2の割合は、全グリセリンモノ(メタ)アクリレート100質量%に対して、30〜100質量%が更に好ましく、特に好ましくは40〜100質量%、一層好ましくは50〜100質量%、より一層好ましくは60〜100質量%、最も好ましくは70〜100質量%である。

0015

上記グリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存系内の雰囲気は、空気雰囲気であってもよいが、重合抑制及び吸湿防止のため不活性雰囲気分子状酸素を混合させたものとするのがよい。不活性ガスとしては、窒素アルゴン等が挙げられる。保存系内の分子状酸素濃度としては、0.01〜10体積%であることが好ましく、より好ましくは、0.02〜9体積%であり、更に好ましくは、0.05〜8体積%である。
なお、分子状酸素濃度の設定は、分子状酸素又は空気等の分子状酸素を含むガスと、窒素やアルゴン等の不活性ガスとを、保存系内に別々に供給したり、予め混合して供給したりすることにより行われる。

0016

また、上記保存系内の圧力は、特に限定されない。常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下の何れの圧力下であってもよい。好ましくは、酸素濃度の低下による重合反応を防止するために常圧下又は加圧下で行うのがよい。また、常圧(大気圧)下で保存すると、加圧装置減圧装置を併設する必要がなく、また耐圧製の保存容器配管を用いる必要がない。このため、コストの観点からは、常圧(大気圧)が好ましい。

0017

本発明はまた、グリセリンモノ(メタ)アクリレートを製造する方法であって、上記製造方法は、グリセリン(メタ)アクリレートを合成する工程と、上記合成工程で得られたグリセリン(メタ)アクリレートを40℃以下の温度に保持する工程とを含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートの製造方法でもある。

0018

<グリセリンモノ(メタ)アクリレートを合成する工程>
本発明のグリセリンモノ(メタ)アクリレートを合成する工程(以下、合成工程ともいう。)は、特に限定されないが、グリシジル(メタ)アクリレートと水とを反応させる工程を含むものが好ましく、その他の工程を含んでいてもよい。また、上記合成工程においては、グリシジル(メタ)アクリレートとして、グリシジルメタクリレートグリシジルアクリレートのいずれか一方のみを用いてもよく、両方を用いてもよい。また、カチオンとしてプロトン及び/又はアンモニウムイオンを有する無機固体酸触媒を用いることが好ましく、無機固体酸触媒は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。更に、本発明のグリセリンモノ(メタ)アクリレートの合成は、その他の成分を含んで行われてもよいが、後述するように、更に重合禁止剤を含んでいることが好ましい。

0019

上記無機固体酸触媒としては、例えば、ゼオライト固体リン酸粘土シリカアルミナ及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種の無機担体上を鉱酸熱処理したもの−具体的には、活性白土等−;等が挙げられるが、これらの中でも、ゼオライトや、粘土、シリカ、アルミナ及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種の無機担体上を鉱酸で熱処理したものが好ましく、より好ましくは、ゼオライトである。特に、ゼオライトは、窒素のような不活性ガスを通気しながら加熱することで容易に再生できる点からも、無機固体酸触媒として用いるのが好ましいものである。

0020

上記ゼオライトは、アルミナに対するシリカの質量比、すなわち、シリカアルミナ比(シリカ/アルミナ)が5〜1000であることが好ましい。ゼオライトが5〜1000のシリカアルミナ比を有することにより、酸強度カチオン量とのバランスのとれたものとなり、グリシジル(メタ)アクリレートと水との反応をより速く進行させることが可能となる。上記シリカアルミナ比としてより好ましくは、10〜500であり、更に好ましくは、20〜300、特に好ましくは30〜200である。

0021

上記ゼオライトとしては、ベータ型モルナイト型、A型、X型、Y型、オメガ型L型、ZSM5型、ZSM−11型,ZSM−12型、ZSM−35型、クリノプチロライト型、フェリエライト型、スチルバイト型、ファウジサイト型、グメリナイト型、カンクリナイト型等の基本骨格を有するものが使用可能で、晶系はこれらに限定されるものではない。ゼオライトがこのような結晶系を有することにより、グリシジル(メタ)アクリレートと水との反応をより速く進行させることが可能となる。ゼオライトの結晶系として好ましくは、ベータ型、モルデナイト型、Y型、ZSM−5型であり、より好ましくは、ベータ型、モルデナイト型、Y型であり、更に好ましくはベータ型、モルデナイト型である。
上記ゼオライトの具体例は、特開2012−171940号公報を参照することができる。

0022

上記合成工程に用いる水の量は特に限定されないが、反応の効率や反応後の脱水を考慮すると、グリシジル(メタ)アクリレート1モルに対して2〜100モルであることが好ましく、より好ましくは3〜50モルであり、更に好ましくは、4〜20モルである。

0023

上記合成工程は、更に重合禁止剤の存在下で行われることが好ましい。上記合成工程を重合禁止剤の存在下で行うことにより、生成するグリセリンモノ(メタ)アクリレートが重合するのを充分に抑制し、グリセリンモノ(メタ)アクリレートを高い収率で得ることができる。上記重合禁止剤として用いられる化合物の例、使用量及び反応系内への投入方法については、特開2012−171940号公報を参照することができる。

0024

上記合成工程においては、同様に重合を防ぐ目的で反応系内に分子状酸素を導入することが効果的である。
上記合成工程における反応系気相部の分子状酸素濃度としては、0.01〜10%であることが好ましく、より好ましくは、0.02〜9%であり、更に好ましくは、0.05〜8%である。
なお、分子状酸素濃度の設定は、分子状酸素又は空気等の分子状酸素を含むガスと、窒素やアルゴン等の不活性ガスとを、反応器に別々に供給したり、予め混合して供給したりすることにより行われる。
また、合成工程の後の保持工程における保持系内の雰囲気は、上記反応器内の雰囲気をそのまま保持系内の雰囲気としても、反応器内とは異なる雰囲気であってもよい。

0025

上記合成工程における反応温度は、特に制限されず、0〜150℃で行うことができる。中でも、本発明の合成工程では、温和な条件下で反応を行うことができるために、反応生成物純度を高いものとすることができることから、90℃以下であることが好ましく、更に好ましくは、80℃以下である。また、反応時間を短縮するために、反応温度は20℃以上が好ましく、更に好ましくは30℃以上である。通常反応時間は、グリシジル(メタ)アクリレートと水との反応が完了するよう、反応温度、カチオンとしてプロトン及び/又はアンモニウムイオンを有する無機固体酸触媒の種類及び使用量、並びに、反応原料の使用量等に応じて適宜設定すればよい。また、反応圧力は、特に制限されず、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下いずれの条件下で行ってもよい。

0026

また、上記合成工程を行う反応形式としては、特に制限されず、回分式でも連続式でも行うことができる。
回分式によって反応を行う場合には、上記無機固体酸触媒の使用量としては、グリシジル(メタ)アクリレートを原料として用いた場合、グリシジル(メタ)アクリレート100質量%に対して、0.01〜20質量%であることが好ましい。
無機固体酸触媒の使用量は、より好ましくは、1〜8質量%であり、更に好ましくは、1〜4質量%、特に好ましくは1〜3質量%である。無機固体酸触媒の使用量が1〜8質量%であれば、グリセリンモノ(メタ)アクリレートについて、異性体1と異性体2との質量比が28:72〜56:44となるためより好ましい。

0027

本発明の合成工程においては、グリセリンモノ(メタ)アクリレートを精製回収する工程を行ってもよい。
上記精製回収工程の好ましい方法は、特開2012−171940号公報を参照することができる。

0028

<グリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度に保持する工程>
本発明のグリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度に保持する工程(以下、保持工程ともいう。)は、上記グリセリンモノ(メタ)アクリレートの合成工程により得られ、異性体2を異性化反応の平衡状態よりも多い割合で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレート(以下、グリセリンモノ(メタ)アクリレート組成物ともいう。)を40℃以下の温度に保持する工程である。
グリセリンモノ(メタ)アクリレートの保持工程における好ましい保持温度、雰囲気及び圧力は、上述の保存方法における好ましい保持温度、雰囲気及び圧力と同様である。

0029

本発明の製造方法は、上記合成方法により得られた、異性体1と異性体2とを質量比28:72〜56:44で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを40℃以下の温度に保持するものであることが好ましい。このような製造方法であると、異性体2を平衡状態よりも多い割合で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレート組成物を製造することができる。

0030

本発明の製造方法は、合成工程と保持工程との間に、異性化反応を進める工程を含んでいてもよい。合成工程により合成された、異性体2を平衡状態よりも多い割合で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレート組成物をある程度の速度で異性化反応が進む温度において保持して異性化反応を進め、異性体2の割合が任意の割合となったところで、保持工程に移して温度を下げて保持することで、異性体2を平衡状態よりも多い任意の割合で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレート組成物を得ることができる。
例えば、合成工程により得られた異性体1と異性体2との質量比が28:72〜56:44で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートに対してこの方法を用いると、異性体2を、全グリセリンモノ(メタ)アクリレート100質量%に対して、グリセリンモノアクリレートについては、14質量%よりも多く、72質量%以下の範囲、グリセリンモノメタクリレートについては、10質量%よりも多く、72質量%以下の範囲における任意の割合で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレート組成物を製造することができる。

発明の効果

0031

本発明のグリセリンモノ(メタ)アクリレートの保存方法は、上述の構成よりなり、反応性が高い第1級水酸基を2つ有する点で有用である異性体2を高い質量比で長期間保持することができ、ウレタン剤等の異性体2を高い比率で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートが求められる用途向けのグリセリンモノ(メタ)アクリレートを保存する方法として好適に用いることができる。
また本発明のグリセリンモノ(メタ)アクリレートの製造方法は、上述の構成よりなり、異性体2を高い質量比で含むグリセリンモノ(メタ)アクリレートを製造することができる方法である。

図面の簡単な説明

0032

図1は、実施例1において0℃で50日間保存後のグリセリンモノアクリレートの異性体1及び2の1HNMRによる測定結果チャート)である。
図2は、実施例2において0℃で50日間保存後のグリセリンモノメタクリレートの異性体1及び2の1HNMRによる測定結果(チャート)である。

実施例

0033

以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。

0034

以下の実施例において、純度、収率は、以下の装置、測定条件ガスクロマトグラフィー測定を行うことにより、求めた。
装置:ガスクロマトグラフ製品名「GC−2014」、島津製作所社製)
測定条件
キャリア圧(He):200.0kPa
インジェクション温度:280℃
ディテクター温度:280℃
昇温プログラム開始温度50℃、18.5℃/分で235℃まで昇温し、235℃で10分間保持
キャピラリーカラム:CP−Sil5 CB(商品名、Varian社製、長さ:60m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm)

0035

以下の実施例において、異性体の比率については、以下の装置、測定条件で1HNMRにより、求めた。
装置:600MHz NMR (VARIAN社製)
測定条件
溶媒:重クロロホルム
核種:1H

0036

(製造例1)(グリセリンモノアクリレートの合成工程)
攪拌器温度計還流冷却器ガス導入管滴下ロートを装着した五つ口フラスコ中に、水(64.6g、3.6mol)と、グリシジルアクリレートに基づいて2.0質量%の酸性ゼオライト(4.6g、商品名「HSZ−690HOA」、東ソー社製、カチオン;プロトン、モルデナイト型、シリカアルミナ比240)を仕込み、50℃まで加熱した。
続いて、酸素と窒素の混合ガス(酸素濃度:7%)を導入しながら、滴下ロートより重合禁止剤2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を300ppm含んだグリシジルアクリレート(230.6g、1.8mol)を内温が60℃以下となるように徐々に滴下した。
滴下は1時間で終了し、その後更に2時間熟成することで滴下した全てのグリシジルアクリレートが消費されたことが、ガスクロマトグラフィーにより確認された。
反応終了後反応混合物を室温まで冷却し、ろ過によりゼオライトを分離した後、重合禁止剤としてヒドロキノン(HQ)をグリセリンモノアクリレートに対して500ppm加え、7%酸素ガス(窒素バランス)を吹き込みながら30mmHgの減圧下で水の留去を行い、収率97.4%で純度96.6%のグリセリンモノアクリレート(異性体1:異性体2=45.0:55.0、水分量0.8%)を得た。

0037

(実施例1)
スクリュー管に製造例1で得られたグリセリンモノアクリレート97.4質量%(純度96.6%、異性体1:異性体2=45.0:55.0)、H2O 0.8質量%の混合物5gを空気雰囲気下において封入し、0℃(冷蔵庫)、20℃、30℃、40℃(恒温機)においてそれぞれ保存した。異性体の比率については1HNMRによって測定した。
製造例1で得られたグリセリンモノアクリレートを0℃において、50日間保存した後の図1の1HNMR測定の結果(チャート)から得られた各異性体スペクトル帰属を以下に示した。
異性体1
1HNMR(CDCl3,δ in ppm),2.00(br,1H,OH),3.04(br,1H,OH),3.61−3.64(m,1H,CH(OH)CH2(OH)),3.71−3.73(m,1H,CH(OH)CH2(OH)),3.97−3.99(m,1H,CH(OH)CH2(OH)),4.22−4.29(m,2H,O−CH2−C),5.89−5.91(m,1H,vinyl),6.14−6.20(m,1H,vinyl),6.44−6.49(m,1H,vinyl)
異性体2
1HNMR(CDCl3,δ in ppm),2.66(br,2H,OH),3.85−3.89(m,4H,O−CH(CH2OH)2),5.00(q,1H,J=4.5,4.5,4.5,4.5,O−CH(CH2OH)2),5.89−5.91(m,1H,vinyl),6.14−6.20(m,1H,vinyl),6.44−6.49(m,1H,vinyl)
上記帰属において、下線を付したHは、当該シグナルが下線を付したHに帰属されることを示す。
上記帰属から、以下の異性体1及び2のピークの比をもとに異性体比率を算出した結果、異性体1:異性体2=45.0:55.0であった。
異性体1:4.22−4.29(m,2H,O−CH2−C)
異性体2:5.00(q,1H,J=4.5,4.5,4.5,4.5,O−CH(CH2OH)2)
また、比較のため、上記グリセリンモノアクリレートを50℃(恒温機)においても保存し、比較例1とした。
結果を表1に示す。

0038

0039

(製造例2)(グリセリンモノメタクリレートの合成過程
試験管中に水(1.08g、0.06mol)と、禁止剤2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を300ppm含んだグリシジルメタクリレート(4.26g、0.03mol)、グリシジルメタクリレートに基づいて2.0質量%の酸性ゼオライト(0.084g、商品名「HSZ−690HOA」、東ソー社製、カチオン;プロトン、モルデナイト型、シリカアルミナ比240)を仕込み、70℃にて2.5時間加熱後に室温まで冷却したところ、ガスクロマトグラフィーにて全てのグリシジルメタクリレートが消費されたことが確認された。メンブレンフィルター(商品名「DISMIC−13HP」、ADVANTEC社製)によりろ過を行い、収率98.0%で純度87.7%のグリセリンモノメタクリレート(異性体1:異性体2=27.7:72.3、水分量9.9%)を得た。

0040

(実施例2)
スクリュー管に製造例2で得られたグリセリンモノメタクリレート(純度87.7%、異性体1:異性体2=27.7:72.3)、H2O(9.9質量%)を含む混合物1gを空気雰囲気下にて封入し、0℃(冷蔵庫)で50日保存した。保存後のグリセリンモノメタクリレートについて1HNMR測定を行い、図2の結果(チャート)から得られた各異性体のスペクトルの帰属を以下に示した。
異性体1
1HNMR(CDCl3,δ in ppm),1.96(s,3H,methyl),2.83(t,J=6.2,2H,OH),3.63(ddd,J=11.6,5.7,1.2,1H,CH(OH)CH2(OH)),3.73(ddd,J=11.4,3.8,1.2,1H,CH(OH)CH2(OH)),3.99(dd,J=5.7,3.8,1H,CH(OH)CH2(OH)),4.22−4.28(m,2H,O−CH2−C),5.63(s,1H,vinyl),6.15(s,1H,vinyl)
異性体2
1HNMR(CDCl3,δ in ppm),1.94(s,3H,methyl),2.81(m,1H,OH),3.2(d,J=5,1H,OH),3.77−3.83(m,4H,O−CH(CH2OH)2),4.94(t,1H,J=4.4,4.4,O−CH(CH2OH)2),5.61(s,1H,vinyl),6.16(s,1H,vinyl)
上記帰属において、下線を付したHは、当該シグナルが下線を付したHに帰属されることを示す。
グリセリンモノメタクリレートの異性体比率は、以下の異性体1及び2のピークの比をもとに算出した結果、異性体1:異性体2=26.7:73.3であった。
異性体1:4.22−4.28(m,2H,O−CH2−C)
異性体2:4.94(t,1H,J=4.4,4.4,O−CH(CH2OH)2)

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