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技術 車両用天井材の製造方法及びこれに用いる加熱プレス成形型

出願人 株式会社イノアックコーポレーション
発明者 柴田茂高橋和則
出願日 2013年12月9日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2013-254481
公開日 2015年6月22日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2015-112741
状態 特許登録済
技術分野 車両の内装・外装、防音・断熱 プラスチック等の成形用の型
主要キーワード 断面凹溝状 板厚相 仕様要求 たる板 製造装置コスト 天井表面 網状補強材 幾何学的形
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

意匠面にパーティングラインが出ず、使い勝手,作業性に優れ、意匠面側に凸部又は凹部の形状が有りのケースと無しのケースとの二種類の天井材を一つの型で成形対応し得る車両用天井材の製造方法を提供する。

解決手段

雄型1と雌型2とを備えて、基材7に表面材9が積層された積層材6を加熱プレス成形する車両用天井材の製造方法であって、雄型1の成形型面11に沿う板面31と該板面から外方へ延在する域外面36とを有する薄状板3と、板面31と反対側の板表面32上に固着した板片46で形成されるか、板表面32にくり抜き形成されるかした有形表現体4と、を具備する加熱プレス成形型を用いて、型開状態の雄型1と雌型2との間で、有形表現体4を表面材9と対向させ、且つ積層材6とこれよりも雄型1側に置かれる有形表現体4付き薄状板3とをセットした後、型閉じし、その後、加熱プレス成形して天井材本体51の成形と同時に、表面材9側の意匠面5aに有形表現体4による凹形又は凸形の加飾図形55を転写成形する。

概要

背景

自動車等の車両で、ルーフパネルの内側には車両用天井材取付けられている。この天井材に、凹凸形状を付与したものも知られている(例えば特許文献1)。

概要

意匠面にパーティングラインが出ず、使い勝手,作業性に優れ、意匠面側に凸部又は凹部の形状が有りのケースと無しのケースとの二種類の天井材を一つの型で成形対応し得る車両用天井材の製造方法を提供する。雄型1と雌型2とを備えて、基材7に表面材9が積層された積層材6を加熱プレス成形する車両用天井材の製造方法であって、雄型1の成形型面11に沿う板面31と該板面から外方へ延在する域外面36とを有する薄状板3と、板面31と反対側の板表面32上に固着した板片46で形成されるか、板表面32にくり抜き形成されるかした有形表現体4と、を具備する加熱プレス成形型を用いて、型開状態の雄型1と雌型2との間で、有形表現体4を表面材9と対向させ、且つ積層材6とこれよりも雄型1側に置かれる有形表現体4付き薄状板3とをセットした後、型閉じし、その後、加熱プレス成形して天井材本体51の成形と同時に、表面材9側の意匠面5aに有形表現体4による凹形又は凸形の加飾形55を転写成形する。

目的

しかし、特許文献1は、段落0005に記載のごとく「剛性を高め、そのビードの形状を天井材の意匠面に目立たせることなく、見栄えを向上させた車両用天井材」を提供する発明である。天井表面ハイライト線が現れるの防止すべく、その特許請求の範囲に記載のごとく「…天井材の裏面には、断面凹溝状のビードが複数本設けられ」る車両用天井材で、裏面側に凹溝を設ける発明内容にとどまっている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

雄型(1)と雌型(2)とを備えて、基材(7)に表面材(9)が積層された積層材(6)を加熱プレス成形してなる車両用天井材の加熱プレス成形型であって、前記雄型(1)の成形型面(11)に沿う板面(31)と該板面から外方へ延在する域外面(36)とを有する薄状板(3)と、前記板面(31)と反対側の板表面(32)上に固着した板片(46)で形成されるか、又は該板表面(32)にくり抜き形成されるかした有形表現体(4)と、を具備して、該有形表現体(4)を前記表面材(9)と対向させ、且つ前記積層材(6)とこれよりも雄型(1)側に配した有形表現体(4)付き薄状板(3)とを、該雄型(1)と雌型(2)とで挟んで加熱プレス成形して、天井材本体(51)の成形と同時に、表面材(9)側の意匠面(5a)に前記有形表現体(4)による凹形又は凸形の加飾図形(55)が転写成形されることを特徴とする車両用天井材の加熱プレス成形型。

請求項2

前記域外面(36)が在る薄状板(3)の部位に形成される被係止部(36k)を、さらに具備し、該被係止部(36k)を用いて、雄型(1)に有形表現体(4)付き薄状板(3)を着脱自在に取付け固定して、加熱プレス成形する請求項1記載の車両用天井材の加熱プレス成形型。

請求項3

雄型(1)と雌型(2)とを備えて、基材(7)に表面材(9)が積層された積層材(6)を加熱プレス成形する車両用天井材の製造方法であって、前記雄型(1)の成形型面(11)に沿う板面(31)と該板面から外方へ延在する域外面(36)とを有する薄状板(3)と、前記板面(31)と反対側の板表面(32)上に固着した板片(46)で形成されるか、又は該板表面(32)にくり抜き形成されるかした有形表現体(4)と、を具備する加熱プレス成形型を用いて、型開状態の雄型(1)と雌型(2)との間で、前記有形表現体(4)を前記表面材(9)と対向させ、且つ前記積層材(6)とこれよりも該雄型(1)側に置かれる有形表現体(4)付き薄状板(3)とをセットした後、型閉じし、その後、加熱プレス成形して、天井材本体(51)の成形と同時に、表面材(9)側の意匠面(5a)に有形表現体(4)による凹形又は凸形の加飾図形(55)を転写成形することを特徴とする車両用天井材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は車両のルーフパネル内側に配される車両用天井材の製造方法及びこれに用いる加熱プレス成形型に関する。

背景技術

0002

自動車等の車両で、ルーフパネルの内側には車両用天井材が取付けられている。この天井材に、凹凸形状を付与したものも知られている(例えば特許文献1)。

先行技術

0003

特開2010-195261号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、特許文献1は、段落0005に記載のごとく「剛性を高め、そのビードの形状を天井材の意匠面に目立たせることなく、見栄えを向上させた車両用天井材」を提供する発明である。天井表面ハイライト線が現れるの防止すべく、その特許請求の範囲に記載のごとく「…天井材の裏面には、断面凹溝状のビードが複数本設けられ」る車両用天井材で、裏面側に凹溝を設ける発明内容にとどまっている。

0005

従来の天井材は、車室側に面する意匠面がなだらかで一様な面で形成されるものが一般的であり、該意匠面に凹部や凸部で人物動物または幾何学的な加飾図形を描いたものは存在しない。しかるに、車に乗り込めば、車室内から天井材の意匠面を眺めることができ、そこに、人の姿又は物の姿や幾何学的な形状からなる加飾図形が描かれておれば、乗員はそれを見て興じることができ、車両の付加価値が上がる。

0006

ちなみに、天井材5の意匠面5a側に加飾図形からなる凸部55u(又は凹部)の形状を付加しようとする際、従来技術にしたがえば、図11のような凹部R9を有する入れ子Rにするか金型Kに直接彫り込むしかない。
ただ、入れ子仕様の場合は入れ子RのパーティングラインPLが意匠面5aに見える不具合がある。また、入れ子Rが重く、交換に苦労する。一方、金型Kに直接、凹部R9(又は凸部)の形状を彫り込む場合は、その部分が破損した際、修理費用,時間がかかる。また型汚れした場合、汚れを取除くのに苦労し、メンテナンス維持管理厄介になる。さらに、凸部55u(又は凹部)の形状が有りの天井材5と、凸部55u(又は凹部)の形状が無しの天井材とを、造り分けする必要がある場合、二つの金型を用意しなければならない負担を強いられる問題もある。

0007

本発明は、上記問題を解決するもので、意匠面にパーティングラインが出ず、使い勝手,作業性に優れ、さらに意匠面側に凸部又は凹部の形状が有りのケースと無しのケースとの二種類の天井材を、一つの型で成形対応し得る車両用天井材の製造方法及びこれに用いる加熱プレス成形型を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、雄型(1)と雌型(2)とを備えて、基材(7)に表面材(9)が積層された積層材(6)を加熱プレス成形してなる車両用天井材の加熱プレス成形型であって、前記雄型(1)の成形型面(11)に沿う板面(31)と該板面から外方へ延在する域外面(36)とを有する薄状板(3)と、前記板面(31)と反対側の板表面(32)上に固着した板片(46)で形成されるか、又は該板表面(32)にくり抜き形成されるかした有形表現体(4)と、を具備して、該有形表現体(4)を前記表面材(9)と対向させ、且つ前記積層材(6)とこれよりも雄型(1)側に配した有形表現体(4)付き薄状板(3)とを、該雄型(1)と雌型(2)とで挟んで加熱プレス成形して、天井材本体(51)の成形と同時に、表面材(9)側の意匠面(5a)に前記有形表現体(4)による凹形又は凸形の加飾図形(55)が転写成形されることを特徴とする車両用天井材の加熱プレス成形型にある。請求項2の発明たる車両用天井材の加熱プレス成形型は、請求項1で、域外面(36)が在る薄状板(3)の部位に形成される被係止部(36k)を、さらに具備し、該被係止部(36k)を用いて、雄型(1)に有形表現体(4)付き薄状板(3)を着脱自在に取付け固定して、加熱プレス成形することを特徴とする。
請求項3に記載の発明の要旨は、雄型(1)と雌型(2)とを備えて、基材(7)に表面材(9)が積層された積層材(6)を加熱プレス成形する車両用天井材の製造方法であって、前記雄型(1)の成形型面(11)に沿う板面(31)と該板面から外方へ延在する域外面(36)とを有する薄状板(3)と、前記板面(31)と反対側の板表面(32)上に固着した板片(46)で形成されるか、又は該板表面(32)にくり抜き形成されるかした有形表現体(4)と、を具備する加熱プレス成形型を用いて、型開状態の雄型(1)と雌型(2)との間で、前記有形表現体(4)を前記表面材(9)と対向させ、且つ前記積層材(6)とこれよりも該雄型(1)側に置かれる有形表現体(4)付き薄状板(3)とをセットした後、型閉じし、その後、加熱プレス成形して、天井材本体(51)の成形と同時に、表面材(9)側の意匠面(5a)に有形表現体(4)による凹形又は凸形の加飾図形(55)を転写成形することを特徴とする車両用天井材の製造方法にある。

0009

請求項1,3の発明のごとく、積層材(6)とこれよりも雄型(1)側に配した有形表現体(4)付き薄状板(3)とを、該雄型(1)と雌型(2)とで挟んで加熱プレス成形すると、有形表現体で加飾図形(55)が転写成形された天井材が出来る。有形表現体(4)付き薄状板(3)を無しにするか、有形表現体(4)がない薄状板(3)と置き換えれば、加飾図形が存在しない天井材となる。加飾図形が有りと無しの天井材を簡便に造り分けできる。有形表現体付き薄状板は、独立構成部材で軽量化できるので、加飾図形有り無しの仕様変更がスムーズにいき、工数低減につながる。有形表現体(4)を動物,乗物幾何学的形状等の様々な形にする仕様要求があれば、一対の雄型,雌型で、それらに対応する加飾図形が転写成形された複数種類の天井材を提供でき、型製作費を大幅低減できる。有形表現体(4)付き薄状板(3)が雄型,雌型と別体となり、入れ子仕様に比べ軽量であり取扱いに優れる。汚れ,破損の際のメンテナンス性も向上し、また破損時の修理費用も有形表現体(4)付き薄状板(3)のみの修理,交換で済む。
請求項2の発明のごとく、被係止部(36k)を用いて、雄型(1)に有形表現体(4)付き薄状板(3)を着脱自在に取付け固定すると、加飾図形付き天井材の成形が一層容易になる。雄型に有形表現体付き薄状板を取付け固定しているので、有形表現体付き薄状板と雌型とで積層材だけを挟み、加熱プレス成形して加飾図形付き天井材を造ることができる。

発明の効果

0010

本発明の車両用天井材の製造方法及びこれに用いる加熱プレス成形型は、意匠面側に凸部又は凹部の形状が有りのケースと、無しのケースと、の二種類の天井材を、一つの雄型,雌型で成形対応可能であり、製造装置コストを大幅に下げることができる。また使い勝手,作業性に優れ、さらに意匠面に入れ子を用いた時に現れるパーティングラインの不具合もなく、数々の優れた効果を発揮する。

図面の簡単な説明

0011

実施形態1で、加熱プレス成形型の雄型,雌型,有形表現体付き薄状板の分解説明断面図である。
図1の有形表現体付き薄状板を雄型に取付け固定した説明断面図である。
型開状態下、積層材とこれよりも雄型側に置かれる有形表現体付き薄状板とをセットする説明断面図である。
図3の後、型閉じし、加熱プレス成形する説明断面図である。
図4の後、脱型の様子を示す説明断面図である。
(イ)が雄型に別態様の有形表現体付き薄状板を取付け、雌型から雄型を見た平面図、(ロ)が(イ)の有形表現体付き薄状板の平面図である。
実施形態2で、(イ)が有形表現体付き薄状板の平面図、(ロ)が(イ)の有形表現体付き薄状板の縦断面図である。
型開状態下、積層材とこれよりも雄型側に置かれる有形表現体付き薄状板とをセットする説明断面図である。
図8の後、型閉じし、加熱プレス成形する説明断面図である。
図9の後、脱型の様子を示す説明断面である。
従来技術の説明断面図である。

実施例

0012

以下、本発明に係る車両用天井材の製造方法及びこれに用いる加熱プレス成形型について詳述する。
(1)実施形態1
図1図6は本発明の車両用天井材の製造方法及びこれに用いる加熱プレス成形型の一形態で、図1は雄型,雌型,有形表現体付き薄状板の分解説明断面図、図2図1の有形表現体付き薄状板を雄型に取付け固定した説明断面図、図3は型開状態下、積層材とこれよりも雄型側に置かれる有形表現体付き薄状板とをセットする説明断面図、図4図3の後、型閉じし、加熱プレス成形する説明断面図、図5図4の後、脱型の様子を示す説明断面図、図6は他態様の有形表現体付き薄状板の平面図を示す。各図では、図面を判り易くするため簡略図示すると共に、薄状板3の板厚,有形表現体4の板片46の厚み等を強調して大きく描く。また断面を表示するハッチング図示を適宜省略する。

0013

(1a)加熱プレス成形型
車両用天井材5の加熱プレス成形型Tは、一対の雄型1,雌型2と薄状板3と有形表現体4とを具備する(図1)。硬質発泡体等からなる基材7に接着剤用バインダを付与して表面材9が積層された図3ごとくの積層材6を、加熱プレス成形してなる車両用天井材5の加熱プレス成形型Tである。本実施形態は、図2のようなクマの姿をかたどった有形表現体4を用いて、天井意匠面5aに、クマの姿をそのまま転写成形させた凹形加飾図形55が描かれる天井材5の製造用加熱プレス成形型Tとする。

0014

雄型1は、図1ごとくの凸状膨出部がある成形型面11を有する上型で、該成形型面11が湾曲した天井材5の意匠面5a側を形成する。雄型1には、雌型2と対向する成形型面11の区域Zから、これよりも外方へ延在する型合せ面たる区域外型面16が設けられる。区域外型面16が雌型2に対し成形型面11よりも後退しており、該区域外型面16には薄状板3を取付けるための係合部たる雌ねじ孔16nが複数穿設される。雄型1内に成形型面11を加温する加熱手段(図示せず)を備える。符号Mはキャビティ側の面を成形型面11と面一にして雄型1に埋設される永久磁石を示す。ここでは図3のみに永久磁石Mを図示して、他は省略する。

0015

雌型2は、図1のごとく湾曲状に凹む成形型面21を有する下型で、該成形型面21が車両のルーフパネル内側に対向する天井材5の裏面5b側を形成する。雌型2内に成形型面21を加温する加熱手段(図示せず)を備える。この雌型2と前記雄型1の両成形型面11,21間のキャビティにセットされた前記積層材6を、加熱手段で加温すると共に、雄型1,雌型2のプレス成形圧縮硬化させれば、意匠面5a側がなだらかで一様な面を形成する汎用天井材を造れるようになっている。符号26nは雄型1のねじ孔16nに対向する雌型2側の区域外型面26に設けた凹所で、図1,図2のみに図示する。型閉じ時、該凹所26nに薄状板3の取付け用ボルトB(後述)の頭部を収容する。

0016

薄状板3は、雄型1の成形型面11に沿う板面31と、成形型面11の区域Z外に在る区域外型面16に対応させて、該板面31から外方へ延在する域外面36と、を有する皿状薄板である。図1で、符号Z3は成形型面11の区域Zに相対する板面31の区域を示す。薄状板3は、鉄,ニッケル,コバルト及びその合金などのように磁石に強く引き付けられる強磁性体からなる薄板をプレス加工した金属製部材である。本発明の主要構成部材で、その板厚tを1mm程度の薄さとする。

0017

本実施形態の薄状板3は、中央に雄型1の成形型面11に当接する湾曲状の板面31と、該板面31から外方へ延在して雄型1の区域外型面16に当接させ得る略平坦な域外面36と、を有する。そして、域外面36が在る薄状板3の部位に被係止部36kたる通孔を穿設し、該通孔を用いて、雄型1に着脱自在に取付け固定できる薄状板3とする。
薄状板3の板面31を雄型1の成形型面11に合わせ、域外面36を区域外型面16に合わせると、通孔36kに対応する位置に前記雌ねじ孔16nが配されている。通孔36kにボルトBを貫通させ雌ねじ孔16nに螺着することで、薄状板3が雄型1に螺着固定される(図2)。薄状板3を雄型1に取付け固定すると、雄型1と当接する薄状板3の板面31が成形型面11の全域を覆って成形型面11に密着する。前記磁石Mが配設されていると、薄状板3が成形型面11の全域に亘ってより確実に密着保持され、一層好ましくなる。
雄型1の成形型面11へ該薄状板3を取付けた場合は、雌型2の成形型面21と対向する薄状板3の板表面32が、雌型2の成形型面21とで天井材5用のキャビティを形成する。符号32aは板表面32がつくる天井面形成部分、符号32bは深絞り形成部分を示す。この薄状板3の板表面32に、有形表現体4が設けられる。

0018

有形表現体4は、板面31と反対側の板表面32上に固着した板片46で形成されるか、又は該板表面32にくり抜き形成されるかした人の姿又は物の姿、もしくは幾何学的な形状からなる有形の二次元表現物形成体である。図1に示す板片46の上面が平坦な板片面46mによる二次元的形状か、実施形態2で示すくり抜き形成された孔又は穴による二次元的形状が、人の姿又は物の姿もしくは幾何学的な形となる。ここで、「人の姿」には擬人,アニメ等の登場人物を含む。「物の姿」とは、動植物、乗物、又は建物を有形の外見姿にかたどったもので、車室側から天井材5を見たとき、二次元的表現になっているその物の全体的又は顔などの部分的な形をいう。

0019

本実施形態の有形表現体4は板片46からなる。板片46により天井材5の意匠面5aに凹部55cができ、凹部55cの開口面が形成する二次元形状が、人や物または幾何学的な二次元的表現物をつくる。板片46は前記薄状板3に固着され、有形表現体4付き薄状板3となる。図2の左側に図示した有形表現体4付き薄状板3はその平面図で、雄型1に取付けた後、雌型2側から雄型1を見た図になっている。板片46の平面視形状たる板片面46mの形を図2のごとく動物のクマの姿にして、天井材5の加熱プレス成形時に、板片46の区域が板厚hの相当分を、その周りの天井材意匠面5aよりも凹ませ、クマの姿をした図5の凹形加飾図形55が描かれるようにしている。

0020

板片46の板厚hは0.8mm〜1.6mmの範囲が好ましい。0.8mm以上あれば、加熱プレス成形後のスプリングバックがあっても、車室内から凹形の加飾図形55を十分視認できるからである。一方、1.6mm以下であれば、天井材5の製造が円滑に進み、且つ天井材5を構成する発泡体等の基材7が一般に4mm以上ある厚みからして、凹部55cの形成に支障をきたすことはないからである。車室内から見る天井材5は陰になっているので見やすく、クマの加飾図形55になる凹部55cの深さは0.6mmもあれば足りる。図1の円内拡大図のごとく、板片46の側壁461は、その周りの板表面32に垂直起立させ、特に側壁461の基端部分とその周りの板表面32とで角部が形成されるのが好ましい。凹形加飾図形55にシャープな輪郭を出せるからである。尚、図2は図面左方向が車両進行方向を示し、板片面46mがクマの形をした板片46を薄状板3に8個(複数)設けるが、一個でも勿論よい。

0021

斯かる加熱プレス成形型Tを使って、有形表現体4を積層材6の表面材9と対向させ、且つ積層材6とこれよりも雄型1側に配した有形表現体4付き薄状板3とを、雄型1と雌型2とで挟んで加熱プレス成形する。天井材本体51の成形と同時に、表面材9側の意匠面5a上に有形表現体4による凹形の加飾図形55が付与される加熱プレス成形型Tになっている。
本実施形態は、既述のごとく雄型1に有形表現体4付き薄状板3を着脱自在に取付け固定している。そのため、有形表現体4を積層材6に係る表面材9の意匠面9aと対向させ、有形表現体4付き薄状板3と雌型2とで積層材6を挟んで加熱プレス成形する加熱プレス成形型Tとなる。加飾図形55が追加されても、成形作業の負担増につながらない楽な加熱プレス成形型Tになっている。

0022

図6図1図5とは異なる他態様の有形表現体4付き薄状板3を用いた加熱プレス成形型Tを示す。図1図5では、雄型1への有形表現体4付き薄状板3の取付けによって、薄状板3で雄型1の成形型面11の全域が覆われる加熱プレス成形型Tを示したが、図6は薄状板3で雄型1の成形型面11の車両前後方向の一定幅だけ覆う加熱プレス成形型Tを示す。車両後部寄り車幅方向を横切る一定幅の帯幅からなる薄状板3を採用する。図6(イ)は雄型1に薄状板3が取付けられており、板面31と反対側の板表面32が現れている。雄型1の車両後部寄り成形型面11の領域に沿う板面31と、該板面31から車幅方向に延びて、成形型面11の区域Z外に延在する域外面36と、を有する薄状板3とする。加熱プレス成形された天井材5には、薄状板3がある部分と無い部分との境界段差ができるが、該段差はデザインとして扱われる。符号11aは成形型面11がつくる天井面形成部分、符号11bは深絞り部分の形成部分を示す。
他の構成は図1図5と同様で、その説明を省く。図6で、図1図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。

0023

(1b)車両用天井材の製造方法
車両用天井材5の製造方法は、雄型1と雌型2とを備える加熱プレス成形型Tに積層材6を仕込んで、加熱,加圧して成形する。発泡体等からなる基材7に表面材9が積層された積層材6を、加熱プレス成形する車両用天井材5の製造方法である。図1図5の前記加熱プレス成形型Tを用いて、例えば次のようにして天井材5を成形する。
天井材5の成形に先立ち、前述した一対の雄型1,雌型2と有形表現体4付き薄状板3とを備える加熱プレス成形型Tを準備する(図1,図2)。また、天井材5に成形する被成形素材たる積層材6が用意される。

0024

実施例の積層材6は、硬質発泡体からなるシート状基材7に、表面材9が積層されたシート状体である。詳しくは、図3の円内拡大図に示すごとく、基材7を補強材8でサンドイッチ状に挟み、さらに意匠面5a側になる補強材8上に表面材9を載置した積層材6である。基材7は、例えば硬質ポリウレタン発泡体からなり、4mm〜6mm程の厚みがある板状体とする。硬質ポリウレタン発泡体は、一般に独立気泡からなり、圧縮力に対して可塑変形し、その変形に対する復元性が小さい発泡体である。基材7に接着剤としてMDI等のポリイソシアネート含浸され、さらに該接着剤の硬化を促進するアミン水スプレー塗布されており、加熱と共に基材7,補強材8,表面材9が接着されるようになっている。本実施形態は、基材7の両面にガラス繊維製網状補強材8が載置され、さらに意匠面側になる補強材8上には、ポリエステル繊維からなる不織布等の布地製表面材9が載置されて、積層材6が形づくられる。

0025

車両用天井材5の製造方法は、図1図5の各工程を経て、天井材5の製品を造っていく。
まず、有形表現体4を前記表面材9と対向させ、且つ型開状態の雄型1と雌型2との間に、積層材6とこれよりも雄型1側に置かれる有形表現体4付き薄状板3とをセットする。ここでは、予め有形表現体4付き薄状板3を雄型1に取付け固定しておく(雄型への有形表現体付き薄状板の取付け工程)。
雄型1の区域外型面16に設けた雌ねじ孔16nに、有形表現体4付き薄状板3の通孔36kを合わせる。そして、通孔36kを貫通させたボルトBを雌ねじ孔16nに螺着し、薄状板3が成形型面11を覆うようにして、雄型1に有形表現体4付き薄状板3を取付け固定する(図2)。この取付け固定で、薄状板3の板面31が成形型面11に当接し、薄状板3の板表面32上で、有形表現体4が雌型2へ向け突出する。

0026

次いで、図3の型開状態下、準備した所定大きさの積層材6を雄型1と雌型2の間にセットする(積層材のセット工程)。詳しくは、有形表現体4を表面材9と対向させ、且つ積層材6とこれよりも雄型1側に置かれる有形表現体4付き薄状板3とをセットする。雄型1に有形表現体4付き薄状板3を既に取付け固定しているので、有形表現体4付き薄状板3と雌型2の間に積層材6を配設セットするだけになる。図3のごとく、薄状板3の板表面32よりも突出隆起した有形表現体4たる板片46の板片面46mに、積層材6を構成する表面材9が向き合うようにセットする。

0027

続いて、雄型1を下降させて型閉じし(型閉じ工程)、その後、図4のごとく雄型1と雌型2とで積層材6,有形表現体4付き薄状板3を挟んで、加熱プレス成形に移行する。天井材本体51の成形と同時に、表面材9側の意匠面5a上に有形表現体4による凹形の加飾図形55を成形する(加熱プレス成形工程)。雄型1に有形表現体4付き薄状板3を取付け固定しているので、該有形表現体4付き薄状板3と雌型2とで積層材6を挟んで加熱プレス成形することにもなる。天井材本体51の成形と同時に、表面材9側の意匠面5aに加飾図形55を転写成形する。硬質ポリウレタン発泡体からなる基材7が加熱プレス成形で可塑変形し、この変形に補強材8,表面材9も追随変形して、加飾図形55付き天井材5の形に成形される。積層材6から加熱プレス成形された天井材5の意匠面5aに、薄状板3上に設けたクマの姿にかたどった板片46で、そのクマの姿どおりの凹形加飾図形55が転写成形される。

0028

加熱プレス成形を終え、硬質発泡体からなる基材7を有する積層材6から天井材5への成形硬化を確認後、該天井材5を取り出す(製品脱型工程)。雄型1を上動させて加熱プレス成形型Tを型開し、天井材5を脱型する。しかる後、不要部56,バリ59を取り除いて、表面材9側の意匠面5aに有形表現体4による凹形の加飾図形55を成形した所望の天井材5を得る。
後は、前記積層材6のセット工程から製品脱型工程までを繰り返し、意匠面5aに有形表現体4による凹形の加飾図形55が付与された天井材5を順次製造していく。

0029

(2)実施形態2
実施形態1が意匠面5aに凹形の加飾図形55を設けた天井材5であったのに対し、本実施形態は意匠面5aに凸形の加飾図形55を設けた車両用天井材5の製造方法及びこれに用いる加熱プレス成形型Tとする。図7は(イ)が有形表現体付き薄状板の平面図、(ロ)が(イ)の縦断面図、図8は型開状態下、積層材とこれよりも該雄型側に置かれる有形表現体付き薄状板とをセットする説明断面図、図9図8の後、型閉じし、加熱プレス成形する説明断面図、図10図9の後、脱型の様子を示した説明断面図である。

0030

(2a)加熱プレス成形型
本実施形態は、有形表現体4を、薄状板3の板表面32にくり抜き形成された人の姿又は物の姿もしくは幾何学的な形状からなる有形の二次元的表現物の形成体とする。板片46は存在しない。有形表現体4が板表面32に直接くり抜き形成された有形表現体4付き薄状板3となる。有形表現体4は、図7のごとく薄状板3を貫通させて、貫通孔40の形をクマの形にかたどった二次元的表現物の形成体とする。天井材5の加熱プレス成形時に、貫通孔40の孔域で、薄状板3の板厚相当分をその周りの天井材意匠面5aよりも隆起させ、クマの姿をした図10の凸形加飾図形55を描くようにしている。薄状板3の板厚tは約1mmであり、加熱プレス成形後のスプリングバックがあっても、車室内から凸形の加飾図形55を十分視認できる。貫通孔50はレーザ加工機等で孔開け形成するのが好ましい。切り口がシャープなエッジになり、加飾図形55の輪郭を鮮明に出せるからである。他の構成は、実施形態1と同様で、その説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。

0031

(2b)車両用天井材の製造方法
天井材5の成形に先立ち、一対の雄型1,雌型2と、有形表現体4をくり抜き形成した既述の有形表現体4付き薄状板3と、を具備する加熱プレス成形型Tを準備する(図7)。天井材5の製造にあたって、予め有形表現体4付き薄状板3を雄型1に取付け固定しておく(雄型への有形表現体付き薄状板の取付け工程)。

0032

次いで、図8の型開状態下、雄型1、詳しくは有形表現体4付き薄状板3と、雌型2との間に、準備した所定大きさの積層材6をセットする(積層材のセット工程)。続いて、雄型1を下降させて型閉じし(型閉じ工程)、その後、図9のごとく雄型1と雌型2とで積層材6,有形表現体4付き薄状板3を挟んで加熱プレス成形へと移行させる。天井材本体51の成形と同時に、表面材9側の意匠面5a上に有形表現体4による凸形の加飾図形55を成形する(加熱プレス成形工程)。積層材6から加熱プレス成形された天井材5の意匠面5aに、くり抜き孔40の有形表現体4によりそのクマの姿どおりの凸部55uの加飾図形55を転写成形する。

0033

加熱プレス成形を終え、天井材5を取り出す(製品脱型工程)。しかる後、不要部56,バリ59を取り除いて、表面材9側の意匠面5aに有形表現体4による凸形の加飾図形55を成形した所望の天井材5を得る。他の構成は、実施形態1と同様で、その説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。

0034

(3)効果
このように構成した車両用天井材の製造方法及びこれに用いる加熱プレス成形型によれば、一対の雄型1,雌型2を利用して、意匠面5aに凸部55u又は凹部55cの加飾図形55が有りの天井材5と、無しの天井材5とを、簡単に造り分けできる。二つの加熱プレス成形型Tを用意しなければならなかったこれまでのコストを鑑みれば、大幅なイニシャルコスト減になる。
積層材6とこれよりも雄型1側に配した有形表現体4付き薄状板3とを、該雄型1と雌型2とで挟んで加熱プレス成形すれば、意匠面5aに有形表現体4による凹形又は凸形の加飾図形55が転写成形された天井材5を得る。有形表現体4付き薄状板3に代え、薄状板3のみにすれば、加飾図形55が無しの天井材5を容易に製造できる。薄状板3がスペーサになるが、薄状板3の厚みtが薄いので、薄状板3を無しにして、一対の雄型1,雌型2だけを用いて、加飾図形55が無しの天井材5を造ってもよい。

0035

また、有形表現体4を種々変えた有形表現体4付き薄状板3を準備すれば、一対の雄型1,雌型2を用意するだけで、様々な種類の加飾図形55を有する天井材5を安価に製造できる。自分の好きな人の姿又は物の姿からなる有形表現体4で転写成形された加飾図形55が天井材意匠面5aに設けられると、車に対する愛着が強まる。子供達が好きな加飾図形55であれば、車両走行中などでも退屈せず、楽しく乗車できる。

0036

さらに、有形表現体4付き薄状板3が薄い鉄板等のプレス加工品であるので、図11の入れ子Rと違って、軽量化でき使い勝手が良く、その交換作業等も円滑に進めることができる。入れ子Rを用いた時のように、天井意匠面5aにパーティングラインPLが現れてしまう不具合もない。また直接掘り込む場合と違って、破損した場合の修理が楽になる。汚れた場合も、有形表現体4付き薄状板3を取外せるので、汚れを簡単に取り去ることができる。

0037

加えて、域外面36が在る薄状板3の部位に形成される被係止部36kを、さらに具備し、該被係止部36kを用いて、雄型1に有形表現体4付き薄状板3を着脱自在に取付け固定して、積層材6を加熱プレス成形すると、天井材5の成形が楽になる。雄型1に有形表現体4付き薄状板3を取付け固定しているので、型開時でのセットで、有形表現体4付き薄状板3と雌型2の間に積層材6を配設セットするだけで足りる。

0038

尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。雄型1,雌型2,薄状板3,有形表現体4,天井材5,積層材6等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。本実施形態では、基材7に硬質発泡体を用いたが、ポリプレンポリエチレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂繊維の集合体中にガラス繊維混入して固めたものを基材として使用してもよい。また本実施形態は動物のクマの姿をかたどった有形表現体4を用いたが、例えば他の動物、さらに乗物や建造物の姿をかたどった有形表現体4を用いることができる。

0039

1雄型
11成形型面
2雌型
3 薄状板
31 板面
32 板表面
36 域外面
36k 被係止部(通孔)
4有形表現体
40 くり抜き孔(貫通孔)
46板片
5a意匠面
51天井材本体
55加飾図形
6積層材
7基材
9表面材
T加熱プレス成形型

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