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技術 静電容量型トランスデューサおよび被検体情報取得装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 添田康宏
出願日 2013年12月9日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2013-254085
公開日 2015年6月22日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2015-112141
状態 未査定
技術分野 超音波診断装置 超音波変換器
主要キーワード 電気エレメント 送信エレメント 基板電極パッド ボックス層 メンブレン層 受信エレメント 電気パッド 略真空
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図面 (6)

課題

漏れパルスマッチング回路により吸収され、共通電極の端部などで反射する量が減少して、エレメント間クロストークを小さくすることができる静電容量型トランスデューサなどを提供する。

解決手段

静電容量型トランスデューサは、間隙110を隔てて形成された一対の電極105、113のうちの一方の電極を含む振動膜振動可能に支持された構造のセル104を有するエレメントを備える。一対の電極のうち、バイアス電位が与えられる電極113に電気的に繋がる少なくとも1か所のパッド108bにマッチング回路103が接続されている。

概要

背景

超音波画像診断では、体内での超音波などの音響波(以下、超音波で代表することもある)の伝播の様子から体内の組織構造イメージングなどを行う。尚、本明細書において、音響波とは、音波、超音波、光音響波と呼ばれるものを含み、光音響波は、被検体内部に可視光線赤外線等の光(電磁波)を照射して被検体内部で発生するものである。例えば、体表り体内に向けて超音波を送信し、生体内での反射波を体表にて受信する超音波診断装置がある。診断装置は、受信した超音波信号振幅到達時刻をもとに画像を構成する。超音波診断装置の要である超音波の送信操作受信動作には、超音波プローブが使用される。超音波プローブの内部には、超音波トランスデューサが配置されていて、電気信号を超音波に変換する機能、あるいは超音波を電気信号に変換する機能を担う。

超音波トランスデューサには、従来、圧電効果を利用したものが利用されてきたが、近年、静電容量型研究開発も盛んである。静電容量型超音波トランスデューサは、キャビティと呼ばれる略真空に維持された空間とその空間を挟むように設けられた2つの電極などで構成される。2つの電極のうち一方の電極は、メンブレンに固定され振動可能に保持されている。超音波振動によってメンブレンが振動して、2つの電極間の距離が変化すると、静電容量の変化が生じる。2つの電極間に電圧印加しておくと、静電容量の変化を電流信号として取り出すことができる(超音波受信動作)。また、2つの電極間に電圧を加えると、2つの電極間に静電引力が生じる。加える電圧の大きさを時間で変化させることでメンブレンを振動させることができる(超音波送信動作)。1つのキャビティと2つの電極からなる静電容量型トランスデューサ構成単位を、セルと呼ぶ。複数のセルは、ある一定数毎に電気的に並列接続される。接続された複数のセルは、1つの変換素子として働く。この電気的な構成単位を、エレメントと呼ぶ。

静電容量型超音波トランスデューサのうち、半導体微細加工技術を応用して作製したものを、CMUT(Capasitive−Micromachined−Ultrasonic−Transducer)と呼ぶ。特許文献1は、CMUTに係る技術を開示している。CMUTは複数のエレメントを高密度に配置することが可能であり、超音波診断装置のニーズである高画質化の手段に適している。

超音波診断装置の高画質化のためには、超音波プローブより送信される超音波の音圧分布が、超音波の送信信号に対して忠実であることが重要である。超音波診断装置では、観察する体内の位置や必要な空間分解能に応じて超音波の送信音圧分布を適切に調整する必要がある。しかし、実際の音圧分布を直接的に測ることは困難であるため、超音波プローブの特性から逆算した送信パルスを入力することで音圧分布を決定している。超音波プローブの送信特性が逆算時と異なる場合は、必要な音圧分布が得られないことになり、これらは、アーチファクト虚像)の一因となる。

概要

漏れパルスマッチング回路により吸収され、共通電極の端部などで反射する量が減少して、エレメント間クロストークを小さくすることができる静電容量型トランスデューサなどを提供する。静電容量型トランスデューサは、間隙110を隔てて形成された一対の電極105、113のうちの一方の電極を含む振動膜が振動可能に支持された構造のセル104を有するエレメントを備える。一対の電極のうち、バイアス電位が与えられる電極113に電気的に繋がる少なくとも1か所のパッド108bにマッチング回路103が接続されている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

間隙を隔てて形成された一対の電極のうちの一方の電極を含む振動膜振動可能に支持された構造のセルを有するエレメントを備えた静電容量型トランスデューサであって、前記一対の電極のうち、バイアス電位が与えられる電極に電気的に繋がる少なくとも1か所のパッドマッチング回路が接続されていることを特徴とする静電容量型トランスデューサ。

請求項2

前記マッチング回路を介して前記バイアス電位が前記パッドに与えられることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項3

前記マッチング回路は、前記バイアス電位が与えられる電極を含むエレメントないしエレメント群マッチングしていることを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項4

前記マッチング回路は、抵抗、容量、コイルのうちすくなくとも1つ以上を含む回路であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項5

前記マッチング回路は、抵抗、容量、コイルのうちすくなくとも2つ以上の直列または並列接続からなることを特徴とする請求項4に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項6

前記マッチング回路は、前記バイアス電位が与えられる電極の辺縁部に電気的に接続されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項7

前記マッチング回路は、当該トランスデューサが形成されている基板の面と対向する反対側の面で、電気的に接続されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。

請求項8

請求項1から7の何れか1項に記載の静電容量型トランスデューサと、処理部とを有し、前記トランスデューサは、被検体からの音響波を受信して電気信号に変換し、前記処理部は、前記電気信号を用いて前記被検体の情報を取得することを特徴とする被検体情報取得装置

技術分野

0001

本発明は、超音波診断装置などに使用される超音波変換素子などとして用いられる静電容量型トランスデューサ、それを用いた被検体情報取得装置等に関する。

背景技術

0002

超音波画像診断では、体内での超音波などの音響波(以下、超音波で代表することもある)の伝播の様子から体内の組織構造イメージングなどを行う。尚、本明細書において、音響波とは、音波、超音波、光音響波と呼ばれるものを含み、光音響波は、被検体内部に可視光線赤外線等の光(電磁波)を照射して被検体内部で発生するものである。例えば、体表り体内に向けて超音波を送信し、生体内での反射波を体表にて受信する超音波診断装置がある。診断装置は、受信した超音波信号振幅到達時刻をもとに画像を構成する。超音波診断装置の要である超音波の送信操作受信動作には、超音波プローブが使用される。超音波プローブの内部には、超音波トランスデューサが配置されていて、電気信号を超音波に変換する機能、あるいは超音波を電気信号に変換する機能を担う。

0003

超音波トランスデューサには、従来、圧電効果を利用したものが利用されてきたが、近年、静電容量型研究開発も盛んである。静電容量型超音波トランスデューサは、キャビティと呼ばれる略真空に維持された空間とその空間を挟むように設けられた2つの電極などで構成される。2つの電極のうち一方の電極は、メンブレンに固定され振動可能に保持されている。超音波振動によってメンブレンが振動して、2つの電極間の距離が変化すると、静電容量の変化が生じる。2つの電極間に電圧印加しておくと、静電容量の変化を電流信号として取り出すことができる(超音波受信動作)。また、2つの電極間に電圧を加えると、2つの電極間に静電引力が生じる。加える電圧の大きさを時間で変化させることでメンブレンを振動させることができる(超音波送信動作)。1つのキャビティと2つの電極からなる静電容量型トランスデューサの構成単位を、セルと呼ぶ。複数のセルは、ある一定数毎に電気的に並列接続される。接続された複数のセルは、1つの変換素子として働く。この電気的な構成単位を、エレメントと呼ぶ。

0004

静電容量型超音波トランスデューサのうち、半導体微細加工技術を応用して作製したものを、CMUT(Capasitive−Micromachined−Ultrasonic−Transducer)と呼ぶ。特許文献1は、CMUTに係る技術を開示している。CMUTは複数のエレメントを高密度に配置することが可能であり、超音波診断装置のニーズである高画質化の手段に適している。

0005

超音波診断装置の高画質化のためには、超音波プローブより送信される超音波の音圧分布が、超音波の送信信号に対して忠実であることが重要である。超音波診断装置では、観察する体内の位置や必要な空間分解能に応じて超音波の送信音圧分布を適切に調整する必要がある。しかし、実際の音圧分布を直接的に測ることは困難であるため、超音波プローブの特性から逆算した送信パルスを入力することで音圧分布を決定している。超音波プローブの送信特性が逆算時と異なる場合は、必要な音圧分布が得られないことになり、これらは、アーチファクト虚像)の一因となる。

先行技術

0006

米国特許6958255号

発明が解決しようとする課題

0007

忠実な音圧分布を再現するためには、送信パルスに対する超音波プローブ内でのエレメント間クロストークを低くする必要がある。エレメント間のクロストークによって、あるエレメントに入力された送信パルスが他のエレメントにも伝播して超音波となり、音圧分布を乱すからである。エレメント間のクロストークの経路の1つに、信号電極エレメント毎絶縁されている側の電極)から入力された信号が共通電極側に漏れて(漏れパルスと記す)共通電極を伝播するものがある。共通電極の端面に達した漏れパルスは、反射して再び共通電極内を伝播することがある。これによって、漏れパルスは増大して、クロストークを大きくすることがある。

課題を解決するための手段

0008

上述の課題に鑑み、本発明の静電容量型トランスデューサは、間隙を隔てて形成された一対の電極のうちの一方の電極を含む振動膜が振動可能に支持された構造のセルを有するエレメントを備えた静電容量型トランスデューサであって、前記一対の電極のうち、バイアス電位が与えられる電極に電気的に繋がる少なくとも1か所のパッドマッチング回路が接続されている。

発明の効果

0009

本発明によって、共通電極(バイアス電位が与えられる電極)の端面などに達した漏れパルスは、マッチング回路により吸収され、共通電極の端部などで反射する量が減少する。従って、電気エレメント間のクロストークを小さくすることができる。

図面の簡単な説明

0010

本発明の実施例1を説明する図。
本発明の実施例1の電気回路を説明する図。
本発明の実施例2を説明する図。
本発明の実施例3を説明する図。
本発明の静電容量型トランスデューサを使った被検体情報取得装置の説明図。

実施例

0011

本発明では、セルの一対の電極のうち、バイアス電位(基準電位)が与えられる電極に電気的に繋がる少なくとも1か所のパッドにマッチング回路が接続されている。こうして、共通電極の少なくとも1か所を、マッチング回路を使って基準電位に接続する。例えば、超音波プローブの送信動作において、送信パルスに対して忠実な音圧分布を再現するためには、前述した様に、送信パルスに対する超音波プローブ内でのエレメント間のクロストークを低くする必要がある。エレメント間のクロストークの経路の1つに、信号電極から入力された信号が、共通電極側に漏れて共通電極を伝播するものがある。共通電極の端面に達した漏れパルスは、反射して再度共通電極内を伝播することによって、漏れパルスは増大して、クロストークを大きくすることがある。本発明の構成は、こうした課題を解決するものである。マッチング回路は、典型的には、静電容量型トランスデューサの駆動周波数において、該トランスデューサ複素インピーダンスとマッチング回路の複素インピーダンスとが互いに共役の関係となるように、その複素インピーダンスを決定する。例えば、マッチング回路は、抵抗、容量、コイルのうちすくなくとも1つ以上を含む回路であり、更に具体的には、抵抗、容量、コイルのうちすくなくとも2つ以上の直列または並列接続(例えば、コイルと抵抗との直列接続)からなる。ただし、マッチング回路としては、静電容量型トランスデューサの駆動周波数において、該トランスデューサの複素インピーダンスとマッチング回路の複素インピーダンスとが互いにほぼ共役の関係となるように、その複素インピーダンスを決定したものでもよい。

0012

以下、図と共に本発明の実施の形態を説明する。
(実施例1)
図1(a)および(b)は本発明の実施例1を説明する図である。図1(a)は上面図、図1(b)はA—A’断面図である。図1(a)は、説明のため、一部の構成要素(上部電極105等)を透視図とした。なお、以降の説明では、同一機能個所あるいは同一機能の構成要素には同一の番号を付す。また、同一機能の構成要素が複数あるもので、対応が明らかな構成要素には付番を省略する。

0013

図1は、プリント配線基板101、チップ102、マッチング回路103を含む構成を示す。プリント配線基板101の上面に、チップ102とマッチング回路103とが実装されている。チップ102は、静電容量型超音波トランスデューサのチップであり、図1(a)の平面上の縦方向に2つのエレメント、横方向に3つのエレメントを配置した例を示す。それぞれのエレメントには、縦横3つのセル104が2次元配置されている。また、チップ102は、上電極105a〜105f(それぞれを区別しない場合は上電極105と記す。その他の構成要素も同様に記す)、上電極パッド106a〜106f、基板電極パッド107a、107b、下電極パッド108a、108bを含む。

0014

チップ102の断面は、図1(b)に示すように積層構造となっており、断面図下方向より、基板115、第1の絶縁層114、下電極113、第2の絶縁層112、メンブレン層111、キャビティ(間隙)110、上部電極105が設けられる。チップ102の静電容量型超音波トランスデューサは、基板115の上に形成される。基板115は例えば単結晶シリコン基板である。第1の絶縁層114は、下電極113と基板115とを絶縁するための絶縁層であり、基板115が単結晶シリコンの場合は、熱酸化膜が好適である。なお、基板115がガラス基板などの非導電性材料で構成される場合は、第1の絶縁層114は不要である。

0015

本実施例では、キャビティ110は、略真空に維持された空間であり、第2の絶縁層112と第3の絶縁層(メンブレン層111)との間の一部に設けられる。キャビティ110が設けられた箇所のメンブレン層111と上部電極105は振動膜を構成し、断面図の上下方向に振動可能に支持されるため、背景技術で説明した超音波送信動作および超音波受信動作が可能となる。なお、このような構造は、Crなどの金属材料成膜して、これをキャビティ110の形状にパターニングしておき、その上にCVD(化学気相成長法)を使ってシリコン窒化膜を成膜した後に、前記金属材料を除去することで作製することができる。

0016

基板電極パッド107は、基板115と電気的な接続を取るためのパッドである。例えば、レジストマスクを使った部分的エッチングにより、基板115の表面を部分的に露出させた箇所に、Al等の金属材料を表面に成膜してパターニングすることで、このような電極パッドを形成することができる。なお、基板115がガラス基板などの非導電性材料で構成される場合は、基板電極パッド107は省略される。下電極パッド108aと下電極パッド108bは、下電極113と電気的な接続を取るためのパッドである。下電極パッド108は、基板電極パッド107と同様の技術によって形成することができる。

0017

プリント配線基板101には、チップ102の送信動作や受信動作を行うための、信号処理回路や、電気的な基準電位の配線が設けられる。電気パッド116a〜116fは、送受信動作を行う回路が接続される(回路の図示は省略する)。配線117には、チップ102の一方の電極(ここでは下電極113)に供給する電位が与えられている。配線118はグランド電位である。電気パッド116とチップ102の上部電極パッド106とは、ワイヤボンディング109を介して電気的に接続される。同様に、配線117と下電極パッド108とが、配線118と基板電極107とが、ワイヤボンディング109を介して電気的に接続される。なお、これらの電気的な接続は、ワイヤボンディングに限る必要はなく、電気的に接続が確保できればよい。例えば、金属の薄膜による接続であったり、導電性ペーストによる接続であったり、異方性導電ペーストや異方性の導電シートなども利用可能である。

0018

マッチング回路103には2つの端子があり、その一端がプリント配線基板101上の電極パッド112を介してチップ102の下電極パッド108bに電気的に接続される(電極パッド112上の接続点を点B’と記す)。他端は、プリント配線基板101上の配線117に電気的に接続されている(接続点を点Bと記す)。図2に示すように、点B’の電気接続開放としたときの、点B−点B’からチップ102側をみた場合のインピーダンスをZout1とする。インピーダンスZout1は周波数に依存した複素数であるから、実部をReZout1(f)、虚部をImZout1(f)と記す。fは周波数[Hz]である。同様に点B−点B’からマッチング回路103側をみた場合のインピーダンスをZin1として、実部をReZin1(f)、虚部をImZin1(f)と記す。インピーダンスZout1は、プリント配線基板101やチップ102内の構造、ワイヤボンディング109の形状により定まる。実際には、インピーダンスアナライザを使った実測により求めることができる。

0019

以下の説明では、本発明者が実測により得た値を使用する。
ReZout1(8MHz)=240Ω … (1)
ImZout1(8MHz)=−15000Ω … (2)
マッチング回路103の点B−点B’から見たインピーダンスZin1は、Zout1の共役複素数となるように設定する。
ReZin1(8MHz)=240Ω … (3)
ImZin1(8MHz)=15000Ω … (4)
この条件を満たす回路の例を図2に示す。図2はマッチング回路103をインダクタ120と抵抗121とを直列接続して構成している。図1の点B−点B’と、図2の点B−点B’とは、電気的に等価である。インダクタンスLsと抵抗Rは次の通りである。
Ls=15000/(2×π×8000000) … (5)
=297μH … (6)
R=240Ω … (7)

0020

これにより、一対の電極のうちバイアス電位が与えられる電極(ここでは下電極)に電気的に繋がる少なくとも1か所の部分(パッド)がマッチング回路に接続され、これを介して、バイアス電位の部分(ここでは配線117)に電気的に接続されている。マッチング回路は、前記バイアス電位が与えられる電極を含むエレメントないしエレメント群マッチングしている。典型的には、マッチング回路の複素インピーダンスは、前記バイアス電位が与えられる電極を含むエレメントないしエレメント群の複素インピーダンスとほぼ共役の関係にある。

0021

以下、本実施例の動作について説明する。いま、上電極105bの電圧を時間変化させて(以下、この電圧変化を送信パルスと記す)、超音波を送信する場合を考える。送信パルスは、プリント基板101の電気パッド116bから供給され、ワイヤボンディング109、上電極パッド106bを介して上電極105bに印加される。送信パルスは、キャビティ110の断面上方向の第3の絶縁層と上電極105bを振動させるだけでなく、一部は上電極105bと下電極113との間の容量性の結合を介して下電極113に伝播する。下電極113に伝播した送信パルスを漏れパルスと記す。

0022

漏れパルスは下電極113を伝播し、その一部はチップ102の下電極パッド108bに達して、マッチング回路103へ入力される。このとき、漏れパルスの出力インピーダンスZoutとマッチング回路103の入力インピーダンスZinとは、マッチングが取れているため、点B’にて反射する漏れパルスは小さい。また、漏れパルスはマッチング回路103から下電極配線117に伝播する際に抵抗121にて損失する。従って、チップ102の下電極パッド108bが開放の場合と比較して、下電極113を伝播する漏れパルスが小さくなる。また、下電極パッド108bを下電極配線117に直接電気接続した場合に比べて、漏れパルスが下電極配線117に伝播する量が小さくなる。特に、下電極113のチップ102の辺縁部においては、下電極113が開放端になるため、漏れパルスが反射しやすい。従って、下電極パッド108bをチップ102の辺縁部に設けると、漏れパルスを低減させる効果が大きい。

0023

なお、図1では、マッチング回路103が1つの場合で説明したが、複数設けることもできる。また、マッチング回路103を接続するために、チップ102に設ける下電極パッドの場所も自由である。例えば、複数あるエレメントの間に、設けることも可能である。この場合は、エレメント間を伝播する漏れパルスを低減する効果がある。また、一つのチップ102内の下電極113が電気的な絶縁により複数に分かれている場合、複数の下電極113の全てをマッチング回路に接続しない場合でも、漏れパルスを低減させることがある。例えば、複数の下電極が、送信エレメント受信エレメントとに分かれている場合は、送信エレメントにのみマッチング回路103を接続することにより、漏れパルスを低減させることができる。その理由は、漏れパルスは送信パルスの反射によるものであり、下電極にマッチング回路を設けることで、送信パルスの反射を低減でき、漏れパルスも低減するからである。また、例えば、下電極が3つに分割されている場合、2つの下電極だけマッチング回路に繋ぎ、1つは繋がない場合でも、全体として見たら、ある程度漏れパルスを低減できる。

0024

(実施例2)
図3(a)および(b)は本発明の、実施例2を説明する図である。図3(a)は上面図、図3(b)はC—C’断面図である。ここでも、図3(a)は、説明のため、一部の構成要素を透視図とした。また、以降の説明では、同一個所あるいは同一の構成要素には同一の番号を付し、同一の構成要素が複数あるもので、対応が明らかな構成要素には番号を省略する。

0025

図3は、プリント配線基板101、チップ202、マッチング回路103を含む構成を示す。プリント配線基板101の上面に、チップ202とマッチング回路103とが実装されている。チップ202は、静電容量型超音波トランスデューサであり、図3(a)の平面上の縦方向に2つのエレメント、横方向に3つのエレメントを配置した例である。それぞれのエレメントには、縦横3つのセルが2次元配置されている。セル204、上電極205a〜205f(それぞれを区別しない場合は上電極205と記す。その他の構成要素も同様に記す)、上電極パッド206a〜206f、基板電極パッド207a、207bが示されている。また、チップ202は断面方向に積層構造となっており、図3(b)に示すように、断面図下方向より、基板215、絶縁層214、キャビティ210、メンブレン層211、上部電極205で構成される。チップ202の静電容量型超音波トランスデューサは、基板215の上に形成される。基板215は導電性の単結晶シリコン基板が好適である。基板215は、下電極としても機能するため、以下の説明では、基板215と等価な構成要素として、下電極213と記す。メンブレン層211は、単結晶シリコンの薄膜である。メンブレン層211は、SOIウエハデバイス層の面と絶縁膜214の面とを直接接合した後に、SOIウエハのハンドル層ボックス層を除去することで、形成することができる。

0026

絶縁層214は、下電極213とメンブレン層211ならびに上電極205とを絶縁するための絶縁層であり、熱酸化膜が好適である。また、絶縁層214には、キャビティ210が形成されている。キャビティ210が設けられた箇所のメンブレン層211と上部電極205は、断面図の上下方向に振動可能に支持されるため、背景技術で説明した超音波送信動作および超音波受信動作が可能となる。下電極パッド207は、下電極213と電気的な接続を取るためのAl等の金属材料で形成されたパッドである。プリント配線基板101には、チップ202の送信動作や受信動作を行うための、信号処理回路や、電気的な基準電位の配線が設けられる。下電極配線117とチップ202の下電極パッド207aとはワイヤボンディング109を介して、電気的に接続される。以下、プリント配線基板101の詳細は実施例1と同等であるため、説明は省略する。

0027

マッチング回路103は2つの端子がある。その一端が基板101上の電極パッド112を介してチップ202の下電極パッド207bに電気的に接続され(接続点を点D’と記す)、他端はプリント配線基板101上の配線117に電気的に接続されている(接続点を点Dと記す)。点D’の電気接続を開放としたときの、点D−点D’からチップ202側をみた場合のインピーダンスをZout2とする。同様に点D−点D’からマッチング回路103側をみた場合のインピーダンスをZin2とする。本実施例においても、Zout2ならびにZin2は周波数に依存した複素数である。Zout2に対して、Zin2が共役複素数となるように、マッチング回路の定数を調整する。以下、マッチング回路の構成や、マッチング回路の動作原理やその効果は、実施例1と同等であるため、説明を省略する。

0028

(実施例3)
図4(a)、(b)、(c)は本発明の、実施例3を説明する図である。図4(a)は上面図、図4(b)はC—C’断面図、図4(c)はE—E’断面図である。ここでも、図4(a)は、説明のため、一部の構成要素を透視図とした。また、以降の説明では、同一個所あるいは同一の構成要素には同一の番号を付し、同一の構成要素が複数あるもので、対応が明らかな構成要素には番号を省略する。

0029

図4は、プリント配線基板301、チップ202、マッチング回路303を含む構成を示す。プリント配線基板301の上面に、チップ202とマッチング回路303とが実装されている。チップ202は、静電容量型超音波トランスデューサであり、図4(a)の平面上の縦方向に2つのエレメント、横方向に3つのエレメントを配置した例である。それぞれのエレメントには、縦横3つのセルが2次元配置されている。チップ202には、実施例2で説明した構成要素に加えて、基板215の静電容量型超音波トランスデューサが形成された面と対向する反対側の面に、下電極パッド216が1つ以上設けられている。下電極パッド216は基板215と電気的な接続をとるためのパッドであるが、下電極パッド216が複数ある場合でも、基板215は下電極パッド216ごとに電気的に絶縁されている必要はない。

0030

図4は、下電極パッド216を各エレメントの4辺に配置した例を示す。そのうちのE—E’断面に含まれるものを、216a〜216dとする。プリント配線基板301には、チップ202の送信動作や受信動作を行うための、信号処理回路や、電気的な基準電位の配線が設けられる。下電極配線317とチップ202の下電極パッド207aとはワイヤボンディング109を介して、電気的に接続される。図4(c)に示すように、電極パッド312はプリント配線基板301上の、チップ202の下電極パッド216に対向する位置に設けられる。下電極パッド216a〜216dに対向する電極パッドを、それぞれ、312a〜312dとする。下電極パッド216a〜216dと電極パッド312a〜312dとは、配線217a〜217dを介して接続される。配線217は、例えば、半田であったり、金バンプであったりする。それぞれの電極パッド312はマッチング回路303に電気接続される。以下、プリント配線基板301の詳細は実施例1と同等であるため、説明は省略する。

0031

マッチング回路303は2つの端子があり、その一端が基板301上の電極パッド312a〜312dを介してチップ202の下電極パッド216a〜216dの点Fa’〜点Fd’にて電気的に接続されている。他端はプリント配線基板301上の配線318a〜配線318dを介して、配線317の点Fa−点Fdにて電気的に接続されている。点Fa’〜点Fd’の電気接続を開放としたときの、点Fa−点Fa’からチップ202側をみた場合のインピーダンスをZout3aとする。同様に点Fa−点Fa’からマッチング回路303側をみた場合のインピーダンスをZin3aとする。本実施例においても,Zout3aならびにZin3aは周波数に依存した複素数である。Zout3aに対して、Zin3aが共役複素数となるように、マッチング回路の定数を調整する。以下、マッチング回路の構成や、マッチング回路の動作原理やその効果は、実施例1と同等であるため、説明を省略する。

0032

本実施例では、下電極パッド216を複数設けた場合でも、静電容量型超音波トランスデューサの配置面積が制限されない。従って、図4(a)で示すように、エレメントの配置密度下げることなくエレメント間に下電極パッド216を設けることができる。マッチング回路303が配置されたエレメント間では、互いのエレメントから発生する漏れパルスは、マッチング回路303に伝播して、マッチング回路303の抵抗にて損失する。従って、エレメント間を伝播する漏れパルスを低減させる効果がある。

0033

(実施例4)
上記実施例で説明した静電容量型トランスデューサは、音響波を用いた被検体情報取得装置に適用することができる。静電容量型トランスデューサを用いて被検体内に送信された超音波は、その一部が被検体内にて反射する。反射した超音波は静電容量型トランスデューサにて受信され、電気信号に変換され出力される。この電気信号には、被検体音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報が含まれているため、これを使った生体内のイメージングが可能である。

0034

図5は、音響波の反射を利用した超音波エコー診断装置等の被検体情報取得装置を示したものである。超音波プローブ内の静電容量型トランスデューサ501から被検体502へ送信された音響波は、反射体503により反射される。静電容量型トランスデューサ501は、反射された音響波504(反射波)を受信して電気信号に変換し、信号処理部505に出力する。信号処理部505は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部506へ出力する。データ処理部506は、入力された信号を用いて被検体情報(音響インピーダンスの違いを反映した特性情報)を画像データとして取得する。ここで、信号処理部505とデータ処理部506を含めて、処理部といった場合、本被検体情報取得装置は、本発明の静電容量型トランスデューサと処理部を有する。そして、該トランスデューサは、被検体からの超音波を受信して電気信号に変換し、処理部は、電気信号を用いて被検体の情報を取得する。表示部507は、データ処理部506から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。なお、プローブは、機械的に走査するものであっても、医師技師等のユーザが被検体に対して移動させるもの(ハンドヘルド型)であってもよい。また、音響波を送信するプローブは受信するプローブと別に設けても良い。

0035

本発明は、主に超音波診断装置に使用される超音波探触子などに利用できる。

0036

101・・プリント配線基板、102・・チップ、103・・マッチング回路、104・・セル、105、113・・一対の電極(上電極、下電極)、108b・・パッド(下電極パッド)、110・・キャビティ(間隙)、113・・バイアス電位が与えられる電極

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