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技術 果実風味飲食品用呈味改善剤

出願人 長谷川香料株式会社
発明者 中西紫乃園田純寛豊田尚美船津宏之
出願日 2013年12月10日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2013-254803
公開日 2015年6月22日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2015-112038
状態 特許登録済
技術分野 調味料 菓子 酒類 非アルコール性飲料 乳製品 ゼリ-、ジャム、シロップ
主要キーワード 加熱反応温度 参考品 加熱処理品 水溶性植物繊維 屈折糖度 酵母醗酵 果実香 果実原料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年6月22日)のものです。
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課題

果実風味飲食品、特に果汁飲料などの飲料類ジャムなどの果実加工品冷菓、果実風味の菓子類などに極微量添加することで、果汁飲料などの飲料類、ジャムなどの果実加工品、冷菓、果実風味の菓子類などが有する、果実香味、例えば、果汁感果実感完熟感、味の厚み、ボディー感などのいわゆるコク味を増強し、バランスの改善をはかることができ、簡便に、安価に調製することのできる呈味改善剤を提供すること。

解決手段

果汁を100℃〜180℃にて10分〜5時間加熱処理して得られる加熱処理物からなる、果実風味飲食品用呈味改善剤。

概要

背景

現代の生活が豊かになるにつれて、食の洋風化、多様化高級化が進み、それらの影響を受けたいろいろな加工食品が作り出されてきた中で、果実加工品はいろいろな形で飲料、冷菓菓子類などの果実風味飲食品に利用され、商品バラエティー化、高級化のために役立てられている。

果汁などの果実加工品は、加工時の殺菌工程などにより果実が本来有している風味が低減し、いわゆるレトルト臭イモ臭といわれる加熱劣化臭が生成することが知られており、さらにこれらの果実加工品を使用した飲料、冷菓、菓子類などにおいても殺菌工程などにより、香気散逸、加熱による香味劣化呈味の低下などを伴い、十分に満足のいく風味の果実風味飲食品を得ることが極めて困難であった。これらの風味劣化に対する対応に関する課題は従来から大きなテーマであった。

このような課題を解消する手段として、例えば、果汁飲食品にキシリトールを配合して風味を改善する方法(特許文献1)、甘味付与にアスパルテームが使用され、かつ、L−ヒスチジン又はその塩類特定量添加して加熱殺菌処理する果汁飲料(特許文献2)、加熱殺菌に伴う異風味緩和するため、果汁飲料の製造におけるリン酸の使用(特許文献3)、アミノ酸混合物ペントース及びヘキソースから成る群から選ばれる炭水化物アスコルビン酸チアミン塩酸塩濃縮かんきつ類ジュース又はかんきつ精油又はかんきつ類から誘導されるアルデヒド混合物からなる混合物を50〜120℃で反応するフレッシュなみずみずしい果物の皮様の特性を賦与して改良する方法(特許文献4)、プロリンアスパラギン酸グルタミン酸からなる群から選ばれる少なくとも2種のアミノ酸を配合する柑橘系飲料の風味改善方法(特許文献5)、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン及び/又はスレオニンを特定比率で配合し、飲食品にストロベリー様、グレープ様、アップル様、メロン様の果実様香味を付与する方法(特許文献6)、天然パインアップル果汁もしくは果肉を含み、且つ/又はパインアップル様香味が付与された飲食品を調製する際に、スレオニン、リジンメチオニン及びバリンから選ばれる少なくとも2種のアミノ酸を配合する飲食品の風味増強方法(特許文献7)、果実の果汁又は搾由来の画分であり、該画分は、ポリフェノールと該画分の酸加水分解後の糖類の比率が特定の割合である風味改善剤(特許文献8)、柑橘類抽出物塩基性成分からなる飲食品の呈味改善剤(特許文献9)、果汁を酵母により醗酵させて得られる醗酵果汁を有効成分としてなる果汁、果肉飲食品の香味改善剤(特許文献10)などが提案されている。

しかしながら、特許文献1〜3に記載された発明では、果汁飲料の調製時にキシリトール、L−ヒスチジン、リン酸を配合することにより果汁の加熱により生成するイモ臭、レトルト臭をある程度抑えることはできるが、果汁感果実感完熟感、味の厚み、ボディー感までは付与できないという欠点がある。特許文献4〜7の発明では、特定のアミノ酸等を配合して柑橘類などの風味を増強する方法が開示されているが、ある程度の風味の増強には効果があるが、果実の完熟感、味の厚み、ボディー感を付与するためには不十分である。また、特許文献8〜10の発明では、果実由来の画分、果実の酵母醗酵果汁を風味改善剤として利用するものであり、分画処理醗酵処理などの煩雑な操作が必要であり、コスト高となる欠点がある。

概要

果実風味飲食品、特に果汁飲料などの飲料類ジャムなどの果実加工品、冷菓、果実風味の菓子類などに極微量添加することで、果汁飲料などの飲料類、ジャムなどの果実加工品、冷菓、果実風味の菓子類などが有する、果実香味、例えば、果汁感や果実感、完熟感、味の厚み、ボディー感などのいわゆるコク味を増強し、バランスの改善をはかることができ、簡便に、安価に調製することのできる呈味改善剤を提供すること。果汁を100℃〜180℃にて10分〜5時間加熱処理して得られる加熱処理物からなる、果実風味飲食品用呈味改善剤。なし

目的

本発明が解決しようとする課題は、果実風味飲食品、特に果汁飲料などの飲料類、ジャムなどの果実加工品、冷菓、果実風味の菓子類などに極微量添加することで、果汁飲料などの飲料類、ジャムなどの果実加工品、冷菓、果実風味の菓子類などが有する、果実香味、例えば、果汁感や果実感、完熟感、味の厚み、ボディー感などのいわゆるコク味を増強し、バランスの改善をはかることができ、簡便に、安価に調製することのできる呈味改善剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

果汁を100℃〜180℃にて10分〜5時間加熱処理して得られる加熱処理物からなる、果実風味飲食品用呈味改善剤

請求項2

果汁が固形分濃度として屈折糖度(20℃)でBx1°〜Bx80°である請求項1に記載の呈味改善剤。

請求項3

果汁がオレンジグレーフルーツレモンライムアップル、グレープ、ピーチ、パイナップルグァババナナマンゴーパパイヤストロベリーペアーアプリコットキウイフルーツザクロイチジクブルーベリートマトから選択される1種または2種以上の果汁である請求項1または2に記載の呈味改善剤。

請求項4

果汁が、1種または2種以上の酵素により処理された酵素処理物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の呈味改善剤。

請求項5

酵素が糖質分解酵素である、請求項4に記載の呈味改善剤。

請求項6

単糖二糖またはオリゴ糖から選ばれる1種または2種以上を添加して加熱処理する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の呈味改善剤。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の呈味改善剤を含有する果実風味飲食品

請求項8

果実風味飲食品が、果汁飲料、果汁入り清涼飲料果汁入り炭酸飲料果汁入りアルコール飲料ジャム果実加工品果実入りヨーグルト、果実風味の冷菓または果実風味の菓子類である請求項7に記載の果実風味飲食品。

請求項9

請求項1〜6のいずれか1項に記載の呈味改善剤を果実風味飲食品に添加することを特徴とする、果実風味飲食品の呈味改善方法

技術分野

0001

本発明は果実風味飲食品用呈味改善剤に関する。さらに詳しくは、果実風味飲食品、特に果汁飲料などの飲料類ジャムなどの果実加工品冷菓、果実風味の菓子類などに極微量添加することで、果汁飲料などの飲料類、ジャムなどの果実加工品、冷菓、果実風味の菓子類などが有する、果実香味、例えば、果汁感果実感完熟感、味の厚み、ボディー感などのいわゆるコク味を増強し、バランスの改善をはかることのできる、呈味改善剤に関する。

背景技術

0002

現代の生活が豊かになるにつれて、食の洋風化、多様化高級化が進み、それらの影響を受けたいろいろな加工食品が作り出されてきた中で、果実加工品はいろいろな形で飲料、冷菓、菓子類などの果実風味飲食品に利用され、商品バラエティー化、高級化のために役立てられている。

0003

果汁などの果実加工品は、加工時の殺菌工程などにより果実が本来有している風味が低減し、いわゆるレトルト臭イモ臭といわれる加熱劣化臭が生成することが知られており、さらにこれらの果実加工品を使用した飲料、冷菓、菓子類などにおいても殺菌工程などにより、香気散逸、加熱による香味劣化呈味の低下などを伴い、十分に満足のいく風味の果実風味飲食品を得ることが極めて困難であった。これらの風味劣化に対する対応に関する課題は従来から大きなテーマであった。

0004

このような課題を解消する手段として、例えば、果汁飲食品にキシリトールを配合して風味を改善する方法(特許文献1)、甘味付与にアスパルテームが使用され、かつ、L−ヒスチジン又はその塩類特定量添加して加熱殺菌処理する果汁飲料(特許文献2)、加熱殺菌に伴う異風味緩和するため、果汁飲料の製造におけるリン酸の使用(特許文献3)、アミノ酸混合物ペントース及びヘキソースから成る群から選ばれる炭水化物アスコルビン酸チアミン塩酸塩濃縮かんきつ類ジュース又はかんきつ精油又はかんきつ類から誘導されるアルデヒド混合物からなる混合物を50〜120℃で反応するフレッシュなみずみずしい果物の皮様の特性を賦与して改良する方法(特許文献4)、プロリンアスパラギン酸グルタミン酸からなる群から選ばれる少なくとも2種のアミノ酸を配合する柑橘系飲料の風味改善方法(特許文献5)、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン及び/又はスレオニンを特定比率で配合し、飲食品にストロベリー様、グレープ様、アップル様、メロン様の果実様香味を付与する方法(特許文献6)、天然パインアップル果汁もしくは果肉を含み、且つ/又はパインアップル様香味が付与された飲食品を調製する際に、スレオニン、リジンメチオニン及びバリンから選ばれる少なくとも2種のアミノ酸を配合する飲食品の風味増強方法(特許文献7)、果実の果汁又は搾由来の画分であり、該画分は、ポリフェノールと該画分の酸加水分解後の糖類の比率が特定の割合である風味改善剤(特許文献8)、柑橘類抽出物塩基性成分からなる飲食品の呈味改善剤(特許文献9)、果汁を酵母により醗酵させて得られる醗酵果汁を有効成分としてなる果汁、果肉飲食品の香味改善剤(特許文献10)などが提案されている。

0005

しかしながら、特許文献1〜3に記載された発明では、果汁飲料の調製時にキシリトール、L−ヒスチジン、リン酸を配合することにより果汁の加熱により生成するイモ臭、レトルト臭をある程度抑えることはできるが、果汁感や果実感、完熟感、味の厚み、ボディー感までは付与できないという欠点がある。特許文献4〜7の発明では、特定のアミノ酸等を配合して柑橘類などの風味を増強する方法が開示されているが、ある程度の風味の増強には効果があるが、果実の完熟感、味の厚み、ボディー感を付与するためには不十分である。また、特許文献8〜10の発明では、果実由来の画分、果実の酵母醗酵果汁を風味改善剤として利用するものであり、分画処理醗酵処理などの煩雑な操作が必要であり、コスト高となる欠点がある。

先行技術

0006

特開2000−308476号公報
特開2005−278605号公報
特開2011−167170号公報
特公平5−79297号公報
特公昭62−54464号公報
特公平5−33970号公報
特公平7−8205号公報
WO2010/026946号公報
特開2010−41935号公報
特開平9−191861号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明が解決しようとする課題は、果実風味飲食品、特に果汁飲料などの飲料類、ジャムなどの果実加工品、冷菓、果実風味の菓子類などに極微量添加することで、果汁飲料などの飲料類、ジャムなどの果実加工品、冷菓、果実風味の菓子類などが有する、果実香味、例えば、果汁感や果実感、完熟感、味の厚み、ボディー感などのいわゆるコク味を増強し、バランスの改善をはかることができ、簡便に、安価に調製することのできる呈味改善剤を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、前記課題に鑑み、果汁そのものに何らかの処理を加えることにより、果実風味飲食品に対して有効な呈味改善剤を得ることができないかと考え、鋭意研究を行ってきた。

0009

従来、果汁の製造において、レトルト殺菌(121℃、10分程度)やUHT殺菌(135℃、1分程度)は必須の工程であり、この工程により発生する不快臭はいわゆるイモ臭、レトルト臭、加熱劣化臭などと呼ばれており、好ましくない臭気とされてきた。したがって、果汁を加熱したところで、いわゆる加熱臭が強まるのであって、有効な呈味改善剤ができるということは全く予想されていなかった。ところが、驚くべきことに、果汁を、飲用濃度よりも高い濃度において、高温加熱(Bx50°、130〜140℃、30分程度)を行い、その加熱処理物を果実風味飲食品に添加してみたところ、わずか10ppm程度の添加でも、極めて強い呈味増強効果がある風味素材が得られた。また、果汁を調製する際、若しくは調製後に糖質分解酵素処理を行ったところ、その効果はさらに強いものとなった。本発明者らは、かかる知見のもとに本発明を完成するに至った。

0010

かくして、本発明は以下のものを提供する。
(1)果汁を100℃〜180℃にて10分〜5時間加熱処理して得られる加熱処理物からなる、果実風味飲食品用呈味改善剤。
(2)果汁が固形分濃度として屈折糖度(20℃)でBx1°〜Bx80°である(1)に記載の呈味改善剤。
(3)果汁がオレンジ、グレープフルーツレモンライム、アップル、グレープ、ピーチ、パイナップルグァババナナマンゴーパパイヤ、ストロベリー、ペアーアプリコットキウイフルーツザクロイチジクブルーベリートマトから選択される1種または2種以上の果汁である(1)または(2)に記載の呈味改善剤。
(4)果汁が、1種または2種以上の酵素により処理された酵素処理物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の呈味改善剤。
(5)酵素が糖質分解酵素である、(4)に記載の呈味改善剤。
(6)単糖二糖またはオリゴ糖から選ばれる1種または2種以上を添加して加熱処理する、(1)〜(5)のいずれかに記載の呈味改善剤。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の呈味改善剤を含有する果実風味飲食品。
(8)果実風味飲食品が、果汁飲料、果汁入り清涼飲料果汁入り炭酸飲料果汁入りアルコール飲料、ジャム、果実加工品、果実入りヨーグルト、果実風味の冷菓または果実風味の菓子類である(7)に記載の果実風味飲食品。
(9)(1)〜(6)のいずれかに記載の呈味改善剤を果実風味飲食品に添加することを特徴とする、果実風味飲食品の呈味改善方法

発明の効果

0011

本発明によれば、果実風味飲食品、特に果汁飲料などの飲料類、ジャムなどの果実加工品、冷菓、果実風味の菓子類などに極微量添加することで、当該果実風味飲食品が有する、果実香味、例えば、果汁感や果実感、完熟感、味の厚み、ボディー感などのいわゆるコク味を増強し、バランスの改善をはかることができる。しかもこれらの呈味改善剤は、簡便に、安価に調製することのでき、したがって、果実風味飲食品の製造に利用できる他、これらの飲食品製造時において、コストダウンのため原料とする果汁等の果実加工品の使用量の減量を余儀なくされた場合の風味補正として有効に利用できるものと考えられる。

0012

本発明における果汁とは、果実から通常の方法、例えば、洗浄工程、剥皮工程、破砕搾汁工程を経て搾汁された液のことをいい、果汁としては特に制限されず、例えば、柑橘類果汁オレンジ果汁ミカン果汁、グレープフルーツ果汁レモン果汁ライム果汁等)、アップル果汁、グレープ果汁、ピーチ果汁熱帯果実果汁パイナップル果汁グァバ果汁、バナナ果汁、マンゴー果汁アセロラ果汁パパイヤ果汁パッションフルーツ果汁等)、その他果実の果汁(ウメ果汁、ペアー果汁、ザクロ果汁、イチジク果汁、ブルーベリー果汁、キウイフルーツ果汁等)、トマト果汁ニンジン果汁、ストロベリー果汁、メロン果汁などの果汁を挙げることができ、特に、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、アップル、グレープ、ピーチ、パイナップル、グァバ、バナナ、マンゴー、パパイヤ、ストロベリー、ペアー、アプリコット、キウイフルーツ、ザクロ、イチジク、ブルーベリー、トマトなどの果汁が好適であり、これらの果汁は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。

0013

本発明では、これらの果汁の搾汁時および/または搾汁後の搾汁液に対し、糖質分解酵素処理を行うこともできる。糖質分解酵素処理により、果実中ペクチン質などが分解され、抽出液の粘度が低下し、後に記述する濃縮時においても加熱を均一に行うことができ、好適である。糖質分解酵素としては、具体的には、例えば、アミラーゼグルコアミラーゼプルラナーゼセルラーゼヘミセルラーゼキシラナーゼペクチナーゼアラバナーゼデキストラナーゼグルカナーゼマンナナーゼα−ガラクトシダーゼなどを例示することができる。

0014

これらの内、特に好ましい糖質分解酵素としては、ペクチナーゼ、セルラーゼを例示することができ、糖質分解酵素の使用量は、使用する酵素の種類や果汁中のペクチン質などの糖質の存在量により一概にはいえないが、おおよそ果実原料の質量を基準として通常0.1〜1,000U/g、好ましくは1〜100U/gの範囲内、または、製剤中に通常複数種類の酵素が含まれていて活性単位では表しにくいような場合は、果実原料に対して通常、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%の範囲内を例示することができる。また、これらの糖質分解酵素に加えて、プロテアーゼリパーゼなどを併用することもできる。

0015

かくして得られた果汁はBx1°〜10°程度であり、そのまま加熱処理に供することもできるが、加熱処理に供するときの濃度はある程度高いことが好ましい。

0016

加熱処理に供するときの果汁の濃度としては、Bx1°〜Bx80°、好ましくはBx5°〜Bx80°、より好ましくはBx10°〜70°、さらに好ましくはBx20°〜60°、最も好ましくはBx30°〜55°とすることができる。濃度が低すぎる場合は、加熱反応が進行しづらく、加熱の効果が出にくい。また、通常の飲用程度の濃度(Bx0.3〜1°程度)であると、いわゆるイモ臭、レトルト臭、加熱臭が発生することが知られているが、低濃度での加熱処理ではレトルト臭と同様な風味が生じてしまい、呈味改善剤として十分に有効な素材としては得られない。また、濃度が低いことにより、果実風味飲食品へ多量の添加が必要になる可能性がある。一方、濃度が高すぎる場合は粘度が高く、均一加熱ができなくなり、焦げ付くなどの弊害が生じる可能性がある。

0017

果汁の濃度を高めるための方法としては、減圧濃縮RO膜濃縮、凍結濃縮などの濃縮手段を採用することができる。また、市販の濃縮果汁を使用することもできる。

0018

また、濃度を高めるため別の方法として、果汁に糖類を添加して濃度を高める方法を採用することもできる。使用する糖類としては、単糖、二糖またはオリゴ糖が好ましく、リボースキシロースアラビノースグルコースフラクトースラムノースラクトースマルトースシュークローストレハロースセロビオースマルトトリオース水飴などを例示することができる。糖類の添加量としては、Bx1°〜Bx10°程度の果汁1質量部に対し、0.01〜2質量部を挙げることができる。

0019

かくして得られた果汁を、加熱処理する点が本発明の特徴である。加熱処理により、いわゆるメイラード反応の素材となる糖やアミノ酸の他に果汁特有の成分(ビタミン類水溶性植物繊維ポリフェノール類無機質など)が複雑に反応し、呈味増強成分が生成すると考えられる。

0020

果汁の加熱処理における反応温度としては、100℃〜180℃、好ましくは110℃〜170℃、より好ましくは120℃〜150℃、さらに好ましくは120℃〜140℃とすることができる。温度が低すぎる場合は、加熱反応が進行しづらく、呈味改善剤としての効果が出にくい。温度が高すぎる場合は、加熱による変化が大きすぎ、呈味改善剤としての目的を達成することができない。

0021

また、加熱処理における反応時間としては、反応に必要な時間を確保する必要があり、10分〜5時間、好ましくは20分〜4時間、より好ましくは1時間〜2時間とすることができる。反応時間が短すぎる場合は、反応が十分進行せず、呈味改善剤としての効果が出にくい。反応時間が長すぎる場合は、加熱による変化が大きすぎ、呈味改善剤としての目的を達成することができない。

0022

加熱反応の際に、pH調整剤を添加して反応系のpHをpH6〜pH11、好ましくはpH7〜pH11に調整することにより糖の分解を促進し、呈味改善剤としての目的を達成することができるほか、加熱による沈殿の生成を抑制することができ、好適である。かかるpH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウムなどを例示することができる。

0023

本発明において、加熱処理には、密閉系にて内容物を加熱攪拌できるオートクレーブを使用することが好ましい。オートクレーブの操作としては、内容物として前記果汁を仕込んだ後、容器密閉にし、ヘッドスペースの空気をそのまま、あるいは、酸素あるいは不活性ガスにより置換して、引き続き前記条件にて加熱処理を行い、冷却後、釜内から、加熱処理物を回収する。回収物に澱が生じているときは濾過遠心分離などの処理により、澱を除去することもできる。

0024

釜内から回収された加熱処理物はこのまま呈味改善剤として使用することもできるが、所望により、さらに濃縮、あるいは、デキストリン化工澱粉サイクロデキストリンアラビアガム等の賦形剤を添加して、ペースト状とすることができ、さらに、噴霧乾燥真空乾燥凍結乾燥などの乾燥により粉末状の呈味改善剤組成物とすることもできる。

0025

また呈味改善剤組成物とするに際し、組成物中に果実フレーバーなどの天然または調合香料を添加することもできる。

0026

かくして得られた呈味改善剤あるいは呈味改善剤組成物は、果実風味飲食品に0.1ppm〜1%程度添加することにより、果汁感や果実感、完熟感、味の厚み、ボディー感などのいわゆるコク味を増強し、バランスの改善をはかることができる。なお、果汁感や果実感とは、果実独特の呈味を形成する感覚であって、添加することにより、実際に使用した果汁や果実の量より多く果汁や果実を使用したと感じさせる飲み応えのある感覚である。また、味の厚みとは、飲食品を口に含んだとき、または、飲み込んだ時に口中全体からの奥にかけてしばらく味が持続し、味わいが深いと感じさせるような感覚である。また、ボディー感とは、味の骨格がしっかりしていて、かつ、まろやかでふくらみがあり、呈味全体に強さをもたらすような感覚である(以下、味の厚みとボディー感を併せてコク味ということがある)。また、バランスとは果実の呈味バランスを意味し、酸味、甘味、の他前述の味の厚み・ボディー感、果汁感、果実感などが良好に調和した感覚を意味する。

0027

本発明の呈味改善剤あるいは呈味改善剤組成物が添加される果実風味飲食品としては、例えば、ペットボトルまたは紙容器充填された天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果汁入り炭酸飲料、果汁入りアルコール飲料などの飲料類;ジャム、フルーツプレパレーションなどの果実加工品;果実入りヨーグルト;果実風味のアイスクリームソフトクリームまたはシャーベットなどの冷菓類;果実風味を付与したビスケットクッキー、せんべい、饅頭クリーム内包菓子パンなどの菓子類を例示することができる。

0028

以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。

0029

(実施例1)
市販のグレープ濃縮果汁(Bx68°)300gに、ブドウ糖を84g(全体でBx75°程度となるように添加)および30%水酸化ナトリウム水溶液を30g加え、オートクレーブを用いて120±2℃にて2時間加熱した後、30℃まで冷却して内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、呈味改善剤(本発明品1:380g、Bx73)を調製した。

0030

(実施例2)
市販のグレープ果汁飲料(50%果汁)(参考品1)、および、参考品1の希釈液(8質量部の参考品1と2質量部の水を混合したもの:参考品2)を調製し、参考品2に対して本発明品1を下記表1に示す量添加し、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価基準は、果汁感+果実感、コク味についてそれぞれ、参考品1をコントロールとして、明らかに弱い:−2点、やや弱い:−1点、同程度:0点、やや強い:+1点、明らかに強い+2点として、また、グレープ果汁飲料としてのバランスの良さについて、悪い:−2点、やや悪い:−1点、差無し:0点、やや良い:+1点、良い:+2点として官能評価を行った。その平均点を表1に示す。なお、果汁感+果実感とは、前記の通り、果実独特の呈味を形成する感覚であって、添加することにより、実際に使用した果汁や果実の量より多く果汁や果実を使用したと感じさせる飲み応えのある感覚である。また、コク味とは、前記の通り、味の厚みとボディー感をあわせた風味であり、味の厚みとは、飲食品を口に含んだとき、または、飲み込んだ時に口中全体から喉の奥にかけてしばらく持続し、味わいが深いと感じさせるような感覚である。また、ボディー感とは、味の骨格がしっかりしていて、かつ、まろやかでふくらみがあり、呈味全体に強さをもたらすような感覚である。また、バランスとは果実の呈味バランスを意味し、酸味、甘味、の他前述の味の厚み・ボディー感、果汁感、果実感などが良好に調和した感覚を意味する。

0031

0032

表1に示した通り、市販グレープ果汁飲料(参考品1)を希釈した参考品2は参考品1と比べ果汁感、果実感、コク味などの呈味が明らかに弱く、またバランスも悪かったが、参考品2に本発明品1を添加したものは、わずか0.1ppmの添加でもバランスが改善された。また、さらに添加量を増やし1ppm〜10ppmの添加では参考品1の風味とほぼ同程度となり、20〜100ppmの添加では参考品1よりもむしろ果汁感、果実感、コク味などの呈味、バランス共に評価が高く、良好であった。

0033

(実施例3)
市販のグレープ濃縮果汁(Bx68°)を水で希釈し、Bx5°、Bx10°、Bx30°、Bx50°、Bx68°(原液)を調製した。それぞれの希釈液または原液500gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、120±2℃にて2時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、以下の呈味改善剤を調製した。

0034

本発明品2:Bx5°
本発明品3:Bx10°
本発明品4:Bx30°
本発明品5:Bx50°
本発明品6:Bx68°

0035

(実施例4)
実施例2と同様に、参考品2に、本発明品2〜6を固形分換算(Bxを使用)で、本発明品1の10ppm添加に相当する量添加し、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価方法および評価基準は、実施例2と同じとした。その平均点を表2に示す。

0036

0037

表2に示したとおり、加熱処理における濃度が高いものほどグレープ果汁飲料への添加による果汁感、果実感、コク味などの呈味、バランスの改善効果が高いが、Bx5°の低濃度(本発明品2)でもそれなりの改善効果が見られた。

0038

(実施例5)
実施例1において加熱反応温度を以下の条件とした以外は実施例1と同様に処理し、本発明品1および本発明品7〜10の呈味改善剤を調製した。

0039

本発明品1:120±2℃
本発明品7:110±2℃
本発明品8:130±2℃
本発明品9:150±2℃
本発明品10:170±2℃

0040

(実施例6)
実施例2と同様に、参考品2に、比較品1(未加熱)、本発明品1または本発明品7〜10を10ppm添加し、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価方法および評価基準は、実施例2と同じとした。その平均点を表3に示す。

0041

0042

表3に示した通り、参考品2に未加熱の比較品1を10ppm添加したグレープ果汁飲料の官能評価は、参考品2と全く差がなかった。それに対し、参考品2に加熱処理品である本発明品をそれぞれ10ppm添加した果汁飲料は、いずれも参考品2と比べ、果汁感、果実感、コク味などの呈味、バランスとも改善されて、参考品1に近い風味となった。これらの中で、特に本発明品1は良好であり、次いで本発明品9、8が良好であった。また、本発明品7、10のいずれにも効果が見られたため、加熱温度としては100℃〜180℃程度の範囲内では加熱による効果が出るものと考えられる。

0043

(実施例7)
市販のグレープ濃縮果汁(Bx68°)500gにスクラーゼN(三共社製ペクチナーゼ(登録商標))0.5gを加え、15分間攪拌した。その後、40℃にて1時間攪拌反応させ、90℃達温殺菌後、20℃まで冷却しグレープ濃縮果汁の酵素処理物を得た(比較品2)。

0044

比較品2の酵素処理物300gを1Lオートクレーブに仕込み、密閉した後、攪拌しながら加熱し、約30分かけて昇温し、130±2℃にて2時間加熱した、30℃まで冷却後、内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、呈味改善剤(本発明品11)を調製した。

0045

(実施例8)
参考品2に、比較品2(酵素処理−未加熱)、本発明品11(酵素処理−加熱)および実施例3で調製した本発明品6(酵素未処理−加熱)のそれぞれを10ppm添加し、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価方法および評価基準は、実施例2と同じとした。その平均点を表4に示す。

0046

0047

表4に示した通り、グレープ果汁飲料(参考品2)に対し、酵素処理だけを行って、高温加熱処理を行っていない比較品2を添加したものは無添加品と比べ差がなかったが、酵素処理した後、高温加熱処理を行った本発明品11を添加したものは、果汁感、果実感、コク味、バランスの評価が良好であり、酵素処理を全く行っていない本発明品6を添加したものに比べても良好であった。

0048

(実施例9)
市販のストロベリー濃縮果汁(Bx65°)300gに、ブドウ糖を120g(全体でBx75°程度となるように添加)および30%水酸化ナトリウム水溶液を30g加え、オートクレーブを用いて125±2℃にて2時間加熱した後、30℃まで冷却して内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、呈味改善剤(本発明品12:405g、Bx74)を調製した。

0049

市販のイチゴジャムに本発明品12を10ppm添加したところ、未添加品に比べイチゴの完熟感、コク味が格段に増強されていた。

0050

(実施例10)
下記に示す市販の濃縮果汁(Bx65°)300gに、ブドウ糖を120g(全体でBx75°程度となるように添加)および30%水酸化ナトリウム水溶液を30g加え、オートクレーブを用いて135±2℃にて1時間加熱した後、30℃まで冷却して内容物を取り出し、200メッシュサランにて濾過して、本発明品13〜30の呈味改善剤を調製した。

0051

本発明品13:オレンジ濃縮果汁(Bx65°)
本発明品14:グレープフルーツ濃縮果汁(Bx65°)
本発明品15:レモン濃縮果汁(Bx65°)
本発明品16:ライム濃縮果汁(Bx65°)
本発明品17:アップル濃縮果汁(Bx65°)
本発明品18:ピーチ濃縮果汁(Bx65°)
本発明品19:パイナップル濃縮果汁(Bx65°)
本発明品20:グァバ濃縮果汁(Bx65°)
本発明品21:バナナ濃縮果汁(Bx65°)
本発明品22:マンゴー濃縮果汁(Bx65°)
本発明品23:パパイヤ濃縮果汁(Bx65°)
本発明品24:ペアー濃縮果汁(Bx65°)
本発明品25:アプリコット濃縮果汁(Bx65°)
本発明品26:キウイフルーツ濃縮果汁(Bx65°)
本発明品27:ザクロ濃縮果汁(Bx65°)
本発明品28:イチジク濃縮果汁(Bx65°)
本発明品29:ブルーベリー濃縮果汁(Bx65°)
本発明品30:トマト濃縮果汁(Bx65°)

0052

(実施例11)
本発明品13〜30の呈味改善剤を、それぞれの果実に対応する市販の果汁飲料(50%果汁)(以下、それぞれオレンジ飲料、グレープフルーツ飲料、レモン飲料、ライム飲料、アップル飲料、ピーチ飲料、パイナップル飲料、グァバ飲料、バナナ飲料、マンゴー飲料、パパイヤ飲料、ペアー飲料、アプリコット飲料、キウイフルーツ飲料、ザクロ飲料、イチジク飲料、ブルーベリー飲料トマト飲料という。)を水で希釈して40%果汁となるように希釈したものを基材(以下、それぞれオレンジ基材、グレープフルーツ基材、レモン基材、ライム基材、アップル基材、ピーチ基材、パイナップル基材、グァバ基材、バナナ基材、マンゴー基材、パパイヤ基材、ペアー基材、アプリコット基材、キウイフルーツ基材、ザクロ基材、イチジク基材、ブルーベリー基材、トマト基材という。)として、本発明品13〜30のそれぞれの呈味改善剤を10ppm添加して、各飲料、各基材および各基材へ本発明品を添加したものについて、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。評価方法および評価基準は、実施例2と同じとした。その平均点を表5−1〜表5−3に示す。

0053

0054

0055

実施例

0056

表5−1〜表5−3に示した通り、各果汁飲料ともに本発明品13〜30の呈味改善剤を添加したものは、果汁感、果実感、コク味などの呈味、バランスにおいて明らかに改善効果が見られた。

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