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技術 ウェルプレートおよび該ウェルプレートを備えた吸引装置

出願人 ヤマハ発動機株式会社
発明者 伊藤三郎
出願日 2015年3月3日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2015-041404
公開日 2015年6月18日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2015-111151
状態 特許登録済
技術分野 自動分析、そのための試料等の取扱い サンプリング、試料調製
主要キーワード 隙間形成部材 振動発生機構 吸引対象 吸引吐出装置 半楕円球 冷凍保存前 管状通路 プッシュボタン式
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年6月18日)のものです。
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図面 (7)

課題

ウェルに保持された対象物吸引ノズル吸引する際に、同時に吸引される液体の流れを止めず、効率よく対象物を回収させる。

解決手段

ウェルプレート1は、扁平な形状を有するプレート本体と、前記プレート本体の上面1aから底面1bに向けて窪んだ凹部であって、対象物5を保持すると共に液体を貯留するウェル3とを備える。ウェル3は、上面1aに形成された開口部と、ウェル3の底面となる内底部3aと、前記開口部と内底部3aとの間の壁面である内壁とを備える。前記内壁には、吸引ノズルの先端部をウェル3に進入させて接触させた状態において、前記液体が流通するための隙間を形成するリブ8が突設されている。リブ8は、ウェル3の内底部3aから前記開口部の方向へ上方に延びるように形成され、一部にスロープ部を有する。前記スロープ部の、前記内壁から突設する突設長さは、前記開口部の近傍よりも、内底部3aの近傍の方が長い。

概要

背景

従来、種々の分野において、大きさや外形(以下、これらを単に形状という場合がある)に応じて粒子選別するために、ウェルを備えたプレートが用いられている。ユーザは、プレートのウェルに粒子を保持させた状態で観察し、所定の形状の粒子のみを選別して回収する。選別される粒子としては、大きいものでは錠剤カプセル造粒された顆粒などが挙げられ、小さいものでは、バイオ関連技術や医薬の分野で使用される生体由来細胞などが挙げられる。たとえば、ユーザは、細胞を選別して形状を揃えることにより、その細胞を用いる各種試験において、試験条件偏差を小さくすることができる。選別後の細胞は、ハイスループットスクリーニング(high−throughput screening(HTS))等に供することができる。

ウェルに保持された対象物を回収する方法としては種々の方法がある。たとえば、生化学実験等においては、先端に吸引チップ吸引ノズルを備えたプッシュボタン式吸引ピペットを用いて、対象物を吸引して回収する方法が採用されている。細胞等の乾燥に弱い試料を対象物とする場合、対象物の乾燥を防ぐために、作業は液体中で行われることが好ましい。液体中で対象物を吸引する場合には、ウェル周囲の液体も同時に吸引することにより、吸引口から吸引経路内への水流を発生させて、ウェル内の対象物を吸引する。

しかしながら、ウェルに吸引ノズルの先端部を挿入した状態では、ウェルの内壁または内底部と吸引ノズルの先端部とが密着し、液体の流通経路遮断することがある。この場合、ウェル周囲の液体を吸引できないため、ウェル内に保持された対象物を吸引できない、という問題がある。

このような問題に鑑みて、特許文献1には、吸引口を閉塞することなく、定量吸引定量吐出を行うための容器が開示されている。特許文献1の容器の内底部には、吸引口の先端部の口径よりも幅が狭い空隙部が形成されている。特許文献2には、外周に、溝部を形成したウェルが開示されている。特許文献2のウェルには、微小検体入り込めない幅の溝部が形成されている。

概要

ウェルに保持された対象物を吸引ノズルで吸引する際に、同時に吸引される液体の流れを止めず、効率よく対象物を回収させる。ウェルプレート1は、扁平な形状を有するプレート本体と、前記プレート本体の上面1aから底面1bに向けて窪んだ凹部であって、対象物5を保持すると共に液体を貯留するウェル3とを備える。ウェル3は、上面1aに形成された開口部と、ウェル3の底面となる内底部3aと、前記開口部と内底部3aとの間の壁面である内壁とを備える。前記内壁には、吸引ノズルの先端部をウェル3に進入させて接触させた状態において、前記液体が流通するための隙間を形成するリブ8が突設されている。リブ8は、ウェル3の内底部3aから前記開口部の方向へ上方に延びるように形成され、一部にスロープ部を有する。前記スロープ部の、前記内壁から突設する突設長さは、前記開口部の近傍よりも、内底部3aの近傍の方が長い。

目的

本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、ウェルに対象物が嵌まり込むことがなく、ウェルに保持された対象物を吸引ノズルで吸引する際に、同時に吸引される液体の流れを止めず、効率よく対象物を回収させることのできるウェルプレートおよび該ウェルプレートを備えた吸引装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

吸引口を有する吸引ノズルで吸引される対象物を保持するウェルプレートであって、上面と底面とを有する扁平な形状を有するプレート本体と、前記プレート本体の前記上面から底面に向けて窪んだ凹部であって、前記対象物を保持すると共に液体貯留するウェルと、を備え、前記ウェルは、前記上面に形成された開口部と、該ウェルの底面となる内底部と、前記開口部と前記内底部との間の壁面である内壁と、を備え、前記内壁には、前記吸引ノズルの前記吸引口を含む先端部を、前記ウェルに進入させて接触させた状態において、前記液体が流通するための隙間を形成するリブ突設されており、前記リブは、前記ウェルの前記内底部から前記開口部の方向へ上方に延びるように形成され、一部にスロープ部を有し、前記スロープ部の、前記内壁から突設する突設長さは、前記開口部の近傍よりも、前記内底部の近傍の方が長く形成されている、ウェルプレート。

請求項2

液体を貯留する容器に浸漬して使用される請求項1記載のウェルプレート。

請求項3

前記リブは、複数形成されてなる請求項1または2記載のウェルプレート。

請求項4

吸引口を有する吸引ノズルで吸引される対象物を保持するウェルプレートであって、上面と底面とを有する扁平な形状を有するプレート本体と、前記プレート本体の前記上面から底面に向けて窪んだ凹部であって、前記対象物を保持すると共に液体を貯留するウェルと、を備え、前記ウェルは、前記上面に形成された開口部と、該ウェルの底面となる内底部と、前記開口部と前記内底部との間の壁面である内壁と、を備え、前記内壁は、前記開口部から前記内底部の方向にかけて、前記ウェルの開口面積を狭くするテーパ部を有し、前記テーパ部には、前記吸引ノズルの前記吸引口を含む先端部を、前記ウェルに進入させて接触させた状態において、前記液体が流通するための隙間を形成する凸部が設けられている、ウェルプレート。

請求項5

前記凸部が、複数形成されてなる請求項4記載のウェルプレート。

請求項6

吸引口を有する吸引ノズルで吸引される対象物を保持するウェルプレートであって、上面と底面とを有する扁平な形状を有するプレート本体と、前記プレート本体の前記上面から底面に向けて窪んだ凹部であって、前記対象物を保持すると共に液体を貯留するウェルと、を備え、前記ウェルは、前記上面に形成された開口部と、該ウェルの底面となる内底部と、前記開口部と前記内底部との間の壁面である内壁と、を備え、前記内壁は、前記開口部から前記内底部の方向にかけて、前記ウェルの開口面積を狭くするテーパ部を有し、前記テーパ部には、前記吸引ノズルの前記吸引口を含む先端部を、前記ウェルに進入させて接触させた状態において、前記液体が流通するための隙間を形成する溝部が設けられている、ウェルプレート。

請求項7

前記溝部が、複数形成されてなる請求項6記載のウェルプレート。

請求項8

前記ウェルがマトリクス状に形成されてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載のウェルプレート。

請求項9

前記対象物が、生体由来細胞である請求項1〜8のいずれか1項に記載のウェルプレート。

請求項10

前記対象物が生体由来の細胞凝集塊である請求項9記載のウェルプレート。

請求項11

請求項1〜8のいずれか1項に記載のウェルプレートと、前記ウェルに保持された前記対象物を吸引する吸引口を有する吸引ノズルと、を備える吸引装置

請求項12

液体を貯留する容器をさらに備え、前記ウェルプレートは、前記容器に浸漬されることを特徴とする請求項11記載の吸引装置。

請求項13

前記吸引ノズルの吸引口を含む先端部を、前記ウェルに進入させて接触させた状態において、前記ウェルプレートを振動させる振動発生手段がさらに設けられている請求項11または12記載の吸引装置。

請求項14

前記ウェルプレートの上方または下方からウェルプレートに保持された対象物を観察する判定手段がさらに設けられている請求項12または13記載の吸引装置。

技術分野

0001

本発明は、ウェルプレートおよび該ウェルプレートを備えた吸引装置に関する。より詳細には、ウェルに保持された対象物吸引ノズル吸引する際に、同時に吸引される液体の流れを止めず、効率よく対象物を回収させることのできるウェルプレートおよび該ウェルプレートを備えた吸引装置に関する。

背景技術

0002

従来、種々の分野において、大きさや外形(以下、これらを単に形状という場合がある)に応じて粒子選別するために、ウェルを備えたプレートが用いられている。ユーザは、プレートのウェルに粒子を保持させた状態で観察し、所定の形状の粒子のみを選別して回収する。選別される粒子としては、大きいものでは錠剤カプセル造粒された顆粒などが挙げられ、小さいものでは、バイオ関連技術や医薬の分野で使用される生体由来細胞などが挙げられる。たとえば、ユーザは、細胞を選別して形状を揃えることにより、その細胞を用いる各種試験において、試験条件偏差を小さくすることができる。選別後の細胞は、ハイスループットスクリーニング(high−throughput screening(HTS))等に供することができる。

0003

ウェルに保持された対象物を回収する方法としては種々の方法がある。たとえば、生化学実験等においては、先端に吸引チップや吸引ノズルを備えたプッシュボタン式吸引ピペットを用いて、対象物を吸引して回収する方法が採用されている。細胞等の乾燥に弱い試料を対象物とする場合、対象物の乾燥を防ぐために、作業は液体中で行われることが好ましい。液体中で対象物を吸引する場合には、ウェル周囲の液体も同時に吸引することにより、吸引口から吸引経路内への水流を発生させて、ウェル内の対象物を吸引する。

0004

しかしながら、ウェルに吸引ノズルの先端部を挿入した状態では、ウェルの内壁または内底部と吸引ノズルの先端部とが密着し、液体の流通経路遮断することがある。この場合、ウェル周囲の液体を吸引できないため、ウェル内に保持された対象物を吸引できない、という問題がある。

0005

このような問題に鑑みて、特許文献1には、吸引口を閉塞することなく、定量吸引定量吐出を行うための容器が開示されている。特許文献1の容器の内底部には、吸引口の先端部の口径よりも幅が狭い空隙部が形成されている。特許文献2には、外周に、溝部を形成したウェルが開示されている。特許文献2のウェルには、微小検体入り込めない幅の溝部が形成されている。

先行技術

0006

国際公開第97/5492号
特開2007−326072号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1に記載の容器は、液体のみであれば吸引し得るが、粒子等を吸引する場合には、対象物の径によっては内底部に設けられた溝等の空隙部に対象物が嵌まり込んだり引っ掛かったりするため吸引できない、という問題がある。特許文献2のウェルは、外側に溝部が形成されているため、微小検体の一部が溝部に引っ掛かり、ウェル内に詰まって吸引できない、という問題がある。特に、対象物が細胞等の柔軟な性状を有する場合には、対象物は、無理な吸引により変形したり、組織破壊される、という問題がある。

0008

本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、ウェルに対象物が嵌まり込むことがなく、ウェルに保持された対象物を吸引ノズルで吸引する際に、同時に吸引される液体の流れを止めず、効率よく対象物を回収させることのできるウェルプレートおよび該ウェルプレートを備えた吸引装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一局面に係るウェルプレートは、吸引口を有する吸引ノズルで吸引される対象物を保持するウェルプレートであって、上面と底面とを有する扁平な形状を有するプレート本体と、前記プレート本体の前記上面から底面に向けて窪んだ凹部であって、前記対象物を保持すると共に液体を貯留するウェルと、を備え、前記ウェルは、前記上面に形成された開口部と、該ウェルの底面となる内底部と、前記開口部と前記内底部との間の壁面である内壁と、を備え、前記内壁には、前記吸引ノズルの前記吸引口を含む先端部を、前記ウェルに進入させて接触させた状態において、前記液体が流通するための隙間を形成するリブ突設されており、前記リブは、前記ウェルの前記内底部から前記開口部の方向へ上方に延びるように形成され、一部にスロープ部を有し、前記スロープ部の、前記内壁から突設する突設長さは、前記開口部の近傍よりも、前記内底部の近傍の方が長く形成されている。

0010

本発明の他の局面に係るウェルプレートは、吸引口を有する吸引ノズルで吸引される対象物を保持するウェルプレートであって、上面と底面とを有する扁平な形状を有するプレート本体と、前記プレート本体の前記上面から底面に向けて窪んだ凹部であって、前記対象物を保持すると共に液体を貯留するウェルと、を備え、前記ウェルは、前記上面に形成された開口部と、該ウェルの底面となる内底部と、前記開口部と前記内底部との間の壁面である内壁と、を備え、前記内壁は、前記開口部から前記内底部の方向にかけて、前記ウェルの開口面積を狭くするテーパ部を有し、前記テーパ部には、前記吸引ノズルの前記吸引口を含む先端部を、前記ウェルに進入させて接触させた状態において、前記液体が流通するための隙間を形成する凸部が設けられている。

0011

本発明のさらに他の局面に係るウェルプレートは、吸引口を有する吸引ノズルで吸引される対象物を保持するウェルプレートであって、上面と底面とを有する扁平な形状を有するプレート本体と、前記プレート本体の前記上面から底面に向けて窪んだ凹部であって、前記対象物を保持すると共に液体を貯留するウェルと、を備え、前記ウェルは、前記上面に形成された開口部と、該ウェルの底面となる内底部と、前記開口部と前記内底部との間の壁面である内壁と、を備え、前記内壁は、前記開口部から前記内底部の方向にかけて、前記ウェルの開口面積を狭くするテーパ部を有し、前記テーパ部には、前記吸引ノズルの前記吸引口を含む先端部を、前記ウェルに進入させて接触させた状態において、前記液体が流通するための隙間を形成する溝部が設けられている。

0012

本発明のさらに他の局面に係る吸引装置は、上記のウェルプレートと、前記ウェルに保持された前記対象物を吸引する吸引口を有する吸引ノズルと、を備える。

発明の効果

0013

本発明によれば、対象物がウェルプレートに保持されたか否かを判定できる。また、吸引ノズルの吸引口とウェルの開口部との位置を容易に確認することができる。さらに、ユーザは、判定手段によって、ウェルに保持された対象物の形状を吸引前に確認することができるため、歪な形状であるなどの理由から吸引すべきでない対象物がウェルに保持されている場合に、吸引対象から除外することができる。

図面の簡単な説明

0014

図1は、本発明の第1の実施形態のウェルプレートの斜視図である。
図2は、本発明の第1の実施形態のウェルプレートのウェルを説明する説明図である。
図3は、本発明の第1の実施形態のウェルプレートを備えた吸引装置を説明する模式図である。
図4は、本発明の第1の実施形態のウェルプレートに保持された対象物を吸引する様子の説明図である。
図5は、本発明の第2の実施形態のウェルプレートの説明図である。
図6は、本発明の第3の実施形態のウェルプレートの説明図である。

実施例

0015

(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態のウェルプレート1および該ウェルプレート1を備えた吸引装置2について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態のウェルプレート1の斜視図である。図2は、本実施形態のウェルプレート1のウェル3を説明する説明図であり、図2(a)は、本実施形態のウェルプレート1の図1におけるX−X’断面図であり、図2(b)は、本実施形態のウェルプレート1に形成されたウェル3の平面図である。図3は、本実施形態のウェルプレート1を備えた吸引装置2を説明する模式図である。図4(a)は、本実施形態のウェルプレート1に保持された対象物5を吸引する様子の説明図である。図4(b)は、図4(a)のY−Y’断面図である。

0016

本実施形態のウェルプレート1は、図1および図3に示されるように、液体Lに浸漬して使用され、ウェル3を有する。ウェル3は、吸引口4aを有する吸引ノズル4で吸引される対象物5を内底部3aで保持する。ウェル3には、吸引ノズル4の吸引口4aを含む先端部4bを、ウェル3に進入させて接触させた状態(図4(a)参照)において、液体Lが流通するための隙間Sを形成するリブ8(隙間形成部材)が設けられている。以下、本実施形態のウェルプレート1および該ウェルプレート1を備えた吸引装置2の各構成について説明する。

0017

<対象物の集合Mについて>
対象物の集合Mは、対象物5を含む液体である。対象物の集合Mは、通常は、ビーカ等の貯留容器6に貯留される(図3参照)。貯留容器6に貯留された対象物の集合Mは、液体Lを貯留した容器7に浸漬されたウェルプレート1の上方から添加される。

0018

対象物の集合Mの添加方法としては特に限定されない。たとえば、対象物5の乾燥や物理的な衝撃を排除する点から、ユーザは、容器7に貯留された液体Lの液面に近い位置から穏やかに添加するか、吸引ピペット等の吸引吐出装置を用いて液体Lに直接添加することが好ましい。液体Lに添加された対象物の集合Mは、重力に従って液体L中を分散しながら穏やかに沈降する。そのため、対象物5に対する物理的な衝撃は低減される。

0019

対象物5の種類としては特に限定されず、種々の形状や粒子径を有する粒子の混合物、種々の大きさの細胞や夾雑物を含んだ細胞培養液細胞処理液などが挙げられる。たとえば、対象物の集合Mが、種々の形状の粒子の混合スラリーである場合には、対象物5は、当該混合スラリーに含まれる粒子である。また、当該粒子の中に、ユーザが所望する形状の粒子が含まれている場合、このような所望の粒子が対象物5に該当する。同様に、対象物の集合Mが、種々の大きさの細胞や夾雑物を含んだ細胞培養液等であり、細胞を吸引する場合には、対象物5は、当該細胞培養液等に含まれる細胞である。また、当該細胞の中に、ユーザが所望する形状の細胞が含まれている場合、このような所望の細胞が対象物5に該当する。

0020

本実施形態のウェルプレート1を用いて保持する対象物5としては、生体由来の細胞であることが好ましく、より好ましくは、生体由来の細胞凝集塊である。

0021

本実施形態のウェルプレート1は、形状の偏差の大きな対象物である生体由来の細胞をウェル3に保持できる。ウェル3に保持された対象物5は、ユーザが容易に吸引ピペット等の吸引吐出装置で吸引して回収することができる。本実施形態のウェルプレート1は、ウェル3に保持された対象物5を回収する際に、後述するリブ8を設けることにより形成された隙間Sから周囲の液体Lを吸入することができる。そのため、ウェル3内に保持されていた対象物5は、吸入された液体Lの流れに沿って吸引口4aから効率よく吸引される。その結果、本実施形態のウェルプレート1は、バイオ関連技術や医薬の分野における作業の効率化に寄与し得る。

0022

対象物5が生体由来の細胞凝集塊(スフェロイド、spheroid)である場合には、細胞凝集塊の内部では各細胞間の相互作用を考慮した生体類似環境が再構築されている。細胞凝集塊を用いて得た試験結果は、1個の細胞を用いて得た試験結果よりも、個々の細胞の機能を考慮した結果が得られる。また、細胞凝集塊を用いる場合には、ユーザは、実験条件を、より生体内における環境に即した条件に揃えることができる。そのため、本実施形態のウェルプレート1を用いて細胞凝集塊を保持し、回収すれば、ユーザは、バイオ関連技術や医薬の分野において信頼性の高い結果を得る試料を準備することができる。

0023

対象物5の大きさとしては、特に限定されない。対象物5は、全体がウェル3の内底部3aに沈降する大きさであってもよく(図4(a)参照)、一部がウェル3に当接して保持される大きさであってもよい。また、後記により詳述するが、図2(b)に示されるように、ウェル3の開口部の径(L2)は、700〜2500μmであり、ウェル3の内底部3aにおいて互いに対向する一対のリブ8の距離(L1)は、80〜800μmである。そのため、対象物5の径は、80〜800μm程度である。

0024

<容器7について>
容器7は、液体Lを貯留する。図3では、内底部7aを有し、上端が開口した有底の円筒体からなる容器7を例示している。

0025

容器7の形状としては特に限定されないが、操作性や安定性等の点から、好ましくは内底部7aが平面で、高さが横幅に比べて比較的低い扁平形状を採用することが好ましい。

0026

容器7の開口幅および高さ(深さ)としては、上記したウェルプレート1を完全に浸漬できる程度に液体Lを貯留することができる開口幅および高さ(深さ)であればよい。

0027

容器7の材質としては特に限定されないが、容器7に収容されたウェルプレート1のウェル3に保持された対象物5の状態を容易に確認し得る点から、透光性材料を採用することが好ましい。透光性材料は、後述するウェルプレート1の説明において詳述する。また、容器7およびウェルプレート1の両方を透光性材料で作製する場合には、ユーザは、容器7の下方から、後述する位相差顕微鏡10により対象物5を連続的に観察し、判定することができるため、作業効率を向上させることができる。

0028

これらの要件を満たす容器7としては、たとえば、高さが数mm〜数cm、直径が10cm程度の円形ガラスシャーレを採用することができる。

0029

容器7に貯留される液体Lとしては、対象物5の性状を劣化させないものであれば特に限定されず、対象物5の種類により適宜選定することができる。代表的な液体Lとしては、たとえば基本培地合成培地イーグル培地、RPMI培地フィッシャー培地、ハム培地、MCDB培地、血清などの培地のほか、冷凍保存前に添加するグリセロールセルバンカー(十慈フィールド(株)製)等の細胞凍結液ホルマリン蛍光染色のための試薬、抗体、精製水生理食塩水などを挙げることができる。

0030

対象物5が細胞の場合には、その細胞の性状に合わせた培養保存液を用いることができる。たとえば、対象物5として生体由来の細胞であるBxPC−3(ヒト膵臓腺癌細胞)を用いる場合には、液体Lとしては、RPMI−1640培地に牛胎児血清BS(Fetal Bovine Serum)を10%混ぜたものに、必要に応じて抗生物質ピルビン酸ナトリウムなどのサプリメントを添加したものを用いることができる。

0031

容器7に貯留する液体Lの量としては特に限定されず、後述するウェルプレート1を完全に浸漬でき、ユーザが吸引ノズル4を操作してウェル3に保持された対象物5を吸引する際に、対象物5の周囲に液流を発生し得る程度の量が貯留されていればよい。

0032

なお、本実施形態のウェルプレート1を使用する際に、ユーザは、容器7に貯留される液体Lと、対象物の集合Mが含む液体とを同じ成分とすることが可能である。

0033

また、ユーザは、液体Lを貯留していない容器7の内底部7aに本実施形態のウェルプレート1を載置し、ウェルプレート1の上方から、対象物の集合Mを添加してもよい。この場合、添加と同時に、対象物5の一部は、ウェル3内に沈降する。また、ウェル3に保持されなかった残りの対象物5は、対象物の集合Mに含まれる液体とともにウェルプレート1から容器7の内底部7aに落ちる。ユーザは、ウェル3に保持された対象物5の数が充分でなく、空のウェル3が存在すると判断した場合には、容器7の内底部7aに零れ落ちた対象物の集合Mから対象物5を、吸引ノズル4を装着した吸引ピペット等の吸引吐出装置で吸引し、再度、ウェルプレート1の上方から添加すればよい。後述するように、本実施形態のウェルプレート1を用いてウェル3に対象物5を保持した場合、ウェル3に保持された対象物5を吸引して回収する際には、ユーザは、ウェル3の周囲の液体Lを隙間Sから吸入させながら対象物5を回収する。そのため、対象物の集合Mに含まれる液体は、容器7に載置されたウェルプレート1を浸漬するために充分な量であることが好ましい。

0034

<ウェルプレート1について>
ウェルプレート1は、図1および図3に示されるように、容器7に貯留された液体Lに浸漬して使用され、ウェル3を有する。ウェル3は、対象物の集合Mに含まれる対象物5の中から、特定形状を備える対象物を選別可能とするために設けられている。図1に例示するウェルプレート1は、上面1aと底面1bとを有する扁平な直方体の形状を有し、上面1aから底面1bに向けて落ち窪んだ内底部3aを有するウェル3が、縦4個×横4個のマトリクス状に配列されている。ユーザは、ウェル3に対象物5を保持して、後述する位相差顕微鏡10(判定手段)を用いて、ウェル3の上方または下方から、ウェル3に保持された対象物5の有無や、対象物5の形状を判定する。

0035

ウェルプレート1の形状としては特に限定されないが、容器7の形状が扁平である場合に容器7に浸漬しやすく、かつ、重力に従って真下に沈降する対象物5を保持しやすい点や、ウェルプレート1のウェル3内に保持された対象物5を観察する際に位相差顕微鏡10の対物レンズ被写界深度内に焦点を合わせ易い点から、扁平な形状を呈することが好ましい。

0036

ウェルプレート1の幅および高さとしては、容器7に貯留された液体Lに浸漬する必要があるため、容器7の開口幅よりも幅が小さく、かつ、容器7の収容深さに比べて高さが小さければよい。

0037

ウェルプレート1の材質としては特に限定されないが、内容物の状態を容易に確認し得る点から、透光性材料を採用することが好ましい。また、後述するように、容器7およびウェルプレート1の両方を透光性材料で作製する場合には、容器7の上方もしくは下方から位相差顕微鏡10により対象物5を連続的に観察することができる。

0039

また、無機系材料、たとえば、金属アルコキシドセラミック前駆体ポリマー、金属アルコキシドを含有する溶液ゾルゲル法により加水分解重合してなる溶液またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料、たとえばシロキサン結合を有する無機系材料(ポリジメチルシロキサンなど)やガラスを用いることが好ましい。

0040

ガラスとしては、ソーダガラス石英ホウケイ酸ガラスパイレックス登録商標)ガラス、低融点ガラス感光性ガラス、その他種々の屈折率およびアッベ数を有する光学ガラスを広く用いることができる。

0041

<ウェル3について>
ウェル3は、略円筒形状であり、ウェルプレート1の上面1aに形成された凹部である。ウェル3は、底面に内底部3aを有する。本実施形態では、縦4個×横4個のマトリクス状に配列されたウェル3を例示している。

0042

ウェル3の個数としては特に限定されず、1個がウェルプレート1に形成されていてもよく、複数のウェル3が配列されていてもよい。複数のウェル3が配列される場合には、マトリクス状に配列されることが好ましい。このように複数のウェル3を配列することにより、ユーザは、複数の対象物5を同時に配列してウェル3に保持することができ、作業を効率化することができる。

0043

ウェル3の大きさ(開口部の径)としては特に限定されない。図2(a)および図2(b)に示されるように、ウェル3の開口部の径(L2)は、700〜2500μmであり、ウェル3の内底部3aにおいて互いに対向する一対の後述するリブ8の距離(L1)は、80〜800μmである。

0044

ウェル3の深さとしては特に限定されず、図2(a)に示されるように、ウェル3内に対象物5を保持し得る深さであればよい。上記のとおり、対象物5の径は、80〜800μm程度であるため、ウェル3の深さは、たとえば、160〜1600μm程度である。

0045

ウェル3は、図4(a)および図4(b)に示されるように、吸引ノズル4の吸引口4aを含む先端部4bを、ウェル3に進入させて接触させた状態において、液体Lが流通するための隙間Sを形成するリブ8を有する。

0046

図4(b)に示されるように、隙間Sは、吸引ノズル4の吸引口4aを含む先端部4bを、ウェル3に進入させた場合に、吸引ノズル4の外壁4cと、ウェル3の内壁3bとの間に形成される空間である。すなわち、仮に、リブ8が形成されていないウェル3に吸引ノズル4の先端部4bを進入させると、吸引ノズル4の外壁4cと、ウェル3の内壁3bとは、隙間なく密着する。しかしながら、本実施形態のウェルプレート1に形成されたウェル3は、内壁3bの一部にリブ8を有しているため、当該リブ8のスロープ部8aと、吸引ノズル4の外壁4cとは当接するが、吸引ノズル4の外壁4cと、ウェル3の内壁3bとは対向して離間する。その結果、吸引ノズル4の外壁4cとウェル3の内壁3bとの間に生じた空間が隙間Sとなる。液体Lは、ユーザが吸引ノズル4をウェル3内に進入させて、吸引ノズル4の外壁4cの一部をリブ8と当接させた状態であっても、形成された隙間Sを流通することができる。矢印A1は、吸引ノズル4をウェル3内に進入させた状態において、隙間Sからウェル3内に流入し、吸引口4aから吸引される液体Lの流れを示している。

0047

本実施形態のウェルプレート1は、リブ8を有することにより、対象物5をウェル3内に形成されたリブ8に当接して安定に保持することができるとともに、リブ8を吸引ノズル4の外壁4cの一部と接触させて、吸引ノズル4の先端部4bの位置(吸引位置)を安定に保持することができる。

0048

また、本実施形態のウェルプレート1は、上記のとおり、吸引ノズル4の吸引口4aを含む先端部4bをウェル3に進入させて接触させた状態でも、接触箇所の近傍に、液体Lが流通することが可能な隙間Sを形成することができる。吸引ノズル4は、リブ8により形成された隙間Sから周囲の液体Lを吸引することができる。その結果、ウェル3内に保持されていた対象物5は、吸引された液流に沿って吸引ノズル4の吸引口4aから効率よく吸引される。ウェル3内の円筒形状の内壁3bや内底部3aには溝等が形成されていないため、対象物5は、柔軟な性状であったとしても、ウェル3の一部に嵌まり込んだり、引っ掛かったりすることがない。

0049

リブ8は、図2(a)および図2(b)に示されるように、ウェル3の内底部3aから開口部の方向へ上方に延びるように形成され、一部にスロープ部8aを有する。スロープ部8aがウェル3の内壁3bから突設する突設長さ(L4)は、開口部の近傍よりも、内底部3aの近傍の方が長く形成されている。

0050

リブ8は、図2(b)に示されるように、隣り合うリブ8の周方向の距離が略同じになるように、それぞれのウェル3の内壁3bに4箇所形成されている。スロープ部8aは、ウェル3の開口部から内底部3aの方向へ、ウェル3の開口面積を減少させるように下る傾斜である。そのため、スロープ部8aを有するリブ8は、対象物5をウェル3内に導入しやすく、かつ、ユーザが吸引ノズル4で対象物5を吸引する際に、対象物5の周囲に液体Lの流れを発生させやすい。

0051

上記のとおり、スロープ部8aがウェル3の内壁3bから突設する突設長さ(L4)は、ウェル3の開口部よりも、内底部3aにおいて大きくなるよう形成されている。そのため、図2(b)に示されるように、ウェル3の内底部3aにおいて互いに対向する一対のリブ8の距離(L1)は、後述する吸引ノズル4の先端部4bに形成された吸引口4aの断面の径(L3)よりも小さい。参照符号Pは、吸引ノズル4の吸引口4aを含む先端部4bをウェル3に進入させた場合における先端部4bの位置を示している。その結果、ユーザが、吸引ノズル4の先端部4bをウェル3に進入させたときに、吸引ノズル4の先端部4bは、ウェル3の内底部3aには到達せず、リブ8のスロープ部8aと当接して停止する。したがって、吸引ノズル4の先端部4bが、ウェル3の内底部3aに保持された対象物5と接触することがなく、対象物5は、吸引ノズル4の先端部4bにより傷つけられることがない。

0052

スロープ部8aがウェル3の内壁3bから突設する突設長さ(L4)の最大値としては、ウェル3の大きさ(開口部の径)や、保持する対象物5の径により変動するが、たとえば300〜1300μm程度である。

0053

リブ8の個数としては特に限定されず、本実施形態のウェルプレート1は、1個のリブ8がウェル3の内壁3bに形成されていてもよく、複数のリブ8がウェル3の内壁3bに形成されていてもよい。複数のリブ8が形成されている場合には、ユーザは、1個のリブ8が形成されている場合と比較して、より安定に吸引ノズル4の位置決めが可能となる。また、複数のリブ8は、より多くの隙間Sを形成することができるため、吸引ノズル4で対象物5を吸引する際に、液体Lの流れを形成させやすい。

0054

複数のリブ8を形成する場合において、リブ8の配置としては特に限定されず、本実施形態のウェルプレート1において、ユーザは、複数のリブ8がウェル3の内壁3bに配列される場合には、隣り合うリブ8の周方向の距離を略同じになるように形成することもできるし、隣り合うリブ8の周方向の距離を異ならせて形成することもできる。

0055

複数のリブ8を、等間隔でウェル3の内壁3bに形成した場合には、それぞれのリブ8と吸引ノズル4とが形成する隙間Sの大きさ(幅)が均一となるため、ユーザは、吸引時に隙間Sに発生する液流を均一に揃えることができる。一方、隣り合うリブ8の周方向の距離を異ならせて形成した場合には、それぞれのリブ8と吸引ノズル4とが形成する隙間Sの大きさ(幅)が不均一となるため、ユーザは、吸引時に隙間Sに発生する液流を不均一に変化させることができる。その結果、ユーザは、異なる配置のリブ8が形成されたウェル3を有するウェルプレート1をそれぞれ準備すれば、保持したい対象物5の形状に併せて、当該対象物5を吸引しやすい液流を発生することが可能なウェルプレート1を選択することができる。

0056

<吸引装置2について>
吸引装置2は、上記した容器7と、該容器7に浸漬される上記したウェルプレート1と、ウェルプレート1に形成されたウェル3に保持された対象物5を吸引する吸引口4aを有する吸引ノズル4と、を有する。上記のとおり、ウェル3には、吸引ノズル4の吸引口4aを含む先端部4bをウェル3に進入させて接触させた状態において、液体Lが流通するための隙間Sを形成するリブ8が設けられている。また、本実施形態の吸引装置2は、振動発生機構9(振動発生手段)を有する。さらに、容器7の上方または下方からウェルプレート1に保持された対象物5を観察する位相差顕微鏡10を有する。以下、各構成について説明する。なお、容器7およびウェルプレート1については上記したものと同じであるため、説明を省略する。

0057

<吸引ノズル4について>
吸引ノズル4は、先端部4bに形成された吸引口4aで、ウェル3に保持された対象物5を吸引し、回収するノズルである。吸引ノズル4は、外部に設けられたポンプ機構(図示せず)に接続されている。ポンプ機構は、吸引ノズル4の先端部4bに形成された吸引口4aに吸引力を発生させる。吸引口4aに吸引された対象物5は、吸引口に保持される。なお、対象物5を吸引する前に吸引された液体Lは、吸引ノズル4内に設けられた吸引経路である管状通路(図示せず)を通過して、管状通路内のノズル先端付近に保持されるか、管状通路の経路下流に設けられた貯留部(図示せず)に貯留されるか、廃棄されるか、別途設けられた循環経路(図示せず)により、再び容器7に吐出される。

0058

図3に示されるように、吸引ノズル4は、吸引口4aを含む先端部4bを、ウェルプレート1の上方からウェル3の開口部に進入可能に設けられている。図3では、1個の吸引ノズル4を例示している。

0059

吸引ノズル4の数は特に限定されず、1個であってもよく複数であってもよい。ウェルプレート1に形成されたウェル3が複数である場合には、吸引ノズル4は、それぞれのウェル3の配置と対応する間隔で配列することが好ましい。また、図1に示されるように、ウェル3をマトリクス状に形成した場合には、本実施形態の吸引装置2は、4個を一列に配列した吸引ノズル4を準備して、ウェル3の列ごとに、対象物5を1度に吸引可能に設計するか、縦4個×横4個のマトリクス状に吸引ノズル4を準備して、すべてのウェル3の対象物5を1度に吸引可能に設計することが好ましい。このように複数の対象物5を1度に回収できる構成を採用することにより、ユーザは、作業の効率を向上させることができる。

0060

本実施形態の吸引装置2の吸引ノズル4の先端部4bに形成された吸引口4aの断面形状は、図2(b)に示されるように円形である。吸引口4aの断面形状としては特に限定されず、楕円形であってもよく、角形であってもよい。

0061

上記のとおり、吸引ノズル4の先端部4bに形成された吸引口4aの断面の径(L3)は、ウェル3の内底部3aにおいて互いに対向する一対のリブ8の距離(L1)よりも大きく、ウェル3の開口部の径(L2)よりも小さい。そのため、吸引ノズル4の吸引口4aを含む先端部4bをウェル3に進入させた場合、吸引ノズル4の先端部4bは、図4(a)および図4(b)に示されるように、外壁4cの一部はリブ8のスロープ部8aと当接するが、外壁4cのその他の部分は、ウェル3の内壁3bと離間する。その結果、吸引ノズル4の外壁4cの一部とウェル3の内壁3bとの間には隙間Sが形成される。

0062

隙間Sは、ユーザが吸引ノズル4を操作して吸引口4aに吸引力を発生した際に、ウェル3の周囲に存在する液体Lをウェル3内に流入させる。隙間Sを通過してウェル3内に流入した液体Lは、吸引口4aに発生した吸引力により、吸引口4aの周囲に液流を発生させる。ウェル3内に保持された対象物5は、発生した液流とともに吸引口4aから吸引される。

0063

隙間Sの大きさとしては特に限定されないが、たとえば形成される隙間Sの面積の合計が、0.3〜9mm2程度である。このような大きさの隙間Sが形成されていれば、本実施形態の吸引装置2は、通常の吸引チップを備えた吸引ピペット等の吸引吐出装置を吸引ノズル4として用いて吸引した際に、対象物5を吸引し得る程度の水流を発生させることができる。

0064

<振動発生機構9について>
振動発生機構9は、吸引ノズル4の吸引口4aを含む先端部4bを、ウェル3に進入させて接触させた状態において、ウェルプレート1を振動させる。すなわち、振動発生機構9は、振動を発生させることにより、ウェル3内に保持された対象物5を一時的に浮かせて、吸引ノズル4から吸引する際に、隙間Sよりウェル3内に流入した外部の液体Lの液流に乗せやすくする。また、振動発生機構9は、振動を発生させることにより、ウェル3内を沈降する対象物5やウェル3の開口部近傍に沈降した対象物5に振動を加え、ウェル3の内底部3aへの対象物5の沈降を促す。

0065

振動発生機構9は、図1に示されるように、ウェルプレート1に接続されている。なお、振動発生機構9の設置位置は特に限定されない。ウェルプレート1が容器7の内底部7aに固定されており、容器7を振動させても、対象物5以外の夾雑物が舞い上がる虞がない場合には、振動発生機構9は、容器7に接続し、容器7を振動させて間接的にウェルプレート1を振動させてもよい。また、振動発生機構9は、ウェルプレート1と容器7のそれぞれに設けてもよい。

0066

本実施形態の吸引装置2は、ウェル3に保持された対象物5に振動を与えて一時的に対象物5を浮かせることができる。その結果、浮き上がった対象物5は、吸引ノズル4により吸引されやすくなるため、ユーザによる対象物5の吸引、回収作業の効率が向上する。

0067

振動発生機構9による振動発生方法としては、バイブレータにより物理的な振動を発生させる方法のほか、対象物5の性状に影響を与えない範囲で電磁波を加えて対象物5を振動させる方法や、超音波を加えて対象物5を振動させる方法などを採用することができる。

0068

<位相差顕微鏡10>
位相差顕微鏡10は、容器7の上方または下方からウェルプレート1に対象物5が保持されたか否か、および、保持された対象物5の形状を観察、判定するために設けられている。このように、位相差顕微鏡10を用いて対象物5を観察、判定することにより、ユーザは、ウェル3に保持された対象物5の存在を容易に確認することができる。また、ユーザは、ウェル3に保持された対象物5の形状を吸引前に確認することができる。そのため、歪な形状であるなどの理由から吸引すべきでない対象物5がウェル3に保持されている場合に、ユーザは、吸引対象から除外することができる。さらに、ユーザは、吸引ノズル4の吸引口4aとウェル3の開口部との位置を容易に確認することができ、精確な吸引を行うことができる。

0069

なお、本実施形態では判定手段として位相差顕微鏡10を採用しているが、判定手段は特に限定されず、一般的な光学顕微鏡のほか、蛍光顕微鏡偏光顕微鏡実体顕微鏡明視野顕微鏡暗視野顕微鏡微分干渉顕微鏡超音波顕微鏡共焦点顕微鏡レーザ走査顕微鏡電子顕微鏡走査型プローブ顕微鏡X線顕微鏡バーチャル顕微鏡デジタルマイクスコープ、などを用いることができる。

0070

細胞等の透明度の高い対象物5を観察する場合には、判定手段として位相差顕微鏡10や蛍光顕微鏡を用いることが好ましい。判定手段として蛍光顕微鏡を用いる場合には、対象物5が蛍光性を有する必要がある。そのため、蛍光性を有していない対象物5を蛍光顕微鏡で測定する場合は、あらかじめ蛍光色素により染色してから測定に供する。対象物5の染色方法としては特に限定されず、適宜好ましい染色方法を採用すればよい。たとえば、化学的蛍光染色、抗体蛍光染色などの方法を採用することができる。他にも、緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein(GFP))などの蛍光タンパク質誘導する遺伝子を遺伝子組み替えによって細胞に導入して観察する方法を採用することができる。

0071

位相差顕微鏡10には、モニター装置(図示せず)が付設される。モニター装置は、位相差顕微鏡10が作る光像電気的な画像データ信号に変換する撮像素子と、前記画像データにガンマ補正シェーディング補正などの画像処理を施す画像処理部と、画像処理後の画像データを表示する表示装置と、を含む。

0072

位相差顕微鏡10により対象物5の形状を判定する際の判定基準としては特に限定されない。判断基準は、対象物5を使用する用途によりユーザが適宜定めればよい。

0073

なお、本実施形態では、ウェルプレート1そのものを容器7に浸漬して、ウェル3に液体Lに貯留する例を説明したが、ウェル3に液体Lを貯留する方法は、特に限定されない。たとえば、ウェルプレート1を液体Lに浸漬せずに、ウェル3にのみ液体Lを貯留してもよい。この場合、ユーザがウェル3に保持された対象物5を吸引する際に、ウェル3に貯留された液体Lのみでは液体Lの量が足りず、対象物5を充分に吸引できない可能性がある。本実施形態のウェルプレート1は、このような場合に、たとえば、ウェルプレート1の上面や、それぞれのウェル3の開口部を覆うように外壁(図示せず)を設けて、当該外壁の内側を液体Lで満たすことができる。これにより、ユーザは、充分な量の液体Lとともにウェル3に保持された対象物5を回収することができる。

0074

(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態のウェルプレート1Aについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図5は、本実施形態のウェルプレート1Aの説明図である。図5(a)は、本実施形態のウェルプレート1Aの斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のX1−X1’断面図であり、図5(c)は、本実施形態のウェル3Aの平面図である。

0075

本実施形態のウェルプレート1Aは、ウェル3Aの構成が異なる以外は、第1の実施形態のウェルプレート1と同様の構成である。そのため、相違点以外の説明は省略する。

0076

本実施形態のウェルプレート1Aに形成されたウェル3Aは、図5(a)および図5(b)に示されるように、略円筒形状であり、ウェル3Aの開口部から内底部3cの方向にかけて、ウェル3Aの開口面積を狭くするテーパ部11Aを有する。該テーパ部11Aには、複数の凸部12が形成されている。

0077

テーパ部11Aは、図5(b)に示されるように、ウェル3Aの開口部からウェル3Aの内底部3c方向に下る傾斜であるため、ウェル3A内に対象物5を導入しやすい。すなわち、ユーザが対象物5をウェルプレート1Aの上方から添加した場合、ウェル3Aの開口部近傍に沈降した対象物5は、テーパ部11Aを下ってウェル3A内に導入される。

0078

また、テーパ部11Aは、ウェル3Aの開口部をテーパ部11Aの上端部とした場合に、テーパ部11Aの下端部にて吸引ノズル4の吸引口4aを含む先端部4bの外壁4cと接触する。そのため、ユーザは、吸引ノズル4をウェル3A内に進入させた際に、吸引ノズル4の先端部4bの外壁4cと、テーパ部11Aとの当接状態を確認して、吸引ノズル4の位置決めを行うことができる。

0079

なお、本実施形態では、テーパ部11Aの下端部において吸引ノズル4の先端部4bの外壁4cが接触する場合を例に説明したが、テーパ部11Aと外壁4cとの接触位置は、テーパ部11Aの下端部に限定されない。たとえば、吸引ノズル4の先端部4bや外壁4cの形状によっては、テーパ部11Aの下端部以外の傾斜部と外壁4cとが接触する場合がある。このような場合であっても、ユーザは、吸引ノズル4をウェル3A内に進入させた際に、吸引ノズル4の先端部4bの外壁4cと、テーパ部11Aとの当接状態を確認して、吸引ノズル4の位置決めを行うことができる。

0080

凸部12は、テーパ部11Aに設けられている。図5(c)に示されるように、凸部12は、テーパ部11Aの上端部と下端部の略中央位置に隣り合う凸部12の周方向の離間距離が略同じとなるよう6個設けられている。

0081

凸部12の個数としては特に限定されず、本実施形態のウェルプレート1Aは、1個の凸部12がテーパ部11Aに形成されていてもよく、複数の凸部12がテーパ部11Aに形成されていてもよい。複数の凸部12が形成されている場合には、ユーザは、1個の凸部12が形成されている場合と比較して、より安定に吸引ノズル4の位置決めが可能となる。また、複数の凸部12は、より多くの隙間Sを形成することができるため、吸引ノズル4で対象物5を吸引する際に、液体Lの流れを形成させやすい。

0082

複数の凸部12を形成する場合において、凸部12の配置としては特に限定されず、本実施形態のウェルプレート1Aは、複数の凸部12がテーパ部11Aに形成される場合には、隣り合う凸部12の周方向の距離を略同じになるように形成することもできるし、隣り合う凸部12の周方向の距離を異ならせて形成することもできる。

0083

複数の凸部12を、等間隔でテーパ部11Aに形成した場合には、それぞれの凸部12と吸引ノズル4とが形成する隙間Sの大きさ(幅)が均一となるため、ユーザは、吸引時に隙間Sに発生する液流を均一に揃えることができる。一方、隣り合う凸部12の周方向の距離を異ならせて形成した場合には、それぞれの凸部12と吸引ノズル4とが形成する隙間Sの大きさ(幅)が不均一となるため、ユーザは、吸引時に隙間Sに発生する液流を不均一に変化させることができる。その結果、ユーザは、異なる配置の凸部12が形成されたウェル3Aを有するウェルプレート1Aをそれぞれ準備すれば、保持したい対象物5の形状に併せて、当該対象物5を吸引しやすい液流を発生することが可能なウェルプレート1Aを選択することができる。

0084

凸部12の高さ(凸部12の頂点からテーパ部11Aに下ろした垂線の長さ)としては特に限定されず、ウェル3Aの開口部を遮蔽しない高さであればよい。たとえば、テーパ部11Aの下端部におけるウェル3Aの開口部の径が80〜800μmである場合には、凸部12の高さは、200〜600μm程度である。

0085

凸部12の形状としては特に限定されず、半球状、半楕円球状、錐台状、直方体状などの定形状であってもよく、不定形状であってもよい。

0086

凸部12をテーパ部11Aに形成する方法としては特に限定されず、凸部12は、テーパ部11Aと一体的に形成してもよく、別体として形成した後に、テーパ部11Aに貼着してもよい。

0087

(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態のウェルプレート1Bについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図6は、本実施形態のウェルプレート1Bの説明図である。図6(a)は、本実施形態のウェルプレート1Bの斜視図であり、図6(b)は、図6(a)のX2−X2’断面図であり、図6(c)は、本実施形態のウェル3Bの平面図である。

0088

本実施形態のウェルプレート1Bは、ウェル3Bの構成が異なる以外は、第1の実施形態のウェルプレート1と同様の構成である。そのため、相違点以外の説明は省略する。

0089

本実施形態のウェルプレート1Bに形成されたウェル3Bは、図6(a)および図6(b)に示されるように、略円筒形状であり、ウェル3Bの開口部から内底部3dの方向にかけて、ウェル3Bの開口面積を狭くするテーパ部11Bを有する。該テーパ部11Bには、複数の溝部13が形成されている。

0090

テーパ部11Bは、図6(b)に示されるように、ウェル3Bの開口部からウェル3Bの内底部3d方向に下る傾斜であるため、ウェル3B内に対象物5を導入しやすい。すなわち、ユーザが対象物5をウェルプレート1Bの上方から添加した場合、ウェル3Bの開口部近傍に沈降した対象物5は、テーパ部11Bを下ってウェル3B内に導入される。

0091

また、テーパ部11Bは、ウェル3Bの開口部をテーパ部11Bの上端部とした場合に、テーパ部11Bの下端部にて吸引ノズル4の先端部4bと接触する。そのため、ユーザは、吸引ノズル4をウェル3B内に進入させた際に、吸引ノズル4の位置決めを行うことができる。

0092

なお、本実施形態のウェルプレート1Bは、第2の実施形態のウェルプレート1と同様に、テーパ部11Bの下端部以外の傾斜部においても吸引ノズル4の先端部4bの外壁4cと接触し得る。

0093

溝部13は、テーパ部11Bに設けられている。図6(c)に示されるように、溝部13は、テーパ部11Bの上端部から下端部にかけて形成されており、隣り合う溝部13の周方向の離間距離が略同じとなるよう2個設けられている。

0094

溝部13の個数としては特に限定されず、本実施形態のウェルプレート1Bは、1個の溝部13がテーパ部11Bに形成されていてもよく、複数の溝部13がテーパ部11Bに形成されていてもよい。複数の溝部13が形成されている場合には、ユーザは、1個の溝部13が形成されている場合と比較して、より安定に吸引ノズル4の位置決めが可能となる。また、複数の溝部13は、より多くの隙間Sを形成することができるため、吸引ノズル4で対象物5を吸引する際に、液体Lの流れを形成させやすい。

0095

複数の溝部13を形成する場合において、溝部13の位置としては特に限定されず、本実施形態のウェルプレート1Bは、複数の溝部13がテーパ部11Bに形成される場合には、隣り合う溝部13の周方向の距離を略同じになるように形成することもできるし、隣り合う溝部13の周方向の距離を異ならせて形成することもできる。

0096

複数の溝部13を、等間隔でテーパ部11Bに形成した場合には、それぞれの溝部13と吸引ノズル4とが形成する隙間Sの配置が均一となるため、ユーザは、吸引時に隙間Sに発生する液流を均一に揃えることができる。一方、隣り合う溝部13の周方向の距離を異ならせて形成した場合には、それぞれの溝部13と吸引ノズル4とが形成する隙間Sの配置が不均一となるため、ユーザは、吸引時に隙間Sに発生する液流を不均一に変化させることができる。その結果、ユーザは、異なる配置の溝部13が形成されたウェル3Bを有するウェルプレート1Bをそれぞれ準備すれば、保持したい対象物5の形状に併せて、当該対象物5を吸引しやすい液流を発生することが可能なウェルプレート1Bを選択することができる。

0097

溝部13の幅としては特に限定されず、吸引ノズル4をウェル3Bに進入された状態で、吸引時に液流が発生し得る程度の隙間Sが形成できる幅であればよい。たとえば、溝部13の幅は、ウェル3Bの外周長の1/8〜1/4程度である。

0098

溝部13の深さとしては特に限定されず、吸引ノズル4をウェル3Bに進入された状態で、吸引時に液流が発生し得る程度の隙間Sが形成できる深さであればよい。たとえば、溝部13の深さは、80〜800μm程度である。

0099

溝部13の形状としては特に限定されず、V字溝U字溝をはじめとする種々の形状を採用することができる。

0100

溝13を形成する方向としては特に限定されず、図6(d)に示されるように、ウェル3Baのテーパ部11Baにおいて、斜め方向に溝(溝13a)を形成してもよい。溝を斜め方向に形成することにより、ユーザは、吸引時に渦状の液流を発生させることができ、効率よく対象物5を回収し得る。

0101

なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。

0102

本開示によるウェルプレートは、吸引口を有する吸引ノズルで吸引される対象物を内底部で保持し、かつ、液体を貯留するウェルが形成されたウェルプレートであって、前記吸引ノズルの前記吸引口を含む先端部を、前記ウェルに進入させて接触させた状態において、前記液体が流通するための隙間を形成する隙間形成部材が、前記ウェルに設けられていることを特徴とする。

0103

上記のような構成を採用することにより、ウェルに保持された対象物を吸引ノズルで吸引する際に、吸引ノズルの吸引口を含む先端部をウェルに進入させて接触させた状態でも、接触箇所の近傍に、液体が流通することが可能な隙間が形成される。その状態において、吸引ノズルは、隙間形成部材により形成された隙間から周囲の液体を吸入することができる。その結果、ウェル内に保持されていた対象物は、吸入された液体の流れに沿って吸引口から効率よく吸引される。ウェル内の円筒形状の内壁や内底部には溝等が形成されていないため、対象物は、柔軟な性状であったとしても、ウェルの一部に嵌まり込んだり、引っ掛かったりすることがない。

0104

ウェルプレートは、液体を貯留する容器に浸漬して使用されることが好ましい。

0105

上記のような構成を採用することにより、ウェルおよびウェルの周囲に充分な量の液体を存在させることができる。そのため、ユーザは、ウェルに保持された対象物を効率よく吸引することができる。

0106

前記ウェルは、略円筒形状であり、前記隙間形成部材が、ウェルの内壁に設けられたリブであることが好ましい。

0107

上記のような構成を採用することにより、リブを吸引ノズルの一部に接触させて、吸引位置を安定に保持することができる。また、リブの近傍において隙間が形成されるため、ユーザは、対象物を吸引する際に液体を流通させて効率よく対象物を吸引することができる。

0108

前記リブは、前記ウェルの内底部から開口部の方向へ上方に延びるように形成され、一部にスロープ部を有し、該スロープ部の前記ウェルの内壁から突設する突設長さは、前記開口部の近傍よりも、前記内底部の近傍の方が長く形成されていることが好ましい。

0109

上記のような構成を採用することにより、対象物をウェル内に形成されたリブに当接して保持することができる。スロープ部は、ウェルの開口部から内底部の方向へ下る傾斜であるため、対象物をウェル内に導入しやすく、かつ、吸引ノズルで対象物を吸引する際に、対象物の周囲に液体の流れを発生させやすい。

0110

前記リブは、複数形成されてなることが好ましい。

0111

上記のような構成を採用することにより、1個のリブが形成された場合と比較して、より安定に吸引ノズルの位置決めが可能となる。また、複数のリブは、より多くの隙間を形成することができるため、吸引ノズルで対象物を吸引する際に、液体の流れを形成させやすい。

0112

前記ウェルは、略円筒形状であり、前記ウェルの開口部から内底部の方向にかけて、前記ウェルの開口面積を狭くするテーパ部を有し、前記隙間形成部材は、前記テーパ部に形成された凸部であることが好ましい。

0113

上記のような構成を採用することにより、ウェルの開口部から内底部の方向へ下る傾斜を有するテーパ部を介して、対象物をウェル内に導入しやすい。また、テーパ部の傾斜部にて吸引ノズルの先端部を接触させて、位置決めを行うことができる。

0114

前記凸部が、複数形成されてなることが好ましい。

0115

上記のような構成を採用することにより、複数の凸部は、1個の凸部が形成された場合と比較して、より多くの隙間を形成することができる。そのため、吸引ノズルで対象物を吸引する際に、液体の流れを形成させやすい。

0116

前記ウェルは、略円筒形状であり、前記ウェルの開口部から内底部の方向にかけて、前記ウェルの開口面積を狭くするテーパ部を有し、前記隙間形成部材は、前記テーパ部に形成された溝部であることが好ましい。

0117

上記のような構成を採用することにより、ウェルの開口部から内底部の方向へ下る傾斜を有するテーパ部を介して、対象物をウェル内に導入しやすい。また、テーパ部の傾斜部にて吸引ノズルの先端部を接触させて、位置決めを行うことができる。

0118

前記溝部が、複数形成されてなることが好ましい。

0119

上記のような構成を採用することにより、複数の溝部は、1個の溝部が形成された場合と比較して、より多くの隙間を形成することができる。そのため、吸引ノズルで対象物を吸引する際に、液体の流れを形成させやすい。

0120

前記ウェルがマトリクス状に形成されてなることが好ましい。

0121

上記のような構成を採用することにより、複数の対象物を同時に配列することができ、作業の効率化に寄与し得る。

0122

前記対象物が、生体由来の細胞であることが好ましい。

0123

上記のような構成を採用することにより、形状の偏差の大きな対象物である生体由来の細胞に対して適用できるウェルプレートであるため、バイオ関連技術や医薬の分野における作業の効率化に寄与し得る。

0124

前記対象物が生体由来の細胞凝集塊であることが好ましい。

0125

上記のような構成を採用することにより、1個の細胞を用いて得た試験結果よりも、細胞凝集塊の内部に各細胞間の相互作用を考慮した生体類似環境が再構築されており、個々の細胞の機能を考慮した結果が得られ、かつ、実験条件を、より生体内における環境に即した条件に揃えることができるため、バイオ関連技術や医薬の分野において信頼性の高い結果を得ることができるウェルプレートとすることができる。

0126

本開示の他の局面による吸引装置は、内底部で対象物を保持し、かつ、液体を貯留するするウェルが形成されたウェルプレートと、前記ウェルに保持された前記対象物を吸引する吸引口を有する吸引ノズルと、を有し、前記ウェルは、前記吸引ノズルの吸引口を含む先端部を前記ウェルに進入させて接触させた状態において、前記液体が流通するための隙間を形成する隙間形成部材を有する。

0127

上記のような構成を採用することにより、ウェルに保持された対象物を吸引ノズルで吸引する際に、吸引ノズルの吸引口を含む先端部をウェルに進入させて接触させた状態でも、接触箇所の近傍に、液体が流通するための隙間が形成される。その状態において、吸引ノズルは、隙間形成部材により形成された隙間から周囲の液体を吸入することができる。その結果、ウェル内に保持されていた対象物は、吸入された液体の流れに沿って吸引口から効率よく吸引される。ウェル内には溝等が形成されていないため、対象物が柔軟な性状を有している場合であっても、ウェルの一部に嵌まり込んだり、引っ掛かったりすることがない。

0128

前記吸引装置は、液体を貯留する容器をさらに備え、前記ウェルプレートは、前記容器に浸漬されることが好ましい。

0129

上記のような構成を採用することにより、ウェルおよびウェルの周囲に充分な量の液体を存在させることができる。そのため、ユーザは、ウェルに保持された対象物を効率よく吸引することができる。

0130

前記吸引ノズルの吸引口を含む先端部を、前記ウェルに進入させて接触させた状態において、前記ウェルプレートを振動させる振動発生手段がさらに設けられていることが好ましい。

0131

上記のような構成を採用することにより、ウェルに保持された対象物に振動を与えて一時的に浮かせることができる。その結果、対象物は、吸引ノズルにより吸引されやすくなり、作業の効率化に寄与し得る。

0132

前記ウェルプレートの上方または下方からウェルプレートに保持された対象物を観察する判定手段がさらに設けられていることが好ましい。

0133

上記のような構成を採用することにより、対象物がウェルプレートに保持されたか否かを判定できる。また、吸引ノズルの吸引口とウェルの開口部との位置を容易に確認することができる。さらに、ユーザは、判定手段によって、ウェルに保持された対象物の形状を吸引前に確認することができるため、歪な形状であるなどの理由から吸引すべきでない対象物がウェルに保持されている場合に、吸引対象から除外することができる。

0134

1ウェルプレート
1a 上面
1b 底面
2吸引装置
3ウェル
3a 内底部
3b内壁
4吸引ノズル
5対象物
8リブ
8aスロープ部
12 凸部
13 溝部

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