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技術 付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 平林佐太央吉田真一郎飯野幹夫富澤伸匡
出願日 2013年12月5日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2013-252212
公開日 2015年6月11日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2015-108088
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法 高分子組成物
主要キーワード 付加硬化型液状シリコーンゴム組成物 加圧パット 加温機構 結晶析出温度 アセチレンアルコール化合物 加温ジャケット シリコーン原料 事務機用
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課題

制御剤結晶化することなく、無溶剤で確実に制御剤をシリコーンゴム組成物中に分散させ、安定した制御効果を有すると共に、低VOC化された付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法、及びシリコーンゴム成型体を提供する。

解決手段

(A)オルガノポリシロキサン、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒及び(D)制御剤を含む組成物の製造方法において、制御剤として、(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノール、及び(b)(a)以外の凝固点又は融点が15℃以下であるアセチレンアルコールを含有し、かつ、(a)及び(b)を予め混合した予備混合物結晶析出温度が25℃以下である制御剤を使用すると共に、前記予備混合物を(A)の少なくとも一部、又は(A)の少なくとも一部及び(B)を含有する温度33℃未満の配合物添加混合する工程を含む付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。

概要

背景

特定のシリコーンゴム組成物では、室温でのヒドロシリル化付加反応を遅らせる白金触媒禁止剤を含むことが一般的であり、数多くの白金触媒禁止剤が知られており、特に米国特許第3445420号明細書(1969年5月20日発行、特許文献1)に記載されているアセチレン化合物が好ましく使用されている。特に1−エチニル−1−シクロヘキサノールは高い制御効果を有し、また安価であることからシリコーン工業に広く利用されている。

しかしながら、1−エチニル−1−シクロヘキサノールは融点が30〜33℃であるため、シリコーンゴム組成物に添加、混合する際に、シリコーンゴム組成物を1−エチニル−1−シクロヘキサノールの融点以上の温度に管理しないと凝固してしまい、良好な分散、即ち良好な制御効果が得られないという欠点があった。特にシリコーン原料自体が冷えている寒冷地や、温暖化地域でも冬季には上記現象が顕著で問題となる場合がある。

そのため、シリコーン原料をあらかじめ加温してから混合したり、加温ジャケットを備えた製造装置を用いて組成物を加温したり、あるいは制御剤の添加前にミキサー等で撹拌熱を発生させることにより33℃以上の温度を保持して制御剤を添加する方法があるが、低粘度の液状シリコーン原料の場合、撹拌熱によって昇温しにくく、ヒータースチーム装備された製造装置よる加温が一般的である。

また、1−エチニル−1−シクロヘキサノールの添加時の凝固を解消する方法としては、トルエンキシレンイソパラフィン等の有機溶剤に溶解させて制御剤の結晶化を防止してシリコーンゴム組成物に添加する方法があり、有用に使用されていたが、近年、環境配慮や人体への影響の懸念よりシリコーン材料全般の低VOC対策が求められる中、欧州BAM規格等に代表されるように、シリコーンゴム組成物中の有機溶剤の混入を回避するユーザー要求が高まっている。

一方、融点の高い制御剤に関しては、特許第2665881号公報(特許文献2)のように、長鎖アセチレンアルコールを使用することで、常温揮発性を抑制し、ゲルの発生や作業性向上を目的とする方法や、特許第3098946号公報(特許文献3)のように、異なる沸点をもつアセチレンアルコールを併用することで、薄膜剥離性硬化皮膜を安定的に製造可能とする方法などが例示されているが、これらはアセチレンアルコールの低温時の凝固、分散不良に関する問題を解決するための方策である記述はなされておらず、また、粘度の低いシリコーンゴム組成物に有用である記述はみられない。特に低VOC組成とするための方策に関しても記述は全く見られない。

また、鎖長が長く、融点の低いセチレンアルコールは、合成が難しく高価であり、またアセチレンアルコール単位が分子量に対して低くなるため、必要な制御効果を得るために制御剤の添加量が多くなり、制御剤コストが上昇してしまうという欠点があり、安価で制御効果の高い1−エチニル−1−シクロヘキサノールを凝固させることなく、特に低粘度シリコーンゴム組成物に容易に分散可能とする技術が強く求められていた。

概要

制御剤が結晶化することなく、無溶剤で確実に制御剤をシリコーンゴム組成物中に分散させ、安定した制御効果を有すると共に、低VOC化された付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法、及びシリコーンゴム成型体を提供する。(A)オルガノポリシロキサン、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒及び(D)制御剤を含む組成物の製造方法において、制御剤として、(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノール、及び(b)(a)以外の凝固点又は融点が15℃以下であるアセチレンアルコールを含有し、かつ、(a)及び(b)を予め混合した予備混合物結晶析出温度が25℃以下である制御剤を使用すると共に、前記予備混合物を(A)の少なくとも一部、又は(A)の少なくとも一部及び(B)を含有する温度33℃未満の配合物添加混合する工程を含む付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。なし

目的

一方、融点の高い制御剤に関しては、特許第2665881号公報(特許文献2)のように、長鎖のアセチレンアルコールを使用することで、常温揮発性を抑制し、ゲルの発生や作業性向上を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒及び(D)制御剤を含有する付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法において、制御剤として、(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノール、及び(b)上記(a)成分以外の凝固点又は融点が15℃以下であるアセチレンアルコールを含有し、かつ、(a)成分及び(b)成分を予め混合した予備混合物結晶析出温度が25℃以下である制御剤を使用すると共に、前記予備混合物を上記(A)成分の少なくとも一部、又は(A)成分の少なくとも一部及び(B)成分を含有する温度33℃未満の配合物添加混合する工程を含むことを特徴とする付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。

請求項2

(b)成分のアセチレンアルコールが、下記一般式(1)CH≡C−C(R2)(OH)R1(1)(式中、R1は直鎖状又は分岐状の炭素数5〜15の1価の炭化水素基であり、R2は直鎖状の炭素数1〜3の1価の炭化水素基である。)で示されるアセチレンアルコールの1種又は2種以上である請求項1記載の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。

請求項3

予備混合物中の(a)成分及び(b)成分の混合質量比(a)/(b)が95/5〜30/70の割合であることを特徴とする請求項1又は2記載の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。

請求項4

シリコーンゴム組成物を調製する際の混合終了時組成物温度が40℃以下であり、かつ、23℃における硬化前の組成物粘度が400Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。

請求項5

製造された付加硬化型液状シリコーンゴム組成物を、120℃/10分のプレスキュアーによって2mm厚のシリコーンゴムシートに硬化させ、該2mm厚のシリコーンゴムシートを190℃/1時間加熱したヘッドスペースガスクロマトグラフィー分析によって揮発性炭化水素系成分分析した際に、揮発性炭化水素系成分量が20μg/g以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。

請求項6

事務機用画像形成装置に使用される構造部材接着剤画像形成部材自動車用エアバックコーティング部材又はLED用光学材料用であることを特徴とする請求項5記載の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなるシリコーンゴム成型体

技術分野

0001

本発明は、制御剤に1−エチニル−1−シクロヘキサノールを使用した場合に、制御剤が結晶化することなく、無溶剤で確実に制御剤をシリコーンゴム組成物中に分散させ、制御効果の安定化を図るための付加硬化型の低粘度の液状シリコーンゴム組成物の製造方法、及び該製造方法によって製造された付加硬化型液状シリコーンゴム組成物硬化物からなるシリコーンゴム成型体に関する。特に、本発明は、制御剤の分散補助剤として使用されている炭化水素系溶媒を使用しないため、組成の低VOC(volatile organic compounds)化が容易であり、電子写真式プリンターや複写機等の画像形成装置における定着ロール定着ベルト紙送りロール現像ロール構造部材接着剤自動車用エアバッグ材料等、密閉空間などに使用される際の人体に有害な炭化水素系揮発物トラブルを防止するのに特に有用である。

背景技術

0002

特定のシリコーンゴム組成物では、室温でのヒドロシリル化付加反応を遅らせる白金触媒禁止剤を含むことが一般的であり、数多くの白金触媒禁止剤が知られており、特に米国特許第3445420号明細書(1969年5月20日発行、特許文献1)に記載されているアセチレン化合物が好ましく使用されている。特に1−エチニル−1−シクロヘキサノールは高い制御効果を有し、また安価であることからシリコーン工業に広く利用されている。

0003

しかしながら、1−エチニル−1−シクロヘキサノールは融点が30〜33℃であるため、シリコーンゴム組成物に添加、混合する際に、シリコーンゴム組成物を1−エチニル−1−シクロヘキサノールの融点以上の温度に管理しないと凝固してしまい、良好な分散、即ち良好な制御効果が得られないという欠点があった。特にシリコーン原料自体が冷えている寒冷地や、温暖化地域でも冬季には上記現象が顕著で問題となる場合がある。

0004

そのため、シリコーン原料をあらかじめ加温してから混合したり、加温ジャケットを備えた製造装置を用いて組成物を加温したり、あるいは制御剤の添加前にミキサー等で撹拌熱を発生させることにより33℃以上の温度を保持して制御剤を添加する方法があるが、低粘度の液状シリコーン原料の場合、撹拌熱によって昇温しにくく、ヒータースチーム装備された製造装置よる加温が一般的である。

0005

また、1−エチニル−1−シクロヘキサノールの添加時の凝固を解消する方法としては、トルエンキシレンイソパラフィン等の有機溶剤に溶解させて制御剤の結晶化を防止してシリコーンゴム組成物に添加する方法があり、有用に使用されていたが、近年、環境配慮や人体への影響の懸念よりシリコーン材料全般の低VOC対策が求められる中、欧州BAM規格等に代表されるように、シリコーンゴム組成物中の有機溶剤の混入を回避するユーザー要求が高まっている。

0006

一方、融点の高い制御剤に関しては、特許第2665881号公報(特許文献2)のように、長鎖アセチレンアルコールを使用することで、常温揮発性を抑制し、ゲルの発生や作業性向上を目的とする方法や、特許第3098946号公報(特許文献3)のように、異なる沸点をもつアセチレンアルコールを併用することで、薄膜剥離性硬化皮膜を安定的に製造可能とする方法などが例示されているが、これらはアセチレンアルコールの低温時の凝固、分散不良に関する問題を解決するための方策である記述はなされておらず、また、粘度の低いシリコーンゴム組成物に有用である記述はみられない。特に低VOC組成とするための方策に関しても記述は全く見られない。

0007

また、鎖長が長く、融点の低いセチレンアルコールは、合成が難しく高価であり、またアセチレンアルコール単位が分子量に対して低くなるため、必要な制御効果を得るために制御剤の添加量が多くなり、制御剤コストが上昇してしまうという欠点があり、安価で制御効果の高い1−エチニル−1−シクロヘキサノールを凝固させることなく、特に低粘度シリコーンゴム組成物に容易に分散可能とする技術が強く求められていた。

先行技術

0008

米国特許第3445420号明細書
特許第2665881号公報
特許第3098946号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、低粘度シリコーンゴム組成物の製造方法において、例えば氷点下のような極寒状態の製造場所において、制御剤に1−エチニル−1−シクロヘキサノールを使用した場合でも、制御剤が結晶化することなく、無溶剤で確実に制御剤をシリコーンゴム組成物中に分散させ、安定した制御効果を有すると共に、なおかつ低VOC化された付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法、及び該製造方法によって製造された付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなるシリコーンゴム成型体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒及び(D)制御剤を含有する付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法において、制御剤として、
(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノール、及び
(b)上記(a)成分以外の凝固点又は融点が15℃以下であるアセチレンアルコール
を含有し、かつ、(a)成分及び(b)成分を予め混合した予備混合物結晶析出温度が25℃以下である制御剤を使用すると共に、前記予備混合物を上記(A)成分の少なくとも一部、又は(A)成分の少なくとも一部及び(B)成分を含有する温度33℃未満の配合物添加混合することにより、該シリコーンゴム組成物の温度が33℃未満であり、しかも制御剤に1−エチニル−1−シクロヘキサノールを使用していても、制御剤が結晶化することなく、無溶剤で確実に制御剤をシリコーンゴム組成物中に分散させ、低VOC化された組成物でありながら、なおかつ安定した制御効果が得られることを見出し、本発明をなすに至った。

0011

従って、本発明は、下記の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法及びシリコーンゴム成型体を提供する。
〔1〕
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒及び(D)制御剤を含有する付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法において、制御剤として、
(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノール、及び
(b)上記(a)成分以外の凝固点又は融点が15℃以下であるアセチレンアルコール
を含有し、かつ、(a)成分及び(b)成分を予め混合した予備混合物の結晶析出温度が25℃以下である制御剤を使用すると共に、前記予備混合物を上記(A)成分の少なくとも一部、又は(A)成分の少なくとも一部及び(B)成分を含有する温度33℃未満の配合物に添加混合する工程を含むことを特徴とする付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔2〕
(b)成分のアセチレンアルコールが、下記一般式(1)
CH≡C−C(R2)(OH)R1 (1)
(式中、R1は直鎖状又は分岐状の炭素数5〜15の1価の炭化水素基であり、R2は直鎖状の炭素数1〜3の1価の炭化水素基である。)
で示されるアセチレンアルコールの1種又は2種以上である〔1〕記載の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔3〕
予備混合物中の(a)成分及び(b)成分の混合質量比(a)/(b)が95/5〜30/70の割合であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔4〕
シリコーンゴム組成物を調製する際の混合終了時の組成物温度が40℃以下であり、かつ、23℃における硬化前の組成物粘度が400Pa・s以下であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔5〕
製造された付加硬化型液状シリコーンゴム組成物を、120℃/10分のプレスキュアーによって2mm厚のシリコーンゴムシートに硬化させ、該2mm厚のシリコーンゴムシートを190℃/1時間加熱したヘッドスペースガスクロマトグラフィー分析によって揮発性炭化水素系成分分析した際に、揮発性炭化水素系成分量が20μg/g以下であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔6〕
事務機用画像形成装置に使用される構造部材、接着剤、画像形成部材自動車用エアバックコーティング部材又はLED用光学材料用であることを特徴とする〔5〕記載の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。
〔7〕
〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法によって製造された付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなるシリコーンゴム成型体。

発明の効果

0012

本発明の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法によれば、例えば氷点下のような極寒状態の製造場所において、制御剤に1−エチニル−1−シクロヘキサノールを使用した場合でも、制御剤が結晶化することなく、無溶剤で確実に制御剤をシリコーンゴム組成物中に分散させ、低VOC化された組成物でありながら、なおかつ制御効果の安定化を図ることができ、特に事務機用画像形成装置に使用される構造部材、接着剤、画像形成部材(特にロールベルト加圧パット)用途及び自動車用エアバックコーティング部材用途、LED用光学材料(特にLED素子封止材料レンズ材料)に使用される低粘度シリコーンゴム組成物の製造方法として有用である。

0013

以下、本発明について詳述する。
本発明の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法は、制御剤として、安価で制御効果が高く入手可能な(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノールと、凝固点又は融点が15℃以下である(a)成分と構造の異なるアセチレンアルコール(b)とを含有し、かつ、(a)成分及び(b)成分を予め混合した予備混合物の結晶析出温度が25℃以下である制御剤を調製した後に、該予備混合物を、制御剤を除く残余の成分からなる付加硬化型液状シリコーンゴム組成物に添加するものであり、この方法とすることによって、低VOC化された組成物において、なおかつ制御剤の低温時結晶化を防止することができる。

0014

本発明により得られる付加硬化型液状シリコーンゴム組成物は、
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)付加反応触媒、及び
(D)制御剤
を含有するものである。

0015

−(D)制御剤−
本発明に用いられる制御剤は、
(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノール、及び
(b)上記(a)成分以外の凝固点又は融点(m.p.)が15℃以下であるアセチレンアルコール
を含有することを特徴とする。

0016

本発明に用いられる(b)アセチレンアルコールは特に規定されるものではないが、下記一般式(1)で示されるアセチレンアルコールであることが望ましい。
CH≡C−C(R2)(OH)R1 (1)
(式中、R1は直鎖状又は分岐状の炭素数5〜15の1価の炭化水素基であり、R2は直鎖状の炭素数1〜3の1価の炭化水素基である。)

0017

上記式(1)において、R1は直鎖状又は分岐状の炭素数5〜15の1価の炭化水素基であり、具体的には、ペンチル基ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基、ノニル基、デシル基ウンデシル基、ドデシル基等のアルキル基ペンテニル基ヘキセニル基、ヘプテニル基等のアルケニル基などが挙げられる。R1の1価の炭化水素基の炭素数が5未満の場合、制御剤の揮発性が高くシリコーンゴム組成物の安定的な制御ができない場合があり、また凝固点も高くなってしまうことがある。また、逆に炭素数が15より大きい場合は、mol当たりのアセチレンアルコールの有効成分が少なくなり制御効果が弱くなり、制御剤の多量の添加が必要となったり、また制御剤の合成が難しくなり価格も高い制御剤となってしまうおそれがある。より望ましいR1の炭素数は6〜14であり、最も望ましくは8〜12である。

0018

また、R2は直鎖状の炭素数1〜3の1価の炭化水素基であり、具体的には、メチル基エチル基、n−プロピル基等のアルキル基、ビニル基アリル基、n−プロペニル基等のアルケニル基などが挙げられる。R2の1価の炭化水素基の炭素数は1〜3であり、望ましい炭素数は1又は2である。R2の場合、炭素数が少ないほどシリコーンゴム組成物の制御効果が出やすく、より望ましくはメチル基である。

0019

上記アセチレンアルコール(b)としては、例えば3−メチル−1−ブチン−3−オール(m.p.:3℃)、3,7,11−トリメチル−1−ドデシン−3−オール(m.p.:−65℃)、3−メチル−1−ドデシン−3−オール(m.p.:−2〜−4℃)、3−メチル−1−ペンタデシン−3−オール(m.p.:−5℃以下)、3−メチル−1−トリデシン−3−オール(m.p.:−3〜−5℃)、3−エチル−6−エチル−1−ノニン−3−オール(m.p.:−5℃以下)などから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。

0020

(b)成分の凝固点(又は融点)は15℃以下であり、好ましくは5℃以下であり、より好ましくは−1〜−200℃である。(b)成分の凝固点(又は融点)が15℃を超えると(a)成分と混合した予備混合物の結晶析出温度を25℃以下とすることが困難である。なお、(b)成分は、特に1種類である必要はなく、15℃以下の凝固点(又は融点)をもつ制御剤であれば、2種類以上の複数の制御剤を利用することは任意である。

0021

本発明の製造方法において、制御剤は、上記(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノールと(b)アセチレンアルコールとを予備混合した後、この予備混合物を残余の成分からなる付加硬化型液状シリコーンゴム組成物へ添加することが必須である。

0022

ここで、(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノールと(b)アセチレンアルコールとの予備混合物の結晶析出温度は25℃以下であることが必要であり、望ましくは20℃以下、更に望ましくは10℃以下である。ここで、予備混合物の結晶析出温度を25℃以下とするには、予備混合物を調製する際に、(a)成分に対する(b)成分の混合比率質量比)をより大きくするか、あるいは(a)成分と(b)成分とをある特定の混合比率で調製する場合には、(b)成分として、より低い凝固点又は融点のもの(例えば、凝固点又は融点が−1℃以下であるアセチレンアルコール)を選択する等の方法によって、予備混合物の結晶析出温度を下げることができる。
なお、予備混合物の結晶析出温度は、溶解している温度から時速0.5℃にて温度低下させた場合に結晶が析出開始した温度として測定することができる。

0023

(a)成分に対する(b)成分の添加割合は、(a)、(b)成分の予備混合物の結晶析出温度が25℃以下となる割合(質量比)であればよく、この添加割合は、例えば、(b)成分のアセチレンアルコールの特性(分子量、分子構造、凝固点又は融点など)によって適宜選定されるが、特に(a)成分及び(b)成分の質量混合率(a)/(b)は95/5〜30/70の割合であることが望ましく、より望ましくは90/10〜50/50の割合であり、更に望ましくは80/20〜60/40である。本発明においては、(a)成分の1−エチニル−1−シクロヘキサノールを可能な限り高い濃度で添加することが望ましいが、(a)/(b)を95/5以上に(a)成分を増やしてしまうと25℃より高い温度で結晶が析出してしまい、シリコーンゴム組成物へ分散させにくくなり、制御効果が十分得られない場合があり、(a)/(b)を30/70以下に(a)成分を減らしてしまうと結晶析出温度は25℃以下となり易いが、モル当たりのアセチレンアルコール単位が少なくなり制御効果が得にくくなったり、高価な(b)成分が増えることにより制御剤の平均単価が高くなる場合がある。

0024

一例として、例えば、(b)成分に3,7,11−トリメチル−1−ドデシン−3−オールを使用して、(a)/(b)質量混合率を70/30で混合した場合、(a),(b)予備混合物(混合制御剤)の結晶析出温度は−1℃以下となり、シリコーンゴム組成物の原料温度が例えば10℃と低い状態であっても制御剤が結晶析出することなく、均一分散することが可能である。またシリコーンゴム組成物の混合装置加温機構の必要がなく、昇温時間も必要ないため、品質及び生産効率を大きく改善することが可能である。

0025

また、シリコーンゴム組成物への制御剤((a),(b)成分の予備混合物)の添加量は、本発明のシリコーンゴム組成物の制御に必要な添加量であれば特に指定されるものではないが、通常シリコーンゴム((A),(B)成分の合計)100質量部あたり、0.001〜1.0質量部、より好ましくは0.01〜0.1質量部添加して架橋速度を調整することができる。0.001質量部未満の添加量では得られたシリコーンゴム組成物の制御効果が得られない場合があり、1.0質量部を超える添加量では制御が効き過ぎてゴムが固まらない(硬化不良)場合がある。

0026

その他、本発明に使用されるシリコーンゴム組成物の構成物質について下記に説明するが、下記は一例であり、組成が下記説明によって限定されることはない。

0027

−(A)オルガノポリシロキサン−
本発明に用いられるオルガノポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、好ましくは室温(23℃)で液状又は生ゴム状ジオルガノポリシロキサンであり、下記平均組成式(2)で示されるものを用いることができる。
R3aSiO(4-a)/2 (2)
(式中、R3は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5の範囲の正数である。)

0028

ここで、上記R3の非置換又は置換の1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基トリル基キシリル基ナフチル基等のアリール基ベンジル基フェニルエチル基フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素臭素塩素等のハロゲン原子シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基シアノエチル基等が挙げられるが、全R3の90モル%以上が、特には、アルケニル基を除く全てのR3がメチル基であることが好ましい。

0029

また、R3のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6のものであり、特に好ましくはビニル基である。)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中1.0×10-6〜5.0×10-3mol/g、特に5.0×10-6〜1.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないと、架橋が不十分で、ゲル状になってしまい、また5.0×10-3mol/gより多いと、架橋密度が高くなりすぎて、脆いゴムとなってしまうおそれがある。

0030

このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中(即ち、分子鎖非末端)の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。

0031

分子量については、室温で液状又は生ゴム状であり、粘度の異なるポリマーを複数混合して使用してもよい。ポリマーの重合度は30〜10,000が好ましく、より好ましくは50〜5,000の範囲である。なお、この重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析によるポリスチレン換算重量平均値として測定した平均重合度である(以下、同じ)。

0032

また、このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には主鎖が、例えば、ジメチルシロキサン単位ジフェニルシロキサン単位メチルフェニルシロキサン単位、メチルトリフルオロプロピルシロキサン単位ビニルメチルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位(R32SiO2/2)の繰り返しからなり、分子鎖両末端が、例えば、トリメチルシロキシ基ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基、ビニルジフェニルシロキシ基、ビニルメチルフェニルシロキシ基、フェニルジメチルシロキシ基、ジフェニルメチルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R33SiO1/2)で封鎖された直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい(R3は上記の通り。)。

0033

−(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン−
本発明に用いられる(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合する水素原子(SiH基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、前記のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル化付加反応により、組成物を硬化させる架橋剤として作用するものであり、下記平均組成式(3)で示され、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上(通常、3〜200個程度)、より好ましくは3〜100個、特に3〜50個の珪素原子結合水素原子(SiH基)を有するものが好適に使用される。
R4bHcSiO(4-b-c)/2 (3)
(式中、R4は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、特に0.8〜2.0、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0、特に1.0〜2.5を満足する正数である。)

0034

ここで、R4としては、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン中のR3と同様の基を挙げることができるが、好ましくはアルケニル基等の脂肪族不飽和結合を有さないものがよい。

0035

この珪素原子結合水素原子は、分子鎖末端の珪素原子に結合したものであっても、分子鎖途中(分子鎖非末端)の珪素原子に結合したものであっても、これらの両方に結合したものであってもよい。

0036

このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜1,000、好ましくは3〜500、より好ましくは3〜300、特に好ましくは4〜150程度のものを使用することができる。

0037

上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシメチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンメチルハイドロジェンシクロポリシロキサンメチルハイドロジェンシロキサンジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体などや、これらの例示化合物において、メチル基の一部又は全部をエチル基、プロピル基等の他のアルキル基、フェニル基等のアリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基などで置換したもの等が挙げられる。

0038

このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜50質量部、より好ましくは0.1〜30質量部、更に好ましくは0.3〜30質量部、特に好ましくは0.3〜20質量部とすることが望ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンが少なすぎると架橋が不十分となって組成物を硬化させることができない場合があり、多すぎると脱水素反応による発泡が生じたり、ゴム弾性が低下して目的の硬度やゴム弾性が得られない場合がある。また、同様の理由により、(A)成分中の珪素原子結合アルケニル基に対する(B)成分中の珪素原子結合水素原子(SiH基)のモル比が、通常、0.3〜3.0、好ましくは0.5〜2.5、より好ましくは0.8〜2.0となる量で(B)成分を配合することもできる。

0039

−(C)付加反応触媒(硬化触媒)−
本発明に用いられる付加反応触媒は、上記オルガノポリシロキサンの珪素原子に結合したアルケニル基と上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するための触媒であり、この付加反応触媒としては、白金黒塩化第2白金塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒パラジウム系触媒ロジウム系触媒などの白金族金属系触媒が挙げられる。

0040

なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができるが、通常、白金族金属としてオルガノポリシロキサン成分の合計質量に対して0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度配合することが好ましい。

0041

本発明の液状シリコーンゴム組成物の硬化は、付加架橋であるが、付加架橋硬化剤有機過酸化物硬化剤を併用してもよい。有機過酸化物硬化剤としては、(A)成分の架橋反応を促進するための触媒として使用されるものであればよく、従来公知のものを使用することができる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシカルボキシ)ヘキサン等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。

0042

なお、有機過酸化物硬化剤の添加量は触媒量であり、硬化速度に応じて適宜選択すればよいが、通常は(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜2質量部の範囲とすることができる。

0043

本発明のシリコーンゴム組成物は、上記成分に加えて、必要に応じ、補強性シリカとしてのヒュームドシリカ沈降シリカ溶融シリカ焼成シリカゾルゲル法球状シリカ結晶シリカ石英粉)、ケイソウ土等のシリカ微粒子(なお、これらシリカのうち、特に溶融シリカ、結晶シリカは、他の熱伝導性物質としても作用する)、炭酸カルシウムクレイ、ケイソウ土、二酸化チタンのような補強、準補強性充填剤補強剤となるシリコーン系レジン窒素含有化合物や上記(D)成分以外のアセチレン化合物リン化合物ニトリル化合物カルボキシレート錫化合物水銀化合物硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤着色剤導電性付与剤としてカーボンブラックを添加してもよい。また、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤接着性付与剤チクソ性付与剤等を本発明の効果を損なわない範囲で任意に配合することができる。また、酸化セリウムベンガラ粉末オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤接着性成形加工性を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン難燃性を付与させる窒素化合物ハロゲン化合物を添加混合してもよい。重合度が100以下の低分子量シロキサンシラノール基含有シランアルコキシ基含有シラン等を分散助剤として添加してもよい。

0044

本発明のシリコーンゴム組成物の混合方法は、常温プラネタリーミキサーニーダーなどの機器を用いて(A)オルガノポリシロキサン、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒、(D)上記(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノールと(b)アセチレンアルコールとを予備混合した制御剤、補強性シリカ、その他添加剤等をすべて同時混合してもよいが、液状シリコーンゴム組成物の場合は、通常、触媒含有配合物(Aサイド;オルガノポリシロキサン、補強性シリカ、付加反応触媒を含有する)と、架橋剤含有配合物(Bサイド;オルガノポリシロキサン、補強性シリカ、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、上記制御剤を含有する)を予め作製しておき、Aサイド(触媒含有配合物)とBサイド(架橋剤含有配合物)を使用直前に混合して使用する2液型とすることが一般的である。

0045

なお、シリコーンゴム組成物を作製する際に、予めオルガノポリシロキサン及び微粉状シリカ系充填剤、シラノール基含有シラン等を混合し、プラネタリーミキサーやニーダー、乾燥器等の機器を用いて50〜200℃の高温で数分〜数時間混合熱処理することによりベースコンパウンドを調製しておく方法を用いてもよい。また必要に応じて、これに各種添加剤、難燃剤耐熱剤などを添加することが可能であり、これらの添加剤の熱処理の有無や熱処理のタイミングは任意であり、同様に混練機で混合、熱処理して調製してもよい。

0046

本発明は、制御剤を除く残余のシリコーンゴム組成物(特に、(A)成分の少なくとも一部、又は(A)成分の少なくとも一部及び(B)成分を含有する配合物)に、上記(a),(b)成分の予備混合物である制御剤(D)を添加混合する際の該シリコーンゴム組成物の予備混合物((D)成分)添加前の温度が33℃未満、特に−33〜32.9℃であることを特徴とする。本発明の製造方法は、制御剤添加前の残余のシリコーンゴム組成物の温度が33℃未満の冷えた状態である時に、制御剤である(a)成分(1−エチニル−1−シクロヘキサノール)を効率よく添加分散させることができるものである。即ち、残余のシリコーンゴム組成物が33℃以上の場合、1−エチニル−1−シクロヘキサノールは凝固点以上の液状のままで分散可能であり、(b)成分のアセチレンアルコール化合物を(a)成分と事前混合して併用する必要はない。
ここで、シリコーンゴム組成物を2液型として用いる場合は、(A)オルガノポリシロキサンの一部、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(D)(a)成分及び(b)成分を予め混合した予備混合物からなる制御剤、及び必要によりその他の成分を33℃未満、特に−33〜32.9℃の温度(低温)で混合してBサイド(架橋剤含有配合物)を作製する必要がある場合に有用であり、使用時に、このBサイドと、残りの(A)オルガノポリシロキサン、(C)付加反応触媒及び必要によりその他の成分を含むAサイド(触媒含有配合物)とを80℃未満、特に−30〜50℃の温度において混合する。
これらの各工程において、(A)成分の少なくとも一部とは、(A)成分の一部又は全部を意味し、また(A)成分の一部とは、(A)成分全体の10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%、更に好ましくは40〜60質量%を意味する。

0047

本発明における制御剤の添加方法は、23℃における(A)成分単独又は(A)成分に補強性シリカ等の充填剤を配合したシリコーンゴムコンパウンド、あるいは上記Bサイド調製時やAサイドとBサイドを混合して最終的なシリコーンゴム組成物を製造する際の粘度が400Pa・s以下である時に特に効果的である。400Pa・sを超える場合には、プラネタリーミキサーやニーダーなどの混練発熱により長時間の混練でシリコーンゴム組成物を1−エチニル−1−シクロヘキサノールの融点以上にすることが可能となるためである。従って、本発明のシリコーンゴム組成物は、低粘度であればあるほど本発明の製造方法による利益を享受することができる。シリコーンゴム組成物の粘度は、望ましくは300Pa・s以下が効果的で、より望ましくは0.1〜150Pa・sである。特に0.1Pa・s未満の粘度の場合、混練装置による発熱は期待できず、時間と電力の浪費である。
本発明において、粘度は、剪断粘度測定機による剪断速度0.9(1/s)時の粘度を使用している。本発明では特に、Thermo Scientific社製のRheoStress 600を使用し、使用コーンプレート:20mm,角度2°、GAP間設定:0.105mm(体積0.08ml)、23℃/30sec保持後に、剪断速度の上昇率0.001(1/s)→20(1/s)/300secにて測定したときの0.9(1/s)時の剪断粘度を記載した。

0048

また、(D)成分の制御剤を添加混合して架橋剤含有配合物(Bサイド)を調製する際の混合撹拌(分散工程)終了時の配合物(Bサイド)の温度は、40℃以下、特に−30〜40℃であることが好ましい。配合物(Bサイド)の温度が40℃を超えると(a)成分の融点又は凝固点(33℃)を大きく上回り、(a)成分の大きな結晶でも容易に融解させることが可能な温度となるため、(a)成分を(b)成分と予備混合して結晶析出温度を下げる必要性がなくなってしまう。

0049

このようにして得られたシリコーンゴム組成物は、該組成物をJIS K 6249試験方法に基づき、120℃/10分のプレスキュアーによって2mm厚のシリコーンゴムシートに硬化させ、該2mm厚のシリコーンゴムシートを190℃/1時間加熱したヘッドスペースガスクロマトグラフィー分析によって揮発性炭化水素系成分を分析した際に、揮発性炭化水素系成分量が20μg/g以下、特に5μg/g以下であることが好ましい。なお、揮発性炭化水素系成分量を20μg/g以下とするには、従来のように、(D)成分の反応制御剤(特に(D)成分中の(a)1−エチニル−1−シクロヘキサノール)を組成物中(特に(A)成分、(B)成分等のオルガノポリシロキサン成分中)に均一に溶解、分散させる目的で、揮発性炭化水素系成分(例えば、トルエン、キシレン、パラフィン等)を組成物構成成分として使用しないことにより達成できる。

0050

このようにして得られたシリコーンゴム組成物は、注型成形、LIM射出成形金型加圧成形ナイフブレード)コート、スクリーン印刷など、通常液状シリコーンゴム組成物が成形される種々の成形法によって必要とされる用途に成形することができ、その成形条件は特に限定されないが、70〜400℃で数秒〜1時間の範囲が好ましい。また、成形後に2次加硫する場合においては、150〜250℃で1〜30時間の範囲で2次加硫することが好ましい。

0051

本発明で得られるシリコーンゴム組成物は、事務機用画像形成装置に使用される構造部材、接着剤、画像形成部材、自動車用エアバックコーティング部材又はLED用光学材料用として好適に使用し得る。

0052

以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記例で部は質量部を示す。

0053

[実施例1〜8、比較例2,3,5〜10]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度350)100部、及びBET比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、R−972)を下記表1に示される配合量でプラネタリーミキサーに入れ、室温(23℃)で30分撹拌後、150℃の高温で4時間混合、熱処理を行って、表1に示す23℃における粘度が50〜1,000Pa・sのシリコーンベースS1〜S6を作製した。
上記S1〜S6のシリコーンベースを23℃の恒温槽に24時間保管し、シリコーンベースが23℃に冷えている状態で下記配合を行った。なお、すべての原料類(白金触媒、オイル類、制御剤)も23℃に調整して配合しており、ミキサーの機械釜温度、配合雰囲気温度も23℃にて配合を行っている。

0054

表3〜5に示したシリコーンベースS1〜S6の配合量に対して白金触媒(Pt濃度1質量%)を0.1部となる割合で添加し、プラネタリーミキサーにて30分撹拌を続けてシリコーン白金含有配合物(Aサイド)を調製した。また、同様に表3〜5に示したシリコーンベースS1〜S6の配合量に対して両末端及び側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、SiH量0.0038mol/g、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)を5.0部、表2記載の反応制御剤(予備混合物又は単独の制御剤)を表3〜5に示す量となる割合でプラネタリーミキサーへ添加して30分撹拌を続けてシリコーン架橋剤含有配合物(Bサイド)を調製した。上記プラネタリーミキサーは、井上製作PLM−15(容量15L、枠型2軸1対式、公転速度20.5rpm/min、自転速度56.4pm/min)を使用し、仕込み総量を8kgとなるように統一して製造した。
これら組成物は、プラネタリーミキサーにて製造後、直ちに100μm目開きのステンレスメッシュにより濾過し、2液付加硬化型シリコーン組成物を作製した。

0055

次に、上記の2液付加硬化型シリコーン組成物をそれぞれ等量ずつプラスチック容器にとり、15cm長のヘラにて10分間混合、2分脱泡の後、架橋速度及び23℃にて放置した場合の可使時間(タックフリータイム調査を行い、制御剤の効果について調査した。
また、JIS K 6249試験方法に基づき、120℃/10分のプレスキュアーによって2mmシートに硬化させ、デュロゴム硬度測定、及び前記2mmシートを190℃/1時間加熱したヘッドスペースガスクロマトグラフィー分析によって揮発性炭化水素系成分量(μg/g)を測定した。

0056

[実施例9]
シリコーンベースS3を−5℃の恒温槽中に24時間保管し、該シリコーンベースが−5℃に冷えている状態で、かつ全ての原料類(白金触媒、オイル類、制御剤)、ミキサーの機械、釜温度、配合雰囲気温度も同様に−5℃とした以外は、実施例2と同様にして2液付加硬化型シリコーン組成物を作製し、同様にして評価を行った。

0057

[比較例1]
エチニルシクロヘキサノールの凝固温度を低下させるために、制御剤A0.08部にトルエン0.08部を事前混合した後、実施例1と同様に評価を行った。

0058

[比較例4]
プラネタリーミキサーに加熱装置をつけて、混合開始温度を40℃とした以外は実施例1と同様に評価を行った。

0059

0060

0061

※1:制御剤を予備混合後、40℃より時速0.5℃にて温度低下させた場合の結晶析出開始温度
※2:制御剤を配合物に添加した時には結晶析出している状態で添加
※3:制御剤を添加したときの配合物の温度
※4:プラネタリーミキサーにて30分間混合した後の終了時温度

0062

※1:制御剤を予備混合後、40℃より時速0.5℃にて温度低下させた場合の結晶析出開始温度
※2:制御剤を配合物に添加した時には結晶析出している状態で添加
※3:制御剤を添加したときの配合物の温度
※4:プラネタリーミキサーにて30分間混合した後の終了時温度

0063

※1:制御剤を予備混合後、40℃より時速0.5℃にて温度低下させた場合の結晶析出開始温度
※2:制御剤を配合物に添加時には結晶析出している状態で添加
※3:制御剤を添加したときの配合物の温度
※4:プラネタリーミキサーにて30分間混合した後の終了時温度

実施例

0064

以上の結果より、本発明の付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法は、シリコーンゴム組成物の原料温度が低い状態でも非常に安定した制御剤の分散及び制御効果を得ることが可能で、特に低粘度で製造時撹拌熱が発生しにくい低硬度シリコーンゴム組成物の製造に役立つことがわかる。

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