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技術 車両操舵用制御装置

出願人 NTN株式会社
発明者 内山元広
出願日 2013年12月5日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2013-251618
公開日 2015年6月11日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2015-107739
状態 特許登録済
技術分野 走行状態に応じる操向制御 パワーステアリング装置 パワーステアリング機構
主要キーワード 予備出力 相互診断 予備制御 回転角検出器 車両操舵用 進退位置 バックアップモード 続行可能
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重要な関連分野

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課題

解決手段

ステアリングホイール操舵反力を与える反力付与部3と、転舵角可変とする転舵装置6と、前記ステアリングホイールの操作量を前記転舵装置6に機械的に連結と解除が可能なクラッチを備えるステアバイワイヤ式操舵装置の制御装置に適用される。転舵反力コントロール用の第一の制御手段17と、操舵コントロール用の第二の制御手段18の他に、予備の制御手段となる一つの第三の制御手段19を設ける。この第三の制御手段19に、転舵コントローラと反力コントローラとの両方のバックアップ機能を持たせる。

概要

背景

自動車ステアリングホイールと、前輪転舵する転舵装置とが機械的に連結されていないステアバイワイヤ方式車両操舵装置が知られている。ステアバイワイヤ方式は、ステアリングホイールに操舵反力を与える反力アクチュエータ反力付与部)と転舵装置とから構成され、自動車の挙動に応じてステアリングホイールに操舵反力を与えるとともに、転舵装置内のアクチュエータを制御して前輪を転舵する。

ステアバイワイヤ方式は、車速に応じた車輪転舵自動制御ができることから、車両の安定走行運動性能の向上を可能とするものとして期待されているが、万一、反力アクチュエータ(反力付与部)や転舵装置に不具合が発生した場合の対策が重要になっている。この対策を行った例として、正常時はステアリングホイールと転舵装置とが完全に切り離された状態で、電子制御により転舵されるが、異常時にはステアリングホイールと転舵装置とを機械的に接続するクラッチを備え、クラッチ締結後は反力アクチュエータまたは転舵装置の少なくとも一方をアシスト付与手段とする電動パワーステアリング制御に切り替えるステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置がある。

前記の通り、ステアバイワイヤ方式の利点を活かすためには、何らかの不具合が発生してもできるだけ冗長性能を確保することが望まれ、ステアバイワイヤ機能を維持できなくなった場合には、前記アシスト付与手段とする電動パワーステアリング制御、またはマニュアルステアリングへの移行を実施する。

これらの移行手段を具体化した例として、特許文献1では、転舵系のモータコントローラにおいて冗長性を確保し、一方の転舵系が失陥してもステアバイワイヤ機能を維持している。この反面、反力付与部に関し、反力コントローラの失陥に対する冗長性について言えば、直ちに電動パワーステアリング制御へ移行する必要がある。
特許文献2、特許文献3、および特許文献4などでも、反力付与部の失陥時の挙動に関しては、引用文献1と同様に反力コントローラ部が失陥した場合は、直ちに電動パワーステアリング制御へ移行する必要がある。

引用文献5では、特許文献1〜4の対策として、反力付与部に対して、反力モータ2個と反力コントローラ2個、を設置することで、コントローラ失陥時の対策が提案されている。しかし、転舵コントローラ2個とを合わせると、コントローラを合計4個持つことになり、経済的に不利という問題がある。

概要

過度冗長構成とならず、反力コントローラと転舵コントローラとのいずれが失陥しても、経済的にステアバイワイヤ制御続行可能車両操舵用制御装置を提供する。ステアリングホイールに操舵反力を与える反力付与部3と、転舵角可変とする転舵装置6と、前記ステアリングホイールの操作量を前記転舵装置6に機械的に連結と解除が可能なクラッチを備えるステアバイワイヤ式操舵装置の制御装置に適用される。転舵反力コントロール用の第一の制御手段17と、操舵コントロール用の第二の制御手段18の他に、予備の制御手段となる一つの第三の制御手段19を設ける。この第三の制御手段19に、転舵コントローラと反力コントローラとの両方のバックアップ機能を持たせる。

目的

この発明の目的は、過度な冗長構成とならず、反力コントローラと転舵コントローラとのいずれが失陥しても、経済的にステアバイワイヤ制御が続行可能な車両操舵用制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両のステアリングホイール操舵反力を与える反力付与部と、前記ステアリングホイールに機械的に連結と解除が可能なクラッチを介して連結されて転舵用のアクチュエータおよび前記ステアリングホイールの回転のいずれによっても転舵角を変更可能な転舵装置とを備えた車両用操舵装置を制御する車両操舵用制御装置において、前記反力付与部を制御する第一の制御手段と、前記転舵装置のアクチュエータを制御する第二の制御手段を備え、前記第一の制御手段および前記第二の制御手段に代わって、それぞれ前記反力付与部および前記転舵用のアクチュエータを制御することが可能な、反力予備出力部および転舵角予備出力部を有する第三の制御手段を備え、前記第一の制御手段、前記第二の制御手段、および前記第三の制御手段は、各々、相互の異常を監視する相互監視部を有し、前記第一の制御手段の相互監視部と、前記第二の制御手段の相互監視部と、前記第三の制御手段の相互監視部とからそれぞれ出力される異常の監視結果に基づき、前記第一の制御手段と前記第二の制御手段と前記第三の制御手段の異常を判定する故障判定部を備え、この故障判定部の判定結果に基づいて、前記第一の制御手段から出力される反力指令および前記第二の制御手段から出力される転舵角指令を、前記第三の制御手段の前記反力予備出力部および転舵角予備出力部からそれぞれ出力される反力予備指令および転舵角予備指令に切替えることが可能な制御信号切替部を備え、前記第一の制御手段および前記第二の制御手段のいずれかが失陥した場合に、前記第三の制御手段が、失陥している前記第一または前記第二の制御手段の制御を代行することで、ステアバイワイヤ制御続行可能とする車両操舵用制御装置。

請求項2

請求項1に記載の車両操舵用制御装置において、前記故障判定部は、前記第一の制御手段、前記第二の制御手段、および第三の制御手段が有する前記各相互監視部の前記異常の監視結果から前記異常の判定を行い、その判定結果を前記制御信号切替部へ伝達する車両操舵用制御装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の車両操舵用制御装置において、前記制御信号切替部は、前記故障判定部から伝達された前記第一の制御手段、第二の制御手段、および第三の制御手段の異常か否かの判定結果に基づいて、前記第一の制御手段から出力される反力指令と前記第三の制御手段から出力される反力予備指令、及び、前記第二の制御手段から出力される転舵角指令と前記第三の制御手段から出力される転舵角予備指令の、それぞれの指令出力から有効な信号を選択し、切り替える車両操舵用制御装置。

請求項4

請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両操舵用制御装置において、前記故障判定部によって、前記第一の制御手段と前記第二の制御手段のいずれか1つと、前記第三の制御手段とが異常であると判定された場合、前記反力付与部と前記転舵装置のいずれか一方によるアシスト力を付与する電動パワーステアリング制御移行する車両操舵用制御装置。

請求項5

請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両操舵用制御装置において、前記転舵装置はトー角調整用のアクチュエータによりトー角を調整するトー角調整機構を有し、前記第三の制御手段は前記転舵装置の前記トー角調整用のアクチュエータを制御するトー角指令部を有する車両操舵用制御装置。

技術分野

0001

この発明は、転舵用の転舵軸機械的に連結されていないステアリングホイール操舵する自動車車両用操舵装置制御装置に関し、より具体的にはステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置の制御装置に関する。

背景技術

0002

自動車のステアリングホイールと、前輪を転舵する転舵装置とが機械的に連結されていないステアバイワイヤ方式の車両操舵装置が知られている。ステアバイワイヤ方式は、ステアリングホイールに操舵反力を与える反力アクチュエータ反力付与部)と転舵装置とから構成され、自動車の挙動に応じてステアリングホイールに操舵反力を与えるとともに、転舵装置内のアクチュエータを制御して前輪を転舵する。

0003

ステアバイワイヤ方式は、車速に応じた車輪転舵自動制御ができることから、車両の安定走行運動性能の向上を可能とするものとして期待されているが、万一、反力アクチュエータ(反力付与部)や転舵装置に不具合が発生した場合の対策が重要になっている。この対策を行った例として、正常時はステアリングホイールと転舵装置とが完全に切り離された状態で、電子制御により転舵されるが、異常時にはステアリングホイールと転舵装置とを機械的に接続するクラッチを備え、クラッチ締結後は反力アクチュエータまたは転舵装置の少なくとも一方をアシスト付与手段とする電動パワーステアリング制御に切り替えるステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置がある。

0004

前記の通り、ステアバイワイヤ方式の利点を活かすためには、何らかの不具合が発生してもできるだけ冗長性能を確保することが望まれ、ステアバイワイヤ機能を維持できなくなった場合には、前記アシスト付与手段とする電動パワーステアリング制御、またはマニュアルステアリングへの移行を実施する。

0005

これらの移行手段を具体化した例として、特許文献1では、転舵系のモータコントローラにおいて冗長性を確保し、一方の転舵系が失陥してもステアバイワイヤ機能を維持している。この反面、反力付与部に関し、反力コントローラの失陥に対する冗長性について言えば、直ちに電動パワーステアリング制御へ移行する必要がある。
特許文献2、特許文献3、および特許文献4などでも、反力付与部の失陥時の挙動に関しては、引用文献1と同様に反力コントローラ部が失陥した場合は、直ちに電動パワーステアリング制御へ移行する必要がある。

0006

引用文献5では、特許文献1〜4の対策として、反力付与部に対して、反力モータ2個と反力コントローラ2個、を設置することで、コントローラ失陥時の対策が提案されている。しかし、転舵コントローラ2個とを合わせると、コントローラを合計4個持つことになり、経済的に不利という問題がある。

先行技術

0007

特許第463570号公報
特許第4853053公報
特許第5206845公報
特開2010−149678号公報
特許第4848717公報

発明が解決しようとする課題

0008

特許文献1〜4に示すステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置の制御装置においては、反力コントローラが失陥すると、ステアバイワイヤ制御を維持する、という冗長機能を確保できないという問題がある。
特許文献5では、反力付与部、転舵装置それぞれに2個(合計4個)のコントローラを設置して、冗長性を確保している。しかし、正常状態においては協調制御を実施するとしても、反力付与部に関して、本来は一つのモータとコントローラで機能を満足する、という観点からすると、構造上不経済である。

0009

この発明の目的は、過度冗長構成とならず、反力コントローラと転舵コントローラとのいずれが失陥しても、経済的にステアバイワイヤ制御が続行可能車両操舵用制御装置を提供することである。
この発明の他の目的は、予備の制御手段を正常時はトー角制御機能を付与することで、トー角制御と予備の制御手段とを兼用させ、経済的に車両性能を向上させることである。

課題を解決するための手段

0010

この発明の車両操舵用制御装置は、車両のステアリングホイール2に操舵反力を与える反力付与部3と、前記ステアリングホイール2に機械的に連結と解除が可能なクラッチ10を介して連結されて転舵用のアクチュエータ14および前記ステアリングホイール2の回転のいずれによっても転舵角を変更可能な転舵装置6とを備えた車両用操舵装置1を制御する車両操舵用制御装置において、
前記反力付与部3を制御する第一の制御手段17と、前記転舵装置6のアクチュエータ14を制御する第二の制御手段18を備え、
前記第一の制御手段17および前記第二の制御手段18に代わって、それぞれ前記反力付与部3および前記転舵用のアクチュエータ14を制御することが可能な、反力予備出力部19bおよび転舵角予備出力部19cを有する第三の制御手段19を備え、
前記第一の制御手段17、前記第二の制御手段18、および前記第三の制御手段19は、各々、相互の異常を監視する相互監視部17a,18a,19a有し、
前記第一の制御手段17の相互監視部17aと、前記第二の制御手段18の相互監視部18aと、前記第三の制御手段19の相互監視部19aとからそれぞれ出力される異常の監視結果に基づき、前記第一の制御手段17と前記第二の制御手段18と前記第三の制御手段19の異常を判定する故障判定部20を備え、
この故障判定部20の判定結果に基づいて、前記第一の制御手段17から出力される反力指令および前記第二の制御手段18から出力される転舵角指令を、前記第三の制御手段19の前記反力予備出力部19bおよび転舵角予備出力部19cからそれぞれ出力される反力予備指令および転舵角予備指令に切替えることが可能な制御信号切替部21を備え、
前記第一の制御手段17および前記第二の制御手段18のいずれかが失陥した場合に、前記第三の制御手段19が、失陥している前記第一または前記第二の制御手段17、18の制御を代行することで、ステアバイワイヤ制御を続行可能とする。なお、この明細書において、「異常」とは、機能を失う故障を引き起こす可能性がある、「異常」な状態を言い、「失陥」とは、何らかの故障によって機能を失う(能力の停止)ことを言う。よって、「異常」な状態を経て「失陥」に陥ることになる。

0011

この構成によると、ステアリングホイール2に操舵反力を与える反力付与部3と、転舵角を可変とする転舵装置6と、ステアリングホイール2の操作量を転舵装置6に機械的に連結と解除が可能なクラッチ10を備えるステアバイワイヤ式の車両操舵用制御装置1の制御装置において、反力コントローラである第一の制御手段17と、転舵コントローラである第2の制御手段18とのバックアップ機能を、必要最低限となる一つの予備制御手段である第三の制御手段19に備える。そのため、反力コントローラである第1の制御手段17と転舵コントローラである第二の制御手段18とのいずれが失陥しても、ステアバイワイヤ制御が続行可能となる。予備の制御手段である第三の制御手段19は、転舵コントローラと反力コントローラ両方のバックアップ機能を保有するため、過度な冗長構成とならず、経済的にも有利である。

0012

この発明において、前記故障判定部20は、前記第一の制御手段17、前記第二の制御手段18、および第三の制御手段19が有する前記各相互監視部17a,18a,19aの前記異常の監視結果から前記異常の判定を行い、その判定結果を前記制御信号切替部21へ伝達する構成であっても良い。
なお、各相互監視部17a,18a,19aが行う前記異常の監視は、異常であるか否かの判断まで行う監視であっても、また異常の兆候の監視であっても良い。故障判定部20は、各相互監視部17a,18a,19aが異常であるか否かの判断まで行う場合は、第一ないし第三のどの制御手段17,18,19が異常であり、どの制御手段17,18,19が正常であるかを整理する処理を行う構成とされ、また各相互監視部17a,18a,19aが異常の兆候の監視に止まる場合は、各相互監視部17a,18a,19aから送信された異常の兆候の情報から、各制御手段17,18,19が異常であるか否かの判定を行う。

0013

この発明において、前記制御信号切替部21は、前記故障判定部20から伝達された前記第一の制御手段17、第二の制御手段18、および第三の制御手段19の異常か否かの判定結果に基づいて、前記第一の制御手段17から出力される反力指令と前記第三の制御手段19から出力される反力予備指令、及び、前記第二の制御手段18から出力される転舵角指令と前記第三の制御手段19から出力される転舵角予備指令の、それぞれの指令出力から有効な指令を選択し、切り替える構成であっても良い。上記の「有効な指令」とは、正常な制御手段17,18,19から出力された指令であり、共に正常である場合は、第一または第二の制御手段17,18が出力する指令である。

0014

この発明において、前記故障判定部20によって、前記第一の制御手段17と前記第二の制御手段18のいずれか1つと、前記第三の制御手段19とが異常であると判定された場合、前記反力付与部3と前記転舵装置6のいずれか一方によるアシスト力を付与する電動パワーステアリング制御に移行する構成であっても良い。
このようにアシスト力を付与する電動パワーステアリング制御に移行する構成とした場合、制御系に異常が生じても反力付与部3および転舵装置6をアシスト力付与に利用できて、操舵の機能低下を抑えることができる。

0015

この発明において、前記転舵装置6はトー角調整用のアクチュエータ23によりトー角を調整するトー角調整機構29を有し、前記第三の制御手段19は前記転舵装置6の前記トー角調整用のアクチュエータ23を制御するトー角指令部19dを有する構成であっても良い。
この構成の場合、予備の制御手段となる第三の制御手段19が、正常時はトー角制御機能を奏し、トー角制御と予備の制御手段とを兼用することになる。そのため、より経済的に車両性能を向上させることができる。

発明の効果

0016

この発明の車両操舵用制御装置は、車両のステアリングホイールに操舵反力を与える反力付与部と、前記ステアリングホイールに機械的に連結と解除が可能なクラッチを介して連結されて転舵用のアクチュエータおよび前記ステアリングホイールの回転のいずれによっても転舵角を変更可能な転舵装置とを備えた車両用操舵装置を制御する車両操舵用制御装置において、前記反力付与部を制御する第一の制御手段と、前記転舵装置のアクチュエータを制御する第二の制御手段を備え、前記第一の制御手段および前記第二の制御手段に代わって、それぞれ前記反力付与部および前記転舵用のアクチュエータを制御することが可能な、反力予備出力部および転舵角予備出力部を有する第三の制御手段を備え、前記第一の制御手段、前記第二の制御手段、および前記第三の制御手段は、各々、相互の異常を監視する相互監視部を有し、前記第一の制御手段の相互監視部と、前記第二の制御手段の相互監視部と、前記第三の制御手段の相互監視部とからそれぞれ出力される異常の監視結果に基づき、前記第一の制御手段と前記第二の制御手段と前記第三の制御手段の異常を判定する故障判定部を備え、この故障判定部の判定結果に基づいて、前記第一の制御手段から出力される反力指令および前記第二の制御手段から出力される転舵角指令を、前記第三の制御手段の前記反力予備出力部および転舵角予備出力部からそれぞれ出力される反力予備指令および転舵角予備指令に切替えることが可能な制御信号切替部を備え、前記第一の制御手段および前記第二の制御手段のいずれかが失陥した場合に、前記第三の制御手段が、失陥している前記第一または前記第二の制御手段の制御を代行することで、ステアバイワイヤ制御を続行可能とするため、過度な冗長構成とならず、反力コントローラである第1の制御手段と転舵コントローラである第二の制御手段とのいずれが失陥しても、経済的にステアバイワイヤ制御が続行可能となる。

図面の簡単な説明

0017

この発明の一実施形態に係る車両操舵用制御装置を適用する車両用操舵装置の概略構成図である。
同実施形態に係る車両操舵用制御装置の概念構成を示すブロック図である。
同車両操舵用制御装置におけるバックアップモードへの状態遷移図である。
他の実施形態に係る車両操舵用制御装置を適用する車両用操舵装置の概略構成図である。
同実施形態に係る車両操舵用制御装置の概念構成を示すブロック図である。

実施例

0018

この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1操舵装置と転舵装置の概略構成図を示す。車両用操舵装置1は、自動車をステアバイワイヤで操舵するものであるが、異常時には機械的に接続して手動による操舵が可能なようにバックアップ機能を備える。この車両用操舵装置1の主な構成は、運転者が操舵するステアリングホイール2と、このステアリングホイール2に操舵反力を与える反力付与部3と、ステアリングホイール2と反力付与部3とを連結する操舵軸11と、前輪である一対の転舵輪4,5を転舵させる転舵装置6と、異常時にステアリングホイール2の回転力を転舵装置6に伝達するための電磁式等のクラッチ10、反力付与部3、クラッチ10、および転舵装置6を連結している第一連結軸12および第二連結軸13と、反力付与部3、転舵装置6、およびクラッチ10を制御する電子制御ユニット16とから構成される。

0019

反力付与部3には、ステアリングホイール2の操舵角を検出する回転角検出器7と、反力モータ8と、操舵トルク検出器9とを備える。

0020

転舵装置6は、転舵用のアクチュエータである転舵モータ14の回転を、転舵軸6aの往復直線運動に変換し、転舵輪4,5を転舵させる機構である。この転舵装置6は、ステアリングホイール2の回転がクラッチ10および第2連結軸13を介して入力された場合は、その回転を転舵軸6aの往復直線運動に変換して転舵輪4,5を転舵させる機能を備える。転舵装置6には、この他に転舵輪4,5の転舵角を、転舵軸6aの進退位置等から検出する転舵角検出器15を備える。

0021

電子制御ユニット16は、このステアバイワイヤ式の車両用操舵装置1における反力付与と転舵角調整に関する制御を行う手段であり、図2にその概念構成を示す。
電子制御ユニット16は、反力付与部3の反力モータ8を制御する反力コントローラである第一の制御手段(ECU1)17と、転舵装置6の転舵モータを制御する転舵コントローラである第二の制御手段(ECU2)18と、第一の制御手段(ECU1)17と第二の制御手段(ECU2)18のバックアップ手段となる第三の制御手段(ECU3)19と、故障判定部20と、制御信号切替部21と、モータドライブ回路22とで構成される。

0022

なお、前記第一ないし第三の制御手段17,18,19は、この例ではいずれもECU(電子制御ユニット)からなるため、それぞれECU1,ECU2,ECU3と称し、または併記する場合がある。また、この例の電子制御ユニット16は、車両全体の協調制御,統括制御等を行うメインのECUとは別に独立して設けられている。なお、上記各ECU17〜19は、互いに別の回路基板マイクロコンピュータに設けられていても、同一の回路基板やマイクロコンピュータに設けられていても良い。

0023

第一の制御手段(ECU1)17は、第二の制御手段(ECU2)18および第三の制御手段(ECU3)19の異常を監視する相互監視部17aと、反力付与部3に装備されてステアリングホイール2に操舵反力を与える反力モータ8を制御するための反力指令部17bを備え、さらに、ステアリングホイール2の操舵角を検出する前記回転角検出器7と、ステアリングホイール2から操舵軸11(図1参照)に伝達した操舵トルクを検出する操舵トルク検出器9が接続される。反力指令部17bは、前記回転角検出器7および操舵トルク検出器9でそれぞれ検出された操舵角および操舵トルクに応じ、定められた計算式による計算結果となる反力指令の出力を行う。

0024

第二の制御手段(ECU2)18は、第一の制御手段(ECU1)17および第三の制御手段(ECU3)19の異常を監視する相互監視部18aと、転舵モータ14を制御するための転舵角指令部18bを備え、さらに、転舵軸6a(図1参照)から転舵角を検出する転舵角検出器15とが接続される。転舵角指令部18bは、転舵角検出器15で検出された転舵角の検出値とに応じて転舵出力を行う。

0025

第三の制御手段(ECU3)19は、第一の制御手段(ECU1)17および第二の制御手段(ECU2)18の異常を監視する相互監視部19aと、第一の制御手段(ECU1)17および第二の制御手段(ECU2)18に代わって、反力付与部3および転舵装置6をそれぞれ制御することが可能な、反力予備出力部19bおよび転舵角予備出力部19cを装備している。

0026

故障判定部20は、第一の制御手段(ECU1)17、第二の制御手段(ECU2)18、および第三の制御手段(ECU3)19に備えられた相互診断部17a、18a、19aの判定結果を受けて、第一の制御手段(ECU1)17、第二の制御手段(ECU2)18、および第三の制御手段(ECU3)19の故障状況を判定する。
なお、各相互監視部17a,18a,19aが行う前記異常の監視は、異常であるか否かの判断まで行う監視であっても、また異常の兆候の監視であっても良い。故障判定部20は、各相互監視部17a,18a,19aが異常であるか否かの判断まで行う場合は、第一ないし第三のどの制御手段17,18,19が異常であり、どの制御手段17,18,19が異常であるかを整理する処理を行う構成とされ、また各相互監視部17a,18a,19aが異常の兆候の監視に止まる場合は、各相互監視部17a,18a,19aから送信された異常の兆候の情報から、各制御手段17,18,19が異常であるか否かの判定を行う。

0027

制御信号切替部21は、故障判定部20から出力された判定結果を受けて、以下の機能を果たす。
例えば、第一の制御手段(ECU1)17が、故障判定部20によって異常と判定された場合は、故障判定部20からの判定結果を受け、第一の制御手段(ECU1)17の反力指令部17bより出力される反力指令を伝える状態から、第三の制御手段(ECU3)19の反力予備出力部19bより出力される反力予備指令を伝える状態に切り替えられる。

0028

これと同様に、第二の制御手段(ECU2)18が、故障判定部20によって異常と判定された場合は、故障判定部20からの判定結果を受け、第二の制御手段(ECU2)18の転舵角指令部18bより出力される転舵角指令を伝える状態から、第三の制御手段(ECU3)19の転舵角予備出力部19cより出力される転舵角予備指令を伝える状態に切り替えられる。

0029

以上の切り替え操作によって、第一または第二の制御手段17、18が失陥した際の段階的なバックアップモードへの移行を順次実施する。
バックアップモードへの状態遷移図を図3に示す。

0030

まず、第一および第二の制御手段17、18が正常な状態においては、第一の制御手段(ECU1)17と第二の制御手段(ECU2)18によって、正常なステアバイワイヤ制御を実行する。ここで、第三の制御手段(ECU3)19が異常と判定された場合であっても、第一の制御手段(ECU1)17と第二の制御手段(ECU2)18によって、ステアバイワイヤ制御を続行させることが可能である(S1)。

0031

第一の制御手段(ECU1)17および第二の制御手段(ECU2)18のいずれか一方が故障判定部20によって異常と判定された場合は、その異常と判定された第一の制御手段(ECU1)17または第二の制御手段(ECU2)18の操舵反力指令または転舵角指令は、第三の制御手段(ECU3)19から出力される反力予備指令、または転舵角予備指令へ切り替える。これによって、ステアバイワイヤ制御を続行させることが可能となる(S2、またはS3)。

0032

これと同様に、第一の制御手段(ECU1)17および第二の制御手段(ECU2)18において、故障判定部20によって、いずれも異常と判定された場合も、第三の制御手段(ECU3)19から出力される反力予備指令出力と転舵角予備指令信号へ切り替えることによって、ステアバイワイヤ制御を続行させることが可能となる(S4)。

0033

次に、第一の制御手段(ECU1)17と第二の制御手段(ECU2)18のいずれか一方と、第三の制御手段(ECU3)19との二つの制御手段が、故障判定部20によって、異常と判定された場合は、即座にクラッチ10が連結され、ステアバイワイヤ制御から、反力付与部3と転舵装置6のいずれか一方によるアシスト力を付与する電動パワーステアリング制御へ切り替えられる(S5、またはS6)。クラッチ10を連結させる指令は、例えば前記故障判定部20が出力する。

0034

さらに、第一の制御手段(ECU1)17、第二の制御手段(ECU2)18、および第三の制御手段(ECU3)19のすべてが、故障判定部20によって、異常と判定された場合は、ステアリングホイール2と転舵装置6はクラッチ10により連結され、マニュアル操作に切り替えられる(S7)。

0035

なお、これらの切り替えを可能にするため、反力付与部3に装備された回転角検出器7および操舵トルク検出器9の信号は、常時、第一の制御手段(ECU1)17および第三の制御手段(ECU3)19へ、また転舵装置6に装備された転舵角検出器15の信号は、常時、第二の制御手段(ECU2)18および第三の制御手段(ECU3)19のそれぞれに並列入力されるように制御信号切替部21で信号分配(図示無し)されている。

0036

この構成によると、ステアリングホイール2に操舵反力を与える反力付与部3と、転舵角を可変とする転舵装置6と、ステアリングホイール2の操作量を転舵装置6に機械的に連結と解除が可能なクラッチ10を備えるステアバイワイヤ式の車両用操舵装置1の制御手段において、反力コントローラである第一の制御手段17と、転舵コントローラである第2の制御手段18とのバックアップ機能を、必要最低限となる一つの予備制御手段である第三の制御手段19に備える。そのため、反力コントローラである第1の制御手段17と転舵コントローラである第二の制御手段18とのいずれが失陥しても、ステアバイワイヤ制御が続行可能となる。予備の制御手段である第三の制御手段19は、転舵コントローラと反力コントローラ両方のバックアップ機能を保有するため、過度な冗長構成とならず、経済的にも有利である。

0037

次に、この発明の第2の実施形態を図4および図5に示す。この実施形態は、トー角調整機能を有する車両用操舵装置1へ適用した例であるが、特に説明する事項を除いて第1の実施形態と同様である。
図4に、トー角調整機能を有する操舵装置と制御手段の概略構成図を示す。この例における車両用操舵装置1は、図1の構成に加え、一対の転舵輪(前輪)4、5を転舵させる転舵装置6の内部にトー角を制御するためのアクチュエータであるトー角モータ23、およびトー角の角度を検出するトー角検出器24を備える。トー角モータ23を用いてトー角を調整するトー角調整機構29(図5)については、トー角モータ23とトー角検出器24で実現できる手法であれば、特にその具体的な機構を限定するものではない。

0038

トー角調整が可能なステアバイワイヤ式操舵装置の制御装置の構成を図5に示す。図2で示した第三の制御手段(ECU3)19は、この例では、トー角を制御するためにトー角指令部19dを有し、トー角制御のためにトー角検出器24からの信号が接続される。第三の制御手段(ECU3)19は、通常は、第二の制御手段(ECU2)18による転舵角制御協調しながらトー角の調整を実施することが可能である。

0039

この第2の実施形態においては、第三の制御手段(ECU3)19が失陥した場合は、直ちにトー角制御を停止する必要があるが、ステアバイワイヤ制御もしくは、電動パワーステアリング制御を直ちに阻害するものではない。

0040

この構成の場合、予備の制御手段となる第三の制御手段19が、正常時はトー角制御機能を奏し、トー角制御と予備の制御手段とを兼用することになる。そのため、より経済的に車両性能を向上させることができる。

0041

以上、第1および第2の実施形態に基づいて本発明を説明したが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。

0042

1…車両用操舵装置
2…ステアリングホイール
3…反力付与部
4,5…転舵輪
6…転舵装置
7…回転角検出器
8…反力モータ(アクチュエータ)
9…操舵トルク検出器
10…クラッチ
14…転舵モータ(アクチュエータ)
15…転舵角検出器
16…電子制御ユニット
17…第一の制御手段
18…第二の制御手段
19…第三の制御手段
17a,18a,19a…相互監視部
17b…反力指令部
18b…転舵角指令部
19b…反力予備出力部
19c…転舵角予備出力部
19d…トー角指令部
20…故障判定部
21…制御信号切替部
23…トー角モータ(アクチュエータ)
24…トー角検出器
29…トー角調整機構

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