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技術 自動二輪車のフレーム構造

出願人 スズキ株式会社
発明者 面迫貴浩
出願日 2013年12月3日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2013-250499
公開日 2015年6月11日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-107686
状態 特許登録済
技術分野 自動自転車、自転車一般 自動自転車、自転車のフレーム
主要キーワード 引抜き部材 凹壁面 末拡がり状 型割り線 傾斜開口 肉抜き形状 型抜き勾配 左右複数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年6月11日)のものです。
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図面 (13)

課題

ジョイント部材テーパ形状を備えた鍛造品で構成し、スウェージング加工を不要としてダウンチューブとジョイント部材との溶接接合面を斜めとして応力集中を回避し、強度と剛性バランスを確保した自動二輪車フレーム構造を提供する。

解決手段

自動二輪車のフレーム構造は、ヘッドパイプ12と左右一対メインフレーム13と、左右一対のフレームレッグ16と、1本のダウンチューブ17とジョイント部材18と左右一対のロアチューブ19とを備え、ダウンチューブ17とロアチューブ19とを接続するジョイント部材18は鍛造品47で構成され、ダウンチューブ17とジョイント部材18との溶接接合面が、車体側面視でダウンチューブ17の前面側下端からその後面に向って所要平面部を残して途中から後上方に立ち上る傾斜形状に構成されることを特徴とするものである。

概要

背景

自動二輪車エンジン車体フレームに搭載されており、エンジンの前部は、車体フレームのダウンチューブ左右一対ロアチューブとを接続する前懸架ブラケットジョイント部材に固定されるようになっている。

中でも、モトクロス車両の車体フレームは強度と剛性とのバランスを取った上で軽量化することが要請される。強度を重視し過ぎると大型化を招いて重量増となり、車両の操縦定性が低下する虞がある。

モトクロス車両では、車体フレームにエンジンを上部、前部および下部の3箇所で懸架ブラケットを介して搭載し、エンジンを剛性メンバとしている。エンジンの前側を懸架する前懸架ブラケットは、ダウンチューブとロアチューブとを接続するジョイント部材を構成している。

従来の自動二輪車では、特許文献1に記載のように、ダウンチューブの後方にエンジンとエキゾーストパイプとが位置するために、ダウンチューブを先絞りテーパ化してクリアランスを確保したり、前懸架ブラケットを鍛造成形する場合、ダウンチューブを前懸架ブラケットに差し込むため、前懸架ブラケットに四角孔形状の機械加工を行なう必要がある。

概要

ジョイント部材にテーパ形状を備えた鍛造品で構成し、スウェージング加工を不要としてダウンチューブとジョイント部材との溶接接合面を斜めとして応力集中を回避し、強度と剛性のバランスを確保した自動二輪車のフレーム構造を提供する。自動二輪車のフレーム構造は、ヘッドパイプ12と左右一対のメインフレーム13と、左右一対のフレームレッグ16と、1本のダウンチューブ17とジョイント部材18と左右一対のロアチューブ19とを備え、ダウンチューブ17とロアチューブ19とを接続するジョイント部材18は鍛造品47で構成され、ダウンチューブ17とジョイント部材18との溶接接合面が、車体側面視でダウンチューブ17の前面側下端からその後面に向って所要平面部を残して途中から後上方に立ち上る傾斜形状に構成されることを特徴とするものである。

目的

本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ジョイント部材にテーパ形状を鍛造品で成形してスウェージング加工を不要とし、ダウンチューブとジョイント部材との溶接接合面を斜めに、溶接長を長くとって応力集中を回避し、強度と剛性のバランスを確保して車両の操縦安定性を向上させた自動二輪車のフレーム構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車体フレーム前頭部に設置されるヘッドパイプと、このヘッドパイプから車体後方下り傾斜して延びる左右一対メインフレームと、前記メインフレームからエンジン後方を下方に延びる左右一対のフレームレッグと、前記ヘッドパイプから前記エンジンの前方を下方に延びる1本のダウンチューブと、前記ダウンチューブの下端に接続されて左右に分岐されるジョイント部材と、前記ジョイント部材の分岐部に接続され、前記エンジンの下方を車体後方に向って延び、前記フレームレッグに接続される左右一対のロアチューブとを備えた自動二輪車フレーム構造において、前記ダウンチューブと前記ロアチューブとを接続する前記ジョイント部材は鍛造品で構成され、前記ダウンチューブとジョイント部材との溶接接合面が、車体側面視で、前記ダウンチューブの前面側下端からその後面に向って所要平面部を残して途中から後上方に立ち上る傾斜形状に構成されたことを特徴とする自動二輪車のフレーム構造。

請求項2

前記ジョイント部材のエンジンに対向する後面は、前記ダウンチューブの後面の溶接接合点bから前記ダウンチューブの延長線に対し車体前方側鋭角θに傾斜している請求項1に記載の自動二輪車のフレーム構造。

請求項3

前記ジョイント部材は、前記ダウンチューブとの溶接位置最下点aより下方にエンジン懸架ボスが一体に設けられ、車体側面視で前記エンジン懸架ボスの外周面と前記ジョイント部材の後面(R面)との交点Cから、前記ジョイント部材の前面(F面)に垂直方向に垂らした線が交差する点を交差点dとし、前記溶接位置の最下点aと前記交差点dとの距離をD、また、前記交差点dと前記交点Cとの距離をGとしたとき、D≧Gである請求項1に記載の自動二輪車のフレーム構造。

請求項4

前記ジョイント部材は、その前面(F面)または後面(R面)と直交する方向に鍛造抜きが可能な造形形状に構成され、前記ジョイント部材のパーティングラインは、前記エンジン懸架ボスの外周面上方側の点Cから、前記ダウンチューブの平面部後端側の溶接点eに向って湾曲して延び、さらに、前記ダウンチューブの溶接点eから後上方に延びるダウンチューブ後面の溶接接合点bに向って開先形状を形成する前記ジョイント部材の先端部がパーティングラインを構成している請求項1に記載の自動二輪車のフレーム構造。

請求項5

前記エンジンの排気ポートから直線的に延びるエキゾーストパイプ出口部は、車体側面視で前記ダウンチューブ後面下部の溶接接合点bと前記ジョイント部材の懸架ボスの外周面上方側の点Cとの間で前記ジョイント部材の側方に案内される請求項1に記載の自動二輪車のフレーム構造。

請求項6

前記ジョイント部材は、懸架ボス設置の裏面側に対向する表面側に車体前方および車体下方側開放される肉抜き凹部が形成され、前記ジョイント部材は、上部側に前記ダウンチューブのチューブ孔に連通する軸方向の水抜き孔が形成された請求項1に記載の自動二輪車のフレーム構造。

請求項7

前記ジョイント部材は車体側面視でダウンチューブ下端部からロアチューブに向って先細りテーパ形状に構成された請求項1に記載の自動二輪車のフレーム構造。

請求項8

前記ジョイント部材は、上端部に車体後方側上り傾斜するインロー部が設けられ、このインロー部が前記ダウンチューブ下端の傾斜開口部に挿入されて嵌め合され、全周溶接して接合された請求項1に記載の自動二輪車のフレーム構造。

技術分野

0001

本発明は、自動二輪車フレーム構造係り、特に、エンジンの前側を車体フレーム懸架する部分を改良した自動二輪車のフレーム構造に関する。

背景技術

0002

自動二輪車のエンジンは車体フレームに搭載されており、エンジンの前部は、車体フレームのダウンチューブ左右一対ロアチューブとを接続する前懸架ブラケットジョイント部材に固定されるようになっている。

0003

中でも、モトクロス車両の車体フレームは強度と剛性とのバランスを取った上で軽量化することが要請される。強度を重視し過ぎると大型化を招いて重量増となり、車両の操縦定性が低下する虞がある。

0004

モトクロス車両では、車体フレームにエンジンを上部、前部および下部の3箇所で懸架ブラケットを介して搭載し、エンジンを剛性メンバとしている。エンジンの前側を懸架する前懸架ブラケットは、ダウンチューブとロアチューブとを接続するジョイント部材を構成している。

0005

従来の自動二輪車では、特許文献1に記載のように、ダウンチューブの後方にエンジンとエキゾーストパイプとが位置するために、ダウンチューブを先絞りテーパ化してクリアランスを確保したり、前懸架ブラケットを鍛造成形する場合、ダウンチューブを前懸架ブラケットに差し込むため、前懸架ブラケットに四角孔形状の機械加工を行なう必要がある。

先行技術

0006

特開2008−230310号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1に記載の発明では、エンジン搭載箇所の取付スペースを小さくし、車体のコンパクト化を図るため、ダウンチューブをスウェージング加工により先絞りのテーパ形状に絞り加工を施した上で、テーパ化したダウンチューブの先に前懸架ブラケットの溶接部があり、この溶接部が最小断面となって応力集中が生じ易く、強度上不利となり、フレーム剛性を充分に確保することが困難であった。

0008

また、ダウンチューブの先端先細部を前懸架ブラケットに差し込み、全周溶接にて固定するため、前懸架ブラケットはダウンチューブの外径より大型化し、コストや重量増を招き易い。

0009

本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ジョイント部材にテーパ形状を鍛造品成形してスウェージング加工を不要とし、ダウンチューブとジョイント部材との溶接接合面を斜めに、溶接長を長くとって応力集中を回避し、強度と剛性のバランスを確保して車両の操縦安定性を向上させた自動二輪車のフレーム構造を提供することを目的とする。

0010

本発明の他の目的は、スウェージング加工を不要にしてダウンチューブの加工を容易にし、ジョイント部材をテーパ形状および肉抜き形状に加工して小型化、軽量化を図ることができる自動二輪車のフレーム構造を提供する。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、上述した課題を解決するために、車体フレームの前頭部に設置されるヘッドパイプと、このヘッドパイプから車体後方下り傾斜して延びる左右一対のメインフレームと、前記メインフレームからエンジンの後方を下方に延びる左右一対のフレームレッグと、前記ヘッドパイプから前記エンジンの前方を下方に延びる1本のダウンチューブと、前記ダウンチューブの下端に接続されて左右に分岐されるジョイント部材と、前記ジョイント部材の分岐部に接続され、前記エンジンの下方を車体後方に向って延び、前記フレームレッグに接続される左右一対のロアチューブとを備えた自動二輪車のフレーム構造において、前記ダウンチューブと前記ロアチューブとを接続する前記ジョイント部材は鍛造品で構成され、前記ダウンチューブとジョイント部材との溶接接合面が、車体側面視で、前記ダウンチューブの前面側下端からその後面に向って所要平面部を残して途中から後上方に立ち上る傾斜形状に構成された自動二輪車のフレーム構造を提供するにある。

発明の効果

0012

本発明に係る自動二輪車のフレーム構造は、テーパ形状を鍛造品のジョイント部材に設けて、スウェージング加工を不要にし、ダウンチューブとジョイント部材との溶接接合面を斜めに形成して溶接長を長くとることができ、溶接部への応力集中を回避して、溶接を安定化させ、溶接強度と剛性のバランスを確保して、車両の操縦安定性を向上させることができる。

0013

本発明の自動二輪車のフレーム構造は、フレームのテーパ部分鍛造部品で形成したため、ダウンチューブにスウェージング加工を不要にして加工の容易化、簡素化を図ることができ、ジョイント部材に強度バランスを考慮しながら鍛造品の肉抜きを行なうことができ、フレーム構造のコンパクト化、軽量化を図ることができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の実施形態に係るフレーム構造を備えた自動二輪車を示す右側面図。
自動二輪車の車体フレームを示す左側面図。
エンジンを搭載した車体フレームを示す左側面図。
エンジン懸架ブラケットを構成するジョイント部材の鍛造部品を左後上方から見た斜視図。
鍛造品のジョイント部材を左前下方から見上げた俯仰図。
車体フレームに備えられたジョイント部材とエンジンのレイアウト関係を示す左側面図。
図6のVII−VII線に沿う断面図。
ダウンチューブとロアチューブとの間に接続されるジョイント部材の接合配置関係を示す左側面図。
図8のIX−IX線に沿う断面図。
図5をP方向から見たジョイント部材の下部二又部の正面図。
図10のXI−XI線に沿うジョイント部材の縦断面図。
ジョイント部材の変形例を左後方か見た斜視図。

実施例

0015

以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。

0016

図1は、本発明の実施形態に係るフレーム構造を備えた自動二輪車の全体構成を示す右側面図であり、図2は自動二輪車のフレーム構造を示す左側面図、図4は、車体フレームにエンジンを搭載した状態を示す左側面図である。

0017

図1に示された自動二輪車10は、例えばモトクロス車両に適用されるもので、車体の骨組みを構成するセミダブルクレードルタイプの車体フレーム11を備える。車体フレーム11は、前頭部に設置されたヘッドパイプ12から下り傾斜して後方に延びる左右一対のメインフレーム13と、メインフレーム13の後端部からエンジン15の後方を廻り込むようにして下方に延びるフレームレッグ16と、ヘッドパイプ12からエンジン15の前方を下方に向って延びる1本のダウンチューブ17と、このダウンチューブ17の下端に接続されて二又に分岐されるエンジン前方のジョイント部材18と、ジョイント部材18の分岐部に接続されて湾曲し、エンジン15の下方を通って後方に延びる左右一対のロアチューブ19とを有し、ロアチューブ19の後端がフレームレッグ16の下端に接続されてクレードルタイプのフレーム構造が構成される。

0018

ヘッドパイプ12には、前輪20を回動自在に支持するフロントフォーク21やハンドルバー22が設けられ、このハンドルバー22の操作により前輪20が左右に回動自在に操舵される。

0019

また、車体フレーム11は左右のフレームレッグ16間に架設されたピボット軸24にスイングアーム25が上下揺動自在に軸支され、スイングアーム25の後端に後輪26が支持される。

0020

さらに、車体フレーム11には、図2に示すように、フレームレッグ16の頂部あるいはメインフレーム13の後端部に左右一対のシートレール28が設けられる。シートレール28は車体後方に向って後上方に延設される一方、シートレール28の後端部に、左右に対をなすサイドフレーム29の後端部が接続される。サイドフレーム29の前端はフレームレッグ16に連結され、シートレール28が補強される。サイドフレーム29は複数本ずつ左右にそれぞれ設けてもよい。

0021

シートレール28上には運転シート30が設置される。この運転シート30の前方に隣設して燃料タンク31がメインフレーム13あるいはエンジン15上に設けられる。

0022

車体フレーム11のメインフレーム13と、フレームレッグ16と、ダウンチューブ17と、ジョイント部材18と、ロアチューブ19とで囲まれた閉じた枠状空間32内にエンジン15が搭載される。エンジン15の動力は、図示しないドライブスプロケットからドライブチェーンおよびドリブンスプロケットを介して後輪26に伝達される。

0023

エンジン15は、エンジンケース33とこのエンジンケース33の前上方にやや前傾した姿勢で立ち上がるシリンダアッセンブリ34とから構成される。シリンダアッセンブリ34は図3に示すように、シリンダブロック35、シリンダヘッド36およびヘッドカバー37が順次積層されて一体に構成される。エンジン15は、車体フレーム11の枠状空間32内に側方から挿入された後、シリンダアッセンブリ34が懸架プレート40を介してメインフレーム13の懸架ブラケット41に固定される。エンジンケース33の前部は懸架プレート43を介してジョイント部材18に固定され、エンジンケース33の底部(下部)がロアチューブ19の懸架ブラケット44にそれぞれ固定される。エンジン15は上部、前部および下部の例えば3点で車体フレーム11に設けられ、懸架される。ジョイント部材18はエンジン15が前側を懸架する前懸架ブラケットである。なお、図2および図3において、符号45はサイドメンバであり、図1および図3において符号46はラジエターである。

0024

ところで、エンジン15の前側を懸架する前懸架ブラケットはジョイント部材18であり、このジョイント部材18は、鍛造加工により成形される鍛造品47で製作される。鍛造品47は機械的・物理的強度が鋳造品より大きい。鍛造品47は図4に示すように、金属を金型の間で圧縮して所要形状に成形し、成形後にパーティングライン型割り線PLを境に金型を互いに反対方向X,Yに型抜きすることにより成形される。鍛造品47成形後に、鍛造品47の懸架ボス部48Aを機械加工して図5に示す懸架ボス48が形成され、エンジン前懸架ブラケットのジョイント部材18が製造される。このように、ジョイント部材18は、その前面(F面)または後面(R面)とほぼ直交するX,Y方向に鍛造抜きが可能な造形形状に構成される。

0025

また、鍛造品47は図5に示すように、ダウンチューブ17への接続部やロアチューブ19への接続部にインロー部50,51が形成される。鍛造品47のインロー部50,51は必要に応じ機械加工により製作される。鍛造品47のロアチューブ19への接続部51はジョイント部材18の下部が図5に示すように、二又に分岐されて構成され、ジョイント部材18は分岐部下端のインロー部51がロアチューブ19に挿入され、全周溶接して接続される。ジョイント部材18の上端も、インロー部50でダウンチューブ17の下部に挿入され、周溶接一体化して接続される。このようにして、ジョイント部材18はダウンチューブ17とロアチューブ19の間に組み込まれて一体化され、エンジン前懸架ブラケットを構成している。

0026

ジョイント部材18をダウンチューブ17とロアチューブ19との間に組み込み、一体化して組み立てられる車体フレーム11の組立状態において、ジョイント部材18の上下前後の位置関係が規定される。ジョイント部材18はダウンチューブ17取付側を上側とし、ロアチューブ19取付側を下側とし、車体前方側を前(F)側に、車体後方のエンジン側を後(R)側にそれぞれ接続する。

0027

自動二輪車10において、車体フレーム11のエンジン15前側は、ダウンチューブ17とジョイント部材18およびロアチューブ19とを溶接にて一体化したフレーム構造で構成される。このうち、ダウンチューブ17およびロアチューブ19は引抜き部材あるいは押出し部材で製作され、ジョイント部材18は鍛造品47で製作されるため、これらの部材をスウェージング加工で製作する必要がない。ジョイント部材18はエンジン15の前懸架ブラケットを構成しており、図3に示すように、ジョイント部材18はエンジンケース33の前側上部を前懸架プレート43を介して懸架している。

0028

ところで、ダウンチューブ17とロアチューブ19とを接続するジョイント部材18は、鍛造品で構成され、車体側面視でダウンチューブ17の上側からロアチューブ19の下側にかけて、漸次先細りとなるテーパ形状に形成される。エンジン15の前懸架ブラケットであるジョイント部材18は、図6に示すように、ダウンチューブ17との接合部から懸架ボス48のボス根元まで断面形状が徐々に小さく成形される。これにより、エンジン15の排気ポート53から直線的に斜め前方に延びるエキゾーストパイプ54の出口部は、車体側面視において、ジョイント部材18の懸架ボス48より上側のテーパ部側面を通過するように構成される。

0029

ちなみに、エキゾーストパイプ54は、直線状の出口部から図1および図3に示すように、Uターンしてエンジン15右側方を車体後方側に延び、先端に排気マフラ55が接続されて構成される。

0030

ジョイント部材18は、鍛造品47で構成され、ダウンチューブ17に接合される上側から懸架ボス48部に向って先細りのテーパ形状に形成されたので、ダウンチューブ17にテーパ部を設ける必要がなく、引抜き加工等で容易に成形でき、ダウンチューブ17にコストの高いスウェージング加工を廃止することができる。また、ジョイント部材18は、鋳造部品より強度の大きな鍛造品47で製作され、ジョイント部材18にテーパ形状を備えることで、エンジン前懸架ブラケット全体はダウンチューブ17にテーパ形状を備えたものと、等価な均等形状に構成される。

0031

ジョイント部材18は、鍛造品47で製造されるが、鍛造品47の肉抜きを図4および図5に示すように、前側および後側に複数箇所で行なうことができる。鍛造品47は具体的には、ジョイント部材18の上側から懸架ボス48部に至るテーパ部および分岐部の各後面側、またジョイント部材18の二又部の前面側で、強度バランスを考慮しながら肉抜き部56,57,58,59が形成され、軽量化が図られる。

0032

鍛造品47のジョイント部材18にはパーティングラインPLが左右両側に形成され、両パーティングラインPLを結ぶ面を大きくとることができるので、ジョイント部材18は両パーティングラインPLを結ぶ面に強度バランスをとりながら肉抜き形状を前面(F面)および後面(R面)に広い範囲に亘り確保することができ、軽量化が図られる。

0033

また、ダウンチューブ17とジョイント部材18との溶接接合面は、図8に示すように、車体側面視で、ダウンチューブ17の下端前面(a点)、すなわち、溶接位置最下点aから所要の平面部を残し、平面部の後端のe点からダウンチューブ17後面(b点)に向って後上方に立ち上がる傾斜面が形成されている。ダウンチューブ17とジョイント部材18の溶接接合面を所要の平面部から斜め上方に立ち上がる傾斜面とすることで、溶接長さを長くとることができる。しかも、ジョイント部材18の上側は図9に示すように、インロー部50が周方向に形成されてダウンチューブ17下部の傾斜開口に下方から嵌り合される。その上、ダウンチューブ17とジョイント部材18の接合部JPは、図9に示すようにV形開先形状に構成され、この開先形状を利用して全周溶接されて、溶接接合面が形成されるので、溶接が安定し、溶接強度を向上させることとができる。

0034

ダウンチューブ17とジョイント部材18の斜め傾斜面を有する溶接接合面は、図8および図9に示すように、ジョイント部材18のインロー部50と開先形状を利用した全周溶接で接合され、しかも、溶接長を長くとることができ、その上さらに、長い溶接区間でジョイント部材18のテーパ形状を利用してフレーム構造が構成されるので、フレーム断面形状を徐々にスムーズに変化させることができ、溶接部への応力集中を回避することができる。

0035

また、鍛造品47であるジョイント部材18は、パーティングライン(型割り線)PLが懸架ボス48の上端面(c点)からダウンチューブ17との溶接点e(ジョイント部材18の上部平面部後端)に向って湾曲して曲線状に形成される。さらに、ジョイント部材18は平面部後端のe点からダウンチューブ17の後面(R面)側のb点に向ってダウンチューブ17との間で開先形状を形成するジョイント部材上側の最大幅部がパーティングラインPLとなっている。

0036

ジョイント部材18のパーティングラインPLは、図8および図9に示すように、懸架ボス48の上部から溶接接合面の前側のe点まで湾曲させた上、ダウンチューブ17との溶接接合面の開先形状に沿ってジョイント部材18の後面(R面)まで延設したことで、ジョイント部材18は上側から下側に向って先細り形状となるだけでなく、エンジン15に対向するジョイント部材18の後面(R面)に向って大きく先細りの勾配を大きくとることができるので、エキゾーストパイブ54との距離を確保し、詰めることができる。

0037

結果的に、ダウンチューブ17にテーパ部を形成する必要がなく、ジョイント部材18のテーパ形状により、ダウンチューブ17をエンジン方向に、図6および図7に示すように近付けることができる。したがって、エンジン搭載箇所のスペースを小さくすることで車体のコンパクト化を図ることができ、レイアウトの自由度を向上させることができる。

0038

さらに、ジョイント部材18は、上端部に図5に示すように車体後方側に上り傾斜するインロー部50が設けられ、このインロー部50が図6図8および図11に示すように、ダウンチューブ17下端の傾斜開口部に挿入されて嵌め合され、全周溶接により一体に接合される。また、ジョイント部材18の下端の分岐部にも、図5に示すようにインロー部51が設けられ、これらインロー部51はロアチューブ19の上端開口に挿入されて嵌め合され、それぞれ全周溶接して一体に接合される。このロアチューブ19はエンジン15の前側下部で湾曲してエンジン15の下方を車体後方に延びてフレームレッグ16に接続され、ダブルクレードル構造の車体フレーム11が構成される。

0039

ジョイント部材18は、エンジン15に対向する後面(R面)が図8に示すように、ダウンチューブ17後面の溶接接合点(b点)からダウンチューブ17の延長線Eに対して、車体前方へ角度θだけ鋭角に傾斜しており、下方に向って先細のテーパ面が構成される。車体フレーム11は、前懸架ブラケットを構成するジョイント部材18側でテーパ面を形成することで、ダウンチューブ17のスウェージング加工を廃止でき、加工量を軽減させることができる。

0040

この自動二輪車10の車体フレーム11では、図8に示すように、ジョイント部材18のエンジン懸架用ボス48がダウンチューブ17との溶接位置の最下点(a点またはe点)より下方に一体的に設けられる。車体側面視でエンジン懸架ボス48の外周とジョイント部材18の後面(R面)が交差する点(c1点)からジョイント部材18の前面(F面)に垂らした垂線がF面と交差する点をd点とし、このd点とダウンチューブ17の溶接位置の最下点(a点)との距離をDまた、交差点のd点を結ぶジョイント部材18の幅の距離をGとすると、
D≧G
の関係を成立するように設定される。

0041

なお、交差点c1点は懸架ボス48の上端面のc点と一致するように構成してもよい。

0042

ジョイント部材18は、溶接最下点a点から交差点d点に至る距離Dを離すことで、断面が急激に変化する領域から離すことで、応力集中を回避して緩和させることができ、強度上優れたものとなる。その上、ジョイント部材18は溶接最下点aから交差点dまでの距離を離すことで、ダウンチューブ17からロアチューブ19に至るまでの断面変化がスムーズになり、応力集中を防ぐことができる。さらに、剛性面の設定が容易となり、フレキシブル性に優れ、吸収感が得られ易く操縦性、安定性を向上させることができる。

0043

さらに、鍛造品47のジョイント部材18は、エンジン15に対向する後面(R面)の上下方向中間部に懸架ボス48が形成され、後面側の懸架ボス48に対向する前面(F面)側に図5および図10に示すように肉抜き凹部59が構成される。ジョイント部材18の肉抜き凹部59は、ジョイント部材18の車体前方および二又部の本体下方開放されている。ジョイント部材18の肉抜き凹部59は、大きな肉抜き形状に形成されるので、軽量化を図ることができ、車体フレーム11の軽量化に貢献することができる。さらに、肉抜き凹部59は、車体下方末拡がり状態で開放されているので、走行中に堆積し難い形状に構成され、加えて車体下側が開放されているので、鍛造の成形性が良好となる。

0044

その上、ジョイント部材18には、図11に示すように、頂部から二又部の肉抜き凹部59に至る水抜き孔60が軸方向に形成される。水抜き孔60は、ジョイント部材18の肉抜き凹部59の上部凹壁面に形成され、ダウンチューブ17のチューブ孔61に連通している。ジョイント部材18の水抜き孔60はダウンチューブ17のチューブ孔61からジョイント部材18を軸方向に貫いて二又部表面側の肉抜き凹部59に開口している。水抜き孔60は車体下方側に大きく開放されているので、ジョイント部材18の軸方向に形成しても、距離の短い穴加工でよく、水抜き孔60の孔加工工数を低減させることができる。

0045

[実施形態の効果]
自動二輪車のフレーム構造は、車体フレーム11のダウンチューブ17とジョイント部材18との溶接接合面は、車体側面視で、車体後方側に向って後上方に傾斜する傾斜面としたので、エンジン15の前側(フロント)懸架を行なうジョイント部材18の前懸架ブラケットの少なくとも一部を下方に向って先細りのテーパ形状とすることができる。ジョイント部材18を鍛造品で構成し、先細りのテーパ形状とすることで、加工コストの高いスウェージング加工を不要とし、廃止することができる。また、全周溶接されるダウンチューブ17とジョイント部材18との溶接長を長くとることができ、溶接接合部と最小断面の位置を離して、溶接接合部が最小断面でなくなるために強度面で優れたものとなる。

0046

また、鍛造部品のジョイント部材は、金型を前側と後側に型抜きすることで構成されるが、懸架ボス部からダウンチューブの溶接接合面の下端部(e点)側に向けて湾曲され、さらに、パーティングラインPLは溶接接合面の下端部(e点)からダウンチューブ17後面側(b点)に向って開先形状に沿って図8に示すように構成されるので、ジョイント部材18はエンジン方向の後側(R面側)の型抜き勾配を大きくとることができ、スウェージング加工に較べてより一層絞ることができ、図7に示すように、ジョイント部材18とエキゾーストパイブ54とのクリアランスを大きくとることができる。したがって、排気ポート53の出口側のエキゾーストパイプ54の配管ストレート部を長くとることができ、エキゾーストパイブ54の出口角度制約が緩和され、エキゾーストパイプ54の配管レイアウトの自由度が向上し、スムーズな取り廻しを行なうことができる。

0047

また、自動二輪車のフレーム構造では、車体フレーム11のダウンチューブ17とロアチューブ19を接続するジョイント部材18は、車体側面視で、ダウンチューブ17からロアチューブ19まで断面変化が少ない先細り形状で、スムーズな断面変化をもつフレーム構造に構成されるので、急激な断面変化(節)がなく、バランスがとり易く、フレキシブル性に優れるために、応力集中が少なく、強度上優れたものとなる。

0048

さらに、ジョイント部材18は、鍛造品47で形成され、左右両側のパーティングラインPLを結ぶ面が広いので、強度バランスを取り付けながら肉抜き形状をジョイント部材18前面側および後面側に広い範囲で確保することができ、軽量化に貢献する。その上、ジョイント部材18は鍛造品47の二又部に車体下方に大きく開口する肉抜き凹部59を形成することができ、泥が堆積しにくく、重量増を招くことが少ない。

0049

[変形例]
自動二輪車のフレーム構造では、ダウンチューブ17とロアチューブ19とを接続するジョイント部材18を鍛造品47で構成し、鍛造品47の二又部上部の裏面(R面)側にエンジン15の懸架ボス48部を設けた例を示したが、懸架プレート取付ボルト左右複数本、例えば2本ずつとした場合、鍛造品47のジョイント部材18Aを図12に示すように構成し、ジョイント部材18Aの二又部の分岐部63,63にエンジン懸架ボス48A,48B上部にそれぞれ設けてもよい。懸架ボス48A部は、ジョイント部材18Aの各分岐部63,63の表面(R面)側に設けることによって、ジョイント部材18Aは中央部から左右の分岐部63,63にかけて大きく複数の肉抜き凹部64,65,66を形成することができ、より一層軽量化を図ることができる。

0050

また、本発明に係る自動二輪車のフレーム構造では、自動二輪車をモトクロス車両に適用され、セミダブルクレードルの車体フレームを備えたオフロード車両の例を示したが、オフロード車両に限らず、オンロード車両の車体フレームに適用することもできる。

0051

10自動二輪車
11車体フレーム
12ヘッドパイプ
13メインフレーム
15エンジン
16フレームレッグ
17ダウンチューブ
18,18Aジョイント部材(前懸架ブラケット)
19ロアチューブ
20前輪
21フロントフォーク
22ハンドルバー
24ピボット軸
25スイングアーム
26後輪
28シートレール
29サイドフレーム
30運転シート
31燃料タンク
32 枠状空間
33エンジンケース
34シリンダアッセンブリ
35シリンダブロック
36シリンダヘッド
37ヘッドカバー
40,43懸架プレート
41,44 懸架ブラケット
45サイドメンバ
47鍛造品
48,48A,48B懸架ボス
50,51インロー部(接続部)
53排気ポート
54エキゾーストパイブ
56,57,58,59肉抜き部(肉抜き凹部)
60水抜き孔
61チューブ孔
64,65,66 肉抜き凹部

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