図面 (/)

技術 少なくとも部分的に金属で形成されている複合成形品の製造方法

出願人 テーザ・ソシエタス・ヨーロピア
発明者 フーゼマン・マルクコープ・マティアス
出願日 2014年12月24日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2014-260220
公開日 2015年6月11日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2015-107649
状態 拒絶査定
技術分野 プラスチック等の射出成形
主要キーワード プラスチックコンポーネント 金属コンポーネント 接着強化剤 体積縮小 一次酸化剤 薄板部品 施工プロセス 軽量構造体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年6月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

少なくとも部分的に金属で形成されている複合射出成形品の製造方法の提供。

解決手段

少なくとも部分的に金属1で形成されている複合成形品であって、金属1領域の周囲に少なくとも部分的に熱可塑性プラスチック層3が射出成形されており、プラスチック層3と金属1領域間の少なくとも一部分に、少なくともプラスチック層3側が熱活性弾性材料からなる接着剤層2が配置されて、金属領域1とプラスチック層3間に接着剤層2を利用した材料同士の接合部が存在する、複合成形品。弾性接着剤2が、少なくとも30〜70重量%の天然ゴム及び/又は合成ゴム成分と、少なくとも30〜70重量%の少なくとも一つの反応性樹脂成分とからなり、前記反応性樹脂成分は120℃よりも高い温度で、自己架橋反応、他の反応性樹脂成分との架橋反応、又は、天然ゴム及び/又は合成ゴムとの架橋反応を開始する複合成形品の製造方法。

概要

背景

射出成形法で製造される複合成形品は既に以前から公知である。この方法では基本的にプラスチック成形品成形材料から製造される。その際には例えば粉末あるいは顆粒状の射出成形材料射出成形機可塑化され、形状を与える射出成形金型の空洞内へと高圧射出される。典型的な射出成形機は、加熱されたシリンダピストン又はスクリューピストン、並びに貯蔵容器及び駆動装置とを含む一つの射出ユニットからなり、この射出ユニットは成形材料を配量し、可塑化し、閉鎖された金型内に射出する。更にこの射出成形機は、金型開閉する型締めユニットを含む。

射出成形法のもう一つの利点は、複数のコンポーネントを一回の作業工程複合化することができることであり、またその際には同種の材料のみではなく異種材料も互いに複合化することができる。これに関しては、金属構造体を射出成形金型内にセットできるようにする、ハイブリッド技術及びインサート技術及びアウトサート技術を参照されたい。それにより、金属構造体の表面又は周囲への熱可塑性プラスチックの射出が可能になる。

金属部品成形部品の中に埋め込む技術は、インサート技術と呼ばれる。付加的な部品、例えばネジブッシュを金型内にセットされ、続いてその周囲にプラスチック成形材料が射出される。周囲への射出成形が直接行われるインサート部品は、例えばボールベアリング薄板製のブラケット類、又は各種電気コンポーネントである。プラスチックが占める比率は、重量でも容積でも金属を上回る。

インサート技術とは対照的に、アウトサート技術は多くの場合、金型内にセットされた、寸法精度、剛性、及び強度に対する高度の要求に応える必要がある金属製の基板に基づく。この基板に打抜き加工により設けられた受入穴の内部に、続いて、軸受スライドレールスナップイン式接続部、ストッパ、及び締結部などのような、プラスチック製の、様々な機能要素及び接続要素を、形状同士を係合させて射出成形することができる。

プラスチック‐金属‐ハイブリッド型射出成形品では、複合化による相手方材料の特性が相乗的に利用され、これによって多機能軽量構造体の合理的な製造を可能としている。この技術の適用目的は、個々の材料群が持つ利点を全て組み合わせることにある。例えば、プラスチックコンポーネント低比重をいう利点を、金属コンポーネントの、その時その時の用途にとり重要である特性と組み合わせることによって、薄肉異形薄板部品を、これに適切なプラスチック構造体を施すことで補強することができる。ハイブリッド構造体機械的負荷に対する耐性を高めるためには、各コンポーネント間の力の伝達及び分散が最適となるよう模索すべきである。これについては、一つの可能性として、プラスチック融液が金属部品の開口内に侵入し、そこで持続的な確実な接合状態に入るようにするとよい。

一般的にこのような複合成形品は、例えば自動車の構造では、フロントエンドのような車体部品を製造するために、又はコネクタシェル内で外装された金属製ピン、並びに電子式開閉装置に使用される。新しい傾向としては携帯電話への適用がある。携帯電話のデザインは、ここ数年間、薄型化の進展傾向を呈している。これによって、使用されるプラスチックに対する要求はますます高くなっている。その結果プラスチックは硬質化の一途を辿っている。これは、新しいポリマー組成により、又はこのプラスチックの内部を金属で補強することにより、実現することができる。

しかしこの必要の高い金属で補強された材料は、簡単に製造できるわけではない。前述の製造方法では、熱可塑性のプラスチックが金属に当たる際に、金属との界面のところの融液に、熱可塑性のプラスチックの温度よりも温度が遙かに低くなっているプラスチック界面が形成される。それにより急冷された熱可塑性プラスチックの薄い膜が生成される。しかしながらこの皮膜は、金属表面への付着性が、余りにも劣っている。続いて射出成形金型内が冷却されることで複合成形品の体積が減少する。しかしこの体積収縮によっても、プラスチックの金属からの少なくとも部分的な剥離を可能にする応力ひずみが発生する。これによって金属とプラスチック間に空気が閉じ込められ、これによっても接着力が更に低下する。この接着力不足から、プラスチックと金属間引張り応力及び剪断応力を加えることはほとんど不可能となっている。

更にもう一つの問題は、金属とプラスチック間で異なる熱膨張率である。これは製造工程の間に問題となることがあるが、なぜなら製造工程では、処理中に再度金属とプラスチック間に追加応力が形成されるからである。しかし、複合成形品に短時間の内に異なった温度が加えられ、その結果応力が生じる場合は、適用時にも問題が生じるかもしれない。

従来技術によれば、クラック最小限化するために、金属とプラスチック間のクラックに、シリコン又はエポキシ樹脂ベースとするシーリングコンパウンドを挿入する。シーリングコンパウンドは、入り込んで硬化し、また最適条件下では金属とプラスチック間に接着力をもたらすことができる。

従来技術によれば、密封のために溶融接着剤を金属表面に塗布する。この場合は、溶融接着剤が金属表面に付着し、続いてこの溶融接着剤の表面に、射出されるプラスチックが付着することになる。しかしこの方法は、溶融接着剤が架橋されておらず、このため限られた溶剤に対する耐性及び熱強度しか持たないという欠点を持つ。

金属製基材に対して熱可塑性コーティングを使用することは、米国特許第6,494,983号(特許文献1)からも周知である。ここでは鋼鉄容器に、PVライニングに代わり、熱可塑性プラスチックからなる層が施されるようになっている。しかしこの熱可塑性プラスチックは拡散抵抗を有しておらず、このため腐食性媒体が存在する場合はその下に位置する金属が腐食することがある。したがってこの金属には、熱硬化性防錆剤防錆層として備えられるようになっているが、しかし熱可塑性プラスチックは、熱硬化性プラスチックの表面には付着しない。このためこの熱硬化性プラスチックには部分的に熱可塑性プラスチック粉末が添加されるようになっており、それにより、それに続くプラスチックコーティングの際にこの防錆層とプラスチック間に接着部が形成されるようにしている。

この実施形態の更なる別の構成例が、国際特許出願公開第2005 061203号(特許文献2)に記載されている。当該文献にはプラスチックと金属層との間に熱可塑性接着剤を備える方法が開示されている。この接着剤は、金属とプラスチックとの間の応力を補償して分解することができるような弾性を持つ。更にこの接着剤はプラスチックと同じ、又はそれより低い融点を持っている。この熱可塑性接着剤は、単層構造又は二層構造とすることができる。しかし記載の方法には、既に固有の欠点が記載されている。例えば接着剤として好んで使用される熱可塑性材料は、水を吸収する傾向を示す。これは、溶融プラスチック被覆工程の間に水性ガスの生成を生じさせるが、これによっても空気の閉じ込めが引き起こされて、金属とプラスチック間の接着力は最小限のものとなる。このためこの熱可塑性プラスチックは、ガスシュラウドにより湿気及び酸素から保護されなければならない。部分的に貼り合わされる場合は、熱可塑性接着剤の寸法安定性欠如が、もう一つの欠点となる。つまり、熱可塑性接着剤は溶融状態にあるのだが、これは非常に低い粘性と抱き合わせになっている。この時に複合射出成形品が冷却すると、体積の縮小によって内圧が発生するが、それにより熱可塑性接着剤は流れ出してしまう。更にその結果として、熱可塑性接着剤の不均一な分散を来たすこともある。他にも、高い接着強度を実現するためには、熱可塑性接着剤の硬度も欠点となっている。これは、そこに引用されている熱硬化性プラスチックについてもいえる。しかしこれが特に決定的となるのは、携帯電話の部門である。そこでは、金属とプラスチック複合体との間の接着剤にも同様に良好な衝撃を吸収する弾性特性を持たせるようにするために、多数の落下試験が実施される。

概要

少なくとも部分的に金属で形成されている複合射出成形品の製造方法の提供。少なくとも部分的に金属1で形成されている複合成形品であって、金属1領域の周囲に少なくとも部分的に熱可塑性プラスチック層3が射出成形されており、プラスチック層3と金属1領域間の少なくとも一部分に、少なくともプラスチック層3側が熱活性弾性材料からなる接着剤層2が配置されて、金属領域1とプラスチック層3間に接着剤層2を利用した材料同士の接合部が存在する、複合成形品。弾性接着剤2が、少なくとも30〜70重量%の天然ゴム及び/又は合成ゴム成分と、少なくとも30〜70重量%の少なくとも一つの反応性樹脂成分とからなり、前記反応性樹脂成分は120℃よりも高い温度で、自己架橋反応、他の反応性樹脂成分との架橋反応、又は、天然ゴム及び/又は合成ゴムとの架橋反応を開始する複合成形品の製造方法。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも部分的に金属で形成されている複合成形品であって、前記金属領域の周囲に少なくとも部分的に熱可塑性プラスチック層射出成形されており、前記プラスチック層と前記金属領域間の少なくとも一部分に、少なくともプラスチック層側が熱活性弾性材料からなる接着剤層が配置されて、前記金属領域と前記プラスチック層間に前記接着剤層を利用した材料同士の接合部が存在する、複合成形品。

請求項2

請求項1に記載の複合成形品において、前記弾性接着剤が、・少なくとも30重量%、しかし最大で70重量%の天然ゴム及び/又は合成ゴム成分と、・少なくとも30重量%、しかし最大で70重量%の、少なくとも一つの反応性樹脂成分とから構成され、・前記反応性樹脂成分が120℃よりも高い温度で、自己架橋反応、他の反応性樹脂成分との架橋反応、又は、天然ゴム及び/又は合成ゴムとの架橋反応を開始することを特徴とする、複合成形品。

技術分野

0001

要約:
構成部品が少なくとも部分的に金属製であり、少なくともところどころプラスチックで取り囲まれており、この際にプラスチックと金属の間に接着剤が配置されている、複合成形品の製造方法を説明する。接着剤としては熱活性型接着剤が使用される。

0002

この方法では、まず金属上に熱活性型接着剤が塗布され、次にプラスチックがその上に射出され、この処理によって熱活性型接着剤の架橋反応が引き起こされ、これによりプラスチックと金属との間に非常に高い接着強度を実現することができる。

背景技術

0003

射出成形法で製造される複合成形品は既に以前から公知である。この方法では基本的にプラスチック成形品成形材料から製造される。その際には例えば粉末あるいは顆粒状の射出成形材料射出成形機可塑化され、形状を与える射出成形金型の空洞内へと高圧で射出される。典型的な射出成形機は、加熱されたシリンダピストン又はスクリューピストン、並びに貯蔵容器及び駆動装置とを含む一つの射出ユニットからなり、この射出ユニットは成形材料を配量し、可塑化し、閉鎖された金型内に射出する。更にこの射出成形機は、金型開閉する型締めユニットを含む。

0004

射出成形法のもう一つの利点は、複数のコンポーネントを一回の作業工程複合化することができることであり、またその際には同種の材料のみではなく異種材料も互いに複合化することができる。これに関しては、金属構造体を射出成形金型内にセットできるようにする、ハイブリッド技術及びインサート技術及びアウトサート技術を参照されたい。それにより、金属構造体の表面又は周囲への熱可塑性プラスチックの射出が可能になる。

0005

金属部品成形部品の中に埋め込む技術は、インサート技術と呼ばれる。付加的な部品、例えばネジブッシュを金型内にセットされ、続いてその周囲にプラスチック成形材料が射出される。周囲への射出成形が直接行われるインサート部品は、例えばボールベアリング薄板製のブラケット類、又は各種電気コンポーネントである。プラスチックが占める比率は、重量でも容積でも金属を上回る。

0006

インサート技術とは対照的に、アウトサート技術は多くの場合、金型内にセットされた、寸法精度、剛性、及び強度に対する高度の要求に応える必要がある金属製の基板に基づく。この基板に打抜き加工により設けられた受入穴の内部に、続いて、軸受スライドレールスナップイン式接続部、ストッパ、及び締結部などのような、プラスチック製の、様々な機能要素及び接続要素を、形状同士を係合させて射出成形することができる。

0007

プラスチック‐金属‐ハイブリッド型射出成形品では、複合化による相手方材料の特性が相乗的に利用され、これによって多機能軽量構造体の合理的な製造を可能としている。この技術の適用目的は、個々の材料群が持つ利点を全て組み合わせることにある。例えば、プラスチックコンポーネント低比重をいう利点を、金属コンポーネントの、その時その時の用途にとり重要である特性と組み合わせることによって、薄肉異形薄板部品を、これに適切なプラスチック構造体を施すことで補強することができる。ハイブリッド構造体機械的負荷に対する耐性を高めるためには、各コンポーネント間の力の伝達及び分散が最適となるよう模索すべきである。これについては、一つの可能性として、プラスチック融液が金属部品の開口内に侵入し、そこで持続的な確実な接合状態に入るようにするとよい。

0008

一般的にこのような複合成形品は、例えば自動車の構造では、フロントエンドのような車体部品を製造するために、又はコネクタシェル内で外装された金属製ピン、並びに電子式開閉装置に使用される。新しい傾向としては携帯電話への適用がある。携帯電話のデザインは、ここ数年間、薄型化の進展傾向を呈している。これによって、使用されるプラスチックに対する要求はますます高くなっている。その結果プラスチックは硬質化の一途を辿っている。これは、新しいポリマー組成により、又はこのプラスチックの内部を金属で補強することにより、実現することができる。

0009

しかしこの必要の高い金属で補強された材料は、簡単に製造できるわけではない。前述の製造方法では、熱可塑性のプラスチックが金属に当たる際に、金属との界面のところの融液に、熱可塑性のプラスチックの温度よりも温度が遙かに低くなっているプラスチック界面が形成される。それにより急冷された熱可塑性プラスチックの薄い膜が生成される。しかしながらこの皮膜は、金属表面への付着性が、余りにも劣っている。続いて射出成形金型内が冷却されることで複合成形品の体積が減少する。しかしこの体積収縮によっても、プラスチックの金属からの少なくとも部分的な剥離を可能にする応力ひずみが発生する。これによって金属とプラスチック間に空気が閉じ込められ、これによっても接着力が更に低下する。この接着力不足から、プラスチックと金属間引張り応力及び剪断応力を加えることはほとんど不可能となっている。

0010

更にもう一つの問題は、金属とプラスチック間で異なる熱膨張率である。これは製造工程の間に問題となることがあるが、なぜなら製造工程では、処理中に再度金属とプラスチック間に追加応力が形成されるからである。しかし、複合成形品に短時間の内に異なった温度が加えられ、その結果応力が生じる場合は、適用時にも問題が生じるかもしれない。

0011

従来技術によれば、クラック最小限化するために、金属とプラスチック間のクラックに、シリコン又はエポキシ樹脂ベースとするシーリングコンパウンドを挿入する。シーリングコンパウンドは、入り込んで硬化し、また最適条件下では金属とプラスチック間に接着力をもたらすことができる。

0012

従来技術によれば、密封のために溶融接着剤を金属表面に塗布する。この場合は、溶融接着剤が金属表面に付着し、続いてこの溶融接着剤の表面に、射出されるプラスチックが付着することになる。しかしこの方法は、溶融接着剤が架橋されておらず、このため限られた溶剤に対する耐性及び熱強度しか持たないという欠点を持つ。

0013

金属製基材に対して熱可塑性コーティングを使用することは、米国特許第6,494,983号(特許文献1)からも周知である。ここでは鋼鉄容器に、PVライニングに代わり、熱可塑性プラスチックからなる層が施されるようになっている。しかしこの熱可塑性プラスチックは拡散抵抗を有しておらず、このため腐食性媒体が存在する場合はその下に位置する金属が腐食することがある。したがってこの金属には、熱硬化性防錆剤防錆層として備えられるようになっているが、しかし熱可塑性プラスチックは、熱硬化性プラスチックの表面には付着しない。このためこの熱硬化性プラスチックには部分的に熱可塑性プラスチック粉末が添加されるようになっており、それにより、それに続くプラスチックコーティングの際にこの防錆層とプラスチック間に接着部が形成されるようにしている。

0014

この実施形態の更なる別の構成例が、国際特許出願公開第2005 061203号(特許文献2)に記載されている。当該文献にはプラスチックと金属層との間に熱可塑性接着剤を備える方法が開示されている。この接着剤は、金属とプラスチックとの間の応力を補償して分解することができるような弾性を持つ。更にこの接着剤はプラスチックと同じ、又はそれより低い融点を持っている。この熱可塑性接着剤は、単層構造又は二層構造とすることができる。しかし記載の方法には、既に固有の欠点が記載されている。例えば接着剤として好んで使用される熱可塑性材料は、水を吸収する傾向を示す。これは、溶融プラスチック被覆工程の間に水性ガスの生成を生じさせるが、これによっても空気の閉じ込めが引き起こされて、金属とプラスチック間の接着力は最小限のものとなる。このためこの熱可塑性プラスチックは、ガスシュラウドにより湿気及び酸素から保護されなければならない。部分的に貼り合わされる場合は、熱可塑性接着剤の寸法安定性欠如が、もう一つの欠点となる。つまり、熱可塑性接着剤は溶融状態にあるのだが、これは非常に低い粘性と抱き合わせになっている。この時に複合射出成形品が冷却すると、体積の縮小によって内圧が発生するが、それにより熱可塑性接着剤は流れ出してしまう。更にその結果として、熱可塑性接着剤の不均一な分散を来たすこともある。他にも、高い接着強度を実現するためには、熱可塑性接着剤の硬度も欠点となっている。これは、そこに引用されている熱硬化性プラスチックについてもいえる。しかしこれが特に決定的となるのは、携帯電話の部門である。そこでは、金属とプラスチック複合体との間の接着剤にも同様に良好な衝撃を吸収する弾性特性を持たせるようにするために、多数の落下試験が実施される。

0015

米国特許第6,494,983号
国際公開第2005 061203号

先行技術

0016

Donatas Satas、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」、van Nostrand、New York、1989

発明が解決しようとする課題

0017

上述の欠点から明らかであるように、そのような金属プラスチック複合体の射出成形法を改良する必要が生じている。

課題を解決するための手段

0018

意外なことに、特定の熱活性型接着剤を金属とプラスチック間の接着剤として使用することで、この射出成形法を明確に改善することができることが判明した。

0019

請求項1には、発明の課題である技術的要求を傑出した形で充足する複合成形品が記載されている。

0020

本発明は、少なくとも部分的に金属から形成されている複合成形品であって、前記金属領域の周囲に少なくとも部分的に熱可塑性プラスチック層が射出成形されており、前記プラスチック層と前記金属領域間の少なくとも一部分に、少なくともプラスチック層側が熱活性弾性材料からなる接着剤層が配置されて、前記金属領域と前記プラスチック層間に前記接着剤層を利用した材料同士の接合部が存在しており、更に前記弾性接着剤が、
・少なくとも30重量%、しかし最大で70重量%の天然ゴム及び/又は合成ゴム成分と、
・少なくとも30重量%、しかし最大で70重量%の、少なくとも一つの反応性樹脂成分とから構成され、
・前記反応性樹脂成分は120℃よりも高い温度で、自己架橋反応、他の反応性樹脂成分との架橋反応、又は、天然ゴム及び/又は合成ゴムとの架橋反応を開始するようになっている、
複合成形品に関する。

0021

従属請求項は、本発明の他の有利な実施形態、並びに製法の説明に関するものである。本発明の更にもう一つの好ましい実施形態においては、前記反応性樹脂成分が、射出成形法における加工対象であるプラスチックとの化学反応が生じる可能性も有している。

図面の簡単な説明

0022

図1は落下試験器の試験法の概略図である。
図2引張試験機での試験法の概略図である。

0023

熱活性型弾性接着剤
熱活性型弾性接着剤である接着剤は、次の2つのカテゴリー分類することができる:a)天然ゴムをベースとする接着剤
b)合成ゴムをベースとする接着剤。

0024

天然ゴムをベースとする接着剤を得るためには、天然ゴムが、分子量(平均分子量)が約10万ダルトン以上、好ましくは50万ダルトン以上となるまで、粉砕されて添加される。

0025

接着剤用出発材料であるゴムについては、幅広バリエーションの可能性が与えられている。天然ゴムを合成ゴムとブレンドすることも可能である。

0026

天然ゴムとしては、基本的に全ての入手可能な品質、例えばクレープタイプ、RSSタイプ、ADSタイプ、TSRタイプ又はCVタイプを、必要とされる純度及び粘度のレベルに応じて使用することができる。

0027

合成ゴムは、好ましくは、ランダム共重合体であるスチレンブタジエンゴムSBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(XIIR)、ニトリルゴム又はアクリレートゴムACM)の群の中から一つ又は複数が選択されるとよい。

0028

しかしもちろん、例えばDonatas Satas、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」、van Nostrand、New York、1989(非特許文献1)に記載されているような、当業者に周知であるそれ以外の全ての天然ゴム又は合成ゴムも接着剤の製造に使用することができる。

0029

非常に好ましい形態において、接着剤はニトリルゴム又はニトリルブタジエンゴムをベースとしている。

0030

ニトリルブタジエンゴムは、Eni Chem社のEuroprene(商標)又はBayer社のKrynac(商標)及びPerbunan(商標)、又はZeon社のBreon(商標)及びNipol(商標)の登録商標で市販されている。ハイブリッド化されたニトリルブタジエンゴムは、Bayer社のTherban(商標)及びZeon社のZetpol(商標)の登録商標で市販されている。ニトリルブタジエンゴムは高温又は低温重合され、高温配合型のゴムの方が通例はより高い分岐度を有しているが、この高い分岐度は、一般に接着強度にプラスの影響を与えるようになっている。このタイプのゴムが、本発明における接着剤の構成要素であることが好ましい。

0031

ニトリルゴムは、本明の非常に好ましい構成形態においては、アクリロニトリルを18〜51重量%を有している。反応性樹脂による完全な相分離を回避するために、アクリロニトリルの含有率は、全体量を基準として18重量%よりも多くすべきである。

0032

ニトリルゴムの更にもう一つの基準となるのは、ムーニー粘度である。射出成形法のためには高い柔軟性が保証され続けなければならないため、ムーニー粘度は100未満とすべきである(ムーニー粘度ML 1+4(100℃))。接着剤のできる限り高い寸法安定性を得るためには、ムーニー粘度が50を上回るようにすべきである(ムーニー粘度ML 1+4(100℃))。このようなニトリルゴムの市販例は、例えばZeon Chemicals社のNipol(商標)N917である。

0033

末端カルボキシル基アミノ基、エポキシ基、又はメタクリラート基を持つニトリルブタジエンゴムは追加成分として使用することができる。このようなエラストマーは、Mw<20,000g/molの分子量及び5重量%〜30重量%のアクリロニトリル含有率を有していると非常に好適である。最適な混和性を達成するために、アクリロニトリルは、ここでも全体量を基準として5%を上回るようにすべきである。

0034

このような末端を持つニトリルゴムの市販例は、例えばNoveon社のHycar(商標)である。

0035

末端にカルボキシ基を持つニトリルブタジエンゴムについては、カルボン酸の価数が15〜45、非常に好ましくは20〜40のゴムが使用されることが好ましい。カルボン酸の価数は、カルボン酸を完全に中和するために要するKOHのミリグラム数で表される。

0036

末端にアミノ基を持つニトリルブタジエンゴムについては、アミン価が25〜150、更に好ましくは30〜125のゴムが使用されることが非常に好ましい。このアミン価は、塩酸エタノール溶液)に対する滴定により決定されるアミン等量に関するものである。そこではこのアミン価が、ゴム100グラム当たりのアミン等量に関するものとなっているが、最終的には100で除される。

0037

接着剤中の反応性樹脂の含有率は、70重量%と30重量%の間にある。非常に好ましい反応性樹脂の群には、エポキシ樹脂が含まれる。エポキシ樹脂の分子量Mwは、100g/molから、重合体であるエポキシ樹脂の最大で10000g/molまで、変化する。

0038

エポキシ樹脂には、例えばビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの反応生成物、エピクロロヒドリン、グリシジルエステル、エピクロロヒドリンとp−アミノフェノールとの反応生成物が含まれる。

0039

好ましい市販例には、例えばCibaGeigy社のAraldite(商標)6010、CY−281(商標)、ECN(商標)1273、ECN(商標)1280、MY720及びRD−2、Dow Chemical社のDER(商標)331、DER(商標)732、DER(商標)736、DEN(商標)432、DEN(商標)438及びDEN(商標)485、Shell Chemical社のEpon(商標)812、825、826、828、830、834、836、871、872、1001、1004、1031等、並びに同じくShell Chemical社のHPT(商標)1071、HPT(商標)1079がある。

0040

市販の脂肪族エポキシ樹脂の例には、例えばUnion Carbide社のERL−4206、ERL−4221、ERL 4201、ERL−4289又はERL−0400といったビニルシクロヘキサンジオキサイドがある。

0041

ノボラック樹脂としては、例えばCelanese社のEpi−Rez(商標)5132、住友化学株式会社のESCN−001、CibaGeigy社のCY−281、Dow Chemical社のDEN(商標)431、DEN(商標)438及びQuatrex5010、日本化薬株式会社のRE 305S、大日本インキ化学工業株式会社のEpiclon(商標)N673、又はShell Chemical社のEpikote(商標)152を使用することができる。

0042

更に反応性樹脂としては、メラミン樹脂、例えばCytec社のCymel(商標)327及び323も使用することができる。

0043

更に反応性樹脂としては、テルペンフェノール樹脂、例えばArizona Chemical社のNIREZ(商標)2019も使用することができる。

0044

更に、別の好ましい構成形態においては、反応性樹脂としてフェノール樹脂、例えば東都化成株式会社のYP 50、Union Carbide Corp.社のPKHC及び昭和ユニオン合成株式会社のBKR 2620も使用することができる。更に、反応性樹脂としては、フェノールレゾール樹脂もまた、他のフェノール樹脂と組合せても使用することができる。

0045

更に反応性樹脂としてポリイソシアネート、例えば日本ポリウレタン工業株式会社のCoronate(商標)L、Bayer社のDesmodur(商標)N3300又はMondur(商標)489も使用することができる。

0046

接着剤の更にもう一つの実施形態においては、この他に接着力を増加する樹脂粘着付与樹脂)も添加されるが、この樹脂は、接着剤混合物の総量に対して最大で20重量%までの割合で添加されると非常に有利である。

0047

添加される粘着付与樹脂としては、既に公知のおよび文献に記載されたあらゆる接着樹脂例外なく使用することができる。その代表例としては、ピネン樹脂インデン樹脂及びコロホニウム樹脂、それらの不均化した、水素化した、重合した、エステル化した誘導体、及びそれらの塩、脂肪族及び芳香族炭化水素樹脂テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂、並びにC5−、C9−並びに他の炭化水素樹脂を挙げることができる。結果として得られる接着剤の特性を所望の通りに調整するために、これらの樹脂を、それ以外の樹脂も含めて、任意に組み合わせて使用するとよい。一般に、天然ゴム及び合成ゴムとの相容性を示す(溶解性)樹脂であれば、全ての樹脂を、特に挙げるならば、全ての脂肪族、芳香族アルキル芳香族炭化水素樹脂、純モノマー・ベースの炭化水素樹脂、水素化炭化水素樹脂、官能性炭化水素樹脂及び天然樹脂を使用することができる。これについては、Donatas Satas、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」、van Nostrand、New York、1989に示される技術水準を参照されるよう、ここに明記しておく。

0048

それぞれの反応樹脂間又は反応樹脂と天然ゴム及び/又は合成ゴムとの間の反応を促進するためには、他にも任意選択により、架橋剤及び促進剤を混合物に添加することも可能である。

0049

促進剤としては例えばイミダゾール類が適しており、市販されているものでは四国化学株式会社の2M7、2E4MN、2PZ−CN、2PZ−CNS、P0505、L07N、又はAir Products社のCurezol 2MZが入手可能である。更に架橋剤としてはHMTAヘキサメチレンテトラミン添加剤が適している。エポキシドの架橋のためには、他にもジシアンジアミドが添加されるとよい。更に二官能性又は多官能性無水マレイン酸架橋成分として適している。

0050

更にアミン類、特に第三級アミンも、反応促進のために使用することができる。

0051

反応性樹脂と並んで可塑剤使用可能である。これについて、本発明の好ましい実施形態においては、ポリグリコールエーテルポリエチレンオキシドリン酸エステル脂肪族カルボン酸エステル及び安息香酸エステルをベースとする可塑剤を使用できるようになっている。更に芳香族カルボン酸エステル高分子ジオールスルホンアミド及びアジピン酸エステルも使用することができる。

0052

更に任意選択により、フィラー(例えば繊維、カーボンブラック酸化亜鉛二酸化チタンチョーク中実又は中空ガラスビーズ、他の材料からなるマイクロスフェア珪酸珪酸塩)、核形成剤発泡剤接着強化剤、及び熱可塑性プラスチック、添加剤、及び/又は、例えば一次酸化剤及び二次酸化防止剤の形態、又は光安定剤の形態をとる老化防止剤が添加されるとよい。

0054

ポリビニルブチラールは、Solucia社のButvar(商標)、Wacker社のPioloform(商標)、及び株式会社クラレのMowital(商標)という登録商標で市販されている。ポリアクリレートゴムは、日本ゼオン株式会社のNipol AR(商標)という登録商標で市販されている。クロロプレンゴムは、Bayer社のBaypren(商標)という登録商標で市販されている。エチレン−プロピレン−ジエンゴムは、DSM社のKeltan(商標)、Exxon Mobil社のVistalon(商標)、及びBayer社のBuna EP(商標)という登録商標で市販されている。メチル−ビニル−シリコーンゴムは、Dow Corning社のSilastic(商標)、及びGE Silicones社のSilopren(商標)という登録商標で市販されている。フルオロシリコーンゴムは、GE Silicones社のSilastic(商標)という登録商標で市販されている。ブチルゴムは、Exxon Mobil社のEsso Butyl(商標)という登録商標で市販されている。ポリビニルホルマールは、Ladd Research社のFormvar(商標)という登録商標で市販されている。

0056

接着剤の接着力は、それ以外にも目的にかなうように添加を行うことによって向上させることができる。例えばポリイミンやポリビニルアセテートの共重合体は、接着力を増強する添加剤としても使用することができる。

0057

接着剤として利用するためには、上述のように配合される接着剤が、フィルム状の形態又は溶解した形態で存在することになる。射出成形法における操作のためには、接着剤が剥離紙又は剥離フィルムの表面に全面的に塗布されていると有利であろう。この接着剤は、室温では僅かな自己粘着性しか示さず、熱によって活性化することが必要である。接着剤は、加熱により自己粘着状態に移行して、非常に好ましい構成形態では、反応性樹脂の架橋反応を引き起こす。前述の接着剤の本発明の用法のためには更に、接着剤が、射出成形法で加工されるプラスチックの融点TS,Aよりも低い活性化温度を持つことが必要である。ここでは、接着剤が自己粘着性を示し始める温度が、活性化温度として定義される。接着剤が静的ガラス転移温度TG,Aを一つだけ持つ場合は、この静的ガラス転移温度も同様に、射出成形法で加工されるプラスチックの融点TS,Aを下回るべきである。接着剤が複数の静的ガラス転移温度TG,Aを持つ場合は、一構成形態において、少なくとも最も低い静的ガラス転移温度TG,Aが、射出成形時に加工されるプラスチックの融点TS,Aを下回るべきである、しかし特に好ましくは少なくとも二つの静的ガラス転移温度TG,Aがこれを下回るべきである。

0058

本発明の製法にとっては、接着剤が、剥離フィルム又は剥離紙の表面に形成されたフィルム状の形成物として、打抜き加工されると有利であるかもしれない。この接着剤の膜厚は、好ましい構成形態においては、10μmと10mmの間、より好ましくは25μmと1mmの間にある。

0059

接着剤は、溶液から、又は融液から製造することができる。フィルム状形成物に変換するためには、同じく溶液から、又は融液からコーティングされるようにするとよい。
製法
選択される製法としては、射出成形法のハイブリッド技術又はインサート技術並びにアウトサート技術が使用されることが好ましい。機器としては、例えばArburg社のAllrounder Vを実施のために使うことができる。

0060

第一ステップでは金属部品に熱活性型接着剤が適用される。実施形態の一例においては、この金属部品の例えば全面に、熱活性型接着剤が備えられるようになっている。これは、例えば平坦な構成部品の場合は、ホットロールラミネータを使用して行うことができる。それ以外にもホットプレスや、手動形式でのアイロンも考えられる。原則として、温度と圧力を加えることができるものであれば、どのような装置も使用することができる。そこでは熱活性型接着剤が、非常に好ましい実施形態においては、剥離紙又は剥離フィルム上に存在することになる。その後、熱活性化により接着剤は金属構成部品の表面に付着する。この構成部品は、デザイン次第では、射出成形工程でこれを使用する前に、再度打抜き加工されなければならないことが要求されるかもしれない。接着剤が備えられた金属部品の周囲にプラスチックを射出成形する前に、万一剥離フィルム又は剥離紙がなおも存在しているのであれば、これを接着剤から取り除く必要がある。

0061

更なる実施形態においては、熱活性型接着剤が、フィルム状形成物として既に前もって打抜き加工されるようになっており、それにより、その後にはブランクとして、金属構成部品の表面に施せるようになっている。この施工プロセスのためには再び熱と圧力を必要とする。

0062

更にもう一つの実施形態においては、熱活性型接着剤が溶液から塗布されるようになっている。その際には、最も簡単なケースにおいては、金属構成部品が熱活性型接着剤の溶液中に浸漬され、続いて乾燥プロセスにおいて溶剤が除去される。しかしながらその反応過程は、スプレーコーティングドクターブレードコーティングによって、管理されながら行われるようにしてもよい。

0063

いずれの施工手法においても、既にこのステップにおいて反応性樹脂の架橋反応が開始されることを回避するために、投入される熱エネルギーは最小限に限定すべきである。

0064

場合によっては、熱活性型接着剤が、熱を加えることなく載置されるだけで、それにより軽く付着しているだけでも、十分である場合がある。

0065

金属製の領域に施される熱活性型接着剤の厚さは、その時々の適用例によって変わり、10μmと数ミリメートルの間であるとよいが、いずれにせよこの厚さは、金属と、接着剤層と熱可塑性プラスチックとの間の最適付着を可能にするために、熱可塑性プラスチックの射出工程の間に、接着剤のプラスチック及び金属と向き合った側に、熱活性化のために十分な熱量が供給されるように選定されるべきである。

0066

塗布後は、少なくともところどころに熱活性型接着剤が適用されている金属構成部品の周囲に、射出成形法で熱可塑性プラスチックが射出される。

0067

射出成形法向けの熱可塑性プラスチックとしては、例えばポリスチレン、スチレンアクリロニトリル(SAN)、アクリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、アクリロニトリルスチレンアクリルニトリル(ASA)、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリブタジエンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリアリールアミド、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂ブレンド、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレートポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルのポリマーを使用することができる。

0068

熱可塑性プラスチックは、最大で60%まで、ガラス繊維又は他のフィラーで充填されてもよい。

0069

熱可塑性プラスチックが周囲に射出されることにより、熱が生じることになる。熱活性型接着剤は、この温度によって熱活性化され、直ちに熱可塑性プラスチックの表面上に接着力が形成される。これに加えて加熱によって金属構成部品への接着性も増大する。熱により架橋反応が開始され、接着力は更に増大する。熱活性型接着剤の選択されている組成により、他の利点として、寸法安定性が確保されることになる。その理由は、一種類又は複数種類のゴムによる弾性成分が占める割合が高いことにある。この高い寸法安定性によって、接着剤は、無秩序に分散するのが不可能となっている。この寸法安定性は、加圧下でも維持される。冷却の間の熱可塑性プラスチックの体積縮小により、接着剤に作用する高い押付け力が立ち上げられることになる。更に別の可能な実施形態においては、接着剤の反応基が、この熱により、熱可塑性プラスチックと接着剤との間の反応状態にも入れるようになっている。このように構成する場合は、熱可塑性プラスチックが、好ましくは例えばエポキシヒドロキシ酸無水物、又はアミン/アミドのような反応基を有していなければならない。この場合は接着剤の反応性樹脂が、化合反応できるように、相応に選択されなければならない。

0070

加えて接着剤は、熱可塑性プラスチックの体積縮小に対する対圧も同様に形成することができる。これに当たるのは、例えば、反応性樹脂成分として、例えばHMTAヘキサメチレンテトラミンを用いて架橋されるフェノール又はフェノール/レゾール樹脂を含んでいる接着剤であるといえる。ここでは架橋反応において、何よりも特に水が生成されるが、この水は、100℃を上回る温度で、水蒸気として高圧を生じさせる。これは、射出成形工程における熱可塑性プラスチックの体積縮小の最小限化を所望する場合に、有利となる。それぞれの構成部品は強い力で圧縮されて複合成形品へと加工され、個々のコンポーネント間には強力な接着部が形成される。

0071

この製法に使用される接着剤の、更にもう一つの利点は、熱による二次反応である。すなわち、引き続いて熱負荷が加えられると、架橋反応が再び開始され、それにより長期にわたって架橋反応が継続し、複合成形品の内部で接着剤側及び金属への接着力を更に増大できるであろう。

0072

更にもう一つの利点は、接着剤の弾力に富んだ特性にある。選択された化学組成によって、接着剤としての機能と並んで緩衝効果も受け持つことができる。例えば特に金属と比較的硬質かつ脆性の熱可塑性プラスチックとの組み合わせにおいては、衝撃負荷時に接着剤が緩衝効果を引き受けるようにするとよい。それに応じてこの複合成形品には、後の使用の際により強い負荷をかけることができる。従って接着剤は、剪断力及び引張力を増大させる効果を持つのみではなく、耐衝撃性を向上させる効果も持つ。これは、そのような複合射出成形品に、比較的多くの衝撃を、それも温度がまちまちな幅広い導入領域において、吸収することが要求される、自動車への適用においては有利であるかもしれない。しかし家電製品の構成部品においてケースとして適用される場合にも、利点がある。これらの構成部品もまた幅広い温度域で使用され、また場合によっては例えば落下時の強い衝撃入力を補償しなければならない。これについては、ここに説明する製法により、そのような構成部品の緩衝能力を高め、また同時にプラスチックと金属との間の接着性の改善を実現する、簡単な可能性がもたらされている。

0073

熱可塑性プラスチックと金属部品との間の接着強度を更に高めるために、金属部品に開口部及び/又は凹所を設け、可塑化プラスチックが、射出成形工程の間に、これらの開口部及び/又は凹所の中に侵入又は浸透できるようにして、それにより形状同士の係合による接合部が更に追加して構成されるようにすることが慣行となっている。そのような金属構造を作製するための工数の追加と、それに伴うコストアップと並んで、この手法は、特に金属構成部品の寸法精度という点で、欠点を示すことが多い。これらの凹所及び/又は開口部は、経済的な理由から、主に打抜き又はエンボス工程で実現されるために、金属構造に変形を来たすことが多いが、その結果、射出成形金型の内部への構成部品の正確な位置決めに際しても、また後の最終適用に際しても、問題を生じることがある。多くのケースで、本発明に従った接着剤を使用することにより、金属構造の開口部の所要数を低減したり、開口部を完全に廃止したりすることが可能となる。

0074

特に、薄肉の薄板構造又は精緻な金属構造の周囲に射出成形する場合は、熱可塑性プラスチックの高い射出圧によって、金属構造に望ましくない変形/変位を来たすことがよくある。本発明に従った接着剤を使用することにより、多くのケースで、射出圧を低下することが可能となり、これによって金属構造が受ける機械的負荷が低減され、その寸法安定性が大幅に向上する。

0075


試験方法
落下試験A)(図1を参照)
PETとアルミニウム板との間の貼り合わせ面積は2cm2である。幅2cm、厚さ1.5mmのAl板を、これに射出成形される幅2cm、層厚3mmのPET板(TEREZ PET 3000、TER Hell Plastic GmbH)により複合化する。

0076

次いで落下試験を実施する。PET板に重さ50gのウェイトを取り付ける。次にこの複合体全体を様々な高さから鉄板上に落下させる。熱活性型接着剤を使用して貼り合わせた箇所がなおも衝撃を吸収することができる、Al/PET試験体がばらけて落下しない高さを決定する。更にこの試験を異なる温度でも実施する。
接着強度B)(図2を参照)
接着強度は、動的剪断試験により決定する。貼り合わせ面積は2cm2である。幅2cm、厚さ1.5mmの厚さのAl板を、幅2cm、層厚3mmの射出成形されたPET板(TEREZ PET 3000、TER Hell Plastic GmbH)と接合させる。

0077

試験試料を引張試験機を用いて10mm/分で引き裂く。その結果は、単位N/mm2で表示される、測定された、試験体(アルミニウムとPET)を相互から分離するための、貼り合わせ面積当たりの最大の力を表している。この測定は、温度23℃、相対湿度50%で実施される。
以下では、接着剤のいくつかの配合について説明する。
例1)
50重量%の日本ゼオン株式会社のBreon N33 H80(ニトリルゴム、33%アクリロニトリル)、8%HMTA(Rohm and Haas社)を混合した40重量%のPhenol−Novolak Harz Durez 33040、及び10重量%のBakelite社のフェノールレゾール樹脂9610LWを、混練機に入れ、メチルエチルケトン中の30%溶液として調製した。混練時間は20時間であった。次いで熱活性型接着剤を溶液からグラシン分離紙の表面に塗り付け、そして100℃で20分間乾燥した。乾燥後の層厚は100μmであった。
例2)
25重量%の日本ゼオン株式会社のNipol N1094−80(ニトリルゴム)、25重量%の日本ゼオン株式会社のBreon N33 H80(ニトリルゴム、33%アクリルニトリル)、8%HMTA(Rohm&Haas社)を混合した40重量%のPhenol−Novolak Harz Durez 33040、及び10重量%のBakelite社のフェノールレゾール樹脂9610LWを、混練機に入れ、メチルエチルケトン中の30%溶液として調製した。混練時間は20時間であった。次いで熱活性型接着剤を溶液からグラシン分離紙の表面に塗り付け、そして100℃で20分間乾燥した。乾燥後の層厚は100μmであった。
ラミネート
例1及び2を、架橋反応を開始するためのロール温度125℃及び送り速度1m/分のホットロールラミネータを使用して、ロール線圧2barでアルミニウム表面にラミネートした。貼り合わせ面積は1x2cmであり、そこではAlストリップの幅が2cmであった。
参考例1)
接着工程においては、純PETのみをアルミニウムと複合化した。
参考例2)
接着工程のために、ポリエチレンをベースとした熱可塑性ホットメルト接着剤を使用した。層厚は100μであった。ホットメルト接着剤としては、AbiflorAG社の、溶融温度域が102〜106℃であり、190℃、16kg時のメルトインデックスが70g/10分である、LDPEをベースにしたabiflor 1070を使用した。
接着:
接着のために、まずTERHell PlasticGmbH社のPET(TEREZ PET 3000)を溶融した。この材料を、前もって140℃で4時間、熱風乾燥炉内で乾燥した。続いてホットプレートを用いて280℃に昇温して溶融した。Buerkle社のプレス機により、特殊な金型を用いて加圧することで、幅2cm、長さ8cm、及び層厚3mmのPET板を形成した。続いて5barでAl板(厚さ1.5mm、幅2cm、長さ8cm、接着剤の接着面積2cm2、端同士を重ね合わせて貼り合わせる)を、例1又は2、若しくは参考例1又は2の接着剤を使用して、PET板(上記「ラミネート」を参照)に貼り付けた。プレス工程は265℃で、5秒以内で行った。続いて加圧下(5bar)で冷却した。接着後、側縁部から接着剤又はPETプラスチックが万一はみ出している場合は、これを機械的に除去することによって、Al板とPET板が重なり合っている2cm2の面積だけが、接着剤により、又は接着剤を使用しないで、又は熱可塑性接着剤により、接着に与るようにしている。
結果:
例1及び2の熱活性型接着剤の試験を、二つの参考例1及び2と同様にして行った。参考例1では接着剤を使用していない。参考例2では熱可塑性材料をベースにした接着剤を使用していた。全ての例について、同一条件下で活性化を行った。

0078

貼り合わせた後、試料の落下試験を行った。結果を表1に示す。落下高さはいずれもcmで表示される。

0079

0080

表1からは、本発明の例1及び2が格段と優れた耐衝撃性を示すことを読み取ることができるが、これは、より高い落下高さに反映されている。

0081

更にこれらの例について、接着強度を測定した。その結果を表2に示す。

0082

実施例

0083

表2からは、本発明の例1及び2が最も高い動的剪断強度を持つことを読み取ることができる。

0084

1 Al板
熱活性フィルム
3PET板
4ウェイト50g
鋼板
6落下高さ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ