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技術 静電容量型超音波トランスデューサエレメントおよびその製造方法

出願人 ユニパルス株式会社
発明者 嶋本篤佐々木尊英安達日出夫
出願日 2013年11月29日 (7年1ヶ月経過) 出願番号 2013-247224
公開日 2015年6月8日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2015-106782
状態 未査定
技術分野 超音波による材料の調査、分析 超音波診断装置 超音波変換器
主要キーワード 電気的並列接続 支持体フレーム 表層部材 湾曲形 ケミカルエッチング液 UVレーザ光 密着形成 ハーフエッチング加工
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重要な関連分野

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図面 (10)

課題

低コストで、簡単に製造することができる静電容量型超音波トランスデューサエレメントおよびその製造方法を提供する。

解決手段

キャビティ9を挟んで対面する第1電極層5および第2電極層7が、絶縁基材4により離間状態に支持された静電容量型超音波トランスデューサセルを多数集積してなる静電容量型超音波トランスデューサエレメント1であって、第1電極層5および第2電極層7が、接合層11を介して絶縁基材4にそれぞれ接着されている。また、第1電極層5は、超音波送受信するための振動膜を兼ねている。

概要

背景

従来、この種の静電容量型超音波トランスデューサとして、柔軟容量性超音波変換器が知られている(特許文献1参照)。この柔軟容量性超音波変換器は、柔軟ベースと、柔軟ベースの上の第1導電層と、第1導電層の上にあり、柔軟材料を含む支持体フレームと、支持体フレームによって第1導電層から間隙をおいて配置された支持体フレームの上にわたる、柔軟材料を含む膜と、第1導電層、支持体フレームおよび膜によって画定された空洞と、膜の上の第2導電層と、を備えている。柔軟ベース、支持体フレームおよび膜は、ポリマー材料で構成されている。また、第1導電層は、白金(Pt)または金(Au)で構成され、第2導電層は、アルミニウム(Al)で構成されている。

この柔軟容量性超音波変換器の製造方法は、シリコン基板を提供する工程と、コーティングにより柔軟層を基板の上に形成する工程と、第1導電層を柔軟層の上に形成する工程と、パターン化犠牲層を第1導電層の上に形成する工程と、第1ポリマー層をパターン化犠牲層の上にわたって形成する工程と、第1ポリマー層をパターン化してパターン化第1ポリマー層を提供し、開口を経てパターン化犠牲層の一部を暴露させる工程と、第2導電層をパターン化第1ポリマー層の上に形成する工程と、第2導電層をパターン化してパターン化第2ポリマー層を提供する工程と、第2ポリマー層をパターン化し、開口を経てパターン化犠牲層の一部を暴露させる工程と、開口を経てパターン化犠牲層を除去する工程と、超音波変換器が完成したところで基板を除去する工程と、を備えている。

概要

低コストで、簡単に製造することができる静電容量型超音波トランスデューサエレメントおよびその製造方法を提供する。キャビティ9を挟んで対面する第1電極層5および第2電極層7が、絶縁基材4により離間状態に支持された静電容量型超音波トランスデューサセルを多数集積してなる静電容量型超音波トランスデューサエレメント1であって、第1電極層5および第2電極層7が、接合層11を介して絶縁基材4にそれぞれ接着されている。また、第1電極層5は、超音波送受信するための振動膜を兼ねている。

目的

この柔軟容量性超音波変換器の製造方法は、シリコンの基板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

振動変位可能な金属膜からなる第1電極層と、絶縁基材を介して離間状態に支持および対面して設けられた金属膜からなる第2電極層と、前記第1電極層の振動変位を可能にするように前記第1電極層と前記第2電極層の間に設けられた少なくとも1個以上の空洞部と、を有する静電容量型超音波トランスデューサエレメントであって、前記絶縁基材が可撓性を有し、少なくとも前記第1電極層および前記第2電極層が前記空洞部にて対向する部分において、前記第1電極層および前記第2電極層それぞれの面に設けられた誘電性を有する絶縁層と、前記第1電極層あるいは前記第2電極層あるいは前記誘電体層と前記絶縁基材とが接着剤により接合された接合層と、を有することを特徴とした静電容量型超音波トランスデューサエレメント。

請求項2

前記第2電極層が、可撓性を有すると共に振動変位を制動するバッキング材上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型超音波トランスデューサエレメント。

請求項3

前記第2電極層が、少なくとも第1電極層より大きな厚みを有していることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の静電容量型超音波トランスデューサエレメント。

請求項4

前記第1電極層が、ばね性を有する導電性金属箔から構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の静電容量型超音波トランスデューサエレメント。

請求項5

前記金属箔が、コバルト合金ニッケル合金クロム合金アルミニウム合金およびチタン合金、のいずれかで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の静電容量型超音波トランスデューサエレメント。

請求項6

可撓性を有する前記絶縁基材が、ポリイミドポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタレート、のいずれかで構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の静電容量型超音波トランスデューサエレメント。

請求項7

請求項1から6のいずれかに記載の静電容量型超音波トランスデューサエレメントの製造方法であって、前記絶縁基材上に積層されている前記第1電極層および前記第2電極層をそれぞれ用いて、前記絶縁基材に前記空洞部となる孔を穿孔する穿孔工程と、前記第1電極層および前記第2電極層、または前記第1電極層若しくは前記第2電極層の不要部分を除去する第1除去工程と、前記第1電極層および前記第2電極層に誘電体なる性質の接着剤を塗布する塗布工程と、塗布した前記接着剤を、その表面が半硬化状態まで硬化させる半硬化工程と、前記第1電極層および前記第2電極層を、接着剤を介して前記絶縁基材に加圧接着する接着工程と、を備えたことを特徴とする静電容量型超音波トランスデューサエレメントの製造方法。

請求項8

請求項1から6のいずれかに記載の静電容量型超音波トランスデューサエレメントの製造方法であって、前記絶縁基材上に積層されている前記第1電極層および前記第2電極層をそれぞれ用いて、前記第1電極層および前記第2電極層、または前記第1電極層若しくは前記第2電極層の不要部分を除去する第1除去工程と、前記第1電極層が積層されている前記絶縁基材の一部に、前記空洞部をなすための凹部を形成する第2除去工程と、前記第1電極層および前記第2電極層に誘電体なる性質の接着剤を塗布する塗布工程と、塗布した前記接着剤を、少なくともその表面が半硬化状態まで硬化させる半硬化工程と、前記第1電極層および前記第2電極層を、接着剤を介して前記絶縁基材に加圧接着する接着工程と、を備えたことを特徴とする静電容量型超音波トランスデューサエレメントの製造方法。

請求項9

前記穿孔工程では、レーザ加工およびエッチング加工のいずれかにより、前記孔を穿孔することを特徴とする請求項8に記載の静電容量型超音波トランスデューサエレメントの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、超音波送受信する静電容量型超音波トランスデューサエレメントおよびその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、この種の静電容量型超音波トランスデューサとして、柔軟容量性超音波変換器が知られている(特許文献1参照)。この柔軟容量性超音波変換器は、柔軟ベースと、柔軟ベースの上の第1導電層と、第1導電層の上にあり、柔軟材料を含む支持体フレームと、支持体フレームによって第1導電層から間隙をおいて配置された支持体フレームの上にわたる、柔軟材料を含む膜と、第1導電層、支持体フレームおよび膜によって画定された空洞と、膜の上の第2導電層と、を備えている。柔軟ベース、支持体フレームおよび膜は、ポリマー材料で構成されている。また、第1導電層は、白金(Pt)または金(Au)で構成され、第2導電層は、アルミニウム(Al)で構成されている。

0003

この柔軟容量性超音波変換器の製造方法は、シリコン基板を提供する工程と、コーティングにより柔軟層を基板の上に形成する工程と、第1導電層を柔軟層の上に形成する工程と、パターン化犠牲層を第1導電層の上に形成する工程と、第1ポリマー層をパターン化犠牲層の上にわたって形成する工程と、第1ポリマー層をパターン化してパターン化第1ポリマー層を提供し、開口を経てパターン化犠牲層の一部を暴露させる工程と、第2導電層をパターン化第1ポリマー層の上に形成する工程と、第2導電層をパターン化してパターン化第2ポリマー層を提供する工程と、第2ポリマー層をパターン化し、開口を経てパターン化犠牲層の一部を暴露させる工程と、開口を経てパターン化犠牲層を除去する工程と、超音波変換器が完成したところで基板を除去する工程と、を備えている。

先行技術

0004

特開2008−193652号公報

発明が解決しようとする課題

0005

このような、従来の超音波変換器およびその製造方法では、柔軟ベース、支持体フレームおよび膜にポリマー材料を用いることにより、柔軟性を有する容量性の超音波変換器を構成することができ、且つ半導体微細加工技術(半導体製造プロセス)により製造することができる。しかし、この超音波変換器および製造方法では、空洞を構成すべく犠牲層を形成する必要があり、且つ低温プロセスにより製造する必要がある。このため、工程が複雑化し、コスト高になる問題があった。

0006

本発明は、低コストで、簡単に製造することができる静電容量型超音波トランスデューサエレメントおよびその製造方法を提供することを課題としている。

0007

なお本発明における静電容量型超音波トランスデューサエレメントとは、静電容量型超音波トランスデューサエレメント単体で静電容量型超音波トランスデューサを成す場合、静電容量型超音波トランスデューサエレメント複数個アレイ配列して静電容量型超音波トランスデューサとして用いる場合があり、静電容量型超音波トランスデューサの要素単位を指すものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の静電容量型超音波トランスデューサエレメントは、
振動変位可能な金属膜からなる第1電極層と、
絶縁基材を介して離間状態に支持および対面して設けられた金属膜からなる第2電極層と、
第1電極層の振動変位を可能にするように第1電極層と第2電極層の間に設けられた少なくとも1個以上の空洞部と、
を有する静電容量型超音波トランスデューサエレメントであって、
絶縁基材が可撓性を有し、
少なくとも第1電極層および第2電極層が空洞部にて対向する部分において、第1電極層および第2電極層それぞれの面に設けられた誘電性を有する絶縁層と、
第1電極層あるいは第2電極層あるいは誘電体層と絶縁基材とが接着剤により接合された接合層を有することを特徴とする。

0009

第1電極層および第2電極層を、絶縁基材に接着するようにしているため、いわゆるソフトMEMSの製造技術の応用により、静電容量型超音波トランスデューサエレメントを製造することができる。すなわち、静電容量型超音波トランスデューサエレメントを簡単に製造することができる。また、第1電極層、第2電極層および絶縁基材は、フィルム状(シート状)のものを用いることができ、構造を単純化することができる。したがって、製造コストを低く抑えることができる。

0010

また、絶縁基材は、可撓性を有する誘電体で構成されていることが好ましい。

0011

この構成によれば、全体として可撓性を持たせ得ることができ、彎曲等による形状変化の自由度を高めることができる。すなわち、超音波の送受信に指向性を持たせることができると共に、対象物に合せて焦点距離等を可変させることができ、送受信の感度を向上させることができる。

0012

また、第1電極層および第2電極層が空洞部にて対向する部分において、第1電極層および第2電極層のそれぞれの面に誘電性を有する絶縁層を設けているため、電極間距離を小さくした時、もしくは大きな印加電圧を加えた際に起こりうる、Collapse現象すなわち電極間ショートを防止でき、デバイス破壊が抑制できる。

0013

なお、第2電極層は、可撓性を有すると共に振動変位を制動するバッキング材上に形成されていることが好ましい。このバッキング材により余分な振動を抑え、超音波のパルス幅が短くなると共に、不要な超音波の減衰率を高めることができる。

0014

なお、超音波の送受信側となる第1電極層に比して、ベース側となる第2電極層は厚手に構成することが好ましい。

0015

なお、第1電極層は、超音波を送受信するための振動膜を兼ねる電極で構成されていることが好ましい。

0016

この場合、第1電極層は、ばね性を有する導電性金属箔で構成されていることが好ましい。

0017

また、金属箔が、コバルト合金ニッケル合金クロム合金アルミニウム合金およびチタン合金、のいずれかで構成されていることが好ましい。

0018

この構成によれば、第1電極層に要求される低いヤング率、高い強度および低い密度を達成することができ、送受信の感度を向上させることができる。

0019

また、絶縁部は、ポリイミドポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタレート、のいずれかで構成されていることが好ましい。

0020

これらの構成によれば、絶縁部に、高い絶縁耐力、強度、加工性を持たせ得るだけでなく、十分な可撓性や電極層(第1電極層および第2電極層)との接着性をも充足させることができる。

0021

本発明の製造方法は、上記した静電容量型超音波トランスデューサエレメントの製造方法であって、
絶縁基材に空洞部となる孔を穿孔する穿孔工程と、
絶縁基材上に積層されている第1電極層および第2電極層をそれぞれ用いて、
第1電極層および第2電極層、または第1電極層若しくは第2電極層の不要部分を除去する第1除去工程と、
第1電極層および第2電極層に誘電性の接着剤を塗布する塗布工程と、
塗布した接着剤を、その表面が半硬化状態まで硬化させる半硬化工程と、
第1電極層および第2電極層を、接着剤を介して絶縁基材に加圧接着する接着工程と、を備えたことを特徴とする。

0022

この構成によれば、第1電極層および第2電極層を、絶縁基材に接着するようにしているため、いわゆるソフトMEMSの製造技術の応用により、静電容量型超音波トランスデューサエレメントを簡単に製造することができる。

0023

また、絶縁基材に、予め空洞部となる孔を穿孔しておくことができるため、穿孔方法の選択の自由度を高めることができ、この点でも静電容量型超音波トランスデューサエレメントを簡単且つ精度良く製造することができる。したがって、大幅なコストダウンを達成することができる。

0024

この構成によれば、いったん表面硬化状態となった接着剤が、軟化または溶融するため、加圧と相まって効率良く接着を行うことができる。

0025

この構成によれば、整列配置した多数の孔(空洞部)を、簡単に形成することができる。特に、レーザ加工では、絶縁基材の原材となるロールフィルム直接加工を行うこともできる。

0026

本発明の他の製造方法は、上記した静電容量型超音波トランスデューサエレメントの製造方法であって、
絶縁基材上に積層されている第1電極層および第2電極層をそれぞれ用いて、
第1電極層および第2電極層、または第1電極層若しくは第2電極層の不要部分を除去する第1除去工程と、
第1電極層が積層されている絶縁基材の一部に、空洞部をなすための凹部を形成する第2除去工程と、
第1電極層および第2電極層に誘電性の接着剤を塗布する塗布工程と、
塗布した前記接着剤を、その表面が半硬化状態まで硬化させる半硬化工程と、
第1電極層および第2電極層を、接着剤を介して絶縁基材に加圧接着する接着工程と、
を備えたことを特徴とする。

0027

この構成によれば、第1電極層および第2電極層を、絶縁基材に接着するようにしているため、いわゆるソフトMEMSの製造技術の応用により、静電容量型超音波トランスデューサエレメントを簡単に製造することができる。

0028

また、第1電極層に絶縁基材が直接的に密着形成されており、空洞部となる孔はハーフエッチング加工やレーザ加工で容易に形成できるため、接着相手は第2電極層のみとなり、簡単且つ精度良く静電容量型超音波トランスデューサエレメントを製造することができる。したがって、大幅なコストダウンを達成することができる。

0029

この構成によれば、いったん表面硬化状態となった接着剤が、軟化または溶融するため、加圧と相まって効率良く接着を行うことができる。

図面の簡単な説明

0030

実施形態に係る静電容量型超音波トランスデューサエレメントの電極層の透視斜視図および断面図である。
実施形態に係る静電容量型超音波トランスデューサエレメントの図1の断面A—Aの詳細図である。
実施形態に係る静電容量型超音波トランスデューサエレメントの第1の実施例および第2の実施例双方で共通となる第2電極層ユニットの製造方法を表した説明図である。
実施形態に係る静電容量型超音波トランスデューサエレメントの第1の実施例であり、第1電極層ユニットの製造方法を表した説明図である。
実施形態に係る静電容量型超音波トランスデューサエレメントの第1の実施例であり、図3図4のそれぞれの製造工程完了品を用いた製造方法を表した説明図である。
実施形態に係る静電容量型超音波トランスデューサエレメントの第2の実施例であり、第1電極層ユニットの製造方法を表した説明図である。
実施形態に係る静電容量型超音波トランスデューサエレメントの第2の実施例であり、図3図6のそれぞれの製造工程完了品を用いた製造方法を表した説明図である。
実施形態に係る静電容量型超音波トランスデューサエレメントの第1の実施例であり、図5の製造工程完了品を用いて外部接続部を形成する製造方法を表した説明図である。
実施形態に係る静電容量型超音波トランスデューサエレメントの第2の実施例であり、図7の製造工程完了品を用いて外部接続部を形成する製造方法を表した説明図である。

実施例

0031

以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る静電容量型超音波トランスデューサエレメントおよびその製造方法について説明する。この静電容量型超音波トランスデューサエレメントは、近年、ひずみゲージ等で用いられるソフトMEMSの製造技術の応用で製作されるものであり、任意の湾曲形状に変形可能な可撓性と、静電容量型の持つ広帯域幅性に起因する高解像度とを併せ持たせたものである。

0032

図1は、静電容量型超音波トランスデューサエレメントのセル構造を表した透視図および断面図であり、静電容量型超音波トランスデューサエレメント完成品表層部材を省略した透視図である。図2は、図1の断面A—Aにてセル構造を表した断面部の詳細図である。

0033

図1に示すように、静電容量型超音波トランスデューサエレメント1(以下エレメント1と略す)は、例えば直径30mmで厚さ0.05mm程度の平板状に形成されており、その内部には、直径0.1mm程度のセル2(振動子)が整列配置した状態で多数形成されている。それぞれのセル2はセル間電気配線3により電気的並列接続がなされ、実用的な送受信強度を有するエレメント1を構成している。そして、送信時には、多数のセル2が同期駆動して超音波を送信(送波)し、受信時には、エレメント1の単位で超音波を受信(受波)する。

0034

エレメント1の構造は、複数の円形の孔を有する絶縁基材4と、絶縁基材4の上面に絶縁性を有する接合層11を介して接着された第1電極層5と、絶縁基材4の下面に接合層11を介して接着された第2電極層7からなる。また、第1電極層5および第2電極層7に覆われた絶縁基材4の孔の部分には、空洞となるキャビティ9(空洞部)が構成されている。

0035

すなわち、実施形態のエレメント1は、キャビティ9を挟んで対面する第1電極層5および第2電極層7が、絶縁基材4により離間状態に支持されたセル構造を有している。そして、第1電極層5側が超音波の送受信側を構成し、第2電極層7側がベース側を構成している。

0036

超音波送信時には、第1電極層5および第2電極層7に静電気力交流信号)を印加し、主として振動膜となる第1電極層5と第1絶縁層6を振動させることにより、超音波信号を送信する。一方、受信時には、両電極間DCバイアスVdcを印加し、電極上に充電された電荷Q(=CVdc)を第1電極層5の変位量に対応した静電容量の変化△Cで除算した電圧変化量△Vとして超音波信号を検出する。そして、送信時には、多数のセル2を同期させ、所定の強度の超音波信号を送信し、受信時には、エレメント1の単位で超音波信号の強度を個々に検出する。

0037

絶縁基材4は、高い絶縁耐力、強度、加工性および柔軟性を考慮し、可撓性を有する絶縁体で構成されている。すなわち、絶縁基材4は、ポリイミド、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等で構成することが好ましく、実施形態の絶縁基材4は、厚さ5μm程度のポリイミドのフィルム「カプトン20EN」(登録商標)相当で構成されている。また、キャビティ9を構成すべく、絶縁基材4に形成された孔は、径30〜100μmに形成されている。

0038

第1電極層5は、電極と超音波を送受信するための振動膜とを兼ねており、ばね性を有する金属箔で構成されている。この場合、振動膜を兼ねる金属箔は、低いヤング率、高い強度および低い密度を考慮し、コバルト合金、ニッケル合金、クロム合金、アルミニウム合金(A2024、A7075等)およびチタン合金等で構成することが好ましい。そして、コバルト合金(コバルト(Co)ベースの合金)として「HAVER」(登録商標)を用いることが、ニッケル合金(ニッケル(Ni)ベースの合金)として「MP35N」(登録商標)を用いることが、クロム合金(クロム(Cr)ベースの合金)として「HPM455」(登録商標)を用いることが好ましい。実施形態の第1電極層5は、厚さ1.8〜3.8μmのコバルト合金で構成されている。

0039

また、エレメント1を構成する為にセル2間を電気的に結合するセル間電気配線3においては、電極間に発生する寄生容量を小さくすべく、不要部分(機械的な力を発生しない部分)を除去した形態を有している。詳細は後述するが、この不要部分の除去は、フォトリソグラフィのプロセスで行われる。

0040

第2電極層7は、第1電極層5を構成する金属箔と同一の金属箔で構成されている。すなわち、第2電極層7も、コバルト合金、ニッケル合金、クロム合金、アルミニウム合金およびチタン合金等で構成することで、材料の入手エッチング工程など製造方法の簡素化等が図れる。

0041

第2電極層7は、送受信側を構成する第1電極層5と異なり、エレメント1のバッキング側を構成するものであり、ダンピング等を考慮し第2電極層7は変形しない様にする必要がある。その為には、第1電極層5より十分に厚手に形成することが好ましい。実施形態のものは、厚さ30〜100μmの合金で構成されている。

0042

なお、第1電極層5もしくは第2電極層7が対向するキャビティ9内は、第1電極層5もしくは第2電極層7間に、誘電体からなる接合層11を有する構造となっている。従って、電極間のひっつきにより起こりがちなショートによるデバイス破壊を防止しつつ、第1電極層5の振動を阻害しないように形成されることが望ましい。

0043

接合層11は、前述のように絶縁性を有した熱硬化性接着剤または熱可塑性接着剤接着硬化して形成されている。この場合、金属(第1電極層5および第2電極層7)と樹脂(絶縁基材4)とを接着することを考慮し、熱硬化性接着剤ではエポキシ系接着剤を、熱可塑性接着剤ではポリイミド系接着剤を用いることが好ましい。なお、詳細は後述するが、接合層11は、第1電極層5と第2電極層7に塗布され、いったん乾燥(硬化)させてから、接着に適した温度下で熱圧着に供される。

0044

次に、図3図5を参照して、エレメント1の製造方法の第1の実施例について説明する。この製造方法は、
第2絶縁層(バッキング材)8に第2電極層7および外部接続電極層13を予め積層したものを用い、第2電極層7および外部接続電極層13の不要部分を除去する第1除去工程(図3(a)〜(e)参照)と、
第1絶縁層6に第1電極層5を予め積層したものを用い、第1電極層5の不要部分を除去する第1除去工程(図4(a)〜(e)参照)と、
第2電極層7が存在する側に接着剤10を塗布すると共に、塗布した接着剤10を半硬化させる塗布・半硬化工程(図3(f)参照)と、
第1電極層5が存在する側に接着剤10を塗布すると共に、塗布した接着剤10を半硬化させる塗布・半硬化工程(図4(f)参照)と、
絶縁基材4にキャビティ9となる孔をレーザ照射により穿孔する穿孔工程(図5(b))と、
絶縁基材4を挟んで第1電極ユニット17と第2電極ユニット18を加圧接着する(図5(c)、(d)参照)加圧接着工程
からなっている。

0045

第1除去工程は、第2電極層7および第1電極層5および外部接続電極層13(以下各電極層と略す)のパターン形成であり、フォトリソグラフィのプロセスで行われる。すなわち、第1除去工程は、各電極層上にフォトレジスト12を塗布するレジスト塗布工程(図3(b)、図4(b)参照)と、露光および現像により、各電極層をパターン形成するパターン形成工程(図3(c)、図4(c)参照)と、各電極層の不要部分を除去するエッチング工程(図3(d)、図4(d)参照)と、残余のフォトレジスト12を除去するフォトレジスト除去工程(図3(e)、図4(e)参照)と、を有している。

0046

レジスト塗布工程(図3(b)、図4(b))では、第2電極層7および第1電極層5上にフォトレジスト12をスピンコート法により塗布する。
パターン形成工程(図3(c)、図4(c))では、フォトマスクを用いて露光および現像を行い、第2電極層7および第1電極層5のパターン形成を行う。
エッチング工程(図3(d)、図4(d))では、ドライエッチング、例えばイオンミリングにより、第2電極層7および第1電極層5の不要部分を除去する。
除去工程(図3(e)、図4(e))では、薬液アッシング等により、第2電極層7および第1電極層5上の残余のフォトレジスト12を除去する。

0047

塗布・半硬化工程(図3(f)、図4(f))では接着剤10をそれぞれ塗布する。これにより、接着剤10は、第2電極層7および第1電極層5の全域にそれぞれ均一に塗布される。なお、塗布方法として、スピンコート法の他、均一な塗布が可能なカスケード法を用いてもよい。続いて、塗布した接着剤10を、少なくともその表面が硬化する状態まで硬化、すなわち溶剤気化(乾燥)させ、半硬化の状態として接合層11を形成する。
こうして、第2電極層7と第2絶縁層(バッキング材)8と外部接続電極層13と接合層11からなる第2電極ユニット18が、第1電極層5と第1絶縁層6と接合層11からなる第1電極ユニット17が、それぞれ形成される。

0048

穿孔工程(図5(b))では、UV(紫外線レーザを用いて絶縁基材4であるポリイミドのフィルムに、キャビティ9となる多数の孔を穿孔する(レーザ加工)。なお、UVレーザによるレーザ加工に代えて、フォトレジストを用いて露光・現像してマスクパターンを形成し、ポリイミドケミカルエッチング液によるエッチング加工を用いてもよい。

0049

接着工程(図5(c)〜(d))では、例えば真空チャンバを用いて、第1電極ユニット17および第2電極ユニット18を絶縁基材4に熱圧着する。すなわち真空チャンバ内で、第1電極ユニット17および第2電極ユニット18が、接合層11を介して絶縁基材4に挟まれた状態で、240〜300℃程度の温度に加熱すると共に3Kgf/cm2程度の圧力を加えて接着される。これにより、キャビティ9内は真空状態となり、接着の強度を大きくすることができる。
なお、加熱温度、加圧は絶縁基材4、接着剤10の材質や厚み等により適宜選択される。

0050

また、第1電極ユニット17および第2電極ユニット18の塗布・半硬化工程から接着工程への移行時間は、接着剤10のポットライフを考慮して行われる。

0051

次に、図3図6図7を参照して、エレメント1の製造方法の第2の実施例について説明する。この製造方法は、
第2絶縁層(バッキング材)8に第2電極層7および外部接続電極層13を予め積層したものを用い、第2電極層7および外部接続電極層13の不要部分を除去する第1除去工程(図3(a)〜(e)参照)と、
第1絶縁層6に第1電極層5を予め積層したものを用い、第1電極層5の不要部分を除去する第1除去工程(図6(a)〜(e)参照)と、
第1絶縁層6の不要部分を除去する第2除去工程(図6(f)〜(i)参照)と、
第2電極層7が存在する側に接着剤10を塗布すると共に、塗布した接着剤10を少なくとも半硬化させる塗布・半硬化工程(図3(f)参照)と、
第1電極層5が存在する側に接着剤10を塗布すると共に、塗布した接着剤10を少なくとも半硬化させる塗布・半硬化工程(図6(j)参照)と、
第1電極ユニット17’と第2電極ユニット18を加圧接着する(図7(a)、(b)参照)加圧接着工程
からなっている。

0052

ここで、第1除去工程、塗布・半硬化工程、接着工程は、第1の実施例と同じ要領で行うことができる。

0053

第1絶縁層6の不要部分を除去する第2除去工程(図6(f)〜(i)参照)は、第1除去工程とほぼ同じ要領で行うことができるが、金属ではなくポリイミド樹脂からなる第1絶縁層6のエッチングを行うため、これに適したフォトレジスト12’が適宜使用される。

0054

また、第2除去工程内のエッチング工程(図6(h))では、例えばポリイミドケミカルエッチング液(非ヒドラジン系のアルカリ液)などを用いて第1電極層5に達しないところまで第1絶縁層6の一部をエッチングする(ハーフエッチング)ことで、キャビティ9となる空洞部分を形成している。

0055

上記ハーフエッチングの代替手段として、キャビティ9となる空洞部分を形成する箇所にUVレーザ光線を照射して、第1絶縁層6の一部を除去することも可能である。除去の深さはUVレーザのフルエンスや照射時間などで調整が容易である。この場合はフォトレジスト塗布やマスクは不要となり簡便に加工が可能である。

0056

第1電極層5が存在する側に接着剤10を塗布すると共に、塗布した接着剤10を半硬化させる塗布・半硬化工程(図6(j)参照)は、半硬化を超えて硬化まで至っても構わない。これは第2電極ユニット18と接着する面ではないため、少なくとも半硬化状態にあれば良い。

0057

本実施形態のエレメント1は最終的に、図8および図9に示すように、第1電極層5および第2電極層7と外部接続電極13との配線を行う必要がある。図8および図9は第2絶縁層(バッキング材)8側に接続電極を設けた実施例である。

0058

第1の実施例および第2の実施例いずれも外部接続電極13との接続は同様に行うことができ、接続電極が存在する箇所にレーザ加工によりビアホール14を形成し、このビアホール14に無電解メッキの手法を用いてビアホールメッキ15を形成、次いで第1電極層5側に表面保護層16を絶縁性の樹脂をスピンコート法、もしくは樹脂のドライフィルムの貼り付けなど公知の方法により形成しエレメント1は完成に至る。

0059

なお、第1の実施例、第2の実施例共に、第1電極層5および第2電極層7両方のパターンニングを行っているが、最低第1電極層5若しくは第2電極層7いずれかのパターンニングを行うことでエレメント1は実現可能であり、エレメント1の要求性能等によりパターンニングを行うか否やは適宜選択が可能である。

0060

以上のように、本実施形態の静電容量型超音波トランスデューサエレメントおよびその製造方法によれば、絶縁基材4に対し第1電極層5および第2電極層7を、接合層11を介して接着するようにしているため、いわゆるソフトMEMSの製造技術の応用により製造することができる。これにより、構造を単純化することができると共に、製造工程を単純化することができる。したがって、従来のものに比して、大幅なコストダウンを達成することができる。また、第1電極層5、第2電極層7および絶縁基材4に、フィルム状或いはシート状のものを用いることができ、この点でも、コストダウンを図ることができる。

0061

また、静電容量型超音波トランスデューサエレメント1は、可撓性を有する構造としているため、折曲げ等による形状の自由度を持たせることができる。これにより、対象物に合せて焦点距離等を可変させることができ、送受信の感度を向上させることができる。

0062

なお、本発明は、静電容量型の超音波トランスデューサ(cMUT)が本来持つ、高解像度および広い帯域幅さらには生体との間の良好な音響整合性を有することは、言うまでもない。

0063

本発明は、(1)可撓性(柔軟性)により、任意の曲率を有する凹面に貼りつけて使用することができ、集束超音波を送受信できる超音波トランスデューサ(非破壊検査装置医療機器超音波診断向け)に適用することができる。(2)フェイスドアレイ化により、可変焦点ビームフォーカシング)と任意の方向に超音波ビームを照射すること(ビーム・ステアリング)ができ、またエレメントの配列を2次元にすることにより物体の位置を3次元的に計測可能な超音波3D計測システムに適用することができる。

0064

1静電容量型超音波トランスデューサエレメント、2セル、3 セル間電気配線、4絶縁基材、5 第1電極層、6 第1絶縁層、7 第2電極層、8 第の絶縁層(バッキング材)、9キャビティ(空洞部)、10接着剤、11接合層、12 12’フォトレジスト、13外部接続電極層、14ビアホール、 15ビアホールメッキ、 16表面保護層、17 17’
第1電極ユニット、18 第2電極ユニット

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