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技術 牛乳の乳質改善剤および乳質改善方法

出願人 日本ニュートリション株式会社
発明者 角田淳武井裕子
出願日 2013年11月29日 (7年1ヶ月経過) 出願番号 2013-247111
公開日 2015年6月8日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2015-104326
状態 特許登録済
技術分野 特定動物用飼料 飼料(2)(一般)
主要キーワード セジメント 出荷停止 ジャージー種 酪農家 乾乳期 粗砕機 地下部 ケシ科
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年6月8日)のものです。
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図面 (4)

課題

優れた乳質改善作用、または乳房炎予防・改善作用を有する物質を見いだし、それを有効成分とする牛乳乳質改善剤、または乳房炎予防・改善剤を提供する。

解決手段

乳牛投与することにより牛乳を乳質改善する乳質改善剤の有効成分として、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を含有させる。また、乳牛の乳房炎予防・改善剤の有効成分として、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を含有させる。

概要

背景

牛乳の乳質を左右する要因には、乳中における乳脂肪等の乳成分生菌数体細胞数セジメント塵埃)、牛乳の風味などが挙げられる。中でも乳中体細胞数は、一定の基準を満たさない場合に乳価へのペナルティーを受ける場合が多く、場合によっては牛乳が出荷停止になることもあるため、酪農家にとっては乳中体細胞数の基準を満たすことが非常に重要となっている。しかし、乳中体細胞数は、酪農家にとって特にコントロールが難しい基準の一つであり、乳中体細胞数の基準値を超えてしまうことは珍しいことではない。

乳中体細胞数が増加する原因のほとんどは、乳牛乳房炎罹患することであると考えられている。乳房炎に罹患した場合、潜在性乳房炎や軽度の乳房炎であっても乳質の低下や乳量の減少がおこり、重度の場合は罹患の隔離や搾乳した牛乳の廃棄、さらには罹患牛の廃用などに至ることもある。すると、健康牛から本来得られるべき乳量と比較した場合、乳房炎に罹患した場合の乳量の損失は非常に大きなものとなる。さらに、治療費、乳価へのペナルティーなども考慮すると、乳房炎の罹患が酪農家に与える経済的影響は甚大である。そのため、乳房炎の防除は、酪農家や関連産業にとって極めて重要な課題となっている。

乳房炎を予防するために、飼育環境の清潔化、搾乳方法の改善など様々な対策が講じられているが、乳房炎を完全に予防することは困難である。一方、乳房炎の治療・改善には、抗生物質投与等が行われているが、治療代の発生、乳中の抗生物質の残留や牛乳の出荷制限、さらには薬剤耐性菌出現のおそれなど、問題が多い。

ここで、乳中体細胞数は、牛乳中体細胞好中球リンパ球マクロファージ上皮細胞等)の数であり、乳房に細菌が感染して乳房炎に罹患すると、それに対する防御反応として乳中の体細胞数が増加すると考えられている。そのため、乳中体細胞数を減少させることは、乳質を改善させるだけではなく、乳房炎の予防または改善にもつながると考えられている。このような中、乳牛に投与ないし給与したときに、乳中の体細胞数を減少させ、乳房炎の予防ないし改善に効果がある物質として、例えば、オレガノ精油(特許文献1参照)、トレハロース(特許文献2参照)などが提案されている。

概要

優れた乳質改善作用、または乳房炎予防・改善作用を有する物質を見いだし、それを有効成分とする牛乳の乳質改善剤、または乳房炎予防・改善剤を提供する。乳牛に投与することにより牛乳を乳質改善する乳質改善剤の有効成分として、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を含有させる。また、乳牛の乳房炎予防・改善剤の有効成分として、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を含有させる。

目的

乳中体細胞数が増加する原因のほとんどは、乳牛が乳房炎に罹患することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

タケニグサ属に属する植物からの抽出物を有効成分として含有し、乳牛投与することにより牛乳を乳質改善する乳質改善剤

請求項2

前記乳質改善が、牛乳中体細胞数の減少であることを特徴とする請求項1に記載の乳質改善剤。

請求項3

タケニグサ属に属する植物からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする乳牛の乳房炎予防・改善剤

請求項4

タケニグサ属に属する植物からの抽出物を乳牛に投与することを特徴とする牛乳の乳質改善方法

請求項5

タケニグサ属に属する植物からの抽出物を乳牛に投与することを特徴とする乳牛の乳房炎予防・改善方法。

請求項6

タケニグサ属に属する植物からの抽出物を乳牛に投与し、当該乳牛から搾乳することを特徴とする牛乳の生産方法

技術分野

0001

本発明は、牛乳乳質改善剤乳房炎予防・改善剤、牛乳の乳質改善方法、乳房炎予防・改善方法、および牛乳の生産方法に関するものである。

背景技術

0002

牛乳の乳質を左右する要因には、乳中における乳脂肪等の乳成分生菌数体細胞数セジメント塵埃)、牛乳の風味などが挙げられる。中でも乳中体細胞数は、一定の基準を満たさない場合に乳価へのペナルティーを受ける場合が多く、場合によっては牛乳が出荷停止になることもあるため、酪農家にとっては乳中体細胞数の基準を満たすことが非常に重要となっている。しかし、乳中体細胞数は、酪農家にとって特にコントロールが難しい基準の一つであり、乳中体細胞数の基準値を超えてしまうことは珍しいことではない。

0003

乳中体細胞数が増加する原因のほとんどは、乳牛が乳房炎に罹患することであると考えられている。乳房炎に罹患した場合、潜在性乳房炎や軽度の乳房炎であっても乳質の低下や乳量の減少がおこり、重度の場合は罹患の隔離や搾乳した牛乳の廃棄、さらには罹患牛の廃用などに至ることもある。すると、健康牛から本来得られるべき乳量と比較した場合、乳房炎に罹患した場合の乳量の損失は非常に大きなものとなる。さらに、治療費、乳価へのペナルティーなども考慮すると、乳房炎の罹患が酪農家に与える経済的影響は甚大である。そのため、乳房炎の防除は、酪農家や関連産業にとって極めて重要な課題となっている。

0004

乳房炎を予防するために、飼育環境の清潔化、搾乳方法の改善など様々な対策が講じられているが、乳房炎を完全に予防することは困難である。一方、乳房炎の治療・改善には、抗生物質投与等が行われているが、治療代の発生、乳中の抗生物質の残留や牛乳の出荷制限、さらには薬剤耐性菌出現のおそれなど、問題が多い。

0005

ここで、乳中体細胞数は、牛乳中体細胞好中球リンパ球マクロファージ上皮細胞等)の数であり、乳房に細菌が感染して乳房炎に罹患すると、それに対する防御反応として乳中の体細胞数が増加すると考えられている。そのため、乳中体細胞数を減少させることは、乳質を改善させるだけではなく、乳房炎の予防または改善にもつながると考えられている。このような中、乳牛に投与ないし給与したときに、乳中の体細胞数を減少させ、乳房炎の予防ないし改善に効果がある物質として、例えば、オレガノ精油(特許文献1参照)、トレハロース(特許文献2参照)などが提案されている。

先行技術

0006

特開2004−187527号公報
特開2013−223481号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、優れた乳質改善作用、または乳房炎予防・改善作用を有する物質を見いだし、それを有効成分とする牛乳の乳質改善剤、または乳房炎予防・改善剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究した結果、タケニグサ属に属する植物からの抽出物が、乳中体細胞数の減少に有効であることを見いだし、本発明を完成させるに至った。

0009

すなわち、第1に本発明は、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を有効成分として含有し、乳牛に投与することにより牛乳を乳質改善する乳質改善剤を提供する(発明1)。

0010

上記発明(発明1)に係る牛乳の乳質改善剤は、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を有効成分として含有し、これを乳牛に投与することで、牛乳の乳質を改善することができる。

0011

上記発明(発明1)においては、前記乳質改善が、牛乳中の体細胞数の減少であることが好ましい(発明2)。

0012

第二に本発明は、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする乳牛の乳房炎予防・改善剤を提供する(発明3)。

0013

上記発明(発明3)に係る乳房炎予防・改善剤は、乳牛の乳房炎を予防・治療することができる。

0014

第三に本発明は、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を乳牛に投与することを特徴とする牛乳の乳質改善方法を提供する(発明4)。

0015

第四に本発明は、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を乳牛に投与することを特徴とする乳牛の乳房炎予防・改善方法を提供する(発明5)。

0016

上記発明(発明4,5)によれば、牛乳の乳質を改善し、または乳房炎を予防・改善することができる。

0017

第五に本発明は、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を乳牛に投与し、当該乳牛から搾乳することを特徴とする牛乳の生産方法を提供する(発明6)。

0018

上記発明(発明6)によれば、乳質の優れた牛乳を生産することができるとともに、乳房炎の罹患に伴う乳量損失を抑制することができる。

発明の効果

0019

本発明に係る牛乳の乳質改善剤は、乳牛に投与することで、牛乳の乳質を改善することができる。また、本発明に係る乳房炎予防・改善剤は、乳牛の乳房炎を予防・治療することができる。さらに、本発明によれば、牛乳の乳質を改善し、または乳房炎を予防・改善することができる。また、本発明によれば、乳質の優れた牛乳を生産することができるとともに、乳房炎の罹患に伴う乳量損失を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0020

試験例1における投与群の結果を表すグラフである。
試験例1における対照群の結果を表すグラフである。
試験例2の結果を表すグラフである。

0021

以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態に係る牛乳の乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤は、乳牛に投与されるものであって、タケニグサ属に属する植物からの抽出物を有効成分として含有するものである。

0022

ここで、本実施形態における「タケニグサ属に属する植物からの抽出物」(以下、「タケニグサ属植物抽出物」ということがある。)には、タケニグサ属に属する植物を抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。

0023

また、本実施形態における「乳質改善」は、乳中の乳成分(乳脂肪、乳タンパク質、もしくは無脂乳固形成分)、生菌数、もしくは体細胞数、または牛乳の風味の少なくとも一つを改善することを意味するが、中でも乳中体細胞数の減少であることが好ましい。

0024

本実施形態において抽出原料として用いる植物は、タケニグサ属(学名:Macleaya)に属する植物である。

0025

タケニグサ属(Macleaya)は、ケシ科の一属である。本実施形態において用いる植物は、タケニグサ属に属する限り特に限定されるものではなく、例えば、タケニグサ(Macleaya cordata)、ミクロカルパ(Macleaya microcarpa)等を抽出原料として用いることができるが、なかでもタケニグサが好ましい。タケニグサは、草丈が1〜1.5mほどになる多年草であって、日本をはじめとする東アジア一帯自生しており、これらの地域から容易に入手することができる。

0026

抽出原料として使用し得るタケニグサ属植物構成部位としては、葉部、茎部、花部等の地上部根部根茎部等の地下部、全草またはこれらの混合物が挙げられる。

0027

タケニグサ属植物抽出物は、抽出原料を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、タケニグサ属植物の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。

0028

抽出溶媒としては、極性溶媒を使用することが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒沸点以下の温度で使用することが好ましい。

0029

抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水井戸水鉱泉水鉱水温泉水湧水淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過イオン交換浸透圧調整緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水熱水イオン交換水生理食塩水リン酸緩衝液リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。

0030

抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノールエタノールプロピルアルコールイソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコールアセトンメチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコールプロピレングリコールグリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。

0031

2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を抽出溶媒として使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比が9:1〜1:9(容量比)であることが好ましく、7:3〜2:8(容量比)であることがさらに好ましい。また、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族ケトンとの混合比が9:1〜2:8(容量比)であることが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水と多価アルコールとの混合比が5:5〜1:9(容量比)であることが好ましい。

0032

抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。

0033

なお、上述のようにして得られた抽出液はそのままでも乳質改善剤または乳房炎予防・治療剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。

0034

以上のようにして得られるタケニグサ属植物抽出物は、乳牛に投与したときに、牛乳の乳質改善作用、および乳房炎予防・改善作用に優れた効果を発揮するため、牛乳の乳質改善剤、または乳房炎予防・改善剤の有効成分として用いることができる。

0035

ここで、タケニグサ属植物抽出物が有する乳質改善作用または乳房炎予防・改善作用は、例えば、乳中体細胞数の減少作用に基づいて発揮される。ただし、タケニグサ属植物抽出物が有する乳質改善作用または乳房炎予防・改善作用は、乳中体細胞数の減少作用に基づいて発揮される乳質改善作用または乳房炎予防・改善作用に限定されるものではない。

0036

本実施形態に係る乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤は、タケニグサ属植物抽出物のみからなるものでもよいが、乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤を飼料添加物として用いる場合、飼料原料にタケニグサ属植物抽出物を配合した混合物とし、これを飼料添加物として給与飼料に添加することが好ましい。あらかじめ飼料原料にタケニグサ属植物抽出物を配合した混合物とすることで、給与飼料への添加時に、取り扱いが容易になる。この場合において、混合する飼料原料としてタケニグサ属植物の乾燥物を用いると、本実施形態にて用いるタケニグサ属植物抽出物と同じ成分を含み、本実施形態における乳質改善作用または乳房炎予防・改善作用がより強くなるため、特に好ましい。

0037

本実施形態に係る乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤を、タケニグサ属植物抽出物と飼料原料との混合物とする場合、当該混合物におけるタケニグサ属植物抽出物の含有量は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。例えば、タケニグサ等のタケニグサ属植物の乾燥物を用いる場合、混合物におけるタケニグサ属植物抽出物の好適な含有量は0.1〜50質量%であり、特に好適な含有量は1〜10質量%である。

0038

本実施形態に係る乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤は、タケニグサ属植物抽出物またはこれと飼料原料との混合物のみからなるものでもよいし、タケニグサ属植物抽出物またはこれと飼料原料との混合物を製剤化したものでもよい。

0039

本実施形態に係る乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤を製剤化する場合、例えば、デキストリンデンプン等の糖類;ゼラチン大豆タンパクトウモロコシタンパク等のタンパク質アラニングルタミンイソロイシン等のアミノ酸類セルロースアラビアゴム等の多糖類大豆油ヒマワリ油中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類;など、任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。さらに、助剤として、例えば、賦形剤結合剤崩壊剤滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等の、動物医薬において通常使用し得るものを用いてもよい。

0040

本実施形態に係る乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤を製剤化した場合、タケニグサ属植物抽出物の含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。

0041

なお、本実施形態に係る乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤は、必要に応じて、乳質改善作用または乳房炎予防・改善作用を有する他の天然抽出物等を、タケニグサ属植物抽出物とともに配合して有効成分として用いることができる。

0042

本実施形態において乳質改善または乳房炎の予防・改善の対象となる動物は、乳牛である。乳牛は、搾乳可能な牝牛であれば、特に限定されず、ホルスタイン種ジャージー種等が挙げられる。ただし、本実施形態において、搾乳することができない牛(例えば、育成牛や牡牛等)は、本実施形態の対象となる乳牛に含まれない。

0043

本実施形態に係る乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤の、乳牛への投与時期は特に限定されず、例えば、搾乳期に投与してもよく、乾乳期に投与してもよい。また、乳牛への投与方法も特に限定されず、例えば、飼料添加物として他の飼料原料に添加・混合して経口投与する方法が例示される。

0044

乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤の乳牛への投与量は、タケニグサ属植物抽出物に換算して、乳牛1頭あたり1〜200mg/日であることが好ましく、5〜50mg/日であることがより好ましい。かかる範囲で投与することで、必要以上にコストをかけることなくタケニグサ属植物抽出物による作用を効果的に発揮させることができる。

0045

また、飼料添加物として乳牛に投与する場合、本実施形態に係る乳質改善剤、乳房炎予防・改善剤の飼料への配合量は、飼料1tあたりに配合するタケニグサ属植物抽出物の量に換算して0.1〜20gとすることが好ましく、0.5〜5gとすることがより好ましく、1.5〜2.5gとすることが特に好ましい。かかる範囲で飼料に配合することで、本実施形態に係る乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤の乳牛への投与量を前述した範囲に設定することが容易になる。

0046

本実施形態においては、乳質改善剤または乳房炎予防・改善剤を乳牛に投与することで、これらの有効成分であるタケニグサ属植物抽出物の作用により、乳牛から搾乳される牛乳の乳中体細胞数を減少させることができ、好ましくは乳中体細胞数を30万/mL以下に、より好ましくは20万/mL以下に減少させることができる。なお、これらの他、本実施形態における「乳中体細胞数の減少」には、乳中体細胞数を好ましくは30万/mL以下に、より好ましくは20万/mL以下に維持することも包含されるものとする。

0047

本実施形態に係る乳質改善剤は、乳牛に投与することで、タケニグサ属植物抽出物が有する乳質改善作用または乳中体細胞数減少作用を通じて、乳質を改善することができる。ここで、牛乳の乳価は乳質によって左右されるため、乳質を改善することができれば、酪農家に対する経済的効果も大きなものとなる。ただし、本実施形態に係る乳質改善剤は、これらの用途以外にも乳中体細胞数減少作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。

0048

本実施形態に係る乳房炎予防・改善剤は、タケニグサ属植物抽出物が有する乳房炎予防・改善作用または乳中体細胞数減少作用を通じて、乳牛の乳房炎を予防および/または改善することができる。ここで、乳房炎を予防および/または改善することは、乳牛の健康状態を良好に保ち、乳房炎の罹患に伴う乳量損失を抑制することにつながる。ただし、本実施形態に係る乳房炎予防・改善剤は、これらの用途以外にも乳房炎予防・改善作用または乳中体細胞数減少作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。

0049

以上述べたように、本実施形態によれば、タケニグサ属抽出物を乳牛に投与することで、牛乳の乳質を改善することができ(本発明に係る乳質改善方法に該当)、また乳房炎を予防および/または改善することができる(本発明に係る乳房炎予防・改善方法に該当)。

0050

また、本実施形態によれば、タケニグサ属抽出物を乳牛に投与し、当該乳牛から搾乳することで、乳質が改善された牛乳、特に乳中体細胞数が減少した牛乳を生産することができるとともに、乳房炎を予防・改善し乳牛の健康状態を良好に保つことができるため、乳房炎の罹患に伴う乳量損失を抑制することができ、販売可能な牛乳の乳量を実質的に増加させることができる(本発明に係る牛乳の生産方法に該当)。

0051

以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。

0052

以下、実施例および試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。

0053

〔実施例1〕
タケニグサをエタノール水溶液にて抽出し、タケニグサ抽出物を得た。得られたタケニグサ抽出物5質量部と、タケニグサ乾燥粉末95質量部とを混合し、乳質改善剤を製造した。以下の試験例では、得られた乳質改善剤(試料1)を被験試料として用いた。

0054

〔試験例1〕
乳中の体細胞数の平均値が約30万/mLである乳牛600頭を300頭ずつ2群に分け、試験を行った。一方の群には、1頭あたりの乳質改善剤(試料1)の投与量が300mg/日(タケニグサ抽出物に換算して15mg/日)となるように、乳質改善剤(試料1)を配合した市販飼料を給与した(投与群)。他方の群には、乳質改善剤を配合しない市販飼料を給与した(対照群)。2群とも試験開始前日、および試験開始30日後に乳中体細胞数を測定した。

0055

投与群について、乳中体細胞数が0〜20万/mLの乳牛、20万超〜30万/mLの乳牛、30万超〜50万/mLの乳牛、50万超/100万mLの乳牛、および100万/mL超の乳牛が群全体(300頭)に占める割合を図示したグラフを図1に、対照群について同様に図示したグラフを図2に、それぞれ示す。

0056

図1から明らかなように、投与群においては、試料1を30日間投与することにより、乳中体細胞数が20万/mL以下である乳牛の数が顕著に増加するとともに、これに応じて20万/mL超となる乳牛の数が減少していた。一方、図2から明らかなように、対照群においては、乳中体細胞数が20万/mL以下である乳牛の数が30日後に若干減少し、20万/mL超となる乳牛の数となる乳牛の数が若干増加していた。すなわち、乳質改善剤(試料1)を投与することにより、乳質が有意に改善できるとともに、乳中体細胞数の少ない健康な乳牛の割合を増やすことができると認められた。

0057

〔試験例2〕
黄色ブドウ球菌が検出され、乳房炎の罹患が疑われる乳牛77頭に対し、9カ月継続して市販飼料を給与した(投与前)。その後、1頭あたりの乳質改善剤(試料1)の投与量が800mg/日(タケニグサ抽出物に換算して40mg/日)となるように、乳質改善剤(試料1)を配合した市販飼料を、10カ月間継続して給与した(投与後)。投与前および投与後について、継続して乳中体細胞数を測定した。各月の平均値を図示したグラフを図3に示す。

0058

図3から明らかなように、投与前においては乳中体細胞数の平均が30万/mL前後であり、50万/mLを超える月もあったが、投与後には乳中体細胞数が有意に減少し、投与開始後3カ月後以降は概ね安定して20万/mL前後の値を維持していた。

実施例

0059

以上の結果から示されるように、本発明の乳質改善剤を乳牛に投与することにより、乳中体細胞数が顕著に減少し、乳質を改善することができる。また、乳中体細胞数が減少することは乳房炎を改善できることを、また乳中体細胞数が低い値で維持されることは乳房炎が予防できることを、それぞれ意味する。すなわち、本発明の乳質改善剤は、乳房炎予防・改善剤としても使用することができる。さらに、本発明の乳質改善剤を乳牛に投与することにより、乳質の改善された牛乳を生産することが可能になる。

0060

本発明によれば、比較的簡便な方法で、牛乳の乳質を改善することができるとともに、乳房炎を予防および/または改善することができるため、酪農・乳産業にとって非常に有用である。

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