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技術 電池状態検出装置及び電池状態検出方法

出願人 矢崎総業株式会社
発明者 荘田隆博
出願日 2013年11月26日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2013-243709
公開日 2015年6月4日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2015-102443
状態 特許登録済
技術分野 電池等の充放電回路 遮断器と発電機・電動機と電池等の試験 二次電池の保守(充放電、状態検知)
主要キーワード 後半周期 前半周期 車両メンテナンス 起電力電圧 リチウムイオン充電池 予備計測 ニッケル水素充電池 信号増幅素子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

電池の状態の検出精度の低下及び検出時間の増加を抑制できる電池状態検出装置および電池状態検出方法を提供する。

解決手段

電池状態検出装置1は、二次電池Bの充放電が停止した後に充電方向及び放電方向について交互に流れるパルス電流Ip(電流値Ic、Id)を二次電池Bに通電し、二次電池Bの両電極間電圧vに含まれるパルス電流によって生じる電圧成分(パルス電圧成分va)を検出して、このパルス電圧成分vaのピーク間電圧値Vp−pを検出する。そして、このピーク間電圧値Vp−p及びパルス電流Ipの電流値Ic、Idに基づいて、二次電池Bの内部抵抗rを検出する。

概要

背景

例えば、電動モータを用いて走行する電気自動車EV)や、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド自動車HEV)などの各種車両には、電動モータの動力源として、リチウムイオン充電池ニッケル水素充電池などの二次電池が搭載されている。

このような二次電池は、充電及び放電を繰り返すことにより劣化が進み、蓄電可能容量電流容量電力容量など)や出力能力などが徐々に低下することが知られている。そして、二次電池を用いた電気自動車などにおいては、二次電池の劣化の度合などの二次電池の状態を検出することにより蓄電可能容量等を求めて、二次電池によって走行可能な距離や二次電池の寿命などを算出している。

このような二次電池の状態を示す指標として、初期蓄電可能容量に対する現在蓄電可能容量の割合であるSOH(State of Health)や、初期出力能力に対する現在出力能力の割合であるSOF(State of Function)などがある。これらSOHやSOFは二次電池の内部抵抗相関があることが知られており、二次電池の内部抵抗を求めることにより当該内部抵抗に基づいてこれらSOHやSOFを検出することができる。

二次電池の内部抵抗は、例えば、二次電池に対して所定電流通電することにより、通電した電流Iの電流値及びそのときの二次電池の両電極間電圧vの電圧値の変化量に基づいて内部抵抗を求めることができる。例えば、特許文献1などにおいて二次電池の内部抵抗を検出する技術の一例が開示されている。

概要

電池の状態の検出精度の低下及び検出時間の増加を抑制できる電池状態検出装置および電池状態検出方法を提供する。電池状態検出装置1は、二次電池Bの充放電が停止した後に充電方向及び放電方向について交互に流れるパルス電流Ip(電流値Ic、Id)を二次電池Bに通電し、二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電流によって生じる電圧成分(パルス電圧成分va)を検出して、このパルス電圧成分vaのピーク間電圧値Vp−pを検出する。そして、このピーク間電圧値Vp−p及びパルス電流Ipの電流値Ic、Idに基づいて、二次電池Bの内部抵抗rを検出する。

目的

本発明は、電池の状態の検出精度の低下及び検出時間の増加を抑制できる電池状態検出装置および電池状態検出方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

電池の状態を検出する電池状態検出装置であって、前記電池の充放電が停止した後に充電方向に流れる、放電方向に流れる又は充電方向及び放電方向について交互に流れるパルス電流を前記電池に通電する通電手段と、前記電池の両電極間電圧に含まれる前記パルス電流によって生じる電圧成分を検出する電圧成分検出手段と、前記電圧成分のピーク間電圧値を検出するピーク間電圧値検出手段と、前記ピーク間電圧値及び前記パルス電流の電流値に基づいて、前記電池の状態を検出する電池状態検出手段と、を備えていることを特徴とする電池状態検出装置。

請求項2

前記電池状態検出手段が、前記電池の両電極間の電圧に含まれる前記パルス電流によって生じた電圧成分が安定した後でかつ前記電池の両電極間の電圧に含まれる前記電池の起電力によって生じる電圧成分が当該電池の開放電圧値に至る前に検出された前記ピーク間電圧値及び前記パルス電流の電流値に基づいて、前記電池の状態を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電池状態検出装置。

請求項3

電池の状態を検出する電池状態検出方法であって、前記電池の充放電が停止した後に充電方向に流れる、放電方向に流れる又は充電方向及び放電方向について交互に流れるパルス電流を前記電池に通電する通電工程と、前記電池の両電極間の電圧に含まれる前記パルス電流によって生じる電圧成分を検出する電圧成分検出工程と、前記電圧成分のピーク間電圧値を検出するピーク間電圧値検出工程と、前記ピーク間電圧値及び前記パルス電流の電流値に基づいて、前記電池の状態を検出する電池状態検出工程と、を含むことを特徴とする電池状態検出方法。

技術分野

0001

本発明は、電池内部抵抗劣化度合などの当該電池の状態を検出する電池状態検出装置及び電池状態検出方法に関するものである。

背景技術

0002

例えば、電動モータを用いて走行する電気自動車EV)や、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド自動車HEV)などの各種車両には、電動モータの動力源として、リチウムイオン充電池ニッケル水素充電池などの二次電池が搭載されている。

0003

このような二次電池は、充電及び放電を繰り返すことにより劣化が進み、蓄電可能容量電流容量電力容量など)や出力能力などが徐々に低下することが知られている。そして、二次電池を用いた電気自動車などにおいては、二次電池の劣化の度合などの二次電池の状態を検出することにより蓄電可能容量等を求めて、二次電池によって走行可能な距離や二次電池の寿命などを算出している。

0004

このような二次電池の状態を示す指標として、初期蓄電可能容量に対する現在蓄電可能容量の割合であるSOH(State of Health)や、初期出力能力に対する現在出力能力の割合であるSOF(State of Function)などがある。これらSOHやSOFは二次電池の内部抵抗と相関があることが知られており、二次電池の内部抵抗を求めることにより当該内部抵抗に基づいてこれらSOHやSOFを検出することができる。

0005

二次電池の内部抵抗は、例えば、二次電池に対して所定電流通電することにより、通電した電流Iの電流値及びそのときの二次電池の両電極間電圧vの電圧値の変化量に基づいて内部抵抗を求めることができる。例えば、特許文献1などにおいて二次電池の内部抵抗を検出する技術の一例が開示されている。

先行技術

0006

特開平9−54147号公報

発明が解決しようとする課題

0007

二次電池は、その特性により、例えば、電流値Icとなる充電電流Iを通電した後に当該通電を停止したとき、二次電池の両電極間の電圧vが、図4に示すように、当該二次電池の真の出力電圧値である開放電圧値OCV(Open circuit Voltage)より高い電圧値Vcとなり、数分から数時間かけて徐々に降下して開放電圧値OCVに復帰する。また、同様に、放電を停止したとき、二次電圧の両電極間の電圧vが、開放電圧値OCVより低い値となり、数分から数時間かけて徐々に上昇して開放電圧値OCVに復帰する。そのため、例えば、図5に示すように、二次電池の両電極間の電圧vが開放電圧値OCVに向けて大きく変化しているときに、電流値Ic1、Ic2となる検出電流I1、I2を通電し、そのときの両電極間の電圧vの電圧値Vc1、Vc2を測定して、これらより二次電池の内部抵抗r(r=(Vc1−Vc2)/(Ic1−Ic2))を検出すると、電圧vが開放電圧値OCVより高め又は低めであること及び当該電圧vが変化していること等の影響を受けて、検出精度が低下してしまうという問題があった。また、これらの影響を回避して検出精度の低下を防ぐために、例えば、図6に示すように、二次電池の両電極間の電圧vが開放電圧値OCVに復帰したのちに電流値Ic1、Ic2となる検出電流I1、I2を通電し、そのときの両電極間の電圧vの電圧値Vc1、Vc2を計測して内部抵抗rを検出するようにした場合、上記復帰を待つため検出時間が増加してしまうという別の問題があった。

0008

本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、電池の状態の検出精度の低下及び検出時間の増加を抑制できる電池状態検出装置および電池状態検出方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、電池の状態を検出する電池状態検出装置であって、前記電池の充放電が停止した後に充電方向に流れる、放電方向に流れる又は充電方向及び放電方向について交互に流れるパルス電流を前記電池に通電する通電手段と、前記電池の両電極間の電圧に含まれる前記パルス電流によって生じる電圧成分を検出する電圧成分検出手段と、前記電圧成分のピーク間電圧値を検出するピーク間電圧値検出手段と、前記ピーク間電圧値及び前記パルス電流の電流値に基づいて、前記電池の状態を検出する電池状態検出手段と、を備えていることを特徴とする電池状態検出装置である。

0010

請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記電池状態検出手段が、前記電池の両電極間の電圧に含まれる前記パルス電流によって生じた電圧成分が安定した後でかつ前記電池の両電極間の電圧に含まれる前記電池の起電力によって生じる電圧成分が当該電池の開放電圧値に至る前に検出された前記ピーク間電圧値及び前記パルス電流の電流値に基づいて、前記電池の状態を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電池状態検出装置である。

0011

請求項3に記載された発明は、上記目的を達成するために、電池の状態を検出する電池状態検出方法であって、前記電池の充放電が停止した後に充電方向に流れる、放電方向に流れる又は充電方向及び放電方向について交互に流れるパルス電流を前記電池に通電する通電工程と、前記電池の両電極間の電圧に含まれる前記パルス電流によって生じる電圧成分を検出する電圧成分検出工程と、前記電圧成分のピーク間電圧値を検出するピーク間電圧値検出工程と、前記ピーク間電圧値及び前記パルス電流の電流値に基づいて、前記電池の状態を検出する電池状態検出工程と、を含むことを特徴とする電池状態検出方法である。

発明の効果

0012

請求項1、3に記載された発明によれば、電池の充放電が停止した後に充電方向にながれる、放電方向に流れる又は充電方向及び放電方向について交互に流れるパルス電流を電池に通電し、電池の両電極間の電圧に含まれるパルス電流によって生じる電圧成分を検出して、この電圧成分のピーク間電圧値を検出する。そして、このピーク間電圧値及びパルス電流の電流値に基づいて、電池の状態を検出する。

0013

電池の両電極間の電圧に含まれる当該電池の起電力によって生じる電圧成分(以下、「起電力電圧成分」という)は、電池の充放電直後に開放電圧値より高め又は低めであってその後開放電圧値に向けて変化する。一方、電池の両電極間の電圧に含まれるパルス電流によって生じる電圧成分(以下、「パルス電圧成分」という)は、通電したパルス電流に応じた値(波形)となるため、上述した起電力電圧成分の変化等の影響を受けず、または、影響が小さい。そのため、パルス電流の電流値及びパルス電圧成分のピーク間電圧値を用いることで、起電力電圧成分が開放電圧値に向けて変化しているときでもその影響を抑えて電池の状態を検出することができ、これにより、電池の状態の検出精度の低下及び検出時間の増加を抑制できる。

0014

請求項2に記載された発明によれば、電池の両電極間の電圧に含まれるパルス電流によって生じた電圧成分が安定した後でかつ電池の両電極間の電圧に含まれるその電池の起電力によって生じる電圧成分が当該電池の開放電圧値に至る前に検出されたピーク間電圧値及びパルス電流の電流値に基づいて、電池の状態を検出する。

0015

起電力電圧成分は、電池の充放電停止後に開放電圧値に向けて変化するところ、パルス電圧成分においても、この変化の影響を受けることがある。そして、この変化は、充放電停止直後において比較的大きく、時間の経過とともに徐々に小さくなっていくことから、ある程度の時間を経過するとパルス電圧成分への影響が小さくなって当該パルス電圧成分の波形が一定となって安定する。そのため、パルス電圧成分が安定した後でかつ起電力電圧成分が当該電池の開放電圧値に至る前に検出したピーク間電圧値を用いることで、上記起電力電圧成分の開放電圧値に向けた変化の影響をより抑えて電池の状態を検出することができるので、電池の状態の検出精度の低下をさらに抑制できる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の一実施形態の電池状態検出装置の概略構成を示す図である。
図1の電池状態検出装置が備える制御部によって実行される電池状態検出処理の一例を示すフローチャートである。
図2の電池状態検出処理を実行している際の二次電池の両電極間の電圧の波形、当該電圧に含まれるパルス電圧成分の波形、及び、パルス電流の波形を模式的に示す図である。
充電停止後の二次電池の両電極間の電圧の波形を模式的に示す図である。
従来の二次電池の内部抵抗の検出時における二次電池の両電圧間の電圧の波形及び二次電池に流れる電流の波形を模式的に示す図である。
従来の他の二次電池の内部抵抗の検出時における二次電池の両電圧間の電圧の波形及び二次電池に流れる電流の波形を模式的に示す図である。

実施例

0017

以下、本発明の一実施形態の電池状態検出装置について、図1図3を参照して説明する。

0018

電池状態検出装置は、例えば、電気自動車に搭載され、当該電気自動車が備える二次電池の状態として当該二次電池の内部抵抗を検出するものである。勿論、電気自動車以外の二次電池を備えた装置、システムなどに適用してもよい。または、二次電池に代えて、一次電池を備えた装置、システムなどに適用してもよい。

0019

図1は、本発明の一実施形態の電池状態検出装置の概略構成を示す図である。図2は、図1の電池状態検出装置が備える制御部によって実行される電池状態検出処理の一例を示すフローチャートである。図3は、図2の電池状態検出処理を実行している際の二次電池の両電極間の電圧の波形、当該電圧に含まれるパルス電圧成分の波形、及び、パルス電流の波形を模式的に示す図である。

0020

図1に示すように、本実施形態の電池状態検出装置(図中、符号1で示す)は、図示しない電気自動車に搭載された二次電池Bに接続され、二次電池Bの状態として当該二次電池Bの内部抵抗の検出を行う。

0021

この二次電池Bは、電圧を生じる起電力部eと内部抵抗rとを有している。二次電池Bは、両電極(正極Bp及び負極Bn)間に電圧vを生じ、この電圧vは、起電力部eによる起電力によって生じる電圧値veと内部抵抗rに電流が流れることにより生じる電圧値vrとによって決定される(v=ve+vr)。二次電池Bの開放電圧値OCVは、即ち、起電力部eが生じる真の電圧値veである。

0022

電池状態検出装置1は、充放電部11と、直流遮断部12と、増幅部13と、整流平滑部14と、アナログ−デジタル変換部15と、制御部30と、を有している。

0023

充放電部11は、例えば、電気自動車に接続された外部電源から電力供給されることにより二次電池Bに任意の電流値の充電電流を出力することが可能な電源装置、及び、二次電池Bから任意の電流値の放電電流を引き出すことが可能な放電装置を備えている。充放電部11は、その一対の出力端子が、それぞれ二次電池Bの正極Bp及び負極Bnに接続されている。充放電部11は、後述する制御部30によって制御されることにより、二次電池Bを充電する際に一定の電流値の充電電流Iccを出力する。また、充放電部11は、二次電池Bの内部抵抗rを検出する際に、充電方向(二次電池Bに流れ込む方向)及び放電方向(二次電池Bから流れ出る方向)に交互に流れるパルス電流Ipを出力する。

0024

充放電部11が出力するパルス電流Ipは、矩形波であって、そのパルス高さ(電流値)及びパルス幅を二次電池Bの充電状態に影響を与えない程度の大きさとしている。パルス電流Ipは、それによって生じる二次電池Bの両電極間に電圧vに含まれる電圧成分(以下、「パルス電圧成分va」という)の周波数ハイパスフィルタとして機能する後述の直流遮断部12を通過可能な値となるようにしている。パルス電流Ipは、その一周期における充電方向に流れる電流と放電方向に流れる電流との電流値及び流れる時間が同じになるようにしている。パルス電流Ipは、矩形波以外にも、三角波のこぎり波正弦波などの波形であってもよい。また、パルス電流Ipは、パルス波形を1周期のみ又は2以上の複数周期含んでいてもよい。充放電部11は、通電手段に相当する。

0025

直流遮断部12は、所定の高周波信号が通過可能なハイパスフィルタとして機能するカップリングコンデンサで構成されており、二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれる二次電池Bの起電力によって生じる定電圧又はそれに準ずる直流の電圧成分(以下、「起電力電圧成分vd」という)を遮断して当該電圧vに含まれるパルス電圧成分vaのみ通過させて出力する。

0026

増幅部13は、例えば、オペアンプトランジスタなどの信号増幅素子で構成されており、直流遮断部12から出力された二次電池Bの両電極間に電圧vに含まれるパルス電圧成分vaを所定の増幅率Gで増幅して出力する。

0027

整流平滑部14は、例えば、ダイオード及びコンデンサからなる半波整流回路又は全波整流回路で構成されており、増幅部13から出力された増幅後のパルス電圧成分vaを整流及び平滑して定電圧信号Sに変換する。整流平滑部14として半波整流回路を用いた場合、定電圧信号Sの電圧値の2倍の値がパルス電圧成分vaの平均値に応じた値となる。また、整流平滑部14として全波整流回路を用いた場合、定電圧信号Sの電圧値がパルス電圧成分vaの平均値に応じた値となる。

0028

アナログ−デジタル変換部15(以下、「ADC15」という)は、整流平滑部14から出力された定電圧信号Sを量子化して、当該定電圧信号Sの電圧値に対応するデジタル値を示す信号を出力する。本実施形態において、ADC15は、個別の電子部品として実装されているが、これに限定されるものではなく、例えば、後述する制御部30に内蔵されたアナログ−デジタル変換機能部などを用いて定電圧信号Sを量子化してもよい。

0029

制御部30は、CPU、ROM、RAMなどを内蔵したマイクロコンピュータなどで構成されており、電池状態検出装置1全体の制御を司る。ROMには、CPUを電圧成分検出手段、ピーク間電圧検出手段、電池状態検出手段などの各種手段として機能させるための制御プログラムが予め記憶されている。CPUは、この制御プログラムを実行することにより上記各種手段として機能する。

0030

制御部30は、ADC15に接続された入力ポートPI、充放電部11に接続された出力ポートPO、及び、外部機器との通信のための通信ポート(図示なし)を備えている。

0031

制御部30において、ADC15から入力ポートPIに入力された信号は、CPUが認識できる形式の情報に変換されて当該CPUに送られる。CPUは、当該情報に基づいて、充放電部11がパルス電流Ipを出力しているときの二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電圧成分va(具体的には、パルス電圧成分vaの平均値)を検出する。そして、CPUは、例えば、所定の算出式やデータテーブルなどを用いて、パルス電圧成分vaの一周期における最大電圧値最小電圧値との差分値であるピーク間電圧値Vp−pを検出する。

0032

また、制御部30は、出力ポートPOを通じて充放電部11に制御信号を送信して、二次電池Bの内部抵抗rの検出の際に所定のパルス電流Ipを出力するように当該充放電部11を制御する。

0033

また、制御部30の通信ポートは、図示しない車両内ネットワーク(例えば、CAN(Controller Area Network)など)に接続されており、当該車両内ネットワークを通じて車両メンテナンス用の端末装置などの表示装置に接続される。制御部30のCPUは、通信ポート及び車両内ネットワークを通じて、検出した二次電池Bの内部抵抗rを表示装置に送信し、この表示装置において当該信号に基づき二次電池Bの内部抵抗r等の二次電池Bの状態を表示する。

0034

また、制御部30は、二次電池Bに対して充電方向及び放電方向に流れる電流の有無を検出する図示しない電流センサなどの電流検出手段に接続されており、この電流検出手段からの信号を受けて二次電池Bが使用状態充放電状態)にあるか休止状態充放電停止状態)にあるかを検出する。

0035

次に、上述した電池状態検出装置1が備える制御部30における電池状態検出処理の一例について、図2のフローチャートを参照して説明する。

0036

制御部30は、車両に搭載された図示しない電子制御部(ECU)から外部電源が接続されたことが通知されると、充放電部11から所定の充電電流Iccを出力して二次電池Bの充電を行う充電処理を実行する。そして、例えば、この充電処理が終了したのち、図2に示す電池状態検出処理を実行する。

0037

電池状態検出処理において、制御部30は、図示しない電流検出手段からの信号により二次電池Bが使用状態にあるときは休止状態になるまで待ち(S110でN)、二次電池Bが休止状態になると(S110でY)、充放電部11に、パルス電流Ipを出力するための制御信号を送信する(S120)。これにより、充放電部11が二次電池Bに対するパルス電流Ipの出力を開始する。

0038

次に、制御部30は、二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電圧成分vaが安定するまで待つ(S130でN)。具体的には、例えば、予備計測シミュレーションなどによりパルス電圧成分vaの波形が一定(許容誤差範囲内で一定を含む)となって安定するまでに要する電圧安定待ち時間Twを予め取得しておき、制御部30は、この電圧安定待ち時間Twが経過するまで待つ。この電圧安定待ち時間Twは、二次電池Bが休止状態(充放電停止状態)になってから当該二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれる起電力電圧成分vdが開放電圧値OCVに至るまでの時間より短く設定されている。

0039

そして、パルス電圧成分vaが安定すると(S130でY)、次に、制御部30は、二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電圧成分vaを検出する(S140)。具体的には、制御部30は、ADC15から入力ポートPIに入力された定電圧信号Sに基づいて、パルス電流Ipによって生じる二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電圧成分vaの平均値を検出する。整流平滑部14が半波整流回路で構成されている場合、定電圧信号Sの電圧値の2倍の値を増幅率Gで除した値をパルス電圧成分vaの平均値として検出する。または、整流平滑部14が全波整流回路で構成されている場合、定電圧信号Sの電圧値を増幅率Gで除した値をパルス電圧成分vaの平均値として検出する。

0040

次に、制御部30は、充放電部11にパルス電流Ipを出力を停止するための制御信号を送信する(S150)。これにより、充放電部11が二次電池Bに対するパルス電流Ipの出力を停止する。

0041

次に、制御部30は、二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電圧成分vaのピーク間電圧値Vp−pを検出する(S160)。具体的には、制御部30は、パルス電圧成分vaの平均値を、予めROMに記憶した平均値−ピーク間電圧変換用データテーブルに当てはめて、ピーク間電圧値Vp−pを検出する。このデータテーブルは、例えば、予備計測やシミュレーションなどによって予め作成しておく。または、変換テーブルに代えて、パルス電圧成分vaの平均値から当該パルス電圧成分vaのピーク間電圧値Vp−pを求める算出式を用いてもよい。

0042

次に、制御部30は、二次電池Bの内部抵抗を検出する(S160)。具体的には、制御部30は、ピーク間電圧値Vp−pと、既知であるパルス電流Ipの前半周期の電流値Ic及び後半周期の電流値Id(充電方向を正と定めた場合Ic>0、Id<0)とに基づいて、二次電池Bの内部抵抗rを検出する。内部抵抗rの検出に用いる算出式を以下に示す。制御部30は、内部抵抗rを算出したのちRAMに記憶する。そして、電池状態検出処理を終了する。
r = Vp−p/(Ic−Id)・・・(1)

0043

そして、制御部30は、上述した電池状態検出処理が終了すると、車両内ネットワークを通じて、上記電池状態検出処理において検出した二次電池Bの内部抵抗rを他の装置等に送信する。

0044

図3に、上述した電池状態検出処理を実行した際のパルス電流Ip、二次電池Bの両電極間の電圧v及び当該電圧vに含まれるパルス電圧成分vaの波形を模式的に示す。

0045

図2のフローチャートにおけるステップS120の処理は通電工程である。ステップS150の処理は電圧成分検出工程であり、制御部30はこのステップS150の処理を実行することにより電圧成分検出手段として機能する。ステップS160の処理はピーク間電圧値検出工程であり、制御部30はこのステップS160の処理を実行することによりピーク間電圧値検出手段として機能する。ステップS170の処理は電池状態検出工程であり、制御部30はこのステップS170の処理を実行することにより電池状態検出手段として機能する。

0046

以上説明したように、本実施形態によれば、二次電池Bの充放電が停止した後に充電方向及び放電方向について交互に流れるパルス電流Ip(電流値Ic、Id)を二次電池Bに通電し、二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電流によって生じる電圧成分(パルス電圧成分va)を検出して、このパルス電圧成分vaのピーク間電圧値Vp−pを検出する。そして、このピーク間電圧値Vp−p及びパルス電流Ipの電流値Ic、Idに基づいて、二次電池Bの内部抵抗rを検出する。

0047

二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれる当該二次電池Bの起電力によって生じる電圧成分(起電力電圧成分vd)は、二次電池Bの充放電直後に開放電圧値OCVより高め又は低めであってその後開放電圧値OCVに向けて変化する。一方、二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電流によって生じる電圧成分(パルス電圧成分va)は、通電したパルス電流Ipに応じた値(波形)となるため、上述した起電力電圧成分vdの変化等の影響を受けず、または、影響が小さい。そのため、パルス電流Ipの電流値Ic、Id及びパルス電圧成分vaのピーク間電圧値Vp−pを用いることで、起電力電圧成分vdが開放電圧値OCVに向けて変化しているときでもその影響を抑えて二次電池Bの内部抵抗rを検出することができ、これにより、二次電池Bの内部抵抗rの検出精度の低下及び検出時間の増加を抑制できる。

0048

また、二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電流によって生じた電圧成分(パルス電圧成分va)が安定した後でかつ二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるその二次電池Bの起電力によって生じる電圧成分(起電力電圧成分vd)が当該二次電池Bの開放電圧値OCVに至る前に検出されたピーク間電圧値Vp−p及びパルス電流Ipの電流値Ic、Idに基づいて、二次電池Bの内部抵抗rを検出する。

0049

起電力電圧成分vdは、二次電池Bの充放電停止後に開放電圧値OCVに向けて変化するところ、パルス電圧成分vaにおいても、この変化の影響を若干受けることがある。そして、この変化は、充放電停止直後において比較的大きく、時間の経過とともに徐々に小さくなっていくことから、ある程度の時間を経過するとパルス電圧成分vaへの影響が小さくなって当該パルス電圧成分vaの波形が一定となって安定する。そのため、パルス電圧成分vaが安定した後でかつ起電力電圧成分vdが当該二次電池Bの開放電圧値OCVに至る前に検出したピーク間電圧値Vp−pを用いることで、上記起電力電圧成分vdの開放電圧値OCVに向けた変化の影響をより抑えて二次電池Bの内部抵抗rを検出することができるので、二次電池Bの内部抵抗rの検出精度の低下をさらに抑制できる。

0050

また、二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電圧成分vaについてのみADC15に入力することができるため、例えば、起電力電圧成分vd及びパルス電圧成分vaを含む二次電池Bの両電極間の電圧vをADC15に入力した場合に比べて、その分解能の一部が起電力電圧成分vdに当てられてしまうことがなく、分解能の全てをパルス電圧成分vaに当てることができるので、二次電池Bの内部抵抗rの検出精度の低下をさらに抑制できる。

0051

以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の電池状態検出装置及び電池状態検出方法はこれらの実施形態の構成に限定されるものではない。

0052

例えば、上述した実施形態では、充放電部11により出力されるパルス電流Ipが、充電方向及び放電方向に交互に流れる電流であったが、これに限定されるものではない。パルス電流Ipは、例えば、充電方向のみに流れる電流(即ち、電流値Ic>0かつ電流値Id=0)、又は、放電方向のみに流れる電流(即ち、電流値Ic=0かつ電流値Id<0)であってもよい(但し、充電方向に流れる電流を正、放電方向に流れる電流を負とした場合)。

0053

また、上述した実施形態では、電池状態検出処理において所定の電圧安定待ち時間Twを経過した後のパルス電圧成分vaのピーク間電圧値Vp−pを検出するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、パルス電流Ipの通電を開始した直後から、二次電池Bの両電極間の電圧vに含まれるパルス電圧成分vaのピーク間電圧値Vp−pを検出して、検出した複数のピーク間電圧値Vp−pの差分値が所定の許容誤差より小さくなったときに、パルス電圧成分vaが安定したものとして処理を進めるようにしてもよい。または、二次電池Bが休止状態になった直後にピーク間電圧値Vp−pを検出し、このピーク間電圧値Vp−pを用いて検出した内部抵抗rに含まれる誤差許容範囲内であれば、パルス電圧成分vaが安定するのを待つことなく処理を進めるようにしてもよい。

0054

また、上述した実施形態では、二次電池Bの状態として二次電池Bの内部抵抗rを検出する構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、二次電池Bの内部抵抗rと二次電池BのSOH又はSOFは相関があることを利用して、内部抵抗rからさらに二次電池Bの状態としてのSOH又はSOFを検出する構成としてもよい。

0055

なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の電池状態検出装置及び電池状態検出方法の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。

0056

1電池状態検出装置
11充放電部(通電手段)
12直流遮断部
13増幅部
14整流平滑部
15アナログ−デジタル変換部
30 制御部(電圧成分検出手段、ピーク間電圧値検出手段、電池状態検出手段)
B二次電池(電池)
Ipパルス電流
va 二次電池の両電極間の電圧に含まれるパルス電圧成分
vd 二次電池の両電極間の電圧に含まれる起電力電圧成分
Vp−p パルス電圧成分のピーク間電圧値
OCV二次電池の開放電圧値
r内部抵抗(電池の状態)

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