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技術 円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を同一の光学系で測定する方法及び装置

出願人 日本分光株式会社
発明者 原田拓典
出願日 2013年11月21日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2013-240734
公開日 2015年6月4日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2015-102333
状態 特許登録済
技術分野 蛍光または発光による材料の調査,分析 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 光学軸調整 偏光現象 線二色性 非理想性 理論解析 微粉末固体 高速電子シャッタ 参照周波数
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図面 (2)

課題

円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を同一の光学系で測定する方法及び装置を提供すること。

解決手段

本発明に係る円二色性スペクトル及び円偏光蛍光の測定方法は、光源から出射した光を、サンプルに照射し、サンプルから出力された光の円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定する方法であって、光源とサンプルとの間に励起モノクロメータを配置し、サンプルと検出器との間にPEM及びCD兼用発光側モノクロメータを配置して成る光学系を使用し、前記励起モノクロメータを、円偏光蛍光を測定する場合は光源から出射した光を単色光とする分光器として機能させ、円二色性スペクトルを測定する場合には分光器として機能せずに0次光を出射するよう機能させることにより、同じ光学系を用いて円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定することを特徴とする。

概要

背景

固体では分子間相互作用溶液に比べてはるかに強いため、キラリティ識別、認識、増幅は、固体状態において最も強く起こり、しばしば固体状態でのみ起こる。
また固体キラル化学反応溶媒を使用しないため、環境への負荷が小さいグリーン化学において、注目が集まりつつある新規分野である。
しかし市販キラリティ分光装置では原理的に光学物性評価が困難である。
なぜなら、キラリティ測定(円二色性(CD)、円複屈折(CB))において固体サンプルでは装置の非理想性非理想的光学素子偏光特性等に起因する系統的な誤差)と固体試料特有光学的異方性(LB(直線複屈折)、LD(直線二色性))とのカップリング効果により見かけシグナルが生じ、検出されるシグナルは、分子あるいは原子の3次元配列によるキラルセンス(sense)に由来するシグナルに固体試料特有の光学的異方性が関与するシグナルが重畳するため、求める試料のキラルセンスのみに由来するシグナルを得ることができないからである。
そこで発明者は新しい解析法・装置開発を行い、発明者は、非溶液試料ゲル、単結晶微粉末固体高分子フィルムなど)の真のキラリティを得ることが可能な装置として、同期検波法を用いた一次元分光計から成る第一世代の測定装置を提案した。しかし、この第一世代の測定装置における、光学的異方性試料のキラリティ測定には、複雑な解析法が必要で、特別な場合を除いて直接、純粋な偏光現象を得ることができなかったため、発明者は、Stokes-Mueller matrix解析を用いた偏光解析が不要な第二世代の測定装置を開発し、これを提案している(特許文献1:WO2009/123307)。
前記第二世代の測定装置は、同期検波法に基づく第一世代の汎用一次元分光計と異なり、高速電子シャッターを使用し、偏光変調器(PEM)で偏光変調された特定の変調領域を抽出する。これにより得られるスペクトルは特別な解析なしに、求めるべき偏光現象の真のスペクトルを得ることが可能になる。
しかし、この第二世代の測定装置は、S/N比信号雑音比率)が悪く、分解能も低いため、S/N比及び分解能の向上が必須の課題であった。
発明者は、上記した第二世代の測定装置の問題点を解決し、動的変化の速い化学反応、凝集体のプロセル生体高分子コンフォメーション変化等のダイナミクス測定が可能な第三世代の測定装置を開発し提案した(特許文献2:特開2013−50394)。
これにより静的な測定では得られなかった、分子レベルの動的変化測定など、生体物質生理活性作用のプロセスのダイナミック構造変化測定などに適応可能となった。
発明者は、上述の固体キラル科学を軸とし、これまで観測することが出来ず、計測が不可能だった現象、光学物性を観測可能な分光装置開発を通してキラル材料開発研究を行ってきた。

励起状態のキラリティを取り扱う円偏光蛍光(CPL)測定は、出現当初の1960年代は、円偏光蛍光(CPL)試料の応用範囲が限られており、特定の基礎研究のみに限定されていたが、近年、円偏光蛍光(CPL)物質が、消費電力を抑えるための高輝度液晶ディスプレイ用光源をはじめとし、記憶材料セキュリティペイントなど高度な光情報ツールとして認識され、デバイス開発の機運が高まるとともに、円偏光蛍光(CPL)測定法有用性再認識されつつある。
円偏光蛍光(CPL)分光法は、電子励起状態における分子のキラリティに関する情報を与えてくれる唯一の測定法である。しかし、Dekkersらは非特許文献1において、また、神洋爾らは非特許文献2において、円偏光蛍光(CPL)分光計が同期検波法を用いた偏光変調分光装置である以上、固体状態での真の円偏光蛍光(CPL)シグナルが得ることは困難であると言及していた。
つまり既存のCPL測定は、電子遷移吸収に基づくキラリティ測定(CD、CB)同様、光学的等方試料に限定されている。

概要

円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を同一の光学系で測定する方法及び装置を提供すること。本発明に係る円二色性スペクトル及び円偏光蛍光の測定方法は、光源から出射した光を、サンプルに照射し、サンプルから出力された光の円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定する方法であって、光源とサンプルとの間に励起モノクロメータを配置し、サンプルと検出器との間にPEM及びCD兼用発光側モノクロメータを配置して成る光学系を使用し、前記励起モノクロメータを、円偏光蛍光を測定する場合は光源から出射した光を単色光とする分光器として機能させ、円二色性スペクトルを測定する場合には分光器として機能せずに0次光を出射するよう機能させることにより、同じ光学系を用いて円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定することを特徴とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

光源から出射した光を、サンプルに照射し、サンプルから出力された光の円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定する方法であって、光源とサンプルとの間に励起モノクロメータを配置し、サンプルと検出器との間にPEM及びCD兼用発光側モノクロメータを配置して成る光学系を使用し、前記励起モノクロメータを、円偏光蛍光を測定する場合は光源から出射した光を単色光とする分光器として機能させ、円二色性スペクトルを測定する場合には分光器として機能せずに0次光を出射するよう機能させることにより、同じ光学系を用いて円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定することを特徴とする測定方法

請求項2

前記励起モノクロメータとサンプルとの間に、無偏光子及びレンズが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の測定方法。

請求項3

前記無偏光子及びレンズの間に、光学軸45度を持つ偏光子光路に対して出入可能に設けることを特徴とする請求項2に記載の測定方法。

請求項4

検出器に入射する光の光電気とPEM変調周波数とを同期させるロックインアンプが設けられ、該ロックインアンプが50kHと100kHとで検出器とPEMとを同期させることを特徴とする請求項3に記載の測定方法。

請求項5

光源から出射した光を、サンプルに照射し、サンプルから出力された光の円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定する装置であって、光源とサンプルとの間に励起モノクロメータを配置し、サンプルと検出器との間にPEM及びCD兼用発光側モノクロメータを配置して成る光学系を使用し、前記励起モノクロメータを、円偏光蛍光を測定する場合は光源から出射した光を単色光とする分光器として機能させ、円二色性スペクトルを測定する場合には分光器として機能せずに0次光を出射するよう機能させることにより、同じ光学系を用いて円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定するように構成したことを特徴とする測定装置

請求項6

前記励起モノクロメータとサンプルとの間に、無偏光子及びレンズが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の測定装置。

請求項7

前記無偏光子及びレンズの間に、光学軸45度を持つ偏光子を光路に対して出入可能に設けることを特徴とする請求項6に記載の測定装置。

請求項8

検出器に入射する光の光電気とPEM変調周波数とを同期させるロックインアンプが設けられ、該ロックインアンプが50kHと100kHとで検出器とPEMとを同期させることを特徴とする請求項7に記載の測定装置。

技術分野

0001

本発明は、円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を同一の光学系で測定する方法及び装置に関する。

背景技術

0002

固体では分子間相互作用溶液に比べてはるかに強いため、キラリティ識別、認識、増幅は、固体状態において最も強く起こり、しばしば固体状態でのみ起こる。
また固体キラル化学反応溶媒を使用しないため、環境への負荷が小さいグリーン化学において、注目が集まりつつある新規分野である。
しかし市販キラリティ分光装置では原理的に光学物性評価が困難である。
なぜなら、キラリティ測定(円二色性(CD)、円複屈折(CB))において固体サンプルでは装置の非理想性非理想的光学素子偏光特性等に起因する系統的な誤差)と固体試料特有光学的異方性(LB(直線複屈折)、LD(直線二色性))とのカップリング効果により見かけシグナルが生じ、検出されるシグナルは、分子あるいは原子の3次元配列によるキラルセンス(sense)に由来するシグナルに固体試料特有の光学的異方性が関与するシグナルが重畳するため、求める試料のキラルセンスのみに由来するシグナルを得ることができないからである。
そこで発明者は新しい解析法・装置開発を行い、発明者は、非溶液試料ゲル、単結晶微粉末固体高分子フィルムなど)の真のキラリティを得ることが可能な装置として、同期検波法を用いた一次元分光計から成る第一世代の測定装置を提案した。しかし、この第一世代の測定装置における、光学的異方性試料のキラリティ測定には、複雑な解析法が必要で、特別な場合を除いて直接、純粋な偏光現象を得ることができなかったため、発明者は、Stokes-Mueller matrix解析を用いた偏光解析が不要な第二世代の測定装置を開発し、これを提案している(特許文献1:WO2009/123307)。
前記第二世代の測定装置は、同期検波法に基づく第一世代の汎用一次元分光計と異なり、高速電子シャッターを使用し、偏光変調器(PEM)で偏光変調された特定の変調領域を抽出する。これにより得られるスペクトルは特別な解析なしに、求めるべき偏光現象の真のスペクトルを得ることが可能になる。
しかし、この第二世代の測定装置は、S/N比信号雑音比率)が悪く、分解能も低いため、S/N比及び分解能の向上が必須の課題であった。
発明者は、上記した第二世代の測定装置の問題点を解決し、動的変化の速い化学反応、凝集体のプロセル生体高分子コンフォメーション変化等のダイナミクス測定が可能な第三世代の測定装置を開発し提案した(特許文献2:特開2013−50394)。
これにより静的な測定では得られなかった、分子レベルの動的変化測定など、生体物質生理活性作用のプロセスのダイナミック構造変化測定などに適応可能となった。
発明者は、上述の固体キラル科学を軸とし、これまで観測することが出来ず、計測が不可能だった現象、光学物性を観測可能な分光装置開発を通してキラル材料開発研究を行ってきた。

0003

励起状態のキラリティを取り扱う円偏光蛍光(CPL)測定は、出現当初の1960年代は、円偏光蛍光(CPL)試料の応用範囲が限られており、特定の基礎研究のみに限定されていたが、近年、円偏光蛍光(CPL)物質が、消費電力を抑えるための高輝度液晶ディスプレイ用光源をはじめとし、記憶材料セキュリティペイントなど高度な光情報ツールとして認識され、デバイス開発の機運が高まるとともに、円偏光蛍光(CPL)測定法有用性再認識されつつある。
円偏光蛍光(CPL)分光法は、電子励起状態における分子のキラリティに関する情報を与えてくれる唯一の測定法である。しかし、Dekkersらは非特許文献1において、また、神洋爾らは非特許文献2において、円偏光蛍光(CPL)分光計が同期検波法を用いた偏光変調分光装置である以上、固体状態での真の円偏光蛍光(CPL)シグナルが得ることは困難であると言及していた。
つまり既存のCPL測定は、電子遷移吸収に基づくキラリティ測定(CD、CB)同様、光学的等方試料に限定されている。

0004

国際公開WO2009/123307号公報
特開2013−50394

先行技術

0005

H. P. J. M. Dekkers, P. F. Moraal, J. M. Timper, and J. P. Riehl, " Optical Artifacts inCircularly Polarized Luminescence Spectroscopy," Applied Spectroscopy 39, 818-821 (1985)
Yohji Shindo and Yasunori Oda, " Mueller Matrix Approach to Fluorescence Spectroscopy. Part I: Mueller Matrix Expressions for Fluorescent Samples and Their Application to Problems of Circularly Polarized Emission Spectroscopy" Applied Spectroscopy 46, 1251-1259 (1992)
Takunori Harada, Reiko Kuroda and Hiroshi Moriyama S, "Solid-state circularly polarized luminescence measurements: Theoretical analysis" Chemical Physics Letters, 530, 126-131 (2012)

発明が解決しようとする課題

0006

上記したような背景のもと、発明者は独自の計測手法を開発し、キラル光学研究を従来から推進してきており、これまで困難とされてきた上述のような光学的異方性存在下でのキラリティ測定を可能にし、さらに偏光解析不要なキラリティ測定を可能にする装置を開発しており、最近、光学的異方性を示す試料に対する円偏光蛍光(CPL)シグナル解析をStokes-Mueller行列法に基づき考案し、キラル単結晶の測定から、はじめて固体円偏光蛍光(CPL)測定を実現し、固体円偏光蛍光(CPL)理論解析(非特許文献3)に基づいて、本発明に係る円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を同一の光学系で測定する方法及び装置を発明するに至った。同期検波法に基づくCPL測定装置における、光学的異方性試料のキラリティ測定は、得られるシグナルには求めるCPLシグナルのほか直線偏光成分が関与するアーティファクトが必ず含まれる。つまり特別な場合を除いて直接、純粋なCPLシグナルを得ることが出来ない。そこで、発明者は、偏光分光解析威力を発揮するStokes-Mueller matrix解析を用い、アーティファクトを取り除き真のCPLシグナルのみを得る固体円偏光蛍光(CPL)理論解析を考案し、これを提案した(非特許文献3)。まず基底状態と励起状態の直線偏光成分である直線二色性(LD)と直線偏光蛍光(LPL)をPEM変調周波数(50kHz)の高調波(100kHz)成分から試料のプラスおよびマイナス光学軸を求める。求めたプラスとマイナスの光学軸にサンプルを設置し、その位置でCPL測定を行い、平均化することでLPL成分を取り除き、真のCPLシグナルのみ得ることが可能となる。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る円二色性スペクトル及び円偏光蛍光の測定方法は、光源から出射した光を、サンプルに照射し、サンプルから出力された光の円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定する方法であって、光源とサンプルとの間に励起モノクロメータを配置し、サンプルと検出器との間にPEM及びCD兼用発光側モノクロメータを配置して成る光学系を使用し、前記励起モノクロメータを、円偏光蛍光を測定する場合は光源から出射した光を単色光とする分光器として機能させ、円二色性スペクトルを測定する場合には分光器として機能せずに0次光を出射するよう機能させることにより、同じ光学系を用いて円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定することを特徴とする。
前記励起モノクロメータとサンプルとの間には無偏光子及びレンズが設けられる。無偏光子は検出器で得られるシグナルのS/N比に大きく関与する素子で、これを設けることにより、検出器において高いS/N比を得ることができる。
また、前記無偏光子及びレンズの間に、光学軸45度を持つ偏光子光路出入可能に設けることができる。この場合、検出器に入射する光の光電気とPEM変調周波数とを同期させるロックインアンプが設けられ、該ロックインアンプが50kHと100kHとで検出器とPEMとを同期させ得る。45度に光学軸を持つ偏光子が光路にない場合は50kHと100kHでそれぞれCD及びLDシグナルがえられる。また該偏光子が光路にある場合は、LB,CBがそれぞれ検出されうる。
本発明に係る円二色性スペクトル及び円偏光蛍光の測定装置は、光源から出射した光を、サンプルに照射し、サンプルから出力された光の円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定する装置であって、光源とサンプルとの間に励起モノクロメータを配置し、サンプルと検出器との間にPEM及びCD兼用発光側モノクロメータを配置して成る光学系を使用し、前記励起モノクロメータを、円偏光蛍光を測定する場合は光源から出射した光を単色光とする分光器として機能させ、円二色性スペクトルを測定する場合には分光器として機能せずに0次光を出射するよう機能させることにより、同じ光学系を用いて円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定するように構成したことを特徴とする。
前記励起モノクロメータとサンプルとの間には無偏光子及びレンズが設けられる。無偏光子は検出器で得られるシグナルのS/N比に大きく関与する素子で、これを設けることにより、検出器において高いS/N比を得ることができる。
また、前記無偏光子及びレンズの間に、光学軸45度を持つ偏光子を光路に出入可能に設けることができる。この場合、検出器に入射する光の光電気とPEM変調周波数とを同期させるロックインアンプが設けられ、該ロックインアンプが50kHと100kHとで検出器とPEMとを同期させ得る。45度に光学軸を持つ偏光子が光路にない場合は50kHと100kHでそれぞれCD及びLDシグナルがえられる。また該偏光子が光路にある場合は、LB,CBがそれぞれ検出されうる。

発明の効果

0008

本発明に係る円二色性スペクトル及び円偏光蛍光の測定方法は、光源から出射した光を、サンプルに照射し、サンプルから出力された光の円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定する方法であって、光源とサンプルとの間に励起モノクロメータを配置し、サンプルと検出器との間にPEM及びCD兼用発光側モノクロメータを配置して成る光学系を使用し、前記励起モノクロメータを、円偏光蛍光を測定する場合は光源から出射した光を単色光とする分光器として機能させ、円二色性スペクトルを測定する場合には分光器として機能せずに0次光を出射するよう機能させることにより、同じ光学系を用いて円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を測定するので、励起モノクロメータを分光器として使用した場合には、試料の円偏光蛍光スペクトルを測定することが可能になり、励起モノクロメータを分光器として使用せずゼロ次光を用いる場合には円二色性を測定することが可能になり、試料の円二色性スペクトルと円偏光蛍光とを同一の光学系を用いて測定することが可能になる。
同一の装置での試料の円二色性スペクトルと円偏光蛍光との測定は、偏光シグナル解析の時に、装置及び光学定数にずれが生じないため、解析の簡略化が可能になる。
また、前記励起モノクロメータとサンプルとの間に無偏光子及びレンズを設けることにより、検出器において高いS/N比を得ることができる。
さらに、前記無偏光子及びレンズの間に、光学軸45度を持つ偏光子を光路に対して出入可能に設け、検出器に入射する光の光電気とPEM変調周波数とを同期させるロックインアンプにより50kHと100kHとで検出器とPEMとを同期することができるように構成することにより、45度に光学軸を持つ偏光子が光路にない場合は50kHと100kHでそれぞれCD及びLDシグナルがえられ、また該偏光子が光路にある場合は、LB,CBがそれぞれ検出され得る。
上記したように構成することで、同一の装置で基底および電子遷移励起状態のすべての偏光スペクトル(CD,CB,LD,LB,CPL,LPL)を得ることが可能となる。

図面の簡単な説明

0009

本発明に係る円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を同一の光学系で測定する方法を実施することができる装置の光学系を示す図である。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下、添付図面に示した実施例を参照して本発明に係る円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を同一の光学系で測定する方法及び装置の実施の形態について説明していく。

0011

図1は、本発明に係る円二色性スペクトル及び円偏光蛍光を同一の光学系で測定する方法を実施することができる装置の光学系を示す図である。
図面に示すように、この光学系は、光源1、レンズ2、励起モノクロメータ3、レンズ4、直角プリズム5、無偏光子6、偏光子6’、レンズ7、サンプルセル8、レンズ9、PEM10、検光子11、直角プリズム12、レンズ13、CD兼用発光側モノクロメータ14、レンズ15及び検出器16を有する。符号17は、PEM10及び検出器に入射する光の光電流とPEM変調周波数と同期させるロックインアンプである。
光源1から出射した光はレンズ2により集光されて励起モノクロメータ3に入射する。
励起モノクロメータ3は、円偏光蛍光を測定する場合は光源1から出射した光を任意の単色光とする分光器として機能し、円二色性スペクトルを測定する場合には分光器として機能せずに0次光(即ち、透過光)を出射する。即ち、この光学系では、励起モノクロメータ3の動作を切り替えることにより、円偏光蛍光の測定と円二色性スペクトルの測定とを切り替えることができるように構成されている。
円二色性スペクトルを測定する場合、励起モノクロメータ3から出射した白色光は、レンズ4を介して直角プリズム5に入り、直角プリズム5で90°屈折されて無偏光子6に入り、無偏光子6にて偏光成分が除去された後、レンズ7を介してサンプルセル8に入射する。サンプルセル8には、入射光に対して垂直な面(Y−Z面)において高精度のパルスモーターで360°回転する機構が設けられており、これによりサンプルセル8を360度回転させて光学軸を取得して、直線偏光成分である直線二色性(LD)および直線複屈折(LB)を取り除くように構成されている。
サンプルセル8から出射した光は、レンズ9を介してPEM10に入り、PEM10において、50kHzの変調周波数で変調される。PEM10から出射した光は、検光子11を通過することで試料由来の左右の円偏光成分を分離する。直角プリズム12及びレンズ13を介してCD兼用発光側モノクロメータ14に入り、その後、レンズ15を介して検出器16に入射する。
円偏光蛍光スペクトルを測定する場合、励起モノクロメータ3から出射した任意の単色励起光は、レンズ4を介して直角プリズム5に入り、直角プリズム5で90°屈折されて無偏光子6に入り、無偏光子6にて偏光成分が除去された後、レンズ7を介してサンプルセル8に保持された円偏光蛍光試料に入射する。サンプルセル8は、上記したようにパルスモーターによって360°回転され、これにより光学軸を取得して、直線偏光成分である直線偏光蛍光(LPL)が取り除かれる。サンプルセル8の試料から発光した左右円偏光は、レンズ9を介してPEM10に入り、PEM10において、50kHzの変調周波数で変調される。PEM10から出射した光は、検光子11を通過することで試料由来の左右円偏光蛍光成分を分離する。直角プリズム12及びレンズ13を介してCD兼用発光側モノクロメータ14に入り、その後、レンズ15を介して検出器16に入射する。
検出器16は、受光した光強度に応じた電気信号に基づいて試料の円二色性スペクトル又は円偏光蛍光スペクトルを算出する。

0012

ところで、前記偏光子6’は、光路に対して出入可能に設けられており、基底状態の円二色性スペクトルを測定する光学系において、光学軸45度をもつ偏光子6‘を光路に挿入した場合には、検出器16で検出されるシグナルは50kHz、100kHzでそれぞれ直線複屈折(LB)、円複屈折(CB)となる。
また、光学軸45度を持つ前記偏光子6’が光路から外されている場合には、ロックインアンプ17における検出器16と同期する周波数をPEM参照周波数の高調波100kHzとするならば、CDモードではLD(直線二色性スペクトル)をCPLモードではLPL(直線偏光蛍光スペクトル)を検出することが可能である。

0013

上記したように、本実施例によれば、励起モノクロメータ3の動作を切り替えることにより、同一の光学系を用いて円偏光蛍光の測定と円二色性スペクトルの測定とを行うことができるようになる。
また、同一の光学系を用いて円偏光蛍光の測定と円二色性スペクトルの測定とを行うにより、偏光シグナル解析の時に、装置及び光学定数にずれが生じないため、偏光解析の簡略化が可能になる。また、各光学素子の高精度な光学軸調整を行い、光学素子の非理想性を出来るだけ回避し、10−3OD以下の静的残留複屈折をもつ光学素子を厳選して導入することで、カップリング効果由来のartifactシグナルを最小化することも可能になる。
また、同一の光学系を用いて円偏光蛍光の測定と円二色性スペクトルの測定とを行うことができるので、円二色性スペクトル測定では、シグナル強度の弱い禁制遷移試料のキラリティ判別が困難なケースにおいても、円偏光蛍光測定から基底状態のキラリティ認識を行える汎用性の高いキラリティ分光計となる。

0014

上記した実施例では、光学系の中に直角プリズムが設けられているが、この直角プリズムは必須のものではない。

0015

1光源
2レンズ
3励起モノクロメータ
4 レンズ
5直角プリズム
6無偏光子
6’偏光子
7 レンズ
8試料
9 レンズ
10 PEM
11検光子
12 直角プリズム
13 レンズ
14 CD兼用発光側モノクロメータ
15 レンズ
16検出器
17電気

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