図面 (/)

技術 腹膜透析装置用カートと可搬型腹膜透析装置

出願人 テルモ株式会社
発明者 中西庸一水町淑美吉岡順子
出願日 2013年11月26日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2013-243949
公開日 2015年6月4日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2015-100558
状態 特許登録済
技術分野 体外人工臓器
主要キーワード 覆いカバー 断面凹型 各連結フレーム 曲げパイプ ワイヤー部材 チューブ保持部材 楕円枠 ブレーキレバ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年6月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

患者使用者)が介護施設等で日常を過ごしている際に、患者の移動場所に応じて、腹膜透析装置を容易に搬送することができる腹膜透析装置用カートを提供する。

解決手段

腹膜透析装置用カート1は、腹膜透析装置100を搬送する装置であって、走行用車輪4,5を有し、腹膜透析装置用カート1を押すための一対のハンドル部6,6が後方に延びており、一対のハンドル部6,6の間の位置には、腹膜透析装置100を載置する載置部8が配置されている。

概要

背景

例えば、腎臓の機能の低下により血液透析を受ける必要がある患者は、週に3,4回通院して、血液透析装置により4,5時間も拘束されながら血液透析を受けている。このため、患者の利便性の観点から、患者が入所している介護施設等や自宅腹膜透析装置を配置して、介護施設等の職員患者自らが腹膜透析装置を操作するようになってきている。通常、自動腹膜透析装置は夜間就寝中に使用されることが多いが、チューブ閉塞等のアラーム発生時に就寝中のため患者自らが対処できず、また夜間の職員が少なかったりするために、スムースに対応出来ない場合がある。そのため介護施設等では日中に自動腹膜透析装置を稼働させることが増えている。

概要

患者(使用者)が介護施設等で日常を過ごしている際に、患者の移動場所に応じて、腹膜透析装置を容易に搬送することができる腹膜透析装置用カートを提供する。腹膜透析装置用カート1は、腹膜透析装置100を搬送する装置であって、走行用車輪4,5を有し、腹膜透析装置用カート1を押すための一対のハンドル部6,6が後方に延びており、一対のハンドル部6,6の間の位置には、腹膜透析装置100を載置する載置部8が配置されている。

目的

本発明は、患者(使用者)が介護施設等で日常を過ごしている際に、患者の移動場所に応じて、腹膜透析装置を容易に搬送することができ、患者のQOLを向上できる腹膜透析装置用カートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

腹膜透析装置を搬送する腹膜透析装置用カートであって、前記腹膜透析装置を載置する載置部を有する本体と、この本体の下端に設けた走行用車輪と、前記本体に取付けハンドル部とを備えることを特徴とする腹膜透析装置用カート。

請求項2

前記本体の下端に前記車輪が支持がされており、前記本体は、両側面に縦方向に沿って延びる主フレーム部を有し、前記両側面の主フレーム部の間に連結部材を有するとともに、該連結部材を利用して前記腹膜透析装置を載置するための載置部が設けられていて、前記本体の適所透析液バッグ吊り下げる吊り下げ具を備え、吊り下げ具の配置位置は、前記載置部よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の腹膜透析装置用カート。

請求項3

前記ハンドル部は、前記本体の両側部において、上下方向に沿って延びるフレーム部がそれぞれ配置されていて、該各フレーム部の上部領域は、把持するための部分として、前記フレーム部の上方端部が後方に延びた把持部とされることで、これら把持部どうしの間のであるカート後方領域作業用の空間が形成され、前記車輪には制動をかける制動装置を備え、前記制動装置は、ハンドル部に設けられたブレーキレバーと、ブレーキレバーを一方に操作することにより車輪に当たって車輪の回転を止め、ブレーキレバーを他方に操作することで車輪の回転を止めた状態を維持する制動部材とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の腹膜透析装置用カート。

請求項4

前記左右の主フレーム部の間にパイプまたは棚板複数段設けることで、このひとつの段を利用して前記腹膜透析装置の載置部を形成し、さらにこれとは別に、腹膜灌流回路用の2本のチューブ加熱溶融して加圧接合するための無菌接合装置を載置する別の載置部を備え、好ましくは、前記無菌接合装置を載置する別の載置部は、前記腹膜透析装置を載置する前記載置部よりも高い位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の腹膜透析装置用カート。

請求項5

前記腹膜透析装置の載置部には、該腹膜透析装置の表示部が後方に向けられて載置されるようになっており、これにより、前記作業用の空間にいる操作者が腹膜透析装置を操作できる構成としたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の腹膜透析装置用カート。

請求項6

前記無菌接合装置を載置する前記別の載置部と、前記腹膜透析装置を載置する前記載置部は、前後方向にスライド可能とされていることを特徴とする請求項4または5に記載の腹膜透析装置用カート。

請求項7

前記複数段の載置部を利用して、あるいは載置ではなく吊り下げ式により、使用済みの透析液を入れる排液収納容器を保持する載置部もしくは保持部が、前記本体の最も下部に配置されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の腹膜透析装置用カート。

請求項8

前記排液収納容器の載置部に載置された前記収納容器を覆うための覆い部材を備えることを特徴とする請求項7に記載の腹膜透析装置用カート。

請求項9

前記腹膜透析装置から出ているチューブをまとめて保持するチューブ保持部材を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の腹膜透析装置用カート。

請求項10

腹膜透析装置を搬送することができるカートを有する可搬型腹膜透析装置であって、腹膜透析装置用のカートが、前記腹膜透析装置を載置する載置部を有する本体と、この本体の下端に設けた走行用の車輪と、前記本体に取付けたハンドル部とを備えることを特徴とする可搬型腹膜透析装置。

技術分野

0001

本発明は、腹膜透析装置等を搬送するための腹膜透析装置用カート可搬型腹膜透析装置に関する。

背景技術

0002

例えば、腎臓の機能の低下により血液透析を受ける必要がある患者は、週に3,4回通院して、血液透析装置により4,5時間も拘束されながら血液透析を受けている。このため、患者の利便性の観点から、患者が入所している介護施設等や自宅に腹膜透析装置を配置して、介護施設等の職員患者自らが腹膜透析装置を操作するようになってきている。通常、自動腹膜透析装置は夜間就寝中に使用されることが多いが、チューブ閉塞等のアラーム発生時に就寝中のため患者自らが対処できず、また夜間の職員が少なかったりするために、スムースに対応出来ない場合がある。そのため介護施設等では日中に自動腹膜透析装置を稼働させることが増えている。

先行技術

0003

特開2009−11667号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、例えば介護施設に入所している患者は、必要に応じて、特許文献1に記載されているような腹膜透析装置が載置されている場所に移動して透析を行う。通常の腹膜透析装置は10kg前後の重さがある重量物であるので、腹膜透析装置を移動しないで腹膜透析装置を収容棚に載置した据え置きの状態で用いる。このため、患者が透析中は、患者は腹膜透析装置が載置されている場所から離れて移動することが容易ではない。

0005

従って、患者が透析中は、患者は食事レクリエーションのために、腹膜透析装置が載置されている場所からリビング等に場所を移動することができず、腹膜透析装置の載置場所に拘束されてしまう。このため、介護施設等の職員や患者にとって、腹膜透析装置の使用勝手が悪く、患者にとって透析中は拘束感や疎外感があり、患者のストレスを招くおそれがある。

0006

そこで、本発明は、患者(使用者)が介護施設等で日常を過ごしている際に、患者の移動場所に応じて、腹膜透析装置を容易に搬送することができ、患者のQOLを向上できる腹膜透析装置用カートを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の腹膜透析装置用カートは、腹膜透析装置を搬送する腹膜透析装置用カートであって、前記腹膜透析装置を載置する載置部を有する本体と、この本体の下端に設けた走行用車輪と、前記本体に取付けハンドル部とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、重量物である腹膜透析装置を載置部に載せてハンドル部を押して搬送することができるので、患者が食事やレクリエーション等のために、腹膜透析装置が載置されている場所からリビング等に場所を移動することができ、患者は、腹膜透析装置の載置場所に拘束されることがない。このため、患者(使用者)が介護施設等で日常を過ごしている際に、患者の移動場所に応じて、腹膜透析装置を容易に搬送することができる。

0008

好ましくは、前記本体の下端に前記車輪が支持がされており、前記本体は、両側面に縦方向に沿って延びる主フレーム部を有し、前記両側面の主フレーム部の間に連結部材を有するとともに、該連結部材を利用して前記腹膜透析装置を載置するための載置部が設けられていて、前記本体の適所透析液バッグ吊り下げる吊り下げ具を備え、吊り下げ具の配置位置は、前記載置部よりも高く設定されていることを特徴とする。
上記構成によれば、透析液バッグは、吊り下げ具を用いて、腹膜透析装置用カートの本体の適所に吊り下げることができ、吊り下げ具の配置位置は、前記載置部に載置されている前記腹膜透析装置の載置位置よりも高く設定されているので、重力を利用して透析液を腹膜透析装置へ容易に導くことができ、しかもこれら透析液バッグをかなり沢山の数利用しても、腹膜透析装置用カートの重量バランスを考慮してこれらを吊り下げることができ、透析液バッグが床面に当たることがなくなる。

0009

好ましくは、前記ハンドル部は、前記本体の両側部において、上下方向に沿って延びるフレーム部がそれぞれ配置されていて、該各フレーム部の上部領域は、把持するための部分として、前記フレーム部の上方端部が後方に延びた把持部とされることで、これら把持部どうしの間のであるカート後方領域作業用の空間が形成され、前記車輪には制動をかける制動装置を備え、前記制動装置は、ハンドル部に設けられたブレーキレバーと、ブレーキレバーを一方に操作することにより車輪に当たって車輪の回転を止め、ブレーキレバーを他方に操作することで車輪の回転を止めた状態を維持する制動部材とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、ブレーキレバーを一方に操作すれば車輪の回転を止めることができるので、腹膜透析装置用カートを移動する際の制動操作を行える。しかも、腹膜透析装置用カートを所定の位置に移動した後は、ブレーキレバーを他方に操作することで車輪の回転を止めた状態を維持できることから、腹膜透析の際に腹膜透析装置用カートを安全に停止させておくことができる。しかもその状態で、使用者または介助者は前記作業の空間に身を置いて、可搬用腹膜透析装置等、本体に装備した物を容易に使用・操作することができる。

0010

好ましくは、前記左右の主フレーム部の間にパイプまたは棚板複数段設けることで、このひとつの段を利用して前記腹膜透析装置の載置部を形成し、さらにこれとは別に、腹膜灌流回路用の2本のチューブ加熱溶融して加圧接合するための無菌接合装置を載置する別の載置部を備え、好ましくは、前記無菌接合装置を載置する別の載置部は、前記腹膜透析装置を載置する前記載置部よりも高い位置に配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、腹膜透析装置だけでなく、無菌接合装置をも同時に運ぶことができ、無菌接合装置が腹膜透析装置よりも上側にあるので、無菌接合装置におけるチューブの無菌接合作業が容易に行える。
好ましくは、前記腹膜透析装置の載置部には、該腹膜透析装置の表示部が後方に向けられて載置されるようになっており、これにより、前記作業用の空間にいる操作者が腹膜透析装置を操作できる構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、使用者または介助者は前記作業の空間に身を置いて、可搬用腹膜透析装置を使用・操作するに当たり、きわめて使いやすい。

0011

好ましくは、前記無菌接合装置を載置する前記別の載置部と、前記腹膜透析装置を載置する前記載置部は、前後方向にスライド可能になっていることを特徴とする。
上記構成によれば、無菌接合装置を載置する別の載置部と、腹膜透析装置を載置する載置部は、スライドさせて前後どちらかに引き出し、位置を変えることができるので、チューブの無菌接合作業や腹膜透析装置の操作作業等がより容易に行える。

0012

好ましくは、前記複数段の載置部を利用して、あるいは載置ではなく吊り下げ式により、使用済みの透析液を入れる排液収納容器としての排液バッグ排液タンク)を保持する載置部もしくは保持部が、前記本体の最も下部に配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、重量物である排液バッグが最も下部に配置されるので、腹膜透析装置用カートの重心を下げることができ、腹膜透析装置用カートの走行が安定する。

0013

好ましくは、前記排液バッグの載置部に載置された前記排液バッグを覆うための覆い部材を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、排液が収容される排液バッグを覆い部材により覆うことができるので、排液バッグは見えなくなり、排液バッグの存在を気にしなくて済む。
好ましくは、前記腹膜透析装置から出ているチューブをまとめて保持するチューブ保持部材を有することを特徴とする。
上記構成によれば、複数本のチューブをまとめることができるので、腹膜透析装置用カートの移動に支障がでない。

0014

好ましくは、腹膜透析装置を搬送することができるカートを有する可搬型腹膜透析装置であって、腹膜透析装置用のカートが、前記腹膜透析装置を載置する載置部を有する本体と、この本体の下端に設けた走行用の車輪と、前記本体に取付けたハンドル部とを備えることを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明は、患者(使用者)が介護施設等で日常を過ごしている際に、患者の移動場所に応じて、腹膜透析装置を容易に搬送することができる腹膜透析装置用カートと可搬型腹膜透析装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の腹膜透析装置用カートの好ましい実施形態を示す斜視図。
図1に示す腹膜透析装置用カートを矢印V方向から見た斜視図。
図1に示す腹膜透析装置用カートを矢印S方向から見た斜視図。
第2載置部の形状例と、透析液バッグの吊り下げ具の形状例を示す斜視図。
腹膜透析装置の構造例を示す斜視図。
第1載置部に載置された状態の無菌接合装置を示す斜視図。
図7(A)は、各チューブをまとめて保持している様子と、排液タンクHTと、第2載置部に載置されている腹膜透析装置等を示す斜視図であり、図7(B)は、第3載置部に載置されている排液タンクHTや、吊り下げられている透析液バッグBG等を示す斜視図。
腹膜透析装置用カートの制動装置の機能を示す図。
図9(A)は、第1載置部には無菌接合装置等が載置され、第2載置部には腹膜透析装置が載置されている載置例を示している。図9(B)は、第1載置部には腹膜透析装置が載置され、第2載置部には無菌接合装置等が載置されている載置例を示す図。
腹膜透析装置用カートが、例えばリビングにおいて、患者の傍に位置された状態を示す図。

実施例

0017

以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の腹膜透析装置用カートの好ましい実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示す腹膜透析装置用カートと可搬型腹膜透析装置を矢印V方向から見た斜視図である。図3は、図1に示す腹膜透析装置用カートを矢印S方向から見た斜視図である。

0018

図1ないし図3を参照して、本発明の実施形態の腹膜透析装置用カート1の構造例を説明する。
図1ないし図3に示す腹膜透析装置用カート1は、腹膜透析装置100を載置して搬送でき、必要に応じて無菌接合装置200等を載置して同時に搬送することができる。腹膜透析装置用カート1は、腹膜透析装置用キャリアあるいは腹膜透析装置用搬送装置等ともいう。

0019

腹膜透析装置(自動腹膜透析装置)100は、腎臓の機能の低下により血液透析を受ける必要がある患者の利便性の観点から患者がいる介護施設等に配置して、介護施設等の職員や患者自身が操作して、入力された透析治療条件に基づいて自動で腹膜透析を行うためのものである。腹膜透析装置100は、例えば10kg前後の重さがある。このような腹膜透析装置100を使用する場合には、患者の腹膜透析に関する臨床データとしての、尿量,排液量,残Kt/V,PD Kt/V(腹膜透析によるKt/V),PET試験に基づくCr D/P(血清中クレアチニン濃度Pと腹膜透析排液中のクレアチニン濃度Dとの比)等を医師診察し、その診察結果である処方に基づいた透析内容に従わなければならない。そこで、病院では、医師が処方内容を記載した書面あるいは処方条件を記憶した記憶カードを患者に渡し、患者は介護施設等に帰って、腹膜透析装置100に対して処方どおりの内容を設定するかまたは記憶カード処方条件を腹膜透析装置(自動腹膜透析装置)100の読取り部で読み取ることで、自動的に腹膜透析を受けるようにしている。

0020

腹膜透析装置100では、商用電源AC電源)を電源にし、その主要な動作部として、腹膜透析液バッグからの送液のためのチューブや、クランプ等送液の切換部、および送液の駆動力を与えるためのダイヤフラムポンプ腹膜透析液の加温部等をひとまとめにセットし、チューブ一式付帯するカセット及びチューブ一式を用いている。腹膜透析装置100を用いての透析治療は、患者の腹腔内に透析液を所定量注液し、腹腔内に所定時間貯留して、腹膜を介して透析処理を受け、その後腹腔から排液を行うようにしており、この透析液の注液、貯留、排液により1サイクルの腹膜透析処理としている。

0021

また、無菌接合装置200は、腹膜灌流回路用の2本のチューブを加熱溶断してそして加圧接合する装置である。この無菌接合装置200は、例えば腹膜透析液バッグの透析液チューブと、腹膜透析をする際に使用される患者の腹膜カテーテル側のチューブを溶断して、無菌状態加圧して接合するのに用いられる。無菌接合装置200は、腹膜透析装置100よりも軽いがそれでも重量物である。
なお、この実施形態で以下に説明する構成は、カートに腹膜透析装置を載置する構造に関するものであるから、この構造全体として可搬型腹膜透析装置を構成するものである。

0022

図1に示すように、腹膜透析装置用カート1は、左右の主フレーム部2,2と、複数本の連結部材3A,3B,3C,3D,3Eと、2つ(1対)の前輪4,4と、これよりも外径が1/2程度の2つ(1対)の後輪5,5と、左右のハンドル部6,6とを備えていて、これらの基本構造を本体、もしくは主フレーム体とすることができる。
一本あるいは、この実施形態のように複数本の連結部材(例えばパイプ)3A,3B,3C,3D,3E等や棚板等を利用して、装置の載置部を形成することができ、この実施形態では、複数の載置部を設けている。例えば、このカートでは、上段の第1載置部7と、中段の第2載置部8と、下段の第3載置部9を有している。第1載置部7は、無菌接合装置200を搭載する部分であり、第2載置部8は、腹膜透析装置100を搭載する部分であり、そして第3載置部9は、透析液の排液を収容する排液収納容器HTとしての排液バッグまたは排液タンクを搭載する部分である。
次に、ハンドル部の構成を説明する。左右の斜め縦方向に延びて、下から上へ立ち上がる主フレーム部2,2は、金属製のパイプから作られており、左右の主フレーム部2,2は、それぞれ第1支持フレーム部11と第2支持フレーム部12から構成されている。左側の第1支持フレーム部11の上端部は折り曲げられて後方に延びてハンドル部6と握り部を形成している。
このハンドル部6にはブレーキレバー10が設けられており、右側の第1支持フレーム部11の上端部も折り曲げられて後方に延びてハンドル部6と握り部を形成している。このハンドル部6には、握り部とブレーキレバー10が設けられている。各ハンドル部6のパイプ部分6Aは、第1支持フレーム部11の上端部に差し込まれており、調節ネジ6Nを回転して緩めることで、ハンドル部6の高さの調整を行え、再度調製ネジ6Nを回転して閉めることで、ハンドル部6の高さを保持できる。
この実施形態では、ハンドル部は左右同一構造の一対の折り曲げパイプで形成されているが、このように左右分離構した構造に限らず、ハンドル部は上端でカート後方をぐるりと回り込み一体として、左右後端に別体の握り部を形成するような構成としてもよい。

0023

左側の第1支持フレーム部11の下端部には、前輪4が回転可能に取り付けられており、右側の第1支持フレーム部11の下端部にも、前輪4が回転可能に取り付けられている。しかも2つの前輪4は、腹膜透析装置用カート1を方向転換するために転回できる。各第2支持フレーム部12の上端部12Aは、第1支持フレーム部11の上端位置に連結されている。

0024

図1に示すように、連結部材3Aは、左右の第1支持フレーム部11,11の上端部を連結しており、連結部材3Bは、左右の第1支持フレーム部11,11の下端部を連結している。連結フレーム3Cは、左右の第2支持フレーム部12,12の上端部を連結している。各連結フレーム3Dは、第1支持フレーム部11の下端部と第2支持フレーム部12の下端部を連結している。連結部材3Eは、左右の第1支持フレーム部11,11の中間部を連結している。
このように、腹膜透析装置用カート1の左右の主フレーム部2,2は、連結部材3A,3B,3C,3D,3Eを用いて連結により補強されているので、重量物である腹膜透析装置100や無菌接合装置200等を必要に応じて同時に載置して搬送することができる。

0025

図1に示すように、左右のハンドル部6は、それぞれ握り部6Bを有している。各ハンドル部6のパイプ部分6Aには、ブレーキレバー10の支持部6Cが固定されている。ブレーキレバー10は、被覆部材で覆われたワイヤー部材10Aを介して、後輪5に配置されたブレーキシュー図1では図示せず)に連結されている。これにより、介護施設等の職員または患者自身が、ブレーキレバー10を矢印RZ方向に引き上げることにより、後輪5の回転を止めて、腹膜透析装置用カート1の動きを停止させるようになっている。

0026

次に、図1から図3に示す第1載置部7と、第2載置部8と、そして第3載置部9の構造例について、順次説明する。第1載置部7は、左右の主フレーム部2,2の最上段に位置され、第2載置部8は中段に位置され、そして第3載置部9は下段に位置されている。
まず、図1から図3に示す第1載置部7の構造例を説明する。
第1載置部7は、ハンドル部6と同じ程度の高さ位置に水平になるように設けられている。第1載置部7は、支持枠20と、この支持枠20の上に置かれた例えば金属製の長方形状の載置板21を有している。支持枠20は、軽量化のためにパイプ状の2本の長い支柱20Aと2本の短い支柱20Bと、長方形支持枠体20Cを有している。支持枠体20Cは、載置板21を保持している。

0027

支持枠体20Cの四隅部分は、2本の長い支柱20Aと2本の短い支柱20Bの上端部に連結されている。2本の長い支柱20Aの下端部は、対応する位置の第1支持フレーム部11の下端部に連結され、2本の短い支柱20Bの下端部は、対応する位置の第1支持フレーム部11の上端部に連結されている。
なお、図2に示すように、支持枠20の下部には、ポケット部29が設けられている。このポケット部29には、透析液バッグや、その他の物を収容しておくことができる。

0028

図2に示すように、このような構造を有する第1載置部7の載置板21はこの実施形態では天板であり、この上には、例えば無菌接合装置200等が載置できる。ただし、図2に示すように、この無菌接合装置200等が、腹膜透析装置用カート1の移動中に位置ずれしないようにするために、載置板21は断面凹型に形成されていて、載置板21の四辺部分は盛り上げ部分21Aとなっている。これにより、無菌接合装置200等が、腹膜透析装置用カート1の移動中に位置ずれしたり、落下するのを防止している。

0029

次に、図1に示す第2載置部8の構造例と説明する。
図1に示すように、第2載置部8は、金属製あるいはプラスチック製の板状(棚板)で長方形状の部材であり、連結部材3C、3Eにより水平になるように固定されている。この部分はいたでなく並列するパイプで形成してもよい。第2載置部8は、例えば腹膜透析装置100を載置するために設けられている。図1図2に示すように、第2載置部8の後側である左右のハンドル部6側は、腹膜透析装置100を出し入れし易いように、開放されている。

0030

図4(A)と図1に示すように、この第2載置部8の四隅位置には、腹膜透析装置100が腹膜透析装置用カート1の移動中に位置ずれしないようにするために、好ましくは位置決め用穴部8Aを有している。この腹膜透析装置100の底面には、四隅部分に突起部100Wが設けられている。第2載置部8上に腹膜透析装置100を置くと、これらの突起部100Wが、位置決め用の穴部8A内にはまりこむ。これにより、重量物である腹膜透析装置100が、腹膜透析装置用カート1の移動中に位置ずれしたり、万が一にも落下しないようになっている。
しかも,突起部100Wの形状を前後で(A)、位置決め用の穴部8Aをこれらに対応する形状とする等の工夫することなどにより、腹膜透析装置100を、カートの進行方向に関して後方を向くように位置決めすることができる。
これにより、図2手前の空間であるハンドル部6,6の間の領域を、カートに搭載した機器の操作のために、人が位置して、作業するための好適な作業領域あるいは作業空間とすることができる。

0031

次に、図1から図3に示す第3載置部9の構造例を説明する。
第3載置部9としては、図1から図3に示すように、排液収納容器である排液タンクHTを支持するために、例えば網状のを用いている。
第3載置部9は、4本の吊り下げ部材9A1,9A2,9A3,9A4により左右の主フレーム部2,2に対して固定されている。排液収納容器HTは、例えば排液の状態を見て確認できるように、透明のプラスチック製の可撓性のバッグまたはある程度の強度を有するタンク容器)である。前者の場合、排液をいったんトイレ等に流した後、折り畳んで廃棄でき、後者の場合、排液をいったんトイレ等に流した後も繰り返し使用できる。

0032

図2図3に示すように、重量物である排液タンクHTは、腹膜透析装置用カート1の最も下位に位置されている第3載置部9上に、ハンドル部6側から矢印K1方向に沿って載せたり、逆に矢印K2方向に降ろしたりることができる。第3載置部9の左右のハンドル部6側では、吊り下げ部材9A1と9A2との間、9A3と9A4との間は、排液収納容器である排液タンクHTの幅よりも2割〜5割程度大きく離間することで、排液タンクの積み下ろし作業に邪魔にならいないように設けられている。これにより、排液タンクを第3載置部9に載せたり、第3載置部9から降ろす動作が容易にできる。
しかも、排液タンクHTは、最下段の第3載置部9に載せることで、腹膜透析装置用カート1の重心が下がるので、腹膜透析装置100と無菌接合装置200を載せた腹膜透析装置用カート1の走行時の走行安定性と停止時の安定性を確保できる。ただし、第3載置部9は、網状の棚ではなく、プラスチックや金属の板状の部材であっても良い。また、このような棚でなく、フレームを利用して吊下げるようにしてもよい。
しかしながら、本実施形態の排液収納容器である排液タンクHTを網谷板の棚で下から覆うと、カート走行中でも、排液収納容器を傷つけることを防止することができる。

0033

次に、図1から図3を参照して、吊り下げ具30,31について説明する。
図2図3に例示するように、吊り下げ具30,31は、透析液が1000mL〜2000mL収納された透析液バッグBGをそれぞれ着脱可能に吊り下げる掛止手段である。吊り下げ具30,31は、透析液バッグBGをそれぞれ着脱可能に吊り下げるために、第1載置部7の支持枠20に取り付けられている。
支持枠20は、好ましくは本体のもっとも高い位置である上端の四方を囲むような枠体楕円枠等でもよい。)であることが好ましく、少なくともカートの左右に前後方向に平行に沿って平行に延びる一対の支持枠体20C,20Cを有していることがさらに好ましい。
3つの吊り下げ具30が、第1載置部7の支持枠20の右側に取り付けられている。同様にして、3つの吊り下げ具31が、第1載置部7の支持枠20の左側に取り付けられている。吊り下げ具30,31の配置位置は、好ましくは第2載置部8に載置されている腹膜透析装置100の高さ位置よりも高くなるようにしている。これにより、透析液を高い一から低い位置にある可搬性腹膜透析装置100に重力に沿って容易に導くことができる。しかも、縦方向に長い透析液バッグBGを、第1載置部7の支持枠20の左右位置に、ほぼ同数取り付けることで、腹膜透析装置用カート1の左右の重量バランスを取り、走行時に重量バランスを好適な状態にすることがでる。
吊り下げ具30,31は、同じ形状のものであるが、それぞれ必要に応じて、例えば吊り下げようとする透析液バッグBGの薬液の種類に応じて、吊り下げ具30,31の設置数増減したり、異なる色の吊り下げ具30,31を取り付けることができる。これにより、介護従事者あるいは患者自身は、どの種類の透析液バッグBGをどの吊り下げ具30,31に吊り下げれば良いかが明確に判る。

0034

各吊り下げ具30,31は、図4(B)に示すように、支持枠20の支持枠体20Cに対して着脱可能に取り付けられている。各吊り下げ具30,31は、取付基部32と、C字型フック部33と、帯状装着部34を有している。取付基部32とフック部33は、例えばプラスチック製であり、円形状の取付基部32は、フック部33の上端部をF方向に回転可能に取り付けている。フック部33は、透析液バッグBGの穴部BHに通すことで、透析液バッグBGを、着脱可能に吊り下げることができる。
ただし、より好ましくは、円形状の取付基部32は、フック部33の上端部を回転可能しないように取り付けても良い。これにより、フック部33は、取付基部32に対して回転しないで常に同じ方向に向いているので、介護施設等の職員や患者自身が、フック部33に対して透析液バッグBGを掛けたり、取り外したりし易いので、透析液バッグBGの着脱作業性が向上する。
装着部34は、例えば面ファスナ等を用いており、装着部34を支持枠20の支持枠体20Cに巻き付けることにより、取付基部32を支持枠20の支持枠体20Cに対して着脱可能に取り付けることができる。各吊り下げ具30,31が不要な場合には、取り外すことができる。

0035

図2図3に示すように、透析液バッグBGは、第1載置部7の支持枠20の右側に最大で3つ、第1載置部7の支持枠20の左側に最大で3つ吊り下げることができる。このように、重量物である複数の透析液バッグBGは、第1載置部7の支持枠20の右側と左側に振り分けて吊り下げる構造になっている。これにより、図3に示すように、腹膜透析装置用カート1を前進方向FWに前進させたり、後退方向BWに後退させる際に、腹膜透析装置用カート1は、左右の重量バランスが得られるので、安定して走行させることができる。
ここで、本発明の実施形態では、腹膜透析装置用カート1における右側とは、腹膜透析装置用カート1を前進方向FWに前進させる際の右方をいい、腹膜透析装置用カート1における左側とは、腹膜透析装置用カート1を前進方向FWに前進させる際の左方をいう。

0036

図2に示すように、腹膜透析装置用カート1には、任意の位置に各種の集積用のフック部40,41,42が、設けられている。各フック部40,41,42は、各種の薬液チューブ132,133,134をまとめて保持するためのチューブ保持部材である。フック部40は、例えばハンドル部6の付近に設けられ、フック部41は、第2載置部8付近に設けられ、そしてフック部42は、第2載置部8の下部に設けられている。
これにより、複数本の薬液チューブ132,133,134を取り回して保持することが簡単にできる。そして、腹膜透析装置用カート1を第2載置部8に載せたり降ろしたりする際に、複数本の薬液チューブ132,133,134の存在が邪魔にならない。また、排液バッグHTを第3載置部9に載せたり降ろしたりする際に、複数本の薬液チューブ132,133,134の存在が邪魔にならない。ただし、フック部の設定数や設定位置は、任意に選択できる。

0037

また、図3に示すように、腹膜透析装置用カート1の前側には、フック部139が設けられている。このフック部139は、腹膜透析装置100のAC商用電源コード140をまとめて掛けて保持する。これにより、腹膜透析装置用カート1の第2搭載部8に腹膜透析装置100を搭載して移動する際に、電源コード140が邪魔にならずに納めることができる。

0038

次に、図5を参照して、図2示すように第2載置部8に載置される腹膜透析装置100の例を説明する。
図5は、腹膜透析装置100の構造例を示している。腹膜透析装置100は、上筐体部102と下筐体部103を有している。上筐体部102の中央には、カラー液晶表示部110が配置されている。上筐体部102の左右位置には、開始スイッチ111と停止スイッチ112が配置されている。
図5に示すように、下筐体部3は、蓋部材101を備えており、この蓋部材101を開けることにより、カセット装着部104が露出する。下筐体部3のカセット装着部104内には、カセットCTが着脱可能にSS方向に沿って装着できるようになっている。カセットCTを下筐体部3内に装着した後は、蓋部材101を閉じることにより、腹膜透析装置100は図2に示す使用状態になる。

0039

図5に示すこのカセットCTは、プラスチックにより作られている筐体部112を有しており、筐体部112は、ポンプ部113と、加温部114と、チューブ流路の切換部115を備える。筐体部112はほぼ平板型の部材であり、ポンプ部113は、筐体部112に固定されている。ポンプ部113は、腹膜透析液を送液するための駆動力を発揮するもので、ダイヤフラムポンプ等が使用される。ダイヤフラムポンプとは、フランジ部材により密閉状態で収容され、空気圧で加圧又は減圧される構造のものを指す。
これにより、ダイヤフラムポンプは、腹膜透析液を送液するために、加圧すると収縮し、減圧すると膨張する。

0040

図5に示すチューブ流路の切換部115は、筐体部112においてポンプ部113の横の位置に、固定されている。図1に示す上筐体部102の内部の下部には、複数のクランプ部(図5では図示せず)が設けられており、これらのクランプ部材は、チューブ流路の切換部115の対応する流路を適宜押すことで、腹膜透析液が通る流路の切り換えが行える。これにより、チューブ流路の切換部115は、カセットCT内に配置された透析液流路の途中部分を、図1に示す腹膜透析装置100の上筐体部2内に配置されたクランプ部により押さえることにより、腹膜透析液の流路を切替えて、注液処理用の流路と排液処理用の流路を切り換えることができる。図5に示す加温部114は、流路116を通る腹膜透析液を加温できる。

0041

図5に示すように、チューブ131〜134の各一端部は、カセットCT側に接続されている。チューブ131〜134の他端部が接続される接続対象例を、図5を参照して説明すると、例えば、チューブ131は、透析患者MMの腹腔に対して接続され、透析患者MMの腹腔に対して腹膜透析液を注液したり、透析患者MMの腹腔から腹膜透析液を排液するのに用いられる。チューブ132は、腹膜透析液の追加注液用の透析液バッグBGに接続され、チューブ133は、複数の腹膜透析液の注液用の透析液バッグBGに接続されている。チューブ134は、使用済みの透析液を溜めておくための排液タンクHTに接続されている。

0042

次に、図6を参照して、無菌接合装置200について簡単に説明する。
図6に例示するように、第1載置部7の載置板21の上には、例えば無菌接合装置200や透析液バッグBGが載置されている。この透析液バッグBGは、チューブ139を有し、チューブ139の先端部にはコネクタCTが取り付けられている。一方、例えば別のチューブ133の一端部は、例えばカセットCTに接続され、チューブ133の他端部TEは閉じている。2本のチューブ139、133は、無菌接合装置200の装着部220,221内において重ねて装着され、加熱して切断してチューブ139の端部T1とチューブ133の端部T2を作り、その後に上下位置を回転して入れ替える。そして、端部T1、T2に熱をかけて、端部T1、T2を圧着して接合する。これにより、透析液バッグBGのチューブ139の端部T1とチューブ133の端部T2とを接続することができる。

0043

次に、図7を参照すると、図7(A)は、複数本のチューブ131,132,133をまとめて保持している様子と、排液収納容器である排液タンクHTと、第2載置部8に載置されている腹膜透析装置100等を示す斜視である。図7(B)は、第3載置部9に載置されている排液タンクHTや、吊り下げられている透析液バッグBG等を示す斜視図である。
図7(A)に示すように、複数本のチューブ131,132,133は、フック部40を用いてまとめて保持されている。このフック部40には、複数本のチューブ131,132,133を配列して取り付ける配列取付け板41を掛けることができる。
図7(B)では、排液タンクHTが見えないようするために、収容ケース42と、覆いカバー43が配置されている。収容ケース42は、不透明な例えばプラスチック板により作られており、排液タンクHTを収容して周囲を囲むことで、排液タンクHTの周囲を覆っている。覆いカバー43は、排液タンクHTの上部と前側部分を覆っている。これにより、使用した透析液を収容する排液タンクHTが、目に触れないよう覆うことができる。従って、排液が収容される排液タンクHTを覆い部材である覆いカバー43により覆うことができるので、排液タンクHTは見えなくなり、排液タンクHTの存在を気にしなくて済む。

0044

図8(A)と図8(B)は、図1から図3に示す腹膜透析装置用カート1の制動装置50の動作を示している。
図8図1に示すように、この制動装置50は、ブレーキレバー10と、被覆部材で覆われたワイヤー部材10Aと、後輪5に配置されたブレーキシュー55を有している。ワイヤー部材10Aの一端部は、ブレーキレバー10の先端部に連結され、ワイヤー部材10Aの他端部は、ブレーキシュー55の一端部に連結されている。ブレーキシュー55は、後輪支持部56に対して軸57を中心にして回転可能に支持されている。

0045

図8(A)において、実線で示すブレーキレバー10の通常位置PPでは、ブレーキシュー55は実線で示すように、後輪5から離れている。そして、ブレーキレバー10を矢印RZ方向にPLの位置まで持ち上げると、ブレーキシュー55は軸57を中心にして後輪5に対して押し付けられる。このため、後輪5の回転を止めることができるので、腹膜透析装置用カート1の制動ができる。このように、介護従事者または患者自身がブレーキレバー10を矢印RZ方向に引き上げることにより、後輪5の回転を止めて、腹膜透析装置用カート1の動きを停止させることができる。

0046

また、図8(B)に示すように、ブレーキレバー10を通常位置PPからさらにRY方向に押し下げることにより、ブレーキシュー55は軸57を中心にして後輪5に対して押し付けた状態の停止位置PSを維持する。このように、介護施設等の職員または患者自身がブレーキレバー10を矢印RY方向に押し下げることにより、後輪5の回転を止めて、腹膜透析装置用カート1の停止状態を維持させることができる。従って、重量物である無菌接合装置200と腹膜透析装置100と排液バッグHTを載せた腹膜透析装置用カート1を安全に停止させておくことができる。なお、ブレーキレバー10を、停止位置PSから通常位置PPに持ち上げることにより、後輪5の制動状態解除できる。

0047

図9(A)は、第1載置部7には無菌接合装置200等が載置され、第2載置部8には腹膜透析装置100が載置されている載置例を示している。逆に、図9(B)は、第1載置部7には腹膜透析装置100が載置され、第2載置部8には無菌接合装置200が載置されている載置例を示している。このように、無菌接合装置200と腹膜透析装置100は、第1載置部7と第2載置部8のいずれかに選択して載置することができる。
また、図9(A)と9(B)に示すように、第1載置部7と第2載置部8は、矢印SDで示すようにハンドル部6側に、すなわち腹膜透析装置用カート1の前進方向FWとは反対の方向に、引き出すことができる構造を採用しても良い。これにより、第1載置部7と第2載置部8上に、無菌接合装置200と腹膜透析装置100を載置したり、取り除いたりする作業がさらに容易になる。

0048

次に、上述した構造を有する腹膜透析装置用カート1の使用例を説明する。
まず、例えば患者の居室に置いてある無菌接合装置200と腹膜透析装置100を、腹膜透析装置用カート1に移す。この場合には、無菌接合装置200の電源コードの電源プラグは、商用交流電源コンセントからいったん取り外すとともに、腹膜透析装置100の電源コードの電源プラグも、商用交流電源のコンセントからいったん取り外す。

0049

また、図8(B)に示すように、ブレーキレバー10を通常位置PPからさらに押し下げることにより、制動部材としてのブレーキシュー55は軸57を中心にして後輪5に対して矢印RY方向に押し下げた状態を維持する。このように、介護施設等の職員または患者自身がブレーキレバー10を矢印RY方向に押し下げることにより、後輪5の回転を止めて、腹膜透析装置用カート1の停止状態を維持させることができる。従って、無菌接合装置200と腹膜透析装置100を、腹膜透析装置用カート1に移す作業の際に、排液バッグHTを載せた腹膜透析装置用カート1を、安全に停止させておくことができる。そして、図2図3に示すように、腹膜透析装置用カート1の最上段の第1載置部7には無菌接合装置200を載置し、中段の第2載置部8には腹膜透析装置100を載置する。
このようにして、無菌接合装置200と腹膜透析装置100を、腹膜透析装置用カート1の第1載置部7と第2載置部8にそれぞれ安全に載せることができる。

0050

図2図3に例示するように、吊り下げ具30,31は、透析液バッグBGをそれぞれ着脱可能に吊り下げる。吊り下げ具30,31は、同じ形状のものであるが、それぞれ必要に応じて、例えば吊り下げようとする透析液バッグBGの薬液の種類に応じて、異なる色の物を取り付けることができる。これにより、介護施設等の職員あるいは患者自身は、どの種類の透析液バッグBGをどの吊り下げ具30,31に吊り下げれば良いかが明確に判る。
図4(B)に示すように、各吊り下げ具30,31のフック部33は、透析液バッグBGの穴部BHに通すことで、透析液バッグBGを、着脱可能に吊り下げることができる。

0051

図2図3に示すように、透析液バッグBGは、第1載置部7の支持枠20の右側に最大で3つ、第1載置部7の支持枠20の左側に最大で3つ吊り下げることができる。このように、重量物である複数の透析液バッグBGは、第1載置部7の支持枠20の右側と左側に振り分けて吊り下げる構造になっているので、図3に示すように、腹膜透析装置用カート1を前進方向FWに前進させたり、後退方向BWに後退させる際に、左右の重量バランスが得られるので、安定して走行させることができる。

0052

図2に示すように、腹膜透析装置用カート1には、任意の位置に各種の集積用のフック部40,41,42が、設けられている。各フック部40,41,42は、各種の薬液チューブ132,133,134をまとめて保持する。フック部40は、例えばハンドル部6の付近に設けられ、フック部41は、第2載置部8付近に設けられ、そしてフック部42は、第2載置部8の下部に設けられている。
これにより、複数本の薬液チューブ132,133,134を取り回して保持することが簡単にできる。そして、腹膜透析装置用カート1を第2載置部8に載せたり降ろしたりする際に、複数本の薬液チューブ132,133,134の存在が邪魔にならない。また、排液バッグHTを第3載置部9に載せたり降ろしたりする際に、複数本の薬液チューブ132,133,134の存在が邪魔にならない。

0053

上述したようにして、腹膜透析装置用カート1に対する準備ができたら、介護施設等の職員や患者自身が、図8(B)に示すブレーキレバー10を停止位置PSから通常位置PPに戻すに戻す。これにより、ブレーキシュー55は後輪5から離れるので、腹膜透析装置用カート1の停止状態を解除できる。介護施設等の職員や患者自身が、左右のハンドル部6の握り部6Bを把持して、図3に示す前進方向FWに押すことで、腹膜透析装置用カート1を押して、例えば患者の居室から移動して、例えば図10に例示するリビングLG等の居室に移動することができる。図10は、腹膜透析装置用カート1が、例えばリビングLGにおいて、患者MMの傍に位置された状態を示している。

0054

このように、腹膜透析装置用カート1に対する準備した後に腹膜透析装置用カート1を押して移動することができるので、患者MMは、例えば図10に示すようにリビングLGにおいて、車いす500に座った状態で、腹膜透析装置用カート1を患者MMの傍に配置することができる。従って、患者MMは、リビングLGにおいて、腹膜透析装置100を用いて、医師の処方内容に従って透析を受けることができる。しかも、患者MMは、リビングLGにおいて、この腹膜透析を受けながら、食事やレクリエーション等の行動を自由に行うことができる。

0055

従って、本発明の実施形態の腹膜透析装置用カート1を用いることにより、患者が透析中は、患者が食事やレクリエーションのために、腹膜透析装置が載置されている場所からリビング等に場所を移動することができ、腹膜透析装置の載置場所に拘束されてしまうといった不都合を解消できる。
このため、介護施設等の職員や患者自身にとっては、腹膜透析装置の使用勝手が良くなり、患者にとっては拘束感や疎外感が解消でき、患者のストレスを軽減できる。このように、本発明の実施形態の腹膜透析装置用カート1を用いることにより、患者が介護施設等で日常を過ごしている際に、居場所を移動しても、腹膜透析装置を用いて透析を行うことができる。患者(使用者)が介護施設等で日常を過ごしている際に、患者の移動場所に応じて、腹膜透析装置を容易に搬送することができる

0056

また、必要に応じて、図6に示すように、第1載置部7において、介護施設等の職員または患者自身が、無菌接合装置200を用いて、透析液用のチューブを溶断して無菌状態で加圧して接合する作業を行うこともできる。
図9(A)と9(B)に示すように、第1載置部7と第2載置部8は、好ましくは矢印SDで示すようにハンドル部6側に、すなわち腹膜透析装置用カート1の前進方向FWとは反対の方向にスライドして引き出すことができる。このため、第1載置部7と第2載置部8上に、無菌接合装置200や腹膜透析装置100を載置したり、無菌接合装置200や腹膜透析装置100を取り除いたりする作業が容易できる。

0057

以上説明したように、本発明の実施形態の腹膜透析装置用カート1は、腹膜透析装置を搬送する腹膜透析装置用カートであって、走行用の車輪を有し、腹膜透析装置用カートを押すための一対のハンドル部が後方に延びており、一対のハンドル部の間の位置には、腹膜透析装置を載置する載置部が配置されている。これにより、重量物である腹膜透析装置を載置部に載せてハンドル部を押して搬送することができるので、患者が食事やレクリエーションのために、腹膜透析装置が載置されている場所からリビング等に場所を移動することができ、患者は、腹膜透析装置の載置場所に拘束されることがない。このため、患者(使用者)が介護施設等で日常を過ごしている際に、患者の移動場所に応じて、腹膜透析装置を容易に搬送することができる。

0058

腹膜透析装置用カート1は、車輪に制動をかける制動装置を備え、制動装置は、ハンドル部に設けられたブレーキレバーと、ブレーキレバーを一方に引くことにより車輪に当たって車輪の回転を止め、ブレーキレバーを他方に押すことで車輪の回転を止めた状態を維持する制動部材と、を備える。これにより、ブレーキレバーを一方に引けば車輪の回転を止めることができるので、腹膜透析装置用カートを移動する際の制動操作を行え、腹膜透析装置用カートを所定の位置に移動した後は、ブレーキレバーを他方に押すことで車輪の回転を止めた状態を維持できることから、腹膜透析の際に腹膜透析装置用カートを安全に停止させておくことができる。

0059

腹膜透析装置用カート1は、透析液バッグを吊り下げる吊り下げ具を腹膜透析装置用カートの進行方向に対して両側に備え、吊り下げ具の配置位置は、載置部に載置されている腹膜透析装置の載置位置よりも高く設定されている。これにより、透析液バッグは、吊り下げ具を用いて、腹膜透析装置用カートの進行方向に対して両側に吊り下げることができ、吊り下げ具の配置位置は、載置部に載置されている腹膜透析装置の高さ位置よりも高く設定されているので、腹膜透析装置用カートの重量バランスを確保でき、透析液バッグが床面に当たることがなくなる。

0060

腹膜透析装置用カート1は、腹膜灌流回路用の2本のチューブを加熱溶融して加圧接合する無菌接合装置を載置する別の載置部を備え、無菌接合装置を載置する別の載置部は、腹膜透析装置を載置する載置部の上側の位置に配置されている。これにより、腹膜透析装置だけでなく、無菌接合装置をも同時に運ぶことができ、無菌接合装置が腹膜透析装置よりも上側にあるので、チューブの無菌接合作業が容易に行える。

0061

腹膜透析装置用カート1は、腹膜灌流回路用の2本のチューブを加熱溶融して加圧接合する無菌接合装置を載置する別の載置部を備え、無菌接合装置を載置する別の載置部は、腹膜透析装置を載置する載置部の下側の位置に配置されている。これにより、腹膜透析装置だけでなく、無菌接合装置をも同時に運ぶことができ、腹膜透析装置が無菌接合装置よりも上側にあるので、腹膜透析装置の操作作業が容易に行える。
無菌接合装置を載置する別の載置部と、腹膜透析装置を載置する載置部は、スライド可能になっている。これにより、無菌接合装置を載置する別の載置部と、腹膜透析装置を載置する載置部は、スライドして位置を変えることができるので、チューブの無菌接合作業と腹膜透析装置の操作作業がより容易に行える。

0062

使用済みの透析液を入れる排液バッグを載置する排液バッグの載置部が、最も下部に配置されている。これにより、重量物である排液バッグが最も下部に配置されるので、腹膜透析装置用カートの重心を下げることができ、腹膜透析装置用カートの走行が安定する。
排液バッグの載置部に載置された排液バッグを覆うための覆い部材を備える。これにより、排液が収容される排液バッグを覆い部材により覆うことができるので、排液バッグは見えなくなり、排液バッグの存在を気にしなくて済む。
腹膜透析装置から出ているチューブをまとめて保持するチューブ保持部材を有する。これにより、複数本のチューブをまとめることができるので、腹膜透析装置用カートの移動に支障がでない。

0063

本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
例えば、図1ないし図3に示す腹膜透析装置用カート1には、バッテリ電動モータを配置して、電動モータの駆動力により前輪4を駆動する構造を採用しても良い。これにより、腹膜透析装置用カート1は、重量物である無菌接合装置200と腹膜透析装置100と排液収納容器HTを搭載しているにもかかわらず、介護施設等の職員や患者自らは、腹膜透析装置用カート1を容易にしかも安全に移動することができる。
腹膜透析装置用カート1は、介護施設等の施設の他に、病院や自宅等でしようすることができ、災害時には避難所等の施設でも使用できる。

0064

1・・・腹膜透析装置用カート、4・・・前輪、5・・・後輪、6・・・ハンドル部、7・・・第1載置部、8・・・第2載置部、9・・・第3載置部、10・・・ブレーキレバー、30,31・・・吊り下げ具、40,41,42・・・フック部(チューブ保持部材)、50・・・制動装置、55・・・ブレーキシュー(制動部材)、100・・・腹膜透析装置、200・・・無菌接合装置、HT・・・排液バッグ、BG・・・透析液バッグ、42・・・収容ケース(覆い部材)、43・・・覆いカバー(覆い部材)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 日機装株式会社の「 チューブ誘導ホルダー」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】チューブを所定の位置に正確に誘導し保持するチューブ誘導ホルダーを提供する。【解決手段】第一ホルダーと第二ホルダーとを備えるチューブ誘導ホルダーであって、前記第一ホルダーは、前記チューブを誘導す... 詳細

  • マジェンタ・メディカル・リミテッドの「 腎臓ポンプ」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】心機能障害、鬱血性心不全、腎血流の低減、腎血管抵抗の増加、動脈性高血圧、および腎臓機能障害からなる群から選択される状態を患うものとして対象を認定するステップを含む装置および方法を提供する。【解... 詳細

  • メドトロニック,インコーポレイテッドの「 腎疾患患者の体液量のモニタリング」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】腎疾患患者において体液量を監視するための装置、システムおよび使用方法を提供する。【解決手段】システムは、患者の組織のインピーダンスを監視する埋め込み可能なセンサ装置であって、第1、第2電極とイ... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ