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技術 導電性エラストマ組成物とその製造方法、駆動ローラ、および画像形成装置

出願人 住友ゴム工業株式会社
発明者 峯章弘西本宗宏濱窪眞司吉里成弘
出願日 2013年11月18日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2013-238171
公開日 2015年5月28日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2015-098515
状態 特許登録済
技術分野 ロール及びその他の回転体 高分子物質の処理方法 高分子組成物 電子写真一般。全体構成、要素
主要キーワード 中心角度θ 外径変化量 導電性エラストマ ポリエステル系熱可塑性エラストマ ウレタン系熱可塑性エラストマ 熱可塑性エラストマ組成物 コーティングタイプ シェル状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年5月28日)のものです。
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課題

シンプルな構成で、生産性良くコスト安価に製造できる上、押出成形性にも優れ、しかも駆動ローラに求められる低い抵抗値を実現できる導電性熱可塑性エラストマ組成物、その製造方法、かかる導電性熱可塑性エラストマ組成物を用いて製造された駆動ローラ、ならびに当該駆動ローラを組み込んだ画像形成装置を提供する。

解決手段

導電性熱可塑性エラストマ組成物は、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ可塑剤の総量100質量部、またはポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部に対して5〜15質量部のケッチェンブラックを微分散させた。製造方法は、先に他の成分を混練し、あとからケッチェンブラックを配合して混練する工程を含む。駆動ローラ1は導電性熱可塑性エラストマからなる。画像形成装置は、駆動ローラを組み込んだ。

概要

背景

静電式複写機レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置においては、紙送りベルト転写ベルト中間転写ベルト等を回転駆動させるための駆動ローラが多用されている。
従来の駆動ローラは、架橋ゴムタイプのものとコーティングタイプのものに大別される。

このうち前者の、架橋ゴムタイプの駆動ローラは、例えばEPDM等の架橋性ゴムベースポリマとして使用して、当該ベースポリマに、可塑剤フィラー架橋剤、導電性付与剤等を配合し、ゴム練りして架橋性ゴム組成物を調製したのち、当該架橋性ゴム組成物をローラ状に押出成形するとともに架橋させて製造される。
また後者の、コーティングタイプの駆動ローラは、例えば金属製のローラの外周面に、ウレタン樹脂等の硬化性バインダ樹脂を含むコーティング剤を塗布したのちバインダ樹脂を硬化させて、厚み0.3mm以下程度の薄いコーティング層を形成することで製造される。

いずれのタイプの駆動ローラを選択するかは要求性能によって異なるが、前者の架橋ゴムタイプの駆動ローラの場合は、ゴム練り工程、および架橋工程をバッチ式で行っているため生産性が低く、製造コストが高くつくという問題がある。
また後者の、コーティングタイプの駆動ローラは、コーティング剤の品質管理や、あるいはローラの外周面にコーティング剤を均一に塗布するのが難しいため、やはり生産性が低く、製造コストが高くつくという問題がある。また薄いコーティング層が短期間で摩耗して失われやすいという問題もある。

駆動ローラと同様に画像形成装置に組み込まれる紙送りローラ帯電ローラ転写ローラ等については、架橋性ゴム組成物に代えて、ベースポリマとして熱可塑性エラストマを用いた熱可塑性エラストマ組成物によって形成することが検討されている(特許文献1、2等参照)。
かかる熱可塑性エラストマ組成物からなる紙送りローラ等は、例えば押出機を用いて、連続的に熱可塑性エラストマ組成物を調製でき、バッチ式のゴム練り工程が不要である上、押出成形後のバッチ式の架橋工程も不要となるため、生産性が向上し、コスト安価に製造することが可能となる。そのため駆動ローラを、紙送りローラ等と同様に、熱可塑性エラストマ組成物によって形成して、同様の効果を得ることが期待されている。

概要

シンプルな構成で、生産性良くコスト安価に製造できる上、押出成形性にも優れ、しかも駆動ローラに求められる低い抵抗値を実現できる導電性熱可塑性エラストマ組成物、その製造方法、かかる導電性熱可塑性エラストマ組成物を用いて製造された駆動ローラ、ならびに当該駆動ローラを組み込んだ画像形成装置を提供する。導電性熱可塑性エラストマ組成物は、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の総量100質量部、またはポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部に対して5〜15質量部のケッチェンブラックを微分散させた。製造方法は、先に他の成分を混練し、あとからケッチェンブラックを配合して混練する工程を含む。駆動ローラ1は導電性熱可塑性エラストマからなる。画像形成装置は、駆動ローラを組み込んだ。

目的

本発明の目的は、よりシンプルな構成で、できるだけ生産性良く、コスト安価に製造できる上、押出成形性にも優れ、しかも駆動ローラに求められる低い抵抗値を実現できる新規な導電性熱可塑性エラストマ組成物と、その効率的な製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

実質的に、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ可塑剤、および前記エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の混合物中に微分散された、前記エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の総量100質量部あたり5質量部以上、15質量部以下のケッチェンブラックからなる導電性熱可塑性エラストマ組成物

請求項2

前記エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマは、デュロメータタイプA硬さが60°以上、80°以下である請求項1に記載の導電性熱可塑性エラストマ組成物。

請求項3

前記エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマEと可塑剤Pとの質量比E/Pは、E/P=55/45〜85/15である請求項1または2に記載の導電性熱可塑性エラストマ組成物。

請求項4

実質的に、ポリエステル系熱可塑性エラストマ、および前記ポリエステル系熱可塑性エラストマ中に微分散された、前記ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり5質量部以上、15質量部以下のケッチェンブラックからなる導電性熱可塑性エラストマ組成物。

請求項5

前記ポリエステル系熱可塑性エラストマは、デュロメータタイプA硬さが60°以上、80°以下である請求項1に記載の導電性熱可塑性エラストマ組成物。

請求項6

材料を混練しながら一方向に押し出す混練部、前記混練部に材料を供給するメインフィーダ、および前記混練部の、前記メインフィーダより材料の押出方向の前方側で前記混練部に材料を供給するサイドフィーダを備えた二軸混練押出機を用いて、前記請求項1ないし5のいずれか1項に記載の導電性エラストマ組成物を製造する製造方法であって、前記混練部に、前記メインフィーダを通してケッチェンブラック以外の成分を供給して混練する工程、前記混練部に、前記サイドフィーダを通してケッチェンブラックを供給して、先に混練した成分とさらに混練して微分散させる工程、を含む導電性エラストマ組成物の製造方法。

請求項7

前記請求項1ないし5のいずれか1項に記載の導電性エラストマ組成物からなり、デュロメータタイプA硬さが60°以上、80°以下である駆動ローラ

請求項8

前記請求項7に記載の駆動ローラを含む画像形成装置

技術分野

0001

本発明は、導電性エラストマ組成物とその製造方法、当該導電性エラストマ組成物をローラ状に押出成形してなる駆動ローラ、および当該駆動ローラを組み込んだ画像形成装置に関するものである。

背景技術

0002

静電式複写機レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置においては、紙送りベルト転写ベルト中間転写ベルト等を回転駆動させるための駆動ローラが多用されている。
従来の駆動ローラは、架橋ゴムタイプのものとコーティングタイプのものに大別される。

0003

このうち前者の、架橋ゴムタイプの駆動ローラは、例えばEPDM等の架橋性ゴムベースポリマとして使用して、当該ベースポリマに、可塑剤フィラー架橋剤、導電性付与剤等を配合し、ゴム練りして架橋性ゴム組成物を調製したのち、当該架橋性ゴム組成物をローラ状に押出成形するとともに架橋させて製造される。
また後者の、コーティングタイプの駆動ローラは、例えば金属製のローラの外周面に、ウレタン樹脂等の硬化性バインダ樹脂を含むコーティング剤を塗布したのちバインダ樹脂を硬化させて、厚み0.3mm以下程度の薄いコーティング層を形成することで製造される。

0004

いずれのタイプの駆動ローラを選択するかは要求性能によって異なるが、前者の架橋ゴムタイプの駆動ローラの場合は、ゴム練り工程、および架橋工程をバッチ式で行っているため生産性が低く、製造コストが高くつくという問題がある。
また後者の、コーティングタイプの駆動ローラは、コーティング剤の品質管理や、あるいはローラの外周面にコーティング剤を均一に塗布するのが難しいため、やはり生産性が低く、製造コストが高くつくという問題がある。また薄いコーティング層が短期間で摩耗して失われやすいという問題もある。

0005

駆動ローラと同様に画像形成装置に組み込まれる紙送りローラ帯電ローラ転写ローラ等については、架橋性ゴム組成物に代えて、ベースポリマとして熱可塑性エラストマを用いた熱可塑性エラストマ組成物によって形成することが検討されている(特許文献1、2等参照)。
かかる熱可塑性エラストマ組成物からなる紙送りローラ等は、例えば押出機を用いて、連続的に熱可塑性エラストマ組成物を調製でき、バッチ式のゴム練り工程が不要である上、押出成形後のバッチ式の架橋工程も不要となるため、生産性が向上し、コスト安価に製造することが可能となる。そのため駆動ローラを、紙送りローラ等と同様に、熱可塑性エラストマ組成物によって形成して、同様の効果を得ることが期待されている。

先行技術

0006

特開2011−37563号公報
特開2008−254845号公報
特開2004−51828号公報

発明が解決しようとする課題

0007

駆動ローラを、例えば転写ベルト、中間転写ベルト等に組み込んで使用する場合、当該駆動ローラは導電性を有している必要がある。しかも駆動ローラには、例えば帯電ローラや転写ローラ等の他の導電性のローラよりも抵抗値が低く、導電性が高いことが求められる。特にローラ抵抗値は、105Ω台以下が好ましい。
熱可塑性エラストマ組成物からなる駆動ローラに導電性を付与するためには、例えば当該熱可塑性エラストマ組成物に、他の導電性のローラの場合と同様に、
(A)導電性ポリマ等のイオン導電性導電剤、または
(B)ケッチェンブラック等の導電性カーボンブラック
を配合することが考えられる。

0008

しかし前者のイオン導電性導電剤では、求められる所定の抵抗値の範囲まで駆動ローラを低抵抗化するのが難しいという問題がある。またイオン導電性導電剤は、導電性カーボンブラック等に比べて高価であるため、駆動ローラの製造コストが高くつくという問題もある。
一方、後者の導電性カーボンブラックは分散性が低いため、やはり所定の抵抗値の範囲まで駆動ローラを低抵抗化するのが難しいという問題がある。

0009

特に導電性カーボンブラックを、熱可塑性エラストマその他の成分とともにドライブレンドしたのち混練する通常の製造工程を経る場合、所定の抵抗値の範囲まで駆動ローラを低抵抗化するのに必要な量の導電性カーボンブラックを配合しても、その全量を、熱可塑性エラストマ組成物中に均一に分散させるのは困難であり、導電性カーボンブラックの凝集等を生じやすい。

0010

そして凝集等を生じて導電性カーボンブラックの分布ムラになると、駆動ローラの全体としての抵抗値が却って高くなってしまうという問題を生じる。
また多量の導電性カーボンブラックを配合した上記の熱可塑性エラストマ組成物は、特にローラ状に押出成形する際の成形性(押出成形性)も低下する。
そのため所定の寸法のローラ状に安定して押出成形して、肌荒れ等の成形不良を生じないようにするためには、押出成形のラインスピードを低くしなければならず、駆動ローラの生産性が低下して、製造コストが高くつくという問題も生じる。

0011

導電性カーボンブラックを上記必要な量よりも減らせば、その全量を均一に分散させることができ、押出成形性も向上するが、その場合には、いうまでもなく所定の抵抗値の範囲まで駆動ローラを低抵抗化することができない。
特許文献3では、イオン導電性導電剤を主とし、補助的に少量の導電性カーボンブラックを併用して、駆動ローラを低抵抗化することが検討されているが、その効果は限定的である。

0012

すなわち、先に説明したように導電性カーボンブラックを均一に分散させるためには、その配合量を、例えば特許文献3の各実施例に記載されているように、熱可塑性エラストマ組成物の総量の2.3質量%以下程度という少量に制限しなければならない。
そのため特許文献3の各実施例では、イオン導電性導電剤を併用しているにもかかわらず、駆動ローラを十分に低抵抗化できず、そのローラ抵抗値は106Ω台前後であるに過ぎない。

0013

また特許文献3の各実施例では、上記のように高価なイオン導電性導電剤を導電性カーボンブラックと併用しているため、ベースポリマとして、熱可塑性エラストマ、および/または熱可塑性樹脂中で架橋性のゴムを動的架橋させた特殊な熱可塑性エラストマを使用していることと相まって、製造コストが高くつくという問題も生じる。
さらに、かかる特殊な熱可塑性エラストマは押出成形性が低いため、特に先に説明したように導電性カーボンブラックを、上記の範囲を超えて多量に配合した場合には、より一層、押出成形性が低下して、肌荒れ等の成形不良のないきれいなローラ状に押出成形することはできない。このことは、特許文献3の比較例3の結果からも明らかである。

0014

しかも動的架橋させて熱可塑性エラストマを調製する工程が増加する分、熱可塑性エラストマ組成物の、ひいては駆動ローラの生産性も低下する。
本発明の目的は、よりシンプルな構成で、できるだけ生産性良く、コスト安価に製造できる上、押出成形性にも優れ、しかも駆動ローラに求められる低い抵抗値を実現できる新規導電性熱可塑性エラストマ組成物と、その効率的な製造方法を提供することにある。また本発明の目的は、かかる導電性熱可塑性エラストマ組成物を用いて製造された駆動ローラ、ならびに当該駆動ローラを組み込んだ画像形成装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

本発明は、実質的に、
エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ
可塑剤、および
前記エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の混合物中に微分散された、前記エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の総量100質量部あたり5質量部以上、15質量部以下のケッチェンブラック
からなる導電性熱可塑性エラストマ組成物である。

0016

また本発明は、実質的に、
ポリエステル系熱可塑性エラストマ、および
前記ポリエステル系熱可塑性エラストマ中に微分散された、前記ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり5質量部以上、15質量部以下のケッチェンブラック
からなる導電性熱可塑性エラストマ組成物である。

0017

また本発明は、上記いずれかの、本発明の導電性熱可塑性エラストマ組成物からなり、デュロメータタイプA硬さが60°以上、80°以下である駆動ローラである。
さらに本発明は、上記本発明の駆動ローラを含む画像形成装置である。
本発明の導電性熱可塑性エラストマ組成物によれば、導電性カーボンブラックのうち、特に導電性に優れたケッチェンブラックを選択して使用するとともに、当該ケッチェンブラックを、上記所定の量、ムラを生じないように微分散させているため、駆動ローラに求められる低い抵抗値(特に105Ω台以下)を実現できる。

0018

また、上記のようにケッチェンブラックを、ムラを生じないように微分散させていることと、ベースポリマとして、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマを使用するとともに可塑剤を配合して押出成形性を向上させるか、または本来的に押出成形性に優れたポリエステル系熱可塑性エラストマを選択的に使用していることとが相まって、ケッチェンブラックを、駆動ローラに求められる低い抵抗値を実現するために必要な上記の量、配合しているにもかかわらず、導電性熱可塑性エラストマ組成物の押出成形性を向上できる。

0019

そのため本発明の導電性熱可塑性エラストマ組成物によれば、バッチ式の架橋工程を省略できることも相まって、本発明の駆動ローラを、生産性良く、効率的に製造することもできる。
しかも本発明の導電性熱可塑性エラストマ組成物は、上記のように実質的に3成分または2成分というシンプルな構成であるため、ゴム練りの工程や動的架橋の工程を経ることなしに、生産性良く、コスト安価に製造することもできる。

0020

なお「実質的に」には、駆動ローラを構成するベースポリマとしてのエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ、またはポリエステル系熱可塑性エラストマ、かかるベースポリマに導電性を付与するためのケッチェンブラック、およびエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマの押出成形性を向上するための可塑剤のみからなる場合の他、さらに上記以外の副次的な機能を導電性熱可塑性エラストマ組成物に付与するための各種成分を配合する場合をも含むこととする。

0021

なお本発明の導電性熱可塑性エラストマ組成物において、ケッチェンブラックの配合量が、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の総量100質量部あたり、またはポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり、5質量部以上、15質量部以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、配合量がこの範囲未満では、導電性に優れたケッチェンブラックを使用しているにもかかわらず、導電性熱可塑性エラストマ組成物に良好な導電性を付与して、駆動ローラを、当該駆動ローラとして適した範囲まで十分に低抵抗化することができない。

0022

一方、範囲を超える場合には、駆動ローラが硬くなり、ベルトに対する摩擦力が低下して、スリップ等を生じやすくなる。
また本発明の駆動ローラの、日本工業規格JIS K6253−3:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」において規定されたデュロメータ タイプA硬さが60°以上、80°以下に限定されるのは、硬さがこの範囲未満では、駆動ローラの耐摩耗性が不十分になり、範囲を超える場合には、ベルトに対する摩擦力が低下して、スリップ等を生じやすくなるためである。

0023

本発明は、材料を混練しながら一方向に押し出す混練部、前記混練部に材料を供給するメインフィーダ、および前記混練部の、前記メインフィーダより材料の押出方向の前方側で前記混練部に材料を供給するサイドフィーダを備えた二軸混練押出機を用いて導電性エラストマ組成物を製造する製造方法であって、
前記混練部に、前記メインフィーダを通してケッチェンブラック以外の成分を供給して混練する工程、
前記混練部に、前記サイドフィーダを通してケッチェンブラックを供給して、先に混練した成分とさらに混練して微分散させる工程、
を含んでいる。

0024

本発明によれば、ケッチェンブラック以外の成分を、二軸混練押出機の混練部で先に十分に混練したのち、ケッチェンブラックを配合してさらに混練する上記二段階の工程を経ることにより、当該ケッチェンブラックのストラクチャ破壊することなしに、その凝集を防いで微分散させながら連続的に、効率よく、本発明の導電性熱可塑性エラストマ組成物を製造することができる。

0025

なおエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の併用系に使用するエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマは、そのデュロメータタイプA硬さが、60°以上、80°以下であるのが好ましい。
硬さがこの範囲未満では、駆動ローラの耐摩耗性が不十分になるおそれがあり、範囲を超える場合には、ベルトに対する摩擦力が低下して、スリップ等を生じやすくなるおそれがある。

0026

また、かかる併用系において、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマEと可塑剤Pとの質量比E/Pは、E/P=55/45〜85/15であるのが好ましい。
この範囲よりエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマEが少ない場合には、駆動ローラの耐摩耗性が不十分になるおそれがあり、可塑剤Pが少ない場合には、押出成形性が低下したり、ベルトに対する摩擦力が低下して、スリップ等を生じやすくなったりするおそれがある。

0027

また、ポリエステル系熱可塑性エラストマも、そのデュロメータタイプA硬さは、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマの場合と同様に、60°以上、80°以下であるのが好ましい。
すなわち、硬さがこの範囲未満では、駆動ローラの耐摩耗性が不十分になるおそれがあり、範囲を超える場合には駆動ローラが硬くなりすぎて、ベルトに対する摩擦力が低下して、スリップ等を生じやすくなるおそれがある。

発明の効果

0028

本発明によれば、よりシンプルな構成で、できるだけ生産性良く、コスト安価に製造できる上、押出成形性にも優れ、しかも駆動ローラに求められる低い抵抗値を実現できる新規な導電性熱可塑性エラストマ組成物と、その効率的な製造方法を提供できる。また本発明によれば、かかる導電性熱可塑性エラストマ組成物を用いて製造された駆動ローラ、ならびに当該駆動ローラを組み込んだ画像形成装置を提供できる。

図面の簡単な説明

0029

本発明の駆動ローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図である。
駆動ローラのローラ抵抗値を測定する方法を説明する図である。
駆動ローラの、ベルトに対する摩擦力を測定するために用いる装置の概略を説明する図である。
実施例3で作製した駆動ローラにおけるケッチェンブラックの分散状態を示す、透過型電子顕微鏡写真である。
比較例3で作製した駆動ローラにおけるケッチェンブラックの分散状態を示す、透過型電子顕微鏡写真である。

0030

《導電性熱可塑性エラストマ組成物》
本発明は、実質的に、
エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ、
可塑剤、および
前記エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の混合物中に微分散された、前記エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の総量100質量部あたり5質量部以上、15質量部以下のケッチェンブラック
からなる導電性熱可塑性エラストマ組成物である。

0031

また本発明は、実質的に、
ポリエステル系熱可塑性エラストマ、および
前記ポリエステル系熱可塑性エラストマ中に微分散された、前記ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり5質量部以上、15質量部以下のケッチェンブラック
からなる導電性熱可塑性エラストマ組成物である。

0032

〈エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ〉
エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマとしては、例えば分子内に、ポリウレタン構造を有するハードセグメントと、ポリエステル構造を有するソフトセグメントとを含み、射出成形等が可能な熱可塑性を有するとともに、駆動ローラとして機能しうる弾性を有する種々のエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマが、いずれも使用可能である。

0033

特にエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマは、日本工業規格JIS K6253−3:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」において規定されたデュロメータ タイプA硬さが、60°以上、80°以下であるのが好ましい。
硬さがこの範囲未満では、駆動ローラの耐摩耗性が不十分になるおそれがあり、範囲を超える場合には、ベルトに対する摩擦力が低下して、スリップ等を生じやすくなるおそれがある。

0034

かかるエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマの具体例としては、例えばBASFジャパン(株)製のエラストラン登録商標シリーズのうちC80A〔デュロメータタイプA硬さ:80±2°〕、S80A〔デュロメータ タイプA硬さ:80±2°〕、C60A10WN〔デュロメータ タイプA硬さ:65±4°、可塑剤入り〕、C70A〔デュロメータ タイプA硬さ:70±2°〕、C70A10WN〔デュロメータ タイプA硬さ:73±4°、可塑剤入り〕、C70A11FG〔デュロメータ タイプA硬さ:75±3°〕、日本ミラクトラン(株)製のミラクトラン(登録商標)シリーズのうちE670〔デュロメータ タイプA硬さ:70±2°〕等の1種または2種以上が挙げられる。

0035

なお、上記例示のエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマのデュロメータタイプA硬さは、その中心値が60°以上、80°以下の範囲に入っていれば、上限値、または下限値がこの範囲を外れても、デュロメータ タイプA硬さが上記の範囲に入るものとする。
例示のエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマのうち「可塑剤入り」と記載していないものは可塑剤を含まない状態で供給される。一方、「可塑剤入り」と記載したものは、すでにエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマに可塑剤を配合した状態で供給されるが、可塑剤を含まないものと同様に、さらに後述する質量比で可塑剤を配合することで、押出成形性に優れた導電性熱可塑性エラストマ組成物が得られる。

0036

〈可塑剤〉
可塑剤としては、例えば三洋化成工業(株)製のサンフレックス(登録商標)EB−200、EB−300、EB−400(いずれもポリエチレングリコールジベンゾエート類)や、イーストマンケミカル社製ベンゾフレックス(登録商標)9‐88〔ジプロピレングリコールジベンゾエート〕、あるいはフタル酸ビス(2−メトキシエチル)(DMEP)、トリブトキシエチルホスフェート(TBP)等の1種または2種以上が挙げられる。

0037

〈質量比〉
エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマEと可塑剤Pとの質量比E/Pは、E/P=55/45〜85/15であるのが好ましく、特にE/P=70/30〜85/15であるのが好ましい。
この範囲よりエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマEが少ない場合には、駆動ローラの耐摩耗性が不十分になるおそれがあり、可塑剤Pが少ない場合には、押出成形性が低下したり、ベルトに対する摩擦力が低下して、スリップ等を生じやすくなったりするおそれがある。

0038

エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマが、先に説明したようにあらかじめ可塑剤を含むものである場合は、当該エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ中の固形分量、すなわちエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ自体の量をEとし、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ中に含まれる可塑剤の量と、追加する可塑剤の量の合計をPとしたとき、質量比E/Pが上記の範囲を満足するように追加する可塑剤の量を設定すればよい。

0039

〈ポリエステル系熱可塑性エラストマ〉
ポリエステル系熱可塑性エラストマとしては、例えばハードセグメントとして高融点高結晶性芳香族ポリエステルポリブチレンテレフタレート等)、ソフトセグメントとしてガラス転移温度が−70℃以下程度の非晶性ポリエーテルポリテトラメチレンエーテルグリコール等)を含むマルチブロックポリマー等の、種々のポリエステル系熱可塑性エラストマの1種または2種以上が使用可能である。

0040

特にポリエステル系熱可塑性エラストマは、先述のJIS K6253−3:2012において規定されたデュロメータタイプA硬さが、60°以上、80°以下であるのが好ましい。
硬さがこの範囲未満では、駆動ローラの耐摩耗性が不十分になるおそれがあり、範囲を超える場合には、ベルトに対する摩擦力が低下して、スリップ等を生じやすくなるおそれがある。

0041

かかるポリエステル系熱可塑性エラストマの具体例としては、例えば東レ・デュポン(株)製のハイトレル(登録商標)シリーズのうち3046〔デュロメータタイプA硬さ:77°〕、3078〔デュロメータ タイプA硬さ:78°〕、G3548L〔デュロメータ タイプA硬さ:80°〕、SB654〔デュロメータ タイプA硬さ:65°〕、SB704〔デュロメータ タイプA硬さ:70°〕、SB754〔デュロメータ タイプA硬さ:75°〕、SC753〔デュロメータ タイプA硬さ:75°〕、東洋紡(株)製のペルプレン(登録商標)シリーズのうちP30B〔デュロメータ タイプA硬さ:71°〕等の1種または2種以上が挙げられる。

0042

〈ケッチェンブラック〉
ケッチェンブラックとしては、中空シェル状粒子が存在し、高い導電性を有する種々のグレードのケッチェンブラックが使用可能である。
かかるケッチェンブラックの具体例としては、例えばライオン(株)製のケッチェンブラックEC300J〔顆粒状〕、ケッチェンブラックEC600JD〔顆粒状〕、カーボンECP〔ケッチェンブラックEC300Jの粉末品〕、カーボンECP600JD〔ケッチェンブラックEC600JDの粉末品〕等の1種または2種以上が挙げられる。

0043

ケッチェンブラックの配合量は、先述のようにエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の総量100質量部あたり、またはポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり、5質量部以上、15質量部以下である必要がある。
配合量がこの範囲未満では、導電性に優れたケッチェンブラックを使用しているにもかかわらず、導電性熱可塑性エラストマ組成物に良好な導電性を付与して、駆動ローラを、当該駆動ローラとして適した範囲まで十分に低抵抗化することができない。

0044

一方、範囲を超える場合には、駆動ローラが硬くなり、ベルトに対する摩擦力が低下して、スリップ等を生じやすくなる。
なお、駆動ローラの摩擦力と抵抗値の兼ね合いを考慮すると、ケッチェンブラックの配合量は、上記の範囲でも12質量部以下であるのが好ましい。
〈その他の成分〉
先に説明したように、本発明の導電性熱可塑性エラストマは、駆動ローラを構成するベースポリマとしてのエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ、またはポリエステル系熱可塑性エラストマ、かかるベースポリマに導電性を付与するためのケッチェンブラック、およびエステル型ウレタン系熱可塑性エラストマの押出成形性を向上するための可塑剤のみによって構成するのが好ましい。

0045

だたし本発明においては、さらに上記以外の副次的な機能を導電性熱可塑性エラストマ組成物に付与するための他の成分を各種配合することもできる。
《導電性熱可塑性エラストマ組成物の製造方法》
本発明の製造方法においては、材料を混練しながら一方向に押し出す混練部、混練部に材料を供給するメインフィーダ、および混練部の、メインフィーダより材料の押出方向の前方側で混練部に材料を供給するサイドフィーダを備えた二軸混練押出機を用いる。

0046

そして混練部を作動させながら、当該混練部に、まずメインフィーダを通して、先に説明した各成分のうちケッチェンブラック以外の成分を、例えばあらかじめドライブレンドした状態で供給して、混練部内で、押出方向の前方側に送りつつ混練しながら、サイドフィーダを通してケッチェンブラックを供給して、先に混練した成分とさらに混練する。
この二段階の工程を経ることにより、ケッチェンブラックのストラクチャを破壊することなしに、その凝集を防いで微分散させながら連続的に、効率よく、本発明の導電性熱可塑性エラストマ組成物を製造することができる。

0047

製造した導電性熱可塑性エラストマ組成物は、混練部の先端から連続的に押し出されたのち、例えばストランド冷却部を通して連続的に冷却され、次いでペレタイザによって連続的にペレット化される。
《駆動ローラ》
図1は、本発明の駆動ローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図である。

0048

図1を参照して、この例の駆動ローラ1は、本発明の導電性熱可塑性エラストマ組成物により、単層構造の筒状に形成されるとともに、中心の通孔2にシャフト3が挿通されて固定されたものである。
駆動ローラ1は発泡させてもよいが、耐久性等を向上することを考慮すると非発泡であるのが好ましい。

0049

シャフト3は、例えばアルミニウムアルミニウム合金ステンレス鋼等の金属によって一体に形成されている。
シャフト3は、例えば導電性を有する接着剤を介して駆動ローラ1と電気的に接合されるとともに機械的に固定されるか、あるいは通孔2の内径よりも外径の大きいものを通孔2に圧入することで、駆動ローラ1と電気的に接合されるとともに機械的に固定されて、一体に回転される。

0050

駆動ローラ1を製造するには、まず本発明の導電性熱可塑性エラストマ組成物を、押出成形機を用いて筒状に押出成形し、冷却して所定の長さにカットしたのち、必要に応じて、所定の外径となるように研磨する。
シャフト3は、筒状体カット後から研磨後までの任意の時点で、通孔2に挿通して固定できる。

0051

ただしカット後、まず通孔2にシャフト3を挿通した状態で研磨をするのが好ましい。これにより、シャフト3を中心として回転させながら研磨することで当該研磨の作業性を向上し、なおかつ外周面4のフレを抑制できる。
シャフト3は、先に説明したように通孔2の内径よりも外径の大きいものを通孔2に圧入するか、あるいは導電性を有する接着剤を介して通孔2に挿通すればよい。

0052

前者の場合は、圧入と同時に電気的な接合と機械的な固定が完了する。
駆動ローラ1は、デュロメータタイプA硬さが60°以上、80°以下に限定される。
硬さがこの範囲未満では、駆動ローラの耐摩耗性が不十分になり、範囲を超える場合には、ベルトに対する摩擦力が低下して、スリップ等を生じやすくなるためである。

0053

〈ローラ抵抗値の測定〉
図2は、駆動ローラ1のローラ抵抗値を測定する方法を説明する図である。
図1図2を参照して、本発明では駆動ローラ1のローラ抵抗値を、下記の方法で測定した値でもって表すこととする。
すなわち一定の回転速度で回転させることができるアルミニウムドラム5を用意し、かかるアルミニウムドラム5の外周面6に、その上方から、ローラ抵抗値を測定する駆動ローラ1の外周面4を接触させる。

0054

また駆動ローラ1のシャフト3と、アルミニウムドラム5との間に直流電源7、および抵抗8を直列に接続して計測回路9を構成する。直流電源7は、(−)側をシャフト3、(+)側を抵抗8と接続する。抵抗8の抵抗値rは100Ωとする。
次いでシャフト3の両端部にそれぞれ450gf(=4.41N)の荷重fをかけて駆動ローラ1をアルミニウムドラム5に圧接させた状態で、当該アルミニウムドラム5を回転(回転数:40rpm)させながら、両者間に、直流電源7から直流50Vの印加電圧Eを印加した際に、抵抗8にかかる検出電圧Vを計測する。

0055

検出電圧Vと印加電圧E(=50V)とから、駆動ローラ1のローラ抵抗値Rは、基本的に式(1'):
R=r×E/(V−r) (1')
によって求められる。ただし式(1')中の分母中の−rの項は微小みなすことができるため、本発明では式(1):
R=r×E/V (1)
によって求めた値でもって駆動ローラ1のローラ抵抗値とすることとする。

0056

測定は、温度23±1℃、相対湿度55±1%の常温常湿環境下で実施することとする。
〈摩擦力の測定〉
図3は、駆動ローラの、ベルトに対する摩擦係数μを測定するために用いる装置の概略を説明する図である。

0057

図3を参照して、本発明では駆動ローラ1の摩擦力を、かかる装置を用いて、オイラーベルト式準拠した測定方法によって測定した摩擦係数μから求めた値でもって表すこととする。
まず駆動ローラ1を、シャフト3の中心軸10を水平方向に向けた状態で、図中に二点鎖線の矢印で示す方向に回転可能に保持する。また駆動ローラ1の近傍には、当該駆動ローラ1の中心軸10との距離を一定に維持した状態で荷重計11を配設する。

0058

次に、一端に12を取り付けたベルト13の他端を荷重計11に接続するとともに、ベルト13の錘12側の一端を駆動ローラ1よりも下側に垂れ下がらせた状態で、ベルト13を、中心軸10を中心とする中心角度θ(°)の範囲に亘って駆動ローラ1の外周面4に接触させる。
そして駆動ローラ1を二点鎖線の矢印で示す方向に一定の速度で回転させた際に生じる荷重P(N)を荷重計11によって測定し、測定荷重P(N)、錘12の荷重W(N)、および中心角度θ(°)から、式(2):
μ=(1/θ)ln(P/W) (2)
によって摩擦係数μを求める。

0059

次いで測定荷重P(N)と摩擦係数μから、式(3):
F(N)=μ×P (3)
によって摩擦力F(N)を求める。
測定は、温度23±1℃、相対湿度55±1%の常温常湿環境下で実施することとする。

0060

《画像形成装置》
本発明の画像形成装置は、本発明の駆動ローラ1を、例えば紙送りベルト、転写ベルト、中間転写ベルト等に組み込んだことを特徴とするものである。
かかる本発明の画像形成装置としては、レーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した種々の画像形成装置が挙げられる。

0061

〈実施例1〉
(導電性熱可塑性エラストマ組成物の製造)
エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ〔デュロメータタイプA硬さ:70°、BASFジャパン(株)製のエラストランC70A〕80質量部、および可塑剤としてのジプロピレングリコールジベンゾエート〔イーストマンケミカル社製のベンゾフレックス9‐88〕20質量部を、タンブラーを用いてドライブレンドした。

0062

エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマEと可塑剤Pとの質量比E/Pは80/20であった。
次いでこの混合物を、先に説明した、材料を混練しながら一方向に押し出す混練部、前記混練部に材料を供給するメインフィーダ、および前記混練部の、前記メインフィーダより材料の押出方向の前方側で前記混練部に材料を供給するサイドフィーダを備えた二軸混練押出機〔(株)アイベック製のHTM−38〕のメインフィーダを通して混練部に供給した。

0063

そして混練部内で、押出方向の前方側に送りつつ混練しながら、サイドフィーダを通してケッチェンブラック〔ライオン(株)製のEC600JD〕を供給し、先に混練した成分とさらに混練して、導電性熱可塑性エラストマ組成物を製造した。
ケッチェンブラックの配合量は、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の総量100質量部あたり5質量部とした。

0064

製造した導電性熱可塑性エラストマ組成物は、混練部の先端から連続的に押し出させたのち、ストランド冷却部を通して連続的に冷却し、ペレタイザによって連続的にペレット化した。
(駆動ローラ1の作製)
上記ペレットを、φ50短軸押出成形機〔(株)化工研究所製〕に供給して、内径φ19、肉厚1.0mmの筒状に押出成形し、所定の長さにカットして、通孔2に、外径φ20mmのアルミニウム製のシャフト3を圧入したのち、外周面4を、肉厚が0.5mmになるまで研磨して、当該シャフト3が電気的に接合されるとともに機械的に固定された、図1の駆動ローラ1を製造した。

0065

〈実施例2、3、比較例1、2〉
ケッチェンブラックの配合量を、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の総量100質量部あたり3質量部(比較例1)、7質量部(実施例2)、15質量部(実施例3)、および20質量部(比較例2)としたこと以外は実施例1と同様にして導電性熱可塑性エラストマ組成物を製造し、同形状同寸法の駆動ローラ1を作製した。

0066

エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマEと可塑剤Pとの質量比E/Pは80/20とした。
〈比較例3〉
ケッチェンブラックを、サイドフィーダを使用せず、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマ、および可塑剤とともにタンブラーを用いて一段階でドライブレンドしたのち、メインフィーダを通して混練部に供給して混練したこと以外は実施例1と同様にして導電性熱可塑性エラストマ組成物を製造し、同形状同寸法の駆動ローラ1を作製した。

0067

エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマEと可塑剤Pとの質量比E/Pは80/20とした。またケッチェンブラックの配合量は、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の総量100質量部あたり12質量部とした。
〈実施例4〉
エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤に代えて、ポリエステル系熱可塑性エラストマ〔デュロメータタイプA硬さ:77°、東レ・デュポン(株)製のハイトレル3046〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性熱可塑性エラストマ組成物を製造し、同形状同寸法の駆動ローラ1を作製した。

0068

ケッチェンブラックの配合量は、ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり7質量部とした。
〈比較例4〉
エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤に代えて、ポリエステル系熱可塑性エラストマ〔デュロメータタイプA硬さ:88°、東レ・デュポン(株)製のハイトレル4047〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性熱可塑性エラストマ組成物を製造し、同形状同寸法の駆動ローラ1を作製した。

0069

ケッチェンブラックの配合量は、ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり7質量部とした。
〈硬さ測定〉
実施例、比較例で作製した駆動ローラ1のデュロメータタイプA硬さを、日本工業規格JIS K6253−3:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」所載の測定方法に則って測定した。測定は、温度23±1℃、相対湿度55±1%の常温常湿環境下で実施した。

0070

デュロメータタイプA硬さは、先に説明したように60°以上、80°以下であるものを良好(○)、それ以外を不良(×)と評価した。
〈押出成形性評価〉
実施例、比較例で製造した導電性熱可塑性エラストマ組成物のペレットを、先述の寸法の筒状に、連続的に安定して押出成形できる最大のラインスピードを求めて、押出成形性を評価した。

0071

すなわち、ラインスピードを4m/min以上に設定しても安定して押出成形できたものを極めて良好(◎)、4m/min以上では安定して押出成形できなかったが、2m/min以上で安定して押出成形できたものを良好(○)、2m/min未満に設定しても安定して押出成形できなかったものを不良(×)と評価した。
耐摩耗性評価
実施例、比較例で作製した駆動ローラ1を、カラーレーザー複合機〔キヤノン(株)製のSatera(登録商標)MF8280Cw〕の純正の、ポリイミド系の転写ベルトと組み合わせて、上記カラーレーザー複合機に組み込み、15万枚の連続通紙をした際に、駆動ローラ1の外径変化量が0.03mm以下であったものを良好(○)、0.03mmを超えたものを不良(×)と評価した。評価は、温度23±1℃、相対湿度55±1%の常温常湿環境下で実施した。

0072

〈摩擦力測定〉
実施例、比較例で作製した駆動ローラ1の、ベルトに対する摩擦力Fを、温度23±1℃、相対湿度55±1%の常温常湿環境下、先に説明した測定方法によって測定した摩擦係数μから求めた。
なおベルトとしては、耐摩耗性評価で使用したのと同じ転写ベルトを使用した。

0073

そして、摩擦力Fが10N以上のものを良好(○)、10N未満のものを不良(×)と評価した。
〈ローラ抵抗値測定〉
実施例、比較例で作製した駆動ローラ1のローラ抵抗値を、温度23±1℃、相対湿度55±1%の常温常湿環境下、先に説明した測定方法によって測定した。

0074

そしてローラ抵抗値が105Ω台以下のものを良好(○)、105台を超えるものを不良(×)と評価した。
〈分散状態評価〉
実施例、比較例で作製した駆動ローラ1について透過型電子顕微鏡TEM写真撮影して、ケッチェンブラックの分散状態を評価した。

0075

図4は実施例3、図5は比較例3で作製した駆動ローラにおけるケッチェンブラックの分散状態を示すTEM写真である。
図4の実施例3の結果から、ケッチェンブラックを、サイドフィーダを介してあとから添加し、混練する工程を経ることにより、図5の比較例3に比べて、ケッチェンブラックを、凝集等を生じることなく均一に微分散できることが判った。

0076

そこで図4と同様の微分散状態であったものを良好(○)、図5と同様の凝集が見られたものを不良(×)として、各実施例、比較例について、ケッチェンブラックの分散状態を評価した。
以上の結果を表1、表2に示す。

0077

0078

0079

表2の比較例3の結果より、ケッチェンブラックを、他の成分とともに一段階で混練した場合には、当該ケッチェンブラックを微分散させることができず、駆動ローラを十分に低抵抗化できないことが判った。
これに対し表1、表2の実施例1〜4の結果より、先に他の成分を混練し、あとからケッチェンブラックを追加して混練する二段階の工程を経ることで、ケッチェンブラックを良好に微分散させて、駆動ローラを十分に低抵抗化できることが判った。

0080

ただし実施例1〜3、比較例1、2の結果より、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の併用系では、駆動ローラのデュロメータタイプA硬さを60°以上、80°以下として良好な摩擦力を確保しながら、駆動ローラを十分に低抵抗化するために、ケッチェンブラックの配合量を、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマと可塑剤の総量100質量部あたり5質量部以上、15質量部以下とする必要があることが判った。

実施例

0081

また実施例4、比較例4の結果より、ポリエステル系熱可塑性エラストマを用いた系では、同様の効果を得るために、ケッチェンブラックの配合量を、ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり5質量部以上、15質量部以下とする必要があること、特に駆動ローラのデュロメータタイプA硬さを60°以上、80°以下として良好な摩擦力を確保するためには、ポリエステル系熱可塑性エラストマとして、デュロメータ タイプA硬さが60°以上、80°以下であるものを用いるのが好ましいことが判った。

0082

1駆動ローラ
2通孔
3シャフト
4外周面
5アルミニウムドラム
6 外周面
7直流電源
8抵抗
9計測回路
f荷重
V検出電圧
10中心軸
11荷重計
12錘
13ベルト
P 荷重
W 荷重
θ 中心角度

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