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技術 シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物

出願人 ロート製薬株式会社
発明者 森千夏飯塚元気
出願日 2015年1月26日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2015-011920
公開日 2015年5月28日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2015-098473
状態 拒絶査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 接着状況 参考試験 酸素供給不足 プローブタイプ タンパク質吸着量 前処理済み 接着抑制効果 塩酸ポリ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年5月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

本発明の目的は、イオン性SHCLへの花粉タンパク質蓄積を抑制でき、また非イオン性SHCLへの角膜細胞接着を抑制することができる、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物を提供することである。

解決手段

(A)ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミングリチルリチン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種とを併用して、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物を調製する。

概要

背景

近年、コンタクトレンズ装用者が増えており、中でもソフトコンタクトレンズ装用
者が増えている。一般的に、ソフトコンタクトレンズを装用した場合には、大気からの酸
供給量が低下し、その結果として角膜上皮細胞分裂抑制や角膜肥厚につながる場合が
あることが指摘されている。そのため、より高い酸素透過性を有するソフトコンタクト
ンズの開発が進められてきた。

シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、そのような背景の下、高酸素透過性を有
するソフトコンタクトレンズとして近年開発されてきたものである。シリコーンハイドロ
ゲルコタクトレンズは、ハイドロゲルにシリコーンを配合させることにより、従来のハ
イドロゲルコンタクトレンズの数倍の酸素透過性を実現する。そのため、ソフトコンタク
トレンズの弱点である酸素供給不足を改善することができ、酸素不足に伴う角膜に対する
悪影響を大幅に抑制できるものとして、大きく期待されている。

一般に、コンタクトレンズに使用される眼科組成物については、コンタクトレンズの種
類に応じて、安全性等の影響を十分に考慮して設計することが肝要である。特に、ソフト
コンタクトレンズは、素材によってイオン性の有無や含水率高低等が種々異なるため、
ソフトコンタクトレンズ用の眼科組成物は、適用されるソフトコンタクトレンズの特性に
応じて製剤設計を行うことが肝要である。

また、花粉症は、花粉に含まれる花粉タンパク質抗原となって粘膜等と接触すること
により引き起こされるアレルギー症状である。近年、花粉症の患者が増加しており、大き
社会問題になりつつある。眼科分野でも、花粉症の予防や悪化抑制に有用な眼科組成物
の開発が強く求められている。

一方、従来、ビタミンB12類は、瞳のピント調節機能を改善する効果を付与すること
等を目的として眼科組成物に使用されている(特許文献1参照)。また、クロルフェニラ
ミン、グリチルリチン酸、及びこれらの塩についても、抗ヒスタミン作用消炎作用等が
知られており、眼科組成物に使用されている。しかしこれまで、これらの成分が、シリコ
ーンハイドロゲルコンタクトレンズに対して如何なる作用を及ぼすかについては全く解明
されていない。ましてや、これらの中の特定の成分の組み合わせが、シリコーンハイドロ
ゲルコンタクトレンズに与える影響については、全く推認すらできないのが現状である。

概要

本発明の目的は、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を抑制でき、また非イオン性SHCLへの角膜細胞接着を抑制することができる、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物を提供することである。(A)ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミン、グリチルリチン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種とを併用して、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物を調製する。なし

目的

本発明の目的の1つは、イオン性SHCLからの花粉タンパク質の除去を促進し、
再付着も防止することで、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を抑制できる、SHCL用
眼科組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(A)ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミングリチルリチン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含有する、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物

技術分野

0001

本発明は、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物に関する。より具体
的には、本発明は、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの花粉タンパク
質の蓄積を抑制でき、また非イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ表面への
角膜細胞接着を抑制することができる、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用の
眼科組成物に関する。また、本発明は、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレン
ズへの花粉タンパク質の蓄積を抑制する方法、並びに非イオン性シリコーンハイドロゲル
コンタクトレンズへの角膜細胞の接着を抑制する方法に関する。

背景技術

0002

近年、コンタクトレンズの装用者が増えており、中でもソフトコンタクトレンズ装用
者が増えている。一般的に、ソフトコンタクトレンズを装用した場合には、大気からの酸
供給量が低下し、その結果として角膜上皮細胞分裂抑制や角膜肥厚につながる場合が
あることが指摘されている。そのため、より高い酸素透過性を有するソフトコンタクト
ンズの開発が進められてきた。

0003

シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、そのような背景の下、高酸素透過性を有
するソフトコンタクトレンズとして近年開発されてきたものである。シリコーンハイドロ
ゲルコタクトレンズは、ハイドロゲルにシリコーンを配合させることにより、従来のハ
イドロゲルコンタクトレンズの数倍の酸素透過性を実現する。そのため、ソフトコンタク
トレンズの弱点である酸素供給不足を改善することができ、酸素不足に伴う角膜に対する
悪影響を大幅に抑制できるものとして、大きく期待されている。

0004

一般に、コンタクトレンズに使用される眼科組成物については、コンタクトレンズの種
類に応じて、安全性等の影響を十分に考慮して設計することが肝要である。特に、ソフト
コンタクトレンズは、素材によってイオン性の有無や含水率高低等が種々異なるため、
ソフトコンタクトレンズ用の眼科組成物は、適用されるソフトコンタクトレンズの特性に
応じて製剤設計を行うことが肝要である。

0005

また、花粉症は、花粉に含まれる花粉タンパク質が抗原となって粘膜等と接触すること
により引き起こされるアレルギー症状である。近年、花粉症の患者が増加しており、大き
社会問題になりつつある。眼科分野でも、花粉症の予防や悪化抑制に有用な眼科組成物
の開発が強く求められている。

0006

一方、従来、ビタミンB12類は、瞳のピント調節機能を改善する効果を付与すること
等を目的として眼科組成物に使用されている(特許文献1参照)。また、クロルフェニラ
ミン、グリチルリチン酸、及びこれらの塩についても、抗ヒスタミン作用消炎作用等が
知られており、眼科組成物に使用されている。しかしこれまで、これらの成分が、シリコ
ーンハイドロゲルコンタクトレンズに対して如何なる作用を及ぼすかについては全く解明
されていない。ましてや、これらの中の特定の成分の組み合わせが、シリコーンハイドロ
ゲルコンタクトレンズに与える影響については、全く推認すらできないのが現状である。

先行技術

0007

特開2003−128553号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明者らは、各種のソフトコンタクトレンズ(以下、SCLと表記することもある)に
対する花粉タンパク質の吸着特性について種々検討していたところ、イオン性シリコーン
ハイドロゲルコンタクトレンズには花粉タンパク質が著しく吸着し易いという全く新しい
知見を得た。一般に、タンパク質は、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(以下、
SHCLと表記することもある)に対しては吸着し難いと考えられており、かかる知見は全く
意外なものである。そして一般的に、コンタクトレンズ装用時には、眼が乾き易くなり、
その結果、涙液による洗浄作用が低下して、花粉等の異物が眼に滞留し易くなるため、花
粉症の発症リスクが高くなると考えられている。そのうえ、コンタクトレンズに花粉タン
パク質が多量に吸着し蓄積していくとすれば、花粉症の発症リスクを著しく高めることに
なる。このように、コンタクトレンズへの花粉タンパク質の蓄積は、アレルギー症状を誘
発する一因にもなりかねない。更に、コンタクトレンズに吸着した花粉タンパク質の除去
が不十分になれば、コンタクトレンズの装用感が損なわれて不快感を誘発し、使用期間が
縮化されることにもなる。そのため、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレン
ズ(以下、イオン性SHCLと表記することもある)への花粉タンパク質の蓄積を抑制できる
ような手段の開発が求められている。

0009

更に、本発明者等は、各種ソフトコンタクトレンズの角膜上皮細胞の接着性について種
々の検討を行っていたところ、全く予想していなかったことに、非イオン性シリコーンハ
イドロゲルコンタクトレンズ(以下、非イオン性SHCLと表記することもある)のレンズ
面は、角膜上皮細胞の接着性が著しく高いという全く新しい知見を得た。このような角膜
上皮細胞の接着性が高いコンタクトレンズは、コンタクトレンズの装用時に角膜上でレン
ズに角膜細胞が接着して、レンズが動く度に、又はレンズを外す際等に、眼組織から該細
胞を剥離させて、角膜表面の損傷やそれに伴う痛みを発生させる恐れがあり、ひいてはコ
ンタクトレンズ使用者のQOL(Quality of Life)を著しく低下させることにもなる。
更に、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、他のソフトコンタクトレンズに比し
て比較的長期に亘って連続装用される場合が多いことを考慮すると、長期間の連続装用に
よって生じる角膜上皮細胞の非イオン性SHCLへの接着は、重大な眼疾患又は眼粘膜症状を
引き起こす一因にもなりかねない。そのため、非イオン性SHCLへの角膜上皮細胞の接着を
抑制できる手段の開発も求められている。

0010

そこで、本発明の目的の1つは、イオン性SHCLからの花粉タンパク質の除去を促進し、
再付着も防止することで、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を抑制できる、SHCL用
眼科組成物を提供することである。また、本発明の他の目的の1つは、非イオン性SHCL表
面への角膜細胞の接着を抑制することができるSHCL用眼科組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、驚くべきことに、(A)
ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミン、グリチルリチン酸、及びこれらの塩から
なる群より選択される少なくとも1種とを併用すると、イオン性SHCLへの花粉タンパク質
の蓄積を顕著に抑制できることを見出した。また、本発明者等は、上記(A)成分及び(B)成
分の併用は、非イオン性SHCLへの角膜上皮細胞の接着をも著しく抑制できることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである

0012

即ち、本発明は、下記に掲げるSHCL用眼科組成物を提供する。
項1-1.(A)ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミン、グリチルリチン酸、及びこれ
らの塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含有する、シリコーンハイドロゲル
コンタクトレンズ用眼科組成物
項1-2.(A)成分として、シアノコバラミンを含む、項1-1に記載のシリコーンハイドロゲ
ルコンタクトレンズ用眼科組成物。
項1-3.(A)成分を総量で0.001〜0.1w/v%含有する、項1-1又は1-2に記載のシリコーンハ
イドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物。
項1-4.(B)成分として、マレイン酸クロルフェニラミン、及びグリチルリチン酸二カリ
ムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1-1〜1-3のいずれかに記載のシリ
コーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物。
項1-5.(B)成分を総量で0.003〜1.25w/v%含有する、項1-1〜1-4のいずれかに記載のシリ
コーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物。
項1-6.更に、緩衝剤を含有する、項1-1〜1-5のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲ
ルコンタクトレンズ用眼科組成物。
項1-7.緩衝剤としてホウ酸緩衝剤を含む、項1-6に記載のシリコーンハイドロゲルコン
クトレンズ用眼科組成物。
項1-8.緩衝剤を総量で0.01〜10w/v%含有する、項1-6又は1-7に記載のシリコーンハイド
ロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物。
項1-9.点眼剤である、項1-1〜1-8のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタク
トレンズ用眼科組成物。
項1-10.イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用である、項1-1〜1-9のいず
れかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物。
項1-11.非イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用である、項1-1〜1-9のい
ずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物。

0013

また、本発明は、下記に掲げるイオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を抑制する方法
を提供する。
項2.(A)ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミン、グリチルリチン酸、及びこれら
の塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含有するシリコーンハイドロゲルコン
タクトレンズ用眼科組成物を、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと接触
させることを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの花粉タ
ンパク質の蓄積を抑制する方法。

0014

また、本発明は、下記に掲げるイオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を抑制する作用
を付与する方法を提供する。
項3.シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物に、(A)ビタミンB12類
と、(B)クロルフェニラミン、グリチルリチン酸、及びこれらの塩からなる群より選択さ
れる少なくとも1種とを配合することを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコ
ンタクトレンズへの花粉タンパク質の蓄積を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法

0015

また、本発明は、下記に掲げる非イオン性SHCLに対する角膜上皮細胞の接着抑制方法
提供する。
項4.(A)ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミン、グリチルリチン酸、及びこれら
の塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含有するシリコーンハイドロゲルコン
タクトレンズ用眼科組成物を、非イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと接
触させることを特徴とする、非イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに対す
る角膜上皮細胞の接着を抑制する方法。

0016

また、本発明は、下記に掲げる、SHCL用眼科組成物に非イオン性SHCLに対する角膜上皮
細胞の接着抑制作用を付与する方法を提供する。
項5.シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物に、(A)ビタミンB12類
と、(B)クロルフェニラミン、グリチルリチン酸、及びこれらの塩からなる群より選択さ
れる少なくとも1種とを配合することを特徴とする、シリコーンハイドロゲルコンタクト
レンズ用眼科組成物に非イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに対する角膜
上皮細胞の接着抑制作用を付与する方法。

発明の効果

0017

本発明のSHCL用眼科組成物によれば、イオン性SHCLの装用中に花粉タンパク質とイオン
性SHCLが接触しても、イオン性SHCLからの花粉タンパク質の除去を促進し、再付着も防止
することで、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を抑制できる。従って、花粉症又は
花粉症予備の使用者にとってアレルギー症状の発症リスクを低減させることができる。
更に、本発明のSHCL用眼科組成物によれば、イオン性SHCLの装用中又は装用前後にイオン
性SHCLを清潔に保持することもできる。

0018

また、本発明のSHCL用眼科組成物によれば、非イオン性SHCLに対して角膜上皮細胞が接
着するのを効果的に抑制できるので、非イオン性SHCLの使用による角膜表面の損傷やそれ
に伴う痛みを改善することできる。また、ソフトコンタクトレンズ装用時には角膜は障害
が起きても自覚し難いことが知られているため、非イオン性SHCLの長期間の連続装用を繰
り返すと、重症になるまで放置してしまうことがある。これに対して、本発明のSHCL用眼
組成物によれば、このような悪影響についても改善でき、高い安全性をもって非イオン
性SHCLを長期間連続装用することをも可能になる。

0019

このように、本発明のSHCL用眼科組成物は、イオン性及び非イオン性SHCLの装用時に懸
念される問題点を一挙に解決できるので、SHCLの使用において高い安全性と快適性を確保
することができる。

図面の簡単な説明

0020

参考試験例1において、各種ソフトコンタクトレンズへの花粉タンパク質の吸着性を評価した結果を示す図である。
試験例1において、試験液(実施例1−2及び比較例1−3)がイオン性SHCLに吸着した花粉タンパク質を除去する効果を評価した結果を示す図である。
参考試験例2において、各種ソフトコンタクトレンズの角膜上皮細胞の接着性を評価した結果を示す図である。

0021

1.SHCL用眼科組成物
本発明のSHCL用眼科組成物は、ビタミンB12類(以下、(A)成分と表記することもあ
る)を含有する。

0022

ビタミンB12類は、目のピント調節機能改善効果を有する公知の化合物であり、公知
の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。

0023

ビタミンB12類としては、薬理学的に又は生理学的に許容されることを限度として特
に限定されないが、具体的には、シアノコバラミン、その類縁体、及びそれらの塩が例示
される。

0024

シアノコバラミンの類縁体としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許
容されるものであれば、特に制限されないが、例えば、シアノコバラミン中のコバルト
配位子置換されてなる化合物、シアノコバラミン中の官能基が置換されてなる化合物
等が例示される。より具体的には、シアノコバラミンの類縁体として、メコバラミン(メ
チルコバラミン)、ヒドロキソコバラミンアデノシルコバラミンアクアコバラミン
が挙げられる。これらのシアノコバラミンの類縁体は、1種のものを選択して単独で使用
してもよく、2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。

0025

シアノコバラミン及びその類縁体の塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生
理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、有機酸塩[例えば
モノカルボン酸塩(酢酸塩トリフルオロ酢酸塩酪酸塩パルミチン酸塩ステア
酸塩等)、多価カルボン酸塩フマル酸塩マレイン酸塩コハク酸塩マロン酸塩
)、オキシカルボン酸塩乳酸塩酒石酸塩クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩メタ
スルホン酸塩トルエンスルホン酸塩トシル酸塩等)]、無機酸塩(例えば、塩酸塩
硫酸塩、硝酸塩臭化水素酸塩リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミ
ン、トリエチルアミントリエタノールアミンモルホリンピペラジンピロリジン
トリピリジンピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモ
ウム塩;アルカリ金属ナトリウムカリウム等)、アルカリ土類金属カルシウム、マ
グネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]が挙げられる。これらの塩の中でも、
好ましくは有機酸塩及び無機酸塩、更に好ましくは酢酸塩及び塩酸塩が挙げられる。これ
らの塩は、1種のものを選択して単独で使用してもよく、2種以上のものを任意に組み合
わせて使用してもよい。

0026

本発明のSHCL用眼科組成物において、(A)成分は、シアノコバラミン、その類縁体、及
びそれらの塩の中から1種のものを単独で使用してもよく、また2種以上のものを任意に
組み合わせて使用してもよい。イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積抑制作用をより一
層向上させるという観点から、また非イオン性SHCLに対する角膜上皮細胞の接着を有効に
抑制させるという観点から、本発明で使用される(A)成分として、好ましくはシアコバ
ラミン、メコバラミン、ヒドロキソコバラミン、及びこれらの塩、更に好ましくはシアノ
コバラミン及びその塩、特に好ましくはシアノコバラミンが挙げられる。

0027

本発明のSHCL用眼科組成物において、(A)成分の配合割合については、(A)成分の種類、
該SHCL用眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、一例として、SHCL用眼科
成物の総量に対して、(A)成分が総量で0.001〜0.1w/v%、好ましくは0.004〜0.05w/v%、
更に好ましくは0.006〜0.03w/v%が例示される。

0028

本発明のSHCL用眼科組成物は、上記(A)成分に加えて、クロルフェニラミン、グリチル
リチン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種(以下、(B)成分と
表記することもある)を含有する。このように(A)成分と共に(B)成分を併用することによ
って、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積抑制作用を発揮させることが可能になり、
また非イオン性SHCLへの角膜上皮細胞の接着を有効に抑制させることが可能になる。

0029

(B)成分の内、クロルフェニラミンは、3-(4-クロロフェニル)-N,N-ジメチル-3-ピリジ
ン-2-イル-プロピルアミンとも称される公知の化合物である。

0030

クロルフェニラミンの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容
されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、マレイン酸塩、フマル酸塩等の
有機酸塩;塩酸塩、硫酸塩等の無機酸塩;金属塩等の各種の塩が挙げられる。これらの塩
の中でも、好ましくは有機酸塩、更に好ましくはマレイン酸塩(マレイン酸クロルフェニ
ラミン)が挙げられる。これらのクロルフェニラミンの塩は、1種単独で使用してもよく
、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。

0031

また、クロルフェニラミン及びその塩は、水和物の形態であってもよく、更にd体、l体
、dl体のいずれであってもよい。

0032

クロルフェニラミン及びその塩の中でも、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積抑制
作用を一層高めるという観点から、また非イオン性SHCLに対する角膜上皮細胞の接着を有
効に抑制させるという観点から、好ましくはクロルフェニラミンの塩、更に好ましくはマ
レイン酸クロルフェニラミンが挙げられる。

0033

(B)成分の内、グリチルリチン酸は、20β-カルボキシ-11-オキソ-30-ノルオレアナ-12-
エン-3β-イル-2-O-β-D-グルコピラヌロノシル-α-D-グルコピラノシドウロン酸とも称
される公知化合物である。グリチルリチン酸及びその塩は、抗炎症剤又は抗アレルギー剤
として公知の化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手すること
もできる。

0034

また、グリチルリチン酸の塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に
許容されることを限度として、特に制限されるものではない。このような塩として、具体
的には、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノール
ミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンと
の塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリ
ウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属と
の塩等]等が挙げられる。これらの塩の中でも、好ましくは無機塩基との塩、更に好まし
くは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属との塩;アンモニウム塩等が挙げられる。
より具体的には、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリ
チルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸三カリウム等のアルカリ金属との塩;グリチ
ルリチン酸モノアンモニウム等のアンモニウム塩等が例示される。これらの中でも、好ま
しくはグリチルリチン酸のアルカリ金属塩、更に好ましくはグリチルリチン酸二カリウム
が挙げられる。これらのグリチルリチン酸の塩は、1種単独で使用してもよく、また2種
以上を任意に組み合わせて使用してもよい。

0035

なお、本発明において、(B)成分として、グリチルリチン酸及び/又はその塩を使用す
る場合、グリチルリチン酸及び/又はその塩を含有する生薬(例えば、カンゾウ)を使用
することもできる。

0036

グリチルリチン酸及びその塩の中でも、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積抑制作
用を一層高めるという観点から、また非イオン性SHCLに対する角膜上皮細胞の接着を有効
に抑制させるという観点から、好ましくはグリチルリチン酸の塩、更に好ましくはグリチ
ルリチン酸のアルカリ金属塩、特に好ましくはグリチルリチン酸二カリウムが挙げられる

0037

本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、(B)成分は、クロルフェニラミン、グリ
チルリチン酸、及びこれらの塩の中から1種のものを単独で使用してもよく、また2種以
上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。本発明で使用される(B)成分の好適な一
例として、マレイン酸クロルフェニラミン、及びグリチルリチン酸二カリウムが挙げられ
る。

0038

本発明で使用される(B)成分の中でも、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積抑制作
用を一層高めるという観点から、好ましくは、グリチルリチン酸及びこの塩;更に好まし
くは、グリチルリチン酸二カリウムが例示される。また、非イオン性SHCLに対する角膜上
皮細胞の接着抑制作用を一層高めるという観点からは、好ましくは、クロルフェニラミン
及びこの塩;更に好ましくは、マレイン酸クロルフェニラミンが例示される。

0039

本発明のSHCL用眼科組成物において、(B)成分の配合割合は、(B)成分の種類、併用する
(A)成分の種類、該SHCL用眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、一例とし
て、SHCL用眼科組成物の総量に対して、(B)成分が総量で0.003〜1.25w/v%、好ましくは0
.006〜0.3w/v%が例示される。より具体的には、SHCL用眼科組成物の総量に対する各(B
)成分の配合割合として、以下の範囲が例示される。
(B)成分がクロルフェニラミン及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.003〜0.
15w/v%、好ましくは0.005〜0.1w/v%、更に好ましくは0.006〜0.05w/v%;
(B)成分がグリチルリチン酸及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常0.005〜1.25
w/v%、好ましくは0.01〜1.0w/v%、更に好ましくは0.05〜0.3w/v%。

0040

また、本発明のSHCL用眼科組成物において、(A)成分に対する(B)成分の比率については
、特に制限されるものではないが、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積抑制作用を一
層高める、或いは非イオン性SHCLへの角膜上皮細胞の接着抑制作用を一層高めるという観
点から、(A)成分の総量100重量部当たり、上記(B)成分の総量が15〜21000重量部、好
ましくは30〜4500重量部となる範囲が例示される。より具体的には、(A)成分の総量10
0重量部当たりの(B)成分の比率として、以下の範囲が例示される:
(B)成分がクロルフェニラミン及び/又はその塩の場合:通常15〜2500重量部、好ましく
は25〜850重量部、更に好ましくは30〜500重量部;
(B)成分がグリチルリチン酸及び/又はその塩の場合:これらが総量で、通常25〜21000重
量部、好ましくは50〜5000重量部、更に好ましくは250〜4500重量部。

0041

本発明のSHCL用眼科組成物は、更に緩衝剤を含有していてもよい。本発明のSHCL用眼科
組成物に配合できる緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容
されるものであれば、特に制限されない。かかる緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リ
酸緩衝剤炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、トリス緩衝剤、イプシロン−ア
ミノカプロン酸アスパラギン酸アスパラギン酸塩等が挙げられる。これらの緩衝剤は
組み合わせて使用しても良い。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩
衝剤、及びクエン酸緩衝剤であり、より好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、及びリン酸
衝剤であり、特に好ましい緩衝剤はホウ酸緩衝剤である。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸
、又はホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等のホウ酸塩が挙げられる。リ
ン酸緩衝剤としては、リン酸、又はリン酸アルカリ金属塩リン酸アルカリ土類金属塩
のリン酸塩が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸、又は炭酸アルカリ金属塩、炭酸ア
ルカリ土類金属塩等の炭酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、又はク
エン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ホウ酸緩衝
剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的
な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウムテトラホウ酸
カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウムホウ砂等);リン酸緩衝剤として
、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウムリン酸二水素ナトリウムリン酸二水素
カリウム、リン酸三ナトリウムリン酸二カリウムリン酸一水素カルシウム、リン酸二
水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナ
トリウム炭酸アンモニウム炭酸カリウム炭酸カルシウム炭酸水素カリウム、炭酸
マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム
クエン酸カリウムクエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリ
ウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム酢酸カリウム、酢酸
カルシウム、酢酸ナトリウム等);トリス緩衝剤として、トリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン又はその塩(塩酸塩、酢酸塩、スルホン酸塩等);アスパラギン酸又はその塩
アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム
)等が例示できる。これらの緩衝剤の中でも、ホウ酸緩衝剤は、より確実に本発明の効果
を奏させることが期待されるため、本発明のSHCL用眼科組成物に好適に使用される。これ
らの緩衝剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用しても
よい。

0042

本発明のSHCL用眼科組成物に緩衝剤を配合する場合、該緩衝剤の配合割合については、
使用する緩衝剤の種類、他の配合成分の種類や量、該眼科組成物の製剤形態等に応じて異
なり、一律に規定することはできないが、例えば、該SHCL用眼科組成物の総量に対して、
該緩衝剤が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.1〜5w/v%、更に好ましくは0
.5〜2w/v%となる割合が例示される。

0043

本発明のSHCL用眼科組成物は、更に界面活性剤を含有していてもよい。本発明のSHCL用
眼科組成物に配合可能な界面活性剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学
的に許容されることを限度として特に制限されず、非イオン性界面活性剤両性界面活性
剤、陰イオン性界面活性剤陽イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。

0044

本発明のSHCL用眼科組成物に配合可能な非イオン性界面活性剤としては、具体的には、
モノラウリン酸POE(20)ソルビタンポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソ
ルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベー
ト60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸P
OE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;ポロクサマ
ー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188、ポロクサマー403、ポロクサマー237、ポロ
サマー124等のPOE・POPブロックコポリマー類;POE(60)硬化ヒマシ油ポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油60)等のPOE硬化ヒマシ油類;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキル
エーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル類;POE(10)ノ
ニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。なお、上記
で例示する化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及
括弧内の数字付加モル数を示す。また、本発明のSHCL用眼科組成物に配合可能な両性
界面活性剤としては、具体的には、アルキルジアミノエチルグリシン等が例示される。ま
た、本発明のSHCL用眼科組成物に配合可能な陽イオン性界面活性剤としては、具体的には
塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウム等が例示される。また、本発明のSHCL用眼
科組成物に配合可能な陰イオン性界面活性剤としては、具体的には、アルキルベンゼン
ホン酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪族α−スルホ
チルエステルαオレフィンスルホン酸等が例示される。

0045

本発明のSHCL用眼科組成物において、上記界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、
また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0046

上記の界面活性剤の中でも、好ましくは非イオン性界面活性剤;より好ましくはPOEソ
ルビタン脂肪酸エステル類、POE硬化ヒマシ油類、又はPOE・POPブロックコポリマー類が
用いられる。

0047

本発明のSHCL用眼科組成物に界面活性剤を配合する場合、該界面活性剤の配合割合につ
いては、該界面活性剤の種類、他の配合成分の種類や量、該SHCL用眼科組成物の製剤形態
等に応じて適宜設定できる。界面活性剤の配合割合の一例として、SHCL用眼科組成物の総
量に対して、該界面活性剤が総量で、0.001〜1.0w/v%、好ましくは0.005
〜0.7w/v%、更に好ましくは0.01〜0.5w/v%が例示される。

0048

本発明のSHCL用眼科組成物は、更に等張化剤を含有していてもよい。本発明のSHCL用眼
科組成物に配合できる等張化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に
許容されるものであれば、特に制限されない。かかる等張化剤の具体例として、例えば、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム亜硫酸水
ナトリウム、亜硫酸ナトリウム塩化カリウム塩化カルシウム塩化ナトリウム塩化
マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム
チオ硫酸ナトリウム硫酸マグネシウムグリセリンプロピレングリコール等が挙げら
れる。これらの等張化剤の中でも、より確実に本発明の効果を奏させるという観点から、
好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、グリ
セリン、及びプロピレングリコールが挙げられる。これらの等張化剤は、1種単独で使用
してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。

0049

本発明のSHCL用眼科組成物に等張化剤を配合する場合、該等張化剤の配合割合について
は、使用する等張化剤の種類等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例え
ば、該等張化剤が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.05〜5w/v%、更に好ま
しくは0.1〜3w/v%となる割合が例示される。

0050

本発明のSHCL用眼科組成物のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理
学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではない。本発明のSHCL用眼科組成
物のpHの一例として、4.0〜9.5、好ましくは5.0〜9.0、更に好ましくは5
.5〜8.5となる範囲が挙げられる。

0051

また、本発明のSHCL用眼科組成物の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれ
ば、特に制限されない。本発明のSHCL用眼科組成物の浸透圧比の一例として、好ましくは
0.5〜5.0、更に好ましくは0.6〜3.0、特に好ましくは0.7〜2.0となる
範囲が挙げられる。浸透圧の調整は無機塩多価アルコール糖アルコール、糖類等を用
いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十五改正日本薬局
方に基づき286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の
比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法氷点降下法)を参考にして測定する。
なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日
薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーターシリカゲル
中で放冷し、その0.900gを正確に量り精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか
、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。

0052

本発明のSHCL用眼科組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の
薬理活性成分生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。かかる成分は特に制
限されず、例えば、一般用医薬品製造(輸入承認基準2000年版(薬事審査研究会
修)に記載された眼科用薬における有効成分が例示できる。具体的には、眼科用薬におい
て用いられる成分としては、次のような成分が挙げられる。
抗ヒスタミン剤:例えば、イプロヘプチン、塩酸ジフェンヒドラミンフマル酸ケトチフ
ェン、ペミロラストカリウム等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン塩酸ナファゾリン、硫酸ナファゾリン
塩酸エピネフリン塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン等。
殺菌剤:例えば、セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩
クロルヘキシジングルコン酸クロルヘキシジン塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド
等。
ビタミン類:例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム酢酸レチノール、パ
ルミチン酸レチノール塩酸ピリドキシンパンテノールパントテン酸カルシウム等、
酢酸トコフェロール
アミノ酸類:例えば、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アミノ
チルスルホン酸等。
消炎剤:例えば、プラノプロフェンアラントインアズレンアズレンスルホン酸ナト
リウム、グアイアズレン、ε−アミノカプロン酸塩化ベルベリン硫酸ベルベリン、塩
リゾチーム甘草等。
収斂剤:例えば、亜鉛華乳酸亜鉛硫酸亜鉛等。
その他:例えば、クロモグリク酸ナトリウムコンドロイチン硫酸ナトリウムスルファ
メトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム等。

0053

また、本発明のSHCL用眼科組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用
途や形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用し
て適当量含有させてもよい。それらの添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007
(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分とし
て次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマーヒドロキシエチルセルロースヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ポリビニルアルコール(完
全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドンマクロゴール等。
糖類:例えば、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトールソルビトールマンニトールなど。これらはd
体、l体又はdl体のいずれでもよい。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン安息香酸
トリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロル
ヘキシジンクロロブタノールソルビン酸ソルビン酸カリウムデヒドロ酢酸ナトリ
ウム、パラオキシ安息香酸メチルパラオキシ安息香酸エチルパラオキシ安息香酸プロ
ピルパラオキシ安息香酸ブチル硫酸オキシキノリンフェネチルアルコールベン
ルアルコールビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド等)、グ
ローキルローディア社商品名)等。
pH調節剤:例えば、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプ
ロン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化カルシウム、水酸
化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン
モノエタノールアミンジイソプロパノールアミン、硫酸、リン酸、ポリリン酸、プロ
オン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸酒石酸リンゴ酸コハク酸グル
コノラクトン、酢酸アンモニウム等。
安定化剤:例えば、ジブチルヒドロキシトルエントロメタモール、ナトリウムホルムア
ルデヒドスホキレート(ロンガリット)、トコフェロールピロ亜硫酸ナトリウム
モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウムモノステアリン酸グリセリン

キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレ
ジアミン四酢酸エデト酸EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢
酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
香料又は清涼化剤:例えば、メントールアネトールオイゲノールカンフルゲラ
オールシネオールボルネオールリモネン、リュウノウ等。これらは、d体、l体又
はdl体のいずれでもよく、また精油ハッカ油、クールミント油、スペアミント油、ペ
パーミント油ウイキョウ油ケイヒ油ベルガモット油ユーカリ油ローズ油等)と
して配合してもよい。

0054

本発明のSHCL用眼科組成物は、所望量の上記(A)及び(B)成分、及び必要に応じて他の配
合成分を所望の濃度となるように添加することにより調製される。

0055

本発明のSHCL用眼科組成物は、その剤型については、眼科分野で使用可能である限り特
に制限されないが、例えば、液状、軟膏状等が挙げられる。これらの中でも、液状が好ま
しい。また液状の中でも水性液状が好ましい。本発明のSHCL用眼科組成物を水性液状にす
る場合、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される水を水性担体として使
用すればよく、このような水として、具体的には、蒸留水常水、精製水、滅菌精製水
注射用水注射用蒸留水等が例示される。これらの定義は第一五改正日本薬局方に基づく
。ここで、水性液状とは、水を含有する液状の形態を意味し、通常は、SHCL用眼科組成物
中に水を1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量%以上、更に
好ましくは50重量%以上を含有するものを意味する。

0056

本発明のSHCL用眼科組成物は、眼科分野で用いられるものであってSHCLに接触するよう
に使用されるものであれば、その製剤形態については制限されない。例えば、SHCL用点眼
剤(SHCLを装着したまま使用可能な点眼剤)、SHCL用洗眼剤(SHCLを装着したまま使用可
能な洗眼剤)、SHCL装着液、SHCLケア液剤(SHCL消毒液、SHCL保存液、SHCL洗浄液、及
びSHCL洗浄保存液等)等を挙げることができる。

0057

これらの中でも、SHCL用点眼剤は、イオン性SHCL装用中に手軽に使用できるので、イオ
ン性SHCL装用中に花粉タンパク質が蓄積するのを効果的に抑制できるため、イオン性SHCL
装用中の不快感を防止して快適にイオン性SHCLを装用することを可能にするという点で好
適である。またSHCL用点眼剤又はSHCL装着液、特にSHCL用点眼剤は、眼球表面に非イオン
性SHCLが接触している際に又は接触する直前(例えば、接触させることとなる装着行為前
の10分以内)に使用されるものであり、非イオン性SHCLへの角膜上皮細胞の接着抑制作
用が強く求められる製剤形態である。そして、点眼剤は、他の眼科組成物に比べて一般に
日当たり使用頻度が高いため、本発明の効果をより一層有効に奏させ得る。これらの
観点を総合的に鑑みれば、本発明のSHCL用眼科組成物の好適な一例として、SHCL用点眼剤
が挙げられる。

0058

また、本発明のSHCL用眼科組成物の使用方法としては、該SHCL用眼科組成物をSHCLに接
触させることとなる工程を有する公知の方法であれば、特に限定はない。例えば、SHCL用
点眼剤の場合、SHCLの装着前又は装用中に、該点眼剤の適量を点眼すればよい。また、SH
CL用洗眼剤の場合も、SHCLの装着前又は装用中、該洗眼剤の適量を洗眼に使用すればよい
。なお、本発明のSHCL用眼科組成物がSHCL用点眼剤又はSHCL用洗眼剤である場合、SHCLを
装用している時はもちろん、装用していない時でも点眼や洗眼の目的で使用することがで
きる。また、SHCL装着液の場合、SHCLの装着時にSHCLと該装着液の適量を接触させること
より使用される。更に、SHCLケア用液剤の場合であれば、適量の該ケア用液剤中にSHCLを
浸漬したり、該ケア用液剤にSHCLを接触させて擦り洗いすること等によって使用される。

0059

本発明のSHCL用眼科組成物において、適用対象となるSHCLの種類については特に制限さ
れず、イオン性又は非イオン性の別を問わず、現在市販されている、或いは将来市販され
る全てのSHCLを適用対象にできる。本発明のSHCL用眼科組成物によれば、イオン性SHCLを
適用対象とする場合には、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を抑制することができ
、また非イオン性SHCLを適用対象とする場合には、非イオン性SHCLに対する角膜上皮細胞
の接着を抑制することができる。なお、ここでイオン性とは、当業者が通常理解するよう
に、米国FDA(米国食品医薬品局)基準に則り、素材中のイオン性成分含有率が1mol%以上
であることをいい、非イオン性とは、米国FDA基準に則り、素材中のイオン性成分含有率
が1mol%未満であることをいう。

0060

また、適用対象となるSHCLの含水率についても特に制限されず、例えば、90%以下、
好ましくは60%以下、更に好ましくは50%以下が挙げられる。なお、SHCLはハイドロゲ
ル素材を含むものであるため、少なくとも0%より多い水分を含む。とりわけ、含水率が
35%以下の非イオン性SHCLは特に角膜上皮細胞に対する接着性が強い傾向がある。本発
明のSHCL用眼科組成物によれば、このように角膜上皮細胞に対する接着性が強い非イオン
性SHCLに対しても、角膜上皮細胞の接着抑制効果を有効に奏することができる。かかる本
発明の効果に鑑みれば、本発明のSHCL用眼科組成物の好適な適用対象として、含水率が3
5%以下の非イオン性SHCLが挙げられる。

0061

ここでSHCLの含水率とは、SHCL中の水の割合を示し、具体的には以下の計算式により求
められる。

0062

含水率(%)=(含水した水の重量/含水状態のSHCLの重量)×100
かかる含水率は、ISO18369-4:2006の記載に従って重量測定方法により測定され得る。

0063

また、一般に材質が柔らかい非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに比べ、材質
が硬いシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、異物の吸着によるレンズの変形や濡
れ性低下により、使用感の悪化を感じさせ易く、眼粘膜障害を引き起こし易い傾向にある
。本発明のSHCL用眼科組成物によれば、このように使用感悪化や眼粘膜障害を引き起こし
易い硬い材質のイオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を有効に抑制することができ、そ
れによりレンズの変形や変質を防いで、使用感の悪化や眼粘膜障害を効果的に防止するこ
ともできる。かかる本発明の効果に鑑みれば、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物の好適
な適用対象として、硬度が比較的高いイオン性SHCLが挙げられる。好ましくは、適用対象
となるイオン性SHCLの硬度は、下記のテクスチャーアナライザーによる測定方法により測
定した場合の硬度が、3g以上、好ましくは4g以上、より好ましくは6g以上、更に好
ましくは8g以上である。また、適用対象となるイオン性SHCLの硬度の上限値については
、特に制限されないが、好ましくは15g以下、更に好ましくは12g以下である。

0064

コンタクトレンズの硬度は、テクスチャーアナライザー(製品名:TA.XT.plus TEXTURE
ANALYSER(Stable Micro Systems Limited製))を用いて、具体的に以下のようにして
測定され得る。

0065

まず、測定対象となるコンタクトレンズをパッケージから取り出し、余分な水分をふき
取って、生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム溶液)で濯いだ後、生理食塩水を満たしたプ
ラスチックシャーレの底に凸面が上方になるように配置する。次いで、測定器プローブ
の真下に該コンタクトレンズが来るように調節し、以下の測定条件下で測定を行う。

0066

[測定条件]
測定器の設定:
テストモード圧縮測定
プローブタイプφ10mmシリンダープローブ
Target Mode Distance
Distance 2.5mm
Triger Type Auto
Triger Force 0.1g
Test Speed 1.0mm/sec
プローブがレンズ頂点押し下げ始めてから2.5mm(2.5秒)レンズを押しつぶす際の応
力を測定し、その最大値を硬度として記録する。

0067

本発明のSHCL用眼科組成物は、上記(A)及び(B)成分に基づく固有生理活性を発揮でき
、様々な用途に使用することができる。例えば、(A)成分や(B)成分に基づいて、目のピン
調節機能改善の用途に使用してもよく、また抗アレルギー消炎等の用途に使用しても
よい。

0068

更に、従来、ポリメチルメタクリレートPMMA)素材のハードコンタクトレンズの装着
によって、角膜へのレンズの固着等に起因して角膜上皮障害(3時−9時ステイニング
惹起され易いことが知られている。また、SCLの装用でも、目が乾く症状等を有する者
(例えば、ドライアイ患者)ではレンズにより角膜が損傷され易く、角膜ステイニングが
生じ易い傾向があることが知られている。一方、非イオン性SHCLは、角膜上皮細胞と著し
く接着する特性があり、更にはシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの固有の性質
して通常の非シリコーンSCLよりも一般に固いため、角膜上皮に物理的損傷を与え易い傾
向がある。このような非イオン性SHCLの特性を鑑みれば、非イオン性SHCLの装用によって
も上述のような角膜上皮障害を生じさせ易いことが明らかである。これに対して、本発明
のSHCL用眼科組成物によれば、角膜上皮細胞の非イオン性SHCLへの接着を効果的に抑制で
きるので、非イオン性SHCLの装用によって引き起こされる角膜上皮障害を予防することが
できる。従って、本発明のSHCL用眼科組成物は、非イオン性SHCLの装用により生じる角膜
上皮障害の予防剤として用いられることができ、とりわけ、目が乾く症状を有する者用(
例えば、ドライアイ患者用)として好適に用いられる。

0069

また、角膜上皮細胞はアレルゲン等に対するバリアー機能も有しているので、上述のよ
うな非イオン性SHCL装用により引き起こされる角膜上皮障害は、そのバリアー機能を低下
させ、目のアレルギー症状等を発症させ易くする畏れがある。これに対して、本発明のSH
CL用眼科組成物によれば、非イオン性SHCLへの角膜上皮細胞の接着を抑制することによっ
て、角膜上皮細胞を正常な状態に保持し、角膜上皮細胞のバリアー機能を維持させること
が可能である。従って、本発明のSHCL用眼科組成物は、非イオン性SHCLを使用する者が、
アレルギー症状を始めとする種々の眼病に対して抵抗力を高めて予防するための眼病予防
剤(例えば、アレルギー症状の予防剤)として好適に用いられる。

0070

また、本発明のSHCL用眼科組成物は、イオン性SHCLからの花粉タンパク質の除去を促進
し、再付着も防止できるので、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を有効に抑制でき
る。よって、コンタクトレンズ上に吸着された花粉タンパク質が、長時間眼に接触し続け
るのを防ぎ、花粉によるアレルギーの予防や悪化の防止にも有効である。従って、花粉症
又は花粉症予備軍のイオン性SHCL使用者への適用に好適である。

0071

2.イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を抑制する方法、及びイオン性SHCLへの花
粉タンパク質の蓄積抑制作用を付与する方法
また、前述するように、上記(A)及び(B)成分を併用することによって、イオン性SHCL装
用眼が花粉に晒されても、イオン性SHCLからの花粉タンパク質の除去を促進し、再付着を
防止できるので、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を抑制することが可能になる。
従って、本発明は、更に別の観点から、 (A)ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミ
ン、グリチルリチン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含
有するSHCL用眼科組成物を、イオン性SHCLと接触させることを特徴とする、イオン性SHCL
への花粉タンパク質の蓄積を抑制する方法を提供する。更には、SHCL用眼科組成物に、(A
)ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミン、グリチルリチン酸、及びこれらの塩から
なる群より選択される少なくとも1種とを配合することを特徴とする、イオン性SHCLへの
花粉タンパク質の蓄積を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法を提供する。

0072

これらの方法において、(A)及び(B)成分の種類や配合割合、配合される他の成分の種類
や配合割合、SHCL用眼科組成物の製剤形態、適用対象となるイオン性SHCLの種類等につい
ては、前記「1.SHCL用眼科組成物」と同様である。

0073

3.非イオン性SHCLに対する角膜上皮細胞の接着抑制方法、及び非イオン性SHCLに対す
る角膜上皮細胞の接着抑制作用の付与方法
前述するように、上記(A)及び(B)成分を併用することによって、非イオン性SHCLに対す
る角膜上皮細胞の接着を抑制することができる。

0074

従って、本発明は、更に別の観点から、(A)ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミ
ン、グリチルリチン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含
有するSHCL用眼科組成物を、非イオン性SHCLと接触させることを特徴とする、非イオン性
SHCLに対する角膜上皮細胞の接着を抑制する方法を提供する。更には、SHCL用眼科組成物
に、(A)ビタミンB12類と、(B)クロルフェニラミン、グリチルリチン酸、及びこれらの
塩からなる群より選択される少なくとも1種とを配合することを特徴とする、SHCL用眼科
組成物に非イオン性SHCLに対する角膜上皮細胞の接着抑制作用を付与する方法を提供する

0075

これらの方法において、(A)及び(B)成分の種類や配合割合、配合される他の成分の種類
や配合割合、SHCL用眼科組成物の製剤形態、適用対象となる非イオン性SHCLの種類等につ
いては、前記「1.SHCL用眼科組成物」と同様である。

0076

以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。

0077

参考試験例1:SCLに対する花粉タンパク質吸着特性の評価
表1に示す4種のソフトコンタクトレンズを試験に用いて、ソフトコンタクトレンズに
対する花粉タンパク質の吸着特性を評価した。

0078

まず、試験に使用するレンズを、生理食塩液4mLに1枚ずつ浸漬させ、室温にて一晩
保存した(レンズの前処理)。

0079

花粉タンパク質抗原((株)エルエス・エル社製 Cedar Pollen Extract-Ja、性状:凍
乾燥粉末(Cedar Pollen粗抽出物Mountain ceder、Juniperus Asheiiの花粉から抽出)
)を、生理食塩液に溶解し、5mg/30mL花粉タンパク質液を調製した。24穴プレートの各
穴に、花粉タンパク質液1.0mLを入れ、前処理済みのレンズの余分な水分をふき取った
後に浸漬し、34℃120rpmにて18時間振とうを行った。次いで、レンズを取り出し、生理食
塩液100mLに素早く(約1秒)浸漬させて余分な液をすすいだ後、ビーカーふちを使っ
て軽く水分を切り、24穴プレートの各穴に入れた花粉タンパク質分離用液(1%炭酸ナト
リウム及び1%SDS含有水溶液)1mLに浸漬させた。34℃120rpmで3時間振とうし、レンズ
に吸着した花粉タンパク質を花粉タンパク質分離用液中に分離させた。

0080

マイクロBCAアッセイキット(Thermo SCIENTIFIC,Pierce #23235)を用いて、花粉タ
ンパク質分離用液中の花粉タンパク質量を、アルブミン換算値として定量し、レンズに対
する花粉タンパク質吸着量を求めた。

0081

0082

なお、各ソフトコンタクトレンズの硬度は、上述のようにテクスチャーアナライザー(
製品名:TA.XT.plus TEXTURE ANALYSER(Stable Micro Systems Limited製))を用いて
測定した値である。

0083

結果を図1に示す。イオン性SHCLであるレンズ1を用いた場合には、非シリコン製レン
ズであるレンズ3及びレンズ4や、非イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ
であるレンズ2と比較すると、顕著に高い花粉タンパク質の吸着が認められた。この結果
から、花粉タンパク質は、ソフトコンタクトレンズの中でもイオン性SHCLに対して極めて
多量に吸着する傾向があり、イオン性SHCLには、花粉タンパク質を非常に吸着し易いとい
特有の課題が存在することが確認された。

0084

試験例1:イオン性SHCLに対する花粉タンパク質の蓄積抑制の評価(1)
上記参考試験例1にて花粉タンパク質の顕著な吸着が確認されたレンズ1(イオン性SH
CL)を用いて、下記の試験を実施した。

0085

先ず、レンズ1を、5mLの生理食塩液に1枚ずつ浸漬させ、5時間室温にて保存した(
レンズの前処理)。花粉タンパク質抗原((株)エル・エス・エル社製 Cedar Pollen Extr
act-Ja、性状:凍結乾燥粉末(Cedar Pollen粗抽出物Mountain ceder、Juniperus Asheii
の花粉から抽出))を生理食塩液に溶解し、5mg/50mL花粉タンパク質液を調製した。24穴
プレートの各穴に、1.0mLの花粉タンパク質液を入れ、前処理したレンズの余分な水分を
ふき取った後に浸漬させ、34℃、400rpmで24時間振とうを行った。

0086

花粉タンパク質液に浸漬させたレンズ1を取り出し、生理食塩水100mLに素早く(約1秒
)浸漬させて余分な液をすすいだ後、水分をふき取り、24穴プレートに入れた表2に記載
各処方液(実施例1−2、比較例1−3及びコントロール)1.0mLにそれぞれ浸漬して3
4℃、400rpmで18時間振とうを行った。その後、レンズ1を取り出し、生理食塩水100mLに
素早く(約1秒)浸漬させて余分な液をすすいだ後、ビーカーのふちを使って、軽く水分
を切り、24穴プレートに入れた花粉タンパク質分離用液(1%炭酸ナトリウム及び1%SDS
含有水溶液)0.5mLに浸漬させた。34℃、400rpmで3時間振とうし、レンズに吸着してい
た花粉タンパク質を花粉タンパク質分離用液中に分離させた。

0087

また、各処方液の影響を差し引くことによって、より正確に花粉タンパク質吸着量を算
出するために、ブランク群として、花粉タンパク質液で処理する工程を生理食塩水での処
理に変更した以外は、上記と同様に各処方液での処理と花粉タンパク質分離用液での処理
を行ったものを用意した。

0088

マイクロBCAアッセイキット(Thermo SCIENTIFIC,Pierce #23235)を用いて、花粉タ
ンパク質分離用液中に存在する花粉タンパク質の量を、アルブミン換算値として定量し、
レンズ1から脱離した花粉タンパク質の量(花粉タンパク質吸着量)を求めた。なお、花
タンパク質吸着量の算出に際して、各サンプルの吸光度から、上記ブランク群の吸光度
を差し引いて、アルブミン換算値として算出することにより、花粉タンパク質吸着量を求
めた。次いで、次式に従い、コントロール試験液を用いた場合の花粉タンパク質吸着量に
対する、比較例及び実施例の試験液を用いた場合の花粉タンパク質吸着量の割合から、花
タンパク質吸着改善率(%)を算出した。

0089

0090

0091

結果を図2に示す。その結果、シアノコバラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、及
びグリチルリチン酸二カリウムのいずれについても、単独で用いた場合(比較例1−3)
には、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着量を低減させる傾向が全く認められなかっ
た。一方、全く予想外なことに、シアノコバラミンと共に、マレイン酸クロルフェニラミ
ン又はグリチルリチン酸二カリウムを組み合わせて用いた場合(実施例1−2)には、花
粉タンパク質吸着改善率が相乗的に著しく高められ、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の
吸着量を大きく低減でき、蓄積を抑制することができることが明らかとなった(実施例1
−2)。

0092

参考試験例2:各種SCLの角膜上皮細胞の接着性評価
表3に示す5種類のソフトコンタクトレンズを用いて以下の実験を実施し、ソフトコン
タクトレンズ表面の角膜上皮細胞接着性を評価した。なお、本試験に使用したソフトコン
タクトレンズは、いずれも市販品である。

0093

0094

具体的に以下の方法により評価した。増殖用培地(10%ウシ胎児血清含有DMEM培地
を900μLずつ入れた24ウェルマイクロプレートに、各ソフトコンタクトレンズをそ
れぞれ凸面が上になるように一枚ずつ浸漬させた。各ウェルに、増殖用培地を用いて調整
したウサギ角膜上皮細胞株SIRC(ATCCnumber:CCL-60)の細胞懸濁液(1×105cell/mL)
を100μLずつ播種し、37℃、5%CO2条件下で48時間培養後、ソフトコンタクト
レンズに接着した生存細胞数計測した。なお、コントロールとして、いずれのレンズも
浸漬させず、マイクロプレートの底面で細胞を培養し、ウェル中の生細胞数を計測した(
コントロール群)。なお、生存細胞数の測定にはCell Counting Kit((株)同仁化学
究所製)を用いた。コントロール群のウェル中に含まれる生細胞総数に対して、各ソフ
トコンタクトレンズ表面に接着している生細胞数の割合(コントロール群に対する生細胞
数の割合;%)をそれぞれ算出した。

0095

得られた結果を図3に示す。図3から明らかなように、非イオン性SHCLであるレンズA
及びBは、イオン性SHCLであるレンズCや非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズで
あるレンズDまたはEと比較して、顕著な角膜上皮細胞接着性があることが確認された。
また、細胞のソフトコンタクトレンズへの接着状況顕微鏡で観察したところ、レンズC
、D及びEには細胞接着が殆ど確認できなかったものの、レンズA及びBの表面には一面
に角膜上皮細胞が接着していることが確認された。以上の結果より、非イオン性SHCLは、
角膜上皮細胞の接着性が他の種類のレンズと比較して顕著に高いことが確認され、非イオ
ン性SHCLの装用は角膜表面に損傷等の悪影響を与え得ることが明らかとなった。

0096

試験例2:非イオン性SHCLへの角膜上皮細胞の接着抑制試験:
表4に示す試験液を用いて、非イオン性SHCLに対する角膜上皮細胞の接着抑制効果を評
価した。

0097

表3に示すレンズB(非イオン性SHCL)を、表4に示す試験液(実施例3)3mLに一
枚ずつ浸漬し、34℃条件下で24時間静置した。各試験液から取り出したレンズBを生
食塩水で軽く洗浄後、水分を拭い去り、増殖用培地(10%ウシ胎児血清含有DMEM
培地)が900μL入った24ウェルプレートに凸面が上になるように一枚ずつ浸漬させ
た。各ウェルに、増殖用培地を用いて調整したウサギ角膜上皮細胞株SIRC(ATCCnumber:
CCL-60)の細胞懸濁液(1×105cell/mL)を100μLずつ播種し、37℃、5%CO2条
件下で48時間培養した後、レンズに接着した生存細胞数を計測した(サンプル群)。ま
た、コントロールとして、各試験液の代わりに、表4に示すコントロール試験液で浸漬処
理したレンズBを用いて、上記と同条件でウサギ角膜上皮細胞株の細胞懸濁液を播種して
培養を行って、レンズBに接着した生存細胞数を計測した(コントロール群)。更に、ブ
ランクとして、ウサギ角膜上皮細胞を播種せずに増殖用培地(10%ウシ胎児血清含有D
MEM培地)1000μLのみを添加したウェルを作製し、この中に浸漬処理を行ってい
ないレンズBを37℃、5%CO2条件下で48時間静置した(ブランク群)。なお、生存
細胞数の計測には、Cell Counting Kit((株)同仁化学研究所製)を用い、下式に従っ
細胞接着抑制率(%)を算出した。

0098

0099

得られた結果を表4に併せて示す。表4に示されるように、シアノコバラミンとマレイ
ン酸クロルフェニラミンとを組み合わせて用いることにより、非イオン性SHCLに対して格
段顕著に高い細胞接着抑制効果が奏されることが明らかとなった。

0100

0101

製剤例
表5に記載の処方で、SHCL用点眼剤(実施例4−10)、SHCL装着液(実施例11)、
SHCL装着液兼点眼液(実施例12)、SHCL用洗眼剤(実施例13)、及びSHCL洗浄液(実
施例14)が調製される。

実施例

0102

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