図面 (/)

技術 包装体の製造方法及び装置

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 早川睦
出願日 2015年1月23日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2015-011149
公開日 2015年5月28日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2015-098363
状態 特許登録済
技術分野 基本的包装技術VIII(熱収縮包装・殺菌包装)
主要キーワード 雌雄ネジ 水平枢軸 バランスタンク 圧縮空気供給路 殺菌剤用 プロダクトライン 導入コンベア 耐薬剤性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年5月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

殺菌性の良い飲料包装体を製造する。

解決手段

容器(2)内に過酢酸ミスト又はガス(b)を吹き込んで容器の内面を殺菌し、同時に容器の外面に過酢酸のミスト又はガスを吹き付けて容器の外面を殺菌し、容器に過酢酸のミスト又はガスを供給する際は、容器をチャンバー内に通しながらチャンバー内に過酢酸のミスト又はガスを滞留させ、容器の内面と外面とに上記過酢酸が付着した状態で容器内に加熱水(c)を導入することにより、この加熱水によって容器内の過酢酸により損傷を受けた菌類を殺菌しつつ残留過酢酸を洗い流し、同時に上記加熱水からの伝熱によって容器の外面に付着した過酢酸による殺菌効果を高め、続いて殺菌処理済み飲料(a)を容器内に充填し、密封する。

概要

背景

(1)食品衛生法上、所定の炭酸ガス圧が加わる酸性飲料(pH<4)は殺菌を要しないが、植物又は動物組成成分を含む場合は炭酸ガス圧の存否の如何を問わず殺菌を必要とすることから、植物又は動物の組成成分を含むpH4.0未満の炭酸入り飲料(例えば、乳性炭酸飲料果汁入炭酸飲料、果実着色炭酸飲料)である場合は、65℃で10分間加熱する必要がある。

この殺菌は、例えば酸性飲料を耐熱耐圧ボトル充填キャップ密封した後に65℃〜75℃程度の加熱水シャワーを耐熱・耐圧ボトルの上から掛けることにより行われる。これにより、中身ボトル及びキャップが殺菌される。

(2)また、食品衛生法上、飲料がpH4.0〜4.6の場合(例えば、トマトジュース野菜ジュース等の野菜系飲料)は、85℃で30分間加熱する必要がある。

この殺菌には、ホットパック法と呼ばれる殺菌方法が一般に採用される。ホットパック法は、例えば飲料を90℃〜140℃程度に加熱して飲料自体を殺菌し、これを耐熱ボトル内に85℃〜95℃で充填してボトル内面を殺菌し、キャップで密封し、ボトルを転倒させてキャップ内面を殺菌し、パストライザーで段階的に冷却して包装体とするものである。このホットパック法により、飲料のみならず耐熱ボトル及びキャップも殺菌される。

ボトルが例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)製である場合は、85℃よりも高い温度の加熱水で殺菌すると、ボトルが変形するおそれがある。このボトルの変形を防止するために、65〜85℃の熱水をボトル内に間欠的に噴射してボトル内面を洗浄し、しかる後に酸性飲料を常温で充填し、密封するという方法も提案されている(例えば、特許文献6参照。)。

(3)また、食品衛生法上、飲料がpH4.6以上の場合(例えば、ミルクティー等の紅茶飲料緑茶麦茶混合茶等の茶系飲料)は、発育しうる微生物死滅させるのに十分な効力を有する方法により殺菌することが求められる。

このような飲料の無菌包装体の製造にはアセプティック法が採用される。このアセプティック法は、ボトルを無菌の環境下で走行させつつ、ボトルを予備加熱し、ボトルを殺菌剤である過酸化水素ミストにより殺菌し、ボトルを洗浄し、殺菌した飲料を常温でボトルに充填し、しかる後にボトルをキャップで密封することにより無菌包装体を製造するものである(例えば、特許文献1参照。)。

また、上記ホットパック法では、充填作業に先立ちプロダクトラインである飲料の調合タンクから飲料をボトルに詰める充填機に至る経路が、上記飲料自体の殺菌に準ずる殺菌方法によって殺菌処理される。

このプロダクトラインの殺菌処理は、例えば85℃の加熱水をプロダクトラインの配管内で約30分間循環させることにより行われる。

加熱水の循環後、配管は冷却されることなく、所定の温度まで加熱した飲料がプロダクトライン内に通されボトル等に充填され、プロダクトライン内は加熱された飲料により殺菌状態が維持される。

上記アセプティック法においても、充填作業に先立ち、プロダクトラインである飲料の調合タンクから飲料をボトルに詰める充填機に至る経路が、上記飲料の殺菌に準ずる殺菌方法によって殺菌処理される。

このプロダクトラインの殺菌処理は、例えば過酸化水素と蒸気を併用することにより行われる場合もあるが(例えば、特許文献3参照。)、一般的には、配管内に120℃〜130℃の蒸気を例えば20分〜30分間通すことにより行われる。その後、無菌エアが配管内に送られて冷却され、常温(2℃〜40℃程度であり、内容物によって異なる。)まで温度が降下したところで充填が開始される。

さらに、上記ホットパック法、アセプティック法のいずれにおいても、充填作業を開始する前に、無菌包装装置を取り巻く無菌チャンバー内があらかじめ殺菌処理される(例えば、特許文献2,4,5参照。)。

上記ボトルの殺菌から、飲料等の充填を経てキャップによる密封に至る経路は、無菌チャンバーで覆われるが、無菌チャンバーの内部も上記飲料、ボトル等の殺菌に準ずる殺菌方法によって充填作業に先立ち殺菌処理される。

従来の無菌チャンバーの殺菌方法としては、過酢酸噴霧無菌水の導入、ホットエアの導入、過酸化水素の噴霧、ホットエアの導入を順に行う方法(例えば、特許文献2参照。)、また、過酢酸系薬剤による殺菌、加熱水による洗浄を順に行う方法(例えば、特許文献4参照。)、エアに過酸化水素、過酢酸等の滅菌剤を混ぜたものを、充填作業の開始前から充填作業中に至るまで、無菌チャンバー内に吹き込む方法(例えば、特許文献5参照。)が提案されている。

概要

殺菌性の良い飲料包装体を製造する。容器(2)内に過酢酸のミスト又はガス(b)を吹き込んで容器の内面を殺菌し、同時に容器の外面に過酢酸のミスト又はガスを吹き付けて容器の外面を殺菌し、容器に過酢酸のミスト又はガスを供給する際は、容器をチャンバー内に通しながらチャンバー内に過酢酸のミスト又はガスを滞留させ、容器の内面と外面とに上記過酢酸が付着した状態で容器内に加熱水(c)を導入することにより、この加熱水によって容器内の過酢酸により損傷を受けた菌類を殺菌しつつ残留過酢酸を洗い流し、同時に上記加熱水からの伝熱によって容器の外面に付着した過酢酸による殺菌効果を高め、続いて殺菌処理済み飲料(a)を容器内に充填し、密封する。

目的

本発明は、酸性度がある程度高芽胞の残留が許容される酸性飲料を、腐敗を来たすことなく適正に保存することができ、高い耐熱性のある容器、高価な製造設備を使用することなく酸性飲料を低コストで無菌的に充填し保存することができる手段を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

容器内に過酢酸ミスト又はガスを吹き込んで容器の内面を殺菌し、同時に容器の外面に過酢酸のミスト又はガスを吹き付けて容器の外面を殺菌し、容器に過酢酸のミスト又はガスを供給する際は、容器をチャンバー内に通しながらチャンバー内に過酢酸のミスト又はガスを滞留させ、容器の内面と外面とに上記過酢酸が付着した状態で容器内に加熱水を導入することにより、この加熱水によって容器内の過酢酸により損傷を受けた菌類を殺菌しつつ残留過酢酸を洗い流し、同時に上記加熱水からの伝熱によって容器の外面に付着した過酢酸による殺菌効果を高め、続いて殺菌処理済み飲料を容器内に充填し、密封することを特徴とする包装体の製造方法。

請求項2

請求項1に記載の包装体の製造方法において、加熱水の温度を65℃〜85℃とし、加熱水の供給量を5〜15L/minとすることを特徴とする包装体の製造方法。

請求項3

請求項1に記載の包装体の製造方法において、飲料の酸性度をpH4.6未満とすることを特徴とする包装体の製造方法。

請求項4

請求項1に記載の包装体の製造方法において、飲料を3℃〜40℃の常温で充填することを特徴とする包装体の製造方法。

請求項5

容器を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段を有し、この搬送路に沿って、容器内に過酢酸のミスト又はガスを吹き込んで容器の内面を殺菌し、同時に容器の外面に過酢酸のミスト又はガスを吹き付けて容器の外面を殺菌する第一の殺菌処理手段と、容器の内面と外面とに上記過酢酸が付着した状態で容器内に加熱水を導入することにより、この加熱水によって容器内の過酢酸により損傷を受けた菌類を殺菌しつつ残留過酢酸を洗い流し、同時に上記加熱水からの伝熱によって容器の外面に付着した過酢酸による殺菌効果を高める第二の殺菌処理手段と、殺菌処理済み飲料を常温又は低温で容器内に充填する飲料充填手段と、容器を蓋で密封する密封手段とが順に配置され、上記第一の殺菌処理手段における容器の搬送路には容器が通るチャンバーが設けられ、このチャンバー内に過酢酸のミスト又はガスが滞留するようにしたことを特徴とする包装体の製造装置

請求項6

請求項5に記載の包装体の製造装置において、第一の殺菌処理手段が過酢酸のミスト又はガスを容器内に吹き込むノズルであり、その先端が容器の口部に臨んでいることを特徴とする包装体の製造装置。

技術分野

0001

本発明は、ボトル等の容器内に飲料を無菌充填する包装体の製造方法及び装置に関する。

背景技術

0002

(1)食品衛生法上、所定の炭酸ガス圧が加わる酸性飲料(pH<4)は殺菌を要しないが、植物又は動物組成成分を含む場合は炭酸ガス圧の存否の如何を問わず殺菌を必要とすることから、植物又は動物の組成成分を含むpH4.0未満の炭酸入り飲料(例えば、乳性炭酸飲料果汁入炭酸飲料、果実着色炭酸飲料)である場合は、65℃で10分間加熱する必要がある。

0003

この殺菌は、例えば酸性飲料を耐熱耐圧ボトル充填キャップ密封した後に65℃〜75℃程度の加熱水シャワーを耐熱・耐圧ボトルの上から掛けることにより行われる。これにより、中身とボトル及びキャップが殺菌される。

0004

(2)また、食品衛生法上、飲料がpH4.0〜4.6の場合(例えば、トマトジュース野菜ジュース等の野菜系飲料)は、85℃で30分間加熱する必要がある。

0005

この殺菌には、ホットパック法と呼ばれる殺菌方法が一般に採用される。ホットパック法は、例えば飲料を90℃〜140℃程度に加熱して飲料自体を殺菌し、これを耐熱ボトル内に85℃〜95℃で充填してボトル内面を殺菌し、キャップで密封し、ボトルを転倒させてキャップ内面を殺菌し、パストライザーで段階的に冷却して包装体とするものである。このホットパック法により、飲料のみならず耐熱ボトル及びキャップも殺菌される。

0006

ボトルが例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)製である場合は、85℃よりも高い温度の加熱水で殺菌すると、ボトルが変形するおそれがある。このボトルの変形を防止するために、65〜85℃の熱水をボトル内に間欠的に噴射してボトル内面を洗浄し、しかる後に酸性飲料を常温で充填し、密封するという方法も提案されている(例えば、特許文献6参照。)。

0007

(3)また、食品衛生法上、飲料がpH4.6以上の場合(例えば、ミルクティー等の紅茶飲料緑茶麦茶混合茶等の茶系飲料)は、発育しうる微生物死滅させるのに十分な効力を有する方法により殺菌することが求められる。

0008

このような飲料の無菌包装体の製造にはアセプティック法が採用される。このアセプティック法は、ボトルを無菌の環境下で走行させつつ、ボトルを予備加熱し、ボトルを殺菌剤である過酸化水素ミストにより殺菌し、ボトルを洗浄し、殺菌した飲料を常温でボトルに充填し、しかる後にボトルをキャップで密封することにより無菌包装体を製造するものである(例えば、特許文献1参照。)。

0009

また、上記ホットパック法では、充填作業に先立ちプロダクトラインである飲料の調合タンクから飲料をボトルに詰める充填機に至る経路が、上記飲料自体の殺菌に準ずる殺菌方法によって殺菌処理される。

0010

このプロダクトラインの殺菌処理は、例えば85℃の加熱水をプロダクトラインの配管内で約30分間循環させることにより行われる。

0011

加熱水の循環後、配管は冷却されることなく、所定の温度まで加熱した飲料がプロダクトライン内に通されボトル等に充填され、プロダクトライン内は加熱された飲料により殺菌状態が維持される。

0012

上記アセプティック法においても、充填作業に先立ち、プロダクトラインである飲料の調合タンクから飲料をボトルに詰める充填機に至る経路が、上記飲料の殺菌に準ずる殺菌方法によって殺菌処理される。

0013

このプロダクトラインの殺菌処理は、例えば過酸化水素と蒸気を併用することにより行われる場合もあるが(例えば、特許文献3参照。)、一般的には、配管内に120℃〜130℃の蒸気を例えば20分〜30分間通すことにより行われる。その後、無菌エアが配管内に送られて冷却され、常温(2℃〜40℃程度であり、内容物によって異なる。)まで温度が降下したところで充填が開始される。

0014

さらに、上記ホットパック法、アセプティック法のいずれにおいても、充填作業を開始する前に、無菌包装装置を取り巻く無菌チャンバー内があらかじめ殺菌処理される(例えば、特許文献2,4,5参照。)。

0015

上記ボトルの殺菌から、飲料等の充填を経てキャップによる密封に至る経路は、無菌チャンバーで覆われるが、無菌チャンバーの内部も上記飲料、ボトル等の殺菌に準ずる殺菌方法によって充填作業に先立ち殺菌処理される。

0016

従来の無菌チャンバーの殺菌方法としては、過酢酸噴霧無菌水の導入、ホットエアの導入、過酸化水素の噴霧、ホットエアの導入を順に行う方法(例えば、特許文献2参照。)、また、過酢酸系薬剤による殺菌、加熱水による洗浄を順に行う方法(例えば、特許文献4参照。)、エアに過酸化水素、過酢酸等の滅菌剤を混ぜたものを、充填作業の開始前から充填作業中に至るまで、無菌チャンバー内に吹き込む方法(例えば、特許文献5参照。)が提案されている。

先行技術

0017

特開2001−39414号公報
特許第3315918号公報
特開昭57−93061号公報
特開2008−168930号公報
特開平9−328113号公報
特許第2844983号公報

発明が解決しようとする課題

0018

上記(1)及び(2)の殺菌方法によれば微生物中、カビ酵母、細菌の栄養細胞は殺菌されるが、細菌の芽胞は殺菌されず生存する。そして、一部の好酸性菌を除くほとんどの細菌の芽胞は酸性度がある程度高い酸性飲料(例えば、pH4.6未満の野菜ジュース、トマトジュース、レモンティーオレンジジュース、乳性炭酸飲料、機能性飲料炭酸入りレモンジュース、ぶどうジュース、果汁ジュース)の中では、発することなく静菌状態を持続し、そのため飲料が腐敗することなく保存される。

0019

しかし、このような飲料について上記(1)の加熱水のシャワーをボトルに吹き付ける殺菌方法や、上記(2)のホットパック式の殺菌方法を採用すると、ボトルに耐熱性を与えなければならない。すなわち、ボトルの口部が熱により変形して漏れが生じることがないよう、ボトルが例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)製である場合は口部を結晶化して加熱による変形を防止しなければならない。また、ボトル内に熱い飲料を充填し、蓋を巻締めした後放熱するとボトルが減圧により収縮するが、この収縮量を吸収するためにボトルの側面や底面に減圧吸収パネルを設けなければならない。このような熱対策のための各種の加工は包装体の価格を高める原因となる。

0020

PET(ポリエチレンテレフタレート)製ボトルに変形が生じないような温度の加熱水を用いると、そのような不具合は解消されるようであるが、その場合は加熱水の温度管理の如何によってボトル内の殺菌が不十分になるおそれがある。例えば、耐熱性の高いカビ類はこのような温度の加熱水では殺菌し難く、生残するおそれがある。また、ボトル内の殺菌工程、内容物の充填工程、キャッピング工程等は、無菌チャンバーで覆われた無菌環境下で行われるが、加熱水のみによるボトルの殺菌処理では、生残した微生物がボトルに付着して、あるいは空中を漂って無菌環境内侵入して来た場合、生残した微生物が内容物と共にボトル内に侵入し、包装体内汚染するおそれがある。

0021

上記(3)のアセプティック法によれば、ボトルに耐熱性を要求されずボトルを廉価にて供給することが可能となるが、このアセプティック法は、カビ、酵母、細菌の栄養細胞に限らず、細菌の芽胞に至るまですべての微生物を死滅させる殺菌法であるから、殺菌工程が多く複雑であり、殺菌剤、加熱水、ホットエア等のユーティリティを多量に必要とする。また、充填開始に先立ち充填装置及びこれを取り巻くチャンバー内を細菌の芽胞に至るまで滅菌処理しなければならないので、そのための殺菌剤、加熱水や複雑な工程及び装置を必要とし、また滅菌まで長時間を必要とする。従って、アセプティック法は、上記の酸性度がある程度高く芽胞の残留許容される酸性飲料については過剰な設備、工程となり不適切である。

0022

また、上記(2)の殺菌方法によればプロダクトライン内の微生物中、カビ、酵母、細菌の栄養細胞は殺菌されるが、細菌の芽胞は殺菌されず生残する。この細菌の芽胞は酸性度がある程度高い酸性飲料(例えば、pH4.6未満の野菜ジュース、トマトジュース、レモンティー、オレンジジュース、乳性炭酸飲料、機能性飲料、炭酸入りレモンジュース、ぶどうジュース、果汁ジュース)の中では、発芽することなく静菌状態を持続し、そのため飲料が腐敗することなく保存されるので、プロダクトライン内での生残は許容される。

0023

しかし、この芽胞のみの生残が許容される殺菌状態を維持しつつ充填を行うには、飲料等の内容物を加熱した状態でプロダクトラインに送り込まなければならない。そのため、加熱が望ましくない例えば乳製品等の内容物の充填には上記(2)の殺菌方法は採用することができない。

0024

上記(3)のアセプティック法に準ずるプロダクトラインの殺菌方法によれば、配管内を130℃程度まで加熱した後に無菌エアによって常温まで冷却するので、配管滅菌に1〜2時間という長時間を必要とし、そのため無菌充填機稼働時間が低下するという問題がある。

0025

また、従来における充填作業前の無菌チャンバー内の殺菌処理は、上記(3)のアセプティック法に準じて行われている。上述したように、アセプティック法は、カビ、酵母、細菌の栄養細胞に限らず、細菌の芽胞に至るまですべての微生物を死滅させる殺菌法であるから、殺菌剤、加熱水、ホットエア等のユーティリティを多量に必要とし、また、滅菌まで長時間を必要とする。従って、アセプティック法による無菌チャンバー内の殺菌処理は、上記の酸性度がある程度高く芽胞の残留が許容される酸性飲料については過剰な設備、工程となり不適切である。

0026

従って、本発明は、酸性度がある程度高く芽胞の残留が許容される酸性飲料を、腐敗を来たすことなく適正に保存することができ、高い耐熱性のある容器、高価な製造設備を使用することなく酸性飲料を低コストで無菌的に充填し保存することができる手段を提供することを目的とする。

0027

また、本発明は、無菌充填で使用するプロダクトラインを、より短時間で簡易に殺菌することができる手段を提供することを目的とする。

0028

また、本発明は、無菌充填を行う無菌チャンバー内の環境を、より短時間で簡易に殺菌することができる手段を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0029

上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。

0030

なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きで付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に係る発明は、容器(2)内に過酢酸のミスト又はガス(b)を吹き込んで容器(2)の内面を殺菌し、同時に容器(2)の外面に過酢酸のミスト又はガス(b)を吹き付けて容器(2)の外面を殺菌し、容器(2)に過酢酸のミスト又はガス(b)を供給する際は、容器(2)をチャンバー内に通しながらチャンバー内に過酢酸のミスト又はガス(b)を滞留させ、容器(2)の内面と外面とに上記過酢酸が付着した状態で容器(2)内に加熱水(c)を導入することにより、この加熱水(c)によって容器(2)内の過酢酸により損傷を受けた菌類を殺菌しつつ残留過酢酸を洗い流し、同時に上記加熱水(c)からの伝熱によって容器(2)の外面に付着した過酢酸による殺菌効果を高め、続いて殺菌処理済み飲料(a)を容器(2)内に充填し、密封することを特徴とする包装体(1,28)の製造方法である。

0031

請求項2に記載されるように、請求項1に記載の包装体の製造方法において、加熱水(c)の温度を65℃〜85℃とし、加熱水(c)の供給量を5〜15L/minとすることができる。

0032

請求項3に記載されるように、請求項1に記載の包装体の製造方法において、飲料(a)の酸性度をpH4.6未満とすることができる。

0033

請求項4に記載されるように、請求項1に記載の包装体の製造方法において、飲料(a)を3℃〜40℃の常温で充填するものとすることができる。

0034

請求項5に係る発明は、容器(2)を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段を有し、この搬送路に沿って、容器(2)内に過酢酸のミスト又はガス(b)を吹き込んで容器(2)の内面を殺菌し、同時に容器(2)の外面に過酢酸のミスト又はガス(b)を吹き付けて容器(2)の外面を殺菌する第一の殺菌処理手段(5)と、容器(2)の内面と外面とに上記過酢酸が付着した状態で容器(2)内に加熱水(c)を導入することにより、この加熱水によって容器内の過酢酸により損傷を受けた菌類を殺菌しつつ残留過酢酸を洗い流し、同時に上記加熱水からの伝熱によって容器(2)の外面に付着した過酢酸による殺菌効果を高める第二の殺菌処理手段(6)と、殺菌処理済み飲料(a)を常温又は低温で容器(2)内に充填する飲料充填手段(7)と、容器(2)を蓋(3)で密封する密封手段(8)とが順に配置され、上記第一の殺菌処理手段(5)における容器(2)の搬送路には容器(2)が通るチャンバーが設けられ、このチャンバー内に過酢酸のミスト又はガス(b)が滞留するようにしたことを特徴とする包装体の製造装置である。

0035

請求項6に記載されるように、請求項5に記載の包装体の製造装置において、第一の殺菌処理手段が過酢酸のミスト又はガス(b)を容器(2)内に吹き込むノズル(5)であり、その先端が容器(2)の口部(2a)に臨んでいるものとすることができる。

発明の効果

0036

本発明によれば、容器内が過酢酸のミスト又はガス(b)と加熱水(c)とで殺菌されることから、容器(2)内の細菌の大半が過酢酸のミスト又はガス(b)により殺菌され、過酢酸のミスト又はガス(b)によっても殺菌されにくい子嚢菌類等の一部のカビ胞子は過酢酸のミスト又はガス(b)と加熱水(c)の相乗効果により殺菌され、従って、飲料(a)は腐敗することなく長期保存可能である。また、容器(2)内が加熱水(c)により殺菌されると同時に洗浄されるので、過酢酸の残留が防止される。また、飲料(a)が常温で充填されるので、容器(2)の補強用リブ、減圧吸収パネル等を省くことができ、容器(2)を作る樹脂等の材料の使用量を大幅に低減することができる。また、容器(2)の口部(2a)の結晶化も不要になる。従って、低廉な包装体(1,28)とすることができる。

0037

また、容器(2)外を殺菌剤(b)で殺菌処理し、容器(2)外に殺菌剤(b)が付着した状態で容器(2)内を加熱水(c)で殺菌処理することから、容器(2)外を殺菌処理したうえで無菌充填機内に容器(2)を導入することができ、包装体の製造時における無菌充填機内の菌による汚染を防止することができる。また、容器(2)外に殺菌剤(b)が付着したままで容器(2)内に加熱水(c)を導入することから、容器外面の温度上昇に伴い、容器(2)外の殺菌効果が向上する。

0038

本発明において、過酢酸をミスト又はガス状にして使用する利点は、高温気化した過酢酸が沸点以下の容器と接触すると凝縮・付着することである。また、この結露現象は、液体などをスプレーする場合と異なり、容器形状に左右されない。

0039

本発明において、65℃〜85℃の加熱水(c)を5〜15L/minで供給すると、子嚢菌等殺菌剤(b)によっても殺菌されにくい他の微生物を殺菌することができ、また、包装体(1,28)内での過酢酸の残留を防止することができる。

0040

本発明において、充填する飲料の酸性度がpH4.6未満であるものとすると、細菌の芽胞の発芽が飲料により阻止され、包装体(1,28)内での飲料(a)の腐敗が防止される。

0041

本発明において、飲料(a)を3℃〜40℃の常温で充填するものとすると、飲料(a)が変質し難く、また、飲料(a)の加熱、冷却に伴う容器(2)の変形を考慮した減圧吸収パネルの形成や、容器(2)の口部(2a)の結晶化が不要な容器を使用することができる。

0042

本発明において、第一の殺菌処理手段が過酢酸のミスト又はガス(b)を容器(2)内に吹き込むノズル(5)であり、その先端が容器(2)の口部(2a)に臨んでいるものとすれば、過酢酸のミスト又はガス(b)を走行中の容器内に効率よく供給することができる。

図面の簡単な説明

0043

包装体の一例を表す正面図である。
本発明に係る包装体製造方法の一実施形態を表すフローチャートである。
図2に示す各ステップでの工程を示す説明図である。
本発明に係る包装体製造装置の一実施形態を表す概略平面図である。
過酢酸ガス生成装置の一例を表す部分切欠立面図である。
本発明に係る包装体製造装置の他の実施形態を表す概略平面図である。
過酢酸ガス生成装置の他の一例を表す部分切欠立面図である。
包装体の他の例を表す正面図である。
本発明に係る包装体製造装置におけるプロダクトラインの一例を示すブロック図である。
図9に示すプロダクトラインを接続した包装ラインの一例を示すブロック図である。
本発明に係る包装体製造装置における無菌チャンバー内殺菌装置を示す平面図である。
図11中、XII−XII線矢視断面図である。

実施例

0044

以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。

0045

<実施の形態1>
図1に示すように、この包装体1は容器であるボトル2と蓋であるキャップ3とを備える。ボトル2の口部2aには雄ネジ2bが形成され、キャップ3には雌ネジ3aが形成され、雌雄ネジ3a,2bの螺合によりボトル2の口部2aが密封される。

0046

ボトル2は、略試験管状のPET製プリフォーム(図示せず)をブロー成形することにより形成される。ボトル2は、PET製に限らずポリプロピレンポリエチレン等他の樹脂を用いることも可能である。プリフォームは、射出成形等により成形され、略試験管状の本体とボトル2におけると同様な口部2aとを備える。この口部2aにはプリフォームの成形と同時に雄ネジ2bが形成される。キャップ3はポリプロピレン等の樹脂を材料にして射出成形等により形成され、キャップ3の成形と同時に雌ネジ3aも形成される。

0047

ボトル2内は、内容物である液体飲料aの充填前に、細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように殺菌剤と加熱水とで殺菌される。

0048

殺菌剤としては例えば過酢酸が用いられる。この過酢酸のミスト又はガスが生成され、ミスト又はガスがボトル2内に口部2aから導入される。このようにボトル2内が過酢酸のミスト又はガスで殺菌されるので、ボトル2の内面がムラなく殺菌され、過酢酸の使用量の低減化が可能となる。

0049

細菌の芽胞を殺菌する必要がないので、過酢酸の使用量は少なくて済む。

0050

また、加熱水は65℃〜75℃の温度で供給され、5〜10L/minの流量でボトル2内に供給される。この加熱水がボトル2内に導入されることより、過酢酸によって殺菌されにくいが熱には比較的弱い子嚢菌類等のカビ胞子が殺菌される。また、加熱水によりボトル2内が洗浄される結果、ボトル2内での過酢酸の残留が防止される。

0051

ボトル2内には細菌の芽胞が生きたまま残留するが、細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した殺菌処理済み飲料aがボトル2内に充填されることにより、飲料の変質、腐敗が防止される。この飲料の酸性度は、望ましくはpH4.6未満、より望ましくはpH4未満である。pH4.6〜pH4の飲料には、例えばトマトジュース、野菜ジュースがあり、pH4.6以下の飲料には、例えばレモンティー、オレンジジュース、乳性炭酸飲料、機能性飲料、炭酸入りレモンジュース、ぶどうジュース、果汁ジュースがある。

0052

また、この飲料aは常温でボトル2内に充填される。飲料aは予め加熱等により殺菌処理され、3℃〜40℃の常温まで冷まされた上でボトル2内に充填される。上述したようにボトル2内では細菌の芽胞の生存が許容されるので、従来のように飲料aを高温まで加熱した状態でボトル2に充填したり、ボトル2に充填後長時間保持したり、ボトル2に充填してキャップ3で閉じた包装体1を外部から加熱して殺菌したりする必要がない。従って、内容物である飲料aが変質し難く、また、飲料aの加熱、冷却に伴うボトル2の変形を考慮した減圧吸収パネルの形成や、ボトル2の口部2aの結晶化が不要になる。

0053

ボトル2の口部2aはキャップ3により閉じられ、ボトル2内に外部の空気や微生物が侵入しないように密封される。上述したように飲料aが常温で充填されるので、ボトル2の口部2aには熱による変形が生じない。これにより、ボトル2の口部2aにはキャップ3のリブ3bが正常に密着し、ボトル2が長期にわたり密封される。

0054

以上のように、ボトル2内では細菌の芽胞のみが残留し、この細菌の芽胞は内容物である飲料aの酸性によって発芽が抑止され静菌状態に保持されることから、飲料aは腐敗が防止され長期間にわたり正常に、しかも常温下で保存が可能となる。従って、この包装体1はいわゆる商業無菌製品となる。

0055

次に、上記包装体の製造方法について説明する。

0056

図2に示すように、内容物である飲料aが調合され(ステップS1)、加熱殺菌処理が行われる(ステップS2)。ここで、加熱温度は、飲料の酸性度がpH4.0の場合は90〜98℃程度、pH4.0〜4.6の場合は115〜122℃程度とされる。これにより、充填前の飲料a中の包装体内で発育しうる微生物が全て殺菌される。

0057

加熱殺菌処理された飲料aは、3℃〜40℃程度の常温まで冷却される(ステップS3)。この冷却は、加熱された飲料aを加熱前の飲料aとの間で熱交換することにより行うことができる。

0058

一方、プリフォームが用意され(ステップS6)、ブロー成形機によりプリフォームからボトル2がブロー成形される(ステップS7)。ボトル2はPETのほか、ポリプロピレン、ポリエチレン等他の樹脂で作ることもできる。

0059

ボトル2の内面に対して過酢酸と加熱水による殺菌処理が行われ、ボトルの外面に対して過酢酸による殺菌処理が行われる(ステップS8、S9)。上記プリフォームの供給(ステップS6)からボトル2の成形(ステップS7)を経てこの殺菌処理(ステップS8)に至る工程は時と場所を異にして別々に行うことも可能であるが、望ましくは連続して行われる。連続して行われることにより、包装体1を製造する場所まで容積の大きいボトル2の形態ではなく容積の格段に小さいプリフォームの形態で運搬することができ、それだけ運送費が減り包装体1の製造費が低減する。

0060

過酢酸は後述する過酢酸ガス生成装置4によりミスト化され、図3(A)に示すように、このミストがノズル5からボトル2に向かって吐出される。ノズル5の開口はボトル2の口部2aの開口に間隔を置いて臨み、ノズル5から吐出されるミストbがボトル2内に流入する。ミストbはボトル2の内面全体に付着し、ボトル2内の細菌の栄養細胞、カビ及び酵母を殺菌する。その殺菌力は細菌の栄養細胞、カビ及び酵母を殺菌するが、細菌の芽胞は殺菌しない程度とされる。これにより、過酢酸の使用量の低減化が可能となる。

0061

また、図3(A)及び図4のごとく、ノズル5の近傍にはノズル5下のボトルを取り囲むようにトンネル29が配置され、このトンネル29内に高濃度の過酢酸ミスト又はガスが滞留する。このため、過酢酸のミスト又はガスbはボトル2の外面全体に付着し、ボトル2の外面に付着した細菌の栄養細胞、カビ及び酵母も殺菌する。このようにボトル2の外面も殺菌されることから、ボトル2の外面に付着した細菌の栄養細胞、カビ及び酵母のボトル2内への侵入と無菌充填機内への菌の持ち込みが防止され、ボトル2内に充填される飲料aの汚染が防止される。

0062

殺菌剤である過酢酸により内外面が殺菌されたボトル2は、加熱水による殺菌に付される(ステップS9)。具体的には、図3(B)に示すように、65℃〜75℃の温度の加熱水が、5〜10L/minの流量でノズル6からボトル2内に供給される。その際望ましくはボトル2は倒立状態とされ、下向きになった口部2aからノズル6がボトル2の肩部まで挿入される。ボトル2内に流入した加熱水cはボトル2内を巡って口部2aからボトル2外に流出する。この加熱水cによって、過酢酸によって損傷を受けた子嚢菌類等の一部のカビが殺菌される。また、この加熱水cによってボトル2内に残留した余剰の過酢酸が洗い流され、ボトル2外に排出される。

0063

ここで、加熱水cによってボトル2の内面が殺菌される際、ボトル2の外面には過酢酸のミストbが付着しているが、加熱水cの熱がボトル2の壁を外側へと伝わることにより過酢酸によるボトル2の外面の殺菌効果が高められる。

0064

加熱水cにより殺菌にされたボトル2に、上記殺菌処理され常温まで冷やされた飲料aが常温で充填される(ステップS5)。充填時の飲料aの温度は3℃〜40℃程度である。上述したように、この包装体1の製造方法では細菌の芽胞を殺菌する必要がないので、飲料aを高温まで加熱した状態で充填したり、充填後長時間保持したり、包装体1を外部から加熱して殺菌したりする必要がない。従って、飲料aが変質し難く、また、飲料aの加熱、冷却に伴うボトル2の変形を考慮して減圧吸収パネルを設けたり、ボトル2の口部2aを結晶化させたりする必要がない。

0065

飲料aの充填は、具体的には図3(C)に示すように、ノズル7をボトル2の口部2aに臨ませ、ノズル7から飲料aを吐出させることによって行われる。上述したように、この飲料aの酸性度は、望ましくはpH4.6未満、より望ましくはpH4未満であり、トマトジュース、野菜ジュース、レモンティー、オレンジジュース、乳性炭酸飲料、機能性飲料、炭酸入りレモンジュース、ぶどうジュース、果汁ジュース等を充填することが可能である。すなわち、この製造方法によると、pH4.6以上の麦茶やミルク入り飲料を除いたほとんど全ての飲料の包装体を製造することができる。言うまでもなくコーラサイダーなど動物又は植物の組成成分を含まず、炭酸ガス圧1.0kg/cm2(20℃)以
上の炭酸飲料の包装体も製造可能である。

0066

飲料aの充填に際し、ボトル2の外面も予め殺菌処理されているので、飲料aと共に微生物がボトル2内に引き込まれることはない。飲料aの菌による汚染がより適正に防止される。

0067

飲料aが定量充填されたボトル2は、図3(D)に示すようにキャップ3で密封される(ステップS10)。キャップ3は予め多数集められ(ステップ11)、飲料aが充填されたボトル2に向かって列になって向かい、途中で過酢酸のミストbがキャップ3の内外面に向かって吹き付けられて殺菌処理され(ステップ12)、しかる後ボトル2の口部2aにあてがわれ螺合せしめられる。

0068

キャップ3の殺菌方法としては、例えば特許第3778952号公報で開示される方法を採用することができる。

0069

なお、少なくとも上記常温充填(ステップ5)からキャッピング(ステップ10)に至る過程は無菌チャンバー等で囲まれた無菌の雰囲気内すなわち無菌の環境下で行われる。この無菌チャンバー内は、予め過酢酸の噴霧、加熱水の放水等により、細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように殺菌処理される。そして、殺菌処理後は無菌エアが常時無菌チャンバー外に向かって吹き出るように、無菌チャンバー内に陽圧の無菌エアが供給される。

0070

キャッピングされたボトル2は上記包装体1である製品となって製造工程から排出される(ステップ13)。

0071

次に、上述した包装体1の製造方法を実施するための製造装置の一例について説明する。

0072

図4に示すように、この製造装置は、上記PET製ボトル2を所定の搬送路に沿って搬送する手段を有する。

0073

搬送手段は、複数の各種ホイール11,12,13,14,15,16,17,18,19,20を次々と隣接するごとく水平に配置し、各ホイール11,12,13,14,15,16,17,18,19,20の周りに図示しないグリッパーを所定のピッチで多数配置することにより構成される。もちろん、これらのホイール11,12,13,14,15,16,17,18,19,20は適宜追加、削除が可能である。隣り合うホイールは互いに反対方向に同じ周速度で回転し、各ホイール11,12,13,14,15,16,17,18,19,20の外周でグリッパーが各ホイール11,12,13,14,15,16,17,18,19,20と同じ周速度で旋回する。搬送手段の搬送路は、各種ホイール11,12,13,14,15,16,17,18,19,20を接続することにより円弧の連続となって延び、この円弧の連続線上を多数のボトル2が所定の間隔で走行する。すなわち、ボトル2は上流側のホイールのグリッパーにより把持されてホイールと共に旋回し、下流側のホイールに到達するとそのホイールのグリッパーに掴み替えられ、以後下流側のホイールへと一定速度で順次送られる。

0074

グリッパーとその開閉機構は公知のものを使用するので、その詳細な説明は省略する。

0075

図4に示すように、上記搬送路に沿って、ボトル2内を殺菌剤である過酢酸により殺菌する(図3(A)参照)第一の殺菌処理手段のノズル5と、ボトル2内に加熱水cを注入して殺菌する(図3(B)参照)第二の殺菌処理手段のノズル6と、内容物である飲料aを殺菌処理済みのボトル2内に常温で充填する(図3(C)参照)充填手段のノズル7と、ボトル2を蓋であるキャップ3で密封する(図3(D)参照)密封手段としてのキャッパー8とが順に配置される。

0076

また、ボトル2の外面を過酢酸のミストbで殺菌する外面殺菌処理手段も上記搬送路に沿って設けられるが、この実施の形態1では上記第一の殺菌処理手段のノズル5がこの外面殺菌処理手段を兼ねている。

0077

第一の殺菌処理手段のノズル5等が設けられる第一のホイール11の上流側には導入コンベア11aが接続され、この導入コンベア11a上にはブロー成形機9が配置される。ブロー成形機9にはプリフォーム10が供給され、ブロー成形機9でプリフォーム10から成形されたボトル2が導入コンベア11aにより一定ピッチで第一のホイール11へと送られる。

0078

第一の殺菌処理手段のノズル5の設置数は一本でも複数本でもよい。このノズル5の先端における開口がボトル2の口部2aの開口に所定の間隔を置いて正対する。ノズル5の開口から吐出する過酢酸のミストbが図3(A)に示すようにボトル2の口部2aからボトル2内へと流れ込む。

0079

また、第一のホイール11においてノズル5下をボトル2が通る箇所には、ボトル2を取り囲むようにトンネル29が設けられる。ノズル5の開口から吐出する過酢酸のミストbの一部はトンネル29内に充満し、ボトル2の外面に付着してボトル2の外面を効率よく殺菌する。

0080

過酢酸のミストbは、例えば図5に示す過酢酸ガス生成装置4により生成される。この生成装置4は、殺菌剤である過酢酸の水溶液を滴状にして供給する二流体スプレーである過酢酸供給部21と、この過酢酸供給部21から供給された過酢酸の噴霧をその沸点以上の非分解温度以下に加熱して気化させる気化部22とを備える。過酢酸供給部21は、過酢酸供給路21a及び圧縮空気供給路21bからそれぞれ過酢酸の水溶液と圧縮空気を導入して過酢酸の水溶液を気化部22内に噴霧するようになっている。気化部22は内外壁間にヒータ22aを挟み込んだパイプであり、パイプ内に吹き込まれた過酢酸の噴霧を加熱し気化させる。気化した過酢酸のガスはノズル5からボトル2の口部2aに向って噴出する。気化した過酢酸は、ノズル5を出てボトル2の近傍に至るまでの間に沸点以下の温度まで降下することにより、一部が凝縮し液化する。これにより、過酢酸の気液混合体である微細なミストbが生成される。この過酢酸の微細なミストbがノズル5から上記ボトル2の内部に吹き込まれ、ボトル2の内面の全体に付着する。ボトル2の内面に付着したミストbは結露し、高濃度の過酢酸となって、ボトル2の内面を速やかに殺菌する。

0081

このミストbは上述したように、従来のアセプティック法におけるよりも供給量が少ない。このミストbにより、ボトル2内の細菌の栄養細胞、カビ及び酵母は殺菌されるが、細菌の芽胞は生きたまま残留する。

0082

上記第一の殺菌処理手段のノズル5を含むように、第一のホイール11の回りは第一の無菌チャンバー23に囲まれる。第一の無菌チャンバー23内はノズル5から吐出されるミストbで充満し、同じく第一の無菌チャンバー23内に供給される無菌エアと共に第一の無菌チャンバー23におけるボトル2の出入口から吹き出し、微生物を含んだ外気の侵入を阻止する。上記ノズル5はこの第一の無菌チャンバー23に連結部材23aで連結されることにより、この第一の無菌チャンバー23内の定位置に固定される。

0083

上記ノズル5から吐出されるミストbは、第一の無菌チャンバー23内において、図3(A)に示すように、トンネル29内に高濃度の過酢酸ミストが滞留し、ボトル2外へも流れてボトル2の外面上に付着し或いは第一の無菌チャンバー23内を漂う細菌の栄養細胞、カビ及び酵母を殺菌する。

0084

第二のホイール12の外周に配置されるグリッパーは、図示しないが水平枢軸を介して第二のホイール12側に支持され、第二のホイール12の旋回軸を中心にして円弧状に湾曲するカムに接触することにより、第一のホイール11との接点からボトル2を受け取って進行すると、カムの案内により上下反転する。これにより、図3(B)に示すようにボトル2も上下反転し、その口部2aが下向きとなる。

0085

第二の殺菌処理手段のノズル6は、図3(B)に示すように、加熱水cを下向きになったボトル2内に供給するため上向きに一本又は複数本配置される。ノズル6は各グリッパーの真下にグリッパーと共に旋回運動するように設けられる。図示しないが、各ノズル2は各グリッパーの真下においてカム機構によって上下動しボトル2内に出入り可能である。また、第二の殺菌処理手段は、無菌の加熱水cをマニホルド中空管等からノズル6に供給するようになっている。図3(B)に示すように、ノズル6から吹き出た加熱水cはボトル2内を巡った後、口部2aから流れ出る。各ボトル2の加熱水による殺菌は図4中ホイール12の回りの二点鎖線で示す領域内において行われる。

0086

この加熱水cは、芽胞の生残は許容するがカビ、酵母を滅菌することができる殺菌条件過熱殺菌した後に65℃〜75℃の温度まで冷却されており、5〜10L/minの流量でノズル6から各ボトル2内に供給される。また、この加熱水はフィルタによる濾過滅菌法により除菌した後、熱交換器昇温することにより作ることもできる。この加熱水cによって、過酢酸によって損傷を受けた子嚢菌類等の一部のカビが殺菌される。また、この加熱水cによって、ボトル2内に残留した余剰の過酢酸が洗い流され、ボトル2外に排出される。また、この加熱水cの熱によってボトル2の外面に付着した過酢酸によるボトル2の外面の殺菌効果が高められる。

0087

図4に示すように、第二の殺菌処理手段のノズル6を含むように第二〜第四のホイール12,13,14の回りが第二の無菌チャンバー24により覆われる。この第二の無菌チャンバー24内にも陽圧の無菌エアが供給される。

0088

加熱水cで殺菌処理されたボトル2は、第二のホイール12から第三〜第五のホイール13,14,15を経て第六のホイール16へと受け渡される。この第六のホイール16の所定位置に充填機25が設置される。ボトル2はこの第六のホイール16のグリッパーに把持されて搬送されつつ充填機25で内容物である飲料aが充填される。充填機25は、図3(C)に示すように、ノズル7を有し、このノズル7から飲料aを所定量だけボトル2内に充填するようになっている。ノズル7は一本又は複数本設けることができる。

0089

充填時の飲料aの温度は3℃〜40℃程度の常温である。また、飲料aの酸性度は、望ましくはpH4.6未満、より望ましくはpH4未満であり、トマトジュース、野菜ジュース、レモンティー、オレンジジュース、乳性炭酸飲料、機能性飲料、炭酸入りレモンジュース、ぶどうジュース、果汁ジュース等が充填される。

0090

充填機25のノズル7を含むように第五のホイール15から第七のホイール17にわたる箇所が第三の無菌チャンバー26により囲まれる。この第三の無菌チャンバー26内にも陽圧の無菌エアが供給される。

0091

図4に示すように、第八のホイール18の所定位置に密封手段であるキャッパー8が設置される。飲料aが充填されたボトル2がキャッパー8に到達すると、図3(D)に示すように、ボトル2の口部2aにキャップ3が巻締められる。

0092

このキャッパー8を含むように第八〜第十のホイール18,19,20の回りが第四の無菌チャンバー27により覆われる。この第四の無菌チャンバー27内にも陽圧の無菌エアが供給される。

0093

キャッパー8によりキャップ3で閉じられたボトル2は、リジェクト用の第十のホイール20を経由して搬出用のコンベア20aから第四の無菌チャンバー27外に包装体1として搬出され出荷される。一方、充填、キャッピング等に支障のあるボトル2はリジェクト用のコンベア20bから別経路で第四の無菌チャンバー27外に搬出され、回収される。

0094

上記ノズル5から吐出されるミストbは、第一の無菌チャンバー23内で充満する。第一の無菌チャンバー23内には、ボトル2に付着し、或いはボトル2の走行に伴い発生する気流に乗って微生物が無菌チャンバー23,24,26,27内へと侵入する恐れがあるが、こうした微生物に対して無菌チャンバー23を漂う殺菌剤のミスト又はガスが高濃度の過酢酸水となって凝結する。このため、無菌チャンバー23内に侵入した微生物は速やかにかつ確実に殺菌される。したがって、無菌チャンバー23,24,26,27内の無菌性は長期間高度に維持されることとなり、無菌性に優れた包装体の製造が可能となる。

0095

その他、第一〜第四の無菌チャンバー23,24,26,27には、チャンバー内殺菌装置が付設される。すべての無菌チャンバー23,24,26,27内は、包装体1の製造開始に先立ちこのチャンバー内殺菌装置により殺菌される。この殺菌は過酢酸等の殺菌剤のスプレー、加熱水の噴射、放水等により行われ、細菌の芽胞は残留するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母は殺菌される程度に行われる。

0096

<実施の形態2>
図6に示すように、この実施の形態2では、実施の形態1の場合と異なり、導入コンベア11aとホイール12との間にホイール11b,11c,11dが配置され、これらホイール11b,11c,11dが第一の無菌チャンバー23内に収納されている。ボトル2は、導入コンベア11aからホイール11bを経てホイール11cに至り、ホイール11cの回りを走行しつつノズル75から過酢酸のガスbを吹き込まれ、ホイール11dを経てホイール12に至り、ホイール12の回りを走行しつつ加熱水で殺菌されるようになっている。

0097

図7に示すように、ホイール11cは機台60上に起立する旋回軸61に水平に取り付けられ、旋回軸61を軸にして回転可能である。ホイール11cの盤面からは支柱61aが上方に伸び、支柱61aの上端に上記過酢酸のガスbが流入するマニホルド62が固定される。マニホルド62の上部中央からは旋回軸61の軸心延長線上で導管63が上方に伸び、この導管63が機台60に連結される支持部材64にベアリング65を介して保持される。これにより、マニホルド62はホイール11cと一体で旋回軸61の回りを回転可能である。

0098

また、ホイール11cの盤面からは他の支柱66が上方に伸び、この支柱66の上部にボトル2のホルダー68が取り付けられる。支柱66及びホルダー68は所定のピッチでホイール11bの回りに多数配置される。多数のホルダー68は支柱66を介してホイール11cに連結されるので、ホイール11cの回転と共に回転する。

0099

マニホルド62の回りからは各ホルダー68に向って過酢酸のガスbの供給管67がそれぞれ伸び、各供給管67の先端に上記ノズル75が取り付けられる。ノズル75は上記支柱に固定され、その先端の開口がホルダー68に保持されたボトル2の口部2aに正対する。これにより、ホイール11cが回転すると、ノズル75はホルダー68に保持されたボトルと共に旋回軸61の回りを旋回し、過酢酸のガスbをボトル2内に吹き込む。

0100

また、ホイール11bの周囲には、ホルダー68に保持されたボトル2の通り道を囲むようにトンネル29が設けられる。上記ノズル75から吐出されるガスbは、ボトル2の外側へも流れ、トンネル29内において高濃度の過酢酸ミストとなって滞留し、ボトル2の外面上に付着し或いはトンネル29内を漂う細菌の栄養細胞、カビ及び酵母を殺菌する。

0101

上記マニホルド62の導管63の上端には、加熱管70がシール部材71を介して接続される。導管63はマニホルド62と一体で加熱管70に対して回転し、シール部材71が両管63,70の接続部からのガスbの漏れを防止する。加熱管70には図5に示した過酢酸ガス生成装置4が複数基取り付けられ、各過酢酸ガス生成装置4から過酢酸のガスbが加熱管70内に供給される。過酢酸ガス生成装置4の稼動する台数は、ボトル1の殺菌に必要とされるガスbの量等に応じて決定される。

0102

加熱管70の上流側にはブロア72、ULPA(Ultra Low Penetration Air Filter)フィルタ73及び電熱器74で構成される熱風供給装置が設けられる。ブロア72から引き込まれた空気がULPAフィルタ73で浄化され、電熱器74で所定温度まで加熱され、熱風hとなって加熱管70内に送られる。熱風hは過酢酸の沸点以上の例えば100℃以上の温度に加熱された無菌エアとされる。この熱風hは過酢酸ガス生成装置4から送られる過酢酸のガスbをマニホルド62へと搬送し、各供給管67を通ってノズル75からボトル1内へと噴出させ、或いはボトル5外に流出させる。

0103

ノズル75からボトル2内に過酢酸のガスbが吹き込まれると、過酢酸はミスト化してボトル2の内面の全体に付着する。ミストはボトル2の内面に付着して凝結し、高濃度の過酢酸となってボトル2の内面を速やかに殺菌する。また、同様にボトル2の外面にも付着して凝結し、高濃度の過酢酸となってボトル2の外面を速やかに殺菌する。

0104

この内外面を殺菌されたボトル2は、ホイール11dを経てホイール12へと送られ、実施の形態1の場合と同様にして、ノズル6から吹き出る加熱水cにより殺菌処理される。

0105

この実施の形態2においても、上記ノズル75から吐出されるミストbは、第一の無菌チャンバー23内に充満する。

0106

第一の無菌チャンバー23内には、ボトル2に付着し、或いはボトル2の走行に伴い発生する気流に乗って微生物が無菌チャンバー23,24,26,27内へと侵入する場合があるが、こうした微生物に対して無菌チャンバー23内を漂う殺菌剤のミスト又はガスが高濃度の過酢酸水となって凝結する。このため、無菌チャンバー23内に侵入した微生物は速やかにかつ確実に殺菌される。したがって、無菌チャンバー23,24,26,27内の無菌性は長期間高度に維持されることとなり、無菌性に優れた包装体の製造が可能となる。

0107

その他、この実施の形態2において、実施の形態1におけるものと同一部分には同一の符号を付して示し、重複した説明を省略する。

0108

<実施の形態3>
図8に示すように、この実施の形態3における包装体28の容器は、底部2cがペタロイド型、あるいはシャンパン底型である耐圧ボトル2として形成される。このボトル2には、乳性炭酸飲料、果汁入炭酸飲料、果実着色炭酸飲料等のボトル2内をガスで加圧する性質の飲料aが充填される。

0109

図2に示すように、この飲料aは加熱殺菌(ステップ2)され、冷却され(ステップ3)た後に、炭酸ガス圧入される(ステップ4)。そして、低温でペタロイド型、あるいはシャンパン底型のボトル2内に充填され(ステップ5)、以後実施の形態1の場合と同様な工程を経て包装体28とされる。

0110

その他、この実施の形態3において実施の形態1の部分と同じ部分には同一の符号を付して表すこととし重複した説明を省略する。

0111

<実施の形態4>
実施の形態1〜3で使用されるプロダクトラインの殺菌方法及び装置について説明する。

0112

このプロダクトラインは、図10に例示する無菌の包装ラインに接続される。

0113

この無菌の包装ラインは、細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように殺菌され、細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した飲料である内容物を、図9に示すプロダクトラインから供給されることによって、容器であるPET(ポリエチレンテレフタレート)製ボトル内に充填しようというものである。

0114

プロダクトラインは、図9に示すように、飲料の調合工程(S14)、調合された飲料の貯留工程(S15)、調合された飲料の加熱・冷却工程(S16)、加熱・冷却された飲料の無菌状態での貯留工程(S17)、常温充填工程(S5)の各工程を順に行うもので、飲料の調合工程(S14)を行うための調合タンクから常温充填工程(S5)を行うための充填機へと伸びる導管76を有する。

0115

この導管76上には、調合された飲料の貯留工程(S15)、調合された飲料の加熱・冷却工程(S16)、加熱・冷却された飲料の無菌状態での貯留工程(S17)の各工程に対応してバランスタンク、加熱・冷却機、無菌タンクが順に設けられる。

0116

なお、調合タンク、バランスタンク、加熱・冷却機、無菌タンク及び充填機の図示は省略する。

0117

調合タンクは、ボトル等の容器に充填する飲料を調合するためのタンクである。この調合タンクから次のバランスタンクに導管76が伸びている。

0118

バランスタンクは、調合タンクから来る飲料を貯留するためのタンクであり、バッファタンクとして機能するもので、必要に応じて設けられる。

0119

殺菌・冷却機は、具体的には超高温瞬間殺菌装置(UHT)であり、加熱と冷却を適宜切り替えて超高温瞬間殺菌装置内を通る流体を加熱又は冷却することが可能である。超高温瞬間殺菌装置は、飲料等の流体を高温であるが短時間で加熱することで、熱による飲料のダメージを最小限に抑えながら殺菌する装置である。したがって、飲料の風味、色等を保持した殺菌が可能である。この殺菌・冷却機とバランスタンクとの間は、飲料を殺菌・冷却機からバランスタンクへと戻すための破線で示す帰還用導管77で連結される。

0120

無菌タンクは、充填機の手前に設けられるバッファタンクであり、例えば充填機が一時的に停止したときに飲料を貯留するようになっている。

0121

充填機は、図3に示すようなノズル7を有し、このノズル7から飲料を所定量だけボトル内に充填するようになっている。この充填機の回りは図4又は図6に示したように無菌チャンバー26で囲まれ、ボトルに飲料を無菌状態で充填することができるように、無菌チャンバー26内は無菌状態に保持される。

0122

このプロダクトラインによって飲料は次のように処理された後に包装ラインへと供給される。

0123

飲料が調合タンクにおいて所望の割合で調合される(S14)。この調合された飲料はバランスタンク内に一時貯留され(S15)、その後、加熱・冷却機において加熱による殺菌と冷却水による冷却の各処理を施される(S16)。

0124

この加熱・冷却機による加熱温度は、飲料の酸性度がpH4.0の場合は90〜98℃程度、pH4.0〜4.6の場合は115〜122℃程度とされる。これにより、充填前の飲料中における包装後に包装体内で発育しうる微生物が全て殺菌される。すなわち、細菌の芽胞の生残は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように殺菌される。生残した細菌の芽胞は、上記酸性度の飲料内ではその発芽を抑止される。

0125

また、この加熱・冷却機による飲料の冷却温度は、2℃〜40℃程度の常温である。加熱・冷却機によって、飲料は所望の温度まで冷却される。

0126

常温まで冷却された飲料は、無菌タンク内に一旦貯留され(S17)、その後、充填機へと送られる(S5)。

0127

包装ラインは、図10に示すように、プリフォームの供給(S6)、ボトルの成形(S7)、ボトルの過酢酸による殺菌(S8)、ボトルの加熱水による殺菌(S9)、飲料の常温充填(S5)、キャッピング(S10)、キャップの供給(S11)、キャップの殺菌(S12)、包装体の排出(S13)の各工程を含む構成となっている。

0128

なお、プリフォームの図示は省略するが、ボトル、キャップ及び包装体は図1又は図8に例示する形態となって現れる。

0129

容器であるボトルは、この包装ラインによって次のように処理された後に包装体とされる。

0130

まず、プリフォームが用意され(S6)、図示しないブロー成形機によりプリフォームからボトルがブロー成形される(S7)。ボトルはPETのほか、ポリプロピレン、ポリエチレン等他の樹脂で作ることもできる。

0131

ボトルの内外面に対して過酢酸と加熱水による殺菌処理が行われる(S8、S9)。上記プリフォームの供給(S6)からボトルの成形(S7)を経て殺菌処理(S8)に至る工程は時と場所を異にして別々に行うことも可能であるが、望ましくは連続して行われる。

0132

過酢酸は公知の過酢酸ガス生成装置によりガス化又はミスト化され、このミスト又はガスがノズルからボトルに向かって吐出される。過酢酸はボトルの内面全体に付着し、ボトル内の細菌の栄養細胞、カビ及び酵母を殺菌する。この過酢酸の殺菌力は、細菌の栄養細胞、カビ及び酵母を殺菌するが、細菌の芽胞は殺菌しない程度とされる。これにより、過酢酸の使用量の低減化が可能となる。

0133

また、過酢酸のミスト又はガスはボトルの外面に付着した細菌の栄養細胞、カビ及び酵母も殺菌する。このようにボトルの外面も殺菌されることから、ボトルの外面に付着した細菌の栄養細胞、カビ及び酵母のボトル内への侵入が防止され、ボトル内に充填される飲料の汚染が防止される。

0134

過酢酸により内外面が殺菌されたボトルは、加熱水による殺菌に付される(S9)。具体的には、65℃〜75℃の加熱水が、図示しないノズルからボトル内に供給される。ボトル内に流入した加熱水はボトル内を巡ってボトル外に流出する。この加熱水によって、過酢酸により損傷を受けた子嚢菌類等の一部の耐薬剤性のあるカビが殺菌される。また、この加熱水によってボトル内に残留した余剰の過酢酸が洗い流され、ボトル外に排出される。

0135

加熱水により殺菌されたボトルに、上記殺菌処理され常温まで冷却された飲料が常温で充填される(S5)。充填時の飲料の温度は2℃〜40℃程度である。

0136

飲料の充填は、具体的には図3に示したようにノズルをボトルの口部に臨ませ、ノズルから飲料を吐出させることによって行われる。上述したように、この飲料の酸性度は、望ましくはpH4.6未満、より望ましくはpH4未満であり、トマトジュース、野菜ジュース、レモンティー、オレンジジュース、乳性炭酸飲料、機能性飲料、炭酸入りレモンジュース、ぶどうジュース、果汁ジュース等である。

0137

飲料が定量充填されたボトルは、キャップで密封される(S10)。キャップは予め多数集められ(S11)、飲料が充填されたボトルに向かって列になって向かい、途中で過酢酸のミスト又はガスがキャップの内外面に向かって吹き付けられて殺菌処理され(S12)、しかる後ボトルの口部にあてがわれネジ等の利用によって締め付けられる。

0138

キャップにより密封されたボトルは製品である包装体として包装ラインから排出される(S13)。

0139

上記プロダクトライン及び包装ライン中、少なくとも上記飲料の常温充填(S5)、ボトルの過酢酸による殺菌(S8)、ボトルの加熱水による殺菌(S9)、キャッピング(S10)、キャップの殺菌(S12)の各工程は、各々無菌チャンバー23,24,26,27で囲まれた無菌の環境下で行われる。

0140

上記プロダクトラインと無菌の包装ラインは、包装体の製造に先立ち、包装体内に微生物が混入して繁殖することがないように、殺菌処理しておく必要がある。

0141

この殺菌処理は以下に述べるようにして行われる。

0142

包装ラインについては、図4又は図6に示した無菌チャンバー23,24,26,27内が殺菌処理される。この殺菌処理は例えば無菌チャンバー23,24,26,27内に過酢酸を噴霧し、しかる後に加熱水を噴射すること等により、上記飲料及びボトルの殺菌効果と同様な殺菌効果を得ることができる程度に行われる。これにより、無菌チャンバー23,24,26,27内は、細菌の芽胞は生残するが、細菌の栄養細胞、カビ及び酵母は滅菌処理される。

0143

そして、この殺菌処理後は、無菌エアが無菌チャンバー23,24,26,27内から無菌チャンバー23,24,26,27外に向かって吹き出るように、陽圧の無菌エアが無菌チャンバー23,24,26,27内に常時供給される。

0144

プロダクトラインについては、次のように殺菌処理がなされる。

0145

まず、所定温度の加熱水が所定時間プロダクトラインに通される。加熱水の温度は、例えば85℃であり、通す時間は例えば30分間である。

0146

この加熱水が図9中工程(S14)〜工程(S5)に対応した調合タンク、バランスタンク、加熱・冷却機、無菌タンク、充填機の中を流れてそれらの内部と導管76,77とを加熱殺菌する。加熱水は加熱殺菌手段としての加熱・冷却機によって作られ、この加熱水が帰還用の導管77を通ってバランスタンクと加熱・冷却機との間を循環し、また調合タンク、無菌タンク、充填機へと送られる。

0147

この加熱水による加熱処理により、プロダクトライン内では、上記飲料及びボトルの殺菌効果と同様に、細菌の芽胞は生残するが、細菌の栄養細胞、カビ及び酵母は滅菌される。

0148

加熱水による加熱処理後、上記無菌チャンバー23,24,26,27内に供給される陽圧の無菌エアと同様な無菌エアがプロダクトライン内に常時供給され、プロダクトライン内が陽圧に保持される。

0149

なお、上記加熱水に代えて開放蒸気若しくは加圧蒸気を用いることも可能である。開放蒸気とは大気圧下で加圧されることなく供給される蒸気である。

0150

この後、常温の又は常温未満の無菌水がプロダクトラインに通されることによって、プロダクトライン内が常温まで冷却される。常温は例えば2℃から40℃であるが、飲料の性質等に応じて設定される。

0151

この無菌水に代えて常温の又は常温未満の飲料を流すことによっても同様な冷却効果を得ることができる。その場合は、プロダクトラインの殺菌工程を充填工程へと速やかに切り替えることができる。

0152

上記無菌水は、冷却手段としての上記加熱・冷却機を冷却用に切り替えることによって、上記加熱水を冷却することにより得ることができる。この冷却水を上記加熱水と同様にしてプロダクトライン内で流すことによって、プロダクトライン内を常温まで冷却することができる。

0153

かくて、酸性度がある程度高く芽胞の残留が許容されるが、ホットパック法には不適合な酸性飲料をボトル等の包装材内に充填するためのプロダクトラインを、短時間で簡易に殺菌することができることとなり、したがって、速やかに包装ラインの稼動が開始され、包装体の生産効率が高められる。

0154

<実施の形態5>
実施の形態1〜4において、無菌充填が行われる環境は、無菌環境保持手段によって、無菌状態に維持される。

0155

すなわち、図4又は図6に示すように、第一の殺菌処理手段、第二の殺菌処理手段、内容物充填手段、密封手段等は、無菌チャンバー23,24,26,27によって覆われ、外界から遮断される。そして、図11及び図12に示すように、無菌チャンバー23,24,26,27には、殺菌剤用スプレーノズル78と、加熱水用スプレーノズル79と、無菌エア供給装置80とが設けられる。

0156

殺菌剤用スプレーノズル78は、各無菌チャンバー23,24,26,27内の全域に殺菌剤が付着するように配置される。殺菌剤は過酢酸が使用され、殺菌剤用スプレーノズル78としては過酢酸の噴霧に圧縮空気を利用する二流体ノズルが用いられる。

0157

殺菌剤用スプレーノズル78から噴射された過酢酸は各無菌チャンバー23,24,26,27内の全域に付着する。

0158

なお、過酢酸をスプレーして殺菌処理した後に、過酸化水素をスプレーして殺菌処理するようにしてもよい。

0159

加熱水用スプレーノズル79は、各無菌チャンバー23,24,26,27内の全域に加熱水が吹き付けられるように配置される。加熱水は上記各種実施の形態においてボトルの殺菌に使用される加熱水の供給源から供給することができ、80℃〜100℃に加熱された加熱水が各無菌チャンバー23,24,26,27内に噴射される。加熱水用スプレーノズルとしては、例えばスピンボールを用いたスプレーノズルが使用される。

0160

加熱水用スプレーノズル79から噴射された加熱水は各無菌チャンバー23,24,26,27内の全域に付着する。

0161

無菌エア供給装置80は二基用意され、その各ダクトが無菌チャンバー26の天井に接続される。各ダクトには、図12に示すように、水平部81と、この水平部81から無菌チャンバー26の天井に向かって垂下する垂直部82とが設けられる。水平部81内には、上流側から下流側に向かってブロア83、ヒーター84、ULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)85が順に設けられる。

0162

ブロア83の回転により、外気がダクト内に引き込まれ、この外気がヒーター84によって約100℃に加熱されてホットエアとなり、ULPAフィルタ85によって除塵、除菌された後無菌エアとなって無菌チャンバー26内に流入する。この無菌エアは無菌チャンバー26内から他の無菌チャンバー23,24,27へと流れ、全無菌チャンバー23,24,26,27内に滞留してこれらの内部を陽圧化し、無菌チャンバー23,27におけるボトル2の出入口等から流れ出る。これにより、無菌チャンバー23,24,26,27内への、塵埃、菌類等を含んだ外気の流入が防止される。

0163

上記ダクトの垂直部82には殺菌剤用スプレーノズル86が取り付けられる。包装体1の製造に先立ち、この殺菌剤用スプレーノズル86から噴射される過酸化水素によってULPAフィルタ85の表面とダクトの垂直部82内が殺菌処理される。

0164

次に、上記無菌環境保持手段の作用について説明する。

0165

無菌チャンバー23,24,26,27内は、無菌充填の開始に先立って殺菌処理される。

0166

各殺菌剤用スプレーノズル78,86から過酸化水素が噴射され、過酸化水素の噴霧が各無菌チャンバー23,24,26,27内の全域に付着する。この過酸化水素の噴霧によって、各無菌チャンバー23,24,26,27内における細菌の栄養細胞、カビ、酵母が殺菌される。また、ダクトの垂直部82内、ULPAフィルタ85の表面も同様に殺菌される。

0167

過酸化水素の噴霧が終了した後、無菌エア供給装置80のブロア83の作動によって、加熱された無菌エアが無菌チャンバー23,24,26,27内に供給される。この加熱された無菌エアによって各無菌チャンバー23,24,26,27内に付着した過酸化水素が乾燥され除去される。

0168

その後、加熱水用スプレーノズル79から加熱水が噴射され、無菌チャンバー23,24,26,27内の全域に吹き付けられる。これにより、上記過酸化水素によって損傷を受けた子嚢菌類の一部のカビが殺菌される。

0169

無菌エア供給装置80のダクトには垂直部82が設けられているので、スプレーされた加熱水はこの垂直部82の存在によってULPAフィルタ85への付着を阻止される。したがって、ULPAフィルタ85の加熱水による毀損が防止される。

0170

上記過酸化水素は所定の濃度のものが所定の流量で所定時間だけ供給され、上記加熱水も所定の温度のものが所定の流量で所定時間だけ供給される。

0171

かくて、無菌チャンバー23,24,26,27内は、細菌の芽胞の生残は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生残は許容しない程度の無菌状態とされる。これは既述した飲料等の内容物やボトル2の内部と同程度の無菌状態である。

0172

そして、この無菌状態は、無菌エア供給装置80によって無菌エアが無菌チャンバー23,24,26,27内に常時供給されることによって維持される。

0173

このように無菌チャンバー23,24,26,27内が殺菌処理された後に、第一の殺菌処理手段、第二の殺菌処理手段、内容物充填手段、密封手段等が稼動し、無菌包装体1の製造が開始される。

0174

なお、本発明は上記実施の形態1〜5に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。例えば、上記実施の形態1〜5では、PET製ボトルを殺菌対象としたが、本発明はPET以外の材料、例えばポリプロピレン、蒸着PET、ポリエチレン、ガラスで出来たボトルについても適用可能である。また、ボトル以外の形態、例えばカップ状の容器についても適用可能である。

0175

1,28…包装体
2…ボトル
2a…ボトルの口部
3…キャップ
5,6,7…ノズル
8…キャッパー
10…プリフォーム
23,24,26,27…無菌チャンバー
a…飲料
b…過酸化水素のミスト又はガス
c…加熱水
76…導管
77…帰還用の導管
78…殺菌剤用スプレーノズル
79…加熱水用スプレーノズル

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ