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図面 (3)

課題

ポリエチレン発泡樹脂を用いた発泡ブロー成形品において、軽量且つ安価で品質に優れた発泡ブロー成形品を提供する。

解決手段

ポリエチレン樹脂を含む樹脂材料発泡ブロー成形することにより形成される発泡ブロー成形品である。発泡樹脂は、酸化防止剤を含有し、酸化防止剤の総含有量が、300ppm以上である。酸化防止剤は、リン系酸化防止剤とでフェノール系酸化防止剤を併用することが好ましく、その最適含有量は、リン系酸化防止剤が250ppm〜3000ppm、フェノール系酸化防止剤が250ppm〜750ppmである。製造に際しては、酸化防止剤が300ppm以上添加された樹脂と、回収樹脂材料とを溶融混練し、発泡剤混入することで発泡樹脂とし、当該発泡樹脂をブロー成形する。

概要

背景

発泡ブロー成形品として、例えば自動車インストルメントパネル内に取り付けられる各種空調ダクトが知られている。これら空調ダクトには、発泡した樹脂材料成形した発泡ダクトが広く用いられている。発泡ダクトは、軽量であり、例えばポリオレフィン系樹脂等の樹脂材料に発泡剤を加えて溶融混練し、押出機のダイから押し出される発泡パリソンブロー成形することにより容易に製造することができる。

発泡ブロー成形品に用いられる樹脂材料としては、ポリオレフィン系樹脂が広く用いられており、中でもポリプロピレン系樹脂が一般的である。近年では、より安価な材料構成とすること等を目的として、ポリエチレン系樹脂への置き換えも検討されている(特許文献1等を参照)。

特許文献1には、長鎖分岐構造を有し、比重0.95〜0.96、メルトフローレイトMFR)3〜7g/10分、溶融張力100〜250mNの高密度ポリエチレンと、メルトフローレイト(MFR)0.3〜1.0g/10分の高密度ポリエチレンとを混合した混合樹脂化学発泡剤を添加し、ブロー成形した自動車用ダクトが開示されている。

概要

ポリエチレン発泡樹脂を用いた発泡ブロー成形品において、軽量且つ安価で品質に優れた発泡ブロー成形品を提供する。ポリエチレン樹脂を含む樹脂材料を発泡ブロー成形することにより形成される発泡ブロー成形品である。発泡樹脂は、酸化防止剤を含有し、酸化防止剤の総含有量が、300ppm以上である。酸化防止剤は、リン系酸化防止剤とでフェノール系酸化防止剤を併用することが好ましく、その最適含有量は、リン系酸化防止剤が250ppm〜3000ppm、フェノール系酸化防止剤が250ppm〜750ppmである。製造に際しては、酸化防止剤が300ppm以上添加された樹脂と、回収樹脂材料とを溶融混練し、発泡剤を混入することで発泡樹脂とし、当該発泡樹脂をブロー成形する。

目的

本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、軽量且つ安価で、ピンホールの発生等のない品質に優れた発泡ブロー成形品及び発泡ブロー成形方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

ポリエチレン樹脂を含む樹脂材料発泡ブロー成形することにより形成される発泡ブロー成形品であって、前記発泡樹脂は、酸化防止剤を含有し、前記酸化防止剤の総含有量が、300ppm以上であることを特徴とする発泡ブロー成形品。

請求項2

前記酸化防止剤の総含有量が、500ppm以上であることを特徴とする請求項1記載の発泡ブロー成形品。

請求項3

前記酸化防止剤として、ラジカル補足する作用を有する第1の酸化防止剤と、過酸化物を分解する第2の酸化防止剤とを含有することを特徴とする請求項1または2記載の発泡ブロー成形品。

請求項4

前記第1の酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤であり、第2の酸化防止剤がリン系酸化防止剤であることを特徴とする請求項3記載の発泡ブロー成形品。

請求項5

前記フェノール系酸化防止剤の含有量が250〜750ppmであり、リン系酸化防止剤の含有量が250〜3000ppmであることを特徴とする請求項4記載の発泡ブロー成形品。

請求項6

前記フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤が、低分子量酸化防止剤であることを特徴とする請求項4または5記載の発泡ブロー成形品。

請求項7

酸化防止剤を含む樹脂材料に対して、熱履歴を1回行った後と3回行った後のメルトフローレート変化率が5%以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の発泡ブロー成形品。

請求項8

酸化防止剤を含む樹脂材料に対して、熱履歴を1回行った後と3回行った後の溶融張力MTの変化率が−5%〜0%であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の発泡ブロー成形品。

請求項9

酸化防止剤を含む樹脂材料に対して、熱履歴を1回行った後と3回行った後において、溶融張力MTの値が180mN±10mNであることを特徴とする請求項8記載の発泡ブロー成形品。

請求項10

車両用空調ダクトであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の発泡ブロー成形品。

請求項11

ポリエチレン樹脂を含む樹脂材料を発泡ブロー成形する発泡ブロー成形方法であって、ブロー成形により形成される発泡ブロー成形品における酸化防止剤の含有量が300ppm以上となるような添加量未使用樹脂に酸化防止剤を添加しておき、これを回収樹脂材料と混合して溶融混練し、発泡剤混入することで発泡樹脂とし、当該発泡樹脂をブロー成形することを特徴とする発泡ブロー成形方法。

請求項12

前記酸化防止剤として、ラジカルを補足する作用を有する第1の酸化防止剤と、過酸化物を分解する第2の酸化防止剤とを添加することを特徴とする請求項11記載の発泡ブロー成形方法。

請求項13

前記第1の酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤であり、第2の酸化防止剤がリン系酸化防止剤であることを特徴とする請求項12記載の発泡ブロー成形方法。

請求項14

前記フェノール系酸化防止剤の添加量が250〜750ppmであり、リン系酸化防止剤の添加量が250〜3000ppmであることを特徴とする請求項13記載の発泡ブロー成形方法。

請求項15

前記発泡樹脂の重量に対する前記回収樹脂材料の割合が、70%以上であることを特徴とする請求項11から14のいずれか1項記載の発泡ブロー成形方法。

技術分野

0001

本発明は、発泡ブロー成形品及び発泡ブロー成形方法に関するものであり、特に、樹脂材料としてポリエチレンを用いた発泡ブロー成形品及び発泡ブロー成形方法に関するものである。

背景技術

0002

発泡ブロー成形品として、例えば自動車インストルメントパネル内に取り付けられる各種空調ダクトが知られている。これら空調ダクトには、発泡した樹脂材料を成形した発泡ダクトが広く用いられている。発泡ダクトは、軽量であり、例えばポリオレフィン系樹脂等の樹脂材料に発泡剤を加えて溶融混練し、押出機のダイから押し出される発泡パリソンブロー成形することにより容易に製造することができる。

0003

発泡ブロー成形品に用いられる樹脂材料としては、ポリオレフィン系樹脂が広く用いられており、中でもポリプロピレン系樹脂が一般的である。近年では、より安価な材料構成とすること等を目的として、ポリエチレン系樹脂への置き換えも検討されている(特許文献1等を参照)。

0004

特許文献1には、長鎖分岐構造を有し、比重0.95〜0.96、メルトフローレイトMFR)3〜7g/10分、溶融張力100〜250mNの高密度ポリエチレンと、メルトフローレイト(MFR)0.3〜1.0g/10分の高密度ポリエチレンとを混合した混合樹脂化学発泡剤を添加し、ブロー成形した自動車用ダクトが開示されている。

先行技術

0005

特開2011−194700号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ポリエチレン系樹脂を用いた発泡ブロー成形品に関しては、ポリプロピレン系樹脂と比較して樹脂組成や物性等に関して最適化が不十分であり、その開発が遅れているのが現状である。しかしながら、発泡ポリプロピレンを用いた発泡ブロー成形品に比較して、発泡ポリエチレンを用いた発泡ブロー成形品の方が潜在的な需要が大きく、開発の進展が待たれるところである。

0007

発泡樹脂としてポリエチレン系樹脂を用いた発泡ブロー成形品の開発を考えた場合、ポリエチレン系樹脂からなる発泡樹脂は、ピンホール(又は、ピンホールによる成形不良)が発生し易いという問題を抱えている。この問題は、特に、高発泡製品や、複雑な形状の製品を成形する場合に顕著になり、長期にわたって安定した生産ができないことが課題になっている。従来の開発において、超臨界発泡剤の使用、高溶融張力材料の使用、成形条件の調整等、様々な検討がなされたが、十分な解決には至っていない。

0008

本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、軽量且つ安価で、ピンホールの発生等のない品質に優れた発泡ブロー成形品及び発泡ブロー成形方法を提供することを目的とする。また、本発明は、使用済みポリエチレン系樹脂を再利用することが可能な発泡ブロー成形品及び発泡ブロー成形方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前述の目的を達成するために、本発明の発泡ブロー成形品は、ポリエチレンを含む発泡樹脂をブロー成形することにより形成される発泡ブロー成形品であって、前記発泡樹脂は、酸化防止剤を含有し、前記酸化防止剤の総含有量が、300ppm以上であることを特徴とする。

0010

また、本発明の発泡ブロー成形方法は、ポリエチレンを含む発泡樹脂をブロー成形する発泡ブロー成形方法であって、ブロー成形により形成される発泡ブロー成形品における酸化防止剤の含有量が300ppm以上となるような添加量未使用樹脂に酸化防止剤を添加しておき、これを回収樹脂材料と混合して溶融混練し、発泡剤を混入することで発泡樹脂とし、当該発泡樹脂をブロー成形することを特徴とする。

0011

本発明の発泡ダクトは、酸化防止剤を300ppm以上含有した樹脂で成形されている点に特徴を有する。本願発明者は、ポリプロピレンとは異なるポリエチレンの特性に着目し、従来の非発泡ブローでは問題にならないような、ポリエチレンの熱履歴による架橋劣化が、発泡ブロー成形においては上記ピンホール等の原因であることを新たに知見した。そして、従来に比して多量の酸化防止剤の添加を試みることによって、上記課題の解決に至った。

発明の効果

0012

本発明によれば、軽量且つ安価で、ピンホールの発生等のない品質に優れた発泡ブロー成形品を提供することが可能である。また、本発明によれば、使用済みの発泡ポリエチレン系樹脂を再利用することが可能であり、ポリエチレン系樹脂の利用効率を大幅に向上することが可能である。

図面の簡単な説明

0013

発泡ダクトの一例を示す概略斜視図である。
ダクトをブロー成形する際の態様を模式的に示す概略断面図である。

0014

以下、本発明を適用した発泡ブロー成形品の実施形態について、発泡ダクトを例にして、図面を参照しながら詳細に説明する。

0015

発泡ブロー成形品である発泡ダクト10は、エアコンユニット(図示は省略する。)より供給される空調エアを内部の流路により流通させ、所望の部位に通風されるように構成される。なお、発泡ダクト10の形状としては、図1に示すものに限定されず、用途や設置場所等に応じて任意の形状とすることができる。

0016

本実施形態の発泡ダクト10は、押出機のダイから発泡樹脂を押し出すことによって形成した発泡パリソンを金型で挟んでブロー成形することにより得られる。なお、ブロー成形直後のダクトは、両端が閉じた状態となっており、ブロー成形後トリミングによって両端が切断されて開口形状にされる。

0017

本実施形態の発泡ダクト10は、管壁発泡層によって構成される中空発泡樹脂成形品からなる。発泡層が独立気泡構造を有する構成とすることにより、軽量で断熱性に優れたダクトとすることができる。独立気泡構造とは、複数の独立した気泡セルを有する構造であり、少なくとも独立気泡率が70%以上のものを意味する。こうした構成により、発泡ダクト10内に冷房の空気を流通させた場合であっても、結露が発生する可能性をほとんどなくすことができる。

0018

また、本実施形態の発泡ダクト10は、回収樹脂材料と、未使用樹脂(バージン樹脂)とを混合した混合樹脂を基材樹脂として用い、当該基材樹脂に発泡剤を添加して発泡ブロー成形することにより得ることも可能である。

0019

樹脂成形品を一般的なブロー成形により成形する際、溶融状態の樹脂材料を金型表面の形状に賦形し、冷え固化した状態で金型から離型し、成形品の周囲等のバリや開口部をカッター等で切除することで完成品を得る。ブロー成形で大量生産する際の製造サイクルでは、省資源化および低コスト化の観点から、このように一度溶融状態とされた後で固化した樹脂材料における完成品以外の部分を、粉砕した回収樹脂材料とする。そして、この回収樹脂材料に、熱履歴を加えていないバージン樹脂を混合して混合樹脂とし、発泡剤を加えて再度ブロー成形を行う。

0020

こうした大量生産における製造サイクルでは、成形に用いる樹脂材料中に占める回収樹脂材料の割合が、場合によっては70〜90%程度にもなる。例えば、ブロー成形を行った後、そのブロー成形による回収樹脂材料に、完成品である発泡成形品を取り出した分のバージン樹脂を、樹脂材料全体に対して10〜30%程度追加して混合樹脂とし、再度ブロー成形を行う場合、回収樹脂材料の占める割合は70〜90%となる。

0021

このようにブロー成形を行い、そのブロー成形による回収樹脂材料にバージン樹脂を追加して混合樹脂とし、再度ブロー成形を行うという製造サイクルを繰り返していくと、混合樹脂を用いた成形による発泡成形品(発泡ダクト10)の性質は、バージン樹脂のみを用いた成形による発泡成形品の性質と比べて劣化したものとなることが多い。

0022

特に、発泡ダクト10の樹脂材料としてポリエチレン系樹脂を用いた場合、前述の通り、繰り返し加わる熱履歴によってポリエチレンが酸化劣化して架橋物が発生し、ブロー成形を際に、架橋したポリエチレンの架橋物が核となり、ここを起点としてピンホール不良が発生するという大きな問題が発生する。特に、発泡倍率(樹脂の密度を、気泡を含む見掛け密度で割った値)が1.5倍以上の発泡ダクトを成形する場合、不良の発生は顕著になる。

0023

そこで、本実施形態の発泡ダクト10では、発泡樹脂材料としてポリエチレン系樹脂を用いるとともに、酸化防止剤を多量に添加することで、架橋劣化による不良発生を抑制することとする。以下、発泡ダクト10に用いる発泡樹脂材料について説明する。

0024

先ず、発泡樹脂材料に用いるポリエチレン系樹脂であるが、ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)等を用いることができる。また、エチレンと他の共重合性モノマーとの共重合体であってもよい。いずれの場合にも、長鎖分岐構造を有するポリエチレンを含有することが好ましい。長鎖分岐構造を有するポリエチレンを用いることで、発泡性が良好なものとなる。

0025

長鎖分岐構造を有するポリエチレン(以下、長鎖分岐ポリエチレンと称する。)は、例えば特開2012−136598号公報等に記載されるようなものであり、長鎖ポリエチレン鎖末端にのみ分岐構造を有し、一般的なポリエチレンに比べて分岐構造の数が少ないという特徴を有する。

0026

係る長鎖分岐ポリエチレンは、スメクタイト族ヘクトライトに属する粘土鉱物を特定の有機化合物にて変性した有機変性粘土鉱物、及び有機アルミニウム化合物からなる触媒を用いてエチレン重合を行うことにより製造することができる。

0027

使用する長鎖分岐ポリエチレンの物性は任意であるが、例えば密度は、JIS K7676を準拠し測定した密度の値として、925〜970kg/m3の範囲であることが好ましく、特に好ましくは930〜960kg/m3の範囲である。また、使用する長鎖分岐ポリエチレンは、GPCによる分子量測定において2つのピークを示すことが好ましい。

0028

さらに、使用する長鎖分岐ポリエチレンの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)は、2.0〜7.0、好ましくは2.5〜7.0、さらに好ましくは3.0〜6.0である。GPCにより測定した数平均分子量(Mn)は15,000以上であることが好ましく、さらに好ましくは15,000〜100,000、特に15,000〜50,000が好ましい。

0029

使用する長鎖分岐ポリエチレンの好ましい長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.02個以上である。分子量分別で得られたMnが10万以上のフラクションの長鎖分岐数は、主鎖1000炭素数あたり0.15個以上である。分子量分別で得られた数平均分子量Mn10万以上のフラクションの割合は、ポリマー全体の40%未満であることが望ましい。

0030

本発明においては、発泡樹脂材料には、酸化防止剤を添加する。この時、酸化防止剤の添加量は、ポリエチレン系樹脂(発泡成形品)において酸化防止剤の総含有量が300ppm以上になるように設定する必要があり、総含有量が500ppm以上となるように添加することが好ましい。酸化防止剤の総含有量が300ppm未満であると、効果が不十分になるおそれがあり、架橋劣化を長期に亘り抑制することが難しくなる。

0031

酸化防止剤としては、公知のものがいずれも使用可能であり、各種酸化防止剤を単独で、あるいは組み合わせて使用することが可能である。ただし、本願発明者ら実験によれば、特定の酸化防止剤を組み合わせて使用することが効果的であることが判明した。以下、酸化防止剤の組み合わせについて、詳述する。

0032

酸化防止剤としては、ラジカル補足する作用を有する酸化防止剤(第1の酸化防止剤)と、過酸化物を分解する酸化防止剤(第2の酸化防止剤)とがあり、前者(第1の酸化防止剤)としてフェノール系酸化防止剤ヒンダードアミン系化合物HALS系)等が知られている。後者(第2の酸化防止剤)としては、リン系酸化防止剤硫黄系酸化防止剤等がある。樹脂では、熱や光、せん断によってラジカルが発生するが、発生したラジカルを放置すると、架橋劣化や酸化劣化が発生し、物性が低下する。前者[ラジカルを補足する作用を有する酸化防止剤(第1の酸化防止剤)]は、発生したラジカルを補足する作用を有するものであり、それにより架橋劣化や酸化劣化を防止する機能を有する。一方、後者[過酸化物を分解する酸化防止剤(第2の酸化防止剤)]は、熱酸化で発生する過酸化物(ラジカル)をアルコールに分解し、連鎖劣化反応を停止させるという機能を有する。

0033

このように、第1の酸化防止剤も第2の酸化防止剤も、機能の違いはあるものの、いずれも酸化防止を目的に広く使用されている。しかしながら、本発明者らの検討したところ、ポリエチレン系樹脂の添加剤として用いた場合、いくつかの問題点があることがわかってきた。

0034

例えば、過酸化物を分解する酸化防止剤(第2の酸化防止剤)のみを添加した場合、熱履歴を加えたリサイクル試験を行うと、熱履歴後に溶融張力MTが大きく増加し、酸化防止効果が不十分となる傾向にあることがわかった。酸化劣化した時に観測されるパラメータは、融張力MTが大であり、酸化劣化異物が原因で成形時にピンホールが発生する。

0035

一方、ラジカルを補足する作用を有する酸化防止剤(第1の酸化防止剤)のみを添加した場合、熱履歴を加えたリサイクル試験を行うと、熱履歴後に溶融張力MTが低下するという影響が見られ、500ppm以上の大量添加は溶融張力MTの低下を引き起こし、問題であることがわかった。溶融張力MTが小さくなると、ブロー成形において、ブロー比が高い時にパリソンが追随しなくなり、ピンホールが発生し易くなる。

0036

これらの知見から、第1の酸化防止剤と第2の酸化防止剤を組み合わせることで、十分な酸化防止効果を発揮させ、且つ、第1の酸化防止剤のみを添加した場合に見られる溶融張力MTの低下を第2の酸化防止剤の添加により相殺し、溶融張力MTの変化量を最小限に抑えることができる、との結論を得るに至った。

0037

したがって、本発明においては、ラジカルを補足する作用を有する酸化防止剤(第1の酸化防止剤)と、過酸化物を分解する酸化防止剤(第2の酸化防止剤)とを組み合わせて使用することが好ましい実施形態ということになる。これにより、十分な酸化防止効果を発揮させながら、物性の低下を抑えることができる。

0038

ここで、第1の酸化防止剤としては、前述のフェノール系酸化防止剤やヒンダードアミン系化合物(HALS系)等のいずれであってもよいが、中でもフェノール系酸化防止剤が好ましい。第2の酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤や硫黄系酸化防止剤等のいずれであってもよいが、リン化酸化防止剤が好ましい。フェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤は、入手が容易であり、安定供給画可能であること、純度が高いこと等、実用性に優れている。また、リン系の酸化防止剤は、耐加水分解性、耐揮散性に優れるという特徴も有する。フェノール系の酸化防止剤は、各種樹脂、エラストマー耐熱性向上に効果を発揮する酸化防止剤であり、高分子量であるため、低抽出性、低揮散性であるという特徴を有する。

0039

前述ように、リン系の酸化防止剤とフェノール系の酸化防止剤を併用することで、相乗的に効果が発揮され、ポリエチレン系樹脂の架橋劣化や酸化劣化が効果的に抑制され、リサイクル時の溶融張力MT等の変化も抑えられる。

0040

前記リン系の酸化防止剤やフェノール系の酸化防止剤としては、公知のものがいずれも使用可能である。例えば、リン系の酸化防止剤には、高分子量リン系酸化防止剤や低分子量リン系酸化防止剤があるが、いずれか一方を用いても良いし、これらを混合して用いても良い。

0041

具体的化合物としては、高分子量リン系酸化防止剤の例として、トリス(2,4−分岐C3−8アルキルブチルフェニルホスファイト[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等]や、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスファイト等のテトラキス(2,4−ジ−分岐C3−8アルキルフェニル)−4,4’−C2−4アルキレンホスファイト等を挙げることができる。市販のものとしては、チバ・ジャパン社製商品名「Irgafos168」等がある。

0042

低分子量リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイトジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト;トリ−2,4−ジメチルフェニルホスフィン、トリ−2,4,6−トリメチルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o−アニシルホスフィン、トリ−p−アニシルホスフィン等のホスフィン化合物等を挙げることができる。

0043

フェノール系の酸化防止剤についても、高分子量フェノール系酸化防止剤や低分子量フェノール系酸化防止剤があるが、いずれか一方を用いても良いし、これらを混合して用いても良い。

0044

高分子量フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等のトリス(2−アルキル−4−ヒドロキシ−5−分岐C3−8アルキルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルベンゼン等のトリス(3,5−ジ−分岐C3−8アルキル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6,−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等の1,3,5−トリアルキル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−分岐C3−8アルキル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネートメタン等のテトラキス[アルキレン−3−(3,5−ジ−分岐C3−8アルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]C1−4アルカンペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−分岐C3−8アルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等である。市販のものとしては、チバ・ジャパン社製、商品名「Irganox1010」等がある。

0045

低分子量フェノール系酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2−メチル−4,6−ジ−ノニルフェノールブチルヒドロキシアニソールスチレン化フェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等のモノフェノール系化合物、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン等のビスフェノール系化合物、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンヒドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジ−(第3アミル)ヒドロキノン等のヒドロキノン系化合物、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート等のヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。また、低分子量フェノール系酸化防止剤には、ヒンダードフェノール構造を有するヒドラジン化合物{N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヒドラジン等}等の金属不活性剤等も含まれる。

0046

前記フェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤の添加量は、前述の通り、酸化防止剤の総含有量を300ppm以上とする必要があるが、さらに、各酸化防止剤には最適な添加量がある。具体的には、フェノール系酸化防止剤の含有量は、250ppm〜750ppmであることが好ましい。リン系酸化防止剤の含有量は、250ppm〜3000ppmであることが好ましい。

0047

フェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤の添加量を前記範囲内とすることで、ポリエチレン系樹脂の発泡成形において、リサイクル性、成形性を良好なものとすることができ、処方として好ましいものとなる。特に、熱履歴前後での物性値(溶融張力MTやメルトフローレートMFR)の変化を抑えることができ、ポリエチレン系樹脂をリサイクルする上で有効である。

0048

具体的には、フェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤を所定量添加することで、酸化防止剤を含む樹脂材料(ポリエチレンを含み原料となる樹脂材料)に対して、熱履歴を1回行った後と3回行った後のメルトフローレートMFRの変化率を5%以下とすることができる。メルトフローレートMFRの変化率が+5%を越えて大きくなると、樹脂が分解している方向に進んでいることになるため、ドローダウンしたり、脆くなる等の問題が発生するおそれがある。逆に、メルトフローレートMFRの変化率が−5%を越えて小さくなると、酸化劣化している状況であるため、酸化劣化異物によるピンホール不良が発生するおそれがある。

0049

同様に、フェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤を所定量添加することで、酸化防止剤を含む樹脂材料に対して、熱履歴を1回行った後と3回行った後の溶融張力MTの変化率を−5%〜0%とすることができる。溶融張力MTの変化率が0%を越えて大きくなると、酸化劣化している状況であるため、酸化劣化異物によるピンホール不良が発生するおそれがある。また、溶融張力MTの変化率が−5%を越えて小さくなると、ブローした時に膨張に追随せず、薄肉部が形成できなくなるおそれがある。あるいは、ドローダウンのおそれもある。

0050

また、この材料配合系において最適な溶融張力MTの値(中間値)は、酸化防止剤を含む樹脂材料に対して、熱履歴を1回行った後と3回行った後のいずれにおいても180mNであり、当該値より±10mN以上外れたものは、発泡成形サイクル性に悪影響を及ぼすものと判断される。例えば、溶融張力MTが190mN(180mN+10mN)を越えると、成形温度高温にしなければならなくなり、複雑な形状が賦形し難くなるという問題が生ずるおそれがある。逆に、溶融張力MTが170mN(180mN−10mN)未満になると、ドローダウンが大きくなり、厚肉成形ができなくなるおそれがある。薄肉部にはピンホールが発生するおそれもある。

0051

なお、前記熱履歴であるが、酸化防止剤を含むバージン樹脂を溶融状態として所定の押出機から、次に示す条件で押出し、固化させることで熱履歴が1回のサンプルを得る。押出し条件を具体的に説明すると、直径25mm、L/D=20のスクリューを挿入した押出機を使用し、スクリューの回転数を60rpmとし、押出口の形状を、25mm×1mmのスリット形状とする。そして、押出量が約3kg/hとなるように、押出装置内の温度を約200℃〜210℃に調整し、押出口から樹脂を押し出す。押し出されたシート状の樹脂は、金属の板で挟んで冷却固化する。こうして熱履歴が1回のサンプルを得た後、バージン樹脂を追加せず、固化した樹脂材料の全てを粉砕して回収樹脂材料とし、この回収樹脂材料のみを溶融状態として先の押出機から同様の条件で押し出し、同様に固化させることで、熱履歴が2回のサンプルを得る。熱履歴が2回のサンプルを得た後、バージン樹脂を追加せず、固化した樹脂材料の全てを粉砕して回収樹脂材料とし、この回収樹脂材料のみを溶融状態として先の押出機から同様の条件で押し出し、同様に固化させることで、熱履歴が3回のサンプルを得る。

0052

また、前述の酸化防止剤の量であるが、最終製品である発泡ブロー成形品(ここでは発泡ダクト10)に含まれる酸化防止剤の含有量である。発泡成形品に含まれる酸化防止剤の含有量は、例えば液体クロマトグラフィーを使用した定量分析により定量することが可能である。酸化防止剤は、純粋な化学物質であるので、特有の保持時間(展開媒とカラムの種類により若干変動するが、標準物質を使って決定する。)が存在しており、ピークの面積、高さは濃度に比例する。したがって、標準試料検量線を作成しておけば、濃度を求めることが可能となる。前記フェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤の場合、最終製品である発泡成形品に含まれる酸化防止剤の含有量は、製造時の添加量とほぼ等しい値となる。

0053

発泡成形品の製造に際しては、前述のポリエチレン系樹脂にリン系の酸化防止剤及びフェノール系の酸化防止剤を添加し、ブロー成形に供する。ブロー成形では、発泡剤を用いて発泡した発泡ポリエチレンを成形する。発泡剤としては、空気、炭酸ガス窒素ガス、水等の無機系発泡剤や、ブタン、ペンタンヘキサンジクロロメタンジクロロエタン等の有機系発泡剤等を使用することができる。これらの中で、発泡剤としては、空気、炭酸ガス、または窒素ガスを用いることが好ましい。これらを用いることで有機物の混入を防ぐことができ、耐久性等の低下を抑制することができる。

0054

また、発泡方法としては、超臨界流体を用いることが好ましい。すなわち、炭酸ガスまたは窒素ガスを超臨界状態とし、ポリエチレン系樹脂を発泡させることが好ましい。超臨界流体を用いることで、均一且つ確実に発泡することができる。なお、超臨界流体が窒素ガスの場合の条件としては、臨界温度−149.1℃、臨界圧力3.4MPaとすればよく、超臨界流体が炭酸ガスの場合の条件としては、臨界温度31℃、臨界圧力7.4MPaとすればよい。

0055

こうして発泡処理されたポリエチレン系樹脂を公知の方法でブロー成形することにより、発泡ダクト10を成形する。図2は、発泡ダクト10をブロー成形する際の態様を示す図である。

0056

ブロー成形に際しては、先ず、押出機内で成形に用いる樹脂材料(ポリエチレン系樹脂)を混練して基材樹脂を作製する。バージン樹脂(未使用樹脂)のみを用いて成形する場合であれば、前述のポリエチレン系樹脂のバージン樹脂に、必要に応じて改質材を加えて混練し、基材樹脂を作製する。回収樹脂材料を用いる場合には、粉砕された回収樹脂材料にバージン樹脂を所定割合加え、混練して基材樹脂を作製する。

0057

前者の場合(バージン樹脂のみを用いて成形する場合)、発泡ブロー成形品における酸化防止剤の総含有量が前述の量となるような添加量で、原料であるバージン樹脂に酸化防止剤を添加する。後者の場合(回収樹脂材料を用いる場合)には、ブロー成形により形成される発泡ブロー成形品における酸化防止剤の含有量が前述の量(例えば300ppm以上)となるような添加量でバージン樹脂に酸化防止剤を添加しておき、これを回収樹脂材料と混合して溶融混練し、発泡剤を混入することで発泡樹脂とし、当該発泡樹脂をブロー成形する。

0058

こうした基材樹脂に発泡剤を添加し押出機内で混合した後、ダイ内アキュムレータ(図示せず)に貯留し、続いて、所定の樹脂量が貯留された後にリング状ピストン(図示せず)を水平方向に対して直交する方向(垂直方向)に押し下げる。そして、図2に示す環状ダイ21のダイスリットより、例えば押出速度700kg/時以上で、円筒状のパリソンPとして、型締装置30を構成する分割金型31,32の間に押し出す。その後、分割金型31,32を型締してパリソンPを挟み込み、さらにパリソンP内に0.05〜0.15MPaの圧力範囲でエアを吹き込み、発泡ダクト10を形成する。

0059

成形後に、冷えて固化した樹脂材料における完成品以外の部分を粉砕して回収樹脂材料とし、この回収樹脂材料にバージン樹脂を所定割合加えた混合樹脂を用いて、再度同様のブロー成形を行う。こうした製造サイクルを繰り返すことにより、発泡ダクト10を大量生産することができる。

0060

なお、発泡ダクト10を成形する方法としては、前述のようなブロー成形に限らず、押し出されたパリソンを金型に吸い付けて所定の形状の成形品を成形するバキューム成形を用いても良い。また、エアの吹き込みや吸引を行わず、押し出されたパリソンを金型で挟み込んで成形するコンプレッション成形を用いても良い。

0061

前述の通り、本発明の発泡ダクトでは、ポリエチレン系樹脂において特有の課題である架橋劣化による不良の発生を抑えることができ、品質や信頼性に優れた発泡ダクトを提供することが可能である。また、使用済みのポリエチレン系樹脂を使用した場合にも劣化の問題を解消することができ、リサイクルシステム確立することが可能である。さらに、バージン樹脂の選択に際して、より安価な材料(ポリエチレン)を選択対象とすることができ、より低コスト化することが可能である。

0062

以上、本発明を適用した実施形態についてを説明してきたが、本発明が前述の実施形態に限られるものでないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。

0063

以下、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。

0064

実験1
(実施例1)
高密度ポリエチレン(HDPE)40重量部と、長鎖分岐ポリエチレン(東ソー社製、商品名08S55A)60重量部とを配合し、これに再生材(回収樹脂材料)を加えて混練し、これを基材樹脂として発泡倍率2.0倍の発泡ダクトをブロー成形により成形した。なお、基材樹脂には、リン系の酸化防止剤(チバ・ジャパン社製、商品名Irgafos168)を240ppm、フェノール系の酸化防止剤(チバ・ジャパン社製、商品名Irganox1010)を160ppm添加した。また、基材樹脂に対する再生材(回収樹脂材料)の割合は重量比で85%とした。

0065

(実施例2)
リン系の酸化防止剤の添加量を600ppmとし、他は実施例1と同様にブロー成形を行い、発泡ダクトを成形した。

0066

(実施例3)
リン系の酸化防止剤の添加量を750ppmとし、他は実施例1と同様にブロー成形を行い、発泡ダクトを成形した。

0067

(比較例1)
酸化防止剤を添加せず、他は実施例1と同様にブロー成形を行い、発泡ダクトを成形した。

0068

(評価)
実施例2,3においては、ピンホールによる成形不良は発生しなかった。実施例1では、1週間連続成形してもピンホールによる成形不良は発生しなかったが、1週間後にピンホール不良の発生が希に見られた。

0069

一方、酸化防止剤を添加していない比較例では、1サイクルで成形不良が発生した。以上のことから、酸化防止剤の添加量は300ppm以上とすることが効果的であり、長期にわたって成形不良を防止するためには、酸化防止剤の添加量を500ppm以上とすることが好ましいと言える。

0070

実験2
本実験では、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用し、それぞれの最適含有量について検討した。

0071

本実験で用いたポリエチレン樹脂は、低密度ポリエチレンLDPE(住友化学社製、商品名G201)と高密度ポリエチレンHDPE(旭化成社製、商品名B971)を50/50でブレンドしたものであり、これに表1に示す通りの含有量となるように酸化防止剤を添加し、実験1と同様に発泡ダクトをブロー成形した。

0072

なお、酸化防止剤の含有量についての測定方法は、以下の通りである。先ず、成形した発泡ダクトを100g切り取り、細かく刻んで有機溶媒で酸化防止剤を抽出した。抽出された酸化防止剤を適切な展開媒、カラムを選択して液体クロマトグラフィー(LC)で展開し、保持時間、ピーク面積ピーク高さを測定した。各酸化防止剤について、標準物質を入手し、検量線を作成した後、測定結果に適用し、酸化防止剤の濃度を求めた。

0073

液体クロマトグラフィー測定条件
有機溶媒:シクロヘキサン・2−プロパノール混液(1:1) 40℃ 24時間静置
展開媒 :アセトニトリル
検出器:HITACHI L−4200
カラム:Mightysil RP−18 PA 4.6mm×150mm,5μm
カラム温度:50℃

0074

また、作成した発泡ダクトについて、熱履歴後の溶融張力MT及びメルトフローレートMFRを測定し、変化率を算出した。結果を表1に併せて示す。表1において、熱履歴1は、前述の通り、使用したポリエチレン樹脂(バージン樹脂)に対し、溶融押出しを1回行った後の測定値、熱履歴3は、前述の通り、熱履歴1を行ったポリエチレン樹脂に対し、溶融押出しをさらに2回行った後の測定値である。メルトフローレートMFRの測定条件は、190℃、2.16kg、g/10minである。

0075

0076

表1から明らかなとおり、リン系酸化防止剤を250ppm〜3000ppm、フェノール系酸化防止剤を250ppm〜750ppmとすることで、すなわちNo.22,23,24,27,28,29,32,33,34,36,37,38,40,41において、メルトフローレートMFRの変化率が±5%以下、溶融張力MTの変化率が−5%〜0%、溶融張力MTの値が180mN±10mNという要件が全て達成されている。

実施例

0077

これに対して、例えば、リン系酸化防止剤のみを添加したNo.2〜7では、熱履歴3における溶融張力MTの増加、メルトフローレートMFRの低下が大きく、前記要件を満たしていない。同様に、フェノール系酸化防止剤のみを添加したNo.8〜13では、熱履歴3における溶融張力MTの低下が認められる。

0078

10発泡ダクト
21環状ダイ
30型締装置
31,32分割金型
P パリソン

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