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技術 車両の制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 山中聡横川隆弘伊藤良雄
出願日 2013年11月8日 (7年3ヶ月経過) 出願番号 2013-232083
公開日 2015年5月18日 (5年9ヶ月経過) 公開番号 2015-094377
状態 特許登録済
技術分野 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御 油圧・電磁・流体クラッチ・流体継手
主要キーワード 開始時機 フリーラン制御 フリーランモード 動力断接装置 再起動完了 マルチモ エンジン再起動 アクセルオン操作
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

クラッチ係合時のショックの発生を抑えつつ加速応答性を確保すること。

解決手段

クラッチ30を通常走行中に解放させることによって、エンジン10と駆動輪Wとの間の動力伝達遮断して、車両を惰行走行させる惰行制御部と、惰行走行から通常走行への復帰条件成立した場合、エンジン10の出力制御とクラッチ30の完全係合制御を実施する復帰制御部と、を走行制御ECU1に備え、復帰制御部には、復帰条件が成立し、かつ、自動変速機20のダウンシフト要求がある場合、エンジン10側の第1係合部31の回転数上昇勾配ダウンシフトに伴う自動変速機20側の第2係合部32の回転数の上昇勾配が同期するよう自動変速機20のダウンシフト制御を実施し、第1係合部31の回転数と第2係合部32の回転数が同期したとき又は同期したと見做せるときにクラッチ30を完全係合すること。

概要

背景

従来、車両においては、走行中の燃料消費量を低減させるための技術として、走行中にエンジン駆動輪との間の動力伝達遮断して惰性で進行させる惰行走行が知られている。制御装置は、エンジンと駆動輪との間に配置されている係合状態クラッチ通常走行中に解放させることで、その間の動力の伝達を遮断し、惰行走行へと移行させる。また、制御装置は、その惰行走行から通常走行へと復帰させる場合、その解放状態のクラッチを係合させる。例えば、下記の特許文献1及び2には、その惰行走行に関わる技術が開示されている。また、下記の特許文献3には、惰行制御中にクラッチにおけるエンジン側の回転数所定回転数を超えている場合、変速機変速制御禁止する、という技術が開示されている。

概要

クラッチ係合時のショックの発生を抑えつつ加速応答性を確保すること。クラッチ30を通常走行中に解放させることによって、エンジン10と駆動輪Wとの間の動力伝達を遮断して、車両を惰行走行させる惰行制御部と、惰行走行から通常走行への復帰条件成立した場合、エンジン10の出力制御とクラッチ30の完全係合制御を実施する復帰制御部と、を走行制御ECU1に備え、復帰制御部には、復帰条件が成立し、かつ、自動変速機20のダウンシフト要求がある場合、エンジン10側の第1係合部31の回転数の上昇勾配ダウンシフトに伴う自動変速機20側の第2係合部32の回転数の上昇勾配が同期するよう自動変速機20のダウンシフト制御を実施し、第1係合部31の回転数と第2係合部32の回転数が同期したとき又は同期したと見做せるときにクラッチ30を完全係合すること。

目的

本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、クラッチ係合時のショックの発生を抑えつつ加速応答性を確保することのできる車両の制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

エンジンと、自動変速機と、前記エンジン側に接続された第1係合部と前記自動変速機側に接続された第2係合部とを有する動力断接装置と、を備える車両の制御装置において、前記動力断接装置を通常走行中に解放させることによって、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達遮断して、前記車両を惰行走行させる惰行制御部と、惰行走行から通常走行への復帰条件成立した場合、前記エンジンの出力制御を実施し、かつ、前記動力断接装置の完全係合制御を実施する復帰制御部とを備え、前記復帰制御部は、惰行走行から通常走行への復帰条件が成立し、かつ、前記自動変速機のダウンシフト要求がある場合、前記エンジンの前記出力制御に伴う前記第1係合部の回転数上昇勾配に前記自動変速機のダウンシフトに伴う前記第2係合部の回転数の上昇勾配が同期するよう前記自動変速機のダウンシフト制御を実施し、前記第1係合部の回転数と前記第2係合部の回転数が同期したとき又は同期したと見做せるときに前記動力断接装置を完全係合することを特徴とした車両の制御装置。

請求項2

請求項1に記載の車両の制御装置において、前記エンジンの前記出力制御に伴う前記第1係合部の回転数の上昇勾配と前記自動変速機のダウンシフトに伴う前記第2係合部の回転数の上昇勾配とが同期するように、前記自動変速機の前記ダウンシフト制御の開始時機を算出する変速時機算出部を備え、前記復帰制御部は、前記変速時機算出部の算出した開始時機に前記自動変速機の前記ダウンシフト制御を開始することを特徴とした車両の制御装置。

請求項3

請求項1又は2に記載の車両の制御装置において、前記復帰制御部は、前記第1係合部の回転数と前記第2係合部の回転数との差が所定値以下となる状態が所定時間継続した場合に、前記動力断接装置を完全係合することを特徴とした車両の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、走行中の駆動力を制御する車両の制御装置に関する。

背景技術

0002

従来、車両においては、走行中の燃料消費量を低減させるための技術として、走行中にエンジン駆動輪との間の動力伝達遮断して惰性で進行させる惰行走行が知られている。制御装置は、エンジンと駆動輪との間に配置されている係合状態クラッチ通常走行中に解放させることで、その間の動力の伝達を遮断し、惰行走行へと移行させる。また、制御装置は、その惰行走行から通常走行へと復帰させる場合、その解放状態のクラッチを係合させる。例えば、下記の特許文献1及び2には、その惰行走行に関わる技術が開示されている。また、下記の特許文献3には、惰行制御中にクラッチにおけるエンジン側の回転数所定回転数を超えている場合、変速機変速制御禁止する、という技術が開示されている。

先行技術

0003

特開2012−149710号公報
特開2011−183963号公報
特開2012−013186号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、惰行走行から通常走行への復帰は、運転者アクセル操作契機にして実施される。このため、復帰が要求されたときには、同時に変速機のダウンシフトも要求されることがある。ここで、クラッチは、係合時のショックの発生を抑えるために、回転数の差が所定の回転数以下になるまで待ってから完全係合させる。例えば、クラッチをエンジンと変速機の間に介在させている場合には、ダウンシフトの実施時機如何で、クラッチにおける変速機側の回転数(ダウンシフトに伴い上昇)とエンジン側の回転数とが近づくまでに時間を要してしまうことがある。また、ダウンシフトの実施時機如何では、アクセル操作に対して駆動力不足になってしまうことがある。よって、ダウンシフトの実施時機が適切でないと、運転者は、アクセル操作に対する加速のもたつきという違和感を覚えてしまう可能性がある。

0005

そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、クラッチ係合時のショックの発生を抑えつつ加速応答性を確保することのできる車両の制御装置を提供することを、その目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成する為、本発明は、エンジンと、自動変速機と、前記エンジン側に接続された第1係合部と前記自動変速機側に接続された第2係合部とを有する動力断接装置と、を備える車両の制御装置において、前記動力断接装置を通常走行中に解放させることによって、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達を遮断して、前記車両を惰行走行させる惰行制御部と、惰行走行から通常走行への復帰条件成立した場合、前記エンジンの出力制御を実施し、かつ、前記動力断接装置の完全係合制御を実施する復帰制御部とを備え、前記復帰制御部は、惰行走行から通常走行への復帰条件が成立し、かつ、前記自動変速機のダウンシフト要求がある場合、前記エンジンの前記出力制御に伴う前記第1係合部の回転数の上昇勾配に前記自動変速機のダウンシフトに伴う前記第2係合部の回転数の上昇勾配が同期するよう前記自動変速機のダウンシフト制御を実施し、前記第1係合部の回転数と前記第2係合部の回転数が同期したとき又は同期したと見做せるときに前記動力断接装置を完全係合することを特徴としている。

0007

ここで、前記エンジンの前記出力制御に伴う前記第1係合部の回転数の上昇勾配と前記自動変速機のダウンシフトに伴う前記第2係合部の回転数の上昇勾配とが同期するように、前記自動変速機の前記ダウンシフト制御の開始時機を算出する変速時機算出部を備え、前記復帰制御部は、前記変速時機算出部の算出した開始時機に前記自動変速機の前記ダウンシフト制御を開始することが望ましい。

0008

また、前記復帰制御部は、前記第1係合部の回転数と前記第2係合部の回転数との差が所定値以下となる状態が所定時間継続した場合に、前記動力断接装置を完全係合することが望ましい。

発明の効果

0009

本発明に係る車両の制御装置は、第1係合部の回転数の上昇勾配に第2係合部の回転数の上昇勾配が同期するよう自動変速機のダウンシフト制御を実施するので、復帰制御を開始してから動力断接装置の完全係合が可能になるまでの待機時間を短縮することができる。そして、この制御装置は、そのそれぞれの回転数が同期したとき又は同期したと見做せるときに動力断接装置を完全係合させる。よって、この制御装置は、動力断接装置における完全係合時のショックの発生を抑えつつ、運転者のアクセル操作に対する車両の加速のもたつきを抑えることができる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本発明に係る車両の制御装置と当該車両について示す図である。
図2は、惰行走行から通常走行へと復帰させる際のタイムチャートの一例である。
図3は、惰行走行から通常走行へと復帰させる際のタイムチャートの他の例である。
図4は、惰行走行から通常走行へと復帰させる際のフローチャートである。

実施例

0011

以下に、本発明に係る車両の制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。

0012

[実施例]
本発明に係る車両の制御装置の実施例を図1から図4に基づいて説明する。

0013

最初に、この制御装置の適用対象となる車両の一例について説明する。

0014

ここで例示する車両は、図1に示すように、動力源としてのエンジン10と、このエンジン10の動力を駆動輪W側へと伝える自動変速機20と、を備える。また、この車両は、エンジン10と駆動輪Wとの間に動力断接装置を備え、この動力断接装置を制御することによって、その間の動力伝達を走行中に遮断することができるものである。

0015

更に、この車両は、制御装置として、車両の走行に関わる制御を行う電子制御装置(以下、「走行制御ECU」という。)1と、エンジン10の制御を行う電子制御装置(以下、「エンジンECU」という。)2と、自動変速機20の制御を行う電子制御装置(以下、「変速機ECU」という。)3と、を備える。走行制御ECU1は、エンジンECU2や変速機ECU3との間でセンサ検出情報演算処理結果等の授受を行う。また、走行制御ECU1は、エンジンECU2や変速機ECU3に指令送り、その指令に応じたエンジン10の制御をエンジンECU2に実施させ、また、その指令に応じた自動変速機20の制御を変速機ECU3に実施させる。

0016

エンジン10は、内燃機関等の機関であり、供給された燃料によって動力をエンジン回転軸11に発生させる。

0017

動力断接装置は、エンジン10と駆動輪Wとの間(つまりエンジン10から出力された動力の伝達経路上)に配置し、その間の動力伝達を可能にする一方で、その間の動力伝達を遮断することもできる。この例示の車両においては、この動力断接装置を自動変速機20に設ける。

0018

この車両に搭載される自動変速機20としては、例えば、一般的な有段自動変速機無段自動変速機だけでなく、デュアルクラッチ式変速機(DCT:デュアルクラッチトランスミッション)、自動変速可能な有段手動変速機(MMTマルチモードマニュアルトランスミッション)なども適用対象に含まれる。本実施例では、無段自動変速機を例に挙げて説明する。

0019

本実施例の自動変速機20は、上記の動力断接装置として作用するクラッチ30と、自動変速部としての変速機本体40と、エンジン10の動力を変速機本体40に伝えるトルクコンバータ50と、を備える。

0020

この自動変速機20においては、変速機入力軸21がエンジン回転軸11に連結され、変速機出力軸22が駆動輪W側に連結される。その変速機入力軸21は、トルクコンバータ50のポンプインペラ51と一体になって回転できるように接続されている。一方、このトルクコンバータ50のタービンランナ52には、中間軸23が一体となって回転できるように接続されている。その中間軸23は、更に、クラッチ30の第1係合部31と一体になって回転できるように接続されている。クラッチ30の第2係合部32は、変速機本体40の入力軸41と一体になって回転できるように接続されている。その変速機本体40は、変速機出力軸22にも接続されている。つまり、この車両においては、エンジン10側からの動力伝達経路を順に見ていくと、エンジン10、トルクコンバータ50、クラッチ30、変速機本体40、駆動輪Wの順に配置されていることになる。尚、トルクコンバータ50は、ロックアップクラッチ(図示略)も備えている。

0021

ここで例示する変速機本体40は、例えばベルト式無段変速機を備えており、プライマリ側が入力軸41に接続され、かつ、セカンダリ側が変速機出力軸22に接続されている。変速機ECU3の変速制御部は、そのベルト式無段変速機を制御することによって、変速比を無段階に切り替える。

0022

クラッチ30は、動力伝達経路上でエンジン10側と変速機本体40側とに各々接続された第1係合部31と第2係合部32とを有し、その第1係合部31と第2係合部32の内の少なくとも一方に摩擦材を設けた摩擦クラッチである。このクラッチ30は、その第1係合部31と第2係合部32の内の少なくとも一方に作動油を供給することで、この第1係合部31と第2係合部32とが接触し、係合状態となる。その係合状態(後述する半係合状態や完全係合状態)においては、エンジン10と変速機本体40との間での動力伝達(つまりエンジン10と駆動輪Wとの間での動力伝達)が可能になる。一方、このクラッチ30は、その供給された作動油を排出することで、第1係合部31と第2係合部32とが離れ、解放状態となる。その解放状態においては、エンジン10と変速機本体40との間(エンジン10と駆動輪Wとの間)の動力伝達が遮断される。

0023

このクラッチ30は、その第1係合部31と第2係合部32との間の係合動作又は解放動作アクチュエータ33に実施させる。そのアクチュエータ33は、変速機ECU3のクラッチ制御部の指令によって動作する例えば電磁弁(図示略)を備えており、その電磁弁の開閉動作によってクラッチ30への作動油の供給油圧を調整する。

0024

このクラッチ30は、電磁弁を開弁させ、供給油圧を増圧させることで係合状態となる。ここで、クラッチ制御部は、電磁弁の開弁量を調整することで、クラッチ30への供給油圧(増圧量)を調整し、半係合状態と完全係合状態とを分けて作り出すことができる。半係合状態とは、第1係合部31と第2係合部32との間の滑り許容する係合状態のことである。一方、完全係合状態とは、第1係合部31と第2係合部32との間の滑りを許容せず、第1係合部31と第2係合部32の内の少なくとも一方にトルクが入力されたとしても、互いを一体になって回転させる係合状態のことである。クラッチ制御部は、供給油圧を所定範囲内の圧力まで増圧させることでクラッチ30を半係合させ、その所定範囲内の最高圧よりも供給油圧を更に増圧させることでクラッチ30を完全係合させる。また、このクラッチ30は、電磁弁を閉弁させ、供給油圧を減圧させることで解放状態となる。

0025

次に、制御装置の演算処理について説明する。

0026

本実施例の車両は、エンジン10と駆動輪Wとの間の動力伝達を遮断して惰性で走行(惰行走行)することができる。このため、走行制御ECU1は、惰行走行に関わる制御(以下、「惰行制御」という。)を実行させる惰行制御部を有している。惰行制御部は、通常走行中にクラッチ30を解放させることによって、走行中にエンジン10と駆動輪Wとの間の動力伝達を遮断する。その通常走行とは、エンジン10の動力を駆動輪Wに伝えて走行している状態のことをいう。走行制御ECU1は、通常走行モードと惰行走行モードとを切り替える走行モード切替部を有する。

0027

ここで、この例示の車両は、惰行走行として、ニュートラル惰行走行(以下、「N惰行走行」という。)と減速ストップスタート走行(以下、「減速S&S走行」という。)とフリーラン走行の内の少なくとも1つを実施することができる。このため、走行制御ECU1には、車両に設けられている惰行走行モードに応じて、N惰行制御部と減速S&S制御部とフリーラン制御部の内の少なくとも1つが惰行制御部として設けられている。ここでは、N惰行走行と減速S&S走行とフリーラン走行の全てが実施可能である。

0028

N惰行走行とは、エンジン10と駆動輪Wとの間の動力伝達を遮断し、エンジン10を作動させたままで惰行する走行のことである。このN惰行走行は、運転者がブレーキ操作を行っている状態(アクセルオフブレーキオン)で実行される。

0029

減速S&S走行とフリーラン走行は、エンジン10と駆動輪Wとの間の動力伝達を遮断し、更にエンジン10を停止させて惰行する走行のことである。減速S&S走行は、運転者がブレーキ操作を行っている状態で(アクセルオフ&ブレーキオン)、かつ、自車両が所定車速以下の低速で減速走行しているときに実行される。一方、フリーラン走行は、運転者がアクセル操作もブレーキ操作も行っていない状態(アクセルオフ&ブレーキオフ)で実行される。

0030

尚、走行制御ECU1には、アクセル操作量センサ61とブレーキ操作量センサ62が接続されている。アクセル操作量センサ61は、運転者によるアクセル開度等を検出するものである。よって、走行制御ECU1では、運転者のアクセルオフ状態アクセルオフ操作)やアクセルオン状態アクセルオン操作)を把握することができる。また、ブレーキ操作量センサ62は、運転者によるブレーキ踏み込み量等を検出するものである。よって、走行制御ECU1では、運転者のブレーキオフ状態(ブレーキオフ操作)やブレーキオン状態(ブレーキオン操作)を把握することができる。そのブレーキオフ状態(ブレーキオフ操作)やブレーキオン状態(ブレーキオン操作)の把握には、運転者のブレーキ操作に連動するストップランプスイッチ(図示略)の検出信号を利用してもよい。

0031

ここで、走行モード切替部は、通常走行中に運転者のアクセルオフ状態(アクセルオフ操作)とブレーキオン状態(ブレーキオン操作)を検出した場合、惰行走行モードとしてN惰行モード又は減速S&Sモードを選択することができる。その選択の際、走行モード切替部は、例えば、自車両の走行路勾配車速に応じて、N惰行モードと減速S&Sモードの内の何れか一方を選択する。自車両の走行路の勾配は、勾配センサ63によって検出する。その勾配センサ63としては、前後方向の車両加速度を検出する前後加速度センサを利用すればよい。また、自車両の車速は、車速センサ64によって検出する。その勾配センサ63と車速センサ64は、走行制御ECU1に接続されている。

0032

N惰行モードが選択された場合、N惰行制御部は、エンジンECU2と変速機ECU3に指令を送り、エンジン10を例えばアイドル状態に制御させると共に、クラッチ制御部にクラッチ30を解放させる。これにより、車両は、エンジン10を作動させたままでエンジン10と駆動輪Wとの間の動力伝達を遮断し、N惰行走行を始める。一方、減速S&Sモードが選択された場合、減速S&S制御部は、エンジンECU2と変速機ECU3に指令を送り、エンジン10の停止とクラッチ30の解放を指示する。これにより、車両は、所定の車速域でブレーキオン操作が実施されている状態において、エンジン10を停止し、かつ、エンジン10と駆動輪Wとの間の動力伝達を遮断して、減速S&S走行を始める。

0033

また、走行モード切替部は、通常走行中に運転者のアクセルオフ状態(アクセルオフ操作)とブレーキオフ状態を検出した場合、惰行走行モードとしてフリーランモードを選択することができる。フリーランモードが選択された場合、フリーラン制御部は、エンジンECU2と変速機ECU3に減速S&Sモードと同様の指令を送り、エンジン10の停止とクラッチ30の解放を指示する。これにより、車両は、アクセル操作もブレーキ操作も実施されていないので、エンジン10を停止し、かつ、エンジン10と駆動輪Wとの間の動力伝達を遮断して、フリーラン走行を始める。

0034

走行モード切替部は、その何れかの惰行走行中に通常走行への復帰条件が成立した場合、通常走行モードを選択する。復帰条件が成立した場合とは、例えば運転者のアクセルオン状態(アクセルオン操作)を検出した場合などである。通常走行モードが選択された場合、走行制御ECU1の復帰制御部は、エンジンECU2と変速機ECU3に実施中の惰行走行モードに応じた指令を送り、惰行走行から通常走行に復帰させる。その復帰制御においては、何れの惰行走行モードからの復帰であっても、解放状態のクラッチ30を係合させ、エンジン10と駆動輪Wとの間の動力伝達を可能にする。

0035

ここで、惰行走行中は、タービンランナ52の回転数(以下、「タービン回転数」という。)Ntと変速機本体40の入力軸41の回転数(以下、「入力回転数」という。)Ninとの間、つまりクラッチ30における第1係合部31の回転数と第2係合部32の回転数との間に差が生じている。例えば、高車速での惰行走行中には、入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)の方がタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)よりも高回転になっている(図2)。一方、低車速での惰行走行中には、タービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の方が入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)よりも高回転になっていることもある(図3)。このため、クラッチ30においては、第1係合部31と第2係合部32の回転数の差(以下、「クラッチ回転数差」という。)ΔNclが大きいときに供給油圧を完全係合になるまで増圧させると、急激な係合動作となり、ショックが発生してしまう。尚、図2及び図3は、N惰行走行からの復帰を表したタイムチャートである。また、以下においては、入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)の方がタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)よりも高回転になっている状態のことを「第1クラッチ状態」ともいい、タービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の方が入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)よりも高回転になっている状態のことを「第2クラッチ状態」ともいう。

0036

そのタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)は、エンジン10のクランク角センサ65の検出信号を利用して、エンジン回転数Neとトルクコンバータ50の速度比から推定することができる。このタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)を検出するためには、タービンランナ52又は第1係合部31の回転角を検出する回転センサ(図示略)を設けてもよい。また、入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)は、変速機出力軸22の回転角を検出する回転センサ66の検出信号を利用し、その回転数と変速機本体40の変速比から推定することができる。この入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)を検出するためには、入力軸41又は第2係合部32の回転角を検出する回転センサ(図示略)を設けてもよい。

0037

復帰制御部は、クラッチ係合時のショックの発生を抑えるために、エンジンECU2や変速機ECU3に指令を送り、エンジン10の出力制御(減速S&S走行とフリーラン走行の場合にはエンジン10の始動制御も含む)や自動変速機20の変速制御によってクラッチ回転数差ΔNclを小さくさせる。例えば、第1クラッチ状態での惰行走行中に通常走行への復帰条件が成立した場合には、復帰制御におけるエンジン10の出力制御によってエンジン回転数Neを上昇させることで、タービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)を上昇させながら入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)に近づけさせる。また、第2クラッチ状態での惰行走行中に通常走行への復帰条件が成立した場合には、自動変速機20のダウンシフト制御によって入力回転数Ninを上昇させることで、入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)をタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)に近づけさせる。そして、復帰制御部は、タービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)と入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)とが同期したときに又は同期したと見做せるときに、クラッチ30を完全係合させる。

0038

ここで、タービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)と入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)との差(クラッチ回転数差ΔNcl)が所定回転数Ncl0以下となり、その状態が所定時間継続している状態のときに、タービン回転数Ntと入力回転数Ninとが同期したと見做せる。尚、前記所定回転数Ncl0は、クラッチ回転数差ΔNclが正の値の場合に正になり、クラッチ回転数差ΔNclが負の値の場合に負になる。

0039

この例示では、所定回転数Ncl0以下になって所定時間経過したときのクラッチ回転数差ΔNclがクラッチ30の完全係合制御を開始可能な回転数(以下、「完全係合可能な回転数」という。)となる。その完全係合可能な回転数とは、ショックを所定の大きさ以下に抑えたクラッチ30の完全係合動作が可能なクラッチ回転数差ΔNclのことである。その所定の大きさとは、発生したクラッチ30のショックが駆動輪Wや車体に伝わったとしても、そのショックを乗員が感じ取ることのできない大きさのことである。

0040

所定時間は、例えば、復帰制御時の変速機本体40の変速比に応じて変更する。具体的には、復帰制御時の変速機本体40の変速比が大きいほど(つまりローギヤであるほど)、入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)がタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)に対して高回転になる。このため、所定時間は、復帰制御時の変速機本体40の変速比が大きいほど(つまりローギヤであるほど)長く設定する。これにより、この制御装置は、クラッチ30の完全係合制御が可能か否かの判定精度を高め、完全係合させた際のクラッチ30のショックの発生を抑えることができる。復帰制御部は、例えば、予め用意してあるマップに現状の変速比を照らし合わせ、この変速比に応じた所定時間を読み込んで設定する。

0041

所定回転数Ncl0は、完全係合可能な回転数と所定時間とから逆算して決める。例えば、復帰制御部には、惰行走行中に通常走行への復帰条件が成立した場合、自車両の車速、自車両の車両加速度、変速機本体40の変速比、エンジン回転数Neの変化、タービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)、入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)等に基づいて、今後のクラッチ回転数差ΔNclを推定させる。復帰制御部は、その推定したクラッチ回転数差ΔNclが完全係合可能な回転数となる時点を求め、この時点から起算して所定時間だけ手前の時点におけるクラッチ回転数差ΔNclを所定回転数Ncl0として決める。

0042

ところで、走行制御ECU1は、運転者がアクセル操作で大きな駆動力の発生を望んだときに、これを達成させるため、自動変速機20に対してダウンシフトを要求することがある。このため、運転者のアクセル操作量如何では、惰行走行から通常走行への復帰条件の成立と共に、自動変速機20のダウンシフトが要求されることもある。

0043

第1クラッチ状態の惰行走行からの復帰要求と共に、自動変速機20のダウンシフトが要求された場合について説明する。この場合の制御形態の1つとしては、そのダウンシフトをクラッチ30の完全係合時よりも前の早い段階から実施するものが考えられる。この制御形態においては、上昇中のタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)を入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)に近づけていくことによってクラッチ30の完全係合制御を行うが、入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)がダウンシフトに伴い上昇してしまっているので、ダウンシフト要求が無いときと比べて、クラッチ30が同期するまでに又は同期したと見做せる状態になるまでに時間を要してしまう。このため、この制御形態は、エンジン10の動力が駆動輪Wへと伝わるまでに時間が掛かるので、アクセル操作に対する車両の加速のもたつきに運転者が違和感を覚える可能性がある。その運転者の違和感を解消させるためには、自動変速機20のダウンシフトよりも先にクラッチ30を完全係合させておく制御形態が考えられる。しかしながら、この制御形態では、ダウンシフト前の変速比が小さいとき(ハイギヤのとき)にエンジン10の動力が駆動輪Wに伝達し始めるので、ダウンシフトが終わるまでアクセル操作に応じた駆動力を発生させることができず、結局の所、ハイギヤ時の駆動力不足に伴う車両の加速のもたつきに運転者が違和感を覚えてしまう可能性がある。更に、これら制御形態においては、上昇中の第1係合部31の回転数と下降中の第2係合部32の回転数とが同期したとき又は同期したと見做せるときにクラッチ30を完全係合させることになる。つまり、これら制御形態では、第1係合部31と第2係合部32のそれぞれの回転数の変化の勾配が大きく異なる状態でクラッチ30を完全係合させることになる。このため、これら制御形態においては、クラッチ30を完全係合させる際のショックの発生を抑えることが難しい。

0044

また、第2クラッチ状態の惰行走行から復帰させる場合には、運転者のアクセル操作に伴うダウンシフト要求の有無に拘わらず、前述したように、クラッチ30の係合時のショックの発生を抑えるために、ダウンシフト要求が為されることもある。そこで、第2クラッチ状態の惰行走行からの復帰要求と共に、自動変速機20のダウンシフトが要求された場合について説明する。この場合の制御形態の1つとしては、そのダウンシフトをクラッチ30の完全係合時よりも前の早い段階から実施するものが考えられる。この制御形態においては、ダウンシフトに伴い上昇している入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)を上昇中のタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)に近づけていくことによってクラッチ30の完全係合制御を行うので、その完全係合時機を早めることができ、早期にエンジン10の動力を駆動輪Wに伝えることができる。しかしながら、その際には、エンジン10の動力が小さい状態でクラッチ30を完全係合させるので、駆動力不足による車両の加速のもたつきに運転者が違和感を覚えてしまう可能性がある。その運転者の違和感を解消させるためには、ダウンシフト時機を遅らせる制御形態が考えられる。しかしながら、ダウンシフト時機を遅延させすぎたときには、入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)がタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)に近づくまでの時間が延びるので、クラッチ30が同期するまでに又は同期したと見做せる状態になるまでに時間を要してしまう。このため、この制御形態では、エンジン10の動力が駆動輪Wへと伝わるまでに時間が掛かり、車両の加速のもたつきに運転者が違和感を覚える可能性がある。更に、これら制御形態においては、第1係合部31と第2係合部32のそれぞれの回転数の変化の勾配が大きく異なる状態でクラッチ30を完全係合させることがあるので、クラッチ30を完全係合させる際のショックの発生を抑えることが難しい。

0045

そこで、復帰制御部は、惰行走行中に通常走行への復帰条件が成立し、かつ、自動変速機20のダウンシフト要求が為された場合、その通常走行への復帰制御を開始させ、この復帰制御に伴うタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の上昇勾配にダウンシフトに伴う入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)の上昇勾配が同期するよう自動変速機20のダウンシフト制御を実施させる。そして、復帰制御部は、そのタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)と入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)とが同期したときに又は同期したと見做せるときに、クラッチ30を完全係合させる。

0046

具体的に、走行制御ECU1には、ダウンシフト制御の開始時機を算出する変速時機算出部が設けられている。この変速時機算出部は、復帰制御に伴うタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の上昇勾配にダウンシフトに伴う入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)の上昇勾配を同期させるためのダウンシフト制御の開始時機を算出する。

0047

先ず、変速時機算出部には、復帰制御に伴うタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の上昇勾配を推定させる。その上昇勾配は、復帰制御中のエンジン回転数Neに応じて変化するものである。よって、変速時機算出部には、復帰制御中におけるエンジン10の出力制御の制御内容に基づいてエンジン回転数Neの変化を推定させ、このエンジン回転数Neの変化に基づいてタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の上昇勾配を推定させる。

0048

次に、変速時機算出部には、例えば、現在(例えば復帰制御開始時)の自車両の車速を基点とした車速の変化勾配(又は現在の駆動輪の車輪速度を基点とした車輪速度の変化勾配)と現在の自動変速機20の変速比とダウンシフト後の自動変速機20の変速比とに基づいて、ダウンシフトに伴う入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)の上昇勾配を推定させる。その車速(又は車輪速度)の変化勾配は、走行路の勾配と今までの惰行走行中における車速(又は車輪速度)の変化勾配とに基づいて推定することができる。例えば、変速時機算出部は、現在から所定時間経過後までの間のダウンシフトに伴う入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)の上昇勾配を所定間隔毎に推定する。その所定間隔とは、例えば走行制御ECU1の演算周期などである。つまり、変速時機算出部は、現在から順次ダウンシフト制御の開始時機をずらし、それぞれの開始時機に応じたダウンシフトに伴う入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)の上昇勾配を推定する。

0049

変速時機算出部には、その推定した各上昇勾配の中からタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の上昇勾配と同期するものを選択させ、その選択された上昇勾配に該当するダウンシフト制御の開始時機を読み込ませる。変速時機算出部は、このようにして、復帰制御におけるエンジン10の出力制御に伴うタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の上昇勾配と、現在(例えば復帰制御開始時)の自車両の車速を基点とした車速の変化勾配(又は現在の駆動輪の車輪速度を基点とした車輪速度の変化勾配)と、現在の自動変速機20の変速比と、ダウンシフト後の自動変速機20の変速比と、に基づいて、ダウンシフト制御の開始時機を算出する。ここで、その選択の際には、それぞれの上昇勾配の内の一部分でも同期していれば、それぞれの上昇勾配が同期していると判定する。また、この場合の同期とは、それぞれの上昇勾配の少なくとも一部分が完全に一致するものだけでなく、それぞれの上昇勾配の差分が所定の範囲内に入っているものも含む。それぞれの上昇勾配の差分が所定の範囲内に入っている状態とは、例えば、この状態でクラッチ30を完全係合させることによって発生したショックが駆動輪Wや車体に伝わったとしても、そのショックを乗員が感じ取ることができない状態のことである。よって、変速時機算出部は、クラッチ回転数差ΔNclが所定回転数Ncl0以下まで小さくなり、その所定回転数Ncl0以下の状態が所定時間継続しているときに、それぞれの上昇勾配の差分が所定の範囲内に入っていると判定することができる。

0050

以下に、惰行走行から通常走行へと復帰させる際の演算処理を図4のフローチャートに基づき説明する。

0051

復帰制御部は、惰行制御中であるのか否かを判定する(ステップST1)。この例示の車両では、N惰行制御と減速S&S制御とフリーラン制御の内の何れか1つでも実行中であるのか否かを判定する。復帰制御部は、その何れも実行していない場合、惰行制御中でないと判定し、この演算処理を繰り返す。

0052

復帰制御部は、惰行制御中の場合、惰行走行から通常走行への復帰条件が成立しているのか否かを判定する(ステップST2)。復帰制御部は、復帰条件が成立していない場合、ステップST1に戻る。

0053

復帰制御部は、復帰条件が成立している場合、実行中の惰行走行モードに応じた惰行走行から通常走行への復帰制御を開始させる(ステップST3)。

0054

具体的に、N惰行走行からの復帰の場合、復帰制御部は、エンジンECU2に指令を送り、運転者のアクセル開度に応じたエンジン10の出力制御を開始させる。減速S&S走行とフリーラン走行からの復帰の場合、復帰制御部は、エンジンECU2に指令を送り、停止中のエンジン10を再起動させる。その復帰制御に際して、復帰制御部は、変速機ECU3に指令を送り、係合制御の応答性を高めるべく、解放状態が保たれる範囲内でクラッチ30への供給油圧を増圧させてもよい。車両においては、この復帰制御の開始に伴い、タービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)が上昇していく。

0055

更に、復帰制御部は、自動変速機20のダウンシフト要求が為されているのか否かを判定する(ステップST4)。復帰制御部は、自動変速機20のダウンシフト要求が為されていない場合、後述するステップST8に進む。

0056

自動変速機20のダウンシフト要求が為されている場合、変速時機算出部は、例えば前述したようにしてダウンシフト制御の開始時機を算出する(ステップST5)。

0057

復帰制御部は、そのダウンシフト制御の開始時機になったのか否かを判定する(ステップST6)。復帰制御部は、ダウンシフト制御の開始時機になっていない場合、このステップST6の判定を繰り返す。

0058

復帰制御部は、ダウンシフト制御の開始時機になった場合、変速機ECU3に指令を送り、変速制御部に自動変速機20における変速機本体40のダウンシフト制御を開始させる(ステップST7)。

0059

復帰制御部は、タービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)と入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)に基づいてクラッチ回転数差ΔNclを算出し、このクラッチ回転数差ΔNclが前述した所定回転数Ncl0以下になったのか否かを判定する(ステップST8)。

0060

復帰制御部は、クラッチ回転数差ΔNclが所定回転数Ncl0以下になっていない場合、このステップST8の演算処理を繰り返す。そして、クラッチ回転数差ΔNclが所定回転数Ncl0以下になった場合、復帰制御部は、クラッチ回転数差ΔNclが所定回転数Ncl0以下になっている状態について前述した所定時間の経過まで継続しているのか否かを判定する(ステップST9)。その際、復帰制御部は、例えば、カウンタカウントを開始し、その所定時間が経過するまで演算周期毎のカウントを累積していく。

0061

復帰制御部は、そのようなクラッチ30の状態が所定時間続かなかった場合(ステップST9でNo)、ステップST8に戻り、再びクラッチ回転数差ΔNclが所定回転数Ncl0以下になったのか否かを判定する。

0062

このようなステップST9で否定判定される場合とは、例えば、減速S&S走行から復帰させる際に起こり得る。減速S&S走行から通常走行へと復帰させる際には、停止中のエンジン10を低速走行時に再起動させるので、エンジン再起動時のエンジン回転数Neの立ち上がりによって、タービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)が入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)を上回る可能性がある。そして、エンジン再起動時にタービン回転数Ntが入力回転数Ninを上回るときには、クラッチ回転数差ΔNclが所定回転数Ncl0以下になっても、その状態を所定時間継続させることができず、ステップST9で否定判定される可能性がある。しかしながら、その後のタービン回転数Ntは、エンジン10の再起動完了と共に低下して、再び入力回転数Ninに近づいていく。このため、減速S&S走行から復帰させる際には、再度ステップST8で肯定判定が為され、再びステップST9の判定に移る。

0063

復帰制御部は、クラッチ回転数差ΔNclが所定回転数Ncl0以下になっている状態が所定時間続いた場合、クラッチ30の完全係合制御が可能な状態になっていると判定し、変速機ECU3に指令を送って、クラッチ30を完全係合させる(ステップST10)。

0064

例えば、第1クラッチ状態の惰行走行から通常走行に復帰させる場合には、自動変速機20のダウンシフトを伴うのであれば、上記のように推定した開始時機に合わせて自動変速機20のダウンシフト制御を開始させることで、ダウンシフトに伴い上昇し始めた入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)の上昇勾配が復帰制御で上昇中のタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の上昇勾配に近づいていく(図2)。クラッチ30は、そのそれぞれの上昇勾配の同期が検出されたときに完全係合させられる。つまり、この制御装置は、最適化を図った開始時機にダウンシフト制御を開始することで、上昇中のタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の上昇勾配に入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)の上昇勾配を同期させる。換言するならば、この制御装置は、ダウンシフトに伴い上昇している入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)に復帰制御で上昇中のタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)が追いつくのを待つものではない。また、これと同様に、第2クラッチ状態の惰行走行から通常走行に復帰させる場合についても、上記のように推定した開始時機に合わせて自動変速機20のダウンシフト制御を開始させることで、ダウンシフトに伴い上昇し始めた入力回転数Nin(=第2係合部32の回転数)の上昇勾配が復帰制御で上昇中のタービン回転数Nt(=第1係合部31の回転数)の上昇勾配に近づいていく(図3)。よって、その何れの場合であっても、クラッチ30においては、従来と比べて、完全係合に伴うショックの発生を抑えつつ、復帰制御を開始してからクラッチ30の完全係合が可能になるまでの待機時間が短縮される。このため、この制御装置は、従来と比べて、エンジン10の動力が駆動輪Wへと伝わるまでの時間を短縮することができるので、運転者のアクセル操作に対する車両の加速のもたつきを抑えることができる。更に、この制御装置は、そのような時間の短縮を図りつつも、クラッチ30を完全係合させたときにアクセル操作に応じた駆動力を発生させることができるので、これによってもアクセル操作に対する車両の加速のもたつきを抑えることができる。

0065

このように、この制御装置は、惰行走行から通常走行への復帰に際して自動変速機20のダウンシフト制御も要求された場合、可能な限り早い段階で(つまり第1係合部31と第2係合部32の回転数が低いときに)、かつ、第1係合部31と第2係合部32のそれぞれの回転数の上昇勾配が同期しているときに、クラッチ30を完全係合させる。このため、この制御装置は、クラッチ30を完全係合させる際のショックの発生を抑えつつ、運転者のアクセル操作に対する車両の加速のもたつきを抑えることができるので、惰行走行から通常走行へと復帰させる際に運転者が感じる違和感を低減させることができる。更に、この制御装置は、クラッチ30を完全係合させる際に、クラッチ30のスリップ制御時間を短縮することができ、発熱量の低減が可能になるので、クラッチ30の耐久性の低下を抑えることができる。

0066

1走行制御ECU
2エンジンECU
3変速機ECU
10 エンジン
20自動変速機
30クラッチ
31 第1係合部
32 第2係合部
40 変速機本体
50トルクコンバータ
52タービンランナ
W 駆動輪

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