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図面 (3)

課題

新たなディフェンシン等の抗菌性ペプチド分泌促進剤を提供することを課題とする。

解決手段

ε−ヴィニフェリンを有効成分とする抗菌性ペプチドの分泌促進剤。

概要

背景

細菌感染症真菌感染症人類寿命を左右する大きな疾患であり、抗生物質合成抗菌剤など種々の薬剤が開発されてきた。しかし抗生物質や抗菌剤は常に抵抗性微生物出現する。ひとたびこのような抗生物質耐性菌が出現すると、従来の抗菌剤では治療の手段がなく、耐性菌に対する対策は新たな抗菌剤を開発するしかなかった。
近年高齢者の間で、免疫の低下に伴う常在菌による感染症が問題となっている。常在菌は所謂多剤耐性株が多く、いったん老人介護施設などで多剤耐性菌の感染患者が発生すると効果的な治療手段がなく、施設内で多数の患者が連鎖的に発生し、状況によっては施設の閉鎖や患者の隔離などが必要になってくる。このため、多剤耐性菌に対する対策は大きな社会問題となっている。
このため、インターフェロン類やインターロイキン類の分泌誘導する多糖糖タンパク質などを投与して、生体免疫システムを増強する治療や予防方法が提案されているが、あまり効果はあがっていない。
ところで動物、植物、昆虫酵母乳酸菌などのさまざまな生物には、外界からの病原微生物侵入に対して自己防御するための自己生体防御機構が本来備わっている。このような外来からの進入を防御するために、アミノ酸が10数個〜50数個程度からなる抗菌性ペプチドを生物自らが産生していることが明らかになっている。これらの抗菌性ペプチドは、細菌、真菌などに対して幅広い範囲の抗菌スペクトルを有しているとともに、生物自らが産生していることから生体に対しては副作用生体機能阻害作用も有していない。

このような抗菌性ペプチドのうち、ヒト由来の抗菌性ペプチドとしては、例えば、ディフェンシンファミリー(α−ディフェンシン、β−ディフェンシン等)、カセリシジンLL−37)、ダームシジン(dermcidin)、LEAP−1(ヘプシジン)、LEAP−2などが知られている。また、ウシ好中球から単離された、トリプトファンリッチな13アミノ酸からなる広域スペクトル抗菌活性を示す抗菌性ペプチドであるインドリシジン類似体の合成カチオン性抗菌性ペプチド、オミガナン(Omiganan pentahydrochloride) が、カテーテル局所感染予防薬として開発されている(例えば、非特許文献1参照)。さらに、乳酸菌が産生する抗菌性ペプチドであるナイシンが、食品添加物としてすでに使用されている。

この抗菌性ペプチドを人為的に人に発現増強または分泌促進することができれば多剤耐性菌などの感染に、より一層大きな効果が期待できる。このような技術として、例えば、有機酸ヒトβディフェンシン分泌促進剤の有効成分として使用する技術(特許文献1:WO2005/027893公報)、酵母由来多糖類含有組成物によってディフェンシン遺伝子発現誘導する技術(特許文献2:特開2003−197号公報)、酵母由来の不溶性画分によってディフェンシン遺伝子を発現誘導する技術(特許文献3:特開2003−262号公報)、酵母由来のマンナン含有成分を用いて抗菌性ペプチドを発現誘導する技術(特許文献4:特開2006−241023号公報)、イソロイシンロイシンまたはバリンから選ばれた分岐鎖必須アミノ酸を有効成分とする抗菌性ペプチドの発現誘導に関する技術(特許文献5:特開2003−95938号公報)、ヨーグルト甘酒抽出物焼酎もろみ糠味噌濃縮物などの抽出物を有効成分とする抗菌性ペプチドの発現誘導技術(特許文献6:特開2005−270117号公報)などが提案されている。
現在も日常で簡便に使用できる抗菌性ペプチドの誘導剤の探索が行われている。

近年、ポリフェノールの1種であるレスベラトロール(t-レスベラトロール:3,4’,−5−Trihydroxy-stillben)に健康維持の観点から注目が集まっている。レスベラトロールはブドウ赤ワインに含まれる抗酸化作用を有するファイトアレキシンである。本物質には、心臓病予防改善効果、抗酸化活性抗炎症効果脳血栓症予防、抗癌効果や、脳梗塞後脳組織障害進展抑制効果が示されているほか、サーチュイン活性化による抗肥満効果が示されている。

スチルベン化合物を含有する植物では、重合度の大きいものから小さいものまで、さまざまな重合度のものが混合物として含まれており、例えば、レスベラトロールは、モノマーであるが、ブト若芽からは、レスベラトロール以外にも、peceatannol、piceid(配糖体)、astringin(配糖体)、ダイマーとして、epsilon-viniferin、delta-viniferin、iso-epsilon-viniferin、ampelopsin A、pallidol、トリマーとして、miyabenol C、テトラマーとして、hopeaphenol、R-viniferin、R-2-viniferinなどが見出されている。

本発明者らは前述したepsilon-viniferi(ε−ヴィニフェリン)について研究を行ったところε−ヴィニフェリンが、マクロファージや、動脈硬化層に陥入固定化された単球細胞表面のスカベンジャー受容体ファミリーのひとつであるCD36蛋白質の発現を抑制し、過剰な酸化LDL−コレステロール貪食を抑え、マクロファージの泡沫化を抑制することができることを見出し、特許出願を行っている(特許文献7:特開2012−97012号公報)。またε−ヴィニフェリンがサーチュイン活性を有していることを見出し特許出願を行っている(特許文献8:特開2011−57580号公報)。
しかしε−ヴィニフェリンが生体内でディフェンシンのような抗菌性ペプチドを分泌促進することは知られていない。

概要

新たなディフェンシン等の抗菌性ペプチドの分泌促進剤を提供することを課題とする。 ε−ヴィニフェリンを有効成分とする抗菌性ペプチドの分泌促進剤。

目的

本発明は、ヒトに備わっている自己生体防御機構を発揮する抗菌性ペプチドの分泌促進剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

ε−ヴィニフェリンを有効成分とする抗菌性ペプチド分泌促進剤

請求項2

ε−ヴィニフェリンを有効成分とする腸管細胞の産生する抗菌性ペプチドの分泌促進剤。

請求項3

抗菌性ペプチドがα−ディフェンシンである請求項1または請求項2記載の抗菌性ペプチドの分泌促進剤。

請求項4

経口剤である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の抗菌性ペプチドの分泌促進剤。

技術分野

0001

本発明は、抗菌性ペプチド分泌促進剤に関する。

背景技術

0002

細菌感染症真菌感染症人類寿命を左右する大きな疾患であり、抗生物質合成抗菌剤など種々の薬剤が開発されてきた。しかし抗生物質や抗菌剤は常に抵抗性微生物出現する。ひとたびこのような抗生物質耐性菌が出現すると、従来の抗菌剤では治療の手段がなく、耐性菌に対する対策は新たな抗菌剤を開発するしかなかった。
近年高齢者の間で、免疫の低下に伴う常在菌による感染症が問題となっている。常在菌は所謂多剤耐性株が多く、いったん老人介護施設などで多剤耐性菌の感染患者が発生すると効果的な治療手段がなく、施設内で多数の患者が連鎖的に発生し、状況によっては施設の閉鎖や患者の隔離などが必要になってくる。このため、多剤耐性菌に対する対策は大きな社会問題となっている。
このため、インターフェロン類やインターロイキン類の分泌誘導する多糖糖タンパク質などを投与して、生体免疫システムを増強する治療や予防方法が提案されているが、あまり効果はあがっていない。
ところで動物、植物、昆虫酵母乳酸菌などのさまざまな生物には、外界からの病原微生物侵入に対して自己防御するための自己生体防御機構が本来備わっている。このような外来からの進入を防御するために、アミノ酸が10数個〜50数個程度からなる抗菌性ペプチドを生物自らが産生していることが明らかになっている。これらの抗菌性ペプチドは、細菌、真菌などに対して幅広い範囲の抗菌スペクトルを有しているとともに、生物自らが産生していることから生体に対しては副作用生体機能阻害作用も有していない。

0003

このような抗菌性ペプチドのうち、ヒト由来の抗菌性ペプチドとしては、例えば、ディフェンシンファミリー(α−ディフェンシン、β−ディフェンシン等)、カセリシジンLL−37)、ダームシジン(dermcidin)、LEAP−1(ヘプシジン)、LEAP−2などが知られている。また、ウシ好中球から単離された、トリプトファンリッチな13アミノ酸からなる広域スペクトル抗菌活性を示す抗菌性ペプチドであるインドリシジン類似体の合成カチオン性抗菌性ペプチド、オミガナン(Omiganan pentahydrochloride) が、カテーテル局所感染予防薬として開発されている(例えば、非特許文献1参照)。さらに、乳酸菌が産生する抗菌性ペプチドであるナイシンが、食品添加物としてすでに使用されている。

0004

この抗菌性ペプチドを人為的に人に発現増強または分泌促進することができれば多剤耐性菌などの感染に、より一層大きな効果が期待できる。このような技術として、例えば、有機酸ヒトβディフェンシンの分泌促進剤の有効成分として使用する技術(特許文献1:WO2005/027893公報)、酵母由来多糖類含有組成物によってディフェンシン遺伝子発現誘導する技術(特許文献2:特開2003−197号公報)、酵母由来の不溶性画分によってディフェンシン遺伝子を発現誘導する技術(特許文献3:特開2003−262号公報)、酵母由来のマンナン含有成分を用いて抗菌性ペプチドを発現誘導する技術(特許文献4:特開2006−241023号公報)、イソロイシンロイシンまたはバリンから選ばれた分岐鎖必須アミノ酸を有効成分とする抗菌性ペプチドの発現誘導に関する技術(特許文献5:特開2003−95938号公報)、ヨーグルト甘酒抽出物焼酎もろみ糠味噌濃縮物などの抽出物を有効成分とする抗菌性ペプチドの発現誘導技術(特許文献6:特開2005−270117号公報)などが提案されている。
現在も日常で簡便に使用できる抗菌性ペプチドの誘導剤の探索が行われている。

0005

近年、ポリフェノールの1種であるレスベラトロール(t-レスベラトロール:3,4’,−5−Trihydroxy-stillben)に健康維持の観点から注目が集まっている。レスベラトロールはブドウ赤ワインに含まれる抗酸化作用を有するファイトアレキシンである。本物質には、心臓病予防改善効果、抗酸化活性抗炎症効果脳血栓症予防、抗癌効果や、脳梗塞後脳組織障害進展抑制効果が示されているほか、サーチュイン活性化による抗肥満効果が示されている。

0006

スチルベン化合物を含有する植物では、重合度の大きいものから小さいものまで、さまざまな重合度のものが混合物として含まれており、例えば、レスベラトロールは、モノマーであるが、ブト若芽からは、レスベラトロール以外にも、peceatannol、piceid(配糖体)、astringin(配糖体)、ダイマーとして、epsilon-viniferin、delta-viniferin、iso-epsilon-viniferin、ampelopsin A、pallidol、トリマーとして、miyabenol C、テトラマーとして、hopeaphenol、R-viniferin、R-2-viniferinなどが見出されている。

0007

本発明者らは前述したepsilon-viniferi(ε−ヴィニフェリン)について研究を行ったところε−ヴィニフェリンが、マクロファージや、動脈硬化層に陥入固定化された単球細胞表面のスカベンジャー受容体ファミリーのひとつであるCD36蛋白質の発現を抑制し、過剰な酸化LDL−コレステロール貪食を抑え、マクロファージの泡沫化を抑制することができることを見出し、特許出願を行っている(特許文献7:特開2012−97012号公報)。またε−ヴィニフェリンがサーチュイン活性を有していることを見出し特許出願を行っている(特許文献8:特開2011−57580号公報)。
しかしε−ヴィニフェリンが生体内でディフェンシンのような抗菌性ペプチドを分泌促進することは知られていない。

0008

WO2005/027893
特開2003−197号公報
特開2003−262号公報
特開2006−241023号公報
特開2003−95938号公報
特開2005−270117号公報
特開2012−97012号公報
特開2011−57580号公報

先行技術

0009

Selsted, et al.; J.Biol.Chem.267:4292,1992

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、ヒトに備わっている自己生体防御機構を発揮する抗菌性ペプチドの分泌促進剤を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

すなわち、本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)ε−ヴィニフェリンを有効成分とする抗菌性ペプチドの分泌促進剤。
(2)ε−ヴィニフェリンを有効成分とする腸管細胞の産生する抗菌性ペプチドの分泌促進剤。
(3)抗菌性ペプチドがα−ディフェンシンである(1)または(2)記載の抗菌性ペプチドの分泌促進剤。
(4)経口剤である(1)〜(3)のいずれかに記載の抗菌性ペプチドの分泌促進剤。

発明の効果

0012

ε−ヴィニフェリンを有効成分とするα−ディフェンシン等の抗菌性ペプチドを分泌させる分泌促進剤を提供することができた。本発明の抗菌ペプチド分泌促進剤は経口摂取に適している。

図面の簡単な説明

0013

本発明の抗菌性ペプチド分泌促進剤を投与したマウスにおける、α−ディフェンシンの一種であるクリプチジン−4の腸管内分泌促進効果を示すグラフ
本発明の抗菌性ペプチド分泌促進剤を投与したマウスにおける、α−ディフェンシンの一種であるクリプチジン−1の腸管内分泌促進効果を示すグラフ。

0014

本発明者は、ε−ヴィニフェリンをマウスに経口投与することで、同物質が極めて強いα−ディフェンシン分泌促進剤であることを発見した。
ε−ヴィニフェリンは、ブドウの葉、新芽果皮等に存在するポリフェノールの一種で、スチルベン系化合物である。

0015

本発明はε−ヴィニフェリンを有効成分とする抗菌性ペプチドの分泌促進剤に係る発明である。
ε−ヴィニフェリンは、有機化学的または微生物を用いて合成した高純度品の他、上述のブドウなどの植物体から抽出することもでき、その場合、抽出物を用いてもよく、またはその抽出物から単離したε−ヴィニフェリンを含有する複合物を用いても良い。天然物としては、ε−ヴィニフェリンの含有量があきらかになっているものであればよく、例えば、公知のブドウ、落花生、およびイタドリツルドクダミ等のタデ科植物等からの抽出物を利用しても良い。

0016

ε−ヴィニフェリンの調製原料としてはブドウが特に好ましい。ブドウの種類は、特に限定されるものではないが、デラウエア、巨峰州、ピオーネマスカット、シュナンブラン、グレナッシュ、マタロ、ミュラーテュルガウ、トレビアーノ、ベリーA、カベルネソービニオンメルロー、ピノノアール、カベルネフランシラー、シャルドネ、ソービニヨンブラン、セミヨン、シラー、ガメイ、リースリングアリゴテ等が好ましい。ブドウ抽出物とは、ブドウ果実ブドウ葉またはブドウに由来する物からの抽出物を指す。ブドウに由来する物としては、ブドウジュースワイン、ワイン製造時の残渣、ワイン濃縮物等をいう。抽出は、例えば、レスベラトロール類はブドウの果皮や新芽、葉に多く含まれていることが知られているので、それらを必要により乾燥した後、抽出溶媒に一定期間浸漬するか、あるいは加熱還流している抽出溶媒と接触させ、次いで濾過し、濃縮し、さらに上述の分取クロマトによって分取することができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水、メタノールエタノールプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールグリセリン等のアルコール類クロロホルムジクロルエタン四塩化炭素アセトン酢酸エチル等の有機溶媒を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを用いるか、あるいはこれらエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
また、ワイン、ワインの濃縮物または濃縮乾固した固形物中にも含まれているので、それらを用いることもできる。また、ワイン製造時に発生するブドウの残渣をそのまま用いるか、それから上記抽出方法と同様にして抽出することもできる。有機溶剤としてはエタノール等のアルコールが好ましく、特にエタノールが好ましい。

0017

本発明の抗菌性ペプチドの分泌促進剤は、医薬、または動物用医薬として利用することができる。剤型は、公知の方法により助剤とともに任意の形態に製剤化して、経口摂取(投与)することができる。カプセル剤又は錠剤顆粒剤細粒剤散剤、液状として摂取(投与)できる。
摂取(投与)量は、摂取(投与)方法と、対象者年齢病状一般状態等によって変化し得るが、成人では通常1日に体重1kg当たり有効成分として0.1〜600mgが適当である。

0018

本発明の抗菌性ペプチドの分泌促進剤は、一般食品や健康食品に配合することができ、また、食品添加物の成分とすることもできる。配合する食品は特に限定されず、例えば食パン菓子パンパイデニッシュドーナツ、ケーキ等のベーカリー食品、うどん、そば、中華麺焼きそばパスタ等の麺類天ぷらコロッケ等のフライ類カレーシチュードレッシング等のソース類、ふりかけ類、かまぼこ等の練り製品ジュース等の飲料、スナック菓子米菓、飴、ガム等の菓子類を挙げることができる。

0020

また、経口投与に適当な製剤には、一般に医薬品や飲食品に用いられる添加剤、例えば甘味料着色料保存料、増粘安定剤、酸化防止剤発色剤漂白剤、防かび剤、ガムベース苦味料酵素光沢剤酸味料調味料乳化剤強化剤製造用剤、香料香辛料抽出物等が添加されてもよい。

0021

以下に実施例、試験例を示し、本発明をさらに説明する。
<ディフェンシン分泌試験>
1.試験方法
1)試験試料
精製レスベラトロール、発芽玄米由来ステロール配糖体、ε−ヴィニフェリンの3物質についてα−ディフェンシン分泌促進試験を実施した。
試験試料であるレスベラトロールは、合成t-Resveratrol(和光純薬工業株式会社)を、ε−ヴィニフェリンは、精製ε-Viniferin(和光純薬工業株式会社)をそれぞれ用い、ステロール配糖体は、発芽玄米より抽出したものを用いた。

0022

2)試験動物及び試験群
7週齢のICRマウス12匹を、1週間の予備飼育を行った後、体重を案して、(1)通常食群、(2)高脂肪食群(HF)、(3)高脂肪食レスベラトロール摂取群(HF+レスベラトロール)、(4)高脂肪食+ヴィニフェリン摂取群(HF+ヴィニフェリン)の4群に群分けを行った。試験品飼料に添加した。
マウスは一群3匹として、それぞれ個別飼育(1匹/ケージ)とした。なお合成レスベラトロールはインビトロ試験で腸管由来パネト細胞からα−ディフェンシンを分泌促進することが確認されている。

0023

3)飼育
それぞれの被験物質を混込した飼料を自由摂取させた。なお飼育を開始する前日24時間(10:00〜翌10:00)の採を行った(Preサンプル)。その後、各試験飼料を摂取させた。
(1)通常食群はAIN93G飼料(オリエンタル酵母社製脂質含有量:7%)、(2)高脂肪食群はAIN93G飼料(脂質含有量:30%)、(3)HF+レスベラトロール群は高脂肪AIN93G飼料+レスベラトロール0.1%(脂質含有量:30%)、(4)HF+ヴィニフェリン群は、高脂肪AIN93G飼料+ヴィニフェリン0.1%(脂質含有量:30%)として、自由摂取で、1週間飼育した。

0024

4)α−ディフェンシン測定用試料採取
群分け時及び試験終了時に、体重測定を行い、また摂量の測定は、毎日実施した。1週間の飼育期間終了後に、再度、24時間(10:00〜翌10:00)の採糞を行った(Postサンプル)。得られた糞については、ELISAによる測定まで、-20℃にて保存した。
採取した糞(10mg)は、乾燥後、ステンレスビーズとともに破砕(10分)し、粉末化の後、PBS(100ml)を加え、1時間4℃にて振盪撹拌し、20,000g、20分間遠心分離後上清測定用サンプルとした。

0025

5)α−ディフェンシンの測定
クリプチジン(Cryptdin)−1およびクリプチジン(Cryptdin)−4をα−ディフェンシンの代表として選択し、ELISA法により測定した。
測定用の特異的サンドイッチELISA法は「Analytical Biochemistry 443 (2013) 124-131」に開示されている方法に従って、概略以下のごとく測定した。
下記の、クリプチジン−1及びクリプチジン−4の特異的アミノ酸配列を選択し、これらの合成ペプチドを用いて、SDラットを免疫し、10日後にこのラット由来リンパ球とマウス・ミエローマとをハイブリダイズすることにより抗体産生ハイブリドーマを得た。このハイブリドーマを常法によりSDラットの腹腔内で培養し、腹水液を採集して、補足用と検出用の異なる特異的抗クリプチジンモノクロナール抗体を得た。
得られた抗体の中から選択したクリプチジン捕捉用抗体(30mg/ml)を100μlを用いて、4℃で1晩かけてマイクロタイタープレート固相化した。次いで、PBS−Tで洗浄し、さらに25%のブロクエース(DSバイオケミカル製)200μlでブロッキング処理を行った。
前記の測定用サンプル100μlを各ウエルに添加し、25℃で1時間インキュベーションした。その後PBS−Tで洗浄し、0.5μg/mlの検出用抗体100μl添加し25℃で1時間インキュベートした。5000倍希釈したストレプトアビジン−HRP複合体(GEヘルスケアサイエンス製)を100μl添加し25℃で30分インキュベートし、0.6N硫酸水溶液を100μl添加して反応を停止させた後、マイクロプレートリーダーで450nmの吸光度を測定した。
クリプチジン−1、クリプチジン−4を0.02〜5ng/mlの濃度系列になるように希釈した溶液を同様に測定して検量線を作製した。

0026

抗原用合成ペプチドの配列
クリプチジン−1:Leu Arg Asp Leu Val Cys Tyr Cys Arg Ser Arg Gly Cys Lys Gly Arg Glu Arg Met Asn Gly Thr Cys Arg Lys Gly His Lue Leu Tyr Thr Leu Cys Cys Arg(配列表配列番号1)
クリプチジン−4:Gly Leu Leu Cys TyrCis Arg Lys Gly His Cys Lys Arg Gly Glu Arg Val Arg Gly Thr Cys Gly Ile Arg Phe Leu Tyr Cys Cys Pro Arg Arg(配列表配列番号2)

0027

2.結果
マウスのα−ディフェンシンはクリプチジンとも呼ばれる。クリプチジンは、基本骨格が共通するが、N末端C末端の構造の変化によるなどの複数のアイソマーが存在する(クリプチジン−1〜クリプチジン−6)。本実施例では24時間中の糞中に排出されるCryptdin(クリプチジン)−1とCryptdin−4を代表的なクリプチジンとして測定し、3匹の測定結果の平均の濃度から、試験品投与前(Preサンプル)に対する投与後(Postサンプル)の%を求め、図1(Cryptdin−4)、図2(Cryptdin−1)に示した。なおクリプチジン−4は、ディフェンシンファミリーの中で、非共生細菌に対しもっとも強力な抗菌作用を有しているといわれている。
糞中のα−ディフェンシンとしてクリプチジン−4及びクリプチジン−1を測定したところ、ヴィニフェリン投与群(HF+ヴィニフェリン)は投与前の量に比較してクリプチジン−4は1000%以上、クリプチジン−1は450%以上増加した。
またインビトロ試験ではα−ディフェンシンをパネト細胞に分泌させることが確認できていたレスベラトロールはほとんど投与前後の差が認められなかった。
以上の試験結果からε−ビニフェリンは経口投与によって、腸管内への抗菌ペプチド分泌促進剤として有用であることが判明した。また腸内感染などの予防に使用可能である。

0028

以下にε−ヴィニフェリンを用いた処方例を示す。

処方例1
[カプセル剤]
組成
ブドウ抽出精製ε−ヴィニフェリン …100mg
ミツロウ… 10mg
ぶどう種子オイル…110mg
上記成分を混合し、ゼラチンおよびグリセリンを混合したカプセル基剤中に充填し、軟カプセルを得た。

実施例

0029

処方例2
[錠剤]
組成
ブドウ抽出精製ε−ヴィニフェリン…150mg
セルロース… 80mg
デンプン… 20mg
ショ糖脂肪酸エステル… 2mg
上記成分を混合、打錠し、錠剤を得た。

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