図面 (/)

技術 高周波スイッチモジュール

出願人 株式会社村田製作所
発明者 上嶋孝紀
出願日 2015年1月14日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-004985
公開日 2015年5月14日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2015-092752
状態 拒絶査定
技術分野 フィルタ・等化器 送受信機 送信機 伝送の細部、特殊媒体伝送方式
主要キーワード 電源入力ポート スイッチ素子側 基本周波数信号 各素子値 チップインダクタ素子 追加構成要素 導電性ビアホール 次高調波信号
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年5月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

高調波信号減衰させるための追加構成要素を用いることなく、アンテナから放射される高調波信号をより確実に減衰できる高周波スイッチモジュールを実現する。

解決手段

スイッチ素子11の個別ポートPIC11と高周波スイッチモジュール10の間に接続されるローパスフィルタ12は、第1送信信号入力端子PtxLに入力される送信信号の2次高調波と3次高調波とを減衰させる。さらに、第1送信信号入力端子PtxL側端部E12Pにおいて、パワーアンプによる高調波信号Sh(PA)の位相と、スイッチ素子11の歪みによる高調波信号S(sw)をローパスフィルタ12で位相回転させた高調波信号S(sw180)の位相とが180°異なるように、ローパスフィルタ12を構成するインダクタGLt1,GLt2、キャパシタGCc1,GCc2,GCu1,GCu2,GCu3の素子値が適宜設定されている。

概要

背景

従来、それぞれに異なる周波数帯域を利用した複数の通信信号共通アンテナ送受信する高周波スイッチモジュールが各種考案されている。このような高周波スイッチモジュールは、FET等の半導体からなるスイッチ素子により、各通信信号の切り替えや、一種類の通信信号の送信信号受信信号との切り替えを行う。

このようなスイッチ素子を用いた場合、送信信号のようなハイパワーの信号がスイッチ素子に入力されると、スイッチ素子が歪んで送信信号の基本周波数に対する2倍の周波数の2次高調波や3倍の周波数の3次高調波等の高次高調波が発生することがある。このようなスイッチ素子から発生した高次高調波はスイッチ素子の全ての端子から外部へ出力される。送信信号の入力回路側へ出力した高次高調波は、スイッチ素子の送信信号入力回路側に接続されたフィルタ反射して、再度スイッチ素子を伝送し、アンテナから放射されてしまうことがある。

このため、特許文献1では、スイッチ素子と送信信号入力回路のローパスフィルタとの間に、位相器を接続している。この構成により、ローパスフィルタで反射してスイッチICを通過してからアンテナ側へ出力される高調波信号と、スイッチ素子からアンテナへ直接出力される高調波信号との位相を180°異ならせて、これらの高調波信号を相殺している。

概要

高調波信号を減衰させるための追加構成要素を用いることなく、アンテナから放射される高調波信号をより確実に減衰できる高周波スイッチモジュールを実現する。スイッチ素子11の個別ポートPIC11と高周波スイッチモジュール10の間に接続されるローパスフィルタ12は、第1送信信号入力端子PtxLに入力される送信信号の2次高調波と3次高調波とを減衰させる。さらに、第1送信信号入力端子PtxL側端部E12Pにおいて、パワーアンプによる高調波信号Sh(PA)の位相と、スイッチ素子11の歪みによる高調波信号S(sw)をローパスフィルタ12で位相回転させた高調波信号S(sw180)の位相とが180°異なるように、ローパスフィルタ12を構成するインダクタGLt1,GLt2、キャパシタGCc1,GCc2,GCu1,GCu2,GCu3の素子値が適宜設定されている。

目的

本発明の目的は、高調波信号を減衰させるための追加構成要素を用いることなく、アンテナから放射される高調波信号をより確実に減衰させることができる高周波スイッチモジュールを実現することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

高周波スイッチモジュールアンテナ接続端子に接続する共通ポートに対して、前記高周波スイッチモジュールの送信信号入力端子に接続する第1個別ポート、または、前記高周波スイッチモジュールの受信出力端子に接続する第2個別ポートのいずれかを切り替えて接続するスイッチ素子と、前記送信信号入力端子と前記第1個別ポートとの間に直列接続されたインダクタを備え、送信信号高調波信号減衰させるフィルタ回路と、を備え、前記スイッチ素子により前記共通ポートと前記第1個別ポートとが接続されたとき、前記フィルタ回路は、前記スイッチ素子の歪みにより発生した前記フィルタ回路の前記第1個別ポート側端子における前記歪みによる高調波信号の位相と前記送信信号の高調波信号の位相に応じて、前記高調波信号を減衰させるように前記高調波信号の位相を変化させる回路構成で形成されている、高周波スイッチモジュール。

請求項2

請求項1に記載の高周波スイッチモジュールであって、前記フィルタ回路は、前記第1個別ポート側の端から前記送信信号入力端子側の端までの電気長が前記高調波信号および前記歪み高調波信号の波長の1/2である、高周波スイッチモジュール。

請求項3

請求項2に記載の高周波スイッチモジュールであって、前記インダクタは、前記送信信号入力端子と前記第1個別ポートとの間に直列接続された第1インダクタと第2インダクタとで構成され、前記フィルタ回路は、前記第1インダクタを含む第1ローパスフィルタおよび前記第2インダクタを含む第2ローパスフィルタとから構成され、前記第1個別ポート側の端から前記送信信号入力端子側の端までの電気長が前記高調波信号および前記歪み高調波信号における2次高調波信号の波長の1/2であり、前記第1ローパスフィルタと前記第2ローパスフィルタとの接続点で、前記高調波信号における3次高調波信号の位相が、前記歪み高調波信号における3次高調波信号の位相に対して180°の関係となる回路構成で形成されている、高周波スイッチモジュール。

請求項4

請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高周波スイッチモジュールであって、前記フィルタ回路は、一方端が前記インダクタの少なくとも一方端に接続され、他方端グランドへ接続されるキャパシタを備える、高周波スイッチモジュール。

請求項5

請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の高周波スイッチモジュールであって、前記スイッチ素子を実現する実装型のFETスイッチと、前記インダクタを形成する内層電極パターンを有し、前記FETスイッチが実装された、複数の誘電体層を積層してなる積層体と、を備え、前記インダクタを形成する内層電極パターンは、積層方向に沿って、異なる誘電体層にそれぞれ形成された二層内層グランド電極に狭持されるように配設されている、高周波スイッチモジュール。

請求項6

請求項5に記載の高周波スイッチモジュールであって、前記インダクタは、ヘリカル形状もしくはスパイラル形状に形成されている、高周波スイッチモジュール。

技術分野

0001

この発明は、複数の通信信号共通アンテナ送受信する高周波スイッチモジュールに関する。

背景技術

0002

従来、それぞれに異なる周波数帯域を利用した複数の通信信号を共通アンテナで送受信する高周波スイッチモジュールが各種考案されている。このような高周波スイッチモジュールは、FET等の半導体からなるスイッチ素子により、各通信信号の切り替えや、一種類の通信信号の送信信号受信信号との切り替えを行う。

0003

このようなスイッチ素子を用いた場合、送信信号のようなハイパワーの信号がスイッチ素子に入力されると、スイッチ素子が歪んで送信信号の基本周波数に対する2倍の周波数の2次高調波や3倍の周波数の3次高調波等の高次高調波が発生することがある。このようなスイッチ素子から発生した高次高調波はスイッチ素子の全ての端子から外部へ出力される。送信信号の入力回路側へ出力した高次高調波は、スイッチ素子の送信信号入力回路側に接続されたフィルタ反射して、再度スイッチ素子を伝送し、アンテナから放射されてしまうことがある。

0004

このため、特許文献1では、スイッチ素子と送信信号入力回路のローパスフィルタとの間に、位相器を接続している。この構成により、ローパスフィルタで反射してスイッチICを通過してからアンテナ側へ出力される高調波信号と、スイッチ素子からアンテナへ直接出力される高調波信号との位相を180°異ならせて、これらの高調波信号を相殺している。

先行技術

0005

特開2004−173243号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に示すような構成では、スイッチ素子とローパスフィルタとの間に位相器を設けなければならず、高周波スイッチモジュールの構成要素が多くなり、大型化してしまう。また、位相器は、当該位相器を構成する電極の長さにより、変化させる位相量が決定されるため、高精度に電極パターンを形成しなければならない。逆に、電極パターンの形成精度が低ければ、高調波信号を減衰させる効果が大きく低減してしまう。

0007

したがって、本発明の目的は、高調波信号を減衰させるための追加構成要素を用いることなく、アンテナから放射される高調波信号をより確実に減衰させることができる高周波スイッチモジュールを実現することにある。

課題を解決するための手段

0008

この発明は、高周波スイッチモジュールに関する。この高周波スイッチモジュールは、スイッチ素子と、送信信号用のフィルタ回路を備える。スイッチ素子は、高周波スイッチモジュールのアンテナ接続端子に接続する共通ポートに対して、高周波スイッチモジュールの送信信号入力端子に接続する第1個別ポート、または、高周波スイッチモジュールの受信出力端子に接続する第2個別ポートのいずれかを切り替えて接続する。フィルタ回路は、送信信号入力端子と第1個別ポートとの間に直列接続されたインダクタを備え、送信信号の高調波信号を減衰させる。さらに、フィルタ回路は、スイッチ素子により前記共通ポートと前記第1個別ポートとが接続されたとき、スイッチ素子の歪みにより発生したフィルタ回路の第1個別ポート側端子における歪みによる高調波信号の位相と送信信号の高調波信号の位相に応じて設定され、高調波信号を減衰させるように高調波信号の位相を変化させる回路構成で形成されている。

0009

この構成では、送信信号入力端子の前段であるPA(パワーアンプ)から入力される送信信号の高調波信号と、送信信号により発生するスイッチ素子の歪み高調波信号とが、同じ周波数であることから、これらの高調波信号はフィルタ回路の送信信号入力端子側の端において、180°の位相関係であることにより相殺される。なお、この際、歪み高調波信号と送信信号の高調波信号とが完全に相殺されなくても、フィルタ回路は、高調波信号を減衰させる特性を有するので、フィルタ回路の送信信号入力端子側の端からスイッチ素子側へ伝送される高調波信号は確実に減衰する。

0010

また、この発明の高周波スイッチモジュールでは、フィルタ回路は、第1個別ポート側の端から送信信号入力端子側の端までの電気長が高調波信号および歪み高調波信号の波長の1/2であることが好ましい。

0011

この構成では、フィルタ回路の電気長を高調波信号および歪み高調波信号の波長の1/2とすることで、上述の位相関係を実現している。

0012

また、この発明の高周波スイッチモジュールは次の構成であることが好ましい。インダクタは、送信信号入力端子と第1個別ポートとの間に直列接続された第1インダクタと第2インダクタとで構成される。そして、フィルタ回路は、第1インダクタを含む第1ローパスフィルタおよび第2インダクタを含む第2ローパスフィルタとから構成される。このような構成の上で、第1個別ポート側の端から送信信号入力端子側の端までの電気長は、高調波信号および歪み高調波信号における2次高調波信号の波長の1/2である。第1ローパスフィルタと第2ローパスフィルタとの接続点で、高調波信号における3次高調波信号の位相が歪み高調波信号における3次高調波信号の位相に対して180°の関係となる回路構成で形成されている。

0013

この構成では、フィルタ回路の送信信号入力端子側の端で2次高調波信号が相殺され、フィルタ内の所定位置で3次高調波信号が相殺される。これにより、複数の高次高調波信号の内、最もレベルの高い2次高調波信号とともに、次にレベルの高い3次高調波信号を減衰させることができる。

0014

また、この発明の高周波スイッチモジュールでは、フィルタ回路は、一方端がインダクタの少なくとも一方端に接続され、他方端グランドへ接続されるキャパシタを備えることが好ましい。

0015

この構成では、インダクタのインダクタンスを変化させることなく、位相の回転量を増加させることができる。すなわち、高調波信号に対して180°の位相回転を与えるための信号ラインに直列接続されたインダクタを構成する線状電極電極長信号伝送経路に沿った実質的な電極の長さ)を短くすることができる。これにより、インダクタの低損失化が可能になり、フィルタのQ値を改善できる。また、このキャパシタを加えることで、フィルタ回路の減衰特性も調整でき、改善できる。

0016

また、この発明の高周波スイッチモジュールでは、次の構成であることが好ましい。スイッチ素子を実現する実装型のFETスイッチと、インダクタを形成する内層電極パターンを有しFETスイッチが実装された複数の誘電体層を積層してなる積層体と、を備える。インダクタを形成する内層電極パターンは、積層方向に沿って、異なる誘電体層にそれぞれ形成された二層内層グランド電極に狭持されるように配設されている。

0017

この構成では、インダクタに対する外部からの電磁界的干渉を低減できる。

0018

また、この発明の高周波スイッチモジュールでは、インダクタは、ヘリカル形状もしくはスパイラル形状に形成されていることが好ましい。

0019

この構成では、インダクタを構成する線状電極間磁界結合し、より短い電極長で180°の位相回転を実現できる。これにより、インダクタの低損失化が可能になり、フィルタのQ値を改善できる。

発明の効果

0020

この発明によれば、従来技術の位相器のような追加回路を設けることなく、スイッチ素子で発生して送信回路側へ伝送された歪み高調波信号を減衰させ、当該高調波信号がスイッチ素子に戻りアンテナから放射されることを防止できる。

図面の簡単な説明

0021

本発明の実施形態に係る高周波スイッチモジュール10の回路図である。
本願発明の構成による歪み高調波信号を減衰させる概念、すなわち本願発明の構成による作用を説明するための図である。
高周波スイッチモジュール10の外観斜視図である。
高周波スイッチモジュール10の積み図である。

実施例

0022

本発明の実施形態に係る高周波スイッチモジュール10について、図を参照して説明する。図1は本実施形態に係る高周波スイッチモジュール10の回路図である。

0023

高周波スイッチモジュール10は、スイッチ素子11、ローパスフィルタ12,13、SAWデュプレクサ14,15、およびアンテナ側整合回路20を備える。

0024

スイッチ素子10はFET等の半導体スイッチで形成されている。スイッチ素子10は、単一の共通ポートPIC0、9個の個別ポートPIC11−PIC19、1個の電源入力ポートPICv0、4個の制御系信号入力ポートPICv1−PICv4、およびグランド接続ポートPICgを備える。

0025

グランド接続ポートPICgはグランドに接続されている。電源入力ポートPICv0にはスイッチ素子11を動作させるための直流駆動電圧印加されており、制御系信号入力ポートPICv1−PICv4には、それぞれHi/Lowレベルのいずれかからなる制御信号が入力されている。

0026

スイッチ素子10は、直流の駆動電圧で動作し、四種の制御信号のHi/Lowの組合せに応じて、共通ポートPIC0を、個別ポートPIC11−PIC19のいずれかに切り替えて接続する。

0027

共通ポートPIC0には、アンテナ側整合回路20を介して、高周波スイッチモジュール10としてのアンテナ接続端子Panが接続されている。このアンテナ接続端子PanはアンテナANTに接続される。

0028

アンテナ側整合回路20は、共通ポートPIC0とアンテナ接続端子Panとの間に直列接続されたインダクタL2を備える。インダクタL2のアンテナ接続端子Pan側の端部はキャパシタC1を介してグランドに接続されている。インダクタL2の共通ポートPIC0側の端部はインダクタL1を介してグランドに接続されている。アンテナ側整合回路20は、スイッチ素子10とアンテナANTとの間のインピーダンス整合を行うとともに、アンテナANTから静電気が入力されたときにスイッチ素子10とその個別ポート側に接続された回路を保護するためのESD回路としても機能する。

0029

個別ポートPIC11には、本願発明のフィルタ回路に相当するローパスフィルタ12を介して、高周波スイッチモジュール10の第1送信信号入力端子PtxLが接続されている。この第1送信信号入力端子PtxLは、送信信号の伝送系において前段のパワーアンプPAに接続されている。

0030

ローパスフィルタ12は個別ポートPIC11と第1送信信号入力端子PtxLとの間に直列接続されたインダクタGLt1とインダクタGLt2とを備える。インダクタGLt1にはキャパシタGCc1が並列接続されている。インダクタGLt1の個別ポートPIC11側の端部はキャパシタGCu1を介してグランドに接続されている。

0031

インダクタGLt1とインダクタGLt2との接続点はキャパシタGCu2を介してグランドに接続されている。インダクタGLt2にはキャパシタGCc2が並列接続されている。インダクタGLt2の第1送信信号入力端子PtxL側の端部はキャパシタGCu3を介してグランドに接続されている。

0032

ローパスフィルタ12は、第1送信信号入力端子PtxLから入力される送信信号(例えばGSM850送信信号やGSM900送信信号)の2次高調波の周波数および3次高調波の周波数を減衰帯域とし、送信信号の基本周波数を通過帯域とするフィルタである。より具体的には、インダクタGLt1とキャパシタGCc1,GCu1,GCu2の各素子値を適宜設定することで、送信信号の2次高調波信号の周波数を減衰極とし、送信信号の基本周波数を通過帯域とする第1のローパスフィルタを構成する。インダクタGLt2とキャパシタGCc2,GCu3,GCu2の各素子値を適宜設定することで、送信信号の3次高調波信号の周波数を減衰極とし、送信信号の基本周波数を通過帯域とする第2のローパスフィルタを構成する。

0033

また、具体的な概念、作用は後述するが、ローパスフィルタ12は、個別ポートPIC11側から入力される送信信号の2次高調波と同じ周波数の歪み高調波信号が、第1送信信号入力端子PtxL側の端部において、第1送信信号入力端子PtxLから入力された2次高調波信号の位相に対して180°位相が異なる状態で到達するように、各素子値が設定されている。

0034

ローパスフィルタ13は、個別ポートPIC12と第2送信信号入力端子PtxHとの間に直列接続されたインダクタDLt1とインダクタDLt2とを備える。インダクタDLt1にはキャパシタDCc1が並列接続されている。

0035

インダクタDLt1とインダクタDLt2との接続点はキャパシタDCu2を介してグランドに接続されている。インダクタDLt2の第2送信信号入力端子PtxH側の端部は、キャパシタDCu3を介してグランドに接続されている。

0036

ローパスフィルタ13は、第2送信信号入力端子PtxHから入力される送信信号(例えばGSM1800送信信号やGSM1900送信信号)の2次高調波の周波数を減衰帯域とし、送信信号の基本周波数を通過帯域とするフィルタである。より具体的には、インダクタDLt1とキャパシタDCc1,DCu2の各素子値を適宜設定することで、送信信号の2次高調波信号の周波数を減衰極とし、送信信号の基本周波数を通過帯域とする第3のローパスフィルタを構成する。インダクタDLt2とキャパシタDCu3,DCu2の各素子値を適宜設定することで、送信信号の3次高調波信号の周波数を減衰帯域とする第4のローパスフィルタを構成する。なお、本実施形態においては、第1のローパスフィルタと第3のローパスフィルタが、本発明に示す第1ローパスフィルタに相当し、第2ローパスフィルタと第4ローパスフィルタが、本発明に示す第2ローパスフィルタに相当する。

0037

個別ポートPIC13には、SAWデュプレクサ14のSAWフィルタSAW1の不平衡端子が接続されている。SAWフィルタSAW1は不平衡平衡変換機能を有し、平衡端子が、高周波スイッチモジュール10の第1受信信号出力端子PrxL1に接続されている。SAWフィルタSAW1は第1の受信信号(例えばGSM850受信信号)の周波数帯域を通過帯域とするフィルタである。

0038

個別ポートPIC14には、SAWデュプレクサ14のSAWフィルタSAW2の不平衡端子が接続されている。SAWフィルタSAW2は不平衡−平衡変換機能を有し、平衡端子が、高周波スイッチモジュール10の第2受信信号出力端子PrxL2に接続されている。SAWフィルタSAW2は第2の受信信号(例えばGSM900受信信号)の周波数帯域を通過帯域とするフィルタである。

0039

個別ポートPIC15には、SAWデュプレクサ15のSAWフィルタSAW3の不平衡端子が接続されている。SAWフィルタSAW3は不平衡−平衡変換機能を有し、平衡端子が、高周波スイッチモジュール10の第3受信信号出力端子PrxH1に接続されている。SAWフィルタSAW3は第3の受信信号(例えばGSM1800受信信号)の周波数帯域を通過帯域とするフィルタである。

0040

個別ポートPIC16には、SAWデュプレクサ15のSAWフィルタSAW4の不平衡端子が接続されている。SAWフィルタSAW4は不平衡−平衡変換機能を有し、平衡端子が、高周波スイッチモジュール10の第4受信信号出力端子PrxH2に接続されている。SAWフィルタSAW4は第4の受信信号(例えばGSM1900受信信号)の周波数帯域を通過帯域とするフィルタである。

0041

個別ポートPIC17には高周波スイッチモジュール10の第1送受信兼用端子Pu1が接続され、個別ポートPIC18には高周波スイッチモジュール10の第2送受信兼用端子Pu2が接続され、個別ポートPIC19には高周波スイッチモジュール10の第3送受信兼用端子Pu3が接続されている。なお、これら送受信兼用端子Pu1,Pu2,Pu3と個別ポートPIC17,PIC18,PIC19は省略することもできる。さらには、個別ポートPIC12,PIC15,PIC16および当該ポートに接続する各回路も省略することができる。

0042

このような構成の高周波スイッチモジュール10に対して、第1送信信号入力端子PtxLからハイパワーの送信信号が入力されると、当該送信信号の基本周波数成分によって、スイッチ素子11が歪み、基本周波数の正の整数倍の高調波信号が発生し、スイッチ素子11の各ポートから出力される。特に基本周波数の2倍の周波数からなる2次高調波信号はパワーが高くなってしまう。したがって、以下では、2次高調波信号を減衰させる構成を示す。なお、このような構成による歪み高調波信号の減衰は、いずれの高調波信号であっても可能である。

0043

ここで、送信信号の入力時には、共通ポートPIC0は、送信信号が入力される個別ポートPIC11に接続されているので、スイッチ素子11で発生し、個別ポートPIC11から出力した歪み高調波信号がローパスフィルタ12のスイッチ素子11側の端部で反射して、スイッチ素子11に戻ると、当該歪み高調波信号もアンテナANTへ伝搬されてしまう。しかしながら、本願の構成を用いることで、このようなスイッチ素子11に戻る歪み高調波信号を減衰させることができる。

0044

図2は、本願発明の構成による歪み高調波信号を減衰させる概念、すなわち本願発明の構成による作用を説明するための図である。図2(A)はローパスフィルタ12近傍の伝送線路での各高調波信号の位相状態等を示す図である。

0045

ローパスフィルタ12には、第1送信信号入力端子PtxL側端部E12Pから送信信号が入力される。この際、第1送信信号入力端子PtxL側端部E12Pから、パワーアンプ(PA)の増幅処理に伴って生じた高調波信号Sh(PA)が基本周波数信号とともに入力される。

0046

一方、ローパスフィルタ12は、上述のように、スイッチ素子11の個別ポートPIC11側の端部E12Sから送信信号の2次高調波と同じ周波数の歪み高調波信号Sh(sw)が入力される。

0047

ここで、送信信号の基本周波数信号に対するローパスフィルタ12の電気長と、ローパスフィルタ12のスイッチ素子側端部E12Sとスイッチ素子11の個別ポートPIC11とを接続する伝送線路の電気長が、基本周波数信号の波長と比較して極短くなるように、高周波スイッチモジュール10を構成する。ここで、電気長とは、高周波回路特定点(第1点)から別の特定点(第2点)までの伝送経路の長さを、物理的な長さではなく、高周波信号位相シフト量を基準に表わした長さである。

0048

このような構成とすれば、個別ポートPIC11から出力される歪み高調波信号Sh(sw)の位相と、ローパスフィルタ12の第1送信信号入力端子PtxL側の端部E12Pに入力される高調波信号Sh(PA)は略同位相となる。

0049

そして、さらに、ローパスフィルタ12のスイッチ素子側端部E12Sとスイッチ素子11の個別ポートPIC11とを接続する伝送線路の電気長を2次高調波信号の波長と比較して極短くなるように高周波スイッチモジュール10を構成すると、個別ポートPIC11から出力される歪み高調波信号Sh(sw)は殆ど位相シフトすることなく、ローパスフィルタ12のスイッチ素子側端部E12Sに入力される。

0050

ここで、ローパスフィルタ12のインダクタGLt1,GLt2およびキャパシタGCu1,GCu2,GCu3に対して、高調波信号の位相が180°回転するように、インダクタンスおよびキャパシタンスを調整する。この調整は、後述するように、例えば高周波スイッチモジュール10を積層体で形成し、内層の線状電極や平板電極の形状や位置関係を適宜調節して形成することにより、可能である。

0051

本実施形態の構成を用いれば、スイッチ素子11から送信回路側に出力される歪み高調波信号を減衰させることができる。これにより、スイッチ素子11に戻りアンテナANTへ伝送される歪み高調波信号を減衰させることができる。そして、この際、歪み高調波信号を減衰させるためだけの追加回路を必要としないので、従来よりも小型で必要最小限な構成からなる高周波スイッチモジュールを実現できる。

0052

第1送信信号入力端子PtxL側端部E12Pのスイッチ素子11側(アンテナANT側)には、高調波信号を減衰させるローパスフィルタ12が設置されているので、これらの高調波信号の位相が、180°から或程度ずれていても、十分な減衰効果を得ることができる。

0053

また、上述の説明では、ローパスフィルタ12のスイッチ素子側端部E12Sとスイッチ素子11の個別ポートPIC11とを接続する伝送線路の電気長を2次高調波信号の波長と比較して極短くなるように設定しているが、当該伝送線路の電気長も加味して、スイッチ素子11の個別ポートPIC11とローパスフィルタ12の第1送信信号入力端子PtxL側端部E12Pと間で、高調波信号の位相が180°回転するように、ローパスフィルタ12の各回路素子値を設定してもよい。

0054

また、上述の説明では、インダクタGLt1,GLt2の端部とグランドとを接続する所謂シャント接続のキャパシタを用いた場合を示したが、これらは省略することができる。この場合、インダクタGLt1,GLt2を形成する電極の電極長を調整する等して、インダクタンスを調整することで、高調波信号の位相を180°回転させるようにすればよい。ただし、これらシャントのキャパシタを用いることで、当該キャパシタの位相回転効果を持たせることができるので、インダクタGLt1,GLt2を短く形成することができる。これにより、ローパスフィルタ12の伝送損失を低減でき、フィルタのQ値も改善することができる。さらには、シャントのキャパシタを用いることで、減衰極の調整も可能となり、より所望とする減衰特性のローパスフィルタを実現しやすくなる。

0055

以上のような回路構成からなる高周波スイッチモジュール10は、次に示すように積層体を用いて実現することができる。図3は高周波スイッチモジュール10の外観斜視図である。図4は高周波スイッチモジュール10の積み図である。

0056

高周波スイッチモジュール10は、複数の誘電体層を積層した積層体101を備える。積層体101を構成する各誘電体層は、図4に示すようにそれぞれ所定の電極パターンが形成されており、異なる誘電体層上の電極パターン間図4の丸印に示す導電性ビアホールにより導通されている。

0057

積層体101は、矩形状の外形を有し、天面に、上述のスイッチ素子11を実現する実装型FETスイッチと、SAWデュプレクサ14,15をそれぞれに実現する実装型素子と、が所定位置に実装されている。また、積層体101の天面には、インダクタL1,L3を実現するチップインダクタ素子が実装されている。

0058

積層体101の天面には、これらの実装型素子を覆うように、絶縁性樹脂からなる保護層102が形成されている。

0059

積層体101の最上層から誘電体層PL1,PL2の順で積層され、最下層が誘電体層PL14である。誘電体層PL1の上面には、上述の各実装型素子を実装するためのランド電極パターンが形成されている。誘電体層PL2,PL3,PL4には、引き回し用の線状電極が形成されている。

0060

誘電体層PL5には、略全面に内層グランド電極GNDiが形成されている。誘電体層PL6には、キャパシタGCu1,GCu3を構成する平板電極が形成されている。

0061

誘電体層PL7,PL8,PL9,PL10には、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5を構成する線状電極が形成されている。

0062

インダクタGLt1,GLt2,L2,L4,L5は、誘電体層PL7,PL8,PL9,PL10にかけて連続する積層方向を軸方向としたヘリカル形状のコイルである。インダクタDLt1,DLt2は、誘電体層PL7,PL8,PL9にかけて連続する積層方向を軸方向としたヘリカル形状のコイルである。このようなヘリカル形状でインダクタを形成することで、それぞれのインダクタにおいて、当該インダクタを構成する各誘電体層の線状電極が磁界結合し、磁界結合しない形状の場合よりも、同じ位相回転量を得るのに、短い電極長で済ませることができる。これにより、インダクタひいては積層体101の小型化が可能になる。なお、本実施形態ではヘリカル形状の例を示したが、スパイラル形状(渦巻き状)にインダクタを形成してもよい。

0063

誘電体層PL11には、キャパシタGCc1,GCc2,DCc1を構成する平板電極が形成されている。また、誘電体層PL11には、内層グランド電極GNDiが形成されている。誘電体層PL12には、キャパシタGCu2,DCu1,DCu3,C1を構成する平板電極が形成されている。

0064

誘電体層PL13には、略全面に内層グランド電極GNDiが形成されている。誘電体層PL14は、積層体101の底部に対応する層であり、底面側に、高周波スイッチモジュール10(積層体101)を外部回路へ接続するための外部接続用電極配列形成されている。

0065

このように積層体101を形成することで、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5を構成する線状電極が形成された誘電体層は、略全面に内層グランド電極GNDiが形成された誘電体層間に狭持される。これにより、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5を構成する線状電極が外部の電磁界に影響されることを抑制できる。これにより、より正確な位相回転作用を実現できる。

0066

さらに、上述のように、略全面に内層グランド電極GNDiが形成された誘電体層間に、キャパシタの形成された誘電体層、インダクタの形成された誘電体層、キャパシタの形成された誘電体層の順で各誘電体層を形成することで、キャパシタ電極によりインダクタで発生する電磁界の広がりを抑えることができ、インダクタに対する上述の外部の電磁界による影響をより低減できる。さらに、回路的に接続点が多いキャパシタとインダクタとが近接した誘電体層で形成されることで、引き回しを短くして寄生成分の発生を抑えることにより、特性を向上できるとともに、電極パターンの設計が容易になる。

0067

なお、上述の説明では、2次高調波信号をローパスフィルタ12の第1送信信号入力端子PtxL側端部E12Pで相殺する例を示したが、ローパスフィルタ12を構成するインダクタGLt1,GLt2のインダクタンス、およびキャパシタGCu1,GCu2,GCu3のキャパシタンスをさらに調整することで、例えばローパスフィルタ12のインダクタGLt1,GLt2の接続点において、パワーアンプによる3次高調波信号とスイッチ素子11の歪みによる3次高調波信号との位相を180°異ならせることも可能である。これにより、スイッチ素子11による二種類の高次高調波信号(2次高調波信号と3次高調波信号)を同時に相殺する高周波スイッチモジュールを実現することもできる。この際、3次高調波信号に対しては、ローパスフィルタ12の第1送信信号入力端子PtxL側のローパスフィルタによりパワーアンプによる3次高調波信号は或程度減衰されているので、同相にならなければ、歪みによる3次高調波信号との位相を180°から或程度ずれていても十分な効果を得ることができる。

0068

10:高周波スイッチモジュール、11:スイッチ素子、12,13:ローパスフィルタ、14,15:SAWデュプレクサ、20:アンテナ側整合回路、101:積層体、102:保護層

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • ホーチキ株式会社の「 無線送信装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】空中線電力を基準範囲内にできる無線送信装置において、回路構成を簡素化し且つ消費電力を低減すること。【解決手段】 自己に設定される設定値及び自己に供給される電源電圧に応じた空中線電力にて電波を... 詳細

  • 旭化成エレクトロニクス株式会社の「 受信機」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】消費電力は大きいがノイズ性能が高い受信機と、ノイズ性能が低いが低消費電力な受信機とを、1つのデバイスで実現する。【解決手段】受信機は、受信信号からI信号を生成するI信号生成部と、I信号が入力さ... 詳細

  • ホーチキ株式会社の「 設定システム」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】無線回路の消費電力を低減することが可能となる設定システムを提供すること。【解決手段】 無線通信用IC2に設定値を設定する制御用IC3であって、複数の設定値と、複数の電源電圧の値と、少なくとも... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ