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技術 検出装置、センサー、電子機器及び移動体

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 牧克彦金井正博
出願日 2013年11月7日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2013-231342
公開日 2015年5月11日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2015-090352
状態 特許登録済
技術分野 ジャイロスコープ
主要キーワード 発振検出器 同期信号出力回路 デジタルフィルター処理 静電容量検出方式 デジタル補正処理 駆動信号出力回路 DCアンプ 振幅増幅
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年5月11日)のものです。
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図面 (16)

課題

振動子等価直列抵抗に応じた負性抵抗に設定することで正弦波駆動を可能にする検出装置センサー電子機器及び移動体等の提供。

解決手段

検出装置は振動子10を駆動する駆動回路30と所望信号を検出する検出回路60を含む。駆動回路30は、フィードバック信号DIを受けて、電流電圧変換を行う電流−電圧変換回路32と、電流−電圧変換後入力電圧信号DVを増幅して、正弦波駆動信号DQを出力する駆動信号出力回路50と、駆動信号出力回路50での駆動信号DQの増幅のゲインを制御するゲイン制御回路40を有する。電流−電圧変換用の抵抗RIとし、駆動信号出力回路50での駆動信号DQの増幅のゲインをKとし、振動子10の基本波モードでの等価直列抵抗をRとした場合に、ゲイン制御回路40は、K×RI=Rとなるようにゲイン制御を行う。

概要

背景

デジタルカメラスマートフォン等の電子機器や車、飛行機等の移動体には、外的な要因で変化する物理量を検出するためのジャイロセンサーが組み込まれている。このようなジャイロセンサーは、角速度等の物理量を検出し、いわゆる手振れ補正姿勢制御、GPS自律航法などに用いられる。

このようなジャイロセンサーの一つとして、水晶圧電振動ジャイロセンサーなどの振動ジャイロセンサーが知られている。振動ジャイロセンサーでは、回転によって発生するコリオリ力に対応した物理量を検出している。このような振動ジャイロセンサーの検出装置としては、例えば特許文献1、2、非特許文献1に開示される従来技術が知られている。

概要

振動子等価直列抵抗に応じた負性抵抗に設定することで正弦波駆動を可能にする検出装置、センサー、電子機器及び移動体等の提供。検出装置は振動子10を駆動する駆動回路30と所望信号を検出する検出回路60を含む。駆動回路30は、フィードバック信号DIを受けて、電流電圧変換を行う電流−電圧変換回路32と、電流−電圧変換後入力電圧信号DVを増幅して、正弦波駆動信号DQを出力する駆動信号出力回路50と、駆動信号出力回路50での駆動信号DQの増幅のゲインを制御するゲイン制御回路40を有する。電流−電圧変換用の抵抗RIとし、駆動信号出力回路50での駆動信号DQの増幅のゲインをKとし、振動子10の基本波モードでの等価直列抵抗をRとした場合に、ゲイン制御回路40は、K×RI=Rとなるようにゲイン制御を行う。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

振動子からのフィードバック信号を受けて、前記振動子を駆動する駆動回路と、前記振動子からの検出信号を受けて、所望信号を検出する検出回路と、を含み、前記駆動回路は、前記フィードバック信号を受けて、電流電圧変換を行う電流−電圧変換回路と、前記電流−電圧変換回路による電流−電圧変換後入力電圧信号増幅して、正弦波駆動信号を出力する駆動信号出力回路と、前記駆動信号出力回路での前記駆動信号の増幅のゲインを制御するゲイン制御回路と、を有し、前記電流−電圧変換回路の電流−電圧変換用の抵抗RIとし、前記駆動信号出力回路での前記駆動信号の増幅のゲインをKとし、前記振動子の基本波モードでの等価直列抵抗をRとした場合に、前記ゲイン制御回路は、K×RI=Rとなるようにゲイン制御を行うことを特徴とする検出装置

請求項2

請求項1に記載の検出装置において、前記駆動信号出力回路は、前記ゲイン制御回路からの制御電圧によってトランスコンダクタンスが設定されて、前記入電圧信号電流信号に変換するOTA(Operational Transconductance Amplifier)回路と、前記OTA回路からの前記電流信号の電流−電圧変換を行い、前記駆動信号を出力する第2の電流−電圧変換回路と、を有することを特徴とする検出装置。

請求項3

請求項2に記載の検出装置において、前記OTA回路は、前記ゲイン制御回路からの前記制御電圧を制御電流に変換する電圧電流変換回路と、前記制御電流により設定されるバイアス電流バイアス電流源に流れ、第1の差動入力端子アナログ基準電圧が入力され、第2の差動入力端子に前記入力電圧信号が入力され、前記電流信号を前記第2の電流−電圧変換回路に出力する差動部と、を有することを特徴とする検出装置。

請求項4

請求項2又は3に記載の検出装置において、前記ゲイン制御回路は、前記電流−電圧変換回路の電流−電圧変換後の信号の全波整流を行う全波整流器と、前記全波整流器による全波整流後の信号の積分処理を行う積分器と、を有し、前記電圧−電流変換回路は、前記積分器からの前記制御電圧を前記制御電流に変換することを特徴とする検出装置。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検出装置において、前記駆動信号出力回路の前記入力電圧信号のピーク・ツー・ピーク電圧をVP1とし、前記駆動信号のピーク・ツー・ピーク電圧をVP2とし、前記ゲイン制御回路のAGC(Automatic Gain control)ループにより設定される前記振動子の駆動電流のピーク・ツー・ピーク電流をIDPとし、高電位側電源電圧と低電位側電源電圧の電圧差をVDSとした場合に、VDS>VP2=K×VP1=IDP×Rであることを特徴とする検出装置。

請求項6

請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検出装置において、前記駆動信号出力回路は、前記入力電圧信号を受けて、矩形波信号を出力する矩形波信号出力回路を有し、前記駆動信号出力回路は、前記振動子の発振起動期間では、前記矩形波信号出力回路からの前記矩形波信号を、前記駆動信号として前記振動子に出力し、前記発振起動期間の完了後に、正弦波の前記駆動信号を出力することを特徴とする検出装置。

請求項7

請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検出装置と、前記振動子と、を含むことを特徴とするセンサー

請求項8

請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検出装置を含むことを特徴とする電子機器

請求項9

請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検出装置を含むことを特徴とする移動体

技術分野

0001

本発明は、検出装置センサー電子機器及び移動体等に関する。

背景技術

0002

デジタルカメラスマートフォン等の電子機器や車、飛行機等の移動体には、外的な要因で変化する物理量を検出するためのジャイロセンサーが組み込まれている。このようなジャイロセンサーは、角速度等の物理量を検出し、いわゆる手振れ補正姿勢制御、GPS自律航法などに用いられる。

0003

このようなジャイロセンサーの一つとして、水晶圧電振動ジャイロセンサーなどの振動ジャイロセンサーが知られている。振動ジャイロセンサーでは、回転によって発生するコリオリ力に対応した物理量を検出している。このような振動ジャイロセンサーの検出装置としては、例えば特許文献1、2、非特許文献1に開示される従来技術が知られている。

0004

特許4930253号
特開2006−29901号公報

先行技術

0005

Panasonic Technical Journal Vol.58 No.1 Apr.2012,「民生用3軸角速度モーションセンサの開発」,佐々木、井、吉内、森仲、中、山崎

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1の従来技術では、AGC回路により振幅が制御される矩形波駆動信号振動子を駆動している。しかしながら、矩形波の駆動信号には高調波成分が多く含まれるため、この高調波成分が原因となって検出装置の検出性能を低下させてしまう。

0007

一方、非特許文献1の従来技術では、AGC回路の出力信号バンドパスフィルターに入力され、バンドパスフィルター処理後の信号を駆動信号として振動子に出力している。このようなバンドパスフィルター処理を行うことで、駆動周波数成分以外の高調波成分を除去できるため、高調波成分を要因とする検出装置の検出性能の低下をある程度抑制できる。しかしながら、歪みの少ない正弦波の駆動信号を、バンドパスフィルター処理により得るためには、狭帯域のバンドパスフィルターが必要となり、その設計が容易ではなく、駆動信号の高調波成分を十分に低減することが難しい。

0008

また特許文献2の従来技術では、振動子の第1の側面に2つの圧電素子を形成し、第1の側面と対向する第2の側面に発振回路の出力信号を入力する。そして、これらの2つの圧電素子の出力信号を加算回路にて加算し、加算出力信号を発振回路に入力することで、正弦波の駆動信号を得ている。しかしながら、この従来技術では、正弦波の駆動信号を得るために特殊な構造の振動子が必要になってしまう。また、特許文献1、2、非特許文献1のいずれにも、振動子の等価直列抵抗負性抵抗の関係を考慮した正弦波の駆動信号の設計思想については何ら開示されていない。

0009

本発明の幾つかの態様によれば、振動子の等価直列抵抗に応じた負性抵抗に設定することで正弦波駆動を可能にする検出装置、センサー、電子機器及び移動体等を提供できる。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または態様として実現することが可能である。

0011

本発明の一態様は、振動子からのフィードバック信号を受けて、前記振動子を駆動する駆動回路と、前記振動子からの検出信号を受けて、所望信号を検出する検出回路と、を含み、前記駆動回路は、前記フィードバック信号を受けて、電流電圧変換を行う電流−電圧変換回路と、前記電流−電圧変換回路による電流−電圧変換後入力電圧信号増幅して、正弦波の駆動信号を出力する駆動信号出力回路と、前記駆動信号出力回路での前記駆動信号の増幅のゲインを制御するゲイン制御回路と、を有し、前記電流−電圧変換回路の電流−電圧変換用の抵抗RIとし、前記駆動信号出力回路での前記駆動信号の増幅のゲインをKとし、前記振動子の基本波モードでの等価直列抵抗をRとした場合に、前記ゲイン制御回路は、K×RI=Rとなるようにゲイン制御を行う検出装置に関係する。

0012

本発明の一態様によれば、振動子からのフィードバック信号は、電流−電圧変換回路の電流−電圧変換用の抵抗により電流−電圧変換される。そしてゲイン制御回路のゲイン制御のもとで、駆動信号出力回路が電流−電圧変換後の入力電圧信号を増幅することで、駆動信号を振動子に出力する。この場合に本発明の一態様では、K×RI=Rとなるようにゲイン制御が行われるため、駆動回路側の負性抵抗を振動子の等価直列抵抗に応じた抵抗に設定できるようになる。これにより、正弦波の駆動信号による振動子の駆動が可能になり、検出装置の検出性能の向上等を図れる。

0013

また本発明の一態様では、前記駆動信号出力回路は、前記ゲイン制御回路からの制御電圧によってトランスコンダクタンスが設定されて、前記入電圧信号電流信号に変換するOTA(Operational Transconductance Amplifier)回路と、前記OTA回路からの前記電流信号の電流−電圧変換を行い、前記駆動信号を出力する第2の電流−電圧変換回路とを有してもよい。

0014

このようにすれば、制御電圧により設定されたトランスコンダクタンスで、入力電圧信号を電流信号に変換し、当該電流信号を電流−電圧変換した信号を、駆動信号として振動子に出力できるようになる。

0015

また本発明の一態様では、前記OTA回路は、前記ゲイン制御回路からの前記制御電圧を制御電流に変換する電圧電流変換回路と、前記制御電流により設定されるバイアス電流バイアス電流源に流れ、第1の差動入力端子アナログ基準電圧が入力され、第2の差動入力端子に前記入力電圧信号が入力され、前記電流信号を前記第2の電流−電圧変換回路に出力する差動部とを有してもよい。

0016

このようにすれば、制御電圧を制御電流に変換し、この制御電流に応じたバイアス電流を、差動部のバイアス電流源に流すことができる。これにより、制御電圧により設定されたトランスコンダクタンスで、入力電圧信号を電流信号に変換することが可能になる。

0017

また本発明の一態様では、前記ゲイン制御回路は、前記電流−電圧変換回路の電流−電圧変換後の信号の全波整流を行う全波整流器と、前記全波整流器による全波整流後の信号の積分処理を行う積分器と、を有し、前記電圧−電流変換回路は、前記積分器からの前記制御電圧を前記制御電流に変換してもよい。

0018

このようにすれば、電流−電圧変換後の信号の全波整流を行い、全波整流後の信号の積分処理を行うことで、制御電圧を生成し、この制御電圧によりOTA回路のトランスコンダクタンスを設定して、入力電圧信号を電流信号に変換できるようになる。

0019

また本発明の一態様では、前記駆動信号出力回路の前記入力電圧信号のピーク・ツー・ピーク電圧をVP1とし、前記駆動信号のピーク・ツー・ピーク電圧をVP2とし、前記ゲイン制御回路のAGC(Automatic Gain control)ループにより設定される前記振動子の駆動電流のピーク・ツー・ピーク電流をIDPとし、高電位側電源電圧VDD低電位側電源電圧VSS(GND)の電圧差をVDSとした場合に、VDS>VP2=K×VP1=IDP×Rであってもよい。

0020

このように、VDS>VP2=K×VP1=IDP×Rの関係が成り立つことで、駆動回路側の負性抵抗を振動子の等価直列抵抗に応じた抵抗に設定して、正弦波の駆動信号による振動子の駆動が可能になる。

0021

また本発明の一態様では、前記駆動信号出力回路は、前記入力電圧信号を受けて、矩形波信号を出力する矩形波信号出力回路を有し、前記駆動信号出力回路は、前記振動子の発振起動期間では、前記矩形波信号出力回路からの前記矩形波信号を、前記駆動信号として前記振動子に出力し、前記発振起動期間の完了後に、正弦波の前記駆動信号を出力してもよい。

0022

このようにすれば、発振起動期間では、矩形波信号出力回路からの矩形波信号を駆動信号として振動子に出力できるようになるため、発振起動期間を短縮化できる。そして発振起動期間の完了後には正弦波の駆動信号で振動子を駆動できるため、検出性能の向上等を図れる。

0023

また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の検出装置と、前記振動子とを含むセンサーに関係する。

0024

また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の検出装置を含む電子機器に関係する。

0025

また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の検出装置を含むことを移動体に関係する。

図面の簡単な説明

0026

本実施形態の電子機器、ジャイロセンサーの構成例。
本実施形態の検出装置の構成例。
図3(A)〜図3(C)は振動子の駆動回路の負性抵抗についての説明図。
図4(A)、図4(B)は振動子を正弦波駆動で発振させる手法の説明図。
図5(A)〜図5(D)も振動子を正弦波駆動で発振させる手法の説明図。
本実施形態の手法を実現する駆動回路の詳細な構成例。
比較例の駆動回路の構成例。
正弦波駆動による高調波成分の低減についての説明図。
OTA回路の詳細な構成例。
駆動回路の第1の変形例。
駆動回路の第2の変形例。
矩形波駆動と正弦波駆動の切替手法についての説明図。
検出回路の構成例。
図14(A)、図14(B)は検出回路の他の構成例。
移動体の一具体例としての自動車の構成を概略的に示す概念図。

実施例

0027

以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。例えば以下では、振動子が圧電型の振動子(振動ジャイロ)であり、センサーがジャイロセンサーである場合を例にとり説明するが、本発明はこれに限定されない。例えばシリコン基板などから形成された静電容量検出方式の振動子(振動ジャイロ)や、角速度情報と等価な物理量や角速度情報以外の物理量を検出するセンサー等にも本発明は適用可能である。

0028

1.電子機器、ジャイロセンサー
図1に本実施形態の検出装置20を含むジャイロセンサー510(広義にはセンサー)と、ジャイロセンサー510を含む電子機器500の構成例を示す。なお電子機器500、ジャイロセンサー510は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態の電子機器500としては、デジタルカメラ、ビデオカメラ、スマートフォン、携帯電話機カーナビゲーションシステムロボットゲーム機時計、健康器具、或いは携帯型情報端末等の種々の機器を想定できる。

0029

電子機器500はジャイロセンサー510と処理部520を含む。またメモリー530、操作部540、表示部550を含むことができる。処理部520(CPU、MPU等)はジャイロセンサー510等の制御や電子機器500の全体制御を行う。また処理部520は、ジャイロセンサー510により検出された角速度情報(広義には物理量)に基づいて処理を行う。例えば角速度情報に基づいて、手ぶれ補正、姿勢制御、GPS自律航法などのための処理を行う。メモリー530(ROM、RAM等)は、制御プログラムや各種データを記憶したり、ワーク領域やデータ格納領域として機能する。操作部540はユーザーが電子機器500を操作するためのものであり、表示部550は種々の情報をユーザーに表示する。

0030

ジャイロセンサー510(センサー)は振動子10、検出装置20を含む。図1の振動子10(広義には物理量トランスデューサー)は、水晶などの圧電材料薄板から形成される音叉型圧電振動子であり、駆動用振動子11、12と、検出用振動子16、17を有する。駆動用振動子11、12には駆動端子2、4が設けられ、検出用振動子16、17には検出端子6、8が設けられている。

0031

検出装置20が含む駆動回路30は、駆動信号(駆動電圧)を出力して振動子10を駆動する。そして振動子10からフィードバック信号を受け、これにより振動子10を励振させる。検出回路60は、駆動信号により駆動される振動子10から検出信号(検出電流電荷)を受け、検出信号から、振動子10に印加された物理量に応じた所望信号(コリオリ力信号)を検出(抽出)する。

0032

具体的には、駆動回路30からの交流の駆動信号(駆動電圧)が駆動用振動子11の駆動端子2に印加される。すると逆電圧効果によって駆動用振動子11が振動を開始し、音叉振動により駆動用振動子12も振動を開始する。この時、駆動用振動子12の圧電効果によって発生する電流(電荷)が、駆動端子4からフィードバック信号として駆動回路30にフィードバックされる。これにより振動子10を含む発振ループが形成される。

0033

駆動用振動子11、12が振動すると、検出用振動子16、17が図1に示す方向で振動速度vで振動する。すると、検出用振動子16、17の圧電効果によって発生する電流(電荷)が、検出信号(第1、第2の検出信号)として検出端子6、8から出力される。すると、検出回路60は、この振動子10からの検出信号を受け、コリオリ力に応じた信号である所望信号(所望波)を検出する。即ち、検出軸19を中心に振動子10(ジャイロセンサー)が回転すると、振動速度vの振動方向と直交する方向にコリオリ力Fcが発生する。例えば検出軸19を中心に回転したときの角速度をωとし、振動子の質量をmとし、振動子の振動速度をvとすると、コリオリ力はFc=2m・v・ωと表される。従って検出回路60が、コリオリ力に応じた信号である所望信号を検出することで、ジャイロセンサーの回転角速度ωを求めることができる。そして求められた角速度ωを用いることで、処理部520は、手振れ補正、姿勢制御、或いはGPS自律航法等のための種々の処理を行うことができる。

0034

なお図1では、振動子10が音叉型である場合の例を示しているが、本実施形態の振動子10はこのような構造に限定されない。例えばT字型ダブルT字型等であってもよい。また振動子10の圧電材料は水晶以外であってもよい。

0035

2.検出装置
図2に本実施形態の検出装置20の構成例を示す。検出装置20は、振動子10(物理量トランスデューサー)からのフィードバック信号DIを受けて、振動子10を駆動する駆動回路30と、振動子10からの検出信号IQ1、IQ2を受けて、所望信号を検出する検出回路60を含む。

0036

駆動回路30は、振動子10からのフィードバック信号DIが入力される増幅回路32と、自動ゲイン制御を行うゲイン制御回路40と、駆動信号DQを振動子10に出力する駆動信号出力回路50を含む。また同期信号SYCを検出回路60に出力する同期信号出力回路52を含む。なお、駆動回路30の構成は図2に限定されず、これらの構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。

0037

I/V変換回路32(電流−電圧変換回路)は、振動子10からのフィードバック信号DIを受けて、I/V変換(電流−電圧変換)を行う。例えば振動子10からの電流の信号DIを電圧の信号DVに変換して出力する。このI/V変換回路32(増幅回路)は、キャパシター抵抗素子演算増幅器などにより実現できる。

0038

駆動信号出力回路50(ゲインアンプ)は、I/V変換回路32によるI/V変換後(増幅後)の信号DVに基づいて駆動信号DQを出力する。例えば駆動信号出力回路50は、I/V変換後の信号DVを増幅して、正弦波の駆動信号DQを出力する。なおI/V変換回路32と駆動信号出力回路50の間に他の回路要素が設けられていてもよく、I/V変換後(増幅後)の信号DVは当該回路要素の出力信号であってもよい。

0039

ゲイン制御回路40は、駆動信号出力回路50(ゲインアンプ)での駆動信号DQの増幅のゲインを制御する。例えば駆動信号出力回路50に制御電圧DSを出力して、駆動信号DQの振幅を制御する。具体的には、ゲイン制御回路40は、信号DVを監視して、発振ループのゲインを制御する。例えば駆動回路30では、ジャイロセンサーの感度を一定に保つために、振動子10(駆動用振動子)に供給する駆動電圧の振幅を一定に保つ必要がある。このため、駆動振動系発振ループ内に、ゲインを自動調整するためのゲイン制御回路40が設けられる。ゲイン制御回路40は、振動子10からのフィードバック信号DIの振幅(振動子の振動速度v)が一定になるように、ゲインを可変に自動調整する。

0040

同期信号出力回路52は、I/V変換回路32によるI/V変換後の信号DVを受け、同期信号SYC(参照信号)を検出回路60に出力する。この同期信号出力回路52は、正弦波(交流)の信号DVの2値化処理を行って矩形波の同期信号SYCを生成するコンパレーターや、同期信号SYCの位相調整を行う位相調整回路移相器)などにより実現できる。

0041

検出回路60は、増幅回路61、同期検波回路81、A/D変換回路100を含む。増幅回路61は、振動子10からの第1、第2の検出信号IQ1、IQ2を受けて、信号増幅や電荷−電圧変換を行う。同期検波回路81は、駆動回路30からの同期信号SYCに基づいて同期検波を行う。A/D変換回路100は、同期検波後の信号のA/D変換を行う。なお検出回路60の構成としては、後述するように種々の方式の構成を採用することができる。これらについては後に詳述する。

0042

検出装置20は、制御部140を更に含むことができる。制御部140は、検出装置20の制御処理を行う。この制御部140は、ロジック回路ゲートアレイ等)やプロセッサー等により実現できる。検出装置20での各種のスイッチ制御モード設定等はこの制御部140により行われる。

0043

3.正弦波の駆動信号
本実施形態では駆動信号出力回路50が正弦波の駆動信号DQを出力して、振動子10を駆動している。具体的には、前述のようにゲイン制御回路40は、駆動信号出力回路50での駆動信号DQの増幅のゲインを制御している。そしてI/V変換回路32はI/V変換用の抵抗素子REを有する。例えばI/V変換回路32は、演算増幅器OPEと、演算増幅器OPEの出力ノード反転入力端子ノードとの間に設けられる帰還の抵抗素子REを有する。

0044

ここで、抵抗素子REの抵抗値であるI/V変換用(電流−電圧変換用)の抵抗をRIとする。また駆動信号出力回路50での駆動信号DQの増幅のゲインをKとする。また振動子10の基本波モードでの等価直列抵抗(等価直列抵抗値)をRとする。例えば振動子10は、図2に示すようにC、L、Rの等価回路で表され、その等価直列抵抗(共振抵抗)をRとする。

0045

この場合にゲイン制御回路40は、K×RI=Rとなるようにゲイン制御を行う。例えば、K×RI=Rの関係式で表されるゲインが目標ゲインとなるようにAGCループによるゲイン制御を行う。そして駆動信号出力回路50は、K×RI=Rの関係式が成り立つゲインで、I/V変換回路32によるI/V変換後の電圧信号DVを増幅して、駆動信号DQを出力する。こうすることで、駆動信号DQとして、矩形波信号ではなく、正弦波信号を振動子10に出力して駆動できるようになる。

0046

さて、振動子を発振させるためには、振動子が有する抵抗成分(及び振動子と回路の接続に起因する接触抵抗配線抵抗などの寄生抵抗)を、打ち消すのに十分な負性抵抗を、アクティブ回路により実現する必要がある。つまり、負性抵抗を実現する回路構成や負性抵抗の値の設定についての設計思想が重要となる。

0047

例えば振動子(水晶振動子)の電気的な等価回路は図3(A)に示すように表される。A1に示す等価直列抵抗R、等価直列インダクタンスL、等価直列容量Cは、機械的共振回路に相当する部分である。A2に示す容量C0の電気的要素は、アクティブ回路側の要素として、負性抵抗を考える。

0048

例えば図3(B)のようにインバーター回路IVを用いた通常の発振器の回路では、大きな電流を流す必要はなく、振動子が発振さえしてくればよい。この回路では、負性抵抗RNは下式(1)のように表すことができる。

0049

RN=−(CG×CD)/(Gm×C0) (1)
ここでCG、CDは、インバーター回路IVのゲートドレイン寄生容量でありGmはトランスコンダクタンスである。

0050

一方、図3(C)に示すようにジャイロセンサーの回路では、検出感度を稼ぐために大きく振動子を振動させる必要があるため、大きな駆動電流IDを流す必要がある。この回路では、負性抵抗RNは下式(2)のように表すことができる。

0051

RN=−K×RI(2)
ここで、Kは、駆動信号出力回路50での信号増幅のゲインであり、RIは、I/V変換用の抵抗(例えば抵抗素子REの抵抗値)である。

0052

次に負性抵抗RNをどのような値に設定すればよいかについて考察する。図4(A)の等価回路において、インピーダンス最小点である共振点は、図4(A)のC1に示す式で表すことができる。ここでC、L、Rは、振動子の等価直列容量、等価直列インダクタンス、等価直列抵抗である。

0053

このため、R+RN>0の場合には、図4(B)のD1に示すように共振点はS平面の左半面に位置することになる。この場合には、時間経過とともに発振の振幅は減少する。従って、やがて発振は停止することになる。

0054

一方、R+RN=0の場合には、図4(B)のD2に示すように共振点はS平面の虚軸上に位置し、周波数はωs=1/(L×C)1/2と表され、一定の振幅の発振となる。そして、この場合は発振は持続する。

0055

また、R+RN<0の場合には、図4(B)のD3に示すように共振点はS平面の右半面に位置し、時間経過とともに発振の振幅は増大する。この場合も発振は持続する。

0056

そして図5(A)において、I/V変換回路32の出力信号DVは、入力電流(駆動電流)をIDとした場合に、DV=−RI×IDと表される。そしてこの信号DVが、ゲインKで信号を増幅する駆動信号出力回路50により増幅されるため、駆動信号はDQ=−K×DV=K×RI×IDとなる。

0057

ここで図4(B)のD1のようにR+RN>0の場合には、図5(B)に示すように駆動信号DQは、その振幅が信号DVよりも小さくなり、発振は停止する。

0058

また、図4(B)のD2のようにR+RN=0の場合には、図5(C)に示すように駆動信号DQは、その振幅が信号DVよりも大きくなり、且つ正弦波の信号となり、発振は継続する。

0059

一方、図4(B)のD3のようにR+RN<0の場合には、図5(D)に示すように駆動信号DQは、その振幅が、高電位側電源電圧VDD〜低電位側電源電圧VSS(GND)の電圧範囲を越えてしまい、矩形波の信号になってしまう。この場合にも発振自体は継続する。

0060

しかしながら、図5(D)のように駆動信号DQが矩形波信号になってしまうと、後述するように矩形波信号には高調波成分が多く含まれるため、この高調波成分が原因となって検出装置の検出性能を低下させてしまう。

0061

一方、図5(B)のようにR+RN>0の場合には、駆動信号DQの振幅が小さくなってしまい、発振が継続せずに停止してしまう。

0062

そこで本実施形態では、図2に示すように、I/V変換用の抵抗をRIとし、駆動信号出力回路50でのゲインをKとし、振動子10の等価直列抵抗(寄生抵抗を含む)をRとした場合に、ゲイン制御回路40は、K×RI=Rの関係式が成り立つようゲイン制御を行う。つまりK×RI=Rの関係になることを目標とするゲイン制御が行われる。なおK×RI=Rは目標となるものであり、厳密にK×RI=Rとなることは必ずしも必要ではない。

0063

ここで上述の式(2)に示すように、本実施形態のような駆動回路30においては、負性抵抗についてRN=−K×RIの関係式が成り立つ。従って、K×RI=Rとなるようにゲイン制御が行われることで、R+RN=K×RI+(−K×RI)=0が成立するようになる。従って、図5(C)に示すような正弦波による振動子10の駆動が可能になる。

0064

つまり、K×RI=Rとなるように設定されたゲイン制御が行われると、R+RN=0の関係が成り立つため、図4(B)のD2に示すように共振点がS平面の虚軸上に位置するようになる。

0065

そして例えば、共振点が図4(B)のD1に示すようにS平面の左半面側に移動して、図5(B)のように駆動信号DQの振幅が小さくなるような状況になると、ゲイン制御回路40のAGCループが働いて、共振点を虚軸上に戻すゲイン制御が行われる。これにより、駆動信号DQの振幅が小さくなって発振が停止してしまう事態の発生を抑制できる。

0066

一方、共振点が図4(B)のD3に示すようにS平面の右半面側に移動して、図5(D)のように駆動信号DQが矩形信号になるような状況になると、ゲイン制御回路40のAGCループが働いて、共振点を虚軸上に戻すゲイン制御が行われる。これにより、駆動信号DQが矩形信号になってしまい検出性能が低下してしまう事態の発生を抑制できる。

0067

例えば、従来では、振動子10の駆動電流を一定にすることだけを目的として、AGCループによるゲイン制御を行っていた。この場合に、ゲインKが小さいと、図5(B)に示すように駆動信号DQの振幅が小さくなって発振が停止してしまうため、ゲインKを、なるべく大きくするという設計手法回路設計を行っていた。

0068

ところが、この設計手法では、ゲインKが大きな値に設定されることで、負性抵抗RN(=−K×RI)の絶対値も大きくなってしまうため、R+RN<0の関係が成り立つようになってしまう。従って、結果的に、図5(D)に示すような矩形波駆動となってしまい、高調波成分の発生により検出性能が低下してしまう事態の発生を招いていた。

0069

この点、本願の発明者は、図5(A)のI/V変換用の抵抗RIと駆動信号出力回路50のゲインKとの関係に着目した。そしてK×RI=RとなるAGCループによるゲイン制御を行うことで、図5(C)に示すような正弦波の駆動信号DQによる振動子10の駆動が可能になることを見い出した。

0070

即ち、単に振動子10の駆動電流を一定にするという目的だけではなくて、K×RI=Rを成立させるための回路として、AGCループを有するゲイン制御回路40を利用する。こうすることで、図4(B)のD2に示すようにS平面の虚軸上に共振点が位置するようにAGCループによるゲイン制御が働くようになり、発振が停止してしまったり、駆動信号DQが矩形波信号になってしまう事態の発生が抑制される。この結果、正弦波の駆動信号DQによる振動子10の駆動が可能になり、検出装置の検出性能等を向上させることに成功している。

0071

4.駆動回路の詳細な構成例
図6に、本実施形態の手法を実現する駆動回路30の詳細な構成例を示す。

0072

図6において、I/V変換回路32は、ローパスフィルター特性をもつ積分型の電流−電圧変換回路であり、演算増幅器OPE、キャパシターCE、抵抗素子REを有する。ここでは、この抵抗素子REの抵抗値が電流−電圧変換用の抵抗RIとなる。演算増幅器OPEの非反転入力端子(第1の入力端子)は所定電位(例えばAGND)に設定され、反転入力端子(第2の入力端子)には振動子10からの信号DIが入力される。キャパシターCE及び抵抗素子REは、I/V変換回路32の出力ノードと演算増幅器OPEの反転入力端子のノードとの間に設けられる。

0073

ゲイン制御回路40(AGC)は、発振定常状態において、ループゲインが1になるようにゲインを自動調整する回路であり、全波整流器42、積分器44を有する。なお、ゲイン制御回路40に、発振状態を検出する発振検出器等を含ませてもよい。

0074

全波整流器42は、I/V変換回路32のI/V変換後の信号DVを全波整流し、全波整流後の信号DRを積分器44に出力する。全波整流器42は、演算増幅器OPF、抵抗素子RF1、RF2、コンパレーターCP3、スイッチ素子SF1、SF2、インバーター回路INVを有する。

0075

抵抗素子RF1は、信号DVの入力ノードと演算増幅器OPFの反転入力端子のノードとの間に設けられ、抵抗素子RF2は、演算増幅器OPFの出力ノードと反転入力端子のノードとの間に設けられる。

0076

スイッチ素子SF1は、演算増幅器OPFの出力ノードと積分器44の入力ノードとの間に設けられ、スイッチ素子SF2は、信号DVのノードと積分器44の入力ノードとの間に設けられる。そしてスイッチ素子SF1、SF2は、信号DVの電圧と所定電位の電圧とを比較するコンパレーターCP3の出力信号に基づいて、排他的にオンオフ制御される。これにより信号DRは、信号DVを全波整流した信号になる。

0077

積分器44は、駆動信号DQの振幅の制御電圧DSを駆動信号出力回路50に出力する。具体的には積分器44は、全波整流器42により全波整流された信号DRの積分処理を行って、積分処理により得られた制御電圧DSを駆動信号出力回路50に出力する。

0078

積分器44は、演算増幅器OPG、抵抗素子RG、キャパシターCGを有する。キャパシターCGは、演算増幅器OPGの出力ノードと演算増幅器OPGの反転入力端子のノードとの間に設けられる。演算増幅器OPGの非反転入力端子は所定電圧VR3に設定される。抵抗素子RGは、積分器44の入力ノードと演算増幅器OPGの反転入力端子のノードとの間に設けられる。

0079

そして本実施形態では駆動信号出力回路50が、OTA(Operational Transconductance Amplifier)回路36とI/V変換回路39(第2の電流−電圧変換回路)を有する。なお、駆動信号出力回路50の入力段側には、ハイパスフィルター34が設けられている。このハイパスフィルター34は、抵抗素子RHとキャパシターCHを有する。なお、ハイパスフィルター34の構成を省略したり、ハイパスフィルター34の代わりにローパスフィルターなどを設けるなどの種々の変形実施が可能である。

0080

OTA回路36は、ゲイン制御回路40からの制御電圧DSと、I/V変換回路32によるI/V変換後の入力電圧信号DV(ハイパスフィルター処理後の信号)を受ける。そしてOTA回路36は、例えば制御電圧DSによってトランスコンダクタンス(Gm)が設定されて、入力電圧信号DVを電流信号DAに変換する。I/V変換回路39は、OTA回路36からの電流信号DAのI/V変換(電流−電圧変換)を行い、駆動信号DQを出力する。

0081

なお、I/V変換回路39の出力信号をバッファ回路によりバッファリングして、駆動信号DQの振幅を増幅して振動子10に出力するようにしてもよい。このようなバッファ回路を設けた場合には、K×RI=Rの関係式におけるゲインKは、駆動信号出力回路50の信号増幅のゲインとバッファ回路の振幅増幅のゲインの両方を合わせたものになる。

0082

OTA回路36は例えば入力電圧に比例(略比例)した電流を出力する回路であり、OTA回路36でのトランスコンダクタンスをGmとした場合に、Gmを比例定数として入力電圧信号DVを電流信号DAを変換する。そしてOTA回路36のトランスコンダクタンスGmは、積分器44からの制御電圧DSにより設定されるため、OTA回路36は、制御電圧DSに応じたトランスコンダクタンスGmで入力電圧信号DVを電流信号DAを変換することになる。そして、I/V変換回路39(IV2)は、OTA回路36からの電流信号DAを電圧信号に変換して、駆動信号DQとして出力する。従って、結局、駆動信号出力回路50は、制御電圧DSに応じたゲインで入力電圧信号DVを増幅して、駆動信号DQを出力することになる。

0083

さて、図6では、I/V変換用の抵抗はRI=40KΩに設定されている。この抵抗RIは、図6ではI/V変換回路32の帰還用の抵抗素子REの抵抗値である。またハイパスフィルター34のゲインは1倍である。従って、入力電流信号であるフィードバック信号DIのピーク・ツー・ピーク電流を5μAppとした場合に、駆動信号出力回路50の入力電圧信号DVのピーク・ツー・ピーク電圧は、VP1=5μApp×40KΩ=0.2Vppとなる。つまり、AGND(アナログ基準電圧)を中心電圧として、ピーク・ツー・ピーク電圧がVP1=0.2Vppの正弦波の入力電圧信号DVが、駆動信号出力回路50に入力される。

0084

そして駆動信号出力回路50でのゲイン(OTA回路36とI/V変換回路39とハイパスフィルター34によるゲイン)はK=5倍となる。従って、駆動信号出力回路50は、ピーク・ツー・ピーク電圧がVP2=VP1×K=0.2Vpp×5=1.00Vppとなる正弦波信号を、駆動信号DQとして出力することになる。

0085

一方、振動子10の駆動電流のピーク・ツー・ピーク電流はIDR=5μAに設定されており、振動子10の等価直列抵抗はR=200KΩとなっている。従って、駆動電流の観点からは、駆動信号DQのピーク・ツー・ピーク電圧はVP2=5μA×200KΩ=1.00Vppとなる。これは、ゲインK=5倍から求められた上述のVP2=VP1×K=0.2Vpp×5=1.00Vppと一致する。

0086

このように図6では、入力電圧信号DVのピーク・ツー・ピーク電圧をVP1とし、駆動信号DQのピーク・ツー・ピーク電圧をVP2とし、ゲイン制御回路40のAGCループにより設定される振動子10の駆動電流のピーク・ツー・ピーク電流をIDPとした場合に、VP2=K×VP1=IDP×Rの関係が成り立っている。これは、前述したK×RI=R、R+RN=0の関係が成立していることを意味している。例えばK=5倍、RI=40KΩ、R=200KΩであり、K×RI=5×40KΩ=Rが成り立っている。従って、図4(B)のD2や図5(C)で説明した適正な正弦波駆動を実現できるようになる。

0087

また図6では、高電位側電源電圧VDDと低電位側電源電圧VSS(GND)の電圧差をVDSとした場合に、VDS>VP2=K×VP1=IDP×Rの関係が成り立っている。これは、駆動信号DQは、その振幅がVDD〜VSSの電圧差VDSを越えるような矩形波信号ではなく、その振幅が電圧差VDSを越えない正弦波信号であることを意味している。

0088

図7に本実施形態の比較例の駆動回路の構成を示す。この駆動回路では、駆動信号出力回路50がコンパレーターCP1により構成されており、矩形波の駆動信号DQを出力する。

0089

そして図7の構成では、図8に示す駆動信号DQのスペクトラム図周波数特性に示すように、B1に示すような高調波成分が現れるため、検出装置の検出性能が低下する。これに対して本実施形態の駆動回路30によれば、図8のB2に示すような周波数特性になり、図7の構成に比べて、高調波成分が低減されて、検出装置の検出性能を向上できる。

0090

図9にOTA回路36の具体的な構成例を示す。このOTA回路36は、V/I変換回路37(電圧−電流変換回路)、差動部38を有する。なおOTA回路36の構成は図9に限定されず、種々の変形実施が可能である。

0091

V/I変換回路37は、ゲイン制御回路40からの制御電圧DSを制御電流IDSに変換する。このV/I変換回路37は、トランジスターTA1、TA2、TA3、TA4と抵抗素子RAにより構成される。P型のトランジスターTA1、TA2は、そのゲートが共通接続される。N型のトランジスターTA3は、そのドレインがトランジスターTA1のドレインに接続され、そのゲートに制御電圧DSが入力され、そのソースが抵抗素子RAの一端に接続される。N型のトランジスターTA4は、そのドレイン及びゲートがトランジスターTA2のドレインに接続される。

0092

差動部38は、制御電流IDSにより設定されるバイアス電流IBSがバイアス電流源(TA9)に流れ、第1の差動入力端子(反転入力端子)に、AGND(アナログ基準電圧)が入力され、第2の差動入力端子(非反転入力端子)に、入力電圧信号DVが入力される。そして電流信号DAをI/V変換回路39(第2の電流−電圧変換回路)に出力する。

0093

差動部38は、トランジスターTA5、TA6、TA7、TA8、TA9により構成される。P型のトランジスターTA5、TA6は、そのゲートが共通接続される。N型のトランジスターTA7は、そのドレインがトランジスターTA5のドレインに接続され、そのゲートにAGNDが入力され、そのソースがトランジスターTA9のドレインに接続される。N型のトランジスターTA8は、そのドレインがトランジスターTA6のドレインに接続され、そのゲートに入力電圧信号DVが入力され、そのソースがトランジスターTA9のドレインに接続される。N型のトランジスターTA9は、バイアス電流源となるトランジスターであり、そのゲートが、V/I変換回路37のトランジスターTA4のゲートと共通接続される。トランジスターTA9に流れるバイアス電流IBSは、V/I変換回路37により生成される制御電流IDSをカレントミラーした電流となる。

0094

図9では、制御電圧DS=0.9Vである場合には、トランジスターTA3のソース電圧は0.5V程度になるため、抵抗RAには10μAの電流が流れる。従って、制御電流としてIDS=10μAの電流が流れるようになる。この制御電流IDSにより、差動部38には、バイアス電流としてIBS=10μAの電流が流れるようになる。そして、このようにバイアス電流IBSを設定することで、OTA回路36は、±5μAの正弦波の電流信号DAを出力できるようになる。

0095

一方、図6に示すように、AGND=0.9Vであり、入力電圧信号DVは、AGNDを中心電圧とするピーク・ツー・ピーク電圧がVP1=0.2Vppの信号となり、±0.1Vの正弦波の電圧信号となる。従って、トランスコンダクタンスGmは、5μA/(Vinp−Vinm)=5μA/0.1V=50μSに設定されることになる。

0096

図9の構成では、積分器44からの制御電圧DSにより制御電流IDSが設定されて、差動部38に流れるバイアス電流IBSが設定される。そして、このバイアス電流IBSにより、OTA回路36のトランスコンダクタスGmが設定される。即ち、制御電圧DSが増減すると、制御電流IDS、バイアス電流IBSも増減して、トランスコンダクタスGmも増減する。そしてOTA回路36は、このように制御電圧DSによって設定されるトランスコンダクタンスGmで、入力電圧信号DVを電流信号DAに変換する。そしてI/V変換回路39は、この電流信号DAのI/V変換を行って、駆動信号DQを出力する。こうすることで、制御電圧DSによってその振幅(ピーク・ツー・ピーク電圧)がAGC制御される正弦波の駆動信号DQを、振動子10に出力できるようになる。

0097

5.変形例
次に駆動回路30の種々の変形例について説明する。図10は駆動回路30の第1の変形例である。図6の構成と図10の第1の変形例の相違点は以下の通りである。

0098

まず、図6では抵抗素子REの抵抗RIが40KΩであったのに対して、図10では、抵抗RIが160KΩになっている。また、図10では、駆動信号出力回路50の入力段側に反転増幅回路33が更に設けられている。

0099

図10では、抵抗素子REの抵抗RIが160KΩになっているため、信号DVのピーク・ツー・ピーク電圧はVP1=5μApp×160KΩ=0.8Vppとなり、図6のピーク・ツー・ピーク電圧VP1=0.2Vppよりも大きくなっている。

0100

一方、図10では、駆動信号出力回路50に反転増幅回路33(AMP)が設けられており、この反転増幅回路33のゲインは、RJ2/RJ1=50KΩ/200KΩ=0.25となる。従って、駆動信号出力回路50のゲインは、K=0.25×5=1.25となる。従って、図10の場合においても、K×RI=1.25×160KΩ=200KΩ=Rの関係式が成り立つため、図4(B)のD2や図5(C)で説明した適正な正弦波駆動を実現できるようになる。

0101

図11は駆動回路30の第2の変形例である。図11の第2の変形例では、図6の構成例に対して、発振検出器46、種回路35、矩形波信号出力回路54が更に設けられている。

0102

発振検出器46(スタートアップ判定回路)は発振を検出する回路であり、発振ループが発振状態になったか否かを検出する。具体的には発振検出器46は、全波整流器42の全波整流後の信号DRに基づいて発振状態か否かを判断して、発振の検出信号SWを出力する。この発振検出器46により、発振起動期間が完了したか否かを判定できる。

0103

発振検出器46は、コンパレーターCPL、スイッチ素子SL1、SL2、抵抗素子RL、キャパシターCLを有する。抵抗素子RL、キャパシターCLによりローパスフィルターが構成され、全波整流後の信号DRをローパスフィルターにより平滑化した電圧VLPFが、コンパレーターCPLの反転入力端子に入力される。そして電源投入後の初期状態では検出信号SWがHレベルとなっているため、スイッチ素子SL1がオンになり、スイッチ素子SL2がオフになる。従って、コンパレーターCPLの非反転入力端子には、低電位の基準電圧VRLが入力され、コンパレーターCPLは、この基準電圧VRLと、全波整流後の信号DRにより得られる電圧VLPFとの比較を行う。

0104

発振起動課程において、振動子10の発振が成長すると、それにつれて電圧VLPFが上昇する。そして、電圧VLPFが基準電圧VRLを越えると、検出信号SWがHレベルからLレベルになり、スイッチ素子SL1がオフになり、スイッチ素子SL2がオンになる。これによりコンパレーターCPLの非反転入力端子には、高電位の基準電圧VRH(>VRL)が入力されるため、検出信号SWのLレベルが維持される。

0105

種回路35は、スイッチ素子SI1、SI2を有する。例えばハイパスフィルター34は、I/V変換回路32のDCオフセット電圧等の悪影響を抑制するために設けられているが、このハイパスフィルター34を設けた場合には、発振の種を生成するための種回路35が必要になる。そして電源投入後の初期状態では、発振検出器46の検出信号SWがHレベルになっているため、スイッチ素子SI1がオンになり、スイッチ素子SI2がオフになる。従って、別に設けられた発振器OSCからの発振信号がスイッチ素子SI1、抵抗素子RHを介して、OTA回路36の非反転入力端子に入力され、これにより発振の種を形成して、発振を成長させることが可能になる。そして発振起動期間が完了して、検出信号SWがLレベルになると、スイッチ素子SI1がオフになり、スイッチ素子SI2がオンになる。これにより、発振器OSCからの発振信号はOTA回路36の非反転入力端子に入力されないようになる。

0106

そして本実施形態では、駆動信号出力回路50は、入力電圧信号DVを受けて、矩形波信号を出力する矩形波信号出力回路54を有する。この矩形波信号出力回路54は、非反転入力端子にAGNDが入力され、反転入力端子に入力電圧信号DVが入力されるコンパレーターCPMにより実現される。

0107

そして駆動信号出力回路50は、振動子10の発振起動期間では、図11に示すように、矩形波信号出力回路54からの矩形波信号を、駆動信号DQとして振動子10に出力する。そして発振起動期間の完了後に、正弦波の駆動信号DQを振動子10に出力する。即ち、発振起動期間が完了して発振定常状態になると、駆動信号出力回路50は正弦波の駆動信号DQを出力する。

0108

具体的には、矩形波信号出力回路54のコンパレーターCPMとOTA回路36は、発振検出器46からの検出信号SWによりその動作イネーブル状態ディスエーブル状態が設定される。そして発振起動期間では、スイッチ信号SWがHレベルとなり、コンパレーターCPMが動作イネーブル状態に設定され、OTA回路36が動作ディスエーブル状態に設定される。これにより駆動信号出力回路50からは、コンパレーターCPMにより生成される矩形波の駆動信号DQが出力されるようになる。

0109

一方、発振起動期間が完了すると、スイッチ信号SWがLレベルとなり、コンパレーターCPMが動作ディスエーブル状態に設定され、OTA回路36が動作イネーブル状態に設定される。これにより駆動信号出力回路50からは、OTA回路36及びI/V変換回路39により生成される正弦波の駆動信号DQが出力されるようになる。

0110

例えば正弦波の駆動信号DQによる振動子10の駆動では、図8に示すように高調波成分を低減して検出性能を向上できるものの、発振の成長が非常に遅くなってしまうという問題がある。

0111

この点、図11の構成では、発振起動期間では、駆動信号出力回路50からは、コンパレーターCPMが生成する矩形波の駆動信号が出力されるため、発振の成長を速くすること可能になり、早期に発振起動期間を完了できるようになる。

0112

そして発振検出器46の検出により発振期間が完了したと判断されると、駆動信号出力回路50からは、OTA回路36及びI/V変換回路39により生成される正弦波の駆動信号DQが出力されるようになる。従って、図8に示すように高調波成分を低減して検出性能できるようになり、発振起動期間の短縮化と検出性能の向上とを両立して実現することが可能になる。

0113

6.検出回路
図13に検出回路60の詳細な構成例を示す。図13は全差動スイッチグミキサー方式の検出回路60の例である。

0114

図13に示すように、全差動スイッチングミキサー方式の検出回路60は、第1、第2のQ/V変換回路62、64、第1、第2のゲイン調整アンプ72、74、スイッチングミキサー80、第1、第2のフィルター92、94、A/D変換回路100、DSP部110(デジタル信号処理部)を含む。

0115

Q/V変換回路62、64(電荷−電圧変換回路)には振動子10からの差動の第1、第2の検出信号IQ1、IQ2が入力される。そしてQ/V変換回路62、64は振動子10で発生した電荷(電流)を電圧に変換する。

0116

ゲイン調整アンプ72、74は、Q/V変換回路62、64の出力信号QA1、QA2をゲイン調整して増幅する。ゲイン調整アンプ72、74は、いわゆるプログラマブルゲインアンプであり、制御部140により設定されたゲインで信号QA1、QA2を増幅する。例えばA/D変換回路100の電圧変換範囲に適合する振幅の信号に増幅する。

0117

スイッチングミキサー80は、駆動回路30からの同期信号SYCに基づいて差動の同期検波を行うミキサーである。具体的にはスイッチングミキサー80では、ゲイン調整アンプ72の出力信号QB1が第1の入力ノードNI1に入力され、ゲイン調整アンプ74の出力信号QB2が第2の入力ノードNI2に入力される。そして駆動回路30からの同期信号SYCにより差動の同期検波を行って、差動の第1、第2の出力信号QC1、QC2を第1、第2の出力ノードNQ1、NQ2に出力する。このスイッチングミキサー80により、前段の回路(Q/V変換回路、ゲイン調整アンプ)が発生したノイズ(1/fノイズ)などの不要信号高周波帯域周波数変換される。また、コリオリ力に応じた信号である所望信号が直流信号に落とし込まれる。

0118

フィルター92には、スイッチングミキサー80の第1の出力ノードNQ1からの第1の出力信号QC1が入力される。フィルター94には、スイッチングミキサー80の第2の出力ノードNQ2からの第2の出力信号QC2が入力される。これらのフィルター92、94は、例えば不要信号を除去(減衰)して所望信号を通過させる周波数特性を有するローパスフィルターである。例えばスイッチングミキサー80により高周波帯域に周波数変換された1/fノイズ等の不要信号は、フィルター92、94により除去される。またフィルター92、94は、演算増幅器を用いずに、抵抗素子やキャパシターなどのパッシブ素子で構成されるパッシブフィルターである。

0119

A/D変換回路100は、フィルター92からの出力信号QD1とフィルター94からの出力信号QD2を受けて、差動のA/D変換を行う。具体的には、A/D変換回路100は、フィルター92、94をアンチエイリアシング用のフィルター(前置きフィルター)として、出力信号QD1、QD2のサンプリングを行ってA/D変換を行う。そして本実施形態では、フィルター92からの出力信号QD1及びフィルター94からの出力信号QD2は、アクティブ素子を介さずにA/D変換回路100に入力される。A/D変換回路100としては、例えばΔシグマ型逐次比較型などの種々の方式のA/D変換回路を採用できる。Δシグマ型を採用する場合には、例えば1/fノイズ低減のためのCDS(Correlated double sampling)やチョッパーの機能などを有し、例えば2次のΔシグマ変調器などにより構成されるA/D変換回路を用いることができる。

0120

DSP(Digital Signal Processing)部110は、各種のデジタル信号処理を行う。例えばDSP部110は、例えば所望信号のアプリケーションに応じた帯域制限デジタルフィルター処理や、A/D変換回路100等により発生したノイズを除去するデジタルフィルター処理を行う。また、ゲイン補正感度調整)、オフセット補正などのデジタル補正処理を行う。

0121

図13の検出回路60では、全差動スイッチングミキサー方式を採用している。即ち、振動子10からの差動の検出信号IQ1、IQ2は、Q/V変換回路62、64、ゲイン調整アンプ72、74により信号増幅やゲイン調整が行われて、差動の信号QB1、QB2としてスイッチングミキサー80に入力される。そして、これらの差動の信号QB1、QB2に対して、スイッチングミキサー80により、不要信号が高周波帯域に周波数変換される同期検波処理が行われる。そして、フィルター92、94により、高周波帯域に周波数変換された不要信号が除去されて、差動の信号QD1、QD2としてA/D変換回路100に入力されて、差動のA/D変換が行われる。

0122

このような全差動スイッチングミキサー方式の検出回路60によれば、Q/V変換回路62、64やゲイン調整アンプ72、74で発生した1/fノイズ等は、スイッチングミキサー80での周波数変換とフィルター92、94によるローパスフィルター特性により除去される。そしてゲイン調整アンプ72、74とAD変換回路100の間には、ゲインは稼げないが発生ノイズが少ない(1/fノイズが発生しない)スイッチングミキサー80や、低ノイズのパッシブ素子により構成されるフィルター92、94が設けられる構成となっている。従って、Q/V変換回路62、64やゲイン調整アンプ72、74で発生したノイズが除去されると共に、スイッチングミキサー80やフィルター92、94が発生するノイズも最小限に抑えられるため、低ノイズの状態の信号QD1、QD2をA/D変換回路100に入力して、A/D変換できるようになる。しかも、信号QD1、QD2を差動信号としてA/D変換できるため、シングルエンドの信号でA/D変換する場合に比べて、S/N比を更に向上できるようになる。

0123

なお本実施形態の検出回路60は、図13に示す全差動スイッチングミキサー方式には限定されない。例えば図14(A)に示すダイレクトサンプリング方式や、図14(B)に示すアナログ同期検波方式などの種々の方式の検出回路60を採用できる。

0124

図14(A)のダイレクトサンプリング方式の検出回路60は、離散型Q/V変換回路260、A/D変換回路270、DSP部280を有する。このダイレクトサンプリング方式は、回路の小規模化という意味において優位な構成となる。但し、A/D変換回路270の前段にアンチエイリアシング用のフィルターがないため、折り返し雑音による性能劣化は避けられないという課題がある。これに対して図13の全差動スイッチングミキサー方式では、Q/V変換回路62、64は、帰還抵抗素子を有する連続型の電荷−電圧変換回路となっているため、ダイレクトサンプリング方式で生じる折り返し雑音による性能劣化の問題を防止でき、小規模の回路構成で低ノイズでの検出処理を実現できるという利点がある。

0125

図14(B)のアナログ同期検波方式の検出回路60は、Q/V変換回路362、364、差動増幅回路366、ハイパスフィルター367、ACアンプ368、オフセット調整回路370、同期検波回路380、ローパスフィルター382、ゲイン調整アンプ384、DCアンプ386、SCF388(スイッチトキャパシターフィルター)を有する。また、例えば検出装置の外付けの回路として、A/D変換回路390やDSP部392(デジタルフィルター)が設けられている。

0126

このアナログ同期検波方式では、例えば検出回路60での信号のゲインを大きくとることで、ノイズ特性を向上できるという利点がある。但し、回路ブロック数が多くなり、回路が大規模化したり、電流を多く消費するアナログの回路ブロックが多いため、消費電力が過大になってしまうという課題がある。これに対して図13の全差動スイッチングミキサー方式は、アナログ同期検波方式に比べて回路ブロック数が少なく、回路の小規模化や消費電力の低減化を容易に実現できるという利点がある。また全差動スイッチングミキサー方式では、振動子10からの差動の信号IQ1、IQ2は、差動信号の状態のままで、ゲイン調整、同期検波処理、フィルター処理が行われ、A/D変換回路100に入力されてA/D変換が行われる。このため、シングルエンド信号の状態でフィルター処理、同期検波処理、ゲイン調整処理等が行われるアナログ同期検波方式に比べて、ノイズ低減の点で有利な構成となる。

0127

なお、本実施形態のジャイロセンサー510(センサー)は、例えば、車、飛行機、バイク自転車、或いは船舶等の種々の移動体に組み込むことができる。移動体は、例えばエンジンモーター等の駆動機構ハンドル等の操舵機構、各種の電子機器を備えて、地上や空や海上を移動する機器・装置である。

0128

図15は移動体の一具体例としての自動車206を概略的に示す。自動車206には振動子10及び検出装置20を有するジャイロセンサー510が組み込まれる。ジャイロセンサー510は車体207の姿勢を検出することができる。ジャイロセンサー510の検出信号は車体姿勢制御装置208に供給されることができる。車体姿勢制御装置208は例えば車体207の姿勢に応じてサスペンション硬軟を制御したり個々の車輪209のブレーキを制御したりすることができる。その他、こういった姿勢制御は二足歩行ロボット航空機ヘリコプター等の各種移動体で利用されることができる。姿勢制御の実現にあたってジャイロセンサー510は組み込まれることができる。

0129

なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(センサー、物理量トランスデューサー、物理量等)と共に記載された用語(ジャイロセンサー、振動子、角速度情報等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、検出装置やセンサーや電子機器や移動体の構成、振動子の構造等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。

0130

OPE、OPF、OPG、OPJ、OPK演算増幅器、
CP1、CP3、CPL、CPMコンパレーター、
CE、CG、CH、CL、CKキャパシター、
RE、RF1、RF2、RG、RH、RJ1、RJ2、RK抵抗素子、
SF1、SF2、SL1、SL2、SI1、SI2スイッチ素子、
TA1〜TA9トランジスター、
10振動子、20検出装置、30駆動回路、
32 I/V変換回路(電流−電圧変換回路)、33反転増幅回路、
34ハイパスフィルター、35種回路、36OTA回路、
37 V/I変換回路(電圧−電流変換回路)、38 差動部、
39 I/V変換回路(第2の電流−電圧変換回路)、40ゲイン制御回路、
42全波整流器、44積分器、46発振検出器、
50駆動信号出力回路、52同期信号出力回路、54矩形波信号出力回路、
60検出回路、61増幅回路、62、64 Q/V変換回路、
72、74ゲイン調整アンプ、80スイッチングミキサー、81同期検波回路、
92、94フィルター、100 A/D変換回路、110 DSP部、140 制御部、
206 移動体(自動車)、207 車体、208車体姿勢制御装置、209車輪、
260離散型Q/V変換回路、270 A/D変換回路、280 DSP部、
362、364 Q/V変換回路、366差動増幅回路、
367 ハイパスフィルター、368 ACアンプ、370オフセット調整回路、
380 同期検波回路、382ローパスフィルター、384 ゲイン調整アンプ、
386DCアンプ、388 SCF、390 A/D変換回路、392 DSP部、
500電子機器、510ジャイロセンサー、520 処理部、530メモリー、
540 操作部、550 表示部

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