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技術 しみ防止布帛および繊維製品

出願人 帝人フロンティア株式会社
発明者 原毛孝徳尾形暢亮
出願日 2013年10月31日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2013-226764
公開日 2015年5月7日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2015-086489
状態 特許登録済
技術分野 糸;糸またはロープの機械的な仕上げ 繊維製品への有機化合物の付着処理 編地 衣服の材料 織物
主要キーワード 水陸両用 占有比率 繊維種類 他方表面 織物布 単糸繊維径 ハーフベース 重量対比
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年5月7日)のものです。
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図面 (8)

課題

吸水性撥水性とを兼ね備え、じみなどのしみを防止する効果を有し、しかもこれらの洗濯耐久性に優れたしみ防止布帛、および該しみ防止布帛を用いてなる繊維製品を提供すること。

解決手段

撥水性のない繊維Aと撥水性のある繊維Bとを、重量比率(繊維A:繊維B)1:99〜49:51の範囲内で用いてしみ防止布帛を得る。

概要

背景

スポーツ用、肌着用、ユニフォーム用、アウター用等に使用されるウエアは、一般に肌に接するように着用されるため、夏場運動時、肌から激しく発汗するにより、ウエア表面が濡れることで汗じみになり、ウエア表面の審美性が損なわれると共に、ウエアが白色や中淡色の場合は、肌が透けることが問題とされてきた。そして、かかる問題を解決すべく、布帛の片面に撥水剤を付与して汗じみ防止を行う方法(例えば特許文献1参照)や撥水加工糸を用いて汗じみを抑制する方法(例えば特許文献2参照)などが提案されている。

しかしながら、現在、多く使用されている布帛には、汗じみ抑制とそれを維持する洗濯耐久性満足なレベルに維持できるものが少ないのが実状であり、吸水性撥水性とを兼ね備え、汗じみなどのしみを防止する効果を有し、しかもこれらの洗濯耐久性に優れたしみ防止布帛はこれまであまり提案されていない。

概要

吸水性と撥水性とを兼ね備え、汗じみなどのしみを防止する効果を有し、しかもこれらの洗濯耐久性に優れたしみ防止布帛、および該しみ防止布帛を用いてなる繊維製品を提供すること。撥水性のない繊維Aと撥水性のある繊維Bとを、重量比率(繊維A:繊維B)1:99〜49:51の範囲内で用いてしみ防止布帛を得る。

目的

本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、吸水性と撥水性とを兼ね備え、汗じみなどのしみを防止する効果を有し、しかもこれらの洗濯耐久性に優れたしみ防止布帛、および該しみ防止布帛を用いてなる繊維製品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

撥水性のない繊維Aと撥水性のある繊維Bとで構成されるしみ防止布帛であって、前記繊維Aと前記繊維Bとの重量比率が(繊維A:繊維B)1:99〜49:51の範囲内であることを特徴とするしみ防止布帛。ただし、撥水性のない繊維Aは接触角が120度未満の繊維であり、撥水性のある繊維Bは接触角が120度以上の繊維である。

請求項2

布帛の少なくともどちらか一方の表面において、JISL10966.26吸水速度A法(滴下法)により測定した吸水速度が30秒以下である、請求項1に記載のしみ防止布帛。

請求項3

前記繊維Aがポリエステル繊維である、請求項1または請求項2に記載のしみ防止布帛。

請求項4

前記繊維Aの単糸繊度が1.5dtex以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のしみ防止布帛。

請求項5

前記繊維Aが、単糸数30本以上のマルチフィラメントである、請求項1〜4のいずれかに記載のしみ防止布帛。

請求項6

前記繊維Bが、撥水性ポリエステル繊維ポリプロピレン繊維ポリエチレン繊維、およびポリ塩化ビニル繊維からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかに記載のしみ防止布帛。

請求項7

前記撥水性ポリエステル繊維が、シリコーン系化合物フッ素系化合物炭化水素系化合物を共重合もしくはブレンドしてなるポリエステル繊維、またはフッ素系撥水剤シリコーン系撥水剤炭化水素系撥水剤を用いて撥水加工が施されたポリエステル繊維である、請求項6に記載のしみ防止布帛。

請求項8

前記のフッ素系撥水剤が、パーフルオロオクタン酸およびパーフルオロオクタンスルホン酸の濃度が0〜5ng/gのフッ素系撥水剤である、請求項7に記載のしみ防止布帛。

請求項9

前記繊維Bが仮撚捲縮加工糸である、請求項1〜8のいずれかに記載のしみ防止布帛。

請求項10

前記繊維Bが30T/m以下のトルクを有する仮撚捲縮加工糸である、請求項1〜9のいずれかに記載のしみ防止布帛。

請求項11

前記繊維Bの単糸繊度が前記繊維Aの単糸繊度よりも大である、請求項1〜10のいずれかに記載のしみ防止布帛。

請求項12

布帛の一方表面において前記繊維Aが露出しており、布帛の他方表面に前記繊維Bが露出している、請求項1〜11のいずれかに記載のしみ防止布帛。

請求項13

布帛が下記(1)〜(4)のうち少なくともいずれかの要件を満たす、請求項1〜12のいずれかに記載のしみ防止布帛。(1)布帛がダブルニット布帛であり、該布帛の両面に前記繊維Bが露出し、かつ該布帛の片面において繊維Aと繊維Bが露出した面のループ占有率がともに30〜70%の範囲内である。(2)布帛がダブルニット布帛であり、該布帛の片面にのみ前記繊維Bが露出し、かつ該面において、繊維Bのループ占有率が100%である。(3)布帛がリバーシブルシングルニット布帛であり、繊維Bに繊維Aをプレーテイングしている。(4)布帛が多重織物であり、繊維Bが該多重織物の片面にのみ配されている。

請求項14

布帛に吸水加工が施されている、請求項1〜13のいずれかに記載のしみ防止布帛。

請求項15

布帛の目付けが300g/m2以下である、請求項1〜14のいずれかに記載のしみ防止布帛。

請求項16

布帛の厚さが3.0mm以下である、請求項1〜15のいずれかに記載のしみ防止布帛。

請求項17

請求項1〜16のいずれかに記載のしみ防止布帛を用いてなる、水陸両用ウエアスポーツウエアアウトドアウエア裏地レインコート、紳士衣服婦人衣服、作業衣防護服人工皮革履物、鞄、カーテンテント寝袋防水シート椅子張りテーブルクロスおよびカーシートの群より選ばれるいずれかの繊維製品

技術分野

0001

本発明は、吸水性撥水性とを兼ね備え、じみなどのしみを防止する効果を有し、しかもこれらの洗濯耐久性に優れたしみ防止布帛、および該しみ防止布帛を用いてなる繊維製品に関する。

背景技術

0002

スポーツ用、肌着用、ユニフォーム用、アウター用等に使用されるウエアは、一般に肌に接するように着用されるため、夏場運動時、肌から激しく発汗する汗により、ウエア表面が濡れることで汗じみになり、ウエア表面の審美性が損なわれると共に、ウエアが白色や中淡色の場合は、肌が透けることが問題とされてきた。そして、かかる問題を解決すべく、布帛の片面に撥水剤を付与して汗じみ防止を行う方法(例えば特許文献1参照)や撥水加工糸を用いて汗じみを抑制する方法(例えば特許文献2参照)などが提案されている。

0003

しかしながら、現在、多く使用されている布帛には、汗じみ抑制とそれを維持する洗濯耐久性を満足なレベルに維持できるものが少ないのが実状であり、吸水性と撥水性とを兼ね備え、汗じみなどのしみを防止する効果を有し、しかもこれらの洗濯耐久性に優れたしみ防止布帛はこれまであまり提案されていない。

先行技術

0004

特開2011−226001号公報
特開2005−105442号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、吸水性と撥水性とを兼ね備え、汗じみなどのしみを防止する効果を有し、しかもこれらの洗濯耐久性に優れたしみ防止布帛、および該しみ防止布帛を用いてなる繊維製品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、撥水性のない繊維および撥水性のある繊維を用いて布帛を構成し、これらの重量比率等を工夫することにより、吸水性と撥水性とを兼ね備え、汗じみなどのしみを防止する効果を有し、しかもこれらの洗濯耐久性に優れたしみ防止布帛が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。

0007

かくして、本発明によれば「撥水性のない繊維Aと撥水性のある繊維Bとで構成されるしみ防止布帛であって、前記繊維Aと前記繊維Bとの重量比率が(繊維A:繊維B)1:99〜49:51の範囲内であることを特徴とするしみ防止布帛。」が提供される。
ただし、撥水性のない繊維Aは接触角が120度未満の繊維であり、撥水性のある繊維Bは接触角が120度以上の繊維である。

0008

その際、布帛の少なくともどちらか一方の表面において、JIS L1096 6.26吸水速度A法(滴下法)により測定した吸水速度が30秒以下であることが好ましい。また、前記繊維Aがポリエステル繊維であることが好ましい。また、前記繊維Aの単糸繊度が1.5dtex以下であることが好ましい。また、前記繊維Aが、単糸数30本以上のマルチフィラメントであることが好ましい。また、前記繊維Bが、撥水性ポリエステル繊維ポリプロピレン繊維ポリエチレン繊維、およびポリ塩化ビニル繊維からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。その際、前記撥水性ポリエステル繊維が、シリコーン系化合物フッ素系化合物炭化水素系化合物を共重合もしくはブレンドしてなるポリエステル繊維、またはフッ素系撥水剤シリコーン系撥水剤炭化水素系撥水剤を用いて撥水加工が施されたポリエステル繊維であることが好ましい。また、前記のフッ素系撥水剤が、パーフルオロオクタン酸およびパーフルオロオクタンスルホン酸の濃度が0〜5ng/gのフッ素系撥水剤であることが好ましい。また、前記繊維Bが仮撚捲縮加工糸であることが好ましい。また、前記繊維Bが30T/m以下のトルクを有する仮撚捲縮加工糸であることが好ましい。また、前記繊維Bの単糸繊度が前記繊維Aの単糸繊度よりも大であることが好ましい。

0009

本発明のしみ防止布帛において、布帛の一方表面において前記繊維Aが露出しており、布帛の他方表面に前記繊維Bが露出していることが好ましい。また、布帛が下記(1)〜(4)のうち少なくともいずれかの要件を満たすことが好ましい。
(1)布帛がダブルニット布帛であり、該布帛の両面に前記繊維Bが露出し、かつ該布帛の片面において繊維Aと繊維Bが露出した面のループ占有率がともに30〜70%の範囲内である。
(2)布帛がダブルニット布帛であり、該布帛の片面にのみ前記繊維Bが露出し、かつ該面において、繊維Bのループ占有率が100%である。
(3)布帛がリバーシブルシングルニット布帛であり、繊維Bに繊維Aをプレーテイングしている。
(4)布帛が多重織物であり、繊維Bが該多重織物の片面にのみ配されている。

0010

また、布帛に吸水加工が施されていることが好ましい。また、布帛の目付けが300g/m2以下であることが好ましい。また、布帛の厚さが3.0mm以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記のしみ防止布帛を用いてなる、水陸両用ウエア、スポーツウエアアウトドアウエア裏地レインコート、紳士衣服婦人衣服、作業衣防護服人工皮革履物、鞄、カーテンテント寝袋防水シート椅子張りテーブルクロスおよびカーシートの群より選ばれるいずれかの繊維製品が提供される。

発明の効果

0011

本発明によれば、吸水性と撥水性とを兼ね備え、汗じみなどのしみを防止する効果を有し、しかもこれらの洗濯耐久性に優れたしみ防止布帛、および該しみ防止布帛を用いてなる繊維製品が得られる。

図面の簡単な説明

0012

実施例1で用いた編組織図である。
実施例2で用いた編組織図である。
実施例3で用いた編組織図である。
実施例4で用いた織組織図である。
実施例5で用いた織組織図である。
比較例1で用いた編組織図である。
比較例2で用いた編組織図である。

0013

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明の布帛は、撥水性のない繊維Aと撥水性のある繊維Bとで構成される。ただし、本発明でいう「撥水性のない繊維」とは接触角が120度未満の繊維であり、一方、「撥水性のある繊維」とは接触角が120度以上の繊維である。なお、接触角は、蒸留水を使用して繊維の単糸表面上に500plの蒸留水を滴下したときの繊維と水滴との接触角をθ/2法にて測定するものとする。

0014

ここで、撥水性のない繊維Aは、本発明において吸水性に寄与する繊維であり、ポリエステル繊維、ナイロン繊維木綿ウールなどの天然繊維など特に限定されないが、ポリエステル繊維であることが好ましい。

0015

かかるポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレートポリトリメチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリ乳酸ステレオコンプレックスポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどからなるポリエステル繊維が好ましい。なお、かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、バイオマスすなわち生物由来物質原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。

0016

繊維Aを形成するポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、艶消し剤抗菌剤微細孔形成剤カチオン染料染剤着色防止剤熱安定剤蛍光増白剤着色剤吸湿剤無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。例えば、ポリマー中に含まれるポリマー中に艶消し剤を含ませ、セミダルポリエステルまたはフルダルポリエステルとすると、布帛に防透性赤外線紫外線遮蔽性を付加することができ好ましい。また、抗菌剤としては、天然系抗菌剤無機系抗菌剤だけでなく、国際公開第2011/048888号パンフレットに記載されたような、エステル形成性スルホン酸金属塩化合物またはエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物を共重合させたポリエステルに酸性処理を施したものでもよい。

0017

前記繊維Aの形態としては、短繊維でもよいし長繊維(マルチフィラメント)でもよいが、優れた吸水性を得る上で長繊維(マルチフィラメント)が好ましい。特に、前記繊維が、単糸繊度が1.5dtex以下(より好ましくは0.0001〜1.2dtex、特に好ましくは0.001〜0.9dtex)であると、優れた吸水性が得られ好ましい。特に、フィラメント数が30本以上(より好ましくは70〜200本)のマルチフィラメントであると、さらに優れた吸水性が得られ好ましい。その際、マルチフィラメントの総繊度としては20〜200dtex(より好ましくは20〜150dtex)の範囲内であることが好ましい。国際公開第2005/095686号パンフレットに記載されたような、ナノファイバーと称される単糸繊維径1μm以下の超極細繊維であってもよい。

0018

前記繊維Aとしては、吸水性を向上させる上で、マルチフィラメントに仮撚捲縮加工が施された仮撚捲縮加工糸、空気加工糸、2種以上の構成糸条を空気混繊加工や複合仮撚加工させた複合糸サイドバイサイド型潜在捲縮繊維などであってもよい。
前記繊維Aの単繊維横断面形状は特に限定されず、丸だけでなく、三角、扁平、国際公開第2008/001920号パンフレットに記載されたようなくびれ付き扁平、中空など異型断面形状でもよい。

0019

一方、撥水性のある繊維Bの繊維種類としては、撥水性ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維などが好適である。これらの繊維はいずれも優れた撥水性を有するので、かかる繊維Bと前記繊維Aとを用いて、特定の構造を有する布帛を製編または製織することにより吸水性と撥水性とを兼ね備え、汗などのしみ防止効果を有するしみ防止布帛が得られる。

0020

ここで、撥水性ポリエステル繊維としては、シリコーン系化合物もしくはフッ素系化合物、炭化水素系化合物を共重合もしくはブレンドしてなるポリエステル繊維、シリコーン系、炭化水素系、フッ素系いずれかの撥水剤を用いて撥水加工が施されたポリエステル繊維であることが好ましい。その際、共重合もしくはブレンド量としてはポリエステル重量対比5〜25wt%であることが好ましい。また、撥水加工が施されたポリエステル繊維において、撥水剤の含有量としては、加工前のポリエステル繊維重量対比0.4重量%以上(より好ましくは0.4〜10重量%)であることが好ましい。

0021

その際、前記のフッ素系撥水剤は、パーフルオロオクタン酸およびパーフルオロオクタンスルホン酸の濃度が0〜5ng/gのフッ素系撥水剤であることが好ましい。かかるフッ素系撥水剤としては、N−メチロール基を含有しないモノマーのみから構成されたパーフルオロアルキルアクリレート共重合体や市販されているものなどが例示される。市販されているものでは、旭硝子(株)製のフッ素系撥水撥油剤であるアサガードシリーズAG−E061、住友スリエム(株)製のスコッチガードPM3622、PM490、PM930などが好ましく例示される。

0022

なお、撥水性ポリエステル繊維を製造する方法としては特に限定されず公知の方法でよい。シリコーン系化合物もしくはフッ素系化合物を共重合もしくはブレンドしてなるポリエステル繊維の製造方法としては、例えば、特開2010−138507号公報に記載された方法などが例示される。一方、撥水加工の方法としては、例えば、フッ素系撥水剤に必要に応じて制電剤メラミン樹脂、触媒などを混合して得られた加工剤を、パッド法スプレー法などによりポリエステル繊維に付与する方法が例示される。

0023

前記繊維Bの形態としては、短繊維でもよいし長繊維(マルチフィラメント)でもよいが、優れた撥水性を得る上で長繊維(マルチフィラメント)が好ましい。特に、繊維Bの単糸繊度は、撥水性を得る上で、繊維Aの単糸繊度よりも大きいことが好ましく、単糸繊度が0.5〜5.0dtex(より好ましくは0.5〜1.5dtex)であると、優れた撥水性が得られ好ましい。繊維Bのフィラメント数、総繊度としては、フィラメント数20本以上(より好ましくは20〜200本)、総繊度30〜200dtex(より好ましくは30〜150dtex)であることが好ましい。

0024

前記繊維Bが、マルチフィラメントに仮撚捲縮加工が施された仮撚捲縮加工糸、空気加工糸、2種以上の構成糸条を空気混繊加工や複合仮撚加工させた複合糸、さらには前記のような30T/m以下のトルクを有する複合糸であってもよい。記繊維Bの単繊維横断面形状は特に限定されず、丸だけでなく、三角、扁平、国際公開第2008/001920号パンフレットに記載されたようなくびれ付き扁平、中空など異型断面形状などでもよい。

0025

本発明のしみ防止布帛において、前記繊維Aと前記繊維Bとの重量比率が(繊維A:繊維B)1:99〜49:51の範囲内であることが肝要である。前記繊維Aの重量比率が該範囲よりも大きいと、布帛の撥水性が低下するおそれがあり好ましくない。逆に、前記繊維Bの重量比率が該範囲よりも小さいと、布帛の撥水性が低下するおそれがあり好ましくない。

0026

本発明のしみ防止布帛において、布帛組織としては特に限定されない。例えば、よこ編組織としては、平編ゴム編、両面編、パール編タック編浮き編、片畔編、レース編、添え毛編、片側結接、ニットミス、リバーシブル天竺等が例示される。また、たて編組織としては、裏挿入、シングルデンビー編、シングルアトラス編ダブルコード編ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等などが例示される。また、織物組織としては、平織綾織朱子織等の三原組織変化組織たて二重織よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。さらには、不織布であってもよい。もちろんこれらに限定されない。層数単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。

0027

なかでも、布帛が下記(1)〜(4)のうち少なくともいずれかの要件を満たすと、繊維Bと繊維Bとの間に空隙ができにくく、かかる空隙が減少することで撥水性および吸水性が向上し好ましい。
(1)布帛がダブルニット布帛であり、該布帛の両面に前記繊維Bが露出し、かつ該布帛の片面において繊維Aと繊維Bが露出した面のループ占有率がともに30〜70%の範囲内である。
(2)布帛がダブルニット布帛であり、該布帛の片面にのみ前記繊維Bが露出し、かつ該面において、繊維Bのループ占有率が100%である。
(3)布帛がリバーシブルシングルニット布帛であり、繊維Bに繊維Aをプレーテイングしている。
(4)布帛が多重織物であり、繊維Bが該多重織物の片面にのみ配されている。

0028

本発明のしみ防止布帛は、前記の繊維Aと前記繊維Bとを用いて、通常の織機または編機を使用して製造することができる。また、前記布帛には、通常の染色加工減量加工起毛加工カレンダー加工エンボス加工蓄熱加工、吸水加工、抗菌加工などの後加工を適宜施しても良い。なかでも、優れた吸水性を得る上で吸水加工を施すことが好ましい。かかる吸水加工を施す方法としては、布帛にPEGジアクリレートおよびその誘導体やポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体などの親水化剤を染色時に同浴加工することが好適に例示される。

0029

かくして得られた布帛において、撥水性のない繊維Aが水分を吸収すると同時に、撥水性のある繊維Bが水分をはじく効果を奏し、これらの相乗作用により、吸水性と撥水性とを兼ね備え、汗じみなどのしみを防止する効果を有し、さらにはこれらの洗濯耐久性にも優れる。

0030

かかる布帛の目付けとしては300g/m2以下(より好ましくは50〜300g/m2)であることが好ましい。該目付けが300g/m2よりも大きいと布帛の重量が大きくなり、布帛の着用快適性が損なわれるおそれがある。また、布帛の厚さとしては3.0mm以下(より好ましくは0.35〜0.65mm)であることが好ましい。

0031

次に、本発明の繊維製品は、記載の布帛を用いてなる、水陸両用ウエア、スポーツウエア、アウトドアウエア、裏地、レインコート、紳士衣服、婦人衣服、作業衣、防護服、人工皮革、履物、鞄、カーテン、テント、寝袋、防水シート、傘、椅子張り、テーブルクロス、およびカーシートの群より選ばれるいずれかの繊維製品である。

0032

ここで、前記繊維Bが露出した表面(前記合成繊維Bが布帛の両面に露出している場合は、より多く前記繊維Bが露出する表面)を外気側に用い、一方、前記繊維Aが露出した表面(前記合成繊維Aが布帛の両面に露出している場合は、より多く前記繊維Aが露出する表面)を内側(肌側)に用いると、内側表面において汗などの水分が速やかに吸収され、かつ外側表面に浸透しにくく優れたしみ防止効果が得られる。
なお、繊維製品に応じて、前記繊維Bが露出した表面と前記繊維Aが露出した表面との表裏を適宜変更して、汗、雨水、飲料などのしみを防止してもよい。

0033

本発明の実施例および比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)目付けの測定方法
JISL1018 6.4により測定した。
(2)厚さの測定方法
JISL1018 6.5により測定した。
(3)ループ占有比率の測定方法
ループ数比率(%)=露出する繊維B(A)からなるループ数表面全体のループ数×100
(4)吸水速度(滴下法)
JIS L1096 6.26吸水速度A法(滴下法)により測定した。
(5)繊維の接触角の測定
最終的に得られた布帛から繊維を抜き取り協和界面科学(株)社製自動微小接触角測定装置「MCA−2」を使用し、蒸留水を使用して繊維の単糸表面上に500plの蒸留水を滴下したときの繊維と水滴との接触角をθ/2法にて測定した。
(6)洗濯方法
JIS L0217 103により実施した。

0034

[実施例1]
丸編28Gダブル機を使用して、糸種1としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(繊維A)、糸種2としてシリコーン系化合物を5.5重量%共重合させたシリコーン系撥水剤共重合型撥水セミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/36fil(繊維B)を用いて、図1に示す組織図の編地を得た。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。
得られた編地において、吸水性に優れ、ウエアにした時の外気側面の汗じみ防止効果に優れるものであった。また、編地を洗濯20回実施した後も、汗じみ防止効果と吸水性に優れるものであった。

0035

[実施例2]
丸編28Gダブル機を使用して、糸種1としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(繊維A)、糸種2として実施例1と同じシリコーン系撥水剤共重合型撥水セミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/36fil(繊維B)を用いて、図2に示す組織図の編地を得た。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。得られた編地において、吸水性に優れ、ウエアにした時の外気側面の汗じみ防止効果に優れるものであった。また、編地を洗濯20回実施した後も、汗じみ防止効果と吸水性に優れるものであった。

0036

[実施例3]
丸編28Gシングル機を使用して、糸種1としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(繊維A)、糸種2として下記の撥水加工が施されたセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸110tex/72fil(繊維B)を用いて、図3に示す組織図の編地を得た。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。得られた編地において、吸水性に優れ、かつウエアにした時の外気側面の汗じみ防止効果に優れるものであった。また、編地を洗濯20回実施した後も、汗じみ防止効果と吸水性に優れるものであった。

0037

[実施例4]
レピアルームを使用して、糸種1としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸56dtex/72fil(繊維A)、糸種2として下記の撥水加工が施されたセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84tex/36fil(繊維B)を用いて、図4に示す組織図の織物布帛を得た。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。得られた編地において、吸水性に優れ、かつウエアにした時の外気側面の汗じみ防止効果に優れるものであった。また、編地を洗濯20回実施した後も、汗じみ防止効果と吸水性に優れるものであった。

0038

(撥水加工の条件)
・撥水剤の種類フッ素系化合物(商品名アサヒガードEシリーズAG−E061)
なお、該フッ素系化合物はパーフルオロオクタン酸およびパーフルオロオクタンスルホン酸の濃度が0〜5ng/gのフッ素系撥水剤である。
加工条件浴比1:50、0.5重量%溶液使用。
処理条件温度90℃、時間30分
加工方法浴中吸尽加工

0039

[実施例5]
ウォータージェットルームを使用して、糸種1としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸22dtex/96fil(繊維A)、糸種2としてシリコーン系撥水剤共重合型撥水セミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸33tex/36fil(繊維B)を用いて、図5に示す組織図の織物布帛を得た。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。得られた編地において、吸水性に優れ、かつウエアにした時の外気側面の汗じみ防止効果に優れるものであった。また、編地を洗濯20回実施した後も、汗じみ防止効果と吸水性に優れるものであった。

0040

[比較例1]
丸編28Gダブル機を使用して、糸種1としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(繊維A)、糸種2として実施例1と同じシリコーン系撥水剤共重合型撥水セミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/36fil(繊維B)を用いて、図6に示す組織図の編地を得た。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。得られた編地において、吸水性に優れるものの、ウエアにした時の外気側面の汗じみが目立つものであった。

0041

[比較例2]
丸編28Gシングル機を使用して、糸種1としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸110dtex/144fil(繊維A)、糸種2として実施例1と同じシリコーン系撥水剤共重合型撥水セミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/36fil(繊維B)を用いて、図7に示す組織図の編地を得た。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。得られた編地において、吸水性に優れるものの、ウエアにした時の外気側面の汗じみが目立つものであった。

0042

実施例

0043

なお、表中、コース数およびウエール数の単位は本/2.54cmである。

0044

本発明によれば、吸水性と撥水性とを兼ね備え、汗じみなどのしみを防止する効果を有し、しかもこれらの洗濯耐久性に優れたしみ防止布帛、および該しみ防止布帛を用いてなる繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

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