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技術 ラベプラゾールナトリウム含有粒子の製造方法及びそれを含む医薬組成物

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 沼尻健太郎
出願日 2013年10月31日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2013-227434
公開日 2015年5月7日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2015-086194
状態 未査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 医薬品製剤
主要キーワード pHメータ アルカリ性ポリマー 各溶解液 コーティング対象 アルカリ性成分 被覆対象 微粒子コーティング 水溶性ビニルポリマー
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課題

核粒子上にラベプラゾールナトリウムコーティングする際に用いる薬物溶解液又は懸濁液のコーティング適性を向上させ、且つ薬物溶解液又は懸濁液中のラベプラゾールナトリウムの分解を安定化剤の存在下又は非存在下においても抑制し得る、ラベプラゾールナトリウム含有粒子又はそれを含む医薬組成物の製造方法、及びそれらにより得られる医薬組成物の提供

解決手段

ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁し薬物溶解液又は懸濁液を調製することと、得られた薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングすることと、を含む、ラベプラゾールナトリウム含有粒子又はそれを含む医薬組成物の製造方法及びそれにより得られる医薬組成物。

概要

背景

ラベプラゾールナトリウムを含むH+−K+ATPase阻害作用を有するベンズイミダゾール系化合物は、胃酸分泌を強力に抑制する効果を有する。しかし、ラベプラゾールナトリウムの安定性は悪く、特に加湿条件下及び酸性中性条件水溶液中では速やかに分解してしまう。

医薬組成物に含まれる有効成分が、酸に対して化学的に不安定な場合には、胃液のような低pH溶液中では溶解せずに、腸液のような中性付近のpH溶液中で溶解する腸溶性被膜によって有効成分を被覆して製剤化することが一般的に行われる。

腸溶性被膜による被覆は、錠剤カプセル、有効成分の粒子又は有効成分を含む粒子等に対して行うことが可能である。製剤間での有効成分の溶出性に差が出ないようにするため、腸溶性被膜は上記対象に対して均一に被覆されることが望ましく、そのためには被覆対象の大きさが均一であることが望ましい。腸溶性被膜での被覆対象として、有効成分の粒子又は有効成分を含む粒子を得るには、有効成分を造粒する必要があるが、ラベプラゾールナトリウムのように分解しやすい有効成分を分解させないまま、しかも均一な粒子径に造粒することは容易ではない。

有効成分の粒子又は有効成分を含む粒子を腸溶性被膜で被覆した粒子を含み得る医薬組成物として、散剤顆粒剤細粒剤ドライシロップ剤口腔内崩壊錠等が挙げられる。

特許文献1には、ラベプラゾールナトリウムと、クロスポビドンと、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合して、その混合物エタノールを徐々に添加して、湿式造粒する方法が記載されている。
特許文献2には、ラベプラゾールナトリウムに炭酸ナトリウム及びマンニトールを加えて混合しながら、エタノールに溶解したヒドロキシプロピルセルロースを混合物に徐々に加えて造粒する方法が記載されている。
特許文献3には、安定化剤粒子又は賦形剤流動層造粒装置仕込み流動状態を保ちながら、安定化剤の水溶液又は水懸濁液にラベプラゾールナトリウムを溶解又は懸濁させた液を噴霧する造粒物の製造方法が記載されている。

概要

核粒子上にラベプラゾールナトリウムをコーティングする際に用いる薬物溶解液又は懸濁液のコーティング適性を向上させ、且つ薬物溶解液又は懸濁液中のラベプラゾールナトリウムの分解を安定化剤の存在下又は非存在下においても抑制し得る、ラベプラゾールナトリウム含有粒子又はそれを含む医薬組成物の製造方法、及びそれらにより得られる医薬組成物の提供ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁し薬物溶解液又は懸濁液を調製することと、得られた薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングすることと、を含む、ラベプラゾールナトリウム含有粒子又はそれを含む医薬組成物の製造方法及びそれにより得られる医薬組成物。なし

目的

本発明は、核粒子上にラベプラゾールナトリウムをコーティングする際に用いる薬物溶解液又は懸濁液のコーティング適性を向上させ、且つ薬物溶解液又は懸濁液中のラベプラゾールナトリウムの分解を安定化剤の存在下又は非存在下においても抑制し得る、ラベプラゾールナトリウム含有粒子又はそれを含む医薬組成物の製造方法、及びそれらにより得られる医薬組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

ラベプラゾールナトリウム有機溶媒に溶解又は懸濁し薬物溶解液又は懸濁液を調製することと、得られた薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングすることと、を含む、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の製造方法。

請求項2

有機溶媒の1atm条件下における沸点が85℃以下である請求項1に記載の製造方法。

請求項3

有機溶媒がエタノールプロパノールメタノールアセトンアセトニトリルジクロロメタン及び酢酸エチルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の製造方法。

請求項4

薬物溶解液又は懸濁液がアルカリ性成分を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項5

薬物溶解液又は懸濁液が結合剤を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項6

核粒子の平均粒子径が1μm〜350μmである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項7

請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の製造方法により得られた医薬組成物

請求項8

ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁し薬物溶解液又は懸濁液を調製することと、得られた薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングすることと、を含む製造方法により製造されたラベプラゾールナトリウム含有粒子を含む医薬組成物。

請求項9

ラベプラゾールナトリウム含有粒子を、腸溶性被膜により被覆した細粒を含む請求項8に記載の医薬組成物。

請求項10

ラベプラゾールナトリウム含有粒子と腸溶性被膜とを隔てる中間層を含む請求項9に記載の医薬組成物。

請求項11

口腔内崩壊錠である請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の医薬組成物。

技術分野

0001

本発明は、医薬組成物及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

ラベプラゾールナトリウムを含むH+−K+ATPase阻害作用を有するベンズイミダゾール系化合物は、胃酸分泌を強力に抑制する効果を有する。しかし、ラベプラゾールナトリウムの安定性は悪く、特に加湿条件下及び酸性中性条件水溶液中では速やかに分解してしまう。

0003

医薬組成物に含まれる有効成分が、酸に対して化学的に不安定な場合には、胃液のような低pH溶液中では溶解せずに、腸液のような中性付近のpH溶液中で溶解する腸溶性被膜によって有効成分を被覆して製剤化することが一般的に行われる。

0004

腸溶性被膜による被覆は、錠剤カプセル、有効成分の粒子又は有効成分を含む粒子等に対して行うことが可能である。製剤間での有効成分の溶出性に差が出ないようにするため、腸溶性被膜は上記対象に対して均一に被覆されることが望ましく、そのためには被覆対象の大きさが均一であることが望ましい。腸溶性被膜での被覆対象として、有効成分の粒子又は有効成分を含む粒子を得るには、有効成分を造粒する必要があるが、ラベプラゾールナトリウムのように分解しやすい有効成分を分解させないまま、しかも均一な粒子径に造粒することは容易ではない。

0005

有効成分の粒子又は有効成分を含む粒子を腸溶性被膜で被覆した粒子を含み得る医薬組成物として、散剤顆粒剤細粒剤ドライシロップ剤口腔内崩壊錠等が挙げられる。

0006

特許文献1には、ラベプラゾールナトリウムと、クロスポビドンと、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合して、その混合物エタノールを徐々に添加して、湿式造粒する方法が記載されている。
特許文献2には、ラベプラゾールナトリウムに炭酸ナトリウム及びマンニトールを加えて混合しながら、エタノールに溶解したヒドロキシプロピルセルロースを混合物に徐々に加えて造粒する方法が記載されている。
特許文献3には、安定化剤粒子又は賦形剤流動層造粒装置仕込み流動状態を保ちながら、安定化剤の水溶液又は水懸濁液にラベプラゾールナトリウムを溶解又は懸濁させた液を噴霧する造粒物の製造方法が記載されている。

先行技術

0007

特許第4081273号公報
特許第4127740号公報
国際公開第2009/069280号パンフレット

発明が解決しようとする課題

0008

特許文献1及び2には、上述の通りラベプラゾールナトリウムに、結合剤等を含有する液体を噴霧して造粒物を得る方法が記載されている。このようにして得られた造粒物は、造粒物を打錠して錠剤を得て、得られた錠剤にコーティングを施すことが前提になるような普通錠の調製用としては適している。しかし、特許文献1及び2に記載の方法では、ラベプラゾールナトリウムを含む各成分が結合剤を介して互いに結合又は凝集して造粒が進み、粗大な粒子を含む大小さまざまな粒子が形成され、均一な粒子径の造粒物を得ることは困難であると予期されるため、得られた造粒物に腸溶性被膜の均一な被覆を施すことは困難である。
特許文献3には、ラベプラゾールナトリウムを精製水に溶解させて、溶解液又は懸濁液を核粒子にコーティングする方法が記載されている。特許文献3のように核粒子に対して有効成分をコーティングする方法において、分級した核粒子を使用すること等により、核粒子の大きさや形状を揃えることが可能であるため、比較的容易に均一な粒子を得ることが可能である。

0009

しかし、ラベプラゾールナトリウムを水系溶媒に溶解させる際には、ラベプラゾールナトリウムの安定性を担保するために、安定化剤を水系溶媒に添加する必要が生じる。安定化剤として利用可能な成分は、水酸化ナトリウムなどの一部のアルカリ性成分に限定されることがある。また、水を含む溶媒を用いた場合、コーティング時に水を蒸発させるために多くの時間とエネルギーを要する等の問題も生じる。

0010

本発明は、核粒子上にラベプラゾールナトリウムをコーティングする際に用いる薬物溶解液又は懸濁液のコーティング適性を向上させ、且つ薬物溶解液又は懸濁液中のラベプラゾールナトリウムの分解を安定化剤の存在下又は非存在下においても抑制し得る、ラベプラゾールナトリウム含有粒子又はそれを含む医薬組成物の製造方法、及びそれらにより得られる医薬組成物を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1>ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁し薬物溶解液又は懸濁液を調製することと、
得られた薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングすることと、
を含む、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の製造方法。
<2> 有機溶媒の1atm条件下における沸点が85℃以下である<1>に記載の製造方法。
<3> 有機溶媒がエタノール、プロパノールメタノールアセトンアセトニトリルジクロロメタン及び酢酸エチルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む<1>又は<2>に記載の製造方法。
<4> 薬物溶解液又は懸濁液がアルカリ性成分を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の製造方法。
<5> 薬物溶解液又は懸濁液が結合剤を含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載の製造方法。
<6> 核粒子の平均粒子径が1μm〜350μmである<1>〜<5>のいずれか1つに記載の製造方法。
<7><1>〜<6>のいずれか1つに記載の製造方法により得られた医薬組成物。
<8> ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁し薬物溶解液又は懸濁液を調製することと、得られた薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングすることと、を含む製造方法により製造されたラベプラゾールナトリウム含有粒子を含む医薬組成物。
<9> ラベプラゾールナトリウム含有粒子を、腸溶性被膜により被覆した細粒を含む<8>に記載の医薬組成物。
<10> ラベプラゾールナトリウム含有粒子と腸溶性被膜とを隔てる中間層を含む<9>に記載の医薬組成物。
<11>口腔内崩壊錠である<8>〜<10>のいずれか1つに記載の医薬組成物。

発明の効果

0012

本発明によれば、核粒子上にラベプラゾールナトリウムをコーティングする際に用いる薬物溶解液又は懸濁液のコーティング適性を向上させ、且つ薬物溶解液又は懸濁液中のラベプラゾールナトリウムの分解を抑制し得る、ラベプラゾールナトリウム含有粒子又はそれを含む医薬組成物の製造方法、及びそれにより得られる医薬組成物を提供することができる。

0013

本発明のラベプラゾールナトリウム含有粒子の製造方法によれば、薬物溶解液又は懸濁液調製工程において、ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁するため、水に比して蒸発しやすい溶媒が選択可能となり、薬物溶解液又は懸濁液のコーティング適性、特に、コーティング時間の短縮、溶媒の除去に必要なエネルギーの低減に寄与し得る。 また、本発明のラベプラゾールナトリウム含有粒子の製造方法によれば、ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁することにより、安定化剤の有無及び安定化剤の種類によらず、薬物溶解液又は懸濁液中でのラベプラゾールナトリウムの分解を抑制し得る。

0014

以下、本発明の医薬組成物の製造方法及び医薬組成物について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を示す。平均粒子径の測定方法としては、レーザー回折式粒度分布測定法が挙げられ、具体例としてはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置製品名:LS 13 320、ベックマンコールター社製)を用いる方法が挙げられる。
本明細書において(メタアクリル酸共重合体とは、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を共重合成分として含む共重合体を意味する。

0015

≪ラベプラゾールナトリウム含有粒子及び医薬組成物の製造方法≫
本発明のラベプラゾールナトリウム含有粒子の製造方法は、ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁し薬物溶解液又は懸濁液を調製すること(以下、「薬物溶解液又は懸濁液調製工程」とも称する。)と、得られた薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングすること(以下、「コーティング工程」とも称する。)と、を含む。
本発明のラベプラゾールナトリウム含有粒子の製造方法は、必要に応じて更に他の工程を含んでもよい。

0016

本発明の医薬組成物は、ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁し薬物溶解液又は懸濁液を調製すること(上述した「薬物溶解液又は懸濁液調製工程」と同義である。)と、得られた薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングすること(上述した「コーティング工程」と同義である。)と、を含む製造方法により製造されたラベプラゾールナトリウム含有粒子を含む医薬組成物の製造方法により得られる。
本発明の医薬組成物の製造方法は、必要に応じて更に他の工程を含んでもよい。

0017

<薬物溶解液又は懸濁液調製工程>
薬物溶解液又は懸濁液調製工程は、ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁し薬物溶解液又は懸濁液を調製する工程である。
本発明の薬物溶解液又は懸濁液調製工程において、ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁する方法としては、特に制限されない。例えば、有機溶媒を撹拌しながらラベプラゾールナトリウムを徐々に添加して溶解する方法等が挙げられる。

0018

ラベプラゾールナトリウムを有機溶媒に溶解又は懸濁する際の有機溶媒の温度等の条件については特に制限されず、有機溶媒の種類に応じて適宜設定することができる。
例えば、有機溶媒として、エタノールを使用する場合には、有機溶媒の温度を0℃〜35℃等の条件に設定してラベプラゾールナトリウムを溶解すればよい。

0019

有機溶媒としては、薬理学的に許容し得る有機溶媒であれば特に制限されない。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドテトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジエチルエーテルヘキサン、及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。
有機溶媒としては、1atm(1気圧、1013.25hPa)における沸点が85℃以下の有機溶媒が好ましい。このような有機溶媒は、沸点が室温よりも十分に高く、かつ水の沸点よりも十分に低いためコーティング時に蒸発させやすい性質をもつ。

0020

また、有機溶媒を使用では、医薬組成物への残留溶媒に留意する必要があるため、毒性の低い有機溶媒を使用することが好ましい。医薬品への残留溶媒の規定については、例えば「医薬品の残留溶媒ガイドライン」を参照することができる。上記を考慮すると、有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、メタノール、アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、及び酢酸エチルからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、エタノール、プロパノール、メタノールがより好ましく、エタノールがさらに好ましい。

0021

有機溶媒は、1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
また、薬物溶解液又は懸濁液調製工程において用いる溶媒には、水が含まれてもよいが、溶媒の全体積中、90体積%以上が有機溶媒であればよく、95体積%以上が有機溶媒であることが好ましく、98体積%が有機溶媒であることがより好ましく、100体積%が有機溶媒であることがさらに好ましい。

0022

薬物溶解液又は懸濁液調製工程で使用する有機溶媒の量としては、ラベプラゾールナトリウムを溶解又は懸濁し得る量であればよく、有機溶媒の種類に応じて適宜設定することができる。
例えば、有機溶媒として、エタノールを使用する場合、ラベプラゾールナトリウム1gに対して、2.6mL〜100mLのエタノールを使用すればよく、3mL〜25mLのエタノールを使用することが好ましく、4mL〜10mLのエタノールを使用することがより好ましい。

0023

ラベプラゾールナトリウムが有機溶媒に溶けず懸濁液となる場合、ラベプラゾールナトリウムの平均粒子径は、核粒子の平均粒子径に比べて十分に小さいことが好ましい。懸濁液とする場合、ラベプラゾールナトリウムの平均粒子径は、核粒子の平均粒子径の3分の1以下であればよく、5分の1以下であることが好ましく、10分の1以下であることがより好ましい。
ラベプラゾールナトリウムの平均粒子径が大きい場合には、ラベプラゾールナトリウムを粉砕することで十分に小さい平均粒子径とし得る。ラベプラゾールナトリウムを粉砕する方法は、特に制限されない。ラベプラゾールナトリウムの粉砕に適用しうる粉砕機としては、微粉砕ピンミル(製品名:コロプレクス、槙野産業(株)製)等が挙げられる。

0024

薬物溶解液又は懸濁液は、ラベプラゾールナトリウムの他に、アルカリ性成分を含有していてもよい。
アルカリ性成分としては、飽和水溶液の25℃におけるpHが7.0より大きいものであれば特に制限されない。
pHの測定は、例えば、pHメータ型番:HM−30V、東亜ディーケーケー(株)製)により行うことができる。

0025

アルカリ性成分としては、アルカリ金属アルカリ土類金属、その他金属の水酸化物酸化物炭酸塩又はケイ酸塩や、アミノ基を有する有機化合物等が挙げられる。
具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム酸化マグネシウム炭酸水素ナトリウム炭酸マグネシウム炭酸カルシウム炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、N−メチル−D−グルカミントリスヒドロキシメチルアミノメタンリシンアルギニンヒスチジン等が挙げられる。
ラベプラゾールナトリウム含有粒子中におけるラベプラゾールナトリウムの保存安定性の観点から、アルカリ性成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸カルシウムが好ましく、水酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムがより好ましい。
アルカリ性成分は、1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。

0026

薬物溶解液又は懸濁液に添加し得るアルカリ性成分の量は、アルカリ性成分の種類に応じて適宜設定することができる。
例えば、アルカリ性成分として、水酸化ナトリウムを用いる場合、ラベプラゾールナトリウムの全質量に対して、0.01質量%〜30質量%の水酸化ナトリウムを用いることが好ましく、0.1質量%〜25質量%の水酸化ナトリウムを用いることがより好ましく、1質量%〜20質量%の水酸化ナトリウムを用いることが更に好ましい。
例えば、アルカリ性成分として、酸化マグネシウムを用いる場合、ラベプラゾールナトリウムの全質量に対して、0.01質量%〜50質量%の酸化マグネシウムを用いることが好ましく、0.1質量%〜35質量%の酸化マグネシウムを用いることがより好ましく、1質量%〜25質量%の酸化マグネシウムを用いることが更に好ましい。
例えば、アルカリ性成分として、炭酸マグネシウムを用いる場合、ラベプラゾールナトリウムの全質量に対して、0.01質量%〜50質量%の炭酸マグネシウムを用いることが好ましく、0.1質量%〜35質量%の炭酸マグネシウムを用いることがより好ましく、1質量%〜25質量%の炭酸マグネシウムを用いることが更に好ましい。

0027

薬物溶解液又は懸濁液は、ラベプラゾールナトリウムの他に結合剤をさらに含有していてもよい。結合剤の種類は特に制限されない。例えば、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース低置換度ヒドロキシプロピルセルロースカルボキシビニルポリマーカルメロースナトリウムポリエチレングリコールポリビニルアルコールポリビニルピロリドンアラビアゴムゼラチンアルファー化デンプンプルラン等が挙げられる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルファー化デンプンが、核粒子にコーティングするのに適した粘度と結合性を有する観点から好ましい。結合剤は1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。

0028

薬物溶解液又は懸濁液に添加し得る結合剤の量は、結合剤の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、結合剤として、ヒドロキシプロピルセルロースを用いる場合には、ラベプラゾールナトリウムの全質量に対して、1質量%〜200質量%のヒドロキシプロピルセルロースを用いることが好ましく、3質量%〜100質量%のヒドロキシプロピルセルロースを用いることがより好ましく、5質量%〜50質量%のヒドロキシプロピルセルロースを用いることが更に好ましい。

0029

薬物溶解液又は懸濁液は、ラベプラゾールナトリウム、任意成分であるアルカリ性成分及び結合剤の他にも、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。

0030

薬物溶解液又は懸濁液に含有し得る他の成分としては、賦形剤、崩壊剤滑沢剤流動化剤等が挙げられる。
賦形剤として機能し得る成分としては、具体的には、糖、糖アルコール結晶セルロースデンプンが挙げられる。糖としては、乳糖白糖マルトーストレハロースデキストリン等が挙げられる。糖アルコールとしては、マンニトール、エリスリトールイソマルトラクチトールマルチトールソルビトールキシリトール等が挙げられる。デンプンとしては、トウモロコシデンプンバレイショデンプンコメデンプンコムギデンプン等が挙げられる。
崩壊剤として機能し得る成分としては、崩壊剤として公知のものを使用することができる。例えば、トウモロコシデンプンやバレイショデンプン等のデンプン、部分アルファー化デンプンカルボキシメチルスターチナトリウムカルメロースカルメロースカルシウムクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチデンプングリコール酸ナトリウム等が挙げられる。
滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分としては、タルク軽質無水ケイ酸モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。

0031

薬物溶解液又は懸濁液の粘度、温度等は、ラベプラゾールナトリウムの量に応じて適宜設定することができる。例えば、100mPa・s以下の粘度、35℃以下の温度の薬物溶解液又は懸濁液を調製することが好ましく、75mPa・s以下の粘度、35℃以下の温度の薬物溶解液又は懸濁液を調製することがより好ましく、75mPa・s以下の粘度、30℃以下の温度の薬物溶解液又は懸濁液を調製することが更に好ましい。

0032

<コーティング工程>
コーティング工程は、得られた薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングする工程である。コーティング工程は、薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上に塗る工程と、薬物溶解液又は懸濁液に含まれる有機溶媒を蒸発させ、核粒子上から有機溶媒を除去する工程とを含む。有機溶媒の除去は、薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上に塗る工程と同時又は連続的に行われてもよく、また、独立した工程として行ってもよい。
薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングする方法は、特に制限されない。コーティング対象となる核粒子の量や核粒子の物理的強度等に応じて適宜設定できる。
薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングする方法としては、流動層造粒法スプレードライ法撹拌造粒法等が挙げられる。中でも、核粒子を空気で流動させることで核粒子へ各方向から均一にコーティングを行うのに適した方法であるため、また、有機溶媒の除去を薬物溶解液又は懸濁液を塗る工程と同時に行うことができる方法であるため、薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングする方法としては、流動層造粒法が好ましい。流動層造粒法としては、流動層造粒法、転動流動層造粒法、噴流流動層造粒法、ワースター流動層造粒法、機械撹拌複合型流動層造粒法等が挙げられる。

0033

また、コーティング工程は、薬物溶解液又は懸濁液を噴霧して核粒子上にコーティングする工程、薬物溶解液又は懸濁液を滴下して核粒子上にコーティングする工程、核粒子を薬物溶解液又は懸濁液に浸漬してコーティングする工程から選ばれる工程の少なくとも1種を含んでいることが好ましい。

0034

薬物溶解液又は懸濁液の核粒子上へのコーティングには、流動層造粒方法に使用しうる造粒機を用いることが好ましく、流動層造粒機、転動流動層造粒機、噴流流動層造粒機、ワースター流動層造粒機、機械撹拌複合型流動層造粒機等の装置を用いることがより好ましい。
流動層造粒方法に使用しうる造粒機としては、例えば、流動層造粒機(製品名:FD−MP−01、パウレック(株)製)、フローコーター(製品名:FL−1、フロイント産業(株)製)等が上げられる。

0035

薬物溶解液又は懸濁液に含まれる有機溶媒を蒸発させ、核粒子上から有機溶媒を除去する方法としては、上記のように流動層造粒機を使用する以外に、乾燥のみを独立に行う方法を用いることもできる。例えば、真空乾燥機を用いる方法、熱風乾燥機を用いる方法等が挙げられる。

0036

コーティング工程を経て得られたラベプラゾールナトリウム含有粒子中に残留する有機溶媒の量は、その毒性に問題がない限りにおいて特に制限されない。例えば、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の全質量に対して、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。

0037

薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティングする量は、核粒子が薬物溶解液又は懸濁液によりコーティングされた形態になる量であれば特に制限されない。例えば、核粒子の全質量に対して、質量基準で、0.01倍量〜100倍量、0.05倍量〜50倍量、又は0.1倍量〜20倍量の薬物が含まれる量の薬物溶解液又は懸濁液を噴霧すればよい。
核粒子が薬物溶解液又は懸濁液によりコーティングされた形態とは、薬物溶解液又は懸濁液が核粒子の表面の少なくとも一部に存在している状態であればよい。薬物溶解液又は懸濁液が核粒子の表面の1/4以上をコーティングしていることが好ましく、1/2以上をコーティングしていることがより好ましい。また、薬物溶解液又は懸濁液が核粒子の表面の全体をコーティングしていることが最も好ましい。更に、コーティング時に薬物溶解液又は懸濁液は核粒子中に浸潤してもよく、それにより核粒子内部にまで薬物が存在する形態となっていてもよい。

0038

薬物溶解液又は懸濁液を核粒子上にコーティング(被覆)する際の、速度、時間、液温度及び乾燥条件等は、薬物溶解液又は懸濁液中のラベプラゾールナトリウムの含有量、薬物溶解液又は懸濁液の粘度、有機溶媒の種類等に応じて適宜設定することができる。薬物溶解液又は懸濁液の核粒子上へのコーティングとして、薬物溶解液又は懸濁液を噴霧して核粒子上にコーティングすることが挙げられる。

0039

核粒子は、例えば、後述する口腔内崩壊錠の作製において、ラベプラゾールナトリウム含有粒子又は後述する細粒を作製する際の基材となりうる粒子である。例えば、ラベプラゾールナトリウム含有粒子は、核粒子上に薬物溶解液又は懸濁液をコーティングすることで作製可能である。薬物溶解液又は懸濁液による核粒子のコーティングを容易にするために、表面が平滑な核粒子を用いたり、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の粒度分布を均一化するために、粒度分布を均一化した核粒子を用いたりすることが好ましい。

0040

核粒子は、薬理学的に許容される成分であれば特に制限されない。例えば、マンニトール、乳糖、結晶セルロース、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム無水リン酸水素カルシウム、ケイ酸カルシウム等の賦形剤、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等の安定化剤であるアルカリ性成分、薬物等が挙げられる。
また、マンニトール、乳糖、結晶セルロース、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及び薬物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有していることが好ましい。
核粒子は、原末そのものを用いてもよいし、造粒物を用いてもよいし、市販の核粒子を用いてもよい。後述する細粒を作成するにあたっては、腸溶性被膜等で均一に被覆するため、核粒子は均一な平均粒子径を持つことが好ましく、また、球状の粒子であることが好ましい。
市販の核粒子としては、ノンパレル(フロイント産業(株)製)、セルフィア(旭化成ケミカルズ(株)製)などが挙げられる。

0041

核粒子の平均粒子径は、薬物及び腸溶性被膜等の被覆を含めても十分に嚥下しやすい大きさであることが好ましいため、1μm〜350μmであることが好ましく、5μm〜250μmであることがより好ましく、10μm〜200μmであることが更に好ましい。

0042

コーティング工程に使用し得る核粒子の量は、医薬組成物に含有されるラベプラゾールナトリウムの全質量に応じて適宜設定すればよい。
例えば、医薬組成物全質量に対して10mg〜20mgのラベプラゾールナトリウムを含有する場合には、ラベプラゾールナトリウムの全質量に対し、0.05倍〜100倍の核粒子を用いることが好ましく、0.1倍〜20倍の核粒子を用いることがより好ましく、又は0.5〜5倍の核粒子を用いることが更に好ましい。

0043

薬物溶解液又は懸濁液調製工程及びコーティング工程により、本発明にかかる医薬組成物を得ることができる。また、薬物溶解液又は懸濁液調製工程及びコーティング工程により、ラベプラゾールナトリウム含有粒子を含む医薬組成物を得ることができる。
更に本発明の医薬組成物の製造方法は、薬物溶解液又は懸濁液調製工程及びコーティング工程の他に、必要に応じて、細粒調製工程、混合工程、打錠工程、乾燥工程等を含んでいてもよい。

0044

(細粒調製工程)
細粒調製工程としては、例えば、薬物溶解液又は懸濁液調製工程及びコーティング工程により得られたラベプラゾールナトリウム含有粒子を後述する腸溶性被膜により被覆して細粒を調製する工程等が挙げられる。

0045

細粒調製工程において、ラベプラゾールナトリウム含有粒子を腸溶性被膜で被覆する方法としては、ラベプラゾールナトリウム含有粒子が腸溶性被膜で覆われた形態をとるように被覆し得るものであれば、その方法は特に制限されない。被覆方法としては、例えば、流動層造粒法、攪拌造粒法スプレードライ等が挙げられる。

0046

ラベプラゾールナトリウム含有粒子が腸溶性被膜で覆われた形態とは、腸溶性被膜がラベプラゾールナトリウム含有粒子の表面の少なくとも一部に存在している状態であればよい。腸溶性被膜がラベプラゾールナトリウム含有粒子の表面の1/4以上を被覆していることが好ましく、1/2以上を被覆していることがより好ましい。また、腸溶性被膜がラベプラゾールナトリウム含有粒子の表面の全体を被覆していることが最も好ましい。

0047

流動層造粒法によりラベプラゾールナトリウム含有粒子を腸溶性被膜で被覆する場合には、例えば、水、エタノール等の薬理学的に許容される溶媒に、腸溶性被膜構成成分を溶解又は懸濁した液を、ラベプラゾールナトリウム含有粒子に被覆すればよい。
薬理学的に許容される溶媒に腸溶性被膜構成成分を溶解又は懸濁する方法としては、公知の方法に従えばよく、腸溶性被膜構成成分の溶液又は懸濁液の濃度としては、例えば、1質量/質量%〜30質量/質量%、2質量/質量%〜20質量/質量%、又は3質量/質量%〜15質量/質量%等が挙げられる。

0048

腸溶性被膜構成成分を溶解又は懸濁した液をラベプラゾールナトリウム含有粒子に被覆する量は、ラベプラゾールナトリウム含有粒子が腸溶性被膜で覆われた形態になる量であれば特に制限されない。例えば、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の全質量に対して、質量基準で、0.01倍〜100倍、0.1倍〜50倍、又は1倍〜20倍の質量の腸溶性被膜構成成分を、薬理学的に許容される溶媒に溶解又は懸濁して、ラベプラゾールナトリウム含有粒子に被覆すればよい。
被覆する速度、時間、液温度又は乾燥条件等は、腸溶性被膜構成成分又は溶媒の種類等により適宜設定すればよい。

0049

腸溶性被膜は、腸溶性被膜構成成分として、腸溶性コーティング剤を含むことが好ましい。腸溶性コーティング剤とは、酸性pHでは実質的に不溶性であるが、より弱い酸性pHからアルカリ性pHでは少なくとも部分的に可溶性を示す腸溶性ポリマーであれば特に制限されない。酸性pHとは、約0.5〜約4.5のpHを示し、好ましくは、約1.0〜約2.0のpHである。より弱い酸性pHからアルカリ性pHとは、約5.0〜9.0を示し、好ましくは約6.0〜約7.5である。
腸溶性コーティング剤が可溶性を示すとは、20℃の接触する溶液への溶解度が、10g/L以上であることを意味する。

0050

腸溶性コーティング剤としては、例えば、腸溶性セルロース誘導体腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
腸溶性セルロース誘導体としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートカルボキシメチルエチルセルロース等が挙げられる。
腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体としては、メタクリル酸共重合体及びアクリル酸共重合体が挙げられ、具体的には、メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体アクリル酸メチルメタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
中でも、腸溶性コーティング剤としては、高濃度でも低粘度で微粒子コーティングが容易であるという観点で、(メタ)アクリル酸共重合体が好ましい。

0051

腸溶性セルロース誘導体及び腸溶性アクリル酸共重合体としては、市販品を用いることができる。腸溶性セルロース誘導体の市販品としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(商品名:AQOAT、信越化学工業(株)製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HPMCP、信越化学工業(株)製)、カルボキシメチルエチルセルロース(商品名:CMEC、フロイント産業(株)製)等が挙げられる。腸溶性アクリル酸共重合体の市販品としては、メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(商品名:オイドラギットL100、オイドラギットS100、エボニック社製)、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体(商品名:オイドラギットL100−55、オイドラギットL30D55、エボニック社製)、アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸コポリマー(商品名:オイドラギットFS30D、エボニック社製)等が挙げられる。

0052

腸溶性コーティング剤は、その目的に応じて、いずれかの成分を1種単独で使用してもよく、性質が同様の2種以上又は性質の異なる2種以上の成分を組み合わせて使用してもよい。また、腸溶性コーティング剤として2種以上の成分を組み合わせて用いる場合には、例えば多層構造の形になるように使用することもできる。
本発明の製造方法において、使用し得る腸溶性コーティング剤の量は、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。

0053

腸溶性被膜は、腸溶性被膜構成成分として腸溶性コーティング剤の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、成形性の向上や服用を便利にする賦形剤として機能し得る成分や、成形性の向上に寄与する結合剤として機能し得る成分、製造性の向上に寄与する滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分、膜の可塑性を向上させる可塑剤として機能し得る成分、コーティング液のpHを調整するpH調整剤等が挙げられる。

0054

成形性の向上や服用を便利にする賦形剤として機能し得る成分としては、具体的には、糖、糖アルコール、結晶セルロース、デンプン等が挙げられる。
成形性の向上に寄与する結合剤として機能し得る成分としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
製造性の向上に寄与する滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分としては、タルク、軽質無水ケイ酸、モノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸ステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウムフマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。
膜の可塑性を向上させる可塑剤として機能し得る成分としては、クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートクエン酸アセチルトリエチルクエン酸トリブチルアセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。
pH調整剤としてはクエン酸、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
腸溶性被膜構成成分として使用し得る他の成分は、1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。

0055

腸溶性被膜の含有量は、細粒の全質量に対して、5質量%〜70質量%、10質量%〜60質量%、15質量%〜50質量%等にすることができる。

0056

細粒の体積平均粒子径は、1mm以下であることが好ましく、750μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることが更に好ましい。
また、細粒の体積平均粒子径は、50μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、300μm以上であることが更に好ましい。

0057

(混合工程)
混合工程は、細粒と賦形剤とを混合して混合末を調製する工程である。また、混合工程においては、細粒と、賦形剤と、賦形剤以外の薬理学的に許容し得るその他の製剤用添加物(崩壊剤、滑沢剤、結合剤等)とを混合することもできる。
細粒と賦形剤とを混合する方法は、細粒と賦形剤とを混合することができれば、その混合方法は特に制限されない。混合方法としては、例えば、V型混合器(筒井理化学器械(株)製)、流動層造粒機(パウレック(株)製)等の公知の混合器を用いて、混合することが挙げられる。
混合に要する時間等の混合条件は、調製された細粒及び賦形剤の種類により適宜調製することができる。

0058

賦形剤としては、賦形剤として機能し得る成分であれば、公知のものを使用することができる。例えば、糖、糖アルコール、結晶セルロース、無水リン酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
糖としては、例えば、乳糖、白糖、マルトース、トレハロース、デキストリン等が挙げられる。
糖アルコールとしては、例えば、D−マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ラクチロール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。これらの糖アルコールの中でも、口腔内崩壊錠の溶解性の点から、D−マンニトール及びエリスリトールが好ましい。
結晶セルロースは、市販品を用いることもできる。市販品としては、セオラス(旭化成ケミカルズ(株)製)、Pharmacel(DFE Pharma社製)等を使用することができる。
賦形剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
賦形剤の含有量は、ラベプラゾールナトリウムの含有量、細粒の平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。

0059

崩壊剤としては、崩壊剤として機能し得る成分であれば、公知のものを使用することができる。例えば、トウモロコシデンプンやバレイショデンプン等のデンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。
これら崩壊剤の中でも、崩壊性の点から、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースがより好ましい。
崩壊剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
崩壊剤の含有量は、ラベプラゾールナトリウムの含有量、細粒の平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。

0060

滑沢剤としては、滑沢剤として機能し得る成分であれば、公知のものを使用することができる。例えば、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。フマル酸ステアリルナトリウムは、例えば、JRSPHARMA社等から、市販品として入手することができる。
滑沢剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
滑沢剤の含有量は、ラベプラゾールナトリウムの含有量、細粒の平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。

0061

結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
結合剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
結合剤の含有量は、ラベプラゾールナトリウムの含有量、細粒の平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。
製剤用添加物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
製剤用添加物の含有量は、ラベプラゾールナトリウムの含有量、細粒の平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。

0062

(打錠工程)
打錠工程は、混合末を打錠して打錠物を調製する工程である。
打錠工程において、混合末を打錠する方法としては、この目的で一般に適用されている方法をそのまま適用すればよく、特に制限されない。
打錠する際の温度としては、特に制限されず、適宜決定することができ、例えば20℃〜40℃のような通常の温度条件を適用することができる。

0063

打錠工程に適用しうる打錠機としては、例えば、ロータリー打錠機(製品名:HT−P18A、鉄工所(株)製)、高速回転式錠剤機(製品名:AQUARIUS G、製作所(株)製)が挙げられる。

0064

(乾燥工程)
乾燥工程は、打錠物を乾燥する工程である。
一般的に水分は錠剤中のラベプラゾールナトリウムの保存安定性を低下させることが多いが、乾燥工程を行うことにより、錠剤中のラベプラゾールナトリウムの保存安定性を向上させることができる。
乾燥工程において、打錠物を乾燥する方法としては、この目的で一般に適用されている方法をそのまま適用すればよく、特に制限されない。例えば、真空乾燥流動層乾燥等が挙げられる。

0065

本発明の医薬組成物は、更に、崩壊剤、滑沢剤、賦形剤、結合剤、甘味剤矯味剤、流動化剤、香料着色料等の医薬品の製造に一般的に用いられる製剤用添加物として公知の成分を含んでいてもよい。
また、医薬組成物としては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤などが挙げられるが、中でも錠剤が好ましく、特に口腔内崩壊錠が好ましい。

0066

本発明により得られる口腔内崩壊錠の大きさ及び形状は、医薬上許容されるものであれば特に限定されない。円形錠の場合は、直径7mm〜12mm、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは直径8mm〜11mm、厚さ3.5mm〜6.5mm等が挙げられ、変形錠の場合は、短径:4mm〜8mm、長径8mm〜18mm、好ましくは短径:4mm〜6.5mm、長径:8mm〜15mm等が挙げられ、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは3.5mm〜6.5mm等が挙げられる。
また、本発明の口腔内崩壊錠の硬度は、特に制限されないが、崩壊性、輸送安定性、自動分包機利用性等の観点から、錠剤硬度計による測定で、20N/m2以上100N/m2以下であることが好ましく、30N/m2以上70N/m2以下であることがより好ましい。

0067

本発明の口腔内崩壊錠において、口腔内において錠剤の一部が崩壊したことを確認できた時間を崩壊時間とする。口腔内崩壊錠の崩壊時間は30秒未満であることが好ましく、崩壊時間は20秒未満であることがより好ましい。

0068

≪医薬組成物≫
本発明の医薬組成物は、本発明のラベプラゾールナトリウム含有粒子を含む組成物である。本発明のラベプラゾールナトリウム含有粒子は、核粒子上にラベプラゾールナトリウムがコーティングされたものである。

0069

また、本発明の医薬組成物は、ラベプラゾールナトリウム含有粒子を、腸溶性被膜により被覆した細粒を含むことが好ましい。更に、医薬組成物は、ラベプラゾールナトリウム含有粒子と腸溶性被膜とを隔てる中間層を含むことが好ましい。ラベプラゾールナトリウム含有粒子、腸溶性被膜及び細粒については医薬組成物の製造方法の項で説明した事項が適用できる。

0070

(中間層)
中間層は、ラベプラゾールナトリウム含有粒子を被覆し、腸溶性被膜とラベプラゾールナトリウム含有粒子とを隔て、腸溶性被膜とラベプラゾールナトリウム含有粒子との接触を防止する層である。
中間層は、ポリマーを含むことができ、例えば、水溶性ポリマー水不溶性ポリマーアルカリ性ポリマー等を含むことができる。また、中間層は後述するように、1つ以上の層から構成されていればよく、中間層は2層又はそれ以上の複数の層であってもよい。

0071

中間層に含まれる水溶性ポリマーとしては、接触する溶液のpH値に依存することなく、酸性、中性及びアルカリ性のいずれの溶液にも溶解しうる成分であれば特に制限されず、公知のものを用いることができる。
また、水溶性ポリマーとしては、中間層を被覆する腸溶性被膜が腸で溶解した後に、被覆したラベプラゾールナトリウムの溶出を妨げない水溶性ポリマーが好ましい。
本明細書において水溶性ポリマーとは、20℃の水への溶解度が、10g/L以上であるポリマーを意味する。

0072

水溶性ポリマーとしては、具体的には、水溶性セルロース誘導体水溶性ビニルポリマー誘導体水溶性アクリル酸共重合体多価アルコールポリマー又はこれらの共重合体が挙げられる。好ましくは、水溶性セルロース誘導体及び水溶性ビニルポリマー誘導体が挙げられ、より好ましくは水溶性セルロース誘導体が挙げられる。
具体的には、水溶性セルロース誘導体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。水溶性ビニルポリマー誘導体としては、ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドン等が挙げられる。水溶性アクリル酸共重合体としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステル等を含むポリマーで、酸性、中性及びアルカリ性のいずれの水溶液にも溶解しうるポリマーが挙げられる。多価アルコールポリマーとしては、マクロゴール又はポリグリセリン等が挙げられる。これらのポリマーの共重合体としては、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレングリコールポリビニルアルコールグラフト共重合体ビニルピロリドンビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
水溶性ポリマーとしては、中でも、ラベプラゾールナトリウム含有粒子コーティングに適した粘度や結着性を示すため、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。

0073

水溶性ポリマーは、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(商品名:POVACOAT、大同化成製工業(株)製)、ポリエチレングリコール・ポリビニルアルコールグラフト共重合体(商品名:Kollicoat IR、BASF社製)、ビニルピロリドン・ビニルアルコール共重合体(商品名:Kollicoat VA64、BASF社製)等が挙げられる。
水溶性ポリマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中間層に含まれる水溶性ポリマーの含有量は、ラベプラゾールナトリウムの含有量、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。
例えば、水溶性ポリマーの含有量は、中間層を構成する膜成分の全質量に対して、0質量%〜100質量%、15質量%〜80質量%、30質量%〜60質量%にすることができる。

0074

中間層に含まれる水不溶性ポリマーとしては、接触する溶液のpH値に依存することなく、酸性、中性及びアルカリ性のいずれの溶液にも溶解しない成分であれば特に制限されず、公知のものを用いることができる。
また、水不溶性ポリマーとしては、中間層を被覆する腸溶性被膜が腸で溶解した後に、被覆したラベプラゾールナトリウムを徐放するなど、ラベプラゾールナトリウムの溶出を制御するポリマーであることが好ましい。
本明細書において水不溶性ポリマーとは、20℃の水への溶解度が、10g/L未満であるポリマーを意味する。

0075

水不溶性ポリマーとしては、水不溶性セルロースエーテル水不溶性アクリル酸共重合体等が挙げられる。水不溶性セルロースエーテルとしては、エチルセルロース等が挙げられる。水不溶性アクリル酸共重合体としては、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体分散液等が挙げられる。

0076

水不溶性ポリマーとしては、市販品を用いることもできる。水不溶性セルロースエーテルの市販品としては、エチルセルロース水分散液(商品名:Aquacoat ECD、FMC社製)等が挙げられる。水不溶性アクリル酸共重合体の市販品としては、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(商品名:オイドラギットRS、エボニック社製)、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体分散液(商品名:Eudragit NE30D、エボニック社製)等が挙げられる。

0077

水不溶性ポリマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中間層に含まれる水不溶性ポリマーの含有量は、ラベプラゾールナトリウムの含有量、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。
例えば、水不溶性ポリマーの含有量は、中間層を構成する成分の全質量に対して、0質量%〜100質量%、15質量%〜80質量%、30質量%〜60質量%にすることができる。

0078

中間層に含まれるアルカリ性ポリマーとしては、ポリマーの水溶液又は水懸濁液がアルカリ性を示すポリマーであれば特に制限されず、公知のものを用いることができる。具体的には、ポリマーの水溶液又は水懸濁液のpHが約7.5以上を示すポリマーであり、好ましくは、8.5以上を示すポリマーである。

0079

アルカリ性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体等が挙げられる。

0080

アルカリ性ポリマーとしては、市販品を用いることもできる。例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(商品名:AEA、三菱化学フード(株)製)、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体(商品名:オイドラギットE100、エボニック社製)、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体(商品名:Kollicoat Smartseal 30D、BASF社製)等が挙げられる。

0081

アルカリ性ポリマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中間層に含まれるアルカリ性ポリマーの含有量は、ラベプラゾールナトリウムの含有量、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。例えば、アルカリ性ポリマーの含有量は、中間層を構成する膜成分の全質量に対して、0質量%〜100質量%、15質量%〜80質量%、30質量%〜60質量%にすることができる。

0082

中間層は、ポリマーの他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。中間層に含まれる他の成分としては、成形性の向上や服用を便利にする賦形剤として機能し得る成分や、成形性の向上に寄与する結合剤として機能し得る成分、製剤の崩壊を促進する崩壊剤として機能し得る成分、製造性の向上に寄与する滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分等を含んでいてもよく、1つの成分が2つ以上の機能を担うものであってもよい。賦形剤として機能し得る成分、結合剤として機能し得る成分、滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分としては、医薬組成物の製造方法の項で説明した事項をそのまま適用する。

0083

崩壊剤として機能し得る成分としては、例えば、トウモロコシデンプンやバレイショデンプン等のデンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。

0084

中間層がラベプラゾールナトリウム含有粒子を被覆した形態とは、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の表面の少なくとも一部に中間層が存在している状態であればよい。中間層が、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の表面の1/4以上を被覆していることが好ましく、1/2以上を被覆していることがより好ましい。また、中間層がラベプラゾールナトリウム含有粒子の表面の全体を被覆していることが最も好ましい。

0085

ラベプラゾールナトリウム含有粒子を中間層で被覆する際の中間層の被覆量は、ラベプラゾールナトリウム含有粒子が中間層で被覆された形態になる量であれば特に制限されない。例えば、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の被覆に用いる中間層の質量は、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の全質量に対して、0.01倍量〜50倍量、0.1倍量〜5倍量、又は0.2倍量〜1倍量であることが挙げられる。
また、中間層の形成に際しては、ラベプラゾールナトリウム含有粒子の全質量に対して、質量基準で、0.01倍量〜50倍量、0.1倍量〜5倍量、又は0.2倍量〜1倍量の質量の中間層を構成する成分を、薬理学的に許容される溶媒に溶解又は懸濁して、ラベプラゾールナトリウム含有粒子に噴霧すればよい。

0086

中間層は、前述の通り、1つ以上の層から構成されていればよく、中間層は2層又はそれ以上の複数の層からなっていてもよい。
複数の中間層を設けることにより、ラベプラゾールナトリウム含有粒子に含まれるラベプラゾールナトリウムの保存安定性を向上することができるため、中間層は2層又はそれ以上の複数の層からなっていることが好ましい。
2層又はそれ以上の複数の層の中間層を設ける場合には、組成を変えた複数の中間層コーティング液を、それぞれの中間層コーティング液ごとに複数回に分けて、ラベプラゾールナトリウム含有粒子に噴霧すればよい。

0087

医薬組成物は、更に、崩壊剤、滑沢剤、賦形剤、結合剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料、着色料等の医薬品の製造に一般的に用いられる製剤用添加物として公知の成分を含んでいてもよい。
また、医薬組成物としては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤などが挙げられるが、中でも錠剤が好ましく、特に口腔内崩壊錠が好ましい。

0088

医薬組成物が口腔内崩壊錠である場合には、口腔内崩壊錠は、崩壊剤、滑沢剤、賦形剤、結合剤等の製剤用添加物を含有していることが好ましい。各成分の具体例については、医薬組成物の製造方法の項で説明した事項をそのまま適用する。

0089

崩壊剤として機能し得る成分の中でも、医薬組成物が口腔内崩壊錠である場合には、崩壊性の点から、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有していることが好ましい。
崩壊剤として機能し得る成分の含有量は、適宜設定することができるが、細粒の全質量に対し、0.01倍量〜5倍量であることが好ましく、0.05倍量〜1倍量であることがより好ましく、0.1倍量〜0.5倍量であることが更に好ましい。

0090

賦形剤として機能し得る成分の中でも、医薬組成物が口腔内崩壊錠である場合には、口腔内崩壊錠の溶解性の点から、マンニトール、エリスリトール、結晶セルロースを含有していることが好ましい。
賦形剤として機能し得る成分の含有量は、適宜設定することができるが、細粒の全質量に対し、0.1倍量〜10倍量であることが好ましく、0.2倍量〜8倍量であることがより好ましく、0.3倍量〜5倍量であることが更に好ましい。

0091

製剤用添加物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
製剤用添加物の含有量は、ラベプラゾールナトリウムの含有量、口腔内崩壊錠の平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。

0092

医薬組成物が口腔内崩壊錠である場合には、例えば、口腔内崩壊錠1錠に対して、10mg〜20mgのラベプラゾールナトリウムを含有することが好ましい。

0093

医薬組成物が口腔内崩壊錠である場合には、例えば、口腔内崩壊錠の大きさ及び形状は医薬上許容されるものであれば特に限定されない。円形錠の場合は、直径7mm〜12mm、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは直径8mm〜11mm、厚さ3.5mm〜6.5mm等が挙げられ、変形錠の場合は、短径:4mm〜8mm、長径8mm〜18mm、好ましくは短径:4mm〜6.5mm、長径:8mm〜15mm等が挙げられ、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは3.5mm〜6.5mm等が挙げられる。

0094

口腔内崩壊錠の崩壊時間は30秒未満であることが好ましく、崩壊時間は20秒未満であることがより好ましい。

0095

口腔内崩壊錠を製造する方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、細粒と、崩壊剤、滑沢剤、賦形剤、結合剤等の製剤用添加物とを、混合して、混合物を得て、得られた混合物を打錠機で打錠することにより口腔内崩壊錠を得ることができる。
細粒と、製剤用添加物とを混合する方法は特に制限されない。例えば、V型混合器(筒井理化学器械(株)製)、流動層造粒機(パウレック(株)製)等の公知の混合器を用いて混合することができる。
また、得られた混合物を打錠する方法も特に制限されない。例えば、ロータリー打錠機(製品名HT−P18A、(株)畑鉄工所製)等の公知の打錠機を用いて打錠することができる。

0096

以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。

0097

(実施例1)
エタノール10mLにヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC−SSL、日本曹達(株)製)0.15gを溶解させた液に、ラベプラゾールナトリウム1.5gを溶解させて薬物溶解液を調製した。核粒子として平均粒子径150μm〜250μmのマンニトールの球状顆粒(商品名:ノンパレル−108(200)、フロイント産業(株)製)を用いた。この核粒子6gを撹拌しながら、薬物溶解液0.4mLを核粒子同士が凝集しないように徐々に加え、核粒子上にラベプラゾールナトリウムをコーティングした。これを12時間以上真空乾燥させて、ラベプラゾールナトリウム含有粒子を得た。

0098

(実施例2、3)
エタノール10mLにヒドロキシプロピルセルロース0.15gと安定化剤0.15g(酸化マグネシウム(実施例2)、炭酸マグネシウム(実施例3))を溶解又は懸濁させた液に、ラベプラゾールナトリウム1.5gを溶解させた。平均粒子径150μm〜250μmのマンニトールの球状顆粒6gを撹拌しながら上記の溶解液0.4mLを核粒子同士が凝集しないように徐々に加え、核粒子上にラベプラゾールナトリウムをコーティングした。これを12時間以上真空乾燥させてラベプラゾールナトリウム含有粒子を得た。

0099

(比較例1〜3)
実施例1〜3のエタノールを精製水に代えた以外は、実施例1〜3と同様にして比較例1〜3のラベプラゾールナトリウム含有粒子を得た。

0100

試験例1)
実施例1〜3及び比較例1〜3で得たラベプラゾールナトリウム含有粒子を、ガラス瓶に入れて封をせず60℃の条件にて保存した。保存開始から6日間経過後、各ラベプラゾールナトリウム含有粒子中のラベプラゾールナトリウムの類縁物質の量を高速液体クロマトグラフィーにより測定し、表1の結果を得た。

0101

高速液体クロマトグラフィーの測定条件は以下のとおりである。
抽出溶媒:メタノール/pH7.0の0.05mol/Lリン酸塩緩衝液混液(1:1)
検出器紫外吸光光度計測定波長:290nm)
カラム内径6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィーオクタデシルシリル化シリカゲル充てんしたもの
カラム温度:30℃
移動層:メタノール及びpH7.0の0.05mol/Lリン酸塩緩衝液によるグラジエント法

0102

0103

表1の結果から本発明に係る実施例は、安定化剤の有無及び安定化剤の種類によらずラベプラゾールナトリウムの分解が抑制され、保存安定性に優れることが明らかになった。
水を溶媒とした比較例においては、本発明に係る実施例に対して保存安定性が劣ることが明らかになった。

0104

各種有機溶媒及び精製水において、ラベプラゾールナトリウムの薬物溶解液又は懸濁液を調製し、液の状態での安定性を比較した。
(実施例4、7〜13)
エタノール(実施例4)10mLに、ヒドロキシプロピルセルロース0.15gを溶解させた液に、ラベプラゾールナトリウム1.5gを溶解又は懸濁させた。実施例9では白濁した懸濁液が得られた。実施例10では溶け残りが生じた。それ以外の液では溶解液が得られた。また、実施例7〜13は、実施例4のエタノールに代えて以下の溶媒を使用した。メタノール(実施例7)、2−プロパノール(実施例8)、アセトン(実施例9)、アセトニトリル(実施例10)、ジクロロメタン(実施例11)、ジメチルホルムアミド(実施例12)、テトラヒドロフラン(実施例13))

0105

(実施例5、6)
エタノール10mLに、ヒドロキシプロピルセルロース0.15gと安定化剤0.15g(酸化マグネシウム(実施例5)、炭酸マグネシウム(実施例6))を溶解又は懸濁させた液に、ラベプラゾールナトリウム1.5gを溶解させた。

0106

(比較例4〜6)
実施例4〜6のエタノールを精製水に代えた以外は、実施例4〜6と同様にして比較例4〜6の溶解液又は懸濁液を得た。

0107

(試験例2)
実施例4〜13及び比較例4〜6で得た薬物溶解液又は懸濁液を、約25℃の条件の下24時間弱く撹拌し続けた後、各溶解液又は懸濁液中のラベプラゾールナトリウムの類縁物質の量を高速液体クロマトグラフィーにより測定し、表2の結果を得た。なお、原薬の項は、いずれの溶媒にも溶解しなかった原薬中の類縁物質の量を測定した結果である。

0108

高速液体クロマトグラフィーの測定条件は試験例1と同様である。

0109

0110

表2の結果から、各種有機溶媒(実施例13のテトラヒドロフランを除く)に溶解させたラベプラゾールナトリウムは、安定化剤の有無及び安定化剤の種類によらずラベプラゾールナトリウムの分解が抑制され、保存安定性に優れることが明らかになった。ラベプラゾールナトリウムを核粒子にコーティングするにあたり、薬物溶解液又は懸濁液を調製してからコーティングが終了するまでの間、ラベプラゾールナトリウムは溶解又は懸濁された状態であるため、溶解液又は懸濁液中においても分解が抑制される必要がある。また、溶解液又は懸濁液中における分解が抑制された液を用いることにより、分解を抑制したまま本発明に係る医薬組成物を製造することが可能となる。

0111

水を溶媒とした比較例においては、本発明に係る実施例に対して保存安定性が劣ることが明らかになった。

0112

実施例において使用した各種有機溶媒及び水の1atmにおける沸点を表3に示す。

実施例

0113

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